以下、本発明を実施するための形態について述べる。プロジェクタ10は、光源ユニット60と、表示素子51と、光源ユニット60からの光を表示素子51に集光する光源側光学系170と、表示素子51から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系220と、光源ユニット60や表示素子51を制御するプロジェクタ制御手段と、を備える。このプロジェクタ制御手段には、光源ユニット60における第一光源71及び第二光源121の発光を個別に制御する光源制御手段が備えられている。
そして、この光源ユニット60は、青色光源装置70と、蛍光発光装置100と、赤色光源装置120と、導光光学系140と、を備える。青色光源装置70は、青色波長帯域の光を発するレーザー発光器である第一光源71を複数有している。赤色光源装置120は、赤色波長帯域の光を発するレーザー発光器である第二光源121を複数有している。
また、蛍光発光装置100は、円板状の基材から成る蛍光ホイール101と、蛍光ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、を備えている。円板形状の蛍光ホイール101は、第一光源71や第二光源121から射出される光を拡散して透過する拡散透過部104と、第一光源71からの射出光を励起光として受けて緑色波長帯域の蛍光光を発する緑色蛍光体の層が形成された蛍光発光部103と、が周方向に並設されているものである。この蛍光発光部103には、光を反射する反射面が形成され、該反射面上に励起光を受けて蛍光光を発する蛍光体の層が形成されている。
そして、蛍光ホイール101は、第一光源71及び第二光源121の光路上に配置されている。また、光源制御手段が、第一光源71及び第二光源121の発光を個別に制御することで、第一光源71及び第二光源121は、回転する蛍光ホイール101の拡散透過部104と蛍光発光部103とにレーザー光を照射することができるようになっている。なお、第二光源121は、回転する蛍光ホイール101の拡散透過部104にのみ赤色波長帯域のレーザー光を照射することができればよいため、光源制御手段は、第二光源121からの光が拡散透過部104に照射されるように第二光源121の発光を制御する。
これにより、回転する蛍光ホイール101の拡散透過部104に青色波長帯域のレーザー光が照射されたときには青色波長帯域の光が拡散透過され、蛍光発光部103に青色波長帯域のレーザー光が照射されたときには緑色蛍光体から緑色波長帯域の蛍光光が発せられることになる。また、回転する蛍光ホイール101の拡散透過部104に赤色波長帯域のレーザー光が照射されたときには赤色波長帯域の光が拡散透過されることになる。
つまり、この蛍光ホイール101は、回転する当該蛍光ホイール101に第一光源71又は第二光源121からのレーザー光が照射されることにより、蛍光発光部103に第一光源71からの青色波長帯域のレーザー光を励起光として受けることで緑色波長帯域の蛍光光を発し、拡散透過部104に第一光源71からの青色波長帯域のレーザー光を受けることで、この青色光を拡散して射出し、拡散透過部104に第二光源121からの赤色波長帯域のレーザー光を受けることで、この赤色光を拡散して射出する、即ち光の三原色の波長帯域光を射出可能な蛍光板として機能する。
また、導光光学系140は、蛍光発光装置100の蛍光ホイール101から射出される赤色、緑色及び青色波長帯域の光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に導光する構成とされる。この導光光学系140は、第一光軸変換部材1と、第二光軸変換部材2と、第三光軸変換部材3と、第四光軸変換部材4と、複数のレンズと、から構成される。
第一光軸変換部材1は、第一光源71及び第二光源121から射出される光の光路上において、第一光源71及び第二光源121と蛍光ホイール101との間に配置されるクロスダイクロイックプリズムである。この第一光軸変換部材1は、第一光源71の光軸と第二光源121の光軸とが交差する位置に、第一光源71から射出される光を透過させ第二光源121から射出される光を反射するダイクロイック面1aを有する。また、この第一光軸変換部材1は、第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸の向きを変換させることなく当該第一光源71及び第二光源121から射出される光を透過させ、且つ、蛍光発光部103から射出される蛍光光の光軸の向きを変換させるように当該蛍光光を反射させるダイクロイック面1bを有する。
第二光軸変換部材2は、第一光源71及び第二光源121から射出される光の光路上において、蛍光ホイール101に対して第一光源71及び第二光源121とは反対側の位置に配置される。この第二光軸変換部材2は、蛍光ホイール101の拡散透過部104を透過する第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸の向きを90度変換させる通常の反射ミラーとされる。
第三光軸変換部材3は、第二光軸変換部材2により変換される第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸上に配置され、この光軸を90度変換させる通常の反射ミラーとされる。
第四光軸変換部材4は、第一光軸変換部材1により変換される蛍光発光部103から射出される蛍光光の光軸と、第三光軸変換部材3により変換される第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸と、が交差する位置に配置される。そして、第四光軸変換部材4は、第三光軸変換部材3により変換される第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸の向きを変換させることなく、且つ、第一光軸変換部材1により変換される蛍光光の光軸の向きを90度変換させるダイクロイックミラーとされる。
つまり、第三光軸変換部材3及び第四光軸変換部材4が、第一光軸変換部材1により変換された蛍光光の光軸や第二光軸変換部材2で変換された第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸を更に変換させることにより、蛍光ホイール101から射出される各色波長帯域光を同一方向に向いた同一光路上に導くことができる。
そして、ライトトンネル175に導かれた各色光は、光学系ユニット160内の光源側光学系170により表示素子51に集光され、投影側光学系220によりスクリーンに投射されることとなる。
つまり、この光源ユニット60は、プロジェクタ制御手段における光源制御手段が、第一光源71及び第二光源121を個別に発光させる制御を実行することで、1フレームにおいて当該光源ユニット60から赤色、緑色及び青色波長帯域の単色光を個別に射出させることができる。そして、プロジェクタ10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を生成することができる。
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施例において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
そして、プロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔18が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15における背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について図2及び図3の機能ブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。この制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
そして、このプロジェクタ制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット60から射出された光線束、即ち光源ユニット60の導光光学系により所定の一面に導光された光線束を光源側光学系を介して表示素子51に集光することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、後述する投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
また、画像圧縮伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行なう。
そして、筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
また、制御部38には光源ユニット駆動回路41が接続されており、この制御部38及び光源ユニット駆動回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光源光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット60を制御する光源制御手段として機能する。具体的には、図3に示すように、制御部38は、光源駆動回路41aを制御して、光源ユニット60における青色光源装置の第一光源71及び赤色光源装置の第二光源121の発光を個別に制御する。また、制御部38は、回転モータ駆動回路41bを制御することで、ホイールモータ110を駆動して蛍光発光装置の蛍光ホイール101を所定の回転数で円周方向に回転させる。
そして、ホイールモータ110には、回転位置を検出できる回転位置検出手段56が接続されている。回転位置検出手段56は、蛍光ホイール101の面上の一部に設けられるマークを光検出する光センサ、又はホール素子などを用いた磁気センサであり、この光センサ又は磁気センサにより検出された回転位置データが制御部38に送出される。
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から複数個の冷却ファンの回転速度を個別に制御する。また、制御部38及び冷却ファン駆動制御回路43は、タイマー等によりプロジェクタ本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図4は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図示するように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えて成る。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される青色光源装置70と、この青色光源装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100と、この蛍光発光装置100の右側に配置される赤色光源装置120と、蛍光発光装置100における蛍光ホイール101から射出される各色波長帯域光の光軸が同一の光軸となるように変換して、各色波長帯域光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に導光する導光光学系140と、を備える。
青色光源装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の第一光源71から成る光源群、各第一光源71からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する複数の反射ミラー75、複数の反射ミラー75で反射した各第一光源71からの射出光を集光する集光レンズ78、及び、第一光源71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81、冷却ファン261等を備える。
光源群は、青色波長帯域の光を発する半導体発光素子である第一光源71がマトリクス状に配列されて成る。また、第一光源71としては指向性の高い光線束を射出可能な高出力レーザー発光器を採用することが好ましい。また、各第一光源71の光軸上における各第一光源71の射出側には、各第一光源71からの射出光の指向性を高めるように平行光に変換する集光レンズであるコリメータレンズ73が夫々配置されている。そして、複数の反射ミラー75は、階段状に配列されて、各第一光源71から射出される光源光束同士の間隔を狭めることにより、光源群から射出される光線束の断面積を水平方向において縮小して、集光レンズ78に向けて反射する。
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって第一光源71が冷却される。さらに、反射ミラー75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー75や集光レンズ78、第一光源71が冷却される。
赤色光源装置120は、第一光源71の光軸と平行となるように配置された複数の第二光源121から成る光源群を備えている。光源群は、赤色波長帯域の光を発する半導体発光素子である第二光源121がマトリクス状に配列されて成る。また、第二光源121としては、第一光源71と同じく、指向性の高い光線束を射出可能な高出力レーザー発光器を採用することが好ましい。また、各第二光源121の光軸上における各第二光源121の射出側には、各第二光源121からの射出光の指向性を高めるように平行光に変換する集光レンズであるコリメータレンズ123が夫々配置されている。
また、赤色光源装置120は、コリメータレンズ123からの光を集光する集光レンズ125を備える。さらに、赤色光源装置120は、第二光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって第二光源121が冷却される。
蛍光発光装置100は、第一光源71及び第二光源121の光路上に配置される円板形状の蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を円周方向に回転させる駆動装置であるホイールモータ110と、を備える。蛍光ホイール101は、正面パネル12と平行となるように、つまり、青色光源装置70からの射出光の光軸と直交するように、且つ、赤色光源装置120からの射出光の光軸と直交するように配置される。これにより、第一光源71及び第二光源121から射出される光は、蛍光ホイール101の一方の面に照射されることになる。
この蛍光ホイール101は、図5(a)、(b)に示すように、円板状の銅やアルミニウム等から成る金属基材であって、この基材には円弧状の切欠き部102が設けられている。この切欠き部102は、基材の一方の面から他方の面、即ち第一光源71が配置される側の面から反対側の面までを貫通開口とするものである。
そして、この蛍光ホイール101は、第一光源71が配置される側の面に設けられる凹部に蛍光発光部103を有し、切欠き部102に拡散透過部104を有する。蛍光発光部103は、青色光源装置70の第一光源71からの射出光を励起光として受けて緑色波長帯域の蛍光光を発する緑色蛍光体が、耐熱性を有し且つ透光性の高いシリコン樹脂等のバインダに均一に混合されることで層を成し、円弧状を呈している。また、基材の第一光源71側の表面には、光を反射する反射面が形成されるように銀蒸着等によってミラー加工がなされており、このミラー加工された凹部の表面、即ち反射面上に蛍光体の層が形成されている。
そして、拡散透過部104は、入射される光の波長帯域を変換することなく当該入射光に拡散して透過する光学部品である。この拡散透過部104は、例えば、ガラス材の一方の面にブラスト処理を施すことによって微細凹凸が形成されているものである。また、この拡散透過部104は、蛍光ホイール101の円弧状の切欠き部102に対応した円弧状であって、この円弧状の切欠き部102を塞ぐように配設される。つまり、この蛍光発光部103と、拡散透過部104とは、第一光源71が配置される側となる面において周方向に並設されている。
この光源ユニット60は、第一光源71及び第二光源121からのレーザー光を回転する蛍光ホイール101における蛍光発光部103と、拡散透過部104と、に後述する導光光学系によって、照射可能とされている。なお、第二光源121は、回転する蛍光ホイール101の拡散透過部104にのみ赤色波長帯域のレーザー光を照射することができればよいため、光源制御手段は、第二光源121からの光が拡散透過部104に照射されるように第二光源121の発光を制御する。
光源制御手段が第一光源71及び第二光源121を個別に発光させて、第一光源71からの青色レーザー光を蛍光発光部103に入射させることで、蛍光発光部103から緑色蛍光光を射出させ、第一光源71からの青色レーザー光を拡散透過部104に入射させることで、拡散透過部104から拡散された青色光を射出させることができ、第二光源121からの赤色レーザー光を拡散透過部104に入射させることで、拡散透過部104から拡散された赤色光を射出させることができる。
また、この蛍光発光装置100は、図4に示したように、青色光源装置70から射出される光線束を蛍光ホイール101に集光するとともに蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、蛍光ホイール101から正面パネル12方向に射出される光線束を集光する集光レンズ115と、を備えている。
そして、上記した青色光源装置70における各第一光源71から射出されたレーザー光が励起光として蛍光ホイール101の蛍光発光部103に照射されると、蛍光発光部103における緑色蛍光体が励起されて、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された緑色光が直接背面パネル13側へ、あるいは、蛍光ホイール101の表面で反射した後に背面パネル13側へ射出され、集光レンズ群111に入射する。また、上記した青色光源装置70における各第一光源71から射出された青色波長帯域のレーザー光が蛍光ホイール101の拡散透過部104に照射されると、入射した青色レーザー光が微細凹凸によって拡散して透過され、集光レンズ115に入射する。同様に、上記した赤色光源装置120における各第二光源121から射出された赤色波長帯域のレーザー光が蛍光ホイール101の拡散透過部104に照射されると、入射した赤色レーザー光が微細凹凸によって拡散して透過され、集光レンズ115に入射する。
そして、蛍光ホイール101から射出される赤色、緑色、青色波長帯域の光は、光源ユニット60の導光光学系140により所定の一面であるライトトンネル175の入射口に導光されることになる。さらに、ライトトンネル175に導かれた各色光は、光学系ユニット160内の光源側光学系170により表示素子51に集光され、投影側光学系220によりスクリーンに投射されることとなる。なお、導光光学系140のレイアウトについては後述する。
この光学系ユニット160は、青色光源装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、導光光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に集光する光源側光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する光源側光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とする導光装置としてのライトトンネル175や、このライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変更ミラー181等がある。
画像生成ブロック165は、光源側光学系170として、光軸変更ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185と、を有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としての集光レンズ195が配置されている。
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
このようにプロジェクタ10を構成することで、蛍光ホイール101を回転させるとともに青色光源装置70及び赤色光源装置120から異なるタイミングで光を射出すると、赤色、緑色及び青色の波長帯域光を導光光学系140を介してライトトンネル175に個別に入射させることができる。つまり、このプロジェクタ10に搭載される光源ユニット60は、光源制御手段が、第一光源71及び第二光源121を別々に発光させる制御を実行することで、1フレームにおいて当該光源ユニット60から赤色、緑色及び青色波長帯域の単色光を射出することができる。
例えば、蛍光ホイール101が1回転する間に、光源制御手段が青色光源装置70の第一光源71を点灯させ赤色光源装置120の第二光源121を消灯させる制御を実行することで、緑色光と青色光を生成することができる。さらに、蛍光ホイールが1回転する間であって、青色光源装置70の第一光源71からの光を蛍光発光部103に照射させるために光源制御手段が第一光源71を点灯させるとともに赤色光源装置120の第二光源を消灯させ、赤色光源装置120の第二光源121からの光を拡散透過部104に照射させるために光源制御手段が第二光源121を点灯させるとともに青色光源装置70の第一光源71を消灯させる制御を実行することで、緑色光と赤色光を生成することができる。この場合、1フレームで蛍光ホイール101を2回転させることで、緑色、青色、緑色、赤色の順で各色光を光源ユニット60から射出することができる。なお、拡散透過部104の領域を拡張するなどして、拡散透過部104に青色光源装置70の第一光源71からの光と、赤色光源装置120の第二光源121からの光と、を順に入射させれば、1フレームで蛍光ホイール101を1回転させる間に、緑色、青色、赤色の光を順に光源ユニット60から射出することもできる。
このように、本実施例に係る光源ユニット60は、赤色、緑色及び青色光を射出する構成とされており、この光源ユニット60から射出される各色光が光源側光学系170を介して表示素子51に入射されるため、プロジェクタ10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、レンズ群を介して拡大したカラー画像をスクリーンに生成することができる。
そして、導光光学系140としては種々のレイアウトを採用することができる。以下、導光光学系140について述べる。導光光学系140は、第一光軸変換部材1と、第二光軸変換部材2と、第三光軸変換部材3と、第四光軸変換部材4と、複数のレンズと、を備える。
第一光軸変換部材1は、第一光源71及び第二光源121から射出される光の光路上において、第一光源71及び第二光源121と蛍光ホイール101との間に配置されるクロスダイクロイックプリズムである。そして、この第一光軸変換部材1は、第一光源71の光軸と第二光源121の光軸とが交差する位置に、第一光源71から射出される青色光の光軸を変換させることなく青色光を透過させ第二光源121から射出される赤色光の光軸の向きを正面パネル12方向に90度変換させるように赤色光を反射する第一反射面(ダイクロイック面)1aを有する。また、この第一光軸変換部材1は、第一光源71から射出される青色光及び第二光源121から射出される赤色光の各光軸の向きを変換させることなく当該青色及び赤色光を透過させ、且つ、蛍光ホイール101の蛍光発光部103における蛍光体から射出される緑色蛍光光の光軸の向きを左側パネル15方向に90度変換させるように緑色蛍光光を反射する第二反射面(ダイクロイック面)1bを有する。
第二光軸変換部材2は、第一光源71及び第二光源121から射出される光の光路上において、蛍光ホイール101に対して第一光源71及び第二光源121とは反対側の位置である集光レンズ115と正面パネル12との間に配置される。この第二光軸変換部材2は、蛍光ホイール101の拡散透過部104を透過する第一光源71から射出される青色光及び第二光源121から射出される赤色光の光軸の向きを左側パネル15方向に90度変換させる通常の反射ミラーとされる。
第三光軸変換部材3は、第二光軸変換部材2により変換される第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸上に配置され、この光軸を背面パネル13方向に90度変換させる通常の反射ミラーとされる。
第四光軸変換部材4は、第一光軸変換部材1により変換される蛍光発光部103から射出される蛍光光の光軸と、第三光軸変換部材3により変換される第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸と、が交差する位置に配置されるダイクロイックミラーである。そして、この第四光軸変換部材4は、第三光軸変換部材3により変換される第一光源71及び第二光源121から射出される青色及び赤色光の光軸の向きを変換させることなく、且つ、第一光軸変換部材1により変換される緑色蛍光光の光軸の向きを青色及び赤色光の光軸と一致させるように背面パネル13方向に90度変換させる。
つまり、第三光軸変換部材3及び第四光軸変換部材4が、第一光軸変換部材1により変換された蛍光光の光軸や第二光軸変換部材2で変換された第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸を更に変換させることにより、蛍光ホイール101から射出される各色波長帯域光を同一方向に向いた同一光路上に導くことができる。
そして、上述したように、ライトトンネル175に導かれた各色光は、光学系ユニット160内の光源側光学系170により表示素子51に集光され、投影側光学系220によりスクリーンに投射されることとなる。つまり、光源ユニット60は、プロジェクタ制御手段における光源制御手段が、第一光源71及び第二光源121を個別に発光させる制御を実行することで、1フレームにおいて当該光源ユニット60から赤色、緑色及び青色波長帯域の単色光を射出することができる。そして、プロジェクタ10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を生成することができる。
このように、蛍光体を励起させる第一光源71と、発光効率の良好な種類の蛍光体を有する蛍光ホイール101と、発光効率の比較的低い種類の蛍光体として例えば赤色蛍光体を蛍光ホイール101に形成することなく当該低発光効率の蛍光体に対応する赤色の波長帯域光を射出する単色光源である第二光源121と、を備えることで、画面の輝度を向上させることのできる光源ユニット60と、この光源ユニット60を備えたプロジェクタ10と、を提供することができる。
また、この光源ユニット60は、第一光源71からのレーザー光と、第二光源121からのレーザー光と、を一枚の蛍光ホイール101における拡散透過部104に照射して各色光を生成するシンプルな構成とされているため、この光源ユニット60を備えるプロジェクタ10の小型化を図ることができる。
さらに、第一光源71及び第二光源121をレーザー発光器としたため、画面の輝度を容易に向上させることができるとともに、光源ユニット60を小型なものとすることができる。なお、第一光源71及び第二光源121はレーザー発光器とする場合に限定されることなく、高出力発光ダイオードを多数設けるなどして、輝度の向上を図ることもできる。
そして、蛍光板を円板形状の蛍光ホイール101として形成し、この蛍光ホイール101を回転させる構成としているため、シンプルな光源ユニット60であって、照射面積を拡張して熱の集中を避けることができる光源ユニット60を提供することができる。
また、蛍光ホイール101における蛍光発光部103に反射面が形成されているため、蛍光体に吸収されずに反射面に照射された青色光は反射面により反射されて、再び蛍光体側に射出されて蛍光体を励起させることができるため、第一光源71からの青色光の利用効率を向上させて、一層明るく発光させることができる。さらに、緑色蛍光体から基材側に発せられた緑色光も反射面により反射して光源光として射出することができるため、蛍光光の利用効率を向上させることもできる。また、蛍光ホイール101の基材に熱伝導率の高い金属基材を採用することで、蛍光ホイール101を効率よく冷却することができる。
そして、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、蛍光ホイール101における蛍光発光部103及び拡散透過部104の領域は、それぞれの面積比率を自由に変更することができる。これにより、各色のデューティ比を任意に設定することができる。また、光源制御手段は、プロジェクタ10に設けずに、光源ユニット60に個別に設けることとしてもよい。
そして、緑色蛍光体に比べて赤色蛍光体の発光効率が高い場合などには、蛍光発光部103は、緑色蛍光体の層に代えて赤色蛍光体の層を形成させることもできる。この場合、第二光源121は、赤色波長帯域のレーザー光を発するレーザー発光器に代えて、緑色波長帯域のレーザー光を発するレーザー発光器として、輝度の高い各色光を射出できる光源ユニット60を提供することができる。なお、このような構成の光源ユニット60は、第一光源71と第二光源121とを別々に点灯させるのみならず、同時に点灯させることもできるため、光の三原色である赤色、緑色及び青色波長帯域の光の他に、補色であるシアンの波長帯域光を生成することもできる。
そして、光源ユニット60の光学レイアウトは、図示したものに限定されることなく、プロジェクタ10の筐体内における各光源装置の配置構成に応じて種々の態様を採用することができる。以下、第二乃至第四光軸変換部材2〜4の配置構成の他のバリエーションについて図6及び図7を参照して説明する。
図6(a)は、上記した光源ユニット60の光学レイアウト(図4参照)において第一光源71から射出された青色光の光路Bと、第一光源71からの光を受けて射出される緑色蛍光光の光路Gと、第二光源121から射出された赤色光の光路Rと、を示す模式図である。即ち、図6(a)に示した第一光学レイアウトにおいては、図7に示すように、第一光軸変換部材1の第一反射面1aが緑色及び青色光を透過し、赤色光を反射するダイクロイック面とされる。また、第一光軸変換部材1の第二反射面1bが赤色及び青色光を透過し、緑色光を反射するダイクロイック面とされる。
また、第一光学レイアウトにおいて、第二光軸変換部材2及び第三光軸変換部材3は、赤色及び青色光を反射する通常の反射ミラーであり、第四光軸変換部材4は、赤色及び青色光を透過し、緑色光を反射するダイクロイックミラーである。
そして、光学レイアウトは、この第一光学レイアウトの第四光軸変換部材4を図7に示したように赤色及び青色光を反射して緑色蛍光光を透過するダイクロイックミラーとした第二光学レイアウト(図6(b)参照)としてもよい。
さらに、第三光軸変換部材3が、赤色及び青色光を透過して緑色蛍光光を反射するダイクロイックミラーとされ、第四光軸変換部材4を反射ミラーとした第三光学レイアウト(図6(c)参照)を採用することもできる。
また、第三光学レイアウトにおける第三光軸変換部材3を、赤色及び青色光を反射させて緑色蛍光光を透過させるダイクロイックミラーとすることで、別の光学レイアウトである第四光学レイアウト(図6(d)参照)を構成することもできる。
さらに、この光源ユニット60の導光光学系140には、第三光軸変換部材3及び第四光軸変換部材4が、蛍光ホイール101の蛍光発光部103から射出され、第一光軸変換部材1の第二反射面1bにより反射される緑色蛍光光を反射する通常の反射ミラーとされ、第二光軸変換部材2が、蛍光ホイール71の拡散透過部104を透過した赤色及び青色光を透過させ、第三光軸変換部材3で反射した緑色蛍光光を更に反射するダイクロイックミラーとされる第五光学レイアウト(図6(e)参照)を採用することもできる。
また、この第五光学レイアウトにおける第二光軸変換部材2を、緑色蛍光光を透過させて赤色及び青色光を反射させるダイクロイックミラーとした別の光学レイアウトである第六光学レイアウト(図6(f)参照)を構成することもできる。
このように、第一光源71及び第二光源121から射出される光を透過させ且つ蛍光ホイール101の蛍光体から射出される蛍光光を反射するダイクロイック面を第一光軸変換部材1であるクロスダイクロイックプリズムの第二反射面1bにより形成し、更に、第二乃至第四光軸変換部材2〜4の特性を様々な組合せとして、導光光学系140を蛍光ホイール101から射出される緑色蛍光光や蛍光ホイール101を拡散透過した第一光源71及び第二光源121から射出される青色及び赤色光の光路上に配置される複数のミラーや光を集光させる複数のレンズにより構成することで、各色波長帯域光の光軸を一致させるように変換させて、各色光をライトトンネル175へと集光させることができるため、種々の光学レイアウトを選択可能な配置自由度の高い光源ユニット60と、この光源ユニット60を内蔵するプロジェクタ10などの機器を提供することができる。
そして、第一光軸変換部材1は、クロスダイクロイックプリズムとする場合に限定されることなく、ダイクロイックミラーとすることもできる。この場合、クロスダイクロイックプリズムに代えて2枚のダイクロイックミラーを配置させる。
例えば、図8に示すように、反射ミラー75を介して第一光源71から射出される光の光軸と、第二光源121から射出される光の光軸と、が交差する位置に、青色光を透過させて赤色光を反射するダイクロイックミラー5を配置し、このダイクロイックミラー5と蛍光ホイール101との間に、赤色及び青色光を透過させて緑色光を反射するダイクロイックミラー6を配置する光学レイアウトを採用することもできる。
これにより、反射ミラー75で反射した第一光源71から射出される青色光は、2枚のダイクロイックミラー5,6を透過して蛍光ホイール101の蛍光発光部103又は拡散透過部104に照射されることになる。
また、第二光源121から射出される赤色光は、ダイクロイックミラー5により蛍光ホイール101側に反射し、蛍光ホイール101近傍に配置されるダイクロイックミラー6を透過して蛍光ホイール101の拡散透過部104に照射されることになる。
さらに、蛍光ホイール101の蛍光発光部103から射出される緑色蛍光光は、蛍光ホイール101の近傍に配置されるダイクロイックミラー6によって第四光軸変換部材4側に反射されることになる。
つまり、上述したクロスダイクロイックプリズムにおける第一反射面1aと同様の特性を有するダイクロイック面の形成されたダイクロイックミラー5と、クロスダイクロイックプリズムにおける第二反射面1bと同様の特性を有するダイクロイック面の形成されたダイクロイックミラー6と、によって第一光源71からの光と第二光源121からの光とを蛍光ホイール101に照射することができるため、上述と同様に画面の輝度を向上させることのできるシンプルな光源ユニット60を提供することができる。
なお、クロスダイクロイックプリズムに代えて2枚のダイクロイックミラー5,6を別々の場所に配置させる場合、緑色蛍光光を反射するダイクロイックミラー6(第二反射面1b)と第一光源71との間に赤色光を反射するダイクロイックミラー5(第一反射面1a)を配置させずに、この赤色光を反射するダイクロイックミラー5(第一反射面1a)を緑色蛍光光を反射するダイクロイックミラー6(第二反射面1b)と蛍光ホイール101との間に配置させることとしてもよい。
また、青色光源装置70の第一光源71と赤色光源装置120の第二光源121の位置も上述した構成(図6)に限定されることなく、相互に入れ換えた配置とされる光学レイアウトを採用することもできる。この場合、第一反射面1aは第一光源71から射出される青色光を反射し、第二光源121から射出される赤色光を透過させる特性のダイクロイック面として、ダイクロイックミラー或いはクロスダイクロイックプリズムにより形成される。
例えば、図9に示すように、赤色光源装置120の第二光源121を青色光源装置70と背面パネル13との間に配置させ、青色光源装置71の光軸と赤色光源装置120の光軸とが交差する位置に、第一光源71から射出される青色光を反射して第二光源121から射出される赤色光を透過するダイクロイック面1aを有するダイクロイックミラー76を各第一光源71の射出側に配置することができる。もちろん、図10に示すように、反射ミラー75により光源群から射出される光線束の断面積を水平方向において縮小して反射した光を、青色光を反射して赤色光を透過するダイクロイック面(第一反射面1a)を有するダイクロイックミラー5により蛍光ホイール101側に反射させる構成とすることもできる。
そしてまた、上記のように(図6(a)〜図6(f)参照)第二乃至第四光軸変換部材2〜4を、第一光源71及び第二光源121から射出される光或いは蛍光光の光軸を変換させる2個の反射ミラーと、第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸、並びに、蛍光発光部103から射出される蛍光光の光軸の何れか一方を変換させることなく他方を変換させる1個のダイクロイックミラーと、から構成する場合に限定されることなく、図11に示すように、第二乃至第四光軸変換部材2〜4が、第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸を90度変換させる3個の反射ミラーとされた光学レイアウトを採用して、主に第一光源71及び第二光源121からの青色及び赤色光を繰返し反射させることにより、赤色及び緑色蛍光光と青色光とを同一方向に向いた同一光路上に導くこともできる。
このように、導光光学系140は、第一光源71及び第二光源121と蛍光ホイール101との間に配置されて、第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸の向きを変換させることなく、且つ、蛍光発光部103から射出される蛍光光の光軸の向きを変換させるダイクロイック面(第二反射面1b)を有する第一光軸変換部材1と、蛍光ホイール101の拡散透過部104を透過する第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸の向きを変換させるダイクロイックミラー又は通常の反射ミラーか、第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸の向きを変換させることなく蛍光ホイール101の蛍光発光部103から射出される蛍光光の光軸を変換させるダイクロイックミラーである第二光軸変換部材2と、第一光軸変換部材1により変換された蛍光光の光軸や第二光軸変換部材2で変換された第一光源71及び第二光源121から射出される光の光軸を更に変換させることにより、蛍光ホイール101から射出される各色波長帯域光を同一方向に向いた同一光路上に導く第三光軸変換部材3及び第四光軸変換部材4と、を備えて種々のレイアウトを採用することができるが、何れも画面の輝度を向上させることのできるシンプルな構成の光源ユニット60と、この光源ユニット60を備えることで小型化の図られたプロジェクタ10と、を提供することができる。
そして、第一光源71が青色レーザー発光器とされているため、第一光源71からの光を拡散透過させて、そのまま明るい光源光として利用することができる。しかしながら、第一光源71は、青色波長帯域の光を発するレーザー発光器とする場合に限定されることなく、蛍光発光部103の蛍光体を励起可能なその他の波長帯域の光、例えば紫外領域の光(紫外線)を射出するレーザー発光器とすることもできる。この場合、蛍光ホイール101には、青色蛍光体の層や緑色蛍光体の層から成る蛍光発光部103と、拡散透過部104が形成されている。そして、光源制御手段は、紫外レーザー発光器から拡散透過部104に光が照射されることのないように制御される。また、導光光学系140は、上記した導光光学系140において、緑色蛍光光を反射する特性を有するミラーは緑色蛍光光のみならず青色蛍光光を反射し、緑色蛍光光を透過する特性を有するミラーは緑色蛍光光のみならず青色蛍光光を透過する。
なお、光源ユニット60は、蛍光板(蛍光ホイール101)を上記のように円形板状として回転させる構成とした蛍光発光装置100を備える場合に限ることなく、矩形状に形成した蛍光板を固定した蛍光発光装置100を備えることとしてもよい。このように蛍光板を固定させる場合、第一光源71及び第二光源121と蛍光板との間に、第一光源71及び第二光源121の夫々から射出される光の照射方向を変化させる調整装置を配設する、あるいは、第一光源71及び第二光源121の位置及び/又は照射方向を変化させるように駆動する光源駆動装置を設けて、第一光源71及び第二光源121からの光の照射スポット位置を移動させることで、蛍光光及び拡散光を蛍光板から射出することができる。なお、調整装置としては、例えば、KTN結晶、音響光学素子、MEMSミラー等を用いた光偏光器を採用することができる。