JP5512011B2 - 断熱箱用の真空断熱材 - Google Patents

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Description

本発明は断熱箱用の真空断熱材に係り、特に、冷熱機器へ使用して好適な断熱箱用の真空断熱材に関する。
近年、地球温暖化防止の観点から、家電製品の電力消費量の削減が求められている。特に一般家庭における冷蔵庫が占める電力消費量の割合は大きく、その削減は必要不可欠である。冷蔵庫の電力消費量削減のためには、圧縮機の高効率化と、断熱材の高性能化が重要になっている。
従来、断熱材としてポリウレタンフォーム(以下、PUFと称す)が用いられているが、近年、PUFよりも断熱性能に優れた真空断熱材がPUFと併用して使用されるようになっている。かかる真空断熱材は冷蔵庫に用いられるほか、保温庫、車両空調機、給湯器などの冷熱機器にも用いられている。
真空断熱材は、ガスバリア性(空気遮断性)のアルミ箔ラミネートフィルムなどからなる外包材の中に、粉末、発泡体、繊維体などが芯材として挿入され、内部が数Paの真空度に保持されている。
真空断熱材の芯材として、シリカなどの粉末、ウレタンなどの発泡体、ガラスなどの繊維体があるが、現在では断熱性能が最も優れた繊維体が主流になっている。
繊維体には、無機繊維、および有機繊維がある。無機繊維には、ガラス繊維、炭素繊維などがあり(例えば、特許文献1、4、6参照)、有機繊維には、ポリスチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ乳酸繊維、アラミド繊維、LCP(液晶ポリマー)繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、セルロース繊維などがある(例えば、特許文献2、3、5参照)。
特開平8−028776号公報(第2頁−第3頁) 特許第3656028号(第5頁) 特開2006−283817号公報(第7頁−第8頁) 特開2005−344870号公報(第7頁、図2) 特許第4012903号(第3頁) 特開2008−185220号(第4頁−第5頁)
特許文献1〜6では、真空断熱材に、ガラス繊維のような無機繊維やポリエステル等の有機繊維が芯材として使用されている。かかる真空断熱材を製造する際、芯材は一般的に所望の寸法よりも大きな芯材原反から切り出して利用する。しかし、真空断熱材は配設される場所に応じて要求寸法も異なるため、芯材原反の寸法により真空断熱材の寸法に制限が生じたり、原反の端部を切り落として使用した場合、その部分が無駄になってしまう。
近年、真空断熱材の芯材には、主にガラス繊維が用いられており、ガラス繊維芯材の端材は、再溶融し紡糸して再び芯材材料として利用することができるが、ガラスは溶融温度が高いため非常に多くのエネルギーを必要とする。
一方、ポリエステル等の熱可塑性樹脂繊維を用いた芯材があり、これらも端材を再溶融リペレットし、紡糸して再び芯材材料として利用することができるが、リペレットや紡糸時の熱履歴によって物性が低下するため、リサイクル比率が高くなると紡糸性が著しく低下し、製品の品質を損なってしまう。
このため、特許文献6では、ガラス繊維などの無機繊維の廃コア材、短冊状の廃材を利用して、資源の有効利用を図りつつ、断熱性能や強度的に強い真空断熱材を提供する技術が提案されている。しかしながら、廃コア材を利用する場合では、廃コア材を粉砕後、ホウ酸水溶液を含浸させて脱水し、繊維が水平になるように圧縮加工を行うなど煩雑な工程が必要である。また、短冊状の廃材を利用する場合においても、端材を分離させて並び替えるなどの工程が必要となるが、ガラス繊維は硬くて脆いため、製造時に粉塵が飛散して作業者の皮膚、粘膜などに付着すると刺激を受けるおそれがあり、取り扱い性や作業性に問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、長繊維の有機繊維集合体を芯材として用い、端材を生じさせることなく真空断熱材の要求寸法に対応することができ、取り扱い性、断熱性能、生産性に優れた断熱箱用の真空断熱材を提供することを目的とする。
本発明に係る断熱箱用の真空断熱材は、ガスバリア性容器に芯材を封入して減圧状態にした断熱箱用の真空断熱材であって、芯材は、シート状の繊維集合体が内周から外周に向かって連続して巻き付けられて積層構造とされたものである。
本発明によれば、資源の有効利用を図りつつ、取り扱い性、断熱性能、生産性に優れた断熱箱用の真空断熱材を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る真空断熱材の斜視図である。 図1の分解斜視図である。 図1の真空断熱材の芯材の積層状態を示す説明図である。 図1の真空断熱材の芯材の一部を断面で示した斜視図である。 図4の芯材の製造方法を示す説明図である。 図1の芯材の切れ目間隔が狭い真空断熱材の模式的説明図である。 図1の芯材の切れ目間隔が広い真空断熱材の模式的説明図である。 図4の芯材の端部の積層構造を示す要部側面図である。 図1の真空断熱材の芯材の一部を断面で示した他の例の斜視図である。 本発明の実施形態2に係る真空断熱材の芯材の一部を断面で示した斜視図である。 図10の芯材の製造方法を示す説明図である。 本発明の実施形態3に係る真空断熱材の芯材の説明図である。 図12の芯材の製造方法を示す説明図である。 図12の芯材の製造方法を示す説明図である。 本発明の実施形態4に係る断熱箱を模式的に示す断面図である。
[実施の形態1:真空断熱材]
本発明の実施の形態1に係る真空断熱材5は、図1、図2に示すように、空気遮断性を有するガスバリア性容器2(以下、外包材という)と、外包材2に封入された芯材1およびガス吸着剤3とを有しており、外包材2の内部は所定の真空度に減圧されている。
真空断熱材5の外包材2は、ナイロン、アルミ蒸着PET、アルミ箔、高密度ポリエチレンで構成された、ガスバリア性のあるプラスチックラミネートフイルムからなる。
また、外包材2に封入された芯材1は、図3に示すように、複数のシート状(帯状)の繊維集合体(不織布)を積層したもので、この繊維集合体は長繊維の有機繊維集合体であり、例えば熱エンボス加工が施されたポリエステルの有機繊維不織布である。
さらに、吸着剤3は、芯材1を構成する有機繊維集合体の飽和水分量を吸収することができるCaOである。
以下に、真空断熱材5の芯材1の構成について詳述する。
本実施の形態1は、図4に示すように、それぞれ複数の有機繊維集合体10、11からなる2枚のシート状の長繊維の第1、第2の有機繊維集合体(以下、複数有機繊維集合体100、110という)を、内周から外周に向かって連続して巻き付け、ロール状にして積層したもので、このようにすることによって有機繊維集合体10、11同士が離れるのを防止することができ、強度や取り扱い性に優れた芯材1を得ることができる。
この芯材1は、幅方向イの寸法よりも小さい寸法Xのシート状の長繊維の有機繊維集合体(又は有機繊維不織布)10a〜10d、11a〜11dを幅方向イに例えば4個並列させて、シート状の第1、第2の複数有機繊維集合体100、110を形成し、これを巻回してロール状に積層したものである。このとき、第1、第2の複数有機繊維集合体100、110を構成する有機繊維集合体10a〜10d、11a〜11dのそれぞれの合わせ目部分12、13が上下で重ならないように、幅方向イに交互にずらしている。なお、ロール状に積層した芯材1の最初の巻き付け部(中央部)Oにおいては、同一層(本実施の形態1では第2の複数有機繊維集合体110)が折れ曲がって対向することになるため、合わせ目部分13は同一位置になる。
例えば、図4において、第1の複数有機繊維集合体100の合わせ目部分12が上下の同じ位置にあり、第2の複数有機繊維集合体110の合わせ目部分13が上下の同じ位置にあるが、これら合わせ目部分12と13は交互にずれている。ただし、上述したように、最初の巻き付け部(中央部)Oにおいては、同一層である第2の複数有機繊維集合体110が折れ曲がって対向しているため、合わせ目部分13は同一位置になる。
若し、第1、第2の複数有機繊維集合体100、110の合わせ目部分12、13が重なってしまうと、合わせ目部分12、13で有機繊維集合体10、11が離れてしまい、芯材1が一体とならないため取り扱い性が悪くなる。すなわち、芯材1を外包材2の内部に封入し減圧して真空断熱材5を形成した場合に、合わせ目部分12、13が薄くなるため折れやすくなり、1枚の真空断熱材5として十分な強度を確保することは難しくなる。このため、第1、第2の複数有機繊維集合体100、110は上下に隣接する層で合わせ目部分12、13を幅方向イにずらすことにより、合わせ目部分12、13の間の有機繊維集合体10、11の摩擦を利用してずれるのを防止し、平滑な表面を得ることができる。
上記のように構成した真空断熱材5の製造方法について説明する。
図5に示すように、幅Xの有機繊維集合体10をコイル状に巻いてなる個別ロール20を(図5(a)参照)、幅方向イ(ロールの軸方向)に4個並べた複数有機繊維集合体100(以下、集合ロール200という)(図5(b)参照)、2セット用意し、それぞれ個別ロール20a〜20d、21a〜21dからなる集合ロール200、210を前後方向ロ(ロールの軸方向と直交する方向)に2セット(奥側に位置する第1の集合ロール200と手前側に位置する第2の複数ロール210の2セット)並べて、同時に巻き枠22で巻き取る(図5(c)参照)。この場合、前後方向ロに配設した第1、第2の集合ロール200、210を幅方向イにずらして、第1、第2の複数有機繊維集合体100、110の合わせ目部分12、13の位置をずらすようにしてある(図5(d)参照)。
こうして、第1、第2の集合ロール200、210の有機繊維集合体10、11を2セット分同時に巻き枠22に巻き取り、図4に示すような芯材1を形成する。最初の巻き付け部Oを除き、合わせ目部分12、13が上下で異なる層が交互に積み重なっていくために、強度を確保することができ、平滑な表面を得ることが出来る。
上記の説明では、個別ロール20a〜20d、21a〜21dを幅方向イに4個並べて集合ロール200、210を構成した場合を示したが、2個〜3個、もしくは5個以上を並設してもよい。また、集合ロール200、210は2セット用意して前後方向ロに並べた場合を示したが、3セットまたはそれ以上並べてもよい。
こうして形成された芯材1を吸着剤3と共にガスバリア性の外包材2に挿入し、真空包装機を用いて、例えば2.0Pa以下に一定時間保持した後に封止して、真空断熱材5を形成する。なお、吸着剤3は、芯材1であるポリエステルの有機繊維集合体10、11の飽和水分量を吸収することができるCaOを用いたが、合成ゼオライトなどのガス吸着剤を併用してもよい。
この場合、繊維集合体としてグラスウールなどの無機繊維を用いた場合は、バインダー加工のないものはロールでの巻取り加工が困難であり、また、バインダー加工が施してあっても、繊維自体が硬くて脆いため折損するなどして製造が困難で、粉が発生して作業環境の悪化や断熱性能の悪化を招くため同様の方法による実施は難しい。
有機繊維集合体10a〜10d、11a〜11dからなる個別ロール20a〜20d、21a〜21dは、原反ロールから所望の寸法の芯材を切出した後の端材ロールでもよく、従来はロスとなっていた端部の芯材材料であっても、この方法を用いると、再溶融リペレットのような加工をせず、そのまま使用できるため、熱劣化といった問題がなく材料を有効利用できる。なお、有機繊維集合体10a〜10d、11a〜11dからなる個別ロール20a〜20d、21a〜21dは、合わせ目の間隔が安定するよう均一な寸法のものを用いるとよりよい。
真空断熱材5の幅方向イの寸法は、並べる個別ロール20a〜20d、21a〜21dの個数や寸法を変えることによって調整することができる。また、真空断熱材5の奥行き寸法(前後方向ロの寸法)は巻き枠22の幅を変えることにより調整することができ、異なる寸法の真空断熱材5の芯材1を作成する場合においても、大規模な設備、装置の変更は必要としない。
真空断熱材5の芯材1を構成する複数有機繊維集合体100、110の合わせ目部分12、13には、図6(a)に示すように、真空包装時の取り扱いや減圧パック時のずれなどによって、真空断熱材5の表面に溝14が形成されることがある。この場合、合わせ目部分12、13の間隔を10mm以下と狭く設定すると、上下の層の合わせ目間のラップ面積が小さくなるので、この間の幅方向イに作用する摩擦力が小さくなり、10mm以下に近接した2本の溝14の部分で、図6(b)に示す真空断熱材5のように容易に折り曲げることができ、折り曲げた部分の包装材には無理な負荷がかからないため破損しにくい。これにより、断熱箱などの平面でない部分にも配設することができ、より断熱性能に優れた箱などを形成することができる。
また、合わせ目部分12、13の間隔を20mm以上に広く設定すると、上下の層の合わせ目間のラップ面積が大きくなるので、この間の幅方向イに作用する摩擦力が大きくなる。これにより真空包装時の取り扱いや減圧パック時のずれなどが小さくなるので、図7に示すように、真空断熱材5の表面に現れる合わせ目は僅かとなり、強度的に、合わせ目のないシート状のものを積層して作成した真空断熱材と比較して同等の真空断熱材5を得ることができる。
本実施の形態1においては、幅方向イが同じ寸法の個別ロール20a〜20d、21a〜21dを使用した場合は(図4〜図5参照)、図8の要部拡大図のように、芯材1の端部15に薄くなる箇所が生じ、中央部分の半分ほどの厚さの段差状になっているため、この端部15を配設の際の目安や、位置ずれ防止として利用することができる。
また、図9に示すように、第1の複数有機繊維集合体100の幅方向イの両端に位置する有機繊維集合体10a、10dの幅寸法を、その間に位置する有機繊維集合体10b、10cの幅寸法と異なるようにすることにより、具体的には、図の右側の有機繊維集合体10dの幅寸法をXよりも幅狭にし、図の左側の有機繊維集合体10aの幅寸法をXよりも幅広にすることにより、すなわち製造時において、幅寸法Xの個別ロール20b〜20cに、これよりも幅狭の個別ロール20dおよび幅広の個別ロール20aを組み合わせることで、第1の複数有機繊維集合体100の巻き取り後の幅方向イの端部を、第2の複数有機繊維集合体110の巻き取り後の幅方向イの端部と揃えて、凹凸をなくすことができる。この場合、一方の端部側の有機繊維集合体10dの幅を狭くした分だけ、他方の端部側の有機繊維集合体10aの幅を広くする。なお、上記の場合において、第2の複数有機繊維集合体110の有機繊維集合部11a〜11dの幅寸法はすべてXで等しい。
こうして、個別ロール20a〜20d、21a〜21dの幅を調整して、要求に合わせた寸法の真空断熱材5を作成することができる。なお、均一な幅Xの有機繊維集合体10、11でなくても、合わせ目部分12、13が重ならなければ、強度的に優れた真空断熱材5を作成することができる。
上記のようにして得られた真空断熱材5は、外包材2の表面に帯状の有機繊維集合体10a〜10d、11a〜11d同士の合わせ目部分12、13が若干線状に現れるが、表面平滑性は、所望する真空断熱材の寸法にあわせた有機繊維集合体を積層して得られる真空断熱材と比べて大差ないものであった。また、この真空断熱材5の断熱性能を熱伝導率で評価した。熱伝導率は、英弘精機社製熱伝導率測定機で測定を行った。従来の所望する芯材の寸法にあわせた有機繊維集合体を積層して得られる真空断熱材の熱伝導率2.26mW/m・Kと比較して、2.28mW/m・Kと同等の値が得られた。
本実施の形態1によれば、真空断熱材5の寸法変更への対応が容易で、取り扱い性、断熱性能、強度に優れた真空断熱材5、およびその製造方法を得ることができる。また、有機繊維集合体の原反ロールから所望の幅の有機繊維集合体を切出した際にロスとなる端部も、再溶融リペレットなどの熱加工をすることなくそのまま製品として利用できるため、省力化、資源の有効利用が可能である。また、個別ロール20を複数並べたものを数セット同時に巻き取るため、時間短縮により生産性の上でも優れる。
[実施の形態2:真空断熱材]
図10は本発明の実施の形態2に係る真空断熱材の芯材を示す斜視図である。
実施の形態1では、2枚のシート状の有機繊維集合体10、11を内周から外周に向かって連続して巻き付け積層して芯材1を形成したが、本実施の形態2は、1枚のシート状の有機繊維集合体10を、巻き枠を左右に移動させながら、内周から外周に向かって連続して巻き付け積層して芯材1を形成するようにしたものである。
この芯材1は、幅方向イの寸法よりも小さい寸法Xのシート状の長繊維の有機繊維集合体10a〜10dからなる個別ロール20a〜20dを幅方向イに例えば4個並列させて、シート状の長繊維の複数有機繊維集合体100を形成し、これをロール状に積層したものである。このとき、複数有機繊維集合体100を構成する有機繊維集合体10a〜10dの合わせ目部分12が上下で重ならないように、幅方向イにずらしている。すなわち、合わせ目部分12は、最初の巻き付け部(中央部)Oより上下方向に一方の端部側(図10の右端部側)に一定の間隔でずれて積層され、次に他方の端部側(図10の左端部側)に同間隔でずれて積層されて、これをく字状に繰り返している。
上記のように構成した真空断熱材5の製造方法について説明する。
図11に示すように、幅Xの個別ロール20a〜20dを軸方向(幅方向イ)に例えば4個並べたものを集合ロール200として1セット用意し、それぞれの個別ロール20a〜20dは同じ幅Xの有機繊維集合体10a〜10dで形成されており、これを集合ロール200の幅方向イとほぼ並行に配設したスライド式の巻き枠22で巻き取る。このとき、各有機繊維集合体10a〜10dの合わせ目部分12が重ならないように、スライド式の巻き枠22を1周ごとに幅方向イに少しずつずらしながら巻き付けていく。そして、一定数または一定長さ分だけ巻き付けたら、折り返して逆向きにずらしながら同様にして巻き付けていく。
本実施の形態2によれば、1セットの集合ロール200のみを用いるだけで、芯材1を容易に形成することができる。
本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、真空断熱材5の寸法は並べる個別ロール20a〜20dの個数と、巻き枠22の幅を変えることにより自由に調整することができる。そして、一周分のずらす幅を5mm前後、往復させる範囲を30mmとしたときに、強度、断熱性能に優れた真空断熱材5を得ることができた。
本実施形態2によれば、個別ロール20の幅を変えることなく、芯材1の寸法を変えることができ、取り扱い性、断熱性能、強度に優れた真空断熱材5を得ることができる。また、有機繊維集合体の製造時にロスになる端部も再溶融、リペレットなどの加工をすることなくそのまま製品として利用できるため、省力化、資源の有効利用が可能である。また複数(例えば4つ)の個別ロール20a〜20dを並べたものから有機繊維集合体10a〜10dを同時に巻き取るため、製造時間が短縮されて生産性を向上することができる。
[実施の形態3:真空断熱材]
図12は本発明の実施の形態3に係る真空断熱材5の芯材1の巻きパターンを示す説明図である。
実施の形態1では、2セットのシート状の有機繊維集合体10、11を内周から外周に向かって連続して巻き付け積層して芯材1を形成した場合を示したが、本実施の形態3は、単一の個別ロール20からなる有機繊維集合体10を巻き枠に対して一定の角度を傾けながら巻き付けて積層し、芯材1を形成するようにしたものである。
芯材1は、幅方向イの寸法よりも小さい寸法Xのシート状の有機繊維集合体10を巻き枠22に上下に積層して傾斜して巻回したものである。このとき、有機繊維集合体10の前後の合わせ目部分12が幅方向イに傾斜して平行に配設され、上下に隣接する有機繊維集合体10の合わせ目部分12が逆方向に傾斜して平行に配設されている。
この場合、隣接する有機繊維集合体10を合わせ目部分12で重ねない巻き方(図12(a)参照)や、隣接する有機繊維集合体10の幅寸法の例えば1/3の長さ分12aだけ重ねる巻き方(図12(b)参照)、あるいは、隣接する有機繊維集合体10の幅寸法の例えば2/3の長さ分12bだけ重ねる巻き方(図12(c)参照)などがある。
上記のように構成した真空断熱材5の製造方法について説明する。
図13に示すように、幅Xの有機繊維集合体10が巻かれた個別ロール(単一ロール)20を1つのみ用意し、これをスライド式の巻き枠22に巻き取る。このとき、個別ロール20の軸方向を、巻き枠22の軸方向に対して一定の角度傾けながら巻き付けていき、所定の寸法分の幅を巻き付けたところで折り返し、同様にして巻き付けていく。図14に示すように、有機繊維集合体10の合わせ目部分12を上からさらに異なる傾斜角で覆っていくために、この方法で得られた芯材1を用いた真空断熱材5は十分な強度を確保することができる。このようにして、本実施の形態3では、1本の個別ロール20のみを用いて、所望する寸法の芯材1を得ることができる。なお、必要な真空断熱材5の寸法は、巻き枠22の幅と、巻き付ける幅、回数によって調整することができる。
本実施の形態3によれば、一定幅の個別ロール20を用いて自由な真空断熱材5の寸法に対応することができ、取り扱い性、断熱性能、強度に優れた真空断熱材5を得ることができる。また、有機繊維集合体の製造時にロスとなった端部も加工することなくそのまま製品として利用できるため、省力化、資源の有効利用が可能である。
[実施の形態4:断熱箱]
図15は本発明の実施の形態4に係る断熱箱(本実施の形態では冷蔵庫を示す)の断面図である。
図15において、断熱箱である冷蔵庫30は、外箱31と、外箱31の内部に配置された内箱32と、外箱31と内箱32との間に配置された真空断熱材5およびポリウレタンフォーム(断熱材)33と、内箱32内に冷熱を供給する冷凍ユニット(図示せず)とを有している。なお、外箱31および内箱32は、共通する面にそれぞれ開口部(図示せず)が形成されており、この開口部に開閉扉(図示せず)が設けられている。
上記の冷蔵庫30において、真空断熱材5の外包材2はアルミ箔を含んでいるため(図1参照)、このアルミ箔を通って熱が回り込むヒートブリッジが生じるおそれがある。このため、ヒートブリッジの影響を抑制するため、真空断熱材5は樹脂成形品であるスペーサ34を用いて、外箱31の塗装鋼板から離して配設されている。なお、スペーサ34は後工程で断熱壁内に注入されるポリウレタンフォームにボイドが残らないように、流動を阻害しないための孔が、適宜設けられている。
すなわち、冷蔵庫30は、真空断熱材5、スペーサ34およびポリウレタンフォーム33によって形成された断熱壁35を有している。なお、断熱壁35が配置される範囲は限定するものではなく、外箱31と内箱32との間に形成される隙間の全範囲であっても、あるいは一部であってもよく、また、前記開閉扉の内部に配置してもよい。
上記のように構成した冷蔵庫30は、使用済みとなった場合、家電リサイクル法に基づき、各地のリサイクルセンターで解体、リサイクルされる。
この際、従来のように冷蔵庫の真空断熱材の芯材が無機粉末である場合は、破砕処理を行う際、粉末が飛散して、箱体のまま破砕処理を行うことはできず、冷蔵庫箱体から真空断熱材を取り外すに際して非常に手間がかかる。
また、従来のように冷蔵庫の真空断熱材の芯材がガラス繊維である場合は、箱体のまま破砕処理することができ、破砕後のガラス繊維はポリウレタンフォームの粉砕物に混じってサーマルリサイクルに供されるが、この際、燃焼効率を低下させたり、燃焼後の残渣になったりするなどリサイクル性に難点がある。
これに対して、本発明に係る冷蔵庫30は、繊維集合体(有機繊維集合体10、11)によって形成された芯材1が配設された真空断熱材5を有するため、真空断熱材5を取り外すことなく破砕処理を行うことができ、サーマルリサイクルに際して燃焼効率を下げたり、残渣となったりすることがなく、リサイクル性がよい。
上記の説明では、断熱箱が冷蔵庫30である場合を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、保温庫、車両空調機、給湯器などの冷熱機器あるいは温熱機器、さらには、所定の形状を具備する箱に替えて、変形自在な外袋および内袋を具備する断熱袋(断熱容器)であってもよい。
これらの場合に、断熱箱では、温度調整手段を設けて、内箱の内部の温度を調整するようにしてもよい。
1 芯材、2 外包材(ガスバリア性容器)、5 真空断熱材、10、11 有機繊維集合体、12、13 合わせ目部分、20a〜20d、21a〜21d 個別ロール、22 巻き枠、31 外箱、32 内箱、33 ポリウレタンフォーム(断熱材)、34 スペーサ、100、110 複数有機繊維集合体、200、210 集合ロール。

Claims (6)

  1. ガスバリア性容器に芯材を封入して減圧状態にした断熱箱用の真空断熱材であって、
    前記芯材は、シート状の繊維集合体が内周から外周に向かって連続して巻き付けられて積層構造とされたものである
    ことを特徴とする断熱箱用の真空断熱材。
  2. 前記芯材は、
    前記シート状の繊維集合体を複数並列したシート状の複数繊維集合体が、内周から外周に向かって連続して巻き付けられて積層構造とされたものであり、
    前記シート状の複数繊維集合体は、
    複数並列した前記シート状の繊維集合体の端面同士が対向する合わせ目部分を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の断熱箱用の真空断熱材。
  3. 前記シート状の複数繊維集合体の前記合わせ目部分が、積層方向に隣接する前記シート状の複数繊維集合体の合わせ目部分と重ならないように配置されている
    ことを特徴とする請求項2記載の断熱箱用の真空断熱材。
  4. 前記シート状の複数繊維集合体が、同一幅の前記シート状の繊維集合体からなる
    ことを特徴とする請求項2または3記載の断熱箱用の真空断熱材。
  5. 前記シート状の複数繊維集合体が、
    2種以上の幅の前記シート状の繊維集合体からなり、前記芯材の幅方向の端部位置をそろえた
    ことを特徴とする請求項2または3記載の断熱箱用の真空断熱材。
  6. 前記断熱箱が冷蔵庫である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の断熱箱用の真空断熱材。
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