JP5542037B2 - タイヤに作用する力の推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サイドウォール部におけるタイヤ歪を歪センサにより測定することにより、タイヤに作用する前後力、横力および上下力の何れかを推定する推定方法に関する。
タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサのセンサ出力を用いて、タイヤに作用する前後力、横力および上下力の何れかを推定する推定方法として、下記の特許文献1のものが知られている。
前記特許文献1では、図8に示すように、ゲイン最大線iがタイヤ半径方向線に対して45°の角度θでタイヤ周方向一方側に傾斜する第1の歪センサaと、ゲイン最大線iがタイヤ半径方向線に対して45°の角度でタイヤ周方向他方側に傾斜する第2の歪センサbとからなるセンサ対cの少なくとも4対を、タイヤの一方側のサイドウォール部に、かつタイヤ軸心を中心とした一つの円周線上に等間隔を隔てて装着している。そして、所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、各前記第1、第2の歪センサa、bによってタイヤ歪を同時に測定し、これによって得た各歪センサa、bのセンサ出力Vに基づき、前記タイヤ回転角度位置Qで作用したタイヤ作用力を算出している。
具体的には、タイヤ軸心廻りに、タイヤ軸心から上方にのびる垂直線を0°としかつタイヤの反回転方向を正とした極座標を設定するとともに、前記所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、前記極座標における座標角度が0°より大かつ180°より小の角度範囲であるタイヤ進行方向後方側領域Yrに位置する歪センサa、bのセンサ出力Vrの総和ΣVrと、座標角度が180°より大かつ360°より小の角度範囲であるタイヤ進行方向前方側領域Yfに位置する歪センサa、bのセンサ出力Vfの総和ΣVfの差(ΣVr−ΣVf)に基づき、前後力を算出している。
又横力においては、全歪センサのセンサ出力Vの総和ΣVに基づき、横力を算出している。
又上下力においては、前記極座標における座標角度が270°より大かつ90°より小の角度範囲であるタイヤ上側領域Yuに位置する歪みセンサの歪出力Vuの総和ΣVuと、前記極座標における座標角度が90°より大かつ270°より小の角度範囲であるタイヤ下側領域Ysに位置する歪みセンサの歪出力Vsの総和ΣVsとの差(ΣVu−ΣVs)に基づき、上下力を算出している。
この場合、前後力の推定式では、差(ΣVr−ΣVf)のみが変数となり、横力の推定式では、総和ΣVのみが変数となり、又上下力の推定式では、差(ΣVu−ΣVs)のみが変数となる。即ち、目的変数に対して説明変数の数が一つとなるなど推定式を簡潔化できるため、演算時間を短縮でき、タイムラグを減じうるとともに、演算器にメモリ容量が小さいものを使用しうるためコストの低減にも有利となる。
しかしながらこのものは、センサ対をなす第1、第2の歪センサa、bが近接して配されるため、一方の歪センサの磁石が他方の歪センサの出力に影響を及ぼし、センサ精度を低下させる。その結果、推定精度を充分満足しうるレベルまで高めることが難しいという問題がある。
なお下記の特許文献2には、両側のサイドウォール部にそれぞれ、3個以上のn個の歪センサを同円周上に間隔を隔てて取り付け、前記所定のタイヤ回転角度位置Qにおいてタイヤ歪を同時に測定することにより2n個のセンサ出力Vをうるとともに、この2n個のセンサ出力Vを説明変数として、前後力、横力、上下力を求めることが記載されている。
この場合、説明変数の数が2n個に増加するため、推定精度を高めうるとはいえ、説明変数の増加とともに誤差も大きくなるため、推定精度を充分満足しうるレベルまで高めることは難しい。しかも、演算時間が長くなってタイムラグが大きくなるとともに、演算量が増し、大きいメモリ容量の演算器を使用する必要が生じるなどコストの上昇を招く。なおセンサ出力Vとタイヤ歪み量とは非線形の関係があり、従って、前記2n個のセンサ出力Vの1次の項、2次の項をそれぞれ説明変数とすることで、推定精度を高めることも提案されている。しかしこの場合にも、説明変数の数の増加とともに誤差が大きくなるため、推定精度の向上は充分ではなく、しかも演算時間がさらに長くなるため、タイムラグやコストにより大きな不利を招く。
特開2009−46046号公報 特開2010−215178号公報
そこで本発明は、説明変数の数を例えば1つとして推定式を簡潔化しながら前後力、横力、上下力の推定精度を向上させうるタイヤに作用する力の推定方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサのセンサ出力を用いて、タイヤに作用する前後力、横力および上下力の何れかを推定する推定方法であって、
タイヤの一方側のサイドウォール部に、タイヤ軸心を中心とした同一円周線上でタイヤ周方向に等間隔を隔てて取り付く3個以上のn個の第1の歪センサからなる第1の歪センサ群と、
タイヤの他方側のサイドウォール部に、タイヤ軸心を中心とした同一円周線上でタイヤ周方向に等間隔を隔てて取り付く前記n個の第2の歪センサからなる第2の歪センサ群と、
タイヤの回転角度位置を測定する角度センサとを用い、
所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、前記第1、第2の歪センサ群の第1、第2の歪センサによってタイヤ歪を同時に測定することにより2n個のセンサ出力をうる歪測定ステップと、
前記2n個のセンサ出力に基づいてタイヤに作用する力の推定値を求める演算ステップとを行うとともに、
各前記第1の歪センサは、センシングのゲインが最大となるゲイン最大線のタイヤ半径方向線に対する角度θが45°かつ各ゲイン最大線がタイヤ周方向の同一方向に傾斜し、
各前記第2の歪センサは、ゲイン最大線のタイヤ半径方向線に対する角度θ及びタイヤ周方向への傾斜の向きを前記第1の歪センサと同一とし、
しかも前記演算ステップは、
(ア) 前記第1の歪センサからのn個のセンサ出力VAの平均値NVAと、前記第2の歪センサからのn個のセンサ出力VBの平均値NVBとの和(NVA+NVB)を変数とした次の推定式(1)を用いて前後力Fxの推定値を求める、
(イ) 前記平均値NVA、NVBの差(NVA−NVB)を変数とした次の推定式(2)を用いて横力Fyの推定値を求める、或いは
(ウ) タイヤ回転角度位置Qにおいて、タイヤ軸心を通る垂直線よりもタイヤ進行方向前方側となる前方側領域に配される第1、第2の歪センサのセンサ出力VFの平均値
VFと、前記垂直線よりもタイヤ進行方向後方側となる後方側領域に配される第1、第2の歪センサのセンサ出力VRの平均値NVRとの差(NVF−NVR)を変数とした次の推定式(3)を用いて上下力Fzの推定値を求めることを特徴としている。
Fx=f(NVA+NVB) −−−(1)
Fy=f(NVA−NVB) −−−(2)
Fz=f(NVF−NVR) −−−(3)
又請求項2の発明では、前記第1、第2の歪センサは、実質的に同じ位相角度位置に設けられることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記推定式(1)は、下記の一次式(1a)であることを特徴としている。
Fx=Kx・(NVA+NVB)+Ax −−−(1a)
(式中のKx、Axは定数)
又請求項4の発明では、前記推定式(2)は、下記の一次式(2a)であることを特徴としている。
Fy=Ky・(NVA−NVB)+Ay −−−(2a)
(式中のKy、Ayは定数)
又請求項5の発明では、前記推定式(3)は、下記の一次式(3a)であることを特徴としている。
Fz=Kz・(NVF−NVR)+Az −−−(3a)
(式中のKz、Azは定数)
本発明は叙上の如く、一方側のサイドウォール部にn個の第1の歪センサが周方向に隔設され、かつ他方側のサイドウォール部にn個の第2の歪センサが周方向に隔設される。従って、周方向で隣り合う歪センサ間の距離を十分確保でき、一方の歪センサの磁石が他方の歪センサの出力に影響を及ぼしてセンサ精度が低下するのを防止できる。
又後述する「発明を実施するための形態」の欄で説明する如く、第1の歪センサからのn個のセンサ出力VAの平均値NVAと、前記第2の歪センサからのn個のセンサ出力VBの平均値NVBとの和(NVA+NVB)により、横力と上下力とによる影響を相殺でき、平均値NVA、NVBの差(NVA−NVB)により、前後力と上下力とによる影響を相殺でき、又前方側領域に配される第1、第2の歪センサのセンサ出力VFの平均値NVFと、後方側領域に配される第1、第2の歪センサのセンサ出力VRの平均値NVRとの差
(NVF−NVR)により前後力と横力とによる影響を相殺できる。
従って、前後力Fxを、前記和(NVA+NVB)を変数とした推定式にて、横力Fyを、前記差(NVA−NVB)を変数とした推定式にて、又上下力Fzを差(NVF−NVR)を変数とした推定式にて推定することが可能になる。即ち、説明変数の数が例えば1つと少なくて済むため、前後力、横力、上下力の推定式をそれぞれ簡潔化することができ、演算時間を短縮してタイムラグを減じうるとともに、メモリ容量が小さい安価な演算器を使用しうるためコストの低減を図ることができる。又説明変数の数の減少とともに誤差の発生が抑えられるため、推定精度の向上にも貢献できる。
本発明の力の推定方法に用いる空気入りタイヤを示す断面図である。 (A)は歪センサの一実施例を示す平面図、(B)はそのゲイン最大線の傾斜の向きを示す側面図である。 歪センサの配置を説明する略図である。 タイヤが一回転したときの前後力によるセンサ出力の変化を示すグラフである。 タイヤが一回転したときの横力によるセンサ出力の変化を示すグラフである。 タイヤが一回転したときの上下力によるセンサ出力の変化を示すグラフである。 (A)〜(C)は、センサ出力の波形の特徴を概念的に示すグラフである。 従来技術を説明する歪センサの配置図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に、本発明の力の推定方法に用いる空気入りタイヤの一実施例の断面図を示す。
図1において、本例の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。又前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外方にのびる断面三角形状のビード補強用のビードエーペックスゴム8が配設される。
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35゜の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成され、各ベルトコードがプライ間相互で交差することにより、ベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強している。なお該ベルト層7の半径方向外側には、本例では、高速走行性能および高速耐久性等を高める目的で、バンドコードを周方向に対して5度以下の角度で配列させたバンド層9を設けている。
又前記空気入りタイヤ1は、図3に示すように、一方側のサイドウォール部3Aに、タイヤ軸心を中心とした同一円周線jA上でタイヤ周方向に等間隔を隔てて取り付く3個以上のn個の第1の歪センサ10Aからなる第1の歪センサ群が配されるとともに、他方側のサイドウォール部3Bには、タイヤ軸心を中心とした同一円周線jB上でタイヤ周方向に等間隔を隔てて取り付く前記n個の第2の歪センサ10Bからなる第2の歪センサ群が配される。又車軸には、タイヤ1の回転位相角度を検出する例えばレゾルバ、エンコーダ等のタイヤ角度歪センサ(図示しない)を設けている。
前記図3には、一方側のサイドウォール部3Aに4個(n=4)の第1の歪センサ10Aが、又他方側のサイドウォール部3Bに4個の第2の歪センサ10Bが、それぞれ同一半径の円周線jA、jB上に等間隔を隔てて取り付けられる場合が例示される。
ここで、第1、第2の歪センサ10A、10Bを取り付ける領域Y(図1に示す)は、タイヤ断面高さhの中間高さ位置Mを中心として、該タイヤ断面高さhの25%の距離h1を半径方向内外に隔てる領域範囲が好ましく、特には、前記距離h1をタイヤ断面高さhの20%、さらには15%とし、前記中間高さ位置Mにより近い領域範囲が好ましい。なお前記タイヤ断面高さhは、ビードベースラインBLからタイヤ赤道上のトレッド面までの半径方向高さを意味する。
次に、前記第1、第2の歪センサ10A、10Bは、図2(A)に示すように、1つの磁石11と、この磁石11のN極側に間隔を有して向き合う1つの磁気センサ素子12とを具え、本例では前記磁石11と磁気センサ素子12とを弾性材13を介して一体化したブロック状のモールド体20として形成されている。なお図中の符号iは、前記第1、第2の歪センサ10A、10Bにおいて、センシングのゲインが最大となるゲイン最大線iを意味する。前記磁気センサ素子12としては、ホール素子、及びMR素子(磁気抵抗効果素子)、TMF−MI素子、TMF−FG素子、アモルファス歪センサ等が採用でき、特にコンパクトさ、感度、取り扱い易さ等の観点からホール素子が好適に採用できる。又前記第1、第2の歪センサ10A、10Bでは、サイドウォール部3の動きに追従して柔軟に弾性変形しうることが重要であり、そのために、前記弾性材13として各種のゴム弾性材料が採用される。特に、熱可塑性エラストマ(TPE)は、注型成形や射出成形等のプラスチック成形が可能であり、モールド体20を製造するという観点から好適に採用できる。
又前記第1、第2の歪センサ10A、10Bでは、図2(B)に示すように、各ゲイン最大線iのタイヤ半径方向線に対する角度θが45°であって、しかも各ゲイン最大線iは、タイヤ周方向に対して同方向に傾斜している。本例では、前記図3の如く、タイヤの回転方向をSとしたとき、第1の歪センサ10Aのゲイン最大線i、および第2の歪センサ10Bのゲイン最大線iは、共にタイヤ半径方向外側に向かってタイヤ回転方向S側に傾斜している。しかし、共に反タイヤ回転方向側に傾斜させることもできる。
前記第1の歪センサ10Aと第2の歪センサ10Bとは、実質的に同じ位相角度位置に設けられることが好ましい。なお実質的に同じ位相角度位置とは、下記のように説明される。まず、図3に示すように、タイヤ軸芯を通って接地面に向かって垂直に下した垂直線を0°とするタイヤ軸芯廻りの座標系(ただしタイヤ回転方向の一方側、本例ではタイヤ回転方向Sの向きをプラス(+)とする)において、0°の基準線X0からプラス側に順次並ぶ1番目〜n番目の第1の歪センサ10A1〜10Anにおける位相角度をα1〜αnとし、かつ1番目〜n番目の第2の歪センサ10B1〜10Bnにおける位相角度をβ1〜βnとする。このとき、同一番目同士の位相角度の差、すなわち|α1−β1|、|α2−β2|・・・|αn−βn|が、それぞれ5°以下の場合を、実質的に同じ位相位置にあるという。
又前記第1、第2の歪センサ10A、10Bには、センサ出力を、車両制御システムの電子制御装置(ECU)に発信する発信手段を内蔵するのが好ましい。この発信手段は、送受信回路、制御回路、メモリー等をチップ化した半導体と、アンテナとから構成され、前記電子制御装置(ECU)からの質問電波を受信したとき、これを電気エネルギーとして使用し、メモリー内の歪出力のデータを応答電波として発信しうる。
次に、前記3分力Fx、Fy、Fzの推定方法を、前記空気入りタイヤ1を用いて説明する。
前記推定方法は、
(A) 所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、前記第1、第2の歪センサ群の第1、第2の歪センサ10A、10Bによってタイヤ歪を同時に測定することにより2n個のセンサ出力Vをうる歪測定ステップと、
(B) この歪測定ステップにより測定された2n個のセンサ出力Vに基づいて、前後力Fx、横力Fy、上下力Fzの何れかの推定値を演算して求める演算ステップと、
を含んで構成される。
前記歪測定ステップでは、予め、タイヤ歪を測定するためのタイヤ回転角度位置Qを設定しておき、走行中のタイヤ1が、このタイヤ回転角度位置Qとなったとき、各前記第1、第2の歪センサ10A、10Bによってタイヤ歪を同時に測定する。これにより、2n個のセンサ出力Vをうることができる。本例では、図3に例示する如く、前記座標系において、1つの基準歪センサ10R(2n個の歪センサ10から任意に選ぶことができる。)が所定角度γ位置、例えば+45°の角度位置Pを通過する時のタイヤの回転位置を、前記タイヤ回転角度位置Qとして設定している。なお、例えば前記角度γが0°の時、+15°の時、或いは+30°の時など、タイヤ回転角度位置Qを適宜設定できる。又角度位置Pを1度毎に違えることにより360個のタイヤ回転角度位置Qを設定することができ、かかる場合には、1度毎に歪測定ステップが行われる。
次に、前記演算ステップでは、
(ア) 前記第1の歪センサ10Aからのn個のセンサ出力VAの平均値NVAと、前記第2の歪センサ10Bからのn個のセンサ出力VBの平均値NVBとの和(NVA+NVB)を変数とした次の推定式(1)を用いて前後力Fxの推定値を求める、
(イ) 前記平均値NVA、NVBの差(NVA−NVB)を変数とした次の推定式(2)を用いて横力Fyの推定値を求める、或いは
(ウ) タイヤ回転角度位置Qにおいて、タイヤ軸心を通る垂直線Tよりもタイヤ進行方向前方側となる前方側領域YFに配される第1、第2の歪センサ10AF、10BFのセンサ出力VFの平均値NVFと、前記垂直線Tよりもタイヤ進行方向後方側となる後方側領域YRに配される第1、第2の歪センサ10AR、10BRのセンサ出力VRの平均値NVRとの差(NVF−NVR)を変数とした次の推定式(3)を用いて上下力Fzの推定値を求める。
Fx=f(NVA+NVB) −−−(1)
Fy=f(NVA−NVB) −−−(2)
Fz=f(NVF−NVR) −−−(3)
ここで、図4に、タイヤを一回転したときの前後力Fxによるセンサ出力Vの変化を示し、図5に、タイヤを一回転したときの横力Fyによるセンサ出力Vの変化を示し、図6に、タイヤを一回転したときの上下力Fzによるセンサ出力Vの変化を示す。
具体的には、前記図4では、一方側のサイドウォール部3Aに、一つの第1の歪センサ10Aを取付けたタイヤを、ドラム上で、横力Fy=0(スリップ角0°)、上下力Fz=一定、の条件下で回転させたときのセンサ出力Vの波形(出力波形)が示されている。なお前後力Fxのみ、0N(Nはニュートン)、−1200N、−2400N、−3600Nに変化させている。前後力Fxのマイナス表示は、制動力を意味する。同図4から明らかなように、前後力Fxが変動したとき、出力波形全体が、上方側、或いは下方側に移行している。又他方側のサイドウォール部3Bに、第2の歪センサ10Bを設けた場合にも、同図4と同様の出力波形が得られる。
又図5では、前記タイヤを、ドラム上で、前後力Fx=0、上下力Fz一定の条件下で回転させたときのセンサ出力Vの波形(出力波形)が示されている。横力Fyとして、スリップ角のみ、0°、左1°、左2°、右1°、右2°に変化させている。同図5から明らかなように、右へのスリップ角が大きくなるにつれ出力波形全体が上方側に移行し、逆に左へのスリップ角が大きくなるにつれ、出力波形全体が下方側に移行している。なお例えば左2°のスリップ角における出力波形は、他方側のサイドウォール部に第2の歪センサ10Bを設けた場合において、この第2の歪センサ10Bが出力する右2°のスリップ角における出力波形に相当する。
又図6では、前記タイヤを、ドラム上で、前後力Fx=0、横力Fy=0(スリップ角0°)の条件下で回転させたときのセンサ出力Vの波形(出力波形)が示されている。上下力Fzのみ、4000N、6000N、8000Nに変化させている。同図6から明らかなように、出力波形のうち、前記前方側領域YFにおける出力波形部分は、上下力Fzが大きくなるにつれ上方側に移行し、前記後方側領域YRにおける出力波形部分は、上下力Fzが大きくなるにつれ下方側に移行している。なお他方側のサイドウォール部に、第2の歪センサ10Bを設けた場合にも、同図6と同様の出力波形が得られる。
上記の特徴を概念的に示すと図7(A)〜(C)のようになる。即ち、基準走行(例えば一定速度で直進走行)している際の第1、第2の歪センサ10A、10Bの出力波形(基準の出力波形)をWA0、WB0とした場合、図7(A)の如く、タイヤに前後力Fxが負荷されたときの出力波形WAx、WBxは、それぞれ基準の出力波形WA0、WB0よから、例えば下方側(又が上方側)に移行する。
又図7(B)の如く、タイヤに横力Fyが負荷されたとき、一方の出力波形WAyは、前記基準の出力波形WA0から上方側(又が下方側)に移行し、逆に、他方の出力波形WByは、前記基準の出力波形WB0から下方側(又が上方側)に移行する。
又図7(C)の如く、タイヤに上下力Fzが負荷されたとき、前方側領域YFでは、双方の出力波形WAz、WBzが、それぞれ前記基準の出力波形WA0、WB0から上方側に移行し、逆に、後方側領域YRでは、双方の出力波形WAz、WBzが、それぞれ前記基準の出力波形WA0、WB0から下方側に移行する。
従って、タイヤ一回転における前記出力波形WAxの平均NWAxと、出力波形WBxの平均NWBxとを考えた場合、平均NWAxと平均NWBxとの和(NWAx+NWBx)は、前後力Fxに応じて増減しうる。即ち、前記和(NWAx+NWBx)と前後力Fxとは相関がある。これに対して、平均NWAxと平均NWBxとの差(NWAx−NWBx)は、互いに打ち消し合って0となるため、前記差(NWAx−NWBx)と前後力Fxとは相関がない。
又、タイヤ一回転における前記出力波形WAyの平均NWAyと、出力波形WByの平均NWByとを考えた場合、平均NWAyと平均NWByとの和(NWAy+NWBy)は、基準の出力波形WA0の平均NWA0と基準の出力波形WB0の平均NWB0との和(NWA0+NWB0)である一定値に近づく。即ち前記和(NWAy+NWBy)と横力Fyとは相関がない。これに対して平均NWAyと平均NWByとの差(NWAy−NWBy)は、横力Fyに応じて増減しうるため、前記差(NWAy−NWBy)と横力Fyとは相関がある。
又、タイヤ一回転における前記出力波形WAzの平均NWAzと、出力波形WBzの平均NWBzとを考えた場合、平均NWAzと平均NWBzとの和(NWAz+NWBz)は、基準の出力波形WA0の平均NWA0と基準の出力波形WB0の平均NWB0との和(NWA0NWB0)である一定値に近づく。即ち、前記和(NWAz+NWBz)と上下力Fzとは相関がない。又平均NWAzと平均NWBzとの差(NWAz−NWBz)は、互いに打ち消し合って0となるため、前記差(NWAz−NWBz)と上下力Fzとは相関がない。
又前方側領域YFにおける、出力波形WAxの平均NFWAxと、出力波形WBxの平均NFWBxとの和(NFWAx+NFWBx)、及び後方側領域YRにおける、出力波形WAxの平均NRWAxと、出力波形WBxの平均NRWBxとの和(NRWAx+NRWBx)において、前記和(NFWAx+NFWBx)と和(NRWAx+NRWBx)との差{(NFWAx+NFWBx)−(NRWAx+NRWBx)}は、前記平均NWAxと平均NWBxとの和(NWAx+NWBx)である一定値に近づく。即ち前記和(NFWAx+NFWBx)と和(NRWAx+NRWBx)との差{(NFWAx+NFWBx)−(NRWAx+NRWBx)}は、前後力Fxと相関がない。
又、前方側領域YFにおける、出力波形WAyの平均NFWAyと、出力波形WByの平均NFWByとの和(NFWAy+NFWBy)は、前方側領域YFにおける、基準の出力波形WA0の平均NFWA0と、基準の出力波形WB0の平均NFWB0との和(NFWA0+NFWB0)である一定値に近づく。又、後方側領域YRにおける、出力波形WAyの平均NRWAyと、出力波形WByの平均NRWByとの和(NRWAy+NRWBy)は、後方側領域YRにおける、基準の出力波形WA0の平均NRWA0と、基準の出力波形WB0の平均NRWB0との和(NRWA0+NRWB0)である一定値に近づく。従って、前記和(NFWAy+NFWBy)と和(NRWAy+NRWBy)との差{(NFWAy+NFWBy)−(NRWAy+NRWBy)}も一定値に近づき、横力Fyとの相関はない。
しかし前方側領域YFにおける、出力波形WAzの平均NFWAzと、出力波形WBzの平均NFWBzとの和(NFWAz+NFWBz)、及び後方側領域YRにおける、出力波形WAzの平均NRWAzと、出力波形WBzの平均NRWBzとの和(NRWAz+NRWBz)において、前記和(NFWAz+NFWBz)と和(NRWAz+NRWBz)との差{(NFWAz+NFWBz)−(NRWAz+NRWBz)}は、上下力Fzに応じて増減しうるため上下力Fzとの相関がある。
以上をまとめると、
(ア)和(NWAx+NWBx)----Fxと相関有り:
(イ)差(NWAx−NWBx)----Fxと相関なし:
(ウ)和(NWAy+NWBy)----Fyと相関なし:
(エ)差(NWAy−NWBy)----Fyと相関有り:
(オ)和(NWAz+NWBz)----Fzと相関なし:
(カ)差(NWAz−NWBz)----Fzと相関なし:
(キ)差{(NFWAx+NFWBx)−(NRWAx+NRWBx)}----Fxと相関ない:
(ク)差{(NFWAy+NFWBy)−(NRWAy+NRWBy)}----Fyと相関ない:
(ケ)差{(NFWAz+NFWBz)−(NRWAz+NRWBz)}----Fzと相関ある:
ここで、前記出力波形の平均は、厳密には、サイドウォール部の円周線上に無数の歪センサ10を取り付けた時の、各歪センサ10のセンサ出力Vの平均に相当するが、歪センサ10の数が有限の場合には、その歪センサ10のセンサ出力Vの平均で代用しうる。
即ち、
・前記平均NWAxは、第1の歪センサ10Aのn個のセンサ出力VAの平均値NVAに置き換えでき、
・前記平均NWBxは、第2の歪センサ10Bのn個のセンサ出力VBの平均値NVBに置き換えでき、
・前記平均NWAyは、第1の歪センサ10Aのn個のセンサ出力VAの平均値NVAに置き換えでき、
・前記平均NWByは、第2の歪センサ10Bのn個のセンサ出力VBの平均値NVBに置き換えでき、
・前記平均NWAzは、第1の歪センサ10Aのn個のセンサ出力VAの平均値NVAに置き換えでき、
・前記平均NWBzは、第2の歪センサ10Bのn個のセンサ出力VBの平均値NVBに置き換えでき、
・前記平均NFWAxと平均NFWBxとの和は、前方側領域YFに配される第1、第2の歪センサ10A、10Bのセンサ出力VFの平均値NFVの2倍に置き換えでき、
・平均NRWAxと平均NRWBxとの和は、後方側領域YRに配される第1、第2の歪センサ10A、10Bのセンサ出力VFの平均値NRVの2倍に置き換えでき、
・前記平均NFWAyと平均NFWByとの和は、前方側領域YFに配される第1、第2の歪センサ10A、10Bのセンサ出力VFの平均値NFVの2倍に置き換えでき、
・平均NRWAyと平均NRWByとの和は、後方側領域YRに配される第1、第2の歪センサ10A、10Bのセンサ出力VFの平均値NRVの2倍に置き換えできる。
・前記平均NFWAzと平均NFWBzとの和は、前方側領域YFに配される第1、第2の歪センサ10A、10Bのセンサ出力VFの平均値NFVの2倍に置き換えでき、
・平均NRWAzと平均NRWBzとの和は、後方側領域YRに配される第1、第2の歪センサ10A、10Bのセンサ出力VFの平均値NRVの2倍に置き換えできる。
従って、上記(ア)、(ウ)、(オ)から、和(NVA+NVB)は、前後力Fxとは相関が有るが、横力Fy、上下力Fzとは相関が無いことがわかる。又上記(イ)、(エ)、(カ)から、差(NVA−NVB)は、横力Fyとは相関が有るが、前後力Fx、上下力Fzとは相関が無いことがわかる。又上記(キ)〜(ケ)から、差(NFV−NRV)は、上下力Fzとは相関が有るが、前後力Fx、横力Fyとは相関が無いことがわかる。
従って、前後力Fxを(NVA+NVB)を変数とした前記推定式(1)にて、又横力Fyを差(NVA−NVB)を変数とした前記推定式(2)にて、又上下力Fzを差(NVF−NVR)を変数とした前記推定式(3)にて、それぞれ精度良く求めることができる。
又前記推定式(1)〜(3)としては、下記の一次式(1a)〜(3a)を採用することができ、かかる場合には、説明変数が1つとなるため、演算時間を短縮してタイムラグを減じうるとともに、メモリ容量が小さい安価な演算器を使用しうるためコストの低減を図ることができる。
Fx=Kx・(NVA+NVB)+Ax −−−(1a)
(式中のKx、Axは定数)
Fy=Ky・(NVA−NVB)+Ay −−−(2a)
(式中のKy、Ayは定数)
Fz=Kz・(NVF−NVR)+Az −−−(3a)
(式中のKz、Azは定数)
なお、推定式(1)〜(3)、或いは推定式(1a)〜(3a)は、前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fzをそれぞれ違えた事前の荷重付加試験によって求めることができる。例えばタイヤが所定のタイヤ回転角度位置Qとなったときのタイヤ歪εを、異なる種々の荷重付加条件毎に各n個の第1、第2の歪センサ10A、10Bによって同時に測定し、これによって得たセンサ出力VA、VBから、センサ出力VAの平均値NVA、センサ出力VBの平均値NVB、前方側領域YFに配される第1、第2の歪センサ10A、10Bのセンサ出力VFの平均値NVF、後方側領域YRに配される第1、第2の歪センサ10A、10Bのセンサ出力VRの平均値NVRを求める。そして、事前の荷重付加試験の入力であるFx、Fy、Fzを目的変数とし、前記平均値の和(NVA+NVB)、差(NVA−NVB)、差(NFV−NRV)をそれぞれ説明変数として、重回帰分析することで求めることができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図3に示すように、両側のサイドウォール部に、それぞれ3個(n=3)の歪センサ10A、10Bを、同一円周線j上に周方向に等間隔を隔てて取り付けた空気入りタイヤ(サイズ245/40ZR18)を試作した。歪センサ10A、10Bは、タイヤ赤道面を挟んだ対称位置(同位相位置)に配される。又各歪センサ10A、10Bは、1つの磁石と1つの磁気センサ素子(ホール素子−−Melxis社製のホールIC:MLX90251)とをゴム弾性材で一体化したモールド体を使用し、そのゲイン最大線iのタイヤ半径方向線に対する角度θは、何れも45°で一定、しかも半径方向外側に向かってタイヤ回転方向S側に傾斜している。
そしてフラットベルト上を時速20km/hで走行するタイヤに対し、タイヤの回転角度1°毎(タイヤ回転角度位置が1°毎に360個設定されている)に、各歪センサ10A、10Bによってタイヤ歪を同時に測定し、それによって得た合計6個のセンサ出力VA1〜VA3、VB1〜VB3から、前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fzを推定式を用いてタイヤの回転角度1°毎に求め、6分力計を用いて実際に測定した実測値との差のバラツキを3σ(σ:標準偏差)で評価した。3σが小さいほど、実測値とのバラツキが少なく良好である。なお標準偏差は、力を45水準に振り、各水準で1秒間計測した45000点の標本で構成されたデータから求めている。
なお実施例では、前後力Fxは、センサ出力VA1〜VA3の平均値NVAとセンサ出力VB1〜VB3の平均値NVBとの和(NVA+NVB)を変数とした一次式(推定式(1a)参照)にて推定し、横力Fyは、前記平均値NVA、NVBの差(NVA−NVB)を変数とした一次式(推定式(1b)参照)にて推定し、上下力Fzは、前方側領域に配される第1、第2の歪センサのセンサ出力VFの平均値NVFと、後方側領域に配される第1、第2の歪センサのセンサ出力VRの平均値NVRとの差(NVF−NVR)を変数とした一次式(推定式(1c)参照)にて推定した。
又比較例1では、センサ出力VA1〜VA3、VB1〜VB3を変数とした一次式(推定式)を用いて、前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fzを推定している。
又比較例2では、センサ出力VA1〜VA3、VB1〜VB3を変数とした2次式(推定式)を用いて、前後力Fx、横力Fy、及び上下力Fzを推定している。
又比較例3では、背景技術の欄で説明した特許文献1に記載の推定方法に基づき推定した。具体的には、前記図8に示すように、ゲイン最大線iがタイヤ半径方向線に対して45°の角度でタイヤ周方向一方側に傾斜する第1の歪センサaと、ゲイン最大線iがタイヤ半径方向線に対して45°の角度でタイヤ周方向他方側に傾斜する第2の歪センサbとからなる4つのセンサ対cを、一方側のサイドウォール部に、かつタイヤ軸心を中心とした一つの円周線j上に等間隔を隔てて装着する。そして、タイヤ進行方向後方側領域Yrに位置する歪センサa、bのセンサ出力Vrの総和ΣVrと、タイヤ進行方向前方側領域Yfに位置する歪センサa、bのセンサ出力Vfの総和ΣVfの差(ΣVr−ΣVf)に基づき前後力を算出し、横力においては、全歪センサのセンサ出力Vの総和ΣVに基づき横力を算出し、又上下力においては、タイヤ上側領域Yuに位置する歪みセンサの歪出力Vuの総和ΣVuと、タイヤ下側領域Ysに位置する歪みセンサの歪出力Vsの総和ΣVsとの差(ΣVu−ΣVs)に基づき上下力を算出している。
Figure 0005542037
表に示すように、実施例の推定方法は、説明変数の数を1としながらも、推定精度を向上しうるのが確認できる。
1 空気入りタイヤ
3 サイドウォール部
3A 一方側のサイドウォール部
3B 他方側のサイドウォール部
10 歪センサ
10A 第1の歪センサ
10B 第2の歪センサ
N ゲイン最大線

Claims (5)

  1. タイヤのサイドウォール部におけるタイヤ歪を測定する歪センサのセンサ出力を用いて、タイヤに作用する前後力、横力および上下力の何れかを推定する推定方法であって、
    タイヤの一方側のサイドウォール部に、タイヤ軸心を中心とした同一円周線上でタイヤ周方向に等間隔を隔てて取り付く3個以上のn個の第1の歪センサからなる第1の歪センサ群と、
    タイヤの他方側のサイドウォール部に、タイヤ軸心を中心とした同一円周線上でタイヤ周方向に等間隔を隔てて取り付く前記n個の第2の歪センサからなる第2の歪センサ群と、
    タイヤの回転角度位置を測定する角度センサとを用い、
    所定のタイヤ回転角度位置Qにおいて、前記第1、第2の歪センサ群の第1、第2の歪センサによってタイヤ歪を同時に測定することにより2n個のセンサ出力をうる歪測定ステップと、
    前記2n個のセンサ出力に基づいてタイヤに作用する力の推定値を求める演算ステップとを行うとともに、
    各前記第1の歪センサは、センシングのゲインが最大となるゲイン最大線のタイヤ半径方向線に対する角度θが45°かつ各ゲイン最大線がタイヤ周方向の同一方向に傾斜し、
    各前記第2の歪センサは、ゲイン最大線のタイヤ半径方向線に対する角度θ及びタイヤ周方向への傾斜の向きを前記第1の歪センサと同一とし、
    しかも前記演算ステップは、
    (ア) 前記第1の歪センサからのn個のセンサ出力VAの平均値NVAと、前記第2の歪センサからのn個のセンサ出力VBの平均値NVBとの和(NVA+NVB)を変数とした次の推定式(1)を用いて前後力Fxの推定値を求める、
    (イ) 前記平均値NVA、NVBの差(NVA−NVB)を変数とした次の推定式(2)を用いて横力Fyの推定値を求める、或いは
    (ウ) タイヤ回転角度位置Qにおいて、タイヤ軸心を通る垂直線よりもタイヤ進行方向前方側となる前方側領域に配される第1、第2の歪センサのセンサ出力VFの平均値
    VFと、前記垂直線よりもタイヤ進行方向後方側となる後方側領域に配される第1、第2の歪センサのセンサ出力VRの平均値NVRとの差(NVF−NVR)を変数とした次の推定式(3)を用いて上下力Fzの推定値を求めることを特徴とするタイヤに作用する力の推定方法。
    Fx=f(NVA+NVB) −−−(1)
    Fy=f(NVA−NVB) −−−(2)
    Fz=f(NVF−NVR) −−−(3)
  2. 前記第1、第2の歪センサは、実質的に同じ位相角度位置に設けられることを特徴とする請求項1記載のタイヤに作用する力の推定方法。
  3. 前記推定式(1)は、下記の一次式(1a)であることを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤに作用する力の推定方法。
    Fx=Kx・(NVA+NVB)+Ax −−−(1a)
    (式中のKx、Axは定数)
  4. 前記推定式(2)は、下記の一次式(2a)であることを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤに作用する力の推定方法。
    Fy=Ky・(NVA−NVB)+Ay −−−(2a)
    (式中のKy、Ayは定数)
  5. 前記推定式(3)は、下記の一次式(3a)であることを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤに作用する力の推定方法。
    Fz=Kz・(NVF−NVR)+Az −−−(3a)
    (式中のKz、Azは定数)
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