JP5521132B2 - ダイヤモンド電子素子 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイヤモンド電子素子とダイヤモンド電子素子の製造方法とに関する。
ダイヤモンドは、従来の半導体材料に比べてバンドギャップが大きく、高絶縁破壊電圧、高移動度、高熱伝導率などの優れた物性を持つため、電子デバイスへの応用が望まれている。特に、ダイヤモンドを用いた電子素子の絶縁破壊電圧は、理論的には10MV/cmに達すると考えられている。このため、ダイヤモンドを用いた高耐電圧の電子素子の開発が進められている。ダイヤモンドを用いた電子素子の一例が非特許文献1及び非特許文献2に記載されている。
A.Vescan,I.Daumiller,P.Gluche,W.Ebert,E.Kohn,"Hightemperature, high voltage operation of diamond Shottky diode",Diamond andRelated Materials,7 (1998),p.581-584 D.J.Twitchen,A.J.Whitehead,S.E.Coe,J.Isberg,J.Hammersberg,T.Wikstrom,E.Johansson,"High-VoltageSingle-Crystal Diamond Diodes",IEEE Transaction on Electron Devices,MAY2004,Vol.51,No.5,p.826
しかしながら、非特許文献1のダイヤモンドショットキーダイオードにおいては、絶縁破壊電圧は3MV/cmに過ぎない。また、非特許文献2のダイヤモンドショットキーダイオードは、平均電圧1.4MV/cmに対する逆方向リーク電流が約1mA/cmであり、高耐電圧のダイヤモンド電子素子とは言い難い。そこで、本発明は、高耐電圧のダイヤモンド電子素子を提供することを課題とする。
本発明のダイヤモンド電子素子は、ダイヤモンドエピタキシャル層を有する本体部と、前記本体部に設けられた電極とを備えたダイヤモンド電子素子であって、前記ダイヤモンドエピタキシャル層は、3×10cm−2以下の面密度の複合転位を有する所定のダイヤモンド領域を含み、前記電極は、前記ダイヤモンド領域上に設けられている、ことを特徴とする。更に、前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層を所定の方法でドライエッチングした場合に所定のエッチピットの発生原因となる欠陥である。更に、前記ドライエッチングに使用するガスは、水素と酸素を含む。更に、前記エッチピットの深さは、前記エッチピットの口径の2倍以上である。更に、前記ダイヤモンド領域は、前記エッチピットの発生原因とならない欠陥をさらに含む。
また、本発明のダイヤモンド電子素子において、前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層の所定の面に垂直な結晶方位を[001]とした場合に、X線回折面(113)のX線トポグラフィー像が検出される欠陥を含んでもよいし、前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層の所定の面に垂直な結晶方位を[001]とした場合に、X線回折面(044)のX線トポグラフィー像が検出される欠陥を含んでもよいし、前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層の所定の面に垂直な結晶方位を[001]とした場合に、X線回折面(220)のX線トポグラフィー像が検出される欠陥を含んでもよい。
また、本発明のダイヤモンド電子素子において、前記本体部は、ダイヤモンド基板をさらに有し、前記ダイヤモンドエピタキシャル層は、前記ダイヤモンド基板上にエピタキシャル成長されて設けられており、前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層の所定の面に垂直な結晶方位を[001]とした場合に、X線回折面(113)、(044)及び(220)のX線トポグラフィー像が検出される欠陥を含み、前記基板に含まれる複合転位は、前記X線回折面(113)及び前記X線回折面(044)のX線トポグラフィー像が検出され、且つ、前記X線回折面(220)のX線トポグラフィー像が検出されない欠陥を含んでもよい。
本発明のダイヤモンド電子素子の製造方法は、ダイヤモンド基板上にエピタキシャル成長によってダイヤモンドエピタキシャル層を設ける成長工程と、X線トポグラフィーを用いて前記ダイヤモンドエピタキシャル層に含まれる複合転位の密度を測定する測定工程と、前記測定工程によって得られる結果に基づいて、複合転位の面密度が3×10cm−2以下である前記ダイヤモンドエピタキシャル層の領域上に電極を設ける工程と、を備えることを特徴とする。
本発明者は、高耐電圧を実現するダイヤモンド電子素子を開発すべく研究を重ねた。この研究の結果、本発明者は、上記の本発明に係るダイヤモンド電子素子と、ダイヤモンド電子素子の製造方法とに示すように、ダイヤモンド電子素子の電圧印加領域が含む複合転位の密度が3×10cm−2以下である本発明のダイヤモンド電子素子が、高耐電圧を実現することを見出した。
本発明によれば、高耐電圧のダイヤモンド電子素子及び高耐電圧のダイヤモンド電子素子の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、可能な場合には、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1は、ダイヤモンド電子素子2の内部構造を示す図である。ダイヤモンド電子素子2は、ダイヤモンド基板21、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22、電極23、電極24及び第1ダイヤモンドエピタキシャル層28を備える。ダイヤモンド電子素子2の本体部は、ダイヤモンド基板21、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22を有する。ダイヤモンド基板21上に、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28が設けられ、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28上に第2ダイヤモンドエピタキシャル層22が設けられている。第2ダイヤモンドエピタキシャル層22は、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面から裏面に至る(第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面から第1ダイヤモンドエピタキシャル層28に至る)コンタクトホールを有しており、このコンタクトホールに電極23が充填されている。電極23は、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面上に突出していると共に、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28に接続している。第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面には、電極24が設けられている。電極24は、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面上に突出しており、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22に接続している。
ダイヤモンド基板21は、例えばIbダイヤモンド、IIaダイヤモンド又は気相合成ダイヤモンド等であり、低欠陥・低転位のダイヤモンドから成る。第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22は、何れも、低欠陥・低転位のエピタキシャル層である。ダイヤモンド基板21、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の低欠陥・低転位の箇所は、例えば、X線トポグラフィーを用いた分析方法によって特定される。
第1ダイヤモンドエピタキシャル層28は、ダイヤモンド基板21の表面にエピタキシャル成長によって形成されたダイヤモンドエピタキシャル層であり、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22は、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の表面にエピタキシャル成長によって形成されたダイヤモンドエピタキシャル層である。第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22のそれぞれは、p型及びp型(又はノンドープ)(この場合、ダイヤモンド電子素子2はユニポーラデバイス)であるか、又は、n型及びn型(又はノンドープ)(この場合、ダイヤモンド電子素子2はユニポーラデバイス)であるか、又は、n型及びp型(この場合、ダイヤモンド電子素子2はバイポーラデバイス)であるか、又は、p型及びn型(この場合、ダイヤモンド電子素子2はバイポーラデバイス)等である。p型(及びp型)のドーパントは例えばホウ素等であり、n型(及びn型)のドーパントは例えばリン等である。また、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22から成るダイヤモンドエピタキシャル層の膜厚は導電性を上げることとデバイスの剛性を保つことから決定され、1〜20μm程度が好ましい。
電極23は、オーミック電極である。電極23は、例えば、チタン/白金/金から成るか、又は、チタン/モリブデン/金から成る。電極23のチタン層は第1ダイヤモンドエピタキシャル層28に接続している。電極24は、オーミック電極、又は、Ptから成るショットキー電極である。ダイヤモンド電子素子2がバイポーラデバイスの場合、電極24はオーミック電極であり、ダイヤモンド電子素子2がユニポーラデバイスの場合、電極24はショットキー電極である。
第2ダイヤモンドエピタキシャル層22は、後述の複合転位の面密度が3×10cm−2個以下の電圧印加領域E1(ダイヤモンド領域)を含む。複合転位は、後述のX線トポグラフィーによって検出される。この複合転位の面密度は、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面(電極24の設けられている面であるが、ダイヤモンド基板21と第1ダイヤモンドエピタキシャル層28との接合面等も同様)に垂直な結晶方位を[001]とした場合のX線回折面(113)、(220)又は(044)における面密度である。なお、ダイヤモンド基板21、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22のそれぞれの形成後には、(113)面、(220)面及び(044)面の少なくとも一面をX線回折面としたX線トポグラフィーによる欠陥解析が、ダイヤモンド基板21、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22及び第1ダイヤモンドエピタキシャル層28のそれぞれに対して行われる。この欠陥解析によって電圧印加領域E1内の複合転位が検出される。
なお、図1に示すダイヤモンド電子素子2以外にも、図2に示すダイヤモンド電子素子2a、図3に示すダイヤモンド電子素子2b、図4に示すダイヤモンド電子素子2c、図5に示すダイヤモンド電子素子2dがある。図2に示すダイヤモンド電子素子2aは、ダイヤモンド電子素子2の第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22に替えて、ダイヤモンド基板21上にドリフト層22aが設けられている。ダイヤモンド電子素子2aの本体部は、ダイヤモンド基板21及びドリフト層22aを有する。ドリフト層22aは、ダイヤモンド基板21の表面にエピタキシャル成長によって形成されたダイヤモンドエピタキシャル層である。ドリフト層22aの表面に電極23a及び電極24aが設けられている。電極23a及び電極24aはドリフト層22aに接続している。電極23aは、電極23と同様のオーミック電極の構成を有しており、電極24aは、Ptから成るショットキー電極である。ドリフト層22aの膜厚は、ダイヤモンド電子素子2aの導電性に影響を及ぼす。ドリフト層22aの膜厚は1〜50μm程度が好ましい。
ドリフト層22aは、後述の複合転位の面密度が3×10cm−2個以下の電圧印加領域E2(ダイヤモンド領域)を含む。複合転位は、後述のX線トポグラフィーによって検出される。この複合転位の面密度は、ドリフト層22aの表面(電極24aの設けられている面であるが、ダイヤモンド基板21とドリフト層22aとの接合面等も同様)に垂直な結晶方位を[001]とした場合のX線回折面(113)、(220)又は(044)における面密度である。なお、ダイヤモンド基板21、ドリフト層22aのそれぞれの形成後には、(113)面、(220)面及び(044)面の少なくとも一面をX線回折面としたX線トポグラフィーによる欠陥解析が、ダイヤモンド基板21、ドリフト層22aのそれぞれに対して行われる。この欠陥解析によって電圧印加領域E2内の複合転位が検出される。
図3に示すダイヤモンド電子素子2bは、ダイヤモンド電子素子2のダイヤモンド基板21が除去されたものとなっている。ダイヤモンド電子素子2bの場合、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面に電極24bが設けられ、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の表面に電極23bが設けられている。換言すると、電極23b上に第1ダイヤモンドエピタキシャル層28が設けられ、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28上に第2ダイヤモンドエピタキシャル層22が設けられ、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22上に電極24bが設けられている。ダイヤモンド電子素子2bの本体部は、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22を有する。電極24bは第2ダイヤモンドエピタキシャル層22に接続しており、電極23bは第1ダイヤモンドエピタキシャル層28に接続している。電極23bは電極23と同様のオーミック電極の構成を有し、電極24bは電極24と同様の構成を有する。また、ダイヤモンド電子素子2bにおける第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22から成るダイヤモンドエピタキシャル層の膜厚は導電性を上げることとデバイスの剛性を保つことから決定され、20〜200μm程度が好ましい。電極のコンタクトや素子の発熱で発生する応力による割れを避けることができる。
第2ダイヤモンドエピタキシャル層22は、後述の複合転位の面密度が3×10cm−2個以下の電圧印加領域E3(ダイヤモンド領域)を含み、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28は、後述の複合転位の面密度が3×10cm−2個以下の電圧印加領域E4(ダイヤモンド領域)を含む。複合転位は、後述のX線トポグラフィーによって検出される。この複合転位の面密度は、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面(電極24bの設けられている面であるが、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22と第1ダイヤモンドエピタキシャル層28との接合面も同様)に垂直な結晶方位を[001]とした場合のX線回折面(113)、(220)又は(044)における面密度である。なお、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22のそれぞれの形成後には、(113)面、(220)面及び(044)面の少なくとも一面をX線回折面としたX線トポグラフィーによる欠陥解析が、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22及び第1ダイヤモンドエピタキシャル層28のそれぞれに対して行われる。この欠陥解析によって電圧印加領域E3又は電圧印加領域E4内の複合転位が検出される。
図4に示すダイヤモンド電子素子2cは、ダイヤモンド基板21、第3ダイヤモンドエピタキシャル層31、第4ダイヤモンドエピタキシャル層32、第5ダイヤモンドエピタキシャル層33、電極34及び電極35を備える。ダイヤモンド電子素子2cの本体部は、ダイヤモンド基板21、第3ダイヤモンドエピタキシャル層31、第4ダイヤモンドエピタキシャル層32及び第5ダイヤモンドエピタキシャル層33を有する。ダイヤモンド基板21の表面には第3ダイヤモンドエピタキシャル層31が設けられており、第3ダイヤモンドエピタキシャル層31の表面の一部(この表面の中央)には、第4ダイヤモンドエピタキシャル層32が設けられており、第4ダイヤモンドエピタキシャル層32の表面には第5ダイヤモンドエピタキシャル層33が設けられており、第5ダイヤモンドエピタキシャル層33の表面には電極34が設けられている。第3ダイヤモンドエピタキシャル層31は、ダイヤモンド基板21の表面にエピタキシャル成長によって形成されたダイヤモンドエピタキシャル層であり、第4ダイヤモンドエピタキシャル層32は、第3ダイヤモンドエピタキシャル層31の表面にエピタキシャル成長によって形成されたダイヤモンドエピタキシャル層であり、第5ダイヤモンドエピタキシャル層33は、第4ダイヤモンドエピタキシャル層32の表面にエピタキシャル成長によって形成されたダイヤモンドエピタキシャル層である。第3ダイヤモンドエピタキシャル層31はダイヤモンド基板21に接続し、第4ダイヤモンドエピタキシャル層32は第3ダイヤモンドエピタキシャル層31に接続し、第5ダイヤモンドエピタキシャル層33は第4ダイヤモンドエピタキシャル層32に接続し、電極34は第5ダイヤモンドエピタキシャル層33に接続している。第3ダイヤモンドエピタキシャル層31の表面のうち第4ダイヤモンドエピタキシャル層32の設けられている領域を除く所定箇所に、電極35が設けられている。電極35は第3ダイヤモンドエピタキシャル層31に接続している。第3ダイヤモンドエピタキシャル層31は、p型のダイヤモンドエピタキシャル層であり、第4ダイヤモンドエピタキシャル層32は、ノンドープのドリフト層であり、第5ダイヤモンドエピタキシャル層33はn型のダイヤモンドエピタキシャル層である。電極34及び電極35は、電極23と同様のオーミック電極の構成を有する。
第4ダイヤモンドエピタキシャル層32及び第5ダイヤモンドエピタキシャル層33は、後述の複合転位の面密度が3×10cm−2個以下の電圧印加領域E5(ダイヤモンド領域)を含む。複合転位は、後述のX線トポグラフィーによって検出される。この複合転位の面密度は、第5ダイヤモンドエピタキシャル層33の表面(電極34の設けられている面であるが、ダイヤモンド基板21と第3ダイヤモンドエピタキシャル層31との接合面等も同様)に垂直な結晶方位を[001]とした場合のX線回折面(113)、(220)又は(044)における面密度である。なお、ダイヤモンド基板21、第3ダイヤモンドエピタキシャル層31、第4ダイヤモンドエピタキシャル層32、第5ダイヤモンドエピタキシャル層33のそれぞれの形成後には、(113)面、(220)面及び(044)面の少なくとも一面をX線回折面としたX線トポグラフィーによる欠陥解析が、ダイヤモンド基板21、第3ダイヤモンドエピタキシャル層31、第4ダイヤモンドエピタキシャル層32、第5ダイヤモンドエピタキシャル層33のそれぞれに対して行われる。この欠陥解析によって電圧印加領域E5内の複合転位の面密度が検出される。
図5に示すダイヤモンド電子素子2dは、ダイヤモンド基板21、第6ダイヤモンドエピタキシャル層36、第7ダイヤモンドエピタキシャル層37、絶縁層38、ゲート電極39、ドレイン電極40、ソース電極41を備えたp型MISトランジスタである。ダイヤモンド電子素子2dの本体部は、ダイヤモンド基板21、第6ダイヤモンドエピタキシャル層36、第7ダイヤモンドエピタキシャル層37及び絶縁層38を有する。ダイヤモンド基板21の表面に第6ダイヤモンドエピタキシャル層36が設けられており、第6ダイヤモンドエピタキシャル層36はダイヤモンド基板21と接続している。第6ダイヤモンドエピタキシャル層36は、ダイヤモンド基板21の表面にエピタキシャル成長によって形成されたダイヤモンドエピタキシャル層であり、第7ダイヤモンドエピタキシャル層37は、第6ダイヤモンドエピタキシャル層36の表面にエピタキシャル成長によって形成されたダイヤモンドエピタキシャル層である。第6ダイヤモンドエピタキシャル層36の表面の一部には第7ダイヤモンドエピタキシャル層37が設けられており、第6ダイヤモンドエピタキシャル層36は第7ダイヤモンドエピタキシャル層37と接続している。第6ダイヤモンドエピタキシャル層36の表面の他の部分には絶縁層38が設けられており、絶縁層38は第6ダイヤモンドエピタキシャル層36と接続している。絶縁層38の表面の一部にはゲート電極39が設けられており、ゲート電極39は絶縁層38と接続している。第7ダイヤモンドエピタキシャル層37の表面の一部にはドレイン電極40及びソース電極41が設けられており、ドレイン電極40及びソース電極41は第7ダイヤモンドエピタキシャル層37と接続している。ゲート電極39(及び絶縁層38)は、ドレイン電極40とソース電極41との間に設けられている。第6ダイヤモンドエピタキシャル層36はドリフト層であり、第7ダイヤモンドエピタキシャル層37はp型層である。
第6ダイヤモンドエピタキシャル層36は、後述の複合転位の面密度が3×10cm−2個以下の電圧印加領域E6(ダイヤモンド領域)を含む。複合転位は、後述のX線トポグラフィーによって検出される。この複合転位の面密度は、第6ダイヤモンドエピタキシャル層36の表面(電極24の設けられている側の面であり、第7ダイヤモンドエピタキシャル層37や絶縁層38の設けられている面であるが、ダイヤモンド基板21と第6ダイヤモンドエピタキシャル層36との接合面等も同様)に垂直な結晶方位を[001]とした場合のX線回折面(113)、(220)又は(044)における面密度である。なお、ダイヤモンド基板21、第6ダイヤモンドエピタキシャル層36(更には、第7ダイヤモンドエピタキシャル層37)のそれぞれの形成後には、(113)面、(220)面及び(044)面の少なくとも一面をX線回折面としたX線トポグラフィーによる欠陥解析が、ダイヤモンド基板21、第6ダイヤモンドエピタキシャル層36(更には、第7ダイヤモンドエピタキシャル層37)のそれぞれに対して行われる。この欠陥解析によって電圧印加領域E6内の複合転位が検出される。
ここで、面密度が3×10cm−2個以下であると規定されている電圧印加領域E1〜E6内の複合転位は、X線回折面を(113)面とした場合に検出されるX線トポグラフィー像の示す転位、X線回折面を(220)面とした場合に検出されるX線トポグラフィー像の示す転位、及び、X線回折面を(044)面とした場合に検出されるX線トポグラフィー像の示す転位の少なくとも一の転位を含む。なお、電圧印加領域E1〜E6内の複合転位が、X線回折面を(113)面とした場合に検出されるX線トポグラフィー像の示す転位、X線回折面を(220)面とした場合に検出されるX線トポグラフィー像の示す転位、及び、X線回折面を(044)面とした場合に検出されるX線トポグラフィー像の示す転位を全て含む場合、ダイヤモンド基板21内の複合転位は、X線回折面を(113)面とした場合に検出されるX線トポグラフィー像の示す転位、及び、X線回折面を(044)面とした場合に検出されるX線トポグラフィー像の示す転位のみを含み、X線回折面を(220)面とした場合に検出されるX線トポグラフィー像の示す転位を含まない。
ここで、図22を参照して電圧印加領域について説明する。電圧印加領域とは、電子デバイスの動作時に逆バイアスを印加して空乏層を広げる領域であり、例えば図1に示すダイヤモンド電子素子2や図3に示すダイヤモンド電子素子2bがショットキーダイオード(ユニポーラデバイス)の場合、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28内において電極24(ショットキー電極)や電極24b(ショットキー電極)の設置位置に対応する(電極24や電極24bの下部にある)電圧印加領域E1や電圧印加領域E3である。電圧印加領域E1や電圧印加領域E3は、電極24や電極24b(ショットキー電極)と第1ダイヤモンドエピタキシャル層28(バルク層)との間に電界が強くかかっているので結晶性の良いダイヤモンドにおいては空乏層となって絶縁性を示す。一方、複合転位が電圧印加領域E1や電圧印加領域E3に存在する場合、空乏層は広がらず、複合転位は電流リークの経路として機能し、電子デバイスの耐電圧特性を著しく悪化させる。
電極24や電極24bに電圧を印加した場合の第2ダイヤモンドエピタキシャル層22内の電界分布を図22(A)に示す。図22(A)中の曲線M1は等電位線を表しており、この図のようにシンプルな電極24や電極24bの場合、電極24や電極24bの端の部分で電界が集中するため、電圧印加領域E1や電圧印加領域E3は正確には電極24や電極24bの下部よりも横に広くなる。図22(A)のようなシンプルな電極24や電極24bの場合の電圧印加領域E1や電圧印加領域E3は、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の厚さの1/2程度の距離まで横方向に広がる。一方、図22(B)のようにフィールドプレートM2など電界緩和構造を設けた場合は、電極24や電極24bの下部の電界分布が平行に近くなって過度の電界集中が無くなるため、電圧印加領域E1や電圧印加領域E3はほぼ電極24や電極24bの接触面の下部のみとなる。また、図2に示すダイヤモンド電子素子2aのような横型ショットキーダイオードの場合の電圧印加領域は、電界は深さ方向に強くかからないため、電極24a(ショットキー電極)と電極23a(オーミック電極)との間の表面近傍の電圧印加領域E2となる。
また、図1及び図3に示すダイヤモンド電子素子2bがバイポーラデバイスの場合(例えば、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28がn型層であり、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22がp型層であり、電極24bがオーミック電極の場合)、ダイヤモンド電子素子2bの電圧印加領域は、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28と第2ダイヤモンドエピタキシャル層22とに延びる電圧印加領域E4である。この場合、空乏層はp型層(第2ダイヤモンドエピタキシャル層22)とn型層(第1ダイヤモンドエピタキシャル層28)の接合部分に形成される。このためp型層(第2ダイヤモンドエピタキシャル層22)とn型層(第1ダイヤモンドエピタキシャル層28)の接合部だけが電圧印加領域と考えられるが、実際には、電極23bと電極24bとで挟まれた領域(電圧印加領域E4)を電圧印加領域として複合転位の有無を判断すれば良い。
また、図4に示すダイヤモンド電子素子2cの場合の電圧印加領域は、電圧印加領域E5となる。第3ダイヤモンドエピタキシャル層31(p型層)は導電性を得るため高ドープであり、電極35(p型オーミック電極)と電極34(n型オーミック電極)との間に逆バイアスをかけると電圧印加領域E5に空乏層ができる。
また、図5に示すダイヤモンド電子素子2dの場合の電圧印加領域は、第6ダイヤモンドエピタキシャル層36の表面のうち絶縁層38を介してゲート電極39の設けられている領域から第6ダイヤモンドエピタキシャル層36内に延在する(ゲート電極39の下部にある)電圧印加領域E6となる。ドレイン電極40とソース電極41との間に電圧を印加して電流を流す場合、例えばゲート電極39に負バイアスをかけると、ゲート電極39下の第6ダイヤモンドエピタキシャル層36においては、キャリアが誘起され、電流が流れる。ゲート電極39に正バイアスをかけると、ゲート電極39下の第6ダイヤモンドエピタキシャル層36においては、空乏層が広がり、電流は流れなくなる。
次に、ダイヤモンド電子素子2の製造方法を説明する。まず、ダイヤモンド基板21を用意する。ダイヤモンド基板21は、高温高圧合成・天然・気相合成など合成方法に規定はないが、可能な限り低欠陥・低転位のダイヤモンドが望ましい。例えば、種結晶から広がる束状転位や成長セクターなどは避けた方が望ましい。種結晶から広がる束状転位や成長セクターなどを避ける方法としては、光学顕微鏡や偏光による異常屈折測定、ラマン分光やフォトルミネッセンスやカソードルミネッセンスのマッピングなどがあるが、X線トポグラフィーを用いた欠陥分析を行うのが好適である。X線トポグラフィーは、図6に示すようなX線回折の強度分布を結晶全体で撮影する手法であり、複数の原子G1から成る結晶の完全性を評価するのに適した方法である。なお、X線回折面(結晶面S)の法線ベクトルをgベクトルと称する。
刃状転位やらせん転位等の結晶欠陥がある場合、図7の図中符号G2に示すようにX線回折強度Iに強弱(濃淡)が現れる。図中符号G3に示す領域におけるX線回折強度Iは、結晶面Sに歪みが生じている箇所のX線回折強度Iであって比較的弱く(淡く)、図中符号G4に示す領域におけるX線回折強度Iは、結晶面Sに歪みが生じている箇所に隣接する箇所のX線回折強度Iであって比較的強い(濃い)。
ここで、図8を参照して、刃状転位やらせん転位等の結晶欠陥を説明する。刃状転位やらせん転位の場合は、結晶G5のずれ方向のベクトルとX線回折面との角度によってX線回折強度Iの濃淡が変わる。図8(A)及び図8(B)の図中符号G6はバーガースベクトル(Burgers Vector)であり(以下、バーガースベクトルG6という)、結晶G5の本来の位置からの原子のずれを表している。図8(A)及び図8(B)の図中符号G7は転位の進む方向(転位線の延びる方向)を表している(以下、転位線方向ベクトルG7という)。バーガースベクトルG6と転位線方向ベクトルG7とが垂直となる場合を刃状転位と称し、バーガースベクトルG6と転位線方向ベクトルG7とが平行となる場合をらせん転位と称するが、これら両転位の混合した複合転位も存在する。
X線トポグラフィー強度Iは、gベクトルとバーガースベクトルG6との内積となるので、転位とX線トポグラフィー強度Iとの関係はgベクトルで決まる。すなわち、X線トポグラフィー強度Iは、gベクトルとバーガースベクトルG6とが平行の場合に最も強く、gベクトルとバーガースベクトルG6とが垂直の場合に最も弱い。
以上説明したX線トポグラフィーを用いた方法によってダイヤモンド単結晶中にどのように欠陥・転位が分布しているかを見ることができる。転位の見え方は、例えば図10や図11に示すようになる。なお、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28に生じる転位は、ドライエッチング後の第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の表面にエッチピットとして顕在化する。図9(A)にドライエッチング前の第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の表面の顕微鏡像を示し、図9(B)にドライエッチング後の第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の表面の顕微鏡像を示す。図9(A)に示す顕微鏡像と、図9(B)に示す顕微鏡像とは、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の同一の表面領域の像である。また、図10(A)は、X線回折面(113)のgベクトルに沿ってみたダイヤモンド基板21のX線トポグラフィーによる像であり、図10(B)は、X線回折面(220)のgベクトルに沿ってみたダイヤモンド基板21のX線トポグラフィーによる像である。図11(A)は、X線回折面(113)のgベクトルに沿ってみた第1ダイヤモンドエピタキシャル層28のX線トポグラフィーによる像であり、図11(B)は、X線回折面(220)のgベクトルに沿ってみた第1ダイヤモンドエピタキシャル層28のX線トポグラフィーによる像である。ここで、ダイヤモンド基板21及び第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の表面に垂直な方向を<001>としている。図10及び図11に示す像において、濃淡のある領域に転位が存在している。
なお、図9(B)の図中符号H11,H12,H13,H14に示す領域と、図10(A)の図中符号H21,H22,H23,H24に示す領域と、図10(B)の図中符号H31,H32,H33,H34に示す領域と、図11(A)の図中符号H41,H42,H43,H44に示す領域と、図11(B)の図中符号H51,H52,H53,H54に示す領域とは、それぞれ対応している。すなわち、図9(B)の図中符号H11、図10(A)の図中符号H21、図10(B)の図中符号H31、図11(A)の図中符号H41及び図11(B)の図中符号H51にぞれぞれ示す領域は図12に示す転位線G11に対応しており、図9(B)の図中符号H12、図10(A)の図中符号H22、図10(B)の図中符号H32、図11(A)の図中符号H42及び図11(B)の図中符号H52にぞれぞれ示す領域は図12に示す転位線G12に対応しており、図9(B)の図中符号H13、図10(A)の図中符号H23、図10(B)の図中符号H33、図11(A)の図中符号H43及び図11(B)の図中符号H53にぞれぞれ示す領域は図12に示す転位線G13に対応しており、図9(B)の図中符号H14、図10(A)の図中符号H24、図10(B)の図中符号H34、図11(A)の図中符号H44及び図11(B)の図中符号H54にぞれぞれ示す領域は図12に示す転位線G14に対応している。
このようなX線トポグラフィーを用いた欠陥分析によって、ダイヤモンド基板のうち欠陥・転位の少ない領域(ダイヤモンド基板21)を用いる。ダイヤモンド基板21に含まれる不純物については特に規定しない。ダイヤモンド基板21は、例えばIbダイヤモンドなど比較的安価で大量に入手できるものでも良いが、高温・高耐電圧動作を行う場合は不純物の少ない例えばIIaダイヤモンドや気相合成ダイヤモンドである。また、最終的にダイヤモンド基板21を除去しても良く、この場合、例えば第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22を形成した後に研磨やドライエッチングで除去する。この場合、例えば図3に示すダイヤモンド電子素子2bが製造される。
次に、ダイヤモンド基板21に第1ダイヤモンドエピタキシャル層28を形成するが、この前処理として、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の形成されるダイヤモンド基板21の表面を平坦に研磨する。この場合、例えばスカイフ研磨などが用いられる。ダイヤモンド基板21はOFF角を付けても良く、例えば<110>方向や<100>方向に1.5〜5度程度に傾けるのが望ましい。研磨後、酸と有機とで充分洗浄して異物を除去する。酸洗浄には、例えばフッ酸、王水、硫酸過水、硫酸硝酸混合液などを用いる。有機溶剤は、例えば、アセトン、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール等である。洗浄後、ドライエッチングで研磨ダメージ層を除去する。ドライエッチング方法は酸素やCFなどを主体としたICPエッチングや平行平板型プラズマエッチングでも良い。またダイヤモンドの合成と同じくマイクロ波プラズマ法により、水素や、微量の酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素の何れかを水素に添加したガスで表面処理しても良い。ドライエッチングの後、再び酸・有機洗浄しても良い。
上記の前処理の後、ダイヤモンド基板21の表面上に第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22を形成する。第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22は、p型又はn型の不純物をドーピングした層であり、マイクロ波プラズマ法で水素とメタンを主体とし、不純物を気相中に添加して合成する。p型の場合、不純物として例えばホウ素を用いる。この場合、不純物ガスとしてジボラン、トリメチルボロンなどのガスを用いたり、Bなど固体ホウ素源を合成装置中に設置し、この個体ホウ素源から蒸発したホウ素ガスを用いても良い。n型の場合、不純物として例えばリン、硫黄、窒素、リチウム又はこれらの混合物などを用いる。この場合、例えばホスフィン、トリメチルリン、硫化水素、窒素の何れかを不純物ガスとして添加したり、固形のリン化合物やLiOなどのリチウム源を用いても良い。
なお、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の形成前に、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の表面に対して、ダイヤモンド基板21に対して行ったのと同様のドライエッチングを行うのが望ましい。このドライエッチングは、上述したダイヤモンド基板21に対して行ったのと同様の方法の他に、水素だけを用いたマイクロ波プラズマCVDも含まれる。また、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の合成はマイクロ波プラズマ法を用い、不純物を添加するために第1ダイヤモンドエピタキシャル層28と同様の不純物をガス中に添加しても良いが、不純物を排除するため酸素、二酸化炭素、一酸化炭素などのガスを添加しても良い。第2ダイヤモンドエピタキシャル層22を合成する場合、マイクロ波プラズマ密度の高い方が欠陥・転位が少なくなるため望ましい。第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の厚さと不純物濃度は、耐電圧と抵抗とのバランスによって決定される。そして、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22を形成する度にX線トポグラフィーによる欠陥解析等の方法を用いて第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22における欠陥・転位の分布を測定しておく。X線トポグラフィーによる欠陥解析等の方法を用いて第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の低欠陥・低転位の領域を特定し、この領域を用いる。
そして、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22を形成した後、ダイヤモンド基板21、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22を酸素終端もしくは水素終端にするために表面処理を行っても良い。酸素終端する場合は、硫酸硝酸混合液などの酸洗浄や、酸素プラズマやオゾン等で表面処理しても良い。また水素終端する場合は、マイクロ波プラズマCVD装置などによって水素プラズマ処理を行っても良い。
上記表面処理の後に電極23(オーミック電極)を形成する。電極23は第1ダイヤモンドエピタキシャル層28と直接接することが望ましい。このため、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の一部をエッチングによって除去してコンタクトホールを形成し、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28を露出させる。そして、このコンタクトホールに電極材料を充填することによって電極23を形成する。これによって、電極23は、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28と接続する。電極23は、チタン/白金/金やチタン/モリブデン/金などの積層構造を有する。電極23は主としてダイヤモンドと反応性の高い金属が用いられるので、例えばチタンを第1ダイヤモンドエピタキシャル層28に接触させ、アニール処理をしてオーミック特性を改善する。そして、オーミック特性を良好にするため、電極23の成膜中もしくは成膜後に加熱処理しても良い。また、電極23の形成後に上記の表面処理や酸・有機洗浄を行っても良い。
次に電極24を形成する。電極24がショットキー電極の場合(ダイヤモンド電子素子2がユニポーラの場合)について説明する。電極24の材料は、Pt,Ti,Mo,Au,Cr,Al,Si,TiSi,WC,Ru等である。電極24を形成する場合、フィールドプレート構造やガードリング構造などの電界緩和構造を形成しても良い。なお、X線トポグラフィーを用いた欠陥解析によって欠陥・転位密度の低い領域、特に複合転位密度の低い領域を特定し、この領域に電極24を形成するのが望ましい。
次に、ダイヤモンド電子素子2の製造方法についての実施例を説明する。以下に説明するダイヤモンド電子素子2は、バイポーラデバイスの場合に相当する。ダイヤモンド基板21に高温高圧合成で作製したIb(001)単結晶を用意し、スカイフ研磨によって<110>方向に2.5度のOFF方位をつけてダイヤモンド基板21の表面を平坦に研磨した。この後、研磨したダイヤモンド基板21の表面をX線トポグラフィーで観察し、種結晶付近の束状転位及び成長セクターの無い領域を選定し、この領域に対し以下のプロセスを進めた。
まず、ダイヤモンド基板21をフッ酸、王水で酸洗浄した後、アセトン、イソプロピルアルコールでの有機洗浄を行った。更に、研磨したダイヤモンド基板21の表面をICPプラズマエッチングを用いて5μm分だけエッチングし、ダイヤモンド基板21の表面の研磨傷などのダメージ層を除去した。このエッチングの後、このエッチングしたダイヤモンド基板21の表面にp型の第1ダイヤモンドエピタキシャル層28をマイクロ波プラズマCVD法によって合成した。この場合、水素ガスのみを50Torr、合計流量400sccmで導入し、マイクロ波パワー1200W、基板温度を摂氏900度として15分間処理を行い、次に水素ガス中のメタン濃度を0.6%とし、また、炭素に対するホウ素の元素組成率が1.6%となるようにBを添加し、膜厚10μmのp型の第1ダイヤモンドエピタキシャル層28を合成した。この合成の後、X線トポグラフィーを用いて第1ダイヤモンドエピタキシャル層28に対する転位分布を撮影した。
次に、p型の第2ダイヤモンドエピタキシャル層22をマイクロ波プラズマCVD法によって合成した。水素ガスのみを120Torr、合計流量400sccmで導入し、マイクロ波パワー3000W、基板温度を摂氏900度として10分間処理を行い、次に水素ガス中のメタン濃度を4%とし、酸素/炭素元素比率が0.4となるように二酸化炭素添加して基板温度を摂氏1000度としてp型の第2ダイヤモンドエピタキシャル層22を10μmだけ合成した。この合成の後、X線トポグラフィーを用いて第2ダイヤモンドエピタキシャル層22に対する転位分布を撮影し、複合転位密度が3×10cm−2個以下となる電極形成位置(電圧印加領域E1)を選定した。次に、ダイヤモンド基板21、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22を加熱した硫酸硝酸混合液で洗浄した後にアセトン、イソプロで有機洗浄を行い、ダイヤモンド基板21、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の外面(表面)を酸素終端にした。
次に、オーミック電極である電極23を形成するため、マスクとしてAlを第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の表面に蒸着した後、酸素にCFガスを添加してICPプラズマエッチングしてコンタクトホールを形成し、このコンタクトホールを介して第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の表面を露出させた。このコンタクトホールにTi/Pt/Auを1000オングストロームずつ成膜し、真空中において摂氏400度のもとで30分アニールして電極23を形成した。そして、上述した第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の電極形成位置(電圧印加領域E1)にある第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面に直径200μmの電極24(Ptショットキー電極)を形成した。このようにして製造したダイヤモンド電子素子2のショットキー特性は図21に示すようになっており、1kV以上まで10−10A(アンペア)以下の非常に低いリーク電流のデバイスが実現できた。
次に、X線トポグラフィーを用いて検出されるダイヤモンド結晶内の欠陥・転位を詳細に説明する。ここでは、説明簡略化のため、図2に示すダイヤモンド電子素子2aを用いて説明する。転位欠陥には刃状転位やらせん転位などの転位があるが、それぞれの転位は、図8に示すように、一方向のバーガースベクトルG6を保ったまま成長する。X線トポグラフィーを用いて欠陥・転位を検出する場合、バーガースベクトルG6と平行な成分を持つgベクトルの方向のみにおいて(このgベクトルの結晶面がX線回折面となっている場合に)X線トポグラフィーの像として検出され、gベクトルに直行する方向においてはX線トポグラフィーの像として検出されないのが一般的である。図10(A)に示すダイヤモンド基板21のX線トポグラフィー像は、X線回折面(結晶面)が(113)面でありX線波長が0.95オングストロームの場合に検出された像であり、図10(B)に示すダイヤモンド基板21のX線トポグラフィー像は、X線回折面(結晶面)が(220)面でありX線波長が0.71オングストロームの場合に検出された像である。(113)面のgベクトルと(220)面のgベクトルとの成す角度は63.8度であるので、X線トポグラフィーにおいて、X線回折面(結晶面)が(113)面の場合の像と、X線回折面(結晶面)が(220)面の場合の像とが同時に見られるような欠陥は比較的少ない。
なお、X線回折面(結晶面)が(113)面の場合の像はダイヤモンド基板21の表面に垂直方向にバーガースベクトルG6を持つ転位に敏感であり、X線回折面(結晶面)が(220)面の場合の像はダイヤモンド基板21の表面に平行方向にバーガースベクトルG6を持つ転位に敏感となる。その他、例えば、X線回折面(結晶面)が(044)面でありX線波長が0.91オングストロームの場合のX線トポグラフィー像を検出しても良い。なお、X線回折面(結晶面)として(113)面以外にも(1−13)面を用いても良いし、(220)面以外にも(2−20)面を用いても良いし、(044)面以外にも(404)面を用いても良い。
また、ドリフト層22aをダイヤモンド基板21の表面に形成した後に、ダイヤモンド基板21に対して行ったのと同様のX線トポグラフィーによって検出されたドリフト層22aの像を、図11(A)及び図11(B)に示す。図11(A)に示すドリフト層22aのX線トポグラフィー像は、X線回折面(結晶面)が(113)面でありX線波長が0.95オングストロームの場合に検出された像であり、図11(B)に示すドリフト層22aのX線トポグラフィー像は、X線回折面(結晶面)が(220)面でありX線波長が0.71オングストロームの場合に検出された像である。ドリフト層22aの場合、転位像が全体的に増加し、X線回折面(結晶面)が(113)面の場合の像と、X線回折面(結晶面)が(220)面の場合の像とが同時に見られるような欠陥は比較的多い。このことから、ドリフト層22a内には、刃状転位やらせん転位だけでなく、これらの転位が複合された2つのバーガースベクトルG6を持つ複合転位が増加したことがわかる。
ダイヤモンド基板21及びドリフト層22aに生じた転位の伝播の様子を図12に示す。図中符号G11〜G14は転位の伝播方向を示し、図中符号G15及びG16は転位のバーガースベクトルを示す。ダイヤモンド基板21に転位がある場合、ドリフト層22aにも転位が伝播して成長するが、図中符号G13に示す転位のように転位がダイヤモンド基板21からドリフト層22aにそのまま伝播する場合と、図中符号G11に示す転位のように、ダイヤモンド基板21からドリフト層22aへの伝播において複合転位に転換する場合とがある。またダイヤモンド基板21中に転位の無い場所であってもドリフト層22aに転位が発生する場合があり、図中符号G14に示す転位のようにバーガースベクトルが一方向の単純転位が発生する場合と、図中符号G12に示す転位のように複合転位が発生する場合とがある。ドリフト層22aに複合転位が発生した場合(図中符号G11及びG12に示す転位の場合)に、エッチピットG17が発生する。ダイヤモンド電子素子2aにおける転位の他の伝播、発生の態様は、図14(A)に示す7種類の態様がある。
なお、上記のような転位の伝播、発生の態様は、図1に示すダイヤモンド電子素子2のような3層構造(ダイヤモンド基板21、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28及び第2ダイヤモンドエピタキシャル層22)以上のダイヤモンド電子素子の場合においても同様であり、例えば図13に示す像は、X線回折面(結晶面)が(113)面の場合のダイヤモンド電子素子2のX線トポグラフィー像である。図13(A)には第2ダイヤモンドエピタキシャル層22に対するX線トポグラフィー像が示され、図13(B)には第1ダイヤモンドエピタキシャル層28に対するX線トポグラフィー像が示され、図13(C)にはダイヤモンド基板21に対するX線トポグラフィー像が示されている。図13(C)に示す像はダイヤモンド基板21の所定領域E1のX線トポグラフィー像であり、図13(B)に示す像はダイヤモンド基板21の所定領域E1上にある第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の所定領域E2のX線トポグラフィー像であり、図13(A)に示す像は第1ダイヤモンドエピタキシャル層28の所定領域E2上にある第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の所定領域E3のX線トポグラフィー像である。図13に示す像によれば、転ダイヤモンド基板21、第1ダイヤモンドエピタキシャル層28、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22において転位が伝播、発生、消滅していることがわかる。この他に、ダイヤモンド電子素子2における転位の他の伝播、発生、消滅の態様は、図14(B)に示す6種類の態様と、図14(C)に示す8種類の態様とがある。
発明者らが鋭意研究した結果、ダイヤモンド電子素子2や、ダイヤモンド電子素子2a〜ダイヤモンド電子素子2d等のダイヤモンド電子デバイスにおいては、複合転位がデバイス特性を大きく劣化させることがわかった。次に、一例として、ダイヤモンド電子素子2のデバイス特性について説明する。以下に説明するデバイス特性は、ショットキーダイオードとしてのダイヤモンド電子素子2(ユニポーラデバイス)のデバイス特性である。このデバイス特性を図15に示す。発明者らによる鋭意研究の結果、ダイヤモンド電子素子2のショットキーダイオード特性のうち、特に逆方向特性は前述の複合転位が多いほど特性が悪化することがわかった。この結果は、複合転位の発生によってsp3結合とならないダイヤモンドの炭素原子の結合が連続して形成されたので、その部分が導電性のリークパスとなり、よって、デバイスの耐電圧が悪化したことによるものと思われる。
複合転位の検出は、X線トポグラフィーを用いる以外に、エッチピットを用いても可能である。エッチピットは、特にマイクロ波プラズマCVD法を用いて水素に酸素、二酸化炭素又は一酸化炭素を加えたガスを用いてダイヤモンド結晶の表面をプラズマ処理することによって形成することができる。この処理を行うと、ダイヤモンド結晶の表面に微小なピットが多数発生するが、発明者らの鋭意研究の結果、複合転位が生じている箇所は特に深いエッチピットが生じていることがわかった。このようなエッチピットの断面の模式図(Case−1,Case−2,Case−3)を図16に示す。また、エッチピットの形状を図17及び図18に示す。図18に示すように、エッチピットの深さLはエッチピットの口径Lの二倍以上である。このようなエッチピットの形状は、複合転位がsp3結合から外れているために他のダイヤモンドと比べてエッチング速度が2倍以上早いこと、更に、例えばダイヤモンド電子素子2aの場合を考えるとダイヤモンド基板21からドリフト層22aまで貫通する複合転位がエッチングによって選択的に除去されること、等が原因で生じる。また、エッチピットは、図17や図18に示すようにダイヤモンド結晶の<110>方向に辺を持つ構造となっている。特に、図18に示すエッチピットのように正方形から外れて歪な形状のエッチピットは、発明者らの鋭意研究の結果、デバイス特性を悪化させることがわかった。歪な形状とは、例えばL字型、コ字型、ロ字型、T字型、十字型、あるいはこれらの複合した形状で、それぞれの辺の向きはダイヤモンド結晶の[110]、[1−10]方向とほぼ平行となっている。
ここで、ダイヤモンド電子素子2におけるデバイス特性と複合転位との関係の一例を図19に示す。図19の図中符号L1に示す結果(低リーク電流)は、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22内の複合転位が比較的少ない場合であり、図20(A)に示すように、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面に図中符号H61の示すエッチピットのみが生じている場合である。図19の図中符号L2に示す結果(高リーク電流)は、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22内の複合転位が比較的多い場合であり、図20(B)に示すように、第2ダイヤモンドエピタキシャル層22の表面に図中符号H62等の示す複数のエッチピットが生じている場合である。図19及び図20に示す結果から、ダイヤモンド電子素子2の第2ダイヤモンドエピタキシャル層22(更には、ダイヤモンド電子素子2の第1ダイヤモンドエピタキシャル層28や、ダイヤモンド電子素子2aのドリフト層22aや、ダイヤモンド電子素子2cの第4ダイヤモンドエピタキシャル層32、第5ダイヤモンドエピタキシャル層33や、ダイヤモンド電子素子2dの第6ダイヤモンドエピタキシャル層36等)において複合転位の比較的少ない領域を選び、この領域(電圧印加領域)にダイヤモンド電子素子2の電極24(更には、ダイヤモンド電子素子2aの電極24aや、ダイヤモンド電子素子2bの電極24bダイヤモンド電子素子2cの電極34や、ダイヤモンド電子素子2dのゲート電極39)を形成することによって、高性能の高耐圧デバイス(ダイヤモンド電子素子2及びダイヤモンド電子素子2a〜2d)を作製できる。特に、複合転位密度が3×10cm−2個以下の領域上(電圧印加領域E1〜電圧印加領域E6)に電極24等の電極を形成すると特性の良いダイヤモンド電子素子2及びダイヤモンド電子素子2a〜2dを作製できることがわかった。
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
実施形態に係るダイヤモンド電子素子の構成を示す図である。 実施形態に係る他のダイヤモンド電子素子の構成を示す図である。 実施形態に係る他のダイヤモンド電子素子の構成を示す図である。 実施形態に係る他のダイヤモンド電子素子の構成を示す図である。 実施形態に係る他のダイヤモンド電子素子の構成を示す図である。 X線トポグラフィーを説明するための図である。 X線トポグラフィーを説明するための図である。 X線トポグラフィーを説明するための図である。 X線トポグラフィーを説明するための図である。 X線トポグラフィーを説明するための図である。 X線トポグラフィーを説明するための図である。 X線トポグラフィーを説明するための図である。 X線トポグラフィーを説明するための図である。 X線トポグラフィーを説明するための図である。 実施形態に係るデバイス特性を説明するための図である。 エッチピットを説明するための図である。 エッチピットを説明するための図である。 エッチピットを説明するための図である。 実施形態に係るデバイス特性を説明するための図である。 実施形態に係るデバイス特性を説明するための図である。 実施形態に係るデバイス特性を説明するための図である。 実施形態に係る電圧印加領域を説明するための図である。
符号の説明
ダイヤモンド電子素子…2,2a,2b,2c,2d、ダイヤモンド基板…21、第2ダイヤモンドエピタキシャル層…22、ドリフト層…22a、電極…23,23a,23b,24,24a,24b、第1ダイヤモンドエピタキシャル層…28、第3ダイヤモンドエピタキシャル層…31、第4ダイヤモンドエピタキシャル層…32、第5ダイヤモンドエピタキシャル層…33、電極…34,35、第6ダイヤモンドエピタキシャル層…36、第7ダイヤモンドエピタキシャル層…37、絶縁層…38、ゲート電極…39、ドレイン電極…40、ソース電極…41、電圧印加領域…E1,E2,E3,E4,E5,E6、原子…G1、結晶…G5、バーガースベクトル…G6、転位線方向ベクトル…G7、結晶…G8、結晶面…S

Claims (7)

  1. ダイヤモンドエピタキシャル層を有する本体部と、前記本体部に設けられた電極とを備えたダイヤモンド電子素子であって、
    前記ダイヤモンドエピタキシャル層は、3×10cm−2以下の面密度の複合転位を有する所定のダイヤモンド領域を含み、
    前記電極は、前記ダイヤモンド領域上に設けられており、
    前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層の所定の面に垂直な結晶方位を[001]とした場合に、X線回折面(113)のX線トポグラフィー像が検出される欠陥を含む
    ことを特徴とするダイヤモンド電子素子。
  2. ダイヤモンドエピタキシャル層を有する本体部と、前記本体部に設けられた電極とを備えたダイヤモンド電子素子であって、
    前記ダイヤモンドエピタキシャル層は、3×10 cm −2 以下の面密度の複合転位を有する所定のダイヤモンド領域を含み、
    前記電極は、前記ダイヤモンド領域上に設けられており、
    前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層の所定の面に垂直な結晶方位を[001]とした場合に、X線回折面(044)のX線トポグラフィー像が検出される欠陥を含む、
    ことを特徴とするダイヤモンド電子素子。
  3. ダイヤモンドエピタキシャル層を有する本体部と、前記本体部に設けられた電極とを備えたダイヤモンド電子素子であって、
    前記ダイヤモンドエピタキシャル層は、3×10 cm −2 以下の面密度の複合転位を有する所定のダイヤモンド領域を含み、
    前記電極は、前記ダイヤモンド領域上に設けられており、
    前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層の所定の面に垂直な結晶方位を[001]とした場合に、X線回折面(220)のX線トポグラフィー像が検出される欠陥を含む、
    ことを特徴とするダイヤモンド電子素子。
  4. ダイヤモンドエピタキシャル層を有する本体部と、前記本体部に設けられた電極とを備えたダイヤモンド電子素子であって、
    前記ダイヤモンドエピタキシャル層は、3×10 cm −2 以下の面密度の複合転位を有する所定のダイヤモンド領域を含み、
    前記電極は、前記ダイヤモンド領域上に設けられており、
    前記本体部は、ダイヤモンド基板をさらに有し、
    前記ダイヤモンドエピタキシャル層は、前記ダイヤモンド基板上にエピタキシャル成長されて設けられており、
    前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層の所定の面に垂直な結晶方位を[001]とした場合に、X線回折面(113)、(044)及び(220)のX線トポグ
    ラフィー像が検出される欠陥を含み、
    前記基板に含まれる複合転位は、前記X線回折面(113)及び前記X線回折面(044)のX線トポグラフィー像が検出され、且つ、前記X線回折面(220)のX線トポグラフィー像が検出されない欠陥を含む、
    ことを特徴とするダイヤモンド電子素子。
  5. 前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層をマイクロ波プラズマCVD法を用いて水素、酸素、二酸化炭素、又は一酸化炭素を加えたガスを用いてダイヤモンド結晶の表面をプラズマ処理する方法でドライエッチングした場合に、ダイヤモンド結晶の<110>方向に辺を持つ構造となっているエッチピットの発生原因となる欠陥である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子素子。
  6. 前記複合転位は、前記ダイヤモンドエピタキシャル層をマイクロ波プラズマCVD法を用いて水素、酸素、二酸化炭素、又は一酸化炭素を加えたガスを用いてダイヤモンド結晶の表面をプラズマ処理する方法でドライエッチングした場合に、ダイヤモンド結晶の<110>方向に辺を持ちL字型、コ字型、ロ字型、T字型、十字型、又は複合型の形状であるエッチピットの発生原因となる欠陥であり、
    前記複合型の形状は、L字型、コ字型、ロ字型、T字型、及び十字型の複合した形状である、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のダイヤモンド電子素子。
  7. 前記複合転位によって生じる前記エッチピットの深さは、エッチピットの口径の2倍以上である、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載のダイヤモンド電子素子。
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