JP5530835B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記録媒体およびその製造方法に関するものであり、詳しくは、磁性粒子が高度に分散された磁性層を有する磁気記録媒体およびその製造方法に関するものである。
近年、情報を高速に伝達するための手段が著しく発達し、莫大な情報をもつ画像およびデータ転送が可能となった。このデータ転送技術の向上とともに、情報を記録、再生および保存するための記録再生装置および記録媒体には更なる高密度記録化が要求されている。高密度記録領域において良好な電磁変換特性を得るためには、微粒子磁性体を使用するとともに、微粒子磁性体を高度に分散させ、磁性層表面の平滑性を高めることでスペーシングロスを低減することが有効であることが知られている。
磁性粒子の分散性を高める手段として、例えば特許文献1には、水溶性高分子界面活性剤によって表面を被覆した磁性粒子をジオクチルスルホコハク酸ナトリウムとバインダ成分とが含まれる有機溶媒中に分散させて磁性層形成用の磁性塗料を調製することが提案されている。また、非特許文献1には、高分子量のポリアクリル酸ナトリウムの水溶液中で磁性粒子を分散処理した後、溶媒置換することにより有機溶媒系の磁性塗料を調製することが提案されている。
特開昭61−54034号公報
日本セラミックス協会学術論文誌 97[1](1989)73〜78頁
特許文献1および非特許文献1では、磁性粒子表面が親水性であるため水系で分散処理を行うことが分散性を高めるうえで有利であるとの知見に基づき、水溶液中で磁性粒子表面を水溶性ポリマーによって被覆した後に、有機溶媒系の磁性塗料を作製している。
しかし、仮に水溶液中で一次粒子まで分散できたとしても、特許文献1に記載されているように水溶性ポリマーで表面を被覆した磁性粒子を一旦乾燥させると、ファンデルワールス力や磁気的な力によって強固な凝集体が形成されてしまう。この乾燥によって凝集した粒子を再度一次粒子に分散することはきわめて困難である。
これに対し非特許文献1には、分散性を高めるために、水系溶媒中で磁性粒子表面を水溶性ポリマーで被覆した後、乾燥工程を経ることなく水系溶媒を有機溶媒に置換することが提案されている。しかし、水溶性ポリマーによって被覆された磁性粒子は、溶媒置換後の有機溶媒中では親水性部分同士の相互作用によって凝集物を形成してしまうため、高密度磁気記録媒体に求められるほど高度に分散することは困難である。
そこで本発明の目的は、磁性粒子が高度に分散された磁性層を有する磁気記録媒体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得るに至った。
磁性粒子は、その等電点より低いpHの水系溶媒中では表面に正電荷を帯びるため、正電荷同士の反発力により、特許文献1および非特許文献1に記載されているように水溶性ポリマーを添加することなく高度に分散することができる。この状態で疎水性であり有機溶媒に対する親和性の高い部分とアニオン性基を併せ持つ化合物が存在すれば、高度に分散された磁性粒子の表面の正電荷のサイトにアニオン性基が吸着することにより磁性粒子表面は疎水性部分で被覆された状態となって疎水化される。また、これに伴い磁性粒子表面の正電荷は打ち消されるため正電荷同士の反発力は低下する。この正電荷同士の反発力の低下と表面疎水化により水系溶媒中では磁性粒子は凝集するが、ここで形成される凝集物は疎水性部分同士の相互作用による凝集によるものであるため、有機溶媒中(疎水性環境下)では、疎水性部分が有機溶媒に対する親和性を示すことにより凝集状態を容易に解除することができる。
即ち、水系溶媒中で磁性粒子が正電荷同士の反発力により高度に分散した状態で、アニオン性基と有機溶媒に対する親和性の高い疎水性部分を併せ持つ化合物(表面改質剤)によって磁性粒子表面を改質することにより、有機溶媒中で磁性粒子を高度に分散させることが可能となることが、本発明者により新たに見出された。
本発明者は、以上の知見に基づき更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的は、下記手段により達成された。
[1]平均一次粒子サイズが10nm以上35nm以下である磁性粒子を、該磁性粒子の等電点より低いpHを有する水系溶媒中で液中粒径が35nm以下となる分散状態に分散処理すること、
上記分散処理により得られた磁性液に下記一般式(I)で表される化合物および下記一般式(II)で表される化合物からなる群から選択される表面改質剤を添加し、該表面改質剤を前記磁性粒子の表面に被覆させる表面改質処理を行うこと、ならびに、
上記表面改質処理後の磁性粒子を有機溶媒および結合剤とともに分散処理して磁性塗料を作製し、作製した磁性塗料を用いて磁性層を形成すること、
を含み、
前記表面改質処理を、表面改質処理後の磁性液の一部を磁性粒子濃度が0.02質量%となるように水で希釈した液のゼータ電位が0〜25mVの範囲となる被覆率が達成されるように行う、磁気記録媒体の製造方法。
[一般式(I)において、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数5〜10のアルキル基であり、X1およびX2は水素原子または置換基であり、ただしX1およびX2のいずれか一方は上記磁性液中でアニオン性基となる官能基である。]
[一般式(II)において、R3は炭素数12〜17のアルキル基であり、X3は上記磁性液中でアニオン性基となる官能基である。]
[2]前記磁性液中でアニオン性基となる官能基はスルホン酸(塩)基である、[1]に記載の磁気記録媒体の製造方法。
[3]前記磁性液中での表面改質処理後、水系溶媒中から磁性粒子を採取する工程を含む、[1]または[2]に記載の磁気記録媒体の製造方法。
[4]前記磁性粒子は六方晶フェライト磁性粒子である、[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[5]前記水系溶媒のpHを5以下に調整する、[1]〜[4]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[6]一般式(II)中、X3で表される官能基は、R3で表されるアルキル基に対してパラ位に存在する、[1]〜[5]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[7]一般式(I)中、X1およびX2の一方は前記磁性液中でアニオン性基となる官能基であり、他方は水素原子である、[1]〜[6]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[8]前記磁性液中の表面改質剤の量は、磁性粒子100質量部に対して5〜15質量部の範囲である、[1]〜[7]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[9]前記有機溶媒はケトン系溶媒を含有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[10]前記表面改質処理を、前記ゼータ電位0〜10mVの範囲となる被覆率が達成されるように行う、[1]〜[9]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[11][1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法により得られた磁気記録媒体。
本発明によれば、微粒子磁性体が高度に分散された、優れた電磁変換特性を発揮し得る磁気記録媒体を提供することができる。
更に、微粒子磁性体の分散が容易となるため、製造工程における磁性粒子の分散負荷を大きく軽減することもできる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、磁性粒子を、該磁性粒子の等電点より低いpHを有する水系溶媒中で液中粒径が35nm以下となる分散状態に分散処理すること、上記分散処理により得られた磁性液に下記一般式(I)で表される化合物および下記一般式(II)で表される化合物からなる群から選択される表面改質剤を添加し磁性粒子の表面改質処理を行うことにより、上記磁性粒子のゼータ電位を0〜25mVの範囲に調整すること、ならびに、上記調整後の磁性粒子を有機溶媒および結合剤とともに分散処理して磁性塗料を作製し、作製した磁性塗料を用いて磁性層を形成すること、を含む。
[一般式(I)において、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数5〜10のアルキル基であり、X1およびX2は水素原子または置換基であり、ただしX1およびX2のいずれか一方は上記磁性液中でアニオン性基となる官能基である。]
[一般式(II)において、R3は炭素数12〜17のアルキル基であり、X3は上記磁性液中でアニオン性基となる官能基である。]
以下、本発明の磁気記録媒体の製造方法について、更に詳細に説明する。
水系溶媒中での分散処理
磁気記録媒体では、磁性層中で磁性粒子を微粒子状態で存在させることが、電磁変換特性の向上につながる。したがって、電磁変換特性向上のためには微粒子の磁性粒子を高度に分散させた状態で磁性層に存在させることが好ましい。
上記の点から、本発明において磁気記録媒体の製造のために使用する原料磁性粒子は、平均一次粒子サイズが35nm以下のものであることが好ましい。ここで、磁性粒子の平均一次粒子サイズとは、以下の方法により測定される値とする。
磁性粒子を、日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いて撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粒子写真を得る。粒子写真から目的の磁性粒子を選びデジタイザーで粒子の輪郭をトレースしカールツァイス製画像解析ソフトKS−400で粒子のサイズを測定する。500個の一次粒子のサイズを測定する。一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。上記方法により測定される粒子サイズの算術平均値を磁性粒子の平均一次粒子サイズとする。
上記平均一次粒子サイズは熱揺らぎがなく安定な磁化を得る観点から10nm以上であることが好ましい。磁化の安定性と高密度記録化を両立する観点から、上記平均粒子サイズは10〜35nmの範囲であることが好ましく、20〜35nmの範囲であることがより好ましい。ただし、原料磁性粒子が微粒子であっても、磁性層中で凝集体として存在するのであれば、凝集体が一つの粗大粒子様に振舞うため、電磁変換特性を向上することは困難となる。そこで本発明では、磁性粒子が高度に分散した磁性層を形成するために、後述するように水系溶媒中での分散処理および表面改質処理を行う。これらの処理については後述する。
なお、本発明において、磁性粒子等の粒子ないし粉体のサイズ(以下、「粒子サイズ」と言う)は、(1)粒子の形状が針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面の最大長径より大きい)等の場合は、粒子を構成する長軸の長さ、即ち長軸長で表され、(2)粒子の形状が板状乃至柱状(ただし、厚さ乃至高さが板面乃至底面の最大長径より小さい)場合は、その板面乃至底面の最大長径で表され、(3)粒子の形状が球形、多面体状、不特定形等であって、かつ形状から粒子を構成する長軸を特定できない場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影法で求められるものを言う。
また、該粒子の平均粒子サイズは、上記粒子サイズの算術平均であり、500個の一次粒子について上記の如く測定を実施して求めたものである。
本発明において磁気記録媒体を製造するための原料磁性粒子としては、一般に磁気記録媒体の磁性層に使用される六方晶フェライト磁性粒子、強磁性金属磁性粒子等の各種強磁性粒子を用いることができる。その詳細については後述する。
本発明の製造方法では、後述する表面改質剤により磁性粒子の表面改質処理を行う前に、水系溶媒中で磁性粒子に対して分散処理を施す。この分散処理が行われる水系溶媒のpHは、磁性粒子の等電点より低いpHとする。これは前述のように、磁性粒子の等電点より低いpHの水系溶媒中で磁性粒子を正電荷同士の反発力によって高度に分散させるとともに、磁性粒子表面に表面改質剤のアニオン性基の吸着部位となる正電荷を持たせるためである。
本発明において、磁性粒子の等電点とは、該磁性粒子のゼータ電位がゼロになるときのpHの値をいう。具体的には、磁性粒子を、その濃度が0.02質量%となるように使用する水系溶媒中に添加して、ゼータ電位測定器(例えばシスメックス製ゼータサイザーナノシリーズ)でゼータ電位をモニタリングしながらpH調整剤(例えば30質量%酢酸水溶液)を添加する。ゼータ電位がゼロになったときのpHを測定し、このpH値を磁性粒子の等電点とする。また、本発明において、等電点、ゼータ電位およびpHとは、液温25℃において測定された値をいうものとする。
前記水系溶媒とは、水を主成分とする溶媒であり、水、または水と水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン等との混合溶媒を挙げることができる。
一般に磁気記録媒体の磁性層に使用される磁性粒子は、等電点が塩基性領域にあるアルミナ等により表面処理されていることが多いため(例えば特公昭62−50889号公報参照)、等電点が塩基性領域にあるものが多い。等電点が塩基性領域にある磁性粒子に対しては、pH調整剤として無機酸または有機酸を使用することにより、水系溶媒のpHを磁性粒子の等電点より低い値に制御することができる。磁性粒子を正電荷の反発力により良好に分散させるためには、磁性粒子の等電点より3以上小さいpHに調整することが好ましい。一般的な磁性粒子の等電点を考慮すると、pHを5以下にすることが好ましく、4以下にすることがより好ましい。また、強酸性条件下では磁性粒子表面が溶解する場合があるため、上記pHは3以上とすることが好ましい。
pH調整剤として使用可能な無機酸の例としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などが挙げられる。有機酸の例としては、アミノ酸、酢酸、グリコール酸、ジグリコール酸などが挙げられる。これらの中では、取り扱いの容易性の点からは酢酸を用いることが好ましく、少量でpH調整が可能である点からは強酸である塩酸を用いることが好ましい。
前述の分散処理により、磁性粒子が正電荷同士の反発力によって高度に分散した磁性液(分散液)を得ることができる。上記磁性液に表面改質剤を添加し磁性粒子の表面改質処理を行うと正電荷同士の反発力が低下するため磁性粒子は一旦凝集するが、この凝集状態は、有機溶媒系の磁性塗料中で容易に解除することができる。したがって、磁性塗料中での磁性粒子の分散状態、更には磁性層中での磁性粒子の分散状態は、結果的に上記磁性液中での分散状態と同等となり得る。このため、上記磁性液中では磁性粒子を高度な分散状態で存在させる必要がある。この分散状態の指標として、本発明では、液中粒径を用いることとする。液中粒径とは、粒度分布の積算分布曲線において50%に相当する最大長径をいうものとする。上記粒度分布の測定は、動的光散乱法により行うものとし、例えば株式会社堀場製作所製動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500を用いて、50回の反復測定回数で行うことができる。なお、測定精度を高めるために測定対象の液を希釈したうえで液中粒径を測定することも可能である。この場合、測定精度をよりいっそう高めるためには、希釈溶媒として測定対象の液に含まれる溶媒を使用することが好ましく、測定対象の液と同一の溶媒を使用することがより好ましい。上記磁性液を希釈する場合には、該磁性液と同じpHに調整した水系溶媒によって希釈することが好ましい。
上記磁性液中で、液中粒径が35nmを超えると、高密度記録化を達成可能なほど磁性粒子が微粒子状態で存在する磁性層を形成することが困難となる。そこで本発明では、磁性粒子を、その等電点より低いpHを有する水系溶媒中で液中粒径が35nm以下となる分散状態に分散処理する。上記液中粒径は、熱揺らぎがなく安定な磁化を得る観点から10nm以上であることが好ましい。磁化の安定性と高密度記録化を両立する観点から、上記液中粒径は10〜35nmの範囲であることが好ましく、20〜35nmの範囲であることがより好ましい。磁性液中の液中粒径は、原料磁性粒子サイズおよび水系溶媒のpHによって制御することが可能である。
次いで、上記磁性液に所定の表面改質剤を添加し磁性粒子の表面改質処理を行うことにより、磁性粒子のゼータ電位を0〜25mVの範囲に調整する。磁性粒子が高度に分散された状態で存在する磁性液に表面改質剤を添加すれば、高度に分散された状態で(好ましくはほぼ一次粒子の状態で)存在する磁性粒子表面に表面改質剤を被覆することが可能となる。そして上記の表面改質剤による処理(表面改質処理)後の磁性粒子のゼータ電位は、表面改質剤による被覆率の指標である。液中粒径35nm以下の磁性粒子において表面改質処理後のゼータ電位が25mV超では、表面改質剤による改質効果が不十分であり有機溶媒中で磁性粒子の分散性を十分に確保することができない。これに対し上記ゼータ電位が25mV以下の状態とは、磁性粒子が有機溶媒中で良好に分散可能となるほど磁性粒子表面が表面改質剤によって被覆されている状態である。上記ゼータ電位は表面改質剤による被覆効果を良好に得る観点からは、20mV以下であることが好ましく、18mV以下であることがより好ましく、10mV以下であることが更に好ましい。また、磁性粒子のゼータ電位が0mVである状態とは、即ち磁性粒子表面の正電荷のすべてに表面改質剤のアニオン性基が吸着し、磁性粒子表面の正電荷が中和されている状態である。ゼータ電位がマイナスとなる状態とは、即ち磁性粒子表面に表面改質剤が二層で被覆されている状態である。そのような状態では、表面改質剤によって被覆された磁性粒子表面が親水性表面となるため、有機溶媒中での分散性が低下し磁性粒子が高度に分散された磁性塗料を得ることが困難となる。そこで本発明では、上記ゼータ電位は0mV以上とする。また、表面改質処理後の磁性粒子のゼータ電位は、溶液の一部を採取し磁性粒子濃度が0.02質量%となるように水で希釈した液のゼータ電位をいうものとする。ゼータ電位測定器としては、例えばシスメックス製ゼータサイザーナノシリーズ等を使用することができる。
本発明において、上記磁性液中で磁性粒子を表面改質処理するために使用される表面改質剤は、下記一般式(I)で表される化合物および下記一般式(II)で表される化合物からなる群から選択される。以下、一般式(I)で表される化合物および下記一般式(II)で表される化合物について、順次説明する。
なお、本発明において、特記しない限り、記載されている基は置換基を有してもよく無置換であってもよい。ある基が置換基を有する場合、該置換基としては、アルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)、水酸基、アルコキシル基(例えば炭素数1〜6のアルコキシル基)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アシル基、カルボキシル基等を挙げることができる。また、置換基を有する基について「炭素数」とは、置換基を含まない部分の炭素数を意味するものとする。また、本発明において、「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
一般式(I)において、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数5〜10のアルキル基である。上記アルキル基は、直鎖であっても分岐を有していてもよいが、磁性粒子表面を効率的に疎水化する観点からは、分岐アルキル基が好ましい。
1、R2で表されるアルキル基の炭素数が5未満では磁性粒子表面の疎水化効果が不十分である。一方、上記アルキル基の炭素数が10を超えると、一般式(I)で表される化合物の水溶性が低下するため、水系溶媒中で磁性粒子表面に一般式(I)で表される化合物を均一に吸着させることが困難となる。したがって、各アルキル基の炭素数は10以下とする。また、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよい。水溶性の点からは、R1で表されるアルキル基の炭素数とR2で表されるアルキル基の炭素数の合計が16以下である化合物が好ましい。
一般式(I)中、X1およびX2は水素原子または置換基であり、X1およびX2のいずれか一方は上記分散液中でアニオン性基となる官能基である。一般式(I)で表される化合物は、水系溶媒中でアニオン性基となる官能基を有することにより、正電荷を帯びた磁性粒子表面に、疎水性基であるR1およびR2を外に向けた状態で吸着することができる。これにより、磁性粒子表面を疎水化することができる。
上記の水系溶媒中でアニオン性基となる官能基としては、スルホン酸(塩)基、硫酸(塩)基、カルボン酸(塩)基、燐酸(塩)基、等の水系溶媒中でマイナスに電離し得る各種官能基を挙げることができる。ここで、「スルホン酸(塩)基」とは、スルホン酸基(−SO3H)と−SO3Na、−SO3Li、−SO3K等のアルカリ金属を対イオンとして有するスルホン酸塩基とを含むものとする。硫酸(塩)基、カルボン酸(塩)基、燐酸(塩)基についても同様である。上記官能基としてスルホン酸(塩)基を持つ化合物は入手が容易であるため、本発明において好適に使用することができる。
1およびX2のいずれか一方は上記官能基であり、他方は水素原子または置換基である。上記置換基の詳細は前記した通りである。アニオン性基を磁性粒子表面に良好に吸着させるためには、アニオン性基近傍に存在する基の立体障害は小さいことが好ましい。この点からX1およびX2のうち、上記官能基ではないものは水素原子であることが好ましい。
一般式(II)において、R3は炭素数12〜17のアルキル基であり、X3は水系溶媒中でアニオン性基となる官能基である。
一般式(II)中、R3で表されるアルキル基の炭素数が12未満では磁性粒子表面の疎水化効果が不十分である。他方、上記アルキル基の炭素数が17を超えると、一般式(II)で表される化合物の水溶性が低下するため、水系溶媒中で磁性粒子表面に一般式(II)で表される化合物を均一に吸着させることが困難となる。したがって、R3で表されるアルキル基の炭素数は12〜17の範囲とする。なお、R3で表されるアルキル基は直鎖であっても分岐を有していてもよいが、磁性粒子表面の疎水化効果の点からは直鎖であることが好ましい。一方、分岐アルキル基であると構造の対称性が低下するため、同一炭素数の直鎖アルキル基に対して水、有機溶媒への溶解性が向上する点で有利である。
一般式(II)中、X3で表される官能基の詳細は、先に一般式(I)について述べた通りである。X3で表される官能基の置換位置は、磁性粒子表面の疎水化効果の点からはX3に対してパラ位であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物はいずれも、公知の方法で合成することができ、または市販品として入手可能である。以下に、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物の具体例を示す。ただし本発明は、下記具体例に限定されるものではない。
上記の通り本発明では、水系溶媒中で磁性粒子の表面改質処理を行うが、表面改質処理の前に行われる分散処理により磁性粒子表面が十分に正電荷を帯びた後に、表面改質剤を添加し表面改質処理を行うことが、表面改質剤をアニオン性基を介して磁性粒子表面に良好に、かつ均一に吸着させるために好ましい。したがって、磁性粒子の等電点より低いpHに調整した水系溶媒中に磁性粒子を添加し十分に分散処理を行った後に、表面改質剤を添加し攪拌処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。上記分散処理、表面改質処理とも、サンドミル等の公知の分散機を用いて行うことができる。処理時間は特に限定されるものではなく磁性粒子表面が十分に疎水化されるように設定すればよいが、例えば表面改質剤添加前に1〜5時間程度分散処理を行い、次いで表面改質剤を添加した後に更に5分〜1時間程度、攪拌処理を行うことができる。
上記表面改質処理において使用される表面改質剤は、1種のみでもよく2種以上を組み合わせて使用することもできる。一般式(I)で表される表面改質剤および一般式(II)は、どちらも優れた表面改質効果を示すものであるが、より優れた表面改質効果を得るためには一般式(I)で表される表面改質剤が好ましい。表面改質剤の使用量は、磁性粒子のゼータ電位を0〜25mVに調整し得る量とすればよいが、磁性粒子上に均一な疎水性表面を形成する観点からは磁性粒子100質量部に対して5質量部以上とすることが好ましい。また、使用量が過剰であると磁性粒子表面で表面修飾剤が2層で吸着し疎水化が不十分となる場合があるため、十分な疎水化を達成するためには、磁性粒子100質量部に対して表面改質剤を15質量部以下使用することが好ましく、10質量部以下使用することが更に好ましい。また、磁性粒子に対して100〜500倍量(質量基準)の水系溶媒を使用することが、磁性粒子の分散処理および表面改質処理を良好に行ううえで好ましい。
磁性塗料の作製
上記分散処理および表面改質処理は水系溶媒中で行われるが、水系溶媒を含む磁性塗料を用いて磁性層を形成すると、形成された磁性層は親水性となるため吸湿による可塑化等の弊害が発生することが懸念される。そこで本発明では、磁性層を形成するために有機溶媒系の磁性塗料を使用する。ここで有機溶媒とは非水系の有機溶媒をいうものとするが、磁性塗料中に可塑化等の弊害を生じない程度に微量の水分が残留していることは許容するものとする。
上記表面改質処理後の磁性粒子は、有機溶媒系の磁性塗料を調製するために、有機溶媒および結合剤とともに分散処理に付される。
一態様では、上記表面改質処理後、水系溶媒中から磁性粒子を採取し、採取した磁性粒子を磁性塗料の調製に使用する。例えば、表面改質処理後の磁性粒子を濾過等の公知の方法によって水系溶媒から取り出し乾燥処理を行った後に、得られた磁性粒子を用いて通常の磁気記録媒体の磁性層形成用塗料の調製と同様の方法で磁性塗料を作製することができる。他の態様では、乾燥処理を施すことなく、表面改質処理後に水系溶媒を有機溶媒に置換する溶媒置換処理を行った後に、得られた磁性粒子を用いて通常の磁気記録媒体の磁性層形成用塗料の調製と同様の方法で磁性塗料を作製することができる。本発明によれば、仮に磁性粒子が乾燥時に凝集したとしても、その凝集物は有機溶媒中で容易に分散可能である。
上記の溶媒置換は、公知の方法で行うことができるが、一例として以下の方法を挙げることができる。
上記表面改質処理により得られた磁性液をフィルター濾過する。好ましくは、表面改質剤による処理によって沈降物を生じた磁性液の上澄みをデカンテーションで除去することにより得られた沈降物をフィルター濾過する。なお、上記表面改質処理において表面改質剤が吸着することにより、磁性粒子表面の正電荷が中和されるため正電荷による反発力が低下することと磁性粒子表面が疎水化される結果、磁性粒子は沈降しやすい状態となる。したがって水系溶媒中で磁性粒子が自然沈降するため磁性液の固液分離は容易である。
その後、フィルター上の濾過物が乾燥する前に、水および磁性塗料に使用する有機溶媒の両者に混合し得る溶媒(例えばアルコール)をフィルターに注ぐことにより濾過物中に残存する水分を除去する。次いで、磁性塗料に使用する有機溶媒をフィルター上に注ぐことにより、水系溶媒を有機溶媒に溶媒置換することができる。こうして得られた濾過物を用いて通常の磁気記録媒体の磁性層形成用塗料の調製と同様の方法で磁性塗料を作製することができる。
磁性塗料に使用する有機溶媒としては、一般に塗布型磁気記録媒体調製のために使用される有機溶媒を挙げることができる。具体的には、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。中でも、磁気記録媒体に通常使用される結合剤の溶解性および磁性粒子表面への結合剤の吸着の点からはケトン類を含有する有機溶媒(ケトン系有機溶媒)を用いることが好ましい。
上記有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50質量%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
上記有機溶媒との分散処理に付される磁性粒子は、水系溶媒中で表面改質剤によって処理された結果、表面が疎水化されている。したがって、磁性層形成のために行われる通常の分散処理によって高度に分散することができる。
以下、本発明の磁気記録媒体の製造方法の具体的態様について説明する。
磁性層
本発明における磁性層は、前記の処理が施された磁性粒子と結合剤を含む層である。磁性粒子としては、前述のように、六方晶フェライト磁性粒子、強磁性金属磁性粒子等の一般に磁気記録媒体の磁性層に使用される各種強磁性粒子を用いることができる。また、本発明において使用される磁性粒子の平均一次粒子サイズについては、先に説明した通りである。
以下、六方晶フェライト磁性粒子および強磁性金属磁性粒子について更に詳細に説明する。
(i)六方晶フェライト磁性粒子
六方晶フェライト磁性粒子には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、それらのCo等の置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加したものを使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
六方晶フェライト磁性粒子の平均板状比[(板径/板厚)の算術平均]は1〜15であることが好ましく、1〜7であることが更に好ましい。平均板状比が1〜15であれば、磁性層で高充填性を保持しながら充分な配向性が得られ、かつ、粒子間のスタッキングによるノイズ増大を抑えることができる。また、上記粒子サイズの範囲内におけるBET法による比表面積(SBET)は、40m2/g以上が好ましく、40〜200m2/gであることがさらに好ましく、60〜100m2/gであることが最も好ましい。
六方晶フェライト磁性粒子の粒子板径・板厚の分布は、通常狭いほど好ましい。粒子板径・板厚は、粒子TEM写真より、例えば500粒子を無作為に測定することで測定できる。粒子板径・板厚の分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すと、σ/平均サイズ=0.1〜1.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには、一般に、粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
六方晶フェライト磁性粒子の製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明において使用される六方晶フェライト磁性粒子は、いずれの製法で製造されたものであってもよい。六方晶フェライト磁性粒子は、必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粒子に対し、例えば0.1〜10質量%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。上記表面処理については、例えば前記した特公昭62−50889号公報を参照することができる。六方晶フェライト磁性粒子には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。
(ii)強磁性金属磁性粒子
強磁性金属磁性粒子としては、特に制限されるべきものではないが、α−Feを主成分とする強磁性金属磁性粒子を用いることが好ましい。これらの強磁性金属磁性粒子には、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alの少なくとも一つを含むことがさらに好ましい。Coの含有量はFeに対して0原子%以上40原子%以下であることが好ましく、さらに好ましくは15原子%以上35原子%以下、より好ましくは20原子%以上35原子%以下である。Yの含有量は1.5原子%以上12原子%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3原子%以上10原子%以下、特に好ましくは4原子%以上9原子%以下である。Alは1.5原子%以上12原子%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3原子%以上10原子%以下、より好ましくは4原子%以上9原子%以下である。
強磁性金属磁性粒子には少量の水酸化物、または酸化物が含まれてもよい。強磁性金属磁性粒子は公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeまたはFe−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性金属磁性粒子には、公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施すこともできる。
強磁性金属磁性粒子のBET法による比表面積は、45〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは50〜80m2/gである。45m2/g以上であれば低ノイズであり、100m2/g以下であれば良好な表面性を有する磁性層を形成することができる。強磁性金属磁性粒子の結晶子サイズは40〜180Åであることが好ましく、より好ましくは40〜150Å、更に好ましくは40〜110Åである。強磁性金属磁性粒子の針状比は3以上15以下であることが好ましく、さらには3以上12以下であることが好ましい
強磁性金属磁性粒子の含水率は0.01〜2%とすることが好ましい。結合剤の種類によって強磁性金属磁性粒子の含水率は最適化することが好ましい。強磁性金属磁性粒子のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12とすることができ、好ましくは6〜10である。強磁性金属磁性粒子は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性金属磁性粒子に対し0.1〜10%とすることができ、表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着量が100mg/m2以下になり好ましい。上記表面処理については、例えば前記した特公昭62−50889号公報を参照することができる。強磁性金属磁性粒子は可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特性に影響を与えることは少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属磁性粒子は空孔が少ないほうが好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。また形状については先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、米粒状、紡錘状のいずれでもかまわない。
(iii)結合剤
磁性層を形成するための磁性塗料に使用される結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものはポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂である。これらの樹脂は、後述する非磁性層においても結合剤として使用することができる。以上の結合剤については、特開2010−24113号公報段落[0029]〜[0031]を参照できる。また、上記樹脂とともにポリイソシアネート系硬化剤を使用することも可能である。
(vI)添加剤
磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して使用することができる。
磁性層で使用可能なカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。カーボンブラックを使用する場合、強磁性粉末の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。磁性層で使用されるカーボンブラックについては、例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。それらは市販品として入手可能である。
非磁性層
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。本発明では、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を形成することができる。非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。その詳細については、特開2010−24113号公報段落[0036]〜[0039]を参照できる。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。また、非磁性層にはカーボンブラックや有機質粉末を添加することも可能である。それらについては、例えば特開2010−24113号公報段落[0040]〜[0042]を参照できる。
非磁性支持体
前記方法で調製された磁性塗料は、非磁性層上に直接、または非磁性層等の他の層を介して非磁性支持体上に塗布される。これにより、非磁性支持体上に、必要に応じて非磁性層等の他の層を介して磁性層を有する磁気記録媒体を得ることができる。
非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また、本発明に用いることのできる非磁性支持体の表面粗さはカットオフ値0.25mmにおいて中心平均粗さRa3〜10nmが好ましい。
層構成
本発明により得られる磁気記録媒体の厚み構成は、非磁性支持体の厚みが、好ましくは3〜80μmである。磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には0.01〜0.15μmであり、好ましくは0.02〜0.12μmであり、さらに好ましくは0.03〜0.10μmである。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
非磁性層の厚みは、例えば0.1〜3.0μmであり、0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることが更に好ましい。なお、本発明における磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明における磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT以下または抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
バックコート層
本発明では、非磁性支持体の磁性層を有する面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。バックコート層形成のための結合剤、各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方を適用することができる。バックコート層の厚みは、0.9μm以下が好ましく、0.1〜0.7μmが更に好ましい。
製造工程
磁性層形成のための塗布液(磁性塗料)は、水系溶媒中で表面改質剤とともに分散処理することにより得られた磁性粒子を使用する点以外、通常の磁性層形成用塗布液の調製方法と同様の方法で作製することができる。
磁性層、非磁性層またはバックコート層を形成するための塗布液を製造する工程は、通常、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる磁性粒子、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層塗布液、非磁性層塗布液またはバックコート層塗布液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。磁気記録媒体の製造方法の詳細については、例えば特開2010−24113号公報段落[0051]〜[0057]を参照できる。
本発明によれば、微粒子磁性体が高度に分散された磁性層を形成することができる。これにより本発明によれば、優れた電磁変換特性を発揮し得る高密度記録用磁気記録媒体を提供することができる。即ち、本発明の製造方法により得られた磁気記録媒体は、高密度記録用磁気記録媒体として好適である。例えば本発明の磁気記録媒体は、400Kbpi以上の線記録密度で磁気信号を記録し、該磁気信号を再生するために使用することができる。特に本発明の磁気記録媒体は、線記録密度500Kbpi超のシステムにおいて高SNRを示すことができ、線記録密度550Kbpi以上のシステムでSNR向上が顕著である。線記録密度は、550〜600Kbpiであることが特に好ましい。
再生ヘッドとしては、高密度記録された磁気信号を高感度で再生するために、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)を使用することが好ましい。MRヘッドは高感度であるためノイズも高感度に検出する傾向があるが、本発明の磁気記録媒体は微粒子磁性体の凝集によるノイズを低減することができるため、MRヘッドによる再生において高SNRを実現することができる。高感度再生の観点から、MRヘッドとしては、シールド間距離が0.05〜0.2μmのMRヘッドを使用することが好ましい。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明の精神から逸脱しない範囲で変更し得るものであり、下記の実施例に制限されるべきものではない。以下に記載の「部」、「%」は、「質量部」、「質量%」を示す。
[実施例1〜7、比較例2〜8]
1.母液1〜5の調製
バリウムフェライト磁性粒子100部に水300部を加えた後、母液1〜4は30%酢酸水溶液によって、母液5は30%アンモニア水溶液によって、それぞれ表1記載のpHに調整した。その後、室温(約25℃)において、サンドミルによって磁性粒子を含む水溶液の分散処理を行い(分散時間:表1参照)、母液1〜5を調製した。
2.原料磁性粒子の等電点および平均一次粒子サイズの測定
母液1〜5に使用したバリウムフェライト磁性粒子は同一ロットから採取したため、その平均一次粒子サイズと等電点は同一である。そこで上記ロット内から等電点および平均一次粒子サイズ測定用の試料粒子を採取した。等電点測定用試料粒子は、バリウムフェライト磁性粒子の濃度が0.02%となるように水中に添加して、ゼータ電位測定器(シスメックス製ゼータサイザーナノシリーズ)でゼータ電位をモニタリングしながらpH調整剤(30質量%酢酸水溶液)を添加した。ゼータ電位がゼロになったときのpHを測定し、このpH値をバリウムフェライト磁性粒子の等電点とした。測定された等電点は8〜9の範囲であった。
平均一次粒子サイズ測定用の試料粒子は、日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いて撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粒子写真を得た。粒子写真から目的の磁性粒子を選びデジタイザーで粒子の輪郭をトレースしカールツァイス製画像解析ソフトKS−400で粒子のサイズを測定した。500個の一次粒子のサイズ(最大長径)を測定した。上記方法により測定された最大長径の算術平均値をバリウムフェライト磁性粒子の平均一次粒子サイズとした。測定された平均一次粒子サイズは25nmであった。
3.液中粒径の測定
各母液の一部を採取し、採取した液をバリウムフェライト濃度が0.2%になるように、各母液と同じpHに調製した水に添加し溶液を調製した。調製した溶液中の粒度分布を、株式会社堀場製作所製動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500を用いて測定した(反復測定回数50回)。測定した粒度分布の積算分布曲線の50%に相当する最大長径を母液中の液中粒径とした。
以上の結果を、表1に示す。
4.表面改質剤による処理
表1に示した母液中のバリウムフェライト磁性粒子100部に対して、表2に記載の表面改質剤を表2に記載の量で添加した後にサンドミルで30分間、攪拌処理(表面改質処理)を行った。
表面改質処理後の磁性液(スラリー)の一部を採取し、採取した液をバリウムフェライト濃度が0.02%となるように、各母液と同じpHに調整した水で希釈した液を調製した。調製した希釈液のゼータ電位を、シスメックス製ゼータサイザーナノシリーズを用いて測定した(反復測定回数100回)。測定されたゼータ電位を表2に示す。
これとは別に、表面改質処理後の磁性液(スラリー)の一部を採取し、バリウムフェライト濃度が0.2%になるように、各母液調製のために使用した水と同じpHに調製した水に添加し溶液を調製した。調製した溶液中のバリウムフェライト磁性粒子の粒度分布を、株式会社堀場製作所製動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500を用いて測定した(反復測定回数50回)。測定した粒度分布の積算分布曲線の50%に相当する最大長径を、表面改質処理後の液中粒径とした。
5.磁性粒子の採取
上記4.の表面改質処理後の磁性液を、ヌッチェおよび吸引瓶を用いて濾過した。濾紙上に残ったバリウムフェライト磁性粒子を120℃のオーブンで10時間乾燥処理した。
6.磁性塗料の処方
上記5.で得られたバリウムフェライト磁性粒子:100部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR110):5部
ポリウレタン樹脂(東洋紡製UR8200):3部
イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン製コロネートL):5部
カーボンブラック #50(旭カーボン社製):1部
ブチルステアレート:1部
ブトキシエチルステアレート:1部
イソヘキサデシルステアレート:1部
ステアリン酸:2部
メチルエチルケトン:125部
シクロヘキサノン:125部
7.磁性塗料の調製
上記6.の各成分をニーダで混練したのち、サンドミルを用いて表2に記載の時間、分散処理を行い、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過することにより磁性塗料を調製した。
8.非磁性層塗布液の処方
非磁性粉体 TiO2 結晶系ルチル:80部
平均一次粒子径:0.035μm、BET法による比表面積:40m2/g、pH:7、TiO2含有量:90質量%以上、DBP吸油量:27〜38g/100g、表面処理剤:Al23(8質量%)
カーボンブラック:20部
コンダクテックスSC−U(コロンビアンカーボン社製)
塩化ビニル系樹脂:12部
MR110(日本ゼオン社製)
ポリウレタン樹脂:5部
バイロンUR8200(東洋紡社製)
ブチルステアレート:1部
ブトキシエチルステアレート:1部
イソヘキサデシルステアレート:3部
ステアリン酸:3部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(8/2混合溶剤) 250部
9.非磁性層塗布液の調製
上記8.の各成分をニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させ、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過することにより非磁性層塗布液を調製した。
10.磁気テープの作製
厚さ6μmで中心面平均表面粗さ3nmのポリエチレンテレフタレート支持体上に、乾燥後の厚さが1.0μmとなるように、上記9.で調製した非磁性層塗布液を塗布、乾燥した後に、上記7.で調製した磁性塗料(磁性層塗布液)を、塗布速度100m/分で塗布した。塗布直後にウェブ垂直方向に磁場318kA/m(4000Oe)を印加し、垂直方向に配向させた。乾燥後、7段のカレンダで温度90℃、線圧300kg/cm(2940N/cm)にて処理を行った。得られた磁気テープにおいて、磁性層の厚さは85nmであった。
[比較例1]
母液1〜5の調製に使用したバリウムフェライト磁性粒子と同じロットから採取したバリウムフェライト磁性粒子(平均一次粒子サイズ:25nm)を、未処理のまま磁性塗料の調製に使用した点以外、上記実施例、比較例と同様の方法で磁気テープを作製した。
11.磁性塗料中の磁性粒子の液中粒径
実施例、比較例で調製した磁性塗料の一部を採取し、採取した液をバリウムフェライト濃度が0.2%になるように、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの1:1(質量比)混合溶媒で希釈した液を調製した。調製した希釈液中のバリウムフェライト磁性粒子の粒度分布を、株式会社堀場製作所製動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500を用いて測定した(反復測定回数50回)。測定した粒度分布の積算分布曲線の50%に相当する最大長径を、磁性塗料中の液中粒径とした。原料バリウムフェライト磁性粒子の平均一次粒子サイズと磁性塗料中の液中粒径との差が小さいほど、磁性塗料中での磁性粒子の分散性が高いことを示す。
12.電磁変換特性(SNR)の評価
実施例、比較例の各磁気テープのSNRを、以下の方法によってヘッドを固定した1/2インチリニアシステムで測定した。ヘッド/テープ相対速度は10m/secとした。
記録ヘッドとして、飽和磁束密度1.8TのMIGヘッド(ギャップ長:0.2μm、トラック幅8μm)を使い、記録電流を各テープの最適記録電流に設定し600kbpiの線記録密度でテープ長手方向に磁気信号を記録した。記録した磁気信号を、再生ヘッドとして、素子厚み15nm、シールド間距離0.05μmの異方性型MRヘッド(A−MR)を用いて再生した。再生信号をシバソク製のスペクトラムアナライザーで周波数分析し、キャリア信号の出力と、スペクトル全帯域の積分ノイズとの比をSNRとした。
以上の結果を、表2に示す。
実施例および比較例で使用した表面改質剤の構造を、以下に示す。
評価結果
表2に示す磁性塗料中の液中粒径は磁性塗料中の磁性粒子の凝集の指標であり、上記液中粒径が原料磁性粒子の平均一次粒子サイズ(25nm)に近いほど、磁性塗料中で磁性粒子が高度に分散されていると言える。このような磁性塗料を用いて磁性層を形成することにより、優れた電磁変換特性(SNR)を示す磁気記録媒体を得ることができる。
ただし表2に示す磁性塗料中の液中粒径が原料磁性粒子の平均一次粒子サイズに近いにもかかわらずSNRが低いものは、磁性塗料中での分散処理において磁性粒子が粉砕された微細な粉砕物が存在する結果、液中粒径が小さくなっているものであり磁性粒子が高度に分散された磁性層が形成されたものではない。この微細な粉砕物が磁性層中に存在するためノイズが増大しSNRが低下していると考えられる。
表2に示すように、実施例1〜8では、磁性塗料中の液中粒径は原料バリウムフェライト磁性粒子の平均一次粒子サイズに近く、しかもSNRが良好であった。この結果から、実施例1〜8では、磁性粒子がほぼ一次粒子の状態まで高度に分散された磁性層が形成できたと判断できる。実施例1〜8では、表面改質処理後の液中粒径は原料バリウムフェライト磁性粒子の平均一次粒子サイズと比べて大幅に大きいが、これは表面改質剤の被覆により磁性粒子表面の正電荷が中和され正電荷同士の反発力が低下したためである。結果的に磁性塗料中の液中粒径が原料バリウムフェライト磁性粒子の平均一次粒子サイズと同程度であったことから、上記の正電荷同士の反発力低下による凝集物は有機溶媒系の磁性塗料中で容易に分散可能であることが確認できる。
これに対し比較例1は、水中での処理を行わず、原料磁性粒子をそのまま磁性塗料の作製に使用した例であるが、磁性塗料中の液中粒径を原料磁性粒子の平均一次粒子サイズに近づけるためには分散を長時間(12時間)行う必要があった。磁性塗料中の液中粒径が、実施例と同程度であるにもかかわらずSNRが低下した理由は、分散を長時間行ったために形成された微細な粉砕物が磁性層中に存在するためノイズが増大しSNRが低下していると考えられる。
また、比較例2は磁性塗料中の液中粒径は原料バリウムフェライト磁性粒子の平均一次粒子サイズに近いにもかかわらずSNRが低かった。これは表面改質剤による被覆が不十分(表面改質剤による処理後の磁性粒子のゼータ電位が25mV超)であったため、磁性塗料中で、原料バリウムフェライト磁性粒子の平均一次粒子サイズと同程度の液中粒径を達成するために分散時間が長時間となった結果、磁性粒子が粉砕されたためと考えられる。
比較例3は、水中での表面改質剤による処理後の磁性粒子のゼータ電位がマイナスの値となった例であり、表面改質剤の被覆過多により有機溶媒との親和性が低下したため、磁性塗料の分散処理を比較例2と同じ時間行ったにもかかわらず磁性粒子の分散が不十分であり(磁性塗料中の液中粒径が大きい)、その結果、SNRが低下した。
比較例4は、表面改質処理前の分散が不十分(母液中の液中粒径が35nmを超える)であるために、表面改質剤による処理を行っても良好なSNRが得られなかった例である。
比較例5は、水溶性ポリマーによって表面処理を行った例であるが、磁性塗料中での分散性を高めることができず(磁性塗料中の液中粒径が大きい)、その結果、SNRが低下した。
比較例6は、実施例と比べて磁性塗料中の液中粒径が大きくSNRが低かった。これは、使用した表面改質剤の水溶性が不十分であるからである。そのため、水中で表面改質剤を磁性粒子表面に均一に吸着させることができず、結果的に磁性塗料中で磁性粒子を高度に分散することができなかった。
比較例7も、実施例と比べて磁性塗料中の液中粒径が大きくSNRが低かった。これは、一般式(I)、(II)に該当しない疎水化効果が不十分な表面改質剤を使用したためである。
比較例8は、原料磁性粒子の等電点を超える水を用いて調製した母液5を使用した例である。表1に示すように、母液5の液中粒径は原料磁性粒子の平均一次粒子サイズと近いが、これは等電点を超える水を用いたため水中で磁性粒子表面が負電荷を帯びたため、負電荷同士の反発力によって磁性粒子の分散性が高まったためである。ただし、このように表面に負電荷を帯びた状態の磁性粒子には表面改質剤のアニオン性基が吸着できない。表面改質剤による表面改質効果を得ることができなかったため、磁性塗料中で磁性粒子を高度に分散させることができなかった(磁性塗料中の液中粒径が大きい)。その結果、良好なSNRを得ることはできなかった。
以上の結果から、本発明により磁性粒子が高度に分散された磁性層を形成することができ、これにより優れた電磁変換特性を有する磁気記録媒体が得られることが示された。
本発明は、バックアップテープ等の高密度記録用磁気記録媒体の製造分野に有用である。

Claims (11)

  1. 平均一次粒子サイズが10nm以上35nm以下である磁性粒子を、該磁性粒子の等電点より低いpHを有する水系溶媒中で液中粒径が35nm以下となる分散状態に分散処理すること、
    上記分散処理により得られた磁性液に下記一般式(I)で表される化合物および下記一般式(II)で表される化合物からなる群から選択される表面改質剤を添加し、該表面改質剤を前記磁性粒子の表面に被覆させる表面改質処理を行うこと、ならびに、
    上記表面改質処理後の磁性粒子を有機溶媒および結合剤とともに分散処理して磁性塗料を作製し、作製した磁性塗料を用いて磁性層を形成すること、
    を含み、
    前記表面改質処理を、表面改質処理後の磁性液の一部を磁性粒子濃度が0.02質量%となるように水で希釈した液のゼータ電位が0〜25mVの範囲となる被覆率が達成されるように行う、磁気記録媒体の製造方法。
    [一般式(I)において、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数5〜10のアルキル基であり、X1およびX2は水素原子または置換基であり、ただしX1およびX2のいずれか一方は上記磁性液中でアニオン性基となる官能基である。]
    [一般式(II)において、R3は炭素数12〜17のアルキル基であり、X3は上記磁性液中でアニオン性基となる官能基である。]
  2. 前記磁性液中でアニオン性基となる官能基はスルホン酸(塩)基である、請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記磁性液中での表面改質処理後、水系溶媒中から磁性粒子を採取する工程を含む、請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記磁性粒子は六方晶フェライト磁性粒子である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記水系溶媒のpHを5以下に調整する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 一般式(II)中、X3で表される官能基は、R3で表されるアルキル基に対してパラ位に存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 一般式(I)中、X1およびX2の一方は前記磁性液中でアニオン性基となる官能基であり、他方は水素原子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記磁性液中の表面改質剤の量は、磁性粒子100質量部に対して5〜15質量部の範囲である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 前記有機溶媒はケトン系溶媒を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  10. 前記表面改質処理を、前記ゼータ電位0〜10mVの範囲となる被覆率が達成されるように行う、請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法により得られた磁気記録媒体。
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