JP5522781B2 - ブーム付作業機におけるブームの撓み抑制装置 - Google Patents

ブーム付作業機におけるブームの撓み抑制装置 Download PDF

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Description

本願発明は、クレーン等のブーム付き作業機において、ブームの撓みを抑制するブーム撓み抑制装置に関するものであり、さらに詳しくは、同ブームの撓み抑制装置の操作に関連して行うべき作業機操作対象の操作および操作範囲を表示する操作表示制御の内容に関するものである。
ブーム付の作業機の一例として、ブーム付きのクレーン(クレーン車)が知られている。このようなブーム付きクレーンは、ビル等の建造物を構築するに際して、必要な資材ユニットを吊り上げ、所要の作業場所に運搬するのに適している。このため、ビル建設等の用途に有効に利用されている。
そして、上記ビル等の建造物は、近年益々高層化するとともに、使用される資材ユニットも、次第に大型化する傾向にある。
このため、クレーン自体も大型化し、ブームの伸縮段数を増加させて、高揚程での荷送り作業に適したものが提供されるようになっている。
ところが、このようにブーム部分の長さが長くなり、吊荷の荷重も大きくなると、自重を含めてブームにかかる荷重も増大し、その撓み量も大きなものとなる。
このため、上記クレーンのようなブーム付作業機では、ブームの自重及び吊荷の荷重等による撓みを抑制するための撓み抑制装置が設けられている。
このブームの撓み抑制装置は、例えばマスト、テンションロープ、テンション部材、プリテンションシリンダ、テンションウインチ、マスト起伏シリンダ等を備え、伸縮ブームの基端ブームの先端部等にマストを設け、該マストの先端部と上記基端ブームの基端部との間にテンションリンク等のテンション部材を配置するとともに、上記マストの先端部と先端ブームの先端部との間にテンションロープを張設し、該張設されたテンションロープの張力を例えば上記マスト部分に配置したテンションウインチおよびプリテンションシリンダによって適切な張力を付与することによって、上記ブームの撓みを抑制するようにしている(例えば特許文献1を参照)。
すなわち、このようなクレーン等のブーム付き作業機におけるブームの撓み抑制装置では、格納状態から、マスト起伏シリンダの駆動によるマストの張出し、基端ブーム後端側へのテンション部材の接続、テンションウインチの駆動によるテンションロープの繰り出し、先端ブームの先端部へのテンションロープの接続、伸縮ブームの所定量の起伏および伸長、テンションウインチのロック等を行った後、最終的なプリテンションセット(目標となる適切な規定値への張力セット)を行なって作業を行う。
このプリテンションセット作業は、上記テンションウインチにより一応のテンションロープの張設を行った後に、さらに上記プリテンションシリンダを所定量縮めて、上記テンションロープに所望の張力を掛けることにより行われる。
そして、その上で必要な吊荷作用を行ない、同吊荷作業が終了すると、上記張力可変手段(張力調節手段)であるプリテンションシリンダを伸ばして、上記プリテンションセット前の張力までテンションロープを緩めるプリテンションリセット操作を行って、同装置を上述した元の格納状態に格納する。
なお、上記プリテンションセット、リセット用のテンションロープの張力可変手段としては、上記プリテンションシリンダ以外に、例えばテンションウインチ自体を用いてプリテンションセット、リセットすることも可能である。
特開2008−120525号公報
ところで、上述のブーム撓み抑制装置の張出または格納作業において、例えばマスト格納操作、ブーム伸縮操作、ドラムロック・アンロック操作、プリテンションセット・リセット操作などは、特定のブーム起伏角度およびジブチルト角度でのみ許される操作である。
したがって、上述のような従来の撓み抑制装置でも、ガイシステムとして、所定のモニター画面を用い、同画面の1つの画面中に、それらの操作をするために必要なブームの起伏角度やジブのチルト角度を並べて表示していた(操作状態を示すブーム、ジブ等のアイコンに対応させて角度を示す数字を表示)。
しかし、このように単に複数の操作対象の各々の操作に必要なブーム起伏角度やジブチルト角度を1つの画面中に同時に並列表示しただけでは、現在の作業状態との関係で、次になすべき操作について、ブームやジブの起伏操作自体が必要か否か、必要な場合に、起伏どちら側に作動させるべきかなどを明確に判別しにくい問題がある。
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、当該ブーム撓み抑制装置の現在の作業状態を基に、次になすべき操作対象の操作を決定し、それに対応して許されるブーム起伏角度、ジブチルト角度等の数値範囲を表示し、その上でオペレータが実際のブーム起伏角度検出手段、ジブチルト角度検出手段で検出した現在のブーム起伏角度、ジブチルト角度等を上記表示された数値範囲と比較し、その比較結果に応じてブーム、ジブ等の起伏操作が必要か否か、必要とすれば、それらの何れか一方又は各々を何れの起伏操作方向に何れだけ作動させるべきかなどの、次になすべき操作を順次画像表示手段に目視可能に表示することにより、オペレータに明確に認識させ得るようにした操作性の高いブーム付作業機のブーム撓み抑制装置を提供することを目的とするものである。
本願各発明は、該目的を達成するために、それぞれ次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明の課題解決手段
本願請求項1の発明の課題解決手段は、 マスト、テンションロープ、テンション部材、テンションロープの張力可変手段、テンションウインチ、マスト起伏手段を備え、伸縮ブームの基端ブームにマストを設け、該マストの先端部と基端ブームの基端部との間にテンション部材を配置するとともに、上記マストの先端部と先端ブームの先端部または上記伸縮ブーム先端に固定されたジブ基台との間にテンションロープを張設し、該張設されたテンションロープの張力を上記張力可変手段により所定の目標値にプリテンションセットすることによって上記伸縮ブームの撓みを抑制するようにしてなるブーム付作業機のブームの撓み抑制装置において、画像表示手段、ブーム起伏角度検出手段、ジブチルト角度検出手段を設け、同装置の張出又は格納に必要な各種の操作について、現在の操作対象の操作の完了を条件として次になすべき操作の操作対象を順次個別に上記画像表示手段中にアイコンで表示して行く一方、それらアイコンで表示される操作対象の操作の中で、特定のブーム起伏角度およびジブチルト角度でのみ許容される操作について、同許容される特定のブーム起伏角度、ジブチルト角度の数値範囲を、上記画像表示手段中の当該操作対象を示すアイコンに対応させて表示するとともに、上記ブーム起伏角度検出手段、ジブチルト角度検出手段で検出した実際のブーム起伏角度、ジブチルト角度を上記画像表示手段中の当該操作対象を示すアイコンに対応させて表示し、オペレータが、上記実際のブーム起伏角度、ジブチルト角度を上記許容されるブーム起伏角度、ジブチルト角度と比較して、上記ブームおよびジブの起伏操作が必要か否かを判断できるようにするとともに、上記ブームおよびジブの起伏操作が必要な場合には、それらブームおよびジブのいずれか一方または各々の実際に操作すべき方向、操作量をも上記画像表示手段の上記操作対象を示すアイコンに対応させて表示するようにしたことを特徴としている。
このような構成によると、ブーム付作業機のブームの撓みを抑制する撓み抑制装置に関し、画像表示手段のモニター画面により、当該撓み抑制装置の張出し又は格納に必要な各種の操作を現在の操作対象の操作の完了を条件として次になすべき操作の操作対象を順次個別にアイコンで表示してゆくようになっている一方、それらアイコンで表示される操作対象の操作の中で、撓み抑制装置特有の特定のブーム起伏角度およびジブチルト角度でのみ許容される操作について、同操作が許容されるブーム起伏角度、ジブチルト角度の数値範囲を、上記画像表示手段のモニター画面中の当該操作対象を示すアイコンに対応させて表示するようにするとともに、ブーム起伏角度検出手段、ジブチルト角度検出手段を設け、該ブーム起伏角度検出手段、ジブチルト角度検出手段で検出した実際のブーム起伏角度、ジブチルト角度をも上記操作対象を示すアイコンに対応させて表示するようにすることによって、オペレータが、上記実際のブーム起伏角度、ジブチルト角度を上記操作対象の操作が許容されるブーム起伏角度、ジブチルト角度と比較して、次の操作を行うためにブ―ムおよびジブの所定の起伏操作が必要か否かを具体的に判断できるようにしている。
そして、その時の実際のブーム起伏角度、ジブチルト角度との関係から、次の操作を行うためにブームおよびジブの所定の起伏操作が必要な場合には、さらにブームおよびジブのいずれか一方または両方を起伏いずれの方向にどれだけ作動させれば良いか、実際に操作すべき方向、操作量を上記操作対象であるアイコンに対応させて表示することにより操作ガイドするようになっている。
したがって、以上のような構成によると、例えば当該ブーム撓み抑制装置の張出または格納作業に必要な操作対象の操作の中で、特定のブーム起伏角度およびジブチルト角度でしか許容されない操作対象の操作、例えばマスト格納操作、ブーム伸縮操作、ドラムロック・アンロック操作、プリテンションセット・リセット操作など、特定のブーム起伏角度およびジブチルト角度範囲内でしか許容されない操作について、オペレータは、現在のブーム、ジブの状態がそれら操作対象の操作が可能な状態であるか否かを容易に判断できるようになり、また現在のブーム、ジブの状態が操作可能な状態にないとすると、それら撓み抑制装置の張出または格納作業における操作対象の操作を操作可能とするために、必要なブームおよびジブの操作方向および操作量がそれらブームおよびジブの各々を示すアイコンに対応して分りやすく示されるので、オペレータにとって、上記撓み抑制装置の張り出し、格納作業を前提として、ブーム又はジブを許容されるブーム起伏角度、ジブチルト角度まで操作すべき操作がきわめて容易になる。
そして、その上で、上記撓み抑制装置の張出または格納作業に必要な各種の操作対象とその操作が、現在の操作対象の操作の完了を条件として、順次個別にアイコンとともにガイド表示されてゆくので、複雑な撓み抑制装置の張出または格納作業自体が容易になる。
(2) 請求項2の発明の課題解決手段
本願請求項2の発明の課題解決手段は、上記請求項1の発明の課題解決手段の構成において、 ジブが伸縮可能となっている場合には、ジブを示すアイコンに対応して、その操作方向、操作量を表示できるようにするとともに、ジブが全縮でなければ行えない操作の場合には、ジブを縮めるように指示する表示を優先して表示するようにしたことを特徴としている。
以上のように、請求項1の課題解決手段の構成では、撓み抑制装置の張出または格納作業のための各種操作を必要な作業順序に応じて順次個別にガイド表示して行くようにするとともに、それらの中で特定のブーム起伏角度、ジブチルト角度でしか操作を許可し得ない操作ガイドについての表示は、次になすべき各種操作対象、その操作方法を示すアイコンに対応させて許可する特定のブーム起伏角度、ジブチルト角度の範囲を数値表示するとともに、実際に検出されたブーム起伏角度、ジブチルト角度が同数値範囲にない場合には、同数値範囲になるように、ブームおよびジブの起伏操作すべき方向、操作量をアイコンに対応させて示す。
その場合において、特に伸縮可能なジブを付加した場合、例えばブーム伸縮操作、ドラムロック・アンロック操作、プリテンションセット・リセット・リセット操作は、当該伸縮可能なジブが全縮でなければ禁止である。したがって、伸縮可能なジブを付加した場合には、ジブ縮めを促す表示を優先的に表示する。
(3) 請求項3の発明の課題解決手段
本願請求項3の発明の課題解決手段は、上記請求項2の発明の課題解決手段の構成において、ジブを縮めるように指示する表示は、ブーム起伏角又はジブチルト角度の表示とは同時に表示しないようにしたことを特徴としている。
上記請求項2の発明の課題解決手段の構成のように、ジブが伸縮可能なジブであり、ジブが全縮でなければ行えない操作の場合には、ジブを縮めるように指示する表示を優先して表示するようにした場合、その区別を容易にするために、ブーム起伏角やチルト角度の数値表示とは同時に表示せず、ジブ全縮状態になったときに初めて角度の数値表示に戻すようにする。また、角度の表示との違いを明確にするために、例えば黄色等注意を惹きやすい色の表示とする。
以上の結果、本願発明によると、撓み抑制装置の張出または格納作業時において、オペレータは、ブーム又はジブの起伏操作が必要か否か、必要であるとすると、次にブーム又はジブを起伏どちら側に、どれだけ上下させればよいか、などをひと目で把握することができるようになり、張出または格納作業における操作性が大きく向上する。
本願発明の実施の形態1に係るブームの撓み抑制装置を備えたブーム付き作業機(クレーン車)の全体的な構成を示す側面図である。 図1中のX部の詳細な構成を示す斜視図である。 図1に示したクレーン車におけるブーム撓み抑制装置の格納状態を示すクレーン車全体の側面図である。 図1に示したクレーン車におけるブーム撓み抑制装置の張出状態を示すブーム撓み抑制装置部分の側面図である。 図1に示したクレーン車におけるブーム撓み抑制装置のテンションロープの掛け回し状態を示す全体的な側面図である。 同ブーム撓み抑制装置の制御回路部分の構成を示すブロック図である。 同ブーム撓み抑制装置の画像表示手段のモニター画面上の表示形態を示す正面図である。 同ブーム撓み抑制装置の図6の制御回路による制御動作の内容を示すフローチャートである。 同ブーム撓み抑制装置の図8のフローチャートに続く制御動作の内容を示すフローチャートである。 同ブーム撓み抑制装置の図9のフローチャートに続く制御動作の内容を示すフローチャートである。 同ブーム撓み抑制装置の図8〜図10のフローチャートによって表示制御される表示内容を上方から下方に時系列的に示すサンプル図(表示例)である。
図1〜図11には、例えばクレーン車に適用した本願発明の実施の形態に係るブーム撓み抑制装置を備えたブーム付き作業機および同ブーム付作業機におけるブーム撓み抑制装置の構成が示されている。
(クレーン車の全体構成)
先ず、図1〜図5を参照して、同実施の形態におけるブーム付作業機であるクレーン車Zの全体的な構成を概説する。
すなわち、このクレーン車Zは、車両1上に搭載された旋回台2に伸縮ブーム3の基端部を連結し、該伸縮ブーム3を上記旋回台2との間に配置したブーム起伏シリンダ6によって起伏動させるとともに、上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの先端部に張出・格納可能に取付けられたマスト11を張出させてその先端部と上記伸縮ブーム3の基端部とをテンションリンク等のテンション部材13によって連結するとともに、上記マスト11の先端部と上記伸縮ブーム3の先端部、すなわち、先端ブーム3Bの先端部に設けられたブームヘッド3Cを後述の第1のテンションロープ14によって連結し、これらテンション部材13と第1のテンションロープ14の張力によって上記伸縮ブーム3の縦方向(起伏面に沿う方向)の撓み変形を抑制するようになっている。
なお、この実施形態では、上述のように、「マスト11を上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの先端部に張出・格納可能な状態に取付ける」としているが、この「基端ブーム3Aの先端部」とは、例えば図1に示すような上記基端ブーム3Aの先端及びその近傍の限られた部位に限定されるものではなく、当該基端ブーム3Aの先端寄りの広い範囲を指す。
また、その他の構成として、上記マスト11は、例えば基端ブーム3Aの長手方向中間部位置を選んで取付けることも可能である。
また、上記ブームヘッド3C側における上記第1のテンションロープ14の接続位置を上記ブームヘッド3Cの幅方向(伸縮ブーム3起伏面に直交する方向)に適宜張り出させて設けることで、上記伸縮ブーム3の横方向(伸縮ブーム3伏面に直交する方向)の撓み変形を抑制することもできるものである(上掲の特許文献1の記載を参照)。
なお、この実施の形態の場合、必ずしも上記伸縮ブーム3の先端側先端ブーム3Bの先端部にジブを設けることを要件とはしていないが、例えば図1中に仮想線で示すように、必要に応じて上記伸縮ブーム3の先端ブーム3B先端のブームヘッド3Cの先端にはジブ基台5を介してラチス構造のラフィングジブ4が連結される。そのようにした場合、ラフィングジブ4は、上記ジブ基台5に対して前後方向に揺動可能に取付けられた前後一対のマスト41,42と、その途中を上記マスト41,42の上端に支持され、基端側を折り返しシーブ45を介して旋回台2上のバックテンションウィンチ47側から延設されたバックテンションロープ44の先端に、また先端側をラフィングジブ4の先端に各々接続されたバックテンションリンク43によって支持される。
そして、上記バックテンションロープ44を、上記旋回台2上のバックテンションウィンチ47によって巻込み・繰出しすることにより、上記バックテンションロープ44の上記折返しシーブ45と上記旋回台2側に設けた固定シーブ46との間のロープ長を増減させることによって上記ラフィングジブ4のチルト角を調整し得るようにする。
なお、さらに他の実施形態として、上記バックテンションロープ44によってチルト角を調整するラチス構造のラフィングジブ4に代えて、例えば伸縮式で且つ伸縮ブーム3との間に配置したチルトシリンダによってチルト角を調整可能としたボックス構造のラフィングジブを装着することもできる。
ところで、上記マスト11は、例えば図4に示すように、その基端部11aが上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの先端部3Aaに対して、該伸縮ブーム3の起伏面に沿う方向に回動可能に枢支されていて、該マスト11と上記基端ブーム3Aとの間に配置したマスト起伏シリンダ12の伸縮によって、同図4中に実線で図示するように上記基端ブーム3Aに対して略直交するように立設される張出姿勢と、同図4中に鎖線で図示するように上記基端ブーム3Aに沿って上記基端ブーム3Aと平行に倒伏格納された格納姿勢との間で任意に姿勢が変更される。
また、上記マスト11は、同一の構造をもつ左右一対のマスト体を所定の間隔をもって略平行に並置した状態で一体化されており、これら一対のマスト体を上記基端ブーム3Aの左右両側面の外側にそれぞれ位置させた状態で、上記基端ブーム3A側に格納して保持されるようになっている。
なお、上記マスト11は、上記同一の構造をもつ左右一対のマスト体を所定の間隔をもって並置するものに変えて、例えば左右一対のマスト体を左右斜め側方に所定の角度に開いた状態のもので構成することもできる。
そして、上記マスト11の先端部11bには、該マスト11の側面に直交する方向に延びる回転軸に支持された状態で、一対の固定シーブ(図2参照)18,18が取付けられている。そして、この一対の固定シーブ18,18には上記第1のテンションロープ14が巻き掛けられている。この第1のテンションロープ14の取り回しについては、後述する。
さらに、上記マスト11の軸方向の中間部位には、次に述べるテンションウィンチ15とプリテンションシリンダ(伸縮シリンダ)16が備えられている。このプリテンションシリンダ16が、特許請求の範囲中の張力可変手段に相当する。
上記テンションウィンチ15は、図2にも示すように、例えば油圧モータ15bによって回転駆動されるウインチドラム15aを備えており、このウインチドラム15aには上記第1のテンションロープ14の一端が巻き掛けられている。このテンションウィンチ15は、巻込動及び繰出動を通常の作動形態とするものであるが、上記ブーム撓み抑制装置10の張出作業時には通常の作動形態とは異なった作動を行なうように構成されている。
すなわち、上記第1のテンションロープ14の先端側に設けられた折返しシーブ19を介して連結された第2のテンションロープ17の先端(図2参照)を上記伸縮ブーム3のブームヘッド3C側に連結した状態で、上記伸縮ブーム3を伸長作動させる場合には、通常の作動形態であれば上記テンションウィンチ15を繰出作動させるのであるが、これを、逆に巻込作動させるようになっている。
なお、以上の第1,第2のテンションロープ14,17が特許請求の範囲中のテンションロープに相当する。
このように巻込作動しているテンションウィンチ15から上記第1のテンションロープ14を上記伸縮ブーム3の伸長力によって逆に引き出すことで、上記テンションウィンチ15の油圧回路(図示省略)の油圧が上昇し、該油圧回路に設けたリリーフ弁が作動して、上記第1のテンションロープ14の引き出しが所定の抵抗をもった状態で行なわれる。その結果、上記第1のテンションロープ14は上記伸縮ブーム3の伸長に伴って所定のブレーキ力が付与された状態で引き出されることになる(すなわち、上記第1のテンションロープ14には所定のテンションが掛けられた状態となる)。
一方、上記テンションウィンチ15の一方のフランジ側には、上記ウインチドラム15aをロックするドラムロック機構20が備えられている。このドラムロック機構20は、掛止爪21aを備えた爪プレート21と該爪プレート21の掛止爪21aに選択的に掛止されるロック爪22を備え、該ロック爪22をロックシリンダ23によって、その支軸を中心として回動させることにより、その爪部を上記爪プレート21の掛止爪21aに対して選択的に掛止させることで上記ドラム15aの回転をロック・アンロックするようになっている。なお、このドラムロック機構20のロック・アンロック状態は、ロック・アンロック検出手段54によって検出されるようになっている。
一方、張力可変手段である上記プリテンションシリンダ16は、上記第1,第2のテンションロープ14,17に所定のプリテンション(張力)を付与するものであって、その作動ロッド16a先端には上記第1のテンションロープ14の他端が連結されている。このプリテンションシリンダ16には、その作動油圧を検出する圧力センサPS1(他方側のプリテンションシリンダ16の作動油圧値を検出する圧力センサPS2)に加えて、作動ロッド16aの伸縮量(長さ)を検出するプリテンションシリンダ伸縮量検出手段70(70)が付設されており、上記圧力センサPS1(PS2)によって検出される上記プリテンションシリンダ16の作動油圧値によって、後述するプリテンションセット状態の完了状態が判定され、またプリテンションシリンダ伸縮量検出手段70(70)によって検出されたプリテンションシリンダ16の伸縮量(長さ)によってプリテンションセット後の上記第1,第2のテンションロープ14,17の張力(および張力の変化)が検出されるようになっている。
もちろん、後者の張力および張力の変化は、例えばロードセル等張力検出手段によって直接検出することもできる。
ここで、図1、図2及び図4を参照して、上記第1のテンションロープ14の取り回しについて説明する。
上記伸縮ブーム3の先端ブーム3B先端の上記ブームヘッド3Cには、上記第2のテンションロープ17を介して折返しシーブ19が連結されている(図1参照)。また、上記折返しシーブ19には、図2に示すように、上記第1のテンションロープ14が巻き掛けられている。そして、この第1のテンションロープ14の一端側は、上記マスト11の先端部に設けられた一対の固定シーブ18のうちの一方側を経て上記テンションウィンチ15のウインチドラム15aに巻き付けられている。一方、上記第1のテンションロープ14の他端は、上記一対の固定シーブ18のうちの他方側を経て上記テンションシリンダ16の作動ロッド16aの先端にロードセル等の張力検出手段を介して連結されている(図示省略)。
なお、この実施形態では、上記折返しシーブ19に巻き掛けられた上記第1のテンションロープ14を、該折返しシーブ19に連結された上記第2のテンションロープ17を介して上記伸縮ブーム3のブームヘッド3Cに接続するようにしているが、他の実施形態においては、上記第2のテンションロープ17の長さを短くしたり、場合によっては上記折返しシーブ19を直接上記ブームヘッド3Cに取付けるなど、種々の態様を採り得るものである。
したがって、上記テンションウィンチ15が巻込動あるいは繰出動を行なうことで、上記第1のテンションロープ14の上記マスト11と上記折返しシーブ19との間の長さが変化し、上記伸縮ブーム3の伸縮に対して上記第1のテンションロープ14の長さを追従させることができる。
そして、上記伸縮ブーム3を所要の長さに設定した時点で、上記ドラムロック機構20を作動させて上記テンションウィンチ15のウインチドラム15aをロックし、その時点における上記第1のテンションロープ14の長さを保持させる。このテンションウィンチ15のウインチドラム15aのロック時点で、一応上記第1のテンションロープ14には一定の大きさのプリテンションが付与されるが、上記ドラムロック機構20のウインチドラムロック位置(即ち、上記ロック爪22が選択的に掛止される上記爪プレート21における掛止爪21aの選択)のみによっては、精度良くプリテンションの調整を行なうことは困難である。
このため、この実施の形態では、上記ドラムロック機構20を作動させて上記テンションウィンチ15のウインチドラム15aをロックした後、上記プリテンションシリンダ16を適宜伸縮させて(縮めて)上記第1のテンションロープ14のプリテンション(張力)を所定の目標値(規定値)に設定するようにしている(後述)。
このように、上記伸縮ブーム3を所要の長さに設定し、それに対応させて上記第1のテンションロープ14の長さを適切に調整設定することによって、上記プリテンションシリンダ16により上記第1のテンションロープ14に所定のプリテンションを付与することで、先ず上記伸縮ブーム3の自重による撓みの大きさが所定の範囲内に抑制される。
そして、この状態で、上記伸縮ブーム3のブームヘッド3Cから吊下げられた吊荷フック7を用いて荷を吊り下げることでクレーン作業が行なわれるが、この場合、上記ブーム撓み抑制装置10によって上記伸縮ブーム3の自重による撓みが所定範囲内に抑えられているため、該伸縮ブーム3が過度に撓みを生じることなく、安全に高い揚程でのクレーン作業が実現される。
なお、以上の構成のブーム撓み抑制装置10は、上記伸縮ブーム3の上部両側に一対のものが並設されている。
次に、図3及び図5には、上記ブーム撓み抑制装置10の張出し作業の状態を示している。
図3は、上記クレーン車Zの走行時の姿勢であって、この状態では上記伸縮ブーム3は略水平な全倒伏状態で、かつ全縮状態とされている。また、上記ブーム撓み抑制装置10は、格納姿勢にあり、上記マスト11は上記マスト起伏シリンダ12が全縮することにより、上記伸縮ブーム3の側面に沿った略水平な姿勢に格納保持されている。なお、上記マスト11の格納姿勢での保持は、図示しない固定手段によって確保されていることはいうまでもない。
この図3に示す走行時の姿勢において、上記車両1に備えられている各アウトリガを張出して、上記クレーン車Zを浮上支持した状態(図5参照)において、上記ブーム撓み抑制装置10の張出し作業が開始される。
すなわち、図5に示すように、先ず上記伸縮ブーム3を全倒伏、かつ全縮状態のまま、上記マスト起伏シリンダ12を伸長させて上記マスト11を略水平の格納位置から略鉛直に立設する張出位置まで回動させ、この張出位置で停止させる。次に、上記テンションウィンチ15を適宜巻込・繰出作動させながら、上記第1のテンションロープ14の先端側に上記折返しシーブ19を介して連結された上記第2のテンションロープ17の先端を上記伸縮ブーム3の上記ブームヘッド3C側に接続する(上記第1のテンションロープ14の上記伸縮ブーム3側への接続完了)。
しかる後、例えば図5に矢印Aで示すように、上記伸縮ブーム3を伸長させながら、矢印Bで示すように上記伸縮ブーム3を起仰させ、最終的に図1に示すような作業姿勢とする。
この場合、上記伸縮ブーム3の伸長に伴って、上記テンションウィンチ15が巻込作動されることにより、上記第1のテンションロープ14は所定のテンションが付与された状態のまま上記テンションウィンチ15から引き出される。従って、上記マスト11の張出姿勢は、該マスト11を後方側から支持する上記テンション部材13のテンションと、前方から支持する上記第1のテンションロープ14のテンションとの釣り合いによって規制され、例え上記伸縮ブーム3の起伏角が大きくなって上記マスト11の自重による後方側へのモーメントが増大しても、上記マスト起伏シリンダ12には大きな荷重が掛かることはなく、該マスト起伏シリンダ12の信頼性が確保され、張出作業における安全性が確保される。
ところで、以上のようなクレーン車Zのブーム撓み抑制装置10において、例えばマスト11の張出・格納操作、伸縮ブーム3のブーム伸縮操作、ドラムロック機構20のロック・アンロック操作、プリテンションシリンダ16によるプリテンションセット・リセット操作などは、特定のブーム起伏角度およびジブチルト角度でのみ許される操作である。
したがって、前述のような従来の撓み抑制装置でも、ガイシステムとして、所定のモニター画面を用い、同画面の1つの画面中に、それらの操作をするために必要なブームの起伏角度やジブのチルト角度を並べて表示していた(操作状態を示すブーム、ジブ等のアイコンに対応させて角度を示す数字を表示)。
しかし、このように単に複数の操作対象の各々の操作に必要なブーム起伏角度やジブチルト角度を1つの画面中に同時に並列表示しただけでは、現在の作業状態との関係で、次になすべき操作について、ブームやジブの起伏操作自体が必要か否か、必要な場合に、それらの何れか一方又は各々を何れの起伏操作方向に何れだけ作動させるべきかなどを明確に判別しにくい問題がある。
そこで、本願発明では、このような問題を解決するために、上記撓み抑制装置10の現在の作業状態を基に、次になすべき操作対象の操作を決定し、それに対応して許されるブーム起伏角度、ジブチルト角度、プリテンション張力等の数値範囲を表示し、その上でオペレータが実際のブーム起伏角度検出手段、ジブチルト角度検出手段で検出した現在のブーム起伏角度、ジブチルト角度等を上記表示された数値範囲と比較し、その比較結果に応じてブーム、ジブ等の起伏操作が必要か否か、必要とすれば、それらの何れか一方又は各々を何れの起伏操作方向に何れだけ作動させるべきかなどの、次になすべき操作を順次画像表示手段63のモニター画面63aに目視可能に表示して行くことにより、オペレータに明確に認識させ得るようにしている。
図6のブロック図は、そのような目的で構成された本実施の形態におけるブーム撓み抑制制御回路の構成を、また図8〜図10のフローチャートは、同図6の制御回路による具体的な制御内容を示している。
また、図7は同図8〜図10の制御に必要な画像表示手段63のモニター画面63aを、図11は同図8〜図10の制御によって画像表示手段63のモニター画面63aに表示される表示内容を示している。
(図6の制御回路の構成)
図6中、符号50は所定ビット数のマイクロコンピュータ(CPU)を中心とし、外部入力取込用のインターフェイス回路、同インターフェイス回路を介して入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、外部のアクチュエータや画像ディスプレイ、音声回路等駆動用のドライバー回路等を備えて構成されているブーム撓み抑制コントローラ(ブーム撓み抑制制御用の電子制御ユニット:ECU)である。
また、符号51は、マスト起伏状態検出手段であり、上記マスト起伏シリンダ12によるマスト11の起伏状態(起伏角)を検出する。また、符号52はテンションロープ接続状態検出手段であり、上記第1のテンションロープ14の接続状態(接続/非接続)を検出する。また、符号53は上記伸縮ブーム3のブーム作動状態(起伏角/長さ)を検出する。また、符号54は上記ウインチドラム15aのロック、アンロック状態検出手段であり、上記ウインチドラム15aのロック・アンロック状態(ドラムロック機構20の作動/非作動)を検出する。また、符号55はプリテンションセット・リセット状態検出手段であり、プリテンションシリンダ16による第1のテンションロープ14のプリテンションセット・リセット状態(プリテンションセットスイッチPS1のON/プリテンションリセットスイッチPS2)を検出する。
また、符号56はブーム起伏角検出手段であり、上記伸縮ブーム3の起伏角を検出する。また、符号57はジブチルト角検出手段であり、上記ラフィングジブ4のチルト角を検出する。
これら各検出手段51〜57の検出データ(検出信号)は、それぞれ必要に応じ、上述のインターフェイス回路を介してブーム撓み抑制コントローラ50のCPUに取り込まれる。
一方、符号58はマスト起伏操作手段であり、上記マスト起伏シリンダ12を作動させて、上記マスト11を起伏作動させる。また符号59はテンションロープ巻上げ・巻下げ操作手段であり、上記テンションウインチ15の油圧モータ15bを駆動して上記第1のテンションロープ14の巻上げ、または巻下げを行う。また、符号60はブーム伸縮操作手段であり、上記伸縮ブーム3伸縮駆動用の伸縮シリンダを作動させて伸縮ブーム3の伸縮を行う。また、符号61はドラムロック・アンロック操作手段であり、上記ウインチドラム15aのドラムロック機構20を作動させて、上記テンションウインチ15のロック・アンロックを行う。また、符号62は上記プリテンションシリンダ16を作動させて上記第1のテンションロープ14のプリテンションセット・リセットを行うプリテンションセット・プリテンションリセット操作手段であり、上述のプリテンションセットスイッチPS1およびプリテンションリセットスイッチPS2よりなっている。
これら各操作手段58〜62の操作状態(操作状態を示す信号)は、それぞれ必要に応じ、上記インターフェイス回路を介して上記ブーム撓み抑制コントローラ50のCPUに取り込まれる。
他方、符号63は、例えば文字およびキャラクタ表示が可能なドットマトリクス駆動方式の液晶ディスプレイよりなる画像表示手段であり、上記ブーム撓み抑制コントローラ50のCPUによって駆動制御され、そのモニター画面63a上に、例えば図11(a)〜(o)に示すような、伸縮ブーム3、ドラムロック機構20、ブーム撓み抑制装置10のマスト11、同装置10の第1のテンションロープ14、同装置10のプリテンションシリンダ16等の現在の操作状態に応じた現在の制御状態の表示および次になすべき操作ガイドの表示を行う。
そして、上記ブーム撓み抑制コントローラ50は、上記各操作手段58〜62の操作状態に応じて、上記各検出手段51〜57の検出値を制御パラメータとして、先ず現在の制御状態を基に、次になすべき操作を決定し、それに対応して何のブーム起伏角度、ジブチルト角度を表示させるかを決め、実際に操作可能な範囲を現在の検出値に対応させる形で数値で表示する。
すなわち、上記画像表示手段63のモニター画面63aには、例えば図7に示すように、当該ブーム撓み抑制装置10の現在の制御状態と次になすべき操作対象とその操作方向を示す制御状態の表示部DAと伸縮ブーム3、ラフィングジブ(ジブ)4、プリテンションシリンダ16に関する操作ガイドの表示部DBとの左右に対応して並設された2つの表示部が設けられており、向って左側の制御状態表示部DA内には、左側にブーム撓み抑制装置10(マスト11、第1のテンションロープ14)および伸縮ブーム3の各種作動状態(制御状態)を示すアイコンが、また右側にはドラムロック機構20のロック・アンロック等の作動状態(制御状態)を示すアイコンが表示されるようになっている。
さらに、向って右側の操作ガイド表示部DB内には、その左側に実際に検出されたラフィングジブ4のチルト角(TILT〇〇°)、伸縮ブーム3の起伏角(BOOM〇〇°)、左右の第1のテンションロープ14,14のプリテンション張力(PrL〇〇t、PrR〇〇t)等の数値が、また左右中央部(左右中間部)には所定の許される範囲で操作ガイドされる操作対象である伸縮ブーム3、ラフィングジブ4、プリテンションシリンダ16等のアイコンが、さらに右側には、その時の制御に対応して操作可能なラフィングジブ4のチルト角、伸縮ブーム3の起伏角、ブーム左右の第1のテンションロープ(左右に2本設置した場合)14,14各々のプリテンション張力等が、それぞれ許容される数値範囲で示されるようになっている。
なお、ここで言うアイコンとは、基本的にはパソコンのOSやアプリケーション上で使用されるファイルやコマンドの内容を直感的に理解できるようにデザイン的に対象を分りやすく象徴化した小さな図柄と同様のものであるが、ここでのアイコンは、単に伸縮ブーム3やドラムロック機構20、ジブ4等の操作対象の作動形態を象徴的に図柄化しただけのものを指称しており、パソコン等におけるコマンドアイコンのように入力機能は備えていないが、これに限定されるものではないことはもちろんである。
また、図7および図11中、伸縮ブーム3先端のラフィングジブ4を示すアイコンは、上述したラチス構造のものではなく、便宜的に図示が容易なボックス構造タイプのもので示しているが、もちろんラチス構造のものとすることも可能である。
そこで、オペレータは上記実際のブーム起伏角度検出手段56、ジブチルト角度検出手段57で検出された現在のブーム起伏角度、ジブチルト角度を上記数値表示された操作可能な角度範囲と比較し、その比較結果に応じて伸縮ブーム3又はラフィングジブ4の起伏操作が必要か否か、必要とすれば、それらの何れか一方又は各々を何れの起伏操作方向に何れだけ作動させるべきかなどの、次になすべき操作を必要な方向に必要な再度だけ適正に行う。
(ブーム撓み抑制コントローラ50による操作等の表示制御方法)
次に、図8〜図10の相互に連続するフローチャートに基いて、同ブーム撓み抑制コントローラ50によるブーム撓み抑制装置10、伸縮ブーム3およびラフィングジブ4等の現在の操作状態に対応してなされる、次になすべき操作方法、操作方向、操作可能な数値範囲などの表示制御方法について、詳細に説明する。
先ず、上記ブーム撓み抑制コントローラ50に動作電源が入力されると、当該表示制御が開始される。そして、同制御が始まると、先ずステップS1で、上記各操作手段58〜62の操作状態並びに上記各検出手段51〜57の検出値が読み込まれ、上述の画像表示手段63のモニター画面63aには、図11の(a)に示すような、現在のブーム撓み抑制装置10の制御状態が伸縮ブーム3の操作ガイド状態とともに表示される。
すなわち、この制御開始時の表示状態では、図11の(a)に示すように、制御状態表示として、伸縮ブーム3およびマスト11が格納状態にあり、ウインチドラム15aのドラムロック機構20がアンロック状態(UNLOCK)にあることが、それぞれ対応する形状のアイコンによって示され、同マスト11の格納状態を示すアイコン部分には、次になすべき操作としてのマスト張出操作および張出方向を示す矢印が表示されている。
また、対応する操作ガイド表示として、伸縮ブーム3の起仰状態がラフィングジブ4を備えた伸縮ブーム3のアイコン(但し、前述のように当該アイコンのジブ4部分は、図示を容易にするためラチス構造タイプのものではなく、ボックス構造タイプのものに簡略化して表示している)で示され、またマスト11を格納可能な(格納している)伸縮ブーム3の起伏角範囲とラフィングジブ4のチルト角範囲が現在の伸縮ブーム3の起伏角検出値および現在のラフィングジブ4のチルト角検出値とともに表示されている。
なお、以下の各場合を含めて、図11の(a)〜(o)に示されている各検出値および操作許容範囲を示す数値は、あくまでも参考例である。
そして、通常の場合、オペレータは、該画像表示手段63のモニター画面63a上の図11の(a)の制御状態表示および操作ガイド表示に基いて、上述のマスト起伏操作手段58を操作して、マスト11の張出作業を行う。
このマスト11の張出操作は、特定のブーム起伏角度およびチルト角度でのみ許される操作である。
そこで、次にステップS2に進み、実際に上記マスト11の張出操作が開始された否かを判定し、実際にマスト張出操作が開始されたYESの場合には、次にステップS3に進んで、当該マスト張出操作が完了するまで、上述のマスト張出操作を指示する図11の(a)の表示を継続し、続くステップS4で上記マスト11の張出作業が完了したか否かを判定する。その結果、YESの時は、次にステップS5に進んで、例えば図11の(b)に示すように、新たな制御状態表示として、上記マスト張出完了状態を示すブーム撓み抑制装置10のアイコンの第1のテンションロープ14の先端に対して同第1のテンションロープ14のブームに対する接続設定操作を示す丸印表示を表わすとともにドラムロック機構20のアンロック状態のアイコンを表示する。また、操作ガイド表示として、伸縮ブーム3のアイコンに必要な起仰操作方向を矢印表示する一方、伸縮ブーム3の伸縮可能な起伏角範囲とラフィングジブ4のチルト角範囲を現在の伸縮ブーム3の起伏角検出値および現在のラフィングジブ4のチルト角検出値に対応させて表示する。
その後、同表示状態を継続したままステップS6に進んで、第1のテンションロープ14の接続操作が完了したか否かを判定する。その結果、上記第1のテンションロープ14の伸縮ブーム3先端部に対する接続が完了したYESの時は、さらにステップS7に進んで、例えば図11の(c)に示すように、制御状態表示として、伸縮ブーム3の作動状態を示すアイコンにブーム起仰および伸長方向を示す矢印を付加し、それによって次になすべきブーム伸長操作および操作方向を示すとともに、さらに操作ガイド表示として、伸縮ブーム3の作動状態を示すアイコン表示はそのままとし、それらの操作について伸縮ブーム3を伸縮させることが可能なブーム起伏角範囲とラフィングジブ4のチルト角の範囲を現在の伸縮ブーム3の起伏角の検出値および現在のラフィングジブ4のチルト角検出値に対応させて表示する。このブーム伸長操作も、特定のブーム起伏角度およびチルト角度でのみ許される操作である。
そこで、オペレータは同表示内容に対応して伸縮ブーム3を許される所定の起伏角度起仰させるとともに許される所定の長さだけ安全に伸長させる。
このようにして伸縮ブーム3の伸長・起仰操作が完了すると、さらにステップS8に進んで、実際に同伸縮ブーム3の伸長・起仰操作が完了したか否かを判定し、ブーム伸長・起仰操作の完了が確認されたYESの時は、次にステップS9に進んで、例えば図11の(d)に示すように、制御状態表示として伸縮ブーム3の作動状態を示すアイコンはブーム伸長状態を表示するものとする一方、操作ガイド表示として、ドラムロック機構20の作動状態を示すアイコンのドラムロック用の爪部22にウインチドラム15aをロックすべき旨の丸印を付加したものとする。
また、操作ガイド表示として、伸縮ブーム3の作動状態を示すアイコン表示はそのままとする。一方、ドラムロック機構20のロック・アンロックが可能な伸縮ブーム3のブーム起伏角度とラフィングジブ4のジブチルト角度の範囲を、実際の検出値に対応させて表示する。
このドラムロック操作も、特定のブーム起伏角度およびチルト角度でのみ許される操作である。
そこで、オペレータは、同表示内容に対応して、上述したドラムロック機構20のロック・アンロック操作手段61を操作してドラムロック機構20のロックを行う。
そこで、次にステップS10で、実際にドラムロック操作が開始されたか否かを判定し、YESの実際にドラムロック機構20のロック操作が開始された場合には、ステップS11に進んで、例えば図11の(e)に示すように、制御状態の表示として、伸縮ブーム3の作動状態を示すアイコンを上記ブーム伸長状態、ドラムロック機構20を示すアイコンをドラムロック制御中(MID)の表示状態とする。
また、操作ガイド表示として、伸縮ブーム3の作動状態を示すアイコン表示はそのままとする。一方、ドラムロック機構20のロック・アンロックが可能な伸縮ブーム3の起伏角度範囲とラフィングジブ4のチルト角度範囲とともに実際の検出値を表示する。
このようにしてウインチドラム15aのロック操作が完了すると、次にステップS12に進んで、実際の同ドラムのロック操作の完了を確認し、YESと判定されると、続く図9のフローチャートのステップS13に進んで、例えば図11の(f)に示すように、制御状態の表示として、第1のテンションロープ14のプリテンションセットを行うべき旨の操作を示すアイコン表示、ドラムロック機構20のロックが完了している旨のアイコン表示(LOCK)を行う。
また、操作ガイド表示として、伸縮ブーム3およびラフィングジブ4の作動状態を示すアイコンにブームおよびジブの操作方向を矢印で表示する一方、プリテンションセット可能な伸縮ブーム3の起伏角度範囲とラフィングジブ4のチルト角度範囲を実際の検出値に対応させて表示する。
そこで、オペレータは、上記表示内容に対応して、当該プリテンションセット可能な伸縮ブーム3の起伏角およびジブ4のチルト角の範囲と実際に検出された伸縮ブーム3の起伏角とジブ4のチルト角を比較し、実際に検出された伸縮ブーム3の起伏角およびジブ4のチルト角が上記プリテンションセット可能なブーム起伏角およびジブチルト角範囲にない場合には、セット可能な範囲内に納めてからプリテンションシリンダ16を縮めてプリテンションセット操作を行う。
なお、この場合において、上述のように伸縮可能なジブ4を付加した場合、上述した伸縮ブーム3のブーム伸縮操作、ドラムロック機構20のロック・アンロック操作の場合と同様に、プリテンションセット操作は、当該ジブ4が全縮でなければ禁止である。したがって、上述のように伸縮可能なジブ4を付加した場合には、同ジブ4の縮め(全縮)を促すアイコン表示を優先的に表示する。
次にステップS14で、実際に上記プリテンションセット操作が開始された否かを判定し(プリテンションセット手段62の操作信号を入力)、YESの場合にはステップS15に進んで、制御状態の表示として、ドラムロック機構20がロック状態にあり、かつプリテンションセット制御が行われていることを、例えば図11の(g)に示すように、ブーム撓み抑制装置10およびドラムロック機構20の各々に対応したアイコンで表示するとともに、操作ガイド表示として、左右プリテンションシリンダ16,16の作動状態を示すアイコンに、その作動方向を矢印表示するとともに、その時の適切な左右第1のテンションロープ14,14のプリテンション張力と左右プリテンションシリンダ16,16の長さを実際の検出値と対応させて表示する。
このプリテンションセット制御は、上記の如く特定のブーム起伏角度およびジブチルト角度でのみ許される操作である。したがって、オペレータは、上記操作開始後、図11の(f)の表示内容を見ながら、必要な場合には、改めて当該プリテンションセット可能な伸縮ブーム3の起伏角およびジブ4のチルト角の範囲と実際に検出された伸縮ブーム3の起伏角とジブ4のチルト角を比較し、実際に検出された伸縮ブーム3の起伏角およびジブ4のチルト角が上記プリテンションセット可能なブーム起伏角およびジブチルト角範囲にない場合には、確実にセット可能な範囲内に納めてからプリテンションシリンダ16,16を縮めてプリテンションセット操作を継続する。
このようにしてプリテンションセットが行われると、次にステップS16に進んで、実際に当該プリテンションセット操作が完了したか否かを判定する。このプリテンションセット操作完了状態の判定は、例えば上記左右プリテンションシリンダ16,16の圧力センサPS1,PS2の圧力検出値に基いて判定される第1のテンションロープ14の張力値が共に目標とする設定値(例えば1t)に達したことにより判定する。
その結果、プリテンションセット操作が完了しているYESの時は、次にステップS17に進んで、例えば図11の(h)に示すように、制御状態の表示として、ドラムロック機構20がロック状態にあり、かつ第1のテンションロープ14のプリテンションセットが完了した状態であることを各々対応するアイコンで表示する一方、次になすべき操作の操作ガイド表示として、伸縮ブーム3およびラフィングジブ4の起仰作動状態を示すアイコン表示とともに、プリテンションリセット可能な伸縮ブーム3の起伏角度範囲とラフィングジブ4のチルト角度範囲を実際の検出値に対応させて表示する。
そして、通常、このプリテンションセット完了状態で、オペレータは必要な吊荷作業を行ない、同必要な吊荷作業が完了すると、上記ブーム撓み抑制装置10のプリテンションリセット、ドラムロック機構20のアンロック、伸縮ブーム3の縮小、第1のテンションロープ14の取外しを行って、上記マスト11を元の状態に格納する。
以下に説明する、図9〜図10のフローチャートのステップS18〜ステップS31は、同マスト格納制御時の制御内容を示している。
すなわち、先ずステップS18で、オペレータにより上述のプリテンションリセット操作手段62が操作され、実際にプリテンションリセット操作が開始されたか否かを判定する。
そして、同判定の結果、実際にプリテンションリセット操作が開始されたと判定されたYESの時には、ステップS19に進んで、例えば図11の(i)に示すように、制御状態表示として、ドラムロック機構20がロック状態にあり、かつプリテンションシリンダ16が伸ばされてプリテンションリセット制御が行われていることを、それぞれ対応するアイコンで表示するとともに、さらに操作ガイド表示として、プリテンションリセット可能な伸縮ブーム3のブーム起伏角の範囲とラフィングジブ4のチルト角の範囲をそれぞれ実際の検出値と対応させて表示する。
このプリテンションリセット操作も、上述のセット操作の場合と同様に特定のブーム起伏角度およびチルト角度でのみ許される操作である。したがって、オペレータは、上記表示内容に対応して、当該プリテンションリセット可能な伸縮ブーム3の起伏角およびラフィングジブ4のチルト角の範囲と実際に検出された伸縮ブーム3の起伏角とラフィングジブ4のチルト角を比較し、実際に検出された伸縮ブーム3の起伏角およびラフィングジブ4のチルト角が上記プリテンションリセット可能なブーム起伏角およびジブチルト角範囲にない場合には、操作ガイド表示部に表示されているプリテンションリセット可能な範囲内に納めてから、プリテンションシリンダ16,16を伸ばして元の長さまで戻すプリテンションリセット操作を行う。
また、この場合にも上述のように伸縮可能なジブ4を用いた場合、上述したブーム伸縮操作、ドラムのロック・アンロック操作の場合と同様に、プリテンションリセット操作は、当該ジブ4が全縮でなければ禁止である。したがって、そのようなジブ4を付加した場合には、ジブ4の縮め(全縮)を促すアイコン表示を優先的に表示する。
このようにしてプリテンションリセットが行われると、次にステップS20に進んで、実際に当該プリテンションリセット操作が完了したか否かを判定する。このプリテンションリセット完了状態の判定も、例えば上記プリテンションシリンダ16,16の圧力センサPS1,PS2の検出値に基いて判定される第1のテンションロープ14の張力値がプリテンションセット時の元の張力値に達したことにより判定される。
同判定の結果、プリテンションリセット操作が完了しているYESの時は、次にステップS21に進んで、例えば図11の(j)に示すように、制御状態の表示として、ドラムロック機構20がロック状態にあり、かつ第1のテンションロープ14のプリテンションリセットが完了している状態であることを、それぞれ対応するアイコンで表示(ドラムロック機構20の爪部には丸印)する一方、次になすべき操作の操作ガイド表示として、ドラムロック機構20のアンロックが可能な伸縮ブーム3の起伏角度とラフィングジブ4のチルト角度範囲を実際の検出値と対応させる形で表示する。
このドラムロック機構20のアンロック操作も、上記表示された特定のブーム起伏角度およびチルト角度範囲でのみ許される操作である。
したがって、オペレータは、上記表示内容に対応して、当該ドラムロック機構20をアンロック可能な伸縮ブーム3の起伏角およびラフィングジブ4のチルト角の範囲と実際に検出された伸縮ブーム3の起伏角とラフィングジブ4のチルト角とを比較し、実際に検出された伸縮ブーム3の起伏角およびラフィングジブ4のチルト角が上記ドラムロック機構20のアンロックが可能な起伏角およびチルト角範囲にない場合には、ドラムアンロック可能な範囲内に納めてからドラムロック機構20のアンロック操作を行う。
また、上述のように伸縮可能なジブ4を付加している場合、上述したブーム伸縮操作、プリテンションセット操作の場合と同様にドラムロック機構20のアンロック操作は、当該ジブ4が全縮でなければ禁止である。したがって、上述のように伸縮可能なジブ4を付加した場合には、同ジブ4の縮め(全縮)を促すアイコン表示を優先的に表示する。
このようにして、やがてドラムロック機構20のアンロック操作が行われる。そこで、次にステップS22に進んで、実際にドラムロック機構20のアンロック操作が開始されたか否かを判定する。
同判定の結果、実際に上記ドラムアンロック操作手段61が操作され、ドラムロック機構20を作動させてドラムアンロック操作が開始されたYESの場合には、図10のフローチャートのステップS23に進んで、例えば図11の(k)に示すように、制御状態の表示として、ブーム撓み抑制装置10の作動状態を示すアイコンを上記プリテンションリセット状態、ドラムロック機構20を示すアイコンをドラムアンロック制御中の表示状態として表示する。
また、操作ガイド表示として、上述したドラムのアンロックが可能な伸縮ブーム3の起伏角度とラフィングジブ4のチルト角度範囲を実際の検出値と対応させて表示する。
そして、同状態でウインチドラム15aのドラムロック機構20のロック解除操作が行われ、やがてロックが解除される。
そこで、次にステップS24に進んで、実際に当該ドラムのアンロック操作が完了したか否かを判定する。
その結果、実際にドラムのアンロック操作が完了しているYESの場合には、さらにステップS25に進んで、例えば図11の(l)に示すように、今度は伸縮ブーム3の縮小を前提として、ウインチドラム15aをロックしていたドラムロック機構20のロック状態が解除され、伸縮ブーム3の縮小・倒伏が可能であることを、それぞれ対応するアイコンで表示するとともに、操作ガイド表示として、伸縮ブーム3を縮小・倒伏できるブーム起伏角度とラフィングジブ4のチルト角度の範囲を実際の検出値に対応させて表示する。このブーム縮小・倒伏操作も、上記表示された特定のブーム起伏角度およびチルト角度範囲でのみ許される操作である。
そこで、オペレータは、これに対応して当該ブームの縮小が許されるブーム起伏角およびジブチルト角の範囲で伸縮ブーム3を縮小・倒伏する。
そこで、次にステップS26に進み、実際に当該伸縮ブーム3の縮小・倒伏操作が完了したか否かを判定する。
その結果、YES(縮小・倒伏完了)の時は、さらにステップS27に進んで、例えば図11の(m)に示すように、最終的に上記ブーム撓み抑制装置10の第1のテンションロープ14の取り外し操作を前提とした制御状態表示、操作ガイド表示を行う。
すなわち、先ず制御状態の表示として、ウインチドラム15aのドラムロック機構20のロックが解除され、かつ第1のテンションロープ14が取外し可能となっていることを、ブーム撓み抑制装置10のアイコン、ドラムロック機構20のアイコンで表示するとともに、操作ガイド表示として、マスト11の格納操作が可能な伸縮ブーム3のブーム起伏角とラフィングジブ4のジブチルト角を実際の検出値と対応させて表示する。このマスト11の格納操作も、上記表示された特定のブーム起伏角度およびチルト角度範囲でのみ許される操作である。
そこで、オペレータは、同表示を見ながら、伸縮ブーム3の実際の検出角およびラフィングジブ4の実際の検出角が、それぞれ当該マスト格納可能なブーム起伏角、ジブチルト角になるように伸縮ブーム3およびラフィングジブ4を操作して、第1のテンションロープ14の取外しを行う。
そして、その上で、ステップS28に進み、実際に第1のテンションロープ14の取外しが完了したか否かの判定を行う。
その結果、実際に第1のテンションロープ14の取外しが完了して、YESになると、次にステップS29に進んで、例えば図11の(n)に示すように、実際にドラムロック機構20のロックが解除され、かつブーム撓み抑制装置10の第1のテンションロープ14が取外され、マスト11の格納が可能となっていることを各々対応するアイコンで表示するとともに、上記マスト格納可能なブーム起伏角およびジブチルト角の範囲の表示を継続する。
そして、オペレータは、同表示を確認した上で、マスト起伏操作手段58によりマスト起伏シリンダ12を縮めてマスト11を格納する。
そして、さらにステップS30に進み、実際に当該マスト格納操作が完了したか否かを判定し、マスト格納完了操作が完了し、実際にマスト11が格納されているYESの時には、ステップS31に進んで、例えば図11の(o)に示すように、制御状態の表示として、ブーム撓み抑制装置10のマスト11が格納された状態にあり、ドラムロック機構20のロック状態がアンロック状態にあることのみを各々対応するアイコンで表示する。この状態では、次になすべき操作はないので、操作ガイドの表示はなされない。
この状態で、一旦電源をOFFにし、再度撓み抑制コントローラ50に電源がONにされると、上述の図11の(a)のように、次になすべき操作と操作方向としてブーム撓み抑制装置10のアイコン表示にマスト張出方向の矢印が付加されるとともに、マスト11を格納しているブーム起伏角が表示される。つまり、上述したステップS1からの新たな制御が始まる。
以上のような構成によると、画像表示手段63のモニター画面63aにより、当該撓み抑制装置10の張出し又は格納に必要な各種の操作を現在の操作の完了を条件として次になすべき操作を順次個別にガイド表示して行くようになっているので、オペレータは、容易に次になすべき操作を知ることができ、非常に操作しやすくなる。
しかも、その場合において、それらの表示の中で決まった作業姿勢の範囲内でしか操作を許可し得ない操作ガイドについては、次になすべき操作を示すアイコンに対応させて許可し得る作業姿勢の範囲を数値表示するとともに、操作すべき方向をアイコンに対して矢印で表示するようにしている。
したがって、例えば当該ブーム撓み抑制装置10の張出または格納作業における各種の操作の中で、ある決まった作業姿勢の範囲内でしか操作を許可し得ない、例えばマスト11の格納操作、伸縮ブーム3の伸縮操作、ドラムロック機構20のロック・アンロック操作、プリテンションセット・リセット操作など、特定のブーム起伏角度およびジブチルト角度範囲内でのみ許される作業について、その操作が可能な作業姿勢の数値範囲と操作可能な方向および操作内容を示すアイコンに対応して分りやすく示すことができる。
特に、ブーム又はジブの操作すべき方向が操作方法を示すアイコンに対して矢印で分りやすく表示されることから、きわめて認識しやすくなる。
また、以上の構成では、さらに上記の構成において、ジブが全縮でなければ行えない操作の場合には、ジブを縮めるように指示する表示を優先して表示するようにしている。
以上の構成では、上述のように撓み抑制装置10の張出または格納作業のための各種操作を必要な作業順序に応じて順次個別にガイド表示して行くようにするとともに、それらの中で決まった作業姿勢の範囲内でしか操作を許可し得ない操作ガイドについての表示は、次になすべき操作を示すアイコンに対応させて、許可する作業姿勢の範囲を数値表示するとともに、操作すべき方向をアイコンに矢印で示すようにしているが、その場合において、特にジブを付加した場合には、伸縮ブーム3の伸縮操作、ドラムロック機構20のロック・アンロック操作、プリテンションシリンダ16のプリテンションセット・リセット・リセット操作は、ジブが全縮でなければ禁止である。したがって、ジブを付加した場合には、ジブ縮めを促す表示を優先的に表示する。
ところで、このようにジブを縮めるように指示する表示は、例えばブーム起伏角又はジブチルト角度の表示とは同時に表示しないようにする。
上記のように、ジブが全縮でなければ行えない操作の場合に、ジブを縮めるように指示する表示を他の操作に優先して表示するようにした場合、その区別を容易にするために、ブーム起伏角やチルト角度の数値表示とは同時に表示せず、ジブ全縮状態になったときに初めて角度の数値表示に戻すようにするのが好ましい。また、その場合、例えば角度の表示との違いを明確にするために、例えば黄色等注意を惹きやすい色の表示とする。
1 ・・車両
2 ・・旋回台
3 ・・伸縮ブーム
4 ・・ラフィングジブ
5 ・・ジブ基台
6 ・・ブーム起伏シリンダ
7 ・・吊荷フック
10 ・・ブーム撓み抑制装置
11 ・・マスト
12 ・・マスト起伏シリンダ
13 ・・テンション部材
14 ・・第1のテンションロープ
15 ・・テンションウィンチ
15a ・・ウインチドラム
15b ・・油圧モータ
16 ・・プリテンションシリンダ
17 ・・第2のテンションロープ
18 ・・固定シーブ
19 ・・折返しシーブ
20 ・・ドラムロック機構
21 ・・爪プレート
22 ・・ロック爪
23 ・・ロックシリンダ
24 ・・ロック・アンロック検出器
41 ・・マスト
42 ・・マスト
43 ・・バックテンションリンク
44 ・・バックテンションロープ
45 ・・折返しシーブ
46 ・・固定シーブ
47 ・・バックテンションウィンチ
Z ・・クレーン車

Claims (3)

  1. マスト、テンションロープ、テンション部材、テンションロープの張力可変手段、テンションウインチ、マスト起伏手段を備え、伸縮ブームの基端ブームにマストを設け、該マストの先端部と基端ブームの基端部との間にテンション部材を配置するとともに、上記マストの先端部と先端ブームの先端部または上記伸縮ブーム先端に固定されたジブ基台との間にテンションロープを張設し、該張設されたテンションロープの張力を上記張力可変手段により所定の目標値にプリテンションセットすることによって上記伸縮ブームの撓みを抑制するようにしてなるブーム付作業機のブームの撓み抑制装置において、画像表示手段、ブーム起伏角度検出手段、ジブチルト角度検出手段を設け、同装置の張出又は格納に必要な各種の操作について、現在の操作対象の操作の完了を条件として次になすべき操作の操作対象を順次個別に上記画像表示手段中にアイコンで表示して行く一方、それらアイコンで表示される操作対象の操作の中で、特定のブーム起伏角度およびジブチルト角度でのみ許容される操作について、同許容される特定のブーム起伏角度、ジブチルト角度の数値範囲を、上記画像表示手段中の当該操作対象を示すアイコンに対応させて表示するとともに、上記ブーム起伏角度検出手段、ジブチルト角度検出手段で検出した実際のブーム起伏角度、ジブチルト角度を上記画像表示手段中の当該操作対象を示すアイコンに対応させて表示し、オペレータが、上記実際のブーム起伏角度、ジブチルト角度を上記許容されるブーム起伏角度、ジブチルト角度と比較して、上記ブームおよびジブの起伏操作が必要か否かを判断できるようにするとともに、上記ブームおよびジブの起伏操作が必要な場合には、それらブームおよびジブのいずれか一方または各々の実際に操作すべき方向、操作量をも上記画像表示手段の上記操作対象を示すアイコンに対応させて表示するようにしたことを特徴とするブーム付作業機におけるブームの撓み抑制装置。
  2. ジブが伸縮可能となっている場合には、ジブを示すアイコンに対応して、その操作方向、操作量を表示できるようにするとともに、ジブが全縮でなければ行えない操作の場合には、ジブを縮めるように指示する表示を優先して表示するようにしたことを特徴とする請求項1記載のブーム付作業機におけるブームの撓み抑制装置。
  3. ジブを縮めるように指示する表示は、ブーム起伏角又はジブチルト角度の表示とは同時に表示しないようにしたことを特徴とする請求項2記載のブーム付作業機におけるブームの撓み抑制装置。
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