JP5510215B2 - 蓋材 - Google Patents

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本発明は、インスタントラーメン、焼きそば、パスタ等の即席麺等を包装するトレーやカップ形状の容器に熱接着して密封することができるアルミニウム等の金属箔を含まない積層体からなる蓋材に関し、詳しくは蓋材を容器から一部剥離して開口し、容器に収容された即席麺等に熱湯を注いだ後、再び剥離した蓋材を元に戻し開口を再封して覆うことができる蓋材に関する。
従来、即席麺などの即席食品の容器には、熱湯を注ぐ際に半分ほど開封し、熱湯を注いだ後で再封する蓋材が用いられている。そして、蓋材は、容器に剥離可能に熱接着できる熱接着性樹脂層と形状保持性に優れたアルミニウム箔と表面に印刷を施した紙層などを積層した多層の積層体で構成されている。
容器に収容された即席麺の調理に際しては、まず、蓋材を半分程度剥離して容器を開口する。このとき、蓋材はアルミニウム箔が積層されているので剥離した蓋材が半開き状態の形状で保持されるので開口部より熱湯を注ぐことができる。熱湯を注いだ後は、蓋材を元の状態に戻すと蓋材が反り返ることがないので容器の開口部を覆い再封することができる。このようにアルミニウム箔を積層した構成の蓋材は、蓋材を剥離したままの形状を維持でき、また元の状態に戻すことができるという特性(以下、デッドホールド性という)を有する。
しかしながら、アルミニウム箔を積層した積層体からなる蓋材は、内容物が収容された容器本体中に誤って混入する可能性がある金属異物を検査するための金属探知機が使用できないという問題や、使用後の包装容器の焼却処理において、焼却炉の炉壁等にアルミニウム箔がインゴットになって付着するという不具合を生じることがあるという問題があった。そこで、これらを解決するために蓋材にアルミニウム箔を含まない構成の積層体を用いる試みがされてきた。アルミニウム箔を含まない積層体からなる蓋材は、デッドホールド性を有していないので、蓋材にデッドホールド性を付与させる研究が盛んに行われ、紙層と、該紙層の裏面にシーラント層を設けた積層構成の周縁にタブを有する蓋材であって、シーラント層もしくは該シーラント層と紙層裏面の途中まで、タブと直交する方向に延びる、タブより少なくとも蓋材の略中心部まで切り込み線が施されてなる蓋材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、アルミニウム箔を含まない積層体からなり外周縁に剥離用タブと開封用タブを有し、該両タブは中心より略90°の位置に設けられ、前記積層体は、複合シートと表面シートとが、中央に剥離用タブの基部の幅近傍の所定の領域に形成された易剥離領域と該易剥離領域以外の接着領域とに区画されて互いに積層接着され、表面シートの易剥離領域と接着領域の境界線よりやや易剥離領域の両側にハーフカットによるミシン目を刻設した即席食品用容器の蓋材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−10657号公報 特開2002−37311号公報
しかし、特許文献1に記載の蓋材は、シーラント層もしくは該シーラント層と紙層裏面の途中まで切り込み線を施しデッドホールド性を付与する構成であり、蓋材の防湿性、ガスバリア性が低下するという欠点や切り込み線の深さが浅いと蓋材の防湿性やガスバリア性の低下を少なくできるが、十分なデッドホールド性が得られないという問題がある。さらに、切り込み線を施す工程が増えるという問題もある。
また、特許文献2に記載の蓋材は、表面シートにミシン目が刻設されるので、複合シートにより防湿性、ガスバリア性が保持されるので特許文献1のような防湿性、ガスバリア性が低下することが解消された構成である。しかしながら、表面シートに易剥離領域を形成する工程とミシン目を施す工程が増えると共に、易剥離領域とミシン目との見当合せが必要となり煩わしい品質管理が必要となるという問題がある。さらに、即席食品用容器の蓋材の開封の際、段落(0019)に記載があるように「図5の斜視図に示すように、まず帯状の易剥離領域(L1)の先端の剥離用ノブ(22a)をつまみ、その裏面の基部に施されているハーフカット溝(48)で手前に折り曲げ、続いてこのハーフカット溝(48)をきっかけとしてミシン目(32)に沿って破りながら易剥離領域(L1)の易剥離層(50)から剥離して、剥離用ノブ(22a)ごと易剥離領域(L1)の表面シート(30)を取り去る。」という操作を行い、次に、段落(0020)、図6に記載があるように「開封用ノブ(22b)を引っ張り上げながら中央の帯状の易剥離領域で表面シート(30)が剥離除去された部分まで容器フランジ部(12)より剥離し、その剥離除去された部分の複合シート(40)から折り曲げて開封が完了する。」という操作を行うものであり、蓋材の開封に2つのアクションが要求され、使用者にとって面倒なものであり、1アクションで開封可能な蓋材の開発が望まれている。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、カップ状容器本体の蓋材として金属箔層を含まない積層体からなり、十分なデッドホールド性が得られ開封性と再封性が得られる蓋材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、カップ状容器本体の開口部を密封する金属箔層を含まない積層体からなる蓋材において、前記積層体がホットメルト層を介して紙層と内層が積層された構成からなり、前記ホットメルト層が、粘弾性を有するホットメルト型接着剤で形成されていることを特徴とする蓋材である。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の蓋材において、前記ホットメルト型接着剤が、熱可塑性樹脂と粘着付与剤を含む構成からなり、測定温度をTとし、測定温度Tで測定した前記ホットメルト型接着剤の貯蔵弾性率をG’、損失弾性率をG”とし、振動吸収係数(tanδ)が〔tanδ=G”/G’〕なる式で表せると定義したとき、0℃≦T≦50℃の測定温度範囲において振動吸収係数(tanδ)が4.0×10-1以上であることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載の蓋材において、前記積層体が、前記ホットメルト層と前記内層または前記紙層と前記ホットメルト層との間に中間層が積層されてなることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の蓋材において、前記蓋材の外周縁に前記ホットメルト層が除かれたホットメルト層非形成部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の蓋材において、前記ホットメルト層非形成部に前記ホットメルト型接着剤により部分的に形成されたスポット接着部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の本発明は、請求項4または5に記載の蓋材において、前記紙層の前記ホットメルト層と積層される側と、前記内層または前記中間層の前記ホットメルト層と積層される側とに熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、蓋材をアルミニウム等の金属箔層を含まない積層構成とすることにより、金属探知機による金属異物の混入検査が可能となり、使用後の蓋材の焼却処理が可能となる。また、蓋材を構成する積層体がホットメルト層を介して紙層と内層が積層された構成からなり、前記ホットメルト層が、粘弾性を有するホットメルト型接着剤で形成されている構成とすることにより、蓋材に良好なデッドホールド性を付与することができるので蓋材をカップ状容器本体から剥離すると、剥離した部分の蓋材はデッドホールド性により折り曲げられた状態を保持できるので開口を形成することができる。したがって、従来のように2アクションで開封することなく、1アクションで開封が可能となり利便性が付与できるという効果を奏する。また、剥離した部分の蓋材を元の状態に戻すと容器の開口を覆うことができ、簡便な操作で開封性および再封性が得られる。さらに、従来のようにハーフカットによるミシン目を施す工程が省略できるので工程の簡素化が図れる。
また、請求項2に記載の発明によれば、ホットメルト型接着剤が、熱可塑性樹脂と粘着付与剤を含む構成からなり、測定温度をTとし、測定温度Tで測定した前記ホットメルト型接着剤の貯蔵弾性率をG’、損失弾性率をG”とし、振動吸収係数(tanδ)が〔tanδ=G”/G’〕なる式で表せると定義したとき、0℃≦T≦50℃の測定温度範囲において振動吸収係数(tanδ)が4.0×10-1以上であるという構成とすることにより、上記効果に加え、より優れたデッドホールド性が得られる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記積層体を前記ホットメルト層と前記内層または前記紙層と前記ホットメルト層との間に中間層が積層された構成とすることにより、上記の効果に加え、蓋材により優れた防湿性とガスバリア性を与えることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記蓋材の外周縁に前記ホットメルト層が除かれたホットメルト層非形成部が設けられている構成とすることにより、カップ状容器本体の開口部を蓋材で覆い熱板で熱接着する際、熱板の温度が高くなったり、圧力が強くなったりしてもホットメルト層を形成するホットメルト型接着剤が溶け出して熱板に付着することがないので、次の蓋材を熱接着する際に次の蓋材が熱板に付着することが防げ、作業性が向上すると共に、温度・圧力等の熱接着条件の設定範囲を広くできる効果がある。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記ホットメルト層非形成部に前記ホットメルト型接着剤により部分的に形成されたスポット接着部が設けられている構成とすることにより、蓋材の外周縁の紙層と内層ないしは中間層との間の浮き上がりを防止できる。
また、請求項6に記載の発明によれば、前記紙層の前記ホットメルト層と積層される側と、前記内層または前記中間層の前記ホットメルト層と積層される側とに熱可塑性樹脂層が積層されている構成とすることにより、カップ状容器本体の開口部を蓋材で覆い熱板で熱接着する際、熱接着領域においてホットメルト層を形成するホットメルト型接着剤がない部分は、紙層に積層された熱可塑性樹脂層と、内層または中間層に積層された熱可塑性樹脂層とが、直接接することとなり、熱接着され一体化されるので蓋材の外周縁が紙層と内層ないしは中間層との間で浮き上がることをより確実に防止できる。
本発明にかかる蓋材の第一実施形態を示す図であって、(イ)は本発明にかかる蓋材をカップ状容器本体の開口部に熱接着した状態を示す平面図、(ロ)は本発明にかかる蓋材をカップ状容器本体の開口部に熱接着した状態を示す正面図である。 本発明にかかる蓋材の積層体の積層構成を説明する図であって、(イ)は本発明にかかる蓋材の第一実施形態を示す断面図、(ロ)は本発明にかかる蓋材のその他の積層体の構成例を示す断面図である。 本発明にかかる蓋材の第一実施形態において、蓋材の一部を開封した状態を示す説明図である。 本発明に係る蓋材の第二実施形態を示す図であって、(イ)は本発明にかかる蓋材のホットメルト層を透視した平面図、(ロ)は積層体の積層構成を示すY−Y線断面図である。 本発明に係る蓋材の第三実施形態を示す図であって、(イ)は本発明にかかる蓋材のホットメルト層を透視した平面図、(ロ)は積層体の積層構成を示すZ−Z線断面図である。
以下図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明にかかる蓋材の第一実施形態を示す図であって、(イ)は本発明にかかる蓋材をカップ状容器本体の開口部に熱接着した状態を示す平面図、(ロ)は本発明にかかる蓋材をカップ状容器本体の開口部に熱接着した状態を示す正面図、図2は本発明にかかる蓋材の積層体の積層構成を説明する図であって、(イ)は本発明にかかる蓋材の第一実施形態を示す断面図、(ロ)は本発明にかかる蓋材の積層体の構成例を示す断面図、図3は本発明にかかる蓋材の第一実施形態において、蓋材の一部を開封した状態を示す説明図、図4は本発明に係る蓋材の第二実施形態を示す図であって、(イ)は本発明にかかる蓋材のホットメルト層を透視した平面図、(ロ)は積層体の積層構成を示すY−Y線断面図、図5は本発明に係る蓋材の第三実施形態を示す図であって、(イ)は本発明にかかる蓋材のホットメルト層を透視した平面図、(ロ)は積層体の積層構成を示すZ−Z線断面図であり、図中の符号1、1’、1’’は蓋材、1aは開封片、2は開封用摘み部、10は紙層、11はホットメルト層、12は中間層、13は内層、14は遮光層、15はホットメルト層非形成部、16は熱可塑性樹脂層、17はスポット接着部、20はカップ状容器本体、21はフランジ、22は注湯口、Aは最初に開封用摘み部が位置していたカップ状容器本体の外縁、Bはカップ状容器本体の中心、CはAとBを結ぶ線上において剥離された蓋材より垂らした垂線と交わる交点のうち、カップ状容器本体の外縁Aに最も近い交点、hは開封した蓋材の開封用摘み部の先端からフランジで形成される水平面に至る垂直の高さ、lはAとCとを結ぶ長さ、Sは熱接着部をそれぞれ示す。
本発明にかかる蓋材の第一実施形態は図1〜図3に示すとおりである。本発明にかかる蓋材1の第一実施形態は、図1(イ)および(ロ)に示すように、例えば上面に円形の開口部を有するカップ状容器本体20の開口部外周縁にフランジ21が設けられ、該カップ状容器本体20のフランジ21の周縁と略同じ大きさ若しくは少し大きい円形状の蓋材1をカップ状容器本体20の開口部を覆うように載置し、蓋材1とカップ状容器本体20のフランジ21が熱接着されカップ状容器本体20が密封されている。なお、図1(イ)の斜線部は蓋材1とフランジ21とが熱接着され形成された熱接着部Sを示すものである。円形状の蓋材1は、外周縁にカップ状容器本体20の開口外周縁より外方に突出する開封用摘み部2を備えている。蓋材1は、金属箔層を含まない積層構成の積層体からなっている。なお、本発明に記載する金属箔層とは、アルミニウム、鉄、錫等およびそれらの合金等からなるものである。
図2は、本発明にかかる蓋材の積層体の積層構成を説明する図であって、図1(イ)のX−X線における蓋材のみを示す断面図である。図2(イ)は本発明にかかる蓋材の第一実施形態の積層体を示す断面図、(ロ)は本発明にかかる蓋材のその他の積層体の構成例を示す断面図である。図2(イ)に示すように本発明の蓋材1は、外側から紙層10、ホットメルト層11、中間層12、内層13が順次、積層された構成の積層体からなるものである。紙層10の外面には図示しないが通常、品名、調理方法等の印刷が施される。中間層12は、内容物の保存性により防湿性やガスバリア性を付与したり、あるいは、蓋材の開封時の蓋材の破れ防止のために積層されるものであり、内容物や要求される蓋材とカップ状容器本体との接着強度により適宜、設けられる。つまり、蓋材に優れた防湿性やガスバリア性を必要としない場合、あるいは、蓋材とカップ状容器本体との強い接着強度を要求されない場合、中間層12を設けずにホットメルト層11を介して紙層10と内層13が積層される構成にできる。
また、蓋材1の積層体において、中間層12は、ホットメルト層11と内層13との間、または紙層10とホットメルト層11との間に積層することができるが、ホットメルト層11と内層13との間に積層するほうが、製品の輸送、保管中に蓋材1のデラミネーションの発生がないので好ましい。また、紙層10の外面側に表面層を積層することもできるがデッドホールド性が低下する恐れがあり、表面層を設ける場合には厚さ20μm以下のプラスチックフィルムにするのが好ましい。
本発明の蓋材1は、積層体にホットメルト層11を介して紙層10と内層13が積層された構成とし、ホットメルト層11が、粘弾性を有するホットメルト型接着剤で形成されることが重要であり、このような構成とすることにより、蓋材1が塑性変形しやすくなり、蓋材1に優れたデッドホールド性を付与できるものである。さらに、ホットメルト層11を形成するホットメルト型接着剤が、熱可塑性樹脂と粘着付与剤を含む構成からなり、測定温度をTとし、測定温度Tで測定した前記ホットメルト型接着剤の貯蔵弾性率をG’、損失弾性率をG”とし、振動吸収係数(tanδ)が〔tanδ=G”/G’〕なる式で表せると定義したとき、0℃≦T≦50℃の測定温度範囲において振動吸収係数(tanδ)が4.0×10-1以上であるという特性を有することが好ましい。
図2(ロ)は本発明にかかる蓋材のその他の実施形態の積層体を示す断面図であって、外側から紙層10、ホットメルト層11、遮光層14、中間層12、内層13が順次、積層された構成の積層体からなるものである。カップ状容器本体20に収容される内容物により蓋材1に遮光性が必要な場合には、中間層12のホットメルト層11と対向する側に遮光層14を積層した構成にすることができる。なお、遮光層14を設ける面を紙層10のホットメルト層11と対向する側としてもよい。遮光層は、酸化チタン等を主成分とするホワイトインキやカーボンブラック等を主成分とするブラックインキ、アルミペーストを主成分とするグレーインキまたはこれらの混合したインキ等を用いて紙層または中間層に印刷法やコーティング法により設ける。また、蓋材1の形状は円形状に限定されるものではなく、任意であり角形状、楕円状等にもでき、カップ状容器本体の開口部の形状により適宜選定されるものである。
次に、図1、図3を参照しながら第一実施形態の蓋材1がカップ状容器本体20の開口部に熱接着された包装体の使用方法について説明する。
図1(ロ)に示す開封用摘み部2を指で摘み引っ張り、図3に示すように、蓋材1をカップ状容器本体20のフランジ21より剥離させ、蓋材1の略中心付近まで剥離する。蓋材1の積層体にはホットメルト層11が積層されているので蓋材1が塑性変形し優れたデッドホールド性が得られるので、蓋材1を容易に折り曲げることができ、剥離した開封片1aが元に戻ることがなくそのまま状態が維持され、注湯口22より安心して熱湯等をカップ状容器本体20内に注ぐことができる。蓋材1を剥離する場合、開封用摘み部2を上に引っ張り上げてカップ状容器本体20のフランジ21より剥離が始まると開封用摘み部2を開封用摘み部2と対向する蓋材1の外縁側に折り畳むようにして(カップ状容器本体20のフランジ21に対して剥離される蓋材1の成す角度が略180°となる)、剥離するとより優れたデッドホールド性が得られるので好ましい開封方法である。
その後、図示しないが再び折り曲げた蓋材1の開封片1aを元に戻すと、蓋材1の有するデッドホールド性により図1(ロ)に示すような平坦な状態になり容易に閉蓋でき、良好な再封性が得られる。このように蓋材1をホットメルト層11を備えた構成の積層体とすることによりアルミニウム箔等の金属箔層を含まない積層体であっても優れたデッドホールド性により1アクションで良好な開封性と良好な再封性を備えた蓋材とすることができるものである。
閉蓋後、所要時間経過し内容物が調理された後、開封用摘み部2を指で摘んで蓋材1をカップ状容器本体20のフランジ21より剥離して取り除くと調理された内容物を食することができる。
図4は本発明に係る蓋材の第二実施形態を示す図であって、(イ)は本発明にかかる蓋材のホットメルト層を透視した平面図であり、図1(イ)に相当する透視図である。図4(イ)に示すように蓋材1’は、外周縁にホットメルト層11が除かれたホットメルト層非形成部15が設けられている。ホットメルト層非形成部15は蓋材1’の外周縁から熱接着部S(図1参照)の内縁に至るように設けるのがよい。但し、外周縁から1mm以下になると蓋材1’を容器本体20に熱接着する際にホットメルト層11のホットメルト型接着剤が蓋材1’の端面に食み出す可能性があり好ましくない。
図4(ロ)は積層体の積層構成を示し、図4(イ)のY−Y線断面図であって、外側から紙層10、ホットメルト層11、中間層12、内層13が順次、積層され、紙層10のホットメルト層11と積層される側に熱可塑性樹脂層16が積層され、さらに中間層12のホットメルト層11と積層される側に熱可塑性樹脂層16が積層され、ホットメルト層非形成部15において、熱可塑性樹脂層16同士が密接している構成である。蓋材をカップ状容器本体に熱接着するまでは、密接した熱可塑性樹脂層16同士は未接着の状態であるが、熱接着すると熱可塑性樹脂層16同士が熱接着され一体化されることによって蓋材1’の外周縁が紙層10と中間層12との間で浮き上がることを防止できる。中間層12を積層しない構成の場合には、内層13のホットメルト層11と積層される側に熱可塑性樹脂層16が積層される。また、図4において開封用摘み部2の部分には、熱接着部Sに跨らないようにホットメルト層11が設けられている。このようにすることにより、開封用摘み部2における蓋材の紙層と内層との浮き上がりを防止することができる。
上記のように第二実施形態の蓋材1’は、蓋材1’の外周縁にホットメルト層非形成部15を設ける構成とする目的は、カップ状容器本体の開口部を蓋材で覆い熱板で熱接着する際、熱板の温度が高くなったり、圧力が強くなったりしてもホットメルト層11を形成するホットメルト型接着剤が溶け出して熱板に付着することを防止することであり、必ずしも熱可塑性樹脂層16は積層されていなくてもよいが、熱可塑性樹脂層16を積層した構成にする方が、カップ状容器本体の開口部を蓋材で覆い熱板で熱接着する際、熱可塑性樹脂層16、16同士が直接、熱接着され一体化されるので蓋材の外周縁が浮き上がることがないので好ましい形態である。
図5は本発明に係る蓋材の第三実施形態を示す図であって、(イ)は本発明にかかる蓋材のホットメルト層を透視した平面図であり、図1(イ)に相当する透視図である。図5(イ)に示すように蓋材1’’は、外周縁にホットメルト層11が除かれたホットメルト層非形成部15が設けられている。ホットメルト層非形成部15は蓋材1’’の外周縁から熱接着部S(図1参照)の内縁に至るように設けるのがよい。また、外周縁から1mm以下になると蓋材1’’を容器本体20に熱接着する際にホットメルト層11のホットメルト型接着剤が蓋材1’’の端面に食み出す可能性があり好ましくない。
さらに、ドーナッツ状のホットメルト層非形成部15には、ホットメルト型接着剤により点状のスポット接着部17が、ドーナッツ状のホットメルト層非形成部15の中心線に沿って、一定の間隔で設けられている。また、スポット接着部17の形状は、特に限定されるものではなく、円形、角形、星形等で形成することができ、その大きさ、スポット接着部17の間隔、および密度は、カップ状容器本体の外径、ホットメルト層非形成部15の蓋材の外周縁からの距離を勘案し、適宜、決定される。
また、開封用摘み部2の部分には、熱接着部Sに跨らないようにホットメルト層11が設けられている。このようにすることにより、開封用摘み部2における蓋材の紙層と内層との浮き上がりを防止することができる。
図5(ロ)は積層体の積層構成を示し、図5(イ)のZ−Z線断面図であって、第二実施形態との相違点はホットメルト層非形成部15にホットメルト型接着剤により部分的に形成されたスポット接着部17が設けられている点である。その他は第二実施形態と同じであり、同じ符号を付し説明を省略する。
第三実施形態の蓋材1’’は、ホットメルト層非形成部15にホットメルト型接着剤により部分的に形成されたスポット接着部17を設けることにより、第二実施形態の蓋材1’の奏する効果に加え、蓋材1’’の外周縁が密着した状態を維持することができ、蓋材1’’の外周縁の紙層11と中間層12との間の浮き上がりを確実に防止できる。
また、必ずしも熱可塑性樹脂層16は積層されていなくてもよい点は、第二実施形態の蓋材1’と同様であるが、熱可塑性樹脂層16を積層した構成にした方が、カップ状容器本体の開口部を蓋材で覆い熱板で熱接着する際、スポット接着部17以外の部分は熱可塑性樹脂層16、16同士が熱接着され一体化されるので蓋材の外周縁が浮き上がることを防止できるので好ましい形態である。
次に、本発明の蓋材1を構成する各層に使用される材料および形成方法について説明する。
本発明の蓋材1を構成する紙層10としては、印刷適性の優れた坪量50〜130g/m2 の片面コート紙や両面コート紙が好ましい。
ホットメルト層11に使用されるホットメルト型接着剤としては、熱可塑性樹脂からなるベースポリマー、粘着付与剤、粘度調整剤、抗酸化剤、充填剤、可塑剤等を含む構成の粘弾性を有するという特性を備えたものである。特に、測定温度をTとし、測定温度Tで測定した前記ホットメルト型接着剤の貯蔵弾性率をG’、損失弾性率をG”とし、振動吸収係数(tanδ)が〔tanδ=G”/G’〕なる式で表せると定義したとき、0℃≦T≦50℃の測定温度範囲において振動吸収係数(tanδ)が4.0×10-1以上である特性を有するホットメルト型接着剤が好ましい。測定方法を次に示す。
〔貯蔵弾性率および損失弾性率の測定方法〕
測定装置:ティー・エイ・インスツルメント社製;ARES−RDA W/FCOレオメーター
測定条件:温度T℃;周波数1HZ(正弦波)
測定サンプル:8mmφ、厚さ2mmのパラレルプレート
上記特性を備えたホットメルト型接着剤のベースポリマーとしては、合成ゴム、アクリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。粘着付与剤としては、ロジン及びその誘導体、テルペン樹脂、炭化水素樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、低分子スチレン樹脂、クマロン/インデン樹脂を挙げられ、相溶性、粘着性、接着性などが優れるロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合レジン、及びこれらのエステル化物が好ましい。粘度調整剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量PEワックス等が挙げられる。ホットメルト層11は、紙層11ないしは中間層12に熱溶融されたホットメルト型接着剤をグラビアコート、ファンテンコート、ロールコート、カーテンコート、エクストルージョンコート等のコーティング法により形成すると共に、中間層12ないしは内層13とラミネーションすることにより積層される。ホットメルト層11の厚さとしては、5〜30μmが好ましい。5μm未満では、蓋材1に十分なデッドホールド性が得られず、30μmを超えるとシール条件によっては、蓋材1とカップ状容器本体20との熱接着時にホットメルト型接着剤が蓋材1の端面に食み出す可能性があり、またコストアップになる。
中間層12としては、内容物の保存性を高める観点から防湿性やガスバリア性を有し、また、蓋材の開封時の蓋材の破れ防止の観点から強度を有するプラスチックフィルムが好ましく、二軸延伸プラスチックフィルムが好適に使用される。具体的には、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の延伸フィルム、あるいはこれらに酸化アルミニウムや酸化珪素等の無機物を蒸着したフィルムが用いられる。また、これらのいずれかを組合わせて積層して用いることもできる。プラスチックフィルムの厚みは9〜40μm程度である。また、これらのプラスチックフィルムは表面層としても用いることができる。
内層13にはカップ状容器本体20フランジ21に剥離可能に熱接着する熱接着性樹脂が使用される。熱接着性樹脂としては、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタアクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンないしは易剥離性熱接着性樹脂(EPR)等が使用され、これらの樹脂をフィルム又はエクストルージョンラミネーションして内層13が形成される。なお、EPRの易剥離性を付与する方法として表面に接着力の弱い薄層を設けた多層構成とする方法や、相溶性の少ない樹脂をブレンドするなどの構成により易剥離性を発現させる方法などの公知のものが適宜採用される。
また、紙層のホットメルト層と積層される側と、内層または中間層のホットメルト層と積層される側とに積層される熱可塑性樹脂層16に用いられる熱可塑性樹脂としては、熱溶融押出し可能な樹脂が好ましく、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の樹脂を用いることができる。
上記の中間層12と内層13との間、紙層10と中間層12との間、および紙層のホットメルト層と積層される側と、内層または中間層のホットメルト層と積層される側とに積層される熱可塑性樹脂層は、ドライラミネーション法やエクストルージョンラミネーション法等の公知の技法により積層され積層材が構成される。例えば、蓋体の具体的積層構成例として、以下のような構成が挙げられる。
(1)紙/HM(ホットメルト)/PET(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)/DL(ドライラミネーション接着剤)/EPR
(2)PET/DL/紙/HM/PET/DL/EPR
(3)紙/PE(ポリエチレン)/HM(ホットメルト)/PE/PET/DL/EPR
(4)PET/DL/紙/PE/HM/PE/PET/DL/EPR
次に、本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
片面コート紙79.4g/m2 のコート面にウレタン系のグラビアインキを用いて所定の絵柄をグラビア印刷して形成した。
次に中間層として片面に酸化アルミを蒸着(VM)したPET12μm(VMPET)を用い、ホットメルト層を形成するホットメルト型接着剤に合成ゴム系のベースポリマーと粘着付与剤を含む粘着剤(株式会社MORESCO製、商品名PB−70)を用いて、VMPETのVM面に熱溶融させたホットメルト型接着剤をコーティングし厚さ10μmのホットメルト層を形成するとともに、片面コート紙の非コート面と積層し中間積層体を作製した。なお、ホットメルト層を形成するホットメルト型接着剤は、0℃〜50℃の温度範囲で粘弾性を有するものであった。また、前述した測定方法により測定したホットメルト型接着剤の振動吸収係数tanδは、30℃で1.0であった。
次に内層13に厚さ30μmの片面コロナ処理したイージーピール性(EP)フィルム(ジェイフィルム株式会社製、グレード名SMX−Y03)を用い、上記中間積層体のVMPETのPET面にポリエステル−イソシアネート系接着剤を塗布し、イージーピール性フィルムの片面コロナ処理とをドライラミネーション法(DL)により貼合して<絵柄印刷/片面コート紙/ホットメルト層/VMPET/DL/EPフィルム>なる構成の積層体を作製した。
その後、上記積層体の巻取を断裁、抜き加工をして蓋材1を作製した。
実施例1のホットメルト層に振動吸収係数tanδが30℃で5.5×10-1のホットメルト型接着剤を用いた以外は、実施例1と同じ蓋材を作製した。
実施例1のホットメルト層の厚さを20μmとした以外は、実施例1と同じ蓋材を作製した。
実施例1のEPフィルムに厚さ40μmの片面コロナ処理したフィルム(ジェイフィルム株式会社製、グレード名SMX−Y03)を用いた以外は、実施例1と同じ蓋材を作製した。
実施例2のEPフィルムに厚さ40μmの片面コロナ処理したフィルム(ジェイフィルム株式会社製、グレード名SMX−Y03)を用いた以外は、実施例2と同じ蓋材を作製した。
実施例1の絵柄を形成した片面コート紙79.4g/m2 の非絵柄面にコロナ放電処理を施すとともに、低密度ポリエチレン(PE)を厚さ15μmで熱溶融押出ししてエクストルージョンラミネート法により積層し積層体Aを作製した。次に実施例1で用いた中間層のVMPETのVM面にイソシアネート系のアンカーコート剤(AC)を塗布し、該塗布面にPEを厚さ15μmで熱溶融押出しして、エクストルージョンラミネート法により積層し積層体Bを作製した。
次に積層体AのPE面に実施例1と同じホットメルト型接着剤を用いて、熱溶融させたホットメルト型接着剤をコーティングし厚さ10μmのホットメルト層を形成するとともに、積層体BのPE面と積層し中間積層体を作製した。
次に内層に実施例1のEPフィルムを用い、上記中間積層体のVMPETのPET面とEPフィルムを実施例1と同様にドライラミネーション法(DL)により貼合して<絵柄印刷/片面コート紙/PE/ホットメルト層/PE/AC/VMPET/DL/EPフィルム>なる構成の積層体を作製した。
なお、ホットメルト層は、蓋材となったときに、外周縁にホットメルト層が除かれたホットメルト層非形成部を設けるために片面コート紙の絵柄に同調させてホットメルト型接着剤をパターンコーティングした。ホットメルト層非形成部は蓋材の外周縁から熱接着部Sの内縁までの距離8mmの領域にドーナッツ状に設けた。さらに、開封用摘み部2の部分に熱接着部Sに跨らないようにホットメルト層を設けた。その後、実施例1と同様に断裁、抜き加工をして図4に示す開封用摘み部にもホットメルト層が設けられた蓋材1’を作製した。
実施例6のホットメルト層非形成部にホットメルト型接着剤により部分的に点状のスポット接着部を設けた以外は実施例6と同様にして図5に示す蓋材1’’を作製した。
なお、点状のスポット接着部の直径は2mmの円とし、隣接する点状のスポット接着部との間隔を3mmとしてドーナッツ状のホットメルト層非形成部の中心線に沿って形成した。
[比較例1]
実施例1のホットメルト層に30℃で貯蔵弾性率G’が107 〜108 Pa、振動吸収係数tanδが0.2〜0.4のエチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするホットメルト接着剤を用いた以外は、実施例1と同じ蓋材を作製した。
[比較例2]
実施例1のホットメルト層に替えて低密度ポリエチレンをエクストルージョン法により押出し厚さ10μmのポリエチレン層を形成しながら、VMPETのVM面と片面コート紙の非コート面とをサンドイッチラミネーションした以外は、実施例1と同様にして<絵柄印刷/片面コート紙/ポリエチレン層/VMPET/DL/EPフィルム>なる構成の積層体からなる蓋材を作製した。
[比較例3]
実施例2のホットメルト層に替えてポリエステル−イソシアネート系接着剤を介してVMPETのVM面と片面コート紙の非コート面とをドライラミネーション法(DL)にて積層した以外は、実施例2と同様にして<絵柄印刷/片面コート紙/DL/VMPET/DL/EPフィルム>なる構成の積層体からなる蓋材を作製した。
上記実施例1〜7および比較例1〜3で作製した蓋材をカップ状容器本体に円形の開口部を有するカップ状紙容器を用いて、カップ状紙容器の開口部に熱接着してそれぞれ供試サンプルを作製した。
なお、カップ状紙容器の材質、大きさ、および熱接着条件はつぎの通りであった。
<紙カップ>
材質:(外面)低密度ポリエチレン/紙/中密度ポリエチレン(内面)からなり、
外面の低密度ポリエチレンが発泡されたカップ状紙容器を使用し、熱接着面
は内面の中密度ポリエチレン面とした。
口径:内径96mmφ
<熱接着条件>
温度;160℃ 圧力;1MPa 時間;0.7秒
上記供試サンプルについて、開封試験を行い、蓋材のデッドホールド性を評価した。また、開封時の強度(以下、開封強度という。)も併せて測定した。評価方法と評価基準は以下の通り。
<開封試験方法>
引張試験機(株式会社島津製作所製;オートグラフAG−ISMD)を用いて、供試サンプルの開封用摘み部をチャッキングして、蓋材がカップ状容器本体のフランジに対して剥離角度が略180°となるように、引張速度300mm/分で引っ張り、蓋材をカップ状容器本体からカップ状容器本体の中心まで剥離し(剥離距離48mm)、デッドホールド性と開封強度を測定した(n=5)。デッドホールド性は図3に示すように蓋材が開封された供試サンプルを20〜25℃の雰囲気下に1分間放置した後、最初に開封用摘み部が位置していたカップ状容器本体の外縁Aとカップ状容器本体の中心Bを結ぶ線上において剥離された蓋材より垂らした垂線と交わる交点のうち、カップ状容器本体の外縁Aに最も近い交点Cとカップ状容器本体の外縁Aとを結ぶ長さをl、開封した蓋材の開封用摘み部の先端からフランジで形成される水平面に至る垂直の高さhをそれぞれ測定し、デッドホールド性の評価指標とした。
(デッドホールド性の評価基準)
○:外縁Aと交点Cとの長さlの平均値が25mm以上。
△:外縁Aと交点Cとの長さlの平均値が10mm以上、25mm未満。
×:外縁Aと交点Cとの長さlの平均値が10mm未満。
結果を表1に示す。
Figure 0005510215
表1に示すように実施例1〜7については良好なデッドホールド性が得られ、注湯口22からカップ状容器本体内に容易に注湯することができた。その後、再び開封した蓋材の開封片1aを元に戻すと、容易に閉蓋でき、良好な再封性が得られた。しかし、比較例1〜3については外縁Aと交点Cとの長さlが10mm以下となり、片手で剥離した蓋材を折り返して押さえながらカップ状容器本体内に注湯しなければならず、面倒であるとともに、お湯が手にかかる危険が伴うものであった。さらに、実施例6、7については、カップ状紙容器の開口部に熱接着した際、ホットメルト層を形成するホットメルト型接着剤が溶け出して熱板に付着する恐れが全くなく、その上、実施例7は、蓋材の外周縁が紙層と内層ないしは中間層との間に浮き上がりが見られず外観も良好であった。
1 蓋材
1a 開封片
2 開封用摘み部
10 紙層
11 ホットメルト層
12 中間層
13 内層
14 遮光層
15 ホットメルト層非形成部
16 熱可塑性樹脂層
17 スポット接着部
20 カップ状容器本体
21 フランジ
22 注湯口
A 最初に開封用摘み部が位置していたカップ状容器本体の外縁
B カップ状容器本体の中心
C AとBを結ぶ線上において剥離された蓋材より垂らした垂線と交わる交点のうち、Aに最も近い交点
h 開封した蓋材の開封用摘み部の先端からフランジで形成される水平面に至る垂直の高さ
l AとCとを結ぶ長さ
S 熱接着部

Claims (6)

  1. カップ状容器本体の開口部を密封する金属箔層を含まない積層体からなる蓋材において、
    前記積層体がホットメルト層を介して紙層と内層が積層された構成からなり、前記ホットメルト層が、粘弾性を有するホットメルト型接着剤で形成されていることを特徴とする蓋材。
  2. 前記ホットメルト型接着剤が、熱可塑性樹脂と粘着付与剤を含む構成からなり、測定温度をTとし、測定温度Tで測定した前記ホットメルト型接着剤の貯蔵弾性率をG’、損失弾性率をG”とし、振動吸収係数(tanδ)が〔tanδ=G”/G’〕なる式で表せると定義したとき、0℃≦T≦50℃の測定温度範囲において振動吸収係数(tanδ)が4.0×10-1以上であることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
  3. 前記積層体が、前記ホットメルト層と前記内層または前記紙層と前記ホットメルト層との間に中間層が積層されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の蓋材。
  4. 前記蓋材の外周縁に前記ホットメルト層が除かれたホットメルト層非形成部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓋材。
  5. 前記ホットメルト層非形成部に前記ホットメルト型接着剤により部分的に形成されたスポット接着部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の蓋材。
  6. 前記紙層の前記ホットメルト層と積層される側と、前記内層または前記中間層の前記ホットメルト層と積層される側とに熱可塑性樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項4または5に記載の蓋材。
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