JP5514847B2

JP5514847B2 - インクジェット記録装置

Info

Publication number: JP5514847B2
Application number: JP2012037387A
Authority: JP
Inventors: 博史清本; 和彦大津; 崇也北脇
Original assignee: Toshiba TEC Corp
Current assignee: Toshiba TEC Corp
Priority date: 2012-02-23
Filing date: 2012-02-23
Publication date: 2014-06-04
Anticipated expiration: 2032-02-23
Also published as: JP2013173235A

Description

本発明の実施形態は、インクジェット記録装置に関する。

紙媒体にインクジェット記録を行なうインクとして、水性インクジェットインクが知られている。カラー画像の画質を高めるために、水性インクジェットインクでの記録に先立って、速乾性の前処理液（プレコート液）で紙媒体を処理することが提案されている（例えば、特許文献１参照）。前処理には、ペクチン類とグリコールエーテル類とを含有する前処理液が用いられる。

インクジェット記録が行なわれると、紙媒体にはカールなどの変形が生じることがある。特に、紙媒体に吐出される水性インクジェットインクの吐出量が多くなると、カールの発生は顕著になる。水性インクジェットインクを用いても紙媒体のカールを十分に抑制しつつ、優れた品質の画像を高速で形成できるインクジェット記録装置は、未だ得られていないのが現状である。

特開２０１０−６９７４９号公報

本発明が解決しようとする課題は、紙媒体のカールを抑制しつつ、水性インクジェットインクを用いて高速で印字を行なって、優れた品質の画像を形成できるインクジェットインク記録装置を提供することにある。

実施形態のインクジェット記録装置は、紙媒体にプレコート液を適用してプレコート層を形成する前処理部と、前記プレコート層が形成された紙媒体に向けて水性インクジェットインクを吐出して、前記プレコート層上に画像を形成する記録用インクジェットヘッドとを具備する。前記プレコート液は、その総量の４０〜６０質量％の水と、その総量の３０〜５０質量％を占め、重量平均分子量１０００以下のポリオキシエチレンジグリセリルエーテルおよび重量平均分子量１０００以下のポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルから選択されるポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルと、その総量の１〜５質量％のグリコールエーテルと、その総量の０．１〜１質量％を占め、ペクチンおよびカラギーナンから選択される少なくとも一種の多糖類とを含有する。前記水性インクジェットインクは、その総量の４０〜６０質量％の水と、その総量の３０〜５０質量％を占め、重量平均分子量１０００以下のポリオキシエチレンジグリセリルエーテルおよび重量平均分子量１０００以下のポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルから選択されるポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルと、その総量の１〜５質量％のグリコールエーテルと、その総量の１〜１０質量％の顔料とを含有する。

実施の一形態のインクジェット記録装置の構成を表わす概略図。

以下、図面を参照して実施形態を具体的に説明する。

図１は、一実施形態にかかるインクジェット記録装置の構成を表わす概略図である。図示するインクジェット記録装置は、サイズの異なる用紙Ｐを収容した用紙カセット１００および１０１を備えている。選択された用紙サイズに対応した用紙Ｐを取り出すために、用紙カセット１００および１０１には、給紙ローラ１０２および１０３がそれぞれ設けられている。各用紙カセットから取り出された用紙Ｐが搬送される経路には、搬送ローラ対１０４および１０５がそれぞれ設けられ、搬送ベルト１０７の近傍にはレジストローラ対１０６が配置されている。

搬送ベルト１０７は、駆動ローラ１０８と２本の従動ローラ１０９とによって張力が与えられている。搬送ベルト１０７には所定間隔で貫通孔が設けられ、搬送ベルト１０７の内側には、ファン１１０に連結された負圧チャンバ１１１が設置されている。ファン１１０および負圧チャンバ１１１の作用によって、用紙Ｐを搬送ベルト１０７に吸着させることができる。搬送ベルト１０７の用紙搬送方向下流には、搬送ローラ対１１２、１１３、および１１４が順次設置されている。

搬送ベルト１０７の上方には、５列のインクジェットヘッドが配置されている。搬送方向の上流から、プレコート液を吐出するインクジェットヘッド１１５Ｓ、シアン（Ｃ）インクを吐出するインクジェットヘッド１１５Ｃ、マゼンタ（Ｍ）インクを吐出するインクジェットヘッド１１５Ｍ、イエロー（Ｙ）インクを吐出するインクジェットヘッド１１５Ｙ、およびブラック（Ｂｋ）インクを吐出するインクジェットヘッド１１５Ｂｋの順である。インクジェットヘッド１１５Ｃ、１１５Ｍ、１１５Ｙ、および１１５Ｂｋは、画像データに応じてそれぞれのインクを用紙に吐出する。インクを吐出するこれらのインクジェットヘッドは、記録用インクジェットヘッドと称することができる。

インクジェットヘッド１１５Ｓから吐出されるプレコート液は、プレコート液カートリッジ１１６Ｓに収容されており、チューブ１１７Ｓを介してインクジェットヘッド１１５Ｓに送給される。インクジェットヘッド１１５Ｓ，チューブ１１７Ｓ，およびプレコート液カートリッジ１１６Ｓによって、前処理部１２０が構成される。プレコート液カートリッジ１１６Ｓからインクジェットヘッド１１５Ｓへのプレコート液の送給は、インク供給制御部（図示せず）によって制御され、インクジェットヘッド１１５Ｓからのプレコート液の吐出は、インクジェットヘッド駆動制御部（図示せず）によって制御される。

各インクジェットヘッド１１５Ｃ，１１５Ｍ，１１５Ｙ，および１１５Ｂｋから吐出される各インクは、いずれも水性インクジェットインクであり、シアン（Ｃ）インクカートリッジ１１６Ｃ、マゼンタ（Ｍ）インクカートリッジ１１６Ｍ、イエロー（Ｙ）インクカートリッジ１１６Ｙ、およびブラック（Ｂｋ）インクカートリッジ１１６Ｂｋにそれぞれ収容されている。各インクは、チューブ１１７Ｃ、１１７Ｍ、１１７Ｙ、および１１７Ｂｋを介して、対応するインクジェットヘッド１１５Ｃ、１１５Ｍ、１１５Ｙ、および１１５Ｂｋにそれぞれ送給される。プレコート液の場合と同様、インクカートリッジからインクジェットヘッドへのインクの供給は、インク供給制御部（図示せず）によって制御され、インクジェットヘッドからのインクの吐出は、インクジェットヘッド駆動制御部（図示せず）によって制御される。

図示するインクジェット記録装置においては、プレコート液は、インクジェットヘッド１１５Ｓを用いて用紙Ｐの所定の領域に塗布されるが、プレコート液の塗布方法はこれに限定されない。プレコート液は、円筒状の塗布ローラを用いて用紙Ｐ全体に塗布することもできる。

図示するインクジェット記録装置の画像形成動作について、以下に説明する。

まず、画像処理手段（図示しない）により記録のための画像処理が開始され、記録のための画像データが各インクジェットヘッド１１５Ｓ、１１５Ｃ、１１５Ｍ、１１５Ｙ、および１１５Ｂｋに転送される。用紙カセット１００または１０１からは、選択された用紙サイズの用紙Ｐが、給紙ローラ１０２または１０３によって一枚ずつ取り出される。この用紙Ｐは、搬送ローラ対１０４または１０５を経て、レジストローラ対１０６でスキューが補正された後、所定のタイミングで搬送ベルト１０７上に給紙される。

負圧チャンバ１１１は、搬送ベルト１０７の貫通孔を介して空気を吸い込んでいるので、用紙Ｐは搬送ベルト１０７に吸着された状態でインクジェットヘッド１１５Ｓ、１１５Ｃ、１１５Ｍ、１１５Ｙ、および１１５Ｂｋの下側を搬送される。各インクジェットヘッド１１５Ｓ，１１５Ｃ，１１５Ｍ，１１５Ｙおよび１１５Ｂｋと用紙Ｐとの間には、一定の間隔が保たれる。

レジストローラ対１０６から用紙Ｐが搬送されるタイミングに同期させて、まず、インクジェットヘッド１１５Ｓからプレコート液を吐出させる。用紙Ｐ表面にはプレコート層が形成され、これによって用紙Ｐに前処理が施される。ここで用いられるプレコート液は、以下に詳細に説明するように特定の組成を有するものである。

プレコート層が形成された用紙Ｐは、記録用インクジェットヘッドの下方に搬送されて、各インクジェットヘッド１１５Ｃ、１１５Ｍ、１１５Ｙ、および１１５Ｂｋから、各色の水性インクジェットインクを吐出させる。用紙Ｐは、所定の位置にカラー画像が形成された後、搬送ローラ対１１２、１１３、および１１４によって排紙トレイ１１８に排紙される。記録に用いられる水性インクジェットインクは、以下に詳細に説明するように、特定の組成を有するものである。

図１に示した装置においてインクジェット記録が行なわれる用紙Ｐは、紙媒体と称することができる。紙媒体とは、一般的には、印刷されることを目的に使用される紙製の媒体をさす。紙媒体は、印刷特性を高めるための材料が塗布されたアート紙やコート紙などの塗工用紙と、紙自体の特性を生かした非塗工用紙とに大別される。紙媒体は、本、書籍、新聞、包装、およびプリンター用紙など、種々の用途に用いられる。また、段ボール、紙製の容器、およびボール紙などの厚紙も紙媒体に含まれる。例えば、オフィスや家庭で使用する複写機、プリンターに使用されるコピー用紙のような、いわゆる普通紙は、典型的な紙媒体である。

本実施形態のインクジェット記録装置を用いることによって、水性インクジェットインクを用いて高速で印字を行なって、優れた品質の画像を紙媒体に形成することができる。しかも、印字後にはカール等の紙媒体の変形も抑制される。こうした効果は、前処理部において紙媒体を特定の組成のプレコート液で前処理し、その後、特定の組成の水性インクジェットインクを用いて記録を行なうことによって得られたものである。

プレコート液は、溶媒と多糖類とを含有する。具体的には、溶媒は、プレコート液総量の４０〜６０質量％の水、プレコート液総量の３０〜５０質量％のポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル、およびプレコート液総量の１〜５質量％のグリコールエーテルを含む。

一方の水性インクジェットインクは、分散媒と顔料とを含有する。具体的には、分散媒は、水性インクジェットインク総量の４０〜６０質量％の水、水性インクジェットインク総量の３０〜５０質量％のポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル、および水性インクジェットインク総量の１〜５質量％のグリコールエーテルを含む。すなわち、上述したプレコート液における溶媒が、水性インクジェットインクにおいては分散媒として用いられる。

ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルは、重量平均分子量１０００以下のポリオキシエチレンジグリセリルエーテルおよび重量平均分子量１０００以下のポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルから選択される。

３０〜５０質量％のポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルと４０〜６０質量％の水とを組み合わせることによって、カール抑制効果が得られることが本発明者らによって見出された。なお、水性インクジェットインクに通常用いられている分散媒は、例えばグリコール系溶媒と６０質量％以上の水との混合液である。上記組成のプレコート液および水性インクジェットインクは、通常の水性インクジェットインクよりも溶解度パラメーターが疎水側にシフトしているため、紙繊維の膨潤による紙強度の低下を抑制するものと考えられる。その結果、紙媒体のカールが低減されるものと推測される。

プレコート液および水性インクジェットインクのいずれにおいても、水の量がその総量の４０質量％未満の場合には、その粘度が大きくなってインクジェットヘッドからの吐出性が低下する。一方、水の量がその総量の６０質量％を超えると、紙媒体のカールを抑制することができない。プレコート液および水性インクジェットインクのいずれの場合も、水の量は、その総量の４０〜５５質量％であることが好ましい。水としては、例えば、純水、イオン交換水などを用いることができる。

また、プレコート液および水性インクジェットインクのいずれにおいても、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルの量がその総量の３０質量％未満の場合には、紙媒体のカールを十分に抑制することができない。一方、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルの量がその総量の５０質量％を越えると、その粘度が高くなってインクジェットヘッドから安定に吐出することできない。プレコート液および水性インクジェットインクのいずれの場合も、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルの量は、その総量の３０〜４５質量％が好ましい。

水およびポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルは、プレコート液または水性インクジェットインクの総量に対して所定の濃度となるように配合されていれば、所望の効果を得ることができる。したがって、水の量とポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルの量との間には、特に制限はない。

なお、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルの重量平均分子量が１０００を超えると、インクジェットヘッドからの吐出安定性が低下する。重量平均分子量が１０００以下のポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルが含有された場合には、粘度および保存安定性も適切となる。一方、カール抑制効果を考慮すると、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルの重量平均分子量は、４００以上であることが望まれる。ポリオキエチレンジグリセリルエーテルの重量平均分子量は、４５０〜７００がより好ましく、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルの重量平均分子量は、４００〜７００がより好ましい。

特定のポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルとともに水が、それぞれ所定の量で含有されるので、本実施形態で用いられるプレコート液および水性インクジェットインクは、紙媒体に付着した際には速乾性に優れ、紙媒体のカールを極力抑制することができる。しかも、インクジェットヘッドの目詰まりが発生するおそれも極めて少なく、インクジェットヘッドから安定に吐出することができる。

本実施形態で用いられるプレコート液および水性インクジェットインクには、さらに所定の量のグリコールエーテルが含有される。グリコールエーテルは、プレコート液または水性インクジェットインクといった液体の紙媒体への浸透性を高めて、乾燥性をさらに向上させることから、浸透剤と称することができる。グリコールエーテルは、紙媒体のカールを低減する作用も有する。

グリコールエーテルとしては、例えば、３−メトキシ−３−メチル−１−ブタノール、ジプロピレングリコール−ｎ−プロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびトリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。臭気が少ないことから、グリコールエーテルとしては３−メトキシ−３−メチル−１−ブタノールが好ましい。

プレコート液中におけるグリコールエーテルの量は、その総量の１〜５質量％である。グリコールエーテルの量が総量の１質量％未満の場合には、紙媒体への浸透効果が不十分となる。一方、グリコールエーテルの量が総量の５質量％を越えると、プレコート液の保存安定性が低下する。グリコールエーテルの量は、プレコート液総量の１〜３質量％が好ましい。同様の理由から、水性インクジェットインクにおいてもグリコールエーテルは同様の量で含有される。

それぞれ所定の量で配合された水とポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルとグリコールエーテルとの混合物によって、本実施形態のインクジェット記録装置で用いられるプレコート液の溶媒が構成される。この混合物は、本実施形態のインクジェット記録装置で用いられる水性インクジェットインクにおいては分散媒として用いられる。

本実施形態で用いられるプレコート液には、上述したような溶媒と多糖類とが含有される。

多糖類は、ペクチンおよびカラギーナンから選択され、いずれか一方を単独で用いても、２種類を組み合わせて用いてもよい。こうした多糖類を含有するプレコート液が紙媒体に適用されると、紙媒体の表面にプレコート層が形成されて前処理が施される。形成されるプレコート層は、顔料粒子の捕捉に優れていることから、前処理後の紙媒体上に水性インクジェットインクにより記録が行なわれた際には、紙媒体に印字されたインクの滲み、画像の裏抜けが防止される。

多糖類の含有量は、プレコート液総量の０．１〜１質量％である。多糖類の量がプレコート液総量の０．１質量％未満の場合には、インクの滲み、裏抜けを抑制する効果が不十分となる。一方、多糖類の含有量がプレコート液総量の１質量％を越えると、プレコート液の粘度が高くなってインクジェットヘッドからの安定に吐出することができない。プレコート液中における多糖類の含有量は０．２〜１質量％が好ましい。

水、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル、グリコールエーテル、および多糖類をそれぞれ所定の量で配合して、本実施形態で用いられるプレコート液が得られる。

一方、本実施形態で用いられる水性インクジェットインクは、上述したような分散媒と顔料とを含有する。着色剤として顔料が用いられたインクは、染料を用いたインクよりも堅牢性の高い画像を形成することができる。

顔料は特に限定されず、無機顔料および有機顔料のいずれを用いてもよい。無機顔料としては、例えば酸化チタンおよび酸化鉄が挙げられる。さらに、コンタクト法、ファーネス法、またはサーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。

有機顔料としては、例えば、アゾ顔料（アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む）、多環式顔料（例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など）、染料キレート（例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど）、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。

ブラックインクとして使用されるカーボンブラックとしては、具体的には、Ｎｏ．２３００，Ｎｏ．９００，ＭＣＦ８８，Ｎｏ．３３，Ｎｏ．４０，Ｎｏ．４５，Ｎｏ．５２，ＭＡ７，ＭＡ８，ＭＡ１００，Ｎｏ２２００Ｂ等（三菱化学製）、Ｒａｖｅｎ５７５０，Ｒａｖｅｎ５２５０，Ｒａｖｅｎ５０００，Ｒａｖｅｎ３５００，Ｒａｖｅｎ１２５５，Ｒａｖｅｎ７００等（コロンビア社製）、Ｒｅｇａｌ４００Ｒ，Ｒｅｇａｌ３３０Ｒ，Ｒｅｇａｌ６６０Ｒ，ＭｏｇｕｌＬ，Ｍｏｎａｒｃｈ７００，Ｍｏｎａｒｃｈ８００，Ｍｏｎａｒｃｈ８８０，Ｍｏｎａｒｃｈ９００，Ｍｏｎａｒｃｈ１０００，Ｍｏｎａｒｃｈ１１００，Ｍｏｎａｒｃｈ１３００，Ｍｏｎａｒｃｈ１４００等（キャボット社製）、ＣｏｌｏｒＢｌａｃｋＦＷ１，ＣｏｌｏｒＢｌａｃｋＦＷ２，ＣｏｌｏｒＢｌａｃｋＦＷ２Ｖ，ＣｏｌｏｒＢｌａｃｋＦＷ１８，ＣｏｌｏｒＢｌａｃｋＦＷ２００，ＣｏｌｏｒＢｌａｃｋＳ１５０，ＣｏｌｏｒＢｌａｃｋＳ１６０，ＣｏｌｏｒＢｌａｃｋＳ１７０，Ｐｒｉｎｔｅｘ３５，ＰｒｉｎｔｅｘＵ，ＰｒｉｎｔｅｘＶ，Ｐｒｉｎｔｅｘ１４０Ｕ，ＳｐｅｃｉａｌＢｌａｃｋ６，ＳｐｅｃｉａｌＢｌａｃｋ５，ＳｐｅｃｉａｌＢｌａｃｋ４Ａ，およびＳｐｅｃｉａｌＢｌａｃｋ４等（デグッサ社製）などが挙げられる。

イエローインクに使用される顔料としては、具体的には、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ２，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ３，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１２，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１３，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１４Ｃ，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１６，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１７，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ７３，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ７４，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ７５，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ８３，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ９３，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ９５，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ９７，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ９８，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１０９，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１１０，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１１４，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１２８，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１２９，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１３８，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１５０，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１５１，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１５４，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１５５，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１８０，およびＣ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＹｅｌｌｏｗ１８５等が挙げられる。

マゼンタインクに使用される顔料としては、具体的には、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ５，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ７，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ１２，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ４８（Ｃａ），Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ４８（Ｍｎ），Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ５７（Ｃａ），Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ５７：１，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ１１２，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ１２２，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ１２３，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ１６８，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ１８４，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＲｅｄ２０２，およびＣ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＶｉｏｌｅｔ１９等が挙げられる。

シアンインクに使用される顔料としては、具体的には、Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ１，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ２，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ３，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ１５：３，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ１５：４，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ１５：３４，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ１６，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ２２，Ｃ．Ｉ．ＰｉｇｍｅｎｔＢｌｕｅ６０，Ｃ．Ｉ．ＶａｔＢｌｕｅ４，およびＣ．Ｉ．ＶａｔＢｌｕｅ６０が挙げられる。

インクジェットインク用であるので、顔料の平均粒径は１０〜３００ｎｍ程度の範囲内であることが好ましい。さらに顔料の平均粒径は、１０〜２００ｎｍ程度の範囲内であることがより好ましい。

顔料の平均粒径は、動的光散乱法を用いた粒度分布計を用いて測定することができる。粒度分布計としては、例えば、ＨＰＰＳ（マルバーン社）が挙げられる。

顔料は、顔料分散体の状態で用いることができる。顔料分散体は、例えば、分散剤により水やアルコール中などに顔料を分散させて調製することができる。分散剤としては、例えば、界面活性剤、水溶性樹脂、および非水溶性樹脂などが挙げられる。あるいは、自己分散型顔料を用いてもよい。自己分散顔料とは、分散剤なしに水等に分散可能な顔料であり、顔料に表面処理を施して、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、およびスルホン基の少なくとも一種の官能基またはその塩を結合させた顔料である。表面処理としては、例えば、真空プラズマ処理、ジアゾカップリング処理、および酸化処理等が挙げられる。こうした表面処理により官能基または官能基を含んだ分子を顔料の表面にグラフトさせることによって、自己分散顔料が得られる。

インク中における顔料の含有量は、インク総量の１〜１０質量％である。この範囲内で顔料を含むインクジェットインクは、インクの保存性や吐出性能に関して不都合を伴なうことなく、必要な濃度を有する画像を形成することができる。顔料の含有量は、インク総量の３〜８質量％が好ましい。

顔料分散体は、所定の組成となるように、水、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル、およびグリコールエーテルを含有する分散媒と混合されて、本実施形態に用いられる水性インクジェットインクが得られる。

インクジェット記録用であるので、本実施形態に用いられるインクは、インクジェットプリンターにおけるヘッドのノズルから吐出するのに適切な粘度を有することが必要である。具体的には、２５℃における粘度が６〜１５ｍＰａ・ｓであることが好ましい。１０ｍＰａ・ｓ以下であれば、吐出動作時におけるインクジェットヘッドの温度を、比較的低く（例えば２０℃以下程度）設定できる。

上述したようなプレコート液または水性インクジェットインクには、乾燥を防止するための保湿剤が含有されてもよい。

保湿剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、１、５−ペンタンジオール、１，６−ヘキサンジオール、１，２，６−ヘキサントリオール、１，２，４−ブタントリオール、１，２，３−ブタントリオール、およびペトリオール等の多価アルコール類；Ｎ−メチル−２−ピロリドン、Ｎ−ヒドロキシエチル−２−ピロリドン、２−ピロリドン、１，３−ジメチルイミダゾリジノン、およびε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物；モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、およびトリエチルアミン等のアミン類；ジメチルスルホキシド、スルホラン、およびチオジエタノール等の含硫黄化合物類が挙げられる。さらに、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、またはγ−ブチロラクトン等も保湿剤として用いることができる。

プレコート液および水性インクジェットインクのいずれの場合も、保湿剤の含有量は、その総量の５質量％以下にとどめることが望まれる。５質量％を超えると、カール抑制能が低下するおそれがある。

プレコート液および水性インクジェットインクには、必要に応じて表面張力調整剤、粘度調整剤、ｐＨ調整剤、および防腐剤・防かび剤等から選択される添加剤を配合してもよい。

表面張力調整剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩等が挙げられる。

水溶解性の界面活性剤もまた、表面張力調整剤として作用する。ここで、水溶解性とは、１質量％以上が水に溶解することをさし、非イオン性界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤のいずれでもよい。

非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、およびポリオキシエチレンアルキルアミド等が挙げられる。

アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば２，４，７，９−テトラメチル−５−デシン−４，７−ジオール、３，６−ジメチル−４−オクチンー３，６−ジオール、および３，５−ジメチル−１−ヘキシン−３−オール等が挙げられる。具体的には、サーフィノール１０４、８２、４６５、４８５あるいはＴＧ等（エアープロダクツ社製）である。

フッ素系界面活性剤としては、例えばパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、およびパーフルオロアルキルスルホン酸等が挙げられる。具体的にはメガファックＦ−４４３、Ｆ−４４４、Ｆ−４７０、Ｆ−４９４（大日本インキ化学工業社）、ノベックＦＣ−４３０、ＦＣ−４４３０（３Ｍ社）、サーフロンＳ−１４１、Ｓ−１４５、Ｓ−１１１Ｎ、Ｓ−１１３（セイミケミカル社）である。

これらの界面活性剤は、インクの分散安定性などを劣化させない程度に添加することが望まれる。プレコート液および水性インクジェットインクのいずれの場合も、界面活性剤は、その総量の０．２〜３質量％程度の重量で含有されていれば、何等不都合を伴なわずに効果を発揮することができる。

粘度調整剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、水溶性アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デキストリン、カゼイン、アルギン酸およびペプチン等の水溶性樹脂が挙げられる。

こうした水溶性樹脂のうち、例えば水溶性アクリル樹脂などは、顔料分散体を調製するための分散剤として用いることができる。

ｐＨ調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、およびトリエタノールアミン等が挙げられる。

防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、２−ピリジンチオール−１−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、および１，２−ジベンジソチアゾリン−３−オン（ＩＣＩ社のプロキセルＣＲＬ、プロキセルＢＤＮ、プロキセルＧＸＬ、プロキセルＸＬ−２、プロキセルＴＮ）などを使用することができる。

こうした添加剤を配合することによって、プレコート液および水性インクジェットインクの保存安定性がさらに高められる。しかも、得られる画像の品質も、よりいっそう高いものとなる。

以下に、インクジェット記録装置を用いた紙媒体へのインクジェット記録の具体例を示す。

下記表１に示す処方で各成分を配合して、５種類のプレコート液（Ｐｒｅ−１，Ｐｒｅ−２，Ｐｒｅ−３，Ｐｒｅ−４，およびＰｒｅ−５）を得た。

ＰＯＥ１はポリオキシエチレンジグリセリルエーテルを表わし、ＰＯＥ２はポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルを表わし、ＭＭＢは、３−メトキシ−３−メチル−１−ブタノールを表わす。なお、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル（ＰＯＥ１）の重量平均分子量は４５０であり、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル（ＰＯＥ２）の重量平均分子量は４００である。

表中、各成分の量は、プレコート液総量に対する質量％である。全てのプレコート液には、その総量の１質量％の界面活性剤と、その総量の０．２質量％の防腐剤とを、さらに加えた。界面活性剤としては、サーフィノール４６５を用い、防腐剤としてはプロキセルＸＬ−２（Ｓ）を用いた。

プレコート液の調製にあたっては、まず、それぞれの処方で各成分を混合し、スターラーで１時間攪拌した。その後、１．０μｍのメンブレンフィルターでろ過してそれぞれのプレコート液を得た。５種類のプレコート液の全てには、その総量の４０〜６０質量％の水と、その総量の３０〜５０質量％のポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル（ＰＯＥ１および／またはＰＯＥ２）とが含有されている。これに加えて、全てのプレコート液には、グリコールエーテルとして３−メトキシ−３−メチル−１−ブタノール（ＭＭＢ）が、その総量の１〜５質量％で含有されている。さらに、全てのプレコート液には、ペクチンおよびカラギーナンから選択される多糖類が、総量の０．１〜１質量％の量で含有されている。

下記表２に示す処方で各成分をそれぞれ配合して、７種類の水性インクジェットインク（Ｉ−１，Ｉ−２，Ｉ−３，Ｉ−４，Ｉ−５，Ｉ−６およびＩ−７）を得た。表中、各成分の量は、インクジェットインク総量に対する質量％である。ＰＯＥ１、ＰＯＥ２、およびＭＭＢは、上述のプレコート液の同様である。ＤＰＧＰＥは、ジプロピレングリコール−ｎ−プロピルエーテルを表わし、ＧＬＣはグリセリンを表わし、ＤＰＧはジプロピレングリコールを表わす。

表中の顔料の欄には、用いた顔料分散体の種類と、インクジェットインク中における顔料の固形分（質量％）とを示している。顔料分散体は、キャボット自己分散型カーボンブラック分散液（ＣＢ１）または冨士色素樹脂分散カーボンブラック分散液（ＣＢ２）であり、１５質量％のカーボンブラックが水中に分散されている。カーボンブラックの平均粒径は１００ｎｍ程度である。こうした顔料分散体に含まれる水の量は、上記表２中の水の量に含まれている。

上記表２に示されるように、いずれの水性インクジェットインクにおいても、顔料の固形分がインク総量の５質量％となる量で顔料分散体を配合した。

全ての水性インクジェットインクには、総量の０．８質量％の界面活性剤と、総量の０．２質量％の防腐剤とを加えた。界面活性剤としては、サーフィノール４６５を用い、防腐剤としてはプロキセルＸＬ−２（Ｓ）を用いた。

水性インクジェットインクの調製にあたっては、まず、それぞれの処方で各成分を混合し、スターラーで１時間攪拌した。その後、１．０μｍのメンブレンフィルターでろ過して、それぞれの水性インクジェットインクを得た。

７種類の水性インクジェットインク全てには、グリコールエーテルとして３−メトキシ−３−メチル−１−ブタノール（ＭＭＢ）またはジプロピレングリコール−ｎ−プロピルエーテル（ＤＰＧＰＥ）が、その総量の１〜５質量％で含有されており、いずれにおいても、顔料の量はその総量の５質量％である。Ｉ−１〜Ｉ−５のインクでは、水の量は総量の４０〜６０質量％の範囲内であり、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル（ＰＯＥ１および／またはＰＯＥ２）の量は総量の３０〜５０質量％の範囲内であるが、Ｉ−６およびＩ−７のインクには、総量の６０質量％を越える水が含有されている。しかも、Ｉ−６およびＩ−７のインクには、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル（ＰＯＥ１および／またはＰＯＥ２）が含有されていない。

東芝テックピエゾヘッドを搭載したインクジェット記録装置において、下記表３に示すようにプレコート液と水性インクジェットインクとを組み合わせて用いて、紙媒体としての普通紙にインクジェット記録を行なった。所定の組成を有するプレコート液（Ｐｒｅ−１〜Ｐｒｅ−５）と所定の組成を有する水性インクジェットインク（Ｉ−１〜Ｉ−５）とが用いられているので、Ｎｏ．１〜Ｎｏ．９は、本実施形態のインクジェット記録装置を用いた記録である。Ｎｏ．１０および１１では、総量の６０質量％を超える水を含有する水性インクジェットインク（Ｉ−６，Ｉ−７）が用いられるので、本実施形態のインクジェット記録装置を用いた記録には該当しない。所定の組成を有するプレコート液が用いられないＮｏ．１２および１３もまた、本実施形態のインクジェット記録装置を用いた記録には該当しない。

具体的には、図１に示したインクジェット記録装置を用い、インクジェットヘッド１１５Ｓ、１１５Ｃ、１１５Ｍ、１１５Ｙ、および１１５Ｂｋとして東芝テックピエゾヘッドを搭載した。ブラック（Ｂｋ）インクカートリッジ１１６Ｂｋに所定の水性インクジェットインクを収容し、必要に応じて、プレコート液カートリッジ１１６Ｓに所定のプレコート液を収容した。

まず、普通紙に１００ｄｕｔｙでプレコート液を付着させた後、１００ｄｕｔｙでベタ印刷を行なって、記録後の紙の状態を調べた。普通紙としては、東芝コピーペーパー紙、Ｘｅｒｏｘ４０２４紙、リコーハイグレード普通紙（タイプＥ）、ＴｉｄａｌＭＰ紙、およびＮＥＵＳＩＥＤＬＥＲ紙の５種類を用いた。印刷後の紙を平らな机の上におき、１分後に紙の四隅が机の面から持ち上がった高さを測定した。５種類の紙についての高さの平均値をカール高さとし、以下の判断基準により判断した。

Ａ：１０ｍｍ未満
Ｂ：１０ｍｍ以上２０ｍｍ未満
Ｃ：２０ｍｍ以上６０ｍｍ未満
Ｄ：６０ｍｍ以上
カール高さが１０ｍｍ未満であれば、記録後の紙の状態は良好である。

次に、前述と同様の普通紙に同様に前処理を施した後、ベタ画像を印刷して画像濃度を調べた。具体的には、Ｘ−Ｒｉｔｅ画像濃度測定器を用いてベタ画像の濃度を測定し、普通紙の表および裏における画像濃度をそれぞれ求めた。

さらに、前述と同様の普通紙に同様に前処理を施した後、文字印刷を行なって、印字画像のドット形状係数を算出した。形状係数は、にじみの程度を定量化した評価値であり、（円周長）²／（４π×面積）によって算出される。円周長および面積は、ドットアナライザーによる画像分析により求めた。ドット形状の不規則性が小さい場合には、形状係数の値が１に近い。

表の画像濃度（Ｄ_F）、裏の画像濃度（Ｄ_B）、および形状係数（ＳＣ）について５種類の普通紙の平均値を求め、下記表４に示す基準にしたがって評価した。

さらに、次のような手法により速乾性を調べた。まず、東芝コピーペーパー紙の１０ｍｍ×１０ｍｍの領域に、プレコート液を１００ｄｕｔｙで塗布して前処理を施した後、１００ｄｕｔｙでベタ画像を印刷した。印刷後、所定時間放置した後、ベタ画像部分に新品の同紙を重ねて３００ｇの重りを載せた。１０秒経過後、重りをはずして、新品の用紙にインクが付着しているかどうかを目視により調べた。

ベタ画像が印刷された用紙を放置する時間は、５秒、１０秒、３０秒、および６０秒の４種類とした。重ねられた用紙へのインク付着度合いを目視により確認し、放置時間とインク付着の状況とに基づいて以下の基準にしたがって判定した。短時間の放置でもインクが付着しなければ、速乾性が良好であるといえる。この場合には、高速印刷が可能となる点で有利である。

Ａ：５秒の放置で付着なし
Ｂ：１０秒の放置で付着なし
Ｃ：３０秒の放置で付着なし
Ｄ：６０秒の放置でも付着あり
記録後の紙の状態、印刷品質、および速乾性の結果を、下記表５にまとめる。こうした３つの評価が全て“Ａ”であれば合格であり、１つの評価が“Ｂ”の場合も許容範囲である。いずれか１つの評価が“Ｃ”または“Ｄ”の場合、および“Ｂ”が２つ以上の場合はＮＧである。

上記表５に示されるように、本実施形態のインクジェット記録装置が用いられたＮｏ．１〜９は、記録後の紙の状態、印刷品質、および速乾性が全て良好であり、合格レベルである。Ｎｏ．１〜９では、所定の組成を有するプレコート液（Ｐｒｅ−１〜Ｐｒｅ−５）で紙媒体の前処理が行なわれた後に、所定の組成を有する水性インクジェットインク（Ｉ−１〜Ｉ−５）を用いて記録が行なわれている。

本実施形態のインクジェット記録装置が用いられない場合（Ｎｏ．１０〜１３）では、記録後の紙の状態、印刷品質、および速乾性の全てを同時に満たすことができない。

Ｎｏ，１０，１１では、記録後の紙の状態が著しく劣っている。これらにおいては、所定の組成を有するプレコート液（Ｐｒｅ−１，Ｐｒｅ−２）で前処理が施されているものの、水性インクジェットインクに含有される水の量が多い。インク総量の６０質量％を超える水を含有し、しかも、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルが含有されないインク（Ｉ−６，Ｉ−７）は、普通紙のカールを抑制できない。

所定の組成を有する水性インクジェットインクを用いることによって、普通紙のカールは抑制されるので、記録後の紙の状態は良好である。しかしながら、所定の組成を有するプレコート液による前処理が行なわれないと、印刷品質とともに速乾性の条件を満たすことができないことが、Ｎｏ．１２，１３に示されている。

本実施形態のインクジェット記録装置を用いることによって、紙媒体のカールを抑制しつつ、水性インクジェットインクを用いて高速で印字を行なって、優れた品質の画像を形成することが可能である。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Ｐ…用紙；１００…用紙カセット；１０１…用紙カセット；１０２…給紙ローラ
１０３…給紙ローラ；１０４…搬送ローラ対；１０５…搬送ローラ対
１０６…レジストローラ対；１０７…搬送ベルト；１０８…駆動ローラ
１０９…従動ローラ；１１０…ファン；１１１…負圧チャンバ
１１２…搬送ローラ対；１１３…搬送ローラ対；１１４…搬送ローラ対
１１５Ｓ…インクジェットヘッド；１１６Ｓ…プレコート液カートリッジ
１１５Ｃ，１１５Ｍ，１１５Ｙ，１１５Ｂｋ…記録用インクジェットヘッド
１１６Ｃ，１１６Ｍ，１１６Ｙ，１１６Ｂｋ…インクカートリッジ
１１７…チューブ；１１８…排紙トレイ；１２０…前処理部。

Claims

紙媒体にプレコート液を適用してプレコート層を形成する前処理部と、
前記プレコート層が形成された紙媒体に向けて水性インクジェットインクを吐出して、前記プレコート層上に画像を形成する記録用インクジェットヘッドとを具備するインクジェット記録装置であって、
前記プレコート液は、
その総量の４０〜６０質量％の水と、
その総量の３０〜５０質量％を占め、重量平均分子量１０００以下のポリオキシエチレンジグリセリルエーテルおよび重量平均分子量１０００以下のポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルから選択されるポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルと、
その総量の１〜５質量％のグリコールエーテルと、
その総量の０．１〜１質量％を占め、ペクチンおよびカラギーナンから選択される少なくとも一種の多糖類とを含有し、
前記水性インクジェットインクは、
その総量の４０〜６０質量％の水と、
その総量の３０〜５０質量％を占め、重量平均分子量１０００以下のポリオキシエチレンジグリセリルエーテルおよび重量平均分子量１０００以下のポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルから選択されるポリオキシアルキレンジグリセリルエーテルと、
その総量の１〜５質量％のグリコールエーテルと、
その総量の１〜１０質量％の顔料とを含有する
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
前記前処理部は、
前記プレコート液を収容するプレコート液カートリッジ、および
前記プレコート液カートリッジから送給される前記プレコート液を、前記紙媒体に向けて吐出するプレコート液用インクジェットヘッドを具備することを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録装置。
前記プレコート液に含有される前記グリコールエーテルは、３−メトキシ−３−メチル−１−ブタノールであることを特徴とする請求項１または２に記載のインクジェット記録装置。
前記水性インクジェットインクに含有される前記グリコールエーテルは、３−メトキシ−３−メチル−１−ブタノールであることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置。
前記水性インクジェットインクは、その質量の５％以下の多価アルコールをさらに含有することを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置。
前記多価アルコールは、グリセリンおよびジプロピンレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする請求項５に記載のインクジェット記録装置。