以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る孔明け装置は、出入口や窓等の開口部を開閉するための開口部用シャッター装置のシャッターカーテンを形成する長寸部材に、工場において、孔明け加工するものになっている。
図1は、上記開口部用シャッター装置の全体の正面図を示しており、はじめに、この開口部用シャッター装置について説明する。開口部用シャッター装置は、上下動することにより出入口等の開口部10を開閉するシャッターカーテン1を備えており、このシャッターカーテン1の左右両端部は、壁等の建物躯体11に取り付けられた左右のガイドレール2にスライド自在に挿入され、これらのガイドレール2に案内されてシャッターカーテン1は上下に開閉移動する。開口部10の上部には、巻取軸3が水平に収納配置されたシャッターボックス4が設けられ、このシャッターボックス4の内部において左右のブラケット5で回転自在に支持されている巻取軸3にシャッターカーテン1の上端が連結されているため、巻取軸3の正逆回転による巻取軸3の巻き取り、繰り出しにより、シャッターカーテン1は、シャッターボックス4の下面にこのシャッターカーテン1が挿通可能に形成されているまぐさを通って上下に開閉移動する。
また、シャッターボックス4の内部には、電動モータとブレーキの組み合わせからなる開閉機6が収納され、この開閉機6の駆動軸は、スプロケットホイールとチェーン等からなる駆動力伝達手段7を介して巻取軸3に接続されている。そして、上記建物躯体11には、「開」「閉」「停」のそれぞれの操作ボタンが設けられている操作装置12が配置されており、この操作装置12の操作によるそれぞれの信号が図示しない制御装置を介して開閉機6に伝達されることにより、シャッターカーテン1は、開閉機6の駆動軸の正回転によって上方へ開き移動することと、開閉機6の駆動軸の逆回転によって下方へ閉じ移動することと、開閉機6の駆動軸の回転の停止によって開き移動の途中や閉じ移動の途中において停止することとを行う。
なお、シャッターカーテン1の下方への閉じ移動は、シャッターカーテン1の自重で行われてもよい。
シャッターカーテン1は、多数のスラット20を上下に連設することにより形成されたシャッターカーテン本体8と、このシャッターカーテン本体8の下端に連結された座板9とを有し、この座板9が上記開口部10の床10Aに着床したときに、シャッターカーテン1は全閉位置に達し、また、座板9が上記シャッターボックス4のまぐさの位置に達したときに、シャッターカーテン1は全開位置に達する。シャッターカーテン1が全閉位置に達したこと及び全開位置に達したことは図示しないセンサで検出され、これらのセンサからの信号が上記制御装置に伝達されることにより、この制御装置によって開閉機6の駆動軸の正回転、逆回転は停止する。
また、シャッターカーテン1には、閉じ移動しているシャッターカーテン1の下方に障害物が存在していて、この障害物に座板9が当接したことを検出するための障害物検出装置21が設けられている。この障害物検出装置21は、後述するように、座板9の一部を形成している可動部材と、座板9に取り付けられ、この可動部材の運動に基づく障害物検出信号を発信する発信機21Aと、シャッターカーテン1に対して不動となっているシャッターボックス4等の不動部材に取り付けられ、発信機21Aからの障害物検出信号を受信する受信機21Bとを有し、受信機21Bが障害物検出信号を受信すると、受信機21Bからの信号により、前記制御装置は開閉機6の駆動軸の回転を停止させ、これにより、シャッターカーテン1の下方への閉じ移動は停止する。
なお、発信機21Aからの受信機21Bへの障害物検出信号の送信は、赤外線等による無線により又は電気ケーブルによる電気信号により行われる。
図2は、図1で示されている座板9の部分を示すシャッターカーテン1の一部拡大図である。また、図3は図2のS3−S3線断面図、図4は図2のS4−S4線断面図である。図3から分かるようにシャッターカーテン本体8は、下側のスラット20の上端に形成されたカール部22と、上側のスラット20の下端に形成されたカール部23とを回動自在に係合させることにより上下に連結された多数のスラット20で形成され、これらのスラット20のうち、最下段のスラット20Aには、座板9の上側の部分を形成している固定部材24の立上部24Fがボルト25A,ナット25Bで結合されている(図2も参照)。
座板9は、このようにボルト25A,ナット25Bで立上部24Fが最下段のスラット20Aに結合されていて、シャッターカーテン本体8に対して不動となっている固定部材24と、座板9の下側の部分を形成していて、固定部材24に対して上下動可能となっているためにシャッターカーテン本体8に対しても上下動可能となっている可動部材26とを含んで形成されている。また、図3に示されているように、可動部材26の立上部26A,26Bの上端には、固定部材24の下面開口部24Aから固定部材24の内部に挿入されていて、この下面開口部24Aを形成している下面延出部24B,24Cの上面に乗っている係止部26C,26Dが設けられており、下面開口部24Aに対する立上部26A,26Bの上下動により、可動部材26は固定部材24に対して昇降自在となっている。また、係止部26C,26Dが下面延出部24B,24Cの上面に乗ることにより、可動部材26は固定部材24に対して最下位置に達し、通常時のシャッターカーテン1は、可動部材26がこの最下位置に達した状態で上下に開閉移動している。
可動部材26の内部には上方への幅を有する突き上げ部材27が固定配置され、また、固定部材24の内部には、この固定部材24に設けられている中心部28を中心に上下に揺動自在となっている揺動部材29が配置されている。前述したように、閉じ移動しているシャッターカーテン1の下方に障害物が存在し、この障害物に座板9の可動部材26が当接すると、この後も座板9の固定部材24及びシャッターカーテン本体8が下降することにより、固定部材24に対する可動部材26の相対的上昇に基づき、突き上げ部材27が揺動部材29を中心部28を中心に上側へ突き上げ揺動させ、この揺動が固定部材24の内部に配置された感圧式等のセンサ30で検出されることにより、前述の発信機21Aから受信機21Bへ障害物検出信号が送信され、これにより、シャッターカーテン1の下方への閉じ移動は停止する。
なお、センサ30と発信機21Aは、図2で示されている電気ケーブル31で接続されており、この電気ケーブル31により、揺動部材29が揺動したことを伝達する電気信号がセンサ30から発信機21Aに送られる。
また、前述の最下段のスラット20Aと座板9の固定部材24とを結合するためのボルト25Aとナット25Bは、これらのスラット20Aと固定部材24の長手方向に複数設けられており、これらのボルト25A、ナット25Bのうち、図2に示すとおり、発信機21Aの配置位置と対応する位置に設けられているボルト25A、ナット25Bにより、発信機21Aはスラット20Aと固定部材24とに共締めされている。
また、図2に示されているとおり、シャッターカーテン本体8を形成しているそれぞれのスラット20は、左右のガイドレール2の間の内幅間隔寸法よりも少し長い長さ寸法を有し、このため、これらのスラット20は、長手方向の両端部、言い換えると、左右の両端部が左右のガイドレール2の内部にスライド自在に挿入されている。一方、座板9を形成している固定部材24と可動部材26は、左右のガイドレール2の間の内幅間隔寸法よりも少し短い長さ寸法を有しており、このため、これらの固定部材24と可動部材26は、長手方向の両端部、言い換えると、左右の両端部が左右のガイドレール2の内部に挿入されていない。
可動部材26の下端部は、図4に示されているように、シャッターカーテン1の厚さ方向の寸法が大きくなっている幅広部26Eとなっており、図2に示されているように、可動部材26の長手方向の両端部には、この幅広部26Eよりもシャッターカーテン1の厚さ方向の寸法が小さく、ガイドレール2の内部に挿入可能となっている幅狭部材32が配設されている。これらの可動部材26と幅狭部材32は、図4から理解できるように、左右のガイドレール2の間の内幅間隔寸法よりも少し長い長さ寸法を有している上記突き上げ部材27を介して連結されている。
このため、可動部材26とガイドレール2との間の隙間が幅狭部材32と突き上げ部材27とで塞がれるとともに、前述の障害物がガイドレール2の内部に存在しているときでも、ガイドレール2の内部に挿入された幅狭部材32が、シャッターカーテン1の下降時において、障害物で固定部材24等に対して相対的に上昇することにより、シャッターカーテン1の下方への閉じ移動を停止させることができる。
このため、前述した障害物検出装置21は、座板9の可動部材26と、突き上げ部材27と、幅狭部材32と、揺動部材29と、センサ30と、発信機21Aと、受信機21Bとを含んで構成されたものとなっている。
また、固定部材24の長手方向の両端部には、図2に示されているように、固定部材24とガイドレール2との間の隙間を塞ぐための隙間塞ぎ部材33が配置されている。この隙間塞ぎ部材33は、図4に示されているように、シャッターカーテン1の厚さ方向における固定部材24の幅寸法よりも小さい間隔でシャッターカーテン1の厚さ方向に互いに対向している表裏面部33A,33Bと、これらの表裏面部33A,33Bの上端間に架け渡された上面部33Gとを有し、表裏面部33A,33Bの間隔は、ガイドレール2の内部に挿入可能な間隔となっている。また、表裏面部33A,33Bの固定部材24側の端部には、シャッターカーテン1の厚さ方向外側へ延びる延出面部33C,33Dが形成され、これらの延出面部33C,33Dには、図3に示されているように、固定部材24におけるシャッターカーテン1の厚さ方向に互いに対向している表裏面部24D,24Eの内面と対面する突片部33E,33Fが形成されている。
図2に示されているとおり、表裏面部33A,33B及び延出面部33C,33Dよりも小さい上下方向の寸法となっているこれらの突片部33E,33Fにおいて、それぞれの隙間塞ぎ部材33は固定部材24の長手方向端部に結合され、この結合は、図3から分かるように、固定部材24の表裏面部24D,24Eと突片部33E,33Fとをリベット等の結合具34で結合することにより行われている。
このようにして隙間塞ぎ部材33が固定部材24の長手方向両端部に結合され、隙間塞ぎ部材33の表裏面部33A,33Bがガイドレール2の内部に挿入されることにより、座板9における固定部材24とガイドレール2との間の遮蔽性が向上することになる。
次に、本実施形態に係る孔明け装置を、図5以降の図面に基づいて説明する。この孔明け装置は、座板9の一部を形成している固定部材24に結合具34を挿入するための孔と、シャッターカーテン本体8の一部を形成している最下段のスラット20A及び固定部材24に、前述のボルト25Aを挿入するための孔とを明けるためのものとなっている。
このため、以下の説明では、左右方向が長手方向となっている最下段のスラット20Aを第1長寸部材と称するとともに、同じく左右方向が長手方向となっている固定部材24を第2長寸部材と称することとする。
図5は、本実施形態に係る孔明け装置の全体を示す正面図であり、図6は図5のS6−S6線断面図、図7は図6の平面図、図8は、図5で示されているカバー60を2点鎖線で示した図5のS8−S8線断面図である。図5に示されているように、この孔明け装置は、第1及び第2長寸部材20A,24を送るために機台40の上面に形成された送り経路41を有し、この送り経路41は、第1及び第2長寸部材20A,24の送り方向に順番に設けられている準備経路41Aと、孔明け加工部41Bと、取り出し経路41Cとからなる。準備経路41Aは、第1及び第2長寸部材20A,24を孔明け加工部41Bに向けて準備することができるようにするための部分であり、孔明け加工部41Bは、第1及び第2長寸部材20A,24に前述の孔を明ける加工を行うための部分であり、取り出し経路41Cは、孔明け加工部41Bで孔明け加工が行われた第1及び第2長寸部材20A,24を取り出すことができるようにするとともに、第1及び第2長寸部材20A,24の長手方向における複数の箇所を孔明け加工部41Bで孔明け加工できるようにするために、これらの長寸部材20A,24を送り経路41における送り方向に送ることができるようにするための部分ある。
取り出し経路41Cには、位置出し手段42が走行自在に配置されており、この位置出し手段42には、孔明け加工部41Bに向かって延びるアーム部42Aの先端に、第1長寸部材20Aの先端を当接させるための当接部42Bが設けられている。また、当接部42Bには、第1長寸部材20Aの先端がこの当接部42Bに当接したことを検知できる感圧式等のセンサが設けられているため、位置出し手段42には、このセンサからの信号により、当接部42Bに第1長寸部材20Aの先端が当接したことを作業者等が確認できるようにするための確認手段42Cが設けられており、本実施形態における確信手段42Cは、上記当接後に一定時間点灯するランプとなっている。
また、図6に示されているように、上記機台40には、位置出し手段42の走行を案内するためのレール43,44が設けられ、一方のレール44の上部には、取り出し経路41Cの長手方向に延びるラック部材45が固定され、このラック部材45にピニオンギア47が噛合し、このピニオンギア47は、位置出し手段42に下向きに設置された電動モータによる駆動部46の駆動軸に取り付けられていて回転するため、位置出し手段42は、駆動部46の駆動軸の正逆駆動により取り出し経路41Cを前後進する。
また、位置出し手段42には、レール43の上面を転動する走行ローラ48Aと、ラック部材45の上面を転動する走行ローラ48Bと、ラック部材45の外側面に沿って転動する走行ローラ48Cと、レール44の内側面に沿って転動する走行ローラ48Dとが設けられ、これらの走行ローラ48A〜48Dの案内及び位置決め作用により、位置出し手段42は取り出し経路41Cの所定軌道上を走行する。
さらに、図6に示されているとおり、レール43とレール44の間において、送りローラ51がブラケット52,53で回転自在に支持され、図5に示されているように、第1及び第2長寸部材20A,24の長手方向でもある送り経路41における送り方向に複数並設されているこれらの送りローラ51は、図6に示されているように軸方向の途中部に大径部51Aが形成された段付きローラとなっている。そして、この大径部51Aは、第2長寸部材24の開口している下面から第2長寸部材24の内部に挿入可能となっているため、大径部51Aにより、第2長寸部材24を、送り経路41と直交する水平方向に第2長寸部材24の位置がずれることを防止しながら、複数の送りローラ51上を送ることができるようになっている。
なお、図5で説明した準備経路41Aも、大径部51Aを備えた送りローラ51と同様な送りローラ54が送り経路41における第1及び第2長寸部材20A、24の送り方向に複数並設されることにより形成されている。
図5で示されている孔明け加工部41Bには、内部を透視できる透明又は半透明のカバー60が配置され、このカバー60の内部において、孔明け加工部41Bには、カバー60を2点鎖線で示している図8のとおり、送りテーブル61が設けられ、この送りテーブル61の上面を第2長寸部材24は滑り移動し、これにより、第2長寸部材24と、この第2長寸部材24に後述するように仮クランプされた第1長寸部材20Aとを、準備経路41Aの送りローラ54から送りテーブル61を経て取り出し経路41Cの送りローラ51へと送ることができるようになっている。
なお、この送りテーブル61の上面には、上方へ立ち上がった立上部61Aが形成されており、この立上部61Aは第2長寸部材24の開口している下面から第2長寸部材24の内部に挿入されるようになっているため、立上部61Aにより、第2長寸部材24は、送り経路41と直交する水平方向に第2長寸部材24の位置がずれることを防止されながら、送りテーブル61の上面上を送られるようになっている。
図9は、カバー60を除外して示した図8の平面図であって、図5の孔明け加工部41Bの平面図を示している。孔明け加工部41Bには、第1及び第2長寸部材20A,24を送るための送り経路41の側部において、すなわち、送りテーブル61の側部において、第1孔明け手段71と第2孔明け手段72とが配置されているとともに、第2孔明け手段72は、第1孔明け手段71に対して第1及び第2長寸部材20A、24の長手方向にずれた位置に、言い換えると、送り経路41によるこれらの長寸部材20Aの送り方向にずれた位置に配置されている。第1孔明け手段71は、送り経路41に対して前後進する第1孔明け工具となっている第1ドリル71Aで第2長寸部材24に、図2〜図4で示した結合具34を挿入するための孔を明けるためのものになっており、また、第2孔明け手段72は、送り経路41に対して前後進する第2孔明け工具となっている第2ドリル72Aで第1長寸部材20Aと第2長寸部材24との両方に、これらの長寸部材20A,24を結合するための結合具になっている図2〜図4のボルト25Aを挿入するための孔を明けるためのものになっている。
図2に示されているように、結合具34よりもボルト25Aの高さ位置は高いため、第1孔明け手段71よりも第2孔明け手段72は高い位置に配置されている。
図2〜図4で示した結合具34を挿入するための孔は、第2長寸部材24の図3で示した表裏面部24D,24Eに形成されるため、図9に示されているように、第1孔明け手段71は、送りテーブル61に対して互いに反対側となった2箇所の位置に2台設置されている。また、第2孔明け手段72は、送りテーブル61の片側だけの側部に1台配置されており、この第2孔明け手段72と対向する送りテーブル61の反対側の側部には、第2孔明け手段72の第2ドリル72Aで第1及び第2長寸部材20Aに孔明け加工を行ったときに生ずるバリを除去するためのバリ除去回転工具73Aを備えたバリ除去手段73が配置されている。
図8に示されているように、第2孔明け手段72とバリ除去手段73は、ガイドレール74A,75Aで案内されるスライドテーブル74,75に設置され、これらのスライドテーブル74,75には、駆動部となっているシリンダ76,77のピストンロッド76A,77Aが連結されているため、これらのピストンロッド76A,77Aの伸縮動により、第2孔明け手段72、バリ除去手段73及びスライドテーブル74,75は送りテーブル61に向かって前後進する。また、スライドテーブル74,75には、これらのスライドテーブル74,75が前進したときに、第1及び第2長寸部材20A,24を加圧するための加圧部78A,79Aが先端に設けられた加圧部材78,79が取り付けられている。
さらに、第2孔明け手段72の第2ドリル72Aを挟持しているスピンドル72Bは、スライドテーブル74に設置されている第2孔明け手段72の本体72Cに設けられている駆動機構により、この本体72C対して送りテーブル61に向かって前後進自在となっており、バリ除去手段73のバリ除去回転工具73Aを挟持しているスピンドル73Bも、スライドテーブル75に設置されているバリ除去手段73の本体73Cに設けられている駆動機構により、この本体73Cに対して送りテーブル61に向かって前後進自在となっている。これらのスピンドル72B,73Bの前後進は、シリンダ76,77によるスライドテーブル74,75の前後進と連動して行われる。このため、スライドテーブル74,75の前進により、第2孔明け手段72の加圧部78Aとバリ除去手段73の加圧部79Aとが、第1及び第2長寸部材20A,24をシャッターカーテン1の厚さ方向両側から加圧してこれらの長寸部材20A,24をシャッターカーテン1の厚さ方向に不動状態としたときに、スピンドル72B,73Bの前進により、図11の2点鎖線で示されているように、加圧部78Aの孔78Bを挿通して前進した第2ドリル72Aによって第1及び第2長寸部材20A、24に孔明け加工が行われるとともに、加圧部79Aの孔79Bを挿通したバリ除去回転工具73Aにより、この孔明け加工で生じたバリが除去される。
そして、以上の孔明け加工及びバリ除去作業が終了すると、シリンダ76,77によりスライドテーブル74,75は後退し、スピンドル72B,73Bも後退して第2孔明け手段72とバリ除去手段73はもとの状態に戻ることになる。
なお、バリ除去手段73は省略してもよい。
送りテーブル61の両側に配置されている2個の第1孔明け手段71の構造は、以上説明した第2孔明け手段72及びバリ除去手段73と同様に構成されている。すなわち、図9で説明すると、これらの第1孔明け手段71は、ガイドレール80Aで案内され、シリンダのピストンロッドの伸縮動により送りテーブル61に向かって前後進するスライドテーブル80と、このスライドテーブル80に設置され、第2長寸部材24をシャッターカーテン1の厚さ方向から加圧するための加圧部81Aが先端に設けられた加圧部材81とを有している。また、第1孔明け手段71の第1ドリル71Aを挟持しているスピンドル71Bは、スライドテーブル80に設置されている第1孔明け手段71の本体71Cに設けられている駆動機構により、この本体71Cに対して送りテーブル61に向かって前後進自在であり、この前後進は、上記シリンダによるスライドテーブル80の前後進と連動して行われる。
このため、2台の第1孔明け手段71の加圧部81Aが、スライドテーブル80の前進により、第2長寸部材24をシャッターカーテン1の厚さ方向両側から加圧してこの第2長寸部材24をシャッターカーテン1の厚さ方向に不動状態としたときに、スピンドル71Bの前進により、図10の2点鎖線に示されているように、それぞれの加圧部81Aの孔81Bを挿通して前進した第1ドリル71Aによって第2長寸部材24におけるシャッターカーテン1の厚さ方向両側が孔明け加工されることになる。
そして、この孔明け加工が終了すると、上記シリンダによりスライドテーブル80は後退し、スピンドル71Bも後退して第1孔明け手段71はもとの状態に戻ることになる。
図5で示した孔明け加工部41Bには、以上の第1及び第2孔明け手段71,72で第1及び第2長寸部材20A、24に孔明け加工が行われているときに、第1長寸部材20Aを下方へ押圧するための第1押圧手段82と、第2長寸部材24を下方へ押圧するための第2押圧手段83とが配置されている。第1押圧手段82は図11で示され、第2押圧手段83は図10で示されている。
図11において、第1押圧手段82は、前述したカバー60の上面60Aに下向きに設置されたシリンダによる駆動部82Aと、上面60Aの孔60Bに挿通されたこのシリンダのピストンロッド82Bの下端に設けられた押圧部82Cとを有する。ピストンロッド82Bの伸縮動により、カバー60の内部に配置されている押圧部82Cは上下動し、下降した押圧部82Cが第1長寸部材20Aの上端に当接することにより、この第1長寸部材20Aは第1押圧手段82で下方に押圧される。このため、第1及び第2孔明け手段71,72で第1及び第2長寸部材20A、24に孔明け加工が行われているときに、第1長寸部材20Aは、押圧部82Cと送りテーブル61とで上下方向に挟圧されて不動状態となる。
また、図10において、第2押圧手段83も、カバー60の上面60Aに下向きに設置されたシリンダによる駆動部83Aと、上面60Aの孔60Cに挿通されたこのシリンダのピストンロッド83Bの下端に設けられた押圧部83Cとを有する。この押圧部83Cは、第1長寸部材20A及び第2長寸部材24の前述した立上部24Fを内部に挿入可能とするために下側が開口した切り込み部83Dが形成された二股形状となっている。ピストンロッド83Bの伸縮動により、カバー60の内部に配置されている押圧部82Cは上下動し、下降した押圧部82Cの下端が、切り込み部83Dの内部に第1長寸部材20A及び第2長寸部材24の立上部24Fを挿入させながら、第2長寸部材24の上面に当接することにより、この第2長寸部材24は第2押圧手段83で下方に押圧される。このため、第1及び第2孔明け手段71,72で第1及び第2長寸部材20A、24に孔明け加工が行われているときに、第2長寸部材24は、押圧部83Cと送りテーブル61とで上下方向に挟圧されて不動状態となる。
さらに、図9に示されているように、送り経路41における第1及び第2孔明け手段71,72が配置された部分には、すなわち、前述した孔明け加工部41Bには、第2長寸部材24の長手方向の端部が当接することにより、第1及び第2長寸部材20A,24の長手方向に第2長寸部材24を位置決め状態とすることができる合計4個のストップ手段91〜94が配置されている。これらのストップ手段91〜94の構造は同じになっている。
これらのストップ手段91〜94の構造を、図8に示されているストップ手段93を代表例として説明すると、ストップ手段93は、送りテーブル61の下方空間に上向きに設置されたシリンダによる駆動部93Aと、このシリンダのピストンロッド93Bに連結され、ピストンロッド93Bの伸縮動で昇降動するストップ部93Cとを有する。ストップ部93Cには、上側が開口した切り込み部93Dが形成された二股部93Eが設けられている。送りテーブル61には、前述した立上部61Aの両側において、ストップ部93Cが上昇したときに二股部93Eが挿通されてこの二股部93Eが送りテーブル61の上方へ突出可能とするための孔61Bが形成されている。
このため、ストップ部93Cの一部となっている二股部93Eは、シリンダによる駆動部93Aにより、送りテーブル61に対して出没するものとなっている。言い換えると、ストップ部93Cは、送りテーブル61に対して出現、隠れ移動自在となっている。図10には、送りテーブル61から突出した二股部93Eが2点鎖線で示されている。このように突出したストップ部93Cの一部に第2長寸部材24の長手方向の端部が当接することにより、第2長寸部材24の長手方向にこの第2長寸部材24は位置決め状態となる。
そして、ストップ手段93以外の上記ストップ手段91,92,94の後述するストップ部91C,92C,94Cも、送りテーブル61に対して出現、隠れ移動自在となっている。
図9において、第1及び第2長寸部材20A,24の長手方向であって、送り経路41によるこれらの長寸部材20A,24の送り方向に並設されている合計4個のストップ手段91〜94のうち、前述した準備経路41Aに最も近い位置に配置されているストップ手段91は、準備経路41Aから送り込まれる第2長寸部材24を、この第2長寸部材24が孔明け加工部41Bに送り込まれる前に予備的に停止させておくための予備的ストップ手段となっている。また、前述した取り出し経路41Cに2番目に近い位置に配置されているストップ手段92は、第1ストップ手段であり、取り出し経路41Cに最も近い位置に配置されているストップ手段93は、第2ストップ手段である。そして、準備経路41Aに2番目に最も近い位置に配置されているストップ手段94は、第3ストップ手段である。
したがって、孔明け加工部41Bに配置された合計4個のストップ手段91〜94は、送り経路41における第1及び第2長寸部材20A,24の送り方向に、予備的ストップ手段91、第3ストップ手段94、第1ストップ手段92、第2ストップ手段93の順番となって配置されている。
また、第1孔明け手段71は、送り経路41における第1及び第2長寸部材20A,24の送り方向において、第3ストップ手段94と第1ストップ手段92との間に配置され、第1孔明け手段72は、送り経路41における第1及び第2長寸部材20A,24の送り方向において、第1ストップ手段92と第2ストップ手段93との間に配置されている。
そして、後述の説明から分かるように、予備的ストップ手段91の予備的ストップ部91Cと、第1ストップ手段92の第1ストップ部92Cと、第2ストップ手段93の第2ストップ部93Cには、第2長寸部材24の先端24G(図2を参照)が当接し、第1ストップ手段92の第1ストップ部92Cに第2長寸部材24の先端24Gが当接したときに、第2長寸部材24における前述の第1孔明け手段71で孔明け加工される先端24G側の箇所の位置出しが行われる。また、第3ストップ手段94の第3ストップ部94Cには、第2長寸部材24の先端24Gとは反対側の端部、すなわち、第2長寸部材24の後端24H(図2を参照)が当接し、この第3ストップ部94Cに第2長寸部材24の後端24Hが当接したときに、第2長寸部材24における第1孔明け手段71で孔明け加工される後端24H側の箇所の位置出しが行われる。
図12には、第1及び第3ストップ手段92,94の第1及び第3ストップ部92C,94Cと、第1孔明け手段71の第1ドリル71Aとの間の第1及び第2長寸部材20A、24の長手方向における距離や、第2ストップ手段93の第2ストップ部93Cと第2孔明け手段72の第2ドリル72Aとの間の第1及び第2長寸部材20A、24の長手方向における距離等が示されている。第1ストップ手段92の第1ストップ部92Cと、第1孔明け手段71の第1ドリル71Aとの間の距離は、L1であり、この距離L1は、図2に示されているように、第2長寸部材(固定部材)24の先端24Gと、この先端24G側の前述の結合具34が挿入される孔との間の距離に等しい。また、図12に示されているように、第3ストップ手段94の第3ストップ部94Cと、第1孔明け手段71の第1ドリル71Aとの間の距離は、L2であり、この距離L2は、図2に示されているように、第2長寸部材24の後端24Hと、この後端24H側の前述の結合具34が挿入される孔との間の距離に等しい。なお、通常のシャッターカーテン1については、L1とL2は等しい。
また、図12に示されているように、第2孔明け手段72の第2ドリル72Aと、第2ストップ手段93の第2ストップ部93Cとの間の距離は、L3であり、この距離L3は、図2に示されているように、第2長寸部材24の先端24G側の前述のボルト25Aが挿入される第2長寸部材24の孔と、この先端24Gとの間の距離に等しい。また、図2に示すように、第2長寸部材24の先端24G側の上記ボルト25Aが挿入される第1長寸部材(最下段のスラット)20Aの孔と、この第1長寸部材20Aの先端20Bとの間の距離は、L4である。
図5に示されているように、孔明け加工部41Bに配置されているカバー60は、図10及び図11で前述した上面60Aと、送り経路41と直交する面となっている前面60D及び後面60Eとを有する。これらの前後の面60D,60Eには、シャッターカーテン1の厚さ方向に互いに重ね合わされた第1及び第2長寸部材20A,24(図10及び図11を参照)を通過させることができる開口部が形成されているとともに、これらの開口部のうち、図8に示されているように、前述の取り出し経路41C側の面となっている後面60Eに形成されている開口部60Fは、前述した位置出し手段42の当接部42Bを通過させることができる大きさとなっている。このため、この当接部42Bは、カバー60の内部に侵入可能である。
なお、本実施形態のカバー60は、第1及び第2孔明け手段71,72の全体を覆うものとして示されているが、このカバー60は、第1及び第2孔明け手段71,72のうち、送り経路41に向かって前後進する第1及び第2ドリル71A,72Aの部分だけ又はこの部分とこの部分の周囲だけを覆うものでもよい。
以上説明した本実施形態に係る孔明け装置は、図5に示されているコンピュータによる制御装置95により制御されて作動する。すなわち、図6で示す駆動部46からの駆動力で取り出し経路41Cを走行する位置出し手段42の走行距離は、駆動部46を制御装置95が制御することにより設定される。また、本実施形態では、図5に示す機台40に人為的操作装置となっているフットペダル96が設けられ、このフットペダル96を作業者が踏むと、このフットペダル96から送られる信号に基づき、制御装置95は、この制御装置95の記録部に記録されているプログラムにしたがった作業工程を行う信号を孔明け装置に送るようになっている。なお、フットペダル96を用いず、プログラムにしたがって全部の作業工程を自動作業工程として実施するようにすることも可能である。
また、本実施形態では、送り経路41上に第1長寸部材20Aと第2長寸部材24とをシャッターカーテン1の厚さ方向に重ね合わせて仮クランプ具で仮クランプすること及びこの仮クランプを解除することや、第1及び第2長寸部材20A,24を送り経路41上を送ることは、作業者によって行われるようになっている。しかし、これらの作業を制御装置95で制御される自動装置により自動作業として行うようにしてもよい。
また、フットペダル96を用いる場合において、このフットペダル96を、図5に示すように、孔明け加工部41Bの配置位置に対して第1及び第2長寸部材20A,24の送り方向のどちらか一方の側に配置してもよいが、孔明け加工部41Bの配置位置に対して第1及び第2長寸部材20A,24の送り方向の両側に2個のフットペダル96を設けることや、フットペダル96の踏み操作される踏み板を第1及び第2長寸部材20A,24の送り方向に長い部材とすることにより、作業者が孔明け加工部41Bの配置位置に対して第1及び第2長寸部材20A,24の送り方向のどちらの側に立っている場合でも、フットペダル96を踏み操作できるようにすることが好ましい。
これによると、孔明け加工部41Bが、図9に示されているように、第1及び第2長寸部材20A,24の送り方向と直交する横方向の寸法が前述の送り経路41の同方向の寸法よりも大きいものになっていても、この孔明け加工部41Bに阻害されずに作業者はフットペダル96を踏み操作できるようになる。
次に、制御装置95で制御されながら行われる第1及び第2長寸部材20A,24の孔明け加工について説明する。なお、第1孔明け手段71で第2長寸部材24を孔明け加工するとき及び第2孔明け手段72で第1及び第2長寸部材20A、24を孔明け加工するときには、前述した第1及び第2押圧手段82,83が、制御装置95の制御により第1及び第2孔明け手段71,72と連動して作動し、これにより、第1及び第2押圧手段82,83は第1及び第2長寸部材20A、24を上下に不動状態とするが、以下の説明では第1及び第2押圧手段82,83の作動は省略する。
第1及び第2長寸部材20A,24の孔明け加工は、制御装置95に設けられている操作部により、孔明け加工される第1及び第2長寸部材20A,24が用いられるシャッターカーテンの仕様を、制御装置95の記録部に記録されているデータのなかから選択することから始められる。制御装置95の記録部には、それぞれのシャッターカーテンの仕様ごとに異なるボルト25Aの個数と、第1長寸部材20Aの先端20Bからボルト25Aを挿入するためのそれぞれの孔の位置までの距離とが記録されており、上記選択を行うと、一つのシャッターカーテンの仕様についての上記個数と距離が読み出され、この読み出されて記録部に記録される個数と距離についてのデータにより、後述するように位置出し手段42の走行距離が制御されるようになる。
作業者が制御装置95に設けられているスタートスイッチを操作すると、制御装置95は予備的ストップ手段91を作動させ、このストップ手段91のストップ部91Cの一部が前述したように送りテーブル61から突出する。作業者は、この突出したストップ部91Cに、準備経路41Aに載せた第2長寸部材24の先端24Gを当接させるとともに、この第2長寸部材24の立上部24Fと第1長寸部材20Aとをシャッターカーテン1の厚さ方向に重ね合わせ、これらの第2長寸部材24の立上部24Fと第1長寸部材20Aとを仮クランプ具で仮クランプする。このときの第2長寸部材24の長手方向における第1長寸部材20Aの位置は、これら長寸部材20A,24の先端24G,20B同士が正確に一致していないラフな位置でよい。
次いで作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置95は、予備的ストップ手段91のストップ部91Cを送りテーブル61の下方へ没入させるとともに、第1ストップ手段92を作動させ、このストップ手段92のストップ部92Cの一部を送りテーブル61から突出させる。そして、作業者は、この突出したストップ部92Cに第2長寸部材24の先端24Gが当接するまで第1及び第2長寸部材20A,24を送り移動させる。この後、作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置95は第1孔明け手段71を作動させ、これにより、第1孔明け手段71のスライドテーブル80及び第1ドリル71Aは、最大前進位置まで前進した後にもとの位置まで後退する。
これにより、2台の第1孔明け手段71により、第2長寸部材24におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の2つの箇所であって、第2長寸部材24の先端24G側の箇所において、図2〜図4で示した結合具34を挿入することができる孔が形成されることになる。このときに形成される孔の位置は、図2及び図12で分かるように、第2長寸部材24の先端24Gから距離L1の位置である。このため、第2長寸部材24の所定位置に、結合具34を挿入することができる孔を形成できることになる。また、この孔明け加工は、2台の第1孔明け手段71が備えた前述の加圧部81Aが第2長寸部材24をシャッターカーテン1の厚さ方向の両側から加圧して行われるため、この長寸部材24がシャッターカーテン1の厚さ方向にぶれることを防止して行われることになる。
次いで作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置95は、第1ストップ手段92のストップ部92Cを送りテーブル61の下方へ没入させるとともに、第2ストップ手段93を作動させ、このストップ手段93のストップ部93Cの一部を送りテーブル61から突出させる。そして、作業者は、この突出したストップ部93Cに第2長寸部材24の先端24Gが当接するまで第1及び第2長寸部材20A,24を送り移動させる。また、上述のように作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置95は、取り出し経路41C上の位置出し手段42を孔明け加工部41Bの側へ走行させ、この位置出し手段42の当接部42Bが前述したカバー60の内部の所定位置に達すると、制御装置95は、位置出し手段42を停止させる。
このときの当接部42Bの位置が図12に示されている。このときの当接部42Bの位置は、当接部42Bから第2ストップ手段93のストップ部93Cまで距離L5の位置であって、当接部42Bから第2孔明け手段72の第2ドリル72Aまで距離L4の位置である。そして、L5とL3の和がL4である。
このように位置出し手段42の当接部42Bがカバー60の内部の所定位置に達した後に、作業者は、前述の仮クランプを解除することにより、第1長寸部材20Aをこの長寸部材20Aの先端20Bが当接部42Bに当接するまで送り移動させ、次いで作業者は、仮クランプ具で第1長寸部材20Aと第2長寸部材24の立上部24Fとを再度仮クランプする。
この後に作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置は第2孔明け手段72を作動させ、これにより、第2孔明け手段72のスライドテーブル74及び第2ドリル72Aは、最大前進位置まで前進した後にもとの位置まで後退する。これにより、第2孔明け手段72により、第1及び第2長寸部材20A,24における先端20B、24G側の箇所において、図2〜図4で示したボルト25Aを挿入することができる孔が形成されることになる。このときに形成される孔の位置は、図2及び図12で分かるように、第1長寸部材20Aの先端20Bから距離L4の位置であって、第2長寸部材24の先端24Gから距離L3の位置である。このため、第1及び第2長寸部材20A,24の所定位置に、第1長寸部材20Aの先端20Bから1番目のボルト25Aを挿入することができる孔を形成できる。
また、この孔明け加工が前述のバリ除去手段73を採用して行われる場合には、第2孔明け手段72とバリ除去手段73が備えた前述の加圧部78Aと79Aが第1及び第2長寸部材20A,24をシャッターカーテン1の厚さ方向の両側から加圧するため、これらの長寸部材20A,24がシャッターカーテン1の厚さ方向にぶれることを防止して、孔明け加工が行われることになる。
なお、バリ除去手段73にバリ除去回転工具73Aを設けず、前述したスライドテーブル75に加圧部79Aを備えた加圧部材79だけを設置してもよい。
この後に作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置95は、第2ストップ手段93のストップ部93Cを送りテーブル61の下方へ没入させるとともに、位置出し手段42を取り出し経路41Cの側へ走行させて停止させる。次いで、作業者は、第1及び第2長寸部材20A,24を送り移動させ、これらの長寸部材20A,24の第2孔明け手段72で明けられた上述の孔をカバー60の外部に突出させた後に、作業者はこれらの孔に上記1番目のボルト25Aを挿入してナット25Bを螺合し、上述の仮クランプを解除する。これにより、第1長寸部材20Aと第2長寸部材24は、1番目のボルト25A、ナット25Bによってこれらの長寸部材20A,24の長手方向に一体化されることになる。
そして、このときには、第1長寸部材20Aの先端20Bは第2長寸部材24の先端24Gから距離L5だけ突出しており、この距離L5は、図2で示されている所定の距離になっている。このため、この距離L5を維持したまま、これ以後、作業者は第1及び第2長寸部材20A,24を一体として送り経路41を送ることができる。
また、上述のフットペダル96の踏み操作により制御装置95が位置出し手段42を取り出し経路41Cの側へ走行させる距離は、当接部42Bから第2孔明け手段72の第2ドリル72Aまでの長さが、第1長寸部材20Aの先端20Bと、この先端20Bから2番目のボルト25Aが配置される位置との間の長さに等しくなる距離である。
作業者は、上述のように1番目のボルト25A、ナット25Bで第1及び第2長寸部材20A,24を一体化して仮クランプを解除した後に、これらの長寸部材20A,24を一体として送り移動させ、第1長寸部材20Aの先端20Bを位置出し手段42の当接部42Bに当接させる。この後、作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置95は第2孔明け手段72を作動させ、これにより、第2孔明け手段72により、2番目のボルト25Aが挿入される孔が第1及び第2長寸部材20A,24の所定位置に形成されることになる。
次いで、作業者がフットペダル96を踏み操作することにより、さらに位置出し手段42は取り出し経路41Cの側への走行と停止を行い、また、作業者が第1及び第2長寸部材20A,24を一体にして送り移動させることにより、第1長寸部材20Aの先端20Bを位置出し手段42の当接部42Bに当接させた後に、作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置95は第2孔明け手段72を再度作動させ、これにより、第2孔明け手段72により、3番目のボルト25Aが挿入される孔が第1及び第2長寸部材20A,24の所定位置に形成されることになる。
これ以後、以上と同様の作業は、最後のボルト25Aが挿入される孔が第1及び第2長寸部材20A,24の所定位置に形成されるまで繰り返される。
最後のボルト25Aが挿入される孔が第1及び第2長寸部材20A,24の所定位置に形成された後に、作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置95は、図9で示されている第3ストップ手段94を作動させ、このストップ手段94のストップ部94Cの一部を送りテーブル61から突出させる。そして、作業者は、この突出したストップ部94Cに第2長寸部材24の後端24Hが当接するまで、第1及び第2長寸部材20A,24を前記送り方向とは反対側へ送り移動させる。この後、作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置95は第1孔明け手段71を作動させ、第1孔明け手段71により、第2長寸部材24におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の2つの箇所であって、第2長寸部材24の後端24H側の箇所において、図2〜図4で示した結合具34を挿入することができる孔が形成されることになる。このときに形成される孔の位置は、図2及び図12で分かるように、第2長寸部材24の後端24Hから距離L2の位置である。このため、第2長寸部材24の後端24H側の箇所においても、結合具34を挿入することができる孔を所定位置に形成できることになる。
以上により、全部の孔明け加工は終了し、この後、作業者は、第1及び第2長寸部材20A,24を取り出し経路41Cの側から取り出し、これらの長寸部材20A,24を、例えば、前述の2番目のボルト25Aを第1及び第2長寸部材20A,24の孔に挿入するなどの作業を行うための次の作業工程に送る。
本実施形態では、第1及び第2孔明け手段71,72のうち、第1及び第2孔明け手段71,72の少なくとも第1ドリル71A,72Aはカバー60で覆われているため、これらの孔明け手段71,72による孔明け加工を安全に行える。また、カバー60は透明又は半透明であるため、カバー60の内部で行われる孔明け加工を作業者が確認できることになる。
また、位置出し手段42の当接部42Bには、第1長寸部材20Aの先端20Bがこの当接部42Bに当接したことを検知するセンサが設けられているとともに、当接部42Bに第1長寸部材20Aの先端20Bが当接したことを作業者等が確認できるようにするためのランプによる確認手段42Cも設けられているため、作業者は、当接部42Bに先端20Bまで第1長寸部材20Aを送り移動させることができる。
さらに、当接部42Bに設けられた上記センサからの信号が制御装置95に入力したときに、作業者がフットペダル96を踏み操作すると、制御装置95が第2孔明け加工72を作動させて第1及び第2長寸部材20A,24に孔明け加工するように、制御装置95のプログラムを設定することができ、これによると、設計図面等で予め設定されている第1及び第2長寸部材20A,24の所定位置に第2孔明け手段72で孔明け加工できることになる。
また、第1及び第2孔明け手段71,72により第1及び第2長寸部材20A,24が孔明け加工されるときに、前述したようにこれらの長寸部材20A,24は、第1及び第2孔明け手段71,72等の加圧部78A,79A,81Aによりシャッターカーテン1の厚さ方向の両側から加圧されるため、これらの長寸部材20A,24がシャッターカーテン1の厚さ方向にぶれることを防止して孔明け加工を行える。
さらに、第1及び第2長寸部材20A,24が第1及び第2孔明け手段71,72により孔明け加工されるときには、前述した第1及び第2押圧手段82,83が、制御装置95の制御により第1及び第2孔明け手段71,72と連動して作動し、これにより、孔明け加工を、第1及び第2押圧手段82,83が第1及び第2長寸部材20A、24を上下に不動状態にさせて行うことができる。
そして、本実施形態によると、送り経路41に走行自在に配置されている位置出し手段42の当接部42Bに第1長寸部材20Aの先端20Bを当接させると、この長寸部材20Aにおける第2孔明け手段72で孔明け加工される箇所についての位置出しが自ずと行われることになり、このため、この箇所に第1孔明け手段72で孔明け加工する作業を効率的に行えることになる。
また、この孔明け加工後に、位置出し手段42を送り経路41を走行させて停止させ、送り経路41上を送られた第1長寸部材20Aの先端20Bを位置出し手段42の当接部42Bに当接させると、第1長寸部材20Aにおける第2孔明け手段72で孔明け加工される次の箇所についての位置出しが自ずと行われるため、この箇所に孔を明ける作業も効率的に行えることになり、そして、以上の位置出し手段42の走行及び停止と、第1長寸部材20Aの送りを繰り返すことにより、第1長寸部材20Aの長手方向に多数の孔を明ける作業を効率的に行えることになる。
さらに、本実施形態によると、送り経路41に出没自在に配置された第1〜第3ストップ手段92〜94のストップ部92C〜94Cに第2長寸部材24の端部24G,24Hを当接させると、第2長寸部材24における第1及び第2孔明け手段71,72で孔明け加工される箇所についての位置出しを自ずと行うことができ、また、上述したように、送り経路41に走行自在に配置されている位置出し手段42の当接部42Bに第1長寸部材20Aの先端20Bを当接させると、この第1長寸部材20Aにおける第2孔明け手段72で孔明け加工される箇所についての位置出しを自ずと行うことができる。
そして、本実施形態によると、以上のように、第2長寸部材20Aについての位置出しは、送り経路41に出没自在に配置された第1〜第3ストップ手段92〜94のストップ部92C〜94Cにより行われ、第1長寸部材20Aについての位置出しは、送り経路41に走行自在に配置された位置出し手段42の当接部42Bにより行われるため、送り経路41に2台の位置出し手段を走行自在に配置する必要がなく、したがって、ストップ手段と位置出し手段を含めた送り経路全体の構成を簡単化することができる。
さらに、本実施形態では、第2孔明け手段72により、第1長寸部材20Aと第2長寸部材24との両方に孔明け加工することができる。
また、送り経路41には、第1ストップ手段92と第1及び第2長寸部材20A,24の長手方向にずれた位置において第2ストップ手段93が配置されており、この第2ストップ手段93の第2ストップ部93Cに送り経路41上を送られた第2長寸部材20Aの先端20Bが当接し、かつ位置出し手段42の当接部42Bに第1長寸部材20Aの先端20Bが当接していて、これらの第1及び第2長寸部材20A,24の先端20B,24G同士の位置が上記長手方向にずれているときに、第2孔明け手段72により、互いに重ね合わせられた第1長寸部材20Aと第2長寸部材24の両方に孔明け加工を行うようにしているため、この孔明け加工を、図2で示されている隙間塞ぎ部材33を第2長寸部材24に取り付けるために必要となる第1長寸部材20Aの第2長寸部材24からの突出距離L5、すなわち、第2長寸部材24の先端24Gから突出している第1長寸部材20Aの先端20Bの突出距離L5を自ずと確保することができる。
さらに、第2孔明け手段72により、互いに重ね合わせられた第1長寸部材20Aと第2長寸部材24の両方に孔明け加工された孔に挿入されたボルト25Aで第1長寸部材20Aと第2長寸部材24とを結合することにより、これらの第1及び第2長寸部材20A,24を一体として送り経路41上を送ることができ、このため、さらに送り経路41を走行させて停止させた位置出し手段42の当接部42Bに、送り経路41上を送られた第1長寸部材20Aの先端20Bを当接させると、次に第2孔明け手段72により孔明け加工を行うための第1及び第2長寸部材20A,24における箇所を自ずと位置出しすることができ、次いで、この第2孔明け手段72で孔明加工を行うことにより、第1及び第2長寸部材20A,24を結合するための次のボルト25Aを挿入するための孔をこれらの第1及び第2長寸部材20A,24に形成できる。そして、これを繰り返すことにより、第2孔明け手段72により、第1及び第2長寸部材20A,24を結合するためのボルト25Aを挿入するための孔をこれらの第1及び第2長寸部材20A,24の長手方向に次々と形成できることになる。
また、送り経路41に、第1及び第2ストップ手段92,93と前記長手方向にずれた位置において第3ストップ手段94が配置され、この第3ストップ手段94の第3ストップ部94Cに、送り経路41上を送り方向とは反対側へ送られた第2長寸部材20Aの後端24Hを当接させることにより、第2長寸部材24における第1孔明け手段71で孔明け加工される後端24H側の箇所の位置出しを行うことができ、この後端24H側の箇所に、第1孔明け手段71により孔明け加工することができる。
また、孔明け加工部41Bに配置されているカバー60における送り経路41と直交する後面60Eには、位置出し手段42の当接部42Bをカバー60の内部に侵入可能とする開口部60Fが形成されているため、カバー60の内部でも、位置出し手段42の当接部42Bに第1長寸部材20Aの先端20Bを当接させることができる。
さらに、送り経路41における第1及び第2孔明け手段71,72が配置されている部分には、これらの孔明け手段71,72で第1及び第2長寸部材20A,24に孔明け加工を行うときに、これらの長寸部材20A、24を下方へ押圧するための押圧手段82,83が配置され、これらの押圧手段82,83の駆動部82A,83Aはカバー60の上面60Aに設置されているため、送り経路41における第1及び第2孔明け手段71,72が配置されている部分に、これらの押圧手段82,83を合理的に配置できることになる。
なお、以上の実施形態において、位置出し手段42の当接部42Bがカバー60の内部に侵入する距離を大きくするとともに、前述した1番目のボルト25Aの位置を、第1長寸部材20Aの先端20Bに一層近い位置に設定することにより、すなわち、図2で示した距離L3を距離L1よりも小さい距離に設定することにより、第1ストップ手段92と第2ストップ手段93とを同じストップ手段とし、これにより、第1ストップ手段92と第2ストップ手段93のうち、一方を省略してもよい。