JP5504585B2 - 重合性化合物および光学フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などのフラットパネル表示装置に用いられる偏光板等の光学フィルムに好適な化合物等に関する。
液晶表示装置(以下、「LCD」ともいう)や有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、「EL」ともいう)などのフラットパネル表示装置(以下、「FPD」ともいう)は、ブラウン管表示装置と比較して省スペースや低消費電力である。そのため、近年、FPDは、コンピュータ、テレビ、携帯電話、カーナビゲーション又は携帯情報端末の画面として、広く普及している。FPDには、一般に、反射防止、視野角拡大などのために、偏光板、位相差板などにさまざまな光学フィルムが用いられている。
光学フィルムには位相差値の波長依存性を低減することが求められている。位相差値の波長依存性の程度は、Re(450)/Re(550)の値で表すことができ、当該値が1よりも大きくなればなるほど位相差値の波長依存性が増大することを意味する。ここでRe(λ)とは、光学フィルムを透過する波長λnmの位相差値を表す。
従来の光学フィルムとして、式(II)で表される化合物を配向膜上に塗工して得られる光学フィルムが特許文献1に開示されており、該光学フィルムが与えるRe(450)/Re(550)の値は1.065であり、必ずしも充分なものではなかった。
Figure 0005504585
特開2006−58546号公報([請求項2][0115])
位相差値の波長依存性を一層、抑制し得る新規な光学フィルム及び該フィルムを与え得る新規化合物が求められている。
このような状況下、本発明者らは、位相差値の波長依存性を抑制し得る新規な光学フィルム及び該フィルムを与え得る新規化合物を見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、
[1] 式(1)で表されることを特徴とする重合性化合物。
Figure 0005504585
(式(1)中、C1は4級炭素原子又は4級ケイ素原子を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の環状炭化水素基又は2価の複素環基を表す。A1及びA2には、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子が結合していてもよい。
D1およびD2は、それぞれ独立に、炭化水素基又は複素環基であって、D1およびD2に含まれる少なくとも1つの水素原子は電子吸引基に置換されている基である。D1およびD2は、炭化水素基、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基、アミノアルキル基、カルボニル基又は単結合で互いに連結されていてもよい。
X1及びX2は、それぞれ独立に、式(2)で表される2価の基を表す。
Figure 0005504585
[式(2)中、A3は、−C(=O)−C−、2価の環状炭化水素基又は複素環基を表す。該−C(=O)−C−、2価の環状炭化水素基又は複素環基には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が結合していてもよい。B3は前記B1と同じ意味を表す。nは1〜4の整数を表す。nが2〜4の場合には、A3は互いに同一であっても異なっていてもよく、B3は、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素数2〜25のアルキレン基を表し、E1及びE2は、さらにアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が結合していてもよい。
P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表し、P1及びP2の少なくとも一方は重合性基である。)
[2] 式(1)中のD1及びD2を構成する基に結合している電子吸引基が、ニトロ基、ニトリル基、トリフルオロメチル基、式(3)で表される基、及び、式(4)で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1種の電子吸引基であることを特徴とする[1]記載の重合性化合物。
Figure 0005504585
(式(3)及び(4)中、Raは、水素原子、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基、炭素数3〜18の分岐状アルキル基、炭素数5〜18のシクロアルキル基、フェニル基、フラニル基又はチオフェニル基を表す。Rbは、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基、炭素数3〜18の分岐状アルキル基、炭素数5〜18のシクロアルキル基、フェニル基、フラニル基又はチオフェニル基を表す。)
[3] 式(1)のB1及びB2が、単結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、又は、−O−C(=O)−O−基であることを特徴とする[1]又は[2]記載の重合性化合物。
[4] C1、D1およびD2が、式(D−1)〜(D−11)からなる群から選ばれる2価の基であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の重合性化合物。
Figure 0005504585
(式(D−1)〜(D−11)中、EWGは、それぞれ独立に、電子吸引基を表す。pおよびqはそれぞれ独立に0〜4を表し、rは0〜6を表す。但し、上記2価の基が(EWG)および(EWG)を有する基である場合、1≦p+q≦8であり、(EWG)および(EWG)を有する化合物の場合、1≦r+q≦10である。)
[5] 式(1)中の重合性基がアクリロイル基又はメタクリロイル基であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか記載の重合性化合物。
[6] 式(1)で表される重合性化合物が、式(1−A)〜(1−C)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする[1]〜[5]記載の重合性化合物。
Figure 0005504585
[式(1−A)〜(1−C)中、n1は、それぞれ独立に、1〜3の整数を表し、n2は、それぞれ独立に、2〜14の整数を表す。R”は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。]
[7] [1]〜[6]のいずれか記載の重合性化合物とは異なる化合物であって液晶性を示す重合性化合物、及び、[1]〜[6]のいずれか記載の重合性化合物を含有することを特徴とする組成物。
[8] [1]〜[6]のいずれか記載の重合性化合物とは異なる化合物であって液晶性を示す重合性化合物が、式(I)、式(II)、式(III)又は式(IV)で表される化合物であることを特徴とする[7]記載の組成物。
P11-B11-E11-(B12-A11)-B13-E12-B14-P12 (I)
P11-B11-E11-(A11-B12)-E12-B13-P12 (II)
P11-B11-E11-(B12-A11)-F11 (III)
P11-B11-E11-(B12-A11)-B13-F11 (IV)
[式(I)〜(IV)中、A11は、それぞれ独立に、2価の環状炭化水素基、2価の複素環基、メチレンフェニレン基、オキシフェニレン基、またはチオフェニレン基を表す。A11には、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはハロゲン原子が結合していてもよい。
B11、B12、B13およびB14は、それぞれ独立に、−CRR’−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(→O)=N−、−N=N(→O)−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−OCH−、−NR−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す(なお、RおよびR’はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す)。
E11およびE12は、それぞれ独立に、炭素数2〜25のアルキレン基を表す。さらに、E11およびE12には、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはハロゲン原子が結合していてもよい。
P11およびP12は、それぞれ独立に、重合性基を表す。
F11は、水素原子、アルキル基、ニトリル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、又はハロゲン原子を表す。
sは、それぞれ独立に、1〜5の整数を表す。sが2〜5の場合には、A11は互いに同一でも異なっていてもよく、B12は互いに同一でも異なっていてもよい。]
[9] [1]〜[6]のいずれか記載の重合性化合物とは異なる化合物であって液晶性を示す重合性化合物と、[1]〜[6]のいずれか記載の重合性化合物との合計100重量部に対して、[1]〜[6]のいずれか記載の重合性化合物を3〜50重量部含有することを特徴とする[7]又は[8]記載の組成物。
[10] [1]〜[6]のいずれか記載の重合性化合物に由来する構造単位を含有することを特徴とする光学フィルム。
[11] [7]〜[9]のいずれか記載の組成物を重合してなることを特徴とする光学フィルム。
[12] [10]又は[11]記載の光学フィルムが、該光学フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))として113〜163nmを示すλ/4板であることを特徴とする光学フィルム。
[13] [10]又は[11]記載の光学フィルムが、該光学フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))として250〜300nmを示すλ/2板であることを特徴とする光学フィルム。
[14] [10]〜[13]のいずれか記載の光学フィルム及び偏光フィルムを含むことを特徴とする偏光板。
[15] [14]記載の偏光板及び液晶パネルを備えることを特徴とするフラットパネル表示装置。
[16] [14]記載の偏光板を含む有機エレクトロルミネッセンスパネルを備えることを特徴とする有機EL表示装置。
[17] 支持基材に、[7]〜[9]のいずれか記載の組成物を塗布し、乾燥させる工程を含むことを特徴とする未重合フィルムの製造方法。
[18] 支持基材上に形成された配向膜上に、[7]〜[9]のいずれか記載の組成物を塗布し、乾燥させる工程を含むことを特徴とする未重合フィルムの製造方法。
[19] [17]又は[18]記載の製造方法で得られた未重合フィルムを、重合により硬化させる工程を含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
等を提供するものである。
本発明によれば、位相差値の波長依存性を一層、抑制し得る光学フィルム及び該フィルムを与え得る化合物を得ることができる。
本発明の重合性化合物は、前記式(1)で表される重合性化合物(以下、「重合性化合物(1)」と記すことがある)である。
式(1)中、C1は4級炭素原子又は4級ケイ素原子を表す。
C1が4級置換基であることから、A1及びB1が構成する面とA2及びB2が構成する面が100°〜140°、好ましくは110°〜130°で形成される。このことにより、本発明の重合性化合物(1)を有機溶媒に溶解した際に、後述する液晶化合物との相溶性が向上し、得られる光学フィルムの位相差値が増加する傾向にあることから好ましい。中でも、重合性化合物(1)の製造の容易さから、C1としては4級炭素原子が好ましい。
式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立に、炭素数5〜20程度の2価の環状炭化水素基又は炭素数5〜20程度の2価の複素環基を表す。
A1及びA2に用いられる2価の環状炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数5〜12程度のシクロアルキル基;下記式で表される炭素数6〜20程度の芳香族基、
Figure 0005504585
下記式で表される5員環及び6員環などからなる脂環式基、
Figure 0005504585
下記式で示される5員環及び6員環などからなる複素環基等が挙げられる。
Figure 0005504585
A1及びA2には、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子が結合していてもよい。例えば、上記の2価の環状炭化水素基又は2価の複素環基の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4程度のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜4程度のアルコキシ基;トリフルオロメチル基;トリフルオロメチルオキシ基;ニトリル基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子に置換されていてもよい。
中でも、A1及びA2が同種類の基であると、製造が容易であることから好ましい。また、A1及びA2としては、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、3メチル−1,4フェニレン基が製造容易なことから好ましい。
D1およびD2は、それぞれ独立に、炭化水素基又は複素環基であって、D1およびD2に含まれる少なくとも1つの水素原子は電子吸引基に置換されている基である。
D1およびD2のいずれか一方に電子吸引基が含まれている場合、得られる光学フィルムの中でも重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量が少量でも、正の波長分散を逆方向にシフトさせることができ、得られる光学フィルムの波長分散特性のコントロールが容易となる傾向があることから好ましく、とりわけ、D1およびD2のいずれにも電子吸引基が含まれていると重合性化合物(1)の合成が容易になることから好ましい。
D1およびD2に含まれる炭化水素基としては、環状、直鎖状あるいは分岐状の炭素数1〜20の炭化水素基であり、具体的に電子吸引基が置換されていない基として例示すると、環状炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数5〜12程度のシクロアルキル基などが挙げられる。
また、下記式で表される炭素数6〜20程度の電子吸引基が置換されている芳香族基などが挙げられる。
Figure 0005504585
ここで、EWGは、それぞれ独立に、電子吸引基を表す。pおよびqはそれぞれ独立に0〜4を表し、rは0〜6を表す。但し、上記2価の基が(EWG)および(EWG)を有する基である場合、1≦p+q≦8であり、(EWG)および(EWG)を有する化合物の場合、1≦r+q≦10である。好ましくは、p=q=r=1である。
通常、電子吸引基は、C1と結合している炭素原子のβ位の炭素原子に結合している水素原子に置換される。
D1およびD2に用いられる、電子吸引基が置換し得る複素環基としては、下記式などが挙げられる。
Figure 0005504585
式中、EWGは、それぞれ独立に、電子吸引基を表す。tは1〜5の整数を表し、好ましくは、1〜2である。
通常、電子吸引基は、ヘテロ原子のα位の炭素原子に結合している水素原子に置換される。
ここで、電子吸引基としては、ニトロ基、ニトリル基、トリフルオロメチル基、式(3)で表される基および式(4)で表される基などが例示される。
中でも、ニトロ基、ニトリル基、トリフルオロメチル基は、重合性化合物(1)の製造が容易なことから好ましい。
Figure 0005504585
(式(3)及び(4)中、Raは、水素原子、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基、炭素数3〜18の分岐状アルキル基、炭素数5〜18のシクロアルキル基、フェニル基、フラニル基又はチオフェニル基を表す。Rbは、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基、炭素数3〜18の分岐状アルキル基、炭素数5〜18のシクロアルキル基、フェニル基、フラニル基又はチオフェニル基を表す。)
D1およびD2は、炭素数1〜5程度の炭化水素基、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基又は単結合で互いに連結されていてもよい。ここで、炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基、アルキレン基の単結合が二重結合や三重結合に置換された連結基などが挙げられる。
C1、D1及びD2からなる2価の基[−C1(D1D2)−]としては、D1およびD2が互いに連結されてい置換基が好ましく、具体例としては、式(D−1)〜(D−11)で表される2価の置換基などが挙げられる。
Figure 0005504585
式(D−1)〜(D−11)中、EWGは、それぞれ独立に、電子吸引基を表す。pおよびqはそれぞれ独立に0〜4を表し、rは0〜6を表す。但し、pおよびqを有する化合物の場合、1≦p+q≦8であり、rおよびqを有する化合物の場合、1≦r+q≦10である。好ましくは、p=q=r=1である。
また、EWGは、C1に対応する炭素原子に対してγ位の炭素原子に結合している水素原子に置換されていることが好ましい。
中でも(D−1)は、製造の容易さの観点から好ましく、とりわけ、下記式で示される(D−1−1)が好ましい。
Figure 0005504585
(式中、EWGは、−NO、−CN、−CFなどの電子吸引性基を表す。)
尚、D1およびD2として前記例示された構造に含まれる水素原子の一部は、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4程度のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜4程度のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子等に置換されていてもよい。
B1及びB2は、それぞれ独立に、−CRR’−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−OCH−、−NR−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。ここで、R及びR’はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基、エチル基などの炭素数1〜4のアルキル基を表す。
また、B1及びB2は、同じ種類の2価の基であると製造が容易なことから好ましい。
B1及びB2としては、中でも、重合性化合物(1)の製造の容易さの観点から、式(1)中のB1及びB2は−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−O−、−S−又は単結合であることが好ましい。
B1及びB2が上記結合基であると、液晶性が向上するため、分子配向が容易となることから好ましい。
X1及びX2は、式(2)で表される2価の基を表す。
Figure 0005504585
式(2)中、A3は−C(=O)−C−、2価の環状炭化水素基、2価の複素環基を表す。具体的にはA1及びA2で例示された2価の環状炭化水素基及び2価の複素環基が例示され、製造の容易さから、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、3メチル−1,4フェニレン基、3メトキシ−1,4フェニレン基、ベンゼン環の炭素原子が1〜3個窒素原子に置換した2価の基が好ましく、特に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、3−メチル−1,4フェニレン基、3−メトキシ−1,4フェニレン基が好ましい。
上記−C(=O)−C−、2価の環状炭化水素基又は2価の複素環基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が結合していてもよい。
また、X1及びX2は、同じ種類の2価の基であると製造が容易なことから好ましい。
B3はB1及びB2と同じ意味を表し、中でも、製造の容易さから、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−O−、−S−又は単結合が好ましい。
nは1〜4の整数を表す。nが2以上の場合、A3は同一でも互いに異なっていてもよく、B3は同一でも互いに異なっていてもよい。
得られる重合性化合物をキャストする際の取り扱いが容易であるとの観点からnとしては、1又は2が好ましく、とりわけ1は、製造が容易なことから好ましい。
E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素数2〜25のアルキレン基、好ましくは、炭素数4〜12のアルキレン基を表す。
E1及びE2の水素原子は、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン原子が置換されていてもよいが、好ましくは、置換されない。
E1及びE2が、同じ種類のアルキレン基であると製造が容易なことから好ましい。
P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基を表し、P1及びP2の少なくとも一方は重合性基である。
ここで、重合性基とは、本実施形態の重合性化合物を重合させることのできる置換基であり、具体的には、P1及びP2は、それぞれ独立に、式(P−1)〜式(P−5)
Figure 0005504585
[式(P−1)〜(P−5)中、R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。])
で示される基を有する重合性基、式(P−2)〜(P−4)で示される基と反応し得る活性水素原子を有する重合性基、活性水素原子を有する重合性基と反応し得る基を有する重合性基などが例示される。
さらに、具体的には、式(P−1)で表される基を有する基としては、例えば、ビニル基、p−スチルベン基、アクリロイル基、メタクロイル基などが挙げられ、式(P−2)で表される基を有する基としては、例えば、エポキシ基などが挙げられ、式(P−2)で表される基を有する基としては、例えば、エポキシ基が挙げられ、式(P−3)で表される基を有する基としては、例えば、オキセタニル基などが挙げられ、式(P−2)〜(P−4)で示される基と反応し得る活性水素原子を有する重合性基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アミノ基、アミド基などが挙げられ、活性水素原子を有する重合性基と反応し得る基を有する重合性基としては、例えば、カルボキシル基、メチルカルボニル基、アルデヒド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基などが挙げられる。
また、重合性基には、上記例示の基とE1及びE2を連結するために、B1及びB2として示される基が含まれていてもよい。
中でも、光重合させる際の取扱いが容易な上、製造も容易であることからアクリロイル基又はメタクロイル基が好ましく、とりわけ、アクリロイル基が好ましい。
P1及びP2の少なくとも一方は重合性基であり、好ましくは、P1及びP2はいずれも重合性基であると、得られる光学フィルムの膜硬度が優れる傾向があることから、好ましい。
重合性化合物(1)の具体例としては、式(1−A)、(1−B)および(1−C)などが挙げられる。中でも、式中のn1が2、n2が2〜8、R”が水素原子の化合物が製造が容易で、しかも得られる光学フィルムの波長分散性を抑制することから好ましい。
本発明の光学フィルムにおいて、重合性化合物(1)として異なる複数の重合性化合物(1)を用いてもよい。
Figure 0005504585
(式(1−A)〜(1−C)中、n1は、それぞれ独立に、1〜3の整数を表し、n2は、それぞれ独立に、2〜14の整数を表す。R”は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。)
重合性化合物(1)の好適な具体例としては、式(1−2)及び式(1−3)で表わされる重合性化合物である。
Figure 0005504585

Figure 0005504585
重合性化合物(1)の製造方法としては、例えば、C1、D1及びD2の構造を有する化合物であって、C1がカルボニル基であるカルボニル化合物を用い、該カルボニル化合物にA1(A2)、B1(B2)、X1(X2)、E1(E2)及びP1(P2)を含む化合物を作用させて縮合して得る方法などが挙げられる。A1(A2)、B1(B2)、X1(X2)、E1(E2)及びP1(P2)を含む化合物は、A1(=A2)、B1(=B2)、X1(=X2)、E1(=E2)、P1(=P2)の各構造単位を含む化合物を縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木−宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、ウィッティッヒ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応、アルドール反応などで結合することにより製造することができる。
本発明の光学フィルムは、重合性化合物(1)に由来する構造単位を含有する光学フィルムである。重合性化合物(1)に由来する構造単位のみを含有する光学フィルムであってもよいが、重合性化合物(1)とは異なる化合物であって液晶性を示す重合性化合物(以下、液晶化合物という場合がある)に由来する構造単位をさらに含有してもよい。液晶化合物に由来する構造単位を含むと配向性が増加し、位相差値が増加する傾向があることから、好ましい。
この際、重合性化合物(1)と液晶化合物とが共重合するように、重合性化合物(1)に含まれるP1及び/又はP2の重合性基と、液晶化合物の重合性基とは互いに反応し得る重合性基であり、とりわけ、互いに、アクリロイル基であると、容易に光重合させることができることから、好ましい。
また、光学フィルム中に含まれる重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量と液晶化合物に由来する構造単位の含有量とを変えることにより、得られる光学フィルムの屈折率の波長依存性(波長分散)をコントロールすることができる。
液晶化合物の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の3章 分子構造と液晶性の、3.2 ノンキラル棒状液晶分子、3.3 キラル棒状液晶分子に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物が挙げられる。特に、重合性棒状液晶分子が好ましい。ここで、重合性棒状液晶分子とは、液晶分子
液晶化合物として、異なる複数の液晶化合物を併用してもよい。
上記液晶化合物としては、例えば、下記式(I)、式(II)、式(III)又は式(IV)で表される化合物などが挙げられる。
P11-B11-E11-(B12-A11)-B13-E12-B14-P12 (I)
P11-B11-E11-(A11-B12)-E12-B13-P12 (II)
P11-B11-E11-(B12-A11)-F11 (III)
P11-B11-E11-(B12-A11)-B13-F11 (IV)
[式(I)〜(IV)中、A11は、それぞれ独立に、2価の環状炭化水素基、2価の複素環基、メチレンフェニレン基、オキシフェニレン基、またはチオフェニレン基を表す。A11には、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはハロゲン原子が結合していてもよい。
B11、B12、B13およびB14は、それぞれ独立に、−CRR’−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(→O)=N−、−N=N(→O)−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−OCH−、−NR−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す(なお、RおよびR’はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す)。
E11およびE12は、それぞれ独立に、炭素数2〜25のアルキレン基を表す。さらに、E11およびE12には、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはハロゲン原子が結合していてもよい。
P11およびP12は、それぞれ独立に、重合性基を表す。
F11は、水素原子、アルキル基、ニトリル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、又はハロゲン原子を表す。
sは、それぞれ独立に、1〜5の整数を表す。sが2〜5の場合には、A11は互いに同一でも異なっていてもよく、B12は互いに同一でも異なっていてもよい。]
液晶化合物としては、例えば、以下の式(I−1)〜(I−15)で表される化合物、
Figure 0005504585
Figure 0005504585
Figure 0005504585
例えば、式(III−1)〜式(III−6)で表される化合物
Figure 0005504585
例えば、式(IV−1)〜式(IV−6)で表される化合物
Figure 0005504585
などが、入手容易であることから好ましい。
本発明の光学フィルムの波長分散特性は、光学フィルムにおける重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量によって、任意に決定することができる。重合性化合物(1)を用いず、液晶化合物のみを用いる場合、得られる光学フィルムは、正の波長分散を示すフィルムとなる。そして、光学フィルムにおける構造単位の中で重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を増加させることにより、正の波長分散から逆方向に波長分散を任意にシフトさせることができる。
具体的には、液晶化合物と重合性化合物(1)とを含む組成物について、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量が異なる組成物を2〜5種類程度、調製し、それぞれの組成物について後述するように、同じ膜厚の光学フィルムを製造して得られる光学フィルムの位相差値を求め、その結果から、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量と光学フィルムの位相差値との相関を求め、得られた相関関係から、上記膜厚における光学フィルムに所望の位相差値を与えるために必要な重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を決定すればよい。
光学フィルムを製造する方法の一例として、本発明の重合性化合物(1)に由来する構造単位および液晶化合物を含有する光学フィルムについて、以下に説明する。
まず、重合性化合物(1)、液晶化合物及び有機溶媒に、必要に応じて、重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、架橋剤、レベリング剤などの添加剤を加えて、混合溶液を調製する。とりわけ、有機溶媒は、成膜時に含んでいる方が、成膜が容易となることから好ましく、重合開始剤は、得られた光学フィルムを硬化する働きをもつことから好ましい。
混合溶液における重合化合物(1)および液晶化合物の重量比率としては、重合化合物(1)および液晶化合物の合計100重量部に対して、重合化合物(1)は1〜50重量部、好ましくは、1〜30重量部である。1重量部以上であると正の波長分散から逆方向へのシフトが顕著となることから好ましく、50重量部以下であると、安価に光学フィルムが調製できることから好ましい。
〔重合開始剤〕
本発明の光学フィルムを調製する際には、通常、液晶化合物や重合性化合物(1)を重合させるための重合開始剤が使用される。本発明の光学フィルムの好ましい一実施形態として、液晶化合物や重合性化合物(1)を光重合させる方法が挙げられる。そのため、重合開始剤は、光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、ヨードニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられ、より具体的には、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア819、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア250、およびイルガキュア369(以上、全てチバスペシャルティケミカルズ社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬社製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170(以上、全て旭電化)などを挙げることができる。
また、重合開始剤の使用量は、通常、液晶化合物と重合性化合物(1)の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、重合性化合物(1)を重合させることができる。
〔重合禁止剤〕
本発明の光学フィルムを調製する際に、重合禁止剤を使用してもよい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、アルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類、ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類、ピロガロール類、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤、チオフェノール類、β−ナフチルアミン類、およびβ−ナフトール類等を挙げることができる。
重合禁止剤を用いることにより、液晶化合物や重合性化合物(1)の重合を制御することができ、得られる光学フィルムの安定性を向上させることができる。また、重合禁止剤の使用量は、通常、液晶化合物と重合性化合物(1)の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、重合性化合物(1)を重合させることができる。
〔光増感剤〕
また、本発明の光学フィルムを調製する際に、光増感剤を使用してもよい。光増感剤としては、例えば、キサントン、チオキサントン等のキサントン類、アントラセン、アルキルエーテルなどの置換基を有するアントラセン類、フェノチアジン又はルブレンを挙げることができる。
光増感剤を用いることにより、上記液晶化合物や重合性化合物(1)の重合を高感度化することができる。また、光増感剤の使用量としては、液晶化合物と重合性化合物(1)の合計100重量部に対して、通常、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、重合性化合物(1)を重合させることができる。
〔レベリング剤〕
さらに、本発明の光学フィルムを調製する際に、レベリング剤を使用してもよい。レベリング剤としては、例えば、放射線硬化塗料用添加剤(ビックケミージャパン製:BYK−352,BYK−353,BYK−361N)、塗料添加剤(東レ・ダウコーニング社製:SH28PA、DC11PA、ST80PA)、および塗料添加剤(信越シリコーン社製:KP321、KP323、X22−161A、KF6001)などを挙げることができる。
レベリング剤を用いることにより、光学フィルムを平滑化することができる。さらに、光学フィルムの製造過程で、重合性化合物(1)を含有する混合溶液の流動性を制御したり、液晶化合物や重合性化合物(1)を重合して得られる光学フィルムの架橋密度を調整することができる。また、レベリング剤の使用量の具体的な数値は、通常、液晶化合物と重合性化合物(1)の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、重合性化合物(1)を重合させることができる。
〔有機溶媒〕
重合性化合物(1)および液晶化合物などを含有する混合溶液の調製に用いる有機溶媒としては、重合性化合物(1)、液晶化合物などを溶解し得る有機溶媒であり、具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマーブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、乳酸エチル、クロロホルムなどが挙げられる。これら有機溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。中でも、本発明の組成物は相溶性に優れ、アルコール、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、非塩素系脂肪族炭化水素溶媒及び非塩素系芳香族炭化水素溶媒などにも溶解し得ることから、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素を用いなくとも、溶解して塗工させることができる。
重合性化合物(1)および液晶化合物を含有する混合溶液の粘度は、塗布しやすいように、通常、10Pa・s以下、好ましくは0.1〜7Pa・s程度に調整される。
また、上記混合溶液における固形分の濃度は、通常、5〜50重量%である。固形分の濃度が5%以上であると、光学フィルムが薄くなりすぎず、液晶パネルの光学補償に必要な光学異方性が与えられる傾向がある。また、50%以下であると、上記混合溶液の粘度が低いことから、光学フィルムの膜厚にムラが生じにくくなる傾向があることから好ましい。
続いて、支持基材に、混合溶液を塗布し、乾燥、重合させて、支持基材上に目的の光学フィルムを得ることができる。
重合は、重合性化合物(1)に含まれるP1及び/又はP2、並びに液晶化合物に含まれる重合性基が光重合性であれば、可視光、紫外光、レーザー光などの光を照射して硬化させ、該重合性基が熱重合性であれば、加熱によって重合させる。
成膜性の観点から、光重合の方が好ましく、取り扱い性の観点から、紫外光による重合がとりわけ好ましい。
溶媒の乾燥は、光重合の場合には、成膜性を向上させるために、光重合前にほとんど溶媒を乾燥させて、未重合フィルムを得ることが好ましい。また、熱重合の場合には、通常、乾燥とともに重合を進行させてもよいが、重合前にほとんどの溶媒を乾燥させて、未重合フィルムを得る方法が、成膜性に優れる傾向があることから好ましい。
溶媒の乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、通風乾燥、減圧乾燥などの方法が挙げられる。具体的な加熱温度としては、10〜120℃であることが好ましく、25〜80℃であることがさらに好ましい。また、加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。加熱温度および加熱時間が、上記範囲内であれば、上記支持基材として、耐熱性が必ずしも十分ではない支持基材を用いることができる。
支持基材への塗布方法としては、例えば、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、CAPコーティング法、ダイコーティング法などが挙げられる。また、ディップコーター、バーコーター、スピンコーターなどのコーターを用いて塗布する方法などが挙げられる。
上記支持基材は、当該支持基材上に配向膜を形成できるものであればよい。例えば、ガラス、プラスチックシート、プラスチックフィルム、および透光性フィルムを挙げることができる。なお、上記透光性フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなどのポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメタクリル酸エステルフィルム、ポリアクリル酸エステルフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリフェニレンオキシドフィルムなどが挙げられる。
一般に、液晶化合物および重合性化合物(1)から得られる光学フィルムは、薄膜であり、例えば、本発明のフィルムを用いる貼合工程、フィルムを運搬、保管などを実施する工程など、フィルムの強度が必要な工程でも、支持基材を用いることにより、破れなどなく容易に取り扱うことができる。
本発明のフィルムでは、好ましくは、支持基材上に配向膜を形成させ、混合溶液を塗工する。配向膜は、重合性化合物(1)などを含有する混合溶液の塗工等により溶解しない溶剤耐性を持つこと、溶媒の除去や液晶の配向の加熱処理による耐熱性をもつこと、ラビングによる摩擦などによる剥がれなどが起きないこと等が必要であり、ポリマー若しくはポリマーを含有する組成物である。
上記ポリマーとしては、例えば、分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル類等のポリマーを挙げることができる。これらのポリマーは、単独で用いても良いし、2種類以上混ぜたり、共重合体としてもよい。これらのポリマーは、脱水や脱アミンなどによる重縮合や、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の連鎖重合、配位重合や開環重合等で容易に得ることができる。
また、これらの配向膜材料は、溶媒に溶解して、塗布することができる。溶媒は、特に制限はないが、具体的には、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマーブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、乳酸エチル、クロロホルムなどが挙げられる。これら有機溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
配向膜として、市販の配向膜をそのまま使用してもよい。市販の配向膜としては、感光性ポリイミドに偏光UV処理を施したものとして、サンエバー(登録商標、日産化学社製)、オプトマー(登録商標、JSR製)などが挙げられ、変性ポリビニルアルコールとして、ポバール(登録商標、クラレ製)などが挙げられる。
このような配向膜を用いれば、延伸による屈折率制御を行う必要がないため、複屈折の面内ばらつきが小さくなる。それゆえ、支持基材上にFPDの大型化にも対応可能な大きな光学フィルムを提供できるという効果を奏する。
上記支持基材上に配向膜を形成する方法としては、例えば、上記支持基材上に、配向膜の材料を塗布し、その後、アニールすることにより、上記支持基材上に配向膜を形成することができる。
このようにして得られる配向膜の厚さは、通常、10nm〜10000nmであり、好ましくは10nm〜1000nmである。上記範囲とすれば、後述する光学異方性層形成工程において、重合性化合物(1)および液晶化合物等を当該配向膜上で所望の角度に配向させることができる。
また、これら配向膜は、必要に応じてラビングもしくは偏光UV照射を行なうことができる。これらにより、重合性化合物(1)および液晶化合物等を所望の方向に配向させることができる。
配向膜をラビングする方法としては、例えば、ラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールを、ステージに載せられ、搬送されている配向膜に接触させる方法を用いることができる。
[未重合フィルム調製工程]
支持基材の上に配向膜が形成されていれば、液晶化合物と重合性化合物(1)を含有する混合溶液を配向膜上に塗工し、乾燥すると、未重合フィルムが得られる。この未重合フィルムにネマチック相などの液晶相を示した場合、モノドメイン配向による複屈折性を有する。この未重合フィルムは0〜120℃程度、好ましくは、25〜80℃の低温で配向することから、配向膜として上記に例示したような耐熱性に関して必ずしも十分ではない支持基材を用いることができ、配向後、さらに30〜10℃程度に冷却しても結晶化することがない。
[未重合フィルム重合工程]
未重合フィルム重合工程では、上記未重合フィルム調製工程で得られた未重合フィルムを重合し、硬化させる。これにより、液晶化合物および重合性化合物(1)の配向性が固定化されたフィルム、すなわち重合フィルムとなる。したがって、フィルムの平面方向に屈折率変化が小さく、フィルムの法線方向に屈折率変化が大きい重合フィルムを製造することができる。
未重合フィルムを重合させる方法は、液晶化合物および重合性化合物(1)の種類に応じて、決定されるものである。例えば、光重合や熱重合により、上記未重合フィルムを重合させることができる。本発明では、特に、光重合により未重合フィルムを重合させることが好ましい。これによれば、低温で、未重合フィルムを重合させることができるので、支持基材の耐熱性の選択幅が広がる。また、工業的にも製造が容易となる。
未重合フィルムを光重合させる方法は、例えば、未重合フィルムに紫外線を照射することにより、未重合フィルムを重合させる方法などが挙げられる。
かくして得られた光学フィルムは、液晶ポリマーを用いることなく製造することができる。
未重合フィルム重合工程において、重合性化合物(1)および液晶化合物を光重合により架橋することができる。それゆえ、熱による複屈折の変化の影響を受けにくいという効果を奏する。
また、得られる光学フィルムに、界面活性剤などの表面処理剤を用いなくてよい。つまり、本発明の光学フィルムに用いる配向膜は、支持基材と配向膜との密着性および配向膜と光学フィルムとの密着性が良好であるから、光学フィルムの製造が容易である。
さらに、本発明の光学フィルムは、延伸フィルムで同等の位相差値を有するフィルムと比較して、通常、薄膜である。
本発明の光学フィルムの製造方法において、上記工程に続いて、支持基材を剥離する工程を含んでいてもよい。このような構成とすることにより、得られるフィルムは、配向膜と光学フィルムとからなるフィルムとなる。また、上記支持基材を剥離する工程に加えて、配向膜を剥離する工程をさらに含んでいてもよい。このような構成とすることにより、得られる光学フィルムは、光学異方性層のみからなるフィルムとなる。
尚、混合溶液の塗布液の量や塗布液の濃度を適宜調整することにより、所望の位相差を与えるように膜厚を調製することができる。重合性化合物(1)が一定である混合溶液の場合、得られる光学フィルムの位相差値(リタデーション値、Re(λ))は、式(6)のように決定されることから、所望のRe(λ)を得るためには、膜厚dを調整すればよい。
Re(λ)=d×Δn(λ) (6)
(式中、Re(λ)は、波長 λ nmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長 λ nmにおける屈折率異方性を表す。)
かくして得られた光学フィルムは、透明性に優れ、様々なディスプレイ用フィルムとして使用される。形成される層の厚みは、上記のとおり、得られるフィルムの位相差値によって、異なるものである。本発明では、上記厚みは、0.1〜10μmであることが好ましく、光弾性を小さくする点で0.5〜3μmであることがさらに好ましい。
上記の通り、未重合フィルム調製工程では、任意の支持基材の上に積層した配向膜上に未重合フィルム(液晶層)を積層する。それゆえ、液晶セルを作製し、当該液晶セルに液晶化合物を注入する方法に比べて、生産コストを低減することができる。さらに、ロールフィルムでのフィルムの生産が可能である。
通常、位相差値としては、50〜500nm程度であり、好ましくは100〜300nmである。
このような光学特性を有するフィルムを用いることにより、すべての液晶パネルや有機ELなどのFPDを薄膜にて光学補償することができる。
本発明の光学フィルムを広帯域λ/4板又はλ/2板として使用するためには、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を適宜、選択することにより、式(6)に従い、位相差値が、λ/4板の場合には、得られる光学フィルムのRe(550)を113〜163nm、好ましくは、135〜140nm、とりわけ好ましくは、約137.5nm程度に膜厚を調整すればよく、λ/2板の場合には得られる光学フィルムのRe(550)を250〜300nm、好ましくは、273〜277nm、とりわけ好ましくは、約275nm程度となるように、膜厚を調整すればよい。
本発明の光学フィルムをVA(Vertical Alingment)モード用光学フィルムとして使用するためには、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を適宜、選択することにより、式(6)に従い、得られる光学フィルムの位相差値が、Re(550)を好ましくは40〜100nm、より好ましくは60〜80nm程度となるように膜厚を調整すればよい。
本発明の光学フィルムは、優れた波長分散特性を有する光学フィルムとして広く用いることができる。上記光学フィルムとしては、アンチリフレクション(AR)フィルムなどの反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、視野角拡大フィルム、および透過型液晶ディスプレイの視野角補償用光学補償フィルムなどを挙げることができる。また、発明の光学フィルムは1枚でも優れた光学特性を示すが、複数枚を積層させてもよい。
また、他のフィルムと組み合わせてもよい。具体的には、偏光フィルムに本発明の光学フィルムを貼合させた楕円偏光板、該楕円偏光板にさらに本発明の光学フィルムを広帯域λ/4板として貼合させた広帯域円偏光板などが挙げられる。
さらに、本発明にかかるフィルムは、反射型液晶ディスプレイおよび有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイの位相差板、並びに、当該位相差板や上記光学フィルムを備えるフラットパネル表示装置にも利用することができる。上記フラットパネル表示装置も、特に限定されるものではなく、例えば、液晶表示装置(LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(EL)を挙げることができる。
このように、本発明に係るフィルムは、広範囲な用途が考えられる。例えば、このうち、本発明に係る光学フィルムおよび偏光フィルムを積層してなる偏光板、並びに、該偏光板を備えるフラットパネル表示装置について、以下説明する
本発明に係る偏光板は、偏光機能を有するフィルム、すなわち偏光フィルムの片面もしくは両面に直接、または接着剤もしくは粘着剤を用いて前記光学フィルムを張り合わせることにより得られるものである。なお、以下の図1および図2の説明では、接着剤および粘着剤を総称して接着剤と呼ぶ場合がある。
例えば、図1(a)〜図1(e)に示すように、(1)光学フィルム1と、偏光フィルム層2とが、直接貼り合わされた実施形態(図1(a))、(2)光学フィルム1と偏光フィルム層2とが、接着剤層3を介して貼り合わされた実施形態(図1(b))、(3)光学フィルム1と光学フィルム1’とを直接貼り合せ、さらに、光学フィルム1’と偏光フィルム層2とを直接貼り合わせた実施形態(図1(c))、(4)光学フィルム1と光学フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、光学フィルム1’上に偏光フィルム層2を直接貼り合わせた実施形態(図1(d))、および(5)光学フィルム1と光学フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、光学フィルム1’と偏光フィルム層2とを接着剤層3’を介して貼り合せた実施形態(図1(e))などが挙げられる。
本発明の偏光板としては、偏光フィルムおよび本発明の光学フィルムを張り合わせたものである。光学フィルム(以下、液晶層という場合がある)としては、重合性化合物(1)に由来する構造単位のみを含有するフィルムであってもよいし、支持基材、配向膜および液晶層からなる積層フィルム、ならびに、配向膜および液晶層からなる積層フィルムなどを用いることもできる。
本発明の偏光板は、光学フィルムを複数積層してもよく、その複数の光学フィルムは、全て同一であっても、異なるものを組み合わせて用いてもよい。より具体的に説明すると、本発明にかかる偏光板としては、図2(a)〜(k)に示す構成が例示される。
図2(a)〜(e)では、光学フィルム1および光学フィルム1’として、液晶層11または液晶層11’(光学異方性層)と配向膜層12または配向膜層12’とからなるフィルムが用いられている。図2(a)〜(e)は、それぞれ、光学フィルム1と偏光フィルム層2とが直接貼り合わされた構成(図2(a))、光学フィルム1と偏光フィルム層2とが接着剤層3を介して貼り合わされた構成(図2(b))、光学フィルム1と光学フィルム1’と直接貼り合せ、さらに、光学フィルム1’と偏光フィルム層2とを直接貼り合わせた構成(図2(c))、光学フィルム1と光学フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、光学フィルム1’上に偏光フィルム層2を直接貼り合わせた構成(図2(d))、および光学フィルム1と光学フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、光学フィルム1’と偏光フィルム層2とを接着剤層3’を介して貼り合せた構成(図2(e))を示す。
また、図2(f)および(g)では、光学フィルム1および光学フィルム1’として、液晶層11または液晶層11’からなるフィルムが用いられており、光学フィルム1には、配向膜層12または配向膜層12’は含まれていない。また、図2(f)では、光学フィルム1と偏光フィルム層2とが、一対の接着剤層3を介して貼り合わされている。一方、図2(g)では、光学フィルム1と光学フィルム1’とを接着剤層3を介して貼り合わせ、さらに、その外側に、接着剤層3’を介して偏光フィルム層2を貼り合わせている。
図2(h)は、図2(f)と同様の構造を示す。ただし、図2(f)とは異なって、フィルム1として、支持基材13と、支持基材13の表面上に形成された配向膜12と、配向膜12の表面上に形成された液晶層11とからなる積層体(フィルム)が用いられている。
図2(i)は、図2(g)と同様の構造を示す。ただし、図2(g)とは異なって、光学フィルム1および光学フィルム1’として、支持基材13または支持基材13’と、支持基材13または支持基材13’の表面上に形成された配向膜12または配向膜12’と、配向膜12または配向膜12’の表面上に形成された液晶層11または液晶膜11’とを含む積層体(フィルム)が用いられている。
図2(j)および(k)は、図2(g)と同様の構造を示す。ただし、2枚あるフィルムのうち、図1(j)では、光学フィルム1’として液晶層11’からなるフィルムを用い、光学フィルム1として液晶層11、配向膜12および支持基材13からなるフィルムを用いている。また、図2(k)では、光学フィルム1’として液晶層11’、配向膜12および支持基材13からなるフィルムを用い、光学フィルム1として液晶層11からなるフィルムを用いている。
偏光フィルム層は、偏光機能を有するフィルムであればよく、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムに沃素や二色性色素を吸着させて延伸したフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸して沃素や二色性色素を吸着させたフィルムなどが挙げられる。
接着剤層3および接着剤層3’に用いられる接着剤は、透明性が高く耐熱性に優れた接着剤であることが好ましい。そのような接着剤としては、例えば、アクリル系、エポキシ系あるいはウレタン系接着剤などが用いられる。
また、偏光フィルムにおいて、図1(c)〜図1(e)に示すように、光学フィルムは、必要に応じて、1層〜3層張り合わせてもよい。
本発明のフラットパネル表示装置は、本発明の光学フィルムを備えるものであり、例えば、本発明の偏光フィルムと、液晶パネルとが貼り合わされた液晶パネルを備える液晶表示装置や、本発明の偏光フィルムと、発光層とが貼り合わされた有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」ともいう)パネルを備える有機EL表示装置を挙げることができる。
本発明にかかるフラットパネル表示装置の実施形態として、液晶表示装置と、有機EL表示装置とについて、以下詳細に述べる。
〔液晶表示装置〕
液晶表示装置としては、例えば、図3に示すような液晶パネルを備える液晶表示装置などが挙げられる。上記液晶パネルは、本発明の偏光板4と液晶パネル6とを、接着層5を介して貼り合わせてなるものである。上記構成によれば、図示しない電極を用いて、液晶パネルに電圧を印加することにより、液晶分子が駆動し、光シャッター効果を奏する。
〔有機EL表示装置〕
有機EL表示装置としては、図4に示す有機ELパネルを備える有機EL表示装置などが挙げられる。上記有機ELパネルは、本発明の偏光フィルム4と、発光層7とを、接着層5を介して貼り合わせてなるものである。
上記有機ELパネルにおいて、偏光フィルム4は、広帯域円偏光板として機能する。また、上記発光層7は、導電性有機化合物からなる少なくとも1層の層である。
本発明の光学フィルムは、正の波長分散を逆方向にシフトさせた波長分散特性(逆波長分散特性)を示す光学フィルムであり、かかる特性を与える構造単位である重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量が少ないことから安価に提供することができる。
また、広帯域で所望の位相差を有することができる。このことにより、該光学フィルムは、1枚の光学フィルムでも、λ/4板又はλ/2板として用いることができる。
さらに、本発明の重合性化合物(1)を光学フィルム用ポリマーのモノマーとして用いると、相溶性に優れ、汎用的な有機溶媒にも溶解させることができることから、光学フィルムの調製が著しく容易であり、重合性化合物(1)を少量添加するだけで、正の波長分散とは逆方向にシフトさせることができる。
本発明の重合性化合物は、アンチリフレクション(AR)フィルムなどの反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、視野角拡大フィルムなど、優れた波長分散特性を有する光学フィルムを簡便な方法で与える。また、本発明の光学フィルムは液晶表示装置(LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(EL)などのフラットパネル表示装置(FPD)に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
<重合性化合物(1−1)の製造例>
重合性化合物(1−1)は以下の構造である。以下にその合成例を示す。
Figure 0005504585
(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)安息香酸エチル(PG−a)の合成例)
4−ヒドロキシ安息香酸エチル150g(0.90mol)、炭酸カリウム186g(1.35mol)、N,N−ジメチルアセトアミド750gを加え、80℃に昇温した。続いて、6−ブロモヘキサノール244g(1.24mol)を2時間かけて滴下し、その後80℃で2時間攪拌した。冷却後、反応溶液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を水洗したのち、減圧下、溶媒を留去することにより4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)安息香酸エチル(PG−a)を主成分とする白色固体312gを得た。
(4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)安息香酸(PG−b)の合成例)
前項で得られた(PG−a)を主成分とする白色固体 312gをメタノールに溶解させた。次いで、水酸化カリウムを飽和状態で含有するメタノール溶液(水酸化カリウム328g(5.85mol))を滴下し、約70℃で8時間攪拌した。冷却後、36%塩酸を600gゆっくりと加えた。析出した白色固体を水洗しながら濾別し、50℃減圧下、乾燥させることにより4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)安息香酸(PG−b)を主成分とする白色固体195g(0.82mol)を得た。収率は(PG−a)基準で91%であった。
(4−(6−アクリルオキシヘキシルオキシ)安息香酸(PG−c)の合成例)
前項で得られた(PG−b)を主成分とする白色固体 195g((PG−b)として0.82mol)とN,N−ジメチルアニリン208gを格納した容器内を窒素置換した後、1,4−ジオキサンで溶解させた。反応溶液を70℃に昇温し、アクリル酸クロリド148g(1.64mol)を30分かけて滴下し、さらに2時間攪拌させた。冷却後、反応溶液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、その酢酸エチル相を水洗した後、減圧下、溶媒を留去させることにより4−(6−アクリロイルヘキシルオキシ)安息香酸(PG−c)を主成分とする白色固体120g(0.41mol)を得た。収率は(PG−b)基準で50%であった。
(4−ヒドロキシ安息香酸エトキシメチルエステル(PG−d)の合成例)
4−ヒドロキシ安息香酸 166g(1.2mol)とトリエチルアミン121g(1.2mol)とクロロホルム1193gを容器内に入れ攪拌した。室温で、クロロメチルエチルエーテル113g(1.2mol)とクロロホルム298gの混合溶液を30分かけて滴下し、さらに2時間攪拌させた。冷却後、反応溶液を水、塩酸水溶液、炭酸ナトリウム水溶液の順に分液洗浄し、有機層を取り出した。有機層を減圧下、溶媒を留去させることにより4−ヒドロキシ安息香酸エトキシメチルエステル(PG−d)を主成分とする黄色液体を251g得た。
(4−(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンジルオキシ)安息香酸(PG−e)の合成例)
前項で得られた4−ヒドロキシ安息香酸エトキシメチルエステル(PG−d)を主成分とする黄色液体124gに、前項で得られた(PG−c)の白色固体147g(0.50mol)、4−ジメチルアミノピリジン7.7g(63mmol)、クロロホルム824gを加えた。続いてN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)123g(0.60mol)をクロロホルム165gに溶解させ、室温で滴下し、24時間攪拌した。その後、濾過して固形物を取り除いて得られた有機層を、2N塩酸989gで2回分液洗浄した。洗浄した有機層は、溶媒を留去し、237gの淡黄色液体を得た。得られた液体にエタノール474gとパラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩12.7g(50mmol)を加え、60℃で3時間攪拌した。その反応溶液を室温まで冷却すると、白色結晶が析出するため、濾過をして、固形物を取り出した。得られた固形物をエタノールで入念に洗浄した後、乾燥すると、4−(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンジルオキシ)安息香酸(PG−e)が180g得られた。収率は(PG−c)基準で86%であった。
容器に、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン4.6g(13mmol)、4−(4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンジルオキシ)安息香酸(PG−e)10.7g(32mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.3g(3mmol)およびクロロホルム107gを混合し、続いてN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)5.4g(26mmol)をクロロホルム21gに溶解させ、室温で滴下し、24時間攪拌した。その後、2N塩酸を107g添加した後に、濾過して固形物を取り除き、濾液を分液し、有機層を取り出した。得られた有機層に2N塩酸を107g添加し分液洗浄した後に、溶媒を留去し、メタノールに添加し、固形物を取得した。取得した固形物は、メタノールで入念に洗浄した。淡黄色固体である重合性化合物(1−1)8.6gを得た。収率は9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン基準で58%であった。
(重合性化合物(1−1)のH NMRデータ)
H NMR(CDCl);δ 1.46〜1.88(m、16H)、4.06(t、4H)、4.18(t、4H)、5.79〜5.85(m、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.45(m、2H)、6.96〜7.00(m、4H)、7.08〜7.12(m、4H)、7.26〜7.45(m、14H)、7.77〜7.81(m、2H)、8.13〜8.16(m、4H)、8.22〜8.26(m、4H)
<重合性化合物(1−2)の製造例>
重合性化合物(1−2)は以下の構造である。以下にその合成例を示す。
Figure 0005504585
(2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの合成例)
容器に、2,7−ジニトロ−9−フルオレノン25.0g(93mmol)、フェノール87g(925mmol)、3−メルカプトプロピオン酸0.49g(5mmol)、硫酸4.5gを混合し、90℃にて3時間攪拌した。その反応溶液を、メタノール35gと水70gが入った容器に添加したところ、結晶が析出した。その結晶を濾別すると、黄色結晶である2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが24.1g(55mmol)、収率は2,7−ジニトロ−9−フルオレノン基準で59%であった。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンに代えて、前項で得られた2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを用いる以外は、<重合性化合物(1−1)の製造例>と同様にして、淡黄色固体である重合性化合物(1−2)11.7gを得た。収率は2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン基準で64%であった。
(重合性化合物(1−2)のH NMRデータ)
H NMR(CDCl);δ 1.46〜1.88(m、16H)、4.07(t、4H)、4.19(t、4H)、5.80〜5.85(m、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.45(m、2H)、6.96〜7.01(m、4H)、7.13〜7.38(m、12H)、8.01〜8.05(m、2H)、8.13〜8.42(m、12H)
<重合性化合物(1−3)の製造例>
重合性化合物(1−3)は以下の構造である。以下にその合成例を示す。
Figure 0005504585
(2,7−ジブロモ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの合成例)
2,7−ジブロモ−9−フルオレノンを25.0g(73mmol)、フェノール76g(732mmol)、3−メルカプトプロピオン酸0.7g(7mmol)、硫酸3.4gが格納された容器を90℃に加熱し、3時間熟成させた。その反応溶液を、メタノール78mlと水306gが入った容器に添加したところ、結晶が析出した。その結晶を濾別し、トルエンで洗浄すると、白色結晶である2,7−ジブロモ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが31.1g得られた。収率は2,7−ジブロモ−9−フルオレノン基準で84%であった。
(2,7−ジシアノ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの合成例)
容器に2,7−ジブロモ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン33.1g(63mmol)、シアン化銅14.2g(142mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド171mlを混合し、153℃で6時間攪拌した。その反応溶液に、エチレンジアミン171mlと水1709gが入った容器に添加し、酢酸エチル1282mlで2回抽出し、酢酸エチル相を得た。得られた酢酸エチル相を水洗した後、溶媒を留去し、エタノールで再結晶を行い、結晶を取得した。得られた結晶をカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色結晶である2,7−ジシアノ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが6.2g得られた。収率は2,7−ジブロモ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン基準で24%であった。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンに代えて、前項で得られた2,7−ジシアノ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを用いる以外は、<重合性化合物(1−1)の製造例>と同様にして、淡黄色固体である重合性化合物(1−3)7.9gを得た。収率は2,7−ジシアノ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン基準で83%であった。
(重合性化合物(1−3)のH NMRデータ)
H NMR(CDCl);δ 1.46〜1.91(m、16H)、4.07(t、4H)、4.19(t、4H)、5.80〜5.85(m、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.45(m、2H)、6.96〜7.00(d、4H)、7.16〜7.36(m、8H)、7.37〜7.41(m、4H)、7.71〜7.78(m、4H)、7.92〜7.95(m、2H)、8.13〜8.17(m、4H)、8.23〜8.29(m、4H)
(実施例1)
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板にポリビニルアルコール (ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製) の2重量%水溶液を塗布したのち、加熱乾燥後、厚さ89nm膜を得た。続いて、表面にラビング処理を施したのち、ラビング処理を施した面に、表1の組成の塗布液(混合溶液)をスピンコート法により塗布し、45℃で1分間乾燥した。続いて、室温で1分間放置後、1200mJ/cm紫外線を照射して、膜厚0.98μmの光学フィルムを作成した。
表1中、LC242は、BASF社より入手した液晶化合物であり、光重合開始剤は、イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)、レベリング剤には、BYK361N(ビックケミージャパン製)、溶剤はシクロペンタノンを用いた。また、溶剤以外の表中の重量%は、塗布液を100重量%とした固形分の重量%を意味する。
Figure 0005504585
<波長分散特性の測定>
450nmから700nmの波長範囲において、作成した光学フィルムの位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定し、装置付属プログラムで波長450nmの位相差値Re(450)、波長550nmの位相差値Re(550)、波長650nmの位相差値Re(650)を算出したところ、[Re(450)/Re(550)]=1.059、[Re(650)/Re(550)]は0.966であることがわかった。結果を表2に示す。
Figure 0005504585
(実施例2)
表1の塗布液を用いる以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを製造し、膜厚1.00μmの光学フィルムを作成した。得られた光学フィルムについて、位相差値を測定機(KOBRA-WR、王子計測機器社製)を用いて測定したところ、[Re(450)/Re(550)]=1.063、[Re(650)/Re(550)]は0.964であることがわかった。結果を表2に示す。
(比較例1)
表1の塗布液を用いる以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを製造し、膜厚1.09μmの光学フィルムを作成した。得られた光学フィルムについて、位相差値を測定機(KOBRA-WR、王子計測機器社製)を用いて測定したところ、[Re(450)/Re(550)]=1.070、[Re(650)/Re(550)]は0.960であることがわかった。結果を表2に示す。
(比較例2)
表1の塗布液を用いる以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを製造し、膜厚1.04μmの光学フィルムを作成した。得られた光学フィルムについて、位相差値を測定機(KOBRA-WR、王子計測機器社製)を用いて測定したところ、[Re(450)/Re(550)]=1.069、[Re(650)/Re(550)]は0.960であることがわかった。結果を表2に示す。
前記実施例記載の光学フィルムにおける[Re(450)/Re(550)]の値は、比較例記載の光学フィルム及び特許文献1に示された式(II)で表される化合物からなる光学フィルムよりも低い値を示し、位相差値の波長依存性が小さいことがわかる。尚、([Re(450)/Re(550)]−[Re(650)/Re(550)])の値を検討すると、実施例の値が0.1を切る値であるのに対し、比較例及び特許文献1に示された式(II)で表される化合物からなる光学フィルムは0.1を超えており、広い波長領域で位相差値の波長依存性が小さいことがわかる。
本発明によれば、位相差値の波長依存性を一層、抑制し得る光学フィルム及び該フィルムを与え得る化合物を得ることができる。
本発明に係る偏光板の一例の断面図である。 本発明に係る偏光板の一例の断面図である。 本発明に係る液晶パネルの一例の断面図である。 本発明に係る有機ELパネルの一例の断面図である。
符号の説明
1、1’ 光学フィルム
2、2’ 偏光フィルム層
3、3’、3’’ 接着剤層
4 偏光板
5 接着剤層
6 液晶パネル
7 発光層
11、11’ 液晶層(重合性化合物(1)に由来する構造単位を含有する
フィルムのみからなる層)
12、12’ 配向膜層
13、13’ 支持基材

Claims (17)

  1. 式(1)で表されることを特徴とする重合性化合物。
    Figure 0005504585
    (式(1)中、C1は4級炭素原子を表す。
    A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の環状炭化水素基又は2価の複素環基を表す。
    A1及びA2には、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子が結合していてもよい。
    D1およびD2は、それぞれ独立に、下記式
    Figure 0005504585
    (式中、EWGは、それぞれ独立に、電子吸引基を表す。pおよびqはそれぞれ独立に0〜4を表し、rは0〜6を表す。但し、上記2価の基が(EWG) および(EWG) を有する基である場合、1≦p+q≦8であり、(EWG) および(EWG) を有する化合物の場合、1≦r+q≦10である。)
    で表される芳香族基又は下記式
    Figure 0005504585
    (式中、EWGは、それぞれ独立に、電子吸引基を表す。tは1〜5の整数を表す。)
    で表される複素環基である
    D1およびD2は、炭化水素基、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基、アミノアルキル基、カルボニル基又は単結合で互いに連結されていてもよい。前記電子吸引基は、ニトロ基、ニトリル基、トリフルオロメチル基、式(3)で表される基、又は、式(4)で表される基である。
    Figure 0005504585
    (式(3)及び(4)中、Raは、水素原子、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基、炭素数3〜18の分岐状アルキル基、炭素数5〜18のシクロアルキル基、フェニル基、フラニル基又はチオフェニル基を表す。Rbは、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基、炭素数3〜18の分岐状アルキル基、炭素数5〜18のシクロアルキル基、フェニル基、フラニル基又はチオフェニル基を表す。)
    B1及びB2は、それぞれ独立に、−CRR’−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−OCH−、−NR−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。ここで、R及びR’はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
    X1及びX2は、それぞれ独立に、式(2)で表される2価の基を表す。
    Figure 0005504585
    [式(2)中、A3は、−C(=O)−C−、2価の環状炭化水素基又は複素環基を表す。該−C(=O)−C−、2価の環状炭化水素基又は複素環基には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が結合していてもよい。B3は前記B1と同じ意味を表す。nは1〜4の整数を表す。nが2〜4の場合にはA3及びB3からなる構造単位は、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
    E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素数2〜25のアルキレン基を表し、E1及びE2は、さらにアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が結合していてもよい。
    P1及びP2は、それぞれ独立に、水素原子、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表し、P1及びP2の少なくとも一方はアクリロイル基又はメタクリロイル基である。)
  2. 式(1)のB1及びB2が、単結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、又は、−O−C(=O)−O−基であることを特徴とする請求項1記載の重合性化合物。
  3. C1、D1およびD2が、式(D−1)〜(D−11)からなる群から選ばれる2価の基であることを特徴とする請求項1又は2記載の重合性化合物。
    Figure 0005504585
    (式(D−1)〜(D−11)中、EWGは、それぞれ独立に、電子吸引基を表す。pおよびqはそれぞれ独立に0〜4を表し、rは0〜6を表す。但し、上記2価の基が(EWG)および(EWG)を有する基である場合、1≦p+q≦8であり、(EWG)および(EWG)を有する化合物の場合、1≦r+q≦10である。)
  4. 式(1)で表される重合性化合物が、式(1−A)〜(1−C)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の重合性化合物。
    Figure 0005504585
    [式(1−A)〜(1−C)中、n1は、それぞれ独立に、1〜3の整数を表し、n2は、それぞれ独立に、2〜14の整数を表す。R”は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。]
  5. 請求項1〜のいずれか記載の重合性化合物とは異なる化合物であって液晶性を示す重合性化合物、及び、請求項1〜のいずれか記載の重合性化合物を含有することを特徴とする組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか記載の重合性化合物とは異なる化合物であって液晶性を示す重合性化合物が、式(I)、式(II)、式(III)又は式(IV)で表される化合物であることを特徴とする請求項記載の組成物。
    P11-B11-E11-(B12-A11)-B13-E12-B14-P12 (I)
    P11-B11-E11-(A11-B12)-E12-B13-P12 (II)
    P11-B11-E11-(B12-A11)-F11 (III)
    P11-B11-E11-(B12-A11)-B13-F11 (IV)
    [式(I)〜(IV)中、A11は、それぞれ独立に、2価の環状炭化水素基、2価の複素環基、メチレンフェニレン基、オキシフェニレン基、またはチオフェニレン基を表す。A11には、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはハロゲン原子が結合していてもよい。
    B11、B12、B13およびB14は、それぞれ独立に、−CRR’−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(→O)=N−、−N=N(→O)−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−OCH−、−NR−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す(なお、RおよびR’はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す)。
    E11およびE12は、それぞれ独立に、炭素数2〜25のアルキレン基を表す。さらに、E11およびE12には、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはハロゲン原子が結合していてもよい。
    P11およびP12は、それぞれ独立に、重合性基を表す。
    F11は、水素原子、アルキル基、ニトリル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、又はハロゲン原子を表す。
    sは、それぞれ独立に、1〜5の整数を表す。sが2〜5の場合には、A11は互いに同一でも異なっていてもよく、B12は互いに同一でも異なっていてもよい。]
  7. 請求項1〜のいずれか記載の重合性化合物とは異なる化合物であって液晶性を示す重合性化合物と、請求項1〜のいずれか記載の重合性化合物との合計100重量部に対して、請求項1〜のいずれか記載の重合性化合物を3〜50重量部含有することを特徴とする請求項5又は6記載の組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれか記載の重合性化合物に由来する構造単位を含有することを特徴とする光学フィルム。
  9. 請求項5〜7のいずれか記載の組成物を重合してなることを特徴とする光学フィルム。
  10. 請求項8又は9記載の光学フィルムが、該光学フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))として113〜163nmを示すλ/4板であることを特徴とする光学フィルム。
  11. 請求項8又は9記載の光学フィルムが、該光学フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))として250〜300nmを示すλ/2板であることを特徴とする光学フィルム。
  12. 請求項8〜11のいずれか記載の光学フィルム及び偏光フィルムを含むことを特徴とする偏光板。
  13. 請求項12記載の偏光板及び液晶パネルを備えることを特徴とするフラットパネル表示装置。
  14. 請求項12記載の偏光板を含む有機エレクトロルミネッセンスパネルを備えることを特徴とする有機EL表示装置。
  15. 支持基材に、請求項5〜7のいずれか記載の組成物を塗布し、乾燥させる工程を含むことを特徴とする未重合フィルムの製造方法。
  16. 支持基材上に形成された配向膜上に、請求項5〜7のいずれか記載の組成物を塗布し、乾燥させる工程を含むことを特徴とする未重合フィルムの製造方法。
  17. 請求項15又は16記載の製造方法で得られた未重合フィルムを、重合により硬化させる工程を含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
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