本発明に係る放射線画像撮影システムについて、放射線画像撮影方法又は画像表示方法との関連で、好適な実施形態を、図1〜図110Bを参照しながら以下詳細に説明する。
本実施形態に係る放射線画像撮影システム11は、図1及び図2に示すように、放射線画像撮影装置10を有する。
放射線画像撮影装置10は、放射線12を出力する放射線源14を収容した放射線源本体部16と、被写体18を透過した放射線12を放射線画像に変換する放射線検出器20(図4〜図6参照)を収容したカセッテ本体部22と、無線により放射線源本体部16及びカセッテ本体部22と電気的に接続され、且つ、放射線画像撮影装置10の操作者32が操作可能な携帯情報端末34(携帯端末)とを有する。また、携帯情報端末34は、公衆回線等を利用したネットワーク36を介して、医師(又は放射線技師)38が所属する医療機関40(待機場所)との間で、無線通信による信号の送受信が可能である。
なお、操作者32とは、我が国の診療放射線技師法により定められた診療放射線技師の資格を有しない者、具体的には、被写体18に対する放射線12の照射の権限を有する医師又は歯科医師(以下、単に、医師という。)及び診療放射線技師(以下、単に、放射線技師という。)以外の者をいう。また、本実施形態において、被写体18は、災害現場や在宅看護の現場におり、一方で、医師(又は放射線技師)38は、被写体18を直視することができない(遠隔地の)医療機関40にいる(待機している)が、何らかの事情で災害現場や在宅看護の現場に直接出向くことができないため、操作者32が医師38に代わって前記災害現場や前記在宅看護の現場に出向く。
従って、本実施形態では、このような現場に放射線画像撮影装置10を持ち込んで被写体18に対する放射線12の照射(放射線画像の撮影)を行う場合について説明する。なお、医師38の待機場所は、被写体18を直視することができない場所であるため、災害現場や在宅看護の現場に限らず、医療機関40内で医師38が被写体18を直視することができない場所も現場に含まれる。以下の説明では、参照数字38は、医師として説明する。
ここで、携帯情報端末34は、所定の撮影領域28を撮影するウェブカメラ30(携帯端末側カメラ、現場側カメラ)を内蔵し、一方で、放射線源本体部16も、所定の撮影領域332を撮影するウェブカメラ330(線源側カメラ、現場側カメラ)を内蔵している。すなわち、ウェブカメラ30は、携帯情報端末34と一体的に構成されていると共に、ウェブカメラ330も、放射線源14を含む放射線源本体部16と一体的に構成されている。
この場合、ウェブカメラ30は、撮影領域28を連続的に撮影し、連続的に撮影した光学画像であるカメラ画像(動画像)を出力する。また、ウェブカメラ30は、撮影領域28を所定時間間隔で(間欠的に)撮影し、間欠的に撮影した光学画像であるカメラ画像(静止画像)を出力するか、あるいは、所定時刻に撮影したカメラ画像(静止画像)を出力することも可能である。一方、ウェブカメラ330も、ウェブカメラ30と同様に、撮影領域332を連続的に撮影し、連続的に撮影したカメラ画像(動画像)を出力する。また、ウェブカメラ330は、撮影領域332を所定時間間隔で(間欠的に)撮影し、間欠的に撮影したカメラ画像(静止画像)を出力するか、あるいは、所定時刻に撮影したカメラ画像(静止画像)を出力することも可能である。
なお、ウェブカメラ30と携帯情報端末34との一体的な構成とは、ウェブカメラ30が携帯情報端末34に内蔵される図1、図2及び図4〜図6の構成に限定されず、少なくとも放射線画像撮影装置10の使用時にはウェブカメラ30と携帯情報端末34とが一体的に連結(接続)されている構成も含まれる。従って、(1)放射線画像撮影装置10に備え付けのケーブルを介してウェブカメラ30と携帯情報端末34とが接続される構成、(2)操作者32が別途用意したケーブルを介してウェブカメラ30と携帯情報端末34とが接続される構成、(3)使用時には、携帯情報端末34とウェブカメラ30とが連結される一方で、メンテナンス時や非使用時には、携帯情報端末34からウェブカメラ30を離間可能(分離可能)な構成も、ウェブカメラ30と携帯情報端末34との一体的な構成に包含される。
ここで、メンテナンス時や非使用時に携帯情報端末34からウェブカメラ30を離間可能とするためには、例えば、クリップ等の連結手段によってウェブカメラ30を携帯情報端末34に連結すればよい。これにより、使用時にのみ、ウェブカメラ30が連結手段を介して携帯情報端末34と連結されることになる。また、連結手段にボールジョイントを具備させて、携帯情報端末34に連結されたウェブカメラ30の向きを変更自在にしてもよい。なお、連結手段により連結する場合には、ウェブカメラ30と携帯情報端末34との間を有線(例えば、USBケーブル)又は無線により接続する必要があることは勿論である。
また、携帯情報端末34とウェブカメラ30とをケーブルで接続した構成は、該ケーブルの長さの範囲内であれば、ウェブカメラ30を所望の位置に自立した状態で配置することが可能であるため、携帯情報端末34にウェブカメラ30を内蔵させた構成と比較して、ウェブカメラ30のポジショニングの自由度が高い。
一方、ウェブカメラ330と放射線源本体部16との一体的な構成についても、ウェブカメラ330が放射線源本体部16に内蔵される図1、図2、図3B及び図4の構成に限定されず、少なくとも放射線画像撮影装置10の使用時にはウェブカメラ330と放射線源本体部16とが一体的に連結(接続)されている構成も含まれる。従って、(1)放射線画像撮影装置10に備え付けのケーブルを介してウェブカメラ330と放射線源本体部16とが接続される構成、(2)操作者32が別途用意したケーブルを介してウェブカメラ330と放射線源本体部16とが接続される構成、(3)使用時には、放射線源本体部16とウェブカメラ330とが連結される一方で、メンテナンス時や非使用時には、放射線源本体部16からウェブカメラ330を離間可能(分離可能)な構成も、ウェブカメラ330と放射線源本体部16との一体的な構成に包含される。
この場合でも、メンテナンス時や非使用時に放射線源本体部16からウェブカメラ330を離間可能とするためには、例えば、クリップ等の連結手段によってウェブカメラ330を放射線源本体部16に連結すればよい。これにより、使用時にのみ、ウェブカメラ330が連結手段を介して放射線源本体部16と連結されることになる。また、連結手段にボールジョイントを具備させて、放射線源本体部16に連結されたウェブカメラ330の向きを変更自在にしてもよい。なお、連結手段により連結する場合には、ウェブカメラ330と放射線源本体部16との間を有線(例えば、USBケーブル)又は無線により接続する必要があることは勿論である。
さらに、放射線源本体部16とウェブカメラ330とをケーブルで接続した構成は、該ケーブルの長さの範囲内であれば、ウェブカメラ330を所望の位置に自立した状態で配置することが可能であるため、放射線源本体部16にウェブカメラ330を内蔵させた構成と比較して、ウェブカメラ330のポジショニングの自由度が高い。
図1、図2、図4〜図6及び図9に示すように、カセッテ本体部22は、放射線12を透過可能な材料からなる略矩形状の筐体42を有し、該筐体42の放射線源本体部16側の表面は、放射線12が照射される照射面44とされている。この照射面44における放射線12の照射部分(照射野)には、撮影領域及び撮影位置の基準となるガイド線46が形成されている。ガイド線46の外枠部分(放射線12の照射野)は、図9に示すように、放射線検出器20に略対応している。また、筐体42の一つの側面48には、カセッテ本体部22を起動させるためのスイッチ50と、図示しないUSBケーブルが接続されるUSB端子172とが配置されている。
図1〜図6に示すように、放射線源本体部16は、放射線12を透過可能な材料からなる略円筒状の筐体130を有し、放射線源本体部16における放射線12の出力箇所とは反対側の箇所には、操作者32が把持する取手310が設けられている。また、前述したウェブカメラ330は、放射線源本体部16における放射線12の出力箇所の近傍に配置されている。この場合、操作者32は、例えば、一方の手で取手310を把持しながら、ウェブカメラ330が内蔵された放射線源本体部16をカセッテ本体部22に向けると共に、他方の手で携帯情報端末34を操作することが可能である。
このようにして、放射線源本体部16をカセッテ本体部22側に向けることで、放射線源14からカセッテ本体部22に対して放射線12を照射することが可能になると共に、ウェブカメラ330によりカセッテ本体部22のカメラ画像(線源側光学画像、現場側光学画像)を撮影することも可能となる。
この場合、ウェブカメラ330は、放射線源本体部16とカセッテ本体部22との間に被写体18がいる状態で、該被写体18の撮影部位(図1及び図2では被写体18の右手)及びカセッテ本体部22のガイド線46の範囲を含む所定領域を撮影領域332として撮影する。あるいは、ウェブカメラ330は、瞳孔を含む被写体18の顔が撮影領域332に入るように撮影を行うことも可能である。
また、取手310には、静電容量式又は抵抗膜式のタッチセンサ312が設けられている。そのため、操作者32が取手310を把持すると、タッチセンサ312を構成する図示しない電極に操作者32の手が接触し、該タッチセンサ312は、前記手と前記電極との接触に基づく検出信号を出力することができる。
さらに、放射線源本体部16は、放射線源14及びウェブカメラ330に加え、照射光54を投光する照射野ランプ56も収容されている。照射野ランプ56は、放射線源14から放射線12が出力される前に照射光54を照射面44に投光することにより、放射線12の照射野を照射面44に表示する。さらにまた、筐体130の側面には、図示しないUSBケーブルが接続されるUSB端子132が配置されている。
また、後述する放射線源14の焦点160とガイド線46の中心位置(十字状に交差するガイド線46の交点)とを結ぶ直線が照射面44に略直交しているときの焦点160と放射線検出器20との間の距離(撮影間距離)が線源受像画間距離(SID)に設定されている場合には、照射光54の投光により照射面44に表示された放射線12の照射野とガイド線46の外枠とが略一致する。さらに、筐体130における照射光54が通過する箇所は、例えば、該照射光54が透過可能な材質で構成されていることが望ましい。
図1、図2、図4〜図7及び図99に示すように、携帯情報端末34は、ノート型のパーソナル・コンピュータであり、キーボード等の操作部60が本体部62の上面(蓋部66側)に配設され、一方で、ディスプレイ等の表示部64(携帯端末側表示部、通知部)が蓋部66の底面(操作部60側)に配設されている。
携帯情報端末34は、非使用時には、本体部62の一側面に設けられた軸部68と、該軸部68の両端部に連結された2つのヒンジ部70との作用によって、図7及び図99に示すように、本体部62と蓋部66とが折り畳まれた状態となる。なお、本体部62の上面に2つの突起72が形成され、一方で、蓋部66の底面に各突起72に対応して2つの凹部74が形成されているので、前記非使用時に本体部62の上面と蓋部66の底面とを接触させると、突起72と凹部74とが嵌合して、本体部62と蓋部66とを折り畳んだ状態に保持することができる。
また、携帯情報端末34は、使用時には、ヒンジ部70の作用下に、軸部68を中心に本体部62に対して蓋部66を回動させることにより、折り畳んだ状態から図1、図2及び図4〜図6に示す状態に展開することができる。
本体部62の上面における操作部60の周囲には、携帯情報端末34を起動させるための電源スイッチ76、音声を出力可能なスピーカ78、及び、被写体18や操作者32の音声を入力可能なマイクロフォン80がさらに配設されている。また、本体部62の側面には、図示しないUSBケーブルやUSBメモリ334と接続可能なUSB端子84、88、90と、メモリカード92を装填するためのカードスロット94と、ACアダプタの入力端子96とが設けられている。
蓋部66の上面側には、前述したウェブカメラ30が配設されている。ウェブカメラ30は、本体部62に対して蓋部66が回動し、且つ、操作者32の操作により電源スイッチ76が投入されて、携帯情報端末34が起動している状態において、撮影領域28のカメラ画像(携帯端末側光学画像、現場側光学画像)を撮影する。具体的に、ウェブカメラ30は、瞳孔を含む被写体18の顔が撮影領域28に入るように撮影を行うか、あるいは、放射線源本体部16とカセッテ本体部22との間に被写体18がいる状態で、放射線源本体部16、被写体18(の撮影部位)及びカセッテ本体部22(のガイド線46の範囲)を含む所定領域を撮影領域28として撮影を行う。
なお、本実施形態では、ノート型の携帯情報端末34について説明するが、該携帯情報端末34は、操作部60及び表示部64等の各種機能を具備する携帯端末であればよく、例えば、タッチパネルディスプレイを搭載したハンドヘルド型のパーソナル・コンピュータ(タブレットPC)や、画面表示機能付きの携帯電話機や、PDA(個人情報端末)でもよいことは勿論である。
図7は、操作者32が放射線画像撮影装置10を搬送する際の該放射線画像撮影装置10の状態を示している。
この場合、放射線源本体部16、カセッテ本体部22及び折り畳まれた状態の携帯情報端末34は、アタッシュケース98の内部に収容されている。従って、操作者32は、取手100を把持した状態でアタッシュケース98を医療機関40から所望の場所、例えば、災害現場や在宅看護の現場に搬送し、搬送先の現場において、アタッシュケース98から放射線源本体部16、カセッテ本体部22及び折り畳まれた状態の携帯情報端末34を取り出して、図1〜図6に示す状態にまで組み立てることにより、災害現場の被災者に対して放射線画像の撮影前に行われる撮影準備、あるいは、在宅看護が必要とされる在宅者に対して放射線画像の撮影前に行われる撮影準備を遂行することができる。
従って、本実施形態に係る放射線画像撮影装置10は、ウェブカメラ30と携帯情報端末34とが一体的に構成され、且つ、ウェブカメラ330と放射線源本体部16とが一体的に構成された可搬型の放射線画像撮影装置である。なお、以下の説明では、放射線画像の撮影対象となる前記被災者又は前記在宅者を被写体18ともいう。
図1に戻り、医療機関40には、ネットワーク36を介して携帯情報端末34との間で無線通信による信号の送受信を行うためのアンテナ102を備えた通信部104(待機場所側通信部)が配設され、この通信部104に対してコンソール106が電気的に接続されている。
コンソール106は、医療機関40内の放射線科において取り扱われる放射線画像やその他の情報を統括的に管理する、図示しない放射線科情報システム(RIS)に接続され、該RISは、医療機関内の医事情報を統括的に管理する医事情報システム(HIS)に接続されている。
この場合、コンソール106は、医療機関40内の医師38がいる部屋の机107に配置され、各種処理を実行する本体部108と、椅子110に着座した医師38に対して所定の表示内容を表示するディスプレイ等の表示部112(コンソール側表示部、通知部、警告部)と、医師38が操作するキーボード等の操作部114及びマウス336と、表示部112の上部に取り付けられ、医師38を撮影するウェブカメラ116(待機場所側カメラ)と、音声を出力するスピーカ118(通知部、警告部)と、放射線源14からの放射線12の出力の開始を医師38が指示するための曝射スイッチ120と、医師38の音声を入力可能なマイクロフォン122とを有する。
前述したように、携帯情報端末34と通信部104との間は、ネットワーク36を介した無線通信による信号の送受信が行われていると共に、携帯情報端末34と放射線源本体部16及びカセッテ本体部22との間も無線通信による信号の送受信が可能である。そのため、携帯情報端末34は、ウェブカメラ30、330からのカメラ画像、カセッテ本体部22(の放射線検出器20)からの放射線画像、及び、マイクロフォン80に入力された操作者32又は被写体18の音声に応じた音声信号を、ネットワーク36を介して医療機関40のアンテナ102及び通信部104に送信することが可能である。
一方、通信部104は、ウェブカメラ116が撮影した医師38のカメラ画像(動画像、間欠的に撮影された静止画像又は所定時刻に撮影された静止画像である待機場所側光学画像)、医師38による曝射スイッチ120の投入に基づいて本体部108内で生成された曝射制御信号、及び、マイクロフォン122に入力された医師38の音声に応じた音声信号を、アンテナ102及びネットワーク36を介して携帯情報端末34に送信することが可能である。また、通信部104は、オーダ情報、手技及び撮影条件を含む放射線画像の撮影に関わる撮影メニューも、アンテナ102及びネットワーク36を介して携帯情報端末34に送信する。
従って、携帯情報端末34の表示部64は、ウェブカメラ30が撮影した撮影領域28のカメラ画像、ウェブカメラ330が撮影した撮影領域332のカメラ画像、放射線検出器20からの放射線画像、及び/又は、ウェブカメラ116が撮影した医師38のカメラ画像を表示することが可能である。また、表示部64は、上記の各音声信号や曝射制御信号に対応する表示内容(文字情報)や、撮影メニューの内容を表示することも可能である。さらに、スピーカ78は、医師38の音声や曝射制御信号に応じた音声(放射線源14からの放射線12の出力開始を告げる警告音)を出力することも可能である。
また、携帯情報端末34は、前記曝射制御信号に基づき生成した同期制御信号を放射線源本体部16及びカセッテ本体部22にそれぞれ送信すると共に、撮影メニューのオーダ情報、手技及び撮影条件に従って放射線源14及びカセッテ本体部22を制御することにより、放射線源14からの放射線12の出力(の開始)と、放射線検出器20における放射線12の検出及び放射線画像への変換との同期を取りながら、被写体18の放射線画像の撮影を行うことが可能である。
一方、コンソール106の表示部112は、携帯情報端末34の表示部64と同様に、ウェブカメラ30が撮影した撮影領域28のカメラ画像、ウェブカメラ330が撮影した撮影領域332のカメラ画像、放射線検出器20からの放射線画像、ウェブカメラ116が撮影した医師38のカメラ画像、及び/又は、撮影メニューを表示することが可能である。また、表示部112は、上記の各音声信号や曝射制御信号に対応する表示内容(文字情報)も表示することが可能である。さらに、スピーカ118は、操作者32又は被写体18の音声や曝射制御信号に応じた音声を出力することも可能である。
ここで、撮影メニューのオーダ情報とは、RISを用いて医師38により作成される情報であって、被写体18に対する放射線画像の撮影を要求するための情報である。具体的に、オーダ情報とは、被写体18(患者)の氏名、年齢、性別等、被写体18を特定するための被写体情報に加えて、放射線画像の撮影方法(例えば、単純撮影、手の撮影)が含まれる。また、手技とは、被写体18の撮影部位、及び、該撮影部位に対する放射線12の照射方向を示す情報である。さらに、撮影条件とは、放射線源14の管電圧及び管電流、放射線12の照射時間等、被写体18に対して放射線12を照射させる際の放射線量を決定するための条件である。
なお、医師38は、表示部112に表示されるウェブカメラ30、330のカメラ画像(被写体18の光学画像)を見ながら、コンソール106を操作することにより、現在のオーダ情報を含む撮影メニューの内容を、前記カメラ画像に写り込んでいる被写体18に応じた適切な内容に書き替える(設定する、変更する)ことも可能である。この場合、書き替え後の撮影メニューが携帯情報端末34に送信されることで、該携帯情報端末34は、当該書き替え後の撮影メニューに基づいて放射線源本体部16及びカセッテ本体部22を制御しつつ、被写体18に対する放射線画像の撮影を行うことが可能である。
次に、放射線源本体部16及びカセッテ本体部22の内部構成について、図8〜図11を参照しながら、より具体的に説明する。
放射線源本体部16の内部には、図8に示すように、放射線源14と、照射野ランプ56と、ウェブカメラ330と、USB端子132と、外部からUSB端子132を介して充電可能であり、且つ、放射線源本体部16内の各部に電力を供給するバッテリ134と、通信部136(現場側通信部)と、放射線源14を制御する線源制御部138と、放射線12を透過する材質からなるミラー144と、放射線12に対して非透過で且つ照射光54を透過する材質からなるコリメータ146とが配置されている。
放射線源14は、電界放出型の放射線源である。
すなわち、この放射線源14は、回転機構148により回転する回転シャフト150に円盤状の回転陽極152が取り付けられ、該回転陽極152の表面には、Mo等の金属元素を主成分とする環状のターゲット層154が形成されている。一方、回転陽極152に対向して陰極156が配置され、該陰極156には、ターゲット層154と対向するように電子源158が配設されている。
線源制御部138は、携帯情報端末34(図1、図2及び図4〜図7参照)から無線通信により通信部136を介して受信された、曝射制御信号に基づく同期制御信号と、撮影メニュー中の撮影条件とに従って、所定の線量の放射線12を出力するように放射線源14を制御する。
すなわち、電界放出型の放射線源14では、線源制御部138からの制御に従って、回転機構148が回転シャフト150を回転させることにより回転陽極152が回転し、電源部142がバッテリ134からの電力供給に基づいて電子源158に電圧(負電圧)を印加し、且つ、電源部140がバッテリ134からの電力供給に基づいて回転陽極152と陰極156との間に電圧を印加すると(回転陽極152に正電圧を印加し、陰極156に負電圧を印加すると)、電子源158から電子が放出され、放出された電子は、回転陽極152と陰極156との間に印加された電圧により加速されてターゲット層154に衝突する。ターゲット層154における電子の衝突面(焦点160)からは、該衝突した電子に応じた放射線12が出力される。そして、放射線12は、ミラー144を通過し、コリメータ146により照射範囲が絞られた状態で放射線源本体部16から外部に出力される。
また、線源制御部138は、携帯情報端末34から前記同期制御信号が供給されるまでは、照射光54を出力させるように照射野ランプ56を制御する。これにより、照射野ランプ56から出力された照射光54は、ミラー144でコリメータ146側に反射されて外部に出力される。
取手310にはタッチセンサ312が内蔵されている。前述したように、操作者32が取手310を把持した後に、放射線源14から被写体18及びカセッテ本体部22に向けて放射線12が照射されるので、線源制御部138は、タッチセンサ312が検出信号を出力した時点で、バッテリ134から放射線源本体部16の各部に対する電力供給を開始させて、該放射線源本体部16を起動させてもよい。
カセッテ本体部22の内部には、図4〜図6及び図9に示すように、放射線源14から被写体18に放射線12を照射した際に、被写体18による放射線12の散乱線を除去するグリッド162、放射線検出器20、及び、放射線12のバック散乱線を吸収する鉛板164が、被写体18側の照射面44に対して順に配設される。なお、照射面44をグリッド162として構成してもよい。
この場合、放射線検出器20としては、例えば、被写体18を透過した放射線12をシンチレータにより可視光に一旦変換し、変換した前記可視光をアモルファスシリコン(a−Si)等の物質からなる固体検出素子(以下、画素ともいう。)により電気信号に変換する間接変換型の放射線検出器や、放射線12の線量をアモルファスセレン(a−Se)等の物質からなる固体検出素子により電気信号に直接変換する直接変換型の放射線検出器を採用することができる。
また、カセッテ本体部22の側面48には、前述したスイッチ50及びUSB端子172が配設される。さらに、カセッテ本体部22の内部には、外部からUSB端子172を介して充電可能であり、且つ、カセッテ本体部22の各部に電力を供給するバッテリ166と、バッテリ166から供給される電力により放射線検出器20を駆動制御するカセッテ制御部168と、放射線検出器20によって検出した放射線12の情報を含む信号を無線を介して携帯情報端末34との間で送受信する通信部170(現場側通信部)とが収容されている。
なお、カセッテ制御部168及び通信部170には、放射線12が照射されることによる損傷を回避するため、カセッテ制御部168及び通信部170の照射面44側に鉛板等を配設しておくことが好ましい。また、バッテリ166は、カセッテ本体部22内の放射線検出器20、カセッテ制御部168及び通信部170に電力を供給する。
前述のように、操作者32が取手310を把持すると、タッチセンサ312が検出信号を出力し、その後、放射線源14から放射線12が出力されるので、放射線源本体部16は、無線によりカセッテ本体部22に前記検出信号を直接送信するか、あるいは、無線により前記検出信号を携帯情報端末34を介してカセッテ本体部22に送信してもよい。これにより、カセッテ制御部168は、通信部170を介して前記検出信号を受信すると、バッテリ166からカセッテ本体部22の各部への電力供給を開始させることができる。
図10において模式的に示すように、放射線検出器20は、多数の画素180が図示しない基板上に配列され、これらの画素180に対して制御信号を供給する多数のゲート線182と、多数の画素180から出力される電気信号を読み出す多数の信号線184とが配列されている。
ここで、一例として、間接変換型の放射線検出器20を採用した場合のカセッテ本体部22の回路構成に関し、図11を参照しながら詳細に説明する。
放射線検出器20は、可視光を電気信号に変換するa−Si等の物質からなる各画素180が形成された光電変換層186を、行列状のTFT188のアレイの上に配置した構造を有する。この場合、バッテリ166からバイアス電圧Vbが供給される各画素180では、可視光を電気信号(アナログ信号)に変換することにより発生した電荷が蓄積され、各行毎にTFT188を順次オンにすることにより前記電荷を画像信号として読み出すことができる。
各画素180に接続されるTFT188には、行方向と平行に延びるゲート線182と、列方向と平行に延びる信号線184とが接続される。各ゲート線182は、ライン走査駆動部190に接続され、各信号線184は、マルチプレクサ192に接続される。ゲート線182には、行方向に配列されたTFT188をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部190から供給される。この場合、ライン走査駆動部190は、ゲート線182を切り替える複数のスイッチSW1と、スイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ194とを備える。アドレスデコーダ194には、カセッテ制御部168からアドレス信号が供給される。
また、信号線184には、列方向に配列されたTFT188を介して各画素180に保持されている電荷が流出する。この電荷は、増幅器196によって増幅される。増幅器196には、サンプルホールド回路198を介してマルチプレクサ192が接続される。マルチプレクサ192は、信号線184を切り替える複数のスイッチSW2と、スイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ200とを備える。アドレスデコーダ200には、カセッテ制御部168からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ192には、A/D変換器202が接続され、A/D変換器202によってデジタル信号に変換された放射線画像がカセッテ制御部168に供給される。
なお、スイッチング素子として機能するTFT188は、CMOS(Complementary Metal−Oxside Semiconductor)イメージセンサ等、他の撮像素子と組み合わせて実現してもよい。さらにまた、TFTで言うところのゲート信号に相当するシフトパルスにより電荷をシフトしながら転送するCCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサに置き換えることも可能である。
図12は、放射線画像撮影装置10のブロック図であり、図13は、医療機関40のブロック図である。なお、図12及び図13の説明では、図1〜図11において説明しなかった構成要素を中心に説明する。
カセッテ本体部22のカセッテ制御部168は、画像メモリ210と、アドレス信号発生部212と、カセッテIDメモリ214とを備える。
アドレス信号発生部212は、ライン走査駆動部190のアドレスデコーダ194及びマルチプレクサ192のアドレスデコーダ200に対してアドレス信号を供給する。画像メモリ210は、放射線検出器20によって検出された放射線画像を記憶する。カセッテIDメモリ214は、放射線画像撮影装置10(のカセッテ本体部22)を特定するためのカセッテID情報を記憶する。この場合、カセッテ制御部168は、カセッテIDメモリ214に記憶されたカセッテID情報と、画像メモリ210に記憶された放射線画像とを、通信部170及びアンテナ342を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する。
放射線源本体部16は、通信部136及びアンテナ340を介して無線通信により携帯情報端末34との間で信号の送受信を行う。
携帯情報端末34は、アンテナ216を介した無線通信による外部との間の信号の送受信、USB端子84、88、90を介した有線通信による外部との間の信号の送受信、USB端子84、88、90を介したUSBメモリ334(図1参照)との間の信号の送受信、及び、カードスロット94に挿入されたメモリカード92との間の信号の送受信が可能な通信部218(現場側通信部)と、携帯情報端末34の各部に電力を供給するバッテリ220と、各種の制御処理を行う制御処理部222(判定処理部)と、カメラ画像や放射線画像等を記憶するメモリ224とをさらに有する。
バッテリ220は、操作者32による電源スイッチ76の投入に起因して、ウェブカメラ30、スピーカ78、マイクロフォン80、通信部218及び制御処理部222に電力を供給する。また、バッテリ220は、携帯情報端末34と放射線源本体部16及びカセッテ本体部22とがUSBケーブルを介してそれぞれ電気的に接続されている状態において、該USBケーブルを介してバッテリ134、166をそれぞれ充電することが可能である。さらに、バッテリ220は、外部から入力端子96又はUSBケーブルを介して充電を受けることも可能である。
すなわち、上述のように、携帯情報端末34と放射線源本体部16及びカセッテ本体部22との間をUSBケーブルで電気的に接続することにより、携帯情報端末34と放射線源本体部16及びカセッテ本体部22との間で、有線による電力供給と信号の送受信(信号の伝送)とが可能になる。なお、本実施形態では、特に断りのない限り、携帯情報端末34と放射線源本体部16及びカセッテ本体部22との間では、無線により信号の送受信が行われる場合について説明する。
制御処理部222は、携帯情報端末34のCPUにより構成され、メモリ224に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより各種の制御処理を行う。
具体的に、制御処理部222は、ウェブカメラ30、330が撮影したカメラ画像や、カセッテ本体部22から通信部218を介して受信した放射線画像及びカセッテID情報をメモリ224に記憶する。また、制御処理部222は、前記各カメラ画像、前記放射線画像、及び/又は、前記撮影メニューを表示部64に表示させ、さらには、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に、ウェブカメラ30、330のカメラ画像、及び/又は、前記放射線画像と前記カセッテID情報とを送信する。さらに、制御処理部222は、マイクロフォン80に入力された操作者32又は被写体18の音声を音声信号として、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に送信する。
さらにまた、制御処理部222は、医療機関40からネットワーク36、アンテナ216及び通信部218を介して受信した、ウェブカメラ116の(医師38の)カメラ画像を表示部64に表示させ、一方で、医療機関40から受信した音声信号を医師38の音声としてスピーカ78から出力する。また、制御処理部222は、医療機関40から撮影メニューを受信した際に、当該撮影メニューを表示部64に表示させ、さらに、制御処理部222は、医療機関40から曝射制御信号を受信した場合には、該曝射制御信号に応じた同期制御信号を生成し、生成した同期制御信号と、撮影メニュー中の撮影条件とを放射線源本体部16及びカセッテ本体部22に送信することにより、放射線源14からの放射線12の出力と、放射線検出器20における放射線12の検出及び放射線画像への変換との同期を取りつつ、放射線画像の撮影を行う。
なお、表示部64は、制御処理部222が受信した撮影メニューと、ウェブカメラ30又はウェブカメラ330が撮影した被写体18(の瞳孔を含む顔の)カメラ画像とを表示可能である。従って、操作者32は、撮影メニューのオーダ情報に登録されている被写体18と、前記カメラ画像に写り込んでいる被写体18とが一致するか否かを判断することができる。
すなわち、操作者32は、表示部64の表示内容を見ながら操作部60を操作することにより、判断結果を示す内容(両者の一致又は不一致を示す結果)を入力する。制御処理部222は、両者が一致する入力内容であれば、前記撮影メニューの内容で放射線画像の撮影が可能であることを示す結果(判定結果)を、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に送信する。また、制御処理部222は、両者が一致しない入力内容であれば、前記撮影メニューの内容では放射線画像の撮影ができないので、前記カメラ画像に写り込んでいる被写体18に応じた撮影メニューの内容に書き替えることを要求する結果(判定結果)を、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に送信する。
コンソール106は、メモリ228と、各種の制御処理を行う制御処理部226とをさらに有する。また、制御処理部226は、認証処理部344、制御信号生成部346及び紐付け処理部348を備える。
制御処理部226は、本体部108のCPUにより構成され、メモリ228に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより各種の制御処理を行う。
具体的に、制御処理部226は、ウェブカメラ116が撮影したカメラ画像を通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する。また、制御処理部226は、マイクロフォン122に入力された医師38の音声を音声信号として、通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する。さらに、制御処理部226は、携帯情報端末34から無線通信を介して送信されてきた音声信号を操作者32又は被写体18の音声としてスピーカ118から出力する。なお、制御処理部226は、ウェブカメラ116が撮影したカメラ画像を表示部112に表示してもよいことは勿論である。
また、携帯情報端末34の表示部64に表示された撮影メニュー中のオーダ情報に従って、操作者32が被写体18を見つけ出し、その後、ウェブカメラ30又はウェブカメラ330で被写体18の瞳孔を含む顔のカメラ画像(例えば、静止画)が撮影された場合、携帯情報端末34は、ネットワーク36、アンテナ102及び通信部104を介して無線通信により前記カメラ画像を送信する。認証処理部344は、ネットワーク36、アンテナ102及び通信部104を介して受信した前記カメラ画像に対して、該カメラ画像に写り込んだ被写体18の瞳孔又は顔を用いた生体認証(前記瞳孔の場合には瞳孔認証)処理を行うことで、前記瞳孔を有する被写体18と、前記オーダ情報に登録されている被写体18とが一致するか否かを判定する。
両者が一致した場合、認証処理部344は、前記カメラ画像中の被写体18が前記撮影メニューに応じた真正な被写体18であると判定し、当該被写体18による放射線画像の撮影が可能であることを示す認証結果を無線通信により携帯情報端末34に送信する。一方、両者が不一致であった場合、認証処理部344は、撮影メニューの示す被写体18とは異なる被写体18を操作者32が見つけてきたものと判断し、前記撮影メニューの示す真正な被写体18を見つけ出すように指示する認証結果を無線通信により携帯情報端末34に送信する。
また、医師38が曝射スイッチ120を投入した際、制御信号生成部346は、放射線源14からの放射線12の出力を開始させるための曝射制御信号を生成し、生成した曝射制御信号を通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する。なお、表示部112に表示されたウェブカメラ30のカメラ画像中、ガイド線46の外枠内に被写体18の撮影部位が写りこんでいないか、あるいは、前記撮影部位の一部しか写り込んでいない場合、医師38は、この状態で放射線12を被写体18に照射すれば、適切な前記撮影部位の放射線画像が得られないものと判断して、曝射スイッチ120の投入は行わず、ガイド線46の外枠内に前記撮影部位が写り込むように被写体18の位置や姿勢を変える指示内容をマイクロフォン122を介して音声により指示する。従って、制御信号生成部346は、曝射スイッチ120の投入がない場合には、曝射制御信号の生成を行わない。
さらに、制御処理部226は、放射線画像の撮影後、携帯情報端末34から無線通信を介して送信されてきたウェブカメラ30、330の各カメラ画像、放射線画像、及び、カセッテID情報と、撮影メニューとを紐付けして(対応付けて)メモリ228に記憶する。前述のように、ウェブカメラ116は、医師38のカメラ画像も撮影しているので、上記の各情報と共に医師38のカメラ画像も紐付けしてメモリ228に記憶してもよい。
なお、携帯情報端末34にもメモリ224が設けられているので、例えば、制御処理部222を紐付け処理部として機能させて、撮影メニュー、ウェブカメラ30、330の各カメラ画像、放射線画像、及び、カセッテID情報を紐付けしてメモリ224に記憶した後に、紐付け後の各情報を無線通信により携帯情報端末34から医療機関40に送信してもよい。この場合、紐付け処理部348では、受信した前記各情報(紐付けされた各情報)をメモリ228に記憶する。
また、紐付けされるウェブカメラ30のカメラ画像としては、例えば、放射線画像の撮影前にウェブカメラ30により撮影された、被写体18の(瞳孔を含む)顔の画像であることが望ましい。一方、紐付けされるウェブカメラ330のカメラ画像としては、例えば、放射線画像の撮影前にウェブカメラ330により撮影された、カセッテ本体部22に対してポジショニング(位置決め)された被写体18の撮影部位の画像であることが望ましい。例えば、被写体18が右手を負傷しており、該右手を撮影部位として放射線画像の撮影が行われた場合に、ウェブカメラ330が撮影したカメラ画像は、当該撮影部位(右手)での怪我の具合が分かる画像となる。
本実施形態に係る放射線画像撮影システム11は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作(放射線画像撮影方法、画像表示方法)について、図14〜図22に示すフローチャートと、図23〜図98に示す表示部64、112の画面表示とを参照しながら説明する。
ここでは、本実施形態の特徴的な機能(動作)を第1〜第3実施例に分けて説明する。
第1実施例は、図14〜図20のフローチャートと、図23〜図92の画面表示とであり、撮影対象の被写体18が医療機関40側で予め特定されているため、医療機関40側で撮影メニューを予め設定し、その設定内容通りに被写体18に対する放射線画像の撮影を行う場合である。この第1実施例は、例えば、在宅看護の現場において、被写体18が予め特定されている場合や、医療機関40内で医師38が直接出向けないが、被写体18が予め特定されている場合に適用可能である。
第2実施例は、図21のフローチャート及び図93の画面表示であり、ウェブカメラ30、330のカメラ画像に写っている被写体18を見ながら、医療機関40の医師38が撮影メニューを変更し、変更後の撮影メニューに基づいて該被写体18に対する放射線画像の撮影が行われる場合である。この第2実施例は、例えば、災害現場にいる操作者32が被写体18を見つけ出し、医師38は、当該被写体18に応じた撮影メニューに書き替えて、放射線画像の撮影を緊急に行う場合に適用可能である。
第3実施例は、図22のフローチャート及び図94〜図98の画面表示であり、第2実施例によって書き替えられた撮影メニューが医療機関40から携帯情報端末34に送信されたときに、被写体18の撮影部位と、撮影メニューの示す撮影部位とが一致するか否かを現場側(操作者32側)で判断し、その判断結果を医療機関40に通知する場合である。この第3実施例は、例えば、被写体18が手を負傷しているので、手の撮影が必要であるのに、撮影メニューが手以外の部位(胸部等)の撮影を指示する内容であった場合に適用可能である。
なお、第1〜第3実施例では、一例として、被写体18の撮影部位が右手であり、当該右手の放射線画像を撮影する場合、すなわち、被写体18が右手を負傷しているので、該右手を撮影部位として放射線画像の撮影を行う場合について説明する。また、第1〜第3実施例では、必要に応じて、図1〜図13も参照しながら説明する。
先ず、第1実施例について説明する。
図14のステップS1において、操作者32は、被写体18に対する放射線12の照射の権限を有する医師38の指示に従って、該被写体18を直視することができない医療機関40から災害現場、在宅看護の現場、あるいは、医師38が直接出向くことのできない医療機関40内の病室等にアタッシュケース98を搬送する。
次に、災害現場、在宅看護の現場又は病室に到着した後のステップS2において、操作者32は、アタッシュケース98から放射線源本体部16、カセッテ本体部22及び携帯情報端末34を取り出し、図1、図2及び図4〜図6に示す位置関係となるように、携帯情報端末34、放射線源本体部16及びカセッテ本体部22を配置する。
次のステップS3において、操作者32は、ヒンジ部70の作用下に、携帯情報端末34の軸部68を中心として、本体部62に対して蓋部66を回動させることにより、携帯情報端末34を折り畳んだ状態から図1、図2及び図4〜図6に示す操作部60及び表示部64が外部から視認できる状態とし、その後、電源スイッチ76を投入して携帯情報端末34を起動させる。これにより、バッテリ220は、電源スイッチ76の投入に起因して、ウェブカメラ30、表示部64、マイクロフォン80、通信部218及び制御処理部222への電力供給を開始する。
このようにして携帯情報端末34が起動すると、次のステップS4において、先ず、制御処理部222は、メモリ224に記憶されたID情報(例えば、カセッテID情報)を、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に送信し、医療機関40及び現場間での通信確立の確認と、放射線画像撮影装置10の認証とを医療機関40に対して要求する。
ステップS5において、医療機関40(待機場所)の制御処理部226がアンテナ102及び通信部104を介してID情報を受信すると、認証処理部344は、ID情報の認証処理を行う(ステップS6)。この場合、認証処理部344は、受信したID情報と、メモリ228に記憶されているID情報(例えば、カセッテID情報)とが一致しているか否かを判定し、その判定結果及び通信が確立されていることを示す認証完了通知を、通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して携帯情報端末34に送信する(ステップS7)。その後、制御処理部226は、RISを用いて医師38が作成したオーダ情報を当該RISから取得する(ステップS8)。
一方、ステップS9において、携帯情報端末34の制御処理部222が認証完了通知を受信すると、該制御処理部222は、ID情報の認証が完了すると共に、医療機関40及び現場間の無線通信が確立されたものと判断し、ウェブカメラ30による現場の撮影を開始させ(ステップS10)、該ウェブカメラ30が撮影したカメラ画像の医療機関40への送信を開始する(ステップS11)。
この場合、ウェブカメラ30のカメラ画像が動画であれば、制御処理部222は、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して医療機関40に前記動画を送信する。また、前記カメラ画像が所定時間間隔で撮影された静止画であれば、制御処理部222は、前記静止画を取得する毎に、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して医療機関40に前記静止画を送信する。
従って、ステップS10、S11以降、携帯情報端末34側では、連続的に又は間欠的に前記カメラ画像を無線通信により医療機関40に送信する。そのため、医療機関40では、ステップS12以降、アンテナ102及び通信部104を介して、ウェブカメラ30のカメラ画像を連続的に又は間欠的に受信することになる。そして、連続的に又は間欠的に撮影されたカメラ画像は、携帯情報端末34のメモリ224や、コンソール106のメモリ228に順次記憶される。
なお、ウェブカメラ30は、所定時刻にカメラ画像(静止画)を撮影することも可能であるため、例えば、操作者32による操作部60の操作に起因してウェブカメラ30が静止画を撮影し、制御処理部222は、所定時刻に撮影された前記カメラ画像を、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して医療機関40に送信してもよい。この場合でも、撮影されたカメラ画像は、各メモリ224、228にそれぞれ記憶される。
一方、医療機関40においても、ウェブカメラ116は、コンソール106を操作する医師38の顔の撮影を開始し(ステップS13)、通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して携帯情報端末34へのカメラ画像の送信を開始する(ステップS14)。
この場合でも、ウェブカメラ116のカメラ画像が動画であれば、制御処理部226は、通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して携帯情報端末34に前記動画を送信する。また、前記カメラ画像が所定時間間隔で撮影された静止画であれば、制御処理部226は、前記静止画を取得する毎に、通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して携帯情報端末34に前記静止画を送信する。
従って、ステップS13、S14以降、医療機関40側では、連続的に又は間欠的に前記カメラ画像を無線通信により携帯情報端末34に送信する。そのため、携帯情報端末34では、ステップS15以降、アンテナ216及び通信部218を介して、ウェブカメラ116のカメラ画像を連続的に又は間欠的に受信することになる。そして、連続的に又は間欠的に撮影されたカメラ画像は、各メモリ224、228に順次記憶される。
なお、ウェブカメラ116も所定時刻にカメラ画像(静止画)を撮影することが可能であるため、例えば、医師38による操作部114及びマウス336の操作に起因してウェブカメラ116が静止画を撮影した場合、制御処理部226は、所定時刻に撮影された前記カメラ画像を、通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して携帯情報端末34に送信してもよい。この場合でも、撮影されたカメラ画像は、各メモリ224、228にそれぞれ記憶される。
このようにして、カメラ画像の撮影が開始され、且つ、医療機関40と現場との間で無線通信によるカメラ画像の送受信が行われることにより、携帯情報端末34の表示部64及びコンソール106の表示部112は、それぞれ、カメラ画像等を表示することが可能となる(ステップS16、S17)。
図23〜図30は、ステップS17における(コンソール106の)表示部112の画面400の表示内容を図示したものであり、これらの表示内容に関わる表示処理は、全て、制御処理部226が行っている。また、図31〜図39は、ステップS16における(携帯情報端末34の)表示部64の画面430の表示内容を図示したものであり、これらの表示内容に関わる表示処理は、全て、制御処理部222が行っている。
図23及び図24において、表示部112の画面400には、ウィンドウ402が表示され、該ウィンドウ402中、左側の表示領域は、ウェブカメラ30が撮影した現場のカメラ画像を表示する現場側画像表示領域404とされ、一方で、右側の表示領域は、撮影メニューを表示する撮影メニュー表示領域406とされている。
この場合、撮影メニュー表示領域406が相対的に大きく表示される一方で、現場側画像表示領域404が小さく表示されている。すなわち、後述するステップS18〜S21において、医師38が現場のカメラ画像を見て該現場の状況を監視しつつ、撮影メニューの内容を設定する必要があるため、制御処理部226は、現場側画像表示領域404よりも撮影メニュー表示領域406が大きく表示されるような表示処理を行っている。なお、現場側画像表示領域404には、一例として、瞳孔及び顔を含む被写体18のカメラ画像が表示されている。
撮影メニュー表示領域406には、オーダ情報を表示するオーダ情報表示領域408と、手技を表示する手技表示領域410とが配置されている。図23及び図24に示すように、撮影メニュー表示領域406に表示される情報は、該撮影メニュー表示領域406の大きさには収まり切らないので、該撮影メニュー表示領域406は、画面400の上下方向に対して比較的長い表示領域となる。そこで、ウィンドウ402の右端には、撮影メニュー表示領域406を上下方向に移動させるためのスクロールバーが表示されている。これにより、医師38が画面400中に表示されたマウスポインタ(「→」の矢印で図示されたカーソル)をスクロールバーに重ねるようにマウス336を操作し、次に、マウス336をクリックした状態で該マウス336を動かせば、制御処理部226は、図23及び図24に示すように、撮影メニュー表示領域406の表示内容を上下方向に移動させる表示処理を行う。
ここで、オーダ情報表示領域408には、オーダ情報の一部である「単純X線撮影 右手の撮影」が表示されている。そのため、手技表示領域410には、この内容に対応して、手の撮影に関わる手技の一覧がアイコン412〜418で表示されている。これらのアイコン412〜418には、被写体18の撮影部位を示す絵と、当該絵に対応した撮影方法の簡単な説明文とが表示されている。
アイコン412は、撮影部位が左手であり、且つ、左手の甲側から放射線12を照射することを、左手を示す絵と「左手 甲側照射」の文字とによって表現している。しかも、この絵では、左手の甲側と左手の手の平側との区別を容易にするために、指先の爪まで図示している。
アイコン414は、撮影部位が右手であり、且つ、右手の甲側から放射線12を照射することを、右手を示す絵と「右手 甲側照射」の文字とによって表現している。しかも、この絵では、右手の甲側と右手の手の平側との区別を容易にするために、指先の爪まで図示している。
アイコン416は、撮影部位が左手であり、且つ、左手の手の平側から放射線12を照射することを、左手を示す絵と「左手 手平側照射」の文字とによって表現している。しかも、この絵では、左手の手の平側と左手の甲側との区別を容易にするために、手の平に形成された手相まで図示している。
アイコン418は、撮影部位が右手であり、且つ、右手の手の平側から放射線12を照射することを、右手を示す絵と「右手 手平側照射」の文字とによって表現している。しかも、この絵では、右手の手の平側と右手の甲側との区別を容易にするために、手の平に形成された手相まで図示している。
このように、各アイコン412〜418には、撮影部位の絵と文字との双方が表示されているので、医師38は、オーダ情報表示領域408に表示されたオーダ情報を見ながら、画面400中に表示されたマウスポインタをアイコン414又はアイコン418に重ねるようにマウス336を操作した後に、該マウス336をクリックして、オーダ情報に応じた手技を容易に選択することができる(ステップS18、図40)。
また、撮影メニュー表示領域406が大きく表示され、該撮影メニュー表示領域406中の各アイコン412〜418は、絵の部分が文字の部分よりも大きく表示されると共に、それぞれの絵が実際の撮影部位を模式的に表示した内容となっているので、医師38は、オーダ情報に対応した手技を容易に特定することが可能である。さらに、現場側画像表示領域404に現場のカメラ画像が表示されているため、医師38は、放射線画像の撮影前における現場の状況(例えば、被写体18の状態)を容易に把握することができる。
また、本実施形態は、上述のように、一般的なパーソナル・コンピュータの画面表示と同様、ウィンドウ形式で撮影メニューやカメラ画像が表示されるので、画面400の表示を、図23及び図24に代えて、図25〜図30の表示内容とすることも可能である。
図25では、ウィンドウ402中のほとんどの領域が撮影メニュー表示領域406(のオーダ情報表示領域408)に割り当てられ、ウィンドウ402の下端に、ウェブカメラ30のカメラ画像を表示させるための切替ボタン420が表示されている。そこで、医師38が画面400中に表示されたマウスポインタと切替ボタン420とが重なるようにマウス336を操作した後に、該マウス336をクリックすると、図26に示すように、オーダ情報表示領域408に代わって現場側画像表示領域404が大きく表示される。この結果、ウィンドウ402の下端には、切替ボタン420に代えて撮影メニューを表示させるための切替ボタン422が表示される。
なお、図26において、医師38が画面400中に表示されたマウスポインタと切替ボタン422とが重なるようにマウス336を操作した後に、該マウス336をクリックすると、制御処理部226は、図26の表示内容から図25の表示内容に切り替えるための表示処理を行う。
図27及び図28では、ウィンドウ402と略同じ大きさの別のウィンドウ424が画面400上に表示され、ウィンドウ402には撮影メニュー表示領域406(のオーダ情報表示領域408)が表示されると共に、ウィンドウ424には現場側画像表示領域404が表示されている。ここで、医師38が画面400中に表示されたマウスポインタと所望のウィンドウとが重なるようにマウス336を操作し、次に、該マウス336をクリックすると、制御処理部226は、クリックされたウィンドウを前方に表示させるための表示処理を行う。
図29及び図30では、2つのウィンドウ402、424が画面400上に表示され、医師38が画面400中に表示されたマウスポインタを所望のウィンドウに重ねるようにマウス336を操作し、次に、該マウス336をクリックすると、クリックされたウィンドウが全画面表示(画面400全体に当該ウィンドウが表示)される。例えば、医師38がマウス336を介してウィンドウ402をクリックすると、制御処理部226は、ウィンドウ402を全画面表示させると共に、全画面表示されたウィンドウ402の背後にウィンドウ424を隠すような表示処理を行う(図30参照)。なお、医師38がマウス336を操作してウィンドウ402をもう1回クリックすると、制御処理部226は、画面400の表示内容を図29の表示内容に戻す。
これに対して、図31に示すように、携帯情報端末34の表示部64の画面430には、ウィンドウ432が表示され、該ウィンドウ432中、左上側の表示領域は、撮影メニューを表示する撮影メニュー表示領域434とされ、左下側の表示領域は、ウェブカメラ116が撮影した医師38のカメラ画像を表示する待機場所側画像表示領域436とされ、右側の表示領域は、ウェブカメラ30が撮影した現場のカメラ画像を表示する現場側画像表示領域438とされている。
図31では、現場側画像表示領域438が相対的に大きく表示される一方で、撮影メニュー表示領域434及び待機場所側画像表示領域436が小さく表示されている。この場合、操作者32は、後述するように、現場のカメラ画像を見て該現場の状況を把握する必要があるため、制御処理部222は、撮影メニュー表示領域434よりも現場側画像表示領域438が大きく表示されるような表示処理を行っている。
また、医療機関40から携帯情報端末34に撮影メニューが送信されていないので、撮影メニュー表示領域434には、撮影メニューが設定されていない(受信されていない)ことを示す「現在のところ登録されていません」の文字が表示されている。これにより、現場の操作者32は、携帯情報端末34が撮影メニューを受信していないため、該撮影メニューが設定されていないことを容易に把握することができる。
そして、現場側画像表示領域438には、前述した現場側画像表示領域404(図23及び図24参照)と同じカメラ画像が表示されている。しかも、上述のように、ウィンドウ432では、現場側画像表示領域438が大きく表示されている。そのため、操作者32は、放射線画像の撮影前に、現場の状況を容易に把握することができる。さらに、待機場所側画像表示領域436に医師38のカメラ画像が表示されているので、操作者32は、医療機関40の医師38が対応してくれていることを認識することができ、現場において安心して作業を行うことができる。
また、画面430においてもウィンドウ形式で撮影メニューやカメラ画像が表示されるので、画面430の表示を、図31に代えて、図32〜図39の表示内容とすることも可能である。
図32では、ウィンドウ432中のほとんどの領域が現場側画像表示領域438に割り当てられ、ウィンドウ432の下端に、撮影メニューを表示させるための切替ボタン440と、ウェブカメラ116のカメラ画像を表示させるための切替ボタン442とが表示されている。ここで、操作者32が画面430中に表示されたマウスポインタを切替ボタン442に重ねるように操作部60を操作し、次に、該切替ボタン442を選択すると、図33に示すように、現場側画像表示領域438に代えて待機場所側画像表示領域436が大きく表示される。この結果、ウィンドウ432の下端には、切替ボタン442に代えて現場のカメラ画像を表示させるための切替ボタン444が表示される。
また、操作者32が画面430中に表示されたマウスポインタを切替ボタン440に重ねるように操作部60を操作し、次に、該切替ボタン440を選択すると、図34に示すように、待機場所側画像表示領域436又は現場側画像表示領域438に代えて撮影メニュー表示領域434が大きく表示される。この結果、ウィンドウ432の下端には、切替ボタン442、444が表示される。
つまり、制御処理部222は、制御処理部226と同様に、操作者32による操作部60の操作内容に従って、表示部64の画面430の表示内容を、図32〜図34のいずれかの表示内容に切り替えることが可能である。
図35〜図37では、ウィンドウ432と略同じ大きさの別のウィンドウ446、448が画面430上に表示され、ウィンドウ432には現場側画像表示領域438が表示され、ウィンドウ446には待機場所側画像表示領域436が表示され、ウィンドウ448には撮影メニュー表示領域434が表示されている。ここで、操作者32が画面430中に表示されたマウスポインタを所望のウィンドウに重ねるように操作部60を操作し、次に、当該ウィンドウを選択すると、制御処理部222は、選択されたウィンドウを前方に表示させるための表示処理を行う。
図38及び図39では、3つのウィンドウ432、446、448が画面430上に表示され、操作者32が画面430中に表示されたマウスポインタを所望のウィンドウに重ねるように操作部60を操作し、次に、該ウィンドウを選択すると、選択されたウィンドウが全画面表示(画面430全体に当該ウィンドウが表示)される。例えば、操作者32がウィンドウ432をクリックすると、制御処理部222は、ウィンドウ432を全画面表示させると共に、全画面表示されたウィンドウ432の背後にウィンドウ446、448を隠すような表示処理を行う(図39参照)。なお、操作者32が操作部60を操作してウィンドウ432をもう1回選択すると、制御処理部222は、画面430の表示内容を図38の表示内容に戻す。
図15に戻り、ステップS18において、医師38がオーダ情報に応じた手技を選択すると、制御処理部226は、表示部112の画面400の表示内容を図40及び図41の表示内容に切り替える。
図40及び図41において、撮影メニュー表示領域406には、オーダ情報を示すアイコン450と、選択したアイコン412(図24参照)の絵及び文字が大きく表示された手技表示領域410と、選択したアイコン412(手技)に応じた撮影条件を表示する撮影条件表示領域452とが表示されている。なお、手技表示領域410が比較的大きな表示領域であるため、該手技表示領域410には、アイコン412中の説明文よりも詳しい「右手 甲側から放射線を照射します」の説明文が表示されている。
ここで、医師38がマウスポインタをアイコン450に重ねるようにマウス336を操作した後に、該マウス336をクリックすると、図23のオーダ情報表示領域408が表示される。また、撮影条件表示領域452には、選択した手技(アイコン412の絵及び文字)に対応して、放射線源14の電圧及び電流と、放射線12の照射時間との撮影条件の一覧がアイコン454〜458で表示されている。また、被写体18が予め特定されているので、撮影部位(右手)の厚みやSIDが分かっているのであれば、その情報も撮影条件表示領域452に表示されている。
従って、医師38は、手技表示領域410に表示された手技、撮影条件表示領域452に表示された撮影部位の厚み及びSIDを見ながら、画面400中に表示されたマウスポインタをアイコン454〜458のうち、いずれか1つのアイコンに重ねるようにマウス336を操作した後に、該マウス336をクリックすることで、手技に応じた撮影条件を容易に選択することができる(ステップS19)。
この結果、図42に示すように、選択された設定内容が一覧表示されると共に、撮影メニュー表示領域406の下方には、この設定内容でOKであるか、あるいは、修正すべきかを選択するための選択ボタン460、462も表示される。
この設定内容でOKと判断して、医師38が選択ボタン460を選択すると(ステップS20:YES)、医師38が選択した設定内容でオーダ情報、手技及び撮影条件の撮影メニューが設定されると共に、ウィンドウ402の表示内容が図43の表示内容に切り替わって、撮影メニューが設定されたことを示す「この内容でオーダ情報、手技、撮影条件を設定しました」の表示がなされる(ステップS21)。
この表示が行われた後、所定時間経過すると、ウィンドウ402の表示内容は、図44の表示内容に切り替わり、ウィンドウ402の左側の領域に撮影メニュー表示領域406が小さく表示される一方で、右側の領域に現場側画像表示領域404が大きく表示される。すなわち、制御処理部226は、ステップS18〜S21においては、医師38が撮影メニューの設定を確実に行えるようにするため、撮影メニュー表示領域406を大きく表示させるような表示処理を行う一方で、撮影メニューの設定後は、被写体18に対する放射線画像の撮影準備に備えて、現場側画像表示領域404を大きく表示させるような表示処理を行う。また、制御処理部226は、撮影メニューの設定内容をメモリ228に記憶する。
撮影メニュー表示領域406には、オーダ情報を示すアイコン450と、手技を示すアイコン464と、撮影条件を示すアイコン466とが表示されている。医師38がマウス336を操作して所望のアイコンをクリックすると、クリックしたアイコンに応じた情報が撮影メニュー表示領域406上に表示される。従って、医師38は、撮影メニューの設定内容を容易に確認することができる。
なお、ステップS20において、撮影メニューの設定内容を修正する必要がある場合、医師38が選択ボタン462を選択すると(ステップS20:NO)、制御処理部226は、ステップS18に戻り、図23及び図24の表示内容をウィンドウ402に表示させる。
また、撮影条件表示領域452での撮影条件の選択に関しては、図41及び図42の表示内容に代えて、図45〜図49の表示内容としてもよい。
図45は、例えば、現場側画像表示領域404に表示されているカメラ画像に写り込んだ被写体18を見ながら、医師38が撮影部位の厚みやSIDを設定する場合の撮影条件表示領域452の表示内容であり、撮影部位の厚みやSIDを変更する場合に適用可能である。すなわち、図45において、撮影条件表示領域452には、撮影部位の厚みを入力するためのテキストボックス470と、SIDを入力するためのテキストボックス472と、入力内容でOKであるか、あるいは、修正すべきかを選択するための選択ボタン474、476とが表示されている。この場合、医師38が操作部114を操作してテキストボックス470、472に撮影部位の厚み及びSIDをそれぞれ入力した後に、選択ボタン474をクリックすると、図41の表示内容に切り替わる。また、選択ボタン476をクリックすると、テキストボックス470、472の入力内容が消去される。
また、図46では、撮影条件表示領域452に、撮影部位の厚みを入力するためのテキストボックス480と、テキストボックス480内の数値を増減させるためのスピンボタン482、484と、SIDを入力するためのテキストボックス486と、テキストボックス486内の数値を増減させるためのスピンボタン488、490と、選択ボタン474、476とが表示されている。この場合、医師38が操作部114又はマウス336を用いてスピンボタン482、484、488、490を操作することにより、テキストボックス480、486内の数値を所望の数値に設定することができる。また、所望の数値に設定した後、選択ボタン474をクリックすると、図41の表示内容に切り替わる。一方、選択ボタン476をクリックすれば、テキストボックス480、486の入力内容が消去されるか、又は、スピンボタン482、484、488、490の操作前の値(初期値)がテキストボックス480、486にそれぞれ表示される。
放射線源14の電圧及び電流と放射線12の照射時間との設定についても、図41のようなアイコン454〜458による設定方法に代えて、図47〜図49に示す設定方法を適用してもよい。
図47は、図45の場合と同様に、撮影条件表示領域452に、電圧値を入力するためのテキストボックス500と、電流値を入力するためのテキストボックス502と、照射時間を入力するためのテキストボックス504と、入力内容でOKであるか、あるいは、修正すべきかを選択するための選択ボタン506、508とが表示されている。この場合、医師38が操作部114を操作してテキストボックス500〜504に各数値をそれぞれ入力した後に、選択ボタン506をクリックすると、図42の表示内容に切り替わる。また、選択ボタン508をクリックすると、テキストボックス500〜504の入力内容が消去される。
図48は、図46の場合と同様に、撮影条件表示領域452に、電圧値を入力するためのテキストボックス510と、テキストボックス510内の数値を増減させるためのスピンボタン512、514と、電流値を入力するためのテキストボックス516と、テキストボックス516内の数値を増減させるためのスピンボタン518、520と、照射時間を入力するためのテキストボックス522と、テキストボックス522内の数値を増減させるためのスピンボタン524、526と、選択ボタン506、508とが表示されている。この場合、医師38が操作部114又はマウス336を用いてスピンボタン512、514、518、520、524、526を操作することにより、テキストボックス510、516、522内の数値が所望の数値に設定される。所望の数値に設定された後、選択ボタン506をクリックすると、図42の表示内容に切り替わる。一方、選択ボタン508をクリックすると、テキストボックス510、516、522の入力内容が消去されるか、又は、スピンボタン512、514、518、520、524、526の操作前の値(初期値)がテキストボックス510、516、522にそれぞれ表示される。
図49は、電流及び照射時間の代わりにmAs値(電流×照射時間)を設定する点で図48の場合とは異なる。すなわち、撮影条件表示領域452には、テキストボックス510及びスピンボタン512、514と、mAs値を入力するためのテキストボックス528と、テキストボックス528内の数値を増減させるためのスピンボタン530、532と、選択ボタン506、508とが表示されている。この場合、医師38が操作部114又はマウス336を用いてスピンボタン512、514、530、532を操作することにより、テキストボックス510、528内の数値が所望の数値に設定される。所望の数値に設定された後、選択ボタン506をクリックすると、図42の表示内容に切り替わる。一方、選択ボタン508をクリックすると、テキストボックス510、528の入力内容が消去されるか、又は、スピンボタン512、514、530、532の操作前の値(初期値)がテキストボックス510、528にそれぞれ表示される。
図44の表示内容に切り替わってから所定時間経過後、ステップS22において、制御処理部226は、ステップS21で設定された撮影メニューの内容を通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する。この場合、表示部112の画面400には、図50に示すように、撮影メニューを送信したことを通知する「設定内容を現場に送信しました」の文字が撮影メニュー表示領域406に表示される。なお、この文字は所定時間が経過すると消去され、この結果、画面400は、図44の表示内容に戻る。
ステップS23において、アンテナ216及び通信部218を介して撮影メニューが受信されると、携帯情報端末34の制御処理部222は、表示部64の画面430の表示内容を図31の内容から図51及び図52の内容に切り替える。すなわち、図51及び図52において、ウィンドウ432中、左上の領域が現場側画像表示領域438に割り当てられ、左下の領域が待機場所側画像表示領域436に割り当てられ、右側の領域が撮影メニュー表示領域434に割り当てられ、この撮影メニュー表示領域434に前記撮影メニューが表示される。
この場合、制御処理部222は、撮影メニュー表示領域434(撮影メニュー)を大きく表示させる一方で、現場側画像表示領域438(現場のカメラ画像)及び待機場所側画像表示領域436(医療機関40のカメラ画像)を小さく表示させる。すなわち、制御処理部222は、コンソール106にて設定された撮影メニューの内容を操作者32に確認してもらうため、現場側画像表示領域438及び待機場所側画像表示領域436よりも撮影メニュー表示領域434を大きく表示させるような表示処理を行う。
撮影メニュー表示領域434には、オーダ情報を表示するオーダ情報表示領域540と、手技を表示する手技表示領域542と、撮影条件を表示する撮影条件情報表示領域544と、操作者32が撮影メニューの設定内容を確認したことを通知するための確認ボタン546とが表示されている。すなわち、撮影メニュー表示領域434には、撮影メニュー表示領域406と略同様の表示内容(撮影メニュー)が表示されている。
また、図51及び図52に示すように、撮影メニュー表示領域434では、操作者32が手技を容易に認識できるように、手技表示領域542が最も大きく表示され、オーダ情報表示領域540、撮影条件情報表示領域544及び確認ボタン546が小さく表示されている。そのため、操作者32は、手技表示領域542に大きく表示されている絵と、当該絵の下に表示されている文字とを視認することで、被写体18の撮影部位が右手であり、右手の甲側から放射線12を照射すべきことを容易に把握することができる。
そして、操作者32が撮影メニュー表示領域406に表示された撮影メニューを確認した後に(ステップS24)、画面430に表示されたマウスポインタを確認ボタン546に重ねるように操作部60を操作し、次に、該確認ボタン546を選択すれば、制御処理部222は、操作者32が撮影メニューを確認したことを示す確認通知を通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40へ送信する(ステップS25)。その後、制御処理部222は、図53に示すように、確認通知を送信したことを操作者32に通知するために、「確認の通知を病院へ送信しました」の文字を撮影メニュー表示領域434に表示する。また、制御処理部222は、前記撮影メニューをメモリ224に記憶する。
前記文字を表示してから所定時間経過後、制御処理部222は、図53の表示内容を図54の表示内容に切り替える。この場合、ウィンドウ432の左上の領域には撮影メニュー表示領域434が割り当てられ、左下の領域には待機場所側画像表示領域436が割り当てられ、右側の領域には現場側画像表示領域438が表示されている。すなわち、現場では、ステップS25後の各ステップS27〜S29、S37〜S40において、被写体18に対する各種の作業が行われるため、該作業が効率よく行われることを目的として、制御処理部222は、現場側画像表示領域438を大きく表示させると共に、撮影メニュー表示領域434及び待機場所側画像表示領域436を小さく表示させるような表示処理を行う。
この場合、撮影メニュー表示領域434には、比較的大きく表示された手技表示領域542と、オーダ情報を示すアイコン550と、撮影条件を示すアイコン552とが表示されている。従って、操作者32は、アイコン550、552を選択することにより、選択したアイコンの情報を撮影メニュー表示領域434に表示させることができる。
一方、ステップS26において、アンテナ102及び通信部104を介して確認通知を受信すると、コンソール106の制御処理部226は、ウィンドウ402における図44の表示内容を図55の表示内容に切り替え、撮影メニュー表示領域406に確認通知を受信したことを示す「現場で設定内容を確認しました」の文字を表示させる。これにより、医師38は、操作者32が撮影メニューの設定内容を確認したことを容易に把握することができる。
なお、ステップS24では、撮影メニュー表示領域434中、手技が大きく表示されていればよいので、ウィンドウ432の表示内容は、図51及び図52の内容に代えて、図56の内容であってもよい。この場合、撮影メニュー表示領域434には、オーダ情報を示すアイコン550と、撮影条件を示すアイコン552と、手技表示領域542と、確認ボタン546とが表示されている。
ステップS27において、操作者32は、撮影メニューのオーダ情報に対応する被写体18を現場から見つけ出し、次に、該被写体18をウェブカメラ30の前方に移動させて、被写体18の(瞳孔を含めた)顔のカメラ画像を撮影する(ステップS28)。ステップS29において、制御処理部222は、ステップS28で撮影されたカメラ画像を通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に送信する。
制御処理部226がアンテナ102及び通信部104を介して前記カメラ画像を受信すると(ステップS30)、認証処理部344は、ウェブカメラ30が撮影したカメラ画像に写り込んでいる被写体18と、撮影メニューのオーダ情報の示す被写体18とが一致するか否かの認証処理を実行する(ステップS31)。
ステップS31において、認証処理部344は、被写体18の顔の画像を用いた公知の生体認証処理、より好ましくは、被写体18の瞳孔を用いた公知の瞳孔認証処理を実行する。
認証処理部344は、認証処理の結果、カメラ画像に写り込んでいる被写体18と、オーダ情報の示す被写体18とが一致すれば(ステップS31:YES)、前記カメラ画像に写り込んでいる被写体18に対して放射線画像の撮影を行うと、撮影メニューに応じた適切な放射線画像が得られるものと判断し、その判断結果(認証結果)を、図57に示すように、現場側画像表示領域404に表示する。医師38が認証結果を確認し、マウス336を操作して確認ボタン560をクリックすると(ステップS32)、制御処理部226は、当該認証結果を通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する(ステップS33)。
これに対して、認証処理の結果、カメラ画像に写り込んでいる被写体18と、オーダ情報の示す被写体18とが一致しなければ(ステップS31:NO)、認証処理部344は、前記カメラ画像に写り込んでいる被写体18が、オーダ情報に示す真正な被写体18とは異なる人物であると判断し、その判断結果(認証結果)を、図58に示すように、現場側画像表示領域404に表示する。医師38が認証結果を確認し、マウス336を操作して確認ボタン562をクリックすると(ステップS34)、制御処理部226は、当該認証結果を通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する(ステップS33)。
制御処理部222は、アンテナ216及び通信部218を介して認証結果を受信すると(ステップS35)、当該認証結果を現場側画像表示領域438に表示する。図59に示すように、ウェブカメラ30のカメラ画像に写っている被写体18と、撮影メニューの示す被写体18とが一致する(同一人物である)認証結果であれば(ステップS36:YES)、操作者32は、この表示内容を確認した後にステップS37以降の作業を実行する。
一方、図60に示すように、ウェブカメラ30のカメラ画像に写っている被写体18と、撮影メニューの示す被写体18とが異なる(真正な被写体ではない)認証結果であれば(ステップS36:NO)、操作者32は、ステップS27に戻って、真正な被写体18を見つけ出す作業を再度行う。
ステップS37において、操作者32がカセッテ本体部22のスイッチ50を投入すると、バッテリ166は、放射線検出器20、カセッテ制御部168及び通信部170に電力を供給して、カセッテ本体部22全体を起動させる。これにより、カセッテ制御部168は、カセッテ本体部22が起動したことを通知するための起動通知信号を無線により携帯情報端末34に送信する。また、操作者32が一方の手で取手310を把持すると、タッチセンサ312が検出信号を出力する。
制御処理部222は、前記起動通知信号の受信に基づいて、撮影準備を指示するための撮影準備指示信号と、メモリ224に登録されている撮影メニューの撮影条件とを無線により放射線源本体部16及びカセッテ本体部22に送信する。
放射線源本体部16のバッテリ134は、通信部136及び線源制御部138に対する電力供給を常時行っている。線源制御部138は、タッチセンサ312から検出信号が出力され、且つ、前記撮影準備指示信号及び前記撮影条件を受信すると、当該撮影条件を登録する一方で、照射野ランプ56及びウェブカメラ330に電力供給を行うようにバッテリ134を制御する。
これにより、照射野ランプ56は、バッテリ134からの電力供給に起因して照射光54を出力する。照射光54は、ミラー144でコリメータ146側に反射して外部に出力され、カセッテ本体部22の照射面44に投光される(ステップS38)。
ここで、撮影間距離がSIDに調整されていれば、照射光54の投光により照射面44に表示された放射線12の照射野と、ガイド線46の外枠とが略一致する。従って、放射線12の照射野(照射光54の照射範囲)の位置とガイド線46の外枠の位置とが一致しない場合や、放射線12の照射野の大きさとガイド線46の外枠の大きさとが一致しない場合には、操作者32は、撮影間距離がSIDに一致するように、放射線源本体部16とカセッテ本体部22との位置関係を調整する。
なお、カセッテ本体部22にも撮影準備指示信号及び撮影条件が送信されることにより、カセッテ制御部168は、放射線画像撮影装置10が撮影準備段階に入ったことを把握すると共に、カセッテIDメモリ214に前記撮影条件を登録する。
また、上記の説明では、スイッチ50の投入に起因して放射線検出器20が起動する場合について説明したが、これに代えて、カセッテ制御部168での撮影準備指示信号の受信に起因して、バッテリ166から放射線検出器20に電力(バイアス電圧Vb)を供給することにより、該放射線検出器20を起動させてもよい。あるいは、放射線源本体部16の通信部136がタッチセンサ312からの検出信号を無線により外部に送信するのであれば、カセッテ制御部168は、通信部170が無線により前記検出信号を受信したときに、バッテリ166から放射線検出器20への電力供給を開始させてもよい。
一方、ウェブカメラ330は、カセッテ本体部22のガイド線46の外枠を含めた所定の撮影領域332の撮影を開始し、そのカメラ画像は、通信部136及びアンテナ340を介して携帯情報端末34に送信される。携帯情報端末34の制御処理部222は、受信したカメラ画像を通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に送信すると共に、前記カメラ画像をメモリ224に記憶する(ステップS39)。
この場合、ウェブカメラ330のカメラ画像が動画であれば、制御処理部222は、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して医療機関40に前記動画を送信する。また、前記カメラ画像が所定時間間隔で撮影された静止画であれば、制御処理部222は、前記静止画を取得する毎に、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して医療機関40に前記静止画を送信する。
従って、ステップS38、S39以降、携帯情報端末34側では、連続的に又は間欠的に前記カメラ画像を無線通信により医療機関40に送信する。そのため、医療機関40では、ステップS41以降、アンテナ102及び通信部104を介して、ウェブカメラ330のカメラ画像を連続的に又は間欠的に受信することになる。
なお、ウェブカメラ330が所定時刻にカメラ画像を撮影した場合、制御処理部222は、所定時刻に撮影された前記カメラ画像を、通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して医療機関40に送信する。
そして、上記のように撮影間距離をSIDに調整して、放射線12の照射野とガイド線46の外枠とを一致させた後のステップS40において、操作者32は、カセッテ本体部22の照射面44側に被写体18を配置させて、被写体18の撮影部位がガイド線46の外枠に入るように、該被写体18の位置決め(ポジショニング)を行う。
この場合、ウェブカメラ30は、被写体18の撮影部位(右手)、放射線源本体部16及びカセッテ本体部22の照射面44側を含む撮影領域28を撮影する。また、ウェブカメラ330は、被写体18の撮影部位(右手)及びカセッテ本体部22の照射面44側を含む撮影領域332を撮影する。なお、被写体18が右手を負傷しており、該右手を撮影部位として放射線画像の撮影を行う場合、ウェブカメラ30、330により撮影されるカメラ画像は、当該撮影部位での怪我の具合が分かる画像となる。
携帯情報端末34の表示部64は、ウェブカメラ30、330が撮影した各カメラ画像を表示する。また、ウェブカメラ30、330が撮影した各カメラ画像は、ネットワーク36を介した無線通信により携帯情報端末34から医療機関40に送信されているので(ステップS11、S39)、コンソール106の表示部112にもウェブカメラ30、330が撮影した各カメラ画像が表示される。
図61及び図63は、表示部64の画面430のウィンドウ432に前記各カメラ画像を表示した場合を図示したものであり、図62及び図64は、表示部112の画面400のウィンドウ402に前記各カメラ画像を表示した場合を図示したものである。
この場合、各現場側画像表示領域404、438は、ウェブカメラ30が撮影したカメラ画像を表示する携帯端末側画像表示領域404a、438aと、ウェブカメラ330が撮影したカメラ画像を表示する線源側画像表示領域404b、438bとにそれぞれ分割されている。
前述したように、ウェブカメラ30、330が撮影した各カメラ画像がリアルタイムで携帯情報端末34からネットワーク36を介して医療機関40に送信されるので、携帯端末側画像表示領域404a、438aには、ウェブカメラ30が撮影した同一のカメラ画像がそれぞれ表示されると共に、線源側画像表示領域404b、438bには、ウェブカメラ330が撮影した同一のカメラ画像がそれぞれ表示される。しかも、これらのカメラ画像は、撮影メニュー表示領域406、434や待機場所側画像表示領域436よりも大きく表示されている。
ここで、図61及び図62は、ガイド線46の外枠内に被写体18の撮影部位(右手)がポジショニングされている状態を図示したものであり、一方で、図63及び図64は、前記撮影部位が前記外枠内にポジショニングされていない状態を図示したものである。
そこで、ステップS42において、医師38は、携帯端末側画像表示領域404a及び線源側画像表示領域404bに表示された各カメラ画像を見ながら、被写体18の撮影部位のポジショニングが適切か否かを判断する。
例えば、(図61及び)図62のように、被写体18の撮影部位(右手)がガイド線46の外枠内に写り込んでいるようなカメラ画像である場合、医師38は、現在表示されている前記撮影部位とガイド線46との位置関係で撮影を行えば、適切な被写体18の放射線画像が得られるものと判断し(ステップS42:YES)、マイクロフォン122を用いて音声により、あるいは、操作部114及びマウス336を操作することにより、ポジショニングがOKであること(撮影準備が完了したこと)を現場の操作者32に伝達する(ステップS43)。この場合、制御処理部226は、マイクロフォン122に入力された音声、あるいは、操作部114及びマウス336の操作内容に応じた信号を、通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する(ステップS44)。
携帯情報端末34の制御処理部222は、アンテナ216及び通信部218を介して受信した前記信号に基づいて(ステップS45)、図65又は図66に示すように、撮影準備が完了したことを示す「ポジショニングOKです」の表示内容を待機場所側画像表示領域436又は現場側画像表示領域438に表示させる。あるいは、スピーカ78から音声により撮影準備の完了を通知してもよい。従って、操作者32は、ウィンドウ432の表示内容を確認することにより、あるいは、スピーカ78からの音声を聞くことにより、撮影準備が完了したことを把握することができる(ステップS46:YES)。
この場合、待機場所側画像表示領域436で医師38の画像に重ねて「ポジショニングOKです」の文字を表示させると、操作者32は、医師38が確認してくれたと安心する。また、現場側画像表示領域438でカメラ画像に重ねて「ポジショニングOKです」の文字を表示させると、操作者32は、このポジショニングでの放射線画像の撮影が可能であることを容易に理解することができる。
これに対して、(図63及び)図64のように、被写体18の撮影部位(右手)がガイド線46の外枠内に入り切っていないようなカメラ画像である場合、医師38は、現在表示されている前記撮影部位とガイド線46との位置関係で撮影を行っても、適切な被写体18の放射線画像が得られないと判断し(ステップS42:NO)、マイクロフォン122を用いて音声により、あるいは、操作部114を操作することにより、ポジショニングがNGであること(ガイド線46の外枠内に撮影部位を移動させること)を現場の操作者32に伝達する(ステップS47)。この場合、制御処理部226は、マイクロフォン122に入力された音声、あるいは、操作部114及びマウス336の操作内容に応じた信号を、通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する(ステップS44)。
携帯情報端末34の制御処理部222は、アンテナ216及び通信部218を介して受信した前記信号に基づいて(ステップS45)、図67又は図68に示すように、ポジショニングがNGであることを示す「患者様の右手をセンターへ移動させてください」の表示内容を待機場所側画像表示領域436又は現場側画像表示領域438に表示させる。あるいは、スピーカ78から音声によりポジショニングがNGであることを通知してもよい。従って、操作者32は、ウィンドウ432の表示内容を確認することにより、あるいは、スピーカ78からの音声を聞くことにより、ポジショニングをやり直しする必要があることを把握することができる(ステップS46:NO)。
この場合、待機場所側画像表示領域436で医師38の画像に重ねて「患者様の右手をセンターへ移動させてください」の文字を表示させると、操作者32は、医師38からの指示であると直ちに理解することができる。また、現場側画像表示領域438でカメラ画像に重ねて「患者様の右手をセンターへ移動させてください」の文字を表示させると、操作者32は、このポジショニングでの放射線画像の撮影が不可能であることを容易に理解することができる。
ポジショニングのOK又はNGを操作者32に通知する際には、図65〜図68に代えて、図69又は図70の表示内容としてもよい。図69及び図70では、待機場所側画像表示領域436がウィンドウ432の右側に大きく表示される一方で、撮影メニュー表示領域434及び現場側画像表示領域438が左側に小さく表示され、待機場所側画像表示領域436に表示された医師38の画像に「ポジショニングOKです」又は「患者様の右手をセンターへ移動させてください」の文字が重ねて表示される。すなわち、放射線画像の撮影準備の段階では、被写体18のポジショニングを正確に行う必要がある。そこで、待機場所側画像表示領域436を大きく表示すると共に、上記の文字を拡大表示することで、医師38の判断結果を強調して操作者32に通知することができる。
なお、図61、図62、図65、図66、図69及び図71において、携帯端末側画像表示領域404a、438a及び線源側画像表示領域404b、438bに表示されるカメラ画像には、被写体18の撮影部位である右手と、右腕の少なくとも一部とが写り込んでいる。少なくとも撮影準備の段階では、医師38は、撮影部位全体を把握しながら操作者32に対する指示等を行う一方で、操作者32は、撮影部位全体を把握しながら所定の作業を行う必要があるため、上記のように、右手と右腕の少なくとも一部とを含むカメラ画像を表示することにより、撮影準備を効率よく遂行することが可能となる。
また、被写体18のポジショニング時には、少なくとも現場のカメラ画像(ウェブカメラ30、330のカメラ画像)がウィンドウ402に表示されていればよいので、図32のように、撮影メニューやウェブカメラ116のカメラ画像を隠して、現場のカメラ画像のみ表示させてもよい。
さらに、「ポジショニングOKです」及び「患者様の右手をセンターへ移動させてください」の文字が定型文であれば、医師38による音声による指示に代えて、図71に示すように、現場側画像表示領域404上にポジショニングがOKであるか、あるいは、NGであるのかを選択させる選択ボタン564、566を表示させてもよい。これにより、医師38がマウス336を操作して選択ボタン564又は選択ボタン566をクリックするだけで、クリックされた選択ボタンに応じた指示内容が医療機関40から携帯情報端末34に送信されるので、医師38の作業負担が軽減される。なお、表示部64の画面430のウィンドウ432には、前記指示内容に応じて、図65〜図70のいずれかの内容が表示される。
なお、ステップS42のポジショニングの判定の際、ウィンドウ402の表示内容は、図72又は図73の内容であってもよい。
図72では、ウェブカメラ30のカメラ画像が大きく表示され、ウィンドウ402の下端には、ウェブカメラ330のカメラ画像を表示させるための切替ボタン568が表示されている。従って、医師38がマウス336を操作して切替ボタン568をクリックすると、図73に示すように、ウェブカメラ330のカメラ画像が大きく表示され、ウィンドウ402の下端には、ウェブカメラ30のカメラ画像を表示させるための切替ボタン570が表示される。従って、図72又は図73の表示であれば、現場のカメラ画像が拡大表示されているので、医師38は、適切なポジショニングであるか否かの判定を一層容易に行うことができる。
また、図74に示すように、ステップS44後、ウィンドウ402における撮影メニュー表示領域406の下側に、曝射スイッチを示すアイコン572を表示してもよい。前述したように、コンソール106には曝射スイッチ120が備わっているが、該曝射スイッチ120を使用することができない場合には、アイコン572を用いて放射線12の照射の指示を行えばよい。
そして、ステップS48において、医師38は、撮影準備が完了(ステップS42:YES、ステップS43、S44)したことを前提に、曝射スイッチ120を投入する(あるいは、曝射スイッチを示すアイコン572をクリックする)。これにより、制御処理部226の制御信号生成部346は、放射線源14からの放射線12の出力を開始させるための曝射制御信号を生成し、通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して携帯情報端末34に送信する(ステップS49)。
制御処理部222は、アンテナ216及び通信部218を介して前記曝射制御信号を受信すると(ステップS50)、放射線源14からの放射線12の出力の開始と、放射線検出器20における放射線12の検出及び放射線画像への変換との同期を取ることにより、被写体18に対する放射線画像の撮影を実行するための同期制御信号を生成し、通信部218及びアンテナ216を介して放射線源本体部16及びカセッテ本体部22に前記同期制御信号を送信する。
ステップS51において、線源制御部138は、アンテナ340及び通信部136を介して前記同期制御信号を受信すると、バッテリ134から照射野ランプ56への電力供給を停止させることにより、該照射野ランプ56による照射光54の投光を停止させると共に、線源制御部138に登録された撮影条件に従って、所定の線量からなる放射線12を被写体18に照射するように放射線源14を制御する。
これにより、放射線源14内では、線源制御部138からの制御に従って、回転機構148が回転シャフト150及び回転陽極152を回転させ、一方で、電源部142がバッテリ134からの電力供給に基づいて電子源158に負電圧を印加すると共に、電源部140がバッテリ134からの電力供給に基づいて回転陽極152と陰極156との間に電圧を印加するので、電子源158から放出された電子は、回転陽極152と陰極156との間に印加された電圧により加速されてターゲット層154に衝突し、ターゲット層154の電子の衝突面(焦点160)からは、該衝突した電子に応じた放射線12が出力される。
放射線12は、ミラー144を通過してコリメータ146により照射範囲が絞られた状態で放射線源本体部16から外部に出力されて、被写体18に照射される。この場合、撮影条件に基づく所定の曝射時間(照射時間)だけ被写体18に放射線12が照射されると、該放射線12は、被写体18を透過してカセッテ本体部22内の放射線検出器20に至る。
ステップS52において、放射線検出器20が間接変換型の放射線検出器である場合に、該放射線検出器20を構成するシンチレータは、放射線12の強度に応じた強度の可視光を発光し、光電変換層186を構成する各画素180は、可視光を電気信号に変換し、電荷として蓄積する。次いで、各画素180に保持された被写体18の放射線画像である電荷情報は、カセッテ制御部168を構成するアドレス信号発生部212からライン走査駆動部190及びマルチプレクサ192に供給されるアドレス信号に従って読み出される。
すなわち、ライン走査駆動部190のアドレスデコーダ194は、アドレス信号発生部212から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW1の1つを選択し、対応するゲート線182に接続されたTFT188のゲートに制御信号Vonを供給する。一方、マルチプレクサ192のアドレスデコーダ200は、アドレス信号発生部212から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW2を順次切り替え、ライン走査駆動部190によって選択されたゲート線182に接続された各画素180に保持された電荷情報である放射線画像を信号線184を介して順次読み出す。
選択されたゲート線182に接続された各画素180から読み出された放射線画像は、各増幅器196によって増幅された後、各サンプルホールド回路198によってサンプリングされ、マルチプレクサ192を介してA/D変換器202に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された放射線画像は、カセッテ制御部168の画像メモリ210に一旦記憶される(ステップS53)。
同様にして、ライン走査駆動部190のアドレスデコーダ194は、アドレス信号発生部212から供給されるアドレス信号に従ってスイッチSW1を順次切り替え、各ゲート線182に接続されている各画素180に保持された電荷情報である放射線画像を信号線184を介して読み出し、マルチプレクサ192及びA/D変換器202を介してカセッテ制御部168の画像メモリ210に記憶させる(ステップS53)。
画像メモリ210に記憶された放射線画像は、カセッテIDメモリ214に記憶されたカセッテID情報と共に、通信部170を介して無線通信により携帯情報端末34に送信される。携帯情報端末34の制御処理部222は、アンテナ216及び通信部218を介して受信した放射線画像及びカセッテID情報をメモリ224に記憶すると共に、放射線画像及びカセッテID情報を通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により送信する(ステップS54)。また、制御処理部222は、メモリ224に記憶された放射線画像を表示部64の画面430に表示する(ステップS55)。
一方、制御処理部226は、アンテナ102及び通信部104を介して受信した放射線画像及びカセッテID情報をメモリ228に記憶すると共に(ステップS56)、メモリ228に記憶された放射線画像を表示部112の画面400に表示する(ステップS57)。
図75及び図76は、ステップS55における表示部64の画面430の表示内容を示し、図77は、ステップS57における表示部112の画面400の表示内容を示す。
図75の画面430のウィンドウ432において、左上の領域には撮影メニュー表示領域434が割り当てられ、左下の領域には待機場所側画像表示領域436が割り当てられ、右側の領域には、放射線画像を表示する放射線画像表示領域580が割り当てられている。また、ウィンドウ432の下端には、ウェブカメラ30のカメラ画像を表示させるための切替ボタン574と、ウェブカメラ330のカメラ画像を表示させるための切替ボタン576とが表示されている。
なお、図1、図61、図62、図72及び図73に示すように、カセッテ本体部22の照射面44に対して被写体18の右手を横にした状態で放射線画像の撮影が行われるため、通常は、カメラ画像と同じ方向に向いた放射線画像が放射線画像表示領域580に表示されるが、制御処理部222は、操作者32が放射線画像を容易に視認できるように、撮影された放射線画像を90°回転させて放射線画像表示領域580に表示させている(図75参照)。
また、図75の表示内容では、放射線画像が大きく表示されているので、操作者32は、放射線画像が取得できたか否かを容易に確認することができる。なお、操作者32が操作部60を操作して切替ボタン574、576を選択すれば、選択した切替ボタンに応じたカメラ画像が、前記放射線画像に代わって大きく表示される。
ところで、図76の場合、画面430のウィンドウ432において、左上の領域には撮影メニュー表示領域434が割り当てられ、左下の領域には放射線画像表示領域580が割り当てられ、右側の領域には、携帯端末側画像表示領域438aと線源側画像表示領域438bとが並行して割り当てられている。また、ウィンドウ432の下端には、医師38のカメラ画像を表示させるための切替ボタン578が表示されている。
これは、放射線画像の撮影を行っても、後述するように、医師38から再撮影の指示が行われる可能性があるため、図76のように、携帯端末側画像表示領域438a及び線源側画像表示領域438bを大きく表示させておけば、再撮影の指示があっても迅速に対応することが可能になるからである。
図77の画面400のウィンドウ402において、左側の領域には撮影メニュー表示領域406が割り当てられ、右側の領域には、放射線画像を表示する放射線画像表示領域582が割り当てられている。また、ウィンドウ402の下端には、ウェブカメラ30のカメラ画像を表示させるための切替ボタン570と、ウェブカメラ330のカメラ画像を表示させるための切替ボタン568とが表示されている。さらに、撮影メニュー表示領域406には、アイコン450、464、466に加え、放射線画像表示領域582に表示されている放射線画像が適切な画像であるか否か(医師38による読影診断に適した画像であるか否か)を判定するための選択ボタン584、586が表示されている。
この場合でも、制御処理部226は、医師38が放射線画像を容易に視認できるように、撮影された放射線画像を90°回転させて放射線画像表示領域582に表示させている。
また、図75及び図77では、撮影部位としての右手の放射線画像が放射線画像表示領域580、582全体に大きく表示されている。これは、後述するステップS58において、該右手の放射線画像が読影診断に適した画像であるか否かを正確に判断する必要があるため、撮影部位以外の他の部分(例えば、右腕)については、表示する必要がないからである。従って、携帯端末側画像表示領域404a、438a及び線源側画像表示領域404b、438b(図61、図62、図65、図66、図69及び図71参照)に表示された右手及び右腕の一部を含むカメラ画像と比較して、放射線画像表示領域580、582では、右手の放射線画像が表示領域全体に拡大表示されている。つまり、放射線画像表示領域580、582における右手の放射線画像は、携帯端末側画像表示領域404a、438a及び線源側画像表示領域404b、438bに表示された右手の光学画像よりも、大きめ(広め)に表示される。
ステップS58において、医師38は、当該放射線画像が適切な画像であると判断した場合(ステップS58:YES)、マウス336を操作して撮影がOKであったことを示す選択ボタン584をクリックする(ステップS59)。
これにより、ステップS60において、制御処理部226の紐付け処理部348は、(1)今回の放射線画像の撮影での撮影メニュー、(2)ステップS31、S32の処理で使用した真正な被写体18の顔のカメラ画像、(3)ステップS42、S43の処理で使用したポジショニングOKの(被写体18の撮影部位の)カメラ画像、(4)前記放射線画像、(5)カセッテID情報、(6)ウェブカメラ116が撮影した医師38(今回の撮影での担当医師)のカメラ画像、を紐付けして(対応付けて)メモリ228に記憶する。なお、紐付けされる各カメラ画像は、静止画又は動画のどちらの画像でもよい。
これらの情報は、メモリ228に全て記憶されているので、紐付け処理部348は、メモリ228から紐付けの対象となる情報(撮影メニュー、各種画像、カセッテID情報)を読み出して紐付けし、紐付けした各情報をメモリ228に記憶する。従って、紐付け処理部348は、容易に紐付けの処理を行うことができる。
このように前記各情報を紐付けすることにより、前記各情報の対応関係が明確となり、医師38は、読影診断を効率よく行うことができる。なお、医師38は、読影診断を行う場合、例えば、コンソール106の操作部114を操作して、カセッテID情報又は被写体18のID情報等を入力すればよい。制御処理部226は、入力されたID情報に一致するID情報がメモリ228に記憶されているか否かを検索し、一致するID情報が検索できたときに、該ID情報と共に紐付けされた各情報を表示部112に表示させる。このような読影診断は、コンソール106上に限らずRISにおいて行ってもよいことは勿論である。
また、被写体18の顔のカメラ画像は、実際の認証処理(生体認証処理、瞳孔認証処理)に用いられた画像であるため、被写体18の取り違いに起因した誤った情報による紐付けを確実に防止することができる。さらに、被写体18の撮影部位のカメラ画像と放射線画像とが紐付けされているので、撮影部位の状況(例えば、右手の怪我の状況)と放射線画像とを対比することも可能となる。
上記の紐付けの完了後、制御処理部226は、ウィンドウ402の表示内容を図78の内容に切り替え、被写体18に対して連続撮影を行うか否かを医師38に問い合わせる(ステップS61)。この場合、撮影メニュー表示領域406には、選択ボタン584、586に代えて、連続撮影を行うか否かを選択するための選択ボタン588、590が表示されており、連続撮影を行わないのであれば、医師38は、マウス336を操作して連続撮影を行わないことを示す選択ボタン590をクリックする(ステップS61:NO)。
次に、制御処理部226は、ウィンドウ402の表示内容を図79の内容に切り替え、異なる条件(異なるオーダ情報、手技又は撮影条件)で被写体18に対する撮影を行うか否か、あるいは、他の被写体18に対する撮影を行うか否かを医師38に問い合わせる(ステップS62)。この場合、撮影メニュー表示領域406には、選択ボタン588、590に代えて、異なる条件で被写体18に対する撮影を行うか否か、又は、他の被写体18に対する撮影を行うか否かを選択するための選択ボタン592、594が表示されており、今回の撮影とは異なる撮影を行わないのであれば、医師38は、マウス336を操作して該異なる撮影を行わないことを示す選択ボタン594をクリックする(ステップS62:NO)。
以上のステップS58〜S62の処理を経て、制御処理部226は、今回の撮影がOKであると共に、今回の撮影にて放射線画像の撮影が完了したことを示す指示内容を通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する(ステップS63)。
携帯情報端末34の制御処理部222は、アンテナ216及び通信部218を介して前記指示内容を受信すると(ステップS64)、この指示内容が撮影OKの指示内容であるか(ステップS65)、連続撮影の指示内容であるか(ステップS66)、及び、異なる条件での撮影又は他の被写体18に対する撮影の指示内容であるのか(ステップS67)を順に判定する。
前記指示内容が撮影OKの指示内容であり(ステップS65:YES)、連続撮影の指示内容ではなく(ステップS66:NO)、且つ、異なる条件での撮影又は他の被写体18に対する撮影の指示内容でもない(ステップS67:NO)のであれば、制御処理部222は、当該指示内容が、撮影OKで且つ今回の撮影で放射線画像の撮影が完了したことを示す指示内容であると判断し(ステップS68)、表示部64の画面430の表示内容を図80の表示内容に切り替える。
この場合、現場側画像表示領域438(携帯端末側画像表示領域438a及び線源側画像表示領域438b)に代えて、待機場所側画像表示領域436が大きく表示され、医師38のカメラ画像に重ねて「撮影OKです」の文字が表示される。これにより、操作者32は、被写体18に対する撮影が完了したことを容易に把握することができる。
次のステップS69において、操作者32は、操作部60を操作するか、あるいは、電源スイッチ76を押すことにより、携帯情報端末34を停止させる。これにより、バッテリ220から携帯情報端末34内の各部への電力供給が停止すると共に、携帯情報端末34と医療機関40との間の無線通信も停止する。また、操作者32が取手310から離間することにより、タッチセンサ312からの検出信号の出力が停止するので、線源制御部138は、バッテリ134から放射線源本体部16の各部への電力供給を停止させる。これにより、放射線源本体部16と携帯情報端末34との間の無線通信や、ウェブカメラ330によるカメラ画像の撮影も停止に至る。さらに、操作者32がスイッチ50を押すことにより、カセッテ本体部22が停止して、バッテリ166からカセッテ本体部22の各部への電力供給が停止すると共に、カセッテ本体部22と携帯情報端末34との間の無線通信も停止に至る。
次のステップS70において、操作者32は、ヒンジ部70の作用下に、携帯情報端末34の軸部68を中心として、蓋部66を本体部62側に回動させることにより、突起72と凹部74とを嵌合させて、携帯情報端末34を折り畳んだ状態にする。次に、操作者32は、放射線源本体部16、カセッテ本体部22及び携帯情報端末34をアタッシュケース98に収容する。そして、操作者32は、自己が所属する医療機関40にアタッシュケース98を持ち帰る(ステップS71)。
なお、図81及び図82に示すように、ガイド線46の外枠内に被写体18の撮影部位が納まっていない状態で放射線画像の撮影が誤って行われ、その放射線画像が各表示部64、112の画面400、430に表示された場合、医師38は、適切な放射線画像が取得できなかったので再撮影が必要と判断し(ステップS58:NO)、マウス336を操作して撮影がNGであったことを示す選択ボタン586をクリックする(ステップS72)。
これにより、制御処理部226は、再撮影の指示内容を通信部104、アンテナ102及びネットワーク36を介して無線通信により携帯情報端末34に送信する(ステップS63)。携帯情報端末34の制御処理部222は、アンテナ216及び通信部218を介して前記指示内容を受信すると(ステップS64)、撮影OKの指示内容であるか否かを判定する(ステップS65)。この場合、前記指示内容が再撮影(撮影NG)の指示内容であるため(ステップS65:NO)、制御処理部222は、表示部64の画面430の表示内容を図83の内容に切り替える。
図83において、待機場所側画像表示領域436には、医師38のカメラ画像と共に、再撮影を指示する「撮影NGです。再撮影です。」の文字が重ねて表示されている。従って、操作者32は、再撮影が必要であることを確実に認識することができる。そして、操作者32は、ステップS40に戻って、被写体18のポジショニングを再度行い、再撮影の準備に入る。
その際、図84及び図85に示すように、各画面400、430には、現場側画像表示領域404、438(携帯端末側画像表示領域404a、438a及び線源側画像表示領域404b、438b)を大きく表示させると共に、撮影が失敗した放射線画像を放射線画像表示領域580、582に小さく表示させてもよい。
なお、上記の説明では、被写体18の撮影部位がガイド線46の外枠内に納まっていない状態で放射線画像の撮影が誤って行われた場合での再撮影の指示について説明した。本実施形態では、この説明に限定されることはなく、例えば、ポジショニング時に前記撮影部位がガイド線46の外枠内に納まっていても、放射線画像の撮影時には、前記撮影部位が被写体18の体動によってガイド線46の外枠から外れ、その状態で該撮影が行われた場合にも適用可能である。この場合でも、図82に示すように、ウィンドウ402内で放射線画像が大きく表示されるので、医師38は、放射線画像の撮影が失敗したことを容易に理解することができ、速やかに再撮影の指示を行うことができる。
また、ステップS61及び図78において、医師38がマウス336を操作して連続撮影を行うことを示す選択ボタン588をクリックした場合(ステップS61:YES)、医療機関40から携帯情報端末34には連続撮影を示す指示内容が送信される(ステップS63、S64)。従って、制御処理部222は、連続撮影を示す前記指示内容に基づいて(ステップS66:YES)、ステップS40又はステップS50に戻り、次の撮影に備える。また、医療機関40においても、ステップS42又はステップS48に戻り、次の撮影に備える。
さらに、ステップS62及び図79において、医師38がマウス336を操作して、異なる条件での撮影又は他の被写体18に対する撮影を行うことを示す選択ボタン592をクリックした場合(ステップS62:YES)、医療機関40から携帯情報端末34には新たな撮影を示す指示内容が送信される(ステップS63、S64)。従って、制御処理部222は、新たな撮影を示す前記指示内容に基づいて(ステップS67:YES)、ステップS23に戻り、次の撮影に備える。また、医療機関40においても、ステップS8又はステップS18に戻り、次の撮影に備える。
なお、第1実施例においては、上記の説明に限らず、図86〜図92の画面表示も可能である。
図86及び図87は、図32の場合と同様に、ウィンドウ402、432に放射線画像のみ大きく表示させたものである。このように、放射線画像が大きく表示されることで、医師38は、放射線画像が適切な画像であるか否かを容易に判断することができ、一方で、操作者32は、どのような放射線画像が得られたのかを容易に把握することができる。
また、ウィンドウ402、432の下端には、複数の切替ボタン422、440、442、568、570、574、576が表示されている。この場合、いずれか1つの切替ボタンが選択(クリック)されると、放射線画像に代えて、当該切替ボタンに応じた情報(画像)が大きく表示されるので、医師38又は操作者32は、大きく表示された情報を容易に確認することが可能となると共に、不要な情報を表示させないようにすることができる。
図88及び図89は、ウィンドウ402、432における右側の領域に、放射線画像と、放射線画像の撮影前にウェブカメラ30が撮影した被写体18の顔のカメラ画像(携帯端末側画像表示領域404c、438c)と、放射線画像の撮影前にウェブカメラ30が撮影したカメラ画像(携帯端末側画像表示領域404a、438aに表示された放射線源本体部16、撮影部位及びカセッテ本体部22の画像)と、放射線画像の撮影前にウェブカメラ330が撮影したカメラ画像(線源側画像表示領域404b、438bに表示された撮影部位及びカセッテ本体部22の画像)とが4画面表示されている場合を図示したものである。
前述したように、紐付け処理部348は、(1)撮影メニュー、(2)被写体18の顔のカメラ画像、(3)撮影部位のカメラ画像、(4)放射線画像、(5)カセッテID情報、(6)医師38のカメラ画像、を紐付けしてメモリ228に記憶するが、図88及び図89では、カセッテID情報以外の各情報(各画像)が一括して表示されている。
従って、例えば、紐付け(ステップS60)前のステップS59において、図88の画面表示を行えば、医師38は、これから紐付けされる情報を把握することができると共に、被写体18の特定や撮影部位の状況の把握を速やかに行うことができる。また、ステップS68において、図89の画面表示を行うことにより、操作者32は、どのような情報が紐付けされたのかを容易に理解することが可能である。さらに、読影診断の際に、これらの情報を一括して画面表示することにより、医師38は、読影診断の作業を効率よく進めることができる。
図90及び図91は、ステップS28においてウェブカメラ30が被写体18の瞳孔をクローズアップして撮影し、この結果、ウィンドウ402、432で現場側画像表示領域404、438を大きく表示した際に、被写体18の瞳孔が拡大表示された様子を図示したものである。このように、被写体18の瞳孔をクローズアップして撮影することにより、ステップS31において認証処理部344で行われる瞳孔認証処理を一層正確に行うことができ、この結果、被写体18の取り違えによって間違った紐付けが行われることを確実に防止することが可能となる。
図92は、オーダ情報に応じた手技に限らず、メモリ228に登録されている全ての手技の一覧をアイコン630〜638で手技表示領域410に表示させた場合を図示したものである。これらのアイコン630〜638には、被写体18の撮影部位を示す絵と、撮影部位を示す文字とが表示されている。アイコン630は、撮影部位が手であることを示し、アイコン632は、撮影部位が足であることを示し、アイコン634は、撮影部位が肺であることを示し、アイコン636は、撮影部位が肋骨であることを示し、アイコン638は、撮影部位が胃であることを示している。そして、例えば、医師38がマウス336を操作してアイコン630をクリックすると、図24の表示内容に切り替わり、手の撮影に関するより詳しい手技の一覧が表示される。
以上が第1実施例に関する説明である。
次に、第2実施例について説明する。
図15のステップS16後の図21のステップS81において、操作者32は、例えば、災害現場において、怪我による負傷等のため放射線画像の撮影が必要とされる被写体18を現場から見つけ出す。次に、操作者32は、被写体18の負傷箇所を撮影部位とみなし、ウェブカメラ30を該負傷箇所(撮影部位)に向けることで、前記負傷箇所を含めた被写体18のカメラ画像を撮影する(ステップS82)。ステップS83において、制御処理部222は、ステップS82で撮影されたカメラ画像を通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に送信する。
制御処理部226がアンテナ102及び通信部104を介して前記カメラ画像を受信すると(ステップS84)、制御処理部226は、表示部112の画面400の表示内容を図93の内容に切り替える。
図93において、ウィンドウ402の左側の領域には現場側画像表示領域404が割り当てられ、右側の領域には撮影メニュー表示領域406が割り当てられている。そして、撮影メニュー表示領域406には、オーダ情報を変更(設定、編集)するためのオーダ情報編集領域600が表示されている。
オーダ情報編集領域600には、カメラ画像に写っている被写体18のIDを入力するためのテキストボックス602と、被写体18の氏名を入力するためのテキストボックス604と、被写体18の性別を入力するためのテキストボックス606と、被写体18の年齢を入力するためのテキストボックス608と、被写体18に対する撮影方法を入力するためのテキストボックス610と、被写体18の撮影部位を入力するためのテキストボックス612と、入力内容がOKであるか、あるいは、NGであるのかを選択させる選択ボタン614、616とが表示されている。
従って、ステップS85において、医師38は、現場側画像表示領域404に表示された被写体18のカメラ画像を見ながら、操作部114及びマウス336を操作してテキストボックス602〜612に必要な内容を入力し、入力した内容で良ければ、マウス336を操作して選択ボタン614をクリックする。これにより、オーダ情報が設定され(ステップS86)、設定されたオーダ情報に応じた手技が撮影メニュー表示領域406に一覧表示される(ステップS18、図23及び図24)。
なお、入力した内容を修正したい場合には、選択ボタン616をクリックすることで、各テキストボックス602〜612に入力された内容を削除することができる。また、携帯情報端末34にはマイクロフォン80及びスピーカ78が設けられ、コンソール106にもマイクロフォン122及びスピーカ118が設けられているので、医師38は、操作者32に対してテキストボックス602〜612の入力内容に関わる情報(例えば、被写体18の氏名)を問い合わせ、これに対して、操作者32が医師38に回答することも可能である。
さらに、災害現場では、怪我による負傷者が多数いる可能性がある上に、操作者32も各負傷者に対して迅速に対応する必要があるため、医師38は、操作者32から的確な回答が得られない可能性もあり、従って、全てのテキストボックス602〜612を埋めることが困難である場合がある。このような場合、埋めることのできないテキストボックスについてはそのままとし、埋めることのできるテキストボックスのみ情報を入力すればよい。
また、第2実施例では、現場のカメラ画像を見ながら撮影メニューを変更する必要があるため、ウィンドウ402における現場側画像表示領域404の大きさと、撮影メニュー表示領域406の大きさとは、略同じ大きさとすることが望ましい。
以上が第2実施例に関する説明である。
次に、第3実施例について説明する。
前述した第2実施例でオーダ情報が設定され(ステップS86)、そのオーダ情報に基づいて撮影メニューが設定され(ステップS18〜S21)、設定後の撮影メニューが医療機関40から携帯情報端末34に送信されて(ステップS22、S23)、操作者32が当該撮影メニューを確認した(ステップS24)後の図22のステップS91において、操作者32は、確認した撮影メニューの内容が、被写体18の負傷箇所(撮影部位)に対応した適切な内容になっているか否かを判断する。
具体的には、図94に示すように、撮影メニュー表示領域434の下側に設定内容でOKであるか否かを選択するための選択ボタン620、622が表示されており、操作者32は、負傷している被写体18と、撮影メニューの内容とが対応しているか否かを判断する。そして、この撮影メニューの内容で良ければ、操作者32は、操作部60を操作して選択ボタン620をクリックする(ステップS91:YES)。これにより、制御処理部222は、ステップS25の処理を行って、設定した撮影メニューの内容でOKであることを示す確認通知を通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に送信すると共に、ウィンドウ432の表示内容を図94から図95の内容に切り替えて「OKの通知を病院へ送信しました」の文字を撮影メニュー表示領域434に表示させる。
コンソール106の制御処理部226は、アンテナ102及び通信部104を介して前記確認通知を受信すると(ステップS26)、表示部112の画面400の表示内容を図96の内容に切り替える。これにより、医師38は、操作者32が撮影メニューの内容を確認してくれたと共に、設定した撮影メニューの内容でOKであったことを把握することができる。
これに対して、負傷している被写体18と、撮影メニューの内容とが対応していない場合(ステップS91:NO)、操作者32は、操作部60を操作して選択ボタン622をクリックする(ステップS92)。これにより、制御処理部222は、設定した撮影メニューの内容が被写体18に対応していない(NGである)ことを示す確認通知(NG通知)を通信部218、アンテナ216及びネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に送信すると共に、ウィンドウ432の表示内容を図94から図97の内容に切り替えて「NGの通知を病院へ送信しました」の文字を撮影メニュー表示領域434に表示させる(ステップS93)。
コンソール106の制御処理部226は、アンテナ102及び通信部104を介して前記NG通知を受信すると(ステップS94)、表示部112の画面400の表示内容を図98の内容に切り替える(ステップS95)。これにより、医師38は、操作者32が撮影メニューの内容を確認してくれたと共に、設定した撮影メニューの内容がNGであり、再設定が必要であることを把握することができる。この場合、コンソール106は、表示部112による表示と共に、スピーカ118から音を出力することで、再設定が必要であることを警告してもよい(ステップS95)。
なお、第3実施例の説明では、撮影メニューの内容が適切な内容であるか否かを現場側で判断する場合について説明したが、オーダ情報、手技又は撮影条件のような個別の項目についてのみ現場側で判断し、その判断結果を医療機関40に通知してもよい。例えば、手技が適切な内容であるか否かを現場側で判断する場合、コンソール106の表示部112は、「手技OKです」又は「手技NGです」の文字を表示部112の画面400上に表示すればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム11、放射線画像撮影方法及び画像表示方法によれば、下記の効果が得られる。
本実施形態に係る放射線画像撮影システム11、放射線画像撮影方法及び画像表示方法によれば、放射線画像の撮影前は、携帯情報端末34の通信部218から医療機関40の通信部104に現場のカメラ画像(ウェブカメラ30、330が撮影した光学画像)が送信される一方で、通信部104から通信部218に撮影メニュー及び医療機関40のカメラ画像(ウェブカメラ116が撮影した光学画像)が送信される。これにより、コンソール106の表示部112は、撮影メニュー及び現場のカメラ画像のうち、少なくとも1つを表示することが可能となる一方で、携帯情報端末34の表示部64は、撮影メニュー、現場のカメラ画像及び医療機関40のカメラ画像のうち、少なくとも1つを表示することが可能となる。
従って、医療機関40等の待機場所で待機している医師(又は放射線技師)38は、表示部112に表示される現場のカメラ画像を見ながら、現場にいる操作者32に対して適切な指示(例えば、被写体18のポジショニングに対する指示)を行うことが可能となる。また、撮影メニューも表示部112に表示されていれば、医師38は、操作者32が撮影メニューの内容通りの作業を行っているか否かを現場のカメラ画像を見ながら確認(監視)することもできる。
一方、操作者32は、表示部64に表示される撮影メニューを見ることで、被写体18に対してどのような放射線画像の撮影が行われるのかを把握することができ、撮影メニューに応じた適切な作業(例えば、被写体18のポジショニング)を遂行することが可能となる。また、現場のカメラ画像が表示部64に表示されていれば、操作者32は、現場の状況を容易に確認することができる。さらに、医療機関40のカメラ画像が表示されていれば、操作者32は、医療機関40において現場の状況を把握しているものと認識することができ、安心して現場での作業を遂行することができる。
また、放射線画像の撮影後には、通信部218から通信部104に現場のカメラ画像及び放射線画像が送信される。これにより、コンソール106の表示部112は、撮影メニュー、現場のカメラ画像及び放射線画像のうち少なくとも1つを表示することが可能となる。一方、携帯情報端末34の表示部64は、撮影メニュー、現場のカメラ画像、医療機関40のカメラ画像及び放射線画像のうち少なくとも1つを表示することが可能となる。
これにより、医師38は、表示部112に表示される放射線画像を見ながら、撮影メニューに従って適切な放射線画像(読影診断に適した画像)が得られたか否かを判断することができる。また、操作者32も表示部64に表示される放射線画像を見ることで、放射線画像の撮影が適切に行われたか否かを知ることができる。
従って、本実施形態によれば、被写体18を直視することのできない待機場所(医療機関40)に医師38が待機している場合に、医師38は、表示部112の表示内容を見ながら、現場にいる操作者32に対して、リアルタイムで放射線画像の撮影を指示することができる。従って、現場に医師38が直接出向かなくても被写体18に対する撮影を遂行することが可能となる。
また、上述のように、通信部104、218間で撮影メニュー、現場のカメラ画像、医療機関40のカメラ画像及び放射線画像等の信号の送受信が行われるため、表示部112は、放射線画像の撮影の状況(撮影前、撮影後)に応じて、医師38が現時点で見たい情報をできるだけ大きく画面400上に表示することが可能になる一方で、表示部64は、放射線画像の撮影の状況に応じて、操作者32が現時点で見たい情報をできるだけ大きく画面430上に表示することが可能になる。これにより、医師38は、操作者32に対して適切な指示を行うことができると共に、適切な放射線画像が得られた否かの判定等を効率よく行うことができる。また、操作者32は、表示部64の表示内容(医師38からの指示等)に従って現場での作業を効率よく行うことができる。
このように、放射線画像の撮影の状況に応じて、医師38の見たい情報が各画面400上に大きく表示されると共に、操作者32の見たい情報が各画面430上に大きく表示されるので、各画面400、430は、互いに同じ表示内容を表示してもよいし、あるいは、互いに異なる表示内容を表示してもよい。
例えば、被写体18に対するポジショニングの際には、該被写体18の撮影部位がガイド線46の外枠内に納まっているか否かを判断しつつ、前記撮影部位の位置を調整する必要があるため、各画面400、430には同じ表示内容が表示されていることが望ましい。この場合、被写体18の撮影部位(右手)と、該撮影部位の近傍(右腕)とを含むカメラ画像が表示されていれば、医師38は、撮影部位全体を把握しながら適切な指示を操作者32に与えることができると共に、操作者32は、撮影部位全体を把握しながら所定の作業を行うことができ、この結果、撮影準備を効率よく遂行することが可能となる。
一方、撮影メニューの設定時や放射線画像の撮影後では、前述のように、各画面400、430は、互いに異なる表示内容を表示してもよい。
また、本実施形態において、現場側では、ウェブカメラ330が放射線源本体部16と一体的に構成されると共に、ウェブカメラ30が携帯情報端末34と一体的に構成されているので、部品点数が削減され、現場における放射線画像撮影装置10の組立て及び収容が容易になる。
さらに、本実施形態では、ウェブカメラ330は、カセッテ本体部22及び被写体18のうち少なくとも1つを撮影し、ウェブカメラ30は、カセッテ本体部22、放射線源本体部16及び被写体18のうち少なくとも1つを撮影し、ウェブカメラ116は、医師38を撮影する。
ウェブカメラ330のカメラ画像やウェブカメラ30のカメラ画像が表示部64に表示されることで、操作者32は、被写体18、カセッテ本体部22及び放射線源本体部16を直接視認しなくても、表示部64の表示内容を確認するだけで、被写体18、カセッテ本体部22及び放射線源本体部16の状況を把握することができる。また、ウェブカメラ116のカメラ画像が表示部64に表示されることで、操作者32は、医師38が現場を見ているものと認識することができ、安心して現場での作業を遂行することができる。さらに、ウェブカメラ330のカメラ画像やウェブカメラ30のカメラ画像が表示部112に表示されることで、医師38は、現場に直接出向かなくても、被写体18、カセッテ本体部22及び放射線源本体部16を含めた現場の状況を的確に把握することが可能になると共に、操作者32に対して適切な指示を与えることができる。
しかも、各表示部64、112は、放射線画像の撮影が行われるまでは、ウェブカメラ30、330のカメラ画像、又は、撮影メニューを他の画像よりも大きく表示する。これにより、放射線画像の撮影前に行われる被写体18のポジショニングや、撮影メニューの設定を効率よく行うことができる。
また、前述したように、放射線画像の撮影の状況に応じて、表示部112は、医師38が見たい情報をできるだけ大きく画面400上に表示すると共に、表示部64は、操作者32が見たい情報をできるだけ大きく画面430上に表示する。具体的には、下記のような表示が行われる。
コンソール106においてオーダ情報に基づき手技と撮影条件とが設定される際、表示部112は、撮影メニューを他の画像よりも大きく表示する。これにより、撮影メニューの設定が一層容易なものとなる。一方、表示部64は、通信部218を介して受信した撮影メニュー中、手技をオーダ情報及び撮影条件よりも大きく表示する。これにより、操作者32に対して、今回行われる放射線画像の撮影の手技を確実に指示することができる。
また、少なくとも表示部112は、放射線画像の撮影後、該放射線画像を他の画像よりも大きく表示することが望ましい。これにより、撮影メニューに従って適切な放射線画像が得られたか否かを容易に判断することが可能となる。この場合、撮影部位(右手)の放射線画像が、前記撮影部位及び該撮影部位の近傍(右腕の一部)を含むカメラ画像と比較して、大きめ(広め)に表示されていれば、前記放射線画像が読影診断に適した画像であるか否かを正確に判断することができる。
さらに、各表示部64、112は、放射線画像の再撮影が行われる場合、ウェブカメラ30、330が撮影したカメラ画像、又は、撮影メニューを他の画像よりも大きく表示してもよい。これにより、再撮影に対する撮影準備にかかる時間を短縮することができる。
なお、再撮影が不要である場合や、1回のみの撮影である場合に、各表示部64、112は、放射線画像の撮影後、撮影メニューを表示せず、他の画像を大きく表示させてもよい。
また、本実施形態において、認証処理部344は、ウェブカメラ30、330に写り込んだ被写体18と、オーダ情報の示す被写体18とが一致するか否かを判定するので、被写体18の取り違いによる間違った紐付けの発生や、放射線画像の撮影ミスの発生を回避することができる。
この場合、ウェブカメラ30、330は、被写体18の顔を撮影し、認証処理部344は、ウェブカメラ30、330が撮影した顔のカメラ画像に基づいて、当該カメラ画像に写り込んだ顔の被写体18と、オーダ情報の示す被写体18とが一致するか否かを判定する。このような顔の画像を用いた認証処理を行うことで、カメラ画像に写り込んだ被写体18が真正な被写体であるか否かを確実に判定することができる。
より好ましくは、顔のカメラ画像は、被写体18の瞳孔を含む顔の画像であり、認証処理部344は、ウェブカメラ30、330が撮影した瞳孔を含むカメラ画像に基づいて、当該カメラ画像に写り込んだ瞳孔を有する被写体18と、オーダ情報の示す被写体18とが一致するか否かを判定すればよい。瞳孔認証処理を行うことで、カメラ画像に写り込んだ被写体18と、オーダ情報の示す被写体18との認証処理をより正確に行うことが可能となり、被写体18の取り違いによる間違った紐付けの発生や、放射線画像の撮影ミスの発生を確実に回避することができる。
さらに、各表示部64、112は、ウェブカメラ30、330のカメラ画像のうち少なくとも一方と、撮影メニューとを共に表示してもよい。これにより、ウェブカメラ30、330に写り込んでいる被写体18(の撮影部位)と、撮影メニューの内容とが対応しているか否かを容易に判断することが可能となる。
さらにまた、各表示部64、112は、放射線画像の撮影後、少なくとも放射線画像と撮影メニューとを共に表示してもよい。これにより、撮影メニューに従って適切な放射線画像が得られたか否かを効率よく行うことができる。
また、本実施形態に係る放射線画像撮影システム11、放射線画像撮影方法及び画像表示方法によれば、第2実施例に示したように、放射線画像の撮影前に、現場の通信部218から医療機関40(待機場所)の通信部104に現場のカメラ画像が送信され、コンソール106は、現場のカメラ画像に写り込んでいる被写体18の状況に応じて撮影メニューの内容を設定(変更)し、設定後の撮影メニューを通信部104から通信部218に送信する。この結果、携帯情報端末34は、設定後の撮影メニューに基づいて放射線源本体部16及びカセッテ本体部22を制御し、被写体18に対する放射線画像の撮影を行わせる。
このように、本実施形態によれば、放射線画像の撮影前に、被写体18に応じて撮影メニューを設定し(書き替え)、設定後の撮影メニューに基づいて放射線画像の撮影を行うことにより、適切な放射線画像を取得することが可能となる。
また、携帯情報端末34側では、放射線画像の撮影前に、ウェブカメラ30、330が撮影したカメラ画像に写り込んでいる被写体18と、撮影メニューの示す被写体18とが一致しているか否かの判定を行い、制御処理部222は、その判定結果を通信部218を介して通信部104に送信する。これにより、医師38は、設定した撮影メニューが現場にいる被写体18に応じた撮影メニューであったか否かを把握することが可能となる。
この場合、カメラ画像に写り込んでいる被写体18と、撮影メニューの示す被写体18とが一致することを示す判定結果であった場合、表示部112は、該判定結果を画面400上に表示するので、医師38は、前記判定結果を容易に把握することができる。
また、両者が一致することを示す判定結果の通知後、医師38が曝射スイッチ120を操作(又はアイコン572をクリック)したときに、制御信号生成部346は、通信部104から通信部218に曝射制御信号を送信し、携帯情報端末34は、受信した曝射制御信号に基づく同期制御信号と、撮影メニューとに基づいて、放射線源本体部16及びカセッテ本体部22を制御し、放射線画像の撮影を行わせる。これにより、放射線画像の撮影を確実に実行することができる。
これに対して、第3実施例に示したように、カメラ画像に写り込んでいる被写体18と、撮影メニューの示す被写体18とが一致しないことを示す判定結果であった場合、制御処理部222は、表示部112の画面400上に当該判定結果を表示すると共に、スピーカ118から音で警告してもよい。これにより、現場の被写体18に対応しない撮影メニューであったことを医師38に伝達することが可能となり、この結果、当該被写体18に応じた撮影メニューの変更等の作業に直ちに取り掛かることが可能となる。
この場合、コンソール106側では、カメラ画像に写り込んでいる被写体18の状況に応じて、撮影メニュー中、オーダ情報、手技及び撮影条件のうち少なくとも1つを変更する。これにより、被写体18に応じた的確な撮影メニューを設定することができる。
ここで、カメラ画像に写り込んでいる被写体18が、オーダ情報の示す被写体18とは異なる場合、あるいは、オーダ情報の示す被写体18と一致しても撮影部位が異なる場合には、オーダ情報、手技及び撮影条件の順に撮影メニューの内容を変更すればよい。被写体18が異なる場合や撮影部位が異なる場合には、オーダ情報そのものを変更する必要があるため、オーダ情報、手技及び撮影条件の順に撮影メニューの内容を変更することで、より正確な撮影メニューを設定することができる。
また、カメラ画像に写り込んでいる被写体18が、オーダ情報の示す被写体18と一致しても手技が異なる場合には、手技及び撮影条件の順に撮影メニューの内容を変更すればよい。この場合でも、より正確な撮影メニューを設定することができる。
また、通信部218から通信部104に少なくとも現場のカメラ画像及び放射線画像を送信し、各表示部64、112がカメラ画像、放射線画像及び撮影メニューのうち、少なくとも1つを表示可能とすればよい。これにより、医師38は、表示部112の表示内容を確認しながら、被写体18に応じた正確な撮影メニューを設定することが可能になる一方で、操作者32は、表示部64の表示内容を確認して、被写体18に応じた撮影メニューになっているか否かを容易に判断することが可能となる。
そして、撮影メニューの変更時には、現場のカメラ画像が他の画像よりも大きく表示されるように、当該カメラ画像及び撮影メニューを表示部112に共に表示させる。これにより、医師38による撮影メニューの設定の作業負担を軽減することができる。
さらに、本実施形態に係る放射線画像撮影システム11、放射線画像撮影方法及び画像表示方法によれば、通信部218から通信部104に現場のカメラ画像(ウェブカメラ30、330が撮影した光学画像)及び放射線画像が送信される一方で、通信部104から通信部218には少なくとも撮影メニューが送信される。そして、コンソール106又は携帯情報端末34は、少なくとも撮影メニュー、放射線画像及び現場のカメラ画像を紐付けしてメモリ224、228に記憶する。
このように、放射線画像の撮影後に、少なくとも撮影メニュー、放射線画像及び現場のカメラ画像を紐付けしてメモリ224、228に記憶することで、現場の被写体18の情報と、当該被写体18の放射線画像との紐付けを正確に行うことができ、この結果、医師38による読影診断を適切に且つ効率よく行うことが可能となる。
この場合、ウェブカメラ330は、カセッテ本体部22と、該カセッテ本体部22に対してポジショニングされた被写体18の撮影部位とを撮影し、ウェブカメラ30は、被写体18を撮影するか、あるいは、カセッテ本体部22、該カセッテ本体部22に対してポジショニングされた被写体18の撮影部位及び放射線源本体部16を撮影する。被写体18の放射線画像と、当該放射線画像に関係するカメラ画像(例えば、撮影部位の光学画像)とが紐付けされるので、医師38による読影診断が一層容易なものとなる。
また、前述したように、認証処理部344は、ウェブカメラ30が撮影したカメラ画像中の被写体18の(瞳孔を含む)顔の画像を用いて生体認証処理(瞳孔認証処理)を行うので、誤った情報が紐付けされることを回避することができ、この結果、紐付けされた各情報の信頼性を高めることができる。
また、認証処理部344は、カメラ画像に写り込んだ被写体18と、オーダ情報の示す被写体18とが一致するか否かを判定し、その認証結果を通信部104から通信部218に送信する。携帯情報端末34の表示部64は、通信部104を介して受信した認証結果を画面430に表示する。これにより、紐付けされるカメラ画像に写り込んだ被写体18と、撮影メニューの示す被写体18とが一致していなければ、操作者32は、撮影メニューの示す真正な被写体18を現場から再度見つけ出すことも可能となる。
また、コンソール106又は携帯情報端末34は、上記の各情報(画像)に加え、ウェブカメラ116のカメラ画像も紐付けしてメモリ224、228に記憶してもよい。これにより、放射線画像の撮影を指示した医師38の情報も紐付けすることが可能となる。
また、各表示部64、112は、撮影メニュー、放射線画像、現場のカメラ画像及びウェブカメラ116のカメラ画像を並べて表示してもよい。これにより、紐付けされる画像及び情報が一括して表示されるので、医師38及び操作者32は、どのような情報が紐付けされたのかを容易に把握することができる。
また、紐付けされた情報が記憶されるメモリとしては、コンソール106のメモリ228、携帯情報端末34のメモリ224、あるいは、メモリカード92やUSBメモリ334であることが望ましい。この場合、紐付けされる情報は、暗号化した後に記憶されることが好ましい。
なお、メモリカード92は、携帯情報端末34のカードスロット94に対して着脱可能であると共に、USBメモリ334は、USB端子84、88、90に対して着脱可能であるため、携帯情報端末34に装着されたメモリカード92及び/又はUSBメモリ334に、暗号化された紐付け後の情報を記憶する場合に、制御処理部222は、メモリカード92及び/又はUSBメモリ334に対する記憶処理が完了した後に、携帯情報端末34からのメモリカード92及び/又はUSBメモリ334の抜き取りを許可するための通知を表示部64に表示させるか、又は、スピーカ78から音として出力してもよい。
あるいは、携帯情報端末34に装着されたメモリカード92及び/又はUSBメモリ334の抜き取りを防止するための図示しないロック機構が携帯情報端末34に設けられている場合に、制御処理部222は、メモリカード92及び/又はUSBメモリ334に対する記憶処理が完了した後に、前記ロック機構による抜き取り防止機能を解除させて、携帯情報端末34からメモリカード92及び/又はUSBメモリ334を抜き取り可能な状態としてもよい。この場合でも、制御処理部222は、抜き取り可能な状態になったことを示す通知を、表示部64に表示させるか、又は、スピーカ78から音として出力してもよい。
なお、本実施形態では、上記の各効果に加え、下記の効果も得られる。
災害現場や在宅看護の現場等において、携帯情報端末34と一体的に構成された(携帯情報端末34に内蔵された)ウェブカメラ30や、放射線源本体部16と一体的に構成された(放射線源本体部16に内蔵された)ウェブカメラ330は、少なくともカセッテ本体部22(に収容された放射線検出器20に対応するガイド線46)を撮影し、通信部218は、ウェブカメラ30、330が撮影したカメラ画像を、ネットワーク36を介して医療機関40に設けられた通信部104に送信する。
これにより、被写体18を直視することができない(遠隔地の)医療機関40に待機している医師(又は放射線技師)38は、通信部218が受信した各カメラ画像に基づき、災害現場や在宅看護の現場にいる放射線画像撮影装置10の操作者32に対して、リアルタイムで被写体18の撮影を指示することができる。従って、災害現場や在宅看護の現場に医師38が直接出向かなくても、すなわち、診療放射線技師の資格保有者ではない(被写体18に対する放射線12の照射の権限を有しない)操作者32に同行しなくても、被写体18に対する撮影を遂行することが可能となる。
この場合、ガイド線46の外枠は、撮影間距離がSIDに設定されたときの放射線12の照射野に対応し、ウェブカメラ30は、このガイド線46の外枠を撮影する。従って、医師38は、ウェブカメラ30のカメラ画像を見て、被写体18の撮影部位がガイド線46の外枠に納まっていれば(ガイド線46の内側に写り込んでいれば)、被写体18に対して放射線12を照射することにより、適切な放射線画像が得られると判断することができる。一方、被写体18の撮影部位がガイド線46から外れている場合や、撮影部位の一部しかガイド線46の内側に入っていない場合、医師38は、この状態で、被写体18に対して放射線12を照射すれば、所望の放射線画像が得られないと判断することができる。
このように、ウェブカメラ30がガイド線46を撮影し、医師38は、ウェブカメラ30のカメラ画像を見ながら(モニタしながら)、ガイド線46の外枠内に被写体18の撮影部位が納まっているか否かを判断することにより、適切な放射線画像が得られるか否かを判断することができる。この結果、医師38は、被写体18及び操作者32を直視することができない状態であっても、現場に出向いている操作者32に対して適切な撮影準備の指示を与えることが可能となる。
また、ウェブカメラ30は、前述のように、携帯情報端末34の蓋部66の上面側に内蔵されて、携帯情報端末34と一体的に構成されている。この場合、ウェブカメラ30は、図1、図2及び図4〜図6に示す状態で、放射線源本体部16と、被写体18と、ガイド線46を含めたカセッテ本体部22とを撮影するので、ガイド線46を含むカメラ画像を確実に得ることができる。
また、ウェブカメラ330も、前述のように、放射線源本体部16における放射線12の出力箇所の近傍に内蔵されて、放射線源本体部16と一体的に構成されている。この場合、ウェブカメラ330は、図1、図2、図3B及び図4〜図6に示す状態で、被写体18の撮影部位と、ガイド線46を含めたカセッテ本体部22とを撮影するので、ガイド線46を含むカメラ画像を確実に得ることができる。
また、操作者32が携帯情報端末34を操作しながら被写体18に指示を出して、ガイド線46に対する被写体18の位置決めを行うことにより、操作者32による携帯情報端末34の操作中に、放射線源14から被写体18に放射線12が照射されても、該操作者32の被曝を確実に回避することが可能となる。
さらに、ウェブカメラ30を内蔵する携帯情報端末34の通信部218は、アンテナ216及びネットワーク36を介して医療機関40にカメラ画像を送信するので、該カメラ画像を確実に医療機関40に送信することができる。
この場合、携帯情報端末34の制御処理部222は、放射線源14からの放射線12の出力と、放射線検出器20における放射線12から放射線画像への変換との同期を取るための同期制御信号を生成し、通信部218は、放射線源本体部16の通信部136及びカセッテ本体部22の通信部170に前記同期制御信号を送信するので、放射線画像の撮影時における放射線源14と放射線検出器20との時刻同期を確実に取ることができる。
さらに、携帯情報端末34からネットワーク36を介して無線通信により医療機関40に前述したウェブカメラ30、330のカメラ画像や放射線画像が送信されるので、医療機関40にいる医師38は、コンソール106の表示部112に表示されたカメラ画像や放射線画像を視認することにより、現場にいる操作者32や被写体18に対して適切な指示を出すことが可能となる。
また、コンソール106には、放射線源14からの放射線12の出力を開始させるための曝射スイッチ120が設けられている。この場合、表示部112に表示されたカメラ画像に基づいて、医師38が曝射スイッチ120を投入すると、コンソール106の制御処理部226は、放射線源14からの放射線12の出力を開始させるための曝射制御信号を生成して、通信部104からネットワーク36を介して携帯情報端末34に送信する。これにより、携帯情報端末34の制御処理部222は、通信部218で受信した曝射制御信号に基づいて同期制御信号を生成し、放射線源本体部16及びカセッテ本体部22に送信する。
従って、医師38は、災害現場や在宅看護の現場に出向かなくても、被写体18を直視することができない医療機関40において、該被写体18をモニタしながら、リアルタイムで撮影行為を行うことができる。
具体的に、撮影準備が完了した段階で、医師38は、ウェブカメラ30、330のカメラ画像中、被写体18の撮影部位がガイド線46の外枠内に写り込んでいれば、曝射スイッチ120を投入して被写体18に対する放射線画像の撮影を開始させ、一方で、前記カメラ画像中、被写体18の撮影部位がガイド線46の外枠内に写り込んでいないか、あるいは、前記撮影部位の一部しか前記外枠内に写り込んでいなければ、曝射スイッチ120を投入せず、撮影準備のやり直しを操作者32に指示する。
これにより、医療機関40からの遠隔操作による撮影行為を、簡単に且つ確実に行うことが可能となる。
しかも、医師38から現場の操作者32に対する指示を表示部64の画面表示や、スピーカ78からの音声出力で行うことにより、現場の操作者32に対する指示を的確に且つ効率よく伝達することができる。
さらに、ウェブカメラ30、330から出力されるカメラ画像が、動画像や所定時間間隔で間欠的に撮影された静止画像であれば、医師38は、現場の操作者32に対してタイムリーに指示を出すことができる。勿論、撮影準備段階の所定時刻に撮影した静止画像のカメラ画像であっても、医師38は、撮影可能な状態にあるか否かを判断することができる。
また、ウェブカメラ30、330が光学カメラであることにより、医師38に対して、視認しやすいカメラ画像を表示することが可能となる。
なお、上記の説明では、表示部64による画面表示と、スピーカ78からの音声出力との双方により、医師38からの指示内容を操作者32に伝達する場合について説明したが、表示部64による画面表示のみ、あるいは、スピーカ78からの音声出力のみにより前記指示内容を伝達することも可能である。
また、上記の説明では、医師38から操作者32に対して指示内容を伝達し、操作者32が前記指示内容に従って被写体18の位置決めを行うようにしている。この場合、スピーカ78から出力される音声を被写体18も聞いているので、医師38から被写体18に指示内容を直接伝達して、該被写体18の位置決めを行わせるようにしてもよい。あるいは、被写体18は、位置決めの前に表示部64に表示される指示内容を自ら確認し、その後、前記指示内容に従って、ガイド線46に対する位置決めを行ってもよい。
さらに、上記の説明では、携帯情報端末34から放射線源本体部16及びカセッテ本体部22に同期制御信号を送信する場合について説明したが、これに代えて、コンソール106の制御信号生成部346で同期制御信号を生成し、ネットワーク36及び携帯情報端末34を介して放射線源本体部16及びカセッテ本体部22に同期制御信号を送信してもよい。
さらにまた、スイッチ50の投入によりカセッテ本体部22が起動する構成に代えて、操作者32による操作部60の操作や、医師38による操作部114の操作や、操作者32による取手310の把持に伴うタッチセンサ312からの検出信号の出力に起因して、カセッテ本体部22が起動するようにしてもよい。
また、放射線源本体部16における放射線12の出力箇所とは反対側の箇所に、操作者32が把持する取手310を設けることで、操作者32は、一方の手で取手310を把持しながら、ウェブカメラ330が内蔵された放射線源本体部16を被写体18及びカセッテ本体部22に向けると共に、表示部64を見ながら他方の手で携帯情報端末34を操作する。この場合、ウェブカメラ330が撮影したカメラ画像は、表示部64に表示されるので、操作者32は、このカメラ画像を見ながら、放射線源本体部16を所望の位置に移動させつつ、被写体18のポジショニングを行うことができる。また、操作者32が取手310を把持している最中に放射線12が出力された場合でも、操作者32への放射線12の照射(操作者32の被曝)を確実に回避することができる。
特に、周囲に障害物が多く存在する災害現場では、このような実施形態の適用は効果的である。すなわち、災害現場では、障害物が多数存在し、さらには、負傷等により被写体18の移動が困難であるため、所定の場所に放射線源本体部16及びカセッテ本体部22を固定して、放射線源本体部16とカセッテ本体部22との間に被写体18を案内することは現実的に難しい。従って、被写体18に合わせて放射線源本体部16及びカセッテ本体部22を配置せざるを得ない場合が多い。そのため、操作者32は、放射線源本体部16を被写体18に向けることは可能であっても、障害物の存在により被写体18を直視することが困難であり、従って、被写体18のポジショニングを行うことは容易ではない。
そこで、本実施形態では、災害現場において、操作者32が一方の手で取手310を把持しながら放射線源本体部16を被写体18及びカセッテ本体部22に向けると、ウェブカメラ330は、被写体18及びカセッテ本体部22を撮影し、そのカメラ画像は、表示部64に表示される。従って、操作者32は、表示部64に表示された当該カメラ画像を見ながら他方の手で携帯情報端末34を操作したり、あるいは、放射線源本体部16の位置調整及び被写体18のポジショニングを容易に行うことができる。
なお、取手310には、静電容量式又は抵抗膜式のタッチセンサ312が設けられているので、線源制御部138又は制御処理部222は、前記検出信号に基づいて、放射線源本体部16を起動し、あるいは、カセッテ本体部22を動作させることも可能となる。
また、携帯情報端末34と放射線源本体部16及びカセッテ本体部22との間において、図示しないUSBケーブルを介して電気的に接続し、携帯情報端末34のバッテリ220から放射線源本体部16のバッテリ134やカセッテ本体部22のバッテリ166を確実に充電するようにしてもよい。これにより、バッテリ134、166の充電に加え、信号の送受信も確実に行うことができる。すなわち、携帯情報端末34から放射線源本体部16及びカセッテ本体部22への同期制御信号や撮影条件の送信や、カセッテ本体部22から携帯情報端末34への放射線画像の送信を確実に行うことができる。
なお、バッテリ134、166を充電する際には、少なくとも被写体18の撮影枚数に応じた充電量だけバッテリ134、166を充電できればよい。これにより、撮影時に、前記撮影枚数分の撮影を確実に行うことができる。
あるいは、放射線画像の撮影前の時間帯にのみバッテリ134、166を充電してもよい。これにより、撮影時、及び、撮影後の放射線画像の送信時にはバッテリ134、166が充電されることはないので、撮影中、電荷信号(アナログ信号)に充電に起因したノイズが重畳したり、又は、放射線画像の送信中に前記ノイズが当該放射線画像に重畳することを回避することができる。
また、上記の説明では、曝射スイッチ120の投入、又は、アイコン572のクリックによって放射線画像の撮影が開始されるが、医師38の指示に従って該撮影が開始されればよいので、例えば、タッチパネル式の表示部112の画面上に曝射ボタン(曝射スイッチ)を表示させ、医師38が前記曝射ボタンを押すことにより、撮影が開始されてもよいし、あるいは、操作部114の1つのボタンを曝射スイッチ専用とし、このボタンの投入によって撮影を開始してもよい。
さらに、カセッテ本体部22は、筐体の形状を有しているが、放射線検出器20等の箇所については、可撓性を有するシート状の形状としてもよい。シート状とすることでロール状に巻取可能となるので、カセッテ本体部22を含めた放射線画像撮影装置10全体のさらなる小型化及び軽量化を実現することができる。
さらに、バッテリ220からバッテリ134、166を充電する場合には、3つのバッテリのうち、1つのバッテリを放射線画像撮影装置10全体の電源とみなし、この1つのバッテリから残り2つのバッテリを充電してもよい。
さらにまた、上記の説明では、ウェブカメラ30が撮影したカメラ画像を携帯情報端末34の通信部218からネットワーク36を介して医療機関40の通信部104に送信する場合について説明したが、本実施形態は、これに限定されるものではない。
例えば、放射線源本体部16の通信部136やカセッテ本体部22の通信部170に、ネットワーク36を介して通信部104と通信可能な機能を持たせて、これらの通信部136、170からカメラ画像を送信してもよい。
このような通信機能を通信部136、170に持たせることにより、通信部170からネットワーク36を介して通信部104に放射線画像を直接送信することや、通信部170から通信部136及びネットワーク36を介して通信部104に放射線画像を送信することも可能となる。
また、放射線画像撮影装置10と医療機関40との間での全ての信号の送受信を、通信部136と通信部104との間で行ったり、又は、通信部170と通信部104との間で行うことも可能となる。
つまり、本実施形態では、同一のリンク内に携帯情報端末34と放射線源本体部16とカセッテ本体部22とが無線を介して接続され、信号を送受信するためのケーブル(USBケーブル)が不要であるため、操作者32の作業に支障を来すおそれがない。従って、操作者32は、自己の作業を効率よく行うことが可能となる。また、ケーブルを不要としたことにより、放射線画像撮影装置10の部品点数が削減されて、現場における組立作業が容易になる。
さらに、前述のように、同一のリンク内に携帯情報端末34、放射線源本体部16及びカセッテ本体部22が存在しているので、医療機関40の通信部104との間でのカメラ画像、放射線画像等の信号の送受信は、通信部136、170、218のうち、いずれか1つの通信部を介して行えばよい。
なお、本実施形態では、無線通信に代えて、赤外線等を用いた光無線通信で信号の送受信を行ってもよい。
さらに、上記の説明において、放射線画像撮影装置10と医療機関40との間では、ネットワーク36を介して無線通信により信号の送受信が行われているが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、他の通信形態により信号の送受信を行ってもよいことは勿論である。
すなわち、放射線画像撮影装置10と医療機関40との間では、ネットワーク36を介して有線通信により信号の送受信を行ってもよい。
あるいは、ネットワーク36を介して有線通信及び無線通信により、信号の送受信を行ってもよい。具体的に、ネットワーク36中に中継器(中継装置)が存在すれば、前記中継器までは有線通信(又は無線通信)により信号の送受信を行い、前記中継器から先は、無線通信(又は無線通信)により信号の送受信を行う。
また、携帯情報端末34に携帯電話機等の他の携帯端末を電気的に接続し、該他の携帯端末の通信機能を利用して、医療機関40との間や、放射線源本体部16及びカセッテ本体部22との間で信号の送受信を行ってもよい。この場合、前記他の携帯端末の通信部が通信部218として機能する。
さらに、本実施形態は、光読出方式の放射線検出器を利用して放射線画像を取得する場合にも適用することが可能である。この光読出方式の放射線検出器では、各固体検出素子に放射線が入射すると、その線量に応じた静電潜像が固体検出素子に蓄積記録される。静電潜像を読み取る際には、放射線検出器に読取光を照射し、発生した電流の値を放射線画像として取得する。なお、放射線検出器は、消去光を放射線検出器に照射することで、残存する静電潜像である放射線画像を消去して再使用することができる(特開2000−105297号公報参照)。
さらにまた、放射線画像撮影装置10では、血液やその他の雑菌が付着するおそれを防止するために、例えば、装置全体を防水性、密閉性を有する構造とし、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの放射線画像撮影装置10を繰り返し続けて使用することができる。
さらに、本実施形態では、医療機関40内の必要な箇所に、図99に示すように、各バッテリ134、166、220(図12参照)の充電を行うクレードル230を配置すると好適である。
この場合、携帯情報端末34とクレードル230との間をコネクタ236、238を有するUSBケーブル234で電気的に接続し、放射線源本体部16とクレードル230との間をコネクタ58、82を有するUSBケーブル24で電気的に接続し、且つ、カセッテ本体部22とクレードル230との間をコネクタ52、86を有するUSBケーブル26で電気的に接続する。
クレードル230は、バッテリ134、166、220の充電だけでなく、クレードル230の無線通信機能又は有線通信機能を用いて、医療機関40内のコンソール106やRISとの間で必要な情報の送受信を行うようにしてもよい。送受信する情報には、放射線画像撮影装置10に記録された放射線画像を含めることができる。
また、クレードル230に表示部232を配設し、この表示部232に対して、放射線画像撮影装置10の充電状態や、放射線画像撮影装置10から取得した放射線画像を含む必要な情報を表示させるようにしてもよい。
さらに、複数のクレードル230をネットワークに接続し、各クレードル230に接続されている放射線画像撮影装置10の充電状態をネットワークを介して収集し、使用可能な充電状態にある放射線画像撮影装置10の所在を確認できるように構成することもできる。
なお、上記の説明では、災害現場や在宅看護の現場における放射線画像の撮影について説明したが、本実施形態は、これらの現場における撮影に限定されることはなく、検診車に搭載して、健康診断における被写体の撮影に適用することや、医療機関40内での回診時における患者の撮影に適用することも可能である。あるいは、本実施形態は、このような医療関連の放射線画像の撮影に限定されるものではなく、例えば、各種の非破壊検査における放射線画像の撮影にも適用可能であることは勿論である。
次に、本実施形態の変形例(第1〜第10変形例)を図100〜図109を参照しながら説明する。
なお、これらの変形例において、図1〜図99と同じ構成要素については、同じ参照数字を付けて説明し、詳細な説明を省略する。また、図100〜図109では、ネットワーク36及び医療機関40の図示を省略する。
第1変形例に係る放射線画像撮影装置10A及び放射線画像撮影システム11Aは、図100に示すように、携帯情報端末34と放射線源本体部16及びカセッテ本体部22との間の信号の送受信を、有線通信により行う点で、図1〜図99の実施形態とは異なる。
すなわち、携帯情報端末34と放射線源本体部16及びカセッテ本体部22との間は、USBケーブル24、26を介して電気的に接続されているので、携帯情報端末34のバッテリ220から放射線源本体部16のバッテリ134やカセッテ本体部22のバッテリ166を確実に充電することができると共に、信号の送受信も確実に行うことができる。このように、USBケーブル24、26を用いた有線による電力供給と信号の送受信(信号の伝送)とが可能になることで、携帯情報端末34から放射線源本体部16及びカセッテ本体部22への同期制御信号や撮影条件の送信や、カセッテ本体部22から携帯情報端末34への放射線画像の送信を確実に行うことができる。
第2変形例に係る放射線画像撮影装置10B及び放射線画像撮影システム11Bは、図101に示すように、ウェブカメラ330が放射線源本体部16に収容され、該ウェブカメラ30が設けられていない点で、図1〜図100の実施形態とは異なる。
この場合、ウェブカメラ330は、放射線画像の撮影前に被写体18の瞳孔を含む顔の画像の撮影も行う。すなわち、ウェブカメラ330は、図1〜図100の実施形態におけるウェブカメラ30の機能も兼ねている。
このように、第2変形例は、ウェブカメラ30がない点以外は、図1〜図100の実施形態と同様であるため、ウェブカメラ30が存在する点以外の図1〜図100の各効果が容易に得られることは勿論である。
第3変形例に係る放射線画像撮影装置10C及び放射線画像撮影システム11Cは、図102に示すように、ウェブカメラ30が携帯情報端末34に収容され、ウェブカメラ330が設けられていない点で、図1〜図100の実施形態とは異なる。
第3変形例は、ウェブカメラ330がない点以外は、図1〜図100の実施形態と同様であるため、ウェブカメラ330が存在する点以外の図1〜図100の各効果が容易に得られることは勿論である。
第4変形例に係る放射線画像撮影装置10D及び放射線画像撮影システム11Dは、図103に示すように、ウェブカメラ330と放射線源本体部16とがUSBケーブル240を介して接続(一体的に構成)されている点で、第2変形例(図101参照)とは異なる。
第4変形例は、ウェブカメラ330がUSBケーブル240を介して放射線源本体部16と接続されている点以外は、第2変形例と同様であるため、第2変形例と同様の効果が得られる。また、USBケーブル240の長さの範囲内であれば、ウェブカメラ330を所望の位置に自立した状態で配置することが可能であるため、放射線源本体部16にウェブカメラ330を内蔵させた構成と比較して、ウェブカメラ330のポジショニングの自由度を高めることができる。なお、ウェブカメラ330には、通信部260が搭載されているので、該通信部260は、ネットワーク36(図1参照)を介して医療機関40の通信部104との間で、放射線画像やカメラ画像等の信号の送受信を直接行ってもよい。
第5変形例に係る放射線画像撮影装置10E及び放射線画像撮影システム11Eは、図104に示すように、ウェブカメラ30と携帯情報端末34とがUSBケーブル240を介して接続(一体的に構成)されている点で、第3変形例(図102参照)とは異なる。
第5変形例は、ウェブカメラ30がUSBケーブル240を介して携帯情報端末34と接続されている点以外は、第3変形例と同様であるため、第3変形例と同様の効果が得られる。また、USBケーブル240の長さの範囲内であれば、ウェブカメラ30を所望の位置に自立した状態で配置することが可能であるため、携帯情報端末34にウェブカメラ30を内蔵させた構成と比較して、ウェブカメラ30のポジショニングの自由度を高めることができる。なお、ウェブカメラ30には、通信部260が搭載されているので、該通信部260は、ネットワーク36(図1参照)を介して医療機関40の通信部104との間で、放射線画像やカメラ画像等の信号の送受信を直接行ってもよい。
第6変形例に係る放射線画像撮影装置10F及び放射線画像撮影システム11Fは、図105に示すように、ウェブカメラ30(330)と、携帯情報端末34及び放射線源本体部16とが別体とされている点で、図1〜図104の実施形態とは異なる。
この場合、同一のリンク内に携帯情報端末34と放射線源本体部16とカセッテ本体部22とウェブカメラ30(330)とが無線を介して接続されているので、医療機関40の通信部104(図1参照)との間でのカメラ画像、放射線画像等の信号の送受信は、通信部136、170、218(図12参照)及びウェブカメラ30(330)の通信部260のうち、いずれか1つの通信部を介して行えばよい。例えば、ウェブカメラ30(330)は、通信部260からネットワーク36(図1参照)を介して医療機関40にカメラ画像を直接送信するか、あるいは、通信部260から放射線源本体部16の通信部136、カセッテ本体部22の通信部170、又は、携帯情報端末34の通信部218を介して医療機関40にカメラ画像を間接的に送信すればよい。この場合でも、医師38は、ウェブカメラ30(330)のカメラ画像を見ることが可能である。
また、ウェブカメラ30(330)が自立した状態で配置されているので、ウェブカメラ30(330)を所望の位置に配置することが可能であり、従って、ウェブカメラ30(330)のポジショニングの自由度をさらに高めることができる。
なお、第6変形例は、携帯情報端末34、ウェブカメラ30(330)、放射線源本体部16及びカセッテ本体部22間で無線通信により信号の送受信が行われる点以外は、図1〜図104の実施形態と同様であるため、前記無線通信により信号の送受信が行われる点以外の図1〜図104の各効果も得ることが可能である。
第7変形例に係る放射線画像撮影装置10G及び放射線画像撮影システム11Gは、図106に示すように、携帯情報端末34の操作時における操作者32を撮影するウェブカメラ246が蓋部66にさらに設けられている点で、図1〜図105の実施形態とは異なる。
この場合、携帯情報端末34は、ネットワーク36を介して無線通信によりウェブカメラ246のカメラ画像(操作者32の画像)を医療機関40(図1参照)に送信するので、操作者32は、表示部64に表示される医師38の画像を見ながら撮影に関わる指示を仰ぐ一方で、医師38は、表示部112に表示される操作者32の画像を見ながら該操作者32に対する指示を出す。従って、操作者32は、遠隔地の医療機関40にいる医師38を身近に感じることができる一方で、医師38は、現地にいる操作者32を身近に感じることができるので、安心して撮影準備等を遂行することができる。また、他の情報と共にウェブカメラ246のカメラ画像を紐付けしてメモリ228等に記憶してもよいことは勿論である。さらに、第7変形例は、ウェブカメラ246が設けられている点以外は、図1〜図105の実施形態と同様であるため、図1〜図105の各効果も容易に得られることは勿論である。
第8変形例に係る放射線画像撮影装置10H及び放射線画像撮影システム11Hは、図107に示すように、放射線源本体部16が蓋部66に連結して一体化されている点で、図1〜図106の実施形態とは異なる。
従って、現場における放射線画像撮影装置10Hの組立て及び収容が一層容易なものとなる。また、放射線源本体部16と携帯情報端末34とが一体的に構成されているので、バッテリ134、通信部136及び線源制御部138(図12参照)が不要となる。すなわち、バッテリ220を放射線源本体部16のバッテリとして共用化し、制御処理部222を放射線源本体部16の線源制御部として共用化し、さらに、通信部218を放射線源本体部16の通信部として共用化することにより、放射線源本体部16を簡素化して、放射線画像撮影装置10Hを全体的に小型化することが可能となる。
さらにまた、放射線源本体部16と携帯情報端末34とが一体化されているので、操作者32は、表示部64を見ながら、あるいは、操作部60の操作中に、携帯情報端末34の位置及び向きを変えることで、カセッテ本体部22及び被写体18に対する放射線源本体部16の位置及び方向も同時に調整することができる。従って、第8変形例では、カセッテ本体部22及び被写体18に対する放射線源本体部16の位置及び方向の調整が一層容易なものとなる。
なお、図107では、ウェブカメラ30(330)は、蓋部66に内蔵されているが、放射線源本体部16に内蔵してもよいことは勿論である。また、第8変形例は、放射線源本体部16と携帯情報端末34とが一体化されている点以外は、図1〜図105の実施形態と同様であるため、放射線源本体部16及び携帯情報端末34の一体化以外の図1〜図105の各効果も容易に得られることは勿論である。
第9変形例に係る放射線画像撮影装置10I及び放射線画像撮影システム11Iは、図108に示すように、放射線源14が従来の熱電子放出型の放射線源であり、放射線源14のフィラメントに通電するための高電圧電源252をさらに備える点で、図1〜図107の実施形態とは異なる。
この場合、放射線源14及び通信部136は、脚部248の上端部に装着された筐体250内に収容され、該筐体250と高電圧電源252との間は、USBケーブル24により電気的に接続されている。また、高電圧電源252と携帯情報端末34との間は、コネクタ256、258を有するUSBケーブル254により電気的に接続されている。従って、携帯情報端末34は、高電圧電源252を制御することにより、放射線源14から放射線12を出力させることが可能となる。
また、第9変形例では、従来の熱電子放出型の放射線源14を用いているので、装置全体が大型化すると共に、部品点数も増えるが、この場合でも、熱電子放出型の放射線源14である点以外の図1〜図107の各効果が得られることは勿論である。
なお、図108に示すように、高電圧電源252には、通信部262が搭載されている。この場合、通信部262は、ネットワーク36(図1参照)を介して医療機関40の通信部104との間で、放射線画像やカメラ画像等の信号の送受信を行ってもよい。
第10変形例に係る放射線画像撮影装置10J及び放射線画像撮影システム11Jは、図109に示すように、医師38が待機する検診車300(待機場所)内にコンソール106と、放射線画像撮影装置10Jが収容された複数のアタッシュケース98とが搭載され、操作者32(図1参照)は、検診車300から少なくとも1つのアタッシュケース98を持ち出して現場まで搬送する点で、図1〜図108の場合とは異なる。従って、医師38が待機する検診車300の内部は、被写体18を直視することができない待機場所である。
この場合でも、現場まで搬送された放射線画像撮影装置10Jと、検診車300内の通信部104との間での無線による信号の送受信、例えば、放射線画像撮影装置10Jから通信部104への無線によるカメラ画像や放射線画像の送信が可能であるため、図1〜図108と同様の効果が得られる。なお、図109では、放射線画像撮影装置10Jと通信部104との間で無線による信号の送受信を直接行っている場合を図示しているが、ネットワーク36(図1参照)を介した無線通信であっても同様の効果が得られることは勿論である。
また、本実施形態では、図110A及び図110Bに示すように、放射線源本体部16における放射線12の出力箇所とは反対側の箇所に凹部324を形成し、この凹部324に収納式の取手320を配設してもよい。前述のタッチセンサ312と同様の機能を有するタッチセンサ322を取手320に設けてもよい。
ここで、操作者32が放射線源本体部16を持たない状態では、取手320は、図110Aに示すように凹部324に収納されている。一方、操作者32が取手320の基端部側を中心として該取手320を回動させると、取手320が凹部324から引き出された状態となるので、操作者32は、取手320を把持することが可能となる。この場合でも、前述した取手310及びタッチセンサ312による効果と同様の効果を得ることができる。
また、取手320の収納時(例えば、図7のような放射線源本体部16の移動時)には、タッチセンサ312の電極と操作者32の手とが接触することがないので、放射線源本体部16が起動した状態で、放射線源14から放射線12が誤って出力されることを回避することができる。
さらに、本実施形態では、無線通信及び/又は有線通信による信号の送受信について説明したが、被写体18が放射線源本体部16とカセッテ本体部22とに接触して、SIDが短く設定されている場合には、放射線源本体部16とカセッテ本体部22との間の信号の送受信(例えば、同期制御信号の送受信)は、被写体18を介した人体通信であってもよい。また、操作者32が放射線源本体部16と携帯情報端末34との双方に接触している場合には、放射線源本体部16と携帯情報端末34との間の信号の送受信を、操作者32を介した人体通信で行ってもよい。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。