JP5528459B2 - 耐食性に優れた省Ni型ステンレス鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、家電、厨房、建築用等に使用されるステンス鋼に関し、特に安価で冷間加工性および耐食性に優れたステンレス鋼に関する。
オーステナイト系ステンレス鋼はSUS304鋼に代表され、ステンレス鋼中最も広範囲の用途に使用されている鋼種である。しかしながらSUS304鋼はNiを含有しているため、高価であるという欠点を有している。
一方、Niを含有しない、あるいは少量含有するステンレス鋼としてフェライト系ステンレス鋼があるが、SUS304鋼のようなオーステナイト系ステンレス鋼と比較して一般に冷間加工性に劣る欠点を有している。
そのため、オーステナイト系ステンレス鋼において、Niを安価な合金元素で代替しようとする試みがなされている。Niを部分的にMnやNで置き換えた鋼種がSUS201、202としてJISに規格化されている。
例えば、特許文献1には、Ni含有量が低く、Si:1%以下、Mn:14〜16%、Cr:15〜19%、N:0.3〜0.4%を含有する高強度非磁性ステンレス鋼が開示されている。
また、特許文献2にはSi:1〜5%、Mn:16〜25%、Cr:5〜12%、N:0.1〜0.3%を含有し、Niを含有しない高強度高延性の高Mn鋼が示されている。
しかしながら、これらの鋼種は、高強度が得られやすく、また非磁性となる有利な点はあるが、Mnの添加によって耐食性に劣る欠点があった。
特開昭60−197853号公報 特開平2−8351号公報
上記の通り、高価な合金添加元素であるNiをMnで置換した高強度非磁性オーステナイト系ステンレス鋼は、Mn置換によって耐食性の低下といった問題点がある。本発明は、NiをMnで置換した場合においても、耐食性に優れるステンレス鋼を提供することを目的とする。
本発明者らは、NiをMnで置換しても、耐食性を確保することができるステンレス鋼について鋭意研究した。
その結果、ステンレス鋼中のS濃度を低減すると共に、La、Ceの内1種あるいは両者を所定量添加することで、NiをMnで置換した場合においても、耐食性を確保できることを見出した。
また、LaとCeの合計濃度とS濃度が所定の関係を有するときに耐食性が著しく向上することを知見した。
さらに、NiをMnで置換したステンレス鋼においては、過剰なSiの添加が耐食性を低下させることを併せて知見した。
本発明は、上記の知見に基づきなされたもので、その要旨は、以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.1%以下、Si:1.0%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Cr:17〜22%、Mn:4〜12%、Ni:2〜6%、Cu:0.5〜3%、N:0.05〜0.3%を含有し、さらにLaおよびCeの一種以上をそれぞれ0.006%以上かつ合計で0.2%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐食性に優れたステンレス鋼。
(2)さらに、質量%で、B:0.0002〜0.015%を含有することを特徴とする上記(1)に記載の耐食性に優れたステンレス鋼。
(3)LaとCeの合計の濃度を(A)質量%、S濃度を(B)質量%とした時に、以下の(1)式の関係を満足することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の耐食性に優れたステンレス鋼。
0.005%+25(B)%≦(A)%≦0.02%+36(B)% ・・・・・(1)
本発明によれば、ステンレス鋼中のNiをMnに置換し、高価なNiの添加量を減少させても、耐食性に優れたステンレス鋼を得ることができる。
そして、本発明のステンレス鋼は、Niの添加量が少ないため、自動車、家電、厨房、建築用等の用途に特に有効である。
まず、本発明における化学成分の限定理由について説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
C:0.1%以下、
Cは、固溶化熱処理後の冷却過程中に粒界にCr炭化物として析出し、クロム欠乏層を形成して耐食性を低下させる。またC添加は固溶強化となり冷間加工性を低下させる。このため上限を0.1%とする。好ましい上限は0.06%である。なお、オーステナイト組織の安定のためには0.04%以上の添加が好ましい。
Si:1.0%以下、
Siは、溶解時の脱酸剤の役割を果たす元素であるが、過剰に添加すると、高温でδフェライト相の生成を促進し、熱間加工性を低下させる。
また従来Siは耐食性向上に有効と報告されているが、高Mn省Ni型ステンレス鋼では、Siの過剰な添加は、耐食性低下をもたらすことを本発明者らは新たに見出した。
したがって、Siの上限は1.0%とする。好ましいSiの上限は0.6%である。また、Siの下限は0.1%が好ましい。
P:0.045%以下
Pは、耐食性や熱間加工性を劣化させるため、上限を0.045%とする。
S:0.005%以下
Sは、介在物を形成して耐食性を低下させることから、上限を0.005%とする。LaとCeの合計濃度とS濃度の関係については、後で述べる。
Cr:17〜22%
Crは、ステンレス鋼の耐食性にとって最も重要な元素であり、少なくとも17%以上は必要である。しかしながら22%を超えて添加すると、高温でのδフェライト生成によって熱間加工性を低下させるため22%を上限とする。好ましいCrの上限は20%である。また、Crの下限は18%が好ましい。
Mn:4〜12%
Mnは、Niに代わるオーステナイト生成元素であり、少なくとも4%以上の添加は必要である。しかしながら、Mnの過剰添加は耐食性を劣化させるため12%を上限とする。酸性雨大気環境中での耐食性を確実にする場合は、10%以下とすることがより好ましい。さらに好ましくは、8%以下とする。
Ni:2〜6%
Mn単独でオーステナイト組織を得ることは困難なため、オーステナイト生成元素であるNiは、少なくもと2%以上は必要である。また耐食性向上にも有効である。
しかしながら、Niの過剰添加は、製造コストの上昇を招くため、Niの上限は6%とする。好ましくは5.5%以下、より好ましくは5%以下とする。
なお、Niは2.5〜4%の範囲とすることが最も好ましい。
Cu:0.5〜3%
Cuは、オーステナイト生成元素であると共に耐酸性を向上させる元素であり、少なくとも0.5%以上の添加は必要である。しかしながらCuの過剰添加は、低融点のMn−Cu相やCu相を形成して熱間加工性を低下させるため、Cuの添加は3%を上限とする。特に熱間加工性を重視する場合は、2.5%以下とすることがより好ましい。
N:0.05〜0.3%
Nは、オーステナイト生成元素であると共に、耐食性向上に有効な元素であり、少なくとも0.05%以上は必要である。しかしながらNの過剰添加は、強度の著しい上昇による冷間加工性の低下、あるいは凝固時のブローホールの発生原因となるため、上限を0.3%とする。なお耐食性、オーステナイト組織の安定性および冷間加工性の低下の点を考慮すると、Nのより好ましい範囲は0.07〜0.15%である。
これまで述べてきた元素の他に、さらに、LaおよびCeの単独あるいは両者を添加する。これらの元素は、酸化物及び硫化物の形態や特性の制御に寄与し、NiをMnで置換したステンレス鋼の耐食性向上に不可欠な元素であり、少なくともそれぞれ、0.006%以上は添加する必要がある。
ただし、これら元素を合計で0.2%を超えて添加すると、ステンレス鋼の清浄度を低下させ、La、Ceの数μm以上の粗大酸化物を形成し、孔食の起点となる。
海塩粒子飛散または酸性雨環境等、耐食性を特に重視する場合は、LaおよびCeは、それぞれ0.10%以下とすることが好ましい。
LaおよびCeの単独あるいは両者の添加による耐食性向上の機構については不明な点が多いが、省Ni高Mnステンレス鋼の孔食が、昜水溶性のMnSを起点として発生することに関係しているものと考えられる。すなわち、省Ni高Mnステンレス鋼に、LaおよびCeの単独あるいは両者を添加すると、難水溶性のLaおよびCeの単独あるいは両者を含む硫化物を形成し、MnSの形成が阻害されて耐食性の向上をもたらすと推測される。
なお、LaおよびCeは、複合添加することがより好ましい。これは、LaとCeの両者を含有することで、より難水溶性の硫化物を形成するものと推測される。
さらに、Bを添加することによって熱間加工性および耐食性を改善することができる。このような効果を得るためには、Bを少なくとも0.0002%以上添加することが必要である。
ただしBは粒界偏析しやすい元素であり、過剰添加は粒界での耐食性を低下させるため、0.015%を上限とする。
また、LaおよびCeを単独あるいは複合で添加するに際し、S濃度を上記のように低減した上で、LaとCeの合計濃度と、S濃度とを所定の関係にしておくことが好ましい。この理由は、以下の検討の結果に基づいて説明される。
C:0.05%、Si:0.25%、P:0.02%、Cr:18〜19%、Mn:6.0〜8.0%、Ni:3.0〜4.0%、Cu:2.0〜3%、N:0.09〜0.11%を基本成分系にし、S濃度を0.0005〜0.0050%の範囲で、LaとCeの濃度をそれぞれ、分析限度から0.10%までの範囲で変化させた40種類の成分の鋼塊を、10kg真空溶解を用いて作製した。
この鋼塊を、板厚4mmまで熱間圧延し、1200℃×5分の焼鈍を施した後、硝フッ酸に浸漬してスケール除去し、次いで、板厚1mmまで冷間圧延し、1080℃×3分の焼鈍を施した後、湿式エメリー紙研磨により表面を0.1mm以上研削して試験片を作製した。
このようにして得られた試験片を、JIS G 0577の「ステンレス鋼の孔食電位測定方法」に準拠して試験した。
それぞれの試験片について、電流密度が100μA/cmとなる孔食電位が、SCE(standard calomel electrode:標準甘汞電極)基準で300mV以上となる、LaとCeの合計濃度の範囲の外延をS濃度との関係で調査すると、LaとCeの合計濃度とS濃度とには極めて強い相関があり、S濃度の一次関数で表せることが判明した。
そこで、回帰分析を行った結果、下記(1)式の関係を満足する際に、前記孔食電位が300mV以上となって、優れた耐食性を示すことを見出した。
すなわち、LaとCeの合計の濃度を(A)質量%、S濃度を(B)質量%としたとき、鋼の成分は、下記(1)式を満足することが好ましい。
0.005%+25(B)%≦(A)%≦0.02%+36(B)% ・・・・・(1)
これは、LaおよびCeの単独あるいは両方を含む硫化物の難水溶性の程度が、鋼中S濃度の影響を受けることによる結果であると推定される。
したがって、鋼の成分が上記(1)式で示される範囲である場合に、極めて難水溶性のLaおよびCeの単独あるいは両方を含む硫化物を形成し、特に耐食性の向上に寄与するものと推定される。
一方、鋼の成分が上記(1)式の範囲を外れる場合には耐食性がやや低下する。
すなわちLaとCeの合計濃度がS濃度に対し少ない場合には、LaおよびCeの単独あるいは両方を含む硫化物の形成が不十分になり、MnSの生成を十分抑えられないため、MnSが孔食の発生起点となる。
一方、LaとCeの合計濃度がS濃度に対して過剰である場合には、LaおよびCeの単独あるいは両方を含む酸化物が多量に生成し、さらに硫化物が複合した粗大な介在物となる。この酸化物と硫化物からなる介在物は数μm以上の粗大なものであるため、孔食の発生起点となる。
すなわち、上記(1)式の下限は、LaおよびCeを単独あるいは複合添加することによって、水溶性のMnSの析出を抑え、難溶性のLaおよびCeの単独あるいは両方を含む硫化物が十分に生成し、前記孔食電位試験において孔食を抑えるのに必要なLaとCeの合計濃度を意味する。
一方、上記(1)式の上限は、LaおよびCeが単独または複合で過剰に添加されると、硫化物及び酸化物を含む、数μm以上の粗大な酸化物を含む複合酸化介在物を生じ、孔食の起点となることと対応していると考えられる。
したがって、上記(1)式を満足するようにLa、Ce、Sの3成分の含有量を調整することで、より良好な耐食性を得ることができる。
本発明を実施例でさらに説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性および効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
高波波真空溶解炉において85mm×90mm×250mmの鋼塊を作製し、表面を機械研削した後、電気炉内で1200℃×60分の加熱をし、4段圧延機で板厚が5mmとなるまで熱間圧延した。
得られた熱間圧延板に1200℃×5分の焼鈍を施し、硝フッ酸浸漬でスケールを除去したのち、4段圧延機で1mmまで冷間圧延した。得られた冷間圧延板に1080℃×3分の焼鈍を施し、硝フッ酸浸漬でスケールを除去した。
耐食性は、沖縄県具志頭村で6ヶ月の暴露試験を実施し、JISG0595「ステンレス鋼の表面さび発生程度評価方法」に基づいたレイティングナンバ(RN)で評価した。
評価方法としてRNを採用したのは、孔食試験より実際の腐食環境に近いからである。なお、孔食試験の結果とRNは、定性的に正の関係があるため、孔食試験の結果が優れるものは、実暴露試験のRNも高く出る傾向がある。
表1および表2は、本発明例および比較例の成分、熱間圧延時の耳割れの程度およびJISG0595に基づいたRNを示す。表1および表2中、本発明の範囲から外れる成分値には、下線を付している。
Figure 0005528459
Figure 0005528459
比較例1、2は、それぞれ、マルテンサイト系のSUS430鋼と、オーステナイト系のSUS304鋼に相当するが、本発明例は、全て、マルテンサイト系のSUS403鋼相当である比較例1よりもRNが高く、耐食性に優れることを確認できた。
また、本発明例1〜3、5〜28は、オーステナイト系のSUS304鋼相当である比較例2と同等かそれ以上の耐食性を有していることを確認できた。
すなわち、SUS304鋼のように、多量のNiを添加することなく、本発明例1〜3、5〜28は、SUS304鋼と同等かそれ以上の耐食性を有することを確認できた。
なお、本発明例4は、Niが本発明の範囲の下限近くで、かつ、高Mn省Ni型ステンレス鋼の耐食性を低下させる原因となるSiが、本発明の範囲内で高めである。
したがって、本発明例4のRNは6であり、SUS304鋼と比べてやや耐食性に劣るが、Niの添加量が本発明の範囲の下限近くで経済性に優れることを考慮すれば、実用的に十分な耐食性を有している。
そして、本発明例のうち、上記(1)式を満足する本発明例5、6、11、12、17、23、26については、RNが8となり、耐食性が特に優れることを確認できた。
なお、表1および表2において、Bの添加量(含有量)が0.0001%である本発明例1〜7、10〜19は、Bを積極的に添加せず、不可避的不純物レベルであることを示す。
本発明例のうち、Bを添加しない発明例8、9、およびBの添加量(含有量)が不可避不純物レベルである発明例1〜7、10〜19には、熱間圧延時に耳割れ発生が発生したのに対し、Bを添加して、鋼中にBを0.0002%以上含有させた発明例20〜28には、熱間圧延時の耳割れが発生しなかった。
これに対し、比較例3〜10は、LaおよびCeの濃度(含有量)が本発明の下限を外れているため、いずれも耐食性が劣り、RNが低い値となった。
また、比較例11は、LaおよびCeが下限を外れていると共に、Siが上限外れ、Cuが下限外れであるため、耐食性が不良であった。
そして、比較例12はBが上限外れであり、比較例13〜15はLaとCeの合計濃度(合計含有量)が上限外れであり、比較例16はSが上限外れであることから、いずれも耐食性が不良であった。
なお、上述したところは、本発明の実施形態を例示したものにすぎず、本発明は、特許請求の範囲の記載範囲内において種々変更を加えることができる。
前述したように、本発明によれば、高価なNiの添加量を少なくしても、SUS304鋼に匹敵する耐食性が得られることから、耐食性が要求される部材を安価に提供することができる。本発明は、工業上、利用価値の高いものである。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.1%以下、Si:1.0%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Cr:17〜22%、Mn:4〜12%、Ni:2〜6%、Cu:0.5〜3%、N:0.05〜0.3%を含有し、さらにLaおよびCeの一種以上をそれぞれ0.006%以上かつ合計で0.2%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐食性に優れたステンレス鋼。
  2. さらに、質量%で、B:0.0002〜0.015%を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れたステンレス鋼。
  3. LaとCeの合計の濃度を(A)質量%、S濃度を(B)質量%とした時に、以下の(1)式の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐食性に優れたステンレス鋼。
    0.005%+25(B)%≦(A)%≦0.02%+36(B)% ・・・・・(1)
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