JP5510592B2 - 軸受装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ベアリングハウジング内でロータ軸を支持するベアリング部を備えた軸受装置に関する。特にベアリング部を外周から内周に亘って貫通した油孔を有する軸受装置に関する。
この種の軸受装置を備えるターボチャージャの一例を図7に示す。図7では、タービン軸101の一端部にタービンブレード102が回転一体に設けられ、タービン軸101の他端部にコンプレッサのインペラ103が回転一体に設けられている。
タービン軸101は、ベアリングハウジング108内で、ベアリングホルダ107とボールベアリング105とからなるベアリング部によって回転自在に支持されている。ボールベアリング105,105は、ベアリングホルダ107の両端部内に嵌め込まれている。
ベアリングホルダ107は、略円筒形状をしており、ベアリングハウジング108内に所定の径方向隙間を確保して嵌め込まれている。ベアリングホルダ107の外周1071には、周方向に2つの溝部1073,1074が形成されており、これらの溝部1073,1074とベアリングハウジング108内のベアリングホルダ支持面1081とで環状油路が形成されている。
タービンブレード102側の溝部1074には、ベアリングホルダ107の内周に通じる潤滑油噴出孔(所謂オイルジェット)1085が形成されており、溝部1074内の潤滑油はこの潤滑油噴出孔1085を通じて、タービンブレード102側から熱影響を受け易い図中右側のボールベアリング105に向かって噴出され、このボールベアリング105を冷却するようになっている。
特許文献1〜3には、既述の潤滑油噴出孔を有する軸受装置を備えるターボチャージャが開示されている。
なお、特許文献4には、潤滑油噴出孔の記載はないが、潤滑油路の途中に円柱状空間からなる異物溜りが設けられ、この異物溜まりにより潤滑油中の異物を除去する技術が開示されている。
ところで、軸受部を潤滑・冷却するための潤滑油には、加工時のバリや鋳砂等の異物が混入していることがある。この場合、ベアリング部を外周から内周に亘って貫通した油孔、例えば既述の潤滑油噴出孔(オイルジェット)、が潤滑油に混入した異物によって閉塞する可能性がある。潤滑油噴出孔が閉塞すると、ボールベアリングの温度が上昇し、ボールベアリング内で適切な油膜を維持できなくなるおそれがある。
また、ベアリング部がフローティングベアリング(セミフローティングベアリング又はフルフローティングベアリング)である場合は、上記油孔は、フローティングベアリングを外周から内周に亘って貫通し、ベアリングハウジング側から供給される潤滑油をタービン軸側へ供給する油路となる。この場合、上記油孔が閉塞すると、タービン軸とフローティングベアリングとの間で適切な油膜を維持できないおそれがある。
もちろん、専らターボチャージャのために目の細かいオイルフィルタを設置すれば、上記油孔が異物によって閉塞する可能性を低減することができる。しかし、そうすれば、部品点数が増加して、オイルフィルタを含めた装置の体格が大きくなってしまうなどの別の問題が生じる。
本発明は、かかる問題点に鑑みて創案されたものであり、オイルフィルタ等の別部品を設けることなく、ベアリング部を外周から内周に亘って貫通する油孔がオイル内に混入した異物によって閉塞される可能性を低減することができる軸受装置を提供することを目的とする。
本発明の軸受装置は、上記課題を解決するために、以下のように構成されている。
すなわち、本発明の軸受装置は、外周に周方向に形成された溝部を有し、ベアリングハウジング内でロータ軸を支持するベアリング部と、前記ベアリングハウジングに設けられて、前記ベアリングハウジングと前記ベアリング部の溝部との間で周方向に形成される環状油路に連通するオイル供給路と、前記ベアリング部の溝部から同ベアリング部の内周に亘って貫通し、前記環状油路からオイルが供給されるように配設された油孔と、を備えるものである。前記溝部は、前記ロータ軸の軸線を中心として傾斜したテーパ状の底面を有する。前記油孔の入口輪郭のうち最も前記ロータの軸線に近い部分を周方向に通過する外周線と、前記ベアリングハウジングとの隙間から異物規制隙間が形成されている。この異物規制隙間の径方向隙間の最大値は、前記油孔の内径の最小値より小さくなっており、前記オイル供給路の下流端は、前記異物規制隙間の径方向隙間より大きい径方向隙間からなる環状油路の片側領域に対して開口している。
かかる構成を備える軸受装置によれば、異物規制隙間の径方向隙間の最大値が、油孔の内径の最小値より小さくなっており、かつ、オイル供給路の下流端は、異物規制隙間の径方向隙間より大きい径方向隙間からなる環状油路の片側領域に対して開口していることから、環状油路に供給されたオイルに混入している異物は必ず異物形成隙間を通過する。そして、この異物規制隙間を通過できる異物は、油孔を通過する可能性が高いので、油孔がオイルに混入している異物によって閉塞される可能性が低減する。
前記ベアリング部は、前記ベアリングハウジングとの間でオイルフィルムダンパを形成しながら同ベアリングハウジング内でロータ軸を支持するものであってもよい。
かかる構成を備える軸受装置によれば、専らこの軸受装置のためのオイルフィルタを設置することなく、上記油孔がオイルに混入している異物によって閉塞する可能性を低減できる。これにより、オイルフィルタ設置による供給油量・油圧の低下を懸念することなく、オイルフィルムダンパを形成するために必要な油量・油圧を確保することができる。
前記ベアリング部は、例えば、前記ベアリングハウジング内に内嵌され、同ベアリングハウジングとの間でオイルフィルムダンパを形成するベアリングホルダと、このベアリングホルダ内でロータ軸を支持するボールベアリングとからなり、前記ベアリング部の溝部は、前記ベアリングホルダの外周に周方向に形成されており、前記環状油路は、前記ベアリングハウジングと前記ベアリングホルダの溝部との間で周方向に形成されており、前記油孔は、前記ベアリングホルダの溝部の底面から同ベアリングホルダの内周に亘って貫通し、前記環状油路から前記異物規制隙間を介してオイルが供給されるように配設され、前記ボールベアリング又は前記ボールベアリングの近傍に向かってオイルを噴出するオイル噴出孔である。
前記ベアリングハウジングには、前記環状油路内の異物を回収するために、同環状油路に連通する貫通孔が形成されていることが好ましい。
かかる構成を備える軸受装置によれば、異物規制隙間を通過することができなかったオイル中の異物は、上記環状油路から上記貫通孔に回収されてベアリングハウジングから排出される。これにより、異物が環状油路内に残存して異物規制隙間に噛み込む可能性を低減できる。
また、前記ベアリングハウジングには、前記環状油路内の異物を回収するために、同環状油路に連通する凹部が形成されていることが好ましい。
かかる構成を備える軸受装置によれば、異物規制隙間を通過することができなかったオイル中の異物は、環状油路から上記凹部に回収される。これにより、異物が環状油路内に残存して異物規制隙間に噛み込む可能性を低減できる。また、異物回収のために、貫通孔ではなく、凹部を採用したことにより、環状油路内での油圧低下が抑制される。これにより、オイルフィルムダンパ形成隙間での油圧を維持し易くなり、良好なオイルフィルムダンパを形成し易くなる。
また、前記ベアリングハウジングには、前記環状油路内の異物を回収するために、同環状油路の最下位置に連通する貫通孔が形成されていることが更に好ましい。
かかる構成を備える軸受装置によれば、異物規制隙間を通過することができなかったオイル中の異物、特にオイルに対して沈殿し易い異物は、環状油路の最下位置まで落下して上記貫通孔に回収されベアリングハウジングから排出される。これにより、異物が環状油路内に残存して異物規制隙間に噛み込む可能性を更に低減できる。
また、前記ベアリングハウジングには、前記環状油路内の異物を回収するために、同環状油路の最下位置に連通する凹部が形成されていることが更に好ましい。
かかる構成を備える軸受装置によれば、異物規制隙間を通過することができなかったオイル中の異物、特にオイルに対して沈殿し易い異物は、環状油路の最下位置まで落下して上記凹部に回収される。これにより、異物が環状油路内に残存して異物規制隙間に噛み込む可能性を更に低減できる。また、異物回収のために、貫通孔ではなく、凹部を採用したことにより、環状油路内での油圧低下が抑制される。これにより、オイルフィルムダンパ形成隙間での油圧を維持し易くなり、良好なオイルフィルムダンパを形成し易くなる。
本発明によれば、オイルフィルタ等の別部品を設けることなく、ベアリング部を外周から内周に亘って貫通する油孔がオイル内に混入した異物によって閉塞される可能性を低減することができる。
[第1の参考例]
−ターボチャージャの構成−
以下、本発明の第1の参考例について説明する。
−ターボチャージャの構成−
以下、本発明の第1の参考例について説明する。
図1は、本発明の第1の参考例に係る軸受装置を含むターボチャージャの断面図である。図2は図1の要部拡大図である。
図1に示すように、タービン軸1(ロータ軸)の一端部には、タービンブレード2が回転一体に設けられ、タービン軸1の他端部には、コンプレッサのインペラ3が回転一体に設けられている。タービンブレード2は、タービンハウジング内の排気ガス流路に設置されており、排気ガス流路を流れる排気ガスによって回転される。インペラ3は、コンプレッサハウジング(不図示)内の新気流路に設置されている。インペラ3は、タービン軸1を介して伝達されるタービンブレード2の回転トルクによって回転され、新気を加圧しながら図示しない吸気サージタンクへ送り込む。
タービン軸1は、ベアリングハウジング8内で、ベアリングホルダ7および一対のボールベアリング5,5からなるベアリング部によって回転自在に支持されている。
上記ボールベアリング5,5は、回転軸に対して垂直な方向への荷重を支えるラジアル軸受であり、後述するベアリングホルダ7の両端部内に嵌め込まれている。なお、符号11は、ボールベアリング5,5の内輪51,51間においてタービン軸1の外周に外嵌されたスリーブ11であり、ボールベアリング5,5の内輪51,51間の距離を維持するために設けられている。
ベアリングホルダ7は、略円筒形状をしており、ベアリングハウジング8内に、回転不能に嵌め込まれている。すなわち、ベアリングホルダ7は、その円筒軸線回りに回転しないように、ベアリングハウジング8に対してピン6にて固定されている。但し、オイルフィルムダンパを形成するために、ベアリングホルダ7とベアリングハウジング8との間には所定の隙間が確保されており、この隙間の範囲内で径方向への移動が可能となっている。
また、図2に示すように、ベアリングホルダ7の外周71には、周方向に沿って第1溝部72、第2溝部73および第3溝部74が互いに間隔をおいて平行に形成されている。これらの溝部72〜74とベアリングハウジング8内に形成された、円筒状のベアリングホルダ支持面89との間で環状油路が形成される。
第1溝部72および第2溝部73がベアリングホルダ支持面89との間に形成する各環状油路には、後述する潤滑油供給路81の分岐路82,82が連通しており、この分岐路82,82から潤滑油が供給される。これら第1溝部72および第2溝部73に供給された潤滑油は、タービン軸1の軸線方向両側に流れ出し、ベアリングホルダ7の外周71とベアリングハウジング8のベアリングホルダ支持面89との間に形成される略円環状の隙間空間9に供給される。隙間空間9に供給された潤滑油は、ベアリングホルダ7とベアリングハウジング8との間で振動を減衰するオイルフィルムダンパを形成する。
また、第1溝部72および第2溝部73からタービン軸1の軸線方向両側に供給される潤滑油は、第3溝部74、ベアリングホルダ7の両端面75,75とその対向壁との隙間(不図示)、両ボールベアリング5,5、タービン軸1などにも供給される。
第3溝部74は、既述の溝部72〜74の中で最もタービンブレード2側に設けられており、この第3溝部74からベアリングホルダ7の内周79に通じる潤滑油噴出孔(所謂オイルジェット)76が形成されている。
上記潤滑油噴出孔76は、ボールベアリング5又はボールベアリング5の近傍に向かって潤滑油を噴出し、ボールベアリング5を冷却するために設けられている。なお、図1において、潤滑油噴出孔76は、ベアリングホルダ7の内周側の方が小径となった大小2段の異径孔となっている。
符号781は、ベアリングホルダ7の下部に形成され、ベアリングホルダの内周79と外周71を連通する潤滑油の排出口である。この排出口781は、ベアリングホルダ7内に流れ込んだ潤滑油を下方に排出するために設けられている。
ベアリングハウジング8は、タービンハウジングとコンプレッサハウジングとの間に連結されている。このベアリングハウジング8には、潤滑油を供給する油路である潤滑油供給路81が形成されている。この潤滑油供給路81は、下流側で2箇所に分岐しており、ベアリングホルダ7の第1溝部72および第2溝部73がベアリングホルダ支持面89との間に形成する各環状油路に連通(後述する異物規制隙間、オイルフィルムダンパ形成隙間を介在することなく直接的に連通)している。
また、ベアリングハウジング8のベアリングホルダ支持面89には、ベアリングホルダ7の第2溝部73がベアリングホルダ支持面89との間に形成する環状油路の最下位置に連通する異物回収部87が設けられている。なお、異物回収部87は、後述する異物規制隙間、オイルフィルムダンパ形成隙間を介在することなく上記環状油路に直接的に連通している。この異物回収部87は、ベアリングホルダ7の第2溝部73から沈殿した異物を回収するために設けられている。図面に例示する異物回収部87は、ベアリングハウジング8のベアリングホルダ支持面89の最下位置に形成され、ベアリングハウジング8の周壁891を貫通した貫通孔である。この異物回収部87は、大径孔部871と、これより小径で大径孔部871の下方に連続して設けられた小径孔部872とからなる。大径孔部871は、好ましくは、第2溝部73の溝幅寸法と同寸法又はその寸法より若干大きい内径を有する。但し、大径孔部871は、排出口781、第3溝部74に連通しないものとすることが好ましい。また、小径孔部872の寸法については、良好なオイルフィルムダンパを形成するために、その開口面積はできるだけ小さい方が好ましい。なお、異物回収部87は、環状油路に対して最下位置以外の位置で連通したものであってもよい。
符号84は、上記排出口781に連続するように、ベアリングハウジング8の周壁891の最下位置に形成された潤滑油の排出口である。この排出口84も、ベアリングホルダ7内に流れ込んだ潤滑油を下方に排出するために設けられている。
符号88は、ターボチャージャの排油口であり、上記排出口781,84、その他の箇所から流れ出た潤滑油がこの排油口88からターボチャージャの下方に排出される。
−ベアリングホルダの寸法−
つぎに、ベアリングホルダ7の寸法について図2を参照して説明する。ベアリングホルダ7の外周71は、ベアリングハウジング8のベアリングホルダ支持面89との間にオイルフィルムダンパを形成する隙間(以下「オイルフィルムダンパ形成隙間」ともいう。)を確保するようにその直径φDが設定されたオイルフィルムダンパ形成部77と、既述の第1溝部72〜第3溝部74と、後述する異物規制隙間形成部70とが形成されている。
つぎに、ベアリングホルダ7の寸法について図2を参照して説明する。ベアリングホルダ7の外周71は、ベアリングハウジング8のベアリングホルダ支持面89との間にオイルフィルムダンパを形成する隙間(以下「オイルフィルムダンパ形成隙間」ともいう。)を確保するようにその直径φDが設定されたオイルフィルムダンパ形成部77と、既述の第1溝部72〜第3溝部74と、後述する異物規制隙間形成部70とが形成されている。
オイルフィルムダンパ形成部77は、第1溝部72よりインペラ3側と、第1溝部72と第2溝部73との間と、第3溝部74よりタービンブレード2側とに形成されている。オイルフィルムダンパ形成部77の直径φDはベアリングハウジング8のベアリングホルダ支持面89に対して径方向隙間の最大値(ベアリングホルダ支持面89の内径とオイルフィルムダンパ形成部77の外径との差)がC2となるように設定されている。ここで、径方向隙間の最大値C2は、例えば0.1mm程度とすることができる。
異物規制隙間形成部70は、ベアリングホルダ7の外周71の第2溝部73と第3溝部74との間に形成されている。この異物規制隙間形成部70は、ベアリングハウジング8のベアリングホルダ支持面89との隙間で、一定サイズ以上の異物を通さない異物規制隙間91を形成する。この異物規制隙間91の径方向隙間の最大値をC1で表す。
ところで、既述の各寸法C1、C2、Dと潤滑油噴出孔76の内径の最小値dとは、次式1を満たしている。
C2+d2/2D < C1 < d・・・(1)
この式1より次式2
C2+d2/2D < C1・・・(2)
を取り出し、両辺にπD/2を掛けると、
C2πD/2+πd2/4 < C1πD/2・・・(3)
となる。
この式1より次式2
C2+d2/2D < C1・・・(2)
を取り出し、両辺にπD/2を掛けると、
C2πD/2+πd2/4 < C1πD/2・・・(3)
となる。
このうち、C2πD/2は、オイルフィルムダンパ形成部77とベアリングホルダ支持面89との間を通る潤滑油の流路面積である。πd2/4は、潤滑油噴出孔76の流路面積である。C1πD/2は、異物規制隙間91を通る潤滑油の流路面積である。
また、異物回収部87の小径孔部872の内径φZは、次式4を満たす。
Z > C1・・・(4)
例えば上記数式1〜4の条件を満たす寸法として、C1=0.2mm、C2=0.1mm、d=0.6、D=21、Z=1.5が一例として挙げられる。
例えば上記数式1〜4の条件を満たす寸法として、C1=0.2mm、C2=0.1mm、d=0.6、D=21、Z=1.5が一例として挙げられる。
以上のように各部の寸法が設定されたベアリングホルダ7およびベアリングハウジング8を有するターボチャージャにおいては、給油孔86から一定の圧力以上(オイルフィルムダンパを形成するのに必要な圧力以上)で潤滑油が吐出供給されると、その潤滑油は潤滑油供給路81、分岐路82,82を通じて、先ず、第1溝部72および第2溝部73に供給される。そして、これらの第1溝部72および第2溝部73を介して、第3溝部74、隙間空間9等に潤滑油が供給され、これにより、オイルフィルムダンパが形成され、潤滑油噴出孔76から潤滑油が噴出する。
このとき、異物規制隙間91の径方向隙間の最大値C1と潤滑油噴出孔76の内径の最小値dとの関係は既述の式1より、
C1 < d・・・(5)
となるので、異物規制隙間91を通過可能な異物は、潤滑油噴出孔76を通過する可能性が高い。したがって、潤滑油噴出孔76が潤滑油中の異物により閉塞される可能性が低減する。
C1 < d・・・(5)
となるので、異物規制隙間91を通過可能な異物は、潤滑油噴出孔76を通過する可能性が高い。したがって、潤滑油噴出孔76が潤滑油中の異物により閉塞される可能性が低減する。
また、異物規制隙間91を通過することができなかった異物は、第2溝部73の下方に落下して異物回収部87に回収される。異物回収部87に回収された異物は、さらに異物回収部87の小径孔部872から下方へ排出される。このため、第2溝部73の下部に異物が堆積することがなく、第2溝部73内に異物が残存して異物規制隙間91に噛み込む可能性を低減できる。
また、潤滑油供給孔76とこの潤滑油供給孔76の入口より下流側となる隙間空間9Aに供給される潤滑油は異物規制隙間91を通過して供給される。しかし、既述の式3に示されるように、潤滑油供給孔76の流路面積と上記隙間空間(オイルフィルムダンパ形成隙間)9Aの流路面積との和が、異物規制隙間91の流路面積より小さくなっている。このため、供給する潤滑油の油量・油圧を増加させることなく、潤滑油噴出孔76から噴出する潤滑油の油量を従来例に係るターボチャージャ(図7参照)と同程度確保することができる。また、潤滑油噴出孔76が設けられた第3溝部74より下流側の隙間空間9Aにも十分な油量を供給でき、当該隙間空間9Aに良好なオイルフィルムダンパを形成することができる。
また、本参考例に係る軸受装置によれば、専らターボチャージャのために目の細かいオイルフィルタを設置することなく、潤滑油噴出孔が異物によって閉塞する可能性を低減することができる。つまり、目の細かいオイルフィルタ等の別部品を設けると、ターボチャージャの体格の肥大化、部品点数の増加、オイルフィルムダンパの油圧低下などの問題を生じるが、本参考例に係る軸受装置によれば、そのような問題を生じることなく、潤滑油噴出孔が異物によって閉塞する可能性を低減することができる。
また、本参考例に係る軸受装置によれば、潤滑油噴出孔76に近い位置(ベアリングホルダ7の全長範囲内)に異物規制隙間91が設けられているので、例えば、ベアリングハウジング8内の潤滑油供給路81など、潤滑油噴出孔76に比較的近い場所で発生する切粉等の異物が潤滑油噴出孔76へ侵入することも抑制することができる。
また、本参考例に係る軸受装置によれば、潤滑油噴出孔の孔径を大きくすることなく、潤滑油噴出孔が異物によって閉塞する可能性を低減することができる。つまり、潤滑油噴出孔の孔径を大きくした場合、潤滑油噴出孔から噴出する潤滑油の勢いを維持するために、上流側のオイル供給装置(オイルポンプ)の能力(供給油量・油圧)を高めることが必要となるが、そうすると、軸受部における油量が増大し、オイルの攪拌抵抗も増大する。その結果、ターボチャージャの駆動レスポンスが悪化するおそれがある。また、上流側のオイル供給装置の能力を高めると、オイルが新気流路や排気ガス流路へ漏出するおそれが生じる。しかし、本参考例に係る軸受装置によればオイル供給装置の能力を高めることなく、潤滑油噴出孔が異物によって閉塞する可能性を低減することができるので、オイル供給装置の能力を高めることに伴う上記問題は発生しない。
−異物回収部の変形例−
既述の異物回収部87は、ベアリングハウジング8の周壁891を貫通して、第2溝部73内と、圧力解放領域(大気圧に近い領域)である廃油空間80とを連通している。このため、第2溝部73内の圧力が低下し、良好なオイルフィルムダンパを維持できなくなることも考えられる。第2溝部73内およびオイルフィルムダンパ形成隙間内の油圧を維持するためには、上流側のオイル供給装置(オイルポンプ)の能力(供給油量・油圧)を高めなければならない。
既述の異物回収部87は、ベアリングハウジング8の周壁891を貫通して、第2溝部73内と、圧力解放領域(大気圧に近い領域)である廃油空間80とを連通している。このため、第2溝部73内の圧力が低下し、良好なオイルフィルムダンパを維持できなくなることも考えられる。第2溝部73内およびオイルフィルムダンパ形成隙間内の油圧を維持するためには、上流側のオイル供給装置(オイルポンプ)の能力(供給油量・油圧)を高めなければならない。
しかし、図3に示すように、異物回収部87Aを圧力解放領域と直接連通しない有底タイプの凹部とすることで、第2溝部73内の圧力は維持される。なお、この異物回収部87Aもベアリングハウジング8において第2溝部73がベアリングホルダ支持面89との間に形成する環状油路の最下位置に連通(異物規制隙間、オイルフィルムダンパ形成隙間を介在することなく直接的に連通)する位置に設けられており、ベアリングハウジング8のベアリングホルダ支持面89の最下位置に設けられている。また、この異物回収部87Aも、排出口781、第3溝部74に連通しないようにすることが好ましい。なお、異物回収部87Aは、環状油路に対して最下位置以外の位置で連通したものであってもよい。
[第2の参考例]
つぎに第2の参考例について図4に基づいて説明する。なお、第1の参考例における構成と同様のものについては同符号を付して説明を省略する。
つぎに第2の参考例について図4に基づいて説明する。なお、第1の参考例における構成と同様のものについては同符号を付して説明を省略する。
本参考例におけるターボチャージャが備える軸受装置は、タービン軸1をベアリングハウジング8A内で支持する軸受部として、セミフローティングベアリング5Aを採用したものである。
セミフローティングベアリング5Aは、略円筒形状をしており、ベアリングハウジング8A内に回転不能に嵌め込まれている。すなわち、セミフローティングベアリング5Aは、その円筒軸線回りに回転しないように、ベアリングハウジング8Aに対してピン6にて固定されている。但し、セミフローティングベアリング5Aとベアリングハウジング8Aとの間でオイルフィルムダンパを形成するために、セミフローティングベアリング5Aとベアリングハウジング8Aとの間には所定の隙間が確保されており、この隙間の範囲内でセミフローティングベアリング5Aは径方向への移動が可能となっている。
また、セミフローティングベアリング5Aの外周53には、周方向に沿って第1溝部54および第2溝部55が互いに間隔をあけて形成されている。これらの溝部54,55とベアリングハウジング8A内の円筒状のベアリング支持面89Aとの間で環状油路が形成される。この環状油路はベアリングハウジング8A内に設けられた潤滑油供給路81に連通(異物規制隙間、オイルフィルムダンパ形成隙間を介在することなく直接的に連通)しており、この潤滑油供給路81から潤滑油が直接供給されるようになっている。この第1溝部54に供給された潤滑油は、タービン軸1の軸線方向両側に流れ出し、セミフローティングベアリング5Aの外周53とベアリングハウジング8Aのベアリング支持面89Aとの間に形成される略円環状の隙間空間9Bに供給される。隙間空間9Bに供給された潤滑油は、セミフローティングベアリング5Aとベアリングハウジング8Aとの間で振動を減衰するオイルフィルムダンパを形成する。
また、隙間空間9Bに供給される潤滑油は、第2溝部55、セミフローティングベアリング5Aの両端面とその対向面との隙間(不図示)、タービン軸1などにも供給される。
第2溝部55は、第1溝部54よりもタービンブレード2側に設けられており、この第2溝部55からセミフロートベアリング5Aの内周57に通じる油孔58が形成されている。この油孔58は、第2溝部55に供給された潤滑油をセミフローティングベアリング5Aの内周57側に供給する油路として機能する。セミフローティングベアリング5Aの内周57側に供給された潤滑油は、セミフローティングベアリング5Aの内周57とタービン軸1との間に供給されオイルフィルムダンパおよび潤滑油膜を形成する。
セミフローティングベアリング5Aの外周53は、ベアリングハウジング8Aのベアリング支持面89Aとの間でオイルフィルムダンパを形成する隙間(以下「オイルフィルムダンパ形成隙間」ともいう。)を確保するようにその直径が設定されたオイルフィルムダンパ形成部59と、既述の溝部54,55と、異物規制隙間形成部50とが形成されている。オイルフィルムダンパ形成部59は、第1溝部54よりインペラ3側と、第2溝部55よりタービンブレード2側とに形成されている。
また、異物規制隙間形成部50は、第1溝部54と第2溝部55との間に形成されており、ベアリングハウジング8Aのベアリング支持面89Aとの隙間で、一定サイズ以上の異物を通さない異物規制隙間91を形成する。
また、第1の参考例と同様に、本参考例におけるベアリングハウジング8Aのベアリング支持面89Aにも、セミフローティングベアリング5Aの第1溝部54がベアリング支持面89Aとの間に形成する環状油路の最下位置に連通(異物規制隙間、オイルフィルムダンパ形成隙間を介在することなく直接的に連通)する異物回収部87が設けられている。異物回収部87は図示するように貫通孔からなるものであってもよいし、既述の凹部からなる異物回収部87A(図3参照)であってもよい。また、異物回収部87又は87Aは、環状油路に対して最下位置以外の位置で連通したものであってもよい。
また、本参考例においても、第1の参考例と同様にセミフローティングベアリング5Aの各部の寸法が設定されている。すなわち、異物規制隙間91の径方向隙間の最大値が油孔58の内径の最小値より小さく設定されている。これにより潤滑油中の異物で油孔58が閉塞される可能性が低減する。
また、油孔58の流路面積と油孔58の入口より下流側の隙間空間9B(ベアリング支持面89Aとセミフローティングベアリング5Aの外周との隙間空間)の流路面積との和が、異物規制隙間91の流路面積より小さくなっている。このため、供給する潤滑油の油量・油圧を増加させることなく、油孔58を通じてタービン軸1側へ供給する油量を十分に確保することができる。また、油孔58が設けられた第2溝部55より下流側の隙間空間9Bにも十分な油量を供給でき、当該隙間空間9Bに良好なオイルフィルムダンパを形成することができる。
[第3の参考例]
つぎに第3の参考例について図5に基づいて説明する。なお、第1の参考例における構成と同様のものについては同符号を付して説明を省略する。
つぎに第3の参考例について図5に基づいて説明する。なお、第1の参考例における構成と同様のものについては同符号を付して説明を省略する。
本参考例におけるターボチャージャが備える軸受装置は、タービン軸1をベアリングハウジング8B内で支持する軸受部として、フルフローティングベアリング5Bを採用したものである。
フルフローティングベアリング5Bは、略円筒形状をしており、ベアリングハウジング8B内に回転自在に嵌め込まれている。また、オイルフィルムダンパおよび潤滑油膜を形成するために、フルフローティングベアリング5Bとベアリングハウジング8Bとの間には所定の隙間が確保されており、この隙間の範囲内で径方向への移動が可能となっている。
符号92は、タービン軸1のスラスト力を回転しつつ受けるスラストベアリングであり、符号93はタービン軸1に回転一体に外嵌され、スラストベアリング92に対して軸線方向に係合したリング部材である。また、符号94は、ベアリングハウジング8B内に固定された規制部材である。フルフローティングベアリング5Bは上記リング部材93と規制部材94とによって軸線方向への移動が所定範囲に限定されている。
また、フルフローティングベアリング5Bの外周53Aには、周方向に沿って第1溝部54A、第2溝部54B、第3溝部55Aおよび第4溝部55Bが互いに間隔をあけて形成されている。これらの溝部54A,54B,55A,55Bとベアリングハウジング8B内の円筒状のベアリング支持面89Bとの間で環状油路が形成される。第1溝部54Aおよび第2溝部54Bがベアリング支持面89Bとの間に形成する各環状油路にはベアリングハウジング8B内に設けられた潤滑油供給路81の分岐路82,82が連通(異物規制隙間、オイルフィルムダンパ形成隙間を介在することなく直接的に連通)しており、この分岐路82,82からそれぞれ潤滑油が直接供給されるようになっている。これらの第1溝部54Aおよび第2溝部54Bに供給された潤滑油は、タービン軸1の軸線方向両側に流れ出し、フルフローティングベアリング5Bの外周53Aとベアリング支持面89Bとの間に供給される。隙間空間9Cに供給された潤滑油は、フルフローティングベアリング5Bとベアリングハウジング8Bとの間で振動を減衰するオイルフィルムダンパを形成する。
また、隙間空間9Cに供給される潤滑油は、第3溝部55A、第4溝部55B、フルフローティングベアリング5Bの両端面、タービン軸1などにも供給される。
第3溝部55Aおよび第4溝部55Bは、第1溝部54Aおよび第2溝部54Bの軸線方向両外側に設けられており、これらの第3溝部55Aおよび第4溝部55B(フルフローティングベアリング5Bの外周53A)からフルフローティングベアリング5Bの内周57Aに亘ってそれぞれ油孔58Aが貫通して設けられている。
これらの油孔58Aは、第3溝部55A,第4溝部55Bに供給された潤滑油をフルフローティングベアリング5Bの内周57A側に供給するための油路として機能する。フルフローティングベアリング5Bの内周57A側に供給された潤滑油は、フルフローティングベアリング5Bの内周57Aとタービン軸1との間に供給されオイルフィルムダンパおよび潤滑油膜を形成する。
フルフローティングベアリング5Bの外周53Aは、ベアリングハウジング8Bのベアリング支持面89Bとの間でオイルフィルムダンパを形成する隙間(以下「オイルフィルムダンパ形成隙間」ともいう。)を確保するようにその直径が設定されたオイルフィルムダンパ形成部59Aと、既述の溝部54A,54B,55A,55Bと、異物規制隙間形成部50Aとが形成されている。オイルフィルムダンパ形成部59Aは、第3溝部55Aよりインペラ3側と、第4溝部55Bよりタービンブレード2側と、第1溝部54Aと第2溝部54Bの間と、に形成されている。
また、異物規制隙間形成部50Aは、第1溝部54Aと第3溝部55Aとの間、および、第2溝部54Bと第4溝部55Bとの間に形成されている。これら異物規制隙間形成部50Aは、ベアリング支持面89Bとの隙間により、一定サイズ以上の異物を通さない異物規制隙間91を形成する。
また、第1の参考例と同様に、本参考例におけるベアリングハウジング8Bのベアリング支持面89Bにも、フルフローティングベアリング5Bの第1溝部54Aおよび第2溝部54Bがベアリング支持面89Bとの間に形成する各環状油路の最下位置に連通(異物規制隙間、オイルフィルムダンパ形成隙間を介在することなく直接的に連通)する異物回収部87がそれぞれ設けられている。異物回収部87は、図示するように貫通孔からなるものであってもよいし、既述の凹部からなる異物回収部87A(図3参照)であってもよい。また、異物回収部87又は87Aは、環状油路に対して最下位置以外の位置で連通したものであってもよい。
また、本参考例においても、第1の参考例と同様にフルフローティングベアリング5Bの各部の寸法が設定されている。すなわち、異物規制隙間91の径方向隙間の最大値が油孔58Aの内径の最小値より小さく設定されている。これにより潤滑油中の異物で油孔58Aが閉塞される可能性が低減する。
また、油孔58Aの流路面積と油孔58Aの入口より下流側の隙間空間9C(ベアリング支持面89Bとフルフローティングベアリング5Bの外周との隙間空間)の流路面積との和が、異物規制隙間91の流路面積より小さくなっている。このため、供給する潤滑油の油量・油圧を増加させることなく、油孔58Aを通じてタービン軸1側へ供給する油量を十分に確保することができる。また、油孔58Aが設けられた第3溝部55A、第4溝部55Bより下流側の隙間空間9Cにも十分な油量を供給でき、当該隙間空間9Cに良好なオイルフィルムダンパを形成することができる。
[本実施形態]
つぎに本実施形態について図6に基づいて説明する。なお、第1の参考例における構成と同様のものについては同符号を付して説明を省略する。
つぎに本実施形態について図6に基づいて説明する。なお、第1の参考例における構成と同様のものについては同符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるターボチャージャが備える軸受装置は、第1の参考例におけるベアリングホルダ7において、第2溝部55が省略され、潤滑油供給路81の分岐路82は、第3溝部74とベアリングホルダ支持面89との間に形成される環状油路に連通(オイルフィルムダンパ形成隙間を介在することなく直接的に連通)している。
また、第3溝部74は、タービン軸1の軸線を中心として傾斜したテーパ状の底面74bを有している。本実施形態では、タービンブレード2側からインペラ3側に向かってタービン軸1の軸線を中心に縮径した底面74bとなっている。
本実施形態では、一定サイズ以上の異物を通さない異物規制隙間91Aは、潤滑油噴出孔76の入口輪郭のうち最もロータ1の軸線に近い部分761を周方向に通過する外周線L1と、ベアリングホルダ支持面89との間の径方向隙間で形成される。
そして、オイルフィルムダンパ形成部77と円形の上記外周線L1との半径差をC3とすれば、異物規制隙間91Aの径方向隙間の最大値は、C2+C3となり、このC2+C3は次式6を満たす。
C2+C3 < d・・・(6)
すなわち、異物規制隙間91Aの径方向隙間の最大値C2+C3は、潤滑油噴出孔76の内径の最小値dより小さくなっている。
すなわち、異物規制隙間91Aの径方向隙間の最大値C2+C3は、潤滑油噴出孔76の内径の最小値dより小さくなっている。
また、潤滑油供給路81の分岐路82の下流端は、後述する領域S内で第3溝部とベアリングホルダ支持面89との間で形成される環状油路に対して開口している。上記領域Sは、異物規制隙間91の径方向隙間より大きい径方向隙間からなる環状油路の片側の領域であり、本実施形態では、異物規制隙間91より軸線方向コンプレッサ3側の領域である。
また、本実施形態においても、第1の参考例と同様に、異物回収部87がベアリングホルダ支持面89に設けられており、この異物回収部87は、第3溝部74がベアリングホルダ支持面89との間に形成する環状油路の最下位置に連通(オイルフィルムダンパ形成隙間を介在することなく連通)している。異物回収部87は図示するように貫通孔からなるものであってもよいし、既述の凹部からなる異物回収部87A(図3参照)であってもよい。また、異物回収部87又は87Aは、環状油路に対して最下位置以外の位置で連通したものであってもよい。
以上のように構成されたベアリングホルダ7Aを有するターボチャージャにおいては、給油孔86から一定の圧力以上(オイルフィルムダンパを形成するのに必要な圧力以上)で潤滑油が吐出供給されると、その潤滑油は潤滑油供給路81、分岐路82,82を通じて、第1溝部72および第3溝部74に供給される。そして、これらの第1溝部72および第3溝部74を介して、隙間空間9等に潤滑油が供給され、これにより、オイルフィルムダンパが形成される。また、第3溝部74内の潤滑油は、潤滑油噴出孔76からボールベアリング5に向けて噴出する。
このとき、既述の式6より、異物規制隙間91Aの径方向隙間の最大値C2+C3は潤滑油噴出孔76の内径の最小値dより小さいことから、異物規制隙間91Aを通過可能な異物は、潤滑油噴出孔76を通過する可能性が高い。したがって、潤滑油噴出孔76が潤滑油中の異物により閉塞される可能性が低減する。
また、異物規制隙間91Aを通過することができなかった異物は、第3溝部74の下方に落下して異物回収部87に回収される。異物回収部87に回収された異物は、さらに異物回収部87の小径孔部872から下方へ排出される。
以上に説明した実施形態では本発明の軸受装置をターボチャージャに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明の軸受装置の適用範囲は、ターボチャージャに限定されず、その他の種類の回転機にも適用可能である。
本発明は、例えば、ベアリングハウジングとの間でオイルフィルムダンパを形成し、タービン軸をベアリングハウジング内で支持するベアリング部を備える軸受装置に適用可能である。
L1 外周線
S 領域内
1 タービン軸(ロータ軸)
5 ボールベアリング(ベアリング部)
5A セミフローティングベアリング
5B フルフローティングベアリング
7,7A ベアリングホルダ(ベアリング部)
8 ベアリングハウジング
87 異物回収部(異物を回収するための貫通孔)
87A 異物回収部(異物を回収するための凹部)
54,55,72,73,74 溝部(環状油路)
58 油孔
74 第3溝部
74b 底面
76 潤滑油噴出孔(油孔)
81 潤滑油供給路(オイル供給路)
82 分岐路(オイル供給路)
91、91A 異物規制隙間
761 入口輪郭のうち最もロータの軸線に近い部分
S 領域内
1 タービン軸(ロータ軸)
5 ボールベアリング(ベアリング部)
5A セミフローティングベアリング
5B フルフローティングベアリング
7,7A ベアリングホルダ(ベアリング部)
8 ベアリングハウジング
87 異物回収部(異物を回収するための貫通孔)
87A 異物回収部(異物を回収するための凹部)
54,55,72,73,74 溝部(環状油路)
58 油孔
74 第3溝部
74b 底面
76 潤滑油噴出孔(油孔)
81 潤滑油供給路(オイル供給路)
82 分岐路(オイル供給路)
91、91A 異物規制隙間
761 入口輪郭のうち最もロータの軸線に近い部分
Claims (7)
- 外周に周方向に形成された溝部を有し、ベアリングハウジング内でロータ軸を支持するベアリング部と、
前記ベアリングハウジングに設けられて、前記ベアリングハウジングと前記ベアリング部の溝部との間で周方向に形成される環状油路に連通するオイル供給路と、
前記ベアリング部の溝部から同ベアリング部の内周に亘って貫通し、前記環状油路からオイルが供給されるように配設された油孔と、
を備える軸受装置において、
前記溝部は、前記ロータ軸の軸線を中心として傾斜したテーパ状の底面を有し、
前記油孔の入口輪郭のうち最も前記ロータの軸線に近い部分を周方向に通過する外周線と、前記ベアリングハウジングとの隙間から異物規制隙間が形成され、
この異物規制隙間の径方向隙間の最大値が、前記油孔の内径の最小値より小さくなっており、
前記オイル供給路の下流端は、前記異物規制隙間の径方向隙間より大きい径方向隙間からなる環状油路の片側領域に対して開口していることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1に記載の軸受装置において、
前記ベアリング部は、前記ベアリングハウジングとの間でオイルフィルムダンパを形成しながら同ベアリングハウジング内でロータ軸を支持するものであることを特徴とする軸受装置。 - 請求項2に記載の軸受装置において、
前記ベアリング部は、前記ベアリングハウジング内に内嵌され、同ベアリングハウジングとの間でオイルフィルムダンパを形成するベアリングホルダと、このベアリングホルダ内でロータ軸を支持するボールベアリングとからなり、
前記ベアリング部の溝部は、前記ベアリングホルダの外周に周方向に形成されており、
前記環状油路は、前記ベアリングハウジングと前記ベアリングホルダの溝部との間で周方向に形成されており、
前記油孔は、前記ベアリングホルダの溝部の底面から同ベアリングホルダの内周に亘って貫通し、前記環状油路から前記異物規制隙間を介してオイルが供給されるように配設され、前記ボールベアリング又は前記ボールベアリングの近傍に向かってオイルを噴出するオイル噴出孔である、ことを特徴とする軸受装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の軸受装置において、
前記ベアリングハウジングには、前記環状油路内の異物を回収するために、同環状油路に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の軸受装置において、
前記ベアリングハウジングには、前記環状油路内の異物を回収するために、同環状油路に連通する凹部が形成されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の軸受装置において、
前記ベアリングハウジングには、前記環状油路内の異物を回収するために、同環状油路の最下位置に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とする軸受装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の軸受装置において、
前記ベアリングハウジングには、前記環状油路内の異物を回収するために、同環状油路の最下位置に連通する凹部が形成されていることを特徴とする軸受装置。
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