JP5520520B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
また、台所用の液体洗浄剤には、洗浄性に加えて泡立ち性といった基本性能が要求される。
また、特許文献2には、アルカンスルホン酸塩と、マグネシウムイオンと、アルキルアリールスルホン酸塩を特定の配合比で含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1、2に記載のような泡立ち性に優れる液体洗浄剤組成物は、洗浄過程において泡量が減少する、いわゆる「泡のヘタリ」を感じやすかった。泡量の減少は、洗浄中に水によってスポンジ中の洗剤濃度が薄まると共に、油等の汚垢により破泡されることが原因であり、泡立ち性に優れ洗浄力の強い洗浄剤において特に顕著に起こる傾向にある。泡量が減少すると、洗浄の途中で液体洗浄剤を継ぎ足すことになる場合が多く、液体洗浄剤の使用量が増える傾向にある。
このように、台所用の液体洗浄剤において、泡量の持続性と優れた洗浄力を両立することは困難であった。
また、前記化合物(A)を2〜20質量%と、前記アニオン界面活性剤(B)を5〜50質量%と、前記アミンオキシド型半極性界面活性剤(C)を2〜20質量%含有することが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、泡量の持続性と優れた洗浄力を兼ね備えるので、使用量を低減できる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、上記一般式(1)で表される化合物(A)(以下、「(A)成分」という。)と、アニオン界面活性剤(B)(以下、「(B)成分」という。)と、アミンオキシド型半極性界面活性剤(C)(以下、「(C)成分」という。)とを含有する。
(A)成分は、上記一般式(1)で表される化合物である。
上記一般式(1)中、R1−CO−は炭素数6〜18のアシル基である。炭素数が6以上であれば洗浄力が向上する。一方、炭素数が18以下であれば溶解性が良好となる。
洗浄力と溶解性のバランスに優れる観点から、R1−CO−は炭素数8〜12のアシル基であることが好ましい。
洗浄力と溶解性のバランスに優れる観点から、炭化水素基の炭素数は、7〜11であることが好ましい。
mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、1〜5である。優れた洗浄効果が得られる観点から、mは1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
また、(A)成分の具体例としては、例えばポリオキシエチレンカプリル酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンカプリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリル酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレンカプリル酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレンカプリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレンラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシブチレンカプリル酸モノエタノールアミド、ポリオキシブチレンカプリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシブチレンラウリン酸モノエタノールアミドなどが挙げられる。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、2〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、4〜10質量%が特に好ましい。(A)成分の含有量が2質量%以上であれば、油存在下での泡持続性が向上する。一方、(A)成分の含有量が20質量%を越えても、泡持続性の向上は頭打ちとなる。
(B)成分は、アニオン界面活性剤である。
(B)成分としては、炭素数8〜18の炭化水素基を有するアニオン界面活性剤が好ましい。
炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。中でも、炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましい。
洗浄力および保存時の安定性の観点から、炭化水素基の炭素数は、8〜18が好ましく、10〜16がより好ましく、12〜14が特に好ましい。
塩としては、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
SASとしては、市販品を用いることができ、例えばクラリアントジャパン株式会社製の「HOSTAPUR SAS 30A」、「HOSTAPUR SAS 60A」等が挙げられる。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、5〜50質量%が好ましく、7〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲内であれば、優れた洗浄効果が得られる。
(C)成分は、アミンオキシド型半極性界面活性剤である。
(C)成分としては、炭素数8〜16の炭化水素基を有するアミンオキシド型半極性界面活性剤が好ましい。
炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。中でも、炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。
洗浄力と溶解性がより良好となる観点から、炭化水素基の炭素数は、10〜14が好ましい。
なお、式(2)中、「N→O」は、アミンオキシドの半極性結合を示す。
なお、式(3)中、「N→O」は、アミンオキシドの半極性結合を示す。
また、(C)成分としては、市販品を用いることができ、例えばライオン・アクゾ株式会社製の「アロモックスDM10D−W」、「アロモックスDMC−W」、「アロモックスDM12D−W(C)」、「アロモックスDM14D−N」;川研ファインケミカル株式会社製の「ソフタゾリンLAO−C」等が挙げられる。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、2〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、4〜10質量%が特に好ましい。(C)成分の含有量が2質量%以上であれば、(B)成分との相乗効果によって洗浄力がより向上する。一方、(C)成分の含有量が20質量%以下であれば、液体洗浄剤組成物の高粘度化が抑制され、流動性がより良好となる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、上述した(A)成分〜(C)成分を含有することで、泡量の持続性と優れた洗浄力を兼ね備えることができる。本発明者らは、各成分の質量比を規定することで、泡量の持続性をより向上できることを見出した。
すなわち、(A)/[(B)+(C)]で表される質量比が0.1〜0.5であることが好ましい。(A)/[(B)+(C)]で表される質量比が0.1以上であれば、油共存下における泡量の持続性をより向上できる。一方、(A)/[(B)+(C)]で表される質量比が0.5を超えても、泡量の持続性の向上は頭打ちとなる。
本発明の液体洗浄剤組成物には、前記(A)〜(C)成分以外に必要に応じて、(A)〜(C)成分以外のその他の界面活性剤や、その他の成分を適宜、配合することができる。
その他の界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、1〜20質量%が好ましい。
液体洗浄剤組成物にアルカリ土類金属塩を配合することで、特に油汚れに対する洗浄力がより向上する。アルカリ土類金属塩としては、液体洗浄剤組成物中でマグネシウムイオンを生成する化合物が好ましく、具体的には硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属塩の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、0.01〜0.5質量%が好ましい。
除菌剤の含有量は、液体洗浄剤組成物100質量%中、0.01〜0.5質量%が好ましい。
なお、前記短鎖アルキルベンゼンスルホン酸における「短鎖アルキル」は、炭素数1〜5のアルキル基を包含するものとする。
液体洗浄剤組成物は、25℃でのpHが5.5〜7.5であることが好ましく、より好ましくは6.0〜7.0である。両性および/または半極性界面活性剤である(C)成分は、pHによって電荷変化を起こしやすく、(B)成分との相互作用が変化する場合がある。pHが5.5未満の場合は、(A)成分と(C)成分との相互作用が強くなりすぎることでゲル化または固化が起こりやすくなり、低温安定性が悪化する傾向にある。一方、pHが7.5より大きい場合には、(A)成分と(C)成分との相互作用が弱くなりすぎて洗浄力が低下する傾向がある。
液体洗浄剤組成物のpHは、上述したpH調整剤により調整できる。
なお、液体洗浄剤組成物(25℃に調温)のpHは、pHメーター等により測定される値を示す。
液体洗浄剤組成物は、常法に準じて製造できる。例えば、上述した(A)〜(C)成分と必要に応じて任意成分とを、各成分の純分換算量で所望の含有量になるように、水(例えば精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水など)に溶解して混合し、さらに必要に応じてpH調整剤を用いて所定のpHになるように調整することで得られる。
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・A−1:ポリオキシエチレンカプリル酸モノエタノールアミド(上記一般式(1)において、R1=炭素数7のアルキル基、A1O=エチレンオキサイド、m=1)。
・A−2:ポリオキシエチレンカプリン酸モノエタノールアミド(上記一般式(1)において、R1=炭素数9のアルキル基、A1O=エチレンオキサイド、m=1)。
・A−3:ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド(上記一般式(1)において、R1=炭素数11のアルキル基、A1O=エチレンオキサイド、m=1)。
・A−4:ポリオキシエチレンカプリン酸モノエタノールアミド(上記一般式(1)において、R1=炭素数9のアルキル基、A1O=エチレンオキサイド、m=2)。
A−3の調製;
ラウリン酸メチル(ライオン株式会社製の「パステルM−12」)214gに、モノエタノールアミン(東京化成工業株式会社製、試薬特級)64.1gおよびナトリウムメトキシドの28質量%メタノール溶液(株式会社日本触媒製の「SM−28」)7.7g(1.0質量%対脂肪酸メチルエステル)を加え、副生するメタノールを減圧下留去しながら、反応圧力40kPa〜1.3kPa、反応温度90℃の条件で1時間、加熱攪拌し、反応圧力が1.3kPaに到達した時点で、反応温度90℃で3時間熟成し、ラウリン酸モノエタノールアミド240gを合成した。
ついで、合成したラウリン酸モノエタノールアミドを1Lのオートクレーブに仕込み、エチレンオキサイドをラウリン酸モノエタノールアミドに対して1.0モル分仕込み、90℃で2時間かけて付加反応を行い、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミドの混合物(A−3:ポリオキシエチレン脂肪酸アミド型界面活性剤)を合成した。
ラウリン酸メチルの代わりに、モル比が同等の量のカプリル酸メチル(ライオン株式会社製の「パステルM−8」)を用いた以外は、A−3と同様にして、A−1を得た。
ラウリン酸メチルの代わりに、モル比が同等の量のカプリン酸メチル(ライオン株式会社製の「パステルM−10」)を用いた以外は、A−3と同様にして、A−2を得た。
ラウリン酸メチルの代わりに、モル比が同等の量のカプリン酸メチル(ライオン株式会社製の「パステルM−10」)を用い、エチレンオキサイドをカプリン酸モノエタノールアミドに対して2.0モル分仕込みに用いた以外は、A−3と同様にして、A−4を得た。
・B−1:AES(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)。
・B−2:SAS(第2級アルカンスルホン酸ナトリウム、クラリアントジャパン株式会社製の「HOSTAPUR SAS 30A」)。
原料アルコ−ルとして、アルコール(シェルケミカルズジャパン株式会社製の「Neodol23」、炭素数12のアルコール/炭素数13のアルコール=50質量%/50質量%の混合物、分岐率:20質量%)を用いた。
4Lのオートクレーブ中に、前記原料アルコ−ル400gと、水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3mPaに維持しながらエチレンオキサイド184gを導入し、エチレンオキサイドの平均付加モル数2の反応物(アルコールエトキシレート)を得た。また、そのエチレンオキサイド付加モル数分布は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により下記測定条件で測定した結果、ナロー率で33質量%を示した。
次に、このようにして得たアルコールエトキシレート280gを、撹拌装置付の500mLフラスコにとり、窒素置換した後、液体無水硫酸(サルファン)78gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルを得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(B−1)を得た。
HPLCを用い、下記測定条件により、得られた合成品におけるエチレンオキサイドの付加モル数が異なるエチレンオキサイド付加体の分布を測定した。そして、B−1のナロー率(質量%)を下記数式(S)に基づいて算出した。
(HPLCによるエチレンオキサイド付加体の分布の測定条件)
装置 :LC−6A(株式会社島津製作所製)。
検出器 :SPD−10A。
測定波長:220nm。
カラム :Zorbax C8 (デュポン社製)。
移動相 :アセトニトリル/水=60/40(体積比)。
流速 :1mL/分。
温度 :20℃。
・C−1:ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、川研ファインケミカル株式会社製の「ソフタゾリンLAO−C」。
・C−2:ラウリルジメチルアミンオキシド、ライオン・アクゾ株式会社製の「アロモックスDM12D−W(C)」。
・LDE:ラウリン酸ジエタノールアミド:川研ファインケミカル株式会社製の「アミゾールLDE」。
・CME(1):ポリオキシエチレン(1)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(エチレンオキサイドの平均付加モル数:1)。
川研ファインケミカル株式会社製の「アミゾールCME」に対してエチレンオキサイドを1.0モル付加して、CME(1)を合成した。なお、ヤシ油脂肪酸には、カプリン酸が約7.0質量%含まれている。
・エタノール:純正化学株式会社製。
・ポリエチレングリコール:ライオン株式会社製の「PEG#1000」、(平均分子量:1000)。
・硫酸マグネシウム:赤穂化成株式会社製の「硫酸マグネシウム・7水塩(MgSO4・7H2O)」。
・グリコール酸:デュポン社製の「グリピュア70」
・香料:特開2003−268398号公報の表7〜14に記載の香料組成物A。
<液体洗浄剤組成物の調製>
表1、2に示す配合組成に従って各成分を混合した後、25℃でのpHが6.7となるようにpH調整剤(水酸化ナトリウムまたは硫酸)を適量添加して、各例の液体洗浄剤組成物をそれぞれ調製した。
なお、表1、2中の配合量の単位は質量%であり、いずれの成分も純分換算量を示す。各例の液体洗浄剤組成物は、表に記載の各成分の合計が100質量%となるようにバランス量の精製水で調整した。
また、pHの測定は、液体洗浄剤組成物を25℃に調整し、ガラス電極式pHメーター(製品名:ホリバF−22、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。測定方法は、JIS K3362−1998に準拠して行った。
(泡量の評価)
洗浄剤の継ぎ足しが誘起される低洗浄剤濃度かつ油存在下という条件下において、下記に示す方法により泡量を評価することで、液体洗浄剤組成物の泡量の持続性を評価した。
まず、液体洗浄剤組成物を濃度が0.2質量%になるように、水道水で希釈して希釈液を調製した。
内径3cm、高さ25cmのガラス製の円筒管に、先に調製した希釈液を20mL投入し、市販のオリーブ油(味の素株式会社製)を2g添加した。
ついで、25℃で恒温した後、振盪機を用いて1分間振盪した。停止直後の泡の高さ(mm)を測定し、泡量を下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1、2に示す。
◎:泡の高さが60mm以上。
○:泡の高さが40mm以上、60mm未満。
△:泡の高さが20mm以上、40mm未満。
×:泡の高さが20mm未満。
牛脂(和光純薬工業株式会社製)1gを、縦10cm×横15cm×高さ5cmのプラスチック製の容器の内側の全面に均一になるように塗布し、激しく汚れた疎水性表面汚垢モデルとした。
次いで、縦11.5cm×横7.5cm×高さ3cmの食器洗い用スポンジに、水道水38gと液体洗浄剤組成物2gをそれぞれとり、数回手で揉んだ後、牛脂が塗布された上記容器を、25℃の水道水を用いて、通常家庭で行われる方法と同様にして洗浄した。洗浄した後、水道水でよくすすぎ、容器内側の牛脂が塗布されていた部位(汚染部)を手で触ったときの触感で、その洗浄力を下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1、2に示す。
◎:容器のいずれの部位を触っても、キュッキュと音がするような摩擦感があり、牛脂の残留によるぬるつきが全く感じられない。
○:容器の底面および側面を触ると摩擦感があり、牛脂の残留によるぬるつきは感じられないが、容器の角の部分には僅かにぬるつきが感じられる。
△:容器の底面を触ると摩擦感があり、牛脂の残留によるぬるつきは感じられないが、容器の側面および角の部分にはぬるつきが感じられる。
×:容器全体にぬるつきが感じられ、明らかに牛脂が残留している。
本発明の液体洗浄剤組成物によれば、(A)成分〜(C)成分を含むことで、油存在下での使用であっても泡量の持続性と優れた洗浄力を両立できる。その結果、洗浄途中での液体洗浄剤組成物の使用量を低減できる。
比較例6で得られた液体洗浄剤組成物は、(A)成分中の化合物(A−2)の割合が100質量%であったため、泡量の評価は実施例と同程度であったものの、(C)成分を含有していないので洗浄力が著しく低下した。
Claims (3)
- (A)/[(B)+(C)]で表される質量比が0.1〜0.5であることを特徴とする請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
- 前記化合物(A)を2〜20質量%と、前記アニオン界面活性剤(B)を5〜50質量%と、前記アミンオキシド型半極性界面活性剤(C)を2〜20質量%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の液体洗浄剤組成物。
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