JP5532939B2 - 光インプリント用のモールドおよびこれを用いた光インプリント方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、SEM観察が可能であり高スループットで検査を行うことができ、かつ、高精細なパターン形成が可能な光インプリント用のモールドと、これを用いた光インプリント方法を提供することを目的とする。
[光インプリント用のモールド]
本発明の光インプリント用のモールドについて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の光インプリント用のモールドの一実施形態を示す概略断面図である。図1において、本発明のモールド1は、透明基材2と、この透明基材2の一方の面2aに位置し所望の凹凸構造を有する透明導電パターン層4と、透明基材2の他方の面2bに位置する透明導電裏面層7と、透明導電パターン層4と透明導電裏面層7とを電気的に接続する表裏接続部材8と、を備えている。
尚、本発明における透明、あるいは透明性とは、波長365nmの光透過率が30%以上であることを意味し、本発明では、この光透過率が80%以上であるような透明性が好ましい。また、本発明における導電、あるいは導電性とは、抵抗率が1.0×10-3Ω・cm未満であることを意味し、本発明では、この抵抗率が5.0×10-4Ω・cm未満であるような導電性が好ましい。
尚、本発明における遮光、あるいは遮光性とは、波長365nmの光透過率が1%以下であることを意味し、本発明では、この光透過率が0.1%以下であるような遮光性がより好ましい。
モールド1′を構成する表裏接続部材8としての貫通導電部材8bは、透明基材2に形成した貫通孔に導電性材料を充填したもの、あるいは、貫通孔の内壁面に導電性層を形成したものである。また、表裏接続部材8としての貫通導電部材8bは、透明基材2に形成した貫通溝に導電性材料を充填したもの、あるいは、貫通溝の内壁面に導電性層を形成したものである。透明基材2への貫通孔または貫通溝の形成は、例えば、マスクパターンを介してICP−RIE法により行うことができる。また、サンドブラスト法、ウエットエッチング法、フェムト秒レーザ法により貫通孔または貫通溝を穿設することもできる。さらに、透明基材2に、上述のいずれかの方法により、一方の面から所定の深さで微細孔または微細溝を形成し、その後、透明基材2の反対面を研磨して微細孔または微細溝を露出させることにより、貫通孔または貫通溝を形成してもよい。この貫通孔の開口径または貫通溝の開口幅は、例えば、10〜200μm、好ましくは45〜55μmの範囲で設定することができる。開口径または開口幅が10μm未満であると、貫通孔または貫通溝への貫通導電部材8bの形成が難しく断線が生じ易く、また、200μmを超えると、貫通孔または貫通溝へ充填した材料の保持が難しくなり好ましくない。また、貫通孔または貫通溝の形状は、図示例では厚み方向で内径または幅がほぼ一定のストレート形状であるが、これに限定されず、一方の開口径または開口幅が広いテーパー形状をなすもの、厚み方向のほぼ中央で内径または幅が狭くなっているような形状等であってもよい。
図4は、本発明の光インプリント用のモールドの他の実施形態を示す概略断面図である。図4において、モールド11は、透明基材12と、この透明基材12の一方の面12aに位置する透明導電ストッパー層13と、この透明導電ストッパー層13上に位置して所望の凹凸構造をなす透明導電パターン15と、透明基材12の他方の面12bに位置する透明導電裏面層17と、透明導電ストッパー層13と透明導電裏面層17とを電気的に接続する表裏接続部材18と、を備えている。
モールド11を構成する透明基材12は、上述のモールド1を構成する透明基材2と同様とすることができる。
モールド11を構成する表裏接続部材18は、透明導電ストッパー層13と透明導電裏面層17とを電気的に接続するものであり、図示例では、透明基材12の側部12cに位置する側部導電部材18aであり、このような側部導電部材18aは、上述のモールド1を構成する側部導電部材8aと同様とすることができる。
また、この表裏接続部材18が、図5に示されるモールド11′のように、透明基材12を貫通している貫通導電部材18bであってもよい。このモールド11′を構成する貫通導電部材18bは、上述のモールド1′を構成する貫通導電部材8bと同様とすることができる。
図6は、本発明の光インプリント用のモールドの他の実施形態を示す概略断面図である。図6において、本発明のモールド21は、透明基材22と、この透明基材22の一方の面22aに位置し所望の凹凸構造を有する透明導電パターン層24と導電遮光層26と、透明基材22の他方の面22bに位置する透明導電裏面層27と、導電遮光層26と透明導電裏面層27とを電気的に接続する表裏接続部材28と、を備えている。そして、上記の導電遮光層26は透明導電パターン層24の周囲に位置している。
モールド21を構成する透明基材22は、上述のモールド1を構成する透明基材2と同様とすることができる。
モールド21を構成する導電遮光層26は、光インプリントにおける光照射で、被加工物の照射が不要な部位に光が照射されないようにするための層である。このような導電遮光層26は、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)等の金属、これらの酸化物、窒化物、導電性カーボン等の1種、または2種以上からなるものであってよい。導電遮光層26の形成は、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の真空成膜法により行うことができる。導電遮光層26の厚みは、材質の導電性、光透過率に応じて適宜設定することができ、例えば、5〜100nm程度の範囲で設定することができる。導電遮光層26の厚みが5nm未満であると、遮光性が不十分となることがあり、また、100nmを超えると、成膜コストが増大し好ましくない。
モールド21を構成する表裏接続部材28は、導電遮光層26と透明導電裏面層27とを電気的に接続するものであり、図示例では、透明基材22の側部22cに位置する側部導電部材28aであり、この側部導電部材28aは、上述のモールド1を構成する側部導電部材8aと同様とすることができる。特に、このモールド21では、上記のように、被加工物への不要な光照射を防止する目的で導電遮光層26を備えており、この目的をより確実に達成するために、側部導電部材28aが遮光性を具備することが好ましい。この場合、上述の側部導電部材8aにおいて遮光性を具備する場合と同様にして、側部導電部材28aを遮光性を具備するものとし、かつ、透明基材22の側部22cの全面に設けることができる。さらに、導電遮光層26と側部導電部材28aを同一材料により構成し、同一成膜工程で形成してもよい。
図8は、本発明の光インプリント用のモールドの他の実施形態を示す概略断面図である。図8において、モールド31は、透明基材32と、この透明基材32の一方の面32aに位置する透明導電ストッパー層33と導電遮光層36と、透明導電ストッパー層33上に位置して所望の凹凸構造をなす透明導電パターン35と、透明基材32の他方の面32bに位置する透明導電裏面層37と、導電遮光層36と透明導電裏面層27とを電気的に接続する表裏接続部材38と、を備えている。そして、上記の導電遮光層36は透明導電ストッパー層33の周囲に位置している。
モールド31を構成する透明基材32は、上述のモールド1を構成する透明基材2と同様とすることができる。
モールド31を構成する導電遮光層36は、光インプリントにおける光照射で、被加工物の照射が不要な部位に光が照射されないようにするための層である。このような導電遮光層36は、上述のモールド21を構成する導電遮光層26と同様とすることができる。
モールド31を構成する透明導電パターン35は、上述のモールド11を構成する透明導電パターン15と同様とすることができる。
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の光インプリント方法について、上述の本発明のモールド1を用いた場合を例として、図11を参照して説明する。
本発明の光インプリント方法は、まず、本発明のモールド1を、透明導電裏面層7が静電チャック51に当接するように装填し、静電チャック51に所定電圧を与えてモールド1を保持する(図11(A))。また、被加工物61として、図示例では、アルミニウム、ガラス、シリコン、石英等の材質からなる基板62上に、鉄、鉄合金、コバルト、コバルト合金等の磁性材料からなる磁性層63を有し、この磁性層63を被覆するように光硬化性樹脂層64を備えた積層基板を準備する。
尚、ここでは、本発明の光インプリント方法を、上述の本発明のモールド1を用いた場合を例として説明したが、他の実施形態の本発明のモールドを使用する場合も同様である。
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例]
<モールドの作製>
下記のようにして、図8に示されるような本発明のモールドを作製した。
まず、厚み0.625mmの合成石英ウエハ(直径150mm)を光インプリント用のモールドに用いる透明基材として準備した。
上記の透明基材の一方の面に、反応性スパッタリング法により酸化インジウムスズ(ITO)薄膜(厚み30nm)を成膜して、透明導電裏面層とした。
この透明導電裏面層の光透過率は95%であり、良好な透明性を具備していることを確認した。尚、光透過率の測定は、光透過率計(大塚電子(株)製 MCPD)を用いて行った。
また、透明導電裏面層の抵抗率は3.5×10-4Ω・cmであり、良好な導電性を具備していることを確認した。尚、抵抗率の測定は、抵抗率測定装置を用いて行った。
次に、透明導電ストッパー層上に市販の感光性レジストを塗布し、所望のマスクを介して露光し、現像して、透明導電ストッパー層の中央部に20mm×20mmの大きさでレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとして、周囲に露出している透明導電ストッパー層をドライエッチングして除去した。
次いで、所望のマスクを介したパターン真空成膜法により、透明導電ストッパー層上に酸化インジウムスズ(ITO)の透明導電膜(厚み100nm)を成膜した。この透明導電膜について、上記と同様にして、光透過率と抵抗率を測定した結果、光透過率は80%であり、また、抵抗率は3.5×10-4Ω・cmであり、良好な透明性と導電性を具備していることを確認した。
(ドライエッチング条件)
・エッチングガス : HI
・ガス流量 : 50sccm
・チャンバー圧力 : 6.5Pa
・投入RF電力 : 100W
これにより、図8に示されるような本発明のモールドを得た。
上記のモールドを、測長SEMのステージに配置し、SEM観察を行った結果、明瞭な画像が得られ、上記の透明導電パターンの凹凸構造のピッチが100nmであり、使用したマスクの寸法を高い精度で再現したものであることが確認された。
<静電チャックによる保持の確認>
上記のモールドを、光インプリント装置の静電チャックに500Vの電圧を与えてモールドを保持した。その後、チャンバーを10Paまで減圧したが、モールドは静電チャックに確実に保持されていた。
<モールドの作製>
実施例1と同様の合成石英ウエハを準備し、この合成石英ウエハ上に市販の感光性レジストを塗布し、電子線描画により露光、現像して、ピッチ100nm、パターン幅50nmのLSパターンのレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとし、合成石英ウエハを下記の条件でドライエッチングして凹凸構造を形成してモールドを作製した。
(ドライエッチング条件)
・エッチングガス : CF4
・ガス流量 : 100sccm
・チャンバー圧力 : 3.0Pa
・投入RF電力 : 300W
上記のモールドについて、実施例1と同様にして、SEM観察を行った結果、明瞭な画像が得られず、モールドの検査が行えなかった。
2,12,22,32…透明基材
13,33…透明導電ストッパー層
4,24…透明導電パターン層
15,35…透明導電パターン
7,17,27,37…透明導電裏面層
8,18,28,38…表裏接続部材
8a,18a,28a,38a…側部導電部材
8b,18b,28b,38b…貫通導電部材
26,36…導電遮光層
29,39…側部遮光層
Claims (3)
- 透明基材と、該透明基材の一方の面に位置する透明導電ストッパー層と導電遮光層と、該透明導電ストッパー層上に位置して所望の凹凸構造をなす透明導電パターンと、前記透明基材の他方の面に位置する透明導電裏面層と、前記導電遮光層と前記透明導電裏面層とを電気的に接続する表裏接続部材と、を備え、
前記導電遮光層は前記透明基材の同一面上において前記透明導電ストッパー層の周囲に位置して前記透明導電ストッパー層と重なることなく電気的に接続されており、
前記表裏接続部材は、前記透明基材の側部の全域を被覆するように位置する遮光性の側部導電部材であること、または、前記表裏接続部材は、前記透明基材を貫通している貫通導電部材であり、かつ、前記透明基材は、側部の全域を被覆するように側部遮光層を備えることを特徴とする光インプリント用のモールド。 - 前記透明基材の他方の面に位置する前記透明導電裏面層は、該面の全域を被覆することを特徴とする請求項1に記載の光インプリント用のモールド。
- 走査電子顕微鏡観察による検査において良好と判断された請求項1または請求項2に記載の光インプリント用のモールドを、前記透明導電裏面層が静電チャックに当接するように装填し、該静電チャックに所定電圧を与えて前記モールドを保持し、その後、前記透明導電パターン側を被加工物に押し当て、前記モールドを介して前記被加工物に光を照射して硬化させる工程を有することを特徴とする光インプリント方法。
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