JP5515583B2 - フェノール樹脂及びエポキシ樹脂並びにエポキシ樹脂硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、取り扱い性、保存時の安定性に優れ、かつ、機械的強度、耐熱性及び耐湿性に優れた硬化物を与える新規フェノール樹脂に関する。また、電気・電子部品の封止材料、成形材料、注型材料、積層材料、複合材料、接着剤及び粉体塗料等の用途に有用である、本発明のフェノール樹脂又は該フェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂を含有してなる硬化性エポキシ樹脂組成物及びその硬化体に関する。
フェノール樹脂は種々のエポキシ剤で硬化させることにより、機械的性質、耐湿性、電気的性質などに優れた硬化物を与えるので電気・電子部品の封止材料、成形材料、注型材料、積層材料、複合材料、接着剤及び粉体塗料等などの幅広い分野に利用されている(特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、技術の進歩に伴い、フェノール樹脂の高性能化に対する要求が高まってきており、従来のフェノール樹脂ではその要求に対応できなくなってきた。例えば、電気・電子用途の分野においては封止材料の小型化、薄型化技術の進展に伴い、低粘度のフェノール樹脂が望まれているが、これは小型化した部品内部の狭い空隙にも十分に樹脂を送り込ませる必要があるためである。
半導体の封止方法としては、経済性、生産性、物性のバランスからエポキシ樹脂による樹脂封止が一般的に使用されており、中でもオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノールノボラック硬化剤とシリカなどの無機充填材とからなる樹脂封止が広く使用されてきた。しかし近年、LSIチップの大型化、パッケージの薄型化/小型化、実装方式の変更などに伴い、封止材に対する要求性能が大きく変わってきており、従来のエポキシ樹脂封止材料では、耐湿性、耐熱性、信頼性などの点で充分な対応が難しくなってきている。例えば、半田付け時の熱処理時に、吸湿水分の急激な気化膨張に伴うパッケージのクラックや剥離の発生が問題になっている。とくに最近では鉛フリー半田が多用されるようになり、この問題は一層厳しくなってきている。また難燃剤として使用されてきた臭素化合物やアンチモン化合物などが、環境問題からその使用が見直されている。
このため吸湿性が低く、半田付け温度における弾性率が低い、接着性に優れたフェノール樹脂や硬化剤の開発が望まれている。併せて、燃えにくく難燃性に優れたフェノール樹脂やエポキシ樹脂の開発が望まれている。
このような要望を満足する硬化剤として、4,4’−ビスメチルビフェニル化合物とフェノール化合物とから誘導されるビフェニル骨格を有するフェノール系重合体が注目されている(例えば特許文献1〜3参照)。ところが半導体封止材などの製造時の混練ロールやニーダーの温度は120℃以下であり、これ以上の高い温度では、混練中にエポキシ樹脂と硬化剤の反応による粘度増加などの問題が起こるため、封止材の製造が困難となる。そのため、この用途に用いられる硬化剤やエポキシ樹脂は、その軟化点が100℃以下、好ましくは80℃以下のものが望ましい。また半導体封止材に配合することが必須の無機フィラーを多量に配合しても、成形時の溶融粘度を低く維持するためには、硬化剤やエポキシ樹脂の成形温度域での溶融粘度が低いことが望まれている。
しかしながら上記文献記載のビフェニル骨格を有するフェノール系重合体は、溶融粘度を低下させるために平均分子量を小さくしていくと、融点(軟化点)の低下がおこり、取り扱い性、保管時の安定性に問題があった。
すなわちこのような分子量を小さくする手法では、低溶融粘度とこれらフェノール樹脂としての払い出し、計量、移送等の取り扱い性(ハンドリング)、保管時の安定性(樹脂がブロッキングしにくい)、エポキシ樹脂組成物、EMC(Epoxy Moldering Compound)の計量、移送等のハンドリング、保管時の安定性(組成物がブロッキングしにくい)、およびエポキシ樹脂組成物、EMC(Epoxy Moldering Compound)製造工程でのフェノール樹脂の移送、計量、粉砕等のハンドリング性を両立させることができなかった。
そこで本発明者らは、低溶融粘度とフェノール樹脂としての取り扱い性(ハンドリング)、エポキシ樹脂組成物の取り扱い性(ハンドリング)、およびエポキシ樹脂組成物の作成時の取り扱い性(ハンドリング)、保存時の安定性を両立させ、しかも成形硬化性、低吸水性のフェノール系重合体を得るべく検討を行った。
その結果、CuKα線により測定したX回折パターンにおいて回折角2θが17〜19°の範囲に結晶性化合物であることを示す最大強度ピークを有するフェノール樹脂とすることによって、このような性能を充足するものを得ることが可能であることを見出すに至った。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、具体的には、以下の構成を有する。
(1) 下記一般式(1)〜(3)で表される3種類の繰り返し単位からなるフェノール樹脂とし、CuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17.0°〜19.0°の範囲に鋭い(半値幅1.0以下)最大強度ピークを有するフェノール樹脂である。
Figure 0005515583
Figure 0005515583
Figure 0005515583
(式中、Rは水素原子、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。フェノール樹脂の構造の末端に結合手が来るときは、水素原子が前記結合手に結合するものとする。)
(2) 式(1)中のRが水素原子である前記(1)に記載のフェノール樹脂である。
(3) 下記一般式(4)で表されるフェノール類と、下記一般式(5)で表されるビフェニル化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られる前記(1)又は(2)に記載のフェノール樹脂の製造方法である。
Figure 0005515583
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または水酸基のいずれかである。)
Figure 0005515583
(式中、X及びXは、ハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかであり、X及びXは同一でも異なっていてもよい。)
(4) フレーク状または、マーブル状である上記一般式(4)で表されるフェノール類と、上記一般式(5)で表されるビフェニル化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られるフェノール樹脂。
(5) 下記一般式(4)で表されるフェノール類と、下記一般式(5)で表されるビフェニル化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られるフェノール樹脂とし、CuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17.0°〜19.0°の範囲に半値幅1.0以下の最大強度ピークを有するフェノール樹脂である。
Figure 0005515583
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または水酸基のいずれかである。)
Figure 0005515583
(式中、X及びXは、ハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかであり、X及びXは同一でも異なっていてもよい。)
(6) ペレット状である前記(1),(2),(4)又は(5)のいずれか一つに記載のフェノール樹脂である。
(7) 前記(1),(2),(4)又は(5)のいずれか一つに記載のフェノール樹脂と、エピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂である。
(8) 前記(1),(2),(4)又は(5)のいずれか一つに記載のフェノール樹脂と、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
(9) 前記(7)に記載のエポキシ樹脂と、硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
(10) 半導体封止用に用いられる前記(8)又は(9)に記載のエポキシ樹脂組成物である。
(11) 前記(8)又は(9)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物である。
(12) 前記(8)又は(9)に記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置である。
本発明によれば、成形材、各種バインダー、コーティング材、積層材などに有用な、低軟化点、低溶融粘度のフェノール樹脂を提供することができる。特に本発明のフェノール樹脂は、フレークト状またはマーブル状である場合に、フレークト状またはマーブル状同士のブロッキングが抑制される。また、エポキシ樹脂硬化剤として有用であり、とりわけ半導体封止用として用いた場合に、低吸水性、熱時低弾性率、高接着性で、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物を形成することができる。
本発明の実施例1〜3及び比較例1で得られたフェノール樹脂のX線回折のチャートを縦に並べた図である。
本発明の一般式(1)、(2)、(3)で表される3種類の繰り返し単位からなるフェノール樹脂において、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または水酸基のいずれかである。Rがアルキル基である場合において、炭素数が7以上になると、耐熱性が低下するという問題がある。
また、本発明の一般式(1)、(2)、(3)で表される3種類の繰り返し単位からなるフェノール樹脂は、例えば、フェノール類とビフェニル化合物とホルムアルデヒドとを触媒の存在下又は不存在下で縮合反応させることによって得られる。
前記フェノール類は、一般式(1)及び一般式(4)で記載したとおり、ベンゼン環に水酸基を少なくとも1個有し、Rは水素、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。
これらのフェノール類は、単独でも2種以上を併用してもよい。
具体的なフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ヘキシルフェノール、ノニルフェノール、キシレノール、ブチルメチルフェノール等の1価フェノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等の2価フェノールが挙げられる。前記フェノール類の中でも、本発明のフェノール樹脂を用いてエポキシ樹脂硬化物とした際に耐熱性が高く、フェノール樹脂の溶融粘度が低いという観点から、フェノールが好ましい。
前記ビフェニル化合物は、一般式(2)及び一般式(5)で記載したとおり、2つの置換基を有するビフェニル化合物であり、Xはハロゲン原子、ヒドロキシル基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基のいずれかである。
具体的には、4,4’−ビス(ハロゲノメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(ハロゲノメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(ハロゲノメチル)ビフェニル等のビス(ハロゲノメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(アルコキシメチル)ビフェニル等のビス(アルコキシメチル)ビフェニル、あるいは、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル等のビス(ヒドロキシメチル)ビフェニルが挙げられる。
前記ビフェニル化合物において、Xは、反応性の観点から、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基であることが好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及び沃素が挙げられるが、取り扱い性及び反応性の観点から塩素が好ましい。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜6個の脂肪族アルコキシが好ましく、取り扱い性及び反応性の観点からメトキシ基およびエトキシ基がより好ましい。
また、ビフェニル化合物の2つの置換基の位置は、特に制限されないが、得られるフェノール樹脂の粘度が低くなる観点から、4位及び4’位であることが好ましい。
前記ビフェニル化合物として、好ましい具体的な化合物としては、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(エトキシメチル)ビフェニル、が挙げられる。
前記ビフェニル化合物は、1種のみを単独出使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
本発明のフェノール樹脂において、メチレン架橋基を形成する化合物としては、特に制限はないが、ホルムアルデヒドが好適である。前記ホルムアルデヒドは種々の方法で用いることができる。前記ホルムアルデヒドを用いる方法としては、例えば、反応系にホルムアルデヒド水溶液を添加する方法、及びパラホルムアルデヒド、トリオキサン等酸存在下で分解してホルムアルデヒドとなる重合物を反応系に添加する方法などを用いることもできる。
前記ホルムアルデヒドを用いる方法の中でも、ホルムアルデヒド水溶液を反応系に添加する方法が簡便であり好ましい。また、ホルムアルデヒド水溶液としては、市販品の42%ホルムアルデヒド水溶液をそのまま使用することができる。
前記ビフェニル化合物が、ビス(ハロゲノメチル)ビフェニルである場合には、ビス(ハロゲノメチル)ビフェニルの分解によって発生する酸が触媒となる。また、僅かな水を存在させることによって反応を開始させることもでき、反応によって生じるハロゲン化水素によって、さらに反応を進行させることができる。
また、ビフェニル化合物が、ビス(アルコキシメチル)ビフェニルやビス(ヒドロキシメチル)ビフェニルである場合には、酸触媒を添加する必要がある。
前記酸触媒としては、リン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、弗化水素酸等の無機酸、蓚酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸等の有機酸、塩化亜鉛、塩化第2錫、塩化第2鉄、ジエチル硫酸などのフリーデルクラフツ触媒を使うことができる。前記酸触媒は、1種のみを用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
本発明のフェノール樹脂を半導体封止材の原料として使う場合には、触媒痕が残らない観点から、塩酸等のハロゲン化水素酸又は蓚酸を触媒とすることが好ましい。
本発明のフェノール樹脂は、一般式(1)、(2)、(3)で表される3種類の繰り返し単位からなるフェノール化合物を主成分として含有する。
本発明のフェノール樹脂は、重量平均分子量が600〜1000であることが好ましく、750〜850であることがより好ましい。重量平均分子量が低すぎると、本発明のフェノール樹脂を用いてエポキシ樹脂硬化物とした際に、耐熱性が悪くなる傾向がある。また、重量平均分子量が高すぎると、本発明のフェノール樹脂を用いてエポキシ樹脂組成物とした場合に、粘度が高くなる傾向がある。
本発明のフェノール樹脂において、一般式(2)で表される繰り返し単位と、一般式(3)で表される繰り返し単位とのモル比は、8:2〜5:5であることが好ましい。一般式(2)で表される繰り返し単位が少なすぎると、得られるフェノール樹脂やエポキシ樹脂硬化物の難燃性が低くなる場合がある。また、一般式(3)で表される繰り返し単位が少なすぎると、得られるエポキシ樹脂硬化物の耐熱性が低くなる場合がある。
本発明のフェノール樹脂において、フェノール樹脂の軟化点が、65〜80℃であることが好ましい。軟化点が低すぎると、フェノール樹脂がブロッキングする場合があり、高すぎると封止材用エポキシ樹脂組成物の製造が困難となる場合がある。
本発明のフェノール樹脂は、X線回折において、2θ=17.0〜19.0°に鋭い(半値幅1.0以下)最大強度ピークを有する。特に、2θ=18.6°付近に、鋭い(半値幅1.0以下)ピークを有するのが好ましい。
本発明のフェノール樹脂は、結晶化を促進させて得ることが好ましい。フェノール樹脂の結晶化促進方法としては、例えば、高温で溶融状態のフェノール樹脂をバット等に抜き出し自然冷却により固形化する方法、抜き出した後、あらかじめ用意したそのフェノール樹脂の結晶固形物を結晶核として少量添加し結晶化を促進する方法、溶融状態のフェノール樹脂を攪拌したり、振動を与えるなどにより結晶化を促進する方法、ニーダーなどで強い外力を加えながら抜き出す方法、過冷却にならないように温度を管理しながら結晶化を促進させる方法などが上げられ、これらの方法を単独あるいは複数組み合わせて行うことができる。本発明のフェノール樹脂についても上記のような操作を行い、固化することが、生産性の観点から望ましい。
本発明のフェノール樹脂は、重合後、必要に応じて未反応モノマーの留去や洗浄を行い、フレーク化又はマーブル化することができる。
工業的には、反応生成物を反応装置内で結晶化させ、この溶融状態のフェノール樹脂をフレーク状、またはマーブル状に取り出す方法等があり、特に指定がなく公知の方法を用いることができる。
また溶融した反応生成物を、スリットフレーカー、オープンフレーカー、造粒機などを通し、ドラムフレーカーや冷却ベルトに連続的に滴下することによって、フレーク状もしくは、マーブル状に工業的に取り出す場合生産性の観点から望ましい。
前記フレーク化又はマーブル化の方法としては、工業化においては、溶融状態又は軟化した状態のフェノール樹脂をドラムフレーカーや冷却ベルトに連続的に滴下し、固化を効率的に行うことができる。また、前記フレーク化又はマーブル化の方法としては、融状態又は軟化した状態のフェノール樹脂を板状に取り出し徐冷した後、破砕する方法や、マーブル状に取り出したフェノール樹脂を徐冷する方法も採用することができる。
具体的には、通常未反応フェノール類の除去はフェノール類の沸点近傍かそれ以上の温度で実施されるため、フェノール類除去直後のフェノール樹脂は溶融状態である。この溶融状態のフェノール樹脂を徐冷させ、固形化させる。
本発明のフェノール樹脂は、バインダー、コーティング材、積層材、成形材料等の用途に広く使用できるが、特に低溶融粘度で、しかも高ガラス転移温度、低吸湿性、高密着性、耐熱性、速硬化、難燃性を有し、フェノール樹脂としての取り扱い性(ハンドリング)、エポキシ樹脂組成物の取り扱い性(ハンドリング)、およびエポキシ樹脂組成物の作成時の取り扱い性(ハンドリング)が良好であるところから、特に半導体封止用、プリント基板絶縁用などのエポキシ硬化剤に適している。
[エポキシ樹脂]
本発明のフェノール樹脂を、アルカリ金属水酸化物存在下で、エピハロヒドリンを反応させることによって、エポキシ樹脂を得ることができる。エピハロヒドリンを反応させる際の反応温度としては、40〜150℃が好ましく、50〜120℃がより好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が挙げられる。前記アルカリ金属水酸化物の添加量は、前記フェノール樹脂の水酸基当量に対して、0.8〜1.2倍モルが好ましく、0.9〜1.1倍モルがより好ましい。
前記エピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロルヒドリンやα−メチルエピクロルヒドリン、γ−メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。前記エピハロヒドリンの添加量は、フェノール樹脂の水酸基当量に対して、2〜20倍モルが好ましく、2〜10倍モルがより好ましい。
フェノール樹脂のエポキシ化反応では、必要に応じて、テトラメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩触媒やメタノール等の非プロトン性極性溶媒など添加することができる。
エポキシ化反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを蒸留除去し、残留物をメチルイソブチルケトン等の有機溶剤に溶解し、ろ過し水洗して無機塩を除去し、次いで有機溶剤を留去することにより、目的とするエポキシ樹脂を得ることができる。
[エポキシ樹脂組成物]
本発明のフェノール樹脂は、エポキシ樹脂用硬化剤として用いることができる。よって、通常使用されるエポキシ樹脂と本発明のフェノール樹脂との組成物、上述した本発明のフェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂と通常使用されるフェノール樹脂との組成物、上述した本発明のフェノール樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂と本発明のフェノール樹脂との組成物とすることにより、エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
このエポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤や充填剤等の一般的に使用される添加剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、フェノール樹脂とエポキシ樹脂の配合比は、耐熱性、機械的特性などを考慮すると、水酸基/エポキシ基の当量比が0.5〜1.5、とくに0.8〜1.2の範囲にあるようにすることが好ましい。また他の硬化剤と併用する場合にも、水酸基/エポキシ基の当量比が上記割合となるように調節するのが好ましい。
前記硬化促進剤は、硬化特性や諸物性を考慮すると、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲で使用するのが好ましい。さらに半導体封止用のエポキシ樹脂組成物においては、無機充填剤の種類によっても若干異なるが、はんだ耐熱性、成形性(溶融粘度、流動性)、低応力性、低吸水性などを考慮すると、無機充填剤がエポキシ樹脂組成物全体の60〜93重量%を占めるような割合で配合することが好ましい。
エポキシ樹脂組成物を調製する場合の一般的な方法としては、所定の割合の各原料を、例えばミキサーによって充分混合後、熱ロールやニーダーなどによって混練処理を加え、さらに冷却固化後、適当な大きさに粉砕し、必要に応じタブレット化するどの方法を挙げることができる。このようにして得たエポキシ樹脂組成物は、例えば低圧トランスファー成形などにより半導体封止に用いることができる。前記エポキシ樹脂組成物の硬化は、例えば100〜250℃の温度範囲で行なうことができる。
[エポキシ樹脂硬化物]
本発明のフェノール樹脂は、エポキシ樹脂用硬化剤として用いることができる。エポキシ樹脂硬化物はフェノール樹脂とエポキシ樹脂及び硬化促進剤を混合し、100〜250℃の温度範囲で硬化させることによりエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂など、分子中にエポキシ基を二個以上有するエポキシ樹脂などが挙げられる。これらエポキシ樹脂は単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
[硬化促進剤]
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂をフェノール系硬化剤で硬化させるための公知の硬化促進剤を用いることが出来る。このような硬化促進剤としては例えば有機ホスフィン化合物およびそのボロン塩、3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール類及びそのテトラフェニルボロン塩などを挙げることができるが、この中でも、硬化性や耐湿性の点から、トリフェニルホスフィン及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)が好ましい。また、より高流動性にするためには、加熱により活性が発現する熱潜在性の硬化促進剤がより好ましく、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルホスフォニウム誘導体が好ましい。
[その他添加剤]
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、無機充填剤、離型剤、着色剤、難燃剤、低応力剤等を、添加または予め反応して用いることができる。特に半導体封止用に使用する場合は、無機充填剤の添加するのが好ましい。
前記無機充填剤としては、例えば、非晶性シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、ガラス、珪酸カルシウム、石膏、炭酸カルシウム、マグネサイト、クレー、タルク、マイカ、マグネシア、硫酸バリウムなどを挙げることができるが、とくに非晶性シリカ、結晶性シリカなどが好ましい。これら添加剤の使用量は、従来の半導体封止用エポキシ樹脂組成物における使用量と同様でよい。
本発明のフェノール樹脂は適当量のフェノールノボラック樹脂単位を有し、エポキシ樹脂硬化剤として用いた場合、得られるエポキシ樹脂組成物は低粘度で取り扱いやすく、速硬化性を有する。また、前記エポキシ樹脂組成物から得られるエポキシ樹脂硬化物は高いガラス転移温度、低吸湿性、高密着性、耐熱性、難燃性に優れる。
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、フェノール376g(4モル)、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル(以下、4,4’−BCMBと略記する。)150.70g(0.6モル)を仕込み100℃で3時間反応させ、その後42%ホルムアルデヒド水溶液28.57g(0.4モル)を添加し、その後、100℃で3時間反応させた。その間、生成する塩化水素を除去した。
反応終了後、得られた反応溶液を冷却し、水洗を1回行った。油層を分離し、減圧蒸留により未反応フェノールを留去し、フラスコ内温を100℃まで冷却し、フェノール樹脂の結晶固形物を結晶核として少量添加しそのままの温度で1時間攪拌を行い、結晶化を促進させ、樹脂状物をバットに抜き出し、25℃にて自然冷却させ、スリットフレーカーによりフレーク化した。これにより194gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂のJIS K 2207に基づく環球法軟化点は75℃であり、150℃におけるICI粘度は44mPa・sであり、取扱性は良好であった。得られたフェノール樹脂をCuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17°〜19°の範囲に結晶性化合物であることを示す最大強度ピークを有するものであった。得られたフェノール樹脂のX線回折強度を図1に示す。実施例1のフェノール樹脂は、2θ=18.6に半値幅が1.0以下の鋭いピークが検出された。
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、フェノール376g(4.0モル)、4,4’−ジ(メトキシメチル)ビフェニル(以下、4,4’−BMMBと略記する。)145.2g(0.6モル)、42%ホルムアルデヒド水溶液28.28g(0.40モル)、50%硫酸水溶液0.14gを仕込み、100℃で3時間反応させた。
その後、反応温度を125℃に保ちながら2時間反応させその後165℃に昇温し、3時間反応を行った。その間、生成するメタノールを留去した。反応終了後、得られた反応溶液を冷却し、水洗を1回行った。油層を分離し、減圧蒸留により未反応フェノールを留去し、フラスコ内温を130℃まで冷却した。溶融状態のフェノール樹脂に、フェノール樹脂の結晶固形物を結晶核として少量添加し、130℃で2時間攪拌を行い、結晶化を促進させ、樹脂状物をバットに抜き出し、25℃にて自然冷却させ、スリットフレーカーによりフレーク化した。これにより196gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂のJIS K 2207に基づく環球法軟化点は、64℃であり、150℃におけるICI粘度は43mPa・sであり、取扱性は良好であった。得られたフェノール樹脂をCuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17°〜19°の範囲に結晶性化合物であることを示す最大強度ピークを有するものであった。得られたフェノール樹脂のX線回折強度を図1に示す。実施例2のフェノール樹脂は、2θ=18.6に半値幅が1.0以下の鋭いピークが検出された。
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、フェノール376g(4モル)、4,4’−BCMB150.70g(0.6モル)を仕込み100℃で3時間反応させ、その後42%ホルムアルデヒド水溶液28.57g(0.4モル)を添加し、その後、100℃で3時間反応させた。その間、生成するメタノールを留去した。反応終了後、得られた反応溶液を冷却し、水洗を1回行った。油層を分離し、減圧蒸留により未反応フェノールを留去し溶融状態のフェノール樹脂をバットに抜き出し、ガラス棒で十数回攪拌したのち、25℃にて自然冷却させた。約2時間後には全体が結晶固化しており、これをスリットフレーカーによりフレーク化することにより203gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂のJIS K 2207に基づく環球法軟化点は、65℃であり、150℃におけるICI粘度は44mPa・sであり、取扱性は良好であった。得られたフェノール樹脂をCuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17°〜19°の範囲に結晶性化合物であることを示す最大強度ピークを有するものであった。得られたフェノール樹脂のX線回折強度を図1に示す。実施例3のフェノール樹脂は、2θ=18.6に鋭いピークが検出された。
攪拌装置、及びコンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応容器に、実施例1で得られたフェノールノボラック樹脂149.4g(0.90モル)、エピクロルヒドリン499.5g(5.40モル)、メタノール46.88gを仕込み、均一に溶解させた。50℃で固形の96%水酸化ナトリウム37.5g(0.90モル)を90分かけて分割投入した。その後50℃で2時間反応させ、70℃昇温後さらに2時間反応を継続した。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧下において除去した。
釜残にメチルイソブチルケトンを240g投入し溶解させた。25%水酸化ナトリウム水溶液14.40g(0.09モル)を添加し70℃で1時間反応させた。反応終了後、水層が中性になるまで水洗処理を5回繰り返した。加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去することで191gのエポキシ樹脂Bを得た。
得られたエポキシ樹脂の150℃におけるICI粘度は34mPa・sであり、エポキシ当量は233g/eq、軟化点は40℃以下であった。
比較例1
撹拌装置、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えたガラス製反応釜に、フェノール376g(4モル)、4,4’−BCMB150.70g(0.6モル)を仕込み100℃で3時間反応させ、その後42%ホルムアルデヒド水溶液28.57g(0.4モル)を添加し、その後、100℃で3時間反応させた。その間、生成する塩化水素を除去した。反応終了後、得られた反応溶液を冷却し、水洗を1回行った。油層を分離し、減圧蒸留により未反応フェノールを留去し溶融状態のフェノール樹脂をバットに抜き出し、そのバットを10℃の水が入った水槽に入れて冷却させた。約30分後には全体が冷却されており、これをとりだすことにより198gのフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂のJIS K 2207に基づく環球法軟化点は軟化点は58℃であり、150℃におけるICI粘度は44mPa・sであり、軟化点が低く取り扱いに難点があった。得られたフェノール樹脂をCuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17°〜19°の範囲に結晶性化合物であることを示す最大強度ピークを有さないものであった。得られたフェノール樹脂のX線回折強度を図1に示す。比較例1のフェノール樹脂は、2θ=19.1に、半値幅7.2の非常にブロードなピークが検出されたのみであった。
[EMC(Epoxy Moldering Compoundの製造]
表1に示す配合比で、エポキシ樹脂組成物を製造した。実施例1,2,3で得たフェノール樹脂を硬化剤A,B,Cとし、フェノール樹Dとして、HF−3M(明和化成社製 OH当量107g/eq)、ビフェニルエポキシ樹脂(ジャパン エポキシ レジン社製;YX−4000、エポキシ当量188g/eq)をエポキシ樹脂A、溶融シリカ、トリフェニルホスフィン(TPP)を表1に示す割合、すなわちフェノール水酸基当量とエポキシ当量比が1:1となるように配合した。これに83wt%になるように充填剤を加え、これらを、100℃〜110℃の条件で2軸ニーダで混練後粉砕しEMC粉体を調整した。
得られたEMC粉体を用いてタブレットを作成し、スパイラルフロー測定を行った。
また、トランスファー成形機にて試験片を作成し、180℃ 8hrのポストキュアをTMA、曲げ強度、難燃評価用のテストピースを得た。
各種物性の試験方法は次の通りである。これらを表1に示す。
[スパイラルフローの測定]
スパイラルフローは、低圧トランスファー成形機を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型に、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、保圧時間120秒の条件でEMC組成物を注入し、流動長を測定した。
[ガラス転移点(Tg)の測定]
ガラス転移点は、TMA法(Thermal Mechanical Analysis、熱機械分析法)(昇温速度5℃/分)を用いて測定した。
[機械強度(曲げ弾性率)の測定]
機械強度(曲げ弾性率)は、JIS K 7171に準拠して測定した。
[難燃性の評価]
難燃性は、UL−94に準拠して評価した。試験片のサイズは厚さ1mm×長さ135mm×幅10mmとした。
[フェノール樹脂の軟化点の測定]
フェノール樹脂の軟化点は、JIS K2207に基づく環球法にて測定した。
[ICI粘度の測定]
ICIコーンプレート粘度計(MODEL CV−1S TOA工業社製)を用いて、フェノール樹脂のICI粘度の測定を下記のように行った。
ICI粘度計のプレート温度を150℃に設定し、試料を所定量、秤量した。その後、プレート部に秤量した樹脂を置き、上部よりコーンで押えつけ、90sec放置した。前記コーンを回転させて、そのトルク値をICI粘度として読み取った。
[取り扱い性(ブロッキング性)評価]
実施例1〜3及び比較例1にて合成したフェノール樹脂をハンマーでフレーク状に粉砕し、このフレーク状フェノール樹脂100gを口径7.5cm、高さ8.0cmのポリプロピレン製カップに入れ、27℃で2時間放置した。評価基準を以下に示す。
◎:前記フェノール樹脂をカップから取り出し、前記フェノール樹脂が元のペレット状(フレーク状)に自然に分かれる。
○:前記フェノール樹脂をカップから取り出した段階では一部カップの形状を残すが、手で容易にほぐしてペレット状にすることができる。
△:前記フェノール樹脂をカップから取り出した段階では一部カップの形状を残すが、力を入れれば手でほぐしてフレーク状にすることができる。
×:力を入れて手でほぐそうとしても、カップの形状のままほぐせない。
[フェノール樹脂のX線回折測定]
株式会社リガク製 TTR-3型 広角X線回折装置を用いて以下の条件にて、フェノール樹脂のX線回折の測定をおこなった。2θ=17〜19°にピークが存在する場合は○、存在しない場合は×とした。
X線源:CuKα線
管電圧−管電流:50kV−300mA
測定範囲:2-70deg.
ステップ幅:0.02deg.
測定速度:5deg./min.
スリット(発散スリット-受光スリット-散乱スリット):0.5deg.−0.15mm−0.5deg.
走査速度:5deg/min
回折線湾曲結晶モノクロメータ
Figure 0005515583
特開2007−106928号公報 特開2008−156553号公報

Claims (12)

  1. 下記一般式(4)で表されるフェノール類と、下記一般式(5)で表されるビフェニル化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られるフェノール樹脂であって、
    下記一般式(1)〜(3)で表される3種類の繰り返し単位からなり、CuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17.0°〜19.0°の範囲に半値幅が1.0以下である鋭い最大強度ピークを有するフェノール樹脂。
    Figure 0005515583
    (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または水酸基のいずれかである。)
    Figure 0005515583
    (式中、X及びXは、ハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかであり、X及びXは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0005515583
    (式中、Rは水素原子、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。フェノール樹脂の構造の末端に結合手が来るときは、水素原子が前記結合手に結合するものとする。)
    Figure 0005515583
    (式中、Rは水素原子、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。フェノール樹脂の構造の末端に結合手が来るときは、水素原子が前記結合手に結合するものとする。)
    Figure 0005515583
    (式中、Rは水素原子、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。フェノール樹脂の構造の末端に結合手が来るときは、水素原子が前記結合手に結合するものと
    する。)
  2. 下記一般式(1)〜(3)で表される3種類の繰り返し単位からなるフェノール樹脂で、CuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17.0°〜19.0°の範囲に半値幅が1.0以下である鋭い最大強度ピークを有し、重量平均分子量が750以上であるフェノール樹脂。
    Figure 0005515583
    (式中、Rは水素原子、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。フェノール樹脂の構造の末端に結合手が来るときは、水素原子が前記結合手に結合するものとする。)
    Figure 0005515583
    (式中、Rは水素原子、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。フェノール樹脂の構造の末端に結合手が来るときは、水素原子が前記結合手に結合するものとする。)
    Figure 0005515583
    (式中、Rは水素原子、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。フェノール樹脂の構造の末端に結合手が来るときは、水素原子が前記結合手に結合するものと
    する。)
    ただし、式(1’)で表わされるフェノールアラルキル型のフェノール樹脂であって、GPCにより測定される式(2’)〜(4’)で表わされる化合物の合計含有量が58〜92%であり、HPLCにより測定される式(2’)〜(4’)で表わされる化合物の成分比が、以下の関係式で表されるフェノール樹脂を除く。
    0.60≦(2a+b)/(2a+2b+2c)≦0.90
    a;式(2’)の化合物の含有割合
    b;式(3’)の化合物の含有割合
    c;式(4’)の化合物の含有割合
    なお、GPC測定は、カラム:カラム:GPC KF-803+GPC KF-802.5+GPC KF-802+GPC KF-801(昭和電工(株)製)、カラム温度:40℃、溶離液:テトラヒドロフラン、流速:1ml/min.、検出:RIにて行い、HPLC測定は、カラム;Inertsil、ODS−2(4.6mm×150mm)、(ジーエル サイエンス(株)製)、カラム温度;40℃ 溶離液:水/アセトニトリル、グラジエント:30%(アセトニトリル)→100%(28分/グラジエント)、流速:1ml/min.、検出:UV(274nm)にて行う。
    Figure 0005515583
    (式(1’)において、nは繰り返し数を表わし、1〜10の正数を表わす。)
    Figure 0005515583
  3. 前記一般式(1)〜(3)中のRが水素原子である請求項1又は2に記載のフェノール樹脂。
  4. 150℃でのICI粘度が30〜70mPa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフェノール樹脂。
  5. 下記一般式(4)で表されるフェノール類と、下記一般式(5)で表されるビフェニル化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られる請求項1〜のいずれかに記載のフェノール樹脂の製造方法。
    Figure 0005515583
    (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または水酸基のいずれかである。)
    Figure 0005515583
    (式中、X及びXは、ハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかであり、X及びXは同一でも異なっていてもよい。)
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のフェノール樹脂と、エピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載のフェノール樹脂と、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項に記載のエポキシ樹脂と、硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物。
  9. 半導体封止用に用いられる請求項又はに記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項又はに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物。
  11. 請求項又はに記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置。
  12. 下記一般式(1)〜(3)で表される3種類の繰り返し単位からなるフェノール樹脂において、CuKα線により測定したX線回折パターンにおいて、回折角2θが17.0°〜19.0°の範囲に半値幅が1.0以下である鋭い最大強度ピークを有するように結晶化を行わせることによって、前記フェノール樹脂からなるペレット化物(但し、フレーク化物及びマーブル化物を含む。)の保管時のブロッキングを抑制する方法。
    Figure 0005515583
    (式中、Rは水素原子、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。フェノール樹脂の構造の末端に結合手が来るときは、水素原子が前記結合手に結合するものとする。)
    Figure 0005515583
    (式中、Rは水素原子、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。フェノール樹脂の構造の末端に結合手が来るときは、水素原子が前記結合手に結合するものとする。)
    Figure 0005515583
    (式中、Rは水素原子、炭素数6以下のアルキル基または水酸基のいずれかである。フェノール樹脂の構造の末端に結合手が来るときは、水素原子が前記結合手に結合するものとする。)
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