JP5528060B2 - フラット回路体のロック構造 - Google Patents

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本発明は、FPC(Flexible Printed Circuit)やFFC(Flexible Flat Cable)などのフラット回路体をコネクタに固定するフラット回路体のロック構造に関する。
近年、デジタルカメラ、プリンタ、携帯電話機、パソコン等の各種電子機器の内部配線材として、上記のFPCやFFCなどのフラット回路体を使用することが増えている。
従来、上記のフラット回路体の導体や、このフラット回路体の導体パターンに接続されるコネクタ(フラット回路体用コネクタ)の接続端子は、接続性能を向上させるために、その表面に錫−鉛合金(Sn−Pb)メッキを施したものが、広く普及していた。ところが、近年、環境上の問題から、Pbフリー(非鉛)化の要求が高まってきたのに伴って、フラット回路体の導体やコネクタの接続端子には、錫(Sn)メッキが施されるようになってきた。
しかし、錫メッキを施した導体と接続端子との接触部では、錫の摩耗粉等に摺動時の押圧荷重が作用することが原因となって、ウィスカ(針状単結晶)が発生し易い。
前記ウィスカは、メッキ被膜表面に発生したヒゲ状の結晶生成物であり、錫合金あるいは純錫でメッキした場合に発生し易く、発生後には、成長して短絡等の障害を招くことがあった。
次に、基板等に搭載されるコネクタへのフラット回路体のロック構造の従来例と、ウィスカの発生態様を説明する。
図5は、基板等に搭載される従来のコネクタ101のスライダ係合面102と、フラット回路体111の端部に接続されたスライダ112との係合前の状態を示した平面図である。
コネクタ101は、スライダ係合面102の下方に、スライダ挿入部103が配設されている。このスライダ挿入部103には、スライダ112の本体部113と、この本体部113の裏側に支持されたフラット回路体111の不図示の接続端子部と、が挿入される。
スライダ係合面102は、コネクタ101の上面で、スライダ112の挿入方向(図の矢印A方向)に沿う平面である。
スライダ係合面102には、スライダ挿入部103に挿入されたスライダ112を係止するための第1突起105が突設されている。この第1突起105は、図6に示すように、スライダ112の挿入側に傾斜面106を有し、傾斜面106の終端に係止面107を有している。
スライダ112には、図5及び図6に示すように、支持アーム115が延設され、この支持アーム115の先端には、第2突起116が突設されている。
支持アーム115は、図6に示すように、スライダ112がスライダ挿入部103内の規定位置まで挿入されると第1突起105の上を通過するように、スライダ112に延設されている。また、第2突起116は、スライダ112がスライダ挿入部103内の規定位置まで挿入されたときに、第1突起105を乗り越えて係止面107に係合する。
以上に説明した図5及び図6に示した従来例では、フラット回路体111をコネクタ101に固定するフラット回路体のロック構造は、コネクタ101のスライダ係合面102に突設された第1突起105と、該第1突起105に係合するスライダ112の第2突起116などで構成されている。
なお、図示はしていないが、スライダ挿入部103に挿入されるフラット回路体111の接続端子部には、複数の導体パターンが所定の配列ピッチで配列されている。そして、スライダ挿入部103内には、前記接続端子部の導体パターンに摺動接触する接続端子が、導体パターンと同じ配列ピッチで配列されている。
また、スライダ挿入部103内に配備される接続端子は、導体パターンとの接触信頼性を向上させることから、導体パターンに摺動接触する突起状のインデントを装備することが多い。
このようなスライダ挿入部103内に配列される接続端子や、フラット回路体の導体パターンが錫合金あるいは純錫でメッキされている場合、接続端子と導体パターンとが接触する接点部では錫合金や錫の摩耗粉が発生し、これらの摩耗粉に摺動時の押圧荷重が作用することが原因となって、接点部にウィスカが発生する。
図7は、スライダ挿入部103に挿入されたフラット回路体111の接続端子部3上に発生したウィスカW1,W2,W3によって、短絡が生じている状態を示している。
図7において、符号5a,5b,5c,5d,5eは導体パターン、6a,6b,6c,6dは絶縁体部、7a,7b,7c,7d,7eはコネクタ側の接続端子のインデントが接触する接点部、T1,T2,T3は成長したウィスカW1,W2,W3が隣接の導体パターンと接触した短絡箇所である。
それぞれのウィスカW1,W2,W3は、メッキ面に押圧荷重を作用させる接点部7a,7c,7dで発生した後、任意方向に成長して隣の導体パターンに接触すると、短絡障害を招く。
ウィスカの発生自体を防止する方法として、フラット回路体の導体やコネクタの接続端子に施す金属メッキを、金(Au)メッキや、銀(Ag)メッキに変更する方法もある。しかし、このような貴金属によるメッキに変更すると、メッキ処理費が高額化して、製品のコストアップを招くという問題が生じる。
そこで、ウィスカによる障害の発生を安価に防止することを目的として、下記特許文献1、2に示すコネクタが提案されている。
特許文献1に開示されたコネクタは、フラット回路体の接続端子部が挿入されるコネクタハウジングの配線挿入部に、前記接続端子部上の隣接する導体パターン相互を隔絶する隔壁を設けている。前記隔壁は、前記配線挿入部の上を開閉可能に覆うカバーに突設されている。前記カバーを閉じた状態にすると、前記隔壁が前記接続端子部の絶縁体部のスリットを挿通して、前記接続端子部上の隣接する導体パターン相互が隔壁により隔絶される。
特許文献2に開示されたコネクタは、フラット回路体の接続端子部が挿入されるコネクタハウジングの配線挿入部に、前記接続端子部上の隣接する導体パターン相互を隔絶する隔壁ピンを設けている。隔壁ピンは、コネクタハウジング内に弾性変位可能に一体形成された弾性支持部材の先端に幅広の隔壁を設けたものである。隔壁は、コネクタ側の接続端子であるコンタクトピンと前記接続端子部上の導体パターンとが導通接触する接点部の側方で、前記接続端子部に押圧接触して、前記接続端子部上の隣接する導体パターン間を部分的に隔絶する。
以上の特許文献1や特許文献2の技術は、ウィスカの発生自体を防止するのではなく、発生したウィスカが成長しても短絡等の障害が発生しないように、ウィスカの成長方向をコネクタハウジングに装備した隔壁により規制するものである。フラット回路体の導体やコネクタの接続端子に施す金属メッキは、安価な錫メッキや錫合金メッキにすることができるため、コスト低減を図ることができる。
特開2008−77916号公報 特開2008−192464号公報
ところが、上記特許文献1の技術では、コネクタにフラット回路体を接続する際には、コネクタハウジングに一体形成した多数の隔壁と、フラット回路体に形成した多数のスリットの位置とを正確に位置合わせする手間が必要となり、組立性が低下するという問題が生じた。
また、上記特許文献2の技術は、隔壁をフラット回路体の接続端子部に押圧接触させるため、フラット回路体をコネクタの配線挿入部に挿入する際の挿入抵抗が大きくなり、フラット回路体をコネクタに接続する際の操作性が低下するという問題が生じた。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、ウィスカによる障害の発生を防止することができ、しかも、フラット回路体をコネクタに接続する際の操作性や組立性を向上させることができるフラット回路体のロック構造を提供することにある。
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1)フラット回路体の接続端子部を支持したスライダが挿入されるスライダ挿入部を有したコネクタに前記スライダの挿入方向に沿って形成されたスライダ係合面と、
このスライダ係合面に突設された第1突起と、
前記スライダを前記スライダ挿入部内の規定位置まで挿入したときに前記第1突起の上を通過するように前記スライダに延設された支持アームと、
前記スライダを前記スライダ挿入部内の規定位置まで挿入したときに前記第1突起を乗り越えるように前記支持アームの先端側に突設された第2突起と、
前記第2突起に一体形成されて、前記スライダを前記規定位置から規定距離だけ引き戻すと前記第1突起に形成されたロック用凹部に係合して、前記第2突起のスライダ挿抜方向への移動が規制されるロック突起と、
を備えることを特徴とするフラット回路体のロック構造。
(2)前記第1突起は、前記スライダ係合面から該係合面の奥側に向かって傾斜状態に突設された誘導弾性片と、該誘導弾性片の先端側から前記スライダ係合面に向かって突設されて前記誘導弾性片の先端から基端側に所定距離だけ戻った位置で前記誘導弾性片の裏面との間に前記ロック用凹部を形成する裏側突起と、を備え、
前記第2突起は、前記スライダが前記スライダ挿入部内の前記規定位置に到達する途中で前記誘導弾性片に当接するように前記支持アームの先端から前記スライダ係合面に向かって延設されて、前記スライダが前記規定位置に到達したときに前記誘導弾性片を乗り越えて先端側が前記裏側突起の先方の前記スライダ係合面付近に位置決めされる支持片と、この支持片の先端に突設された前記ロック突起と、を備えることを特徴とする上記(1)に記載のフラット回路体のロック構造。
(3)前記支持アーム及び支持片の少なくとも一方は、前記第1突起との係合操作時に弾性変位可能な可撓弾性片であることを特徴とする上記(2)に記載のフラット回路体のロック構造。
(4)前記第2突起が前記第1突起を乗り越えるとき、及び前記ロック突起が前記ロック用凹部に係合するときには、それぞれ一定以上の音量の作動音が発生することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のフラット回路体のロック構造。
(5)前記コネクタの外面に、前記ロック突起が前記ロック用凹部に係合したことを目視確認可能にする合わせマークが設けられたことを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のフラット回路体のロック構造。
上記(1)の構成によれば、フラット回路体をコネクタにロックする(接続する)際の操作は、フラット回路体に取り付けられているスライダをコネクタのスライダ挿入部に規定位置まで挿入して、第2突起が第1突起を乗り越えた状態にした後、スライダを規定位置から規定距離だけ引き戻して、第1突起に形成されたロック用凹部に第2突起のロック突起を係合させるものである。
このようなフラット回路体のロック構造では、スライダを規定位置まで挿入したときに、フラット回路体の導体パターンとコネクタ側の接続端子との摺動によって接点部に発生した摩耗粉は、スライダを規定位置まで挿入したときの接点部の位置P1に取り残され、スライダを規定位置から規定距離だけ引き戻したときの接点部の位置P2には摩耗粉が残っていない。
そのため、接点部から摩耗粉に押圧荷重が作用することがなく、接点部にウィスカが発生することを防止することができる。従って、ウィスカによる障害の発生を防止することができる。
しかも、上記(1)の構成によれば、フラット回路体をコネクタに接続する際の操作性や組立性の低下を招くウィスカ対策の隔壁が必要ないため、フラット回路体をコネクタに接続する際の操作性や組立性を向上させることもできる。
上記(2)の構成によれば、スライダをコネクタのスライダ挿入部に規定位置まで挿入したときに第2突起が第1突起を乗り越えた状態になり、その後、スライダを規定位置から規定距離だけ引き戻すと、第1突起に形成されたロック用凹部に第2突起のロック突起が係合するという本発明のロック構造の動作を確実に実現することができる。
上記(3)の構成によれば、第2突起が第1突起を乗り越える動作時に、支持アーム及び支持片の少なくとも一方に採用した可撓弾性片が撓み変形することで、乗り越え動作を容易にすることができ、フラット回路体をコネクタに接続する際の操作性の向上を図ることができる。
上記(4)の構成によれば、コネクタにフラット回路体を接続する作業を行う作業者は、スライダが確実に規定位置まで挿入されたか否か、スライダが規定位置から確実に規定距離だけ引き戻されてロック用凹部にロック突起が係合したか否か等を、作動音により容易に判定することができ、取り扱い性が向上する。
上記(5)の構成によれば、コネクタにフラット回路体を接続する作業を行う作業者は、作業を完了したとき、コネクタ外面の合わせマークの位置を目視することで、適正に接続が完了したか否かを簡単に判別することができ、ロック構造の途中嵌合等を見落とすことを防止することができる。
本発明によるフラット回路体のロック構造によれば、スライダをコネクタのスライダ挿入部に規定位置まで挿入した後、規定位置から規定距離だけ引き戻すことで、フラット回路体の固定が完了する構成で、コネクタの接続端子とフラット回路体の導体パターンとの間の接点部に摩耗粉が存在しない状態で、フラット回路体の固定を終える。そのため、ウィスカによる障害の発生を防止することができる。しかも、フラット回路体をコネクタに接続する際の操作性や組立性の低下を招くウィスカ対策の隔壁が必要ないため、フラット回路体をコネクタに接続する際の操作性や組立性を向上させることができる。
本発明に係るフラット回路体のロック構造を用いたコネクタとフラット回路体の一実施形態の平面図である。 図1に示したフラット回路体のロック構造の縦断面図である。 図1に示したフラット回路体のロック構造の係合手順の説明図である。 図1のフラット回路体のロック構造でコネクタに接続されたフラット回路体の接続端子部における接点部の状態の説明図である。 従来のコネクタにおけるフラット回路体のロック構造を示す平面図である。 図5に示したフラット回路体のロック構造の縦断面図である。 フラット回路体の導体パターン相互がウィスカによって短絡する状態の説明図である。
以下、本発明に係るフラット回路体のロック構造の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、フラット回路体のロック構造を用いたコネクタとフラット回路体の一実施形態の平面図である。図2は、図1に示したフラット回路体のロック構造の縦断面図である。図3は、図1に示したフラット回路体のロック構造の係合手順の説明図である。
図1に示したコネクタ11は、基板等に搭載されるコネクタで、上面がスライダ係合面13となっている。そして、スライダ係合面13の下方に、スライダ挿入部15が配設されている。このスライダ挿入部15には、フラット回路体21に接続されたスライダ31の本体部32と、この本体部32の裏側に支持されたフラット回路体21の接続端子部23(図4参照)と、が挿入される。
スライダ係合面13は、スライダ31の挿入方向(図の矢印B方向)に沿って形成された平面である。
本実施形態のフラット回路体のロック構造は、スライダ挿入部15にスライダ31が適正に挿入されると、スライダ31をロックすることにより、フラット回路体21をコネクタ11に固定するものである。
本実施形態におけるフラット回路体のロック構造は、図1及び図2に示すように、上記のスライダ係合面13と、このスライダ係合面13に突設された第1突起17と、スライダ31に延設された支持アーム34と、支持アーム34の先端側に突設された第2突起35と、第1突起17に形成されたロック用凹部173と、ロック用凹部173に係合するロック突起353と、を備えている。
第1突起17は、図3(a)に示すように、スライダ係合面13から該係合面13の奥側(図では、左側)に向かって傾斜状態に突設された誘導弾性片171と、該誘導弾性片171の先端側からスライダ係合面13に向かって突設された裏側突起172と、を備えている。
裏側突起172は、誘導弾性片171の先端(即ち、第1突起17の先端17a)から基端側に所定距離L1だけ戻る傾斜面172aと、この傾斜面172aの先端から鉛直上方に延びる係止面172bとを具備した突起である。この裏側突起172は、誘導弾性片171の先端から基端側に所定距離L1だけ戻った位置の係止面172bと誘導弾性片171の裏面との間に、ロック用凹部173を形成している。
支持アーム34は、図3(c)に示すように、スライダ31をスライダ挿入部15内の規定位置まで挿入したときに前記第1突起17の上を通過するようにスライダ31に延設されている。
第2突起35は、スライダ31をスライダ挿入部15内の規定位置まで挿入したときに図3(c)に示したように第1突起17を乗り越えるように、支持アーム34の先端側に突設されている。
前記規定位置とは、第2突起35の後端(図では、右端)35aが、図3(c)に示した位置H1に到達する位置である。この位置H1は、図3(c)に示すように、第2突起35の後端35aが第1突起17の先端(図では、左端)17aを乗り越える位置である。また、図3(c)に示した位置H2は、裏側突起172の係止面172bの位置である。また、寸法L3は、スライダ31の挿抜方向に沿うロック突起353の長さである。
第2突起35の構造について、更に詳しく説明する。
第2突起35は、図3(a)に示すように、支持片351と、ロック突起353と、を備えている。
支持片351は、スライダ31をスライダ挿入部15に挿入する操作時に、図3(b)に示すように、スライダ31がスライダ挿入部15内の規定位置に到達する途中で誘導弾性片171に当接するように、支持アーム34の先端に延設されている。
また、支持片351は、支持アーム34の先端からスライダ係合面13に向かって延設されている。また、支持片351は、図3(c)に示すように、スライダ31が前記規定位置に到達したときに、誘導弾性片171を乗り越えて、その先端351a側が裏側突起172の先方(図3では、左方)のスライダ係合面13付近に位置決めされる。
ロック突起353は、図3(a)に示すように、第2突起35に一体形成されている。このロック突起353は、支持片351の先端に突設されていて、スライダ31を規定位置から規定距離L2(図3(c)参照)だけ引き戻すと、図3(d),(e)に示すように、第1突起17に形成されたロック用凹部173に係合して、第2突起35のスライダ挿抜方向(図3では、左右方向)への移動が規制される。
本実施形態の場合、スライダ31の支持アーム34、及び第2突起35の一部を構成している支持片351は、何れも、第1突起17との係合操作時に弾性変位可能な可撓弾性片となっている。
また、本実施形態の場合、第2突起35が第1突起17を乗り越えるとき、及びロック突起353がロック用凹部173に係合するときには、それぞれ一定以上の音量の作動音が発生するように、各部の寸法等が設定されている。
更に、本実施形態では、図1に示すように、コネクタ11の外面であるスライダ係合面13の周辺に、ロック突起353がロック用凹部173に係合したことを目視確認可能にする合わせマーク41が設けられている。
この合わせマーク41は、ロック突起353がロック用凹部173に係合したときに、例えば支持アーム34上の特定位置に位置が一致するように設定されている。即ち、前記特定位置と合わせマーク41との位置がずれているときには、一目で、ロック突起353とロック用凹部173との係合が完了していないことが判別できるようになっている。
以上に説明したフラット回路体のロック構造では、フラット回路体21のスライダ31をコネクタ11のスライダ挿入部15に挿入開始すると、図3(a)に矢印F1で示すように、スライダ31の第2突起35がスライダ係合面13の第1突起17に向かって進む。そして、図3(b)に矢印F2で示すようにスライダ31の挿入が進むと、スライダ挿入部15内の規定位置に到達する途中で、第2突起35が第1突起17の上に乗り上げる。このとき、支持アーム34や第2突起35の支持片351、第1突起17の誘導弾性片171などが撓み変形して、第1突起17に対する第2突起35の乗り上げを容易にする。
そして、スライダ31がスライダ挿入部15内の規定位置まで挿入されると、図3(c)に示すように、第2突起35が第1突起17を乗り越えて、第2突起35の支持片351は、その先端351a側が裏側突起172の先方(図3では、左方)のスライダ係合面13付近に位置決めされる。
そして、図3(d)に矢印K1で示すように、スライダ31がスライダ挿入部15内の規定位置から引き戻されると、第2突起35のロック突起353が第1突起17のロック用凹部173に係合する動作が始まる。
スライダ31がスライダ挿入部15内の規定位置から規定距離(図3(c)に示した距離L2)だけ引き戻されると、図3(e)に示すように、第2突起35のロック突起353が第1突起17のロック用凹部173に係合する。
ロック用凹部173にロック突起353が係合した状態は、所謂ロック状態で、第2突起35はスライダ挿入方向及び抜き出し方向の何れにも、移動不可に位置規制される。
以上に説明した一実施形態のフラット回路体のロック構造では、フラット回路体21をコネクタ11にロックする(接続する)際の操作は、フラット回路体21に取り付けられているスライダ31をコネクタ11のスライダ挿入部15に規定位置まで挿入して、図3(c)に示したように第2突起35が第1突起17を乗り越えた状態にした後、スライダ31を規定位置から規定距離だけ引き戻して、図3(e)に示したように第1突起17に形成されたロック用凹部173に第2突起35のロック突起353を係合させるものである。
図4は、フラット回路体のロック構造がロック状態になったときに、スライダ挿入部15内の接続端子に接続されたフラット回路体21の接続端子部23における接点部の状態の説明図である。
図中の符号25a,25b,25c,25d,25eは接続端子部23に配置された導体パターンである。符号26a,26b,26c,26dは導体パターン間の絶縁体部である。符号27a,27b,27c,27d,27eは、スライダ31を規定位置まで挿入したときの各導体パターン上の接点部である。符号28a,28b,28c,28d,28eは、スライダ31を規定位置から規定距離だけ引き戻してロック状態となったときの各導体パターン上の接点部である。また、図中のUターン矢印Vは、スライダ31と一体に移動する接続端子部23のロック状態になるまでの接続端子部23の移動方向を示している。
図4に示したように、本実施形態のフラット回路体のロック構造では、スライダ31を規定位置まで挿入したときに、フラット回路体21の各導体パターン25a,25b……とコネクタ11側の各接続端子との摺動によって接点部に発生した摩耗粉29は、スライダ31を規定位置まで挿入したときの接点部27a〜27eの位置P1に取り残され、スライダ31を規定位置から規定距離だけ引き戻したときの接点部28a〜28eの位置P2には摩耗粉29が残っていない。
そのため、コネクタ11にロックされたコネクタ11の接点部28a〜28eから摩耗粉29に押圧荷重が作用することがなく、接点部28a〜28eにウィスカが発生することを防止することができる。従って、ウィスカによる障害の発生を防止することができる。
しかも、本実施形態のフラット回路体のロック構造の構成によれば、フラット回路体をコネクタに接続する際の操作性や組立性の低下を招くウィスカ対策の隔壁が必要ないため、フラット回路体21をコネクタ11に接続する際の操作性や組立性を向上させることもできる。
また、本実施形態のフラット回路体のロック構造では、第1突起17は、誘導弾性片171と、裏側突起172とを備えている。そして、誘導弾性片171は、スライダ係合面13から該係合面13の奥側に向かって傾斜状態に突設されている。また、裏側突起172は、該誘導弾性片171の先端側からスライダ係合面13に向かって突設されていて、誘導弾性片171の先端から基端側に所定距離L1だけ戻った位置で誘導弾性片171の裏面との間にロック用凹部173を形成する構成である。
更に、本実施形態のフラット回路体のロック構造では、第2突起35は、支持片351と、ロック突起353とを備えている。そして、支持片351は、スライダ31がスライダ挿入部15内の規定位置に到達する途中で誘導弾性片171に当接するように、支持アーム34の先端からスライダ係合面13に向かって延設されている。この支持片351は、スライダ31が規定位置に到達したときに、誘導弾性片171を乗り越えて、先端側が裏側突起172の先方のスライダ係合面13付近に位置決めされる。また、第2突起35を構成するロック突起353は、支持片351の先端に突設されている。
このような構成を成した本実施形態のフラット回路体のロック構造では、スライダ31をコネクタ11のスライダ挿入部15に規定位置まで挿入したときに図3(c)に示したように第2突起35が第1突起17を乗り越えた状態になり、その後、スライダ31を規定位置から規定距離だけ引き戻すと、第1突起17に形成されたロック用凹部173に第2突起35のロック突起353が係合するという本発明のロック構造の動作を確実に実現することができる。
また、本実施形態のフラット回路体のロック構造は、支持アーム34及び支持片351が、何れも、第1突起17との係合操作時に弾性変位可能な可撓弾性片を採用している。そのため、第2突起35が第1突起17を乗り越える動作時に、可撓弾性片である支持アーム34及び支持片351が撓み変形することで、乗り越え動作を容易にすることができ、フラット回路体21をコネクタ11に接続する際の操作性の向上を図ることができる。
また、本実施形態のフラット回路体のロック構造は、第2突起35が第1突起17を乗り越えるとき、及びロック突起353がロック用凹部173に係合するときには、それぞれ一定以上の音量の作動音が発生する。
そのため、コネクタ11にフラット回路体21を接続する作業を行う作業者は、スライダ31が確実に規定位置まで挿入されたか否か、スライダ31が規定位置から確実に規定距離だけ引き戻されてロック用凹部173にロック突起353が係合したか否か等を、作動音により容易に判定することができ、取り扱い性が向上する。
また、本実施形態のフラット回路体のロック構造は、コネクタ11の外面に、ロック突起353がロック用凹部173に係合したことを目視確認可能にする合わせマーク41が設けられている。
そのため、コネクタ11にフラット回路体21を接続する作業を行う作業者は、作業を完了したとき、コネクタ11外面の合わせマークの位置を目視することで、適正に接続が完了したか否かを簡単に判別することができ、ロック構造の途中嵌合等を見落とすことを防止することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、支持アーム34及び支持片351の双方を、第1突起17との係合操作時に弾性変位可能な可撓弾性片とした。しかし、支持アーム34又は支持片351の何れか一方のみを第1突起17との係合操作時に弾性変位可能な可撓弾性片として、他方は剛体構造としても良い。
また、ロック突起353がロック用凹部173に係合したことを目視確認可能にする合わせマークの装備位置も、適宜設計変更することができる。
11 コネクタ
13 スライダ係合面
15 スライダ挿入部
17 第1突起
21 フラット回路体
23 接続端子部
25a,25b,25c,25d,25e 導体パターン
28a,28b,28c,28d,28e 接点部
31 スライダ
32 本体部
34 支持アーム
35 第2突起
41 合わせマーク
171 誘導弾性片
172 裏側突起
173 ロック用凹部
351 支持片
353 ロック突起

Claims (2)

  1. フラット回路体の接続端子部を支持したスライダが挿入されるスライダ挿入部を有したコネクタに前記スライダの挿入方向に沿って形成されたスライダ係合面と、
    このスライダ係合面に突設された第1突起と、
    前記スライダを前記スライダ挿入部内の規定位置まで挿入したときに前記第1突起の上を通過するように前記スライダに延設された支持アームと、
    前記スライダを前記スライダ挿入部内の規定位置まで挿入したときに前記第1突起を乗り越えるように前記支持アームの先端側に突設された第2突起と、
    前記第2突起に一体形成されて、前記スライダを前記規定位置から規定距離だけ引き戻すと前記第1突起に形成されたロック用凹部に係合して、前記第2突起のスライダ挿抜方向への移動が規制されるロック突起と、
    を備えることを特徴とするフラット回路体のロック構造。
  2. 前記第1突起は、前記スライダ係合面から該係合面の奥側に向かって傾斜状態に突設された誘導弾性片と、該誘導弾性片の先端側から前記スライダ係合面に向かって突設されて前記誘導弾性片の先端から基端側に所定距離だけ戻った位置で前記誘導弾性片の裏面との間に前記ロック用凹部を形成する裏側突起と、を備え、
    前記第2突起は、前記スライダが前記スライダ挿入部内の前記規定位置に到達する途中で前記誘導弾性片に当接するように前記支持アームの先端から前記スライダ係合面に向かって延設されて、前記スライダが前記規定位置に到達したときに前記誘導弾性片を乗り越えて先端側が前記裏側突起の先方の前記スライダ係合面付近に位置決めされる支持片と、この支持片の先端に突設された前記ロック突起と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のフラット回路体のロック構造。
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