JP5527086B2 - ネットワークシステム - Google Patents
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Description
このようなリング型ネットワークシステムにおいて、何れかのノードに異常が生じたときには、この異常が生じたノードと隣接するノードが、自ノードにおいて2つの伝送路どうしを接続するループバックを行うことで異常が生じたノードをマスタノードから切り離し、正常動作が可能なノードのみを用いて引き続きネットワークシステムを作動させるようになっている。そして、異常が生じたノードが正常状態に復帰したときには、ループバックを行っているノードがループバックを解除することにより、正常状態に復帰したノードを再度ネットワークシステムに接続するようにしている。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、ノード間を2本の伝送路によりデイジーチェーン接続することにより、論理的にリング型の伝送路が形成されるネットワークシステムにおいて、ノード間におけるタイマ値を、容易且つ高精度に同期化させることの可能なネットワークシステムを提供することを目的としている。
図1は、本発明を適用したネットワークシステムの一例を示す構成図である。
このネットワークシステムは、例えば、ノード“A”〜ノード“E”の5つのノードを備えて構成され、ノード“A”がマスタとして動作する。
各ノードは、ノード“E”、ノード“A”、ノード“B”、ノード“C”、ノード“D”の順にデイジーチェーン接続され、隣接するノード間は、それぞれ1対1にピアツーピアで接続される。すなわち、ノード“E”及びノード“A”間は、ケーブルL1で接続され、ノード“A”及びノード“B”間はケーブルL2で接続され、ノード“B”及びノード“C”間はケーブルL3で接続され、ノード“C”及びノード“D”間はケーブルL4で接続される。
各ノードは、図2に示すように、ケーブルLn及びケーブルLn+1の第1の配線L11どうし、第2の配線L22どうしを、それぞれノードを介して接続する。また、端部のノードであって、一方の接続端子11又は12のみにケーブルLnが接続されているノード“D”又は“E”は、接続されたケーブルLnの第1の配線L11と第2の配線L22とを内部で接続する。すなわち、ノード“D”は、ケーブルL4の第1の配線L11と第2の配線L22とを接続する。また、ノード“E”は、ケーブルL1の第1の配線L11と第2の配線L22とを接続する。
なお、図2において、13は処理部である。この処理部13は、ケーブルLnを介して伝送されるメッセージの送受信処理及び受信した自ノード宛のメッセージにしたがって所定の演算を行なう等のメッセージ処理を行なう。
図3に示すように、各ノードは、ケーブルLnが接続される第1の接続端子11及び第2の接続端子12と、処理部13と、ラッチ回路15及び16と、タイマ17と、切り替え回路18と、を備える。
ラッチ回路15は、第1の接続端子11に接続される第1の配線L11から伝送メッセージを入力すると共に、伝送メッセージを切り替え回路18に出力する。
そして、ラッチ回路16は、伝送メッセージの予め設定された前記特定領域を参照し、この特定領域のデータが前記特定情報であるとき、タイマ17のタイマ値をラッチして第2のタイマ値有効フラグF2を“1”とし、第2のタイマ値有効フラグF2とラッチタイマ値とを処理部13に出力する。伝送メッセージの前記特定領域のデータが特定情報でないときにはタイマ値のラッチは行なわない。
切り替え回路18は、自ノードが端部のノードであるか否かに応じて、処理部13、ラッチ回路15及び16、第1の接続端子11、第2の接続端子12との間で接続先を切り替える。なお、自ノードが端部のノードであるか否かは、例えば、各ノードにおいて、第1の接続端子11と第2の接続端子12との何れか一方のみにケーブルが接続されている状態であるか否かを、例えば電気的に未接続状態であるか否かを検出すること等により検出すればよい。また、切り替え回路18における切り替えは、ソフトウェア的に切り替えるようにしてもよく、また物理的に接続先を切り替えるように構成してもよい。
また、切り替え回路18は、ラッチ回路16からの伝送メッセージをそのまま第1の接続端子11の第2の配線L22に送出する。
同様に、自ノードが左端のノードである場合、すなわち、図1においてノード“E”である場合には、第1の接続端子11には、ケーブルLnが接続されていないため、切り替え回路18は、図4(c)に示すように、ラッチ回路16からの伝送メッセージをそのまま処理部13に伝達し、処理部13からの伝送メッセージを第2の接続端子12の第1の配線L11に送出する。
そして、自ノードがマスタノードであるときにはシステム同期処理を実行して各ノードからラッチタイマ値を収集し、これに基づきノード間でのタイマ値の同期を図る。また、自ノードがマスタノードであるときにはさらにシステム再同期処理を実行し、具体的には自ノードを含む各ノードがループバック状態にあるか否かを監視し、何れかのノードのループバック状態が変化したとき、すなわち何れかのノードがループバック状態となったとき或いはループバック状態が解除されたときには、ノード間でのタイマ値の同期化を図る。つまり、何れかのノードがループバック状態となること或いはループバック状態を解除すると、ネットワークシステムのシステム構成が変化することから、マスタノード及びこれと接続されるスレーブノードとからなる新たなシステム構成においてノード間のタイマ値の同期化を図る。
マスタノードでは、このシステム同期処理を予め設定したタイミングで実行する。例えば、起動時、或いは、予め設定した定周期で実行する。
一方、端部に配置されたスレーブノードでは、図4(b)及び(c)に示すように、第1の配線L11及び第2の配線L22を内部で折り返しているため、タイマラッチ指示メッセージは、ラッチ回路15及び16の何れか一方のみにより検出されてタイマ値がラッチされることになる。
マスタノードでは、各ノードを周回したタイマラッチ指示メッセージを受信するとこれを伝送路から削除し、次にタイマ値収集メッセージを送信し、各ノードに対して各ノードでラッチしたタイマ情報の付加を指示する(図5のステップS2)。
前述のようにノードとノードとの間に位置するノードでは、往路と復路との2回、同一のタイマラッチ指示メッセージを受信するため、タイマ情報は、往き時におけるタイマ値有効フラグ及びラッチタイマ値と、戻り時におけるタイマ値有効フラグ及びラッチタイマ値とで構成される。
各スレーブノードがこの処理を行なうことにより、各ノードにおけるタイマ情報が、タイマ値収集メッセージの所定の領域に格納され、且つ経由したスレーブノードの並び順に、各ノードにおけるタイマ情報が格納されることになる。
マスタノードは、各スレーブノードを周回したタイマ値収集用メッセージを受信するとこれを回収する。そして、各スレーブノードが格納したタイマ情報の最後に、自ノードにおけるタイマ情報を格納する(図5のステップS3)。
スレーブノードでは、構成読み出しメッセージを受信すると図6のステップS13に移行し、自ノードのノード構成情報を受信した構成読み出しメッセージの所定の領域に格納する。そして、構成読み出しメッセージを次ノードに送出する。
各スレーブノードがこの処理を行うことにより、各ノードにおけるノード構成情報が、構成読み出しメッセージの所定の領域に順次格納されることになる。
次いで、マスタノードは、算出した伝送遅延時間を各スレーブノードに通知するための伝送遅延時間設定メッセージを各ノード宛に送出する(図5のステップS8)。
マスタノードは、伝送遅延時間設定メッセージが各ノードを周回して戻ってくると、これを伝送路上から削除する。そして、現時点におけるタイマ17のタイマ値を獲得し、これをマスタタイマ値としてこのマスタタイマ値を伝送するためのマスタタイマ値配布メッセージを生成し、これを各ノード宛にブロードキャストにより送信する(図5のステップS9)。そして、システム同期処理を終了する。
マスタノードでは、図5のシステム同期処理を実行した後、予め設定した定周期で図7に示すシステム再同期処理を実行する。
各スレーブノードは、ループバック状態読み出しメッセージを受信すると(図8のステップS31)、自ノードがループバックしているか否かを表すループバック状態、及びループバックしている場合にはループバックにより切り離したノード(以下、切り離しノードともいう。)の復旧を検知したときにはこれを通知するための復旧情報を、ループバック状態読み出しメッセージの所定の領域に付加して次ノードに送信する(図8のステップS32)。
したがって、スレーブノードは、自ノードの局番と、自ノードのA系のループバック状態及びB系のループバック状態と、を、ループバック状態読み出しメッセージに付加する。この処理を各スレーブノードが実行することにより、例えば図9(a)に示すように、各ノードにおけるA系のループバック状態、B系のループバック状態が、各ノードの局番と対応付けられて、ループバック状態読み出しメッセージの所定の領域に格納されることになる。
そして、ループバック状態となったノードが存在する場合にはステップS23に移行し、各ノードのループバック状態を所定の記憶領域に記憶する。そしてステップS24に移行し、前述の図5に示すシステム同期処理を再度実行する。
今、図1に示すノード“A”〜“E”からなる論理的なリング型ネットワークシステムが構成されたネットワークシステムにおいて、各ノード間のタイマ値の同期を行なうものとする。
マスタノード“A”では、まず、タイマラッチ指示メッセージを各ノード宛にブロードキャストで送信し(図5のステップS1)、次に、各ノードでのタイマ情報の付加を指示するタイマ値収集メッセージを各ノード宛に送信する(図5のステップS2)。
また、各スレーブノードではタイマラッチ指示メッセージを受信すると、図11に示すように、ラッチ回路15、16のうち、タイマ値をラッチしたラッチ回路に対応するタイマ値有効フラグを“1”とし、ラッチ回路15、16でタイマラッチ指示メッセージを受信した時点におけるタイマ17のタイマ値と、第1、第2のタイマ値有効フラグとを処理部13に通知し、処理部13では通知されたタイマ値有効フラグとラッチタイマ値とを対応付けて記憶する(図6のステップS11)。
このため、マスタノード“A”に戻ってきたタイマ値収集メッセージには各ノードのタイマ情報が各ノードの配置順に格納されている。
そして、マスタノード“A”は各スレーブノードを経て周回したタイマ値収集メッセージを回収し、これに自ノードのタイマ情報を格納する(図5のステップS3)。
同様に、ノード“E”は左端のノードでありラッチ回路16でのみタイマ値がラッチされるため、ラッチタイマ値TE2と第2のタイマ値有効フラグF2=“1”とが格納され、ラッチ回路15による第1のタイマ値有効フラグF1は“0”として設定される。
スレーブノードでは、構成読み出しメッセージを受信すると、構成読み出しメッセージに自ノードのノード構成情報を付加する(図6のステップS13)。
ここで、ループバックが生じる前のシステム構成における伝送経路を通常伝送経路、ループバック状態であるときのシステム構成における伝送経路をループバック経路、ループバック状態から復旧したときのシステム構成における伝送経路を復旧伝送経路とすると、マスタノードでは、通常伝送経路におけるノード構成情報を所定の記憶領域に更新記憶することになる。
ここで、この時点では各ノード間においてタイマ値の同期はとられていないため、それぞれのノードにおけるタイマ値の間に何ら相関関係はない。
ネットワークシステム上の各ノードにおける受信経過時間どうしは比較可能なデータであり、例えばノード“B”における受信経過時間ΔTBとノード“C”における受信経過時間ΔTCとは比較することができる。
したがって、差分DIFFBCは次式(1)で表すことができる。
DIFFBC=(TB2−TB1)−(TC2−TC1) ……(1)
DIFFBC=2×LBC+Tα ……(2)
LBC={(TB2−TB1)−(TC2−TC1)−Tα}/2 ……(3)
隣接するノード“C”−“D”間のケーブルL4におけるノード間伝送時間LCDも、前記式(3)と同様の手順で算出することができる。
ただし、マスタノード“A”とこれに隣接するノードとの間のメッセージの伝送時間は、マスタノード“A”がラッチタイマ指示メッセージを上流側から受信した時点から同一のメッセージが下流側から戻ってくるまでの所要時間である左側受信経過時間と、マスタノード“A”がラッチタイマ指示メッセージを下流側に送出した時点から同一のメッセージが下流側から戻ってくるまでの所要時間である右側受信経過時間と、を用いて算出する。
具体的には、マスタノード“A”とターゲットノードとの間に介在する各ケーブルにおけるノード間伝送時間及び介在するノードにおけるメッセージ判定処理時間との和を算出しこれをターゲットノードまでの伝送遅延時間とする。
図1に示すように、マスタノード“A”とターゲットノード“C”との間にはノード“B”が介在する。このため、伝送遅延時間はノード“A”−“B”間のケーブルL2におけるノード間伝送時間と、ノード“B”におけるメッセージ判定処理時間と、ノード“B”−“C”間のケーブルL3におけるノード間伝送時間と、の和で表されることがわかる。
各ノードにおけるメッセージ判定処理時間は、構成読み出しメッセージにより獲得した図12に示す各ノードのノード構成情報から獲得すればよく、スレーブノード“B”の場合には、メッセージ判定処理時間は“tα1”となる。
そして、マスタノードは、各ノードを周回した伝送遅延時間設定メッセージを受信することにより各ノードに伝送遅延時間が伝達されたことを認識し、現時点におけるタイマ17のタイマ値を獲得し、これを各ノードに伝達するためのマスタタイマ値配布メッセージを生成し、このマスタタイマ値配布メッセージをブロードキャストで各ノード宛に送信する(図5のステップS9)。
例えば、図15に示すように、各ノードの伝送遅延時間が、ノード“B”は“15”、ノード“C”は“20”、ノード“D”は“30”、ノード“E”は“55”、ノード“A”は“0”として通知されたものとする。
ここで、マスタノード“A”のタイマ値が“5000”であったとしても、マスタタイマ値配布メッセージがノード“B”に伝達されるまでには伝送遅延時間“15”を要し、マスタタイマ値配布メッセージが実際にノード“B”に伝達された時点では、マスタノードのタイマ値は“5015”となっている。したがって、マスタタイマ値“5000”と伝送遅延時間“15”とを加算した“5015”をノード“B”におけるタイマ値と設定することにより、マスタノード“A”のタイマ値とノード“B”のタイマ値とを“5015”で同期させることができる。
また、マスタノード“A”は、図7に示すシステム再同期処理を定周期で実行し、ループバック状態読み出しメッセージを各スレーブノード宛に送信し(図7のステップS21)、各スレーブノードが自ノードのループバック状態の有り/無し、また、ループバックによる切り離しノードの復旧を検出したときにはこれを通知するための復旧情報をループバック状態読み出しメッセージに付加することによって(図8のステップS31、S32)、各スレーブノードのうち、ループバック状態となったノードが存在するか、ループバックにより切り離した切り離しノードが異常状態から復旧したかを監視する。
これによって、スレーブノード“E”、マスタノード“A”、スレーブノード“B”、“C”からなるネットワークシステムが再構成され、これらノードが論理的にリング状に接続されたネットワークシステムが構成される。
なお、システム再同期処理において、前回の実行周期時にはループバック状態が通知されたが、今回はループバック状態が通知されないノード、逆に、今回ループバック状態が通知されたが、前回処理実行時にはループバック状態が通知されていないノードについては、ループバック状態の変化により、システムから切り離されたノード或いはシステムに新たに追加されたノードとみなし、これらについてはループバック状態の変化の有無の判断は行わない。
そして、このスレーブノード“E”、マスタノード“A”、スレーブノード“B”、“C”からなるネットワークシステムにおいて、ノード間での通信を行っている状態で、スレーブノード“D”が正常状態に復旧すると、ループバックを行っているスレーブノード“C”ではこれを検出する。そして、この時点ではまだループバックを解除せずに、システム再同期処理の次の実行周期でマスタノード“A”からループバック状態読み出しメッセージを受信したとき、図9(c)に示すように、切り離しノード“D”が復旧したことを通知するための復旧情報をループバック状態読み出しメッセージに付加する(図8のステップS32)。
このため、マスタノード“A”では、図7のステップS21からステップS22、S25を経てステップS26に移行し、図19に示すループバック解除時のシステム同期処理を実行する。
スレーブノードは、透過・構成読み出しメッセージを受信すると、図20に示すループバック解除時の同期化処理を開始し、ステップS61からステップS62に移行して、前記図6のステップS13の処理で構成読み出しメッセージを受信したときと同様に、透過・構成読み出しメッセージに、自ノードのノード構成情報を付加する。
これによって、透過・構成読み出しメッセージは、図21に示すように、マスタノード“A”と接続状態にあるスレーブノードだけでなく、切り離しノードにも周回されることになる。
これによって、透過・伝送遅延時間設定メッセージの透過コマンドは、スレーブノード“C”を介して、スレーブノード“D”に伝送される。
これによって、透過・伝送遅延時間設定メッセージも、図21に示すように、マスタノード“A”と接続状態にあるスレーブノードだけでなく、切り離しノードにも周回されることになる。
そして、マスタノード“A”は、各ノードを周回した透過・伝送遅延時間設定メッセージを回収した後、切り離しノード(スレーブノード“D”)の復旧通知を行ったノード(スレーブノード“C”)に対してループバック解除要求を行う(図19のステップS47)。
このとき、図25に示すように、マスタタイマ値配布メッセージが発行された時点では、切り離しノード(スレーブノード“D”)はマスタノード“A”に接続された状態となっており、スレーブノード“D”は、マスタノード“A”からブロードキャストでマスタタイマ値を獲得することができる。このため、伝送遅延時間とマスタタイマ値との和を自ノードのタイマ値として更新設定することによって、マスタノード“A”のタイマ値と高精度に同期したタイマ値を設定することができる。
これによって、切り離しノード(スレーブノード“D”)がマスタノードと接続状態となり、スレーブノード“E”、マスタノード“A”、スレーブノード“B”、“C”、“D”がこの順に接続されてなるネットワークシステムが構成されることになる。
一方、マスタノード“A”は、ループバック解除要求を行った後、ステップS51からステップS52に移行し、スレーブノード“D”でのループバック解除が完了した時点で、図5のシステム同期処理を再度実行する。そして、ループバック解除時のシステム同期処理を終了する。
しかしながら、ループバックノード(スレーブノード“C”)がループバック状態となる前のシステム構成における各ノードのノード構成情報と、ループバック解除後のシステム構成における各ノードのノード構成情報とが一致するときには、予め記憶しているループバック状態となる前のシステム構成における伝送遅延時間を読み出し、これを各ノードに通知するようにしているため、システム全体が正常状態に復旧した後、同期化が完了するまでの所要時間を短縮することができノード間のタイマ値が不同期となる期間をより短縮することができる。
ここで、前述のように、タイマ17は、水晶振動子を含んで構成されている。このため、起動時等に、システム同期処理を実行することによってノード間でタイマ値の同期を図ったとしても、水晶振動子の誤差によりノード間でタイマ値にずれが生じる可能性があり、このずれが大きくなるとシステム停止等、システム全体に影響を与える可能性がある。
また、スレーブノード“D”の復旧時に、スレーブノード“D”の他にシステムに新たにスレーブノード“X”が追加された場合などであっても、マスタノード“A”、スレーブノード“B”、“C”、“E”にさらにスレーブノード“D”及びスレーブノード“X”が追加された新たなネットワークシステムが構成されたとして、再度システムの同期化が図られるため、スレーブノードを新たに追加した場合であっても的確に同期化を図ることができる。
また、上記実施の形態においては、ケーブルが接続されているか否かを検出することにより、端部のノードであるか否かを検出する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、端部のノードにおいてオペレータがスイッチ操作等を行なうことにより、端部のノードとして設定するように構成することもできる。また、このオペレータのスイッチ操作により、切り替え回路18の接続先が物理的に切り替わるように構成してもよい。
例えば、スレーブノードでは、システム同期処理が最初に行なわれたとき例えば起動時等に、通知された各ノードにおける伝送遅延時間を記憶しておく。そして、マスタノードでは、一旦システム同期処理を行なった後、このシステム同期処理を定期的に行う場合には、起動時のシステム構成と現在のシステム構成とが変化していない場合にはマスタタイマ値配布メッセージのみを定期的に送信し、このマスタタイマ値配布メッセージを受信したスレーブノードが、記憶している伝送遅延時間と通知されたマスタタイマ値とから自ノードのタイマのタイマ値を更新設定することにより、定期的に、タイマ値の同期を図るようにしてもよい。
また、上記実施の形態において、ラッチ回路15及びラッチ回路16は、タイマラッチ指示メッセージを受信するときにのみ、動作可能な状態となっていればよい。したがって、例えば、マスタノードがタイマラッチ指示メッセージを送信するタイミングが、システム起動時及びその後定期的に等、予め決まっている場合には、スレーブノード側でこれに合わせてラッチ回路15及び16を動作可能な状態にし、一旦タイマ値の同期を図った後、ラッチ回路15及び16を休止状態に切り替え、その後、定期的に行なわれるタイマ値の同期を図るタイミングに合わせて、ラッチ回路15及び16を動作可能な状態に切り替えることにより消費電力の削減を図るようにしてもよい。
また、各ノードが正常に動作している状態から、何れかのノードがループバック状態となったときには、正常動作可能なスレーブノードとマスタノードとの間では、引き続きタイマ値の同期がとれている。このため、水晶振動子の誤差に起因するノード間でのタイマ値のずれを考慮しなくてもよいシステムの場合には、正常状態からループバック状態となったときにはシステム同期処理を行わず、ループバック状態を解除するときにのみ、再度ノード間でのタイマ値の同期化を図るようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、図19のステップS44の処理で、ループバック前のノード構成情報(通常伝送経路のノード構成情報)と透過・構成情報読み出しメッセージにより獲得した復旧時のノード構成情報(復旧伝送経路のノード構成情報)とが一致しないときには、ループバックを解除した後、再度図5のシステム同期処理を実行するようにし、再度ノード構成情報を収集してループバック解除後のノード構成情報を獲得するようにしているがこれに限るものではない。
ここで、上記実施の形態において、第1の配線L11及び第2の配線L22が第1の伝送路及び第2の伝送路に対応し、タイマラッチ指示メッセージがタイマ情報記憶メッセージに対応している。
また、図19のステップS45及びS46の処理が透過・伝送遅延時間設定メッセージ送信手段に対応し、ステップS47の処理が第1ループバック解除送信手段に対応し、ステップS48の処理が第2マスタタイマ値送信手段に対応し、図20のステップS74、ステップS75の処理が第2の透過メッセージ発行手段に対応し、ステップS72の処理が第2伝送遅延時間獲得手段に対応し、ステップS78の処理が第1ループバック解除手段に対応し、ステップS79の処理が第2タイマ値同期手段に対応している。
また、図19のステップS52で実行されるシステム同期処理(図5)において、ステップS8の処理が第2伝送遅延時間送信手段に対応し、ステップS9の処理が第3マスタタイマ値送信手段に対応している。
さらに、図20のステップS85の処理が第2ループバック解除手段に対応し、図6のステップS14の処理が第3伝送遅延時間獲得手段に対応している。
また、ラッチ回路15、16が第1、第2のラッチ手段に対応し、図5のステップS3の処理、図6のステップS12の処理がタイマ情報付加手段に対応している。
12 第2の接続端子
13 処理部
15、16 ラッチ回路
17 タイマ
L1〜L4 ケーブル
L11 第1の配線
L22 第2の配線
T メッセージ一周時間
Claims (10)
- マスタノード及び複数のスレーブノードを第1の伝送路及び第2の伝送路それぞれによりデイジーチェーン接続し、該デイジーチェーン接続された両端のノードそれぞれで前記第1の伝送路と前記第2の伝送路とを接続してリング状の通常伝送経路を構成し、
隣接するノードとの間での通信が不可となる異常状態を検出した異常検出スレーブノードが、前記第1の伝送路と前記第2の伝送路とを接続してループバックし、リング状のループバック伝送経路を構成し、
前記異常状態の復旧が検出されたときに前記異常検出スレーブノードのループバックを解除し、リング状の復旧伝送経路を構成すると共に、
前記伝送路に回送される複数種類のメッセージに応じて各ノードが所定の処理を実行するネットワークシステムであって、
各ノードは、タイマと、タイマ情報記憶メッセージを前記第1の伝送路及び前記第2の伝送路から受信したときのタイマ値からなるタイマ情報を記憶するタイマ情報記憶部と、自ノードのノード構成情報を記憶するノード構成情報記憶部と、を有し、
前記マスタノードは、
前記通常伝送経路を構成する各前記スレーブノードのノード構成情報を収集して記憶し、前記通常伝送経路を構成する各ノードの前記タイマ情報を収集し、当該タイマ情報から前記マスタノードと各前記スレーブノード間のメッセージの伝送時間である第1伝送遅延時間を演算して記憶し、当該第1伝送遅延時間を各前記スレーブノードに送信し、
前記異常状態の復旧を検出した場合には、前記復旧伝送経路を構成する各前記スレーブノードのノード構成情報を収集し、当該復旧伝送経路における前記各ノード構成情報と記憶された前記通常伝送経路における前記各ノード構成情報とを比較し、
当該比較により前記各ノード構成情報が一致した場合には、前記復旧伝送経路を構成する各前記スレーブノードに、前記記憶された前記通常伝送経路における前記第1伝送遅延時間を送信し、前記異常検出スレーブノードのループバックを解除し、
前記比較により前記各ノード構成情報が不一致である場合には、前記異常検出スレーブノードのループバックを解除し、前記復旧伝送経路を構成する各前記スレーブノードのノード構成情報を前記通常伝送経路におけるノード構成情報として記憶し、前記復旧伝送経路を構成する各ノードのタイマ情報を収集し、当該タイマ情報から前記マスタノードと各前記スレーブノード間のメッセージの伝送時間である第2伝送遅延時間を演算して前記通常伝送経路の第1伝送遅延時間として記憶し、当該第2伝送遅延時間を各前記スレーブノードに送信し、
前記第1または第2伝送遅延時間を送信した後に、自ノードのタイマ値をマスタタイマ値として各前記スレーブノードに送信し、
前記スレーブノードは、
前記マスタノードから送信された自ノードの前記第1又は第2の伝送遅延時間を記憶し、前記マスタタイマ値を受信した時に、該マスタタイマ値と記憶されている前記第1又は第2の伝送遅延時間との和を自ノードのタイマ値として更新設定することを特徴とするネットワークシステム。 - 前記マスタノードが、
タイマ値収集メッセージを回送して前記通常伝送経路を構成する前記スレーブノードのタイマ情報を取得し、該タイマ情報から前記第1伝送遅延時間を演算する第1伝送遅延時間演算手段と、
構成情報読み出しメッセージを回送して前記通常伝送経路を構成する前記スレーブノードのノード構成情報を取得する第1ノード構成読み出し手段と、
前記通常伝送経路を構成する前記スレーブノードのノード構成情報及び前記第1伝送遅延時間を通常伝送経路情報として記憶する通常伝送経路情報記憶部と、
前記第1伝送遅延時間を付加した第1伝送遅延時間設定メッセージを前記通常伝送経路に回送する第1伝送遅延時間送信手段と、
前記第1伝送遅延時間設定メッセージの送信後に、自ノードのメッセージ送信時のタイマ値をマスタタイマ値として付加した第1マスタタイマ値送信メッセージを回送する第1マスタタイマ値送信手段と、を備え、
前記スレーブノードが、
前記タイマ情報を前記タイマ値収集メッセージに付加するタイマ情報付加手段と、
前記自ノードのノード構成情報を前記構成情報読み出しメッセージに付加する第1構成情報付加手段と、
前記第1伝送遅延時間が付加された前記第1伝送遅延時間設定メッセージから自ノードの前記第1伝送遅延時間を獲得する第1伝送遅延時間獲得手段と、
前記第1マスタタイマ値送信メッセージを受信した時に、前記第1伝送遅延時間と前記マスタタイマ値との和を自ノードのタイマ値として更新設定する第1タイマ値同期手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。 - 前記マスタノードが、
前記異常状態の復旧を検出した場合に、透過・構成情報読み出しメッセージを回送して前記復旧伝送経路を構成する前記スレーブノードのノード構成情報を取得する透過ノード構成読み出し手段を備え、
前記スレーブノードが、
前記異常検出スレーブノードである場合に前記異常状態の復旧情報を前記マスタノードに送信する復旧情報送信手段と、
前記自ノードのノード構成情報を前記透過・構成情報読み出しメッセージに付加する第2構成情報付加手段と、
前記異常検出スレーブノードである場合に透過・構成情報読み出しメッセージを、前記復旧伝送経路を構成するスレーブノードへ伝送する第1の透過メッセージ発行手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載のネットワークシステム。 - 前記マスタノードが、
前記透過ノード構成読み出し手段で取得したノード構成情報と前記通常伝送経路情報記憶部に記憶されたノード構成情報とが一致する場合に、前記第1伝送遅延時間を付加した透過・伝送遅延時間設定メッセージを前記復旧伝送経路に回送する透過・伝送遅延時間設定メッセージ送信手段と、
前記透過・伝送遅延時間設定メッセージ送信後に、前記異常検出スレーブノードにループバックを解除させる第1ループバック解除メッセージを送信する第1ループバック解除送信手段と、
前記第1ループバック解除メッセージの送信後に、自ノードのメッセージ送信時のタイマ値をマスタタイマ値として付加した第2マスタタイマ値送信メッセージを回送する第2マスタタイマ値送信手段と、を備え、
前記スレーブノードが、
前記異常検出スレーブノードである場合に、前記透過・伝送遅延時間設定メッセージを、前記復旧伝送経路を構成するスレーブノードへ伝送する第2の透過メッセージ発行手段と、
前記第1伝送遅延時間が付加された前記透過・伝送遅延時間設定メッセージから自ノードの前記第1伝送遅延時間を獲得する第2伝送遅延時間獲得手段と、
前記異常検出スレーブノードである場合に、前記第1ループバック解除メッセージに応じて前記ループバックを解除する第1ループバック解除手段と、
前記第2マスタタイマ値送信メッセージを受信した時に、前記第1伝送遅延時間と前記マスタタイマ値との和を自ノードのタイマ値として更新設定する第2タイマ値同期手段と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載のネットワークシステム。 - 前記マスタノードが、
前記透過ノード構成読み出し手段で取得したノード構成情報と前記通常伝送経路情報記憶部に記憶されたノード構成情報とが不一致である場合に、前記異常検出スレーブノードにループバックを解除させる第2ループバック解除メッセージを送信する第2のループバック解除送信手段と、
前記第2ループバック解除メッセージ送信後に、タイマ値収集メッセージを回送して前記復旧伝送経路を構成する前記スレーブノードのタイマ情報を取得し、該タイマ情報から前記第2伝送遅延時間を演算する第2伝送遅延時間演算手段と、
前記透過ノード構成読み出し手段で取得したノード構成情報及び前記第2伝送遅延時間を前記通常伝送経路情報として更新して前記通常伝送経路情報記憶部に記憶する通常伝送経路情報更新手段と、
前記第2伝送遅延時間を付加した第2伝送遅延時間設定メッセージを前記復旧伝送経路に回送する第2伝送遅延時間送信手段と、
前記第2伝送遅延時間設定メッセージの送信後に、自ノードのメッセージ送信時のタイマ値をマスタタイマ値として付加したマスタタイマ値送信メッセージを回送する第3マスタタイマ値送信手段と、を備え、
前記スレーブノードが、
前記異常検出スレーブノードである場合に、前記第2ループバック解除メッセージに応じて前記ループバックを解除する第2ループバック解除手段と、
前記第2伝送遅延時間が付加された前記第2伝送遅延時間設定メッセージから自ノードの前記第2伝送遅延時間を獲得する第3伝送遅延時間獲得手段と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載のネットワークシステム。 - 前記各ノードは、
前記タイマ情報記憶メッセージとして前記タイマのタイマ値をラッチさせるためのタイマラッチ指示メッセージを前記第1の伝送路から受信した時の自ノードの前記タイマのタイマ値をラッチする第1のラッチ手段と、
前記タイマラッチ指示メッセージを前記第2の伝送路から受信した時の自ノードの前記タイマのタイマ値をラッチする第2のラッチ手段と、
前記ラッチされたタイマ値を収集するための前記タイマ値収集メッセージを受信したとき、前記第1のラッチ手段によってラッチされたタイマ値及び前記第2のラッチ手段によってラッチされたタイマ値を前記タイマ値収集メッセージにタイマ情報として付加するタイマ情報付加手段と、を有することを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載のネットワークシステム。 - 前記第1の伝送路と第2の伝送路とは同一長さを有し、
前記第1または第2伝送遅延時間演算手段は、前記タイマ値収集メッセージに各ノードにより付加された前記タイマ情報に基づき各ノードの配置位置を検出し、検出した配置位置と前記第1および第2のラッチ手段でラッチされた各ノードにおける前記タイマ値と一のメッセージが前記リング状の伝送経路を一周するのに要する一周時間とから前記伝送遅延時間を演算することを特徴とする請求項6に記載のネットワークシステム。 - 前記各ノードは、前記第1の伝送路及び第2の伝送路のうち一方の伝送路から入力した前記タイマラッチ指示メッセージに対して処理を行い、且つ他方の伝送路から入力した前記タイマラッチ指示メッセージを中継し、
前記第1および第2伝送遅延時間演算手段は、
隣接するノード間における前記タイマラッチ指示メッセージの伝送時間をノード間伝送時間として演算し、
前記マスタノードから前記伝送遅延時間の演算対象であるターゲットノードまでの間の、隣接するノード間それぞれの前記ノード間伝送時間の和と前記マスタノードと前記ターゲットノードとの間に介在するノードにおける前記タイマラッチ指示メッセージに対するメッセージ判定処理時間の和との総和を、前記マスタノードと前記ターゲットノードとの間の伝送遅延時間とすることを特徴とする請求項7記載のネットワークシステム。 - 前記第1および第2伝送遅延時間演算手段は、前記各ラッチ手段でラッチされたタイマ値に基づき一のノードが前記タイマラッチ指示メッセージを一方の伝送路から受信した時点から他方の伝送路から受信するまでの所要時間である受信経過時間を演算し、
第1のノードにおける前記受信経過時間と第2のノードにおける前記受信経過時間との差分の絶対値から、前記第1のノード及び第2のノードのうちの上流側のノードにおける前記メッセージ判定処理時間を減算し、この減算結果の1/2を前記第1のノード及び第2のノード間における前記ノード間伝送時間とし、
前記マスタノードとこの下流に隣接するノードとの間のノード間伝送時間を演算するときには、前記タイマ情報から算出される前記マスタノードにおける前記受信経過時間を前記一周時間から減算し、この減算結果をノード間伝送時間演算時のマスタノードにおける受信経過時間として用いることを特徴とする請求項8記載のネットワークシステム。 - 前記両端のノードは、当該ノード内部で前記第1の伝送路と前記第2の伝送路とを接続し、
前記ラッチ手段は、前記第1の伝送路及び前記第2の伝送路から前記ノードへの前記タイマラッチ指示メッセージの入力端それぞれに設けられ、前記タイマラッチ指示メッセージが前記ノードの入力端に達した時点で前記タイマ値をラッチし、
前記タイマ情報付加手段は、前記タイマラッチ指示メッセージを、前記第1の伝送路及び前記第2の伝送路の何れから受信したかを表す受信情報と前記タイマ値とを、前記タイマ情報として前記タイマ値収集メッセージの予め設定された領域に付加し、
前記第1および第2伝送遅延時間演算手段は、前記タイマ値収集メッセージに付加された前記タイマ情報の並び順及び前記受信情報に基づき、各ノードの配置位置を検出することを特徴とする請求項6または7に記載のネットワークシステム。
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