JP5527902B2 - シリコンウェーハの熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンウェーハの熱処理方法に関し、特に、中性子照射(NTD:Neutron Transmutation Doping)を施したシリコンウェーハの抵抗率回復を目的とする熱処理や、シリコンウェーハの基板極表面や基板内部のCOP(Crystal Originated Particle)等のGrown−in欠陥を低減させてデバイス特性の向上を図ることを目的とする熱処理を同時に行うことができるシリコンウェーハの熱処理方法に関する。
半導体デバイスは、IC(集積回路)と、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等のディスクリート素子とに大別される。いずれも、主に、シリコンウェーハ(以下、単に、ウェーハともいう)を基板材料として製造されるが、そのデバイス形成領域は、ICの場合には基板の極表面に限られるのに対して、ディスクリート素子の場合は、基板の厚さ方向全体を用いる点で相違する。
従って、特に、シリコンウェーハをディスクリート素子用として使用する場合には、デバイス特性向上のため、基板の極表面のみならず、基板内部のCOP等を低減させることが要求されている。
このような要求に際し、特許文献1では、シリコンウェーハを少なくとも2枚以上積層して一群となし、一群以上のシリコンウェーハを垂直方向にスタック配置し、前記一群のウェーハを水平もしくは一方側を水平より上方へ傾斜させて熱処理する方法が開示されており、また、本方法において、ウェーハ最下層に高温強度に優れた材質、例えばSi、SiC、セラミックス、アルミナ等の円板もしくはリングを設置することにより転位又はスリップを発生させることがないこと、酸素単独、もしくは酸素含有雰囲気で熱処理するとウェーハ同士の接着が防止されること、必要に応じて熱処理するウェーハが研磨処理されていない、あるいは仕上げ研磨処理されていないものを用いた場合は、特にウェーハ同士の接着が防止されることが記載されている。
また、特許文献2では、CZ法により製造されたウェーハに対して酸化処理を行う工程と、前記ウェーハを複数枚積み重ねる工程と、前記複数枚積み重ねられたウェーハに対して、少なくとも1300℃近傍の温度で超高温熱処理を行うことにより、各ウェーハ中に存在するボイド欠陥を消滅させる工程とを含む欠陥消滅方法が開示されている。
特開平10−74771号公報 国際公開WO2003/56621パンフレット
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法は、積層するウェーハ数を多くすればするほど積層するウェーハへの自重応力が増加するため、ウェーハブロックの最下部のウェーハのみならず、積層したウェーハ相互間においてもスリップ転位が発生する場合があり、また、当該自重応力の増加によりウェーハ相互間が接着される可能性も高くなり、これらを防止するためには更なる改良が必要であった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、積層するウェーハ数を多くした場合でも、積層したウェーハ相互間においてスリップ転位の発生を抑制することができ、また、積層したウェーハ相互間の接着を抑制し、剥離性を高めることができるシリコンウェーハの熱処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係るシリコンウェーハ熱処理方法は、シリコンウェーハの平面全体にシリカパウダーを散布させて、該シリコンウェーハの平面同士を複数枚積層してウェーハブロックを形成し、該ウェーハブロックの最下部のシリコンウェーハの平面のみを第1熱処理用部材の一面上に全面支持させて該ウェーハブロックを水平保持させると共に、第2熱処理用部材により前記水平保持させたウェーハブロックの外周囲全体を囲繞させて、1270℃以上シリコンの融点以下の最高到達温度で熱処理を行うことを特徴とする。
少なくとも前記ウェーハブロックの最上部のシリコンウェーハをダミーウェーハとしてウェーハブロックを形成することが好ましい。
前記最高到達温度における熱処理時間は、5分以上10時間以下であることが好ましい。
本発明によれば、積層するウェーハ数を多くした場合でも、積層したウェーハ相互間においてスリップ転位の発生を抑制することができ、また、積層したウェーハ相互間の接着を抑制し、剥離性を高めることができるシリコンウェーハの熱処理方法が提供される。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法に使用される熱処理炉の一例を示す概念図である。 図1に示す熱処理炉をA−A線で切った時の縦断面を示す概念図である。 図2に示す熱処理用部材をB−B線で切った時の縦断面を示す概念図である。 ウェーハブロックWを保持した状態の熱処理用部材30を斜視方向から見た概念図である。 熱処理用部材30にウェーハブロックWを保持する態様を説明するための概念図である。 熱処理用部材30の支持ピン38の一例を説明するための概念図である。 本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法に使用される熱処理炉の他の一例を示す概念図である。 図7に示す熱処理炉をC−C線で切った時の縦断面を示す概念図である。 図8に示す熱処理用部材をD−D線で切った時の縦断面を示す概念図である。
以下、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法について、実施の形態及び実施例を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法に使用される熱処理炉の一例を示す概念図である。図2は、図1に示す熱処理炉をA−A線で切った時の縦断面を示す概念図である。また、図3は、図2に示す熱処理用部材をB−B線で切った時の縦断面を示す概念図である。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、例えば、図1に示すように、水平状態に配置され、一側にプロセスガスPが導入されるプロセスガス導入口10aが設けられ、他側に炉口10bが設けられた炉本体10と、前記炉口10bを閉塞する閉塞体15と、前記炉本体10内を加熱する加熱体20とを備える横型熱処理炉1が用いられ、熱処理用部材30を用いて複数のシリコンウェーハを前記炉本体10内に保持して、好ましくは、前記複数のシリコンウェーハを保持した熱処理用部材30を炉本体10内の水平方向に複数保持して1270℃以上シリコンの融点以下の最高到達温度で熱処理を行う。
前記熱処理用部材30による複数のシリコンウェーハの保持は、図3に示すように、シリコンウェーハWの平面全体にシリカパウダーを散布させて、該シリコンウェーハWの平面同士を複数枚積層してウェーハブロックWを形成し、該ウェーハブロックWの最下部のシリコンウェーハWの平面のみを第1熱処理用部材32の一面上に全面支持させて該ウェーハブロックWを水平保持させると共に、第2熱処理用部材34により前記水平保持させたウェーハブロックWの外周囲全体を囲繞させて行う。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、このような方法により複数のシリコンウェーハを保持して熱処理を行うため、積層するウェーハ数を多くした場合でも、積層したウェーハ相互間においてスリップ転位の発生を抑制することができ、また、積層したウェーハ相互間の接着を抑制し、剥離性を高めることができる。
詳しくは、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、シリコンウェーハWの平面全体にシリカパウダーを散布させて、該シリコンウェーハWの平面同士を複数枚積層してウェーハブロックWを形成しているため、積層するウェーハ数を多くした場合でも、当該シリカパウダーによって積層したウェーハ相互間の直接的な接着を抑制することができる。
なお、シリカパウダーの散布をその一部のみ(例えば、ウェーハ中心部のみやウェーハ外周部のみ)に行った場合は、自重応力が大きいため、シリカパウダーを散布していない部分が直接的に接着してしまい、剥離性が悪化するため好ましくない。
また、該ウェーハブロックWの最下部のシリコンウェーハWの平面のみを第1熱処理用部材32の一面上に全面支持させて該ウェーハブロックWを水平保持させると共に、第2熱処理用部材34により前記水平保持させたウェーハブロックWの外周囲全体を囲繞させて熱処理を行うため、当該平面の外周部のみをリング状に支持する場合や、外周部のみを点支持する場合(すなわち、上記特許文献1に記載された支持の場合)よりも、ウェーハブロックWの最下部のシリコンウェーハWを含むウェーハブロックWの積層方向及びウェーハブロックWを構成するシリコンウェーハWの面内径方向の熱均一性を図ることができる。従って、積層されたシリコンウェーハWの各々における熱変形ばらつきを抑制することができるため、積層するウェーハ数を多くした場合でも、ウェーハブロックWの最下部のシリコンウェーハWを含むウェーハブロックW全体においてスリップ転位の発生を抑制することができる。
また、前記熱処理は1270℃以上シリコンの融点以下の最高到達温度で行う。
前記最高到達温度が1270℃未満である場合には、シリコンウェーハ内(極表面及び内部)のCOP等を消滅させる効果が低いため好ましくない。前記最高到達温度がシリコンの融点を超える場合には、シリコンウェーハWが溶解してしまうため好ましくない。
また、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、このような温度範囲内で熱処理を行うため、中性子照射(NTD:Neutron Transmutation Doping)を施したシリコンウェーハの抵抗率回復を目的とする熱処理、及びシリコンウェーハの基板極表面や基板内部のCOP(Crystal Originated Particle)等のGrown−in欠陥を低減させてデバイス特性の向上を図ることを目的とする熱処理の両方の効果を有する熱処理を行うことができる。
好ましくは、シリコンウェーハ内(極表面及び内部)のCOP等を確実に消滅させる観点から、前記最高到達温度は、1300℃以上シリコンの融点以下であることが好ましい。
また、前記最高到達温度の上限値は使用する熱処理炉や熱処理用部材の寿命等の観点から、1340℃以下であることが好ましい。
次に、本発明のシリコンウェーハの熱処理方法に使用される熱処理用部材30について具体的態様を説明する。
図4は、ウェーハブロックWを保持した状態の熱処理用部材30を斜視方向から見た概念図であり、図5は、熱処理用部材30にウェーハブロックWを保持する態様を説明するための概念図である。
本発明のシリコンウェーハの熱処理方法に使用される熱処理用部材30は、図4に示すように、ウェーハブロックWの最下部のシリコンウェーハWの平面のみを一面上に全面支持させて該ウェーハブロックWを水平保持する第1熱処理用部材32と、前記第1熱処理用部材32の一面に対向する対向面に設けられ、前記第1熱処理用部材32の一面を炉本体10内で水平保持するための水平保持部材36と、前記第1熱処理用部材32の一面上に設けられ、前記水平保持させたウェーハブロックWの外周囲全体を囲繞させる第2熱処理用部材34と、前記第2熱処理用部材34を前記第1熱処理用部材32の一面上に着脱可能に支持するための支持ピン38と、を備える。
支持ピン38は、例えば、図6に示すように、円柱形状のものや、ピン形状のものが用いられる。
第1熱処理用部材32、第2熱処理用部材34、水平保持部材36及び支持ピン38は、Si又はSiCで構成されている。
前記熱処理用部材30にウェーハブロックWを水平保持する場合は、図5に示すように、第1熱処理用部材32の一面における所定位置に、ウェーハブロックWの最下部のシリコンウェーハWの平面のみを全面支持させてウェーハブロックWを水平保持させた後、前記水平保持させたウェーハブロックの外周囲全体を囲繞するように第2熱処理用部材34を前記第1熱処理用部材32の一面上の支持ピン38の間に着脱可能に支持することで行う。
少なくとも前記ウェーハブロックWの最上部のシリコンウェーハWをダミーウェーハとしてウェーハブロックWを形成することが好ましい。
ウェーハブロックWの上方には、熱処理用部材30が設けられておらず、直接的に加熱体20の熱の影響を受けるため、ウェーハブロックWの上方(特に、最上部のシリコンウェーハW)においてはウェーハブロックWの積層方向の熱均一性が阻害される場合があるため、ウェーハブロックWの上方(特に、最上部のシリコンウェーハW)とその下方のシリコンウェーハWとの間で熱変形ばらつきが生じるため、ウェーハブロックWの上方(特に、最上部のシリコンウェーハW)に、スリップが発生する場合がある。
従って、以上の構成とすることで、製品へのスリップの発生を抑制することができるため、製品歩留向上に寄与することができる。
なお、第1熱処理用部材30の一面と接触するウェーハブロックWの最下部のシリコンウェーハWにスリップ転位が発生する場合には、当該最下部のシリコンウェーハWもダミーウェーハとしてウェーハブロックWを形成することが好ましい。
ウェーハブロックWは、積層前の各々のシリコンウェーハWの平面全体に周知の方法(例えば、スポンジにシリカパウダーをまぶして散布)によりシリカパウダーを散布させて、該シリコンウェーハWの平面同士を貼り合わせて複数枚積層していくことで形成することができる。
前記シリカパウダーの平均粒径は、10μm以上80μm以下であることが好ましい。
前記シリカパウダーの平均粒径が10μm未満である場合には、積層前の各々のシリコンウェーハの平面全体にシリカパウダーを付着させる際、シリカパウダーの飛散が大きくなるため、作業性が低下する場合がある。前記平均粒径が80μmを超える場合には、シリカパウダーを構成するシリカ粒子間に空隙が発生し、この空隙からウェーハブロックWの上方のウェーハ相互間にはプロセスガスPが流入しやすくなるため、ウェーハブロックWの積層方向の熱均一性が阻害される場合があり、スリップ転位が発生する場合がある。
前記ウェーハブロックWの外周囲全体を囲繞させる第2熱処理用部材34の内壁とウェーハブロックWの外周との距離D(図3参照)は、積層するシリコンウェーハWの直径の3%以上6%以下であることが好ましい。すなわち、シリコンウェーハWの直径が150mmである場合には、距離Dは、4mm以上9mm以下であることが好ましい。
前記距離DがシリコンウェーハWの直径の3%未満である場合には、図5に示すように、第2熱処理用部材34を第1熱処理用部材32の一面上に設置する際に、ウェーハブロックWの外周部と第2熱処理用部材34の内壁とが接触し、ウェーハブロックWを構成するシリコンウェーハWの外周部や第2熱処理用部材34の内壁に欠けが生じる場合がある。前記距離DがシリコンウェーハWの直径の6%を超える場合には、第2熱処理用部材34の内壁とウェーハブロックWの外周との間にプロセスガスPが流入しやすくなるため、ウェーハブロックWの積層方向及びウェーハブロックWを構成するシリコンウェーハWの面内径方向の熱均一性が阻害される場合があり、スリップ転位が発生する場合がある。
前記ウェーハブロックWの高さWと、第2熱処理用部材34の高さUとの差D(図3参照)は、0mm以上であること、すなわち、高さWと高さUは、W≦Uの関係を満たすことが好ましい。
前記関係がW>Uとなる場合には、前記ウェーハブロックWの上方が第2熱処理用部材34に囲繞されない状態となるため、ウェーハブロックWの積層方向の熱均一性が阻害される場合があり、スリップ転位が発生する場合がある。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、少なくとも前記ウェーハブロックWの最上部のシリコンウェーハWをダミーウェーハとしてウェーハブロックWを形成し、かつ、前記ウェーハブロックWの高さWと、第2熱処理用部材34の高さUを、W≦Uの関係を満たすようにすることがより好ましい。
このような構成とすることで、ウェーハブロックWの積層方向の熱均一性を確実に保つことができるため好ましい。
図7は、本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法に使用される熱処理炉の他の一例を示す概念図である。図8は、図7に示す熱処理炉をC−C線で切った時の縦断面を示す概念図である。また、図9は、図8に示す熱処理用部材をD−D線で切った時の縦断面を示す概念図である。
図7から図9で説明するシリコンウェーハの熱処理方法は、前述した第2熱処理用部材34が第2熱処理用部材34Aに置き換えられた構成を有している。その他は、上述した図1から図6に示す構成と同様であるため説明を省略する。
前記第2熱処理用部材は、前記第2熱処理用部材の上端から縦方向下方に向かって長軸を有し、かつ前記縦方向と垂直する水平方向に短軸を有する長方形形状のスリット(図番50)が、前記第2熱処理用部材の周面方向に複数設けられていることが好ましい。
このようなスリット50を前記第2熱処理用部材34Aの周面方向に複数設けることで、熱処理中、ウェーハブロックWの周面と前記第2熱処理部材34Aの内面との間にプロセスガスPを供給することができ、かつ、ウェーハブロックWの周面方向にプロセスガスPのガス流れを作ることができる。
従って、ウェーハブロックWの積層方向における温度差をより小さくすることができるため、積層したウェーハ相互間においてスリップ転位の発生を抑制することができる。
なお、前記スリット50が単数で構成されている場合は、前記ウェーハブロックWの周面方向のガス流れを作ることが難しく、ウェーハブロックWの積層方向における温度差をより小さくすることが難しい。
前記スリット50は、前記第2熱処理用部材34Aの周面方向全周に渡って所定の間隔を有して等間隔で複数設けられていることがより好ましい。
このような構成とすることで確実に前記ウェーハブロックWの周面方向のガス流れを作ることができる。
前記スリット50の長さSD1は、第2熱処理用部材34Aの高さUの20%以上70%以下であることが好ましい。
前記長さSD1が前記高さUの20%未満である場合には、当該スリット50から導入されたプロセスガスPがウェーハブロックWの積層方向における周面全体に供給されにくい場合があり、この場合はプロセスガスPが供給される位置とされない位置とで温度差が生じ、スリップ転位の発生を抑制することが難しい場合がある。前記長さSD1が前記高さUの70%を超える場合には、第2熱処理用部材34Aとしての強度低下につながる場合がある。
前記スリット50の幅SD2は、好ましくは、5mm以上15mm以下である。
前記最高到達温度における熱処理時間は、5分以上10時間以下であることが好ましい。
前記熱処理時間が5分未満である場合には、基板極表面や基板内部のCOP等を低減させる効果が低い場合がある。前記熱処理時間が10時間を超える場合には、熱処理時間が長くなるため生産性が低下する場合があり、また、スリップ転位の発生やウェーハ内への金属不純物の汚染等、他の問題が発生する場合がある。
前記熱処理に使用されるプロセスガスPは、酸素分圧が80%以上の酸素含有ガス又は酸素100%ガスを用いることが好ましく、前記酸素含有ガスにおける酸素以外のガスはアルゴンガスであることが好ましい。
このような構成とすることで、積層したウェーハ相互間における接着を更に防止することができると共に、窒化膜などの形成が無いため好ましい。
前記ウェーハブロックWを形成するシリコンウェーハWは、ラップドウェーハ(周知のシリコンウェーハ加工工程におけるラッピング処理後のウェーハ)又はエッチドウェーハ(周知のシリコンウェーハ加工工程におけるラッピング処理後行われるエッチング処理(酸エッチング、アルカリエッチングの両方を含む)後のウェーハ)を用いることが好ましい。
このような構成とすることで、積層したウェーハ相互間における接着を更に防止することができる。
本発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法は、直径4インチ(100mm±5mm)〜6インチ(150mm±5mm)のシリコンウェーハに好適に適用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、下記実施例により限定解釈されるものではない。
(実施例1)
直径150.5mm、厚さ1130μmのラップドウェーハを15枚用意し、当該ラップドウェーハに対して、希HF洗浄及びSC−1洗浄を行って、ラップドウェーハの表面に付着したラップ用砥粒を除去した。
その後、積層するラップドウェーハの平面全体に平均粒径51.9μmのシリカパウダーを散布させた後に、当該ラップドウェーハの平面同士を各々積層してウェーハブロックを形成した。
次に、形成したウェーハブロックを図3に示すような態様(W<U)にて熱処理用部材30に保持して、650℃で保持された図1に示すような横型熱処理炉1の炉本体10内にウェーハブロックを配置して、プロセスガスPとして酸素100%ガスを用い、プロセスガス流量を5リットル/分として、1306℃(最高到達温度)まで昇温して、当該最高到達温度を1時間保持して熱処理を行った。その後、650℃まで降温した後、熱処理用部材30を炉本体10内から取り出し、更に、常温(25℃)まで冷却した後、ウェーハブロックを熱処理用部材30から取り出した。
得られたウェーハブロックに対してウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。剥離性については、作業者が積層したウェーハ同士を手で容易に剥離できる場合を「○」とし、剥離用治具等を用いても剥離できない場合を「×」として評価した。また、スリップ転位の発生状況については、X線トポグラフにより評価を行い、ウェーハ全面の一部にでもスリップ転位が確認された場合を「×」とし、確認されなかった場合を「○」として評価した。
(実施例2)
直径150.5mm、厚さ600μmのラップドウェーハを30枚用意し、その他は実施例1と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
(実施例3)
使用するシリカパウダーとして平均粒径25.3μmのものを用い、その他は実施例1と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
(実施例4)
使用するシリカパウダーとして平均粒径25.3μmのものを用い、その他は実施例2と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
(実施例5)
直径150.5mm、厚さ1130μmのラップドウェーハを30枚用意し、その他は実施例1と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
(実施例6)
直径150.5mm、厚さ600μmのラップドウェーハを60枚用意し、その他は実施例1と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
(比較例1)
シリカパウダーを積層するラップドウェーハの平面の外周部のみ(ウェーハ最外周から30mmの範囲のみ)にシリカパウダーを散布し、その他は実施例1と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
(比較例2)
シリカパウダーを積層するラップドウェーハの平面の中央部のみ(ウェーハ中心から半径30mmの円状の範囲のみ)にシリカパウダーを散布し、その他は実施例1と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
(比較例3)
熱処理用部材30のうち、第2熱処理用部材34を用いず、ウェーハブロックの崩れ防止のため、炉本体10のプロセスガス導入口10aから導入されるプロセスガスPの直接的な接触を防止する板状のプロセスガス整流板を、ウェーハブロックのプロセスガス導入口10a側及び炉口10b側にそれぞれ設置し、ウェーハブロックの炉本体10の内壁方向には当該整流板を設置せず(すなわち、第2熱処理用部材34によりウェーハブロックの外周囲全体を囲繞させず)、その他は実施例1と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
(比較例4)
積層する前のラップドウェーハに酸化処理を施して平面を含むウェーハ全体に厚さ1μmの酸化膜を形成したのち、シリカパウダーを用いず、当該ラップドウェーハの平面同士を各々積層して、その他は実施例1と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
以上、実施例1から6及び比較例1から4におけるウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を表1にまとめて示す。
Figure 0005527902
表1に示すように、積層するラップドウェーハの平面全体にシリカパウダーを散布させた場合(実施例1〜6)には、剥離性が良好であり、スリップ転位の発生も認められなかった。ただし、積層数を約2倍に増やした場合(実施例5、6)には、ウェーハブロックの最上層のシリコンウェーハにスリップ転位の発生が認められた。
また、シリカパウダーを平面全体に散布しない場合(比較例1、2)には、散布していない部分が接着してしまい剥離性が悪いことが認められた。また、ウェーハブロックの外周囲全体を囲繞させない場合(比較例3)は、積層したウェーハのほとんどでスリップ転位の発生が認められた。また、酸化膜を全面に形成して積層した場合(比較例4)においてもウェーハ全体が接着してしまい剥離性が悪いことが認められた。なお、比較例1、2、4については、ウェーハ同士の剥離が困難であったため、スリップ転位の評価は行わなかった。
(実施例7)
図8に示すような第2熱処理用部材34A(スリット50の長さSD1を高さUの40%、幅SD2を10mmとし、かつ、第2熱処理用部材34Aの周面方向全周に渡って等間隔で計4つ(言い換えれば、第2熱処理用部材34Aを上面から見たときに90度間隔で計4つ)を用いて、その他は実施例5と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
(実施例8)
実施例7と同様の第2熱処理用部材34Aを用いて、その他は実施例6と同様な方法により熱処理を行い、ウェーハブロックを得た。得られたウェーハブロックに対して実施例1と同様な方法でウェーハ相互間の剥離性及びスリップ転位の発生状況を評価した。
その結果、実施例7、8共に、ウェーハ相互間の剥離性が「○」となり、更に、ウェーハブロックの最上層のシリコンウェーハにもスリップ転位の発生が認められない「○」となった。よって、前記第2熱処理用部材34Aは更なるスリップ転位の抑制効果があることが認められた。
30 熱処理用部材
32 第1熱処理用部材
34 第2熱処理用部材

Claims (3)

  1. シリコンウェーハの平面全体にシリカパウダーを散布させて、該シリコンウェーハの平面同士を複数枚積層してウェーハブロックを形成し、該ウェーハブロックの最下部のシリコンウェーハの平面のみを第1熱処理用部材の一面上に全面支持させて該ウェーハブロックを水平保持させると共に、第2熱処理用部材により前記水平保持させたウェーハブロックの外周囲全体を囲繞させて、1270℃以上シリコンの融点以下の最高到達温度で熱処理を行うことを特徴とするシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 少なくとも前記ウェーハブロックの最上部のシリコンウェーハをダミーウェーハとしてウェーハブロックを形成することを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  3. 前記最高到達温度における熱処理時間は、5分以上10時間以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
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