JP5518186B2 - 薄膜含有パーベーパレーション膜 - Google Patents

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Description

本発明は、薄い被膜を有する多孔質支持体を含むパーベーパレーション膜に関するものである。より具体的には、本発明は、特性が改善されたパーベーパレーション膜を提供する。本発明はさらに、このようなパーベーパレーション膜の製造方法に関する。
親油性パーベーパレーション(OPV)は、非多孔質高分子膜を、2種以上の混和性成分を含み、そのうちの1つ以上が有機溶媒である液体流と接触させるような使用を含む、現在、有望な分離技術である。例えば、溶剤脱水に適用される親水性パーベーパレーションとは対照的に、OPV膜は、疎水性膜に対する高い親和性及び/又は疎水性膜におけるより速い吸着のために、混合物から有機成分を好ましく分離する。パーベーパレーション膜を通過する成分移送の駆動力は、化学ポテンシャル勾配、より具体的には、供給側及び透過側での、部分的な蒸気圧の勾配である。パーベーパレーションにおける大量(mass)移送は、一般的には、溶液拡散モデルによって説明される。この溶液拡散モデルは、(i)膜の上流側での供給混合物からの透過物の吸着、(ii)膜を通過する透過物の拡散、及び(iii)膜の下流側での透過物の脱離の三段階からなる移送メカニズムに基づいている。気体状透過物は、その後、濃縮されて、液体生成物が得られる。溶液−拡散メカニズムによると、透過流束(pervaporation flux)は、膜中の溶解と膜を通じての拡散との関数である。膜の選択性は、このようにポリマー化合物の溶解性の影響を受け、透過物−膜の相互作用によって決定され、そして拡散性は、一般に、透過物の分子サイズ、形状、及び質量に支配される。
しかしながら、高い選択性を有し且つ透過流束が高められていて、さらに有機溶剤に対して長期的な安定性を示す、市販のOPV膜の数は、現在のところ、限られている。従って、OPVは、その明確な環境面及び経済面での利点や、プロセス産業での高い利用可能性があるにもかかわらず、いまだ、これまでの工業プロセスで大躍進が認められなかった。いくつかのポリマー、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、ポリウレタン尿素(PU)、ポリ(エーテル−ブロックアミド)(PEBA)、及びポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)(PTMSP)が、OPV膜の作製に用いられている。
米国6316684には、粒子を分散させたポリマーを含む分離膜が提供されている。実施例では、ポリ(4−メチル−2−ペンチン)(PMP)およびポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)(PTMSP)膜が、ガラス板上に塗工されている。
PTMSPは、硬い骨格鎖とトリメチルシリル側鎖とを組み合わせた置換ポリアセチレンである。これらの嵩高基は、回転運動を制限し、一緒に詰め込むポリマーの能力を制限する。PTMSPは、非常に高いフリーボリュームフラクション(最大25%)を有する、疎水性のガラス状ポリマー(Tg>300℃)であり、本質的にナノレベルの細孔を有している。PTMSPは、ガス分離用途について、最も研究されているポリマーの一つである。PTMSP系ガス分離膜は、すでにDeSitterら(「シリカ充填したポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)ナノコンポジット膜:ガスの輸送と構造特性の関係」、Journal of Membrane Science278巻(2006年)、83−91頁)に開示されていて、ここには、充填された高分子膜の作製方法が説明されている。非多孔質PTMSP膜は、水性アルコール混合物のパーベーパレーション分離にも適用されていて、そして最近では、アルコール供給溶液のナノろ過にも適用されてきた。しかし、これらの緻密PTMSP膜は、一般に透過流束が低かった。WO2009/027376は、多孔質ポリアクリロニトリルの基体上に、厚み約30μmで形成されたPTMSP層を設けている。
従って、現在、OPV膜に対して、アルコール/水の高い選択性と、高められた透過流束とを併せ持ち、さらに、強い膨潤性有機溶媒に対しても長期的な安定性を示すことが、差し迫って求められている。
本発明の目的は、必要な特性(高選択性、高い透過流束、及び長期安定性)を併せ持ったOPV膜を提供することにある。また、本発明の目的は、このような膜の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、先行技術のプロセスに比べて改善された性能を有する膜分離プロセスを提供することにある。特に、本発明の目的は、希薄水溶液の混合物からアルコールを分離するため、特に、改良されたパーベーパレーションのプロセスを提供することにある。
本発明は、薄い被膜または薄層を有する多孔質支持体を含む新規なパーベーパレーション膜を提供する。前記薄い被膜または薄層は、好ましくはPTMSPのような非多孔質で、ガラス状の置換ポリアセチレン素材で、好ましくは、シリカや金属酸化物等の他の非多孔質無機粒子などのナノ粒子を充填した被膜である。本発明に係る新規のパーベーパレーション膜は、膜分離プロセスを改善することが示された。特に、本発明に係るパーベーパレーション膜は、溶剤/水分離を行うことができ、特に希薄水溶液の混合物から溶剤を分離することができる。
本発明で説明したように、本発明者らは、被膜、好ましくは凝集体が充填されたPTMSP被膜を、ポリアクリロニトリル(PAN)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜等の多孔質支持体上に、最大でも平均厚み25μmで塗工することにより、驚くべきことに、結果として得られるパーベーパレーション膜の性能が向上することを見出した。本発明のパーベーパレーション膜は、溶剤、特にアルコール類の、水からの分離において、高い選択性及び高められた透過流束を有する。多孔質支持体(典型的には限外濾過膜)により、パーベーパレーションにおける選択性と流速(flux)に影響を与えずに、最上層の機械的安定性を確保している。
したがって、本発明は、多孔質支持体上に、凝集体が充填されたPTMSP被膜を備えた新規パーベーパレーション膜に関し、前記被膜の平均厚みは25μm以下である。
本発明者らは、多孔質支持体上に、平均厚み25μm以下の被膜を施すことで、強化された特性を有するパーベーパレーション膜を提供できることを見出した。本発明のパーベーパレーション膜は、高められた透過流束とともに、高い溶剤/水選択性を示す。
特定の実施態様において、本発明は、PTMSP−シリカ被膜を有するポリアクリロニトリル(PAN)多孔質支持体を含む本発明のパーベーパレーション膜に関し、前記被膜の平均厚みは、2〜25μmであり、特に、25μm未満、さらに23μm、20μm以下、17μm以下で、15μm以下でさえもある。
特定の実施態様では、本発明は、PTMSP−シリカ被膜を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)多孔質支持体を含むパーベーパレーション膜に関し、前記被膜は、平均厚み0.5〜25μmの範囲であり、特に20μm以下、さらに15μm以下、12μm、9μm以下であり、5μm以下でさえある。
本発明のより特定の実施態様においては、本発明に係るパーベーパレーション膜は、少なくとも2.0kg/(m2・h)の(エタノール/水)透過流束、好ましくは少なくとも2.1、2.2、2.3、 2.4または2.5kg/(m2・h)である。より好ましくは本発明のパーベーパレーション膜の(エタノール/水)透過流束は、少なくとも2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、である。4.0、4.5、5.0、5.5または6.0kg/(m2・h)以上である。
別の実施形態によれば、本発明は、パーベーパレーション膜の製造方法に関し、当該方法は下記工程を含む:
(a)多孔質高分子支持体の頂部に、凝集体が充填されたPTMSP溶液を塗布する工程;及び
(b)前記多孔質支持体上で、凝集体が充填されたPTMSP溶液を、20〜25℃の温度範囲で、少なくとも8時間かけて蒸発させ、これにより、前記PTMSP被膜を備えたパーベーパレーション膜を提供する。
別の実施形態によれば、本発明は、本発明に係るパーベーパレーション膜を含む、パーベーパレーションまたはナノ濾過によって成分の混合物を分離するための装置に関する。本発明のパーベーパレーション膜のパーベーパレーションまたはナノろ過による成分の混合物を分離するための装置の用途を見い出すことができる。本発明のパーベーパレーション膜は、(流体)成分の混合物を有利に分離するためのプロセスで使用することができる。
別の実施形態によれば、本発明は、成分混合物を分離するプロセスにおける、パーベーパレーションまたはナノろ過による、本発明のパーベーパレーション膜の使用にも関する。
これらの、さらに別の態様および実施形態は、次の項および特許請求の範囲で説明される。
PVDF多孔質支持体層上に塗布された薄いPTMSP−シリカ被膜を含む、本発明の実施の形態に係るPTMSP薄膜含有パーベーパレーション膜断面のSEM像である。 PVDF多孔質支持体層上に塗工された薄いPTMSP−シリカ被膜を含む、本発明の実施の形態に係るPTMSP薄膜含有パーベーパレーション膜断面のSEM像である。前記PVDF多孔質支持体はさらにポリエステル繊維支持体に取り付けられている。 PAN多孔質支持体層上に塗布された薄いPTMSP−シリカ被膜を含む、本発明の実施の形態に係るPTMSP薄膜含有パーベーパレーション膜断面のSEM像である。
本発明で用いられる本発明の方法及び装置を説明するにあたり、本発明は、説明される特定の方法、成分、または機器に限定されず、もちろん、このような方法、成分、または機器は変更してもよいと理解すべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ制限され、本明細書で用いられる用語も、制限することを意図していないと理解すべきである。
他に定義がない限り、本明細書に用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または等価な任意の方法および材料が本発明の実施または試験において使用することができるが、特定の方法および材料を以下に説明する。
本明細書および添付の特許請求の範囲における、単数形「1つの(a、an)」「該、前記(the)」は、内容が他に示されない限り、複数形の参照を包含する。
本明細書で用いられる「含む、含まれる(comprising、comprises、comprised of)」は、「含有する、含有される(including、containing、contains)」と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、追加の非限定的要素、要件又は方法工程を排除しない。
用語「含む(comprising、comprises、comprised of)」は、また、用語「からなる(consisting of)」も包含する。
パラメータ、量、時間的な持続時間等のような測定可能な値を参照するときに、本明細書中で使用される「約」という用語は、開示された発明において実行するためにそのような変動が適切である限りにおいては、特定値から、±10%以下の変動、好ましくは±5%以下、より好ましくは±1%以下、さらに好ましくは±0.1%以下の変動を含むことを意味する。修飾語「約」が参照する値、それ自体が同様に、特定的、好ましくはと開示されている場合も含むと理解される。
エンドポイントによる数値範囲の限定は、それぞれの範囲内で包含される全ての数字及び分数だけでなく、限定されているエンドポイントも含む。
本発明は、薄い被膜または薄層が設けられている多孔質支持体を含む新規なパーベーパレーション膜を提供する。前記薄い被膜または薄層は、好ましくは非多孔質で、シリカ、他の金属酸化物及び/又はその凝集体等のナノ粒子の形態の材料を、ガラス状ポリマーと組み合わせて含む、被膜であることが好ましい。前記ナノ粒子は、好ましくは非多孔質であり、高い比表面積を持っていることが好ましい。ナノ粒子は、例えば、それらを疎水性にするために処理またはコーティングすることができる。ガラス状ポリマーは、ポリマーが使用される温度より高いガラス転移温度を有するポリマーである。本発明で使用されるガラス状ポリマーは、ガラス転移温度が100℃以上であり、高いフリーボリューム(free volume)を有し、少なくとも0.20の断片的(fractional)フリーボリュームを意味する。本発明が描く可能なガラス状ポリマーとしては、置換されたポリアセチレンポリマーが挙げられ、限定しないけれども、PTMSP、PTBA(ポリ(tert−ブチルアセチレン))、PPP(ポリ(1−フェニル−1−プロピン))、PTMSDPA(ポリ[1−フェニル−2−[P−(トリメチルシリル)フェニル]アセチレン])、PTMGP(ポリ(1−トリメチルゲルミル(germyl)−1−プロピン))及び/又はPMP(ポリ(4−メチル−2−ペンチン))などが挙げられる。好ましくは本発明のパーベーパレーション膜に使用されるガラス状ポリマーは、置換されたポリアセチレンのポリマーであり、より好ましくはPTMSPである。
本発明の膜によれば、織布または不織布基材の裏打ちにより、多孔質支持体がサポートされ、その上にガラス状ポリマーの被膜が施されて、順にサポートできることを特徴としている。本発明では、多孔質支持体には、限定しないけれども、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミド(PA)、ポリ(アミドヒドラジド)(PAH)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニルスルホン(PPSf)、ポリフェニレンサルファイドスルホン(PPSS)、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリ(フタラジノンエーテルスルホンケトン)(PPESK)、セルロースアセテート(CA)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリアクリロニトリル(PAN)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜が挙げられ、好ましくはポリアクリロニトリル(PAN)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜である。
またセラミック支持体を、本発明に係るパーベーパレーション膜の多孔質担体(支持体)として用いてもよい。本発明のパーベーパレーション膜は、高い選択性と、高められた透過流束とを併せ持つ。選択性を有する薄い表層が設けられた追加の支持体(典型的には限外濾過膜)を付与することにより、膜の機械的安定性は、選択性に大幅な影響を与えることなく達成される。さらに、多孔質支持体の構造は、被膜の効率的な塗工を可能にする。
多孔質支持体上に、凝集体が充填された25μm以下の被膜を含んだパーベーパレーション膜を提供できること、及び結果として得られるパーベーパレーション膜の性能が、先行技術に記載されたものと比べて、大幅に増加することが見出された。本発明者らは、アルコール/水の流束、より具体的には膜を介したエタノール/水の流束が、膜の選択性に大幅な影響を与えることなく、著しく増加していることを見出した。
被膜平均厚みを小さくすること、被膜の最大平均厚みを25μm、あるいは最大平均厚み20μm、19μm、18μm、17μm、16μm、15μm、14μm、13μm、12μm、11μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、又は0.5μmとすることによって、高い選択性及び高められた透過流束の双方を示すことができるパーベーパレーション膜を提供することを、本発明者らは見出した。被膜の平均厚みが数μm増加するだけで、パーベーパレーションの流束はかなり減少し、パーベーパレーション膜の性能に大きなマイナスの効果をもたらすことが見出されている。被膜平均厚み約30μmまでは、わずかでも増加すると、本発明に係る膜の透過流束と比べて25%以上も透過流束が減少することを示す。多孔質支持体の表層に、例えば、シリカ充填されたポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)被膜を有するパーベーパレーション膜で、平均厚みが最大でも25μmのときには、膜を介した透過流束は著しく増加し、期待以上のものであることを見出した。
本願で使用される用語「パーベーパレーション」は、非多孔質膜を介する部分的な蒸発による液体の混合物の分離方法をいう。この膜に基づくプロセスは、二つの基本的工程を含む。1段階目は、膜を介する透過物(permeant)の透過、続いて、透過物の気相中への蒸発である。このプロセスは、精製および分析プロセスを含む様々なプロセスとして、多くの業界で使用されている。
したがって、パーベーパレーション膜は、二相間で選択的バリアーとして機能し、液相が供給で気相が透過となる。パーベーパレーション膜は、供給液体の所望成分が、気化によって膜を介して移送できるようにする。成分の分離は、膜を通る個々の成分の移送速度の差に基づいている。一般に、膜の上流側は周囲圧力であり、下流側は真空、又は不活性ガスが吹き流されていて、膜を通って透過した後、選択する成分を蒸発させる。分離のための駆動力は、両側の成分の分圧の差異であり、供給中の試料の揮発性の差異ではない。
成分(例えば、水やアルコールなどの溶剤)の分離は、膜を通る個々の成分の移送速度の差に基づいている。この移送機構は、膜への成分の溶解割合/量、及び膜を通る移送速度(拡散性で表される)に基づいて、溶液−拡散モデルを用いて説明することができる。膜に対する成分の溶解割合/量、及び膜を通る移送速度は、個々の供給成分又は膜材料との組合せのいずれに対しても異なるであろう。
パーベーパレーションは、その希薄な水溶液からエタノールなどの溶媒を分離するために工業規模で使用されている。エタノール/水分離が重要な要素となる用途の1つは、バイオエタノールの生産である。バイオエタノールは、酵母の特定の品種が産生する酵素による糖が発酵して製造することができる。エタノールが発酵プロセスにネガティブな影響(微生物の生産物阻害)を与えないように、生成されるアルコールを連続的に反応混合物から除去されるべきである。このことは、蒸留や溶媒抽出等の従来技術により行うことができるが、これらのプロセスは、通常、水溶液が含む溶剤濃度がとても低いので、非常にエネルギー消費量が多いものとなる。エタノール選択膜を用いるパーベーパレーションは、発酵培養液からの低濃度バイオエタノールの分離を、経済的で効果的にすることができる方法である。パーベーパレーションは、一般的にエタノール、ブタノール等のアルコール類のような有機溶剤を含む希釈された水性混合物の分離に使用されるプロセスである。
したがって、本発明は、多孔質支持体上に、凝集体を充填したPTMSP被膜を有する新規なパーベーパレーション膜であって、前記被膜の平均厚みが、最大でも25μmであるパーベーパレーション膜に関する。特定の実施形態では、前記凝集体充填された被膜の平均厚みが、250nmよりも大きいが25μm、20μm、19μm、18μm、17μm、16μm、15μm、14μm、13μm、12μm、11μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、0.5μm以下である。
本発明者らは、凝集体が充填されたPTMSP被膜、あるいはナノ粒子の凝集体を含むPTMSP被膜、好ましくはシリカ充填されたPTMSP又はPTMSP−シリカ被膜で、多孔質支持体上に平均厚み25μm以下とする適用が、強化された特性を有するパーベーパレーション膜を提供できることを見出した。本発明のパーベーパレーション膜は、浸透流速が高められ、且つ高い選択性を示す。
当業者は、多孔質支持体上の凝集体充填PTMSP被膜は、ガラス状ポリマーと組み合わせて、シリカ、金属酸化物及び/又はこれらの凝集体のようなナノ粒子の形態で、好ましくは非多孔質材料を含む被膜として説明されることができるであろうことに留意すべきである。ナノ粒子は、好ましくは、高い比表面積を持っている。ナノ粒子は、例えば、それらを疎水性にするために、処理または被覆されることができる。ガラス状ポリマーは、ポリマーが使用される温度を超えるガラス転移温度を有するポリマーを指す。本発明で使用されるガラス状ポリマーは、100℃以上のガラス転移温度を有する。好ましくは、このガラス状ポリマーは、少なくとも0.20の断片的(fractional)フリーボリュームを意味する、高いフリーボリュームを持っている。本発明によって想定される可能なガラス状ポリマーは、置換ポリアセチレンポリマーであり、PTMSP、PTBA、PPP、PTMSDPA、PTMGP及び/又はPMPから選択されるが、これらに限定しない。本発明のパーベーパレーション膜に使用されるガラス状ポリマーは、置換されたポリアセチレンポリマーであることが好ましく、より好ましくはPTMSPである。他のタイプのナノ粒子フィラーとしては、金属有機フレームワーク、シルセスキオキサン(silsequioxanes)、ナノゼオライト及び/又はカーボンナノチューブなどが挙げられる。
本発明に係るパーベーパレーション膜は、好ましくは、ポリアクリロニトリル(PAN)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)多孔質支持体を含む。PANは、アクリロニトリルの重合により得られる。これにより、PANは、例えば、繊維やシート形状の長い線状分子を形成している。PVDFは高度な非反応性で純粋な熱可塑性フッ素系重合体をいう。PVDFは、一般的に高純度、強度、及び溶剤、酸、塩基、熱に対する耐性を必要とする用途に用いられるフッ素系樹脂ファミリーの特定のプラスチック材料である。
本発明者らは、PAN又はPVDF多孔質支持体上に被膜を施すことにより、選択性に大幅な影響を与えずに、パーベーパレーション膜の機械的安定性を確保できることを見出した。さらに、膜を通過する透過流束が増大した。
特定の実施態様において、本発明は、凝集体が充填されたPTMSP−被膜を有するPAN多孔質支持体を含む本発明のパーベーパレーション膜に関し、前記被膜膜の平均厚みは2〜25μmであり、例えば、15〜25μm、17〜23μm、例えば約20μmである。特定の実施形態では、PAN多孔質支持体上の前記凝集体充填PTMSPの平均厚みは、250nmよりも大きいが25μm、24μm、23μm、22μm、21μm、20μm、19μm、18μm、17μm、16μm、15μm、14μm、13μm、12μm、11μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1 μmまたは0.5μmよりも小さい。
より特定の実施態様において、本発明は、凝集体を充填したPTMSP被膜を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)多孔質支持体を含むパーベーパレーション膜に関し、前記被膜の平均厚みは、0.5〜25μmであることが好ましく、2.5〜20μm、例えば5〜15μm、6〜12μm、または5〜9μmである。特に、前記PVDF多孔質支持体上の凝集体充填被膜の平均厚みは、250nmよりも大きく、25μm、20μm、19μm、18μm、17μm、16μm、15μm、14μm、13μm、12μm、11μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1 μmまたは0.5μmよりも小さい。
当業者であれば、前記平均厚みは、被膜の平均厚みが多孔質支持体の最表層の平均厚みを指すことを理解するであろうことに留意すべきである。当業者は、塗装工程を行っている間に、被膜材料の一部が多孔質支持体に浸透し(infiltrate)、これにより、多孔質支持体内に被膜材料が堆積されることを、さらに認識するであろう。
上記で提供された平均の厚みを有する塗膜と組み合わせた多孔質支持体を含むパーベーパレーション膜を使用することにより、本発明者らは、透過流束が、選択性を損なうことなしに大幅に増加することを見出した。また、PVDFの特有の性質(高度な非反応性、高純度と強度、及び溶剤、酸、塩基、熱への耐性)は、有機溶媒中での長期安定性と高耐性を有する本発明のパーベーパレーション膜を提供する。本発明のパーベーパレーション膜は有機溶剤を含む液体流の取り扱いに特に有用であるため、特に便利である。
特定の態様において、本発明に係る膜は、少なくとも部分的に水が飽和している。より具体的には、本発明に係るパーベーパレーション膜は、水が飽和したポリフッ化ビニリデン(PVDF)多孔質支持体を含み、多孔質支持体の水の飽和は、被膜の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上である。
本発明者らは、さらに水の飽和は、多孔質支持体、好ましくはPVDF支持体が、膜を通過する透過流束において重要な役割を果たしていることを発見した。多孔質支持体(好ましくはPVDF)を飽和する水が増加すると、膜を通過する透過流束が増加することが示された。乾燥したPVDF多孔質支持体に比べて、飽和水量が増大したPVDF多孔質支持体は、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、最も好ましくは少なくとも50%、透過流束の増加を示すだろう。
本明細書中で使用される水の飽和は、多孔質支持体の飽和度として定義することができる。飽和度(SW)は、以下のように定義できる。
ここで、Φは材料の気孔率、Vは空孔部分の体積、Vwは水の体積、VTは材料の層体積、θは水の体積含有率を示す。飽和度の値は、0(ドライ)から1(飽和)の範囲で指定できる。
本発明の代替の実施形態における膜では、水飽和されていない。
本発明によれば、ガラス状の被膜、より具体的にはPTMSP被膜は、凝集体で充填されている。このことは、緻密な被膜、好ましくは高いフリーボリュームを有するポリマーからなる被膜が、粒子を含むこと、より具体的には非多孔質で、凝集体として存在しているナノ粒子を含むことを意味する。すなわち、ファンデルワールス力や化学結合の結果として、相互作用する粒子を含む緻密被膜を意味する。特定の態様において、粒子は、シリカ又は金属酸化物のような他の非多孔質無機粒子である。
特定の態様においては、本発明に係る膜は、好ましくは0.01重量%〜90重量%の非多孔質粒子、より好ましくは0.01重量%と60重量%、さらに好ましくは0.01重量%〜50重量%、0.01重量%〜40重量%、0.01重量%〜30重量%、0.01重量%〜20重量%、0.01重量%〜10重量%の非多孔質粒子を含む。本発明に係る膜は、70重量%〜90重量%の非多孔質粒子を含むことができる。本発明の膜は、0.003体積%〜75体積%、0.01重量%〜50重量%の非多孔質粒子を含むことが好ましい。本明細書において提供される重量%は、乾燥物質の量に対する割合である。
特定の実施形態によれば、凝集体を充填した被膜は、DeSitterらに記載の方法(Jounal of membrane Science278巻(2006年)、83−91頁、参照により本明細書に組み入れられる)によって得られる。簡単に言えば、膜の製造方法は、次の3段階の溶剤キャストの手順である。最初に、シリカを、30分間の超音波攪拌および3時間の磁気撹拌により、トルエン中に分散させる。次に、PTMSPを、シリカ/トルエン分散液に溶解させ、最後に、得られた溶液をガラス板上に流延し、乾燥させる。この方法によって、シリカ凝集体を含んだ膜が得られる。
これらの実施形態では、ポリマーマトリックスにおいて、粒子の凝集体のすきまに生じるナノサイズの空孔を含み、その空孔の平均サイズは、フィラーの含有量と共に増加することが観察されている。凝集体が充填された被膜は、純粋(凝集体が充填されていない)PTMSP膜と比べて、透過性が増大し、その透過性の増大は、増加する充填材の含有率に伴って増大する。
特定の実施形態では、フィラー粒子は、凝集体の平均サイズが50nm以上、350nm以下、好ましくは200nmを有するように整えられる。凝集体のサイズ分布の標準偏差は、300nm又はそれ以下、好ましくは250nm以下、好ましくは200nm以下、好ましくは150nm以下、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nmよりも小さい。これは、凝集体サイズが、好ましくは、示されるような標準偏差を持つように分配されることを意味する。凝集体の平均サイズと標準偏差は、数の分布に基づいている。本発明に係る膜の凝集体サイズの分布は、好ましくは、表1に示す範囲内であり、より好ましくは表2に示す範囲内である。
明確に定義された凝集体のサイズ分布は、均一で再現性のある性能を有する製品をもたらす。確かに、大きすぎる凝集体は、隙間の穴が大きすぎることになり、このことは、膜の選択性に悪い影響を与える。したがって、ほとんどの場合、凝集体サイズは、好ましくは、膜の透過性と選択性が最適なバランスとなるように、選択される。
特定の態様において、膜は、シリカが充填されたPTMSP被膜を含む。本明細書中で使用されるシリカ充填PTMSP被膜は、シリカ及びPTMSPを含む被膜材料をいう。以下に詳述されるように、被膜は、多孔質支持体上にコーティング溶液を適用した結果である。より特定の実施形態では、前記コーティング溶液は、シリカ0.1〜50重量%、溶媒に溶解したPTMSP0.1〜5重量%を含む。前記溶媒は、好ましくは、トルエン、ヘキサン、ベンゼン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチルまたはこれらの組み合わせ若しくは混合物、好ましくはトルエンである。好ましくは、前記コーティング溶液は、0.5〜2.5重量%シリカ、0.5〜2.5重量%PTMSP、95〜99重量%溶媒、より好ましくは1〜2重量%のシリカ、1〜2重量%PTMSP、96〜98重量%溶媒を含むことを特徴とする。最も好ましくは、前記コーティング溶液は、1.5重量%のシリカ、1.5重量%のPTMSP、及び97重量%の溶剤を含む。
上記で述べたように、本発明に係る膜は、より具体的には特に興味のある特性を有し、より好ましくは、高い流束速度と高い選択性を有している。
本発明のより特定の実施態様において、本発明に係るパーベーパレーション膜は、2.0以上、好ましくは、少なくとも2.1、2.2、2.3、2.4または2.5kg/(m2・h)の(エタノール/水)透過流束(約50℃の温度で10/90(V /V)%エタノール/水の混合物について測定)を提供する。より好ましくは、本発明のパーベーパレーション膜の(エタノール/水)透過流束は、少なくとも2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、です。 4.0、4.5、5.0、5.5又は6.0kg/(m2・h)以上である。
本明細書中で使用されるように、単位面積あたり及び単位時間あたりの、膜を通過する化合物の移送量は、透過流束と定義される。透過流束は、重量測定によりきめられ、下記式により算出される。
J=m/A・t
式中、mは、単位膜面積A、ろ過時間tあたりの透過された液体重量を示す。
本発明のより特定の実施態様において、本発明に係るパーベーパレーション膜の(エタノール/水)の分離係数(seperation factor)α(エタノール/H2O)は、少なくとも8であり、より特定的には少なくとも9、最も特定的には少なくとも10、更により特定的に少なくとも15、少なくとも20または少なくとも25である。前記分離係数は、パーベーパレーション膜の選択性を特徴づけるパラメータである。分離係数は、次式に従って計算することができる。

式中、X及びYは、それぞれ、保持液(retetatet)及び透過液(permeate)における重量分率を表している。
さらに、本発明に係るパーベーパレーション膜の透過分離指数(pervaporation separation index:PSI)は、少なくとも20kg/(m2・h)以上であり、好ましくは24kg/(m2・h)以上、より好ましくは30kg/(m2・h)以上、最も好ましくは35kg/(m2・h)以上である。パーベーパレーション分離指数(PSI)は、単一のパラメータに、透過流束および分離係数を組み合わせた一般的なパラメータである。パーベーパレーション分離指数(PSI)は、次式を用いて計算されることができる。
PSI= J(α−1)
当業者であれば、分離係数が1(unity)であるときは、PSIはゼロであることに気づくだろう。このような特定の場合では、分離がおこらない。
より特定の実施態様において、本発明は、前記パーベーパレーション膜が、さらに追加の支持体(support)を含むパーベーパレーション膜に関する。前記追加の支持体は、限定しないが、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び/又はこれらを組み合わせた材料からなる織布または不織布であることが好ましい。
本発明のさらなる見地は、パーベーパレーション膜の製造方法に関する。当該製造方法は、以下の工程を含む:
(a)ナノ粒子凝集体を含むPTMSP溶液で、多孔質支持体をコートする工程;及び
(b)前記多孔質支持体上に、前記凝集体が充填されたPTMSP溶液を、20〜75℃の温度で、少なくとも8時間蒸発させ、これにより、前記多孔質支持体上に、凝集体が充填されたPTMSPを設けたパーベーパレーション膜を提供する工程。
前記凝集体が充填されたPTMSP溶液(好ましくはPTMSP−シリカ溶液)で前記多孔質支持体をコーティングすることは、当該分野で公知の方法により行われる。例えば、限定しないが、浸漬、はけ塗り(paintiing)、噴霧、たたき塗り(dabbing)、あるいは多孔質支持体上に塗工液を注ぐなどの方法により行われる。
要求される特性を有する薄い被膜を提供するためには、コーティング溶液の蒸発を、徐々に且つコントロールされた方式で行うことが不可欠である。もし、コーティング溶液が、急速な方法で乾燥される場合、被膜の厚みが非常に不規則となって、本発明のパーベーパレーション膜に必要な特性を付与しないことを、発明者らは、見出した。このコーティング液の蒸発は、周囲温度で、20〜75℃の温度とすることが好ましく、より好ましくは20〜55℃であり、さらに好ましくは、20〜40℃、さらにもっと好ましくは、周囲温度であり、20〜25℃で8時間以上とすることが好ましく、より好ましくは12時間以上、さらに好ましくは20時間以上、好ましくは24時間以上である。
特定の実施形態における本発明の方法において用いられる凝集体が充填されたPTMSP溶液は、溶媒中に溶解した0.1〜5重量%のPTMSP、及び0.1〜50質量%シリカを含むPTMSP−シリカ溶液であり、前記溶媒は、好ましくはトルエン、ヘキサン、ベンゼン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、またはこれらの組み合わせであり、好ましくはトルエンである。好ましくはPTMSP−シリカ溶液は、0.5〜2.5重量%のシリカ、0.5〜2.5重量%のPTMSP、95〜99重量%の溶媒を含み、より好ましくは1〜2重量%のシリカ、1〜2重量%のPTMSP、及び96〜98重量%の溶媒である。好ましいPTMSP−シリカ溶液は、1.5重量%のシリカ、1.5重量%のPTMSP、97重量%の溶媒を含む。さらに、シリカ:PTMSPの比は、2:1〜1:2の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは1:1である。PTMSP−シリカ溶液の蒸発は、当該分野でよく知られている蒸発を用いて行い、好ましくは、周囲条件下(好ましくは22℃)で、24時間以上の蒸発を行う。
本発明に係る方法は、さらに、工程(b)のパーベーパレーション膜が熱処理され、これにより残存溶媒を除去する工程を含んでもよい。ここで用いられる前記熱処理は、65℃以上(より好ましくは65〜75℃の温度範囲)で少なくとも1時間、工程(b)のパーベーパレーション膜の処理を行うことを含んでもよい。
より具体的には、多孔質支持体上に、平均厚みが25μm以下であるPTMSP−シリカ被膜を堆積する。前記被膜がPAN多孔質支持体上に堆積される場合、被膜の平均厚みは、好ましくは2〜25μm、例えば、15〜25μm、17〜23μm、又は約20μmである。前記被膜が、PVDF多孔質支持体上に堆積される場合、被膜の平均厚みは、好ましくは0.5〜25μm、より好ましくは20μm以下、15μm以下、12以下程度、特に9μm以下が好ましく、さらに5μm以下が好ましい。
本発明のさらなる態様は、パーベーパレーション又はナノ濾過により、成分の混合物を分離するための装置のようなツールであって、本発明に係るパーベーパレーション膜を含んでいるツールに関する。本発明のパーベーパレーション膜を、パーベーパレーションまたはナノろ過による成分の混合物を分離するための装置に使用する用途を見出すことができる。本発明のパーベーパレーション膜は、(流体)成分の混合物を分離するためのプロセスにおいて、有利に用いられ得ることができる。
本発明のさらなる態様は、パーベーパレーションまたはナノ濾過による混合物の分離プロセスにおける本発明のパーベーパレーション膜の使用にも関する。
より好ましくは、水とアルコール成分の混合物を、パーベーパレーションまたはナノろ過により、アルコールリッチ画分及びアルコールプア画分に分離するプロセスにおける、本発明のパーベーパレーション膜の使用である。前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノールおよび/またはtert−ブタノールから選択されてもよい。
本発明のパーベーパレーション膜は、発酵ブロスのような希釈水性液から、バイオアルコール等のバイオ生産物などの有機成分を分離するOPVプロセスにおいても、頻繁に用いられる。また、悪臭やフレグランスなどのアロマ化合物の単離および精製のためにも、本発明のパーベーパレーション膜を用いることができる。
追加的応用としては、小さな溶存有機化合物を有機溶剤から分離する有機溶剤ナノ濾過がある。典型的な用途には、溶剤回収、濃縮、分離及び小分子の精製および(均質)触媒の回収と再利用が含まれる。
本発明のパーベーパレーション膜が用いられるプロセスは、蒸留などの技術分野で公知の他の分離技術のために高効率の代替手段を提供することを示した。本発明のパーベーパレーション膜はさらに共沸混合物、クローズ沸騰(close−boiling)および/または感熱性液体の混合物の分離を可能にするマイルドで非破壊性の分離技術を提供する。パーベーパレーション膜は複雑な処理システムではさらに一定基準化及び統合化が可能である。パーベーパレーション膜は、広範な溶媒の環境下でも安定であり、さらに市販の膜に比べて改善された性能を示している。
実施例1−PTMSP薄膜含有パーベーパレーション膜の特性を示す例
本例では、市販の膜と本発明に係る膜の比較を示す。
本発明のパーベーパレーション膜は、ポリアクリロニトリル(PAN)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)から調製される多孔質支持体を用いており、この膜は、(1−トリメチルシリル−1−プロピン)(PTMSP)と疎水性シリカから調製される、薄い選択的表層で覆われている。本実施例で使用した市販膜は、PERVAP4060とPervatechPDMSである。
N−メチルピロリジノン(NMP)中に15重量%PAN又はPVDFを含有する塗工(casting)用溶液が調製され、完全に溶解するまで、磁気攪拌した。得られた均質溶液を、自動フィルムアプリケーターを用いて、ポリエステル布上に塗工した。塗工直後に、形成されつつある(naszent)ポリマーフィルムを、室温で蒸留水の浴に浸漬し、ここで、デミキシングと凝固がおこる。30分後、膜を、凝固浴から取り出し、蒸留水中でやさしく1時間煮沸した。その後、膜を室温まで冷却し、水性ホルムアルデヒド溶液(1重量%)中に保存して、細孔崩壊と微生物の増殖を阻止した。
PTMSP−シリカ薄膜を、乾燥した支持体上又はホルムアルデヒド水溶液で飽和した支持体の各々に付けた。後者の場合にのみ、表面の水分は、吸収性ティッシュペーパーで表面を軽く叩くことにより除去した。一方、乾燥した支持体は、60℃で1時間真空乾燥することによって得られた。薄膜複合膜は、PAN又はPVDF支持体上に、PTMSP−シリカ溶液をコーティングすることによって調製した。このコーティング溶液は、1.5重量%のPTMSP、1.5重量%のシリカ、及び97重量%のトルエンからなり、1.5重量%濃度で、疎水性シリカをトルエンに添加することによって調製し、その後、分散液を30分間超音波処理し、次いで、3時間、磁気的攪拌をした。この分散液に、1.5重量%のPTMSPを添加し、ポリマー−シリカ懸濁液を、ポリマーが完全に溶解するまで、磁気的に4日間攪拌した。塗布後、塗膜を周囲の空気(22℃)中で24時間蒸発させ、得られた薄膜含有膜を、真空オーブン中で、70℃、1時間、熱処理することにより、残留トルエンを除去した。シート状の膜は、最後に真空乾燥され、乾燥条件下で貯蔵された。
ImageJの画像解析ソフトウェアを組み合わせた走査型電子顕微鏡(SEM)が、支持体の表面気孔率を決定するために使用された。JEOLコールドフィールドエミッション走査型電子顕微鏡(FEGSEM)タイプJSM6340Fは、膜表面および断面を観察するために用いられた。
パーベーパレーション測定は、3.7cmの有効膜面積を有する二つのAmafilterテストセルを用いた、ある研究所が開発したパーベーパレーションシステムに基づいて実施した。供給物は、遠心ポンプで循環し、マイクロプロセッサ制御による浸漬加熱サーキュレータを用いて一定温度に維持した。加熱部材を浸透容器の頂部に置き、パイプラインが凍結することを防止した。ロータリーベーン真空ポンプを用いて、透過側で、中程度の真空を維持した。膜はテストセルの中に置かれ、その後、10重量%エタノール水溶液の供給混合物を約12L/hで膜を介して循環させた。供給物は、50℃に保持され、蒸気側の圧力を約0.04ミリバールに保持した。透過物は、液体窒素で満たされた冷却筒に浸漬したステンレス鋼の容器内で濃縮された。最初の非平衡状態の後、透過物が脱離させられている間に、サンプルを採取した。供給サンプル、濃縮サンプル、透過のサンプルが、半自動の、容積カールフィッシャー滴定装置上の水のために、分析された。透過流束は、重量測定により決定され、下記式で算出した。
J=m/(A・t)
ここで、mは、単位膜面積A及び濾過時間tあたりの透過重量を表す。
分離係数α(エタノール/H2O)は、次の式に従って算出した。

式中、X及びYは、それぞれ、保持液及び透過液における重量分率を表す。ある複合形状(composite figure)の利点について透過流束及び分離係数を要約するために、パーベーパレーション分離指数(PSI)を、次式を用いて計算した。
PSI=J(α−1)
分離係数が1(unity)の値のときは、分離が起きないので、PSIがゼロであることに気づくであろう。
すべての報告された流束と選択性は、2枚のシート状膜(4クーポンごと)から切り出した円形クーポン上の8つのPV測定に基づく平均値である。流束と選択性の値は、8%未満の変動を表わす。
図1、図2および図3は、本発明に係るPTMSP薄膜含有パーベーパレーション膜の断面のSEM画像を示す。図1及び図2は、PVDF支持体層を薄いPTMSP−シリカ膜で被覆したものを示している。平均被膜厚みは6〜12μmの範囲である。図3は、PAN支持体層を薄いPTMSP−シリカ膜で被覆したものを示している。平均被膜厚みは約20μmである。表において、本発明のパーベーパレーション膜の特性は、2つの市販されているPDMS系膜である、PERVAP4060及びPervatechと比較される。

PTMSP−シリカ薄膜含有膜が首尾よく調製され、エタノール/水混合物のパーベーパレーションに適用された。パーベーパレーション膜の特性評価は、エタノール/水分離係数(表のα(EtOH/H2O)として表される)で約12、流束3.7kg/(m2・h)までとなり、緻密PTMSP−シリカ膜(データは示さず)と比べて、流束が5−8倍の増加を示した。市販の膜と比べると、本発明のパーベーパレーション膜は、エタノール選択性及び流束の双方において優れている。PV結果は、選択性を変えずに、透過物(permeate)の流束を48%増加できるので、水で飽和したPVDF支持体の使用を提案している。PTMSP−シリカ薄膜含有膜は、このように魅力的な流束−選択性を併せ持つことから、水流からアルコールを分離する可能性を明らかに秘めている。

Claims (16)

  1. 多孔質支持体上に、凝集体を充填したポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)(PTMSP)被膜を備えたパーベーパレーション膜であって、前記凝集体は非多孔質のナノ粒子であり、前記凝集体を充填したポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)被膜の平均厚みは25μm以下であるパーベーパレーション膜。
  2. 前記多孔質支持体は、多孔質ポリアクリロニトリル又は多孔質ポリビニリデンフルオライドである請求項1に記載のパーベーパレーション膜。
  3. 前記多孔質支持体は、多孔質ポリアクリロニトリル膜であって、前記凝集体充填ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)被膜の平均厚みは2〜25μmである請求項2に記載のパーベーパレーション膜。
  4. 前記多孔質支持体は、多孔質ポリビニリデンフルオライドであって、前記凝集体充填ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)被膜の平均厚みは0.5〜25μmである請求項2に記載のパーベーパレーション膜。
  5. 前記凝集体は、平均粒径サイズが50nm以上200nm以下のナノ粒子である請求項1〜4のいずれかに記載のパーベーパレーション膜。
  6. 前記凝集体は、シリカ又は金属酸化物粒子の凝集体である請求項1〜5のいずれかに記載のパーベーパレーション膜。
  7. 前記膜を通過するエタノール及び水の混合物の透過流束は、2.0kg/(m2・h)以上ある請求項1〜6のいずれかに記載のパーベーパレーション膜。
  8. 前記パーベーパレーション膜のエタノール/水分離係数(separation factor)は、7以上である請求項1〜7のいずれかに記載のパーベーパレーション膜。
  9. 前記パーベーパレーション膜は、さらに別の支持体を含んでいる請求項1〜8のいずれかに記載のパーベーパレーション膜。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つのパーベーパレーション膜の製造方法であって、
    前記方法は、乾燥後の前記被膜の平均厚みが25μm以下となるように、凝集体が充填されたポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)(PTMSP)溶液で多孔質支持体をコートする工程を含む方法。
  11. (a)凝集体が充填されたPTMSP溶液で多孔質支持体をコートする工程;
    (b)前記多孔質支持体上にコートされた、前記PTMSP溶液を、20〜75℃範囲の温度で8時間以上蒸発させ、これにより、多孔質支持体上に、非多孔質ナノ粒子である凝集体が充填された平均厚み25μm以下の凝集体充填PTMSP被膜を備えたパーベーパレーション膜を提供する工程
    を含むパーベーパレーション膜の製造方法。
  12. 工程(b)のパーベーパレーション膜は、熱処理され、これにより残留溶媒を除去する請求項11に記載の方法。
  13. 前記被膜の平均厚みは、15μm以下である請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. パーベーパレーション又はナノ濾過による成分混合物の分離装置であって、請求項1〜9のいずれかに記載のパーベーパレーション膜を含む装置。
  15. パーベーパレーション又はナノ濾過による成分混合物を分離するプロセスにおける、請求項1〜9のいずれかのパーベーパレーション膜の使用。
  16. 前記成分混合物は、水及びアルコールの混合物であって、前記プロセスにおける成分混合物を、アルコールリッチ画分とアルコールプア画分とに分離する請求項15に記載の使用。
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