JP5443720B2 - 組成物、光学フィルム及びその製造方法、光学部材ならびに表示装置 - Google Patents
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Description
このように用いられる重合性化合物としては、LC242(BASF社製)が市販されている(非特許文献1)。
EWGは、それぞれ独立に、ニトロ基、ニトリル基又はトリフルオロメチル基を表す。
p及びqは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。但し、1≦p+q≦8である。
R’及びR”は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
s及びtは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。s及びtが2〜4の場合には、R’及びR”は、互いに同一でも異なっていてもよい。
A1は、5〜18員環の2価の環状炭化水素基又は5〜18員環の2価の複素環基を表す。該環状炭化水素基及び複素環基には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が置換されていてもよい。
B1、B2及びB3は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NR1−、−NR1−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−CH2O−、−CF2O−、−O−C(=O)−O−又は単結合を表す。ここで、R1は、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。
B4は、−CR1R2−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)−NR1−、−NR1−C(=O)−、−OCH2−、−NR1−、−CH2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。ここで、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。
nは1〜4いずれかの整数を表す。nが2〜4の場合には、A1及びB4からなる構造単位は、互いに同一でも異なっていてもよい。
E1は、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はハロゲン原子が置換されていてもよい。
P1は、式(P−1)〜(P−5)で表される基である。
P2は、水素原子又は式(P−1)〜(P−5)で表される基である。
A11は、5〜18員環の2価の環状炭化水素基又は5〜18員環の2価の複素環基を表す。該環状炭化水素基及び複素環基には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が置換されていてもよい。
B11及びB12は、それぞれ独立に、−CR11R12−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−NR11−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。ここで、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はR11とR12とが結合して炭素数5〜7のアルキレン基を表す。
E11は、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基には、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子が置換されていてもよい。
P11は、式(P−1)〜(P−5)で表される基を表す。
mは1〜3の整数を表す。mが2又は3の場合には、A11及びB11からなる構造単位は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
また、フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))が113〜163nmであるλ/4板として機能するものであることが好ましい。
さらに、フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))が250〜300nmであるλ/2板として機能するものであることが好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が例示される。
2価の環状炭化水素基としては、下記式で表される基が例示される。
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、トリメチレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基、1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基等が挙げられる。
なお、本明細書では、いずれの化学構造式においても、炭素数によって異なるが、特に断りのない限り、アルキル基、アルコキシ基、2価の環状炭化水素基、2価の複素環基、ハロゲン原子、アルキレン基等は、上記と同様のものが例示される。また、直鎖又は分岐の双方をとることができるものは、そのいずれをも含む。
p=q=1の場合、ベンゼン環におけるEWGの結合位置は、特に限定されず、左右異なっていてもよいが、双方とも、下記式のii位の炭素原子の位置に結合することが、合成が容易な点で好ましい。
R’及びR”としては、メチル基、エチル基等が好ましい。
また、s及びtとして、s=t=0又は1が好ましい。特に、s=t=1の場合、ベンゼン環における置換基R’又はR”の結合位置は、特に限定されず、左右異なっていてもよいが、双方とも、下記式の3位の炭素原子の位置に結合することが、合成が容易な点で好ましい。
B1及びB2としては、液晶性が向上することと、合成が容易であるとの観点から、特に、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−OCH2−、−OCF2−、−CH2O−、−CF2O−又は単結合が好ましく、さらに好ましくは、−C(=O)−O−または−O−C(=O)−である。
E1のアルキレン基は、無置換のものが好ましい。
P1及びP2としては、式(2)の置換基を含む化合物と互いに共重合しやすく、得られる光学フィルム中に化合物(1)に由来する構造単位を固定化しやすい傾向があることから、式(P−1)〜(P−5)で表される基であることが好ましく、特に、容易に光重合させることができることから、式(P−1)で表される基が好ましい。
B11及びB12としては、液晶性が向上するという観点から、特に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−CH2O−、−CF2O−又は単結合が好ましい。
E11のアルキレン基は、無置換のものが好ましい。
P11は、上述したP1及びP2と同様に、かつ安定性の面から、式(P−1)で表される基が好ましい。
本発明の化合物(1)を与える中間体のモノフェノール誘導体の具体例としては、式(1−A−1)〜式(1−A−12)等が挙げられる。
B1が、−OC(=O)−であれば、−B1−(A1−B4)n−E1−B3−P2の構造を与える化合物として対応するカルボン酸、カルボン酸塩化物、カルボン酸無水物又はカルボン酸のメシチル化された化合物などを用いてモノフェノール中間体とエステル化すればよい。
例えば、式(1−B−1)及び式(1−B−2)等で表される中間体のビスフェノール誘導体の片方の水酸基を次の縮合工程から保護するため、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、s−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルイソプロペニルエーテル、3,4−ジヒドロピラン等のビニルエーテル類を用いて、パラトルエンスルホン酸、希塩酸、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩などを触媒に用いて反応させることにより、モノフェノール誘導体を製造する。得られたモノフェノール誘導体は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等により、精製してもよい。
B1が、−OC(=O)−であれば、−B1−(A1−B4)n−E1−B3−P2の構造を与える化合物として対応するカルボン酸、カルボン酸塩化物、カルボン酸無水物又はカルボン酸のメシチル化された化合物などを用いてモノフェノール中間体とエステル化すればよい。
H−B1−(A1−B4)n−E1−B3−P2の構造を与える化合物としては、上述した、式(5−A−1)〜式(5−A−124)で表されるカルボン酸、およびこのカルボン酸から作られるカルボン酸塩化物、カルボン酸無水物又はカルボン酸のメシチル化された化合物などが挙げられる。
続いて、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物などをトリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジンなどの塩基性の化合物を触媒として反応させ、本発明の化合物(1)を製造することができる。得られた本発明の化合物(1)は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等により、精製してもよい。
なお、このような置換基を含む化合物の末端の置換基、つまりB12に結合される末端の置換基は、−E11−P11のように、式(2)を構成する置換基が対称に結合されるものであってもよいし、あるいは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボン酸、カルボン酸エステル、ニトリル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基等であってもよい。
P11−E11−(B11−A11)m−B12−E12−P12 (2A)
P11−E11−(B11−A11)m−B12−F11 (2B)
[式中、P11、E11、B11、A11、B12及びmは、上記と同じ意味を表す。
E12はE11と同じ意味を、P12はP11と同じ意味を表す。
F11は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ニトリル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、水酸基、カルボン酸、カルボン酸エステル又はハロゲン原子を表す。]
B12が、−OC(=O)−であれば、P11-E11-(B11-A11)m-B12の構造を与える化合物(6−A−1)〜(6−A−10)のようなフェノール誘導体などを用いて対応するカルボン酸誘導体(3−B−1)〜(3−B−8)などとエステル化すればよい。
本発明の組成物は、通常、重合させるための重合開始剤、特に光重合開始剤を加えることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、ヨードニウム塩又はスルホニウム塩等が挙げられ、より具体的には、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、及びイルガキュア369(以上、全てチバスペシャルティケミカルズ社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬社製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP−152又はアデカオプトマーSP−170(以上、全て旭電化)などを挙げることができる。
重合開始剤の使用量は、通常、本発明の組成物の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、組成物の配向性を乱すことなく、組成物を重合させることができる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン又はアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類、ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類、ピロガロール類、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤、チオフェノール類、β−ナフチルアミン類又はβ−ナフトール類等を挙げることができる。
重合禁止剤を含有することにより、本発明の組成物の重合を制御することができ、得られる光学フィルムの安定性及び塗布前の組成物の保存安定性を向上させることができる。
重合禁止剤の使用量は、通常、本発明の組成物の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、組成物の配向性を乱すことなく、本発明の組成物を重合させることができる。
光増感剤としては、例えば、キサントン又はチオキサントン等のキサントン類、アントラセン又はアルキルエーテルなどの置換基を有するアントラセン類、フェノチアジン、ルブレン等を挙げることができる。
光増感剤を用いることにより、組成物の重合を高感度化することができる。
光増感剤の使用量は、本発明の組成物の合計100重量部に対して、通常、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、組成物の配向性を乱すことなく、組成物を重合させることができる。
ベリング剤としては、例えば、放射線硬化塗料用添加剤(ビックケミージャパン製:BYK−352、BYK−353、BYK−361N)、塗料添加剤(東レ・ダウコーニング社製:SH28PA、DC11PA、ST80PA)、塗料添加剤(信越シリコーン社製:KP321、KP323、X22−161A、KF6001)又はフッ素系添加剤(大日本インキ化学工業製:F−445、F−470、F−479)などを挙げることができる。
レベリング剤を用いることにより、光学フィルムを平滑化することができる。さらに、光学フィルムの製造過程で、組成物溶液の流動性を制御したり、組成物を重合して得られる光学フィルムの架橋密度を調整することができる。
レベリング剤の使用量は、通常、本発明の組成物の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、組成物の配向性を乱すことなく、組成物を重合させることができる。
有機溶媒としては、本発明の組成物、任意に添加剤等を溶解し得る有機溶媒であればどのようなものを用いてもよい。具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ又はブチルセロソルブなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマーブチロラクトン又はプロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン又はヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン又はクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、乳酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン又はフェノールなどが挙げられる。これら有機溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤としては、特に限定されるものではなく、当該分野で公知のもの、例えば、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリイソシアネート類、エポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。より具体的には、トリアクリレート類(新中村化学工業株式会社製:CBX−1N、CBX−0、A−TMPT−3EO、A−TMPT−6EO、A−TMPT−9EO、A−TMM−3、A−TMM−3L、A−TMM−3LMN、A−GLY−3E、A−GLY−6E、A−GLY−9E、A−GLY−20E、TM−4EL、SARTOMER社製:SR499、SR502、SR9035、SR368)、テトラアクリレート類(新中村化学工業株式会社製:ATM−4E,ATM−35E)、ペンタアクリレート類(新中村化学工業株式会社製:A−9530、SARTOMER社製:SR399E)、ヘキサアクリレート類(新中村化学工業株式会社製:A−DPH−6E、A−DPH−12E、A−DPH−6P、共栄社化学株式会社製:UA−306H、UA−306I、日本化薬株式会社製:DPCA−60、DPCA−120)などを挙げることができる。
架橋剤を用いることにより、組成物を重合して得られるフィルムの架橋密度を調整することができる。架橋密度を向上させることによって、フィルムの耐久性・信頼性を向上させることができる。
架橋剤の使用量は、通常、本発明の組成物の合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、組成物の配向性を乱すことなく、組成物を重合させることができる
まず、本発明の組成物、任意に、上述した重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、レベリング剤、有機溶媒、架橋剤等の添加剤の1種以上が混合された組成物の溶液を調製する。ただし、組成物の溶液を成膜し、乾燥した後に、液晶性を損なわないものを用いることが必要である。特に、有機溶媒は、成膜が容易となることから、重合開始剤は、得られた光学フィルムを硬化する働きをもつことから、含有されていることが好ましい。
また、組成物溶液における固形分の濃度は、通常、5〜50重量%とすることが適している。固形分の濃度をこの程度の範囲とすることにより、光学フィルムの膜厚にムラが生じにくく、適切な膜厚に調整することが容易となり、液晶パネルの光学補償に必要な光学異方性を与えることができる。
組成物から得られるフィルムは、貼合、運搬、保管等、強度が必要な場合があるため、支持基材を用いることにより、フィルムが破れず、取り扱いが容易となる。
配向膜は、本発明の組成物を含有する溶液の塗工等により溶解しない溶剤耐性を有し、溶媒の除去、液晶の配向の加熱処理による耐熱性を有し、ラビングによる摩擦などによる剥がれ等が起きないこと等が必要であり、ポリマーと、任意に溶媒とを含有する組成物によって形成することができる。
配向膜を形成するポリマーとしては、例えば、分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸エステル類等のポリマーが挙げられる。これらのポリマーは、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合、共重合体したりしてもよい。これらのポリマーは、脱水や脱アミンなどによる重縮合や、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の連鎖重合、配位重合又は開環重合等で容易に得ることができる。
また、配向膜を形成するために、市販の配向膜材料をそのまま使用してもよい。市販の配向膜材料としては、サンエバー(登録商標、日産化学社製)、オプトマー(登録商標、JSR製)などが挙げられる。
得られる配向膜の厚さは、通常、10nm〜10000nm程度が適しており、10nm〜1000nm程度が好ましい。上記範囲とすれば、後述する未重合フィルム調製工程において、本発明の組成物から形成されるフィルムを配向膜上で所望の角度に配向させることができる。
また、これら配向膜は、必要に応じてラビング又は偏光紫外線照射を行ってもよい。これにより、本発明の組成物から形成されるフィルムを所望の方向に配向させることができる。
配向膜をラビングする方法としては、例えば、ラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールを、ステージに載せ、搬送されている配向膜に接触させる方法を用いることができる。
このように、配向膜を用いることにより、容易に液晶の配向をホモジニアス配向、ホメオトロピック配向、ハイブリッド配向など、所望の配向を得ることができるため、延伸による屈折率制御を行う必要がない。そのため、複屈折の面内ばらつきが小さい均一性に優れた光学フィルムが得られる。その結果、支持基材上に、FPDの大型化にも対応可能な大きな光学フィルムを形成することが可能となる。
溶媒の乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、通風乾燥、減圧乾燥などが挙げられる。具体的な加熱温度は、20〜200℃程度が適しており、40〜150℃程度が好ましい。加熱時間は、10秒間〜30分間程度が適しており、30秒間〜10分間程度が好ましい。加熱温度及び加熱時間が、上記範囲内であれば、上記支持基材として、耐熱性が必ずしも十分ではない支持基材を用いることができる。
重合は、取り扱い性及び成膜性の観点から、光重合が好ましい。
このような方法としては、例えば、配向膜が形成された支持基材の配向膜上に、本発明の組成物の溶液を塗工し、乾燥する方法、液晶セルを作製し、この液晶セルに組成物を注入して、液晶層として形成する方法等が挙げられる。特に、支持基材の上に形成した配向膜上に未重合フィルムを得る方法は、生産コストを低減することができ、ロールフィルムでのフィルムの生産が可能となり、製造効率が良好であることから好ましい。
得られた未重合のフィルムにおいて、本発明の組成物はネマチック相などの液晶相を示し、モノドメイン配向による複屈折性を有する。この未重合フィルムは0〜200℃程度、好ましくは、10〜150℃で配向させることができる。
未重合フィルムを重合させる方法は、組成物に含まれる化合物の種類に応じて、適宜調整することができる。例えば、光重合、熱重合が挙げられる。なかでも、光重合が好ましい。これにより、低温で、未重合フィルムを重合させることができるので、支持基材の耐熱性の選択幅が広がる。また、工業的にも製造が容易となる。
未重合フィルムを光重合させる方法は、例えば、未重合フィルムに紫外線を照射することにより、未重合フィルムを重合させる方法などが挙げられる。未重合フィルムの重合工程において、組成物を光重合によって架橋させることにより、その後の工程等における熱による複屈折の変化の影響を受けにくくなる。
このような光学フィルムとしては、優れた波長分散特性を有する光学フィルムが挙げられ、アンチリフレクション(AR)フィルムなどの反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、視野角拡大フィルム及び透過型液晶ディスプレイの視野角補償用光学補償フィルムなどが例示される。
例えば、本発明のフィルムをVA(Vertical Alingment)モード用の光学フィルムとして使用するためには、偏光フィルムに本発明のフィルムを広帯域λ/4板として貼合して広帯域円偏光板として利用することができる。
特に、本発明のフィルムを、広帯域λ/4板又はλ/2板として使用するためには、本発明の組成物に含まれる化合物(1)及び式(2)の置換基を含む化合物(ただし、式(1)で表される化合物とは異なる)に由来する構造単位の含有量を適宜調整し、フィルムの膜厚を調整し、位相差値を調整すればよい。
具体的には、λ/4板の場合には、得られるフィルムのRe(550)を113〜163nm、好ましくは120〜150nmに調整すればよい。λ/2板の場合には、得られるフィルムのRe(550)を240〜320nm、好ましくは250〜280nmとなるように調整すればよい。
Re(λ)=d×Δn(λ) (6)
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける屈折率異方性を表す。)
従って、位相差値を大きくするためには膜厚を大きくし、位相差値を小さくするためには、膜厚を小さくすればよい。
配向膜を用いて複屈折性を有する場合には、通常、位相差値としては、50〜500nm程度であり、好ましくは100〜300nmである。
このように、本発明のフィルムは、延伸フィルムで同等の位相差値を有するフィルムと比較して、薄膜とすることができる。
偏光板は、本発明のフィルム1と、偏光機能を有するフィルム、すなわち偏光フィルム2とを直接張り合わせたもの(図1(a))、フィルム1と偏光フィルム2とを、接着剤3を介して貼り合わされたもの(図1(b))、フィルム1とフィルム1’と偏光フィルム2とをこの順で直接貼り合わせたもの(図1(c))、フィルム1と光学フィルム1’とを接着剤3を介して貼り合わせ、さらに、光学フィルム1’上に偏光フィルム2を直接貼り合わせたもの(図1(d))、光学フィルム1と光学フィルム1’と偏光フィルム2とを、この順に、それぞれ接着剤3、3’を介して貼り合せたもの(図1(e))等が挙げられる。
また、光学フィルム1として、支持基材13と、支持基材13の表面上に形成された配向膜12と、配向膜12の表面上に形成された液晶層11とからなるフィルムが用いられてもよい。具体的には、このようなフィルムにおける支持基材13に、接着剤層3’を介して偏光フィルム層2が貼り合わせているもの(図2(h))等が挙げられる。
図2(j)では、光学フィルム1’として液晶層11’からなるフィルムを用い、光学フィルム1として液晶層11、配向膜12及び支持基材13からなるフィルムを用いており、図2(k)では、光学フィルム1’として液晶層11’、配向膜12及び支持基材13からなるフィルムを用い、光学フィルム1として液晶層11からなるフィルムを用いている以外、図2(g)と同様の構造である。
接着剤層3及び接着剤層3’に用いられる接着剤は、透明性が高く、耐熱性に優れた接着剤であることが好ましい。そのような接着剤としては、例えば、アクリル系、エポキシ系又はウレタン系接着剤などが用いられる。
光学部材は、図3に示すように、本発明のフィルムと、カラーフィルタとを含んで構成することができる。
支持基材13上にカラーフィルタ8と、本発明のフィルム1とをこの順に積層したもの(図3(a))、支持基材13上に本発明のフィルム1とカラーフィルタ8とをこの順に積層したもの(図3(b))等が挙げられる。
また、カラーフィルタ8と液晶層11との間、支持基材13と液晶層11との間に、それぞれ配向膜12を積層したもの(図3(c)及び図3(d)参照)等であってもよい。これにより、液晶層11は良好な配向が得られる。
例えば、上述した偏光板と、液晶パネルとが貼り合わされた液晶パネルを備える液晶表示装置(LCD)、上述した偏光板と、発光層とが貼り合わされた有機エレクトロルミネッセンスパネルを備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置(EL)、さらにカラーフィルタを備えるLCD及びEL等が挙げられる。
LCDとしては、例えば、図4に示すように、本発明の偏光板4と液晶パネル6とを、接着層5を介して貼り合わせて構成されるものが挙げられる。
この構成によれば、図示しない電極を用いて、液晶パネルに電圧を印加することにより、液晶分子を駆動させ、光シャッター効果を発揮させることができる。
ELとしては、例えば、図5に示すように、本発明の偏光板4と、発光層7とを、接着剤層5を介して貼り合わせて構成されるものが挙げられる。有機エレクトロルミネッセンスパネルにおいて、偏光板4は、広帯域円偏光板として機能する。また、発光層7は、導電性有機化合物からなる少なくとも1層の層により構成される。
<式(1)の化合物(J−1)の製造例>
化合物(J−1)は以下の構造である。
4−ヒドロキシ安息香酸エチル169g(1.02mol)、炭酸カリウム211g(1.53mol)、N,N−ジメチルアセトアミド847gを加え、80℃に昇温した。続いて、6−ブロモヘキサノール277g(1.53mol)を2時間かけて滴下し、その後80℃で2時間攪拌した。冷却後、反応溶液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水洗した後、溶媒を留去することにより(PG−a)を主成分とする無色透明な液体377gを得た。
前項で得られた(PG−a)を主成分とする無色透明な液体377gにメタノール905gと水181gを添加し攪拌した。次いで、水酸化カリウムを飽和状態で含有するメタノール溶液2092g(溶液中水酸化カリウム397g(7.08mol))を滴下し、約70℃で5時間攪拌した。冷却後、35%塩酸を718gゆっくりと加えた。析出した白色固体を水洗しながら濾別し、50℃の減圧下で乾燥させることにより(PG−b)の白色固体228gを得た。収率は4−ヒドロキシ安息香酸エチル基準で94%であった。
前項で得られた(PG−b)の白色固体228g(0.96mol)とN,N−ジメチルアニリン244g(2.01mol)とを格納した容器内を窒素置換した後、1,4−ジオキサン2282gで溶解させた。反応溶液を70℃に昇温し、アクリル酸クロリド173g(1.92mol)を30分かけて滴下し、さらに2時間攪拌させた。冷却後、反応溶液を氷水に注いだ後、酢酸エチルを加えて分液抽出して有機層を取り出した。得られた有機層を水洗した後、減圧下、溶媒を留去させることにより(PG−c)の白色固体109g(0.37mol)を得た。収率は(PG−b)基準で39%であった。
4−ヒドロキシ安息香酸166g(1.2mol)とトリエチルアミン121g(1.2mol)とクロロホルム1193gを容器内に入れ攪拌した。室温で、クロロメチルエチルエーテル113g(1.2mol)とクロロホルム298gの混合溶液を30分かけて滴下し、さらに2時間攪拌させた。冷却後、反応溶液を水、塩酸水溶液、炭酸ナトリウム水溶液の順に分液洗浄し、有機層を取り出した。有機層を減圧下、溶媒を留去させることにより(PG−d)を主成分とする黄色液体を251g得た。
前項で得られた(PG−d)を主成分とする黄色液体124gに、前項で得られた(PG−c)の白色固体147g(0.50mol)、4−ジメチルアミノピリジン7.7(63mmol)、クロロホルム824gを加えた。続いてN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)123g(0.60mol)をクロロホルム165gに溶解させ、室温で滴下し、24時間攪拌した。その後、濾過して固形物を取り除いて得られた有機層を、2N塩酸989gで2回分液洗浄した。洗浄した有機層は、溶媒を留去し、237gの淡黄色液体を得た。
得られた液体にエタノール474gとパラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩12.7g(50mmol)とを加え、60℃で3時間攪拌した。その反応溶液を室温まで冷却すると、白色結晶が析出する。それを濾過して、固形物を取り出した。得られた固形物をエタノールで入念に洗浄した後、乾燥し、(PG−e)を180g得た。収率は(PG−c)基準で86%であった。
前項で得られた(PG−d)を主成分とする黄色液体19.6gに、前項で得られた(PG−e)の白色固体 30.9g(75mmol)、4−ジメチルアミノピリジン1.2(10mmol)、クロロホルム245gを加えた。続いてN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)20.6g(100mmol)をクロロホルム49gに溶解させ、室温で滴下し、24時間攪拌した。その後、濾過して固形物を取り除いて得られた有機層を、2N塩酸989gで2回分液洗浄した。洗浄した有機層は、溶媒を留去し、88gの淡黄色液体を得た。
得られた液体にテトラヒドロフラン88g、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩1.9g(8mmol)とエタノール88gを加え、60℃で3時間攪拌した。その反応溶液を室温まで冷却すると、白色結晶が析出するため、濾過をして、固形物を取り出した。得られた固形物をエタノールで入念に洗浄した後、乾燥し、(PG−f)を19.2g得た。収率は(PG−e)基準で48%であった。
容器に、2,7−ジニトロ−9−フルオレノン25.0g(93mmol)、フェノール87g(925mmol)、3−メルカプトプロピオン酸0.49g(5mmol)、硫酸4.5gを混合し、90℃にて3時間攪拌した。その反応溶液を、メタノール35gと水70gが入った容器に添加したところ、結晶が析出した。その結晶を濾別して、黄色結晶である2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを24.1g(55mmol)得た。収率は、2,7−ジニトロ−9−フルオレノン基準で59%であった。
2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン50.0g(114mmol)、テトラヒドロフラン500g、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩1.4g(5.7mmol)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン23.9g(284mmol)が格納された容器を3時間熟成させた。冷却後、その反応溶液に、メチルイソブチルケトン75gと水500gを加え攪拌し、分液を行なった。得られた有機層を水500gで4回分液洗浄を行ない、有機層を取り出した。得られた有機層を濃縮し、ノルマルヘプタンを加え晶析させ、黄色結晶を得た。得られた結晶をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにて精製し、黄色結晶である(J−1A)を33.2g得た。収率は2,7−ジニトロ−9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン基準で55%であった。
。
容器に、(J−1A)19.0g(36mmol)、(PG−f)23.2g(43mmol)4−ジメチルアミノピリジン0.5g(4mmol)及びクロロホルム185gを混合し、続いてN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)10.8g(52mmol)をクロロホルム46gに溶解させ、室温で滴下し、24時間攪拌した。その後、水を231g添加した後に、濾過して固形物を取り除き、濾液を分液し、有機層を取り出した。得られた有機層の溶媒を留去し、メタノールに添加し、固形物を取得した。取得した固形物は、メタノールで入念に洗浄した。淡黄色固体である化合物(J−1B)22.0gを得た。収率は(J−1A)基準で58%であった。
容器に、(J−1B)17.0g(16mmol)、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩0.4g(2mmol)エタノール34g、クロロホルム102gを加え、60℃で3時間攪拌した。その後、溶媒を留去し、ノルマルヘプタンに添加し、固形物を取得した。取得した固形物は、ノルマルヘプタンで入念に洗浄した。淡黄色固体である化合物(J−1C)15.4gを得た。収率は(J−1B)基準で99%であった。
容器に、前項で得られた(J−1C)の淡黄色固体10g(10mmol)、N,N−ジメチルアニリン1.9g(16mmol)、クロロホルム50gを加え溶解させた。室温で、アクリル酸クロリド9.9g(110mmol)を滴下し、5時間攪拌させた。反応溶液を氷水に注いだ後、分液抽出して有機層を取り出した。得られた有機層を水洗した後、減圧下、溶媒を留去し、ノルマルヘプタンに添加し、固形物を取得した。取得した固形物は、ノルマルヘプタンで入念に洗浄した。淡黄色固体である化合物(J−1)9.1gを得た。収率は(J−1C)基準で86%であった。
1H NMR(CDCl3);δppm 1.20〜2.00(m、8H)、4.00〜4.30(m、4H)、5.80〜6.70(m、6H)、6.90〜7.50(m、14H)、7.90〜8.40(m、12H)、
融点 : 102℃
化合物(J−2)は以下の構造である。
前項で得られた(PG−d)を主成分とする黄色液体100gと、4−トランス−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸80.9gを用い、(PG−e)の合成例と同様にして合成した。得られた(PG−g)は、129g得られた。収率は、4−トランス−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸基準で99%であった。
前項で得られた(PG−d)を主成分とする黄色液体24gと、(PG−g)19.1gを用い、(PG−e)の合成例と同様にして合成した。得られた(PG−h)は、11.6g得られた。収率は、(PG−g)基準で44%であった。
前項で得られた(J−1A)19.0g(36mmol)と、(PG−g)19.9g(45mmol)を用い、(J−1B)の合成例と同様にして合成し、化合物(J−2B)22.0gを得た。収率は(J−1A)基準で64%であった。
前項で得られた(J−2B)22.0g(23mmol)を用い、(J−1C)の合成例と同様にして合成し、化合物(J−2C)8.4gを得た。収率は(J−2A)基準で35%であった。
前項で得られた(J−2B)8.3g(10mmol)を用い、(J−1)の合成例と同様にして合成し、化合物(J−2)6.1gを得た。収率は(J−1A)基準で69%であった。
1H NMR(CDCl3);δppm 0.86〜1.06(m、5H)、1.15〜1.80(m、11H)、1.80〜2.00(m、2H)、2.10〜2.20(m、2H)、2.40〜2.60(m、1H)、5.90〜6.10(m、1H)、6.20〜6.40(m、1H)、5.50〜6.70(m、1H)、7.00〜7.50(m、12H)、7.90〜8.40(m、10H)、
融点 :227℃
<光学フィルムの製造例>
ガラス基板にポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2重量%水溶液を塗布した。加熱乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。
続いて、表面にラビング処理を施したのち、ラビング処理を施した面に、表1の組成の塗布液(混合溶液)をスピンコート法により塗布し、加熱して1分間乾燥した。
続いて、50℃で1分間放置後、50℃にホールドした状態で1200mJ/cm2の紫外線を照射して、光学フィルムを作製した。
LC242(BASF社製、上記(III-6)におけるm=m’=4の化合物))。なお、LC242は、昇温時、65℃〜125℃の温度で液晶相を示した。
光重合開始剤:イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)、
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
溶剤:シクロペンタノン
を用いた。
化合物を表1から光重合開始剤、レベリング剤および溶剤を抜いた、表3に示す割合で化合物を採取し、乳鉢でよくすりつぶし、均一に混合した。その固体を、ホットステージ付きの偏光顕微鏡にて加熱して液体とした。その液体を冷却し、70℃での液晶性を確認した。それぞれの組成物は、70℃にて液晶状態をとることが確認できた。
作製した光学フィルムの正面位相差値およびチルト角を、測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。なお、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、基材付きフィルムを測定機で計測することにより、作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、測定機によると、136nmを示した。また、同様に測定機で波長分散[Re(450)/Re(550)]、[Re(650)/Re(550)]を測定したところ、それぞれ、1.058および0.966であった。また、光学フィルムの液晶層に由来する膜厚を、レーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。液晶層の膜厚は、1.06μmを示した。その結果を表2に示す。
これらから、透明で均一に配向した低波長分散性の光学フィルムが得られたことがわかった。
表1の塗布液を用い、実施例1と同様にして、光学フィルムを作成し、膜厚0.99μmの光学フィルムを作製した。
得られた光学フィルムについて実施例1と同様に光学特性を測定した。その結果を表2に示す。
これらから、透明で均一に配向した低波長分散性の光学フィルムが得られたことがわかった。
表1の塗布液を用い、実施例1と同様にして、光学フィルムを作成し、膜厚1.05μmの光学フィルムを作成した。
得られた光学フィルムについて実施例1と同様に光学特性を測定した。その結果を表2に示す。
これらから、透明で均一に配向した低波長分散性の光学フィルムが得られたことがわかった。
表1の塗布液を用い、実施例1と同様にして、光学フィルムを作成し、膜厚1.03μmの光学フィルムを作成した。
得られた光学フィルムについて実施例1と同様に光学特性を測定した。その結果を表2に示す。
これらから、透明で均一に配向した低波長分散性の光学フィルムが得られたことがわかった。
表1の塗布液を用い、実施例1と同様にして、光学フィルムを作成し、膜厚1.09μmの光学フィルムを作成した。
得られた光学フィルムについて実施例1と同様に光学特性を測定した。その結果を表2に示す。
これらから、透明で均一に低チルト配向した光学フィルムが得られたが、実施例1〜4と比較して[Re(450)/Re(550)]は大きく、[Re(650)/Re(550)]は小さいことから、その波長分散特性が大きく、性能が劣ることがわかった。
2、2’ 偏光フィルム
3、3’、5 接着剤
4 偏光板
6 液晶パネル
7 発光層
8 カラーフィルタ
11、11’ 液晶層
12、12’ 配向膜
13、13’ 支持基材
Claims (14)
- 式(1)で表される化合物。
[式中、
EWGは、それぞれ独立に、ニトロ基、ニトリル基又はトリフルオロメチル基を表す。
p及びqは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。但し、1≦p+q≦8である。
R’及びR”は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
s及びtは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。s及びtが2〜4の場合には、R’及びR”は、互いに同一でも異なっていてもよい。
A1は、5〜18員環の2価の環状炭化水素基又は5〜18員環の2価の複素環基を表す。該環状炭化水素基及び複素環基には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が置換されていてもよい。
B1、B2及びB3は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NR1−、−NR1−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−CH2O−、−CF2O−、−O−C(=O)−O−又は単結合を表す。ここで、R1は、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。
B4は、−CR1R2−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)−NR1−、−NR1−C(=O)−、−OCH2−、−NR1−、−CH2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。ここで、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。
nは1〜4いずれかの整数を表す。nが2〜4の場合には、A1及びB4からなる構造単位は、互いに同一でも異なっていてもよい。
E1は、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はハロゲン原子が置換されていてもよい。
P1は、式(P−1)〜(P−5)で表される基である。
ここで、R1〜R5は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。
P2は、水素原子又は式(P−1)〜(P−5)で表される基である。 - 請求項1に記載の式(1)で表される化合物と式(2)で表される置換基を有する化合物(ただし、式(1)で表される化合物とは異なる)とを含むことを特徴とする組成物。
[式中、
A11は、5〜18員環の2価の環状炭化水素基又は5〜18員環の2価の複素環基を表す。該環状炭化水素基及び複素環基には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基又はハロゲン原子が置換されていてもよい。
B11及びB12は、それぞれ独立に、−CR11R12−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR11−、−NR11−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−NR11−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。ここで、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はR11とR12とが結合して炭素数5〜7のアルキレン基を表す。
E11は、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基には、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子が置換されていてもよい。
P11は、式(P−1)〜(P−5)で表される基を表す。
ここで、R 1 〜R 5 は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。
mは1〜3の整数を表す。mが2又は3の場合には、A11及びB11からなる構造単位は、互いに同一でも異なっていてもよい。] - A1が、式(A−1)〜(A−5)で表されるいずれかの基である請求項2に記載の組成物。
- 式(1)及び式(2)で表される化合物のP1およびP11が、式(P−1)で表される基である請求項2又は3に記載の組成物。
- 請求項2〜4のいずれか1つに記載の組成物から形成されることを特徴とするフィルム。
- 請求項2〜4のいずれか1つに記載の組成物を重合して得られるフィルム。
- フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))が113〜163nmであるλ/4板として機能する請求項5又は6に記載のフィルム。
- フィルムを透過する光の波長550nmにおける位相差値(Re(550))が250〜300nmであるλ/2板として機能する請求項5又は6に記載のフィルム。
- 請求項5〜8のいずれか1つに記載のフィルムを含む偏光板。
- 請求項5〜8のいずれか1つに記載のフィルムを含む光学部材。
- 請求項9の偏光板又は請求項10に記載の光学部材を搭載したフラットパネル表示装置。
- 支持基材に、請求項2〜4のいずれか1つに記載の組成物を含む溶液を塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
- 支持基材上に形成された配向膜上に、請求項2〜4のいずれか1つに記載の組成物を含む溶液を塗布し、乾燥させる未重合フィルムの製造方法。
- 請求項12又は13に記載の製造方法で得られた未重合フィルムを、重合により硬化させるフィルムの製造方法。
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