[第1の実施の形態]
<ハードウェア構成>
図1を参照して、本実施の形態に係る電子機器100のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る電子機器100のハードウェア構成をブロック図形式で示す図である。
本実施の形態では、電子機器100は、いわゆる電子辞書、つまり、検索された項目に対応する項目表示画面を表示する電子辞書機能を主要な機能として設計された機器であるとして説明する。ただし、電子機器100は、電子辞書に限られず、電子辞書機能を有し、手書き入力を受け付け可能な機器であればよい。電子機器100は、携帯電話やPDA(Personal digital assistant)などの携帯端末であってもよい。あるいは、電子機器100は、パソコンであってもよい。また、電子機器100は、手書き入力を受け付け可能であり表示装置を有する端末と、端末へ入力された指示に応じて項目の検索処理などを行なうサーバとを含むシステムにより実現されてもよい。
図1を参照して、電子機器100は、入力キー110と、タッチパネル120と、ディスプレイ130と、表示コントローラ132と、スピーカ140と、音声コントローラ142と、CPU(Central Processing Unit)150と、RAM(Random Acess Memory)160と、ROM(Read Only Memory)170と、ハードディスク180とを備える。
入力キー110は、外部から押下されると、入力キー110に応じた信号を出力する。ユーザは、入力キー110を介して、項目検索に用いるキーワードを入力する。
タッチパネル120は、タッチパネル120の表面への物体(スタイラスペンなど)の接触を検出し、タッチパネル120と物体との接触箇所に応じた信号を出力する。また、タッチパネル120は、電子機器100の動作状態に応じた画面を表示する表示パネルと重ねて設置されているものとする。ただし、以下では、表示パネルに画面を表示することを、タッチパネル120に画面を表示するということがある。なお、タッチパネル120として、光センサ内蔵液晶パネルを用いることも可能である。この場合、表示パネルは不要である。また、タッチパネル120は、図示しない手書き文字認識プログラム等を通じ、スタイラスペンによる入力ストロークから文字認識を行なうことで、キーワード入力を受け付けてもよい。
なお、キーワード入力に関し、電子機器100は、図示しない音声入力部(マイクなど)および音声認識プログラムを通じた音声認識によりキーワード入力を受け付けてもよい。
ディスプレイ130は、電子機器100内部のデータに基づいた画面を表示する。表示コントローラ132は、ディスプレイ130の動作を制御する。本実施の形態では、ディスプレイ130は、複数色を表示可能であるとする。
また、ディスプレイ130は、ディスプレイ130表面への物体(スタイラスペン)の接触を検出できるセンサ一体型ディスプレイであるとする。ディスプレイ130は、接触箇所の軌跡を表示する。すなわち、ディスプレイ130は、ディスプレイ130表面になされた手書き入力に対応する手書き表示を表示する。
ディスプレイ130としては、例えば、液晶パネルやLED(Light−emitting Diode)などの表示パネルとタッチパネルとを重ねたものや、光センサ内蔵液晶パネルなどを用いることができる。
スピーカ140は、電子機器100内部のデータに基づいて音声を出力する。音声コントローラ142は、スピーカ140の動作を制御する。
CPU150は、電子機器100の動作を制御するための演算を実行する。RAM160は、CPU150が処理を行なう際に発生する一時的な情報を格納する。
ROM170は、コンテンツデータベース172などの情報を格納する。コンテンツデータベース172は、ROM170に予め格納された、辞書などのコンテンツに関する情報である。コンテンツデータベース172の詳細については、後述する。なお、ROM170のかわりに、フラッシュメモリなどの他の記憶装置を用いても構わない。
ハードディスク180は、手書きメモデータ182などの情報を格納する。手書きメモデータ182には、コンテンツの項目の1件表示画面になされた手書きと、項目とが関連付けて登録される。手書きメモデータ182の詳細については、後述する。なお、ハードディスク180は、データを読み書き可能な記憶装置の一例である。ハードディスク180のかわりに、フラッシュメモリなどを用いても構わない。
図2は、電子機器100の斜視図である。ただし、図2は、電子機器100の外観の一例を示したものであって、電子機器100の外観は、図2に示されているものに限られるわけではない。
図2を参照して、電子機器100は、第1の筐体210と、第2の筐体220と、スタイラスペン230とを備える。第1の筐体210には、ディスプレイ130が配置されている。第2の筐体220には、タッチパネル120、スピーカ140、および、入力キー110が配置されている。第1の筐体210および第2の筐体220は、開閉可能に接続されている。
図3を参照して、第2の筐体220における部品配置を説明する。図3は、第2の筐体220における部品配置を示す図である。ただし、図3に示した電子機器100の各キー、タッチパネル120、およびスピーカ140の配置は一例であって、これらの配置は、図3に示したものに限られるわけではない。
第2の筐体220には、タッチパネル120、スピーカ140、および、各種のキーが配置される。第2の筐体220に配置されるキーには、電源キー300、文字キー302、方向キー304、検索/決定キー306、戻るキー308、クリアキー310、後退キー312、見出し移動キー316、音声キー318、音量キー320、文字サイズキー322、暗記メモキー330、プレビューキー340、および、切替キー350がある。
ここで、いくつかのキーについて説明しておく。文字キー302は、文字の入力に用いられる。方向キー304は、ディスプレイ130に表示される画面内でのカーソルの移動に用いられる。音声キー318は、ディスプレイ130に表示されている項目が音声データを含む場合に押下されると、スピーカ140に音声を出力させる。音量キー320および文字サイズキー322は、それぞれ、音量および画面内の文字サイズの調節に利用される。なお、ここで説明していないキーについては、以下で適宜説明する。
<機能的構成>
図4を参照して、電子機器100の機能的構成について説明する。図4は、電子機器100の機能的構成をブロック図形式で示す図である。電子機器100は、入出力部410と、時計カウンタ420と、記憶部430と、制御部440とを備える。
入出力部410は、入力部412と、表示部416とを含む。入力部412は、電子機器100への外部からの指示を受け付ける。表示部416は、電子機器100内部の情報を外部に表示する。
入力部412は、キー入力部413と、手書き入力部414とを含む。キー入力部413は、キー入力を受け付ける。手書き入力部414は、手書き入力、つまり、ディスプレイ130表面への外部物体の接触位置を示す信号を受け付ける。本実施の形態では、ディスプレイ130が、センサ一体型であって、手書き入力部414として機能する。ただし、手書き入力部414の機能は、マウスやタブレットなどの他の装置により実現されてもよい。
時計カウンタ420は、現在の時刻情報を有する。また、時計カウンタ420は、他の部分からの要求に従い、要求を出した部分に時刻情報を与える。
記憶部430は、情報を格納する。本実施の形態では、RAM160、ROM170、および、ハードディスク180が記憶部430に相当する。記憶部430は、コンテンツデータベース172、表示部416に表示される画面の基礎となる表示データ432、および、手書きメモデータ182を格納する。
コンテンツデータベース172は、検索用データベース173と、解説データベース174と、見出しデータベース175と、コンテンツ名称データベース176とを含む。本実施の形態では、記憶部430は、複数種類のコンテンツ(コンテンツ1、コンテンツ2、コンテンツ3…)についてのデータを格納しているものとする。
検索用データベース173は、各コンテンツについての検索用情報からなる。検索用情報は、キー入力とコンテンツに含まれる項目との対応関係を表わす。検索用情報は、ユーザがコンテンツの項目を検索する際に用いられる。なお、検索用情報のないコンテンツがあってもよい。例えば、表示された複数の文例の中からユーザに文例を選択させる文例集などでは、検索用情報は不要である。本実施の形態の場合、コンテンツ2は文例集であり、コンテンツ2の検索用情報はない。
解説データベース174は、各コンテンツについての解説情報からなる。解説情報は、コンテンツの各項目を解説する情報である。辞書や事典の場合、見出し語についての詳細情報が解説情報にあたる。解説情報は、ユーザが電子機器100を用いて検索しようとするデータであり、全てのコンテンツに対して存在する。
見出しデータベース175は、各コンテンツについての見出し情報からなる。見出し情報は、コンテンツの各項目に付され、各項目の内容を表わす文字列である。辞書や事典の場合、見出し語が見出し情報にあたる。見出し情報は、ユーザが辞書や事典などのコンテンツから所望の項目を検索するために用いられる。なお、見出し情報のないコンテンツがあってもよい。例えば、文例集などには、見出し情報が付されないこともある。本実施の形態の場合、コンテンツ2の見出し情報はない。
コンテンツ名称データベース176は、各コンテンツについてのコンテンツ名称情報からなる。コンテンツ名称情報は、各コンテンツを識別するための文字列である。
本実施の形態では、見出し情報およびコンテンツ名称情報は、コンテンツに含まれる項目に対してなされた手書きメモの識別のために用いられる。すなわち、電子機器100は、見出し情報およびコンテンツ名称情報を、登録された手書きメモと対応付けて、手書きメモデータ182として記憶部430に格納する。電子機器100は、手書きメモデータ182に対応付けて格納された見出し情報およびコンテンツ名称情報をディスプレイ130にリスト表示する。このリスト表示については、後で具体的に説明する。
図5〜9を参照して、検索用情報、解説情報、見出し情報、コンテンツ名称情報について、具体的に説明する。
図5は、コンテンツ1についての検索用情報の一例を示す図である。本実施の形態では、コンテンツ1は、国語辞典であるとする。図5中、左側の数字(No1,No2,…)は、コンテンツの各項目に割り振られた識別情報である。右側の「あ」「ああ」などは、項目と対応するキー入力である。例えば、「ああ」がキー入力されると、電子機器100は、項目No2が選択されたとみなす。
図6は、コンテンツ1についての見出し情報の一例を示す図である。見出し情報(「あ」「アイアイ」など)は、識別情報と対応付けられて、記憶部430に格納される。電子機器100は、各見出し情報をディスプレイ130に表示し、表示された見出し情報の中から選択された見出し情報に対応する項目が選択されたとみなす。
図7は、コンテンツ1についての解説情報の一例を示す図である。図7中左側の文字列が、解説情報である。解説情報は、識別情報と対応付けられて、記憶部430に格納される。電子機器100は、項目が選択されると、選択された項目に対応する解説情報をディスプレイ130に表示する。例えば、電子機器100は、項目No3が選択されると、「相手をいつくしむ心。」と、ディスプレイ130に表示する。
図8は、コンテンツ2についての解説情報の一例を示す図である。これは、検索用情報および見出し情報を持たないコンテンツの解説情報の例として示している。
図9は、コンテンツ名称データベースの一例を示す図である。図9を参照して、コンテンツ1、コンテンツ2、コンテンツ3の名称情報は、それぞれ、”国語辞典”、”文例集”、”英和辞典”である。
図4に戻って、制御部440は、入力部412が受け付けた指示などに基づいて、電子機器100の各部、すなわち、表示部416、時計カウンタ420および記憶部430の動作を制御する。制御部440は、キー入力受付部441と、手書き入力受付部442と、コンテンツ表示処理部443と、コンテンツ検索処理部444と、時刻管理処理部445と、手書きメモ処理部446とを含む。本実施の形態では、制御部440の各機能は、CPU150により実現される。ただし、これらの機能は、専用回路などのハードウェアにより実現されてもよい。
キー入力受付部441は、キー入力部413が受け付けた外部からの指示を信号に変換し、制御部440の他の部分に信号を与える。
手書き入力受付部442は、手書き入力部414が所定の期間内に受け付けた指示を統合して手書き入力として手書きメモ処理部446に与える。なお、「所定の期間」とは、基本的には、後述する手書きメモ作成モードの開始の指示の受け付け時から、手書きメモの登録指示の受け付け時までである。ただし、手書きのクリア指示を受け付けた場合には、手書き入力受付部442は、指示を受け付けるまでの手書き入力部414からの指示の履歴を消去する。
コンテンツ表示処理部443は、コンテンツデータベース172に基づいて、ユーザが指定したコンテンツの項目の解説情報を表示部416に表示する。具体的には、コンテンツ表示処理部443は、解説データベース174に基づいて、外部からの指示に基づいて選択された項目の解説情報を含む表示データを作成し、表示データ432に基づく画面を表示部416に表示させる。
コンテンツ検索処理部444は、コンテンツデータベース172の中から、ユーザによる入力に対応する項目を検索する。コンテンツ検索処理部444は、キー入力を受け付けると、検索用データベース173を検索し、受け付けたキー入力と対応する項目を抽出する。ここで、コンテンツ検索処理部444は、受け付けたキー入力と完全一致する項目のみならず、前方の所定数以上の入力が一致する項目、あるいは、後方の所定数以上の入力が一致する項目を、受け付けたキー入力と対応する項目として抽出してもよい。
コンテンツ検索処理部444は、さらに、抽出した項目の中からユーザに項目を選択させるように、抽出した項目を表示部416に表示させる。具体的には、見出しデータベース175に基づいて、受け付けたキー入力に対応する項目の見出し情報を含む表示データ432を作成し、表示データ432に基づく画面を表示部416に表示させる。コンテンツ検索処理部444は、表示された見出し情報を選択する指示を受け付けると、選択された見出し情報に対応する項目をコンテンツ表示処理部443に与える。
時刻管理処理部445は、時計カウンタ420の時刻情報を取得する。また、時刻管理処理部445は、ユーザからの指示等に基づいて、時計カウンタ420の時刻情報を修正してもよい。
手書きメモ処理部446は、手書き入力、コンテンツデータベース172および表示データ432に基づいて、手書きメモデータ182を作成し、記憶部430に格納する。手書きメモ処理部446の動作の詳細については、後述する。
<動作>
電子機器100は、コンテンツの項目の解説を表示する画面(1件表示画面とよぶ)に対し、手書きメモを付加することができる。ここでは、英和辞典の1件表示画面に対し、手書きメモを付加する場合の電子機器100の動作について、図10から図20を参照して、説明する。図10から図20には、電子機器100がディスプレイ130およびタッチパネル120に表示する画面および画面の遷移を示している。ただし、電子機器100は、以下の説明と同様の動作により、他の1件表示画面に対して、手書きメモを付加できることはもちろんである。
(手書きメモ作成)
図10は、手書きメモ(以下、明細書および図面中で「暗記メモ」あるいは「手書き暗記メモ」とも呼ぶことがある)の作成の開始について説明するための図である。電子機器100は、英和辞典の1つの項目(ここでは、見出し語”among”を有する項目)が選択されると、ディスプレイ130に、図10に示す1件表示画面1010を表示する。1件表示画面1010は、大きくは、情報バー1011と、項目表示画面1016とを含む。
情報バー1011は、ディスプレイ130に表示されている画面に関する情報および電子機器100そのものについての情報を表示する。情報バー1011は、表示画面の種類を示す文字(ここでは、「英和」「見出語」)と、電子機器100を駆動する電池の残量表示1012と、スクロール矢印1013と、戻るアイコン1014と、成句アイコン1015とを含む。
スクロール矢印1013は、解説情報がディスプレイ130におさまらず、1件表示画面1016がスクロール可能な場合に表示される。図10のスクロール矢印1013は、下向きであり、下への方向キー304により1件表示画面1016を下にスクロールできることを示している。
戻るアイコン1014がタッチされると、電子機器100は、英和辞典の初期画面(キーワード入力画面)をディスプレイ130に表示する。成句アイコン1015がタッチされると、電子機器100は、成句アプリケーションを起動し、表示されている見出し語を含む成句を検索し、検索結果をディスプレイ130に表示する。
項目表示画面1016は、項目の解説情報を表示する。1件表示画面1016は、音声アイコン1017と、例アイコン1018と、解説アイコン1019とを含む。音声アイコン1017がタッチされると、電子機器100は、見出し語に対応付けられた音声データを再生する。例アイコン1018がタッチされると、電子機器100は、見出し語に対応付けられた例文をディスプレイ130に表示する。解説アイコン1019がタッチされると、電子機器100は、1件表示画面1016には表示されていない解説(例えば、より詳細な解説)をディスプレイ130に表示する。
電子機器100は、文字サイズキー322の押下等に応じて、項目表示画面1016に含まれる文字のサイズを変更する。また、電子機器100は、項目表示画面1016がディスプレイ130の表示領域に入りきらない場合、方向キー304の押下に応じて、項目表示画面1016をスクロールする。
画面1020は、電子機器100が、1件画面表示をディスプレイ130に表示する際に、タッチパネル120に表示する画面である。タッチパネル120に表示されている各機能が選択されると、電子機器100は、選択された機能を開始する。
タッチパネル120に表示されている「暗記メモを作成」がタッチされると、電子機器100は、動作モードを手書きメモの作成モードに切り替え、画面1030をディスプレイ130に表示する。画面1030は、情報バー1031と、画面1010と同様の項目表示画面と、項目表示画面に重ねて表示されるメッセージ枠1032とを含む。情報バー1031は、暗記メモの作成モードの起動に応じて、「手書き暗記メモ作成中」との文字列を示す。メッセージ枠1032は、手書きメモ作成時の注意事項を表示する。
電子機器100は、画面1030が表示されている状態で、いずれかのキー入力を受け付けると、ディスプレイ130に表示されている画面を、手書きメモ作成用の画面1110(図11を参照)に切り替える。
図11は、手書きメモ作成モードで、ディスプレイ130およびタッチパネル120に表示される画面について説明するための図である。画面1110は、手書きメモ作成モードにおいてディスプレイ130に表示される画面である。画面1120は、手書きメモ作成モードにおいてタッチパネル120に表示される画面である。
画面1110は、手書きメモ作成用の画面である。画面1110は、手書きメモ作成モードの起動時にディスプレイ130に表示されていた項目表示画面1016と、情報バーと、ヘルプバー1111とを含む。
本実施の形態では、電子機器100は、手書きメモ作成モードの起動時の表示データ432を取得し、取得した表示データ432に基づいて項目表示画面1016を作成するものとする。つまり、画面1110に含まれる項目表示画面1016は、単なる画像である。その結果、1件表示画面の表示時とは異なり、項目表示画面1016のスクロール、拡大および縮小は禁止される。その結果、電子機器100は、項目表示画面1016と、項目表示画面1016に加えられる手書き表示との位置関係を保持できる。
なお、電子機器100は、他の方法により項目表示画面1016を固定表示してもよい。例えば、電子機器100は、手書きメモ作成モードでは、スクロール、拡大および縮小を受け付けないようにしてもよい。この場合も、上と同様の効果が得られる。
ここで、電子機器100は、編集可能に設定した項目表示画面1016と、編集不可能に設定した項目表示画面1016とを重ねて表示するものとする。後の説明で分かるように、その結果、手書き表示の編集が容易になる。
画面1120は、手書きメモ作成モードでタッチパネル120に表示される画面である。電子機器100は、画面1120の操作に応じて、手書き色の設定、手書き太さの設定などを行なう。なお、電子機器100は、タッチパネル120の「戻る」が選択されると、初期画面をディスプレイ130に表示する。
電子機器100は、スタイラスペン230などによる手書き入力に応じた手書き表示を、項目表示画面1016に重畳して、ディスプレイ130に表示する。図12に、手書き表示が重畳された画面1210を示す。このように、ユーザは、選択された項目表示画面に対し、手書きにより自由に情報を付加することができる。
項目表示画面1016はすでに述べたように固定されているので、電子機器100は、手書き表示の項目表示画面1016に対する位置関係を管理しておく必要はない。ただし、項目表示画面のスクロールがないのであれば、電子機器100は、手書き表示のみに関する情報(手書き表示の形状そのものであってもよいし、始点・終点、線の太さ・色などを表わすスクロール情報であってもよい)を、項目および項目表示画面と関連付ける構成をとってもよい。
手書きについてより詳しく説明する。電子機器100は、手書き入力に応じて編集可能な項目表示画面1016を編集する。電子機器100は、手書き入力に応じて、項目表示画面1016に、タッチパネル120で指定された色、太さの線を引く。
また、タッチパネル120の「消しゴム」が選択されている場合は、手書き入力がなされると、手書き入力があった領域およびその周辺の画像を削除(無色化)する。2枚の項目表示画面1016を表示しているので、ユーザには、手書き表示のみが削除されたように見える。このように、2枚の項目表示画面1016を用いることで、手書き表示を容易に削除することが可能となる。
ただし、削除処理がなくても構わないのであれば、電子機器100は、1枚の項目表示画面1016を表示すればよい。この場合、ユーザは、誤った手書き入力を行なった場合には、手書き入力前の画面に戻って、再度、手書き入力を行なうなどの操作を行なうことになる。
このように、電子機器100によれば、あたかも紙の辞書に書き込むかのようにユーザーがコンテンツの1件表示画面に情報を付加することができる。電子機器100によれば、紙の辞書と同様に、見出し語に線を引いたり、書き込みをすることで、視覚的に学習をの補助することができる。
タッチパネル120の「登録」が選択されると、電子機器100は、画面1210のうち手書き入力がなされた項目表示画面の画像データをキャプチャする。そして、電子機器100は、キャプチャした画像データと、手書きメモ作成モードの開始時に選択および表示されていた項目とを対応付けて、手書きメモデータ182として、ハードディスク180に格納する。
このように、電子機器100によれば、コンテンツの項目と、項目に付加した手書き情報とを関連付けることができる。この関連付けにより、手書き情報の活用の幅を広げることができる。
本実施の形態では、電子機器100は、手書きメモデータ182に、項目の見出し情報およびコンテンツ名称情報を登録する。さらに、電子機器100は、項目に対応付けて、項目の手書きメモデータ182への登録時の時刻情報を手書きメモデータ182に格納する。見出し情報、コンテンツ情報および時刻情報は、後で述べるように、登録された手書きメモデータ182の識別を容易にするために用いられる。
さらに、電子機器100は、項目に対応付けて、手書きを行なう前の画面1110の画像データを手書きメモデータ182に登録する。これは、後で述べるように、登録された手書きメモの編集を容易にするためである。
手書きメモの登録の際、電子機器100は、手書きメモの登録を示すメッセージ枠1220をディスプレイ130に表示する。その後、電子機器100は、初期画面をディスプレイ130に表示する。
タッチパネル120の「元に戻す」が選択あるいはクリアキー310が押下されると、電子機器100は、書いた内容を消去してよいか確認するメッセージ枠1230をディスプレイに表示する。メッセージ枠1230の表示中に、Yキーが押されると、電子機器100は、手書きを行なう前の画面1110をディスプレイ130に表示する。メッセージ枠1230の表示中に、Nキーが押されると、電子機器100は、再び、画面1210を表示する。
(手書きメモ呼び出し−その1)
ここからは、手書きメモが登録されたあとの電子機器100の動作について説明する。電子機器100は、手書きメモが登録された項目から、登録された手書き入りの画面を呼び出すことができる。手書き入り画面の呼び出しには、大きく分けて、項目の解説を表示する1件表示画面からの呼び出しと、リストからの呼び出しとがある。ここでは、まず、1件表示画面からの手書き入り画面の呼び出しについて説明する。
図13は、1件表示画面からの手書き入り画面の呼び出しについて説明するための図である。図13を参照して、1件表示画面から手書き入り画面を呼び出す際の電子機器100の動作について説明する。
1件表示画面1310は、手書きメモが登録されている項目が選択された際の1件表示画面である。手書きメモの登録前の1件表示画面1010との違いは、情報バー1011に、アイコン1311がある点である。アイコン1311上には、手書きメモが登録されていることが分かるように、「暗記メモ」との文字が記されている。
アイコン1311がタッチされると、電子機器100は、手書きメモデータ182に格納されている画像データに基づいて、ディスプレイ130に、手書き入りの画面1320を表示する。画面1320は、手書きが重畳された項目表示画面と、情報バー1321と、ヘルプバー1322とを含む。手書きが重畳された項目表示画面は、電子機器100が、項目に対応付けられた画像データに基づいて作成したものである。
情報バー1321は、登録された手書き入りの画面が呼び出されていることが分かるように、「手書き暗記メモ」との文字を含む。さらに、呼び出された画面がどの項目に対してなされたか分かるように、「英和辞典:among」との文字を含む。本実施の形態では、電子機器100は、手書きメモデータ182に登録されている見出し情報およびコンテンツ名称情報に基づいて、この表示を作成してもよい。ただし、電子機器100は、コンテンツデータベース172から見出し情報およびコンテンツ名称情報を検索して、この表示を作成してもよい。
電子機器100は、画面1320の表示時に、タッチパネル120の「戻る」がタッチされると、再度、画面1310をディスプレイ130に表示する。
以上では、項目に関連付けられた手書きメモが1つの場合の動作を説明してきた。項目に関連付けられた手書きメモが複数ある場合、電子機器100は、例えば、項目に関連付けられた手書きメモの各々の識別情報を選択可能に表示し、選択された識別情報に対応する手書き入り画面を表示する。
(手書きメモ呼び出し−その2)
続いて、リストからの手書き入り画面の呼び出しについて説明する。電子機器100は、暗記メモキー330の押下等の所定の指示に応じて、手書きメモデータ182に基づいて、手書きメモデータ182に登録されている項目を選択可能に表示するリスト画面を作成し、ディスプレイ130に表示する。
暗記メモキー330が押下されたときの、ディスプレイ130およびタッチパネル120の表示を図14に示す。図14を参照して、このとき、電子機器100は、リスト画面1410をディスプレイ130に表示する。また、電子機器100は、タッチパネル120に画面1420を表示する。
画面1420は、「新規」「編集」「削除」の3つのエリアを持つ。電子機器100は、各エリアがタッチされると、各エリアに応じた動作を行なう。この動作については、後で説明する。
リスト画面1410には、手書きメモデータ182に登録されている手書きメモを識別するための情報(以下、単に識別情報)が、選択可能にリスト表示されている。また、識別情報に加えて、手書きメモの新規作成のための選択肢(≪手書きメモを新規に作成≫)が表示されている。
リストの第2列〜第5列は、すでに説明したように、手書きメモが作成された項目に対応する。電子機器100は、手書きメモの識別情報として、コンテンツ名称、項目の見出しおよび登録時刻を表示する。
リストの第1列は、コンテンツの項目とは無関係の手書きメモに対応する。このような手書きメモがどのように作成されるかについては、後述する。電子機器100は、識別情報として、「手書きメモ001」という文字と、メモの登録時刻を表示する。
電子機器100は、リストを、名前順あるいは日付順にソート可能であるとする。図14は、電子機器100が、手書きメモを日付順にソートした場合の画面である。電子機器100は、リストの上部から順に、登録時刻が新しい手書きメモを表示する。電子機器100は、新規作成の選択肢については、リストの最下列に表示する。なお、ソートの順番は、これに限られるわけではない。例えば、電子機器100は、リストの上部から順に、登録時刻が古い手書きメモを表示してもよい。また、電子機器100は、新規作成の選択肢を、リストの最上列に表示してもよい。
電子機器100は、リストの1選択肢を選択候補に設定する。電子機器100は、方向キー304の押下等に応じて、選択候補を変更可能である。電子機器100は、選択候補になっている選択肢を、ハイライト表示する。図14に示す状態では、第2列の選択肢が選択候補である。電子機器100は、リスト画面の表示時に、検索/決定キー306の押下を受け付けると、選択候補になっている選択肢を選択し、選択された選択肢に対応する画面をディスプレイに表示する。
手書きメモに対応する選択肢が選択されると、電子機器100は、選択肢に対応する手書き入り画面を呼び出す。図15に、手書きメモに対応する選択肢が選択された場合に、電子機器100が、ディスプレイ130およびタッチパネル120に表示する画面を示す。
図15を参照して、電子機器100は、手書き入りの項目表示画面を含む画面1510をディスプレイ130に表示する。画面1510は、選択された選択肢に対応する手書き入りの画面を含む。画面1510は、手書きが重畳された項目表示画面と、情報バーと、ヘルプバーとを含む。手書きが重畳された項目表示画面は、電子機器100が項目に対応付けられた画像データに基づいて作成したものである。
また、電子機器100は、画面1520を、タッチパネル120に表示する。画面1520は、画面1420と類似するものの、「新規」の部分が半透明表示されている点において画面1420とは異なる。また、電子機器100は、「新規」の部分へのタッチには、応答しない。
電子機器100は、画面1320の表示時に、タッチパネル120の「戻る」がタッチされる、あるいは、クリアキー310が押下されると、再度、リスト画面1410をディスプレイ130に表示する。
(手書きメモの編集)
タッチパネル120の「編集」がタッチされると、電子機器100は、動作モードを手書きメモの編集モードに切り替える。以下、図16を参照して、手書きメモの編集モード時の電子機器100の動作について説明する。図16は、手書きメモの編集モード時の電子機器100の動作について説明するための図である。
画面1510の表示時に「編集」がタッチされると、電子機器100は、ディスプレイ130に図16に示す画面1610のような編集用画面を表示する。詳しくは、電子機器100は、手書きメモデータ182に登録されている、項目表示画面の表示領域の画像データおよび手書きを行なう前の画面データのそれぞれに基づく画像を作成し、2つの画像を重ねてディスプレイ130に表示する。この際、電子機器100は、タッチパネル120に画面1620を表示する。画面1620は、手書きメモ作成モードで、タッチパネル120に表示されている画面1120と同様であり、その説明は繰り返さない。
なお、電子機器100は、画面1510の表示時だけではなく、リスト画面1410の表示に「編集」がタッチされた時にも、編集用画面を表示するものとする。この場合、電子機器100は、リスト画面1410において選択候補になっている選択肢に対応する編集用画面を表示する。
電子機器100は、手書き入力に応じた手書き表示を画面に重畳する。具体的には、電子機器100は、項目表示画面の表示領域の画像データを手書き入力に応じて編集する。手書きメモの新規登録時と同様に、2つの画像を重ねることにより、すでに入力された手書きを削除することが可能になっている。
画面1610の表示時に「登録」がタッチされると、電子機器100は、ディスプレイ130に、画面1630を表示する。画面1630では、保存・登録方法の選択方法をユーザに説明するウィンドウ1631が編集用画面に重畳されている。また、ヘルプバー1632が、保存・登録方法の選択方法をユーザに説明するものになっている。また、電子機器100は、タッチパネル120の表示画面を、画面1640に切り替える。
画面1640内の「上書き保存」がタッチされると、電子機器100は、手書きメモデータ182における編集前の画面に対して、編集後の画面を上書き保存する。また、電子機器100は、登録時刻情報を上書き保存する。そして、電子機器100は、上書き保存を行なった旨を表わすウィンドウ1650をディスプレイ130に表示する。そのあと、電子機器100は、リスト画面を再び表示する。
画面1640内の「新規登録」がタッチされると、電子機器100は、編集後の画面を手書きメモデータ182に新規登録する。ここで、電子機器100が登録する情報は、手書きメモ作成モードにおけるものと同様である。そして、電子機器100は、新規登録を行なった旨を表わすウィンドウ1660をディスプレイ130に表示する。そのあと、電子機器100は、リスト画面を再び表示する。
なお、新規登録の場合、すでに登録可能件数いっぱいに手書きメモが登録されている場合は、電子機器100は、これ以上、手書きメモを登録できない旨、および、不要なメモの削除をユーザに促すアラートウィンドウを表示するものとする。
画面1640内の「編集に戻る」がタッチされると、電子機器100は、「登録」がタッチされた時点の画面1610を、再び表示する。
(手書きメモの削除)
ところで、タッチパネル120に表示されている「削除」がタッチされると、電子機器100は、手書きメモを削除する。以下、図17を参照して、手書きメモの削除時の電子機器100の動作について説明する。図17は、手書きメモの削除時の電子機器100の動作について説明するための図である。
リスト画面1410の表示時に「削除」がタッチされると、電子機器100は、リスト画面1410において選択候補になっている選択肢に対応する手書きメモを削除候補に決定する。また、電子機器100は、ディスプレイ130に図17に示す画面1710のような画面を表示する。画面1710は、リスト画面1410において選択候補になっている選択肢に対応する手書き入りの画面に、手書きメモを削除してよいかユーザに確認するウィンドウ1711を重畳したものである。
なお、電子機器100は、リスト画面1410の表示時ではなく、編集モードでの画面1510の表示に「編集」がタッチされた時にも、画面1710と同様の画面を表示するものとする。この場合、電子機器100は、編集対象となっていた手書きメモを削除候補に決定する。
画面1710の表示時に、Nキーが押下されると、電子機器100は、削除候補の設定を解除する。また、電子機器100は、リスト画面1410を再び表示する。なお、画面1510から画面1710に移行していた場合は、電子機器100は、画面1510を再び表示する。
一方、画面1710の表示時に、Yキーが押下されると、電子機器100は、削除候補の手書きメモを削除する。そして、電子機器100は、手書きメモの削除後のリスト画面1720を表示する。手書きメモの削除前のリスト画面1410と比較して、リスト画面1720では、リスト画面1410の第2列に対応する手書きメモが削除されていることが分かる。
(コンテンツに無関係の手書きメモの登録)
ここで、すでに触れていたコンテンツに無関係の手書きメモの作成について説明する。本実施の形態では、電子機器100は、リスト画面が表示されているときに、所定の指示を受け付けると、このような手書きメモを作成する。
図18を参照して、コンテンツに無関係の手書きメモの作成について説明する。図18は、コンテンツに無関係の手書きメモを作成する際の電子機器100の動作について説明するための図である。
リスト画面の表示時に、タッチパネル120の「新規」がタッチされる、あるいは、≪手書きメモを新規に作成≫が選択されると、電子機器100は、新たな手書きメモ作成用の画面をディスプレイに表示する。この手書きメモ作成用の画面は、情報バーと、手書き入力受付領域と、ヘルプバーとを含む。手書き入力受付領域は初期状態では(手書き入力がなされる前は)、無地である。
また、電子機器100は、タッチパネル120に、項目に対応する手書きメモの作成時と同様の画面1820を表示する。画面1820へのタッチに応じた電子機器100の動作は、項目に対応する手書きメモ作成時のものと同様であるため、その詳細は繰り返さない。
電子機器100は、スタイラスペン230などによる手書き入力受付領域への手書き入力を受け付けると、手書き入力に対応する手書き表示をディスプレイに表示する。図18に示す画面1810は、手書き入力がなされた後の画面の一例である。
「登録」がタッチされると、電子機器100は、画面1810のうち手書き受付領域の画像データをキャプチャする。そして、電子機器100は、キャプチャした画像データを手書きメモデータ182に登録する。
この際、電子機器100は、画像データに対応付けて、画像データの識別情報を手書きメモデータ182に格納する。電子機器100は、このようなコンテンツに関連しない手書きメモの識別情報として、「手書きメモ+(連番)」および登録情報を、画像データに関連付ける。この場合、すでに「手書きメモ001」があるので、電子機器100は、新規の手書きメモに「手書きメモ002」を識別情報として与える。
なお、コンテンツの項目に対する手書きメモの登録時と異なり、電子機器100は、手書きを行なう前の画面の画像データを手書きメモデータ182に登録する必要はない。手書きを行なう前の画面は無地であるため、手書き表示およびその周辺を削除しても、表示画面は変化しないためである。
(プレビュー表示)
本実施の形態に係る電子機器100は、リスト画面において、登録された手書き入り画面をプレビュー表示することもできる。以下、プレビュー表示に関連する電子機器100の動作を図19および図20を参照して説明する。
図19を参照して、通常のリスト画面1910の表示時に、プレビューキー340が押下されると、電子機器100は、プレビュー画面を含む画面1920を表示する。画面1920は、縮小されたリスト画面1921と、プレビュー画面1922とを含む。
画面1921は、手書きメモデータ182に登録されている手書きメモの識別情報または識別情報の一部が表示される。電子機器100は、識別情報が画面1921に収まりきらない場合は、識別情報の先頭の数文字と、識別情報の省略があることを示す「…」を画面1921に表示する。なお、電子機器100は、識別情報が画面1921に収まるかどうかを、例えば、識別情報の文字数によって判断する。通常のリスト画面と同様に、画面1921に表示されている1選択肢が選択候補に設定される。
プレビュー画面1922は、選択候補になっている選択肢に対応する手書き入り画面の一部を表示する。ここでは、電子機器100は、右側をカットした手書き入り画面をプレビュー画面1922に表示している。
なお、プレビュー画面1922の配置は、図19に示したものに限られるわけではない。例えば、電子機器100は、画面の下方に、ディスプレイ130と同じ幅を持つプレビュー画面を表示してもよい。この場合、電子機器100は、下側(あるいは上側)をカットした手書き入り画面をプレビュー画面1922に表示する。
電子機器100は、リスト画面における選択候補の変更に応じて、プレビュー画面1922の表示内容を変更する。図20を参照して、画面1920が表示されているときに、方向キー304のうちの下キーが押下されると、電子機器100は、選択候補を、2つ目の選択肢に変更し、画面2010を表示する。すなわち、電子機器100は、選択候補の変更にともなって、リスト画面のハイライト表示の位置を変更する。さらに、電子機器100は、新たな選択候補に対応する手書き入り画面をプレビュー画面に表示する。
電子機器100は、プレビュー画面の表示時に、検索/決定キー306の押下、あるいは、タッチパネル120に表示される「表示」のタッチを受け付けると、プレビュー表示されている手書き入り画面全体を含む画面を表示する。図20には、画面2010の表示時に、検索/決定キー306の押下、あるいは、「表示」のタッチがあったときに、ディスプレイに表示される画面2020を示している。また、図20には、この際にタッチパネル120に表示される画面2030も示している。この状態は、通常のリスト画面から1つの選択肢が選択された場合の状態(図15に示す状態)と同じである。したがって、この状態からの電子機器100の動作は、すでに説明したものと同様であるので、繰り返さない。
<処理の流れ>
ここからは、これまで説明した動作を実現するにあたって、電子機器100の制御部440が行なう処理の流れを説明する。
(1件表示)
図21は、1件表示画面の表示に関して、制御部440が行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
図21を参照して、ステップS2101において、制御部440は、コンテンツから項目を検索するための検索アプリケーションを起動する。より詳しくは、制御部440は、入力部412が受け付けた指示に基づいて、複数種類のコンテンツに各々対応する検索アプリケーションの中から、検索アプリケーションを選択して、起動する。検索アプリケーションとしては、辞書の見出し語検索を行なう辞書アプリケーション、例文集から例文を検索する例文集アプリケーションなどがある。以下では、辞書アプリケーションを起動した場合の電子機器100の動作を中心に説明する。
なお、電子機器100が、1つのコンテンツの検索に特化した専用機である場合、制御部440は、常時、検索アプリケーションを起動していればよく、ステップS2101の処理は省略可能である。
ステップS2103において、制御部440は、起動した検索アプリケーションにおける検索画面(初期画面)をディスプレイ130に表示する。例えば、辞書アプリケーションの初期画面は、ユーザにキー入力を促す画面である。
ステップS2105において、制御部440に含まれるコンテンツ検索処理部444は、入力部412が項目の検索指示を受け付けたかどうか判断する。入力部412が検索指示を受け付けていない場合(ステップS2105においてNO)、コンテンツ検索処理部444は、ステップS2105の処理を繰り返す。一方、入力部412が検索指示を受け付けた場合(ステップS2015においてYES)、コンテンツ検索処理部444は、ステップS2107の処理に進む。
ステップS2107において、コンテンツ検索処理部444は、検索指示の受け付けまでのキー入力に基づいて、コンテンツから項目を抽出する。コンテンツ検索処理部444は、受け付けたキー入力と完全一致または前方一致(あるいは後方一致)する項目を抽出するものとする。また、コンテンツ検索処理部444は、抽出した項目(厳密には、項目の見出し情報)を表示部416に表示させる。
ステップS2108において、コンテンツ表示処理部443は、入力部412が受け付けた指示に基づいて、表示部416に表示されている項目の中から1つの項目を選択する。
なお、起動されたアプリケーションが、辞書アプリケーションのような、検索用情報を用いて項目を検索するアプリケーションでない場合、ステップS2105からステップS2108の処理は行なわれない。例えば、例文集アプリケーションが起動されている場合、コンテンツ表示処理部443は、入力部412が受け付けた指示に基づいて、項目を選択する。
ステップS2109において、コンテンツ表示処理部443は、選択された項目の手書きメモがあるか、すなわち、手書きメモデータ182に選択された項目が登録されているかどうかを判断する。
選択された項目の手書きメモがある場合(ステップS2109においてYES)、ステップS2111において、コンテンツ表示処理部443は、手書きメモがある旨を示すアイコンを付加した、選択された項目の1件表示画面をディスプレイ130に表示させる。
続いて、ステップS2113において、制御部440に含まれる手書きメモ処理部446は、入力部412がアイコンの選択指示を受け付けたかどうかを判断する。入力部412がアイコンの選択指示を受け付けていない場合(ステップS2113においてNO)、手書きメモ処理部446は、ステップS2113の処理を繰り返す。入力部412がアイコンの選択指示を受け付けている場合(ステップS2113においてYES)、手書きメモ処理部446は、ステップS2115の処理に進む。
続いて、ステップS2115において、手書きメモ処理部446は、手書きメモデータ182に基づいて、選択された項目に対応する手書き入り画面をディスプレイ130に表示させる。
続いて、ステップS2117において、手書きメモ処理部446は、入力部412が、表示画面を1件表示画面に戻すための指示を受け付けたかどうか判断する。入力部412が指示を受け付けていない場合(ステップS2117においてNO)、手書きメモ処理部446は、ステップS2117の処理を繰り返す。入力部412が指示を受け付けている場合(ステップS2117においてYES)、手書きメモ処理部446は手書き入り画面の表示を中止し、制御部440は、ステップS2111の処理に復帰する。
ステップS2109の分岐に戻って、選択された項目の手書きメモがない場合(ステップS2109においてNO)、ステップS2119において、コンテンツ表示処理部443は、選択された項目の1件表示画面をディスプレイ130に表示させる。この場合、コンテンツ表示処理部443は、ステップS2111で1件表示画面に付加したようなアイコンを1件表示画面に付加することはない。
続いて、ステップS2121において、制御部440に含まれる手書きメモ処理部446は、入力部412が手書きメモの作成指示を受け付けたかどうかを判断する。入力部412が手書きメモの作成指示を受け付けていない場合(ステップS2121においてNO)、手書きメモ処理部446は、ステップS2121の処理を繰り返す。入力部412が手書きメモの作成指示を受け付けている場合(ステップS2121においてYES)、手書きメモ処理部446は、手書きメモの作成処理(次の図22を参照)を開始する。
(項目への手書きメモの作成)
図22を参照して、手書きメモの作成にあたり、制御部440に含まれる手書き処理部446が行なう処理の流れを説明する。図22は、第1の実施の形態に係る手書き処理部446が手書きメモの作成にあたり行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
ステップS2201において、手書き処理部446は、手書きメモの作成モードを起動する。
ステップS2203において、手書き処理部446は、作成モードの起動時に動作しているアプリケーションの種類を記憶部430の所定の記憶領域に格納する。なお、アプリケーションの種類が1つの場合、手書き処理部446は、この処理を行なわなくてよい。
ステップS2205において、手書き処理部446は、作成モードの起動時に表示されている項目表示画面(以下では、編集前画面ともよぶ)の表示データを取得し、記憶部430の所定の記憶領域に格納する。
ステップS2207において、手書き処理部446は、ディスプレイ130に、編集前画面を表示させる。すでに説明したように、本実施の形態では、手書き処理部446は、編集可能な編集前画面と、編集不可能な編集前画面とを重ねてディスプレイ130に表示させるものとする。ユーザが、すでに入力した手書き入力を容易に削除できるようにするためである。
ステップS2209において、手書き処理部446は、手書き入力を受け付け、ディスプレイ130に、受け付けた手書き入力に応じた手書き表示を、編集前画面に重畳した画面を表示させる。具体的には、手書き処理部446は、編集可能な編集前画面に手書き表示を付加し、さらに、手書き表示を付加した編集前画面と、編集されていない編集前画面とを重ねて、ディスプレイ130に表示させる。
ステップS2211において、手書き処理部446は、手書きメモの登録指示を受け付ける。本実施の形態では、手書き処理部446は、タッチパネル120の「登録」へのタッチを、手書きメモの登録指示とみなす。
ステップS2213において、手書き処理部446は、登録指示受付時にディスプレイ130に表示されている項目表示画面の画像データを取得する。なお、以下では、登録指示受付時の画面、画像データを、「現在の」画面、画像データと呼ぶこともある。
ステップS2215において、手書き処理部446は、コンテンツ名称データベース176を検索し、登録指示受付時に起動しているアプリケーションで扱われているコンテンツ(以下、「現在のコンテンツ」ともよぶ)のコンテンツ名称を取得する。
ステップS2217において、手書き処理部446は、見出しデータベース175を検索し、現在のコンテンツが見出し情報をもつかどうかを判断する。
現在のコンテンツが見出し情報を持たない場合(ステップS2217においてNO)、手書き処理部446は、ステップS2219において、表示時に手書きメモを識別するための表示用番号を取得する。手書き処理部446は、見出し情報を持たないコンテンツに対し、コンテンツの登録順に従った表示用番号を与える。つまり、表示用番号は、連番である。そのあと、手書き処理部446は、ステップS2223の処理に進む。
現在のコンテンツが見出し情報を持つ場合(ステップS2217においてYES)、手書き処理部446は、ステップS2221において、現在のコンテンツの見出し情報を取得する。そのあと、手書き処理部446は、ステップS2223の処理に進む。
ステップS2223において、手書き処理部446は、時計カウンタ420から、手書きメモの登録時刻として、現在の時刻を取得する。
ステップS2225において、手書き処理部446は、編集前画面、現在の表示データ、コンテンツ名称、見出し情報(または表示用番号)および現在の時刻を関連付けて、手書きメモデータ182として記憶部430に格納する。
ステップS2227において、手書き処理部446は、ステップS2203で記憶していた種類のアプリケーション、すなわち、手書きメモの作成モードの起動時に動作していたアプリケーションの初期画面をディスプレイ130に表示させ、手書きメモの作成モードを終了する。
(リスト表示および手書きメモの編集)
図23を参照して、登録された手書きメモをリスト表示および編集する際に、手書き処理部446が行なう処理の流れを説明する。図23は、第1の実施の形態に係る手書き処理部446が、登録された手書きメモの作成にあたり行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
ステップS2301において、手書き処理部446は、入力部412が受け付けた指示に応じて、暗記メモリストの表示モードを起動する。本実施の形態では、手書き処理部446は、暗記メモキー330の押下に応じて、暗記メモリストの表示モードを起動する。
ステップS2303において、手書き処理部446は、手書きメモデータ182に保存され、互いに関連付けられているデータの組の各々を読み込む。具体的には、手書き処理部446は、編集前画面、現在の表示データ、コンテンツ名称、見出し情報(または表示用番号)および現在の時刻の組み合わせの各々を読み込む。
ステップS2305において、手書き処理部446は、各データの組から「コンテンツ名」「見出し情報」「時刻」を読み込み、データの組の識別情報と関連付けて記憶部430(好ましくは、読出し速度の速いRAM160)に一時的に格納する。
ステップS2307において、手書き処理部446は、読みだされたコンテンツ名および時刻に基づいて、各データの組に対し、「コンテンツ名」および「時刻」のいずれかによる順番を与える。手書き処理部446がいずれの順番を与えるかは、ユーザが設定可能であるとする。
ステップS2309において、手書き処理部446は、各データの組について、「コンテンツ名」「見出し情報」「時刻」を組み合わせたリスト用表示データを作成する。
ステップS2311において、手書き処理部446は、リスト用表示データを、順番に沿って並べたリストを、表示部416に表示させる。
ステップS2313において、手書き処理部446は、入力部412が受け付けた指示に基づいて、リストから項目(リスト中の選択肢)を選択する。
ステップS2315において、手書き処理部446は、手書きメモデータ182から、選択した項目に対応する編集前画面および表示データを読み込む。
ステップS2317において、手書き処理部446は、読み込んだ編集前画面および表示データを重ねてディスプレイ130に表示させる。
ステップS2319において、手書き処理部446は、入力部412からの編集指示を受け付ける。そして、手書き処理部446は、手書きメモの編集モードに移行する。
ステップS2321において、手書き処理部446は、入力部412が受け付けた入力、特に手書き入力に基づいて、ステップS2315で読み込まれた表示データを編集する。
ステップS2323において、手書き処理部446は、入力部412からの、手書きメモの登録指示を受け付ける。登録指示としては、上書き登録と新規登録とがあるものの、いずれの指示に対しても、大きな処理の流れは変わらない。そのため、両方の場合をまとめて説明する。
ステップS2325において、手書き処理部446は、ステップS2323で登録指示を受け付けた時点の項目表示画面の表示データを取得する。
ステップS2327において、手書き処理部446は、時計カウンタ420から現在の時刻を取得する。
ステップS2329において、手書き処理部446は、登録指示が上書き登録指示である場合、手書きメモデータ182の表示データおよび時刻を更新する。登録指示が新規登録指示であった場合、手書き処理部446は、編集前画面、現在の表示データ、コンテンツ名称、見出し情報(または表示用番号)および現在の時刻を関連付けて、手書きメモデータ182に追加する。編集前画面、コンテンツ名称および見出し情報(または表示用番号)については、手書き処理部446は、編集対象となっていたデータの組のものを利用する。
(手書きメモの削除)
図24を参照して、登録された手書きメモを削除する際に、手書き処理部446が行なう処理の流れを説明する。図24は、手書き処理部446が、登録された手書きメモの削除にあたり行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
ステップS2401〜ステップS2417については、図23を用いて説明したステップS2301〜ステップS2317と同様である。すなわち、これらの処理により、手書き処理部446は、登録された手書きメモをリスト表示し、リストから1つの手書きメモを選択する。さらに、手書き処理部446は、選択された手書きメモに対応する、手書きを重畳した1件表示画面をディスプレイ130に表示させる。
ステップS2419において、手書き処理部446は、入力部412から手書きメモの削除指示を受け付ける。
ステップS2421において、手書き処理部446は、ステップS2413において選択されていた項目を手書きメモデータ182から削除する。そして、手書き処理部446は、ステップS2411の処理に戻り、手書きメモのリストを表示する。このとき、リストには、削除された項目は表示されない。
(項目に無関係な手書きメモの登録)
図25を参照して、コンテンツの項目とは無関係な手書きメモを作成する際に、手書き処理部446が行なう処理の流れを説明する。図25は、手書き処理部446が、項目に無関係な手書きメモの登録にあたり行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
ステップS2501〜ステップS2511については、図23を用いて説明したステップS2301〜ステップS2311と同様である。すなわち、これらの処理により、手書き処理部446は、登録された手書きメモをリスト表示する。
ステップS2513において、手書き処理部446は、入力部412からの手書きメモの新規作成指示を受け付ける。
ステップS2515において、手書き処理部446は、ディスプレイ130に、手書き用画面を表示させる。ここでは、手書き処理部446は、無地(白紙)の手書きを受付可能な領域を含む画面を手書き用画面として作成する。
ステップS2517において、手書き処理部446は、手書き入力部414から手書き入力を受け付ける。また、手書き処理部446は、受け付けた手書き入力に応じた手書き表示をディスプレイ130に表示させる。
ステップS2519において、手書き処理部446は、入力部412から手書きメモの登録指示を受け付ける。本実施の形態では、タッチパネル120の「登録」へのタッチが、登録指示に相当する。ただし、登録指示は、これに限られるものではない。
ステップS2521において、手書き処理部446は、ディスプレイ130に表示されている画面の表示データを取得する。
ステップS2523において、手書き処理部446は、時計カウンタ420から現在の時刻を取得する。
ステップS2525において、手書き処理部446は、ステップS2521およびステップS2523で取得した表示データおよび時刻を関連付けて、手書きメモデータ182に追加する。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、電子機器100は、手書きメモの作成後に、アプリケーションの初期画面(辞書アプリケーションなどでは、検索画面)に戻っていた。これに対し、第2の実施の形態に係る電子機器100は、コンテンツの項目に対する手書きメモの作成後に、手書きメモの作成前に表示されていた1件表示画面に戻る。
図26に、第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る画面遷移を模式的に示す。第1の実施の形態では、電子機器100は、最初に検索画面2610を表示し、検索指示に応じて、検索画面2610から1件表示画面2620に移行する。さらに、電子機器100は、暗記メモ作成指示に応じて、1件表示画面2620から編集画面2630に移行する。電子機器100は、編集画面2630の表示時に、登録指示を受け付けると、画面を手書きメモデータに登録し、検索画面2610に戻る。これに対し、第2の実施の形態では、編集画面2630の表示までの動作は共通であるものの、編集画面2630の表示時に、登録指示を受け付けると、画面を手書きメモデータに登録し、検索画面2610ではなく1件表示画面2620に戻る。
第1の実施の形態では、1件表示画面から編集画面に移行した後、登録指示があると、編集画面の表示前に表示されていた1件表示画面が表示されないので、ユーザが違和感を感じるおそれがある。本実施の形態では、このような違和感をなくせる。
また、ユーザが、事前に表示されていた1件表示画面を再び見たいということも起きる。特に、解説画面がディスプレイ130に表示されない場合、ユーザは、先に見ていた1件表示画面の別の場所を確認したいこともある。本実施の形態では、ユーザのこのようなニーズに応えることができる。
さらに、第2の実施の形態に係る電子機器100は、リスト画面から、手書きを重畳した画面(メモ画面とよぶ)に移動した後、メモの登録元の1件表示画面に移動することができる。図27に、この動作を模式的に示す。電子機器100は、リスト画面2710の表示中に、決定指示を受け付けると、メモ画面2720に移動する。さらに、電子機器100は、メモ画面2720の表示中に、所定の指示を受け付けると、メモの登録元である1件表示画面2730に移動する。
このように、第2の実施の形態に係る電子機器100によれば、ユーザは、メモ画面から登録元の1件表示画面を容易に参照できる。
第2の実施の形態に係る電子機器100のハードウェア構成および機能的構成は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、繰り返さない。ただし、制御部440が行なう処理内容が異なる。以下、第2の実施の形態に係る制御部440が行なう処理について説明する
1件表示画面の表示の際の制御部440の処理は、第1の実施の形態で図21を参照して説明したものと同様であり、繰り返さない。
図28を参照して、手書きメモの作成にあたり、制御部440に含まれる手書き処理部446が行なう処理の流れを説明する。図28は、第2の実施の形態に係る手書き処理部446が手書きメモの作成にあたり行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。以下、第1の実施の形態で図22を参照して説明した処理と異なる点を中心に説明する。
ステップS2801において、手書き処理部446は、手書きメモの作成モードを起動する。
ステップS2803において、手書き処理部446は、作成モードの起動時に動作しているアプリケーションの種類および表示されている項目を記憶部430の所定の記憶領域に格納する。表示されている項目も格納する点が、第1の実施の形態と異なる。
ステップS2805からステップS2823までの処理は、図22に示したステップS2205からステップS2223までの処理と同様であり、これらの詳細な説明は繰り返さない。
ステップS2825において、手書き処理部446は、手書きメモ作成モード起動時のアプリケーション種類および項目、編集前画面、現在の表示データ、コンテンツ名称、見出し情報(または表示用番号)および現在の時刻を関連付けて、手書きメモデータ182として記憶部430に格納する。ステップS2803で取得したアプリケーション種類および項目も手書きメモデータ182に格納する点が、第1の実施の形態と異なる。
ステップS2827において、手書き処理部446は、ステップS2803で記憶していたアプリケーション種類および項目に基づいて、手書きメモの作成モードを終了し、手書きメモの作成モードの起動時の状態に戻る。
図29を参照して、登録された手書きメモをリスト表示および編集する際に、手書き処理部446が行なう処理の流れを説明する。図29は、第2の実施の形態に係る手書き処理部446が、登録された手書きメモの作成にあたり行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。以下では、第1の実施の形態との違いを中心に説明する。
ステップS2901からステップS2917までの処理は、第1の実施の形態で図23を参照して説明したステップS2301からステップS2317までの処理と同様であるため、これらの詳細な説明は繰り返さない。
ステップS2919において、手書き処理部446は、暗記メモの登録元の項目への移動指示があったかどうか判断する。特に図示しないが、電子機器100は、例えば、この移動指示に対応するエリアをタッチパネル120に作成し、当該エリアのタッチを移動指示とみなす。
項目への移動指示がない場合(ステップS2919においてNO)、手書き処理部446は、ステップS2921からステップS2931までの処理を実行し、ステップS2911の処理に戻る。ステップS2921からステップS2931までの処理は、図23のステップS2317からステップS2329までの処理と同様である。これらの処理により、手書きメモが編集され、編集後のメモが登録される。
項目への移動指示がある場合(ステップS2919においてYES)、手書き処理部446は、ステップS2933において、選択された暗記メモの登録時のアプリケーション種類を取得する。すなわち、手書き処理部446は、図28のステップS2825で手書きメモデータ182に格納された、作成モード起動時のアプリケーション種類を取得する。
ステップS2935において、手書き処理部446は、暗記メモ作成前に表示されていた項目を取得する。すなわち、手書き処理部446は、図28のステップS2825で手書きメモデータ182に格納された、作成モード起動時の項目を取得する。
ステップS2937において、手書き処理部446は、暗記メモ機能を終了し、ステップS2933で取得した種類のアプリケーションを起動し、ステップS2825で取得した項目の1件表示画面をディスプレイ130に表示させる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、手書き入力を色ごとに管理する電子機器100について説明する。第3の実施の形態に係る電子機器100のハードウェア構成および機能的構成は、第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態のものとほぼ同様であり、繰り返さない。制御部440の処理内容について、以下、説明する。
1件表示画面の表示の際の制御部440の処理は、第1の実施の形態で図21を参照して説明したものと同様であり、繰り返さない。
図30を参照して、手書きメモの作成にあたり、制御部440に含まれる手書き処理部446が行なう処理の流れを説明する。図30は、第3の実施の形態に係る手書き処理部446が手書きメモの作成にあたり行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
第3の実施の形態に係る手書き処理部446は、第2の実施の形態に係る手書き処理部446が行なう処理に加え、色管理を行なう。以下、第2の実施の形態で図28を参照して説明した処理と異なる点を中心に説明する。
ステップS3001からステップS3007までの処理は、図28のステップS2801からステップS2807までの処理と同様であり、これらの説明は繰り返さない。
ステップS3009において、手書き処理部446は、編集前画面に対する手書き入力を行なう。この際、手書き処理部446は、なされた手書き入力の色情報を取得し、取得した色情報を記憶部430の所定の記憶領域に格納しておく。この点が第2の実施の形態と異なる。例えば、赤色および青色で手書き入力がなされた場合、手書き処理部446は、色情報として、「赤色」「青色」を記憶部430に格納する。
ステップS3011からステップS3023までの処理は、図28のステップS2811からステップS2823までの処理と同様であり、これらの説明は繰り返さない。
ステップS3025において、手書き処理部446は、手書きメモ作成モード起動時のアプリケーション種類および項目、編集前画面、現在の表示データ、色情報、コンテンツ名称、見出し情報(または表示用番号)および現在の時刻を関連付けて、手書きメモデータ182として記憶部430に格納する。ステップS3009で取得した色情報も手書きメモデータ182に格納する点が、第2の実施の形態と異なる。
ステップS3027において、手書き処理部446は、ステップS2803で記憶していたアプリケーション種類および項目に基づいて、手書きメモの作成モードを終了し、手書きメモの作成モードの起動時の状態に戻る。
図31を参照して、登録された手書きメモをリスト表示および編集する際に、手書き処理部446が行なう処理の流れを説明する。図31は、第3の実施の形態に係る手書き処理部446が、登録された手書きメモの作成にあたり行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。以下では、第2の実施の形態との違いを中心に説明する。
ステップS3101において、手書き処理部446は、入力部412が受け付けた指示に応じて、暗記メモリストの表示モードを起動する。
ステップS3103において、手書き処理部446は、手書きメモデータ182に保存され、互いに関連付けられているデータの組の各々を読み込む。
ステップS3105において、手書き処理部446は、各データの組から「コンテンツ名」「見出し情報」「時刻」「色情報」を読み込み、データの組の識別情報と関連付けて記憶部430(好ましくは、読出し速度の速いRAM160)に一時的に格納する。
ステップS3107において、手書き処理部446は、読みだされたコンテンツ名、時刻および色情報に基づいて、各データの組に対し、「コンテンツ名」、「時刻」および「色情報」のいずれかによる順番を与える。手書き処理部446がいずれの順番を与えるかは、ユーザが設定可能であるとする。
ユーザが、手書き入力の色を、書き込みの重要性に応じて使い分けている場合、手書き処理部446は、色情報に基づいてデータの組を並び替えることで、重要度の順に、手書きメモをリスト表示することができる。
色に基づいてどのようにデータの組を並び替えるかは、ユーザにより設定可能であることが好ましい。例えば、ユーザは、重要な書き込みを「赤色」で行なっている場合、色情報として「赤色」をもつデータの組が、優先的に表示されるように設定すればよい。
ただし、並び替え規則は、予め設定されていても構わない。例えば、「青色」を含むデータの組が優先的に表示される設定の場合、ユーザは、重要な書き込みを青色で行なうようにすればよい。
ステップS3109からステップS3119までの処理は、第2の実施の形態で図29を参照して説明したステップS2909からステップS2919までの処理と同様であるため、これらの詳細な説明は繰り返さない。
項目への移動指示がない場合(ステップS3119においてNO)、手書き処理部446は、ステップS3121からステップS3131までの処理を実行し、ステップS3111の処理に戻る。ステップS3121からステップS3131までの処理は、図29のステップS2921からステップS2931までの処理とほぼ同様である。これらの処理により、手書きメモが編集され、編集後のメモが登録される。
ただし、ステップS3123において、手書き処理部446は、表示データを色ごとに編集可能であってもよい。例えば、手書き処理部446は、特定の色のみを削除する処理を行なってもよい。このとき、手書き処理部446は、具体的には、例えば、表示データの各画素の色データに基づき、指定された色の画素を抽出し、抽出された画素を透明化する。
また、ステップS3123において、手書き処理部446は、表示データの編集後の色情報を記憶部430に格納する。例えば、手書き処理部446は、新たな色による手書き入力があったとき、および、すでになされている手書き入力の色の削除があったとき、色情報を変更する。
色情報の変更がある場合、手書き処理部446は、ステップS3131において手書きメモの上書き処理を行なう場合、手書きメモデータ182の色情報を変更する。また、手書き処理部446は、手書きメモの新規登録を行なう場合、ステップS3123で記憶部430に格納された色情報を、手書きメモデータ182に新規登録する。
項目への移動指示がある場合(ステップS3119においてYES)、手書き処理部446は、ステップS3133からステップS3137までの処理を実行する。ステップS3133からステップS3137までの処理は、図29のステップS2933からステップS2937までの処理とほぼ同様である。これらの処理により、手書き処理部446は、暗記メモ機能を終了し、表示されていた暗記メモに対応する1件表示画面をディスプレイ130に表示させる。
[その他]
各実施の形態を適宜組み合わせたものも、本発明の実施の形態とみなせる。例えば、第1の実施の形態に係る電子機器100に、第3の実施の形態で説明した色管理機能を追加した電子機器も、本発明の実施の形態とみなせる。
また、電子機器100は、手書きメモデータ182を他の機器に受け渡し、あるいは、手書きメモデータ182を他の機器から受け取り可能な構成であってもよい。このような構成であれば、複数の機器で、共通の手書きメモデータ182を利用できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。