JP5503442B2 - 遊技システム - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に対する不正改造をより確実に検知し、なおかつ、不正改造状態での遊技を禁止できる遊技システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、所定個数の遊技媒体を封入し、これらの遊技媒体を遊技に循環利用する封入式に構成され、前記遊技による特別遊技状態の移行を制御する遊技機メイン基板、及び遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体数データを管理する払出制御基板を備えた遊技機と、前記遊技者へ貸し出す前記遊技媒体数データを管理する貸出装置制御基板を備え、前記遊技機にデータを送受可能に接続された遊技媒体貸出装置と、を有する遊技システムにおいて、前記遊技媒体貸出装置は、前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板のそれぞれを認証するとともに、前記貸出装置制御基板を認証する認証手段を備え、前記遊技機メイン基板、前記払出制御基板、及び貸出装置制御基板に対する前記認証手段による全ての認証の成立を条件に前記遊技機を遊技可能にすることを特徴とする。
これにより、遊技機のみならず、当該遊技機を認証する遊技媒体貸出装置に対する不正行為も検知されることから、遊技機の認証の正当性を保つことができる。
これに加え、遊技媒体貸出装置は、遊技機メイン基板、払出制御基板、及び貸出装置制御基板に対する認証手段による全ての認証の成立を条件に遊技機を遊技可能にするため、遊技機、及び遊技媒体貸出装置の両方の基板認証が成立しているときにだけ遊技可能となり、遊技媒体貸出装置、及び遊技機のいずれかが不正交換や不正改造等された状態での遊技を確実に禁止することができる。
図1は、本実施形態に係る遊技サービスシステム1の構成を示す図である。
遊技サービスシステム1は、遊技店舗2に導入されている遊技管理システム3と、サービス提供サーバー群4とを備えている。遊技管理システム3は、遊技機の一例たるパチンコ機5から遊技情報を取得して管理するシステムであり、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)6等を備えて構成されている。サービス提供サーバー群4は、遊技管理システム3に対して各種サービスを提供するサーバー群である。
ベンダー系サーバー群4Aには、遊技機メーカーサーバー12Aと、販社・中古機業者サーバー12Bと、カード会社サーバー12Cと、コンテンツプロバイダーサーバー12Dとが含まれている。
遊技機メーカーサーバー12Aは、パチンコ機5を製造する遊技機メーカーが所有するサーバーであり、販社・中古機業者サーバー12Bは、パチンコ機5を販売する販売会社や中古のパチンコ機5を販売する中古機業者が所有するサーバーである。これら遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bからは、製造、或いは販売したパチンコ機5の識別情報(例えば製造番号)と、パチンコ機5の後述する基板認証に供される認証用情報としての遊技機ID(例えば、遊技機メイン基板40のCPU固有ID61(図2))と、出荷先とが遊技機ID管理センターサーバー13D(後述)に送信され、当該遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理される。
カード会社サーバー12Cは、遊技球の貸し出しに供する後述するプリペイド媒体14を製造販売するカード会社によって利用され、プリペイド媒体の製造番号やシリアル番号の照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、かかる照会サービスを利用することで、偽造等された不正なプリペイド媒体を発見できる。
コンテンツプロバイダーサーバー12Dは、コンテンツを配信するプロバイダーによって利用され、各種コンテンツを配信するサーバーである。コンテンツの例としては、例えば遊技機メーカーによって登録されたパチンコ機5のPR(Public Relations)コンテンツや、遊技性能、遊技方法等の説明コンテンツなどが挙げられる。かかるコンテンツは、遊技管理システム3の例えば各CRユニット6に配信され、後述のタッチ液晶モジュール27などに表示されて遊技者に提供される。
コンテンツ配信データセンターサーバー13Aは、TVや映画などの動画や音楽等のエンターテイメントコンテンツを配信するサーバーであり、かかるコンテンツは、遊技管理システム3の各CRユニット6に配信されタッチ液晶モジュール27などに表示される。
プリペイド管理データセンターサーバー13Bは、遊技店舗2で利用されている各プリペイド媒体14の残価値の記録・照会サービスを提供するサーバーである。また第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cは、遊技店舗2の会員となった遊技者ごとに遊技球の貯玉数の記録・照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、これらプリペイド管理データセンターサーバー13B、及び第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが記録しているデータと遊技管理システム3で管理しているデータとの間の整合性を検証可能になっている。
なお、遊技機ID管理センターサーバー13Dの管理データには、他に任意の情報を含めることができ、例えば遊技機メーカー名やパチンコ機5の機種名の情報等を含めても良い。
不正情報監視センターサーバー13Eは、何らかの理由で不正と認められたパチンコ機5の識別情報を遊技店舗2の端末などから照会可能に管理するサーバーである。遊技店舗側は、不正情報監視センターサーバー13Eに問い合わせることで、所有のパチンコ機5が不正なものでないかを確認できる。
遊技管理システム3は、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)6と、精算機7と、管理コンピュータ群8とを備え、CRユニット6、精算機7及び管理コンピュータ群8のそれぞれが店内LAN9、或いは専用通信線10により通信可能に接続されている。
パチンコ機5は、遊技球を遊技媒体に使用する遊技機である。このパチンコ機5は、遊技者が、価値媒体たるプリペイド媒体14を購入、或いは、プリペイド媒体14に現金をチャージし、該プリペイド媒体14の残価値を代償として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれる遊技機である。そして、かかるパチンコ機5と、当該パチンコ機5と通信可能に接続され、プリペイド媒体14を読み取る上記CRユニット6と、を備えて遊技システム15が構成されている。この遊技システム15では、パチンコ機5は、CRユニット6と電気的に接続されている(通電状態である)事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。
またパチンコ機本体18の右下には、遊技球を遊技盤16の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル26が設けられている。遊技球発射ハンドル26の操作に伴って発射された遊技球が始動入賞口19を通過したことを契機にパチンコ機5は特賞の当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器24に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、停止図柄により当落抽選結果を遊技者に通知する。また当選時には、パチンコ機5は、大入賞口21を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者に持玉を増やす機会を与える。
タッチ液晶モジュール27は、パチンコ機本体18の台枠に組み込まれたタッチ操作可能な表示ユニットであり、CRユニット6の操作部及び表示部として機能し、かかる構成については、後に詳述する。
CRユニット6は、紙幣挿入口28に紙幣が挿入された場合、管理コンピュータ群8と通信して紙幣の額面に応じた価値をプリペイド媒体14に付与する処理を行う。具体的には、CRユニット6は、プリペイド媒体14として会員カード14Bが挿入されている場合には、会員カード14Bの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、会員カード14Bの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bへのプリペイド残高のチャージが行われる。また、会員カード14Bが挿入されていない場合には、CRユニット6は、新規にICコイン14Aを発行するとともに、ICコイン14Aの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、このICコイン14Aの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bを持たない遊技者に、プリペイド媒体14としてのICコイン14Aが新規に発行される。
精算機7は、プリペイド媒体14の残価値を精算する装置であり、この精算機7には、ICコイン14Aのコイン投入口32及び会員カード14Bのカード挿入口33が設けられている。精算機7は、プリペイド媒体14が投入された場合、残価値を上記管理コンピュータ群8に問い合わせ、残価値に応じた金額を払い出す。精算機7は、金額払出完了後に、その旨を管理コンピュータ群8に通知し、管理コンピュータ群8が、そのプリペイド媒体14の残価値として記録している値をクリアすることで精算が完了する。
遊技台計数管理装置35Aは、いわゆるホールコンピュータ(図示では「ホールコン」)と呼ばれる装置であり、各パチンコ機5での出球や大当たり回数、エラー状況、パチンコ機5のパチンコ機本体18が備える扉の開放等の遊技機に係る遊技情報、並びに、各CRユニット6への入金や再プレイ、プリペイド残価値の消費等に関する情報をCRユニット6から取得して中枢的に管理する。遊技台計数管理装置35Aは、かかる各種の情報を、パチンコ機5からではなくCRユニット6から取得する。すなわち、遊技台計数管理装置35AとCRユニット6とはパラレル信号線10A、及び/或いはホールコンI/F装置36を中継器に備えたシリアル信号線10Bを介して接続されており、CRユニット6がパチンコ機5から逐次情報を受信して遊技台計数管理装置35Aに出力する。
プリペイド媒体14の残価値は、CRユニット6でのチャージによって増加し、また玉貸によって減少し、プリペイド管理サーバー35Bは、これらチャージ及び玉貸しに応じて残価値を更新する。すなわち、CRユニット6が残価値をプリペイド媒体14にチャージした場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、チャージされた残価値を識別情報とともに取得して残価値を加算更新する。貸出スイッチ25Aの操作に応じてCRユニット6が玉貸を行った場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、かかる玉貸の代償価値をプリペイド媒体14の識別情報とともに取得して残価値を減算更新する。
このプリペイド管理サーバー35Bには、上述した精算機7が店内LAN9を介して接続されており、精算機7にプリペイド媒体14が投入されると、精算機7がプリペイド媒体14の残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせて、残価値に応じた金額払い出し等の精算を行う。
CRユニット6は、会員カード14Bが挿入された場合、タッチ液晶モジュール27に暗証番号入力画面を表示して入力を促し、入力された暗証番号及び会員カード14Bの識別情報の正当性を会員・景品管理サーバー35Dに問い合わせる。ただし、会員カード14Bがビジター会員用である場合には、かかる問い合わせは省略しても良い。CRユニット6は、これらの正当性が会員・景品管理サーバー35Dによって認められた場合に限り、当該会員・景品管理サーバー35Dから貯玉数を取得し、タッチ液晶モジュール27に表示する。またCRユニット6は貯玉が使用されるごとに会員・景品管理サーバー35Dに貯玉使用数を送信し、これにより会員・景品管理サーバー35Dが当該顧客の貯玉数を減算更新する。
すなわち、遊技者が景品カウンター(図示せず)等で持玉を景品に交換した場合、当該景品カウンターに設置されたPOS端末を含むPOSシステム37から持玉を交換した旨が、プリペイド媒体14の識別情報とともに持玉管理サーバー35Cに入力され、持玉管理サーバー35Cがプリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を減算更新することで交換が完了する。このとき、会員カード14Bを利用して遊技を行った顧客会員が景品交換した場合に、当該顧客会員が交換した景品を会員・景品管理サーバー35Dに記録して管理するようにしても良い。
また、顧客会員が持玉を貯玉に交換するときには、会員・景品管理サーバー35Dに、貯玉数がプリペイド媒体14の識別情報とともに送信され、顧客会員の会員カード14Bに対応付けて管理されている貯玉数が加算更新され、また同様に第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが管理する貯玉数のデータも更新される。
なお、遊技場の営業日の終了時に、持玉がゼロでない会員カード14Bが持玉管理サーバー35Cに記録されている場合に、当該持玉管理サーバー35Cが会員・景品管理サーバー35Dに記録を転送し、当該会員・景品管理サーバー35Dが管理する会員カード14Bの貯玉に持玉を加算することで、自動で振り替えるようにしても良い。
遊技機ID管理サーバー35Fは、所定のデータアクセスIDとパスワードを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスし、パチンコ機5の識別情報(製造番号等)、遊技機ID、及び出荷先情報を上記遊技機ID管理センターサーバー13Dから取得して管理する。
パチンコ機5は、図2に示すように、主基板に分類される遊技機メイン基板40及び払出制御基板41と、主基板に対する周辺基板である演出用サブ基板42及び発射制御基板43とを備えている。主基板は、当落抽選及び遊技球の獲得に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を有する回路を実装した基板である。これら遊技機メイン基板40及び払出制御基板41のそれぞれは、開封の痕跡を残すことができる、いわゆる、かしめ構造を有したケース体に封入されている。
遊技機メイン基板40は、入賞に伴う賞球の払出指示や特賞の当落を抽選する主制御CPU40Aを備えた基板である。具体的には、パチンコ機5は、大入賞口21、始動入賞口19、及び他の入賞口20のそれぞれごとに、大入賞口入賞検知センサ44A、始動入賞口入賞検知センサ44B、及び他の入賞口入賞検知センサ44Cを備え、入賞時には、対応する入賞口の入賞検知センサ44A、44B、44Cから検知信号が遊技機メイン基板40に出力される。
また遊技盤16には、始動入賞口19、他の入賞口20及び大入賞口21のそれぞれごとに、入賞時に点灯して遊技者に通知する大入賞口入賞通知灯46A、始動入賞口入賞通知灯46B、及び他の入賞口入賞通知灯46Cが設けられており、遊技機メイン基板40は、賞球払出指示信号の出力時に、遊技球が入賞した入賞口に対応する入賞通知灯46A、46B、46Cを1回点滅させる。これにより、遊技者が入賞口への入賞を入賞通知灯46A、46B、46Cの点滅で視覚的に把握することができる。入賞通知灯46A、46B、46Cの点滅を把握することで、払出制御基板41の誤動作等の理由により賞球が払い出されなかった場合(遊技機管理発射可能玉数表示灯52の表示が更新されなかった場合)でも、遊技者は、これを速やかに把握できる。
ここで、このパチンコ機5は、上述の通り、封入球式の遊技機として構成されているため、遊技中にパチンコ機5の外から遊技球が投入されることはなく、当該遊技球の実際の投入に代えて、発射可能な遊技球の投入がデジタルデータ上で行われる。すなわち、払出制御基板41は、遊技者が発射可能な遊技球の残数(以下、「発射可能玉数」と言う)を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部48を備え、発射可能玉数が「ゼロ」でない事を条件に、遊技球の発射を許可する発射許可信号を後述する発射制御基板43に出力する。払出制御基板41は、CRユニット6から貸出指示信号が入力された場合、所定貸玉個数の遊技球の投入に代えて、当該所定貸玉個数分を発射可能玉数に加算し、加算結果を貸出結果信号としてCRユニット6に返信する。
また払出制御基板41には、球磨制御基板53が接続されている。球磨制御基板53は、パチンコ機5に封入されている遊技球の玉磨機構を制御する基板である。払出制御基板41は、遊技球発射時に打ち出し可能な遊技球が無くならないように球磨制御基板53から玉磨状態を取得しながら制御する。
さらに、払出制御基板41には、パチンコ機本体18に設けられた各種センサ(前面扉開放センサ、玉数異常検知センサ等)の検知信号が入力され、当該検知信号が遊技機メイン基板40に出力されて異常が判定される。
外部端子板54は、遊技情報を示す外部端子出力信号SoutをCRユニット6に一方向に出力する端子板であり、CRユニット6から外部端子板54への信号入力は禁止されている。外部端子板54から出力される遊技情報は、遊技機メイン基板40及び払出制御基板41が管理する情報である。この遊技情報には、パチンコ機5での大当たり発生を示す大当たり信号、図柄表示部47での図柄の変動停止を示す図柄停止信号(スタート信号)、賞球数を示す賞球信号、アウト玉数を示すアウト玉信号、ファウル玉数を示すファウル玉信号等が含まれている。この遊技情報をCRユニット6が取得することで、大当たり信号及び図柄変動停止信号に基づいて大当たり発生や大当たり発生回数、図柄変動回数(スタート回数)を特定し、また、アウト玉信号、ファウル玉信号及び賞球信号に基づいて、払出制御基板41とは別に差玉を管理し、また、それらの情報を遊技台計数管理装置35Aに出力する。
電源モジュール75は、CRユニット6の各部に電源を供給するとともに、上記のように、タッチ液晶モジュール27にも電力を供給する。また、この電源モジュール75の電力が貸出I/F用電源として、払出制御基板41、及びCR基板55のそれぞれに出力されている。CR基板55は、この貸出I/F用電源を駆動電源とし駆動し、また、払出制御基板41は貸出I/F用電源の入力を検知することでCRユニット6との導通状態を検知する。すなわち、払出制御基板41への貸出I/F用電源の入力を遮蔽することでパチンコ機5とCRユニット6とが非導通状態となり、パチンコ機5での遊技球の発射が禁止される。なお、CR基板55は、貸出I/F用電源の供給を検知していれば、パチンコ機5が備える電源を駆動電源として駆動しても良い。
主制御用のCPU76Aは、プリペイド媒体14や会員カード14Bのデータの読み書き、管理コンピュータ群8、及びデータ表示器34とのデータ送受等の制御、パチンコ機5に対する玉貸制御の他、さらに遊技中におけるプリペイド媒体14の残価値、持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する。
詳述すると、CPU76Aは、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを、プリペイド残価値記憶部83、貸出装置管理持玉数記憶部84、再プレイ可能玉数記憶部85、遊技機管理残玉数記憶部86として機能させる。
プリペイド残価値記憶部83は、プリペイド媒体14の残価値を記憶するものであり、プリペイド媒体14の投入時、或いは発行時にプリペイド管理サーバー35Bから取得した残価値を初期値として記憶し、玉貸操作に伴って残価値を減算更新し、またチャージ操作に伴って加算更新する。
なお、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納する構成に限らず、例えばプリペイド媒体14に記録されている持玉数や会員・景品管理サーバー35Dで管理されている貯玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納しても良い。
また、遊技機管理発射可能玉数から持玉への移行の契機としては、上記の他にも、例えばタッチ液晶モジュール27に設けた移行操作のためのボタンに対するタッチ操作や、休憩時にパチンコ機5をロックするための休憩ボタンが操作されたときなどが挙げられる。休憩ボタン操作時のパチンコ機5のロックについて簡単に説明すると、ロック時には、CRユニット6が貸出指示信号を送信しないようにすることでパチンコ機5での遊技球の貸出動作が行われないようになり、また遊技機管理発射可能玉数が持玉に移行して「ゼロ」にクリアされることで、遊技球を用いた遊技ができない状態(ロック状態)に維持される。
また、貸出装置制御基板68には、パラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aと接続するためのパラレルポート92が設けられており、パラレルポート92からの出力が光MOSリレー等の駆動回路を備えた信号変換器93で信号変換され、パラレル出力用コネクタ94に接続されたパラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aに出力される。
汎用CPU95は、セキュリティチップ60Aの制御、及びシリアル暗号通信の制御等の各種制御処理を実行するものである。パチンコ機5から貸出装置搭載暗号基板74にシリアル通信により送信されたデータは、汎用CPU95を経由して貸出装置制御基板76に出力される。これとは逆に、貸出装置制御基板76からパチンコ機5に出力されるデータは、一旦、汎用CPU95に入力され、必要に応じてセキュリティチップ60Aで暗号化して当該汎用CPU95からパチンコ機5に出力される。なお、かかる通信態様の詳細については、後に詳述することとする。
パチンコ機5においては、主基板たる遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれに、セキュリティチップ60B、60Cが実装され、また、CRユニット6においては、貸出装置制御基板68にセキュリティチップ60Dが実装されており、これらセキュリティチップ60B、60C、60Dが、貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Aにより認証される。
すなわち、遊技機メーカーは、パチンコ機5の製造出荷時に、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれに、認証キーたる遊技機ID(CPU固有ID61)を記録したセキュリティチップ60B、60Cを実装して出荷し、また、遊技機ID管理センターサーバー13Dに、パチンコ機5の識別情報、出荷先、及び遊技機IDを送信して記録し、出荷先の遊技店舗2の遊技機ID管理サーバー35Fから参照可能にする。
例えば、パチンコ機5が遊技店舗2に至る流通過程、或いは遊技店舗2への設置後において、かしめケースごと、遊技機メイン基板40及び払出制御基板41のいずれか、或いは両方が不正交換されていた場合、貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Aによる認証が不成立となり、かかる不正交換が速やかに検知される。
なお、貸出装置搭載暗号基板74と貸出装置制御基板68の間の認証方式には、貸出装置制御基板68のセキュリティチップ60Dの改造や交換を識別できる方式であれば任意の認証方式を採用することができる。
また、貸出装置搭載暗号基板74は、遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60B、及び払出制御基板41のセキュリティチップ60Cが正規のものか否かを判定した後、さらに、遊技機メイン基板40の主制御CPU40とセキュリティチップ60Bのペア(対)が正しい組み合わせかを判定する(正規CPU判定)構成としても良い。この正規CPU判定により、遊技機メイン基板40の主制御CPU40Aの不正交換を確実に検知することができる。
さらに、貸出装置搭載暗号基板74が上記正規CPU判定を実行する構成にあっては、よりセキュリティを高めるために、パチンコ機5から受信したCPU固有ID61が、前回の認証成立に取得していたCPU固有ID61と一致しているか否かをCRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74、もしくは、貸出装置制御基板68、或いは、遊技機ID管理サーバー35Fが判定する構成としても良い。
なお、貸出装置搭載暗号基板74が認証を実行するタイミングは、CRユニット6及びパチンコ機5の電源投入時に限らず、両者の電源投入後から電源切断までの間、一定時間経過ごとに実行しても良い。
したがって、貸出装置搭載暗号基板74から暗号/復号キーが遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれに送信されるまで遊技不能となり、認証が成立していない状態での遊技が確実に禁止される。
認証成立後にあっては、遊技機メイン基板40、払出制御基板41、及び貸出装置搭載暗号基板74の基板間で、暗号/復号キーを用いた暗号通信により、各種信号やデータが送受されることから、これら遊技機メイン基板40、払出制御基板41、及び貸出装置搭載暗号基板74に不正な信号を入力して誤動作させる等の不正行為を防止することができる。
このように、改ざん等により出球に影響を及ぼす虞れがあるデータを暗号化してパチンコ機5とCRユニット6との間で送受する構成であるため、データ改ざん等による不正行為を防止することができる。
この図に示すように、シリアル通信路98は、CPU間暗号通信路98A、セキュリティチップ間暗号通信路98B、及びCR基板用通信路98Cを含んでいる。各CPU間暗号通信路98A、セキュリティチップ間暗号通信路98B、及びCR基板用通信路98Cは、それぞれごとに1本のシリアル通信線材で構成されても良く、また、1本のシリアル通信線を用いたシリアル通信を論理的に3つに分けて構成しても良い。
また貸出装置搭載暗号基板74では、汎用CPU95がセキュリティチップ60Aを制御して、CPU間暗号通信路98Aを通じて受信した貸出(払出)結果信号の復号化、及び送信する貸出(払出)指示信号の暗号化を行う。
また例えばセキュリティチップ60Aからセキュリティチップ60B、60Cに送信する認証開始の契機となる電文は平文とし、その後に行われるセキュリティチップ60A、60B、60C間の相互認証は、認証開始契機電文の送信をトリガーにして一見ランダムな数値のやり取りを数往復させることで、正規の認証用処理手順を保有する通信相手かどうかを判定し認証するようにしても良い。上記の一見ランダムな数値は、セキュリティチップ60Aがランダムに生成しセキュリティチップ60B、60Cに送信する数値、並びに、これらセキュリティチップ60B、60Cが予め保持する認証用処理手順に基づいて、セキュリティチップ60Aから受信した数値を変換し当該セキュリティチップ60Aに送信する数値である。すなわち、セキュリティチップ60Aは、各セキュリティチップ60B、60Cから所望の数値が応答として得られたか否かを判定することにより、各セキュリティチップ60B、60Cが正規の認証用処理手順を保有するか否かを判定して認証する。なお、セキュリティチップ60A、60B、60Cの間で相互認証中に一見ランダムな数値を送受する際の電文は平文であっても良いことは勿論である。この場合、電文される内容が一見ランダムな数値であることから、相互認証中の通信データが傍受されたとしても認証キーの漏洩を防止できる。
すなわち、遊技機メイン基板40では、主制御CPU40Aは、払出制御基板41に送信すべきデータ(賞球払出指示信号等)をセキュリティチップ60Bに入力し、当該セキュリティチップ60Bがデータを暗号化し暗号通信路L2を通じて払出制御基板41に送信する。この払出制御基板41では、セキュリティチップ60Cが遊技機メイン基板40からのデータを受信して復号し、払出制御CPU41Aに出力する。
さらに、遊技機メイン基板40にあっては、払出制御基板41との通信の送受を全てセキュリティチップ60Bが行うため、基板間で暗号通信を行う際の主制御CPU40Aの処理負担(負荷)を抑えることができる。また、主制御CPU40Aは、送受データを平文のまま扱うことができるため、払出制御基板41に平文のままデータを送信していた従来の構成からの変更が小さく、主制御CPU40Aの制御プログラムの変更を少なくできる。
この構成により、パチンコ機5の遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41に対する不正交換や不正改造等の不正行為を確実に検出することができる。また、パチンコ機5と対にして使用されるCRユニット6がパチンコ機5を認証するため、認証専用の装置を別途に設ける必要がなく、パチンコ機5の電源投入時や一定時間経過毎など任意のタイミングでパチンコ機5の認証を行うことができる。
さらに、CRユニット6は、遊技機メイン基板40、払出制御基板41、及び貸出装置制御基板68に対するセキュリティチップ60Aによる全ての認証の成立を条件にパチンコ機5を遊技機可能にするため、パチンコ機5の遊技を、当該パチンコ機5及びCRユニット6の両方の基板認証が成立している場合にだけに制限することができ、CRユニット6、及びパチンコ機5のいずれかが不正交換や不正改造等された状態での遊技を確実に禁止することができる。
この構成により、CRユニット6とパチンコ機5との間でシリアル通信により送受されるデータの改ざん等を防止することができる。
特に、このシリアル通信では、主に、改ざん等により出球に影響を及ぼす虞れがあるデータ(例えば、貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)や払出制御基板41が出力する貸出(払出)結果信号)を送受するようにしているため、データ改ざん等によって不正に遊技球を獲得する等の不正行為を防止することができる。
この構成により、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の間のデータが暗号化されるため、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の間の暗号通信路L2に不正な信号を流し込むなどして、これら遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41を誤動作させる等の不正行為を防止することができる。
特に、暗号/復号キー情報は、認証成立の都度に異なるようにセキュリティチップ60Aによって生成されるから、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の間の暗号通信路L2のセキュリティを高めることができ、より確実に、不正行為を防止することができる。
上述した実施形態では、パチンコ機5の遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41と、CRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74との間のシリアル通信路98に、CPU間暗号通信路98A、セキュリティチップ間暗号通信路98B、及びCR基板用通信路98Cの3つを設ける構成とした。
この構成に対して、図4の遊技システム115に示すように、認証時のデータ送受のための通信路として、セキュリティチップ間暗号通信路98Bの代わりにCPU間暗号通信路98Aを用いたシリアル通信路198を構成しても良い。
また、第1変形例において、図5の遊技システム225に示すように、CRユニット6から貸出装置搭載暗号基板74を省略し、当該貸出装置搭載暗号基板74が備えたセキュリティチップ60Aの機能、及び汎用CPU95の機能を、それぞれ貸出装置制御基板268が備えるセキュリティチップ260D、及びCPU276Aが担う構成としても良い。
すなわち、貸出装置制御基板268が備えるCPU276Aには、パチンコ機5の主制御CPU40A等とは異なり、プログラム容量等の制約が少なく比較的高性能なプロセッサを用いることができる。したがって、このCPU276Aに、貸出装置搭載暗号基板74の汎用CPU95の機能を持たせ、またセキュリティチップ60Aの機能をセキュリティチップ60Dに持たせる構成とすることで、貸出装置搭載暗号基板74を省略したCRユニット206を構成することができる。
この構成においては、貸出装置制御基板268の認証は、例えばセキュリティチップ260Dと、遊技店舗2内に設置されている上位サーバー299との間で行われる。この上位サーバー299には、例えば遊技台計数管理装置35A、遊技機ID管理サーバー35F、或いは貸出装置制御基板868を認証するために店内LAN9を介して、又は直接CRユニット206と通信可能に設置されたサーバー又は専用装置を用いることができる。
また上述した実施形態では、パチンコ機5の遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41がセキュリティチップ60B、60Cを通じて互いにデータを送受したが、これに限らない。すなわち、図6の遊技システム315に示すように、遊技機メイン基板340の主制御CPU340Aと、払出制御基板341の払出制御CPU341Aとの間に平文でデータを送受する通信路L3を設け、当該通信路L3を通じてデータを送受しても良い。
また変形例3においては、通信路L3を通じて電文を平文で送受する構成を示したが、これに限らず暗号化して送受しても良い。すなわち、図7の遊技機システム415に示すように、遊技機メイン基板440にあっては、主制御CPU440Aは、払出制御基板441の払出制御CPU441Aとの間で通信路L3を通じて送受するデータをセキュリティチップ60Bに暗号化/復号化させる構成としても良い。
6、206 CRユニット
8 管理コンピュータ群
13D 遊技機ID管理センターサーバー
14 プリペイド媒体
15、115、215、315、415 遊技システム
16 遊技盤
19 始動入賞口
20 入賞口
21 大入賞口
27 タッチ液晶モジュール
35A 遊技台計数管理装置
35F 遊技機ID管理サーバー
40、340、440 遊技機メイン基板
41、341、441 払出制御基板
40A、340A、440A 主制御CPU40A
41A、341A、441A 払出制御CPU
55 CR基板
60A セキュリティチップ(認証手段)
60B セキュリティチップ(暗号化手段)
60C セキュリティチップ(暗号化手段)
60D、260D セキュリティチップ
61 CPU固有ID
65 遊技球貸出装置(遊技媒体貸出装置)
68、268 貸出装置制御基板
74 貸出装置搭載暗号基板
76 貸出装置制御基板
95 汎用CPU
98、198 シリアル通信路
98A CPU間暗号通信路
98B セキュリティチップ間暗号通信路
98C CR基板用通信路
L1 基板間通信路
L2 暗号通信路
L3 通信路
Claims (5)
- 遊技媒体を用いた遊技による特別遊技状態の移行を制御する遊技機メイン基板、及び前記遊技媒体の払出を制御する払出制御基板を備えた遊技機と、
前記遊技媒体の貸出を制御する貸出装置制御基板を備え、前記遊技機にデータを送受可能に接続された遊技媒体貸出装置と、を有する遊技システムにおいて、
前記遊技媒体貸出装置は、
前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板のそれぞれを認証するとともに、前記貸出装置制御基板を認証する認証手段を備え、
前記遊技機メイン基板、前記払出制御基板、及び貸出装置制御基板に対する前記認証手段による全ての認証の成立を条件に前記遊技機を遊技可能にする
ことを特徴とする遊技システム。 - 所定個数の遊技媒体を封入し、これらの遊技媒体を遊技に循環利用する封入式に構成され、前記遊技による特別遊技状態の移行を制御する遊技機メイン基板、及び遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体数データを管理する払出制御基板を備えた遊技機と、
前記遊技者へ貸し出す前記遊技媒体数データを管理する貸出装置制御基板を備え、前記遊技機にデータを送受可能に接続された遊技媒体貸出装置と、を有する遊技システムにおいて、
前記遊技媒体貸出装置は、
前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板のそれぞれを認証するとともに、前記貸出装置制御基板を認証する認証手段を備え、
前記遊技機メイン基板、前記払出制御基板、及び貸出装置制御基板に対する前記認証手段による全ての認証の成立を条件に前記遊技機を遊技可能にする
ことを特徴とする遊技システム。 - 前記認証手段は、
前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板と、前記貸出装置制御基板との間で送受されるデータを中継するとともに、
前記認証の成立を条件に、暗号通信の暗号化に用いるキー情報を生成し、当該キー情報を前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板に出力し、
前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板のそれぞれに、前記貸出装置制御基板に送信するデータを前記キー情報に基づいて暗号化させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技システム。 - 前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板のそれぞれは、前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板の相互間で送受されるデータを暗号化する暗号化手段を備え、
各暗号化手段は、前記認証手段によって生成された前記キー情報に基づいて暗号化することを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。 - 前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板の各暗号化手段が、前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板の相互間でデータを送受する
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技システム。
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