JP5505292B2 - バッチ式焼結装置及びバッチ式焼結方法 - Google Patents
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Description
連続式のDL型焼結機においては、配合原料の焼結機パレットへの装入時に、原料粒子が既に投入されて安息した斜面上を転動することにより、上下層の粒度偏析が起こる。この際、粉鉱石等に比べて凝結材である粉状コークスの粒度が小さいことから、自然に上層側の凝結材(コークス)濃度が大きくなるため、上述した上層側での熱不足や下層側での熱過剰等が抑制される。さらに、このような配合原料の上下層における偏析を強化する目的で、原料の装入装置において種々の改善も試みられている(例えば、非特許文献1を参照)。
即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
本発明のバッチ式焼結装置及びバッチ式焼結方法によって製造する焼結鉱は、製鉄プロセスにおいて用いられる高炉用原料である。本発明者等は、特に、バッチ式の焼結装置を用いて焼結鉱を製造する際の、上層側での熱不足並びに下層側での熱過剰等を抑制するため、鋭意検討を重ねた。その結果、焼結鍋に原料である配合原料を装入する際、粒径に応じて配置位置を連続的に変化させる分級部と、この分級部で篩い分けされた配合原料が粒径に応じて配置されるコンベアと、を備えた構成を採用し、このコンベアを払い出し方向に回転させることで、所定の粒度偏析を付与しながら、配合原料を焼結鍋の内部に装入できることを知見した。
以下、本発明のバッチ式焼結装置及びバッチ式焼結方法の第1の実施形態について、図1〜図4を参照しながら説明する。
本実施形態のバッチ式焼結装置10は、図1に示すように、少なくとも粉鉱石、石灰石及びコークスを含む配合原料55をバッチ式で焼結することによって焼結鉱50を製造する装置であり、配合原料55を供給するための原料供給部1と、この原料供給部1から供給される配合原料55を粒径dに応じて篩い分ける分級部2と、この分級部2で篩い分けられた配合原料55が、その粒径dに応じて、払い出し方向Hで分級して配置されるコンベア3と、このコンベア3上に配置された配合原料55が分散装入され、該配合原料55を加熱して焼結するための焼結鍋4とを備え、概略構成される。
ここで、主原料である鉄鉱石(粉鉱石)としては、例えば、粒径が10mm以下のものを使用することが好ましい。
また、石灰石は、配合原料55においてフラックスとして機能する副原料であり、例えば、5mm以下のものを使用することが好ましい。
また、コークスは、焼結時の凝結材となる粉状のコークスであり、例えば、3mm以下のものを使用することが好ましい。
ホッパー11に充填された分級前の配合原料55は、排出口11aから切り出しコンベア12上に送り込まれた後、後述の分級部2へ向けて搬送される。
このようなコンベア3は、この分野等において従来から用いられているコンベアと同様のものを、何ら制限無く採用することができる。また、配合原料55の使用量が多いために、ベルト3a上に配合原料55を高く堆積させる必要がある場合には、例えば、コンベア3の両側に障壁を設けた構成を採用することがより好ましい。
また、本実施形態においては、上述したコンベア3のベルト3aが払い出し方向Hに回転することにより、焼結鍋4の内部に、順次、配合原料55が分散装入される。
以下に、本実施形態のバッチ式焼結装置10を用いて配合原料55を焼結し、焼結鉱50を得る方法について、図1、2を参照して説明する。
本実施形態のバッチ式焼結方法は、少なくとも粉鉱石、石灰石及びコークスを含む配合原料55をバッチ式で焼結することにより、焼結鉱50を製造する方法であり、配合原料55を供給する原料供給工程(1)、配合原料55を粒径dに応じて篩い分けてコンベア3上に配置するとともに、該コンベア3の上流3A側から下流3B側に向かうに従って粒径dが連続的に大きくなるように配置する分級工程(2)、コンベア3を払い出し方向Hに回転させることにより、コンベア3上に配置された配合原料55を、堆積方向で焼結鍋4の底部4b側から上部4a側に向かうに従って粒径dが連続的に小さくなるように粒度偏析を付与しながら焼結鍋4の内部に分散装入する充填工程(3)、コークスを燃焼させて焼結鍋4中の配合原料55を加熱することで焼結し、焼結鉱50を得る焼結工程(4)、の各工程を順次備えてなる。
本実施形態では、原料供給工程の前に、まず、主材料である鉄鉱石、副材料である石灰石及びコークスを図示略のミキサー手段に投入して攪拌混合することにより、配合原料55を調製する。
次いで、原料供給工程においては、配合原料55を原料供給部1のホッパー11に装入する。このホッパー11に装入された配合原料55は、排出口11aから順次排出して切り出しコンベア12上に送出された後、切り出しコンベア12を回転させるのに伴って、分級部2上へ向けて送出される。
次に、分給工程においては、配合原料55を粒径dに応じて篩い分けてコンベア3上に配置するとともに、該コンベア3の上流3A側から下流3B側に向かうに従って粒径dが連続的に大きくなるように配置する。
上記の作用により、配合原料55は、コンベア3のベルト3a上における上流3A側から下流3B側の範囲において、粒度の低い粒子から順次配置される。
次に、充填工程においては、コンベア3を払い出し方向Hに回転させることにより、コンベア3上に配置された配合原料55を、堆積方向で焼結鍋4の底部4b側から上部4a側に向かうに従って粒径dが連続的に小さくなるように粒度偏析を付与しながら焼結鍋4の内部に分散装入する
この際、配合原料55は、コンベア3の上流3A側から下流3B側に向かうに従って粒径dが大きくなるように配置されているので、焼結鍋4の底部4b側から上部4a側に向かうに従って粒径dが連続的に小さくなるように粒度偏析が付与された状態で充填される。このような粒度偏析を付与することにより、焼結鍋4内部の配合原料55のコークス濃度は、焼結鍋4の上部4a側において濃くなる一方、底部4b側では薄くなる。
次に、焼結工程においては、焼結鍋4に装入された配合原料55を焼結し、焼結鉱50を得る。
具体的には、焼結鍋4の上方に配設された図示略の点火炉を用いて配合原料55の上面に着火した後、焼結鍋4の下に配設された図示略の風箱から空気を吸引することにより、焼結鍋4の上方から下方へ向けて通風することで、配合原料55中のコークスを上層側から下層側へと順次燃焼させる。これにより、配合原料55が、上記粒度偏析並びにコークス濃度の偏析を付与された状態で、焼結鍋4中において加熱され、焼結鋼50が得られる。
またさらに、本実施形態のバッチ式焼結装置10を、連続式焼結装置の再現試験に適用した場合には、配合原料の充填状況を正確に再現することができ、ハードシミュレーターとしての試験精度が大幅に向上するという効果を併せ持つ。
以下、本発明のバッチ式焼結装置及びバッチ式焼結方法の第2の実施形態について、主に図5及び図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記第1の実施形態と共通する構成については同じ符号を付して説明するとともに、その詳しい説明を省略する。
またさらに、図5に示すようなバッチ式焼結装置10を用いた場合には、図6のグラフに示すように、特に、層高が400mm以上の位置において、粒径が3mm未満の配合原料の割合が非常に高くなっていることがわかる。即ち、焼結鍋内において、より一層、粒度偏析を強化することが可能となることがわかる。
本実施例では、図1に示すようなバッチ式焼結装置10を使用し、原料である配合原料の分級処理を行い、粒度偏析を付与しながら焼結鍋中に配合原料を装入した後、焼結処理を行った。
この際、原料である配合原料55としては、粉鉱石83質量%、石灰石13質量%を含む副原料17質量%、及び、配合外数としてコークス4.5質量%を含むものを準備し、この配合原料55の粒度分布を、上記表1に示した。
次いで、原料供給部1の鉛直下方に設置された分級部2に向けて配合原料55を供給し、配合原料55を分級してコンベア3上に配置した。
次いで、コンベア3を払い出し方向Hに回転させ、コンベア3上に配置された配合原料55を、焼結鍋4の内部に順次、分散装入した。この際、焼結鍋4として、内部寸法が直径300mm×高さ600mmのものを用い、合計で75kgの配合原料55を装入した。
本実施例では、図5に示すようなバッチ式焼結装置60を使用した点以外は、上記実施例1と同様に配合原料の分級処理を行い、粒度偏析を付与しながら焼結鍋中に配合原料を装入した後、焼結処理を行った。
本比較例では、上記実施例1、2と同様の成分、並びに、表1及び表2に示す粒度分布を有する配合原料を用い、従来から行われているバッチ式の人手装入による方法で焼結鍋中に配合原料を装入した後、焼結処理を行った。この際、分級処理を行わなかったことから、焼結鍋内に堆積された配合原料は、その上層及び下層の何れにおいても粒度分布が同じで、粒度偏析が無いことが確認された。
1…原料供給部、
11…ホッパー、
11a…排出口、
12…切り出しコンベア、
2…分級部
21…篩部材、
22…篩目、
22A…細目、
22B…粗目、
3…コンベア、
3a…ベルト
3b…回転軸、
3A…上流、
3B…下流、
31…第1コンベア、
31A…上流、
31B…下流、
32…第2コンベア、
32A…上流、
32B…下流、
4…焼結鍋、
4a…上部、
4b…底部、
50…焼結鉱、
55…配合原料、
C…間隔(篩目)、
CH…間隔{水平方向(平面)の間隔(篩目)}、
CV…間隔{鉛直方向(側面)の間隔(篩目)}、
d…粒径(配合原料)、
H、H1、H2…払い出し方向、
Claims (4)
- 少なくとも粉鉱石、石灰石及びコークスを含む配合原料をバッチ式で焼結することにより、焼結鉱を製造するバッチ式焼結装置であって、
前記配合原料を供給するための原料供給部と、
前記原料供給部から供給される前記配合原料を粒径に応じて連続的に篩い分ける分級部と、前記分級部で篩い分けられた前記配合原料が、その粒径に応じて払い出し方向で連続的に分級して配置されるコンベアと、
前記コンベア上に配置された前記連続的に分級された配合原料が装入されて該配合原料を焼結するための焼結鍋と、を備え、
前記分級部は、前記コンベアの上流側に対応する位置で篩目の細目側が配設されるとともに、下流側に対応する位置で篩目の粗目側が配設されることにより、前記コンベアの上流側から下流側に向かうに従って連続的に粒径が大きくなるように前記配合原料を配置し、
前記コンベアは、前記下流側から払い出し方向に回転することにより、前記コンベア上に配置された前記配合原料を前記焼結鍋の内部に装入する際、前記配合原料の堆積方向において、前記焼結鍋の底部側から上部側に向かうに従って前記配合原料の粒径が連続的に小さくなるように粒度偏析を付与すること、を特徴とするバッチ式焼結装置。 - 少なくとも粉鉱石、石灰石及びコークスを含む配合原料をバッチ式で焼結することにより、焼結鉱を製造するバッチ式焼結装置であって、
前記配合原料を供給するための原料供給部と、
前記原料供給部から供給される前記配合原料を粒径に応じて連続的に篩い分ける分級部と、
前記分級部で篩い分けられた前記配合原料が、その粒径に応じて払い出し方向で連続的に分級して配置される第1コンベアと、
前記第1コンベアの払い出し方向下流に配置され、前記第1コンベアが払い出し方向に回転することで、該第1コンベア上に配置された前記配合原料が落下して供給されるとともに、該配合原料が、その粒径に応じて、払い出し方向で連続的に分級して配置される第2コンベアと、
前記第2コンベア上に配置された前記配合原料が連続的に分級して分散装入され、該配合原料を加熱して焼結するための焼結鍋と、を備え、
前記分級部は、前記第1コンベアの下流側に対応する位置で篩目の細目側が配設されるとともに、上流側に対応する位置で篩目の粗目側が配設されることにより、前記第1コンベアの上流側から下流側に向かうに従って連続的に粒径が小さくなるように前記配合原料を配置し、
前記第1コンベアは、前記下流側から払い出し方向に回転することで、前記第1コンベア上に配置された前記配合原料を前記第2コンベア上に供給する際、該第2コンベアを前記第1コンベアと反対方向に回転させることにより、前記第2コンベアの上流側から下流側に向かうに従って粒径が連続的に大きくなるように前記配合原料を配置し、
前記第2コンベアが払い出し方向に回転することにより、前記第2コンベア上に配置された前記配合原料を前記焼結鍋の内部に装入する際、前記配合原料の堆積方向において、前記焼結鍋の底部側から上部側に向かうに従って前記配合原料の粒径が連続的に小さくなるように粒度偏析を付与すること、を特徴とするバッチ式焼結装置。 - 少なくとも粉鉱石、石灰石及びコークスを含む配合原料をバッチ式で焼結することにより、焼結鉱を製造するバッチ式焼結方法であって、
前記配合原料を供給する原料供給工程と、
前記配合原料を粒径に応じて連続的に篩い分けてコンベア上に配置するとともに、該コンベアの上流側から下流側に向かうに従って粒径が連続的に大きくなるように配置する分級工程と、
前記コンベアを払い出し方向に回転させることにより、前記コンベア上に配置された前記配合原料を、堆積方向で前記焼結鍋の底部側から上部側に向かうに従って粒径が連続的に小さくなるように粒度偏析を付与しながら焼結鍋の内部に分散装入する充填工程と、
前記焼結鍋に装入された前記配合原料を焼結し、焼結鉱を得る焼結工程と、を備えることを特徴とするバッチ式焼結方法。 - 少なくとも粉鉱石、石灰石及びコークスを含む配合原料をバッチ式で焼結することにより、焼結鉱を製造するバッチ式焼結方法であって、
前記配合原料を供給する原料供給工程と、
前記配合原料を粒径に応じて連続的に篩い分けて第1コンベア上に配置するとともに、該第1コンベアの上流側から下流側に向かうに従って粒径が連続的に小さくなるように配置する分級工程と、
前記第1コンベアを払い出し方向に回転させることにより、前記第1コンベアの鉛直下方に該第1コンベアと平行に沿って配置された第2コンベア上に向けて、前記第1コンベア上に配置された前記配合原料を落下させて供給するとともに、前記第2コンベアを前記第1コンベアと反対方向に回転させることにより、前記第2コンベアの上流側から下流側に向かうに従って粒径が連続的に大きくなるように前記配合原料を配置する配置工程と、
前記第2コンベアを払い出し方向に回転させることにより、前記第2コンベア上に配置された前記配合原料を、堆積方向で前記焼結鍋の底部側から上部側に向かうに従って粒径が連続的に小さくなるように粒度偏析を付与しながら焼結鍋の内部に分散装入する充填工程と、
前記焼結鍋に装入された前記配合原料を焼結し、焼結鉱を得る焼結工程と、を備えることを特徴とするバッチ式焼結方法。
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