JP5513122B2 - 光開裂性標識ヌクレオチドとヌクレオシドおよび標識ヌクレオチドとヌクレオシドならびにdna配列決定におけるそれらの使用法 - Google Patents

光開裂性標識ヌクレオチドとヌクレオシドおよび標識ヌクレオチドとヌクレオシドならびにdna配列決定におけるそれらの使用法 Download PDF

Info

Publication number
JP5513122B2
JP5513122B2 JP2009540462A JP2009540462A JP5513122B2 JP 5513122 B2 JP5513122 B2 JP 5513122B2 JP 2009540462 A JP2009540462 A JP 2009540462A JP 2009540462 A JP2009540462 A JP 2009540462A JP 5513122 B2 JP5513122 B2 JP 5513122B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
mmol
triphosphate
solution
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009540462A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011506265A (ja
JP2011506265A5 (ja
Inventor
ブラディスラブ エー. リトシュ
ブライアン ピー. ステュピ
マイケル エル. メッツカー
ウェイドン ウー
Original Assignee
レーザーゲン インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US11/567,189 external-priority patent/US7897737B2/en
Priority claimed from US11/567,193 external-priority patent/US7893227B2/en
Application filed by レーザーゲン インコーポレイテッド filed Critical レーザーゲン インコーポレイテッド
Publication of JP2011506265A publication Critical patent/JP2011506265A/ja
Publication of JP2011506265A5 publication Critical patent/JP2011506265A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5513122B2 publication Critical patent/JP5513122B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • C07H21/04Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids with deoxyribosyl as saccharide radical

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

本発明は、一般には、DNA配列決定および他の型のDNA分析のための化合物および方法に関する。特に、本発明は、光開裂性基で標識したヌクレオチドおよびヌクレオシドと非開裂性基で標識したヌクレオチドおよびヌクレオシドならびにDNA配列決定および分析におけるそれらの使用法に関する。
集団における疾患および突然変異を分析し、治療法を開発するために、迅速なDNA配列決定法が必要とされるようになった。ヒト配列変異の最も一般的に観察される型は一塩基多型(SNP)で、これはゲノム配列のおよそ300塩基対に1つから1000塩基対に1つで起こる。ヒトゲノムの完全な配列に基づき、SNPマッピングまたは直接の関連によって遺伝子の一般的疾患への根源的なつながりを同定するための努力が行われている。迅速、高処理量、および低コストのDNA配列決定に焦点を合わせた技術開発が、応用医学におけるSNPなどの遺伝的情報の理解および使用を促進するであろう。
一般に、SNPの10%から15%は、特定のアミノ酸残基を変えることによりタンパク質機能に影響をおよぼす、スプライシングメカニズムを変化させることにより遺伝子の適当な処理に影響をおよぼす、または調節メカニズムを変動させることにより遺伝子もしくはタンパク質の発現の正常なレベルに影響をおよぼすことになる。情報を与えるSNPの同定は、遺伝性疾患のより正確な診断、リスクの受けやすさのよりよい予測、または組織における散発性突然変異の同定につながるであろうと考えられる。個人のSNPプロファイルの1つの応用は、予防的薬物療法により疾患の発症または進行を著しく遅らせることであろう。
さらに、薬物代謝遺伝子のSNPプロファイルを用いて、より安全で有効な結果を得るための特定の薬物治療法を処方することができよう。これらの野心的なゴールを達成するために、ゲノム配列決定は集団の大多数の部分配列決定の可能性を伴う再配列決定段階に移行し、これは所与の複雑な疾患のSNPプロファイルを得るために、ヒトゲノム全体に分布している特定の領域または1塩基対の配列決定を並行して行うことを含むであろう。
ほとんどの一般的疾患の基礎をなす配列の変形は複数のSNPを含むと思われ、これらは関連する遺伝子全体に分布し、低い頻度で存在する。したがって、新規の配列決定のための戦略を用いるDNA配列決定技術は、公知のSNPだけを標的とする技術よりも、これらの珍しく、広く分布する変異体を検出および/または発見する見込みがあろう。
伝統的に、DNA配列決定は「サンガー」すなわち「ジデオキシ」法により行われており、これはDNAポリメラーゼを用いての2',3'-ジデオキシヌクレオチド(ddNTP)の取り込みによる、DNA合成の連鎖停止を含む(Sanger, F., Nicklen, S., and Coulson, A. R. (1977) DNA sequencing with chain-terminating inhibitors. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74, 5463-5467(非特許文献1))。反応は天然の2'-デオキシヌクレオチド(dNTP)も含み、これはDNA合成によりDNA鎖を伸長する。適当にバランスを取ることで、鎖伸長と連鎖停止との間の競合により入れ子状のDNA断片の組が生じることになり、これらは何千もの塩基全体に均質に分布し、塩基対の増加に応じてサイズが異なる。電気泳動を用いて、それぞれのサイズにより入れ子状のDNA断片を分離する。配列決定反応におけるdNTP/ddNTPの比が連鎖停止の頻度と、したがって停止した鎖の長さの分布を決定する。次いで、DNAの4つの塩基(すなわち、A、C、G、およびT)に4つの異なる蛍光体をあらかじめ結合し、これらは適当なレーザー光源を照射するとそれぞれの色の蛍光を発することにより、断片を検出する。現在のところ、サンガーの配列決定は、直接PCR配列決定(Gibbs, R. A., Nguyen, P.-N., McBride, L. J., Koepf, S. M., and Caskey, C. T. (1989) Identification of mutations leading to the Lesch-Nyhan syndrome by automated direct DNA sequencing of in vitro amplified cDNA. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 1919- 1923(非特許文献2))またはゲノム配列決定(Hunkapiller, T., Kaiser, R. J., Koop, B. F. , and Hood, L. (1991) Large-scale and automated DNA sequencing Determination. Science 254, 59-67(非特許文献3); International Human Genome Sequencing Consortium. Initial sequencing and analysis of the human genome. (2001) Nature 409, 860-921(非特許文献4))によるSNP発見のために最も広く用いられている方法である。
もう一つの有望な配列決定アプローチは循環可逆的停止(cyclic reversible termination、CRT)で、これは複数の鋳型の同時発生の1塩基付加を検出する循環法である。このアプローチはそれ自体をサンガー法と区別しており(Metzker, M.L. (2005) Genome Rex 15, 1767-1776(非特許文献5))、この分野を進歩させる上での主なボトルネックであるゲル電気泳動の必要なしに行うことができる。しかし、サンガーの配列決定と同様に、読み取り長が長いほど全体のゲノムをカバーするのに必要な配列決定アッセイは少なくなる。
可逆的ターミネーターは典型的には市販のDNAポリメラーゼの基質としてのはたらきがよくないため、長いCRT読み取りのゴールを達成するのは難しいままである。可逆的ターミネーターは3'-O-ブロック基および連結基によって核酸塩基に結合した蛍光色素で構築されている。ブロック基および色素基はいずれも続く塩基付加の前に除去する必要がある。これらのヌクレオチド修飾はDNAポリメラーゼによってあまり耐容されず、これらは酵素の性能を改善するための多くの戦略によって変異させうる。脱保護の後、核酸塩基の連結基は残され、続くCRTサイクルによって伸長するDNA二重鎖に連続的に蓄積する。酵素動力学が良くないこと、および連続的に修飾されるDNA二重鎖が長い読み取り長を制限していると考えられる。本発明は、部分的には、酵素動力学ならびに脱保護効率を改善する、停止および蛍光色素部分の両方の単一結合を必要とする、新規、可逆的ヌクレオチド構造を記載する。これらの可逆的ターミネーターをいくつかの市販のDNAポリメラーゼによって効率的に取り込み、脱保護段階で伸長するDNA二重鎖をその本来の状態に変換する。
CRT技術のDNA配列決定読み取り長は各ヌクレオチド付加サイクルの全効率によって支配されている。例えば、終点を元の出発原料の50%が許容されるシグナル-ノイズ比を有することと考える場合、読み取り長に対するサイクルの効率の影響を推定するために下記の式を適用することができる:(RL)Ceff=0.5、ここでRLは塩基の読み取り長であり、Ceffは全サイクル効率である。すなわち、7塩基の読み取り長は全サイクル効率90%で達成され、70塩基はサイクル効率99%で達成され、700塩基はサイクル効率99.9%で達成されるであろう。長い配列を決定するゴールを達成するには、方法は非常に高い効率を提供しなければならず、さもなくば回収率は許容されるシグナル-ノイズ比よりも低くなりうる。可逆的ターミネーターが示す取り込みおよび脱保護効率が高いほど、達成するサイクル効率は高くなり、したがって読み取り長は長くなる。
CRTターミネーターが適切に機能するために、保護基は緩和な条件下で効率的に開裂されなければならない。保護基の除去は一般に、強酸もしくは強塩基による処理、触媒もしくは化学的還元、またはこれらの方法の組み合わせのいずれかを含む。これらの条件はDNAポリメラーゼ、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドをプライマーとする鋳型、または固体支持体に対して反応性である可能性があり、望ましくない結果をもたらす。光化学保護基の使用は過酷な化学処理に代わる魅力的な方法で、非侵襲的様式で用いることができる。
2-ニトロベンジル、ベンジルオキシカルボニル、3-ニトロフェニル、フェナシル、3,5-ジメトキシベンゾイニル、2,4-ジニトロベンゼンスルフェニル、およびそれぞれの誘導体を含むいくつかの光除去可能な保護基が、ペプチド、多糖、およびヌクレオチドの合成のために用いられている(Pillai, V. N. R. (1980) Photoremovable Protecting Groups in Organic Synthesis. Synthesis, 1-26(非特許文献6))。これらのうち、光感受性の2-ニトロベンジル保護基は、ジリボヌクレオシド合成のためのリボヌクレオシドの2'-OH(Ohtsuka, E., Tanaka, S., and Ikehara, M. (1974) Studies on transfer ribonucleic acids and related compounds. IX(1) Ribooligonucleotide synthesis using a photosensitive o-nitrobenzyl protection at the 2'-hydroxyl group. Nucleic Acids Res. 1, 1351-1357(非特許文献7))、自動リボザイム合成におけるリボホスホラミダイトの2'-OH(Chaulk, S. G., and MacMillan, A. M. (1998) Caged RNA: photo-control of a ribozyme. Nucleic Acids Res. 26, 3173-3178(非特許文献8))、Affymetrix化学におけるオリゴヌクレオチド合成のためのホスホラミダイトの3'-OH(Pease, A. C., Solas, D., Sullivan, E. J., Cronin, M. T., Holmes, C. P., and Fodor, S. P. A. (1994) Light-generated oligonucleotide arrays for rapid DNA sequence analysis. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 5022-5026(非特許文献9))、およびDNA配列決定の適用のための3'-OH基(Metzker, M. L., Raghavachari, R., Richards, S., Jacutin, S. E., Civitello, A., Burgess, K., and Gibbs, R. A. (1994) Termination of DNA synthesis by novel 3'-modified deoxyribonucleoside triphosphates. Nucleic Acids Res. 22, 4259-4267(非特許文献10))にうまく適用されている。脱保護条件(紫外線>300nm)下で、2-ニトロベンジル基はピリミジンまたはプリン塩基のいずれにも影響することなく効率的に開裂することができる(Pease, A. C., Solas, D., Sullivan, E. J., Cronin, M. T., Holmes, C. P., and Fodor, S. P. A. (1994) Light-generated oligonucleotide arrays for rapid DNA sequence analysis. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 5022-5026(非特許文献9))および(Bartholomew, D. G., and Broom, A. D. (1975) One-step Chemical Synthesis of Ribonucleosides bearing a Photolabile Ether Protecting Group. J. Chem. Soc. Chem. Commun., 38(非特許文献11))。
新しい配列決定技術を開発する必要性は、比較ゲノム科学および進化論、法医学、疫学、ならびに診断学および治療学のための応用医学を含む広範な研究分野にまたがる適用のある今日ほど高まったことはこれまでなかった。現行の配列決定技術は、ヒト配列変異の研究において広く適用するにはあまりに高価で、労働集約型、かつ時間のかかるものである。ゲノムセンターのコストは1,000 Q20塩基あたりのドル換算で計算され、一般に装置、職員、試薬および材料、ならびに諸経費の範疇に分けることができる。現在のところ、これらのセンターは1,000 Q20塩基あたり1ドル未満で稼働しており、そのコストの少なくとも50%はDNA配列決定装置単独から発生している。新規検出法の開発、装置の小型化、ミクロな液体の分離技術、および1回あたりのアッセイ数増加は、コストを下げる上で非常に大きい影響があると考えられる。
したがって、本発明の目的は、高処理量配列決定反応におけるゲノム情報の効率的配列決定において有用な新規化合物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、ゲノム情報を効率的かつ手頃に提供する新規試薬および試薬の組み合わせを提供することである。
本発明のさらにもう一つの目的は、診断法のため、および個人の標的指向療法を開発するための試薬のライブラリおよびアレイを提供することである。
Sanger, F., Nicklen, S., and Coulson, A. R. (1977) DNA sequencing with chain-terminating inhibitors. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74, 5463-5467 Gibbs, R. A., Nguyen, P.-N., McBride, L. J., Koepf, S. M., and Caskey, C. T. (1989) Identification of mutations leading to the Lesch-Nyhan syndrome by automated direct DNA sequencing of in vitro amplified cDNA. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 1919- 1923 Hunkapiller, T., Kaiser, R. J., Koop, B. F. , and Hood, L. (1991) Large-scale and automated DNA sequencing Determination. Science 254, 59-67 International Human Genome Sequencing Consortium. Initial sequencing and analysis of the human genome. (2001) Nature 409, 860-921 Metzker, M.L. (2005) Genome Rex 15, 1767-1776 Pillai, V. N. R. (1980) Photoremovable Protecting Groups in Organic Synthesis. Synthesis, 1-26 Ohtsuka, E., Tanaka, S., and Ikehara, M. (1974) Studies on transfer ribonucleic acids and related compounds. IX(1) Ribooligonucleotide synthesis using a photosensitive o-nitrobenzyl protection at the 2'-hydroxyl group. Nucleic Acids Res. 1, 1351-1357 Chaulk, S. G., and MacMillan, A. M. (1998) Caged RNA: photo-control of a ribozyme. Nucleic Acids Res. 26, 3173-3178 Pease, A. C., Solas, D., Sullivan, E. J., Cronin, M. T., Holmes, C. P., and Fodor, S. P. A. (1994) Light-generated oligonucleotide arrays for rapid DNA sequence analysis. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 5022-5026 Metzker, M. L., Raghavachari, R., Richards, S., Jacutin, S. E., Civitello, A., Burgess, K., and Gibbs, R. A. (1994) Termination of DNA synthesis by novel 3'-modified deoxyribonucleoside triphosphates. Nucleic Acids Res. 22, 4259-4267 Bartholomew, D. G., and Broom, A. D. (1975) One-step Chemical Synthesis of Ribonucleosides bearing a Photolabile Ether Protecting Group. J. Chem. Soc. Chem. Commun., 38
発明の開示
概要
光開裂性標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド
DNA配列決定技術において用いることができるヌクレオシド化合物ならびにそのリン酸エステルおよび塩が提供される。化合物は任意でリボヌクレオシド三リン酸(NTP)およびデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)化合物の形である。ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物は蛍光色素で標識した光開裂性基を含む。光開裂性保護基を含むヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物はDNA合成を停止し、次いで効率的に開裂されて、核酸オリゴマーを並行様式で迅速に配列決定できるように設計する。ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物上に蛍光色素で標識したそのような開裂可能な基が存在することで、大きいDNAオリゴマーの並行での配列決定の速度および正確度を高めることができ、例えば、迅速な全ゲノム配列決定、ならびに多型および他の有用な遺伝子情報の同定を可能にする。
開裂可能な基を含む、および/または色素などの検出可能な標識を含むように誘導体化することができる、核酸塩基のアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、またはその天然の誘導体を含む様々なヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物が提供される。
一つの態様において、ヌクレオシドの塩基を2-ニトロベンジル基と共有結合し、2-ニトロベンジル基のアルファ炭素の位置は本明細書に記載の1つのアルキルまたはアリール基で置換されていてもよい。2-ニトロベンジル基は停止特性ならびに光触媒による脱保護速度を高めるために官能基化することができる。核酸塩基に結合された2-ニトロベンジル、またはアルファ炭素置換された2-ニトロベンジル基の停止特性は、リボース糖の3'-OH基がブロックされていない場合でも起こる。これらの3'-OH非ブロックターミネーターはいくつかの市販のDNAポリメラーゼによってよく耐容され、3'-O-ブロックターミネーターを上回る重要な利点を示す。アルファ炭素置換された2-ニトロベンジル基は、選択された蛍光色素を含むように誘導体化することもできる。
一つの態様において、ヌクレオシドの塩基を2-ニトロベンジル基と共有結合し、2-ニトロベンジル基は本明細書に記載の1つまたは複数の電子供与および電子吸引基で置換されていてもよい。2-ニトロベンジル基は光触媒による脱保護速度を高めるために官能基化することができる。2-ニトロベンジル基は検出可能な蛍光色素を含むように誘導体化することもできる。
特に、基礎をなすDNA配列を明らかにするために、取り込まれた塩基を同定するために用いうる、本明細書に記載の、異なる蛍光色素で標識した、2-ニトロベンジル基で修飾した4つのヌクレオシド三リン酸化合物、および誘導体の組み合わせを用いての、DNA配列決定の方法が提供される。
標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド
DNA配列決定技術において用いることができるヌクレオシド化合物ならびにそのリン酸エステルおよび塩も提供される。化合物は任意でリボヌクレオシド三リン酸(NTP)およびデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)化合物の形である。ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物は蛍光色素で標識した非開裂性基を含む。ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物はDNA合成を停止して、核酸オリゴマーを並行様式で迅速に配列決定できるように設計する。色素などの検出可能な標識を含むように誘導体化することができる、核酸塩基のアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、またはその天然の誘導体を含む様々なヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物が提供される。
一つの態様において、ヌクレオシドの塩基をベンジル基と共有結合し、ベンジル基のアルファ炭素の位置は本明細書に記載の1つのアルキルまたはアリール基で置換されていてもよい。ベンジル基は停止特性を高めるために官能基化することができる。核酸塩基に結合されたアルファ炭素置換されていてもよいベンジル基の停止特性は、リボース糖の3'-OH基がブロックされていない場合でも起こる。これらの3'-OH非ブロックターミネーターはいくつかの市販のDNAポリメラーゼによってよく耐容され、3'-O-ブロックターミネーターを上回る重要な利点を示す。リンカー基は選択された蛍光色素を含むように誘導体化することもできる。
特に、基礎をなすDNA配列を明らかにするために、取り込まれた塩基を同定するために用いうる、本明細書に記載の、異なる蛍光色素で標識した、非開裂性停止基で修飾した4つのヌクレオシド三リン酸化合物、および誘導体の組み合わせを用いての、DNA配列決定の方法が提供される。
[本発明1001]
下記式の化合物:
Figure 0005513122
式中、R 1 はH、一リン酸、二リン酸、または三リン酸であり、
R 2 はHまたはOHであり、
塩基はシトシン、ウラシル、チミン、アデニン、もしくはグアニン、またはその天然誘導体であり、
開裂性停止部分(cleavable terminating moiety)は化合物にポリメラーゼ停止特性を与える基であり、
リンカーは二官能性基であり、かつ
色素は蛍光体である。
[本発明1002]
開裂性停止部分が、ベンジルアミン、ベンジルエーテル、カルバメート、カルボネート、2-(o-ニトロフェニル)エチルカルバメート、および2-(o-ニトロフェニル)エチルカルボネートからなる群より選択される連結基により塩基に結合されている、本発明1001の化合物。
[本発明1003]
式I〜VIIで表される化合物、
式I〜VIIで表される化合物の薬学的に許容される塩またはエステル、ならびに
式I〜VIIで表される化合物の鏡像異性体、ラセミ混合物、または立体異性体、およびその薬学的に許容される塩またはエステル
からなる群より選択される、本発明1001または1002の化合物:
Figure 0005513122
Figure 0005513122
式中、R 1 =H、一リン酸、二リン酸、または三リン酸、
R 2 =HまたはOH、
R 3 およびR 4 は、H、C 1 -C 12 直鎖または分枝アルキル、C 2 -C 12 直鎖または分枝アルケニルまたはポリエニル、C 2 -C 12 直鎖または分枝アルキニルまたはポリアルキニル、および例えばフェニル、ナフチル、またはピリジン環などの芳香族基の群よりそれぞれ独立に選択され、
ただしR 3 およびR 4 の少なくとも1つはHであり、
R 5 、R 6 、R 7 、およびR 8 は、H、OCH 3 、NO 2 、CN、ハロゲン化物、C 1 -C 12 直鎖もしくは分枝アルキル、C 2 -C 12 直鎖もしくは分枝アルケニルもしくはポリエニル、C 2 -C 12 直鎖もしくは分枝アルキニルもしくはポリアルキニル、例えばフェニル、ナフチル、もしくはピリジン環などの芳香族基、および/または下記の一般構造のリンカー基の群よりそれぞれ独立に選択され:
Figure 0005513122
式中、X=CH 2 、CH=CH、C≡C、O、S、またはNH、
Y=CH 2 、O、またはNH、
n=0〜12の整数、
m=0〜12の整数、および
色素=蛍光体である。
[本発明1004]
R 3 およびR 4 が、-CH 3 、-CH 2 CH 3 、-CH 2 CH 2 CH 3 、イソプロピル、tert-ブチル、フェニル、2-ニトロフェニル、および2,6-ジニトロフェニルからなる群より独立に選択される、本発明1003の化合物。
[本発明1005]
R 3 およびR 4 の少なくとも1つが、アルキルまたは芳香族基中に少なくとも1つのヘテロ原子を任意で含んでもよいアルキルおよび芳香族基からなる群より選択され、さらに芳香族基が任意でアリールまたは多環式基であってよい、本発明1003の化合物。
[本発明1006]
R 5 、R 6 、R 7 、およびR 8 の少なくとも1つが、アリールおよび多環式基からなる芳香族群より選択される、本発明1003〜1005のいずれかの化合物。
[本発明1007]
蛍光体が、BODIPY、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、キサンテン、シアニン、ピレン、フタロシアニン、フィコビリンタンパク質、アレクサ、スクアレン色素、エネルギー転移色素を生じる組み合わせ、およびその誘導体からなる群より選択される、本発明1001〜1006のいずれかの化合物。
[本発明1008]
Figure 0005513122
からなる群より選択される、本発明1003の化合物。
[本発明1009]
(i)プライマーを固体表面に結合する段階;
(ii)固体表面に結合したプライマーに標的核酸をハイブリダイズする段階;
(iii)複数の型の塩基が存在する場合、各塩基は異なる蛍光体に任意で結合していてもよい、本発明1001〜1008のいずれかの1つまたは複数の化合物を加える段階:
(iv)ハイブリダイズしたプライマー/標的核酸複合体にポリメラーゼを加えて、段階(iii)の化合物を伸長中のプライマー核酸鎖にポリメラーゼ触媒反応によって取り込む段階であって、段階(iii)の取り込まれた化合物が約70%から約100%の間の効率でポリメラーゼ反応を停止する、段階;
(v)任意で固体表面を洗浄して、取り込まれていない成分を除去する段階;
(vi)取り込まれた蛍光体を検出して段階(iii)の取り込まれた化合物を同定する段階であって、検出が任意で蛍光色素を撮像するためのパルスマルチライン励起検出器を用いて行われる、段階;
(vii)任意で1つまたは複数の化学的化合物を加えて、伸長しなかったプライマーを永久的にキャップする段階;
(viii)固体表面を光源に曝露して、光開裂性停止部分を除去し、天然成分を有する伸長したプライマー核酸を得る段階;
(ix)任意で固体表面を洗浄して、開裂した光開裂性停止部分を除去する段階;
(x)段階(iii)から(ix)を1回または複数回繰り返して、標的核酸内の複数の塩基を同定する段階
を含む、標的核酸の配列決定する方法。
[本発明1010]
ポリメラーゼ反応において、段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みが、同じ塩基を有する天然基質の取り込み効率の約70%から約100%で起こる、本発明1009の方法。
[本発明1011]
取り込み効率が約85%から約100%で起こる、本発明1010の方法。
[本発明1012]
ポリメラーゼが、逆転写酵素、ターミナルトランスフェラーゼ、およびDNAポリメラーゼからなる群より選択される、本発明1009〜1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
ポリメラーゼがT、aq DNAポリメラーゼ、Klenow(-exo-) DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、Vent(-exo-) DNAポリメラーゼ、Pfu(-exo-) DNAポリメラーゼ、およびDeepVent(exo-) DNAポリメラーゼからなる群より選択される、本発明1012の方法。
[本発明1014]
ポリメラーゼが、Taq FS DNAポリメラーゼ、ThermoSequenase DNAポリメラーゼ、ThermoSequenase II DNAポリメラーゼ、Therminator DNAポリメラーゼ、Therminator II DNAポリメラーゼ、およびVent(-exo-) A488L DNAポリメラーゼからなる群より選択される改変ポリメラーゼである、本発明1012の方法。
[本発明1015]
段階(viii)の光源への曝露によって、約85%から約100%の光開裂性停止部分が除去される、本発明1009〜1014のいずれかの方法。
[本発明1016]
段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みの後にプライマー核酸鎖伸長の停止が約90%から約100%の効率で起こる、本発明1009〜1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
(i)本発明1001〜1008のいずれかの化合物を核酸に取り込む段階;および
(ii)得られた核酸を光源に曝露して、核酸から光開裂性停止部分を除去する段階
を含む、核酸分子の非天然成分を天然成分に変換する方法。
[本発明1018]
本発明1001〜1008のいずれかの3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドをポリメラーゼの環境下に配置する段階、および
3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸分子中への取り込みを可能にする段階
を含む、核酸合成を停止する方法。
[本発明1019]
3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込みの際、DNA合成の停止効率が約90%から約100%の範囲である、本発明1018の方法。
[本発明1020]
3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み効率が、3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドと同じ塩基を有する天然ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み効率に比べて約70%から約100%の範囲である、本発明1018または1019の方法。
[本発明1021]
本発明1001〜1008のいずれかの化合物をサンガーまたはサンガー型配列決定反応に加える段階を含む、サンガーまたはサンガー型配列決定を行う方法。
[本発明1022]
本発明1001〜1008のいずれかの化合物をピロシーケンスまたはピロシーケンス型配列決定反応に加える段階を含む、ピロシーケンスまたはピロシーケンス型配列決定を行う方法。
[本発明1023]
下記式の化合物:
Figure 0005513122
式中、R 1 はH、一リン酸、二リン酸、または三リン酸であり、
R 2 はHまたはOHであり、
塩基はシトシン、ウラシル、チミン、アデニン、グアニン、またはその天然誘導体であり、
非開裂性停止部分は化合物にポリメラーゼ停止特性を与える基であり、
リンカーは二官能性基であり、かつ
色素は蛍光体である。
[本発明1024]
非開裂性停止部分が、ベンジルアミン、ベンジルエーテル、カルバメート、カルボネート、2-(o-ニトロフェニル)エチルカルバメート、および2-(o-ニトロフェニル)エチルカルボネートからなる群より選択される連結基により塩基に結合されている、本発明1023の化合物。
[本発明1025]
式I〜VIIで表される化合物、
式I〜VIIで表される化合物の薬学的に許容される塩またはエステル、ならびに
式I〜VIIで表される化合物の鏡像異性体、ラセミ混合物、または立体異性体、およびその薬学的に許容される塩またはエステル
からなる群より選択される、本発明1001の化合物:
Figure 0005513122
Figure 0005513122
式中、R 1 =H、一リン酸、二リン酸、または三リン酸、
R 2 =HまたはOH、
R 3 およびR 4 は、H、C 1 -C 12 直鎖または分枝アルキル、C 2 -C 12 直鎖または分枝アルケニルまたはポリエニル、C 2 -C 12 直鎖または分枝アルキニルまたはポリアルキニル、および例えばフェニル、ナフチル、またはピリジン環などの芳香族基の群よりそれぞれ独立に選択され;
R 5 、R 6 、およびR 7 は、H、OCH 3 、NO 2 、CN、ハロゲン化物、C 1 -C 12 直鎖もしくは分枝アルキル、C 2 -C 12 直鎖もしくは分枝アルケニルもしくはポリエニル、C 2 -C 12 直鎖もしくは分枝アルキニルもしくはポリアルキニル、例えばフェニル、ナフチル、もしくはピリジン環などの芳香族基、および/または下記の一般構造のリンカー基の群よりそれぞれ独立に選択され:
Figure 0005513122
式中、X=CH 2 、CH=CH、C≡C、O、S、またはNH、
Y=CH 2 、O、またはNH、
n=0〜12の整数、
m=0〜12の整数、および色素=蛍光体、かつ
R 8 およびR 9 は、R 5 、R 6 、およびR 7 について上で定義したとおりであり、ただしR 8 およびR 9 はNO 2 ではない。
[本発明1026]
R 3 およびR 4 の少なくとも1つが、-CH 3 、-CH 2 CH 3 、-CH 2 CH 2 CH 3 、イソプロピル、tert-ブチルおよびフェニルからなる群より選択される、本発明1025の化合物。
[本発明1027]
R 3 およびR 4 の少なくとも1つが、アルキルまたは芳香族基中に少なくとも1つのヘテロ原子を任意で含んでもよいアルキルおよび芳香族基からなる群より選択され、さらに芳香族基が任意でアリールまたは多環式基であってよい、本発明1025の化合物。
[本発明1028]
R 5 、R 6 、R 7 、およびR 8 の少なくとも1つが、アリールおよび多環式基からなる芳香族群より選択される、本発明1025〜1027のいずれかの化合物。
[本発明1029]
蛍光体が、BODIPY、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、キサンテン、シアニン、ピレン、フタロシアニン、フィコビリンタンパク質、アレクサ、スクアレン色素、エネルギー転移色素を生じる組み合わせ、およびその誘導体からなる群より選択される、本発明1023〜1028のいずれかの化合物。
[本発明1030]
Figure 0005513122
Figure 0005513122
からなる群より選択される、本発明1025の化合物。
[本発明1031]
(i)標的核酸をサンガーまたはサンガー型配列決定反応に加える段階;
(ii)複数の型の塩基が存在する場合、各塩基は異なる蛍光体に任意で結合されている、本発明1023〜1030のいずれかの1つまたは複数の化合物を配列決定反応に加える段階;
(iii)相補的プライマーおよびポリメラーゼ酵素を加える段階;
(iv)ポリメラーゼ触媒反応を行って段階(ii)の化合物の少なくとも1つを伸長中の核酸鎖に取り込む段階;ならびに
(v)配列決定反応の結果を分析する段階
を含む、標的核酸の配列を決定する方法であって
段階(i)〜(iii)は任意の順序で行うことができる、方法。
[本発明1032]
段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みの後に核酸鎖伸長の停止が約90%から約100%の効率で起こる、本発明1031の方法。
[本発明1033]
ポリメラーゼ反応において、段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みが、同じ塩基を有する天然基質の取り込み効率の約70%から約100%で起こる、本発明1031の方法。
[本発明1034]
取り込み効率が約85%から約100%で起こる、本発明1033の方法。
[本発明1035]
ポリメラーゼが逆転写酵素、ターミナルトランスフェラーゼ、およびDNAポリメラーゼからなる群より選択される、本発明1031〜1034のいずれかの方法。
[本発明1036]
ポリメラーゼが、Taq DNAポリメラーゼ、Klenow(exo-) DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、Vent(-exo-) DNAポリメラーゼ、Pfu(-exo-) DNAポリメラーゼ、およびDeepVent(exo-) DNAポリメラーゼからなる群より選択される、本発明1035の方法。
[本発明1037]
ポリメラーゼが、TaqFS DNAポリメラーゼ、ThermoSequenase DNAポリメラーゼ、ThermoSequenase II DNAポリメラーゼ、Therminator DNAポリメラーゼ、Therminator II DNAポリメラーゼ、およびVent(exo-) A488L DNAポリメラーゼからなる群より選択される改変ポリメラーゼである、本発明1035の方法。
[本発明1038]
(i)標的核酸を反応に加える段階;
(ii)複数の型の塩基が存在する場合、各塩基は異なる蛍光体に任意で結合されている、本発明1023〜1030のいずれかの1つまたは複数の化合物を反応に加える段階;
(iii)ポリメラーゼ酵素を反応に加える段階;および
(iv)ポリメラーゼ触媒反応を行って段階(ii)の化合物の少なくとも1つを伸長中の核酸鎖に取り込む段階
を含む、非天然成分を核酸に取り込む方法であって、
段階(i)〜(iii)は任意の順序で行うことができる、方法。
[本発明1039]
段階(ii)からの少なくとも1つの化合物の取り込みについて、ポリメラーゼ反応の結果を分析する段階をさらに含む、本発明1038の方法。
[本発明1040]
段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みの後に鎖伸長の停止が約90%から約100%の効率で起こる、本発明1038〜1039のいずれかの方法。
[本発明1041]
ポリメラーゼ反応において、段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みが、同じ塩基を有する天然基質の取り込み効率の約70%から約100%で起こる、本発明1038〜1040のいずれかの方法。
[本発明1042]
本発明1023〜1030のいずれかの3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドをポリメラーゼの環境下に配置する段階、および
3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸中への取り込みを可能にする段階
を含む、核酸合成を停止する方法。
[本発明1043]
3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込みの際、停止効率が約90%から約100%の範囲である、本発明1042の方法。
[本発明1044]
3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み効率が、同じ塩基を有する天然ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み効率に比べて約70%から約100%の範囲である、本発明1042または1043の方法。
[本発明1045]
本発明1023〜1030のいずれかの化合物をサンガーまたはサンガー型配列決定反応に加える段階を含む、サンガーまたはサンガー型配列決定を行う方法。
[本発明1046]
本発明1023〜1030のいずれかの化合物をミニシーケンスまたはミニシーケンス型配列決定反応に加える段階を含む、ミニシーケンスまたはミニシーケンス型配列決定を行う方法。
詳細な説明
光開裂性標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド
迅速DNA配列決定技術において用いることができるヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物ならびにその塩、エステルおよびリン酸エステルが提供される。化合物は任意でリボヌクレオシド三リン酸(NTP)およびデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)の形である。一つの態様において、ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物は蛍光色素で標識した光開裂性基を含む。ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物は、DNA合成を停止し、迅速に開裂されるように設計された光開裂性保護基を含み、したがってこれらのモノマーを並行様式で迅速に配列決定するために用いることができる。ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物上に蛍光色素で標識したそのような迅速に開裂可能な基が存在することで、大きいDNAオリゴマーの並行での配列決定の速度および正確度を高めることができ、例えば、迅速な全ゲノム配列決定、ならびに多型および他の有用な遺伝子情報の同定を可能にする。
開裂可能な基を含む、および/または色素などの検出可能な標識を含むように誘導体化することができる、核酸塩基のアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、またはその天然の誘導体を含む様々なヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物が提供される。
一つの態様において、核酸塩基のアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、またはその天然の誘導体を2-ニトロベンジル基などの光除去可能な保護基と共有結合することができる。2-ニトロベンジル基はそのDNA合成停止ならびに脱保護速度を高めるために誘導体化し、したがってDNA配列決定におけるその有用性を高めることができる。2-ニトロベンジル基などの光除去可能な保護基は、光除去可能な保護基への共有結合により蛍光色素で誘導体化することもできる。
I. 配列決定のための光開裂性標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物の利点
DNA配列決定技術において有用なヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物が提供される。循環可逆的停止(CRT)は複数の鋳型の同時発生の1塩基付加を検出する循環法である。このアプローチはそれ自体をサンガー法と区別しており、この分野を進歩させる上での主なボトルネックであるゲル電気泳動および高度並行様式の必要なしに行うことができる。しかし、サンガーの配列決定と同様に、読み取り長が長いほど全体のゲノムをカバーするのに必要な配列決定アッセイは少なくなる。CRTサイクルは、取り込み、撮像、および脱保護の3つの段階を含む。この方法にとって、サイクル効率、サイクル時間、および感度が重要な因子である。サイクル効率は脱保護および取り込み効率の積で、CRT読み取り長を決定する。CRTサイクル時間は取り込み、撮像、および脱保護時間の和である。全ゲノム配列決定の迅速CRTのために、迅速かつ効率的脱保護特性を示しうる、本明細書に記載のヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物を用いてもよい。これらの化合物を、2-ニトロベンジルに直接結合した蛍光色素で標識して、同様の脱保護特性を有する、蛍光可逆的ターミネーターを提供することができる。CRT技術の読み取り長は各ヌクレオチド付加サイクルの全効率、すなわち脱保護および取り込み効率の積によって支配されている。例えば、終点を元の出発原料の50%が許容されるシグナル-ノイズ比を有することと考える場合、読み取り長に対するサイクルの効率の影響を推定するために下記の式を適用することができる:
(RL)Ceff=0.5
ここでRLは塩基の読み取り長であり、Ceffは全サイクル効率である。すなわち、7塩基の読み取り長は全サイクル効率90%で達成され、70塩基はサイクル効率99%で達成され、700塩基はサイクル効率99.9%で達成されるであろう。本発明の化合物の取り込み効率は、類似の天然ヌクレオシドの取り込みの約70%から約100%の範囲でありうる。好ましくは、取り込み効率は約85%から約100%の範囲となる。光開裂効率は、好ましくは、約85%から約100%の範囲となる。さらに、核酸伸長の停止は、本発明の化合物の取り込み後に約90%から約100%の範囲となる。一つの態様において、ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物は少なくとも80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%のサイクル効率を有する。ゲノムDNAに適用する場合、化合物をCRTで用いてゲノムDNAから直接読み取ることができる。断片化ゲノムDNAを、選択した染色体にまたがるプライミング部位を含む高密度オリゴヌクレオチドチップにハイブリダイズすることができる。各プライミング配列はCRT法の推定読み取り長によって隔てられている。塩基付加の間に、蛍光撮像装置は全高密度チップを同時に撮像することができ、速度および感度における著しい改善を示している。本明細書に記載の2-ニトロベンジル基またはその誘導体に結合された蛍光体をUV照射によって除去し、次の回の塩基付加のために2-ニトロベンジル基を放出する。約500 CRTサイクルの後、完全な近接ゲノム配列情報を基準ヒトゲノムと比較して、個人の試料における配列変異の程度および型を調べることができる。
II. 光開裂性標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物
様々なヌクレオシドおよび化合物ならびにそれらの一、二および三リン酸が提供される。化合物はDNA配列決定技術のために有用である。一つの態様において、ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物は、CRT反応において検出し、効率的に開裂しうる蛍光色素で標識した光開裂性停止基を含む。ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物は、続く回のDNAポリメラーゼ反応のために、それぞれの天然ヌクレオシド一リン酸に変換することができる。特定の態様において、デオキシリボースまたはリボース糖および塩基を含み、ここで塩基は光開裂性停止基の2-ニトロベンジル基に共有結合している、ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物が提供される。2-ニトロベンジル基はDNA合成の停止ならびに脱保護の速度を高める基で置換することができる。加えて、2-ニトロベンジル基は色素などのレポーター基を結合することにより検出可能でありうる。色素は任意で二官能性リンカーによって2-ニトロベンジル基に連結されていてもよい。本発明の化合物は下記式で表してよい:
Figure 0005513122
式中、R1はH、一リン酸、二リン酸または三リン酸であり、R2はHまたはOHであり、塩基はシトシン、ウラシル、チミン、アデニン、もしくはグアニン、またはその天然誘導体であり、開裂性停止部分(cleavable terminating moiety)は化合物にポリメラーゼ停止特性を与える基であり、リンカーは二官能性基であり、かつ色素は蛍光体である。本発明の化合物は、DNA合成配列決定において有用な蛍光の感光性可逆的ターミネーターとして設計することができる。化合物は、水溶液中で迅速かつ効率的な脱保護挙動および良好な蛍光特性を有するように修飾された、最適化可逆的ターミネーターでありうる。一つの態様において、式I〜VIIの構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、あるいはその鏡像異性体、ラセミ混合物、または立体異性体が提供され:
Figure 0005513122
Figure 0005513122
式中、R1=H、一リン酸、二リン酸または三リン酸、R2=HまたはOH、R3およびR4はそれぞれH、C1-C12直鎖または分枝アルキル、C2-C12直鎖または分枝アルケニルまたはポリエニル、C2-C12直鎖または分枝アルキニルまたはポリアルキニル、および例えばフェニル、ナフチル、またはピリジン環などの芳香族基の群より独立に選択され、ただしR3およびR4の少なくとも1つはHであり;R5、R6、R7、およびR8はそれぞれH、OCH3、NO2、CN、ハロゲン化物、C1-C12直鎖もしくは分枝アルキル、C2-C12直鎖もしくは分枝アルケニルもしくはポリエニル、C2-C12直鎖もしくは分枝アルキニルもしくはポリアルキニル、例えばフェニル、ナフチル、もしくはピリジン環などの芳香族基、および/または下記の一般構造のリンカー基の群より独立に選択され:
Figure 0005513122
X=CH2、CH=CH、C≡C、O、S、またはNH、Y=CH2、O、またはNH、n=0〜12の整数;m=0〜12の整数、および色素=蛍光体。特定の態様において、式I〜VIIの化合物などの、誘導体化2-ニトロフェニル環を含む本明細書において提供される化合物において、DNA配列決定中の2-ニトロフェニル基の脱保護および除去の速度は、2-ニトロフェニル環の4位に電子供与基または5位に電子吸引基を含むことにより増強することができる。
好ましい態様において、R3およびR4は-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、イソプロピル、tert-ブチル、フェニル、2-ニトロフェニル、および2,6-ジニトロフェニルからなる群より選択されるが、それらに限定されるわけではない。または、R3およびR4はアルキルまたは芳香族基中に少なくとも1つのヘテロ原子を任意で含んでもよいアルキルおよび芳香族基からなる群より選択されるが、それらに限定されるわけではなく、さらにここで芳香族基は任意でフェニルなどのアリールまたはナフチル基などの多環式でありうる。特定の態様において、R5、R6、R7、およびR8はアリールおよび多環式基からなる芳香族群より選択される。
または、光開裂性停止部分は下記の一般構造を有していてもよい:
Figure 0005513122
例えば、そのような光開裂性停止部分を有する化合物は下記の構造を有してもよい:
Figure 0005513122
ここで、開裂性停止部分はベンジルアミン、ベンジルエーテル、カルバメート、カルボネート、2-(o-ニトロフェニル)エチルカルバメート、および2-(o-ニトロフェニル)エチルカルボネートからなる群より選択される連結基により塩基に結合されている。そのような態様は本発明の範囲内である。
蛍光色素は特に限定されない。例えば、蛍光体はBODIPY、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、キサンテン、シアニン、ピレン、フタロシアニン、フィコビリンタンパク質、アレクサ、スクアレン色素、エネルギー転移色素を生じる組み合わせ、およびその誘導体からなる群より選択してもよいが、それらに限定されるわけではない。
好ましい態様には下記の化合物が含まれるが、それらに限定されるわけではない:
Figure 0005513122
Figure 0005513122
III. 光開裂性ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物の合成
本明細書において開示する化合物は一般に、本明細書において開示するとおり、および当技術分野において利用可能な方法を用いて合成することができる。例えば、下記の一般スキームはアデノシン化合物の合成を示している。
アデノシンN6-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
グアノシンO6-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
グアノシン8-オキソ-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
ウリジン5-HOMe-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
シチジン5-HOMe-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
シチジンN4-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
追加の詳細は実施例の項に示す。
標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド
迅速DNA配列決定技術において用いることができるヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物ならびにその塩、エステルおよびリン酸エステルが提供される。化合物は任意でリボヌクレオシド三リン酸(NTP)およびデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)の形である。一つの態様において、ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物は蛍光色素で標識した非開裂性基を含む。ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物は、DNA合成を停止するように設計され、したがってこれらのモノマーを並行様式で迅速に配列決定するために用いることができる。ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物上に蛍光色素で標識したそのような基が存在することで、大きいDNAオリゴマーの並行での配列決定の速度および正確度を高めることができ、例えば、迅速な全ゲノム配列決定、ならびに多型および他の有用な遺伝子情報の同定を可能にする。
非開裂性の停止部分を含む、および/または色素などの検出可能な標識を含むように誘導体化することができる、核酸塩基のアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、またはその天然の誘導体を含む様々なヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物が提供される。
一つの態様において、核酸塩基のアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、またはその天然の誘導体を非開裂性停止部分を介して色素と共有結合することができる。非開裂性停止部分はそのDNA合成の停止を増強するために誘導体化し、したがってDNA配列決定におけるその有用性を高めることができる。
I. 配列決定のための標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物の利点
DNA配列決定技術において有用なヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物が提供される。本発明の化合物の取り込み効率は、類似の天然ヌクレオシドの取り込みの約70%から約100%の範囲でありうる。好ましくは、取り込み効率は約85%から約100%の範囲となる。さらに、核酸伸長の停止は、本発明の化合物の取り込み後に約90%から約100%の範囲となる。一つの態様において、ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物は少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の停止効率を有する。
II. 標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物
様々なヌクレオシドおよび化合物ならびにそれらの一、二および三リン酸が提供される。化合物は配列決定技術のために有用である。一つの態様において、ヌクレオシド化合物は、効率的に検出しうる蛍光基を含む。ヌクレオシド化合物は、DNAポリメラーゼ反応のために、それぞれの三リン酸エステルに変換することができる。本発明の化合物は下記式で表してよい:
Figure 0005513122
式中、R1はH、一リン酸、二リン酸または三リン酸であり、R2はHまたはOHであり、塩基はシトシン、ウラシル、チミン、アデニン、グアニン、またはその天然誘導体であり、非開裂性停止部分は化合物にポリメラーゼ停止特性を与える基であり、リンカーは二官能性基であり、かつ色素は蛍光体である。本発明の化合物は、DNA合成配列決定において有用な蛍光の安定非可逆的ターミネーターとして設計することができる。
一つの態様において、式I〜VIIの構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、あるいはその鏡像異性体、ラセミ混合物、または立体異性体が提供される:
Figure 0005513122
Figure 0005513122
式中、R1=H、一リン酸、二リン酸または三リン酸、R2=HまたはOH、R3およびR4はそれぞれH、C1-C12直鎖または分枝アルキル、C2-C12直鎖または分枝アルケニルまたはポリエニル、C2-C12直鎖または分枝アルキニルまたはポリアルキニル、および例えばフェニル、ナフチル、またはピリジン環などの芳香族基の群より独立に選択され;R5、R6、およびR7はそれぞれH、OCH3、NO2、CN、ハロゲン化物、C1-C12直鎖もしくは分枝アルキル、C2-C12直鎖もしくは分枝アルケニルもしくはポリエニル、C2-C12直鎖もしくは分枝アルキニルもしくはポリアルキニル、例えばフェニル、ナフチル、もしくはピリジン環などの芳香族基、および/または下記の一般構造のリンカー基の群より独立に選択され:
Figure 0005513122
X=CH2、CH=CH、C≡C、O、S、またはNH、Y=CH2、O、またはNH、n=0〜12の整数;m=0〜12の整数、および色素=蛍光体;かつR8およびR9はR5、R6、およびR7について上で定義したとおりであり、ただしR8およびR9はNO2ではない。
好ましい態様において、R3およびR4は-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、イソプロピル、tert-ブチル、フェニル、2-ニトロフェニル、および2,6-ジニトロフェニルからなる群より選択されるが、それらに限定されるわけではない。または、R3およびR4はアルキルまたは芳香族基中に少なくとも1つのヘテロ原子を任意で含んでもよいアルキルおよび芳香族基からなる群より選択されるが、それらに限定されるわけではなく、さらにここで芳香族基は任意でフェニルなどのアリールまたはナフチル基などの多環式でありうる。特定の態様において、R5、R6、R7、およびR8はアリールおよび多環式基からなる芳香族群より選択される。
または、リンカーは下記の一般構造を有していてもよい:
Figure 0005513122
例えば、そのようなリンカーを有する化合物は下記の構造を有してもよい:
Figure 0005513122
ここで、非開裂性停止部分はベンジルアミン、ベンジルエーテル、カルバメート、カルボネート、2-(o-ニトロフェニル)エチルカルバメート、および/または2-(o-ニトロフェニル)エチルカルボネートなどの連結基により塩基に結合されうる。
蛍光色素は特に限定されない。例えば、蛍光体はBODIPY、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、キサンテン、シアニン、ピレン、フタロシアニン、フィコビリンタンパク質、アレクサ、スクアレン色素、エネルギー転移色素を生じる組み合わせ、およびその誘導体からなる群より選択してもよいが、それらに限定されるわけではない。
好ましい態様には下記の化合物が含まれるが、それらに限定されるわけではない:
Figure 0005513122
Figure 0005513122
III. 標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物の合成
本明細書において開示する化合物は一般に、本明細書において開示するとおり、および当技術分野において利用可能な方法を用いて合成することができる。例えば、下記の一般スキームはアデノシン化合物の合成を示している。
アデノシンN6-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
グアノシンO6-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
グアノシン8-オキソ-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
ウリジン5-HOMe-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
シチジン5-HOMe-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
シチジンN4-修飾化合物合成のための一般スキーム
Figure 0005513122
IV. 本発明の化合物の使用法
本明細書において開示するヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物はDNA配列決定技術において様々な目的のために用いることができる。本発明の化合物と共に用いるポリメラーゼは天然ポリメラーゼでも改変ポリメラーゼであってもよい。ポリメラーゼにはTaq DNAポリメラーゼ、Klenow(exo-) DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、Vent(exo-) DNAポリメラーゼ、Pfu(exo-) DNAポリメラーゼ、およびDeepVent(exo-) DNAポリメラーゼが含まれるが、それらに限定されるわけではない。改変ポリメラーゼには、TaqFS DNAポリメラーゼ、ThermoSequenase DNAポリメラーゼ、ThermoSequenase II DNAポリメラーゼ、Therminator DNAポリメラーゼ、Therminator II DNAポリメラーゼ、およびVent(exo-) A488L DNAポリメラーゼが含まれるが、それらに限定されるわけではない。好ましくは、本発明の化合物は天然ヌクレオチドの取り込みレベルと等しい、またはそれに近いレベルで取り込まれ、したがって本発明の化合物に対する偏りを生じない。さらにより好ましくは、本発明の化合物は市販のポリメラーゼと適合性である。
光開裂性標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド
一つの態様において、化合物は循環可逆的停止(CRT)において用いることができ、これは複数の鋳型の同時発生の1塩基付加を検出する循環法である。読み取り長が長いほど全体のゲノムをカバーするのに必要な配列決定アッセイは少なくなる。核酸を合成する方法は下記の段階を含む:
a)プライマーの5'末端を固体表面に結合する段階;
b)固体表面に結合したプライマーに標的核酸をハイブリダイズする段階;
c)1つまたは複数の下記式の化合物を加える段階:
Figure 0005513122
式中、R1はH、一リン酸、二リン酸または三リン酸であり、R2はHまたはOHであり、塩基はシトシン、ウラシル、チミン、アデニン、もしくはグアニン、またはその天然誘導体であり、開裂性停止部分は化合物にポリメラーゼ停止特性を与える基であり、リンカーは二官能性基であり、かつ色素は蛍光体である;
d)ハイブリダイズしたプライマー/標的核酸複合体にDNAポリメラーゼを加えて、前段階の化合物を伸長中のプライマー鎖に取り込む段階であって、取り込んだ化合物が約90%から約100%の間の効率でポリメラーゼ反応を停止する、段階;
e)任意で固体表面を洗浄して、取り込まれていない成分を除去する段階;
f)取り込まれた蛍光体を検出する段階であって、検出器が任意で蛍光色素を撮像するためのパルスマルチライン励起検出器である、段階;
g)任意で1つまたは複数の化合物を加えて、伸長しなかったプライマーを永久的にキャップする段階;
h)固体支持体を光源に曝露して、光開裂性部分を除去し、天然成分を有する伸長したプライマーを得る段階;および
i)固体表面を洗浄して、開裂した保護基を除去する段階;ならびに
前述の段階を循環様式で繰り返す段階。
もう一つの態様において、本発明の化合物は核酸分子の配列を決定する方法であって、標的核酸分子を配列決定装置に加える段階、1つまたは複数の本発明の化合物を配列決定装置に加える段階、ポリメラーゼ酵素および任意で天然核酸成分を配列決定装置に加える段階、ポリメラーゼ反応を行って前段階の化合物の少なくとも1つを伸長中の核酸鎖に取り込む段階、ならびにポリメラーゼ反応の結果を少なくとも1つの本発明の化合物の取り込みについて分析する段階を含む方法において用いることができる。段階は任意の順序および任意の反復数で実施することができる。好ましくは、取り込み段階の後に鎖伸長の停止が約90%から約100%の率で起こる。もう一つの態様において、本発明の化合物の取り込みは類似の塩基の天然基質の取り込み率の約70%から約100%で起こり、したがって著しい偏りは起こらない。例えば、取り込み率は対応する核酸塩基の正常な率の約85%から約100%で起こりうる。重要な態様は、修飾ヌクレオチドの取り込みによって得られる核酸分子をUVまたは他の光源に曝露して、光開裂性停止部分を核酸から除去する段階を含む。好ましくは、UVまたは他の光源への曝露からの光開裂段階の効率は約85%から約100%である。
本発明の方法は、個別または組み合わせで実施することができる。例えば、核酸分子の配列決定法は、部分的には非天然成分を核酸分子に取り込む方法、または本発明の化合物の取り込み後に核酸分子内の非天然成分を天然成分に変換する、別の方法として実施することができる。
一つの態様において、本発明の方法は未保護3'-OHヌクレオチドの取り込み後に核酸合成を停止する局面を含む。都合のよいことに、未保護3'-OHヌクレオチドは高いレベルでポリメラーゼによって取り込むことができ、ポリメラーゼ反応中に低いレベルの修飾ヌクレオチドが存在することになり、天然ヌクレオチドに比べて偏りも低くなる。したがって、好ましい態様は核酸合成を停止する方法であって、3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドをポリメラーゼの環境下に配置する段階および3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドを核酸分子中に取り込ませる段階を含む方法を含み、ここで3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドは下記の式の化合物である:
Figure 0005513122
式中、R1はH、一リン酸、二リン酸または三リン酸であり、R2はHまたはOHであり、塩基はシトシン、ウラシル、チミン、アデニン、もしくはグアニン、またはその天然誘導体であり、開裂性停止部分は化合物にポリメラーゼ停止特性を与える基であり、リンカーは二官能性基であり、かつ色素は蛍光体である。好ましくは、方法は3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み後に約90%から約100%の範囲の停止効率を有する。または、方法は、同じ塩基を有する天然ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み効率に比べて約70%から約100%の範囲の3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み効率を有してもよい。
ヌクレオチドおよびヌクレオシド化合物をCRTで用いてゲノムDNAから直接読み取ることができる。断片化ゲノムDNAを、選択した染色体にまたがるプライミング部位を含む高密度オリゴヌクレオチドチップにハイブリダイズすることができる。各プライミング配列はCRT法の推定読み取り長によって隔てられている。塩基付加の間に、パルスマルチライン励起(PME)検出器などの蛍光撮像装置は全高密度チップを同時に撮像することができ、速度および感度における著しい改善を示している。塩基上の開裂性停止基に結合された蛍光体をUVまたは他の光源照射によって除去し、それにより次の回の塩基付加のために修飾ヌクレオチドをその天然型に変換する。約500 CRTサイクルの後、完全な近接ゲノム配列情報を基準ヒトゲノムと比較して、個人の試料における配列変異の程度および型を調べることができる。循環可逆的停止のための方法は当技術分野において開発され、例えば、国際公開公報第2003/021212号に記載のとおりに用いることができ、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。
一つの態様において、ポリメラーゼ反応においてヌクレオチドアナログを伸長中のDNA鎖に取り込んだ後、ヌクレオチドアナログの同一性を検出することにより核酸を配列決定する方法であって、下記の段階を含む方法を用いる:
a)核酸の5'末端を固体表面に結合する段階;
b)固体表面に結合した核酸にプライマーを結合する段階;
c)ポリメラーゼおよび1つまたは複数の異なるヌクレオシド三リン酸化合物を核酸に加える段階であって、ヌクレオシド三リン酸化合物が取り込まれ、次いでポリメラーゼ反応が停止し、各ヌクレオシド三リン酸化合物がアデニン、グアニン、シトシン、チミン、およびウラシル、ならびにそれらのアナログからなる群より選択される塩基と、塩基に結合され、検出可能な標識を含む光開裂性基と、デオキシリボースまたはリボース糖とを含む、段階、
d)任意で固体表面を洗浄して、取り込まれていないヌクレオチドアナログを除去する段階;
e)停止したヌクレオシド三リン酸に結合された、蛍光色素またはレポーター分子などの検出可能な標識を、例えばPMEで検出し、それにより同定する段階;
f)任意で1つまたは複数の化合物を加えて、核酸に結合されたプライマー上または1つもしくは複数のヌクレオチドをプライマーに加えることにより生成したプライマー伸長鎖上の任意の未反応-OH基を永久的にキャップする段階;
g)固体表面を光源に曝露して、独特の標識またはレポーター分子を含む光開裂性保護基を除去する段階であって、残る取り込まれたヌクレオシド一リン酸単位が天然、未変性、または非修飾核酸分子に類似している、段階;
h)固体表面を洗浄して、開裂した保護基を除去する段階;ならびに
i)伸長中のプライマー鎖に取り込まれた同定したヌクレオチドアナログの配列を決定するために段階(c)から(h)を繰り返す段階。
標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド
好ましい態様において、本発明の方法は、標的核酸の配列を決定する方法を含み、本方法は、(i)標的核酸をサンガーまたはサンガー型配列決定装置に加える段階、(ii)複数の型の塩基が存在する場合、各塩基は異なる蛍光体に結合されているという条件で、1つまたは複数の本発明の化合物を配列決定装置に加える段階;(iii)相補的プライマーおよびポリメラーゼ酵素を加える段階、(iv)ポリメラーゼ反応を行って段階(ii)の化合物の少なくとも1つを伸長中の核酸鎖に取り込む段階、ならびに(v)サンガー配列決定反応の結果を蛍光配列決定機器またはパルスマルチライン励起蛍光により分析する段階を含み、段階(i)〜(iii)は任意の順序で行うことができる。
好ましい態様において、段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込み後に、約90%から約100%の効率で鎖伸長を停止する。または、段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みは、ポリメラーゼ反応において同じ塩基の天然基質の取り込み効率の約70%から約100%、またはより好ましくは約85%から約100%で起こる。
本発明の方法は、非天然成分を核酸に取り込む方法もまた含み、本方法は、(i)標的核酸を配列決定装置に加える段階;(ii)複数の型の塩基が存在する場合、各塩基は異なる蛍光体に結合されているという条件で、1つまたは複数の本発明の化合物を配列決定装置に加える段階;(iii)ポリメラーゼ酵素を加える段階;および(iv)ポリメラーゼ反応を行って段階(ii)の化合物の少なくとも1つを伸長中の核酸鎖に取り込む段階を含み、段階(i)〜(iii)は任意の順序で行うことができる。この方法はさらに(v)段階(ii)からの少なくとも1つの化合物の取り込みについて、ポリメラーゼ連鎖反応の結果を分析する段階を含むことができる。
本発明の代替態様は、核酸合成を停止する方法であって、本発明の3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドをポリメラーゼの環境下に配置する段階および3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸中への取り込みを可能にする段階を含む方法である。方法の好ましい態様は、3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み後に約90%から約100%の範囲の停止効率を有し;3'-OH未保護ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み効率は、同じ塩基の天然ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み効率に比べて約70%から約100%の範囲である。
本発明の化合物をサンガーまたはサンガー型配列決定法に加える段階を含む、サンガーまたはサンガー型配列決定を行う方法も含まれる。本発明の化合物をミニシーケンスまたはミニシーケンス型配列決定法に加える段階を含む、ミニシーケンスまたはミニシーケンス型配列決定を行う方法は、本発明の範囲内である。
PME検出器
一つの態様において、前述の標識および/または光開裂性ヌクレオシドおよびヌクレオチドのいずれかを用いて、色結合蛍光検出のためのパルスマルチライン励起(「PME」)を2003年3月27日公開のUS 2003/0058440、または2003年3月13日公開の国際公開公報第2003/021212号に記載のとおりに用いることができる。この技術は有益な情報を与えるSNPの高処理量での同定のため、遺伝疾患のより正確な診断のため、リスク感受性のよりよい予想のため、または散発性突然変異の同定のための適用を有する蛍光検出を提供する。PME技術は蛍光感度を著しく高める2つの主な利点を有する:(1)ゲノムアッセイにおけるすべての蛍光体の最適な励起、および(2)標準の波長分割検出よりもかなり多くの光を集める「色結合」検出。この技術は、DNA配列決定のために単一光源の励起および色の分散を特徴とするDNA配列決定機器とは著しく異なっている。この技術は臨床診断学、法医学、および一般の配列決定法において用いることができ、集団の大多数のための標的配列変異アッセイの可能性、柔軟性、および移植性を有するであろう。
一つの態様において、高処理量DNA配列同定において用いるための装置および方法を用いる。下記を含む、1つまたは複数の蛍光種を含む試料を分析するためのパルスマルチライン励起装置を用いる:各励起線が異なる波長を有する2以上の励起線を放出するように構成された、1つまたは複数のレーザー;1つまたは複数のレーザーに結合され、試料から時間相関された蛍光発光シグナルを生成するようにタイミングプログラムに従って2以上の励起線を逐次生ずるように構成された、タイミング回路;試料から放出される時間相関された蛍光発光シグナルを収集するように置かれた非分散検出器;および検出器に結合され、時間相関された蛍光発光シグナルをタイミングプログラムと関連させて、試料の成分を同定するように構成された分析器。
検出器および分析器は一体型であってもよい。一つの態様において、2以上の励起線は試料において交差するか、または2以上の励起線が試料中で交差しないように構成されていてもよい。2以上の励起線は同軸性であってもよい。一つの態様において、装置は、1つまたは複数のレーザーと動作可能関係にあり、2以上の励起線の放射を実質的に共直線性および/または同軸性とするように構成された、1つまたは複数のプリズムの集合をさらに含んでいてもよい。装置は多数の励起線、例えば、それぞれ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16またはそれ以上の励起波長を有する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16またはそれ以上の励起線を有していてもよい。試料は多数のキャピラリーなどの容器、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、20まで、24まで、28まで、36まで、48まで、64まで、96まで、384まで、またはそれ以上のキャピラリーからなっていてもよい。シースフローキュベットを用いてもよい。
タイミングプログラムは、約10fsから約5sの間、約1msから約100msの間、または約50psから約500psの間の遅延を、各レーザーの発射の間に含んでいてもよい。励起線の1つまたは複数はパルス出力される。パルス出力される励起線はTTL論理または機械的もしくは電子的手段によって制御しうる。一つの態様において、装置は試料からの蛍光発光シグナルと時間相関された一連の別々の励起線を生成しうる。レーザーには独立にダイオードレーザー;半導体レーザー;アルゴンイオン、クリプトン、もしくはヘリウム-ネオンレーザーなどのガスレーザー;ダイオードレーザー;YAGおよびバナジン酸イットリウム(YV04)などのイオンゲイン媒体を含むネオジムレーザーなどの固体レーザー;またはダイオードポンプ固体レーザーが含まれうる。1つまたは複数の別々の励起波長で光を生じる他の装置を、レーザーの代わりに用いてもよい。レーザーは、少なくとも1つのレーザービームと動作可能関係にあるラマンシフターをさらに含んでいてもよい。本発明の一つの態様において、各レーザーによって提供される励起波長は各蛍光体の吸収波長に光学的にマッチしている。
検出器は電荷結合素子、光電子増倍管、シリコンアバランシェフォトダイオードまたはシリコンPIN検出器を含んでいてもよい。装置のフットプリントは好ましくは、4ft×4ft×2ft未満、1ft×1ft×2ft未満のように小さく、1in×3in×6inのいう小ささでもよい。もう一つの局面は、以下の段階を含む試料成分を同定する方法を含む:(a)試料成分、第一の色素および第二の色素を含む試料を調製する段階;(b)試料を第一の励起線および第二の励起線のビーム経路に配置する段階;(c)第一の励起線および第二の励起線を逐次発射する段階;(d)試料からの蛍光シグナルを時間の関数として収集する段階;ならびに(e)各励起線のオンタイムウィンドウによって蛍光を分類であって、試料成分が同定される、段階。本発明の一つの局面は、励起線が試料に入射しない、2つの励起線の発射間に生じる別々の期間から蛍光シグナルが収集されることである。この技術は「暗闇で見る(looking in the dark)」として知られている。さらにもう一つの局面は、第一の色素の吸収極大が実質的に第一の励起線の励起波長に対応することである。第二の色素の吸収極大も実質的に第二の励起線の励起波長に対応していてもよい。さらにもう一つの局面において、第三および第四の色素と第三および第四の励起線があり、ここで第三および第四の色素の吸収極大はそれぞれ、実質的に第三および第四の励起線の励起波長に対応する。同様に、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16またはそれ以上の色素があってもよく、ここで色素の吸収極大はそれぞれ、実質的に5番目、6番目、7番目、8番目、9番目、10番目、11番目、12番目、13番目、14番目、またはそれ以上の励起線の励起波長に対応する。これらの色素は、ザンテン、フルオレセイン、ローダミン、BODIPY、シアニン、クマリン、ピレン、フタロシアニン、フィコビリンタンパク質、アレクサ、スクアリアン、またはいくつかの他の適当な色素であってもよい。
一つの態様において、試料成分はSNPの決定を可能にする。この方法は、有益な情報を与えるSNPの高処理量での同定を行うための方法でありうる。SNPは、ゲノムDNA材料、PCR増幅された材料、またはクローニングされたDNA材料から直接得てもよく、一塩基プライマー伸長法を用いて検定してもよい。一塩基プライマー伸長法は、単一非標識dNTP、単一標識dNTP、単一3'修飾dNTP、単一塩基修飾3'-dNTP、単一アルファ-チオ-dNTP、または単一標識2',3'-ジデオキシヌクレオチドの使用を含んでいてもよい。ミニシーケンス法は、単一非標識dNTP、単一標識dNTP、単一3'修飾dNTP、単一塩基修飾3'-dNTP、単一アルファ-チオ-dNTP、または単一標識2',3'-ジデオキシヌクレオチドの使用を含んでいてもよい。SNPは、ゲノムDNA材料、PCR増幅された材料、またはクローニングされたDNA材料から直接得てもよい。核酸を検出する方法も構想される。核酸はインサイチューで、または様々なゲル、ブロット、および米国特許第7,125,660号に開示されるものなどの類似の方法で検出してもよく、この開示は参照により本明細書に組み入れられる。
実施例
光開裂性標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド
実施例1:dA化合物
3'-O-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン三リン酸(WW1p108)の合成
スキーム 3'-O-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸の合成
(i)TBSCl、イミダゾール、DMF、室温、終夜;Boc2O、DMAP、DMF、室温、終夜、83%;(ii)n- BU4NF、THF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、96%;(iii)TBSCl、イミダゾール、DMF、83%;(iv)n-Bu4NOH、NaI、NaOH、CH2Cl2/H2O、臭化2-ニトロベンジル、室温、91%;(v)SiO2、高減圧、70〜80℃、24時間、91%;(vi)n-Bu4NF、THF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、23%;(vii)POCl3、(MeO)3PO、マイナス20℃;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3、31%。
N6,N6-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.01)
化合物dA.01をFurrerおよびGiese1によって記載された方法に従って合成した。無水DMF(25mL)中の2'-デオキシアデノシンdA(2.5g、10mmol)、イミダゾール(4.5g、66mmol)、およびTBSCl(4.82g、32mmol)の溶液を室温で終夜撹拌した。メタノール(20mL)を加え、混合物を20分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を無水DMF(15mL)に溶解した後、DMAP(3.66g、30mmol)およびBoc2O(6.55g、30mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をCH2Cl2(100mL)に溶解し、飽和NH4Cl溶液(各50mL)で二回洗浄した。合わせた水層をCH2Cl2(50mL)で抽出した。次いで、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6,N6-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.01(5.66g、83%)を白色泡状物で得た。
1Furrer, E. and Giese, B. (2003) On the distance-independent hole transfer over long (A・T)n-sequences in DNA. Helvetica Chimica Acta, 86, 3623-3632.
N6,N6-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-2'-デオキシアデノシン(dA.02)
THF(30mL)中のBu4NF(7.85g、30mmol)の溶液をTHF(30mL)中の化合物dA.01(6.78g、10mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をCH2Cl2(100mL)に溶解し、飽和NH4Cl溶液(各100mL)で2回洗浄した。次いで、有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6,N6-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-2'-デオキシアデノシンdA.02(4.34g、96%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6,N6-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.03)
無水DMF(5mL)中のTBSCl(1.88g、12.5mmol)の溶液を無水DMF(20mL)中の化合物dA.02(4.34g、9.6mmol)およびイミダゾール(1.3g、19.2mmol)の溶液に0℃で加えた。混合物を室温まで徐々に加温し、2日間撹拌した。水(50mL)を加え、混合物を酢酸エチル(各40mL)で3回抽出した。合わせた有機層を飽和NH4Cl溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6,N6-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-5'-O-tert-ブチル-ジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.03(4.68g、83%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6,N6-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-O-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン(dA.04)
CH2Cl2(3mL)中の化合物dA.03(1.13g、2mmol)の溶液をNaOH(1M;3mL)中のn-Bu4NOH(0.94mL、4 mmol、55%水溶液)およびNaI(20mg、触媒量)と混合した。混合物に、CH2Cl2(2mL)中の臭化2-ニトロベンジル(1.3g、6mmol)の溶液を滴加し、反応混合物を室温、暗所で2時間撹拌した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2(各10mL)で二回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6,N6-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-O-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシンdA.04(1.28g、91%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC33H49N6O9Si [M+H]+について、質量計算値は701.3330、質量実測値は701.3317であった。
5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-O-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン(dA.05)
シリカゲル60(10g、100〜200メッシュ、減圧下、70〜80℃で24時間加熱することにより活性化)をCH2Cl2(50mL)中の化合物dA.04(1.28g、1.8mmol)の溶液に加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。得られた残渣を減圧下、70〜80℃で2日間加熱し、メタノール(各50mL)で3回洗浄し、ブッチ(buchi)漏斗を用いてろ過した。合わせたろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-3'-O-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシンdA.05(0.83g、91%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC23H33N6O5Si [M+H]+について、質量計算値は501.2282、質量実測値は501.1702であった。
3'-O-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン(dA.06)
THF(1.2mL)中のn-Bu4NF(314mg、1.2mmol)の溶液をTHF(3mL)中の化合物dA.05(400mg、0.8mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、4時間撹拌した。メタノール(10mL)を加えて反応中に生成した沈澱を溶解した後、シリカゲル60(1.5g)を加えた。混合物を減圧下で蒸発乾固させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、3'-O-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシンdA.06(72mg、23%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H19N6O5 [M+H]+について、質量計算値は387.1417、質量実測値は387.1350であった。
3'-O-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW1p108)
POCl3(26μL、0.24mmol)をリン酸トリメチル(1mL)中の化合物dA.06(72mg、0.18mmol)の溶液に加え、マイナス20〜30℃で2.5時間維持した。無水DMF(2mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(427mg、0.9mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(0.2mL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、3'-O-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸WW1p108(38mg、31%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H21N6O14P3Na [M+Na]+について、質量計算値は649.0226、質量実測値は649.0212であった。
三リン酸エステルはUV検出しない調製用HPLCを用いてさらに精製し、天然ヌクレオチド(例えば、dATP)の混入のない試料を得た。三リン酸エステル溶液の濃度の測定は吸光係数ε260=20,800を用いてのUV/VIS測定により行った。
N6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン三リン酸(WW1p129)の合成
Figure 0005513122
スキーム N6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸の合成
(i)Mg(ClO4)2、THF、50℃、68%;(ii)NaH、DMF、臭化2-ニトロベンジル、0℃、次いで室温まで徐々に加温、49%;(iii)SiO2、減圧、70〜80℃、87%;(iv)n-Bu4NF、THF、43%;(v)POCl3、(MeO)3PO、マイナス20〜30℃;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3;60%。
N6-tert-ブチルオキシカルボニル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.07)
Mg(ClO4)2(155mg、0.7mmol)を無水THF(35mL)中の化合物dA.01(2.36g、3.5mmol)の溶液に加え、50℃で終夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-tert-ブチルオキシカルボニル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.07(1.39g、68%)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.08)
NaH(5.3mg、0.22 mmol、乾燥)を無水DMF(2mL)中の化合物dA.07(116mg、0.2mmol)の溶液に0℃で加え、30分間撹拌した。無水DMF(0.5mL)中の臭化2-ニトロベンジル(43mg、0.2mmol)の溶液を滴加した。混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(20mL)に溶解し、飽和NH4Cl溶液(各10mL)で2回と水(10mL)で1回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、合わせた有機相層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.08(70mg、49%)を粘稠油状物で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC34H55N6O7Si2 [M+H]+について、質量計算値は715.3671、質量実測値は715.3661であった。
N6-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.09)
シリカゲル60(3.5g、100〜200メッシュ、減圧下、70〜80℃で24時間加熱することにより活性化)をCH2Cl2(20mL)中の化合物dA.08(325mg、0.45mmol)の溶液に加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣を減圧下、70〜80℃で2日間加熱し、メタノール(各20mL)で3回洗浄し、ブッチ漏斗を用いてろ過した。合わせたろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.09(238mg、86%)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC29H47N6O5Si2 [M+H]+について、質量計算値は615.3147、質量実測値は615.2288であった。
N6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン(dA.10)
THF(1mL)中のn-Bu4NF(216mg、0.83mmol)の溶液をTHF(5mL)中の化合物dA.09(202mg、0.33mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。シリカゲル60(1g)を加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシンdA.10(55mg、43%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H19N6O5 [M+H]+について、質量計算値は387.1417、質量実測値は387.1186であった。
N6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW1p129)
POCl3(19μL、0.2mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dA.10(52mg、0.13mmol)の溶液に加え、マイナス20〜30℃で2.5時間維持した。無水DMF(1.3mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(308mg、0.65mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(130μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、N6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸WW1p129(53mg、60%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H22N6O14P3 [M-H]-について、質量計算値は625.0250、質量実測値は625.0231であった。
三リン酸エステルはUV検出しない調製用HPLCを用いてさらに精製し、天然ヌクレオチドの混入のない試料を得た。三リン酸エステル溶液の濃度の測定は吸光係数ε260=20,800を用いてのUV/VIS測定により行った。
N6-(4-メトキシ-2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン三リン酸(WW2p005)の合成
Figure 0005513122
スキーム N6-(4-メトキシ-2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸の合成
(i)NaH、DMF、臭化4-メトキシ-2-ニトロベンジル、0℃、次いで室温まで徐々に加温、64%;(ii)SiO2、高減圧、70〜80℃、24時間、84%;(iii)n-Bu4NF、THF、99%;(iv)POCl3、(MeO)3PO、マイナス20〜30℃;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3;40%。
N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-(4-メトキシ-2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.11)
NaH(26mg、1.1mmol、乾燥)を無水DMF(5mL)中の化合物dA.07(580mg、1.0mmol)の溶液に0℃で加え、45分間撹拌した。無水DMF(1.0mL)中の臭化4-メトキシ-2-ニトロベンジル(260mg、1.05mmol)の溶液を滴加した。混合物を室温まで徐々に加温し、終夜撹拌した。DMFを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解し、飽和NH4Cl溶液(各30mL)で2回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(20mL)で抽出し、合わせた有機相層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-(4-メトキシ-2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.11(480mg、64%)を粘稠油状物で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC35H57N6O8Si2 [M+H]+について、質量計算値は745.3776、質量実測値は745.3782であった。
N6-(4-メトキシ-2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.12)
シリカゲル60(5g、100〜200メッシュ、減圧下、70〜80℃で24時間加熱することにより活性化)をCH2Cl2(30mL)中の化合物dA.11(530mg、0.71mmol)の溶液に加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣を減圧下、70〜80℃で2日間加熱し、メタノール(各20mL)で3回洗浄し、ブッチ漏斗を用いてろ過した。合わせたろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-(4-メトキシ-2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.12(385mg、84%)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC30H48N6O6Si2 [M+H]+について、質量計算値は645.3252、質量実測値は645.3248であった。
N6-(4-メトキシ-2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン(dA.13)
THF(2mL)中のn-Bu4NF(353mg、1.35mmol)の溶液をTHF(5mL)中の化合物dA.12(350mg、0.54mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、4時間撹拌した。シリカゲル60(1.5g)を加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-(4-メトキシ-2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシンdA.13(225mg、99%)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC18H21N6O6 [M+H]+について、質量計算値は417.1523、質量実測値は417.1458であった。
N6-(4-メトキシ-2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW2p005)
POCl3(19μL、0.2mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dA.13(42mg、0.1mmol)の溶液に加え、マイナス20〜30℃で3時間維持した。無水DMF(1mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(237mg、0.5mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(100μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、N6-(4-メトキシ-2-ニトロベンジル)-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸WW2p005(28mg、40%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC18H21N6O15P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は677.0175、質量実測値は677.0197であった。
三リン酸エステルはUV検出しない調製用HPLCを用いてさらに精製し、天然ヌクレオチドの混入のない試料を得た。三リン酸エステル溶液の濃度の測定は吸光係数ε260=20,800を用いてのUV/VIS測定により行った。
6-FAM標識N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)-2-ニトロベンジル]-2'デオキシアデノシン三リン酸(WW2pO55)の合成
Figure 0005513122
Figure 0005513122
スキーム 6-FAM標識N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシアデノシン三リン酸の合成
(i)NaH、DMF、臭化4-ヨード-2-ニトロベンジル、0℃、次いで室温まで徐々に加温、61%;(ii)PdCl2(PPh3)2、CuI、Et3N、THF、還流、94%;(iii)SiO2、減圧、70〜80℃、82%;(iv)n-Bu4NF、THF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、33%;(v)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、マイナス20〜30℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、2分間;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、1時間;72%;(vi)6-FAM-SE、0.1M NaHCO3/NaCO3、pH9.2。
N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-(4-ヨード-2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.14)
NaH(40mg、1.66mmol、乾燥)を無水DMF(10mL)中の化合物dA.07(875mg、1.51mmol)の溶液に0℃で加え、45分間撹拌した。無水DMF(2mL)中の臭化4-ヨード-2-ニトロベンジル(516mg、1.51mmol)の溶液を滴加した。混合物を室温まで徐々に加温し、4時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解し、飽和NH4Cl溶液(30mL)で洗浄し、水(各30mL)で2回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(20mL)で抽出し、合わせた有機相層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-(4-ヨード-2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.14(777mg、61%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.15)
N2雰囲気下で、無水THF(7.5mL)中の化合物dA.14(730mg、0.87mmol)、N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド(183mg、1.2mmol)、CuI(33mg、0.17mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(61mg、0.087mmol)、およびEt3N(1.6mL、11.57mmol)の混合物を暗所で6時間還流した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.15(706mg、94%)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.16)
シリカゲル60(3.5g、100〜200メッシュ、減圧下、70〜80℃で24時間加熱することにより活性化)をCH2Cl2(30mL)中の化合物dA.15(507mg、0.59mmol)の溶液に加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣を減圧下、70〜80℃で42時間加熱し、メタノール(各20mL)で3回洗浄し、ブッチ漏斗を用いてろ過した。合わせたろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチル-シリル-2'-デオキシアデノシンdA.16(366mg、82%)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシアデノシン(dA.17)
THF(2mL)中のn-Bu4NF(282mg、1.08mmol)の溶液をTHF(5mL)中の化合物dA.16(330mg、0.43mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。メタノール(5mL)およびシリカゲル60(2g)を加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシアデノシンdA.17(75mg、33%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(dA.18)
POCl3(8.5μL、0.09mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dA.17(32mg、0.06mmol)およびプロトンスポンジ(19mg、0.09mmol)の溶液に加え、マイナス20〜30℃で2時間維持した。無水DMF(0.6mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(142mg、0.3mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(60μL)の溶液を加えた。2分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;5mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、濃水酸化アンモニウム(10mL、27%)を0℃で滴加した。混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。得られた残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、三リン酸エステルdA.18(31mg、72%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC20H23N7O14P3 [M-H]-について、質量計算値は678.0516、質量実測値は678.0857であった。
6-FAM標識N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW2p055)
無水DMSO(70μL)中の6-FAM-SE(6.7mg、0.014mmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;3mL)中の三リン酸エステルdA.18(4.4μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-FAM標識三リン酸エステルWW2p055(2.6mg、49%)を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。溶出は20分間で5〜20%Bと、次いで20分間で20〜90%Bの直線勾配により行った。WW2p055の濃度は6-FAM色素の吸光係数(すなわち、494nmで68,000)を用いての吸着分光法により推定した。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC41H35N7O20P3 [M+H]+について、質量計算値は1038.1150、質量実測値は1138.1281であった。
5(6)-SFX標識N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)-2-ニトロベンジル]-2'デオキシ-アデノシン三リン酸(WW2p052)の合成
Figure 0005513122
スキーム 5(6)-SFX標識N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシアデノシン三リン酸の合成
(i)5(6)-SFX、0.1M NaHCO3/NaCO3、pH9.2。
5(6)-SFX標識N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW2p052)
無水DMSO(30μL)中の5(6)-SFX(1.5mg、2.55μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;0.8mL)中の三リン酸エステルdA.18(0.54μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、5(6)-SFX標識三リン酸エステルWW2p052を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。溶出は20分間で5〜20%Bと、次いで20分間で20〜90%Bの直線勾配により行った。WW2p052の濃度は6-FAM色素の吸光係数(すなわち、494nmで68,000)を用いての吸着分光法により推定した。
N6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシアデノシン三リン酸(WW3p006)の合成
Figure 0005513122
スキーム N6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシアデノシン三リン酸の合成
(i)1-(2-ニトロフェニル)エチルアミン、BOP、DIPEA、DMF、室温、終夜、42%;(ii)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間。
N6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシアデノシン(dA.19)
無水DMF(1mL)中の2'-デオキシイノシン(100mg、0.4mmol)およびベンゾトリアゾル-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP、210mg、0.48mmol)の懸濁液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(100μL、0.6mmol)を加えた後、DMF(1mL)中の1-(2-ニトロフェニル)エチルアミン(250mg、1.51mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で64時間撹拌した。シリカゲル60(1g、60〜200メッシュ)を加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシアデノシンdA.19(67mg、42%、ジアステレオマーの1:1混合物)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW3p006)
化合物dA.19(30mg、0.075mmol)およびプロトンスポンジ(32mg、0.15mmol)を無水ピリジン(2mL)から3回蒸発させ、リン酸トリメチル(0.5mL)に溶解した。POCl3(10.5μL、0.11mmol)を加え、混合物を0℃で2時間撹拌した。無水DMF(0.75mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(178mg、0.38mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(75μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、溶液の一部をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、N6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸WW3p006(ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。溶出は40分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC18H21N6O14P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は661.0226、質量実測値は661.0492であった。
6-FAM標識N6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン三リン酸(WW3p015)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-FAM標識N6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン三リン酸の合成
(i)1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチルアミン、BOP、DIPEA、DMF、室温、65%;(ii)N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド、Pd(PPh3)4(0)、CuI、Et3N、無水DMF、4.5時間、94%;(iii)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、1時間;(iv)6-FAM-SE、0.1M NaHCO3/Na2CO3、pH9.2、1時間。
N6-[1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシアデノシン(dA.20)
無水DMF(1.5mL)中の2'-デオキシイノシン(150mg、0.6mmol)およびベンゾトリアゾル-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP、379mg、0.86mmol)の懸濁液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(186μL、1.1mmol)を加えた後、無水DMF(0.5mL)中の1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチルアミン(460mg、1.57mmol)の溶液を加えた。混合物を窒素雰囲気下で48時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-[1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシアデノシンdA.20(204mg、65%、ジアステレオマーの1:1混合物)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン(dA.21)
無水DMF(1.5mL)中の化合物dA.20(108mg、0.21mmol)、N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド(127mg、0.84mmol)、CuI(11mg、0.06mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(33mg、0.03mmol)、およびEt3N(80μL、0.56mmol)の溶液を室温で4.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシンdA.21(106mg、94%;ジアステレオマーの1:1混合物)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
N6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(dA.22)
化合物dA.21(44mg、0.08mmol)およびプロトンスポンジ(34mg、0.16mmol)を無水ピリジン(2mL)から3回蒸発させ、リン酸トリメチル(0.5mL)に溶解した。POCl3(11μL、0.12mmol)を加え、混合物を0℃で2時間撹拌した。無水DMF(0.8mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(190mg、0.4mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(80μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、溶液の一部をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、N6-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。次いで、N6-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸を濃水酸化アンモニウム(1mL、27%)により室温で1時間処理して、N6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸dA.22(ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC21H25N7O14P3 [M-H]-について、質量計算値は692.0672、質量実測値は692.0757であった。
6-FAM標識N6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW3p015)
無水DMSO(30μL)中の6-FAM-SE(1.5mg、3.15μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;100μL)中の三リン酸エステルdA.22(0.34μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-FAM標識三リン酸エステルWW3p015を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は40分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW3p015の濃度は6-FAM色素の吸光係数(すなわち、494nmで68,000)を用いての吸着分光法により推定した。
ジアステレオ異性体N6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(dA.22 dS1およびdA.22 ds2)の分離
dA.22の2つのジアステレオ異性体の分離をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで行って、N6-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン三リン酸dA.22 dS1(単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)およびN6-{(SまたはR)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン三リン酸dA.22 dS2(単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は50分間で5〜25%Bと、次いで30分間で25〜50%Bの直線勾配により行った。
Figure 0005513122
6-FAM標識単一ジアステレオ異性体N6-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW3p021)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-FAM標識単一ジアステレオ異性体N6-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸の合成
(i)6-FAM-SE、0.1M NaHCO3/Na2CO3、pH9.2、1時間。
6-FAM標識単一ジアステレオ異性体N6-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW3p021)
無水DMSO(15μL)中の6-FAM-SE(0.75mg、1.57μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;150μL)中の三リン酸エステルdA.22 ds1(0.26μmol、単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-FAM標識単一ジアステレオ異性体三リン酸エステルWW3p021を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は40分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW3p021の濃度は6-FAM色素の吸光係数(すなわち、494nmで68,000)を用いての吸着分光法により推定した。
6-FAM標識単一ジアステレオ異性体N6-{(RまたはS)-1-{4-[3-(6-アミノカプロイル)アミノ-1-プロピニル]-2-ニトロフェニル}エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW3p032)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-FAM標識単一ジアステレオ異性体N6-{(RまたはS)-1-{4-[3-(6-アミノカプロイル)アミノ-1-プロピニル]-2-ニトロフェニル}エチル}-2'-デオキシアデノシン三リン酸の合成
(i)6-N-(トリフルオロアセチル)アミノカプロン酸N-スクシンイミジルエステル、0.1M NaHCO3/Na2CO3、pH9.2、1時間;NH4OH、1時間;(ii)6-FAM-SE、0.1M NaHCO3/Na2CO3、pH9.2、1時間。
N6-{(RまたはS)-1-{4-[3-(6-アミノカプロイル)アミノ-1-プロピニル]-2-ニトロフェニル}エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(単一ジアステレオ異性体dA.23 ds1)
無水DMSO(10μL)中の6-N-(トリフルオロアセチル)アミノカプロン酸N-スクシンイミジルエステル(0.5mg、1.54μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;200μL)中の三リン酸エステルdA.22 ds1(0.25μmol、単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。NH4OH(500uL、25%水溶液)を加え、混合物を室温でさらに1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、三リン酸エステルdA.23 ds1(単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。
6-FAM標識単一ジアステレオ異性体N6-{(RまたはS)-1-{4-[3-(6-アミノカプロイル)アミノ-1-プロピニル]-2-ニトロフェニル}エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW3p032)の合成
無水DMSO(10μL)中の6-FAM-SE(0.5mg、1.05μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;200μL)中の三リン酸エステルdA.23 ds1(0.196μmol、単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-FAM標識単一ジアステレオ異性体三リン酸エステルWW3p032を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は40分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW3p032の濃度は6-FAM色素の吸光係数(すなわち、494nmで68,000)を用いての吸着分光法により推定した。
実施例2:dT化合物
N3-(2-ニトベンジル)-チミジン-5'-三リン酸(WW1P050)の合成
Figure 0005513122
スキーム N3-(2-ニトロベンジル)-チミジン-5'-三リン酸の合成
(i)TBSCl、イミダゾール、無水CH2Cl2、室温、終夜、58%;(ii)臭化2-ニトロベンジル、n-Bu4NOH、NaI、NaOH(1M)、CHCl3、室温、終夜、37%;(iii)n-Bu4NF、THF、25℃、45分間、80%;(iv)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、6時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間、56%。
5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-チミジン(dT.01)
無水CH2Cl2(20mL)中のチミジンdT(2.85g、11.76mmol)、イミダゾール(2.44g、35.80mmol)およびTBSCl(1.77g、11.76mmol)の溶液をN2雰囲気下、室温で終夜撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で粘稠油状物となるまで濃縮した後、エチルエーテル(60mL)および水(60mL)を加えた。有機層を分離し、水(各20mL)で2回洗浄し、合わせた水層をエチルエーテル(20mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-チミジンdT.01(3.44g、82%)を白色固体で得た。
Figure 0005513122
N3-(2-ニトロベンジル)-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-チミジン(dT.02)
CHCl3(5mL)およびNaOH(1M;5mL)中の化合物dT.01(660mg、1.85mmol)、水酸化テトラブチルアンモニウム(0.5mL)、ヨウ化ナトリウム(55mg)の混合物を激しく撹拌し、これにCHCl3(5mL)中の臭化2-ニトロベンジル(400mg、1.85mmol)の溶液を滴加し、室温で終夜撹拌した。有機層を分離し、水層をクロロホルム(各5mL)で二回抽出した。合わせた有機層を水(5mL)、食塩水(5mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N3-(2-ニトロベンジル)-5'-O-tert-ブチルジメチルシリル-チミジンdT.02(562mg、58%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N3-(2-ニトロベンジル)-チミジン(dT.03)
n-Bu4NFの溶液(THF中1.0M、1.125mL、1.125mmol)をTHF(3.75mL)中の化合物dT.02(369mg、0.75mmol)の溶液に滴加した。反応混合物を室温で45分間撹拌し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N3-(2-ニトロベンジル)-チミジンdT.03(225mg、80%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N3-(2-ニトロベンジル)-チミジン-5'-三リン酸(WW1p050)
POCl3(30μL、0.33mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dT.03(38mg、0.11mmol)およびプロトンスポンジ(32mg、0.15mmol)の溶液に0℃で加え、6時間撹拌した。無水DMF(1mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(237mg、0.5mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(100μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。得られた残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(240分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、三リン酸エステルN3-(2-ニトロベンジル)-チミジン-5'-三リン酸WW1p050(38mg、56%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H20N3O16P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は637.9954、質量実測値は637.9802であった。
5-(2-ニトロベンジルオキシメチル)-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(VL3p03085)の合成
Figure 0005513122
スキーム 5-(2-ニトロベンジルオキシメチル)-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸の合成
(i)TBSCl、イミダゾール、無水DMF、室温、終夜、90%;(ii)NBS、過酸化ベンゾイル、CCl4、還流、1時間、44%;(iii)2-ニトロベンジルアルコール、110〜115℃、10分間、35%;(iv)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3、1時間、22%。
3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-チミジン(dT.04)
無水DMF(11mL)中のチミジン(5.00g、20.64mmol)およびイミダゾール(9.0g、132.1mmol)の溶液にDMF(11mL)中のTBSCl(9.96g、66.05mmol)の溶液を滴加し、混合物をN2雰囲気下、室温で終夜撹拌した。混合物を水(100mL)で希釈し、生成した沈澱をろ過してエチルエーテル(125mL)に溶解した。エーテル溶液を水(各25mL)で2回、食塩水(25mL)で一回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮してろう状固体とし、これをヘキサン:エチルエーテル(10:1)から再結晶して、3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-チミジンdT.04(10.64g、90%)を得た。
Figure 0005513122
5-ブロモメチル-3',5'-ビス-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシウリジン(dT.05)
CCl4(100mL)中の化合物dT.04(4.63g、9.83mmol)、N-ブロモスクシンイミド(3.68g、20.68mmol)、および過酸化ベンゾイル(0.10g、75%水溶液)の溶液を1時間還流した。混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、5-ブロモメチル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシウリジンdT.05(2.40g、44%)を得た。
Figure 0005513122
5-(2-ニトロベンジルオキシメチル)-2'-デオキシウリジン(dT.06)
化合物dT.05(238mg、0.43mmol)および2-ニトロベンジルアルコール(331mg、2.17mmol)をニートでN2雰囲気下、110〜115℃で10分間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、5-(2-ニトロベンジルオキシメチル)-2'-デオキシウリジンdT.06(60mg、35%)を得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H20N3O8 [M+H]-について、質量計算値は394.1250、質量実測値は394.1286であった。
5-(2-ニトロベンジルオキシメチル)-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(VL3p03085)
POCl3(22μL、0.24mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dT.06(48mg、0.12mmol)およびプロトンスポンジ(39mg、0.18mmol)の溶液に0℃で加え、2時間撹拌した。無水DMF(1.2mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(285mg、0.6mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(120μL)の溶液を加えた。2分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、5-(2-ニトロベンジルオキシメチル)-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸VL3p03085(16mg、22%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
TOF-MS (ESI): 分子イオンC17H21N3O17P3 [M-H]-について、質量計算値は632.0084、質量実測値は631.9779であった。
5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW2p043)の合成
Figure 0005513122
スキーム 5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸の合成
(i)1-(2-ニトロフェニル)エタノール(1.25g、7.50mmol)、110〜115℃、10分間、8%;(ii)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、3時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3、1時間、55%。
5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン(dT.07)
化合物dT.05(0.81g、1.5mmol)および1-(2-ニトロフェニル)エタノール(1.25g、7.50mmol)をニートでN2雰囲気下、110〜115℃で10分間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジンdT.07(48mg、8%、ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC18H22N3O8 [M+H]+について、質量計算値は408.1407、質量実測値は408.1446であった。
5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW2p043)
POCl3(15μL、0.17mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dT.07(34mg、0.08mmol)およびプロトンスポンジ(27mg、0.12mmol)の溶液に0℃で加え、3時間撹拌した。無水DMF(0.8mL)中のトリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(197mg、0.4mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(100μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5、10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸WW2p043(32mg、55%、ジアステレオマーの1:1混合物)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC18H24N3O17P3Na [M+Na]+について、質量計算値は670.0216、質量実測値は670.0176であった。
6-JOE標識5-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW2p075)
Figure 0005513122
スキーム 6-JOE標識5-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル-オキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸の合成
(i)4-ヨード-2-ニトロベンジルアルコール、ニート、110〜115℃、10分間、10%;(ii)N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド、Pd(PPh3)4(0)、CuI、Et3N、無水DMF、4時間、50%;(iii)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、4時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、1時間;31%;(iv)6-JOE-SE、0.1M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.2)、1時間。
5-(4-ヨード-2-ニトロベンジルオキシメチル)-2'-デオキシウリジン(dT.08)
化合物dT.05(0.59g、1.06mmol)および4-ヨード-2-ニトロベンジルアルコール(1.09g、3.9mmol)をニートでN2雰囲気下、110〜115℃で10分間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、5-(4-ヨード-2-ニトロベンジルオキシメチル)-2'-デオキシウリジンdT.08(52mg、10%)を低融点固体で得た。
Figure 0005513122
5-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン(dT.09)
無水DMF(1.2mL)中の化合物dT.08(51mg、0.1mmol)、N-プロパルギルトリフルオロアセチルアミド(45mg、0.3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(12mg、0.01mmol)、CuI(4mg、0.02mmol)、およびEt3N(28μL、0.2mmol)の溶液を室温で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、5-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジルオキシメチル]-2'-デオキシウリジンdT.09(27mg、50%)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
5-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(dT.10)
POCl3(8μL、88μmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dT.09(24mg、44μmol)およびプロトンスポンジ(14mg、66μmol)の溶液に0℃で加え、2時間撹拌した。追加のPOCl3(8μL、88μmol)を加え、さらに2時間撹拌した。無水DMF(0.5mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(104mg、0.22mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(50μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、濃水酸化アンモニウム(5mL、27%)を0℃で滴加した。混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、三リン酸エステルdT.10(10mg、31%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC20H23N4O17P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は707.0169、質量実測値は707.0321であった。
6-JOE標識5-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW2p075)
無水DMSO(50μL)中の6-JOE-SE(1.25mg、2μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;0.5mL)中の三リン酸エステルdT.10(1.4μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-JOE標識三リン酸エステルWW2p075を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。溶出は40分間で5〜38%Bと、次いで10分間で38〜90%Bの直線勾配により行った。WW2p075の濃度は6-JOE色素の吸光係数(すなわち、520nmで75,000)を用いての吸着分光法により推定した。
6-JOE標識5-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル-オキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW2p113)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-JOE標識5-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-エチルオキシ-メチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸の合成
(i)Boc2O、DMAP、無水DMF、室温、16時間、78%;(ii)NBS、過酸化ベンゾイル、CCl4、還流、1時間、43%;(iii)1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エタノール、ニート、95℃、50分間、13%;(iv)N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド、Pd(PPh3)4(0)、CuI、Et3N、無水DMF、4時間、76%;(v)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、1時間;31%;(vi)6-JOE-SE、0.1M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.2)、1時間。
N3-tert-ブチルオキシカルボニル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-チミジン(dT.11)
無水DMF(45mL)中の化合物dT.04(2.43g、5.15mmol)およびDMAP(1.39g、11.34mmol)の溶液にDMF(9mL)中の二炭酸ジ-tert-ブチル(2.47g、11.34mmol)の溶液を滴加した。混合物をN2雰囲気下、室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、結晶性残渣をCH2Cl2(80mL)に溶解し、飽和NH4Cl溶液(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N3-tert-ブチルオキシカルボニル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-チミジンdT.11(2.30g、78%)を白色固体で得た。
Figure 0005513122
N3-tert-ブチルオキシカルボニル-5-ブロモメチル-3',5'-ビス-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシウリジン(dT.12)
CCl4(10mL)中の化合物dT.11(570mg、1.00mmol)、N-ブロモスクシンイミド(0.37g、2.10mmol)、および過酸化ベンゾイル(10mg、75%水溶液)の溶液を1時間還流した。混合物をろ過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N3-tert-ブチルオキシカルボニル-5-ブロモメチル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシウリジンdT.12(281mg、43%)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
5-[1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン(dT.13)
化合物dT.12(323mg、0.50mmol)および1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エタノール(293mg、2.23mmol)をニートでN2雰囲気下、95〜97℃で50分間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、5-[1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジンdT.13(34mg、13%、ジアステレオマーの1:1混合物)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
5-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン(dT.14)
無水DMF(1.5mL)中の化合物dT.13(52mg、0.1mmol)、N-プロパルギルトリフルオロアセチルアミド(44mg、0.29mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(12mg、0.01mmol)、CuI(4mg、0.02mmol)、およびEt3N(27μL、0.2mmol)の溶液を室温で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、5-[1-(4-{3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル}-2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジンdT.14(41mg、76%、ジアステレオマーの1:1混合物)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
5-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(dT.15)
POCl3(10μL、0.11mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dT.14(30mg、0.054mmol)およびプロトンスポンジ(17mg、0.08mmol)の溶液に0℃で加え、2時間撹拌した。追加のPOCl3(2.5μL、0.03mmol)を加え、さらに1時間撹拌した。無水DMF(0.54mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(128mg、0.27mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(60μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、濃水酸化アンモニウム(5mL、27%)を0℃で滴加した。混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、三リン酸エステルdT.15(16mg、40%、ジアステレオマーの1:1混合物)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC21H27N4O17P3Na [M+Na]+について、質量計算値は723.0482、質量実測値は723.0497であった。
6-JOE標識5-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW2p113)
無水DMSO(30μL)中の6-JOE-SE(0.75mg、1.2μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;200μL)中の三リン酸エステルdT.15(0.56μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-JOE標識三リン酸エステルWW2p113を得た。移動相:A、100mM TEAA水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。溶出は40分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW2p113の濃度は6-JOE色素の吸光係数(すなわち、520nmで75,000)を用いての吸着分光法により推定した。
5-[1-(2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW2p148)の合成
Figure 0005513122
スキーム 5-[1-(2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸の合成
(i)1-(2-ニトロフェニル)-2-メチルプロパノール、100〜110℃、35分間、14%;(ii)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、3時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3、1時間。
5-[1-(2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン(dT.16)
化合物dT.12(0.316g、0.486mmol)および1-(2-ニトロフェニル)-2-メチルプロパノール(0.706g、3.62mmol)をニートで窒素雰囲気下、100〜110℃で35分間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、5-[1-(2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジンdT.16(30mg、14%、ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
Figure 0005513122
5-[1-(2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW2p148)
POCl3(13μL、0.17mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dT.16(30mg、0.07mmol)およびプロトンスポンジ(30mg、0.14mmol)の溶液に0℃で加え、3時間撹拌した。無水DMF(0.7mL)中のトリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(166mg、0.35mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(70μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(240分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、5-[1-(2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸WW2p148(ジアステレオマーの1:1混合物)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC20H27N3O17P3 [M-H]-について、質量計算値は674.0553、質量実測値は674.0470であった。
6-JOE標識5-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW2p150)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-JOE標識5-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸の合成
(i)1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)-2-メチルプロパノール、ニート、108℃、45分間、18%;(ii)N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド、Pd(PPh3)4(0)、CuI、Et3N、無水DMF、4.5時間、99%;(iii)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、3時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、1時間;(iv)6-JOE-SE、0.1M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.2)、1時間。
5-[1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン(dT.17)
化合物dT.12(400mg、0.615mmol)および1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)-2-メチルエタノール(800mg、2.49mmol)をニートで窒素雰囲気下、108℃で45分間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、5-[1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジンdT.17(64mg、18%、ジアステレオマーの1:1混合物)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
5-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)]プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン(dT.18)
無水DMF(1.5mL)中の化合物dT.17(60mg、0.107mmol)、N-プロパルギル-トリフルオロアセチルアミド(48.5mg、0.321mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(12.4mg、0.01mmol)、CuI(4mg、0.02mmol)、およびEt3N(30μL、0.214mmol)の溶液を室温で4.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、5-[1-(4-{3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル}-2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジンdT.18(62mg、99%、ジアステレオマーの1:1混合物)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
5-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(dT.19)
POCl3(8μL、0.09mmol)をリン酸トリメチル(0.3mL)中の化合物dT.18(34mg、0.06mmol)およびプロトンスポンジ(26mg、0.12mmol)の溶液に0℃で加え、2時間撹拌した。追加のPOCl3(4μL、0.045mmol)を加え、さらに1時間撹拌した。無水DMF(0.6mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(142mg、0.3mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(60μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、濃水酸化アンモニウム(5mL、27%)を0℃で滴加した。混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、溶液の一部をQ Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(240分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、三リン酸エステルdT.19(ジアステレオマーの1:1混合物)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC23H30N4O17P3 [M-H]-について、質量計算値は727.0819、質量実測値は727.0828であった。
6-JOE標識5-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW2p150)
無水DMSO(30μL)中の6-JOE-SE(0.75mg、1.2μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;0.3mL)中の三リン酸エステルWW2p145(0.47μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-JOE標識三リン酸エステルWW2p150を得た。移動相:A、100mM TEAA水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は40分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW2p150の濃度は6-JOE色素の吸光係数(すなわち、520nmで75,000)を用いての吸着分光法により推定した。
6-JOE標識5-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW3p024)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-JOE標識5-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸の合成
(i)(SまたはR)-1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)-2-メチルプロパノール、ニート、108℃、45分間、20%;(ii)N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド、Pd(PPh3)4(0)、CuI、Et3N、無水DMF、4.5時間、81%;(iii)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、2時間;(iv)6-JOE-SE、0.1M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.2)、1時間。
5-[(RまたはS)-1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン(dT.20)
化合物dT.12(143mg、0.22mmol)および鏡像異性的に純粋な(SまたはR)-1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)-2-メチルプロパノール(282mg、0.88mmol、絶対配置未定)をニートで窒素雰囲気下、108℃で45分間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、5-[(RまたはS)-1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジンdT.20(25mg、20%、絶対配置未定)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
5-{(RまたはS)-1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)-プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン(dT.21)
無水DMF(1.5mL)中の化合物dT.20(24mg、0.043mmol)、N-プロパルギル-トリフルオロアセチルアミド(28mg、0.186mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(7.2mg、0.006mmol)、CuI(2.4mg、0.012mmol)、およびEt3N(17μL、0.124mmol)の溶液を室温で4.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、5-{(RまたはS)-1-[4-(3-トリフルオロ-アセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル]-2'-デオキシウリジンdT.21(19.8mg、81%、絶対配置未定)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
5-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(dT.22)
POCl3(6μL、0.06mmol)をリン酸トリメチル(0.3mL)中の化合物dT.21(18mg、0.03mmol)およびプロトンスポンジ(13mg、0.06mmol)の溶液に0℃で加え、2時間撹拌した。無水DMF(0.3mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(73mg、0.15mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(30μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;5mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(5mL)に溶解し、ろ過し、溶液の一部をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、5-{(RまたはS)-1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸を得た。移動相:A、100mM 酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は40分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。次いで、精製した三リン酸エステルを濃水酸化アンモニウム(27%;0.5mL)により室温で2時間処理して、5-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(dT.22、絶対配置未定)を得た。
Figure 0005513122
6-JOE標識5-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]-2-(メチル)プロピルオキシメチル}-2'-デオキシウリジン-5'-三リン酸(WW3p024)
無水DMSO(25μL)中の6-JOE-SE(0.625mg、1μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;180μL)中の三リン酸エステルdT.22(0.31μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-JOE標識三リン酸エステルWW3p024を得た。移動相:A、100mM TEAA水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は40分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW3p024の濃度は6-JOE色素の吸光係数(すなわち、520nmで75,000)を用いての吸着分光法により推定した。
実施例3:dC化合物
N4-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸(WW2p044)の合成
Figure 0005513122
スキーム N4-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシシチジン三リン酸の合成
(i)TBSCl、イミダゾール、無水DMF、室温、終夜、84%;(ii)Boc2O、DMAP、Et3N、CH2Cl2、室温、終夜、56%;(iii)臭化2-ニトロベンジル、NaH、無水DMF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、終夜、37%;(iv)SiO2、減圧、70〜80℃、48時間、79%;(v)n-Bu4NF、THF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、2時間、59%;(vi)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間、52%。
3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジン(dC.01)
2'-デオキシシチジンdC(2.85g、12.54mmol)、イミダゾール(6.49g、95.31mmol)、およびTBSCl(7.18g、47.65mmol)を無水DMF(27mL)に加え、N2雰囲気下、室温で終夜撹拌した。メタノール(20mL)を加え、混合物を30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。次いで酢酸エチル(60mL)および水(60mL)を加えた。有機層を分離し、水(20mL)で2回洗浄し、合わせた水層を酢酸エチル(20mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジンdC.01(4.79g、84%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-tert-ブチルオキシカルボニル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジン(dC.02)
窒素雰囲気下、無水CH2Cl2(3mL)中の二炭酸ジ-tert-ブチル(0.34g、1.58mmol)の溶液を無水CH2Cl2(5mL)中の化合物dC.01(0.5g、1.10mmol)、Et3N(0.15mL、1.10mmol)、およびDMAP(0.13g、1.10mmol)の溶液にゆっくり加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N4-tert-ブチルオキシカルボニル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジンdC.02(0.34g、56%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-tert-ブチルオキシカルボニル-N4-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジン(dC.03)
NaH(32mg、1.26mmol、乾燥)を無水DMF(6mL)中の化合物dC.02(540mg、0.97mmol)の溶液に0℃で加え、窒素雰囲気下で30分間撹拌した。無水DMF(1.5mL)中の臭化2-ニトロベンジル(313mg、1.45mmol)の溶液を滴加した。反応混合物を室温まで徐々に加温し、終夜撹拌した。酢酸エチル(60mL)を加えた後、混合物を飽和NH4Cl溶液(40mL)で3回洗浄し、合わせた水層を酢酸エチル(40mL)で抽出した。合わせた有機相層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N4-tert-ブチルオキシカルボニル-N4-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジンdC.03(250mg、37%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジン(dC.04)
シリカゲル60(2.5g、100〜200メッシュ、減圧下、50〜60℃で24時間加熱することにより活性化)をCH2Cl2(5mL)中の化合物dC.03(250mg、0.36mmol)の溶液に加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣を減圧下、60〜70℃で48時間加熱し、MeOH(30mL)で3回洗浄し、ブッチ漏斗を用いてろ過した。合わせたろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N4-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジンdC.04(0.185g、79%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシシチジン(dC.05)
THF(1.4mL)中のn-NBu4F(190mg、0.73mmol)の溶液をTHF(3.4mL)中の化合物dC.04(170mg、0.29mmol)の溶液に窒素雰囲気下、0℃で滴加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N4-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシシチジンdC.05(62mg、59%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸(WW2p044)
POCl3(17μL、0.2mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dC.05(36mg、0.1mmol)およびプロトンスポンジ(32mg、0.15mmol)の溶液に0℃で加え、2時間撹拌した。追加のPOCl3(9μL、0.1mmol)を加え、さらに1時間撹拌した。無水DMF(1mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(237mg、0.5mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(100μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、三リン酸エステルWW2p044(34mg、52%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC16H21N4O15P3Na [M+Na]+について、質量計算値は625.0114、質量実測値は624.9993であった。
N4-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸の合成および色素標識(WW2p080)
Figure 0005513122
Figure 0005513122
スキーム 6-TAMRA標識N4-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸の合成
(i)臭化4-ヨード-2-ニトロベンジル、n-Bu4NBr、CH2Cl2、1M NaOH、室温、4時間、45%;(ii)N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド、PdCl2(PPh3)2、CuI、Et3N、THF、還流、3時間、82%;(iii)SiO2、減圧、70〜80℃、48時間、81%;(iv)n-Bu4NF、THF、0℃、2時間、次いで室温で終夜、39%;(v)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、1時間;39%;(vi)6-TAMRA-SE、0.1M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.2)、1時間。
N4-tert-ブチルオキシカルボニル-N4-(4-ヨード-2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジン(dC.06)
CH2Cl2(4mL)中の臭化4-ヨード-2-ニトロベンジル(461mg、1.35mmol)の溶液をCH2Cl2(4mL)およびNaOH(1M;4.5mL)中の化合物dC.02(250mg、0.45mmol)およびn-Bu4NBr(145mg、0.45mmol)の混合物に滴加した。反応混合物を室温で4時間激しく撹拌した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2(各4mL)で2回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N4-tert-ブチルオキシカルボニル-N4-(4-ヨード-2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジンdC.06(167mg、45%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-tert-ブチルオキシカルボニル-N4-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジン(dC.07)
窒素雰囲気下で、無水THF(3mL)中の2塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(41mg、0.058mmol)の溶液を無水THF(7mL)中の化合物dC.06(315mg、0.39mmol)、CuI(15mg、0.078mmol)、Et3N(0.73mL、5.2mmol)およびN-プロパルギルトリフルオロアセトアミド(82mg、0.54mmol)の混合物に速やかに加えた。反応混合物を2時間還流し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N4-tert-ブチルオキシカルボニル-N4-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジンdC.07(268mg、82%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジン(dC.08)
シリカゲル60(3.1g、100〜200メッシュ、減圧下、50〜60℃で24時間加熱することにより活性化)をCH2Cl2(4mL)中の化合物dC.07(305mg、0.36mmol)の溶液に加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣を減圧下、60〜70℃で24時間加熱し、MeOH(30mL)で3回洗浄し、ブッチ漏斗を用いてろ過した。合わせたろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N4-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシシチジンdC.08(219mg、81%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシシチジン(dC.09)
THF(2.5mL)中のn-Bu4NF(94mg、0.36mmol)の溶液をTHF(1mL)中の化合物dC.08(200mg、0.27mmol)の溶液にN2雰囲気下、0℃で滴加した。反応混合物を0℃で2時間と、次いで室温で終夜撹拌し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N4-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシシチジンdC.09(54mg、39%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸(dC.10)
POCl3(18μL、0.2mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dC.09(49mg、0.1mmol)およびプロトンスポンジ(32mg、0.15mmol)の溶液に0℃で加え、2時間撹拌した。無水DMF(1mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(237mg、0.5mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(100μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、濃水酸化アンモニウム(5mL、27%)を0℃で滴加した。混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、三リン酸エステルdC.10(28mg、39%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC19H22N5O15P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は676.0223、質量実測値は676.0563であった。
6-TAMRA標識N4-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸(WW2p080)
無水DMSO(30μL)中の6-TAMRA-SE(0.75mg、1.4μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;0.3mL)中の三リン酸エステルdC.10(1.6μmol)の溶液に加え、室温で30分間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-TAMRA標識三リン酸エステルWW2p080を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は40分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW2p080の濃度は6-TAMRA色素の吸光係数(すなわち、555nmで65,000)を用いての吸着分光法により推定した。
N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸(WW2p115)の合成
Figure 0005513122
スキーム N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸の合成
(i)TBSCl、イミジアゾール、DMF、室温、3時間、92%;(ii)TPSCl、DMAP、CH2Cl2、室温、88%;(iii)1-(2-ニトロフェニル)エチルアミンdC.13c、DMF、90℃、1.5時間、39%;(iv)n-Bu4NF、THF、0℃、2時間、次いで室温、1時間、90%;(v)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間。
3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシウリジン(dC.11)
窒素雰囲気下、無水DMF(25mL)中の2'-デオキシウリジンdU(2.5g、10.95mmol)、TBSCl(7.26g、48.2mmol)およびイミジアゾール(6.56g、96.4mmol)の混合物を0℃で2時間と、次いで室温まで加温して1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシウリジンdC.11(4.62g、92%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
O4-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシウリジン(dC.12)
塩化2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(660mg、2.19mmol)を無水CH2Cl2(6mL)中の化合物dC.11(500mg、1.09mmol)、DMAP(6.7mg、触媒量)およびEt3N(0.62mL、4.38mmol)の溶液に窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、O4-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシウリジンdC.12(690mg、88%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'デオキシシチジン(dC.13)
無水DMF(3mL)中の化合物dC.12(410mg、0.56mmol)および1-(2-ニトロフェニル)エチルアミンdC.13c(470mg、2.82mmol)の溶液を90℃で1.5時間加熱し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をCH2Cl2(50mL)に溶解し、飽和NH4Cl溶液(30mL)、水(30mL)、および飽和NaHCO3溶液(30mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'デオキシシチジンdC.13(130mg、39%、ジアステレオマーの1:1混合物)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシシチジン(dC.14)
THF(3mL)中のn-Bu4NF(142mg、0.54mmol)の溶液をTHF(2mL)中の化合物dC.13(130mg、0.22mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を0℃で2時間と、次いで室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシシチジンdC.14(80mg、90%、ジアステレオマーの1:1混合物)を白色粉末で得た。
Figure 0005513122
N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸(WW2p115)
POCl3(14μL、0.15mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dC.14(28mg、0.08mmol)およびプロトンスポンジ(23mg、0.11mmol)の溶液に0℃で加え、2時間撹拌した。無水DMF(0.8mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(180mg、0.38mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(80μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、三リン酸エステルWW2p115(24mg、47%、ジアステレオマーの1:1混合物)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H23N4O15P3Na [M+Na]+について、質量計算値は639.0271、質量実測値は639.0332であった。
1-(2-ニトロフェニル)エチルアミン(dC.13c)の合成
Figure 0005513122
dC.13cのためのスキーム 1-(2-ニトロフェニル)エチルアミンの合成
(i)NaBH4、MeOH、ジオキサン、室温、1時間、92%;(ii)フタルイミド、DIAD、Ph3P、THF、0℃、3時間、99%;(iii)NH2NH2、CH3CH2OH、還流、1時間、80%。
1-(2-ニトロフェニル)エタノール(dC.13a)
NaBH4(3.24g、85.60mmol)をメタノール(34mL)およびジオキサン(22mL)の混合物中の2'-ニトロアセトフェノンNAP(3.74g、22.65mmol)の世液にゆっくり加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(25mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、1-(2-ニトロフェニル)エタノールdC.13a(3.49g、92%)を白色粉末で得た。
Figure 0005513122
N-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]フタルイミド(dC.13b)
フタルイミド(660mg、4.5mmol)をTHF(12mL)中の化合物dC.13a(750mg、4.5mmol)およびPh3P(1.41g、5.4mmol)の溶液に加えた。懸濁液を0℃に冷却して10分間撹拌し、次いでアゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.1mL、5.4mmol)を滴加した。0℃で3時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]フタルイミドdC.13b(1.33g、99%)を褐色油状物で得た。
Figure 0005513122
1-(2-ニトロフェニル)エチルアミン(dC.13c)
化合物dC.13b(1.33g、4.5mmol)をエタノール(21mL)に50℃まで加温することにより溶解し、次いで室温まで冷却した。ヒドラジン(0.55mL、11.22mmol)を加え、反応混合物を1時間還流し、次いで氷冷した。ジエチルエーテル(40mL)を加えて化合物を沈澱させ、これをろ過により単離し、ジエチルエーテル(各40mL)で2回洗浄した。合わせたろ液を水(各40mL)で2回と、次いで食塩水(40mL)洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチルアミンdC.13c(600mg、80%)を褐色油状物で得た。
Figure 0005513122
N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン-5'-三リン酸(WW2p152およびWW3p026)の合成
Figure 0005513122
スキーム N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン-5'-三リン酸の合成
(i)TBSCl、イミジアゾール、DMF、室温、60時間、95%;(ii)TPSCl、Et3N、DMAP、CH2Cl2、室温、終夜、80%;(iii)1-(2-ニトロフェニル)エチルアミン、DMF、90℃、45分間;n-Bu4NF、THF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、2時間;2つのジアステレオ異性体で60%;(iv)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間。
2',3',5'-O-トリス-tert-ブチルジメチルシリル-ウリジン(C.1)
TBSCl(995mg、6.6mmol)を無水DMF(5mL)中のウリジン(244mg、1mmol)およびイミジアゾール(898mg、13.2mmol)の溶液に窒素雰囲気下、0℃で加えた。混合物を室温まで加温し、60時間撹拌した。酢酸エチル(30mL)を加え、混合物を飽和NH4Cl溶液(各20mL)で2回と、水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、2',3',5'-O-トリス-tert-ブチルジメチルシリル-ウリジンC.1(558mg、95%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
O4-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)-2',3',5'-O-トリス-tert-ブチルジメチルシリル-ウリジン(C.2)
塩化2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(557mg、1.84mmol)を無水CH2Cl2(10mL)中の化合物C.1(540mg、0.92mmol)、DMAP(12mg、触媒量)およびEt3N(0.5mL、3.68mmol)の溶液に窒素雰囲気下で加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、CH2Cl2(20mL)を加え、飽和NH4Cl溶液(15mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、O4-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)-2',3',5'-O-トリス-tert-ブチルジメチルシリル-ウリジンC.2(629mg、80%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン(単一ジアステレオ異性体C.3 ds1およびC.3 ds2)
無水DMF(4mL)中の化合物C.2(476mg、0.56mmol)および1-(2-ニトロフェニル)エチルアミンdC.13c(498mg、3mmol)の溶液を90℃で45分間加熱した。酢酸エチル(40mL)を加え、混合物を飽和NH4Cl溶液(20mL)および水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。2つのジアステレオ異性体をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離して、N4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2',3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-シチジン単一ジアステレオ異性体ds1(溶出が速い、290mg)およびds2(溶出が遅い、203mg)を得た。両方の単一ジアステレオ異性体をそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
N4-[(RまたはS)-1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン(単一ジアステレオ異性体C.3 ds1)
THF(3mL)中のn-Bu4NF(235mg、0.9mmol)の溶液をTHF(4mL)中のN4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2',3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-シチジン単一ジアステレオ異性体ds1(264mg)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。シリカゲル60(1g)を加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N4-[(RまたはS)-1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン単一ジアステレオ異性体C.3 ds1(65mg、2段階で約30%、絶対配置未定)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-[(SまたはR)-1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン(単一ジアステレオ異性体C.3 ds2)
THF(2mL)中のn-Bu4NF(167mg、0.64mmol)の溶液をTHF(3mL)中のN4-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2',3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-シチジン単一ジアステレオ異性体ds2(188mg)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、1時間撹拌した。シリカゲル60(1g)を加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N4-[(SまたはR)-1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン単一ジアステレオ異性体C.3 ds2(67mg、2段階で約30%、絶対配置未定)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N4-[(RまたはS)-1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン-5'-三リン酸単一ジアステレオ異性体(WW3p026)
POCl3(14μL、0.15mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物C.3 ds1(29mg、0.074mmol)およびプロトンスポンジ(32mg、0.15mmol)の溶液に0℃で加え、2時間撹拌した。無水DMF(0.74mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(175mg、0.37mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(74μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、溶液の一部をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、N4-[(RまたはS)-1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン-5'-三リン酸単一ジアステレオ異性体WW3p026(絶対配置未定)を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。
Figure 0005513122
N4-[(SまたはR)-1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン-5'-三リン酸単一ジアステレオ異性体(WW2p152)
POCl3(11μL、0.12mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物C.3 ds2(31mg、0.08mmol)およびプロトンスポンジ(26mg、0.12mmol)の溶液に0℃で加え、2時間撹拌した。無水DMF(0.8mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(190mg、0.4mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(80μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(240分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、N4-[(SまたはR)-1-(2-ニトロフェニル)エチル]-シチジン-5'-三リン酸単一ジアステレオ異性体WW2p152(26mg、47%、絶対配置未定)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H21N4O16P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は653.0063、質量実測値は652.9975であった。
5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸(WW3p###)の合成
Figure 0005513122
スキーム 5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシシチジン-5'-三リン酸の合成
(i)TBSCl、イミダゾール、DMF、室温、24時間、42%;(ii)TPSCl、DMAP、Et3N、CH2Cl2、室温、48時間、56%;(iii)NH3、1,4-ジオキサン、80℃、2時間、56%;(iv)n-Bu4NF、THF、室温;(v)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間。
3',5'-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン(dC.15)
無水DMF(0.5mL)中のTBSCl(114mg、0.76mmol)の溶液を無水DMF(1mL)中の化合物dT.07(97mg、0.24mmol)およびイミジアゾール(103mg、1.52mmol)の溶液に加えた。混合物を窒素雰囲気下、室温で24時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、3',5'-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-5-[1-(2-ニトロフェニル)-エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジンdC.15(64mg、42%、ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
Figure 0005513122
O4-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)-3',5'-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシウリジン(dC.16)
塩化2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(61mg、0.20mmol)の溶液を無水CH2Cl2(3mL)中のdC.15(64mg、0.10mmol)およびDMAP(6mg、0.05mmol)の溶液に加え、続いてEt3N(63μL、0.45mmol)を加えた。混合物を窒素雰囲気下、室温で48時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、O4-(2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル)-3',5'-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシ-メチル]-2'-デオキシウリジンdC.16(50mg、56%、ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
Figure 0005513122
3',5'-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシメチル]-2'-デオキシシチジン(dC.17)
NH3の溶液 (1mL、ジオキサン中0.5M)を無水1,4-ジオキサン(1mL)中の化合物dC.16(48mg、0.05mmol)の溶液に加えた。混合物を80℃で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、3',5'-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-5-[1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシ-メチル]-2'-デオキシシチジンdC.18(25mg、58%、ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
実施例4:dG化合物
N2-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアニジン-5'-三リン酸(WW2p067)の合成
Figure 0005513122
スキーム N2-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアニジン-5'-三リン酸の合成
(i)TBSCl、イミダゾール、無水DMF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、終夜、96%;(ii)AC2O、無水ピリジン、室温、100℃、72%;(iii)Boc2O、Et3N、DMAP、CH2Cl2、還流、2時間. 54%;(iv)K2CO3、MeOH、95%;(v)臭化2-ニトロベンジル、NaH、DMF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、1時間、91%;(vi)SiO2、減圧、70〜80℃、48時間、97%;(vii)n-Bu4NF、THF、0℃、1時間、次いで室温、2時間、83%;(viii)POCl3、(MeO)3PO、マイナス20〜30℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間、62%。
3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアノシン(dG.01)
2'-デオキシグアノシンdG(0.89g、3.30mmol)、イミジアゾール(2.0g、29.32mmol)、およびTBSCl(2.34g、15.55mmol)を無水DMF(8mL)N2雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、終夜撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、CHCl3(8mL)およびMeOH(8mL)の混合物で処理し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアノシンdG.01(1.57g、96%)を白色粉末で得た。
Figure 0005513122
N2-アセチル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアノシン(dG.02)
無水酢酸(1.22mL、12.92mmol)を無水ピリジン(10mL)中の化合物dG.01(0.51g、1.03mmol)の溶液に室温でゆっくり加え、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、無水エタノール(15mL)と共に3回共蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N2-アセチル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアノシンdG.02(0.34g、56%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N1,N2-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-N2-アセチル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアニジン(dG.03)
無水CH2Cl2(27mL)中の二炭酸ジ-tert-ブチル(8.75g、40mmol)の溶液を無水CH2Cl2(20mL)中の化合物dG.02(1.85g、3.44mmol)、Et3N(12.17mL、15.48mmol)、およびDMAP(1.72g、14.10mmol)の溶液にN2雰囲気下で加えた。反応混合物を2時間還流し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N1,N2-ビス-tert-ブチルオキシ-カルボニル-N2-アセチル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアニジンdG.03(1.37g、54%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N1,N2-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアニジン(dG.04)
化合物dG.03(1.31g、1.78mmol)をMeOH(20.5mL)中のK2CO3(1.23g、8.90mmol)により室温で30分間処理した。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(50mL)に溶解し、水(10mL)で2回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、N1,N2-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアニジンdG.04(1.18g、95%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N1,N2-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-N2-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアニジン(dG.05)
NaH(22mg、0.93mmol、乾燥)を無水DMF(6mL)中の化合物dG.04(500mg、0.72mmol)の溶液に0℃で加え、N2雰囲気下で30分間撹拌した。無水DMF(3mL)中の臭化2-ニトロベンジル(202mg、0.94mmol)の溶液を滴加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。酢酸エチル(50mL)を加え、混合物を飽和NH4Cl溶液(20mL)で2回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(20mL)で抽出し、合わせた有機相層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N1,N2-ビス-tert-ブチルオキシカルボニル-N2-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアニジンdG.05(543mg、91%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N2-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアニジン(dG.06)
シリカゲル60(4.5g、100〜200メッシュ、減圧下、50〜60℃で24時間加熱することにより活性化)をCH2Cl2(5mL)中の化合物dG.05(450mg、0.54mmol)の溶液に加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣を減圧下、60〜70℃で48時間加熱し、MeOH(50mL)で3回洗浄し、ブッチ漏斗を用いてろ過した。合わせたろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N2-(2-ニトロベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシグアニジンdG.06(333mg、97%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N2-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアニジン(dG.07)
THF(6mL)中のn-Bu4NF(393mg、1.5mmol)の溶液をTHF(12mL)中の化合物dG.06(313mg、0.5mmol)の溶液に0℃で滴加した。反応混合物を0℃で1時間と、次いで室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、N2-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアニジンdG.07(165mg、83%)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N2-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアニジン-5'-三リン酸(WW2p067)
POCl3(17μL、0.18mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dG.07(50mg、0.12mmol)の溶液に滴加し、マイナス20〜30℃で2時間維持した。無水DMF(1.2mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(205mg、0.6mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(120μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、N2-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアニジン-5'-三リン酸WW2p067(52mg、62%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H19N6O15P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は663.0019、質量実測値は663.0143であった。
O6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW2p077)の合成
Figure 0005513122
スキーム O6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸の合成
(i)塩化2-メシチレン-スルホニル、Et3N、DMAP、無水CH2Cl2、HMPA、室温、終夜、98%;(ii)2-ニトロベンジルアルコール、DABCO、DBU、モレキュラーシーブス、無水1,2-DME、0℃、次いで室温まで徐々に加温、24時間、77%;(iii)n-Bu4NF、THF、室温、1.5時間、94%;(iv)POCl3、(MeO)3PO、マイナス20〜30℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間、35%。
O6-(2-メシチレンスルホニル)-3',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-デオキシグアノシン(dG.08)
塩化2-メシチレンスルホニル(510mg、2.34mmol)、Et3N(0.56mL、4.0mmol)、およびDMAP(27mg、0.197mmol)をヘクスメチルホスホラミド(1.5mL)および無水CH2Cl2(7mL)の混合物中の化合物dG.01(500mg、1.0mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いでエチルエーテル(25mL)で希釈した。エーテル溶液をNaHCO3の飽和溶液(各10mL)で2回と、次いで食塩水(10mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して半固体を得、これをエチルエーテル(2mL)に溶解し、ヘキサン(40mL)で徐々に希釈した。沈澱をろ取してO6-(2-メシチレンスルホニル)-3',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2'-デオキシグアノシンdG.08(737mg、98%)を得た。
Figure 0005513122
O6-(2-ニトロベンジル)-3',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2'-デオキシグアノシン(dG.09)
DABCO(139mg、1.24mmol)および2-ニトロベンジルアルコール(474mg、3.10mmol)を無水1,2-DME(6.2mL)中の化合物dG.08(420mg、0.62mmol)および4Åモレキュラーシーブス(200mg)の溶液に0℃で加えた。混合物を室温まで加温し、30分間撹拌した。DBU(139μL、0.93mmol)を加え、反応混合物を室温で24時間撹拌した。酢酸エチル(100mL)を加え、有機層を水(20mL)および食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、O6-(2-ニトロベンジル)-3',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2'-デオキシグアノシンdG.09(300mg、77%)を得た。
Figure 0005513122
O6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアノシン(dG.10)
THF(4mL)中のn-Bu4NF(252mg、0.80mmol)の溶液をTHF(4mL)中の化合物dG.09(200mg、0.32mmol)の溶液に室温で加えた。混合物を1.5時間撹拌し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、O6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアノシンdG.10(119mg、94%)を得た。
Figure 0005513122
O6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW2p077)
POCl3(14μL、0.1mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dG.10(43mg、0.1mmol)の溶液に滴加し、マイナス20〜30℃で2時間維持した。無水DMF(1.0mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(237mg、0.5mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(100μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、O6-(2-ニトロベンジル)-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸WW2p077(24mg、35%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H19N6O15P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は663.0019、質量実測値は663.0228であった。
6-ROX標識O6-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW2p121)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-ROX標識O6-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸の合成
(i)4-ヨード-2-ニトロベンジルアルコール、DABCO、DBU、4Åモレキュラーシーブス、無水1,2-DME、0℃、次いで室温まで徐々に加温、24時間、77%;(ii)n-Bu4NF、THF、室温、1.5時間、62%;(iii)N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド、Pd(PPh3)4、CuI、Et3N、無水DMF、4時間、42%;(iv)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、1時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、1時間;(v)6-ROX-SE、0.1M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.2)、1時間。
O6-(4-ヨード-2-ニトロベンジル)-3',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-デオキシグアノシン(dG.11)
DABCO(90mg、0.80mmol)および4-ヨード-2-ニトロベンジルアルコール(555mg、2.00mmol)を無水1,2-DME(4mL)中の化合物dG.08(270mg、0.40mmol)および4Åモレキュラーシーブス(129mg)の溶液に0℃で加えた。混合物を室温まで加温し、30分間撹拌した。DBU(91μL、0.60mmol)を加え、反応混合物を室温で24時間撹拌した。酢酸エチル(70mL)を加え、有機溶液を水(10mL)および食塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、O6-(4-ヨード-2-ニトロベンジル)-3',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-デオキシグアノシンdG.11(233mg、77%)を得た。
Figure 0005513122
O6-(4-ヨード-2-ニトロベンジル)-2-デオキシグアノシン(dG.12)
THF(2mL)中のn-Bu4NF(291mg、0.924mmol)の溶液をTHF(4mL)中の化合物dG.11(233mg、0.31mmol)の溶液に室温で加えた。混合物を1.5時間撹拌し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、O6-(4-ヨード-2-ニトロベンジル)-2-デオキシグアノシンdG.12(101mg、62%)を得た。
Figure 0005513122
O6-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシグアノシン(dG.13)
無水DMF(1.4mL)中の化合物dG.12(95mg、0.18mmol)、N-プロパルギルトリフルオロアセチルアミド(82mg、0.53mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(21mg、0.018mmol)、CuI(7mg、0.036mmol)およびEt3N(51μL、0.36mmol)の溶液を室温で4時間撹拌した。CH2Cl2(1mL)、メタノール(1mL)、およびNaHCO3(84mg、1mmol)を加え、混合物を20分間撹拌し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィおよび調製用HPLCで精製して、O6-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシグアノシンdG.13(42mg、42%)を得た。
Figure 0005513122
O6-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(dG.14)
化合物dG.13(33mg、0.06mmol)およびプロトンスポンジ(26mg、0.12mmol)を無水ピリジン(3mL)から3回蒸発させ、リン酸トリメチル(0.3mL)に溶解した。POCl3(8μL、0.09mmol)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。無水DMF(0.6mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(142mg、0.3mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(60μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、濃水酸化アンモニウム(5mL、27%)を0℃で滴加した。混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Perkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、O6-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸dG.14を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC20H24N7O15P3Na [M+Na]+について、質量計算値は718.0441、質量実測値は718.0600であった。
6-ROX標識O6-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロベンジル]-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW2p121)
無水DMSO(12μL)中の6-ROX-SE(0.3mg、0.47μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;0.6mL)中の三リン酸エステルdG.14(0.36μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-ROX標識三リン酸エステルWW2p121を得た。移動相:A、100mM TEAA水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW2p121の濃度は6-ROX色素の吸光係数(すなわち、575nmで82,000)を用いての吸着分光法により推定した。
O6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW2p143)の合成
Figure 0005513122
スキーム O6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸の合成
(i)1-(2-ニトロフェニル)エタノール、PPh3、DIAD、無水THF、室温、6時間、74%;(ii)n-Bu4NF、THF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、4時間、64%;(iii)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、60℃、3時間。
O6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-N2-アセチル-3',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2'-デオキシグアノシン(dG.15)
無水THF(2mL)中の化合物dG.02(108mg、0.2mmol)、1-(2-ニトロフェニル)エタノール(33mg、0.23mmol)およびPPh3(79mg、0.3mmol)の溶液をアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD、59μL、0.3mmol)で処理し、室温で6時間撹拌した。反応混合物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、飽和NH4Cl溶液(10mL)で1回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、O6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-N2-アセチル-3',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2'-デオキシグアノシンdG.15(102mg、74%、ジアステレオマーの1:1混合物)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
O6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-N2-アセチル-2'-デオキシグアノシン(dG.16)
THF(2mL)中のn-Bu4NF(95mg、0.36mmol)の溶液をTHF(5mL)中の化合物dG.15(100mg、0.15mmol)の溶液に0℃で加えた。混合物を室温まで徐々に加温し、4時間撹拌した。シリカゲル(500mg、60〜200メッシュ)を加え、混合物を減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィで精製して、O6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-N2-アセチル-2'-デオキシグアノシンdG.16(43mg、64%、ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC20H21N6O7 [M-H]-について、質量計算値は457.1472、質量実測値は457.1392であった。
O6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW2p143)
化合物dG.16(25mg、0.055mmol)およびプロトンスポンジ(23mg、0.11mmol)を無水ピリジン(2mL)から3回蒸発させ、リン酸トリメチル(0.3mL)に溶解した。POCl3(8μL、0.08mmol)を加え、混合物を0℃で2時間撹拌した。無水DMF(0.55mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(130mg、0.28mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(55μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、溶液の一部をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、O6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-N2-アセチル-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は40分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。次いで、精製した三リン酸エステルを濃水酸化アンモニウム(2mL、27%)により60℃で3時間処理した。逆相HPLCを用いての精製を前述のとおりに行って、O6-[1-(2-ニトロフェニル)エチル]-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸WW2p143(ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC18H22N6O15P3 [M-H]-について、質量計算値は655.0356、質量実測値は655.0430であった。
6-ROX標識O6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW3p008)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-ROX標識O6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸の合成
(i)1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エタノール、PPh3、DIAD、無水THF、室温、終夜、76%;(ii)n-Bu4NF、THF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、2時間、52%;(iii)N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド、Pd(PPh3)4、CuI、Et3N、無水DMF、4時間、96%;(iv)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、0℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、60℃、6時間;(v)6-ROX-SE、0.1M Na2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.2)、1時間。
O6-[1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチル]-N2-アセチル-3',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2'-デオキシグアノシン(dG.17)
無水THF(2mL)中の化合物dG.02(146mg、0.27mmol)、1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エタノール(79mg、0.27mmol)およびPPh3(106mg、0.4mmol)の溶液をアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD、79μL、0.4mmol)で処理し、室温で終夜撹拌した。反応混合物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、飽和NH4Cl溶液(10mL)で1回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、O6-[1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチル]-N2-アセチル-3',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2'-デオキシグアノシンdG.17(168mg、76%、ジアステレオマーの1:1混合物)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
O6-[1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチル]-N2-アセチル-2'-デオキシグアノシン(dG.18)
THF(1.5mL)中のn-Bu4NF(125mg、0.48mmol)の溶液をTHF(2mL)中の化合物dG.17(155mg、0.19mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。シリカゲル60(1g、60〜200メッシュ)を加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、O6-[1-(4-ヨード-2-ニトロフェニル)エチル]-N2-アセチル-2'-デオキシグアノシンdG.18(58mg、52%、ジアステレオマーの1:1混合物)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
O6-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-N2-アセチル-2'-デオキシグアノシン(dG.19)
化合物dG.18(58mg、0.1mmol)、N-プロパルギルトリフルオロアセチルアミド(45mg、0.3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(11.5mg、0.01mmol)、ヨウ化銅(I)(3.8mg、0.02mmol)およびトリエチルアミン(27μL、0.19mmol)の溶液を室温で4時間撹拌した。メタノール(1mL)、CH2Cl2(1mL)、および炭酸水素ナトリウム(80mg、0.95mmol)を加え、混合物をさらに半時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、O6-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-N2-アセチル-2'-デオキシグアノシンdG.19(58mg、96%、ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
Figure 0005513122
O6-{1-[4-(3-アミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(dG.20)
化合物dG.19(44mg、0.07mmol)およびプロトンスポンジ(30mg、0.14mmol)を無水ピリジン(3mL)から3回蒸発させ、リン酸トリメチル(0.5mL)に溶解した。POCl3(10μL、0.11mmol)を加え、混合物を0℃で3時間撹拌した。無水DMF(0.7mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(166mg、0.35mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(70μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、溶液の一部をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、O6-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-N2-アセチル-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。次いで、精製した三リン酸エステルを濃水酸化アンモニウム(2mL、27%)により60℃で6時間処理して、O6-{1-[4-(3-アミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸dG.20(ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC21H25N7O15P3 [M-H]-について、質量計算値は708.0622、質量実測値は708.0609であった。
6-ROX標識O6-{1-[4-(3-アミド-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW3p008)
無水DMSO(120μL)中の6-ROX-SE(3mg、4.7μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;0.3mL)中の三リン酸エステルdG.20(1.45μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-ROX標識三リン酸エステルWW3p008を得た。移動相:A、100mM TEAA水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW3p008の濃度は6-ROX色素の吸光係数(すなわち、575nmで82,000)を用いての吸着分光法により推定した。
O6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロ-フェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸の2つのジアステレオ異性体(dG.20 ds1およびdG.20 ds2)の分離
dG.20の2つのジアステレオ異性体の分離をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで行って、O6-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン三リン酸dG.20 dS1(単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)およびO6-{(SまたはR)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン三リン酸dG.20 dS2(単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は70分間で5〜25%Bと、次いで30分間で25〜50%Bの直線勾配により行った。
Figure 0005513122
6-ROX標識単一ジアステレオ異性体O6-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW3p037)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-ROX標識単一ジアステレオ異性体O6-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸の合成
(i)6-ROX-SE、0.1M NaHCO3/Na2CO3、pH9.2、1時間。
6-ROX標識単一ジアステレオ異性体O6-{(RまたはS)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW3p037)
無水DMSO(120μL)中の6-ROX-SE(1.5mg、2.38μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;150μL)中の三リン酸エステルdG.20 ds1(0.67μmol、単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-ROX標識単一ジアステレオ異性体三リン酸エステルWW3p037を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで20分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW3p037の濃度は6-ROX色素の吸光係数(すなわち、575nmで82,000)を用いての吸着分光法により推定した。
6-ROX標識単一ジアステレオ異性体O6-{(SまたはR)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW3p039)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-ROX標識単一ジアステレオ異性体O6-{(SまたはR)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸の合成
(i)6-ROX-SE、0.1M NaHCO3/Na2CO3、pH9.2、1時間。
6-ROX標識単一ジアステレオ異性体O6-{(SまたはR)-1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)-2-ニトロフェニル]エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW3p039)
無水DMSO(200μL)中の6-ROX-SE(2.5mg、3.96μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;150μL)中の三リン酸エステルdG.20 ds2(0.97μmol、単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-ROX標識単一ジアステレオ異性体三リン酸エステルWW3p039を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで20分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW3p039の濃度は6-ROX色素の吸光係数(すなわち、575nmで82,000)を用いての吸着分光法により推定した。
6-ROX標識単一ジアステレオ異性体O6-{(RまたはS)-1-{4-[3-(6-アミノカプロイル)アミノ-1-プロピニル]-2-ニトロフェニル}エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW3p041)の合成
Figure 0005513122
スキーム 6-ROX標識単一ジアステレオ異性体O6-{(RまたはS)-1-{4-[3-(6-アミノカプロイル)アミノ-1-プロピニル]-2-ニトロフェニル}エチル}-2'-デオキシグアノシン三リン酸の合成
(i)6-N-(トリフルオロアセチル)アミノカプロン酸N-スクシンイミジルエステル、0.1M NaHCO3/Na2CO3、pH9.2、1時間;NH4OH、1時間;(ii)6-ROX-SE、0.1M NaHCO3/Na2CO3、pH9.2、1時間。
O6-{(RまたはS)-1-{4-[3-(6-アミノカプロイル)アミノ-1-プロピニル]-2-ニトロフェニル}エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(単一ジアステレオ異性体dG.21 ds1)
無水DMSO(20μL)中の6-N-(トリフルオロアセチル)アミノカプロン酸N-スクシンイミジルエステル(1.0mg、3.08μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;200μL)中の三リン酸エステルdG.20 ds1(0.89μmol、単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。濃水酸化アンモニウム(25%水溶液、0.5mL)を加え、混合物を室温でさらに1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、三リン酸エステルdG.21 ds1(単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで10分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。
6-ROX標識単一ジアステレオ異性体O6-{(RまたはS)-1-{4-[3-(6-アミノカプロイル)アミノ-1-プロピニル]-2-ニトロフェニル}エチル}-2'-デオキシグアノシン-5'-三リン酸(WW3p041)の合成
無水DMSO(120μL)中の6-ROX-SE(1.5mg、2.34μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;200μL)中の三リン酸エステルdG.21 ds1(0.59μmol、単一ジアステレオ異性体、絶対配置未定)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-ROX標識単一ジアステレオ異性体三リン酸エステルWW3p041を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜50%Bと、次いで20分間で50〜90%Bの直線勾配により行った。WW3p041の濃度は6-ROX色素の吸光係数(すなわち、575nmで82,000)を用いての吸着分光法により推定した。
実施例5−ポリメラーゼ終点(PEP)アッセイ:
多くのグループが、天然ヌクレオチドに比べての停止ヌクレオチドアナログの相対的取り込み効率を推定するために、定量的なサンガーの方法に基づくアッセイを用いている。これらのアッセイは有用ではあるが、これらを用いて天然ヌクレオチド非存在下で修飾ヌクレオチドアナログをアッセイすることは不可能である。これら2つの制限により定量的ポリメラーゼ終点(PEP)アッセイが導き出され、これはいくつかの十分に特徴づけられた市販のポリメラーゼに対して、多くの修飾ヌクレオチドをスクリーニングするための高処理量様式で用いられる。次いで、さらなる動力学的試験のために、特定のDNAポリメラーゼによるリード化合物の同定を優先的に行うことができよう。PEPアッセイはプライマー/鋳型複合体よりも高いポリメラーゼ濃度で設計され(すなわち、この複合体は滴定開始時にポリメラーゼと完全に結合している)、それによりヌクレオチド結合への反応およびヌクレオチルカップリング段階を制限している。次いで、制限量の所望のヌクレオチドを適当な濃度範囲(一般には3桁のオーダー)で滴定し、色素標識プライマーの伸長をゲル電気泳動で観察する。終点濃度を、IC50(すなわち、50%の取り込み濃度)と呼ぶ、基質および生成物のモル数が等しい片対数プロットからもとめる。
本試験で評価したすべてのポリメラーゼについて、40nMのオリゴ鋳型(
Figure 0005513122
、照合(interrogation)塩基は下線付きの太字)を5nM BODIPY-FL標識プライマー(
Figure 0005513122
)と、1×ThermoPol緩衝液(20mMトリス-HCl、pH8.8;10mM (NH4)2SO4;10mM KCl;2mM MgSO4;0.1%トリトンX-100、New England BioLabs)中、80℃で30秒間、57℃で30秒間アニールし、次いで4℃に冷却した。次いで、プライマー/鋳型複合体を、DNAポリメラーゼ、ヌクレオチドアナログ、およびThermoPol緩衝液を加えて2分の1に希釈(すなわち、最終濃度は体積10μL中の2.5nM)する。これはヌクレオチド滴定のIC50値の下限を1.25nM(すなわち、[プライマー]=[プライマー+1])に規定する。ポリメラーゼ反応はそれらの適当な温度で10分間インキュベートし、次いで4℃に冷却し、10μLの停止溶液(98%脱イオンホルムアミド;10mM Na2EDTA、pH8.0;25mg/mL Blue Dextran、MW 2,000,000)で反応停止した。停止した反応混合物を90℃で30秒間加熱し、次いで氷上に置いた。伸長生成物を10%Long Ranger(Cambrex)ポリアクリルアミド上で、ABモデル377 DNAシーケンサーを用いて分析し、定量データを生成物生成と化合物濃度との一次対数として表示する。PEPアッセイを各DNAポリメラーゼ/ヌクレオチドアナログの組み合わせについて三重複で実施し、そのIC50値±1標準偏差を計算した。
8つの市販3'-エキソヌクレアーゼ欠失(3'-exo-)DNAポリメラーゼの活性単位数を、まず2'-デオキシアデノシン三リン酸(dATP、0.1nMから100nMの濃度範囲)での滴定により、ゴールをPEP IC50の下限1.25nMに達することとして定量した(データは示していない)。一般に、単位数を増やすとdATPのIC50値はこの下限まで低下したが、Taq、Therminator、およびTherminator IIは例外であった。これらの酵素については、酵素濃度の上昇と共にdATPのIC50値が高くなり、これはそれ以上調査せず、酵素濃度上昇および加リン酸分解との直接の関係によると推定された。これらの場合については、その後のPEPアッセイに用いる単位数はdATPの最も低いIC50値を示す活性単位とした。
修飾ヌクレオチド滴定:
WW1p129およびddATPをPEPアッセイを用い、8つのDNAポリメラーゼ(単位活性は前に規定)の0.1nMから100nM、1nMから1μM、10nMから10μM、または100nMから100μMのいずれかの濃度範囲で滴定した(表1参照)。UV光感受性化合物は、dATPへの変換を最小限にするために、常に低光量条件下で取り扱った。これらのデータは、TaqFSを除くすべての場合に、WW1p129がddATPよりも効率的に取り込まれる(すなわち、より低いIC50値)ことを示している。
(表1)8つの異なるDNAポリメラーゼを用いてのWW1p129のPEPアッセイ結果の概要
Figure 0005513122
BstポリメラーゼおよびTherminator DNAポリメラーゼを用いてのいくつかの光開裂性停止ヌクレオチドについてのPEPアッセイも行い(表2)、これらの化合物が有効に取り込まれることを示している。表2のデータは、本発明の化合物がすぐれた基質であることを示唆するものである。
(表2)BstおよびTherminatorポリメラーゼによるIC50値の比較
Figure 0005513122
標識ヌクレオチドおよびヌクレオシド
実施例1:dA化合物
N6-ベンジル-2'-デオキシアデノシン三リン酸(WW2p062)の合成
Figure 0005513122
スキーム N6-ベンジル-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸の合成
(i)NaH、DMF、臭化ベンジル、0℃、次いで室温まで徐々に加温、86%;(ii)SiO2、減圧、70〜80℃、95%;(iii)n-Bu4NF、THF、99%;(iv)POCl3、(MeO)3PO、マイナス20〜30℃;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3;32%。
N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-ベンジル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.n1)
NaH(18mg、0.75mmol、乾燥)を無水DMF(5mL)中の化合物dA.07(400mg、0.58mmol)の溶液に0℃で加え、30分間撹拌した。無水DMF(2.5mL)中の臭化ベンジル(149mg、0.87mmol)の溶液を滴加した。混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(60mL)に溶解し、飽和NH4Cl溶液(各40mL)で2回と水(40mL)で1回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、合わせた有機相層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-ベンジル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.n1(398mg、86%)を粘稠油状物で得た。
Figure 0005513122
N6-ベンジル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.n2)
シリカゲル60(3.76g、100〜200メッシュ、減圧下、70〜80℃で24時間加熱することにより活性化)をCH2Cl2(20mL)中の化合物dA.n1(376mg、0.56mmol)の溶液に加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣を減圧下、70〜80℃で2日間加熱し、メタノール(各30mL)で3回洗浄し、ブッチ漏斗を用いてろ過した。合わせたろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-ベンジル-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.n2(305mg、95%)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-ベンジル-2'-デオキシアデノシン(dA.n3)
THF(2.5mL)中のn-Bu4NF(335mg、1.28mmol)の溶液をTHF(6mL)中の化合物dA.n2(292mg、0.51mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。シリカゲル60(1g)を加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-ベンジル-2'-デオキシアデノシンdA.n3(173mg、99%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-ベンジル-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW2p062)
POCl3(22μL、0.24mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dA.10a(42mg、0.12mmol)の溶液に加え、マイナス20〜30℃で2時間維持した。無水DMF(1.2mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(285mg、0.6mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(120μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、N6-ベンジル-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸WW2p062(24mg、32%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC17H20N5O12P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は602.0219、質量実測値は602.0363であった。
6-FAM標識N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)ベンジル]-2'-デオキシアデノシン三リン酸(WW2p085)の合成
Figure 0005513122
Figure 0005513122
スキーム 6-FAM標識N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)ベンジル]-2'-デオキシアデノシン三リン酸の合成
(i)NaH、DMF、臭化4-ヨードベンジル、0℃、次いで室温まで徐々に加温、99%;(ii)SiO2、減圧、70〜80℃、99%;(iii)n-Bu4NF、THF、98%;(iv)N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド、Pd(PPh3)4(0)、CuI、Et3N、無水DMF、4.5時間、94%;(v)POCl3、プロトンスポンジ、(MeO)3PO、マイナス20〜30℃、2時間;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF、5分間;1M HNEt3HCO3、1時間;NH4OH、1時間;84%;(vi)6-FAM-SE、0.1M NaHCO3/Na2CO3、pH9.2。
N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-(4-ヨードベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.n4)
NaH(23mg、0.94mmol、乾燥)を無水DMF(6.5mL)中の化合物dA.07(500mg、0.72mmol)の溶液に0℃で加え、30分間撹拌した。無水DMF(2.5mL)中の臭化4-ヨードベンジル(322mg、1.08mmol)の溶液を滴加した。混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(60mL)に溶解し、飽和NH4Cl溶液(各40mL)で2回と水(40mL)で1回洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、合わせた有機相層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-tert-ブチルオキシカルボニル-N6-(4-ヨードベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.n4(565mg、99%)を粘稠油状物で得た。
Figure 0005513122
N6-(4-ヨードベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.n5)
シリカゲル60(6.00g、100〜200メッシュ、減圧下、70〜80℃で24時間加熱することにより活性化)をCH2Cl2(20mL)中の化合物dA.n4(565mg、0.71mmol)の溶液に加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣を減圧下、70〜80℃で2日間加熱し、メタノール(各30mL)で3回洗浄し、ブッチ漏斗を用いてろ過した。合わせたろ液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-(4-ヨードベンジル)-3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.n5(489mg、99%)を黄色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-(4-ヨードベンジル)-2'-デオキシアデノシン(dA.n6)
THF(1.0mL)中のn-Bu4NF(282mg、1.08mmol)の溶液をTHF(1.2mL)中の化合物dA.n5(300mg、0.43mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、2時間撹拌した。シリカゲル60(1g)を加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-(4-ヨードベンジル)-2'-デオキシアデノシンdA.n6(266mg、98%)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)ベンジル]-2'-デオキシアデノシン(dA.n7)
無水DMF(2.1mL)中の化合物dA.n6(266mg、0.57mmol)、N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド(260mg、1.72mmol)、CuI(22mg、0.11mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(65mg、0.06mmol)、およびEt3N(160μL、1.14mmol)の溶液を室温で4.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)-ベンジル]-2'-デオキシアデノシンdA.n7(268mg、94%)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)ベンジル]-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(dA.n8)
POCl3(16μL、0.17mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dA.n7(56mg、0.11mmol)およびプロトンスポンジ(37mg、0.17mmol)の溶液に加え、マイナス20〜30℃で2時間維持した。無水DMF(1.1mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(261mg、0.55mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(110μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、濃水酸化アンモニウム(10mL、27%)を0℃で滴加した。混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。得られた残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、三リン酸エステルdA.n8(63mg、84%)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC20H23N6O12P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は655.0485、質量実測値は655.0758であった。
6-FAM標識N6-[4-(3-アミノ-1-プロピル)ベンジル]-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW2p085)
無水DMSO(70μL)中の6-FAM-SE(3.5mg、7.35μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;600μL)中の三リン酸エステルdA.18a(3.5μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-FAM標識三リン酸エステルWW2p085を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。溶出は20分間で5〜20%Bと、次いで20分間で20〜90%Bの直線勾配により行った。WW2p085の濃度は6-FAM色素の吸光係数(すなわち、494nmで68,000)を用いての吸着分光法により推定した。
ToF-MS (ESI): 分子イオンC41H36N6O18P3 [M+H]+について、質量計算値は993.1299、質量実測値は993.1520であった。
6-FAM標識N6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)フェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン三リン酸(WW2p093)の合成
Figure 0005513122
Figure 0005513122
スキーム 6-FAM標識N6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)フェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン三リン酸の合成
(i)TBSCl、イミダゾール、無水DMF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、12時間、83%;(ii)塩化2-メシチレンスルホニル、Et3N、DMAP、無水CH2Cl2、室温、1.5時間、20%;(iii)1-(4-ヨードフェニル)エチルアミン、モレキュラーシーブス、無水1,4-ジオキサン、50℃、18時間、88%;(iv)n-Bu4NF、THF、0℃、次いで室温まで徐々に加温、93%;(v)N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド、Pd(PPh3)4(0)、CuI、Et3N、無水DMF、4.5時間、86%;(vi)POCl3、(MeO)3PO、マイナス20〜30℃;(n-Bu3NH)2H2P2O7、n-Bu3N、DMF;1M HNEt3HCO3;86%(vii)6-FAM-SE、0.1M NaHCO3/Na2CO3、pH9.2、1時間。
3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシイノシン(dA.n9)1
TBSCl(1.91g、12.67mmol)の溶液を無水DMF(3mL)中の2'-デオキシイノシン(1.00g、3.96mmol)およびイミジアゾール(1.73g、25.34mmol)の溶液に窒素雰囲気下、0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、12時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、CH2Cl2(100mL)に溶解し、水(50mL)で2回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、3',5'-O-ビス-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシイノシンdA.n9(1.58g、83%)を白色粉末で得た。
Figure 0005513122
1厳密な方法は下記において見いだすことができる:Kiselyov, A. S.; Steinbrecher, T.; Harvey, R. G. (1995) 「Synthesis of the Fjord-region cis- and trans-Amino Triol Derivatives of the carcinogenic Hydrocarbon Benzo[g]chrysene and Utilization for the Synthesis of a Deoxyadenosine Adduct Linked to the N6-Amino Group」 J. Org. Chem., 60: 6129-6134.
O6 -(2-メシチレンスルホニル)-3',5'-ビス-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシイノシン(dA.n10)1
塩化2-メシチレンスルホニル(0.70g、2.12mmol)、Et3N(0.42mL、3.07mmol)、およびDMAP(16mg、0.13mmol)を無水CH2Cl2(15mL)中のdA.n9(1.02g、2.12mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いでエチルエーテル(50mL)で希釈した。エーテル溶液をNaHCO3の飽和溶液(各25mL)で2回と、次いで食塩水(25mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、O6-(2-メシチレンスルホニル)-3',5'-ビス-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシイノシンdA.n10(279mg、20%)を得た。
Figure 0005513122
N6-[1-(4-ヨードフェニル)エチル]-3',5'-ビス-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシン(dA.n11)
無水1,4-ジオキサン(1mL)中の1-(4-ヨードフェニル)エチルアミン(312mg、1.26mmol)の溶液を、モレキュラーシーブス(4Å、8〜12メッシュ、0.75g)を含む無水1,4-ジオキサン(2mL)中のdA.n10(279mg、0.42mmol)の溶液に窒素雰囲気下、室温で加えた。次いで、混合物を50℃で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-[1-(4-ヨードフェニル)エチル]-3',5'-ビス-O-tert-ブチルジメチルシリル-2'-デオキシアデノシンdA.n11(263mg、88%、ジアステレオ異性体の1:1混合物)を白色泡状物で得た。
Figure 0005513122
N6-[1-(4-ヨードフェニル)エチル]-2'-デオキシアデノシン(dA.n12)
THF(3mL)中のn-Bu4NF(409mg、1.30mmol)の溶液をTHF(5mL)中の化合物dA.n11(263mg、0.37mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を室温まで徐々に加温し、30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-[1-(4-ヨードフェニル)エチル]-2'-デオキシアデノシンdA.n12(164mg、93%、ジアステレオ異性体の1:1混合物)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
N6-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)フェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン(dA.n13)
無水DMF(2.2mL)中の化合物dA.n12(70mg、0.145mmol)、N-プロパルギルトリフルオロアセトアミド(66mg、0.44mmol)、CuI(5.5mg、0.03mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(17mg、0.015mmol)、およびEt3N(41μL、0.29mmol)の溶液を室温で5.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、N6-{1-[4-(3-トリフルオロアセトアミド-1-プロピニル)フェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシンdA.n13(63mg、86%、ジアステレオ異性体の1:1混合物)をろう状固体で得た。
Figure 0005513122
N6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)フェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(dA.n14)
POCl3(14μL、0.15mmol)をリン酸トリメチル(0.5mL)中の化合物dA.n14(51mg、0.1mmol)およびプロトンスポンジ(32mg、0.15mmol)の溶液に加え、マイナス20〜30℃で2時間維持した。無水DMF(1.0mL)中のビス-トリ-n-ブチルアンモニウムピロリン酸(237mg、0.5mmol)およびトリ-n-ブチルアミン(100μL)の溶液を加えた。5分間撹拌した後、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(1M、pH7.5;10mL)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、濃水酸化アンモニウム(10mL、27%)を0℃で滴加した。混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで凍結乾燥して乾固させた。得られた残渣を水(10mL)に溶解し、ろ過し、Q Sepharose FFカラム(2.5×20cm)でNH4HCO3(300分間で50mMから500mM)の直線勾配、流速4.5mL/分を用いてのアニオン交換クロマトグラフィで精製した。三リン酸エステルを含む分画を合わせ、凍結乾燥して、三リン酸エステルdA.n14(60mg、86%、ジアステレオ異性体の1:1混合物)を白色飛散性固体で得た。
Figure 0005513122
ToF-MS (ESI): 分子イオンC21H25N6O12P3Na [M-2H+Na]-について、質量計算値は669.0641、質量実測値は669.0960であった。
6-FAM標識N6-{1-[4-(3-アミノ-1-プロピニル)フェニル]エチル}-2'-デオキシアデノシン-5'-三リン酸(WW2p093)
無水DMSO(70μL)中の6-FAM-SE(3.5mg、7.4μmol)の溶液をNa2CO3/NaHCO3緩衝液(0.1M、pH9.2;600μL)中の三リン酸エステルdA.n14(4.1μmol)の溶液に加え、室温で1時間インキュベートした。反応混合物をPerkin Elmer OD-300 C18カラム(4.6×250mm)を用いての逆相HPLCで精製して、6-FAM標識三リン酸エステルWW2p093を得た。移動相:A、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)水溶液(pH7.0);B、100mM TEAA水溶液/CH3CN(30:70)。HPLC精製は20分間で5〜20%Bと、次いで20分間で20〜90%Bの直線勾配により行った。WW2p093の濃度は6-FAM色素の吸光係数(すなわち、494nmで68,000)を用いての吸着分光法により推定した。
本明細書において言及するすべての特許および特許公報は参照により本明細書に組み入れられる。当業者であれば、前述の記載を読むことにより、特定の改変および改善を思いつくであろう。すべてのそのような改変および改善は、簡潔および読みやすさのために、本明細書では削除しているが、これらは適切には添付の特許請求の範囲内であることが理解されるべきである。

Claims (47)

  1. Figure 0005513122
    Figure 0005513122
    からなる群より選択される化合物、またはその塩:
    式中、RはH、一リン酸、二リン酸、三リン酸、またはアルファ−チオ三リン酸であり、
    はHまたはOHであり、
    およびRは、H、C−C12直鎖または分枝アルキル、C−C12直鎖または分枝アルケニルまたはポリエニル、C−C12直鎖または分枝アルキニルまたはポリアルキニル、および芳香族基からなる群よりそれぞれ独立に選択され、
    、R、RおよびRは、H、OCH、NO、CN、ハロゲン化物、C−C12直鎖もしくは分枝アルキル、C−C12直鎖もしくは分枝アルケニルもしくはポリエニル、C−C12直鎖もしくは分枝アルキニルもしくはポリアルキニル、および芳香族基からなる群よりそれぞれ独立に選択され、
    は以下の構造の基であり:
    Figure 0005513122
    式中、XはC≡Cであり、
    YはCHであり、
    nは0の整数であり、
    mは0〜1の整数であり、および
    色素は蛍光体である。
  2. がNOであり、かつRおよびRの少なくとも1つがHである、請求項1記載の化合物。
  3. がNOでない、請求項1記載の化合物。
  4. がHである、請求項1記載の化合物。
  5. が三リン酸である、請求項1記載の化合物。
  6. が以下の構造の基である、請求項2または3記載の化合物:
    Figure 0005513122
    式中、XはC≡Cであり、かつ色素は蛍光体である。
  7. およびRが、H、−CH、−CHCH、−CHCHCH、イソプロピル、tert−ブチル、フェニル、2−ニトロフェニル、および2,6−ジニトロフェニルからなる群よりそれぞれ独立に選択される、請求項2または3記載の化合物。
  8. およびRが、−CH、イソプロピル、またはtert−ブチルである、請求項7記載の化合物。
  9. およびRが、H、アルキルまたは芳香族基中に少なくとも1つのヘテロ原子を任意で含んでもよいアルキルおよび芳香族基からなる群よりそれぞれ独立に選択され、さらに該芳香族基が任意でアリールまたは多環式基であってよい、請求項2または3記載の化合物。
  10. 式(I)の化合物としてさらに定義される、請求項2または3記載の化合物。
  11. 式(II)の化合物としてさらに定義される、請求項2または3記載の化合物。
  12. 式(III)の化合物としてさらに定義される、請求項2または3記載の化合物。
  13. 式(IV)の化合物としてさらに定義される、請求項2または3記載の化合物。
  14. 式(V)の化合物としてさらに定義される、請求項2または3記載の化合物。
  15. 式(VI)の化合物としてさらに定義される、請求項2または3記載の化合物。
  16. 式(VII)の化合物としてさらに定義される、請求項2または3記載の化合物。
  17. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  18. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  19. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  20. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  21. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  22. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  23. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  24. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  25. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  26. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  27. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  28. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  29. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  30. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  31. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  32. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  33. 下記式によりさらに定義される、請求項1記載の化合物:
    Figure 0005513122
  34. 請求項1〜33のいずれか一項記載の3’−OH非ブロックヌクレオチドまたはヌクレオシドをポリメラーゼの環境下に配置する段階、および
    3’−OH非ブロックヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸分子中への取り込みを可能にする段階
    を含む、核酸合成を停止する方法。
  35. 3’−OH非ブロックヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込みの際、DNA合成の停止効率が約90%から約100%の範囲である、請求項34記載の方法。
  36. 3’−OH非ブロックヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み効率が、3’−OH非ブロックヌクレオチドまたはヌクレオシドと同じ塩基を有する天然ヌクレオチドまたはヌクレオシドの取り込み効率に比べて約70%から約100%の範囲である、請求項34記載の方法。
  37. 請求項1〜33のいずれか一項記載の化合物を停止ヌクレオチドアナログとして使用する段階を含む、サンガーまたはサンガー型配列決定を行う方法。
  38. (i)標的核酸をサンガーまたはサンガー型配列決定装置に加える段階;
    (ii)複数の型の塩基が存在し、各塩基が異なる蛍光体に結合されており、かつRは三リン酸、またはアルファ−チオ三リン酸であるという条件で、請求項1〜33のいずれか一項記載の1つまたは複数の化合物を該配列決定装置に加える段階;
    (iii)相補的プライマーおよびポリメラーゼ酵素を加える段階;
    (iv)ポリメラーゼ反応を行って段階(ii)の化合物の少なくとも1つを伸長中の核酸鎖に取り込む段階;ならびに
    (v)蛍光配列決定機器またはパルスマルチライン励起蛍光によってサンガー配列決定反応の結果を分析する段階
    を含む、標的核酸の配列を決定する方法であって
    段階(i)〜(iii)は任意の順序で行うことができる、方法。
  39. 段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みの後に、鎖伸長の停止が約90%から約100%の効率で起こる、請求項38記載の方法。
  40. ポリメラーゼ反応において、段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みが、同じ塩基を有する天然基質の取り込み効率の約70%から約100%で起こる、請求項38記載の方法。
  41. 取り込み効率が約85%から約100%で起こる、請求項40記載の方法。
  42. ポリメラーゼが逆転写酵素、ターミナルトランスフェラーゼ、およびDNAポリメラーゼからなる群より選択される、請求項38記載の方法。
  43. (i)標的核酸を配列決定装置に加える段階;
    (ii)複数の型の塩基が存在し、各塩基が異なる蛍光体に結合されており、かつRは三リン酸、またはアルファ−チオ三リン酸であるという条件で、請求項1〜33のいずれか一項記載の1つまたは複数の化合物を該配列決定装置に加える段階;
    (iii)ポリメラーゼ酵素を加える段階;および
    (iv)ポリメラーゼ反応を行って段階(ii)の化合物の少なくとも1つを伸長中の核酸鎖に取り込む段階
    を含む、非天然成分を核酸に取り込む方法であって、
    段階(i)〜(iii)は任意の順序で行うことができる、方法。
  44. (v)段階(ii)からの少なくとも1つの化合物の取り込みについて、ポリメラーゼ連鎖反応の結果を分析する段階
    をさらに含む、請求項43記載の方法。
  45. 段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みの後に、鎖伸長の停止が約90%から約100%の効率で起こる、請求項43記載の方法。
  46. ポリメラーゼ反応において、段階(iv)の少なくとも1つの化合物の取り込みが、同じ塩基を有する天然基質の取り込み効率の約70%から約100%で起こる、請求項43記載の方法。
  47. は三リン酸、またはアルファ−チオ三リン酸であるという条件で、請求項1〜33のいずれか一項記載の化合物をミニシーケンスまたはミニシーケンス型配列決定法に加える段階を含む、ミニシーケンスまたはミニシーケンス型配列決定を行う方法。
JP2009540462A 2006-12-05 2007-12-05 光開裂性標識ヌクレオチドとヌクレオシドおよび標識ヌクレオチドとヌクレオシドならびにdna配列決定におけるそれらの使用法 Active JP5513122B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/567,189 US7897737B2 (en) 2006-12-05 2006-12-05 3′-OH unblocked, nucleotides and nucleosides, base modified with photocleavable, terminating groups and methods for their use in DNA sequencing
US11/567,193 US7893227B2 (en) 2006-12-05 2006-12-05 3′-OH unblocked nucleotides and nucleosides base modified with non-cleavable, terminating groups and methods for their use in DNA sequencing
PCT/US2007/086559 WO2008070749A2 (en) 2006-12-05 2007-12-05 Photocleavable labeled nucleotides and nucleosides and labeled nucleotides and nucleosides and methods for their use in dna sequencing

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013263830A Division JP5781589B2 (ja) 2013-12-20 2013-12-20 光開裂性標識ヌクレオチドとヌクレオシドおよび標識ヌクレオチドとヌクレオシドならびにdna配列決定におけるそれらの使用法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011506265A JP2011506265A (ja) 2011-03-03
JP2011506265A5 JP2011506265A5 (ja) 2012-06-07
JP5513122B2 true JP5513122B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=39493724

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009540462A Active JP5513122B2 (ja) 2006-12-05 2007-12-05 光開裂性標識ヌクレオチドとヌクレオシドおよび標識ヌクレオチドとヌクレオシドならびにdna配列決定におけるそれらの使用法

Country Status (13)

Country Link
EP (1) EP2125856B1 (ja)
JP (1) JP5513122B2 (ja)
KR (1) KR101504640B1 (ja)
CN (1) CN102443030B (ja)
AU (1) AU2007329361B2 (ja)
BR (1) BRPI0719923B1 (ja)
CA (1) CA2670937C (ja)
HK (1) HK1169413A1 (ja)
IL (1) IL199051A (ja)
MX (2) MX338089B (ja)
NZ (1) NZ577303A (ja)
RU (1) RU2009121089A (ja)
WO (1) WO2008070749A2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7897737B2 (en) 2006-12-05 2011-03-01 Lasergen, Inc. 3′-OH unblocked, nucleotides and nucleosides, base modified with photocleavable, terminating groups and methods for their use in DNA sequencing
CA2727709C (en) 2008-06-11 2017-11-14 Lasergen, Inc. Nucleotides and nucleosides and methods for their use in dna sequencing
WO2017120148A1 (en) * 2016-01-04 2017-07-13 Quantumdx Group Limited Design, synthesis and use of synthetic nucleotides comprising charge mass tags
JP5818683B2 (ja) 2008-09-03 2015-11-18 クワンタムディーエックス・グループ・リミテッド 核酸配列決定のための方法およびキット
US10759824B2 (en) 2008-09-03 2020-09-01 Quantumdx Group Limited Design, synthesis and use of synthetic nucleotides comprising charge mass tags
EP3670523B1 (en) * 2011-09-13 2021-08-11 Agilent Technologies, Inc. 3'-oh unblocked, fast photocleavable terminating nucleotides and their use in methods for nucleic acid sequencing
CN104053498B (zh) * 2012-01-13 2017-05-03 皇家飞利浦有限公司 使用在线栅上再循环的试剂的dna测序
CN103602719B (zh) * 2013-04-07 2016-06-08 北京迈基诺基因科技有限责任公司 一种基因测序方法
WO2015015913A1 (ja) * 2013-07-31 2015-02-05 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 核酸分析用フローセル、及び核酸分析装置
GB201414098D0 (en) 2014-08-08 2014-09-24 Illumina Cambridge Ltd Modified nucleotide linkers
RU2582198C1 (ru) * 2014-11-20 2016-04-20 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Лимнологический институт Сибирского отделения Российской академии наук (ЛИН СО РАН) Аналоги природных дезоксирибонуклеозидтрифосфатов и рибонуклеозидтрифосфатов, содержащие репортёрные флуоресцентные группы, для использования в аналитической биоорганической химии
CN105001292A (zh) * 2015-07-14 2015-10-28 深圳市瀚海基因生物科技有限公司 一种光可断裂的荧光标记可逆终端化合物及其在dna或rna测序中的用途
GB201711219D0 (en) 2017-07-12 2017-08-23 Illumina Cambridge Ltd Short pendant arm linkers for nucleotides in sequencing applications
CN113272443A (zh) 2019-01-07 2021-08-17 安捷伦科技有限公司 用于单细胞中的基因组dna和基因表达分析的组合物和方法
CN110568039B (zh) * 2019-09-06 2021-05-04 中国科学院生物物理研究所 使用新型电化学传感器的氨基酸特异实时检测方法
GB2605404A (en) * 2021-03-30 2022-10-05 Sumitomo Chemical Co Sequencing method
WO2022263489A1 (en) * 2021-06-17 2022-12-22 F. Hoffmann-La Roche Ag Nucleoside-5 -oligophosphates having a cationically-modified nucleobase
CN114250283B (zh) * 2021-10-15 2022-10-04 深圳铭毅智造科技有限公司 基于环境敏感染料的单色荧光mrt基因测序试剂及方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5302509A (en) * 1989-08-14 1994-04-12 Beckman Instruments, Inc. Method for sequencing polynucleotides
YU187991A (sh) * 1990-12-11 1994-09-09 Hoechst Aktiengesellschaft 3-(2)-amino-ali tiol-modifikovani, s fluorescentnom bojom vezani nukleozidi, nukleotidi i oligonukleotidi, postupak za njihovo dobijanje i njihova upotreba
WO1998050047A1 (en) * 1997-05-09 1998-11-12 Trustees Of The University Of Pennsylvania Methods and compositions for reducing ischemic injury of the heart by administering adenosine receptor agonists and antagonists
US6586413B2 (en) * 1999-11-05 2003-07-01 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Methods and compositions for reducing ischemic injury of the heart by administering adenosine receptor agonists and antagonists
AU2001296645A1 (en) * 2000-10-06 2002-04-15 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Massive parallel method for decoding dna and rna
EP1410023B1 (en) * 2001-04-10 2006-06-21 Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne Methods using o6-alkylguanine-dna alkyltransferases
GB0128526D0 (en) * 2001-11-29 2002-01-23 Amersham Pharm Biotech Uk Ltd Nucleotide analogues
US7057026B2 (en) * 2001-12-04 2006-06-06 Solexa Limited Labelled nucleotides
HUE055068T2 (hu) 2002-08-23 2021-10-28 Illumina Cambridge Ltd Jelzett nukleotidok
CZ294538B6 (cs) * 2002-12-30 2005-01-12 Ústav Experimentální Botaniky Akademie Vědčeské Re Substituční deriváty N6-benzyladenosinu, způsob jejich přípravy, jejich použití pro přípravu léčiv, kosmetických přípravků a růstových regulátorů, farmaceutické přípravky, kosmetické přípravky a růstové regulátory tyto sloučeniny obsahující
CA2557818A1 (en) * 2004-03-03 2005-09-15 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Photocleavable fluorescent nucleotides for dna sequencing on chip constructed by site-specific coupling chemistry

Also Published As

Publication number Publication date
AU2007329361A1 (en) 2008-06-12
CN102443030A (zh) 2012-05-09
CA2670937C (en) 2016-07-26
IL199051A (en) 2013-11-28
CN102443030B (zh) 2015-12-16
NZ577303A (en) 2011-12-22
EP2125856A2 (en) 2009-12-02
CA2670937A1 (en) 2008-06-12
JP2011506265A (ja) 2011-03-03
MX338089B (es) 2016-04-01
MX2009005936A (es) 2010-01-15
HK1169413A1 (zh) 2013-01-25
KR20090101451A (ko) 2009-09-28
BRPI0719923B1 (pt) 2021-08-17
RU2009121089A (ru) 2011-01-20
AU2007329361B2 (en) 2013-07-18
EP2125856B1 (en) 2016-09-14
WO2008070749A3 (en) 2008-11-27
WO2008070749A2 (en) 2008-06-12
EP2125856A4 (en) 2013-12-25
KR101504640B1 (ko) 2015-03-20
BRPI0719923A2 (pt) 2014-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5513122B2 (ja) 光開裂性標識ヌクレオチドとヌクレオシドおよび標識ヌクレオチドとヌクレオシドならびにdna配列決定におけるそれらの使用法
US7897737B2 (en) 3′-OH unblocked, nucleotides and nucleosides, base modified with photocleavable, terminating groups and methods for their use in DNA sequencing
JP6196972B2 (ja) 5−メトキシ3’−oh非遮断高速光開裂性末端ヌクレオチドおよび核酸配列決定のための方法
EP1337541B1 (en) Massive parallel method for decoding DNA and RNA
EP2089343B1 (en) Click chemistry for the production of reporter molecules
JP5143953B2 (ja) ヌクレオチドおよびヌクレオシドならびにdna配列決定におけるその使用の方法
RU2073682C1 (ru) 3' и/или 2'-амино- или тиолмодифицированные нуклеозиды, нуклеотиды или олигонуклеотиды, способ получения соединений
US7893227B2 (en) 3′-OH unblocked nucleotides and nucleosides base modified with non-cleavable, terminating groups and methods for their use in DNA sequencing
JPH085908B2 (ja) アルキニルアミノヌクレオチド及びその製造方法
JP2005516595A (ja) ヘテロ配座ポリヌクレオチドおよび使用方法
JP5781589B2 (ja) 光開裂性標識ヌクレオチドとヌクレオシドおよび標識ヌクレオチドとヌクレオシドならびにdna配列決定におけるそれらの使用法
CA2754196A1 (en) Massive parallel method for decoding dna and rna

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101203

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130130

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130426

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130730

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130826

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140117

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5513122

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250