JP5532249B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、光により被走査面を走査する光走査装置、及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像記録では、レーザを用いた画像形成装置が広く用いられている。この場合、画像形成装置は光走査装置を備え、光源から射出されたレーザ光を光偏向器を用いて偏向し、感光性を有するドラム(以下では、「感光体ドラム」という)の表面を軸方向(主走査方向)に走査しつつ、感光体ドラムを回転させ、感光体ドラムの表面に潜像を形成する方法が一般的である。
近年、画像形成装置において、出力画像の多色化が進み、感光体ドラムを複数(通常は4つ)有するタンデム方式の画像形成装置が普及してきている。
また、画像形成装置における画像形成速度の高速化のために、複数の光で同時に感光体ドラムの表面を走査するマルチビーム走査方式が提案された。この場合、光走査装置は複数の光源を有することとなり、該複数の光源が副走査方向に離れて配置されていると、各光源にそれぞれ対応する複数のシリンドリカルレンズの位置が画像品質に影響する。
例えば、特許文献1には、シリンドリカルレンズが中間的な部材を介してハウジングに装着されている光走査装置が開示されている。
また、特許文献2には、複数のシリンダレンズの全てが一体的に構成されて複合結像素子を構成している走査光学系が開示されている。
また、特許文献3には、アナモフィック結像素子が、その主走査方向の端部と副走査方向の端部のうちパワーの弱い方向の端部のみが基台に接触し、該端部の略中央部で基台に固定される光走査装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている光走査装置では、ハウジングとは別に中間部材が必要なため、部品点数が増加してしまい、コストアップを招くという不都合があった。また、環境温度が変化すると、接着剤の膨張/収縮によってシリンドリカルレンズが光軸方向に移動し、ビーム径の変化によって画像が劣化するおそれがあった。
また、特許文献2に開示されている走査光学系では、複数のシリンダレンズの光軸方向の位置を個別に調整することができないため、走査レンズの曲率誤差がそのまま被走査面でのピントずれとなってしまい、画質の劣化を招くという不都合があった。
また、特許文献3に開示されている光走査装置のアナモフィック結像素子と同様にしてシリンドリカルレンズを固定しようとしても、副走査方向に離間した複数のシリンドリカルレンズを保持することは困難であった。さらに、特許文献3に開示されている実施例(図2a、図3)では、主走査方向の端部に対し、レンズ下側のみを基台に当接させる構成となっている。このような構成では、温度変動によって基台が膨張/収縮し、レンズが光軸まわり方向に微小に回転するおそれがあった。なお、回転対称でないアナモフィック結像素子が光軸まわりに回転すると、波面収差が発生し、ビームスポット径の太りの原因になる。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、複数の光で高精度の光走査を安定して行うことができる光走査装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、高品質の画像を安定して形成することができる画像形成装置を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、少なくとも2つの被走査面を個別に主走査方向に光走査する光走査装置であって、前記主走査方向に直交する副走査方向に関して互いに異なる位置に配置された少なくとも2つの光源と;前記少なくとも2つの光源に対応して設けられ、該光源から射出された光束を前記副走査方向に関して集光させる少なくとも2つの線像形成レンズと;前記少なくとも2つの線像形成レンズを介した複数の光束を偏向する光偏向器と;前記光偏向器で偏向された複数の光束を対応する被走査面に導く走査光学系と;を備え、前記少なくとも2つの線像形成レンズは、前記主走査方向の一側端面の全面が接着剤で固定され、前記主走査方向に関して光束が入射する領域の中心が光学面の中心に対して前記主走査方向の他側にずれていることを特徴とする光走査装置である。
これによれば、複数の光で高精度の光走査を安定して行うことができる。
本発明は、第2の観点からすると、少なくとも2つの被走査面を個別に主走査方向に光走査する光走査装置であって、前記主走査方向に直交する副走査方向に関して互いに異なる位置に配置された少なくとも2つの光源と;前記少なくとも2つの光源に対応して設けられ、該光源から射出された光束を前記副走査方向に関して集光させる少なくとも2つの線像形成レンズと;前記少なくとも2つの線像形成レンズを介した複数の光束を偏向する光偏向器と;前記光偏向器で偏向された複数の光束を対応する被走査面に導く走査光学系と;を備え、前記少なくとも2つの光源は、第1の光源と第2の光源を含み、前記少なくとも2つの線像形成レンズは、前記主走査方向の両側端面あるいは一側端面の全面が接着剤で固定され、且つ、前記第1の光源に対応する第1の線像形成レンズと前記第2の光源に対応する第2の線像形成レンズを含み、前記走査光学系は、前記第1の光源からの光束を対応する被走査面に導く第1の光学系と、前記第2の光源からの光束を対応する被走査面に導く第2の光学系とを含み、前記第1の光学系における反射光学素子の枚数は、前記第2の光学系における反射光学素子の枚数よりも多く、前記第1の線像形成レンズに塗布された前記接着剤の量は、前記第2の線像形成レンズに塗布された前記接着剤の量よりも多いことを特徴とする光走査装置である。
これによれば、複数の光で高精度の光走査を安定して行うことができる。
本発明は、第の観点からすると、複数の像担持体と;前記複数の像担持体に対して画像情報に応じて変調された光を用いて光走査する本発明の光走査装置と;を備える画像形成装置である。
これによれば、高品質の画像を安定して形成することができる。
本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。 図1における光走査装置2010Aの構成を説明するための図(その1)である。 図1における光走査装置2010Aの構成を説明するための図(その2)である。 図4(A)〜図4(C)は、それぞれ光源に含まれるLDアレイを説明するための図である。 偏向器側走査レンズの各光学面の形状を説明するための図である。 各像面側走査レンズの各光学面の形状を説明するための図である。 各像面側走査レンズの配置状態を説明するための図である。 主な光学素子の配置例を説明するための図である。 図8におけるd1〜d9の具体例を説明するための図である。 走査光学系の配置例を説明するための図である。 保持部材を説明するための図である。 各シリンドリカルレンズの保持状態を説明するための図(その1)である。 各シリンドリカルレンズの保持状態を説明するための図(その2)である。 図14(A)は、各シリンドリカルレンズの底面接着を説明するための図であり、図14(B)は、各シリンドリカルレンズの側面接着を説明するための図である。 シリンドリカルレンズの副走査位置調整の効果を説明するための図(その1)である。 シリンドリカルレンズの副走査位置調整の効果を説明するための図(その2)である。 シリンドリカルレンズの側面接着の効果を説明するための図(その1)である。 シリンドリカルレンズの側面接着の効果を説明するための図(その2)である。 図1における光走査装置2010Bの構成を説明するための図(その1)である。 図1における光走査装置2010Bの構成を説明するための図(その2)である。 光走査装置の変形例を説明するための図である。 シリンドリカルレンズの両側面接着を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図20に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、2つの光走査装置(2010A、2010B)、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及びプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの画像情報を各光走査装置に送る。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010Aは、プリンタ制御装置2090からのブラック画像情報に基づいて変調された光束を、帯電装置2032aによって帯電された感光体ドラム2030aの表面に照射するとともに、プリンタ制御装置2090からのシアン画像情報に基づいて変調された光束を、帯電装置2032bによって帯電された感光体ドラム2030bの表面に照射する。
光走査装置2010Bは、プリンタ制御装置2090からのマゼンタ画像情報に基づいて変調された光束を、帯電装置2032cによって帯電された感光体ドラム2030cの表面に照射するとともに、プリンタ制御装置2090からのイエロー画像情報に基づいて変調された光束を、帯電装置2032dによって帯電された感光体ドラム2030dの表面に照射する。
これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、光走査装置2010A及び光走査装置2010Bの構成については後述する。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされて多色のカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010Aの構成について説明する。
光走査装置2010Aは、一例として図2及び図3に示されるように、2つの光源(2200a、2200b)、2つのカップリングレンズ(2201a、2201b)、2つの開口板(2202a、2202b)、2つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b)、ポリゴンミラー2104A、偏向器側走査レンズ2105A、3枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2107a)、2つの像面側走査レンズ(2108a、2108b)、2枚の防塵ガラス(2110a、2110b)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300A(図2では図示省略、図3参照)の所定位置に組み付けられている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、ポリゴンミラー2104Aの回転軸に平行な方向をZ軸方向として説明する。
また、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源2200aと光源2200bは、副走査対応方向(ここでは、Z軸方向)に関して離れた位置に配置されている。そして、各光源は、発振波長が659nmの2つの発光部を有するLD(Laser Diode)アレイを含んでいる(図4(A)参照)。該2つの発光部の間隔dは30μmである。また、各発光部における光束の発散角は、2つの発光部を水平に並べたとき、横方向が32°(半値全角)、縦方向が8.5°(半値全角)である。
各光源は、その略中心を通り、ポリゴンミラー2104Aに向かう方向に平行な軸まわりに回動可能であり、感光体ドラム表面に形成される潜像の画素密度が600dpiに対応するように、すなわち、感光体ドラム表面における副走査方向に関するビーム間隔(ビームピッチ)が約42.3μmになるように(図4(B)参照)、回転調整されている。ここでは、2つの発光部を結ぶ線分が主走査対応方向に対して63.4°傾斜するように回転調整されている(図4(C)参照)。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束(以下では、「光束LBa」ともいう。)の光路上に配置されている。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束(以下では、「光束LBb」ともいう。)の光路上に配置されている。
各カップリングレンズは、焦点距離が14.5mm、波長659nmの光に対する屈折率が1.515のガラス製レンズであり、対応する光源からの光束を略平行光束にする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束LBaを整形する。
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束LBbを整形する。
各開口板の開口部は、主走査対応方向に関する長さが2.84mm、副走査対応方向(ここでは、Z軸方向)に関する長さが0.90mmの長方形状あるいは楕円形状の開口部である。そして、各開口板は、開口部の中心が、対応するカップリングレンズの焦点位置近傍に位置するように配置されている。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束LBaを、ポリゴンミラー2104Aの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束LBbを、ポリゴンミラー2104Aの偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
各シリンドリカルレンズは、焦点距離が87.8mm、波長659nmの光に対する屈折率が1.514のガラス製レンズである。そして、各シリンドリカルレンズは、副走査対応方向に関して互いに近接して配置されている。
カップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aとからなる光学系は、Kステーションの偏向器前光学系である。
カップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bとからなる光学系は、Cステーションの偏向器前光学系である。
ポリゴンミラー2104Aは、Z軸方向に平行な軸まわりに回転する6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。すなわち、ポリゴンミラー2104Aは、6枚の偏向反射面を有している。上記6面鏡の外形は、半径13mmの円に内接する正六角形である。
ここでは、各シリンドリカルレンズからの光束は、回転中心よりも+X側に位置する同一の偏向反射面に入射する。
そして、シリンドリカルレンズ2204aからの光束LBaは、ポリゴンミラー2104Aの回転軸に直交する平面(XY平面)に対して+Z側に2.5°傾斜した方向から偏向反射面に入射する。また、シリンドリカルレンズ2204bからの光束LBbは、ポリゴンミラー2104Aの回転軸に直交する平面に対して−Z側に2.5°傾斜した方向から偏向反射面に入射する。
なお、以下では、光束が偏向反射面に入射する際に、ポリゴンミラーの回転軸に直交する面に対して傾斜した方向から入射することを「斜入射」といい、ポリゴンミラーの回転軸に直交する面に平行な方向から入射することを「水平入射」という。
偏向器側走査レンズ2105Aは、ポリゴンミラー2104Aで偏向された光束LBa及び光束LBbの光路上に配置されている。
折り返しミラー2106aは、偏向器側走査レンズ2105Aを介した光束LBaの光路上に配置され、該光束LBaの光路を−X方向に折り返す。
折り返しミラー2107aは、折り返しミラー2106aを介した光束LBaの光路上に配置され、該光束LBaの光路を感光体ドラム2030aに向かう方向に折り返す。
像面側走査レンズ2108aは、折り返しミラー2107aを介した光束LBaの光路上に配置されている。
そこで、ポリゴンミラー2104Aで偏向された光束LBaは、偏向器側走査レンズ2105A、折り返しミラー2106a、折り返しミラー2107a、像面側走査レンズ2108a及び防塵ガラス2110aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104Aの回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
折り返しミラー2106bは、偏向器側走査レンズ2105Aを介した光束LBbの光路上に配置され、該光束LBbの光路を感光体ドラム2030bに向かう方向に折り返す。
像面側走査レンズ2108bは、折り返しミラー2106bを介した光束LBbの光路上に配置されている。
そこで、ポリゴンミラー2104Aで偏向された光束LBbは、偏向器側走査レンズ2105A、折り返しミラー2106b、像面側走査レンズ2108b及び防塵ガラス2110bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104Aの回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」、「画像形成領域」、あるいは「有効画像領域」などと呼ばれている。
ポリゴンミラー2104Aと各感光体ドラムとの間の光路上に配置されている光学系は、走査光学系とも呼ばれている。
光走査装置2010Aでは、偏向器側走査レンズ2105Aと2枚の折り返しミラー(2106a、2107a)と像面側走査レンズ2108aと防塵ガラス2110aとからKステーションの走査光学系が構成されている。
また、偏向器側走査レンズ2105Aと折り返しミラー2106bと像面側走査レンズ2108bと防塵ガラス2110bとからCステーションの走査光学系が構成されている。
すなわち、偏向器側走査レンズ2105Aは、2つのステーションで共用されている。
偏向器側走査レンズ2105Aは、波長659nmの光に対する屈折率が1.530の樹脂製レンズであり、中心(光軸上)の肉厚が5.2mmである。
各像面側走査レンズは、波長659nmの光に対する屈折率が1.530の樹脂製レンズであり、中心(光軸上)の肉厚が3.0mmである。
各走査レンズの各光学面(入射光学面、射出光学面)の形状は、次の(1)式及び(2)式で表される。
Figure 0005532249
Figure 0005532249
上記(1)式及び(2)式では、主走査対応方向に関する光軸からの距離をyとし、副走査対応方向に関する光軸からの距離をzとしている。そして、光軸を含み、主走査対応方向に平行な断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径をRm(=1/Cm)、光軸を含み、主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径をRzとしている。また、A、B、C、…は主走査対応方向に関する形状の非球面係数であり、a、b、c、…は副走査対応方向に関する形状の非球面係数である。
偏向器側走査レンズ2105AにおけるRm、Rz、及び各係数の具体例(単位はmm)が図5に示されている。また、各像面側走査レンズにおけるRm、Rz、及び各係数の具体例(単位はmm)が図6に示されている。
各像面側走査レンズは、各光束がポリゴンミラーに水平に入射したと仮定したときの軸から、副走査対応方向に関して3.38mm通過光束に近づく方向にシフトした位置が、副走査対応方向に関するレンズ面頂点(上記(1)式におけるz=0の位置)となるように配置されている(図7参照)。
各ステーションにおける走査光学系のみの副走査倍率は、−0.85倍である。そして、各感光体ドラム表面での光スポットの大きさの設計値は、主走査方向で65μm、副走査方向で75μmである。
各防塵ガラスは、波長659nmの光に対する屈折率が1.517、肉厚が1.9mmのガラス板である。
また、主な光学素子の配置位置の具体例が図8及び図9に示されている。そして、有効走査領域の長さは220mmであり、該有効走査領域内を光走査するときのポリゴンミラー2104Aの回転角は17.1°であり、画角は34.2°である。なお、図8は、走査光学系については、光路を一方向に展開した模式図であり、d1〜d9の値は光路長である。
また、走査光学系における各光学素子の配置位置及び傾斜角の具体例が図10に示されている。なお、図10における位置は、偏向反射面での反射位置を起点とする光路長で示されている。また、角度は、副走査対応方向に対する傾斜角で示されている。
ところで、2つの光源(2200a、2200b)、2つのカップリングレンズ(2201a、2201b)、2つの開口板(2202a、2202b)、及び2つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b)は、一例として図11に示されるように、保持部材10に所定の位置関係で保持され、ユニット化されている。以下では、このユニット化されたものを「光源ユニット」という。
各光源は、それぞれ保持部材10に形成されている貫通孔に挿入され保持されている。
各カップリングレンズは、副走査対応方向の一端に紫外線硬化型の接着剤が塗布され、対応する光源から射出された光束が平行光束となるように、主走査対応方向及び副走査対応方向に関して光軸の調整が行われたのち、接着剤に紫外線が照射され、保持部材10に固定される。
各開口板は、それぞれ副走査対応方向の一端に紫外線硬化型の接着剤が塗布され、所定の位置に取り付けられると接着剤に紫外線が照射され、保持部材10に固定される。
各シリンドリカルレンズは、光源ユニットが光学ハウジングに組み付けられた後に、主走査対応方向の一側端面全体に接着剤が塗布され、各折り返しミラーの取り付け誤差や各走査レンズの曲率誤差などによる副走査方向に関するピント位置ずれ、副走査方向に関する照射位置ずれなどを補正するように位置調整が行われる。そして、接着剤に紫外線が照射され、保持部材10の側板に固定される(図12参照)。なお、以下では、便宜上、シリンドリカルレンズにおける上記主走査対応方向の一側端面を「接着固定端面」、他側端面を「自由端面」ともいう。また、シリンドリカルレンズにおける副走査対応方向に関する取り付け位置の調整を、「副走査位置調整」と略述する。
また、各シリンドリカルレンズは、光線が略垂直に入射するように取り付けられる。仮に、シリンドリカルレンズに対し光線が斜めに入射すると、屈折が起こるため、副走査対応方向に関する入射位置と出射位置が僅かにずれ、光学特性の劣化を生じる。
また、各シリンドリカルレンズは、光束が通過する領域の中心が、主走査対応方向に関して、レンズの中心に対して、自由端面のほうに0.5mmずれるように設定されている(図13参照)。この場合は、入射する光線の位置がずれたり、接着剤が予定よりも多く塗布され、光学面に接着剤が付着しても、光線が接着剤の部分に入射することを防ぐことができる。
ところで、光走査装置2010Aでは、Kステーションの走査光学系は、2枚の折り返しミラーを有しているのに対し、Cステーションの走査光学系は、1枚の折り返しミラーのみを有している。シリンドリカルレンズの副走査位置調整は、折り返しミラーにおける折り返し方向の取り付け角度のばらつきを吸収する目的がある。そのため、折り返しミラーの枚数が多い方が、副走査位置調整の調整量が多くなる。具体的には、シリンドリカルレンズ2204aにおける副走査位置調整の調整幅が±0.6mmであるのに対し、シリンドリカルレンズ2204bにおける副走査位置調整の調整幅は±0.4mmとなっている。
そこで、シリンドリカルレンズ2204aに塗布される接着剤の量は1[ml]、シリンドリカルレンズ2204bに塗布される接着剤の量は0.8[ml]としている。レンズの光学面に接着剤が付着するのを防ぐためには、接着剤の量をなるべく少なくすることが望ましいが、塗布後の副走査位置調整により接着剤が伸ばされるため、シリンドリカルレンズをその最大調整幅だけ動かしても、保持部材10に保持されるのに十分な接着剤の量を保つ必要がある。そのため、接着剤の塗布量は、調整幅が大きいシリンドリカルレンズ2204aの方が、シリンドリカルレンズ2204bよりも多くしている(図13参照)。
シリンドリカルレンズを保持部材に保持する際、従来は、一例として図14(A)に示されるように、シリンドリカルレンズにおける副走査対応方向の一側端面に接着剤を塗布し、保持部材に固定していた。なお、便宜上、このような固定を「底面接着」ともいう。一方、光走査装置2010Aでは、シリンドリカルレンズにおける主走査対応方向の一側端面全面に接着剤を塗布し、保持部材に固定している。なお、便宜上、このような固定を「側面接着」ともいう。
例えば、シリンドリカルレンズにおける副走査位置調整の調整幅が±0.5mmのとき、該シリンドリカルレンズが底面接着されていると、接着剤層の厚さは最大1mmになってしまう。紫外線硬化型の接着剤は、その線膨張係数がガラスと比較して1桁程度大きいため、接着剤層の厚さが厚いと、環境温度の変化によって、該シリンドリカルレンズの副走査対応方向に関する取り付け位置が大きく変化する。特に、シリンドリカルレンズは、ポリゴンミラーからの風を直接受けるため、温度変化は他の部分より大きい。
また、紫外線硬化型の接着剤は、紫外線を照射すると容積が変化する。そのため、接着剤層の厚さが厚いと、紫外線を照射する前に、シリンドリカルレンズの位置を最適な位置に調整しても、紫外線を照射した後に、最適な位置からずれるおそれがある。そこで、この場合は、硬化の際の位置ずれを考慮して、シリンドリカルレンズの副走査位置調整を行う必要があり、該調整が煩雑になるという不都合があった。
光が偏向反射面に斜入射される場合は、水平入射される場合に比べて、シリンドリカルレンズにおける副走査位置調整の調整量が多くなる。この副走査位置調整は、偏向反射面に入射する光の斜入射角の調整や、折り返しミラーの取り付け誤差に起因する感光体ドラム表面での副走査方向に関する照射位置の調整に必要である。特に、副走査対応方向にパワーの持つ走査レンズの前段に折り返しミラーがある構成では、該折り返しミラーの取り付け誤差によって、副走査対応方向に関して走査レンズへの光の入射位置が所望の位置からずれてしまう。該入射位置のずれは、波面収差の劣化を招き、感光体ドラム表面での副走査方向に関するスポット径の太り(以下では、便宜上、「副走査スポット径太り」と略述する)が発生するほか、副走査方向に関する光スポットの位置ずれ(以下では、便宜上、「副走査スポット位置ずれ」と略述する)にもつながる。
光走査装置2010Aでは、像面側走査レンズの射出光学面にのみ副走査対応方向にパワーを持つ構成であり、各折り返しミラーの取り付け誤差による光学特性の劣化を、各シリンドリカルレンズの副走査位置調整によって吸収することができ、良好な光学特性を得ることができる。
また、光走査装置2010Aでは、環境温度が変化し、接着剤が膨張/収縮した際に、各シリンドリカルレンズは、主走査対応方向に変位し、副走査対応方向にはほとんど変位しない。そして、各シリンドリカルレンズは、主走査対応方向に関してパワーを持たないため、光学特性への影響は全くない。すなわち、環境温度の変化による光学特性の劣化の心配はない。
なお、各シリンドリカルレンズに代えて、例えば、温度変化による主走査方向に関するピント位置ずれを補正する機能を有する楕円状の回折レンズを用いた場合であっても、主走査対応方向に関するパワーは微小であり、光学特性への影響はほとんどない。
図15及び図16には、Kステーションにおけるシリンドリカルレンズ2204aの副走査位置調整の効果が示されている。ここで、符号Aは、折り返しミラー2106a及び折り返しミラー2107aの折返し角度が設計値から0.33°ずれている場合であり、符号Bは、各折り返しミラーの折返し角度が設計値から0.33°ずれている状態で、シリンドリカルレンズ2204aにおいて0.27mmの副走査位置調整を行った場合である。なお、図15は、図16のデータをグラフ化したものである。
各折り返しミラーの折返し角度がわずか0.33°ずれたことで、周辺像高(有効走査領域の端部近傍)では1μm以上の副走査スポット径太り量になってしまう。これは、出力画像に悪影響を及ぼす。このとき、シリンドリカルレンズ2204aの副走査位置調整を行うと、副走査スポット径太り量は全像高において、0.1μm以下に抑えられており、各折り返しミラーの取り付け誤差を吸収して、良好な光学特性を得ることができている。
図17及び図18には、Kステーションにおいて、シリンドリカルレンズ2204aを側面接着したことの効果が示されている。ここでは、符号Cは、シリンドリカルレンズ2204aを底面接着させた場合であり、符号Dは、シリンドリカルレンズ2204aを側面接着させた場合である。なお、側面接着では、接着剤層の厚みを1.5mm、接着剤の膨張/収縮量を5%とした。このとき、シリンドリカルレンズ2204aの副走査対応方向に関する変位量を0.08mmとして、各像高位置での副走査スポット径太り量を算出した。また、側面接着では、シリンドリカルレンズ2204aの主走査対応方向に関する変位量を0.08mmとして、各像高位置での副走査スポット径太り量を算出した。なお、図17は、図18のデータをグラフ化したものである。
側面接着の場合は、シリンドリカルレンズ2204aが主走査対応方向にパワーを持っていないため、主走査対応方向に変位しても光学特性への影響は全くない。
次に、前記光走査装置2010Bの構成について説明する。
光走査装置2010Bは、一例として図19及び図20に示されるように、2つの光源(2200c、2200d)、2つのカップリングレンズ(2201c、2201d)、2つの開口板(2202c、2202d)、2つのシリンドリカルレンズ(2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104B、偏向器側走査レンズ2105B、3枚の折り返しミラー(2106c、2106d、2107c)、2つの像面側走査レンズ(2108c、2108d)、2枚の防塵ガラス(2110c、2110d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300B(図19では図示省略、図20参照)の所定位置に組み付けられている。
すなわち、光走査装置2010Bは、前述した光走査装置2010Aと同じ構成である。
光源2200cから射出された光束(以下では、「光束LBc」ともいう。)は、カップリングレンズ2201c、開口板2202c、シリンドリカルレンズ2204cを介して、ポリゴンミラー2104Bに斜入射される。
また、光源2200dから射出された光束(以下では、「光束LBd」ともいう。)は、カップリングレンズ2201d、開口板2202d、シリンドリカルレンズ2204dを介して、ポリゴンミラー2104Bに斜入射される。
そして、ポリゴンミラー2104Bで偏向された光束LBcは、偏向器側走査レンズ2105B、折り返しミラー2106c、折り返しミラー2107c、像面側走査レンズ2108c及び防塵ガラス2110cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104Bの回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104Bで偏向された光束LBdは、偏向器側走査レンズ2105B、折り返しミラー2106d、像面側走査レンズ2108d及び防塵ガラス2110dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104Bの回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
2つの光源(2200c、2200d)、2つのカップリングレンズ(2201c、2201d)、2つの開口板(2202c、2202d)、及び2つのシリンドリカルレンズ(2204c、2204d)は、保持部材10に所定の位置関係で保持され、ユニット化されている。
そして、2つのシリンドリカルレンズ(2204c、2204d)は、保持部材10の同一側板に側面接着されている。
従って、環境温度が変化しても、光学特性への影響は全くない。
以上説明したように、本実施形態に係る各光走査装置によると、2つの光源、2つの偏光器前光学系、ポリゴンミラー2104A、2つの走査光学系などを備えている。
各光源と各偏光器前光学系は、保持部材10に保持され、ユニット化されている。そして、各偏光器前光学系は、シリンドリカルレンズを有し、各シリンドリカルレンズは、保持部材10の同一側板に側面接着されている。
この場合は、環境温度が変化した際の各シリンドリカルレンズの移動方向が、主走査対応方向と一致することとなり、感光体ドラム表面での光スポットの副走査方向に関する太りを抑制することができる。すなわち、環境温度が変化しても、光学特性の劣化を抑制することができる。
また、この場合は、各シリンドリカルレンズの副走査位置調整を容易に精度良く行うことができる。
ところで、仮に、シリンドリカルレンズが、主走査対応方向の一側端面の一部のみで接着固定されていると、該シリンドリカルレンズは、温度変動による接着剤及び光学ハウジングの膨張/収縮によって、光軸まわりに回転するおそれがある。この光軸まわりの回転は、主走査方向及び副走査方向におけるビームスポット径太りに繋がる。
一方、本実施形態では、各シリンドリカルレンズは、主走査対応方向の一側端面全面で接着固定されているため、温度変動による線像形成レンズの光軸周り回転を防ぐことができる。
従って、複数の光で高精度の光走査を安定して行うことが可能である。
また、各光源からの光束は、ポリゴンミラーに斜入射されている。この場合、ポリゴンミラー及び走査レンズにおける入射角の誤差が波面収差の劣化となり、水平入射に比べて、ビームスポット径の劣化が発生しやすい。上記入射角は、シリンドリカルレンズの副走査位置調整によって調整可能である。従来のようにシリンドリカルレンズを底面接着していると、副走査位置調整の調整量に限界があるばかりか、接着剤の塗布量のばらつきにより、温度変動に起因するシリンドリカルレンズの副走査対応方向の位置ずれが大きく発生し、各種光学特性の劣化に繋がってしまう。本実施形態では、シリンドリカルレンズを側面接着しているため、各光源からの光束がポリゴンミラーに斜入射されても、波面収差の劣化を抑制することができる。
また、各光源からの光束は、ポリゴンミラーに斜入射されるとともに、ポリゴンミラーにおける同一の反射面で偏向されているため、ポリゴンミラーを小型化及び低コスト化することができる。
また、2つのシリンドリカルレンズは、副走査対応方向に関して互いに近接して配置されている。そのため、副走査方向にコンパクトな光走査装置とすることができる。さらに、斜入射角を小さくすることが可能となり、良好な光学特性を得ることができる。
また、2つのシリンドリカルレンズは、保持部材の同一の面に固定されているため、副走査位置調整がしやすくなる。また、光走査装置のコンパクト化を促進することができる。さらに、専用の固定壁を設ける場合に比べて、部品点数を減らすことができる。
また、2つの光源と2つの偏向器前光学系とが、同一の保持部材に保持されているため、組み付け工程及び調整工程を簡素化することができる。
そして、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010A及び光走査装置2010Bを備えているため、結果として、高品質の画像を安定して形成することができる。
なお、上記実施形態において、前記光走査装置2010A及び光走査装置2010Bに代えて、4つの光源と、4つの偏光器前光学系と、1つのポリゴンミラーと、4つの走査光学系とを備えた光走査装置を用いても良い。そして、一例として図21に示されるように、4つの光源及び4つの偏光器前光学系を保持部材20に保持してユニット化する場合、4つのシリンドリカルレンズ(2204a〜2204d)は、それぞれ保持部材20の同一側板に側面接着される。
また、上記実施形態では、線像形成レンズとしてシリンドリカルレンズを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、シリンドリカルレンズと同等の線像形成機能を有するとともに、温度補正機能を有するレンズを用いても良い。
また、上記実施形態では、各シリンドリカルレンズが、主走査対応方向の一側端面全面で接着固定される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、一例として図22に示されるように、主走査対応方向の両側端面全面で接着(両側面接着)固定されても良い。この場合、両側端面における接着剤層の厚さをほぼ同じにしておけば、温度変動による接着剤の膨張/収縮によって生じる応力は、両側端面においてほぼ等しくなり、上記実施形態のような片面接着の場合に比べて、シリンドリカルレンズの主走査対応方向の変位量を小さくすることができる。
また、上記実施形態では、各光源からの光束が、ポリゴンミラーに斜入射される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、各光源からの光束が、ポリゴンミラーに水平入射されても良い。
また、上記実施形態では、トナー像が感光体ドラムから転写ベルトを介して記録紙に転写される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、記録紙に直接転写されても良い。
また、上記実施形態では、各光源が2つの発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
なお、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光プロッタやデジタル複写装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で転写対象物としての印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、像担持体としてビームスポットの熱エネルギにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により可視画像を直接、像担持体に形成することができる。
要するに、上記光走査装置2010A(あるいは光走査装置2010B)を備えた画像形成装置であれば、結果として高品質の画像を安定して形成することができる。
以上説明したように、本発明の光走査装置によれば、複数の光で高精度の光走査を安定して行うのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、高品質の画像を安定して形成するのに適している。
10…保持部材、20…保持部材、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010A,2010B…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2104A,2104B…ポリゴンミラー(光偏向器)、2105A,2105B…偏光器側走査レンズ、2106a〜2106d…折り返しミラー、2107a,2107c…折り返しミラー、2108a〜2108d…像面側走査レンズ(副走査方向にパワーを持つ走査レンズ)、2200a〜2200d…光源、2204a〜2204d…シリンドリカルレンズ(線像形成レンズ)。
特開2006−350251号公報 特許第4366074号公報 特許第4172538号公報

Claims (11)

  1. 少なくとも2つの被走査面を個別に主走査方向に光走査する光走査装置であって、
    前記主走査方向に直交する副走査方向に関して互いに異なる位置に配置された少なくとも2つの光源と;
    前記少なくとも2つの光源に対応して設けられ、該光源から射出された光束を前記副走査方向に関して集光させる少なくとも2つの線像形成レンズと;
    前記少なくとも2つの線像形成レンズを介した複数の光束を偏向する光偏向器と;
    前記光偏向器で偏向された複数の光束を対応する被走査面に導く走査光学系と;を備え、
    前記少なくとも2つの線像形成レンズは、前記主走査方向の一側端面の全面が接着剤で固定され、前記主走査方向に関して光束が入射する領域の中心が光学面の中心に対して前記主走査方向の他側にずれていることを特徴とする光走査装置。
  2. 少なくとも2つの被走査面を個別に主走査方向に光走査する光走査装置であって、
    前記主走査方向に直交する副走査方向に関して互いに異なる位置に配置された少なくとも2つの光源と;
    前記少なくとも2つの光源に対応して設けられ、該光源から射出された光束を前記副走査方向に関して集光させる少なくとも2つの線像形成レンズと;
    前記少なくとも2つの線像形成レンズを介した複数の光束を偏向する光偏向器と;
    前記光偏向器で偏向された複数の光束を対応する被走査面に導く走査光学系と;を備え、
    前記少なくとも2つの光源は、第1の光源と第2の光源を含み、
    前記少なくとも2つの線像形成レンズは、前記主走査方向の両側端面あるいは一側端面の全面が接着剤で固定され、且つ、前記第1の光源に対応する第1の線像形成レンズと前記第2の光源に対応する第2の線像形成レンズを含み、
    前記走査光学系は、前記第1の光源からの光束を対応する被走査面に導く第1の光学系と、前記第2の光源からの光束を対応する被走査面に導く第2の光学系とを含み、
    前記第1の光学系における反射光学素子の枚数は、前記第2の光学系における反射光学素子の枚数よりも多く、
    前記第1の線像形成レンズに塗布された前記接着剤の量は、前記第2の線像形成レンズに塗布された前記接着剤の量よりも多いことを特徴とする光走査装置。
  3. 前記少なくとも2つの線像形成レンズを介した複数の光束は、前記副走査方向に関して、前記反射面に対して斜入射されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記少なくとも2つの線像形成レンズを介した複数の光束は、前記光偏向器における同一の反射面で偏向されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光走査装置。
  5. 前記少なくとも2つの線像形成レンズは、前記副走査方向に関して互いに近接して配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光走査装置。
  6. 前記少なくとも2つの線像形成レンズを保持する保持部材を備え、
    前記少なくとも2つの線像形成レンズは、前記保持部材の同一の面に固定されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光走査装置。
  7. 前記走査光学系は、前記副走査方向にパワーを持つ走査レンズ、及び前記光偏向器で偏向された光束の光路を前記走査レンズに向かう方向に反射する反射光学素子を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光走査装置。
  8. 前記少なくとも2つの光源と前記少なくとも2つの線像形成レンズは、同一の保持部材に保持されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光走査装置。
  9. 前記少なくとも2つの光源に対応して設けられた少なくとも2つのカップリングレンズを備え、
    前記少なくとも2つのカップリングレンズは、それぞれ対応する光源と線像形成レンズとの間の光路上に配置され、該光源から射出された光束を略平行光束とし、
    前記少なくとも2つの線像形成レンズは、それぞれ光線が略垂直に入射するように固定されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光走査装置。
  10. 前記接着剤は、紫外線硬化型の接着剤であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光走査装置。
  11. 複数の像担持体と;
    前記複数の像担持体に対して画像情報に応じて変調された光を用いて光走査する請求項1〜10のいずれか一項に記載の光走査装置と;を備える画像形成装置。
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