JP5521179B2 - 電子キーシステムの位置推定装置 - Google Patents

電子キーシステムの位置推定装置

Info

Publication number
JP5521179B2
JP5521179B2 JP2010234480A JP2010234480A JP5521179B2 JP 5521179 B2 JP5521179 B2 JP 5521179B2 JP 2010234480 A JP2010234480 A JP 2010234480A JP 2010234480 A JP2010234480 A JP 2010234480A JP 5521179 B2 JP5521179 B2 JP 5521179B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electronic key
vehicle
position estimation
transmitter
initial position
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010234480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012087515A (ja
Inventor
健一 古賀
明暁 岩下
信良 菊間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP2010234480A priority Critical patent/JP5521179B2/ja
Publication of JP2012087515A publication Critical patent/JP2012087515A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5521179B2 publication Critical patent/JP5521179B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lock And Its Accessories (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Description

この発明は、電子キーの位置を推定して各種制御を行う電子キーシステムの位置推定装置に関する。
近年、多くの車両には、無線通信により車両に固有のIDコードを送信可能な電子キーを車両のキーとして使用する電子キーシステムが搭載されている。この電子キーシステムでは、電子キーから送信されたIDコードを車両に搭載された車載装置が受信すると、車載装置が電子キーのIDコードと自身に予め登録されているIDコードとを照合するID照合を行い、これらIDコードが一致してID照合が成立すれば、車載機器の制御、例えば車両のドアロックの施解錠やエンジンの始動が許可又は実行される(例えば、特許文献1参照)。
この電子キーシステムは、電子キーからIDコードを送信するに際して電子キーにおいてボタン操作を必要としない、つまり電子キーからIDコードの送信を自動で行うものである。詳しくは、電子キーシステムでは、電子キーにIDコードの送信を要求するリクエスト信号を間欠的に車載装置から送信させ、電子キーがこのリクエスト信号を受信すると、これに応答する形で電子キーがIDコードを含むIDコード信号を車両に向けて送信して、車載装置が受信したこのIDコード信号のIDコードでID照合を実行する。
また、電子キーシステムには、車内に設けられたエンジンスイッチを操作するのみでエンジンを始動及び停止することが可能なエンジンスタートシステムが含まれている。このエンジンスタートシステムは、車内に入り込んだ電子キーとの間でID照合を行い、このID照合が成立したことを条件に、ブレーキペダルを踏み込み操作された状態でエンジンスイッチが操作されると、エンジンが始動する。このため、運転者は、電子キーを衣服のポケットに入れたり、かばん等に入れたりして携帯していれば、エンジンの始動が実行されるようになっている。
特開2002−29385号公報
古賀健一、外7名、「近傍波源推定に対するESPRIT法適用に関する基礎検討」、電子情報通信学会技術研究報告、2009年、第109巻、第218号、p.91−96 M.フェダー及びE.ウェインスタイン(M.Feder and E.Weinstein)、「EMアルゴリズムを用いた重畳された信号のパラメータ指定(Parameter estimation of superimposed signals using the EM algorithm)」、(米国)、IEEE論文誌(IEEE Trans. Acoust)、音声、言語及び信号処理(Speech and Signal Proc)、1988年、第36巻、第4号、p.477−489 林高弘、外2名、「EM,SAGEアルゴリズムを用いたDOA推定に関する一検討」、電子情報通信学会技術研究報告、2003年、第103巻、第22号、p.57−62 P.J.チェン及びJ.F.ボーメ(P.J.Chung and J.F.Bohme)、「fastEM,SAGEアルゴリズムを用いた到来方向推定(DOA estimation using fast EM and SAGE algorithms)」、(米国)、信号処理(Signal Processing)、2002年11月、第82巻、p.1753−1762
ところで、この種の電子キーシステムでは、ドアロックの施解錠の許可は車外でのID照合が成立したことが条件とされ、エンジン始動許可は車内でのID照合の成立が条件とされている。このため、車両には、車両周辺の所定通信エリア(車外通信エリア)に無線信号を送信可能な車外発信機と、車両室内の所定通信エリア(車内通信エリア)に無線信号を送信可能な車内発信機とが設けられ、運転者が車外及び車内のどちらにいるかによって、これら発信機のどちらか一方が選択的に動作してりクエスト信号が送信される動作がとられる。そして、車両は、どちらの通信エリアに送信したリクエスト信号に応答して電子キーからIDコード信号が返信されたかに基づいて電子キーが車外と車内とのどちらに存在するかを判断し、その判断結果に基づく動作を実行する。
電子キーシステムがこのような通信型式をとることを踏まえ、この種の電子キーシステムでは、車外発信機と車内発信機とから送信される送信電波(無線信号)の出力が、車外通信エリアと車内通信エリアとで重複しないように調整されなければならない。詳しくは、車外発信機から送信される所定の信号強度のエリアからなる車外通信エリアの境界と、車内発信機から送信される所定の信号強度のエリアからなる車内通信エリアの境界とがほぼ一致していなくてはならない。しかし、通信エリア設定は微妙な設定作業を要するため、場合によっては車内通信エリアが車外通信エリアに重複してしまうこともある。このため、車内通信エリア及び車外通信エリアの合わせ込みは非常に難しい作業であることから、車内通信エリア及び車外通信エリアの設定作業の省力化が求められていた。
そこで、車両にアダプティブアンテナを搭載して、電子キーの位置を正確に推定するアダプティブアンテナによる位置推定技術の採用が考えられる。このアダプティブアンテナによる位置推定技術はいろいろな方法が考案されているが、位置の推定精度を高められるとともに、演算処理を比較的抑えられることから、例えば初期位置を予め取得してこの初期位置に基づいて位置を推定する位置推定技術の利用が考えられる。このような初期位置を利用する位置推定方法としては、近傍ESPRIT法(非特許文献1参照)、EM法(Expectation-Maximization)(非特許文献2,3参照)、SAGE法(Space-Alternating Generalized Expectation maximization)(非特許文献3,4参照)等が考案されている。
これら初期位置を利用する位置推定では、初期位置を求めるために何らかの初期位置を推定するアルゴリズムを別途用意して、これを用いて得た初期推定位置を初期位置として位置を推定する。ところが、初期位置を推定するアルゴリズムを別途用意すると、演算処理が複雑となって、処理能力の高い装置が必要となる。また、簡易な初期推定アルゴリズムを使用することで対応すると、初期推定位置の精度が低く、最終的な推定位置の精度が劣化したり、位置推定処理に要する演算量が増大したりしてしまう。よって、通信エリアの設定を容易にしながら、位置推定の演算処理を低減できる電子キーシステムの位置推定装置が求められていた。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アレーアンテナを使用した位置推定の演算負荷を軽減でき、かつ電子キーに応答動作をとらせる発信機の通信エリア設定も簡略化することができる電子キーシステムの位置推定装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、通信マスタの発信機からID返信要求信号を送信し、当該ID返信要求信号に応答して電子キーがID信号を送信し、当該ID信号を前記通信マスタがアレーアンテナで受信すると、当該アレーアンテナを使用した位置推定アルゴリズムによって当該ID信号の電波到来方向を算出しつつ、前記ID信号に含まれるIDコードを照合してID照合成立可否を確認する電子キーシステムの位置推定装置において、どの前記発信機から送信された前記ID返信要求信号に応答して前記電子キーが前記ID信号を返信してきたのかを確認することにより、前記位置推定アルゴリズムの演算に必要な初期位置を算出する初期位置算出手段と、前記初期位置算出手段が算出した前記初期位置を基に、前記位置推定アルゴリズムを使用して前記電子キーの位置を推定するキー位置推定手段とを備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、どの発信機から送信されたリクエスト信号に応答して電子キーがID信号を返信したかを見ることにより、電子キーがどの通信エリアに位置しているのかを確認し、その確認結果から、位置推定アルゴリズムの計算に必要な初期位置を推定する。そして、この推定結果から割り出した初期位置を使用して、位置推定アルゴリズムにより電子キーの位置を推定する。よって、電子キーがどの発信機に応答してID信号を返信したかを見ることにより位置推定アルゴリズムの初期位置を割り出すので、複雑な計算式を使用して初期位置を演算する必要がない。よって、初期位置の計算負荷が軽減され、ひいては電子キーの位置推定の計算負荷を軽減することが可能となる。
また、電子キーの詳細位置は、電子キーからのID信号をアレーアンテナで受信した際、位置推定アルゴリズムを使用して行う判定形式をとる。このため、発信機から送信されるID返信要求は、電子キーが通信マスタにある程度近づいたら電子キーに応答動作をとらせられる信号であればよいので、通信エリアが細かく設定される必要はなく、大体のエリアをとっていればよい。このため、発信機の通信エリアを厳密に設定する必要がないので、非常に大きな作業負荷のかかる発信機のエリア設定作業を不要とすることも可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子キーシステムの位置推定装置において、前記初期位置算出手段は、複数の前記発信機から前記ID返信要求信号を時分割で送信し、前記アレーアンテナで受信した前記ID信号がどの前記発信機に対する応答なのかを確認することにより、前記電子キーがどの前記発信機の通信エリアに位置しているのかを見るとともに、その割り出した当該通信エリアの1点を前記初期位置として設定することをその要旨としている。
同構成によれば、ID返信要求信号を時分割、言い換えれば所定の時間毎に、いずれかの発信機からのみ送信して、この時分割されたID返信要求信号に応答したID信号の受信タイミングからどの発信機の通信エリアに存在するかを特定して、この通信エリア内のいずれか1点を初期位置とする。よって、複数の発信機から順番に信号送信するという簡単な制御によって、電子キーの現在位置、つまり初期位置を割り出すことが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子キーシステムの位置推定装置において、前記発信機の各通信エリアは、隣に位置するもの同士と縁部がオーバーラップすることをその要旨としている。
同構成によれば、互いに隣り合うもの同士で発信機の通信エリアの縁部をオーバーラップさせたので、通信エリアの間に隙間が生じ難くなるとともに、通信エリアの設定作業を簡略化することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子キーシステムの位置推定装置において、前記発信機は、前記通信マスタとしての車両の各ドアに設けられ、前記発信機の通信エリアは、前記車両の各ドアの周囲に形成されることをその要旨としている。
同構成によれば、一般的な車両には、電子キーシステムを実現するために車両の各ドアに発信機が搭載されているが、本構成では、この既存の発信機を使用して、位置推定アルゴリズムの演算に必要な初期位置を算出することが可能となる。よって、新たな物品を搭載することなく、既存の部品を使用して初期位置算出することが可能となる。
本発明によれば、アレーアンテナを使用した位置推定の演算負荷を軽減でき、かつ電子キーに応答動作をとらせる発信機の通信エリア設定も簡略化することができる。
電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。 車両の通信エリアを示す上面図。 発信機の送信タイミング及び受信機の受信タイミングを示す図。 車両の制御を示すフローチャート。 アレーアンテナと波源との位置関係を示す図。
以下、本発明を車両の電子キーシステムに適用した一実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
図1に示されるように、車両2には、例えば運転者が実際に車両キーを操作しなくてもドアロックの施解錠やエンジンの始動及び停止等の車両動作を行うことが可能な電子キーシステム、いわゆるキー操作フリーシステムが搭載されている。キー操作フリーシステムは、キー固有のIDコードを無線通信で送信可能な電子キー1が車両キーとして使用され、電子キー1と車両2との狭域無線通信によりID照合が実行される。なお、ドアロックやエンジンが車載機器に相当する。
キー操作フリーシステムには、車両2に近づいたり離れたりした際に自動でID照合が行われてドアロックの施解錠が許可されるエントリーシステムや、エンジン始動停止操作の際に実際の車両キー操作を必要とせずに単なるスイッチ操作のみでエンジン始動停止操作を行うことが可能な機能としてワンプッシュエンジンスタートシステムがある。これを以下に説明すると、車両2には、電子キー1との間で狭域無線通信(以下、スマート通信という)を行う際にID照合を行う照合ECU(Electronic Control Unit)21と、車両2の状態を管理するメインボディECU31と、エンジンの点火制御及び燃料噴射制御を行うエンジンECU32とが設けられている。これら照合ECU21、メインボディECU31、及びエンジンECU32は、車内LAN(Local Area Network)30を通じて接続されている。
照合ECU21には、車両2の各ドアに埋設されてLF(Low Frequency)帯の信号を送信可能な発信機としての第1LF発信機22、第2LF発信機23、第3LF発信機24、第4LF発信機25、及び第5LF発信機26が接続されている。これらLF発信機22〜26は、リクエスト信号Srqをそれぞれの発信アンテナからその周囲に送信可能である。LF発信機22〜26は、車両2の各ドアの周囲にリクエスト信号Srqの所定の信号強度の通信エリアA1,A2,A3,A4,A5を形成する(図2参照)。これら通信エリアA1,A2,A3,A4,A5は、略円形に形成されるとともに、隣り合う互いのエリアの縁部が重なり合って、言い換えればオーバーラップして形成される。
また、照合ECU21には、車両2の室内天井に埋設されてUHF(Ultra High Frequency)帯の信号を受信可能なUHF受信機27が接続されている。UHF受信機27には、複数の受信素子(アンテナ素子)からなるアレーアンテナ27aが搭載されている。アレーアンテナ27aは、小アンテナを平面状に多数配列した指向性アンテナの一種であって、電波到来方向や電波到来位置等が算出可能となっている。また、LF発信機22〜26は、アレーアンテナ27aからの距離がそれぞれ略等間隔に配置されている。
照合ECU21には、IDコードが記憶されたメモリ21aと、ID照合を行う照合部21bとが設けられている。照合部21bは、メモリ21aに登録されたIDコードと、電子キー1のIDコードとを照らし合わせてID照合を行う。照合ECU21は、LF発信機22〜26からUHF帯のリクエスト信号Srqを時分割で送信させ、車両2を含む周辺を5つに分割した通信エリアA1,A2,A3,A4,A5を形成する(図3参照)。なお、これら通信エリアA1,A2,A3,A4,A5が分割エリアに相当する。また、時分割とは、ある時間差を取りながらリクエスト信号Srqを順番に送信する動作のことを言う。
一方、電子キー1には、車両2との間で電子キーシステムに準じた無線通信を行う際のコントロールユニットとして通信制御部11が設けられている。通信制御部11は、固有のキーコードとしてIDコードが記憶されたメモリ11aを備えている。通信制御部11には、外部で送信されたUHF帯の信号を受信可能なLF受信部12と、通信制御部11の指令に従いUHF帯の信号を送信可能なUHF発信部13とが接続されている。通信制御部11は、車両2からリクエスト信号Srqを受信すると、自身のIDコードを含むIDコード信号SidをUHF発信部13から送信する。
照合ECU21は、電子キー1から返信されたIDコード信号Sidをアレーアンテナ27aで受信すると、このアレーアンテナ27aによって電波到来方向を算出する。照合ECU21は、電子キー1が車外に位置すると認識すると、ID照合として車外照合を行い、この車外照合が成立することを確認すると、メインボディECU31を介してドアロック装置38によるドアロックの施解錠を許可又は実行する。また、照合ECU21は、電子キー1が車内に位置すると認識すると、ID照合として車内照合を行い、この車内照合が成立することを確認すると、エンジンスイッチ35による電源遷移操作及びエンジン始動操作を許可する。
アレーアンテナ27aを使用した位置推定には、例えばESPRIT法の一種である近傍波源ESPRIT法が使用されている。ところで、ESPRIT法は、波源が遠方である場合に、隣り合うサブアレー間で成り立つ回転不変式を使用して電波の到来方向を求める算出方式である。つまり、波源が遠方の場合には、ESPRIT法により波源位置を特定できるが、単なるESPRIT法では、波源が近傍の場合に回転不変式が成立せず、この近傍波源の位置を推定することができない現状がある。
そこで、波源が近傍でも位置推定することができるESPRIT法として考案されたのが近傍波源ESPRIT法である。近傍波源ESPRITの位置推定アルゴリズムは、まず電波波源の初期位置を推定し、初期推定により得られた位置から変換行列を算出する。変換行列とは、初期推定位置に対するアレーのモードベクトルを定数倍する変換を行う行列である。この変換行列を使用すると、擬似的な回転不変式が成立する。近傍波源ESPRIT法は、この擬似的な回転不変式を使用して、ESPRIT法と同様の計算方式を用いて波源位置を推定する。
本例のキー操作フリーシステムには、アレーアンテナ27aによるキー位置推定を、簡素な構成により実現するキー位置推定装置3が設けられている。本例のキー位置推定装置3は、初期位置が必要なアルゴリズムによってキー位置を判定する際に、LF発信機22〜26による検出位置を初期推定位置とすることによって位置算出を行う装置となっている。
以下、キー位置推定装置3を詳述すると、照合ECU21には、電子キー1の位置を求めるための初期位置を算出する初期位置算出手段としての初期位置算出部21cが設けられている。初期位置算出部21cは、アレーアンテナ27aでIDコード信号Sidを受信したら、このときの受信信号が、どのLF発信機が送信したリクエスト信号Srqに応答した信号かを確認し、電子キー1が通信エリアA1〜A5のいずれに位置しているのかを判定する。そして、初期位置算出部21cは、電子キー1が位置する通信エリアの1点、本例の場合は通信エリアの中心Pを、位置推定アルゴリズムの初期位置として設定する。
また、照合ECU21には、初期位置算出部21cが算出した初期位置を基に電子キー1の位置を推定するキー位置推定手段としてのキー位置推定部21dが設けられている。キー位置推定部21dは、初期位置算出部21cが算出した中心Pを初期位置として、位置推定アルゴリズム(近傍波源ESPRIT法)によりIDコード信号Sidの電波到来方向及び電波放射位置を推定して、電子キー1の位置を算出する。
次に、照合ECU21による位置推定を含む車載機器の制御動作について図4を参照して説明する。なお、位置推定方法として近傍波源ESPRIT法を例に挙げる。
まず、図4に示されるように、照合ECU21は、各LF発信機22〜26からリクエスト信号Srqを時分割で各通信エリアA1,A2,A3,A4,A5に送信させる(ステップS1)。すなわち、図3に示されるように、各LF発信機22〜26からのリクエスト信号Srqの送信タイミングが重ならないよう第1LF発信機22から順にリクエスト信号Srqを送信する。本実施形態では、第1LF発信機22に続いて第2LF発信機23、その次に第3LF発信機24、第4LF発信機25、第5LF発信機26と順番に、各LF発信機22〜26からリクエスト信号Srqを送信する。照合ECU21は、各LF発信機22〜26からリクエスト信号Srqがそれぞれ1回送信される一巡を1セットとして、この1セットを間欠的に繰り返すよう各LF発信機22〜26からリクエスト信号Srqを送信させる。
続いて、図4に示されるように、照合ECU21は、IDコード信号SidをUHF受信機27(アレーアンテナ27a)により受信したか否かを判断する(ステップS2)。そして、照合ECU21は、IDコード信号Sidを受信しない(ステップS2:NO)と、処理を終了する。一方、照合ECU21は、IDコード信号Sidを受信すると(ステップS2:YES)と、ステップS3に移行する。
ステップS3では、照合ECU21の初期位置算出部21cにより初期位置推定が実行される。このとき、初期位置算出部21cは、受信したIDコード信号Sidの受信タイミングから、通信エリアA1〜A5のいずれに電子キー1が存在するかを推定する。すなわち、図3に示されるように、初期位置算出部21cは、送信したリクエスト信号Srqに応答して電子キー1が送信したIDコード信号Sidの受信タイミングに基づき、位置推定アルゴリズムの初期位置を推定する。例えば、第1LF発信機22の通信エリアA1に電子キー1が位置する場合、初期位置算出部21cは、第1LF発信機22からリクエスト信号Srqを送信した直後の受信タイミングで、電子キー1からIDコード信号Sidを受信するので、第1LF発信機22の通信エリアA1に電子キー1が存在すると推定する。
そして、初期位置算出部21cは、電子キー1が存在すると推定した通信エリアA1の1点として中心P1に電子キー1が存在する仮定して、中心P1のXY座標(x,y)を電子キー1の位置を求めるための初期位置と設定する(ステップS4)。通信エリアの中心P1を初期位置とするのは、電子キー1が通信エリアA1内のいずれの位置に存在しても、通信エリアA1の中心P1とすれば、電子キー1が存在する位置との距離が最も近くなる確率が高くなるからである。また、通信エリアA1の中心P1がドア上であるので、通信エリアA1に入った電子キー1が近くに位置する可能性も高い。このため、電子キー1が存在する通信エリアの中心を電子キー1の位置を求めるための初期位置と設定する。
続いて、キー位置推定部21dは、初期位置算出部21cが算出した初期位置を使って電子キー1の位置を推定する(ステップS5)。すなわち、キー位置推定部21dは、近傍波源ESPRIT法を利用して電子キー1の位置を推定する。そこで、位置推定について、定式化、ESPRIT法、近傍波源に対するESPRIT法の適用の順番で説明する。
<定式化>
波源の個数をLとする。図5は(x,y)=(x,y)=βに位置する第l波(l=1,2,…,L)の狭帯域波源と、x軸上に配置された素子間隔dのK素子等間隔リニアアレーとの位置関係を示した図である。L波の到来波がアレーアンテナに入射した場合、k番目(k=1,2,…,K)のアンテナ素子の受信信号xは次式のように表すことができる。
Figure 0005521179
ここに、Fはl番目の波源の複素振幅であり、d(β)はl番目の波源とk番目のアレー素子との距離、η(β)はl番目の波源の位置βからアレー素子位置までの伝搬による位相遅れである。また、wはk番目のアレー素子における熱雑音、λはl番目の波源の波長を表す。式(1)を用い、入力ベクトルXを次のように定義する。
Figure 0005521179
このとき、振幅ベクトルF、アレーのモード行列A、熱雑音ベクトルWを次のようにそれぞれ定義する。
Figure 0005521179
なお、は転置を表す。このとき、アレーアンテナへの入力ベクトルは次のように表すことができる。
Figure 0005521179
このようにして定義された入力ベクトルXの相関行列Rxxは、次式のように表すことができる。
Figure 0005521179
ここで、Hは複素共役転置を、E[・]は期待値を表す。各アンテナの熱雑音は互いに無相関であり、入射波とも無相関であるので、スナップショット数が無限である場合、熱雑音電力をσとすると、W=σI(I:単位行列)となる。
<ESPRIT法>
ESPRIT法は、波源が十分遠方であり、到来波が平面波とみなせることを前提として成立する。今、十分遠方に存在するl番目(l=1,2,・・・,L)の波源が、y軸となす角θl(反時計回り方向を正とする)から到来する場合を考える。すると、波源が近傍である場合に式(8)で表されたモードベクトルa(β)の成分a(β)は、次式のように変更される。
Figure 0005521179
ここで、第1,2,…,K−1素子からなるサブアレーを第1サブアレー、第2,3,…,K素子からなるサブアレーを第2サブアレーと呼ぶこととする。このとき、J,Jを次のように定義する。
Figure 0005521179
第1サブアレーのモード行列はJA、第2サブアレーのモード行列はJAと表すことができる。すると、これらサブアレーのモード行列の間には次の関係式が成り立つ。
Figure 0005521179
ここに、diag[・]は対角行列を表す。式(17)は回転不変式(rotational invariance)と呼ばれ、ESPRIT法の基本原理を表す式である。これは第1サブアレーの第l波のモードベクトルJa(β)をexp{jφ}倍すると、第2サブアレーのモードベクトルJa(β)となることを意味し、サブアレー同士が同形かつ、波源が遠方であるからこそ成り立つものである。
さて、ここで式(11)により得られた相関行列Rxxに対する固有値問題を解く。
Figure 0005521179
上記を解いて得られるK個の固有値を、値の大きいものから順にλ,λ,…,λとする。言い換えれば、式(21)のΛの対角成分λが固有値である。このうち、大きいものからL個の固有値に対応する固有ベクトルv,v,…,vの張るL次元部分空間は、行列Aを構成するL個の列ベクトルの張る部分空間に一致する。したがって、以下を満たすL次の正則な行列Tが唯一存在する。
Figure 0005521179
したがって、式(23)をA=E−1と変形し、式(17)へ代入すると次式が導かれる。ここで、式(23)におけるEが信号部分空間に属する固有ベクトルである。
Figure 0005521179
ここで、E,E,Ψはそれぞれ以下のように定義した。
Figure 0005521179
,Eはそれぞれ式(26),(27)より計算可能であるため、式(25)よりΨを算出可能である。よって、式(28)より、Ψを固有値展開することでT−1,Φを求めることができ、Φが求まれば式(18),(19)より到来角度θを算出することができる。
<近傍波源に対するESPRIT法の適用>
上記では、波源が遠方である場合にはESPRIT法の適用が可能であることを確認した。しかし、波源が近傍である場合には、等間隔アレーであるにも関わらず、隣接素子間の受信信号の位相差が一定ではない不等間隔アレーで受信したような状態となる。したがって、ESPRIT法の原理式である回転不変式(17)を満たすような、同形のサブアレーのペアを取り出すことができない。
そこで、本方法では、次式を満たす変換行列Bを使用する。
Figure 0005521179
式(29)は、「位置β=(x,y)を表すモードベクトルa(β)を、変換行列Bにより変換すると、a(β)の(x+jy)倍となる」ことを意味する。そこで、このような変換行列Bが得られれば,以下の方法により波源位置を推定することが可能である。
まず、モード行列Aを用いて式(29)を次のように表す。
Figure 0005521179
ここに、変換行列Bはモード行列AをAΩという行列に変換することがわかる。この式(30)を回転不変式と呼ぶ。また、ω(β)が波源位置βと1対1対応する。次に、式(23)をA=E−1と変形し、式(30)へ代入すると,次式が導かれる。
Figure 0005521179
ここで、E,E,Ψはそれぞれ以下のように定義した。
Figure 0005521179
以上より、式(33)は式(25)と等しく、ESPRIT法が適用可能であることがわかる。また、式(33)より得られるΨは、Ωが対角行列であることから、式(36)のようにΩの対角成分を固有値、T−1の列ベクトルを固有ベクトルとする行列である。したがって、Ψを固有値展開することによりΩが得られ、更に式(31),(32)を用いることで波源位置βを求めることができる。すなわち、式(30)を満たす変換行列Bを得ることができれば、近傍波源に対してESPRIT法を適用することができ、波源位置が推定可能となる。
式(29)における変換は非線形変換であるため、全ての位置に対して式(29)を満たす行列Bは存在しない。そこで、本方法では次式を用いて変換行列Bを算出する。
Figure 0005521179
ここで、leftは左逆行列を表す。すなわち、AleftA=Iである。モード行列AはK×L行列であり、素子数K>波源数Lより縦長の行列である。また、Aの列ベクトル、すなわち各波源の位置βに対するモードベクトルa(β)はそれぞれ一次独立であるため、左逆行列Aleftが存在する。したがって、式(37)により変換行列Bを算出することが可能である。モード行列Aは波源位置βより算出されるものであり、推定前の段階では未知の行列だということである。したがって、まず初期推定を行い、おおよその波源位置からモード行列を算出し、これを用いて変換行列の計算を行うこととなる。
本実施例では、先に得られた通信エリアA1の中心P1を初期位置(x,y)として変換行列Bを算出する。なお、変換行列Bは、初期位置としての中心P1に対するモードベクトルAを定数倍する変換を行う行列である。
そして、近傍波源ESPRIT法を用いて、電子キー1の位置を推定する(ステップS6)。
次に、照合ECU21の照合部21bは、IDコード信号SidのIDコードと、メモリ21aのIDコードとを照らし合わせてID照合を行う(ステップS7)。そして、照合部21bは、ID照合が成立しない(ステップS7:NO)と、処理を終了する。
一方、照合部21bは、ID照合が成立する(ステップS7:YES)と、電子キー1の位置に基づいて車載機器の制御を行う(ステップS8)。すなわち、照合部21bは、電子キー1の位置が車外であれば、車外照合成立と判断して、メインボディECU31を介してドアロック装置38によるドアロックの施解錠を許可又は実行して、処理を終了する。一方、照合部21bは、電子キー1の位置が車内であれば、車内照合成立と判断して、エンジンスイッチ35による電源状態の切替を許可して、処理を終了する。
さて、本例の場合、車両2が電子キー1からIDコード信号Sidを受信した際、複数のLF発信機22〜26のうち、どのLF発信機22〜26からのリクエスト信号Srqに対する応答かを見ることにより、電子キー1がどの通信エリアA1〜A5に位置しているのかを確認する。そして、電子キー1が位置している通信エリアの中心、つまり発信機配置位置を初期位置として、近傍波源ESPRIT法によりIDコード信号Sidの電波到来方向、つまり電子キー1の位置を判定する。このため、初期位置を推定するために初期位置推定アルゴリズムを利用して推定する必要がないので、簡素な処理によって初期位置を割り出すことが可能となる。よって、位置推定が必要なアルゴリズムによってキー位置を算出する際に、その演算負荷を軽減することが可能となる。
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)電子キー1がどのLF発信機22〜26から送信されたリクエスト信号Srqに応答してIDコード信号Sidを返信したかを見ることにより、電子キー1がどのLF発信機22〜26の通信エリアA1〜A5に位置するのかを確認し、電子キー1が位置する通信エリアの1点を位置推定アルゴリズムの初期位置として使用する。よって、位置推定アルゴリズムの計算に必要な初期位置を、複雑な計算を用いて算出せずに済むので、初期位置の計算負荷を軽減でき、ひいてはキー位置推定に要する演算負荷も軽減することができる。また、LF発信機22〜26は、電子キー1が車両2にある程度近づいたら、電子キー1を起動させられる信号を送信できればよいので、通信エリアを大まかに設定しても問題はない。よって、LF発信機22〜26の通信エリアを厳密に設定する必要がないので、LF発信機22〜26の通信エリア設定作業を簡素化することができる。
(2)初期位置の計算負荷を軽減するためには、例えば簡易な計算式を使用することも想定されるが、この場合は初期位置の計算精度が悪化する懸念がある。一方、本例の場合、電子キー1と車両2とが実際に行う相互通信の通信結果を使用して位置推定アルゴリズムの初期位置を算出するので、位置推定の演算結果は比較的精度が高いと言える。よって、計算負荷の軽減と位置精度確保とを両立することができる。
(3)リクエスト信号Srqを各通信エリアに時分割で送信することで、送信タイミングをずらし、いずれかのリクエスト信号Srqに応答した電子キー1のIDコード信号Sidの受信タイミングから電子キー1が存在する通信エリアを特定する。よって、複数のLF発信機22〜26から順番に信号送信するという簡素な制御によって、電子キー1が大まかにどの通信エリアA1〜A5に位置しているかを特定すること、つまり位置推定アルゴリズムに使用する初期位置を割り出すことができる。
(4)各通信エリアA1,A2,A3,A4,A5の近傍の縁部がオーバーラップするので、通信エリア同士に隙間が生じ難くなるとともに、通信エリアの設定作業を簡略化することができる。
(5)従来の電子キーシステムと同様に、車両2の各ドアに設けたLF発信機22〜26からリクエスト信号Srqを送信して各通信エリアA1,A2,A3,A4,A5を形成した。よって、一般的に車両に搭載される既存の発信機を使用しつつ、アレーアンテナ27aを備えたUHF受信機27を搭載すれば、既存の部品を使用して初期位置を容易に算出することができる。
(6)各通信エリアA1,A2,A3,A4,A5のいずれかに電子キー1が存在した際に、これら通信エリアA1,A2,A3,A4,A5の中心P1,P2,P3,P4,P5を電子キー1の位置を求めるための初期位置とした。このため、電子キー1が各通信エリアA1,A2,A3,A4,A5の何処かにあったとしても、最も高い確率で近い位置に初期位置を設定することが可能となるので、初期位置の精度を高めることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、照合部21bによるID照合をステップS3〜S6の電子キー1の位置算出後に行うようにしたが、IDコード信号Sidの受信後ステップS3の前に行ってもよいし、ステップS3〜S6の電子キー1の位置算出と同時行ってもよい。すなわち、電子キー1の位置算出とID照合成立との両方に基づいて車載機器の制御が行えるようになっていればよい。
・上記実施形態では、初期推定を用いる位置推定方法として近傍波源ESPRIT法を採用したが、近傍波源ESPRIT法に限らず、EM法やSAGE法等の他の初期推定を用いる位置推定方法として採用してもよい。
・上記実施形態では、初期位置を推定する際に通信エリアA1,A2,A3,A4,A5の中心P1,P2,P3,P4,P5を初期位置としたが、通信エリアA1,A2,A3,A4,A5内であれば他の1点を初期位置としてもよい。
・また、車両2の状態に合わせて初期位置を変更するようにしてもよい。例えば、図2に破線の丸で示したように、車両2が施錠状態であるときには通信エリアA1,A2,A3,A4,A5の車外側の中央X1,X2,X3,X4,X5を初期位置とするとともに、車両2が解錠されて乗り込まれた後であるときには通信エリアA1,A2,A3,A4,A5の車内側の中央Y1,Y2,Y3,Y4,Y5を初期位置とする。このような構成によれば、状況に合わせて地点を選択することにより電子キー1が存在する位置により近い地点を電子キー1の位置を求めるための初期位置とすることができる。
・上記実施形態では、LF発信機22〜26を各ドアに設けて通信エリアA1,A2,A3,A4,A5を形成するようにしたが、前側、言い換えれば運転席と助手席のドアに設けられたLF発信機22,26のみで通信エリアを形成してもよい。このようにすれば、LF発信機の個数を減らすことができ、コストを削減することができる。
・また、LF発信機の位置はドアに限らず、通信エリアが車両2の周囲を広く必要なエリアを包含することができれば、車両2の任意の位置に設定可能である。
・上記構成において、図1に示されるように、電子キー1に施錠スイッチ18及び解錠スイッチ19を設け、この施錠スイッチ18及び解錠スイッチ19を操作することで、車両2へ施錠信号Sl又は解錠信号SulをUHF発信部13から送信して、車両2のUHF受信機27が受信することで車両2のドアロックの解錠又は施錠を可能としてもよい。
・上記実施形態において、電子キーシステムで使用する電波の周波数は、必ずしもLFやUHFに限定されず、これら以外の周波数が使用可能である。また、車両2から電子キー1に電波送信するときの周波数と、電子キー1から車両2に電波を返すときの周波数とは、必ずしも異なるものに限定されず、これらを同じ周波数としてもよい。
・上記実施形態では、電子キーシステムの電子キー1の位置推定に適用したが、必ずしも車両2のみに適用されることに限らず、電子キーを使用する通信対象であれば、その採用先は特に限定されない。
・上記実施形態では、電波に適用したが、音波に適用してもよい。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子キーシステムの位置推定装置において、前記初期位置算出手段は、前記初期位置を前記通信エリアの中心とすることを特徴とする電子キーシステムの位置推定装置。
同構成によれば、通信エリアの中心を初期位置としたので、通信エリア内のいずれかの位置に電子キーがあったとしても電子キーが存在する位置に最も近い点となり、電子キーの位置を求めるための初期位置の精度を高めることができる。
(ロ)請求項1〜4及び(イ)のいずれかに記載の電子キーシステムの位置推定装置において、前記初期位置算出手段は、前記通信マスタとしての車両が施錠状態であるときには前記初期位置を前記通信エリアの車外側の中央とするとともに、前記車両が解錠されて乗り込んだ後であるときには前記初期位置を前記通信エリアの車内側の中央とすることを特徴とする電子キーシステムの位置推定装置。
同構成によれば、車両が施錠状態、言い換えれば電子キーが車外から車両に近づくときには、通信エリアの車外の中央を初期位置とするとともに、この施錠状態から解錠して乗り込んだとき、言い換えれば電子キーが車内に存在するときには、通信エリアの車外の中央を初期位置とする。このため、状況に合わせて地点を選択することにより電子キーが存在する位置に近い地点を電子キーの位置を求めるための初期位置とすることができる。
(ハ)請求項1〜4及び(イ)、(ロ)のいずれかに記載の電子キーシステムの位置推定装置において、前記位置推定アルゴリズムは、前記初期位置算出手段により算出された前記初期位置を基に、当該初期位置に対するモードベクトルを定数倍する変換を行う行列として変換行列を求め、この変換行列を基に、擬似的な回転不変式を算出し、当該回転不変式から前記ID信号の到来方向、即ち前記電子キーの位置を推定するアルゴリズムであることを特徴とする電子キーシステムの位置推定装置。
1…電子キー、2…車両、11…通信制御部、11a…メモリ、12…LF受信部、13…UHF発信部、21…照合ECU、21a…メモリ、21b…照合部、21c…初期位置算出部、21d…キー位置推定部、22…第1LF発信機、23…第2LF発信機、24…第3LF発信機、25…第4LF発信機、26…第5LF発信機、27…UHF受信機、27a…アレーアンテナ、30…車内LAN、31…メインボディECU、32…エンジンECU、35…エンジンスイッチ、37…カーテシスイッチ、38…ドアロック装置、A1,A2,A3,A4,A5…通信エリア、P1,P2,P3,P4,P5…中心、Sid…IDコード信号、Srq…リクエスト信号。

Claims (4)

  1. 通信マスタの発信機からID返信要求信号を送信し、当該ID返信要求信号に応答して電子キーがID信号を送信し、当該ID信号を前記通信マスタがアレーアンテナで受信すると、当該アレーアンテナを使用した位置推定アルゴリズムによって当該ID信号の電波到来方向を算出しつつ、前記ID信号に含まれるIDコードを照合してID照合成立可否を確認する電子キーシステムの位置推定装置において、
    どの前記発信機から送信された前記ID返信要求信号に応答して前記電子キーが前記ID信号を返信してきたのかを確認することにより、前記位置推定アルゴリズムの演算に必要な初期位置を算出する初期位置算出手段と、
    前記初期位置算出手段が算出した前記初期位置を基に、前記位置推定アルゴリズムを使用して前記電子キーの位置を推定するキー位置推定手段とを備えた
    ことを特徴とする電子キーシステムの位置推定装置。
  2. 請求項1に記載の電子キーシステムの位置推定装置において、
    前記初期位置算出手段は、複数の前記発信機から前記ID返信要求信号を時分割で送信し、前記アレーアンテナで受信した前記ID信号がどの前記発信機に対する応答なのかを確認することにより、前記電子キーがどの前記発信機の通信エリアに位置しているのかを見るとともに、その割り出した当該通信エリアの1点を前記初期位置として設定する
    ことを特徴とする記載の電子キーシステムの位置推定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電子キーシステムの位置推定装置において、
    前記発信機の各通信エリアは、隣に位置するもの同士と縁部がオーバーラップする
    ことを特徴とする電子キーシステムの位置推定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子キーシステムの位置推定装置において、
    前記発信機は、前記通信マスタとしての車両の各ドアに設けられ、前記発信機の通信エリアは、前記車両の各ドアの周囲に形成される
    ことを特徴とする電子キーシステムの位置推定装置。
JP2010234480A 2010-10-19 2010-10-19 電子キーシステムの位置推定装置 Active JP5521179B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010234480A JP5521179B2 (ja) 2010-10-19 2010-10-19 電子キーシステムの位置推定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010234480A JP5521179B2 (ja) 2010-10-19 2010-10-19 電子キーシステムの位置推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012087515A JP2012087515A (ja) 2012-05-10
JP5521179B2 true JP5521179B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=46259431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010234480A Active JP5521179B2 (ja) 2010-10-19 2010-10-19 電子キーシステムの位置推定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5521179B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6907711B2 (ja) * 2017-05-29 2021-07-21 株式会社デンソー 電子キー位置推定装置
JP6995431B2 (ja) * 2017-09-01 2022-01-14 マレリ株式会社 車載機およびキーレスエントリーシステム
JP6919451B2 (ja) * 2017-09-21 2021-08-18 株式会社デンソー 携帯機位置推定システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012087515A (ja) 2012-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10604112B2 (en) Control system and mobile device
JP6919451B2 (ja) 携帯機位置推定システム
CN110062721A (zh) 组合车辆被动进入/被动启动与移动电子设备无线充电***
WO2017098717A1 (ja) 車載器、携帯機、及び車両用無線通信システム
EP3886468A1 (en) Key fob localization inside vehicle
US10515497B2 (en) On-vehicle device, mobile device, and wireless communication system for vehicles
JP2006266077A (ja) 自動車の始動及び乗車の認証を行う方法
JP5027083B2 (ja) 位置判定装置
WO2015064016A1 (ja) 車両システム、車載装置、及び携帯機
JP6907711B2 (ja) 電子キー位置推定装置
JP5521179B2 (ja) 電子キーシステムの位置推定装置
US9889819B2 (en) Smart key system
US11975686B2 (en) Security system
US20230016818A1 (en) Distance estimation device
JP2011075448A (ja) 受信波の波源位置推定装置及び波源方向推定装置、並びに受信波の波源位置推定方法及び波源方向推定方法
JP5795468B2 (ja) 位置教示システム
EP3514023B1 (en) In-vehicle communication device and communication method
JP5584070B2 (ja) 位置教示システム
JP7123764B2 (ja) 認証システム
JP6522902B2 (ja) 位置推定装置
WO2019225320A1 (ja) 車両用認証装置
JP2010266294A (ja) 受信波の相関行列算出装置及び受信波の相関行列算出方法、並びに波源方向推定装置及び波源位置推定装置
JPWO2018186075A1 (ja) 車載器、携帯機、及びキーレスエントリーシステム
WO2020179866A1 (ja) 車両制御システム、携帯端末、及び車載装置
JP2007031962A (ja) 車両用アンロック装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5521179

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250