JP5534205B2 - 感光性レジスト下層膜形成組成物及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents

感光性レジスト下層膜形成組成物及びレジストパターンの形成方法 Download PDF

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本発明は、アルカリ現像性に優れ、現像後に残渣が発生しないレジスト下層膜を形成するための組成物、及び当該組成物から形成されたレジスト下層膜を用いるレジストパターンの形成方法に関する。
半導体装置の製造において、レジストを用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。微細加工はシリコンウェハー等の半導体基板上にレジストの薄膜を形成し、その上にデバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたレジストパターンを保護膜として基板をエッチング処理することにより、基板表面に、前記パターンに対応する微細凹凸を形成する加工法である。ところが、近年、デバイスの高集積度化が進み、使用される露光光もKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)へと短波長化される傾向にある。しかしながら、これらのリソグラフィー工程では基板からの露光光の反射による定在波の影響、基板の段差による露光光の乱反射の影響によりレジストパターンの寸法精度が低下するという問題が生ずる。そこで、この問題を解決すべく、レジスト膜と基板の間に反射防止膜(Bottom Anti−Reflective Coating)を設ける方法が広く検討されている。
これらの反射防止膜は、その上に塗布されるレジストとのインターミキシングを防ぐため、熱架橋性組成物を使用して形成されることが多い。その結果、形成された反射防止膜はレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に不溶となる。そのため、半導体基板加工に先立つ反射防止膜の除去は、ドライエッチングによって行なうことが必要である(例えば、特許文献1参照)。
しかし、反射防止膜のドライエッチングによる除去と同時に、レジスト膜もドライエッチングされる。そのため、基板加工に必要なレジストの膜厚の確保が難しくなるという問題が生じる。特に解像性の向上を目的として、薄膜のレジストが使用されるような場合に、重大な問題となる。
一方、半導体装置製造におけるイオン注入工程は、レジストパターンをマスクとして半導体基板に、n型又はp型の導電型を付与する不純物イオンを導入する工程が採用される場合がある。そして、その工程では、基板表面に損傷を与えることを避けるため、レジストのパターン形成の際はドライエッチングをおこなうことは望ましくない。そのため、イオン注入工程のためのレジストパターンの形成においては、ドライエッチングによる除去を必要とする反射防止膜をレジストの下層に使用することができなかった。しかしながら近年の微細化に伴い、イオン注入工程で用いられるレジストにも微細なパターンが必要とされ始め、レジスト下層の反射防止膜(レジスト下層膜)が必要となってきた。
このようなことから、レジストの現像に使用されるアルカリ現像液に溶解し、レジストと同時に現像除去することができるレジスト下層膜の開発が望まれていた。例えば、特許文献2には、レジストと同時に現像除去することができる反射防止膜について記載されている。この反射防止膜形成組成物のポリマーは、ビニルエーテル末端基を有する架橋剤と反応し、アセタール結合にて架橋される。その後、得られた反射防止膜及びレジストに含まれる光酸発生剤から、露光時に酸が発生し、その酸により、アセタール結合が外れることで脱架橋され、アルカリ現像液に溶解する仕組みとなっている。しかしながら、この反射防止膜は、脱架橋された後のポリマーが、アルカリ溶解性が低く、残渣を生じる原因となりやすかった。当該ポリマーがアルカリ現像液に溶解しにくい原因は、ポリマーが有するクロモフォアの疎水性によると推定される。
ポリマーとして、第3級ベンジル基がエステルの酸素原子と直接結合したアクリレート化合物の重合体が特許文献3に記載されている。しかし、特許文献3は、当該重合体を含むフォトレジスト組成物を開示しているだけであり、この組成物から形成される膜の反射防止能について記載も示唆もなく、さらにアルカリ現像液による溶解性の問題について記載も示唆も認められない。
米国特許第6156479号明細書 特表2008−501985号公報 特開2003−233191号公報
本発明は、露光後にレジスト膜をアルカリ現像する際に、残渣が生じることなくアルカリ現像されるレジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物であって、KrFエキシマレーザー(波長248nm)又はArFエキシマレーザー(波長193nm)に対して吸収を持つレジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物を提供することにある。また本発明は、レジスト膜とのインターミキシングを起こさないレジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物を提供することにある。さらに本発明は、当該レジスト下層膜形成組成物を用いたレジストパターンの形成方法を提供することにある。
本発明は、ポリマー側鎖に、−C(=O)O−C(CH−で表される酸解離性の連結基(以下、本明細書では3級エステル結合と称する。)を介してナフタレン環又はアントラセン環を連結させることにより、アルカリ現像性を改良できることを見出したことに基づく。すなわち、本発明の第1態様は、下記式(1):

(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは直接結合又はフェニレン基を表し、Aはナフチル基又はアントラセニル基を表す。)
で表される構造単位を有するポリマー、少なくとも2つのビニルエーテル基を有する化合物、光酸発生剤及び溶剤を含むリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物である。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物に含まれる前記ポリマーは、前記式(1)で表される構造単位以外の構造単位として、下記式(2):

(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Yは直接結合、−C(=O)−NH−基又は−C(=O)−O−基を表す。)
で表される構造単位を有してもよい。上記Yが−C(=O)−NH−基又は−C(=O)−O−基である場合、これらの連結基の炭素原子がポリマー主鎖に結合する。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物に含まれる前記ポリマーは、前記式(1)で表される構造単位以外の構造単位として、前記式(2)で表される構造単位に代えて、又は前記式(2)で表される構造単位と共に、下記式(3):

(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Zは直接結合又はフェニレン基を表す。)
で表される構造単位を有していてもよい。上記式(3)で表される構造単位を有することで、形成されるレジスト下層膜の現像速度を調整することができる。
ここで、“直接結合”とは、上記式(1)で表される構造単位の場合、カルボニル基の炭素原子がポリマー主鎖に直接結合することを意味し、上記式(2)で表される構造単位の場合、ヒドロキシフェニル基の炭素原子がポリマー主鎖に直接結合することを意味し、上記式(3)で表される構造単位の場合、カルボキシル基の炭素原子がポリマー主鎖に直接結合することを意味する。
本発明の第2態様は、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布しベークしてレジスト下層膜を形成する工程、前記レジスト下層膜上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト下層膜と前記レジスト膜で被覆された半導体基板を露光する工程、及び露光後に前記レジスト膜と前記レジスト下層膜を現像する工程を含む半導体装置の製造に用いるレジストパターンの形成方法である。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は、ArFエキシマレーザー等の露光波長に対し、所望のk値及びn値を示すレジスト下層膜を形成することができる。本発明に係るレジスト下層膜形成組成物をベークして形成されるレジスト下層膜は、露光時に、上層のレジスト膜及び当該レジスト下層膜中に含まれる光酸発生剤が分解して発生する酸により、前記酸解離性の連結基を介してポリマー側鎖に導入されたクロモフォア部位が外れる。そして、当該ポリマー側鎖にカルボキシル基が形成される。その結果、ポリマー自身のアルカリ溶解性が高まり、アルカリ現像液を用いてそのレジスト下層膜を現像しても残渣の発生を著しく低減させることが可能である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物から形成されたレジスト下層膜は、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザーをリソグラフィー工程の微細加工に使用する際に、半導体基板からの反射光を効果的に吸収し、そして、レジスト膜とのインターミキシングを起こさせないことが可能である。
実施例1で調製されたレジスト下層膜形成組成物を用いて得られたフォトレジストパターンの形状を示す断面SEM像である。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は、3級エステル結合を介して側鎖にナフタレン環又はアントラセン環を連結させたポリマー、即ち式(1)で表される構造単位を有し、さらに式(2)で表される構造単位を有してもよいポリマー(以下、本明細書ではポリマー(A)と略称する。)、少なくとも2つのビニルエーテル基を有する化合物(以下、本明細書では化合物(B)と略称する。)、及び光酸発生剤が溶剤に溶解しているものである。このレジスト下層膜形成組成物は、半導体基板上に塗布後、当該組成物に含まれる上記溶剤が除去される温度でベークされ、さらにベークすることにより熱架橋が行われる。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は、任意成分として塩基性化合物及び/又は界面活性剤を含有する。当該塩基性化合物は、クエンチャーと称することがあり、例えばアミンが挙げられる。
上記熱架橋はポリマー(A)と化合物(B)との間で行われる。また、ポリマー(A)と、アミンと、化合物(B)との間でも熱架橋は行われる。アミンは、ヒドロキシ基を有することが好ましい。
ポリマー(A)と、アミンのヒドロキシ基又はカルボキシル基と、化合物(B)との間でアセタール結合又はこれに類似する結合を形成し熱架橋が起こり、架橋ポリマーが形成される。上述のカルボキシル基と化合物(B)との反応は、1つのエーテル結合を構成する酸素原子とエステル結合を構成する酸素原子の1つが、炭素原子の両側に結合した構造を生成させるものである。また上述のヒドロキシ基と化合物(B)との反応は、2つのエーテル結合を構成する各酸素原子が炭素原子の両側に結合した構造を生成させるものである。前者も後者も、露光時に光酸発生剤より発生した酸、又は露光時にレジストから発生しレジスト下層膜に浸透してきた酸により、この炭素原子−酸素原子間の結合は容易に切断され、カルボキシル基又はヒドロキシ基に分解される。従って、フォトマスクを通して露光した部分は光酸発生剤の分解等によって生じた酸により、上記アセタール結合又はこれに類似する結合が切れ、カルボキシル基又はヒドロキシ基を生成し、アルカリ可溶性(現像液に対する溶解性)を示し、現像される。ポリマー(A)と化合物(B)との間に生成した結合も酸により切断され、ヒドロキシ基が生成しアルカリ可溶性を示す。
本発明では、レジスト下層膜中のポリマー(A)に含まれる3級エステル結合及び当該ポリマー(A)が式(2)で表される構造単位をさらに有する場合はフェノール性ヒドロキシ基と、アミンのヒドロキシ基又はカルボキシル基と、化合物(B)との間に形成されるアセタール結合又はこれに類似する酸解離性結合が幾つも存在しているため、細かいパターンを用いて露光を行い、その後現像したときでも、結合が切断される箇所が幾つもあり、またカルボキシル基、フェノール性ヒドロキシ基などのアルカリ現像性向上部位が多く再生する為、微細なパターンが作製でき解像度の向上が達成される。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物から溶剤を除いた全固形分は、例えば0.1乃至70質量%、好ましくは1乃至60質量%である。
また、3級エステル結合を介して側鎖にナフタレン環又はアントラセン環を連結させたポリマーは、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物の固形分中の含有量として、10質量%以上であり、例えば30乃至99質量%、又は49乃至90質量%、好ましくは59乃至80質量%である。当該ポリマーの重量平均分子量は、例えば1,000乃至200,000、好ましくは3,000乃至20,000である。このポリマーの重量平均分子量が3000より小さいと、溶剤耐性が不十分になる場合があり、一方、重量平均分子量が大きすぎると解像性に問題が生じる場合がある。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準試料としてポリスチレンを用いて得られる値である。
前記化合物(B)は架橋剤であり、2乃至20個、例えば3乃至10個、又は3乃至6個のビニルエーテル基を有する化合物が好ましい。その化合物として、例えばビス(4−(ビニロキシメチル)シクロヘキシルメチル)グルタレート、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、アジピン酸ジビニルエステル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリス(4−ビニロキシ)ブチルトリメリテート、ビス(4−(ビニロキシ)ブチル)テレフタレート、ビス(4−(ビニロキシ)ブチル)イソフタレート、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、及びペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等を挙げることができる。これらの化合物は一種の使用でもよく、また、二種以上を同時に使用することができる。
上記化合物(B)として、好ましくは下記式(4)又は式(5)で表される化合物を用いることができる。ただし、式(4)においてqは1乃至10の整数を示し、式(5)においてrは1乃至10の整数を示す。
上記化合物(B)は、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物の固形分中の含有量として、0.01乃至60質量%、例えば0.1乃至50質量%、又は0.1乃至40質量%である。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は、光酸発生剤を含有する。光酸発生剤としては、露光に使用される光の照射によって酸を発生する化合物が挙げられる。例えば、ジアゾメタン化合物、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、ニトロベンジル化合物、ベンゾイントシレート化合物、ハロゲン含有トリアジン化合物、及びシアノ基含有オキシムスルホネート化合物等の光酸発生剤が挙げられる。これらの中でオニウム塩化合物の光酸発生剤が好適である。
オニウム塩化合物の具体例としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、及びトリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート等のスルホニウム塩化合物が挙げられる。
スルホンイミド化合物の具体例としては、例えば、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−ノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、及びN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
前記光酸発生剤は本発明に係るレジスト下層膜形成組成物の固形分中の含有量として、0.01乃至15質量%、又は0.1乃至10質量%である。光酸発生剤の使用割合が0.01質量%未満の場合には、発生する酸の割合が少なくなり、その結果、露光部のアルカリ性現像液に対する溶解性が低下し現像後に残渣が存在することがある。15質量%を超える場合にはレジスト下層膜形成組成物の保存安定性が低下することがあり、その結果、レジストのパターン形状に影響を与えることがある。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は、塩基性化合物を含むことができる。塩基性化合物を添加することにより、レジスト下層膜の露光時の感度調節を行うことができる。即ち、塩基性化合物が露光時に光酸発生剤より発生された酸と反応し、レジスト下層膜の感度を低下させることが可能である。また、露光部のレジスト下層膜中の光酸発生剤より生じた酸の未露光部のレジスト下層膜への拡散を抑えることができる。
上記塩基性化合物としては、特に制限はないが、例えば、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリノルマルプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリノルマルブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、トリノルマルオクチルアミン、トリイソプロパノールアミン、フェニルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、及びジアザビシクロオクタン等の3級アミンや、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリジン等の芳香族アミンを挙げることができる。更に、ベンジルアミン及びノルマルブチルアミン等の1級アミンや、ジエチルアミン及びジノルマルブチルアミン等の2級アミンも挙げられる。これらの化合物は単独または二種以上の組合せで使用することができる。
上記アミンは、光酸発生剤より生じた酸の未露光部のレジスト下層膜への拡散を抑える働きと同時に、またポリマー(A)と化合物(B)により熱架橋時に形成された架橋ポリマーに組み込まれ、そして露光部において光酸発生剤により発生した酸により架橋が切断しヒドロキシ基が生成しアルカリ現像液に溶解性を示すことができる。そのためヒドロキシ基を有するアミンが好ましい。トリエタノールアミン、トリブタノールアミンは、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物に好適に用いられる。
上記塩基性化合物が使用される場合、本発明のレジスト下層膜形成組成物におけるその塩基性化合物の含有量は、当該レジスト下層膜形成組成物の固形分中の含有量に基づいて、10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。この割合が過剰である場合には、感度が低下するからである。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は界面活性剤を含むことができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップ〔登録商標〕EF301、EF303、EF352(三菱マテリアル電子化成株式会社(旧(株)ジェムコ)製)、メガファック〔登録商標〕F171、F173、R30(DIC株式会社(旧大日本インキ化学工業(株))製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード〔登録商標〕AG710、サーフロン〔登録商標〕S−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また2種以上の組合せで添加することもできる。
上記界面活性剤が使用される場合、本発明のレジスト下層膜形成組成物におけるその界面活性剤の含有量は、当該レジスト下層膜形成組成物の固形分中の含有量に基づいて、3質量%以下であり、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物は、上記の各成分を適当な溶剤に溶解させることによって調製でき、均一な溶液状態で用いられる。そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン等を用いることができる。これらの溶剤は単独または2種以上の組合せで使用することができる。さらに、これらの溶剤に、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
調製されたレジスト下層膜形成組成物は、孔径が例えば0.2μm程度のフィルタなどを用いてろ過した後、使用することが好ましい。このように調製されたレジスト下層膜形成組成物は、室温で長期間の貯蔵安定性にも優れる。
以下、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物の使用について説明する。基板〔例えば、酸化珪素膜で被覆されたシリコン等の半導体基板、窒化珪素膜又は酸化窒化珪素膜で被覆されたシリコン等の半導体基板、窒化珪素基板、石英基板、ガラス基板(無アルカリガラス、低アルカリガラス、結晶化ガラスを含む)、ITO膜が形成されたガラス基板等〕の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明に係るレジスト下層膜形成組成物が塗布され、その後、ホットプレート等の加熱手段を用いてベークすることによりレジスト下層膜が形成される。ベーク条件としては、ベーク温度80℃乃至250℃、ベーク時間0.3分乃至60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、ベーク温度130℃乃至250℃、ベーク時間0.5分乃至5分間である。ここで、レジスト下層膜の膜厚としては、0.01μm乃至3.0μm、例えば0.03μm乃至1.0μm、又は0.05μm乃至0.5μmである。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物から形成されるレジスト下層膜は、形成時のベーク条件により化合物(B)が架橋することによって強固な膜となる。そして、その上に塗布されるレジスト溶液に一般的に使用されている有機溶剤、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γ―ブチロラクトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ピルビン酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチル等に対する溶解性が低いものとなる。このため、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物より形成されるレジスト下層膜は、レジストとのインターミキシングを起こさないものとなる。ベーク時の温度が、上記範囲より低い場合には架橋が不十分となりフォトレジストとインターミキシングを起こすことがある。また、ベーク温度が高すぎる場合も架橋が切断され、レジストとのインターミキシングを起こすことがある。
次いでレジスト下層膜の上に、レジスト膜が形成される。レジスト膜の形成は一般的な方法、すなわち、フォトレジスト溶液のレジスト下層膜上への塗布及びベークによって行なうことができる。
本発明のレジスト下層膜の上に形成されるレジストとしては、露光光に感光しポジ型の挙動を示すものであれば特に限定はない。ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジストなどがある。例えば、ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ社(旧シプレイ社)製,商品名:APEX−E、住友化学(株)製,商品名:PAR710、及び信越化学工業(株)製,商品名:SEPR430等が挙げられる。
本発明に係る半導体装置の製造に用いるレジストパターンの形成方法において、露光は所定のパターンを形成するためのマスク(レチクル)を通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(Post Exposure Bake)が行なわれる。“露光後加熱”の条件としては、加熱温度80℃乃至150℃、加熱時間0.3分乃至60分間の中から適宜、選択される。レジスト下層膜とレジスト膜で被覆された半導体基板を、フォトマスクを用い露光を行い、その後に現像する工程により半導体装置を製造するものである。本発明に係るレジスト下層膜形成組成物から形成されるレジスト下層膜は、露光時にレジスト下層膜に含まれている光酸発生剤から発生する酸の作用によって、アルカリ現像液に可溶となる。露光を行った後、アルカリ現像液でレジスト膜及びレジスト下層膜両層の一括現像を行うと、そのレジスト膜及びレジスト下層膜の露光された部分はアルカリ溶解性を示すため、除去される。
前記アルカリ現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。
現像の条件としては、現像温度5℃乃至50℃、現像時間10秒乃至300秒から適宜選択される。本発明のレジスト下層膜形成組成物から形成されるレジスト下層膜は、フォトレジストの現像に汎用されている2.38質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて、室温で容易に現像を行なうことができる。
本発明に係るレジスト下層膜形成組成物から得られるレジスト下層膜は、基板とレジスト膜との相互作用を防止するための層、レジスト膜に用いられる材料又はレジストへの露光時に生成する物質の半導体基板への悪作用を防ぐ機能を有する層、ベーク時に半導体基板から生成する物質の上層レジスト膜への拡散を防ぐ機能を有する層、及び半導体基板の誘電体層によるレジスト膜のポイズニング効果を減少させるためのバリア層等として使用することも可能である。
以下、本発明に係るレジスト下層膜形成組成物の具体例を下記実施例に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
<合成例1>
10L四つ口ナスフラスコに、CeCl・7HO 380g(1.02mol)を乾燥させ(36時間乾燥)、無水THF2.5L中、窒素雰囲気下、終夜攪拌した。得られた白色濁液を−60℃まで冷却して、1.6mol/LのCHLi溶液630mL(1.01mol)を滴下した。−60℃で0.5時間攪拌後、THF500mLに溶解させた2−アセチルナフタレン150g(0.882mol)を滴下した。反応液を−60℃で1時間攪拌後、TLC(薄層クロマトグラフィー)で2−アセチルナフタレンの消失を確認した。次に反応液にトリエチルアミン365mL(2.64mol)を滴下した。続いて内温−50℃でメタクリロイルクロリド172mL(1.76mol)を滴下した。滴下後、室温まで昇温させ、続けて1時間反応させた。反応液に3Lヘキサンを添加した後、500mL飽和NaHCO溶液を加えた。ついで反応液を水及びヘキサンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮することで淡黄色オイルを得た。得られた淡黄色オイルを−20℃のヘキサン500mL中で結晶化させて、157gの白色結晶を得た(粗収率70%、HPLC純度93%)。この白色結晶をもう一度300gヘキサンで結晶化して、135gの下記式(6)で表される2−ナフタレンプロピルメタクリレートを得た(収率61%、HPLC純度99%)。
<合成例2>
合成例1で得られた2−ナフタレンプロピルメタクリレート8.0g、4−アセトキシスチレン15g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3gを、2−ブタノン30gに溶解させた後、この溶液を2−ブタノン50gが加熱還流されているフラスコ中に2時間かけて滴下した。その後13時間加熱還流した後、室温に戻し、得られた溶液をメタノール中に加えることにより、下記式(7)で表される構造単位を有するポリマーを白色粉末として得た。
続いて、上記式(7)で表されるポリマー10g及びトリエチルアミン10gを、水5g、メタノール50g及びアセトン80gに溶解させた。その後、12時間加熱還流を行った後、室温に戻し、得られた溶液に酢酸8gを加え中和した後、水中に加えることにより、下記式(8)で表される構造単位を有するポリマー10.5gを白色粉末として得た。得られたポリマーの重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で10000であった。
<合成例3>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド10g、合成例1で得られた2−ナフタレンプロピルメタクリレート6.2g、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.6gをテトラヒドロフラン27gに溶解させた後、この溶液をテトラヒドロフラン39gが加熱還流されているフラスコ中に2時間かけて滴下した。その後、酢酸エチルを用いてポリマーを沈殿させ、ポリマーを減圧下で乾燥させ、下記式(9)で表される構造単位を有するポリマーを10.2g得た。
得られたポリマーの重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で18000であった。
<合成例4>
2−ビニルナフタレン4.1g、4−アセトキシスチレン10g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.28gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル34gに溶解させた後、この溶液を2−ブタノン24gが加熱還流されているフラスコ中に2時間かけて滴下した。その後12時間加熱還流した後、室温に戻し、得られた溶液をヘキサン中に加えることにより、下記式(10)で表される構造単位を有するポリマーを白色粉末として得た。
続いて、上記式(9)で表されるポリマー及びトリエチルアミン12gを、水6g、メタノール60g及びアセトン68gに溶解させた。その後、20時間加熱還流を行った後、室温に戻し、酢酸を加え中和した。得られた溶液を濃縮した後、メタノール:水=9:1の溶液中に加えることにより、下記式(11)で表される構造単位を有するポリマー10.0gを淡褐色粉末として得た。
得られたポリマーの重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で14000であった。
<合成例5>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド10g、2−ビニルナフタレン3.7g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8gをテトラヒドロフラン34gに溶解させた後、この溶液をテトラヒドロフラン24gが加熱還流されているフラスコ中に2時間かけて滴下した。その後、酢酸エチルを用いてポリマーを沈殿させ、ポリマーを減圧下で乾燥させ、下記式(12)で表される構造単位を有するポリマーを12.0g得た。
得られたポリマーの重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で12000であった。
<合成例6>
9−アントラセンメチルメタクリレート4.5g、4−アセトキシスチレン15g及び2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル1.2gを、2−ブタノン31gに溶解させた後、この溶液を2−ブタノン52gが加熱還流されているフラスコ中に2時間かけて滴下した。その後12時間加熱還流した後、室温に戻し、得られた溶液をヘキサン中に加えることにより、下記式(13)で表される構造単位を有するポリマーを白色粉末として得た。
続いて、上記式(13)で表されるポリマー10g及びトリエチルアミン10gを、水5g、メタノール30g及びテトラヒドロフラン30gに溶解させた。その後、5時間加熱還流を行った後、室温に戻し、酢酸を加え中和した。得られた溶液を水中に加えた後、テトラヒドロフランに再溶解させ、ジエチルエーテル中に加えることにより、下記式(14)で表される構造単位を有するポリマー1.1gを淡褐色粉末として得た。
得られたポリマーの重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で11000であった。
<合成例7>
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド5.99g、9−アントラセンメチルメタクリレート4g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.60g及びテトラヒドロフラン47.35gの溶液を加熱還流させて17時間反応させた。その後、アセトニトリルを用いてポリマーを沈殿させ、ポリマーを減圧下で乾燥させ、下記式(15)で表される構造単位を有するポリマーを8.2g得た。
得られたポリマーの重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で13000であった。
(実施例1)
合成例2で得られた式(8)で表されるポリマー0.3gに、1,3,5−トリス(4−ビニルオキシブチル)トリメリテート0.06g、トリフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート0.0025g及びトリエタノールアミン0.0007gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル5g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート11gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過し、レジスト下層膜形成組成物(溶液)を調製した。
(実施例2)
合成例3で得られたポリマー0.5gに、1,3,5−トリス(4−ビニルオキシブチル)トリメリテート0.15g、トリフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート0.005g及びトリエタノールアミン0.001gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル38gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過し、レジスト下層膜形成組成物(溶液)を調製した。
(比較例1)
合成例4で得られた式(11)で表されるポリマー0.3gに、1,3,5−トリス(4−ビニルオキシブチル)トリメリテート0.06g、トリフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート0.0025g及びトリエタノールアミン0.0007gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル5g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート11gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過し、レジスト下層膜形成組成物(溶液)を調製した。
(比較例2)
合成例5で得られたポリマー0.5gに、1,3,5−トリス(4−ビニルオキシブチル)トリメリテート0.15g、トリフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート0.005g及びトリエタノールアミン0.001gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル38gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過し、レジスト下層膜形成組成物(溶液)を調製した。
(比較例3)
合成例6で得られた式(14)で表されるポリマー0.2gに、1,3,5−トリス(4−ビニルオキシブチル)トリメリテート0.04g及びトリフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート0.004gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル10gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過してレジスト下層膜形成組成物(溶液)を調製した。
(比較例4)
合成例7で得られたポリマー0.4gに、1,3,5−トリス(4−ビニルオキシブチル)トリメリテート0.08g及びトリフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート0.02gを混合し、これをプロピレングリコールモノメチルエーテル18gに溶解させて溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過し、さらに孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過し、レジスト下層膜形成組成物(溶液)を調製した。
〔フォトレジスト溶剤への溶出試験〕
実施例1及び実施例2、並びに比較例1乃至比較例4で調製された各レジスト下層膜形成組成物をスピナーにより、半導体基板(シリコンウェハー)上に塗布した。その後、160℃のホットプレート上で1分間ベークし、レジスト下層膜(膜厚0.05μm)を形成した。このレジスト下層膜をフォトレジストに使用する溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルに浸漬した。その結果、前記レジスト下層膜はこの溶剤に難溶であることを確認した。
〔光学パラメーターの試験〕
実施例1及び実施例2、並びに比較例1乃至比較例4で調製された各レジスト下層膜形成組成物をスピナーにより、半導体基板(シリコンウェハー)上に塗布した。その後、160℃のホットプレート上で1分間ベークし、レジスト下層膜(膜厚0.05μm)を形成した。そして、これらのレジスト下層膜を光エリプソメーター(J.A. Woollam社製、VUV−VASE VU−302)を用い、波長193nmでの屈折率(n値)及び減衰係数(k値)を測定した。評価の結果を下記表1に示す。
〔現像性の評価〕
実施例1並びに比較例1及び比較例3で調製された各レジスト下層膜形成組成物をスピナーにより、半導体基板(シリコンウェハー)上に塗布した。その後、160℃のホットプレート上で1分間ベークし、レジスト下層膜(膜厚0.05μm)を形成した。次に露光機(波長248nm)により全面露光し、1分間露光を行った後、110℃のホットプレート上で1分間加熱した。冷却後、現像液として0.26規定のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像した。
その結果、実施例1で調製されたレジスト下層膜形成組成物を用いた場合は、すべて現像液に溶解した(残膜0μm)。一方、比較例1では現像後に0.04μmの残膜、及び比較例3では現像後に0.02μmの残膜が観察された。
〔パターン形状の評価〕
実施例1並びに比較例1及び比較例3で調製された各レジスト下層膜形成組成物をスピナーにより、半導体基板(シリコンウェハー)上に塗布した。その後、160℃のホットプレート上で1分間ベークし、レジスト下層膜(膜厚0.05μm)を形成した。このレジスト下層膜の上に、市販のフォトレジスト溶液(JSR(株)製、商品名:V146G)をスピナーにより塗布し、110℃のホットプレート上で1分間加熱してフォトレジスト膜(膜厚0.275μm)を形成した。次いで、ASML社製ASM750スキャナー(波長248nm、NA:0.70、σ:0.875/0.575(ANNULAR))を用い、現像後にフォトレジストパターンのライン幅及びそのライン間の幅が0.18μmになるよう設定されたマスクを通して、露光を行った。その後、110℃のホットプレート上で1分間“露光後加熱”を行なった。冷却後、現像液として0.26規定のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像した。
現像後、得られた各フォトレジストパターンの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果、実施例1で調製されたレジスト下層膜形成組成物を用いた場合、得られたフォトレジストパターンの形状は、図1に示すように残渣は観察されなかった。一方比較例1及び比較例3で調製されたレジスト下層膜形成組成物を用いた場合、レジスト下層膜の一部が現像されず残渣が残っていた。

Claims (6)

  1. 下記式(1):

    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは直接結合又はフェニレン基を表し、Aはナフチル基又はアントラセニル基を表す。)
    で表される構造単位を有するポリマー、少なくとも2つのビニルエーテル基を有する化合物、光酸発生剤及び溶剤を含むリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物。
  2. 前記ポリマーはさらに、下記式(2):

    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Yは直接結合、−C(=O)−NH−基又は−C(=O)−O−基を表す。)
    で表される構造単位を有する請求項1に記載のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物。
  3. 前記ポリマーはさらに、下記式(3):

    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Zは直接結合又はフェニレン基を表す。)
    で表される構造単位を有する請求項1又は請求項2に記載のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物。
  4. さらに界面活性剤を有する請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物。
  5. さらに塩基性化合物を含む請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布しベークしてレジスト下層膜を形成する工程、前記レジスト下層膜上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト下層膜と前記レジスト膜で被覆された半導体基板を露光する工程、及び露光後に前記レジスト膜と前記レジスト下層膜を現像する工程を含む、半導体装置の製造に用いるレジストパターンの形成方法。
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