JP5519353B2 - ヒートシンク - Google Patents
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Description
これは多数のスリットを有する中間プレートの両側に支持プレートを配置し、中間プレートのスリットに冷媒を流通させ、支持プレートに電子部品等の被冷却部品を取り付けるものである。そして、中間プレートのスリットがU字状に形成され、それが幅方向に並列している例も記載されている。
これは冷凍サイクルにおいて、膨張弁またはキャピラリーチューブを介して気液2相状態に変化した冷媒が、流路内を気体と液体とに分離し、両者が片寄った状態で流通することに起因する、とのことが本発明者の実験により明らかとなった。即ち、冷媒回路の膨張弁等を通過した気液2相状態の冷媒は、その流速に応じて、2層流または波状流または塊状流または環状流となる。そして、各流れの状態により、例えば2層流の場合には、冷媒の液成分が管の下部を流れ、気体は管の上部を流れ、気液の界面が滑らかとなる。また、波状流はその2層流の状態から界面が波立つ状態となる。そして、塊状流はその波状流の液波の振幅が大きくなって管の上部に触れるようになり泡立った塊を形成する。さらには、環状流は、冷媒の液成分は管壁面を断面環状に流れ、気体は中心部を流れる。いずれにしても気体成分と液体成分とが分離状態にある。それに基づき、冷媒の分流が不均一になっていた。
前記第3プレート(3)に複数の分岐スリット(4)が並列されると共に、各分岐スリット(4)の一端部どうしが、その第3プレート(3)に形成された連通スリット(5)または分岐部(6)で連結され、
蓋材となる前記第1プレート(1)に設けた絞り孔(7)を介して、冷媒の入口パイプ(8)と前記連通スリット(5)または分岐部(6)とが連結され、
前記絞り孔(7)は、前記冷媒がそれを通過することにより、2相流の冷媒がその入口パイプ(8)内で、2層流または塊状流或いは環状流の状態から、連通スリット(5)内または分岐部(6)内で噴霧流に変化するように構成され且つ、前記冷媒が、圧縮器(9)、コンデンサ(10)、膨張弁(11)またはキャピラリーチューブ、ヒートシンク(12)を順に循環する冷凍サイクルにあって、
前記絞り孔(7)の圧力低下は、前記膨張弁(11)またはキャピラリーチューブにおける冷媒の圧力低下に較べて、著しく小さい値であることを特徴とするヒートシンクである。
多数の前記分岐スリット(4)が互いに平行に配置され且つ、それらと前記連通スリット(5)とで、全体の流路が櫛歯状に形成されたヒートシンクである。
請求項3に記載の本発明は、請求項1において、
多数の前記分岐スリット(4)が、前記分岐部(6)から放射状の流路に形成されたヒートシンクである。
各分岐スリット(4)の下流側である復流路(4b)が、その上流側である往流路(4a)に近接してUターンするように構成されたヒートシンクである。
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
前記各分岐スリット(4)が水平な方向または、重力方向に平行な方向に配置されたヒートシンクである。
その絞り孔7の存在により、複数の分岐スリット4に均等に冷媒が流通し、ヒートシンク各部を均一に冷却して、性能のよいヒートシンクを提供できる。即ち、入口パイプ8内で気液が片寄って分離した状態である2層流または塊状流あるいは環状流の状態から、それらの液膜が破れ、液体はすべて飛沫同伴液滴として気体中に分散した噴霧流に変化するから、並列した複数の分岐スリット4に均等に分配される。これは絞り孔7によって、その部分で流速が増すことにより、例えば、環状流をなしていた液膜が破れ、液体はすべて飛沫として気体中に分散するからである。
上記構成において、請求項3に記載のように、多数の分岐スリット4を分岐部6から放射状に形成することができる。この場合には、さらにより均等に各分岐スリット4に冷媒を流通させることができる。
上記構成において、請求項5に記載のように、各分岐スリット4を水平な方向または重力方向に平行な方向に配置することができる。この場合には、冷媒中の液成分を重力に影響されること無く、各分岐スリット4に均等に流通させることができる。それによりさらに性能の高いヒートシンクを提供できる。
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1〜図6は、本発明のヒートシンクの第1の実施形態を示す。
この実施例は、図1に示すごとく、第3プレート3が一対の第1プレート1、第2プレート2により挟持され、その第1プレート1の端部表面にスペーサ15を介してマニホールド14が配置されている。
次に、入口孔15a内の中心で、第1プレート1に絞り孔7が穿設されている。この絞り孔7の直径は一例として2mm程度にすることができ、入口孔15aの直径は10mm程度にすることができる。同様に出口孔1aの直径も10mm程度にすることができる。
この噴霧流は、図7において、例えば横軸の値が85のとき、縦軸の値が約30000以上となる場合である。なお、この図7は、その2相流の流れ様式の状態を示すものである。縦軸の値が約30000以下の場合には、順に環状流、塊状流、波状流、2層流となる。この横軸におけるGl成分は、冷媒の液体成分が時間あたり流通する質量であり、ηは係数であって、空気および水に比較した、冷媒の気体成分の密度と液体成分の密度との積の2分の1乗としたものである。Ψは係数であって、水の密度及び表面張力をそれぞれ、冷媒の液体成分の密度及び表面張力で除したものどうしの積と、冷媒の粘度との積の3分の1乗である。
横軸および縦軸のGg成分は、冷媒中の気体成分の時間当たりの流通量を流路断面積で除したものである。
気液2相状態の冷媒16は、図6に示すごとく、入口パイプ8に流入するとき塊状流16aの状態または図7における環状流の状態あるいは2層流の状態にある。そして、入口パイプ8の入口孔14aから絞り孔7を通過すると、それにともなって塊状流16a等から噴霧流16bに変化する。これは絞り孔7によって流速が急激に速くなるからである。すると、冷媒の液体成分の液膜が破れ、液体がすべて飛沫となった液滴として気体中に分散する。
このように連通スリット5内で噴霧流16bになると、各連通スリット5の分岐スリット4の往流路4aに均一に流れる。そして、往流路4aから復流路4bを介し、スペーサ15の連通溝15b、マニホールド14の連通溝14cを介して出口パイプ13より流出する。
次に図12は、本発明の第2の実施形態を示す第3プレート3の平面図である。
この第3プレート3は、その長手方向端部中央に分岐部6が設けられ、その分岐部6から放射状に多数の分岐スリット4の往流路4aが分岐し、その復流路4bの端部がUターンして往流路4aに近接かつ、それに沿って位置され、その端部が分岐部6近傍に達する。
このように、分岐部6の外周に各分岐スリット4が放射状に連通するため、冷媒の分配をより均等に行なうことができる。なお、マニホールド14および絞り孔7は前記第1の実施例同様に第1プレート1に取り付けられる。そして、第1プレート1の絞り孔7によって、上流側の気液分離状態から冷媒が噴霧流に変えられ、各流路に均一に分流する。
1a 出口孔
2 第2プレート
3 第3プレート
4 分岐スリット
4a 往流路
4b 復流路
5 連通スリット
6 分岐部
7 絞り孔
8 入口パイプ
9 圧縮器
11 膨張弁
12 ヒートシンク
13 出口パイプ
14 マニホールド
14a 入口孔
14b 出口孔
14c 連通溝
15a 入口孔
15b 連通溝
16 冷媒
16a 塊状流
16b 噴霧流
17 被冷却体
Claims (5)
- 平坦な、第1プレート(1)と第2プレート(2)との間に第3プレート(3)が介装され、その第3プレート(3)にスリットからなる冷媒流路が形成され、その冷媒流路に気液二相状態の冷媒が流通し、そのスリットからなる冷媒流路は、積層方向の両端に位置してその蓋材となる第1プレート(1)と第2プレート(2)によって被蔽されてなるヒートシンクにおいて、
前記第3プレート(3)に複数の分岐スリット(4)が並列されると共に、各分岐スリット(4)の一端部どうしが、その第3プレート(3)に形成された連通スリット(5)または分岐部(6)で連結され、
蓋材となる前記第1プレート(1)に設けた絞り孔(7)を介して、冷媒の入口パイプ(8)と前記連通スリット(5)または分岐部(6)とが連結され、
前記絞り孔(7)は、前記冷媒がそれを通過することにより、2相流の冷媒がその入口パイプ(8)内で、2層流または塊状流或いは環状流の状態から、連通スリット(5)内または分岐部(6)内で噴霧流に変化するように構成され且つ、前記冷媒が、圧縮器(9)、コンデンサ(10)、膨張弁(11)またはキャピラリーチューブ、ヒートシンク(12)を順に循環する冷凍サイクルにあって、
前記絞り孔(7)の圧力低下は、前記膨張弁(11)またはキャピラリーチューブにおける冷媒の圧力低下に較べて、著しく小さい値であることを特徴とするヒートシンク。 - 請求項1において、
多数の前記分岐スリット(4)が互いに平行に配置され且つ、それらと前記連通スリット(5)とで、全体の流路が櫛歯状に形成されたヒートシンク。 - 請求項1において、
多数の前記分岐スリット(4)が、前記分岐部(6)から放射状の流路に形成されたヒートシンク。 - 請求項2または請求項3において、
各分岐スリット(4)の下流側である復流路(4b)が、その上流側である往流路(4a)に近接してUターンするように構成されたヒートシンク。 - 請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
前記各分岐スリット(4)が水平な方向または、重力方向に平行な方向に配置されたヒートシンク。
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