JP5545536B2 - ウェーハの研磨方法、研磨パッド、研磨装置 - Google Patents

ウェーハの研磨方法、研磨パッド、研磨装置 Download PDF

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Description

本発明はウェーハの研磨方法、研磨パッド、研磨装置に関し、研磨液の使用量を削減可能な技術に関する。
一般的な半導体ウェーハなどの製造工程においては、単結晶インゴットをワイヤーソーなどでスライスして薄円盤状のウェーハを生成し、得られたウェーハの割れ、欠けを防止するためにその外周部を面取りし、ラッピングを行なってウェーハの表面を平面化する。その後、面取り及びラッピングされたウェーハに残留する加工歪みを除去するためにエッチングを行ない、さらに、ウェーハ表面を鏡面化する鏡面研磨を行なった後に、ウェーハに付着した研磨剤や異物を除去するために洗浄を行っている。
通常、ウェーハの研磨は、1次研磨、2次研磨、仕上げ研磨等の多段研磨とし、高精度になるほど研磨する回数が増える傾向である。研磨手法は、多段研磨の全てにおいて研磨パッドとウェーハとの間にスラリー(研磨液)を供給しながら加圧した状態で相対的に摺動させて化学的作用と機械的研磨の複合作用によってウェーハ表面を平坦化する、いわゆるCMP技術によって行なわれる。
上記1次研磨においては、研磨液が大量に用いられるため、従来から研磨装置から排出される研磨液を回収し、フィルターを通し、pHを調整し研磨液の排出量を削減している。この場合、リンス等の混入を避けるため、回収率は70%程度となっている。しかし、研磨液を回収し、再度使用する方法では以下の理由により品質を安定させることが困難である。第1に、研磨液は研磨に用いることにより研磨液のpHが変化する。よって再使用の際にはpHの調整が必要となるが、使用前のpHに一致させることは困難であるため、研磨レート、被研磨面の平坦度が変化し、これによりウェーハの品質にバラつきが生じていた。第2に、研磨液を回収することにより研磨液に不純物が混入する。粗大な異物は研磨中のウェーハにキズを形成し、特に金属不純物はウェーハの汚染となる。よって粗大異物を除去するためには、研磨液供給ラインに粗大異物を捕捉するフィルターを設けることになるが、フィルターの交換、フィルターの濾過精度を維持することは困難である。またウェーハの汚染を防止するため、金属不純物に対しては、研磨剤にキレート剤を含有させ、キレート化合物内に金属不純物を取り込み、金属不純物を被研磨面に対して不活性にすることが可能であるが、完全に金属不純物を取り込むことは困難である。
図4に第1の従来技術に係る研磨液供給装置を示す。このような問題を解決するため、特許文献1においては、図4に示すように、表面に溝が形成され、ウェーハ104の研磨を行なう研磨パッド102の前記表面の研磨液を供給する装置において、上下に延びる複数の糸状の部材を束ねた刷毛状部材106と、前記刷毛状部材106の下端を前記研磨パッド102表面に近接、又は接触させる手段と、前記刷毛状部材106との間に働く界面張力によって生じる毛細管現象により前記刷毛状部材106を均一に流下する程度の量の研磨液を、前記刷毛状部材の上部へ供給する研磨液供給手段108と、前記研磨パッド102を前記刷毛状部材106に対して相対的に移動させる手段と、を備え、前記研磨パッド102表面に近接、又は接触した状態の前記刷毛状部材106の上部に供給された前記研磨液を、該刷毛状部材106に沿って流下させて前記研磨パッド102表面に供給することを特徴とする研磨パッド102への研磨液供給装置100が開示されている。これにより、少量の研磨液(スラリー)、又は薬液であっても研磨パッド102上に均一に供給され、ウェーハ104研磨面にスクラッチなどの問題を発生させず、低コストで高精度なウェーハ104の研磨が可能となっている。
また、特許文献2には、シリコンウェーハを押圧し、前記シリコンウェーハとの間にアルカリ性溶液を研磨液として供給しながら前記シリコンウェーハとの相対運動により前記シリコンウェーハを研磨するための固定砥粒研磨パッド、及びこれを用いたシリコンウェーハの研磨方法が開示されている。すなわち、特許文献2においては、遊離砥粒を含有した研磨液を使用せずに、研磨パッドに砥粒を含有させるCMP法が提案されている。このCMP法では、大部分の砥粒(例えばシリカ)が研磨に寄与して消費されるので、廃液中に殆ど砥粒が残留することはない。したがって、廃液を濾過して再利用することが可能となる。また砥粒が無駄に消費されることがないので、研磨工程のランニングコストを大幅に低減することも可能である。
一方、特許文献3には、図5に示すように、研磨定盤202を基板204に対して相対的に移動させて基板204を研磨する研磨装置200であって、前記研磨定盤202上に設けられた研磨布206と、前記基板204の研磨面204aと前記研磨布206の表面206aとが粘性流体208の流速が及ぶ距離だけ離間するように該基板204を保持するキャリアヘッド210と、離間した前記基板204と前記研磨布206との間に前記粘性流体208を供給する粘性流体供給機構とを備え、前記研磨布206は、前記粘性流体208を供給する粘性流体供給穴212を有する研磨装置200が開示されている。これにより、研磨速度を向上させるとともに、研磨速度の面内均一性を向上させることができる。
また、特許文献4には、研磨布本体の表面に形成された溝を有しかつワークの研磨処理に用いられる溝入り研磨布が開示されている。これにより被研磨面の平坦化を向上させることができる。
特開2008−183712号公報 特開2004−337992号公報 特開2005−217002号公報 特開2003−163192号公報
しかし、特許文献1、3においては研磨液の供給量を削減することは可能であるが、研磨中常時研磨液を供給することになるので研磨液の削減量には限界がある。特許文献2においては、砥粒を含有せず安価なアルカリ液を研磨液として用いることができるが、固定砥粒研磨パッド自体、高価なものとなり、研磨液を回収しながら研磨を行う方法と比較し、逆に高価な研磨方法となる。さらに研磨パッド自体が砥粒により硬くなるので、研磨パッドのパッド面を最適形状に形成することが困難となっている。特許文献4においては、研磨液の少量化は困難であるとともに、研磨布に形成された溝により被研磨面にパターンが形成されるという問題がある。
そこで本発明は上記問題点に着目し、研磨液の使用量を削減するとともに良好な被研磨面を形成可能なウェーハの研磨方法、研磨パッド、研磨装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るウェーハの研磨方法は、第1には、研磨液が供給された研磨パッドにウェーハの被研磨面を圧接し、前記ウェーハと前記研磨パッドとの相対運動により前記被研磨面を研磨するウェーハの研磨方法であって、前記研磨パッドを、前記研磨液が含浸する研磨層と、前記研磨パッドを回転させる定盤に接着する接着層と、前記研磨層と前記接着層との間に介装された中間層と、により形成し、前記研磨層の表面で開口するとともに前記中間層の前記研磨層側の面を底面とし前記研磨液を貯留可能な貯留部を前記研磨層ドット状に形成し、前記研磨液を前記研磨層に含浸させ、かつ前記貯留部に前記研磨液を貯留させた状態で前記被研磨面を研磨し、前記被研磨面の研磨に伴い前記研磨層から排出される研磨液の分だけ前記貯留部に供給された研磨液を前記研磨層に含浸させつつ前記被研磨面の研磨を行うことを特徴とする。また、前記研磨液の供給を、前記被研磨面の研磨加工前若しくは前記研磨加工初期のみ行なうことを特徴とする。
上記方法により、研磨に必要とされる研磨液が貯留部から供給されることになるので、研磨液の供給は研磨加工前、若しくは研磨加工初期のみ行えばよい。
したがって、研磨液を常時供給する必要はなく研磨液の使用量を大幅に削減することができる。
第2には、前記ウェーハを、リテーナリングを有する研磨ヘッドにより保持するとともに前記研磨パッドに圧接させることを特徴とする。
上記方法により、ウェーハの脱落を防止してウェーハ生成の歩留を高めることができるとともに、ウェーハの平坦度を向上させることができる。
第3には、前記研磨パッドを、厚さが0.5mm以上で3.0mm以下となるように形成したことを特徴とする。
本願発明者は、研磨パッドの厚さが0.5mm以下であると研磨パッドの研磨液を蓄える量が不足し、逆に3.0mm以上になると研磨パッドそのものに研磨液を含浸させるのに時間がかかり、被研磨面の品質を維持しつつ、効率よく研磨を行なうことが困難になるとの知見を得ている。したがって、研磨パッドの厚さが上述の範囲となるように形成することにより被研磨面の品質の維持と研磨工程の効率性を両立させることができる。
第4には、前記貯留部を、その開口径が0.5mm以上で10mm以下となるように形成したことを特徴とする。
本願発明者は、貯留部の開口径が0.5mm以下であると貯留部の研磨液の貯留する量が不足し、逆に10mm以上では、貯留部の形状がウェーハに転写されたり、研磨パッドの研磨時の表面温度のバラつきが発生し、被研磨面の平坦度が低下するとの知見を得ている。したがって、貯留部の厚さを上述の範囲となるように形成することにより、研磨液の供給量の削減と被研磨面の平坦性の維持を両立させることができる。
一方、本発明に係る研磨パッドは、第1には、研磨液が供給されて前記研磨液を含浸するとともにウェーハの被研磨面が圧接され、前記ウェーハとの相対運動により前記被研磨面を研磨する研磨パッドであって、前記研磨パッドは、前記研磨液が含浸する研磨層と、前記研磨パッドを回転させる定盤に接着する接着層と、前記研磨層と前記接着層との間に介装された中間層と、前記研磨層の表面にドット状に複数形成され、前記表面で開口するとともに前記中間層の前記研磨層側の面を底面とし前記研磨液を貯留可能な貯留部と、を有し、前記貯留部に前記研磨液を貯留させた状態で前記被研磨面を研磨し、前記被研磨面の研磨に伴い前記研磨層から排出される研磨液の分だけ前記貯留部に供給された研磨液を前記研磨層に含浸させることにより前記被研磨面を研磨可能とすることを特徴とする。
上記構成により、研磨に必要とされる研磨液が貯留部から供給されることになるので、研磨液の供給は研磨加工前、若しくは研磨加工初期のみ行えばよい。したがって研磨液の使用量を大幅に削減することが可能な研磨パッドとなる。
第2には、前記研磨パッドは、厚さが0.5mm以上で3.0mm以下となるように形成されたことを特徴とする。
研磨パッドの厚さが上述の範囲となるように形成することにより、被研磨面の品質の維持と研磨工程の効率性を両立させることが可能な研磨パッドとなる。
第3には、記貯留部は、その開口径が0.5mm以上で10mm以下となるように形成されたことを特徴とする。
貯留部の厚さを上述の範囲となるように形成することにより、研磨液の供給量を削減と被研磨面の平坦性の維持を両立させることが可能な研磨パッドとなる。
また本発明に係る研磨装置は、前記研磨パッドを用いて前記ウェーハを研磨可能とすることを特徴とする。
上記構成により、研磨液の使用量を削減しつつ、研磨工程の効率性を確保するとともに、被研磨面の平坦性を維持することが可能な研磨装置となる。
本発明に係るウェーハの研磨方法及び、研磨パッドによれば、研磨液の使用量を削減しつつ、研磨工程の効率性を確保するとともに、被研磨面の平坦性を維持することができる。
本実施形態に係る研磨装置と研磨パッドを示す図である。 比較例及び実施例に係るウェーハの研磨量、研磨レート、研磨Rangeの比較を示す図である。 比較例1乃至3及び実施例について仕上げ研磨を行なった場合の表面状態の比較を示す図である。 第1の従来技術に係る研磨液供給装置を示す図である。 第2の従来技術に係る研磨装置を示す図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
本実施形態のウェーハの研磨方法が適用される研磨装置および研磨パッドを図1に示す。図1(a)は研磨装置の模式図、図1(b)は研磨パッドの断面図、図1(c)は研磨パッドの表面の画像を示す。図1(a)に示すように、本実施形態の研磨装置10は、鉛直方向に回転軸を有し所定の回転数で自転する定盤12と、定盤12上に貼り付けられた研磨パッド14と、研磨パッド14に研磨液26を供給する供給手段24と、被研磨物であるウェーハ34(例えばシリコンウェーハ)を下端で保持するとともにウェーハ34の被研磨面34aを研磨パッド14に圧接する研磨ヘッド28と、研磨ヘッド28の下端の外周部に取り付けられ研磨パッド14に圧接してウェーハ34に圧接する研磨パッド14の表面形状の変形を抑制するリテーナリング30と、を有するものである。
ここで、研磨ヘッド28は研磨装置10に支持され、図1(a)に示すように下端が研磨パッド14上に載置するように配置されるとともに鉛直方向に回転軸を有し、所定の回転数で自転することができる。そして研磨ヘッド28は、リテーナリング30がウェーハ34を囲むようにエアバッグ32を介してウェーハ34を保持し、リテーナリング30を研磨パッドに当接させるとともにウェーハ34をエアバッグ32により任意の圧力で研磨パッド14に圧接させることができる。そして研磨パッド14の回転運動と研磨ヘッド28の回転運動より、研磨パッド14とウェーハ34との相対運動を発生させ、研磨パッド14に供給された研磨液26によりウェーハ34の被研磨面34aを研磨することができる。なお、リテーナリング30を用いることにより、研磨パッド14の表面形状の変形を抑制し、ウェーハ34の周縁ダレを抑制できることが知られている。
本実施形態のウェーハ34の研磨方法は、研磨液26が供給された研磨パッド14にウェーハ34の被研磨面34aを圧接し、前記ウェーハ34と前記研磨パッド14との相対運動により前記被研磨面34aを研磨するウェーハ34の研磨方法であって、前記研磨パッド14の表面16aで開口し前記研磨液26を貯留可能な貯留部22を前記表面16aにパターン状に形成し、前記研磨液26を前記研磨パッド14に含浸させ、かつ前記貯留部22に前記研磨液26を貯留させた状態で前記被研磨面34aを研磨し、前記被研磨面34aの研磨に伴い前記研磨パッド14から排出される研磨液26の分だけ前記貯留部22に供給された研磨液26を前記研磨パッド14に含浸させつつ前記被研磨面34aの研磨を行うものである。
本実施形態の研磨パッド14は、研磨装置10を構成する円形の定盤12に貼り付けられる円形のパッドであり、図1(b)に示すように、下面に定盤12に研磨パッド14を接着させる接着層18を有し、上面に研磨液26が含浸される研磨層16を有している。さらに接着層18と研磨層16との間にはポリエチレンテレフタラート(PET)等の有機物で形成された中間層20を有している。
研磨層16は、例えば乾式発泡ポリウレタンや不織布にポリウレタンを含浸させて発泡させたものにより形成されている。また図1(c)に示すように、研磨層16には、所定の間隔で複数の貯留部22が形成されている。また、貯留部22は図1(b)に示すように、研磨パッド14の研磨層16の表面16aで開口し、中間層20に達するまで研磨層16を掘り込んだ態様で形成されている。ここで貯留部22の開口の形状は、図1(c)に示すように、円形でも六角形でもよく、また四角形等の他の形状でもよい。
本実施形態の研磨パッド14の研磨層16は乾式発泡ポリウレタンにより形成されているため、研磨液26を含浸する性質を有している。よって図1(a)に示すように研磨パッド14の上方にある供給手段24から研磨液26を供給することにより、研磨液26は研磨パッド14の研磨層16の表面16aに供給されるとともに研磨層16に含浸することになる。さらに、研磨液26は研磨層16に形成された貯留部22にも貯留される。
ここで、研磨パッド14を定盤12に貼り付けて定盤12を回転させた場合、ウェーハ34は研磨パッド14との間で相対運動をし、被研磨面34aは研磨パッド14に供給された研磨液26により研磨される。一方、研磨層16の表面16aに供給された研磨液26は研磨層16の表面16aに当接するウェーハ34及びリテーナリング30によりかき出されて排出され、または定盤12の回転に伴う遠心力により排出される。よって、研磨工程を続行することにより研磨層16の表面16aの研磨液26が減少することになるが、既に研磨層16に含浸した研磨液26が研磨層16の表面16aに排出された分だけ染み出すことにより研磨を続行することができる。しかし、研磨層16に含浸できる量はわずかであるので、上述の貯留部22が無い場合は、ただちに研磨層16の表面16aの研磨液26が減少することになり、研磨を十分に行えなくなる。
しかし、本実施形態の研磨パッド14の研磨層16は、上述の貯留部22を有し、この貯留部22に研磨液26が貯留されている。そして、この貯留部22は、上端が研磨層16の表面16aにおいて開口しているのみである。よって定盤12の回転に伴う遠心力により貯留部22から研磨液26が飛び出ることはない。そして上述のように既に含浸させた研磨液26が研磨層16の表面16aに染み出た後には、貯留部22に貯留された研磨液26が貯留部22の内壁から研磨層16へ染み込んでいくので、結果的に研磨パッド14から排出された研磨液26の分だけ貯留部22に貯留された研磨液26が研磨層16に供給されることになる。このように、研磨に必要とされる研磨液26が貯留部22から供給されることになるので、研磨液26の供給は研磨加工前、若しくは研磨加工初期のみ行えばよい。したがって、研磨液26を常時供給する必要はなく研磨液26の使用量を大幅に削減することができる。
本実施形態においては、研磨に必要とされる研磨液26が貯留部22から供給される、すなわち研磨液26の供給が微量化することになるので、研磨加工の温度、即ち下降摩擦が大きくなる。よって、ウェーハ34を研磨ヘッド28により保持したのみでは、加工中のウェーハ34を保持しきれない場合が想定される。したがって、図1(a)に示すように、リテーナリング30を研磨パッド14に接触させて、ウェーハ34の脱落を防止してウェーハ34生成の歩留を高めることができるとともに、上述の理由によりウェーハ34の周縁ダレを抑制することができる。
本願発明者は、本実施形態の貯留部22を有する研磨パッド14と、貯留部22を有しない従来の研磨パッドを用いた場合のウェーハ34の平坦度を以下の実施例と比較例を用いて調査した。
比較例1では、貯留部22のない研磨パッドによりウェーハ34を研磨するとともに、研磨中常時研磨液26を研磨パッドに供給した。比較例2では、貯留部22のない研磨パッドによりウェーハ34を研磨するとともに、研磨液26を研磨直前の1分間供給し、研磨時においては研磨液26の供給を停止した。比較例3においては、貯留部22を有する本実施形態の研磨パッド14を用いてウェーハ34を研磨するとともに、研磨中常時研磨液26を研磨パッド14に供給した。そして実施例では、貯留部22を有する本実施形態の研磨パッド14を用いてウェーハ34を研磨するとともに、研磨液26を研磨直前の1分間供給し、研磨時においては研磨液26の供給を停止した。
ここで、研磨パッド14は、研磨層16が乾式発泡ポリウレタンにより形成され、硬度が75度以上のものを用いた。そして本実施形態の研磨パッド14においては、開口径(内径)を1mmとするドット状(円柱形)の貯留部22を研磨層16の表面16aに10mm間隔でパターニング(図1(b)、(c)参照)するように形成した。
使用するウェーハ34は直径300mmのシリコンウェーハ(P型、抵抗率1−20Ω・cm)を用いた。そして研磨装置10においては、定盤12及び研磨ヘッド28の回転数を20〜80rpmとし、ウェーハ34に印加した圧力は100〜300g/cmとした。そして研磨時間は17分とし、研磨液26の流量は0.5L/minとした。
図2に比較例及び実施例に係るウェーハ34の研磨量、研磨レート、研磨Rangeを比較したものを示す。図2に示すように、比較例1と比較例3を見ると、研磨量、研磨レート、研磨Rangeいずれも大きな変化は見られなかった。よって、研磨中常時研磨液を供給する限りは、貯留部22付でも貯留部22なしでも被研磨面34aの特性に変化はないと考えられる。
次に比較例2を見ると、研磨量、研磨レートは比較例1及び比較例3に比べて半減する一方、研磨Rangeが著しく増加することが分かった。研磨量及び研磨レートが減少したのは、研磨中に研磨液26が枯渇したからと考えられる。また研磨Rangeが増加したのは、シリコンウェーハの化学的研磨に用いられる研磨液26中のアルカリ溶液がいち早く消費され、研磨液26中の砥粒による機械的な研磨が大部分を占めた状態で研磨が進行したからと考えられる。
そして実施例を見ると、比較例1及び比較例3の研磨量、研磨レート、研磨Rangeとほぼ同様の結果を得ることができ、比較例2のような研磨量及び研磨レートの低下、そして研磨Rangeの増加は見られなかった。実施例においては比較例1及び比較例3の場合より研磨液26の使用量は17分の1、すなわち、約94パーセント削減した状態で研磨を行なっている。よって、実施例においては貯留部22に貯留された研磨液26が、研磨により研磨パッド14から排出された研磨液26の分だけ研磨層16に含浸され、研磨層16の表面16aに常時研磨液が供給されたものと考えられる。
したがって、本実施形態の研磨パッド14を用いると研磨液26の使用量を大幅に削減しても従前のものと同様の結果を得ることから、本実施形態の研磨パッド14を用いることにより研磨液26の使用量を大幅に削減(94%削減)できることがわかる。
図3に比較例1乃至3及び実施例について仕上げ研磨を行なった場合の表面状態の比較を示す。図3(a)はLPD(Light Point Defect)個数の比較、図3(b)はHaze(微小粗さ、微小欠陥)の比較を示す。図3(a)に示すようにLPD個数においては比較例1乃至3及び実施例において差は生じなかったが、図3(b)に示すようにHazeにおいて比較例2は比較例1、比較例3に比べて良好でない結果を得た。これは図2に示すように比較例2では研磨Rangeが良好ではなく、その影響が仕上げ研磨にも影響したものと考えられる。一方、実施例のHazeは比較例1及び比較例3と同様の良好な結果を得た。これは図2に示すように、実施例の研磨Rangeは比較例1及び比較例3と同等であり、これにより仕上げ研磨でも比較例1及び比較例3と同様に良好な結果を得ることができたと考えられる。
なお、本願発明者は、研磨パッド14(研磨層16)の厚さが0.5mm以下であると研磨パッド14(研磨層16)の研磨液を蓄える量が不足し(貯留部22の深さが不足し)、逆に3.0mm以上になると研磨パッド14(研磨層16)そのものに研磨液26を含浸させるのに時間がかかり、被研磨面34aの品質を維持しつつ、効率よく研磨を行なうことが困難になるとの知見を得ている。したがって、研磨パッド14(研磨層16)の厚さが上述の範囲となるように形成することにより被研磨面34aの品質の維持と研磨工程の効率性を両立させることができる。
さらに、本願発明者は、貯留部22の開口径が0.5mm以下であると貯留部22の研磨液の貯留する量が不足し、逆に10mm以上では、貯留部22の形状がウェーハ34に転写されたり、研磨パッド14(研磨層16)の研磨時の表面温度のバラつきが発生し、被研磨面34aの平坦度が低下するとの知見を得ている。したがって、貯留部22の厚さを上述の範囲となるように形成することにより、研磨液26の供給量を削減と被研磨面34aの平坦性の維持を両立させることができる。
したがって、本実施形態の研磨パッド14を用いることにより、研磨液26の使用量を大幅に削減した上で良好な被研磨面34aを形成可能であることが分かる。
研磨液の使用量を大幅に削減した上で良好な被研磨面を形成可能なウェーハの研磨方法、研磨パッド、研磨装置として利用できる。
10………研磨装置、12………定盤、14………研磨パッド、16………研磨層、16a………表面、18………接着層、20………中間層、22………貯留部、24………供給手段、26………研磨液、28………研磨ヘッド、30………リテーナリング、32………エアバッグ、34………ウェーハ、34a………被研磨面、100………研磨液供給装置、102………研磨パッド、104………ウェーハ、106………刷毛状部材、108………研磨液供給手段、200………研磨装置、202………研磨定盤、204………基板、204a………研磨面、206………研磨布、206a………表面、208………粘性流体、210………キャリアヘッド、212………粘性流体供給穴。

Claims (8)

  1. 研磨液が供給された研磨パッドにウェーハの被研磨面を圧接し、前記ウェーハと前記研磨パッドとの相対運動により前記被研磨面を研磨するウェーハの研磨方法であって、
    前記研磨パッドを、前記研磨液が含浸する研磨層と、前記研磨パッドを回転させる定盤に接着する接着層と、前記研磨層と前記接着層との間に介装された中間層と、により形成し、
    前記研磨層の表面で開口するとともに前記中間層の前記研磨層側の面を底面とし前記研磨液を貯留可能な貯留部を前記研磨層ドット状に形成し、
    前記研磨液を前記研磨層に含浸させ、かつ前記貯留部に前記研磨液を貯留させた状態で前記被研磨面を研磨し、
    前記被研磨面の研磨に伴い前記研磨層から排出される研磨液の分だけ前記貯留部に供給された研磨液を前記研磨層に含浸させつつ前記被研磨面の研磨を行うことを特徴とするウェーハの研磨方法。
  2. 前記研磨液の供給を、前記被研磨面の研磨加工前若しくは前記研磨加工初期のみ行なうことを特徴とする請求項1に記載のウェーハの研磨方法。
  3. 前記ウェーハを、リテーナリングを有する研磨ヘッドにより保持するとともに前記研磨パッドに圧接させることを特徴とする請求項1または2に記載のウェーハの研磨方法。
  4. 前記研磨パッドを、厚さが0.5mm以上で3.0mm以下となるように形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウェーハの研磨方法。
  5. 前記貯留部を、その開口径が0.5mm以上で10mm以下となるように形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のウェーハの研磨方法。
  6. 研磨液が供給されて前記研磨液を含浸するとともにウェーハの被研磨面が圧接され、前記ウェーハとの相対運動により前記被研磨面を研磨する研磨パッドであって、
    前記研磨パッドは、
    前記研磨液が含浸する研磨層と、前記研磨パッドを回転させる定盤に接着する接着層と、前記研磨層と前記接着層との間に介装された中間層と、により形成され、
    前記研磨層の表面開口するとともに前記中間層の前記研磨層側の面を底面とし前記研磨液を貯留可能な貯留部が前記研磨層においてドット状に設けられ、
    前記貯留部に前記研磨液を貯留させた状態で前記被研磨面を研磨し、前記被研磨面の研磨に伴い前記研磨層から排出される研磨液の分だけ前記貯留部に供給された研磨液を前記研磨層に含浸させることにより前記被研磨面を研磨可能とすることを特徴とする研磨パッド。
  7. 前記研磨パッドは、厚さが0.5mm以上で3.0mm以下となるように形成されたことを特徴とする請求項6に記載の研磨パッド。
  8. 記貯留部は、その開口径が0.5mm以上で10mm以下となるように形成されたことを特徴とする請求項6または7に記載の研磨パッド。
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