JP5439205B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
液体洗浄剤をスポンジに注ぎ足すタイミングとしては、「スポンジを揉んだ際に視認できる泡量が少なくなったとき」、が挙げられる。
従来の液体洗浄剤においては、洗い始めてから洗い終わるまでを通じて泡量が少ない、又は洗い始めは泡量が多くてもその後は泡質が水っぽくなっていき、泡量の多い状態が続かないため、液体洗浄剤をスポンジに注ぎ足す回数が多い傾向にあった。そのため、油汚れ等を除去するのに本来必要な使用量を超えて、液体洗浄剤が過剰に使用されていた。
このように、台所用の洗浄剤には、洗浄性に加えて、泡立ち性(洗い始めの泡立ちの良さ、洗い始めてから洗い終わるまでの泡量の持続性)も基本性能として要求される。
かかる要求に対して、従来、たとえば、中鎖分枝状の可溶化非イオン界面活性剤と、陰イオン界面活性剤と、特定のアミンオキシドとを含有する液体洗剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
本発明者らの検討によれば、油汚れ等を除去するのに必要な使用量の液体洗浄剤がスポンジに含まれている状態であっても、スポンジを握った際に軟らかい(弾力感がない)と感じる場合、スポンジに液体洗浄剤が充分に含まれていることを実感できないため、液体洗浄剤を余分に注ぎ足す行動をとりやすいことが分かった。
特許文献1に記載された液体洗剤組成物においては、当該液体洗剤組成物をスポンジに含ませて握った際に弾力感が感じられず、実使用において、スポンジに注ぎ足す回数が多い傾向にあった。
スポンジを握った際に弾力感がないと感じる場合は、洗浄中にスポンジを効率良く食器等に押し当てることができないため、油汚れ等を擦り落としにくいことも分かった。
一方、洗浄中の手肌には洗浄剤が直接接触しているために毎日繰り返されることの多い食器洗い等は、紅斑、落屑などの手荒れの要因にもなる。そのため、台所用の洗浄剤には、食器洗い等を毎日繰り返しても、又は食器洗い等が長時間に及んでも、手荒れが生じにくいことも必要である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、油汚れに対する洗浄力に優れると共に、油共存下で使用しても洗い始めは泡量が多く、その泡量の持続性が良好であり、かつ、スポンジに含ませて握った際に弾力感が感じられ、さらに手荒れの生じにくい手肌マイルド性に優れる液体洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の液体洗浄剤組成物は、下記一般式(a1)で表される化合物(a)と、陰イオン界面活性剤(b)と、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤(c)と、非イオン界面活性剤(d)とを含有し、[(b)+(c)]/(a)で表される質量比が2〜10であることを特徴とする。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、(b)/(c)で表される質量比が1〜3であることが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、前記非イオン界面活性剤(d)が、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミドであることが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、前記陰イオン界面活性剤(b)が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩と二級アルカンスルホン酸塩との組合せであることが好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤組成物においては、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸、安息香酸塩及びエタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種のハイドロトロープ剤(e)をさらに含有することが好ましい。
かかる液体洗浄剤組成物により、食器や調理器具等を洗浄する際、スポンジに注ぎ足す回数を少なくでき、液体洗浄剤の使用量を減らすことが可能となり、消費者の環境や経済性に対する意識を満足させることができる。加えて、食器洗い等を毎日繰り返していても、手荒れ(紅斑、落屑など)が生じにくい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、前記一般式(a1)で表される化合物(a)と、陰イオン界面活性剤(b)と、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤(c)と、非イオン界面活性剤(d)とを含有する。
本発明における化合物(a)は、前記一般式(a1)で表されるもの(以下「(a)成分」という。)であり、アルコールにオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基が導入され、疎水部(炭化水素基)がβ位の炭素原子でCxH2x+1とCyH2y+1とに分岐した構造を有する化合物である。
(a)成分を含有することにより、主として、液体洗浄剤組成物を油共存下で使用しても泡立ちと泡量の持続性がいずれも良好であり、スポンジに含ませて握った際に弾力感が感じられるようになる。
AOがオキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在しているものである場合、液体洗浄剤組成物をスポンジに含ませて握った際の弾力感及び油共存下で使用した際の泡立ちと泡量の持続性に優れることから、オキシプロピレン基の平均繰返し数は3以下であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。
AOにおいて、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在している場合、これらはランダム状に混在していてもよく、ブロック状に混在していてもよい。
なお、ここでのmは、AOの「平均」繰返し数を示している。したがって、式(a1)で表される化合物は、AOの繰返し数が異なる分子の集合体である。
x+yが6以上であると、油共存下で使用しても泡立ちと泡量の持続性に優れる。また、表面活性を示し、液面への吸着性が高まる。x+yが12以下であると、液体洗浄剤組成物をスポンジに含ませて握った際に弾力感が感じられるようになる。
CxH2x+1、CyH2y+1としてはそれぞれ、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、直鎖状のアルキル基であることが好ましく、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が好適なものとして挙げられる。
なかでも、CxH2x+1、CyH2y+1は、エチル基とブチル基との組合せ、プロピル基とペンチル基との組合せ(以上、いずれの組合せも一方がどちらの基であってもよい)が好ましく、プロピル基とペンチル基との組合せ(一方がどちらの基であってもよい)が特に好ましい。
上記のなかでも、(a)成分としては、ガーベット反応による2分子縮合で得られた、β位に分岐構造を有するアルコールのエチレンオキシド付加物が特に好適なものとして挙げられる。
このような市販品としては、BASF社製のポリオキシエチレンモノ(2−プロピルへプチル)エーテルが挙げられ、具体的には、上記一般式(a1)におけるm=6の化合物で商品名「Lutensol XP60」、上記一般式(a1)におけるm=9の化合物で商品名「Lutensol XP90」、上記一般式(a1)におけるm=10の化合物で商品名「Lutensol XP100」が挙げられる。
また、BASF社製のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノ(2−プロピルへプチル)エーテルも挙げられ、具体的には、上記一般式(a1)におけるm=9の化合物(オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在したもの)で商品名「Lutensol XL90」、上記一般式(a1)におけるm=10の化合物(オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在したもの)で商品名「Lutensol XL100」が挙げられる。
(a)成分の含有量が下限値以上であると、液体洗浄剤組成物の泡立ちと泡量の持続性がより向上し、スポンジに含ませて握った際の弾力感が良好に得られる。一方、上限値以下であると、油汚れに対する洗浄力がより向上する。
陰イオン界面活性剤(b)(以下「(b)成分」という。)のなかで好適なものとしては、大別すると、スルホン酸塩タイプ、硫酸エステル塩タイプ、カルボン酸塩タイプ、リン酸エステルタイプが挙げられる。
スルホン酸塩タイプとしては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、スルホコハク酸塩等が挙げられる。なかでも、油汚れに対する洗浄力及び液体洗浄剤組成物の保存安定性(透明外観の確保)が良好であることから、アルカンスルホン酸塩が好ましく、二級アルカンスルホン酸塩(SAS)がより好ましい。
硫酸エステル塩タイプとしては、アルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。なかでも、油汚れに対する洗浄力及び洗浄剤組成物の保存安定性(透明外観の確保)が良好であることから、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(AES)がより好ましい。
カルボン酸塩タイプとしては、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、アミノ酸系アニオン界面活性剤等が挙げられる。
AESとしては、後述のナロー率40質量%以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(NRES)が好ましい。
本発明においては、(b)成分としてNRESを用いると、主として、油汚れに対する洗浄力が良好となる。また、洗浄剤組成物の保存安定性が良好となり、透明外観を安定に確保できる。特に低温条件での保存安定性に優れる。
なお、前記数式(S)において、nmaxがゼロ(モル)のとき、ナロー率はY0とY1とY2との合計の割合(質量%)となり;nmaxが1(モル)のとき、ナロー率はY0とY1とY2とY3との合計の割合(質量%)となる。
NRESの製造方法としては、たとえば、高級アルコールとエチレンオキシドとを常法により合成した反応生成物から、蒸留等により所望の分子量範囲、すなわち、所望のエチレンオキシド付加モル数を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルコールエトキシレート)を分取し、ついで、これを硫酸化反応し、中和することにより得られる。
また、特許第3312883号公報に記載の方法、すなわち、特定の触媒を使用した方法により、ナロー率55質量%以上の狭いエチレンオキシド付加モル数の分布をもったポリオキシエチレンアルキルエーテルを得ることができるため、当該ポリオキシエチレンアルキルエーテルを硫酸化反応し、中和することによっても得られる。なお、前記特定の触媒としては、表面改質された複合金属酸化物触媒が挙げられ、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された、金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒等である。
R6において、炭素数は8〜18であり、10〜16が好ましく、12〜13がより好ましい。R6の炭素数が8以上であると、疎水性が高まるため、油汚れに対する洗浄力が向上する。一方、R6の炭素数が18以下であれば、NRES自体の溶解性が良好となるため、経時保存時における析出などが抑制されて透明外観が得られやすくなる。
ただし、R6は、NRESの原料である高級アルコールに由来する。そのため、該高級アルコールは、工業的に入手が容易な下記(i)〜(v)から選択されることが好ましい。
なお、「分岐率」とは、全高級アルコールに対する、分岐鎖をもつ高級アルコールの割合(質量%)を示す。「直鎖率」とは、全高級アルコールに対する、直鎖状の高級アルコールの割合(質量%)を示す。
(i)シェルケミカルズ社製、商品名「ネオドール23」(分岐率:20質量%)。これは、n−オレフィンから改良オキソ法により生成し、精留されたものである。
(ii)ブテンの3量体からオキソ法により得られる炭素数13のアルコール(分岐率:100質量%)。
(iii)中鎖アルコールからガーベット反応により得られる高級アルコール(分岐率:100質量%)。
(iv)Sasol社製、商品名「Safol23」(分岐率:50質量%)。これは、石炭のガス化によって得られるオレフィンからオキソ法によりアルコールを得て、さらに水素化されたものである。
(v)P&G社製、商品名「CO1270」(分岐率:0質量%)(直鎖率100質量%)。これは、天然油脂から合成された天然系高級アルコールである。
なお、ここでのnは、エチレンオキシドの「平均」付加モル数を示している。したがって、式(b1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、エチレンオキシドの付加モル数が異なるエチレンオキシド付加体の集合物である。ナロー率は、その集合物のなかで、最も多く存在するエチレンオキシド付加体(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩)のエチレンオキシドの付加モル数を「nmax」とすることにより前記数式(S)から求められる。
具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;アンモニウム等が挙げられ、これらが混在していてもよい。なかでも、Mとしては、アルカリ金属原子が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
高級アルコール、好ましくは前記(i)〜(v)から選択される高級アルコールに、エチレンオキシドを付加させてポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルコールエトキシレート)を得る。エチレンオキシドを付加させる際に用いる触媒としては、たとえば特許第3312883号公報に記載のAl/Mg/Mnで構成される複合金属酸化物ルイス酸焼結固体触媒が好ましい。これにより、エチレンオキシドの付加モル数分布の狭いものが得られる。
得られたポリオキシエチレンアルキルエーテルを、サルファンでスルホン化あるいは硫酸化することによりポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルを製造でき、さらに中和することによりポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を製造できる。
本発明においては、(b)成分として二級アルカンスルホン酸塩を用いると、油汚れに対する洗浄力が向上する。
SASは、「パラフィンスルホン酸塩」とも呼ばれる界面活性剤であって、通常、1分子当たり炭素数10〜21の二級アルキルスルホン酸塩の混合物の形態で提供される。
本発明においては、この混合物中に1分子当たり炭素数13〜18の二級アルキルスルホン酸塩を80質量%以上含有するものが好ましく、90質量%以上含有するものがさらに好ましい。なお、この混合物には、少量の一級アルキルスルホン酸塩、ジスルホン酸塩、ポリスルホン酸塩が含まれていてもよい。
p+qが10以上であると、油汚れに対する洗浄力が向上する。一方、p+qが14以下であると、式(b2)で表される化合物自体の溶解性が良好となるため、保存時における析出などが抑制される。
前記式(b2)中、Mは、前記式(b1)におけるMと同じであり、なかでもアルカリ金属原子が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
(b)成分として、AESとSASとを併用する場合、AESとSASとの混合割合は、油汚れに対する洗浄力がさらに優れることから、質量比でAES/SAS=1〜10であることが好ましく、1〜7であることがより好ましく、2〜5であることがさらに好ましい。
上記の中でも、(b)成分としては、NRES、NRESとSASとの組合せが特に好適なものとして挙げられ、そのなかでもNRESとSASとの組合せが最も好ましい。
(b)成分の含有量が下限値以上であると、油汚れに対する洗浄力がより向上する。また、液体洗浄剤組成物の泡立ちと泡量の持続性がより向上する。一方、上限値以下であると、液体洗浄剤組成物をスポンジに含ませて握った際、弾力感が良好に得られるようになる。
本発明においては、前記(b)成分と、両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤(c)(以下「(c)成分」という。)とを組み合わせて用いることにより、主として、油汚れに対して高い洗浄効果が得られる。
両性界面活性剤としては、たとえば、アミノ酢酸ベタイン(アルキルベタイン、アルキルアミドベタインなど)、スルホベタイン(アルキルヒドロキシスルホベタインなど)等のベタイン型のもの;グリシン系のもの(イミダゾリニウムベタインなど)、アミノプロピオン酸系のもの等のアミノ酸型のものが挙げられる。
両性界面活性剤として具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン;N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルスルホベタイン、N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−(2−ヒドロキシプロピル)スルホベタイン、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−1−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン等のスルホベタイン;2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム等のグリシン系のもの;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム等のアミノプロピオン酸系のものが挙げられる。
本発明において、「半極性界面活性剤」とは、半極性結合(無極性結合及び極性結合の中間の性質を有する結合)を有する界面活性剤のことであり、半極性界面活性剤が溶解する溶液または分散する分散系のpHにより、陽イオン性、陰イオン性、または両極性となるものをいう。
半極性界面活性剤のなかで好適なものとしては、たとえばアミンアルキレンオキサイド型界面活性剤、アミンオキシド型界面活性剤が挙げられる。なかでも、油汚れに対する洗浄力及び泡立ちが良好であることから、アミンオキシド型界面活性剤が好ましい。
アミンオキシド型界面活性剤としては、たとえばアルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシドが挙げられ、なかでも下記一般式(c1)で表される化合物が好適なものとして挙げられる。
R1のアルキル基、アルケニル基において、炭素数は8〜18であり、油汚れに対する洗浄力がより向上することから、10〜14であることが好ましい。
R2、R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましく、R2およびR3はいずれもメチル基であることがさらに好ましい。
R4は、炭素数1〜4のアルキレン基である。
Bは−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−又は−O−である。
rは、0又は1の数であり、0が好ましい。
上記のなかでも、(c)成分としては、(b)成分と併用して油汚れに対する洗浄力が特に良好であることから、アミノ酢酸ベタイン、スルホベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド系のもの、又はアルカノイルアミドアルキルジメチルアミンオキシド系のものが好ましく、アルキルジメチルアミンオキシド系のものが特に好ましい。
(c)成分の含有量が下限値以上であると、油汚れに対する洗浄力がより向上する。また、液体洗浄剤組成物をスポンジに含ませて握った際、弾力感が良好に得られるようになる。一方、上限値以下であると、液体洗浄剤組成物の泡立ちと泡量の持続性がより向上する。
当該質量比が前記範囲であると、(b)成分と(c)成分との相互作用によって油汚れに対する洗浄力がより向上する。特に当該質量比が3以下であると、(b)成分に対する(c)成分の配合量が比較的多くなり、これらの相互作用によってフリーの(b)成分が少なくなることで手荒れが生じにくくなり、液体洗浄剤組成物の手肌マイルド性がより向上する。
当該質量比が2未満であると、油汚れに対する洗浄力が低くなる。また、液体洗浄剤組成物をスポンジに含ませて握った際、弾力感が得られなくなる。一方、当該質量比が10を超えると、液体洗浄剤組成物の泡立ちと泡量の持続性が悪くなる。また、粘度が増大して、液体洗浄剤組成物をスポンジに含ませて握った際、適度な弾力感が得られなくなる。
本発明においては、当該質量比が2〜10であることにより、油汚れに対する洗浄力、泡立ちと泡量の持続性及びスポンジに含ませて握った際の弾力感がいずれも良好に得られる。
本発明においては、(a)〜(c)成分に加えて、非イオン界面活性剤(d)(以下「(d)成分」という。)をさらに含有することにより、主として、手荒れ(紅斑、落屑など)が生じにくくなり、高い手肌マイルド性が付与される。
なお、本発明において、(d)成分は、上述した(a)成分と半極性界面活性剤は含まないものとする。
これらのなかでも、手肌マイルド性に加えて、油汚れに対する洗浄力が良好であることから、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、エステル型ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド、アルキルモノグリセリルエーテルが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの好適なものとしては、下記一般式(d1)で表される化合物(d1)(ただし、(a)成分に該当するものを除く)が例示できる。
R11のアルキル基、アルケニル基において、炭素数は8〜18であり、油汚れに対する洗浄力が向上することから炭素数10〜14が好ましい。
R12は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
m1は、オキシアルキレン基の平均繰返し数を示す3〜25の数であり、5〜25が好ましい。
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、1種単独であってもよく、2種以上が混在していてもよい。2種以上が混在する場合、ランダム状に混在していてもよく、ブロック状に混在していてもよい。
AOがオキシエチレン基の場合、m1は3〜25の数であり、5〜25が好ましく、7〜20がより好ましい。
化合物(d1)として具体的には、前記一般式(d1)において、
R11=炭素数12の直鎖状のアルキル基、R12=水素原子、m1=9、AO=オキシエチレン基で表される化合物(ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル);
R11=炭素数12の直鎖状のアルキル基、R12=水素原子、m1=15、AO=オキシエチレン基で表される化合物(ポリオキシエチレン(15)ラウリルエーテル)が挙げられる。
エステル型ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの好適なものとしては、下記一般式(d2)で表される化合物(d2)が例示できる。
R21のアルキル基、アルケニル基において、炭素数は6〜18であり、油汚れに対する洗浄力が向上することから、炭素数8〜16が好ましい。
m2は、オキシアルキレン基の平均繰返し数を示す3〜25の数であり、5〜25が好ましい。
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、上記式(d1)におけるAOと同じである。
AOがオキシエチレン基の場合、m2は3〜25の数であり、5〜25が好ましく、6〜20がより好ましい。
化合物(d2)として具体的には、前記一般式(d2)において、
R21=炭素数10の直鎖状のアルキル基、m2=10、AO=オキシエチレン基で表される化合物(ポリオキシエチレンラウリン酸メチルエステル)が挙げられる。
脂肪酸アルカノールアミドの好適なものとしては、下記一般式(d3)で表される化合物(d3)が例示できる。
R31のアルキル基において、炭素数は7〜17であり、油汚れに対する洗浄力が向上することから、炭素数11〜13が好ましい。
Xは、水素原子又はヒドロキシエチル基を表す。
m3は、オキシエチレン基の平均繰返し数を示す0〜9の数であり、0〜4の数であることが好ましく、0〜2の数であることがより好ましい。
化合物(d3)として具体的には、前記一般式(d3)において、
R31=炭素数11の直鎖状のアルキル基、X=ヒドロキシエチル基、m3=0で表される化合物(ラウリン酸ジエタノールアミド);
R31=炭素数11の直鎖状のアルキル基、X=水素原子、m3=0で表される化合物(ラウリン酸モノエタノールアミド);
R31=炭素数11の直鎖状のアルキル基、X=水素原子、m3=2で表される化合物(ポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド)が挙げられる。
アルキルモノグリセリルエーテルのなかで好適なものとしては、炭素数6〜16のアルキル基を有するものが挙げられる。
上記のなかでも、(d)成分としては、手肌マイルド性と油汚れに対する洗浄力が良好であることに加えて、さらに液体洗浄剤組成物の泡立ち性(泡立ちと泡量の持続性)がより向上することから、脂肪酸アルカノールアミドがより好ましく、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミドがさらに好ましく、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミドが特に好ましい。
液体洗浄剤組成物における(d)成分の含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜7質量%であることがより好ましく、1〜4質量%であることがさらに好ましい。
(d)成分の含有量が下限値以上であると、手荒れを生じにくく、手肌マイルド性がより向上する。一方、上限値以下であると、液体洗浄剤組成物をスポンジに含ませて握った際、弾力感がより良好に得られるようになる。
当該質量比が1以上であると、油汚れに対する洗浄力がより向上する。一方、当該質量比が30以下であると、手荒れを生じにくく、手肌マイルド性がより向上する。
本発明の液体洗浄剤組成物には、上記の(a)〜(d)成分以外に、必要に応じて通常、硬質表面用又は衣料用等の洗浄剤組成物に用いられている成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜、配合することができる。
本発明の液体洗浄剤組成物においては、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸、安息香酸塩及びエタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種のハイドロトロープ剤(e)(以下この群から選ばれるハイドロトロープ剤を「(e)成分」という。)をさらに含有することが好ましい。
(e)成分を含有することにより、主として、液体洗浄剤組成物の保存安定性(特に低温安定性)が向上して、透明外観をより安定に確保しやすくなる。
トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸塩、安息香酸塩における塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩が挙げられる。なかでも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
(e)成分として、前記(e1)成分とエタノールとを併用する場合、(e1)成分とエタノールとの混合割合は、質量比で、(e1)成分/エタノール=0.05〜2.5であることが好ましく、0.063〜1であることがより好ましい。
エタノールに対する(e1)成分の配合割合が下限値以上であると、特に低温条件で透明外観をより保ちやすくなる。一方、上限値以下であると、低温安定性がより向上する。また、洗浄剤組成物の高粘度化が抑制されて流動性が良好になる。
(e)成分の含有量が下限値以上であると、低温条件でも、経時保存において液体洗浄剤組成物の透明外観をより安定に保ちやすくなる。また、液体洗浄剤組成物をスポンジに含ませて握った際、さらに弾力感が良好に得られるようになる。一方、上限値以下であると、液体洗浄剤組成物の泡立ちと泡量の持続性がさらに向上する。
液体洗浄剤組成物のpHが5以上であると、(b)成分と(c)成分との相互作用が強すぎず、適度に抑えられるため、両成分とも良好に溶存し、液体洗浄剤組成物の透明外観をより安定に保ちやすくなる。また、液体洗浄剤組成物のゲル化又は固化がより起きにくくなる。一方、pHが8以下であると、(b)成分と(c)成分との相互作用が弱くなりすぎず、油汚れに対する洗浄力がより向上する。また、液体洗浄剤組成物の泡立ちと泡量の持続性がより向上する。
液体洗浄剤組成物(25℃に調温)のpHは、pHメータ(製品名:ホリバF−22、(株)堀場製作所製)を用い、JIS K3362−1998に準拠した方法により測定される値を示す。
分岐構造を有する化合物は、一般に会合状態を形成しにくいため、泡立ちを抑えるのに(制泡剤、低起泡性組成物用などとして)用いられることが多い。
しかしながら、本発明においては、特定の分岐構造を有する(a)成分を、(b)成分及び(c)成分と、特定の質量比で用いることにより、油汚れに対する洗浄力に優れると共に、油共存下で使用しても洗い始めは泡量が多く、その泡量の持続性が良好であり、かつ、スポンジに含ませて握った際に弾力感が感じられるようになる。かかる効果が得られる理由としては定かではないが、以下のように推測される。
β位に分岐鎖を有する分岐構造「CxH2x+1(CyH2y+1)CH−CH2−」を有し、かつ、オキシアルキレン基の平均繰返し数(m)が6〜12である(a)成分は、
(i)洗浄の際、気液界面に配向するのが速い特性を有する。これにより、(b)成分及び(c)成分の気液界面への配向も速くなり、これら界面活性剤分子膜の形成が促進される。そのため、洗い始めにおいて、油共存下であっても泡立ちが早く、豊富な泡が素早く形成する。
(ii)気液界面に配向した後、(a)成分中の適度な繰返し数のオキシアルキレン基と、(b)成分及び(c)成分における親水性の部分との間の相互作用により、安定な会合状態が形成される。
加えて、(a)成分を、(b)成分及び(c)成分と、特定の質量比で用いることにより、油汚れに対する洗浄力が高くなり、連続的に洗浄を続けても当該会合状態が維持されるため、泡立ちが衰えることなく泡量が持続する。また、液体洗浄剤組成物を含ませた食器洗い用スポンジにおいては、(a)〜(c)成分が会合して形成されるクリーミィな泡が弾力感として感じられるため、スポンジに液体洗浄剤組成物が充分に含まれていることを実感できると考えられる。
かかる本発明の液体洗浄剤組成物は、毎日繰り返されることの多い食器洗い等に使用する台所用の洗浄剤として特に好適である。
表1〜4に示す配合組成に従って、以下に示す製造方法(未配合の成分がある場合、その成分は配合しない。)により、各例の液体洗浄剤組成物をそれぞれ調製した。
表1〜4中の配合量の単位は質量%であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
なお、各例の液体洗浄剤組成物は、表に記載の各成分の合計が100質量%となるように調製した。各成分は50℃に保温したものを用いた。
まず、200mLビーカに、(a)成分と、(b)成分と、(d)成分と、実施例33〜37については(e)成分と、PEG1000とを入れ、マグネチックスターラにより撹拌した。次に、(c)成分を入れて撹拌した。
次いで、全体量(全体量を100質量部とする。)が93質量部になるように水を入れて撹拌した。その後、pHを調整し、全体量が100質量部になるように残りの水を加えてバランスし、各例の液体洗浄剤組成物をそれぞれ製造した。
pHの調整は、所定量のグリコール酸を配合し、各例の液体洗浄剤組成物(原液)の25℃でのpHが7.0となるように、0.1N水酸化ナトリウムを適量添加することにより行った。
pH測定は、液体洗浄剤組成物を25℃に調整し、ガラス電極式pHメータ(製品名:ホリバF−22、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。測定方法は、JIS K3362−1998に準拠して行った。
以下に、表中に示した成分について説明する。
・(a)成分
a−1:ポリオキシエチレンモノ(2−プロピルへプチル)エーテル、BASF社製、商品名「Lutensol XP60」、上記一般式(a1)におけるm=6の化合物。
a−2:ポリオキシエチレンモノ(2−プロピルへプチル)エーテル、BASF社製、商品名「Lutensol XP90」、上記一般式(a1)におけるm=9の化合物。
a−3:ポリオキシエチレンモノ(2−プロピルへプチル)エーテル、BASF社製、商品名「Lutensol XP100」、上記一般式(a1)におけるm=10の化合物。
a−4:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノ(2−プロピルへプチル)エーテル、BASF社製、商品名「Lutensol XL90」、上記一般式(a1)におけるm=9の化合物(オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在したもの)。
a−5:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノ(2−プロピルへプチル)エーテル、BASF社製、商品名「Lutensol XL100」、上記一般式(a1)におけるm=10の化合物(オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在したもの)。
b−1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(NRES)(アルキル基の炭素数12と14、エチレンオキシドの平均付加モル数2、ナロー率43質量%、前記数式(S)におけるnmax=2、エチレンオキシドの付加モル数がnmaxであるエチレンオキシドの付加体の割合Ynmax=Y2=25(質量%)、エチレンオキシドの付加モル数がゼロであるエチレンオキシドの付加体の割合Y0=13(質量%));原料アルコール:CO1270[P&G社製、炭素数12のアルコール(C12)と炭素数14のアルコール(C14)との質量比でC12/C14=7/3の混合物、直鎖率100質量%(分岐率0質量%)]。
なお、「直鎖率」とは、全高級アルコールに対する、直鎖状の高級アルコールの割合(質量%)を示す。
原料アルコ−ルとして、上記CO1270を用いた。
4Lのオートクレーブ中に、前記原料アルコ−ル400gと、Al/Mg/Mnで構成される複合金属酸化物ルイス酸焼結固体触媒0.4gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、撹拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力を0.3mPaに維持しながらエチレンオキシド54gを導入し、反応物(アルコールエトキシレート)を得た。
次に、上記で得られたアルコールエトキシレート274gを、撹拌装置付の500mLフラスコに取り、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)81gを反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け、目的とするポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりNRESを得た。
NRESについて、下記測定条件により、エチレンオキシドの付加モル数が異なるエチレンオキシド付加体の分布を測定した。そして、NRESのナロー率(質量%)を上記数式(S)に基づいて算出した。
(HPLCによるエチレンオキシド付加体の分布の測定条件)
装置 :LC−6A((株)島津製作所製)
検出器 :SPD−10A
測定波長:220nm
カラム :Zorbax C8(Du Pont(株)製)
移動相 :アセトニトリル/水=60/40(体積比)
流速 :1mL/min
温度 :20℃
b−3:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、ライオン(株)製、商品名「リポランLB−440」。
c−1:C12アルキルジメチルアミンオキシド、ライオンアクゾ社製、商品名「アロモックスDM12D−W」。
c−2:N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−1−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン。
d−1:ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、川研ファインケミカル株式会社製、商品名「アミゼット2L−Y」、エチレンオキシドの平均付加モル数2。
d−2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ライオン(株)製、商品名「レオックスLC−90」、炭素数12の直鎖状のアルキル基、エチレンオキシドの平均付加モル数9の化合物。
d−3:ラウリルグルコシド、花王株式会社製、商品名「マイドール12」。
d−4:2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテル、合成品。特開2004−262955号公報の段落0019等の記載を参考にして合成することにより得た。
d−5:ポリオキシエチレンモノ(2−プロピルへプチル)エーテル、BASF社製、商品名「Lutensol XP40」、上記一般式(a1)におけるm=4の化合物。
d−6:ポリオキシエチレンモノ(2−プロピルへプチル)エーテル、BASF社製、商品名「Lutensol XP140」、上記一般式(a1)におけるm=14の化合物。
d−7:ポリオキシエチレンデシルエーテル(オキソアルコールエトキシレート)、BASF社製、商品名「Lutensol ON80」、次の化学式R−O−(CH2CH2O)8−H(式中、Rは2−メチルノニル基である)で表される化合物。
d−8:ポリオキシエチレンセチルエーテル、日本乳化剤(株)製、商品名「ニューコール1607」、炭素数16の直鎖状のアルキル基、エチレンオキシドの平均付加モル数7の化合物。
e−1:p−トルエンスルホン酸、テイカ(株)製、商品名「テイカトックス300」。
e−2:クメンスルホン酸ナトリウム、テイカ(株)製、商品名「テイカトックスN5040」。
e−3:安息香酸ナトリウム、(株)伏見製薬製。
e−4:エタノール、純正化学(株)製、試薬特級。
PEG1000:ポリエチレングリコール1000、ライオン株式会社製、商品名「PEG#1000」(平均分子量1000)。
グリコール酸:デュポン社製、商品名「グリピュア70」。
水酸化Na:水酸化ナトリウム、鶴見曹達(株)製。
水:水道水。
各例の液体洗浄剤組成物について、以下に示す評価方法によって各評価を行い、その結果を表1〜4に併記した。
牛脂1.5gを、縦10cm×横15cm×高さ5cmのタッパ容器内面の全面に均一になるように塗布して汚垢モデルとした。
次いで、縦11.5cm×横7.5cm×高さ3cmの食器洗い用スポンジ(住友スリーエム(株)製、商品名:スコッチブライト)に、25℃水道水38gと液体洗浄剤組成物2gをそれぞれ取り、数回手で揉んだ後、上記汚垢モデルを家庭で通常行われる方法と同様にして洗浄した。
次いで、25℃の水道水でよくすすいだ後、タッパ容器内面の牛脂が塗布されていた部位を手で触ったときの触感について評価した。
かかる評価は、下記の評価基準(◎〜○が合格範囲)に基づいて行い、油汚れに対する洗浄力の評価とした。
(評価基準)
◎:タッパ容器内面のいずれの部位を触っても、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきはまったく感じられなかった。
○:タッパ容器内側の底面及び側面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、タッパ容器内側の角の部位には僅かにぬるつきが残っていた。
△:タッパ容器内側の底面を触ると、油による皮膜がなく、油の残留によるぬるつきは感じられないが、タッパ容器内側の側面や角の部位にぬるつきが残っていた。
×:タッパ容器全体にぬるつきが感じられ、明らかに油が残留していることがわかった。
モデル油汚垢としてオリーブ油1gと水5gを採取した皿(直径21cm)をモデル油汚垢皿とし、当該モデル油汚垢皿を30皿用意した。
縦11.5cm×横7.5cm×高さ3cmの食器洗い用スポンジ(住友スリーエム(株)製、商品名:スコッチブライト)に、25℃水道水38gと液体洗浄剤組成物2gをそれぞれ取り、3回手で揉んだ後の食器洗い用スポンジをモデル油汚垢皿と接触させ、モデル油汚垢と食器洗い用スポンジとを馴染ませた。その後、食器洗い用スポンジをモデル油汚垢皿に押さえつけた状態で円を2周描くように動かして擦り洗いを行った。
そして、食器洗い用スポンジには水道水と液体洗浄剤組成物を新たに注ぎ足すことなく、連続してモデル油汚垢皿を擦り洗い続け、擦り洗い後のモデル油汚垢皿の上に泡が残らない(確認できない)状態になるまで洗い続けた。
この時点で、泡が確認できなくなるまでに洗浄できた皿枚数が20枚未満であった液体洗浄剤組成物は、泡の持続性に劣ると判断し、次の泡容量の評価対象外とした。この泡が確認できなくなるまでに洗浄できた皿枚数を表1〜4に示した。
なお、たとえば一回の食事に使用する食器の枚数を、お茶碗、おわん、お皿、小鉢2つ、と仮定すると5枚/人となり、一般的な4人家族の場合、食器の数は5枚×4人=20枚と想定されることから、皿枚数20枚未満を、泡の持続性の判断基準とした。
泡が確認できなくなるまでに洗浄できた皿枚数が20枚以上であった液体洗浄剤組成物について、洗浄後に各モデル油汚垢皿に存在している泡を500mLメスシリンダーに移し取り、その泡量(mL)を皿1枚毎に測定し、下記の評価基準(◎〜○が合格範囲)に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:洗浄後に100mL以上の泡量を確認できた皿枚数が5枚以上であった。
○:洗浄後に100mL以上の泡量を確認できた皿枚数が3〜4枚であった。
△:洗浄後に100mL以上の泡量を確認できた皿枚数が1〜2枚であった。
×:洗浄後に100mL以上の泡量を確認できた皿枚数が0枚であった。
表中、泡立ち性の評価における「−」は、泡量の評価対象外であったことを意味する。
縦11.5cm×横7.5cm×高さ3cmの食器洗い用スポンジ(住友スリーエム(株)製、商品名:スコッチブライト)に、水道水38gと液体洗浄剤組成物2gをそれぞれ取り、10回手で揉んでいる際に掌で感じるスポンジ感触を、モニター10人により、下記の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:食器洗い用スポンジに適度な強さの弾力感を感じた。
○:食器洗い用スポンジにやや弾力感を感じた。
△:食器洗い用スポンジがやや軟らかく感じた。
×:食器洗い用スポンジが明らかに軟らかく感じた。
各例の液体洗浄剤組成物を水道水に溶解した水溶液(液体洗浄剤組成物濃度1質量%)を調製し、当該水溶液3リットルを入れた桶に、1日30分間、手を手首まで浸漬させた。この操作を3日間繰り返した次の日に、手荒れの状態(手の紅斑と落屑)を目視観察し、下記の評価基準に基づいて評価した。
(手の紅斑)
手の紅斑は、目視観察により評価を行った。
4点:全く紅斑はなかった。
3点:ごく軽度の紅斑があった。
2点:明瞭な紅斑があった。
1点:強度な紅斑があった。
(落屑)
落屑は、健康な皮膚表面から角質細胞が剥がれていくことを意味する。その剥がれた角質細胞が白く見えることから、手を目視により観察し、その白い粉をふいたような状態を評価した。
4点:全く白い粉が見えなかった。
3点:浸漬部分のごく一部に少し白い粉が見えたが他の部分に白い粉は見えなかった。
2点:浸漬部分全体に少し白い粉が見えた。
1点:浸漬部分全体に多く白い粉が見えた。
次いで、手の紅斑の評価の点数と、落屑の評価の点数との合計点数を算出し、後述の評価基準に基づいて手肌マイルド性を評価した。◎及び○は問題なし、△及び×は問題ありとした。(評価基準)◎7〜8点 ○:5〜6点 △:3〜4点 ×:1〜2点
各例の液体洗浄剤組成物100mLを、直径50mm、高さ100mmの円筒ガラス瓶に充填し、フタを閉めて密封した。この状態で、−5℃(低温条件)の恒温槽内で1ヶ月間保存した後の液体洗浄剤組成物の外観について、目視により観察し、下記評価基準(◎〜○が合格範囲)に基づいて、液体洗浄剤組成物の保存安定性(外観)を評価した。
(評価基準)
◎:均一透明。
○:析出物が認められるものの、その析出している量が、円筒ガラス瓶の容積全体の1容積%未満であった。
△:析出物が認められ、その析出している量が、円筒ガラス瓶の容積全体の1容積%以上、10容積%未満であった。
×:析出物が認められ、その析出している量が、円筒ガラス瓶の容積全体の10容積%以上であった。
したがって、かかる液体洗浄剤組成物によれば、食器や調理器具等を洗浄する際、スポンジに注ぎ足す回数を少なくでき、液体洗浄剤の使用量を減らすことが可能となり、消費者の環境や経済性に対する意識を満足させることができる。加えて、かかる液体洗浄剤組成物は、食器洗い等を毎日繰り返していても、手荒れ(紅斑、落屑など)が生じにくい、と云える。
また、表4の結果から、(a)〜(d)成分に加えて、(e)成分をさらに含有することにより、低温安定性がさらに向上することが分かる。
Claims (6)
- 前記一般式(a1)におけるAOがオキシエチレン基であり、mが9又は10である請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
- (b)/(c)で表される質量比が1〜3である請求項1又は請求項2記載の液体洗浄剤組成物。
- 前記非イオン界面活性剤(d)が、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミドである請求項1〜3のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
- 前記陰イオン界面活性剤(b)が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩と二級アルカンスルホン酸塩との組合せである請求項1〜4のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
- トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸、安息香酸塩及びエタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種のハイドロトロープ剤(e)をさらに含有する請求項1〜5のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
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