JP5521307B2 - パーティクル捕集装置及びパーティクル捕集方法 - Google Patents
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Description
このようなパーティクルの数は、例えば装置内あるいはクリーンルーム内の大気を吸引し、この大気に対してレーザー光を照射して、パーティクルにより散乱するレーザー光の強度を測定するパーティクルカウンターなどを用いて計測されている。
基板上に気体雰囲気中のパーティクルを捕集する捕集装置において、
密閉容器内に設けられ、基板を載置する載置部と、
外部の気体雰囲気を前記密閉容器内に取り込むための取り込み口と、
前記密閉容器内を排気するための排気口と、
前記気体雰囲気中に含まれるパーティクルを熱泳動力によって基板上に捕集するために、前記載置部上の基板を被捕集面とは反対側の面から冷却するための冷却手段と、
前記取り込み口から前記密閉容器内に流入する気体を加熱するための加熱手段と、
前記取り込み口側に付着したパーティクルが前記密閉容器内に取り込まれないようにするために、清浄な気体を前記密閉容器内の雰囲気を介して前記取り込み口に送り出す送り出し手段と、を備えたことを特徴とする。
前記雰囲気取り込み手段は、外部の気体雰囲気を前記気体取り込み口を介して前記密閉容器内に取り込み、前記載置部上の基板の被捕集面に沿って通流させて前記排気口から排気する手段であることが好ましい。
上記のパーティクル捕集装置は、
前記取り込み口から取り込んだ気体雰囲気が前記載置部上の基板の被捕集面に沿って通流するように、前記載置部に対向する気流規制部材を備えていることが好ましい。
前記加熱手段は、前記載置部に載置された基板に対向するように設けられていることが好ましい。
基板上に気体雰囲気中のパーティクルを捕集する捕集方法において、
密閉容器内に設けられた載置部に基板を載置する工程と、
パーティクルの捕集対象である気体を前記密閉容器の取り込み口から当該密閉容器内に取り込む工程と、
前記気体を加熱する工程と、
加熱された気体を載置部上の基板の被捕集面に接触させる工程と、
前記気体雰囲気中に含まれるパーティクルを熱泳動力によって前記基板上に捕集するために、前記載置部上の基板を被捕集面とは反対側の面から冷却手段により冷却する工程と、
前記取り込む工程に先立って、前記取り込み口側に付着したパーティクルが前記密閉容器内に取り込まれないようにするために、清浄な気体を前記密閉容器内の雰囲気を介して前記取り込み口に送り出す工程と、を含むことを特徴とする。
前記加熱する工程は、前記載置部上の基板に対向して設けられた加熱手段により加熱する工程であることが好ましい。
この熱泳動力とは、図1に示すように、例えば1μm程度以下の微少なパーティクル(粒子)1の周囲に温度勾配が生じている時に、当該パーティクル1に対して働く力である。具体的には、パーティクル1を介して例えば上下の領域に温度差が生じている場合には、パーティクル1の上方の温度の高い領域では気体分子例えば大気の分子の動きが活発であり、そのためパーティクル1に衝突する大気の分子のエネルギーが大きいが、パーティクル1の下側の温度の低い領域では、大気の分子の動きが上方よりも穏やかになるので、パーティクル1に衝突する大気の分子のエネルギーが小さくなる。そのため、この衝突エネルギーの差により、パーティクル1はいわば下側の温度の低い領域に向かって押し出されていることになり、従って上下方向の温度差(温度勾配)がなくなるか、あるいは後述のようにパーティクル1の下方に設けられたウェハWに付着(衝突)するまで大気中を泳動(下降)することになる。
この載置部11の内部には、載置部11上に載置されるウェハWの温度を測定するために、例えば密閉容器23の外部から当該載置部11の中央位置まで伸び出す熱電対11aが埋設されており、この密閉容器23の外部における熱電対11aの端部には、温度検出部11bが接続されている。
密閉容器23の底面とこの吸引バルブ53との間には、例えば大気中のダストなどのパーティクル1を取り除くためのフィルター57が介設された送り出し路56の一端側が接続されており、この送り出し路56の他端側は、送り出しバルブ55を介してブロアなどの送風装置58に接続されている。この送風装置58は、後述の取り込み口41及び取り込み路42内に付着したパーティクル1が密閉容器23内に取り込まれないように、密閉容器23の外部の大気をフィルター57において清浄化して取り込み、この清浄な気体を取り込み口41及び取り込み路42から当該密閉容器23の外部に排気するためのものである。これらの送り出しバルブ55、送り出し路56、フィルター57及び送風装置58は、送り出し手段をなす。
また、この加熱プレート31内には、当該加熱プレート31の温度を測定できるように、密閉容器23の外部から当該加熱プレート31の中央位置つまり取り込み口41の内部位置まで伸びる熱電対31aが埋設されており、密閉容器23の外部における熱電対31aの端部には、温度検出部31bが接続されている。
更に、密閉容器23内にパーティクル1を含む雰囲気を取り込むにあたり、また上記のように取り込み口41に向けて清浄な大気を逆流させるにあたり、ウェハWとパーティクル1を含む雰囲気との間の流路(取り込み口41及び取り込み路42)にはバルブやポンプ(吸引手段54)、ブロア(送風装置58)などのパーティクル1の発生源となるおそれのある部材を設けていないので、これらの部材から発生するパーティクル1をウェハW上に取り込むおそれがない。
更に、パーティクル捕集装置を移動自在に構成することにより、また伸縮自在及び引き回し自在な取り込み路42を設けたことにより、パーティクル1を含む雰囲気に取り込み口41の開口端を近接させて当該雰囲気を取り込むことができる。
また、載置部11の下方位置に排気口51を形成したが、図6に示すように、蓋体22における加熱プレート31の周囲に形成しても良いし、図7に示すように、加熱プレート31の中央位置に排気口51を形成し、蓋体22における加熱プレート31の周囲に取り込み口41を形成しても良い。更に、図8に示すように、加熱プレート31と載置部11上のウェハWとの間の領域に臨む側方位置の一端側に取り込み口41を形成して、当該一端側に対向する他端側に向かってパーティクル1を含む雰囲気が一方向流として通流するようにしても良い。つまり、加熱プレート31と載置部11上のウェハWとの間にパーティクル1を含む雰囲気が通流すれば良い。
また、このような場合において、気流形成部材である加熱プレート31を設けることによって、加熱された雰囲気がウェハWの表面に近接して通流するので、速やかにパーティクル1を捕集できるが、図10に示すように、加熱プレート31を設けなくても良い。
更にまた、図11に示すように、載置部11に対向するように、加熱手段として例えばハロゲンランプ82を設けても良い。これらの場合においても、既述の図6〜図8に示したように、取り込み路42や排気路52を蓋体22の上面中央や加熱プレート31の側方位置に接続しても良いし、あるいは筐体21の側壁に接続しても良い。
また、例えば既述の図1の例において、ウェハWを吸着できるように図示しない吸着機構を備えた載置部11を蓋体22の下面に設けて、この載置部11の下面側にウェハWを保持すると共に、この載置部11に対向するように密閉容器23の下方側に加熱プレート31を設けても良い。
(実験例1)
先ず、加熱プレート31と載置部11との温度差が0℃、20℃、40℃及び60℃となるようにこれらの加熱プレート31及び載置部11の温度を以下の表1に示すように設定してウェハW上にパーティクル1を捕集し、既述のレーザー光によるパーティクルカウンターを用いてパーティクル1の個数を計測した結果(画像)を図13に示す。尚、この図13において、白色がパーティクル1の確認された位置を示している。
次に、上記の実験例と同様に加熱プレート31と載置部11との温度差を変えてパーティクル1を捕集して、捕集されたパーティクル1の個数を大きさ毎に集計した。この結果を図14に示す。
この図14から、上記の実験例と同様に温度差が大きくなる程ウェハW上に捕集されるパーティクル1の個数が増えていき、40℃以上の温度差では従来例よりも捕集効率が100倍程度(0.1%→10%)まで増えることが分かった。
上記の実験例2において、どのレベルの大きさのパーティクル1が熱泳動力の影響を受ける(捕集される)か確かめるために、従来例(温度差:0℃)において捕集したパーティクル1の個数を1(=100%)とした場合に、温度差を20℃〜60℃に設定して捕集したパーティクル1の個数の割合がこの従来例に対してどの程度増えているか計算した。
L 離間寸法
1 パーティクル
11 載置部
12 冷却板
23 密閉容器
31 加熱プレート
51 排気口
56 送り出し路
Claims (8)
- 基板上に気体雰囲気中のパーティクルを捕集する捕集装置において、
密閉容器内に設けられ、基板を載置する載置部と、
外部の気体雰囲気を前記密閉容器内に取り込むための取り込み口と、
前記密閉容器内を排気するための排気口と、
前記気体雰囲気中に含まれるパーティクルを熱泳動力によって基板上に捕集するために、前記載置部上の基板を被捕集面とは反対側の面から冷却するための冷却手段と、
前記取り込み口から前記密閉容器内に流入する気体を加熱するための加熱手段と、
前記取り込み口側に付着したパーティクルが前記密閉容器内に取り込まれないようにするために、清浄な気体を前記密閉容器内の雰囲気を介して前記取り込み口に送り出す送り出し手段と、を備えたことを特徴とするパーティクル捕集装置。 - 外部の気体雰囲気を前記取り込み口を介して前記密閉容器内に取り込み、基板の被捕集面に接触させる雰囲気取り込み手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパーティクル捕集装置。
- 前記雰囲気取り込み手段は、外部の気体雰囲気を前記気体取り込み口を介して前記密閉容器内に取り込み、前記載置部上の基板の被捕集面に沿って通流させて前記排気口から排気する手段であることを特徴とする請求項2に記載のパーティクル捕集装置。
- 前記取り込み口から取り込んだ気体雰囲気が前記載置部上の基板の被捕集面に沿って通流するように、前記載置部に対向する気流規制部材を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載のパーティクル捕集装置。
- 前記加熱手段は、前記載置部に載置された基板に対向するように設けられたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載のパーティクル捕集装置。
- 基板上に気体雰囲気中のパーティクルを捕集する捕集方法において、
密閉容器内に設けられた載置部に基板を載置する工程と、
パーティクルの捕集対象である気体を前記密閉容器の取り込み口から当該密閉容器内に取り込む工程と、
前記気体を加熱する工程と、
加熱された気体を載置部上の基板の被捕集面に接触させる工程と、
前記気体雰囲気中に含まれるパーティクルを熱泳動力によって前記基板上に捕集するために、前記載置部上の基板を被捕集面とは反対側の面から冷却手段により冷却する工程と、
前記取り込む工程に先立って、前記取り込み口側に付着したパーティクルが前記密閉容器内に取り込まれないようにするために、清浄な気体を前記密閉容器内の雰囲気を介して前記取り込み口に送り出す工程と、を含むことを特徴とするパーティクル捕集方法。 - 前記加熱された気体を基板の被捕集面に接触させる工程は、前記載置部上の基板と、この載置部に対向するように設けられた気流規制部材と、の間を通流させる工程であることを特徴とする請求項6に記載のパーティクル捕集方法。
- 前記加熱する工程は、前記載置部上の基板に対向して設けられた加熱手段により加熱する工程であることを特徴とする請求項6または7に記載のパーティクル捕集方法。
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