JP5526507B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

この発明は、水平配向膜と、正の誘電異方性を有する液晶層を備えた液晶表示素子に関する。
正の誘電異方性を有する液晶層を備えた液晶表示素子は、予め定めた間隙を設けて対向配置された一対の基板の互いに対向する内面それぞれに、互いに対向する領域により複数の画素を形成する電極と、前記電極を覆って形成され、それぞれが予め定めた方向にラビング処理された水平配向膜とが設けられ、前記一対の基板間の間隙に前記液晶層を封入された構成となっている。
この種の液晶表示素子は、表示の視野角を広くすることが望まれている。そのために、従来は、複数の画素にそれぞれ対応させて、一方の基板の配向膜に、互いに逆向きの2つの傾斜面を有する断面が三角形状の凸部を形成し、この配向膜を前記2つの傾斜面の両方を横切る方向にラビングすることにより、複数の画素毎に、液晶分子を一方の方向にプレチルトさせた第1の領域と、液晶分子を前記一方の方向とは逆向きにプレチルトさせた第2の領域とを形成し、これらの2つの領域それぞれの視野角特性が相乗した広い視野角を得るようにしている(特許文献1参照)。
特開平7−333612号公報
しかし、上記従来の液晶表示素子は、複数の画素毎に、前記第1と第2の2つの領域を形成しなければならないため、製造工程が煩雑である。
この発明は、複数の画素毎に、視野角特性が異なる2つの領域が区分して形成され、安定した広い視野角を得ることができる液晶表示素子を提供することを目的としたものである。
この発明の液晶表示素子は、
予め定めた間隙を設けて対向配置された第1の基板および第2の基板と、
前記第1の基板の前記第2の基板との対向面にマトリックス状に配列させて設けられた複数の画素電極と、
前記第1の基板の前記対向面に設けられ、前記複数の画素電極に接続された複数の薄膜トランジスタと、
前記第1の基板の前記対向面に設けられ、前記複数の薄膜トランジスタにゲート信号及びデータ信号を供給する複数の走査線及び信号線と、
前記複数の画素電極との間に絶縁膜を介在させた状態で前記複数の画素電極と前記第1の基板との間に設けられ、前記複数の画素電極の周縁部に重なり、且つ、前記薄膜トランジスタに重ならないように形成された補助電極と、
前記第2の基板の前記第1の基板との対向面に、前記複数の画素電極と対向するように設けられた対向電極と、
前記各画素電極に重なる各重畳領域を第1の領域および第2の領域に分ける境界線に沿うように、前記対向電極の前記複数の画素電極との対向面に設けられた複数の凸条部材と、
前記第1の基板の前記対向面に、前記複数の画素電極を覆うように設けられ、前記凸条部材の長さ方向に対して交差する方向にラビング処理された第1の配向膜と、
前記第2の基板の前記対向面に、前記対向電極及び前記複数の凸条部材を覆うように設けられ、前記第1の配向膜のラビング方向に対して予め定めた向きで、且つ前記凸条部材の長さ方向に対して交差する方向にラビング処理された第2の配向膜と、
前記一対の基板間の間隙に封入された正の誘電異方性を有する液晶層と、
を備え、
前記凸条部材は、前記画素電極の長手方向に対して5°〜45°の範囲の角度で交差する方向に沿って予め定めた長さだけ形成され、且つ、前記凸条部材のうち、前記画素電極に対する薄膜トランジスタの接続側とは反対側の端部を、前記予め定めた長さよりも短い長さだけ、前記画素電極の長手方向に対して60°〜80°の角度で交差する方向に屈曲していることを特徴とする
この発明のまた別の液晶表示素子は、
予め定めた間隙を設けて対向配置された第1の基板および第2の基板と、
前記第1の基板の前記第2の基板との対向面にマトリックス状に配列させて設けられた複数の画素電極と、
前記第1の基板の前記対向面に設けられ、前記複数の画素電極に接続された複数の薄膜トランジスタと、
前記第1の基板の前記対向面に設けられ、前記複数の薄膜トランジスタにゲート信号及びデータ信号を供給する複数の走査線及び信号線と、
前記複数の画素電極との間に絶縁膜を介在させた状態で前記複数の画素電極と前記第1の基板との間に設けられ、前記複数の画素電極の周縁部に重なり、且つ、前記薄膜トランジスタに重ならないように形成された補助電極と、
前記第2の基板の前記第1の基板との対向面に、前記複数の画素電極と対向するように設けられた対向電極と、
前記各画素電極に重なる各重畳領域を第1の領域および第2の領域に分ける境界線に沿うように、前記一対の基板間に設けられ、前記各重畳領域において前記一対の基板間の間隙を前記第1の領域に重なる第1の間隙と前記第2の領域に重なる第2の間隙とに仕切る複数の隔壁部材と、
前記第1の基板の前記対向面に、前記複数の画素電極を覆うように設けられ、前記隔壁部材の長さ方向に対して交差する方向にラビング処理された第1の配向膜と、
前記第2の基板の前記対向面に、前記対向電極及び前記複数の隔壁部材を覆うように設けられ、前記第1の配向膜のラビング方向に対して予め定めた向きで、且つ前記隔壁部材の長さ方向に対して交差する方向にラビング処理された第2の配向膜と、
前記一対の基板間の間隙に封入された正の誘電異方性を有する液晶層と、
を備え、
前記隔壁部材は、前記画素電極の長手方向に対して5°〜45°の範囲の角度で交差する方向に沿って予め定めた長さだけ形成され、且つ、前記隔壁部材のうち、前記画素電極に対する薄膜トランジスタの接続側とは反対側の端部を、前記予め定めた長さよりも短い長さだけ、前記画素電極の長手方向に対して60°〜80°の角度で交差する方向に屈曲していることを特徴とする
好ましくは、前記第1の配向膜と前記第1の配向膜とが当接している
好ましくは、前記第2の配向膜は、前記第1の配向膜のラビング方向に対して直交する方向にラビング処理され
前記第1の配向膜は、前記凸条部材または前記隔壁部材の長さ方向に対して45°〜85°の範囲の角度で交差する方向にラビング処理され、
前記第2の配向膜は、前記凸条部材または前記隔壁部材の長さ方向に対して5°〜45°の範囲の角度で交差する方向にラビング処理され、
前記液晶層の液晶分子は、前記第1の基板と前記第2の基板との間において、90°のツイスト角でツイスト配向している
好ましくは、前記第2の配向膜は、前記第1の配向膜のラビング方向と実質的に平行で且つ逆向きの方向にラビング処理され
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜は、前記凸条部材または前記隔壁部材の長さ方向に対して60°〜90°の範囲の角度で交差する方向にラビング処理され、
前記液晶層の液晶分子は、前記第1の基板と前記第2の基板との間において、前記第1及び第2の配向膜のラビング方向に分子長軸を揃えてホモジニアス配向している
請求項4に記載の発明は、前記請求項1または2に記載の液晶表示素子において、前記凸条部材または隔壁部材は、前記複数の画素毎に、前記画素を実質的に二等分する位置に対応させて設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記請求項1または2に記載の液晶表示素子において、前記凸条部材または隔壁部材は、前記画素の2つの領域のうちの一方の領域に対応する面と他方の領域に対応する面とがそれぞれ、前記第2の基板側から前記第1の基板側に向かって前記凸条部材または隔壁部材の幅方向の中心方向に傾斜した形状に形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の液晶表示素子において、前記第2の水平配向膜は、前記凸条部材または隔壁部材の長さ方向に対して斜めに交差し、且つ前記第1の水平配向膜のラビング方向に対して実質的に直交する方向にラビング処理され、前記液晶層の液晶分子は、前記一対の基板間において、実質的に90°のツイスト角でツイスト配向していることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の液晶表示素子において、前記第1の水平配向膜は、前記凸条部材または隔壁部材の長さ方向に対して45°〜85°の範囲の角度で交差する方向にラビング処理され、前記第2の水平配向膜は、前記凸条部材または隔壁部材の長さ方向に対して5°〜45°の範囲の角度で交差する方向にラビング処理されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記請求項5に記載の液晶表示素子において、前記第2の水平配向膜は、前記第1の水平配向膜のラビング方向と実質的に平行で且つ逆向きの方向にラビング処理され、前記液晶層の液晶分子は、前記一対の基板間において、前記第1及び第2の水平配向膜のラビング方向に分子長軸を揃えてホモジニアス配向していることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、前記請求項8に記載の液晶表示素子において、前記第1の水平配向膜と第2の水平配向膜はそれぞれ、前記凸条部材または隔壁部材の長さ方向に対して60°〜90°の範囲の角度で交差する方向にラビング処理されていることを特徴とする。
この発明の液晶表示素子は、上記のような構成であるため、複数の画素毎に、視野角特性が異なる2つの領域が区分して形成され、安定した広い視野角を得ることができる。
(第1の実施形態)
図1〜図11はこの発明の第1の実施例を示しており、図1は液晶表示素子の第1の基板の一部分の平面図、図2及び図3は図1のII−II線及びIII−III線に沿う前記液晶表示素子の拡大断面図である。
この液晶表示素子は、薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)をアクティブ素子としたアクティブマトリックス液晶表示素子であり、図1〜図3のように、予め定めた間隙を設けて対向配置された第1と第2の一対の透明基板1,2と、前記一対の基板1,2の互いに対向する内面のうちの第1の基板、例えば観察側(図2及び図3において上側)とは反対側の基板(以下、後基板という)1の内面に行方向及び列方向にマトリックス状に配列させて設けられた複数の透明な画素電極3と、前記後基板1の内面に、前記複数の画素電極3にそれぞれ対応させてその近傍に設けられ、対応する画素電極3にそれぞれ接続された複数のTFT4と、前記後基板1の内面に設けられ、前記複数のTFT4にそれぞれゲート信号及びデータ信号を供給する複数の走査線10及び信号線11と、第2の基板、つまり観察側の基板(以下、前基板という)2の内面に、前記複数の画素電極3と対向させて設けられた一枚膜状の透明な対向電極15と、前記一対の基板1,2間の間隙に封入された正の誘電異方性を有する液晶層20と、前記後基板1の外面と前記前基板2の外面とにそれぞれ配置された後偏光板21及び前偏光板22とを備えている。
前記TFT4は、前記後基板1上に形成されたゲート電極5と、前記ゲート電極5を覆って前記画素電極3の配列領域全体にわたって形成された透明なゲート絶縁膜6と、前記ゲート絶縁膜6の上に前記ゲート電極5と対向させて形成されたi型半導体膜7と、前記i型半導体膜7の一側部と他側部の上に図示しないn型半導体膜を介して形成されたドレイン電極8及びソース電極9とからなっている。
そして、前記複数の走査線10は、前記後基板1上に、行方向に配列した複数の画素電極3からなる各画素電極行にそれぞれ対応させてこれらの行の一側に設けられ、各行の複数のTFT4のゲート電極5に接続されており、前記複数の信号線11は、前記ゲート絶縁膜6の上に、列方向に配列した複数の画素電極3からなる各画素電極列にそれぞれ対応させてこれらの列の一側に設けられ、各列の複数のTFT4のドレイン電極8に接続されている。
また、前記複数の画素電極3は、前記ゲート絶縁膜6の上に、画面の左右方向と平行な方向の横幅よりも前記画面の上下方向と平行な方向の縦幅が大きい縦長の矩形形状に形成されており、これらの画素電極3の縦幅方向の一端部にそれぞれ、その画素電極3に対応するTFT4のソース電極9が接続されている。
さらに、この液晶表示素子は、前記複数の画素電極3よりも前記後基板1側に、前記複数の画素電極3との間に前記ゲート絶縁膜6を介在させて設けられ、前記複数の画素電極3それぞれの周縁部の略全周に対応し、且つ外周部が前記画素電極3の周囲に張出す形状に形成され、前記複数の画素電極3それぞれとの間に補償容量を形成し、前記外周部と前記複数の画素電極3の周縁部との間に、前記基板1面に沿った横方向の電界を生成する透明な補助電極12を備えている。なお、図1では、前記補助電極12に対応する部分に平行斜線を施している。
前記補助電極12は、前記後基板1上に、前記複数の画素電極3それぞれの周縁部のうちの前記TFT4の接続部以外の部分の略全周に対応させて枠形状に形成されており、前記複数の走査線10及び信号線11は、前記画素電極3に対して、前記補助電極12よりも外側の位置に設けられている。
なお、前記補助電極12の4つの辺部はそれぞれ4〜6μmの幅に形成されており、これらの辺部の中央よりも内側の2〜3μmの幅の領域が、前記ゲート絶縁膜6を介して前記画素電極3の周縁部に対向し、前記中央よりも外側の2〜3μmの幅の領域が、前記画素電極3の周囲に張出している。
前記複数の画素電極3の周縁部に対応する前記補助電極12は、各行毎に、互いに連続させて形成されており、さらに、これらの各行の一端または両端において共通接続されている(図示せず)。
そして、前記各行の補助電極12には、前記対向電極15に印加される信号と同電位の電圧が印加され、これらの補助電極12と前記補助電極12が対応する画素電極3の周縁部との間に、前記後基板1の基板面に沿った横方向の電界(以下、横電界という)が生成される。
また、前記後基板1の内面には、前記複数のTFT4及び複数の信号線11を覆ってオーバーコート絶縁膜13が設けられ、さらに前記画素電極3の配列領域全体に、前記複数の画素電極3を覆って第1の水平配向膜14が設けられている。
一方、前記前基板2の内面には、マトリックス状に配列された前記複数の画素電極3の間の領域に対応させて形成された遮光膜(ブラックマスク)16と、前記複数の画素電極3にそれぞれ対応させて形成された赤、緑、青の3色のカラーフィルタ17R,17G,17Bとが設けられており、前記対向電極15は、前記カラーフィルタ17R,17G,17Bの前記後基板1に対向する面上に形成されている。
さらにまた、この液晶表示素子は、前記対向電極15の前記複数の画素電極3と対向する面上に、前記複数の画素電極3と前記対向電極15とが互いに対向する領域からなる複数の画素30毎に、前記画素30を2つの領域に区分する位置に対応させて設けられた誘電体からなる複数の凸条部材18を備えている。
前記凸条部材18は、幅が10〜15μm、幅方向の中央部の厚さが1〜2μmの誘電体層からなっており、前記複数の画素30毎に、前記画素30を左右2つの領域に実質的に二等分する位置、例えば前記画素電極3の形状に対応した縦長矩形形状の画素30の中心を通り、且つ画素30の縦幅方向(画面の上下方向)に対して斜めに交差する方向に沿った位置に対応させて設けられている。
なお、この実施例では、前記複数の凸条部材18をそれぞれ、図1のように、前記画素30の縦幅方向に対して観察側から見て右回り方向に5°〜45°の角度で交差する方向に沿った方向に沿って前記画素30の略全長に形成し、且つこの凸条部材18の前記画素電極3に対するTFT4の接続側とは反対側の端部を、前記画素30の縦幅方向に対して観察側から見て60°〜80°の角度で交差する方向に屈曲させている。
また、前記凸条部材18は、前記画素30の2つの領域30a,30b(図2参照)のうちの一方の領域30aに対応する面と他方の領域30bに対応する面とがそれぞれ、前記前基板2側から前記後基板1側に向かって前記凸条部材18の幅方向の中心方向に傾斜した形状に形成されている。
すなわち、前記凸条部材18は、その幅方向の中央部を頂部とし、前記頂部から一方の側の部分と他方の側の部分とがそれぞれ、前記頂部に向かって傾斜した、実質的に山形の断面形状に形成されている。なお、前記凸条部材18の前記一方の側の部分と他方の側の部分は、それぞれ部分の傾斜角が実質的に等しく、且つそれぞれの部分の幅が実質的に等しい形状に形成されている。
このような断面形状の凸条部材18は、前記対向電極15上に、感光特性(γ特性)が鈍い光硬化性樹脂を塗布し、その塗布膜を、前記前基板2の外面側から、前記凸条部材18の中央部に対応する部分の露光時間よりも両側縁部に対応する部分の露光時間を短く制御して露光処理することにより形成することができる。
また、前記前基板2の内面には、前記複数の画素電極3の配列領域に対応する領域全体に、前記対向電極15及び前記複数の凸条部材18を覆って第2の水平配向膜19が設けられている。
前記後基板1の内面に設けられた第1の配向膜14と、前記前基板2の内面に設けられた第2の配向膜19はそれぞれ、液晶分子20aを0.5°程度の極く小さいプレチルト角で配向させる配向特性を有しており、これらの配向膜14のうちの前記第1の配向膜14は、前記凸条部材18の長さ方向(屈曲した端部以外の部分の長さ方向)に対して交差する方向にラビング処理され、前記第2の配向膜19は、前記第1の配向膜14のラビング方向に対して予め定めた向きで、且つ前記凸条部材18の長さ方向に対して交差する方向にラビング処理されている。
そして、前記一対の基板1,2は、いずれか一方の内面(配向膜上)に分散させて配置され、他方の基板の内面との間に挟持される複数の球状スペーサ、または、前記一対の基板1,2のいずれか一方の内面(配向膜よりも基板側)に複数の画素30の間の領域に対応させて予め定めたピッチで設けられ、他方の基板の内面に当接される複数の柱状スペーサ(図示せず)により前記基板1,2間の間隙を規定され、前記複数の画素電極3の配列領域を囲む枠状のシール材(図示せず)を介して接合されており、これらの基板1,2間の間隙の前記シール材で囲まれた領域に、誘電異方性が正のネマティック液晶からなる液晶層20が封入されている。
なお、前記後基板1には、その1つ縁部または互いに直交する2つの縁部に、前記前基板2の外方に張出すドライバ搭載部(図示せず)が形成されており、前記複数の走査線10及び信号線11は、前記ドライバ搭載部に搭載されたドライバ素子の複数のゲート信号出力端子及びデータ信号出力端子にそれぞれ接続され、前記各行の複数の補助電極12の共通接続部は、前記ドライバ素子の対向電極信号出力端子に接続され、前記対向電極15は、前記枠状のシール材による基板接合部に設けられたクロス接続部を介して前記ドライバ素子の前記対向電極信号出力端子に接続されている。
この実施例の液晶表示素子は、非スプレイ配向のTN(ツィステッドネマティック)型素子であり、前記一対の基板1,2の内面それぞれに設けられた第1と第2の配向膜14,19は、実質的に互いに直交する方向にラビング処理されている。
図1において、鎖線矢印14r,19rは前記第1と第2の配向膜14,19のラビング方向を示しており、前記後基板1の内面に設けられた第1の配向膜14は、前記凸条部材18の長さ方向に対して、一方の方向に45°〜85°、好ましくは80°〜85°の範囲の角度θ1で交差する方向14rにラビング処理され、前記前基板2の内面に設けられた第2の水平配向膜19は、前記凸条部材18の長さ方向に対して、前記一方の方向とは反対方向に5°〜45°、好ましくは5°〜10°の範囲の角度θ2で交差する方向19rにラビング処理されている。
なお、この実施例では、前記第1の配向膜14を、画面の左右方向と実質的に平行に、観察側から見て前記画面の左方向から右方向に向かってラビング処理し、前記第2の配向膜19を、画面の上下方向と実質的に平行に、観察側から見て前記画面の下方向から上方向に向かってラビング処理しており、したがって、前記第1の配向膜14のラビング方向14rは、前記凸条部材18の長さ方向に対して、観察側から見て右回り方向に45°〜85°(図1では80°〜85°)の範囲の角度θ1で交差し、前記第2の配向膜19のラビング方向19rは、前記凸条部材18の長さ方向に対して、観察側から見て左回り方向に5°〜45°(図1では5°〜10°)の範囲の角度θ1で交差している。
そして、前記液晶層20の液晶分子20aは、前記一対の基板1,2それぞれの近傍において、前記第1及び第2の配向膜14,19のラビング方向14r,19rに分子長軸を向け、且つ前記ラビング方向14r,19rの上流側(ラビングの開始端側)から下流側(ラビングの終了端側)に向かって前記配向膜14,19の膜面から離れる方向に前記2°以下の角度でプレチルトした状態で、前記一対の基板1,2間において、図1に破線矢印で示したツイスト方向(観察側から見て右回り方向)に実質的に90°のツイスト角でツイスト配向している。
この液晶分子20aの一対の基板1,2に対するプレチルトの向きは、後基板1側と前基板2側とで異なり、後基板1の近傍の液晶分子20aは、前記後基板1に対して、前記第1の配向膜14のラビング方向14rに向かって後基板1から離れる方向に、前記第1の配向膜14に対する液晶分子20aのチルト角に相当する角度で一様にプレチルトする。
一方、前基板2の近傍の液晶分子20aは、前記複数の凸条部材18に対応する部分以外の領域においては、前記前基板2に対して、前記第2の配向膜19のラビング方向19rに向かって前基板1から離れる方向に、前記第2の配向膜19に対する液晶分子20aのチルト角に相当する角度で一様にプレチルトするが、前記複数の凸条部材18に対応する部分では、前記凸条部材18の幅方向の中央部から前記第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側の領域30aにおいて、前記第2の配向膜19のラビング方向19rに向かって前基板2から離れる方向にプレチルトし、前記凸条部材18の幅方向の中央部から前記第2の配向膜19のラビング方向19rの下流側の領域30bにおいて、前記第2の配向膜19のラビング方向19rとは反対方向に向かって前記前基板2から離れる方向にプレチルトする。
図4は前記前基板2の近傍における液晶分子20aのプレチルトの向きを示す図であり、ここでは、便宜上、前記第2の配向膜19のラビング方向19rを前記凸条部材18の長さ方向に対して直交させたときのプレチルトの向きを示している。
図4のように、前記前基板2の内面の第2の配向膜19は、複数の画素30毎に、前記画素30を左右2つの領域30a,30bに区分する位置に対応させて設けられた前記複数の凸条部材18を覆って形成されているため、この第2の配向膜19の前記凸条部材18を覆う部分のうちの前記凸条部材18の幅方向の中央部から一方の側の部分19aは、前記後基板2に対して前記第2の配向膜19のラビング方向19rに向かって前記前基板2からの高さが大きくなる方向に傾斜し(以下、この部分19aを順方向傾斜部という)、前記凸条部材18の幅方向の中央部から他方の側の部分19bは、前記後基板2に対して前記第2の配向膜19のラビング方向19rとは反対方向に向かって前記前基板2からの高さが大きくなる方向に傾斜している(以下、この部分19bを逆方向傾斜部という)。
そのため、前記前基板2の近傍の液晶分子20aは、図4のように、複数の画素30毎に、前記第2の配向膜19の前記凸条部材18を覆う部分のうちの前記順方向傾斜部19aに対応する領域において、前記前基板2に対して前記第2の配向膜19のラビング方向19rに向かって前記前基板2から離れる方向に、前記順方向傾斜部19aの傾き角α1と前記第2の配向膜19に対する液晶分子20aのチルト角δとの和(α1+δ)に相当する角度β1でプレチルトし(以下、この方向のプレチルトを順方向プレチルトという)、前記第2の配向膜19の前記凸条部材18を覆う部分のうちの前記逆方向傾斜部19bに対応する領域において、前記前基板2に対して前記第2の配向膜19のラビング方向19rとは反対方向に向かって前記前基板2から離れる方向に、前記逆方向傾斜部19bの傾き角α2と前記第2の配向膜19に対する液晶分子20aのチルト角δとの差(α2−δ)に相当する角度β2でプレチルトする(以下、この方向のプレチルトを逆方向プレチルトという)。
例えば、前記第2の配向膜19に対する液晶分子20aのチルト角δは0.5°、前記第2の配向膜19の順方向傾斜部19a及び逆方向傾斜部19bの傾き角α1,α2はそれぞれ3°〜5°であり、したがって、前記第2の配向膜19の順方向傾斜部19aに対応する領域における液晶分子20aの順方向のプレチルト角β1は3.5°〜5.5°、前記第2の配向膜19の逆方向傾斜部19bに対応する領域における液晶分子20aの逆方向のプレチルト角β2は2.5°〜4.5°である。
なお、この実施例の液晶表示素子は、上述したように、前記第2の配向膜19を、前記凸条部材18の長さ方向に対して5°〜45°(好ましくは5°〜10°)の範囲の角度θ2で交差する方向19rにラビング処理したものであるが、前記前基板2の近傍の液晶分子20aは、複数の画素30毎に、前記第2の配向膜19の前記凸条部材18を覆う部分のうちの前記順方向傾斜部19aに対応する領域において、前記順方向にプレチルトし、前記第2の配向膜19の前記凸条部材18を覆う部分のうちの前記逆方向傾斜部19bに対応する領域において、前記逆方向にプレチルトする。
そのため、前記液晶層20の液晶分子20aは、前記一対の基板1,2間において実質的に90°のツイスト角でツイストし、且つ前記複数の画素30毎に、前記前基板2の近傍の液晶分子20aが、前記第2の配向膜19の前記凸条部材18を覆う部分のうちの前記逆方向傾斜部19bに対応する領域において前記逆方向にプレチルトした状態で配向している。
また、前記後偏光板21は、その吸収軸(図示せず)を前記後基板1の内面の第1の配向膜14のラビング方向14rと実質的に平行にするか、或いは実質的に直交させて配置され、前記前偏光板22は、その吸収軸(図示せず)を前記後偏光板21の吸収軸と実質的に直交させるか、或いは実質的に平行にして配置されている。
この液晶表示素子は、上記のような構成であるため、前記複数の画素電極3と対向電極15との間への電界の印加により、前記複数の画素電極3と前記対向電極15とが互いに対向する領域からなる複数の画素30毎に、液晶分子20aのチルト方向が互いに異なる2つの領域、つまり視野角特性が異なる2つの領域が区分して形成され、安定した広い視野角を得ることができる。
すなわち、前記液晶表示素子はTN型素子であり、液晶層20の液晶分子20aは、前記画素電極3と対向電極15との間に電界を印加しない無電界時に、上述したように、前記一対の基板1,2間において実質的に90°のツイスト角でツイスト配向し、前記電極3,15間への電界の印加によって、前記ツイスト配向状態から、基板1,2面に対するチルト角が大きくなるように立ち上がり配向する。
図5は前記液晶表示素子における電界の印加による液晶分子20aの立ち上がり配向を示す模式図であり、図において、破線矢印E1は、画素電極3と対向電極15との間に印加された電界を示している。
そして、前記液晶表示素子は、前記ドライバ素子の対向電極信号出力端子に接続された前記補助電極12を備えているため、前記画素電極3と対向電極15との間に電界E1を印加したときに、図5のように、前記補助電極12の外周部と前記画素電極3の周縁部との間に、前記画素電極3と対向電極15との間に印加された電界E1と実質的に同じ強さの横電界E2が生成し、前記画素電極3の周縁部付近の液晶分子20aが、前記横電界E2の方向に沿ってチルトする。
前記横電界E2は、前記画素電極3の各縁部からそれぞれ前記補助電極12の対応する辺部に向かう方向の電界であり、したがって、前記画素電極3の各縁部に対応する領域に生成する横電界E2はそれぞれ、その縁部とは反対側の縁部に対応する領域に生成する横電界E2の向きに対して逆向きの電界であるため、前記横電界E2による液晶分子20aのチルトの傾きは、前記画素電極3の横幅方向の一方の縁部に対応する領域と他方の縁部に対応する領域とで互いに逆向きであり、また、前記画素電極3の縦幅方向の一方の縁部に対応する領域と他方の縁部に対応する領域とで互いに逆向きである。
そして、この液晶表示素子では、前記後基板1の内面の第1の配向膜14を、画面の左右方向と実質的に平行に、前記画面の左方向から右方向に向かってラビング処理しているため、前記画素電極3の右側の縁部に対応する領域の前記横電界E2によって液晶分子20aがチルトさせられる傾きは、前記第1の配向膜14のラビング方向14rにより得られるプレチルトの傾き(以下、順傾斜という)であり、前記画素電極3の左側の縁部に対応する領域の前記横電界E2によって液晶分子20aがチルトさせられる傾きは、前記配向膜14のラビング方向14rにより得られるプレチルトの方向と逆の傾き(以下、逆傾斜という)である。
さらに、この液晶表示素子は、前基板2の内面に設けられた対向電極15の前記複数の画素電極3と対向する面上に、前記画素30の中心を通り、且つ画素30の縦幅方向に対して5°〜45°の範囲の角度で交差する方向に沿った位置に対応させて誘電体からなる凸条部材18を設けているため、前記画素電極3と対向電極15との間に印加された電界E1は、前記凸条部材18に対応する領域の電界が、前記凸条部材18での電圧降下により、図5のように、前記画素電極3の前記凸条部材18の幅方向の中央部に対応する部分から前記凸条部材18の両側縁側に向かって斜め方向に向くように歪み、この歪んだ電界により、前記凸条部材18に対応する領域の液晶分子20aが、図5に鎖線で示したように、前記凸条部材18の幅方向の中央部に対応する部分を中心にして、前記凸条部材18の一側縁側と他側縁側とで互いに反対向きにチルトする。
前記凸条部材18での電圧降下により歪んだ電界は、後基板1側から見ると、前記凸条部材18の中央に対応する部分から前記凸条部材18の両側縁側に向かって広がる向きの電界、前基板2側から見ると、前記凸条部材18の両側縁側から前記凸条部材18の中央に対応する部分に向かって狭まる向きの電界である。
そのために、前記凸条部材18の近傍の領域の液晶分子20aは、前記電界E1の歪みにより、後基板1に対しては、前記第1の配向膜14のラビング方向14rの下流側(凸条部材18の右側)において前記ラビング方向14rに対応した順傾斜でチルトし、前記ラビング方向14rの上流側(凸条部材18の左側)において前記ラビング方向14rに対して逆傾斜でチルトし、前基板2に対しては、前記第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側(凸条部材18の右側)において前記ラビング方向19rに対応した順傾斜でチルトし、前記ラビング方向19rの下流側(凸条部材18の左側)において前記ラビング方向19rに対して逆傾斜でチルトする。
さらに、この液晶表示素子は、前記凸条部材18を上記のような山形の断面形状に形成し、前記第2の配向膜19の前記凸条部材18を覆う部分に前記順方向傾斜部19aと逆方向傾斜部19bとを形成することにより、前基板2の近傍の液晶分子20aを、図4のように、前記第2の配向膜19の順方向傾斜部19aに対応する領域(凸条部材18の中央から左側の領域)において前記順方向にプレチルトさせ、前記第2の配向膜19の逆方向傾斜部19bに対応する領域(凸条部材18の中央から右側の領域)において前記逆方向にプレチルトさせているため、前記凸条部材18の近傍の領域の液晶分子20aは、前記電界E1の印加により、前記前基板2に対して、前記プレチルト状態からチルト角が大きくなるように立ち上がり配向する。
そのため、前記凸条部材18の近傍の領域の液晶分子20aの前記電界E1の歪みによる前基板2に対するチルト、つまり、前記前基板2の内面の第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側における順傾斜チルトと、前記ラビング方向19rの下流側における逆傾斜チルトとを、より確実に行なわせることができる。
そして、前記画素30内の他の領域の液晶分子20aは、前記画素30の周縁部及び前記凸条部材18の周辺の領域の液晶分子20aの相互の分子間力による影響を受けて配向するため、前記画素電極3と対向電極15との間に電界E1を印加すると、前記画素30内の液晶分子20aが、前記凸条部材18の幅方向の中央部に対応する部分を境にして、後基板1の内面の第1の配向膜14のラビング方向14rの下流側及び前基板2の内面の第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側の領域(画素30の右半分の領域)30bにおいて前記順傾斜でチルトし、前記第1の配向膜14のラビング方向14rの上流側及び前記第2の配向膜19のラビング方向19rの下流側の領域(画素30の左半分の領域)30aにおいて前記逆傾斜でチルトする。
図6は前記液晶表示素子における電界の印加による液晶分子20aの立ち上がり配向を示す斜視図であり、図6(b)は、液晶分子20aが前記順傾斜でチルトした領域の立ち上がり配向、図6(a)は、液晶分子20aが前記逆傾斜でチルトした領域の立ち上がり配向状態を示している。
また、図7は、前記液晶表示素子の1つの画素30における液晶分子20aの順チルト領域と逆チルト領域を示しており、この実施例では、前記凸条部材18を、画素30を左右2つの領域に区分する位置に対応させて設け、後基板1の内面の第1の配向膜14及び前基板2の内面の第2の配向膜19のラビング方向14r,19rを上記方向に設定しているため、前記画素30の前記凸条部材18の幅方向の中央部に対応する境界線31を境にして、前記画素30の右側の領域30aの液晶分子20aが順傾斜でチルトし、前記画素30の左側の領域30bの液晶分子20aが逆傾斜でチルトする。
このように、前記液晶表示素子によれば、前記複数の画素30毎に、前記画素電極3と対向電極15との間への電界E1の印加により、液晶分子20aが前記順傾斜でチルトした状態で立ち上がり配向する領域(順チルト領域)30bと、液晶分子20aが前記逆傾斜でチルトした状態で立ち上がり配向する領域(逆チルト領域)30aとを形成し、これらのチルト方向が異なる2つの領域30a,30bそれぞれの視野角特性が相乗した広い視野角を得ることができる。
また、前記液晶表示素子は、前記凸条部材18を、複数の画素30毎に、前記画素30を実質的に二等分する位置に対応させて設けているため、前記順チルト領域30bと、前記逆チルト領域30aとの面積を略同じにし、これらの2つの領域30a,30bそれぞれの視野角特性がバランス良く相乗した広い視野角を得ることができる。
図8〜図11は、液晶分子が画素全体において順傾斜でチルトする比較例の液晶表示素子と、上記実施例の液晶表示素子との視角−輝度特性図であり、図8は6時−12時方向(画面の上下方向)の特性、図9は9時−3時方向(画面の左右方向)の特性、図10は7時半−1時半方向(画面の左右方向に対して左回りに45°の方向)の特性、図11は4時半−10時半方向(画面の左右方向に対して右回りに45°の方向)の特性を示している。これらの視角−輝度特性は、複数の画素の電極間に0〜8の階調値の電界を印加したときの視角−輝度特性であり、各図において、L1は階調値が0の電界を印加したときの特性、L2は階調値が2の電界を印加したときの特性、L4は階調値が4の電界を印加したときの特性、L6は階調値が6の電界を印加したときの特性、L8は階調値が8の電界を印加したときの特性である。
図8(a)、図9(a)、図10(a)及び図11(a)のように、液晶分子が画素全体において順傾斜チルトする比較例の液晶表示素子は、9時−3時方向の視角−輝度特性が、画面の法線方向(0°の視角方向)を中心として左右略対称で、且つ十分なコントラストの表示を観察できる視角範囲が十分に広い特性であるが、6時−12時方向、7時半−1時半方向、及び4時半−10時半方向の視角−輝度特性は、左右非対称で、左右いずれか一方の方向の視角範囲が狭い。
この比較例に対して、上記実施例の液晶表示素子は、図8(b)、図9(b)、図10(b)及び図11(b)のように、6時−12時方向、9時−3時方向、7時半−1時半方向、及び4時半−10時半方向の視角−輝度特性がいずれも、画面の法線方向を中心として左右略対称で、且つ十分なコントラストの表示を観察できる視角範囲が十分に広い特性である。
そして、上記液晶表示素子は、前記複数の画素電極3よりも前記後基板1側に、前記複数の画素電極3との間に絶縁膜(TFT4のゲート絶縁膜)6を介在させて、前記複数の画素電極3それぞれとの間に補償容量を形成し、且つ前記複数の画素電極3の周縁部との間に横電界E2を生成する補助電極12を設け、前記対向電極15の複数の画素電極3と対向する面上に、複数の画素30毎に、前記画素30を2つの領域に区分する位置に対応させて誘電体からなる複数の凸条部材18を設け、さらに、前記後基板1の内面に前記複数の画素電極3を覆って設けられた第1の配向膜14を、前記凸条部材18の長さ方向に対して交差する方向14rにラビング処理、前記前基板2の内面に前記対向電極15及び前記複数の凸条部材18を覆って設けられた第2の配向膜19を、前記第1の配向膜14のラビング方向14aに対して予め定めた向きで、且つ前記凸条部材18の長さ方向に対して交差する方向にラビング処理しているため、前記複数の画素30毎に、視野角特性が異なる2つの領域30a,30bが区分して形成され、安定した広い視野角を得ることができる。
なお、上記第1の実施例では、前記凸条部材18を、画素30の中心を通り、且つ前記画素30の縦幅方向に対して斜めに交差する方向に沿った位置に対応させて設けられているが、前記凸条部材18は、前記画素30を2つの領域に区分する他の位置に対応させて設けてもよい。
図12は上記第1の実施例の変形例を示す液晶表示素子の第1の基板(後基板)の一部分の平面図である。なお、この変形例は、前記凸条部材18の位置及び形状と、第1及び第2の配向膜14,19のラビング方向14r,19rが上記第1の実施例と異なるだけで、他の構成は第1の実施例と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
この液晶表示素子は、前記凸条部材18を、前記画素30の中心を通り、且つ前記画素30の縦幅方向と実質的に平行な方向に沿った位置に対応させて、前記画素30の縦幅全長にわたって直線状に形成し、前記後基板1の内面の第1の配向膜14を、前記凸条部材18の長さ方向に対して、観察側から見て右回り方向に45°〜85°(好ましくは80°〜85°)の範囲の角度θ1で交差する方向にラビング処理し、前記前基板2の内面の第2の配向膜19を、前記凸条部材18の長さ方向に対して、観察側から見て右回り方向に45°〜85°(好ましくは80°〜85°)の範囲の角度θ1で交差する方向にラビング処理し、前記液晶層20の液晶分子20aを、一対の基板1,2間において、実質的に90°のツイスト角でツイスト配向させたものであり、この液晶表示素子においても、上記第1の実施例の液晶表示素子と同様に、複数の画素30毎に、視野角特性が異なる2つの領域30a,30bが区分して形成され、安定した広い視野角を得ることができる。
また、上記第1の実施例の液晶表示素子は、非スプレイ配向のTN型素子であるが、この発明は、前記第1の配向膜14と第2の配向膜19のいずれか一方を上記実施例のラビング方向とは反対方向にラビング処理することにより、前記画素30の2つの領域30a,30bの液晶分子20aをそれぞれ、一対の基板1,2間においてスプレイ配向させたTN型液晶表示素子にも適用することができる。
さらに、この発明は、TN型の液晶表示素子に限らず、一対の基板間に正の誘電異方性を有する液晶層を封入した他の液晶表示素子、例えば非ツイストのホモジニアス配向型液晶表示素子等にも適用することができる。
(第2の実施形態)
図13〜図15はこの発明の第2の実施例を示しており、図13は液晶表示素子の第1の基板(後基板)の一部分の平面図、図14は前記液晶表示素子の1つの画素の無電界時の液晶分子の配向状態を示す断面図、図15は前記液晶表示素子の1つの画素の電界印加時の液晶分子の配向状態を示す断面図である。なお、この実施例において、上述した第1の実施例に対応するものには図に同符号を付し、第1の実施例と同じものについてはその説明を省略する。
この実施例の液晶表示素子は、非ツイストのホモジニアス配向型素子であり、一対の基板1,2(図2及び図3参照)の内面それぞれに設けられた第1と第2の水平配向膜の14,19のラビング方向14r,19rが上記第1の実施例のTN型液晶表示素子と異なるだけで、他の構成は実質的に第1の実施例と同じである。
すなわち、この液晶表示素子は、アクティブマトリックス液晶表示素子であり、一対の基板1,2のうちの後基板1の内面に、複数の画素電極3と複数のTFT4と複数の走査線10及び複数の信号線11とが設けられ、前基板の内面に対向電極15が設けられている。
そして、前記後基板1の内面には、前記複数の画素電極3よりも前記後基板1側に、前記複数の画素電極3との間に絶縁膜(TFT4のゲート絶縁膜)6を介在させて、前記複数の画素電極3それぞれとの間に補償容量を形成し、且つ前記複数の画素電極3の周縁部との間に横電界E2を生成する補助電極12が設けられている。
また、前記前基板2の内面に設けられた前記対向電極15の前記複数の画素電極3と対向する面上には、前記複数の画素30毎に、前記画素30を2つの領域30c,30dに区分する位置に対応させて誘電体からなる複数の凸条部材18が設けられている。
この実施例において、前記複数の凸条部材18はそれぞれ、前記画素30を実質的に二等分する位置、例えば、前記画素30の中心を通り、且つ前記画素30の縦幅方向と実質的に平行な方向に沿った位置に対応させて、前記画素30の縦幅全長にわたって直線状に形成されている。
そして、前記複数の凸条部材18はそれぞれ、上記第1の実施例と実質的に同じ断面形状、つまり、前記画素30の2つの領域30c,30dのうちの一方の領域30cに対応する面と他方の領域30dに対応する面とがそれぞれ、前記前基板2側から前記後基板1側に向かって前記凸条部材18の幅方向の中心方向に傾斜した、実質的に山形の断面形状に形成されている。
また、前記後基板1の内面に前記複数の画素電極3を覆って設けられた第1の水平配向膜14及び前記前基板2の内面に前記対向電極15及び前記複数の凸条部材18を覆って設けられた第2の水平配向膜19はそれぞれ、液晶分子20aを0.5°程度の極く小さいプレチルト角で配向させる配向特性を有しており、前記第1の水平配向膜14は、前記凸条部材18の長さ方向に対して交差する方向14rにラビング処理され、前記第2の水平配向膜19は、前記第1の配向膜14のラビング方向14rと実質的に平行で且つ逆向きの方向19rにラビング処理されている。
この液晶表示素子において、前記第1の配向膜14と第2の配向膜19はそれぞれ、前記凸条部材18の長さ方向に対して60°〜90°の範囲の角度で交差する方向14r,19rにラビング処理されている。なお、これらの配向膜14,19のラビング方向14r,19rは、前記凸条部材18の長さ方向に対して90°またはそれに近い角度で交差する方向が好ましい。
この実施例では、前記後基板1の内面の第1の配向膜14を、画面の左右方向と平行に、観察側から見て前記画面の右方向から左方向に向かってラビング処理し、前記前基板2の内面の第2の配向膜19を、前記画面の左右方向と平行に、観察側から見て前記画面の左方向から右方向に向かってラビング処理しており、したがって、前記第1の配向膜14のラビング方向14rと前記第2の配向膜19のラビング方向19rは、前記凸条部材18の長さ方向に対して実質的90°の角度で交差している。
そして、前記一対の基板1,2間の間隙に封入された液晶層20の液晶分子20aは、前記一対の基板1,2間において、前記第1及び第2の配向膜14,19のラビング方向14r,19rに分子長軸を揃えてホモジニアス配向している。
前記の液晶分子20aの一対の基板1,2に対するプレチルトの向きは、後基板1側と前基板2側とで異なり、後基板1の近傍の液晶分子20aは、前記後基板1に対して、前記第1の配向膜14のラビング方向14rに向かって後基板1から離れる方向(順方向)に、前記第1の配向膜14に対する液晶分子20aのチルト角に相当する角度で一様にプレチルトする。
一方、前基板2の近傍の液晶分子20aは、前記複数の凸条部材18に対応する部分以外の領域においては、前記前基板2に対して、前記第2の配向膜19のラビング方向19rに向かって前基板1から離れる方向(順方向)に、前記第2の配向膜19に対する液晶分子20aのチルト角に相当する角度で一様にプレチルトするが、前記複数の凸条部材18に対応する部分では、前記凸条部材18の幅方向の中央部から前記第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側の部分に対応する領域において、前記第2の配向膜19のラビング方向19rに向かって前基板2から離れる方向(順方向)にプレチルトし、前記凸条部材18の幅方向の中央部から前記第2の配向膜19のラビング方向19rの下流側の部分に対応する領域において、前記第2の配向膜19のラビング方向19rとは反対方向に向かって前記前基板2から離れる方向(逆方向)にプレチルトする。
そのため、前記液晶層20の液晶分子20aは、図14のように、前記複数の画素30毎に、前記第1及び第2の配向膜14,19のラビング方向14r,19rに分子長軸を揃え、且つ前記凸条部材18に対応する部分以外の領域及び前記凸条部材18に対応する部分のうちの前記凸条部材18の幅方向の中央部から一方の側の部分、つまり前記第1の配向膜14のラビング方向14rの下流側及び前記第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側の部分に対応する領域において、前記第1及び第2の配向膜14,19のラビング方向14r,19rに対して順方向にプレチルトし、前記凸条部材18に対応する部分のうちの前記凸条部材18の幅方向の中央部から他方の側の部分、つまり前記第1の配向膜14のラビング方向14rの上流側及び前記第2の配向膜19のラビング方向19rの下流側の部分に対応する領域において、前記第1及び第2の配向膜14,19のラビング方向14r,19rとは反対方向にプレチルトした状態でホモジニアス配向している。
前記液晶層20の液晶分子20aは、前記画素電極3と対向電極15との間に電界を印加しない無電界時に、前記第1及び第2の配向膜14,19のラビング方向14r,19rに分子長軸を揃えてホモジニアス配向し、前記電極3,15間への電界の印加によって、前記ホモジニアス配向状態から、基板1,2面に対するチルト角が大きくなるように立ち上がり配向する。
そして、この実施例の液晶表示素子においては、前記画素電極3と対向電極15との間に電界E1を印加したときに、図15のように、前記補助電極12の外周部と前記画素電極3の周縁部との間に生成した横電界(画素電極3と対向電極15との間に印加された電界E1と実質的に同じ強さの電界)E2が、後基板1の近傍の液晶分子20aのうちの前記画素電極3の左側の縁部に対応する領域の液晶分子20aを、前記第1の配向膜14のラビング方向14rにより得られるプレチルトの傾き(順傾斜)方向にチルトさせるように作用し、前記画素電極3の右側の縁部に対応する領域の液晶分子20aを前記第1の配向膜14のラビング方向14rにより得られるプレチルトの方向と逆の傾き(逆傾斜)方向にチルトさせるように作用する。
また、前記画素電極3と対向電極15との間に印加された電界E1のうちの前記凸条部材18に対応する領域の電界は、図15のように、前記凸条部材18での電圧降下によって前記画素電極3の前記凸条部材18の幅方向の中央部に対応する部分から前記凸条部材18の両側縁側に向かって斜め方向に向くように歪むため、この歪んだ電界により、前記凸条部材18に対応する領域の液晶分子20aが、後基板1に対しては、前記第1の配向膜14のラビング方向14rの下流側(凸条部材18の左側)において前記ラビング方向14rに対応した順傾斜でチルトし、前記ラビング方向14rの上流側(凸条部材18の右側)において前記ラビング方向14rに対して逆傾斜でチルトし、前基板2に対しては、前記第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側(凸条部材18の左側)において前記ラビング方向19rに対応した順傾斜でチルトし、前記ラビング方向19rの下流側(凸条部材18の右側)において前記ラビング方向19rに対して逆傾斜でチルトする。
さらに、この液晶表示素子は、前基板2の近傍の液晶分子20aのうちの前記凸条部材18に対応する部分の液晶分子が、前記凸条部材18の中央から左側の領域において、前記順方向にプレチルトした状態からチルト角が大きくなるように立ち上がり配向し、前記凸条部材18の中央から右側の領域において、前記逆方向にプレチルト状態からチルト角が大きくなるように立ち上がり配向するため、前記凸条部材18の近傍の領域の液晶分子20aの前記電界E1の歪みによる前基板2に対するチルトを、より確実に行なわせることができる。
そして、前記画素30内の他の領域の液晶分子20aは、前記画素30の周縁部及び前記凸条部材18の周辺の領域の液晶分子20aの相互の分子間力による影響を受けて配向するため、前記画素電極3と対向電極15との間に電界E1を印加すると、前記画素30内の液晶分子20aが、前記凸条部材18の幅方向の中央部に対応する部分を境にして、後基板1の内面の第1の配向膜14のラビング方向14rの下流側及び前基板2の内面の第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側の領域(画素30の左半分の領域)30cにおいて前記順傾斜でチルトし、前記第1の配向膜14のラビング方向14rの上流側及び前記第2の配向膜19のラビング方向19rの下流側の領域(画素30の右半分の領域)30dにおいて前記逆傾斜でチルトする。
したがって、この液晶表示素子によれば、前記複数の画素30毎に、前記画素電極3と対向電極15との間への電界E1の印加により、液晶分子20aが前記順傾斜でチルトした状態で立ち上がり配向する領域(順チルト領域)30cと、液晶分子20aが前記逆傾斜でチルトした状態で立ち上がり配向する領域(逆チルト領域)30dとが区分して形成され、これらのチルト方向が異なる2つの領域30c,30dそれぞれの視野角特性が相乗した、安定した広い視野角を得ることができる。
(第3の実施形態)
図16及び図17はこの発明の第3の実施例を示しており、図16は液晶表示素子の1つの画素の無電界時の液晶分子の配向状態を示す断面図、図17は前記液晶表示素子の1つの画素の電界印加時の液晶分子の配向状態を示す断面図である。なお、この実施例において、上述した第1及び第2の実施例に対応するものには図に同符号を付し、第1及び第2の実施例と同じものについてはその説明を省略する。
この実施例の液晶表示素子は、上記第1及び第2の実施例における複数の凸条部材18に代えて、一対の基板1,2間に、前記複数の画素30毎に、前記画素30を2つの領域30e,30fに区分する位置に対応させて設けられ、前記一対の基板1,2間の間隙を、前記複数の画素30毎に前記2つの領域30e,30fのうちの一方の領域30e側の間隙と他方の領域30f側の間隙とに仕切る誘電体からなる複数の隔壁部材18aを設けたものであり、他の構成は実質的に第1及び第2の実施例のいずれかと同じである。
この実施例において、前記複数の隔壁部材18aは、前基板2の内面に設けられた対向電極15上(後基板1の内面に設けられた複数の画素電極3と対向する面上)に、前記複数の画素30毎に、前記画素30を左右2つの領域に実質的に二等分する位置、例えば前記画素30の中心を通り、且つ前記画素30の縦幅方向と実質的に平行な方向に沿った位置に対応させて、前記画素30の縦幅全長にわたって直線状に形成されている。
また、前記複数の隔壁部材18aは、前記画素30の前記2つの領域30e,30fのうちの一方の領域30eに対応する壁面と他方の領域30fに対応する壁面とがそれぞれ、前記前基板2側から前記後基板1側に向かって前記凸条部材18の幅方向の中心方向に傾斜し、且つ前記一方の領域30eに対応する壁面の傾斜角と、前記他方の領域30fに対応する壁面の傾斜角とが実質的に等しい角度に設定された形状に形成されている。
なお、この隔壁部材18aの基部の幅は約10〜15μmであり、前記画素30の一方の領域30eに対応する壁面と他方の領域30fに対応する壁面の傾き角はそれぞれ、例えば5°〜10°に設定されている。
このような形状の隔壁部材18aは、前記対向電極15上に、感光特性(γ特性)が鈍い光硬化性樹脂を塗布し、その塗布膜を、前記前基板2の外面側から、前記隔壁部材18aの中央部に対応する部分の露光時間よりも両側部に対応する部分の露光時間を短く制御して露光処理することにより形成することができる。
さらに、前記複数の隔壁部材18aはそれぞれ、前記一対の基板1,2間の前記複数の画素30に対応する領域の間隙、つまり画素電極3と対向電極15との間の間隙に対応した高さに形成されており、前記前基板の内面に前記対向電極15及び複数の隔壁部材18aを覆って設けられた第2の水平配向膜19及び前記後基板の内面に前記複数の画素電極3を覆って設けられた第1の水平配向膜14を介して前記複数の画素電極3の中央部に当接し、前記一対の基板1,2間の間隙を規定している。
また、この実施例の液晶表示素子は、非ツイストのホモジニアス配向型素子であり、前記第1の水平配向膜14は、前記隔壁部材18aの長さ方向に対して交差する方向14rにラビング処理され、前記第2の水平配向膜19は、前記第1の配向膜14のラビング方向14rと実質的に平行で且つ逆向きの方向19rにラビング処理されている。
この実施例において、前記第1の配向膜14と第2の配向膜19はそれぞれ、前記凸条部材18の長さ方向に対して60°〜90°の範囲の角度で交差する方向(好ましくは90°またはそれに近い角度で交差する方向)14r,19rにラビング処理されている。
そして、前記一対の基板1,2間の間隙に封入された液晶層20の液晶分子20aは、図16のように、前記複数の画素30毎に、前記第1及び第2の配向膜14,19のラビング方向14r,19rに分子長軸を揃え、且つ前記隔壁部材18aの近傍以外の領域及び前記隔壁部材18aの近傍の領域のうちの前記隔壁部材18aの一方の壁面側の領域、つまり前記第1の配向膜14のラビング方向14rの下流側及び前記第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側の領域において、前記第1及び第2の配向膜14,19のラビング方向14r,19rに対して順方向にプレチルトし、前記隔壁部材18aの近傍の領域のうちの前記隔壁部材18aの他方の壁面側の領域、つまり前記第1の配向膜14のラビング方向14rの上流側及び前記第2の配向膜19のラビング方向19rの下流側の領域において、前記第1及び第2の配向膜14,19のラビング方向14r,19rとは反対方向にプレチルトした状態でホモジニアス配向している。
この実施例の液晶表示素子においては、前記画素電極3と対向電極15との間に電界E1を印加したときに、図17のように、前記補助電極12の外周部と前記画素電極3の周縁部との間に生成した横電界E2により、後基板1の近傍の液晶分子20aのうちの前記画素電極3の左側の縁部に対応する領域の液晶分子20aが、前記第1の配向膜14のラビング方向14rにより得られるプレチルトの傾き(順傾斜)方向にチルトし、前記画素電極3の右側の縁部に対応する領域の液晶分子20aが、前記第1の配向膜14のラビング方向14rにより得られるプレチルトの方向と逆の傾き(逆傾斜)方向にチルトする。
また、前記画素電極3と対向電極15との間に印加された電界E1のうちの前記隔壁部材18aの近傍の電界は、前記隔壁部材18aの2つ壁面にそれぞれ沿って斜め方向に向くように歪むため、この歪んだ電界により、前記隔壁部材18aの近傍の領域の液晶分子20aが、後基板1に対しては、前記第1の配向膜14のラビング方向14rの下流側(隔壁部材18aの左側)において前記ラビング方向14rに対応した順傾斜でチルトし、前記ラビング方向14rの上流側(隔壁部材18aの右側)において前記ラビング方向14rに対して逆傾斜でチルトし、前基板2に対しては、前記第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側(隔壁部材18aの左側)において前記ラビング方向19rに対応した順傾斜でチルトし、前記ラビング方向19rの下流側(隔壁部材18aの右側)において前記ラビング方向19rに対して逆傾斜でチルトする。
さらに、この液晶表示素子は、前基板2の近傍の液晶分子20aのうちの前記隔壁部材18aの近傍の液晶分子が、前記隔壁部材18aの左側の領域において、前記順方向にプレチルトした状態からチルト角が大きくなるように立ち上がり配向し、前記隔壁部材18aの右側の領域において、前記逆方向にプレチルト状態からチルト角が大きくなるように立ち上がり配向するため、前記隔壁部材18aの近傍の領域の液晶分子20aの前記電界E1の歪みによる前基板2に対するチルトを、より確実に行なわせることができる。
そして、前記画素30内の他の領域の液晶分子20aは、前記画素30の周縁部及び前記隔壁部材18aの近傍の領域の液晶分子20aの相互の分子間力による影響を受けて配向するため、前記画素電極3と対向電極15との間に電界E1を印加すると、前記画素30内の液晶分子20aが、前記隔壁部材18aに対応する部分を境にして、後基板1の内面の第1の配向膜14のラビング方向14rの下流側及び前基板2の内面の第2の配向膜19のラビング方向19rの上流側の領域(画素30の左半分の領域)30cにおいて前記順傾斜でチルトし、前記第1の配向膜14のラビング方向14rの上流側及び前記第2の配向膜19のラビング方向19rの下流側の領域(画素30の右半分の領域)30dにおいて前記逆傾斜でチルトする。
したがって、この液晶表示素子によれば、前記複数の画素30毎に、前記画素電極3と対向電極15との間への電界E1の印加により、液晶分子20aが前記順傾斜でチルトした状態で立ち上がり配向する領域(順チルト領域)30cと、液晶分子20aが前記逆傾斜でチルトした状態で立ち上がり配向する領域(逆チルト領域)30dとが区分して形成され、これらのチルト方向が異なる2つの領域30c,30dそれぞれの視野角特性が相乗した、安定した広い視野角を得ることができる。
しかも、この実施例の液晶表示素子は、前記一対の基板1,2間の間隙を前記複数の隔壁部材18aによって規定しているため、基板間隙を規定するための複数の球状スペーサまたは複数の柱状スペーサを別に備える必要が無く、したがって、上述した第1または第2の実施例のような複数の凸条部材18と複数の球状スペーサまたは柱状スペーサとを備える液晶表示素子に比べて、製造工程を簡略化し、低コストに製造することができる。
なお、上記第3の実施例は、前記非ツイストのホモジニアス配向型液晶表示素子に限らず、非スプレイ配向または非スプレイ配向のTN型液晶表示素子に適用してもよく、その場合は、前記後基板1の内面に複数の画素電極3を覆って設けられた第1の水平配向膜14を、前記隔壁部材18aの長さ方向に対して交差する方向(好ましくは隔壁部材18aの長さ方向に対して45°〜85°の範囲の角度で交差する方向)にラビング処理し、前基板2の内面に、前記対向電極15及び前記複数の隔壁部材18aを覆って設けられた第2の水平配向膜19を、前記第1の水平配向膜14のラビング方向に対して実質的に直交する方向にラビング処理すればよい。
この発明の第1の実施例を示す液晶表示素子の第1の基板の一部分の平面図。 図1のII−II線に沿う前記液晶表示素子の拡大断面図。 図1のIII−III線に沿う前記液晶表示素子の拡大断面図。 第1の実施例の液晶表示素子の第2の基板の近傍における液晶分子のプレチルトの向きを示す図。 第1の実施例の液晶表示素子における電界の印加による液晶分子の立ち上がり配向を示す模式図。 第1の実施例の液晶表示素子における電界の印加による液晶分子の立ち上がり配向を示す斜視図。 第1の実施例の液晶表示素子の1つの画素における液晶分子の順チルト領域と逆チルト領域を示す図。 液晶分子が画素全体において順傾斜でチルトする比較例の液晶表示素子と、第1の実施例の液晶表示素子との6時−12時方向の視角−輝度特性図。 前記比較例の液晶表示素子と、第1の実施例の液晶表示素子との9時−3時方向の視角−輝度特性図。 前記比較例の液晶表示素子と、第1の実施例の液晶表示素子との7時半−1時半方向の視角−輝度特性図。 前記比較例の液晶表示素子と、第1の実施例の液晶表示素子との4時半−10時半方向の視角−輝度特性図。 第1の実施例の変形例を示す液晶表示素子の第1の基板の一部分の平面図。 この発明の第2の実施例を示す液晶表示素子の第1の基板の一部分の平面図。 第2の実施例の液晶表示素子の1つの画素の無電界時の液晶分子の配向状態を示す断面図。 第2の実施例の液晶表示素子の1つの画素の電界印加時の液晶分子の配向状態を示す断面図。 この発明の第3の実施例を示す液晶表示素子の1つの画素の無電界時の液晶分子の配向状態を示す断面図。 第3の実施例における前記1つの画素の電界印加時の液晶分子の配向状態を示す断面図。
符号の説明
1,2…基板、3…画素電極、4…TFT、10…走査線、11…信号線、12…補助電極、14,19…配向膜、14r,19r…ラビング方向、15…対向電極、16…遮光膜、17R,17G,17B…カラーフィルタ、18…凸条部材、18a…隔壁部材、20…液晶層、20a…液晶分子、21,22…偏光板、30…画素、E1,E2…電界、30b,30c,30e…順チルト領域、30a,30d,30f…逆チルト領域。

Claims (5)

  1. 予め定めた間隙を設けて対向配置された第1の基板および第2の基板と、
    前記第1の基板の前記第2の基板との対向面にマトリックス状に配列させて設けられた複数の画素電極と、
    前記第1の基板の前記対向面に設けられ、前記複数の画素電極に接続された複数の薄膜トランジスタと、
    前記第1の基板の前記対向面に設けられ、前記複数の薄膜トランジスタにゲート信号及びデータ信号を供給する複数の走査線及び信号線と、
    前記複数の画素電極との間に絶縁膜を介在させた状態で前記複数の画素電極と前記第1の基板との間に設けられ、前記複数の画素電極の周縁部に重なり、且つ、前記薄膜トランジスタに重ならないように形成された補助電極と、
    前記第2の基板の前記第1の基板との対向面に、前記複数の画素電極と対向するように設けられた対向電極と、
    前記各画素電極に重なる各重畳領域を第1の領域および第2の領域に分ける境界線に沿うように、前記対向電極の前記複数の画素電極との対向面に設けられた複数の凸条部材と、
    前記第1の基板の前記対向面に、前記複数の画素電極を覆うように設けられ、前記凸条部材の長さ方向に対して交差する方向にラビング処理された第1の配向膜と、
    前記第2の基板の前記対向面に、前記対向電極及び前記複数の凸条部材を覆うように設けられ、前記第1の配向膜のラビング方向に対して予め定めた向きで、且つ前記凸条部材の長さ方向に対して交差する方向にラビング処理された第2の配向膜と、
    前記一対の基板間の間隙に封入された正の誘電異方性を有する液晶層と、
    を備え、
    前記凸条部材は、前記画素電極の長手方向に対して5°〜45°の範囲の角度で交差する方向に沿って予め定めた長さだけ形成され、且つ、前記凸条部材のうち、前記画素電極に対する薄膜トランジスタの接続側とは反対側の端部を、前記予め定めた長さよりも短い長さだけ、前記画素電極の長手方向に対して60°〜80°の角度で交差する方向に屈曲していることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記第2の配向膜は、前記第1の配向膜のラビング方向に対して直交する方向にラビング処理され、
    前記第1の配向膜は、前記凸条部材または前記隔壁部材の長さ方向に対して45°〜85°の範囲の角度で交差する方向にラビング処理され、
    前記第2の配向膜は、前記凸条部材または前記隔壁部材の長さ方向に対して5°〜45°の範囲の角度で交差する方向にラビング処理され、
    前記液晶層の液晶分子は、前記第1の基板と前記第2の基板との間において、90°のツイスト角でツイスト配向していることを特徴とする請求項に記載の液晶表示素子。
  3. 予め定めた間隙を設けて対向配置された第1の基板および第2の基板と、
    前記第1の基板の前記第2の基板との対向面にマトリックス状に配列させて設けられた複数の画素電極と、
    前記第1の基板の前記対向面に設けられ、前記複数の画素電極に接続された複数の薄膜トランジスタと、
    前記第1の基板の前記対向面に設けられ、前記複数の薄膜トランジスタにゲート信号及びデータ信号を供給する複数の走査線及び信号線と、
    前記複数の画素電極との間に絶縁膜を介在させた状態で前記複数の画素電極と前記第1の基板との間に設けられ、前記複数の画素電極の周縁部に重なり、且つ、前記薄膜トランジスタに重ならないように形成された補助電極と、
    前記第2の基板の前記第1の基板との対向面に、前記複数の画素電極と対向するように設けられた対向電極と、
    前記各画素電極に重なる各重畳領域を第1の領域および第2の領域に分ける境界線に沿うように、前記一対の基板間に設けられ、前記各重畳領域において前記一対の基板間の間隙を前記第1の領域に重なる第1の間隙と前記第2の領域に重なる第2の間隙とに仕切る複数の隔壁部材と、
    前記第1の基板の前記対向面に、前記複数の画素電極を覆うように設けられ、前記隔壁部材の長さ方向に対して交差する方向にラビング処理された第1の配向膜と、
    前記第2の基板の前記対向面に、前記対向電極及び前記複数の隔壁部材を覆うように設けられ、前記第1の配向膜のラビング方向に対して予め定めた向きで、且つ前記隔壁部材の長さ方向に対して交差する方向にラビング処理された第2の配向膜と、
    前記一対の基板間の間隙に封入された正の誘電異方性を有する液晶層と、
    を備え、
    前記隔壁部材は、前記画素電極の長手方向に対して5°〜45°の範囲の角度で交差する方向に沿って予め定めた長さだけ形成され、且つ、前記隔壁部材のうち、前記画素電極に対する薄膜トランジスタの接続側とは反対側の端部を、前記予め定めた長さよりも短い長さだけ、前記画素電極の長手方向に対して60°〜80°の角度で交差する方向に屈曲していることを特徴とする液晶表示素子。
  4. 前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とが当接していることを特徴とする請求項に記載の液晶表示素子。
  5. 前記第2の配向膜は、前記第1の配向膜のラビング方向と実質的に平行で且つ逆向きの方向にラビング処理され、
    前記第1の配向膜と前記第2の配向膜は、前記凸条部材または前記隔壁部材の長さ方向に対して60°〜90°の範囲の角度で交差する方向にラビング処理され、
    前記液晶層の液晶分子は、前記第1の基板と前記第2の基板との間において、前記第1及び第2の配向膜のラビング方向に分子長軸を揃えてホモジニアス配向していることを特徴とする請求項3または4に記載の液晶表示素子。
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