JP5533607B2 - スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池の光吸収層を形成するためのCu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成するときに使用するスパッタリングターゲット及びその製造方法に関するものである。
近年、化合物半導体による薄膜太陽電池が実用に供せられるようになり、この化合物半導体による薄膜太陽電池は、ソーダライムガラス基板の上にプラス電極となるMo電極層を形成し、このMo電極層の上にCu−In−Ga−Se四元系合金膜からなる光吸収層が形成され、この光吸収層の上にZnS、CdSなどからなるバッファ層が形成され、このバッファ層の上にマイナス電極となる透明電極層が形成された基本構造を有している。
上記Cu−In−Ga−Se四元系合金膜からなる光吸収層の形成方法として、蒸着法により成膜する方法が知られており、この方法により得られた光吸収層は高いエネルギー変換効率が得られるものの、蒸着法による成膜は速度が遅いため、大面積成膜した場合、膜厚の面内分布の均一性が不足している。そのために、スパッタ法によってCu−In−Ga−Se四元系合金膜からなる光吸収層を形成する方法が提案されている。
このCu−In−Ga−Se四元系合金膜をスパッタ法により成膜する方法として、まず、Cu−Ga二元系合金ターゲットを使用してスパッタすることによりCu−Ga二元系合金膜を成膜し、このCu−Ga二元系合金膜の上にInターゲットを使用してスパッタによりIn膜を成膜し、得られたCu−Ga二元系合金膜およびIn膜からなる積層膜をSe雰囲気中で熱処理してCu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成する方法(いわゆる、セレン化法)が提案されている(特許文献1参照)。
特許第3249408号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、セレン化法ではCu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成するためにSe雰囲気中で熱処理することが必要であるが、このような工程を用いずにCu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成するための積層膜として、直接、Seを含有する膜をスパッタ法で成膜することが検討されている。しかしながら、純Seのスパッタリングターゲットでスパッタリングを試みると、ターゲットに穴が空いたり溶けたりするため実際にはスパッタリングができないという問題があった。また、CuSe合金からなるスパッタリングターゲットでは、組成比がCu:Se=1:2(重量比)程度であるため、Seの含有量が少なすぎて成膜した際に十分なSeを供給することができないという不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、Cu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成するための積層膜として、スパッタ法により十分にSeを含有した膜を成膜可能なスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、Cu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成するための積層膜用として、Seが高濃度に含有されたスパッタリングターゲットを製造するべく研究を行った。その結果、Cu合金粉と純Se粉とを混合して加圧焼結させることで、高濃度のSeを含有すると共に安定したスパッタリングが可能なスパッタリングターゲットが得られることを突き止めた。
したがって、本発明は、上記知見から得られたものであり、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のスパッタリングターゲットは、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金相と、純Se相とで構成されていることを特徴とする。
このスパッタリングターゲットでは、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金相と、純Se相とで構成されているので、純Seのみのターゲットで発生していたターゲットの穴あきや溶解が生じ難く安定したスパッタリングが可能であると共に、純Se相の割合に応じて高濃度なSeを有する化合物膜を成膜可能である。
また、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金粉と、純Se粉との混合粉末を、真空または不活性ガス雰囲気中で加圧焼結する工程を有していることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリングターゲットの製造方法では、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金粉と、純Se粉との混合粉末を、真空または不活性ガス雰囲気中で加圧焼結する工程を有しているので、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金相と、純Se相とで構成されたスパッタリングターゲットを得ることができる。
また、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、前記純Se粉を、全体に対して90質量%以下で混合することを特徴とする。
すなわち、このスパッタリングターゲットの製造方法では、純Se粉を、全体に対して90質量%以下で混合するので、純Seのスパッタリングターゲットの場合のような穴あきや溶解の発生を十分に抑制したスパッタリングターゲットを得ることができる。
さらに、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、前記合金粉が、Se:30〜90質量%を含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuSe合金粉であることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリングターゲットの製造方法では、合金粉が、Se:30〜90質量%を含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuSe合金粉であるので、CuSe合金相と純Se相とから構成されたスパッタリングターゲットを得ることができる。
なお、合金粉におけるSeを上記含有量に設定した理由は、Seが30質量%未満であると、スパッタすると膜中のSeが少なくなってしまうため、あまり効果が得られないためである。また、Seが90質量%を超えると、焼結中に溶け出しが発生するためである。
また、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、前記合金粉が、Gaを70質量%以下で含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuGa合金粉であることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリングターゲットの製造方法では、合金粉が、Gaを70質量%以下で含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuGa合金粉であるので、CuGa合金相と純Se相とから構成されたスパッタリングターゲットを得ることができる。
なお、合金粉におけるGaを上記含有量に設定した理由は、Gaが70質量%を超えると、Gaが単体で存在してしまうため焼結中に溶け出しが発生する可能性があるためである。
また、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、前記合金粉が、In:30〜70質量%を含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuIn合金粉であることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリングターゲットの製造方法では、合金粉が、In:30〜70質量%を含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuIn合金粉であるので、CuIn合金相と純Se相とから構成されたスパッタリングターゲットを得ることができる。
なお、合金粉におけるInを上記含有量に設定した理由は、Inが30質量%未満であると、焼結時温度が上がってしまい純Seが溶け出してしまうためである。また、Inが70質量%を超えると、合金粉同士が結合しやすくなるため、混合すると粒が粗大化してしまい、混合状態が思わしくないためである。
また、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、前記合金粉が、70質量%以下のInと50質量%以下のGaとを含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuInGa合金粉であることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリングターゲットの製造方法では、合金粉が、70質量%以下のInと50質量%以下のGaとを含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuInGa合金粉であるので、CuInGa合金相と純Se相とから構成されたスパッタリングターゲットを得ることができる。
なお、合金粉におけるInおよびGaを上記含有量に設定した理由は、Inが70質量%を超えると、合金粉同士が結合しやすくなるため、混合すると粒が粗大化してしまい、混合状態が思わしくないためである。また、Gaが70質量%を超えると、Gaが単体で存在してしまうため焼結中に溶け出しが発生する可能性があるためである。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るスパッタリングターゲットによれば、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金相と、純Se相とで構成されているので、純Seのみのターゲットのようなターゲットの穴あきや溶解が生じ難く安定したスパッタリングが可能であると共に、純Se相の割合に応じて高濃度なSeを有する化合物膜を成膜可能である。また、本発明に係るスパッタリングターゲットの製造方法によれば、Cu,Ga,In,SeのうちCuと他の1種または2種以上とからなる合金粉と、純Se粉との混合粉末を、真空または不活性ガス雰囲気中で加圧焼結する工程を有しているので、上記本発明のスパッタリングターゲットを得ることができる。したがって、本発明のスパッタリングターゲットを用いれば、スパッタ法により高濃度にSeを含有した化合物膜を良好に成膜でき、発電効率の高い太陽電池を作製可能である。
本発明に係るスパッタリングターゲットおよびその製造方法の実施例1(CuSe−Seターゲット)において、ターゲットの断面組織をEPMAにより測定した組成像(CP)および各元素の元素分布像である。 本発明に係るスパッタリングターゲットおよびその製造方法の実施例2(CuSe−Seターゲット)において、ターゲットの断面組織をEPMAにより測定した組成像(CP)および各元素の元素分布像である。 本発明に係るスパッタリングターゲットおよびその製造方法の実施例3(CuGa−Seターゲット)において、ターゲットの断面組織をEPMAにより測定した組成像(CP)および各元素の元素分布像である。 本発明に係るスパッタリングターゲットおよびその製造方法の実施例4(CuGa−Seターゲット)において、ターゲットの断面組織をEPMAにより測定した組成像(CP)および各元素の元素分布像である。
以下、本発明に係るスパッタリングターゲット及びその製造方法の一実施形態を説明する。
本実施形態のスパッタリングターゲットは、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金相と、純Se相とで構成されている。すなわち、上記合金相は、CuSe合金相、CuGa合金相、CuIn合金相またはCuGaIn相などである。
上記本実施形態のスパッタリングターゲットを作製する方法は、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金粉と、純Se粉との混合粉末を、真空または不活性ガス雰囲気中で加圧焼結する工程を有している。
また、このスパッタリングターゲットの製造方法では、純Se粉を、全体に対して90質量%以下で混合している。
上記スパッタリングターゲットとして、CuSe合金相と純Se相とから構成されるCuSe−Seスパッタリングターゲットを得る場合には、上記合金粉として、Se:30〜90質量%を含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuSe合金粉を採用する。
また、上記スパッタリングターゲットとして、CuGa合金相と純Se相とから構成されるCuGa−Seスパッタリングターゲットを得る場合には、上記合金粉として、Gaを70質量%以下で含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuGa合金粉を採用する。
また、上記スパッタリングターゲットとして、CuIn合金相と純Se相とから構成されるCuIn−Seスパッタリングターゲットを得る場合には、上記合金粉として、In:30〜70質量%を含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuIn合金粉を採用する。
さらに、上記スパッタリングターゲットとして、CuInGa合金相と純Se相とから構成されるCuInGa−Seスパッタリングターゲットを得る場合には、上記合金粉として、70質量%以下のInと50質量%以下のGaとを含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuInGa合金粉を採用する。
上記CuSe合金粉は、例えば原料のCuとSeとを石英ルツボに入れてAr雰囲気中で溶解させ、溶解後に鉄製のモールドに注いでインゴットにした後、振動ミル(鉄製のベッセル(容器)にインゴットを入れて振動で粉砕する装置)によって機械粉砕し、粉砕した合金粉を篩分けにより所定の粒径に分級することで作製される。なお、上記溶解時の溶解温度は、650〜750℃に設定され、溶解時間は20〜30分に設定される。また、上記粉砕時の粉砕時間は、1回10秒前後に設定され、粉砕量は1回200g前後に設定される。さらに、上記篩分けは、篩い目250μmの篩により行われる。
上記CuGa合金粉は、例えば原料のCuとGaとをカーボンルツボに入れてAr雰囲気中で溶解させ、アトマイズ法にて粉末にし、この粉末を篩分けにより所定の粒径に分級することで作製される。なお、上記溶解時の溶解温度は1150〜1200℃に設定され、アトマイズ法におけるガス圧は24〜40kgf/cmに設定される。また、上記篩分けは、篩い目250μmの篩により行われる。
上記CuIn合金粉は、例えば原料のCuとInとをカーボンルツボに入れてAr雰囲気中で溶解させ、アトマイズ法にて粉末にし、この粉末を篩分けにより所定の粒径に分級することで作製される。なお、上記溶解時の溶解温度は1150〜1200℃に設定され、アトマイズ法におけるガス圧は24〜40kgf/cmに設定される。また、上記篩分けは、篩い目250μmの篩により行われる。
上記CuInGa合金粉は、例えば原料のCuとInとGaとをカーボンルツボに入れてAr雰囲気中で溶解させ、アトマイズ法にて粉末にし、この粉末を篩分けにより所定の粒径に分級することで作製される。なお、上記溶解時の溶解温度は1150〜1200℃に設定され、アトマイズ法におけるガス圧は24〜40kgf/cmに設定される。また、上記篩分けは、篩い目250μmの篩により行われる。
上記純Se粉は、例えばSe(ショット)を振動ミルで機械粉砕し、この粉砕粉を篩分けにより所定の粒径に分級することで作製される。なお、上記粉砕時の粉砕時間は、1回10秒前後に設定され、粉砕量は1回200g前後に設定される。また、上記篩い分けは、篩い目250μmの篩により行われる。
上記加圧焼結としては、ホットプレス温度:80〜200℃の比較的低温のホットプレスが採用される。
このホットプレスを行うには、まず分級された上記合金粉と純Se粉とを、所定の混合割合で混合装置(例えば、ロッキングミキサー、ボールミル、ヘンシェルミキサー、ジェットミル、V型混合機等)を用いて混合、分散させ、ホットプレスの混合粉を用意する。
この混合粉を鉄製のモールドに充填し、所定の条件(ホットプレス温度:80〜200℃、ホットプレス圧力:300〜1500kgf/cm)でホットプレスして焼結体とする。この焼結体を機械加工にて目標のサイズに加工することで、本実施形態のスパッタリングターゲットが作製される。
このように作製したスパッタリングターゲットを用いたスパッタは、DCマグネトロンスパッタを用い、Arガス中で行う。このときの直流(DC)スパッタは、パルス電圧を付加するパルスDC電源を用いることでもよいし、パルスなしのDC電源でも可能である。
このように本実施形態のスパッタリングターゲットでは、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金相と、純Se相とで構成されているので、純Seのみのターゲットで発生していたターゲットの穴あきや溶解が生じ難く安定したスパッタリングが可能であると共に、純Se相の割合に応じて高濃度なSeを有する化合物膜を成膜可能である。
また、本実施形態のスパッタリングターゲットの製造方法では、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金粉と、純Se粉との混合粉末を、真空または不活性ガス雰囲気中で加圧焼結する工程を有しているので、Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金相と、純Se相とで構成された上記のスパッタリングターゲットを得ることができる。すなわち、上記合金粉に応じて、CuSe合金相と純Se相とから構成されるCuSe−Seスパッタリングターゲット、CuGa合金相と純Se相とから構成されるCuGa−Seスパッタリングターゲット、CuIn合金相と純Se相とから構成されるCuIn−Seスパッタリングターゲット、CuInGa合金相と純Se相とから構成されるCuInGa−Seスパッタリングターゲットなどが得られる。
次に、本発明に係るスパッタリングターゲット及びその製造方法を、上記実施形態に基づき実際に作製した実施例により、評価した結果を説明する。
<実施例1,2>
上記合金粉としてCuSe合金粉を採用し、純Se粉と混合して加圧焼結することでCuSe−Seスパッタリングターゲットを作製した。すなわち、まず上記製法で作製したCuSe系合金粉と、純Se粉とをロッキングミキサーにより2種類の混合割合(実施例1,2)で30分間混合し、この混合粉を鉄製モールドに充填してホットプレスして焼結体とした。この焼結体を所定サイズに機械加工することで、実施例1および2のスパッタリングターゲットを作製した。
上記CuSe合金粉は、組成比がCu16.75Se83.25(wt%)である。
また、CuSe合金粉の平均粒径は、約60μmである。
さらに、純Se粉の平均粒径は、約50μmである。これらの平均粒径の測定方法および測定条件は、以下の通りである。
<平均粒径の測定方法および条件>
測定装置:日機装マイクロトラックMP3000
拡散方法:ホモジナイザー(US−300T)
粒子透過性:反射
溶媒:ヘキサメタリンサン水溶液(0.2%)
溶媒の屈折率:1.333
測定回数:1
実施例1としては、組成比が(Cu16.75Se83.2520−Se80(wt%)となるようにCuSe合金粉と純Se粉とを配合させた。
また、実施例2としては、組成比が(Cu16.75Se83.2550−Se50(wt%)となるようにCuSe合金粉と純Se粉とを配合させた。
さらに、実施例1におけるホットプレスの条件は、圧力が600kgf/cmであり、ホットプレス温度が115℃であると共にキープ時間が1時間である。
また、実施例2におけるホットプレスの条件は、圧力が600kgf/cmであり、ホットプレス温度が80℃であると共にキープ時間が1時間である。
<実施例3,4>
上記合金粉としてCuGa合金粉を採用し、純Se粉と混合して加圧焼結することでCuGa−Seスパッタリングターゲットを作製した。すなわち、まず上記製法で作製したCuGa合金粉と、純Se粉とをロッキングミキサーにより2種類の混合割合(実施例3,4)で30分間混合し、この混合粉を鉄製モールドに充填してホットプレスして焼結体とした。この焼結体を所定サイズに機械加工することで、実施例3および4のスパッタリングターゲットを作製した。
上記CuGa合金粉は、組成比がCu50Ga50(wt%)である。
また、CuGa合金粉の平均粒径は、約25μmである。なお、この平均粒径の測定方法は、上記実施例と同様である。
実施例3としては、組成比が(Cu50Ga5010−Se90(wt%)となるようにCuGa合金粉と純Se粉とを配合させた。
また、実施例4としては、組成比が(Cu50Ga5090−Se10(wt%)となるようにCuGa合金粉と純Se粉とを配合させた。
さらに、実施例3,4におけるホットプレスの条件は、圧力が600kgf/cmであり、ホットプレス温度が135℃であると共にキープ時間が1時間である。
このようにして作製した実施例1および2のスパッタリングターゲットの断面組織をEPMA(電子線マイクロアナライザ)により元素分布を測定した。この際の組成像(CP)、Cuの元素分布像及びSeの元素分布像を、それぞれ図1および図2に示す。また、実施例3および4のスパッタリングターゲットの断面組織を同様にEPMAにより元素分布を測定した。この際の組成像(CP)、Cuの元素分布像、Seの元素分布像及びGaの元素分布像を、それぞれ図3および図4に示す。
なお、EPMAによる元素分布像は、本来カラー像であるが、白黒像に変換して記載しているため、濃淡の淡い部分(比較的白い部分)が所定元素の濃度が高い部分となっている。
これら画像から、実施例1および2では、組織がCuSe合金相と純Se相とから構成されていることがわかる。
また、実施例3および4では、組織がCuGa合金相と純Se相とから構成されていることがわかる。
次に、上記実施例のスパッタリングターゲットを用いてスパッタ中における穴あきや溶解の発生状況について観察した。まず、本実施例のスパッタリングターゲットを直流マグネトロンスパッタ装置に装着し、到達真空圧力:5×10−5Paまで真空排気した後、Arガスを導入して装置内の圧力(スパッタガス圧力)を1.0Paとした。その後、スパッタ電力を800Wとして1時間の連続スパッタを行った。このスパッタリングの結果、ターゲットに穴あきや溶解が発生しなかった。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態および上記実施例では、加圧焼結をホットプレスによって行っているが、他の方法としてHIP法(熱間等方加圧式焼結法)等を採用しても構わない。

Claims (7)

  1. Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金相と、
    純Se相とで構成されていることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 請求項1に記載のスパッタリングターゲットを作製する方法であって、
    Ga,In,Seのうち1種または2種以上とCuとからなる合金粉と、純Se粉との混合粉末を、真空または不活性ガス雰囲気中で加圧焼結する工程を有していることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  3. 請求項2に記載のスパッタリングターゲットの製造方法において、
    前記純Se粉を、全体に対して90質量%以下で混合することを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 請求項3に記載のスパッタリングターゲットの製造方法において、
    前記合金粉が、Se:30〜90質量%を含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuSe合金粉であることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  5. 請求項3に記載のスパッタリングターゲットの製造方法において、
    前記合金粉が、Gaを70質量%以下で含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuGa合金粉であることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 請求項3に記載のスパッタリングターゲットの製造方法において、
    前記合金粉が、In:30〜70質量%を含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuIn合金粉であることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  7. 請求項3に記載のスパッタリングターゲットの製造方法において、
    前記合金粉が、70質量%以下のInと50質量%以下のGaとを含有し、残部がCuからなる成分組成を有したCuInGa合金粉であることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
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