JP5498512B2 - ヒートポンプシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプシステム、特に、ヒートポンプサイクルを利用して水媒体を加熱することが可能なヒートポンプシステムに関する。
従来より、特許文献1(特開2003−314838号公報)に示されるような、ヒートポンプサイクルを利用して水を加熱することが可能なヒートポンプ式温水暖房装置がある。ヒートポンプ式温水暖房装置は、主として、容量可変型の熱源側圧縮機及び熱源側熱交換器を有する室外機と、冷媒−水熱交換器及び循環ポンプを有する温水供給ユニットとを備えている。熱源側圧縮機、熱源側熱交換器及び冷媒−水熱交換器は、熱源側冷媒回路を構成している。このヒートポンプ式温水暖房装置によると、冷媒―水熱交換器における冷媒の放熱によって水が加熱される。これによって得られた温水は、循環ポンプによって昇圧された後、タンク内に貯湯されたり、各種の水媒体機器に供給されたりする。
上述した従来のヒートポンプ式給湯装置において、水媒体機器として高温の温水の供給が必要なラジエータの使用が要求されることがある。これに対し、高温の温水を取り出して水媒体機器に供給するために、温水供給ユニット内に、上記熱源側冷媒回路とは別途利用側冷媒回路を設けることが考えられる。しかし、利用側冷媒回路は、熱源側冷媒回路と同様、容量可変型の圧縮機を有しており、この圧縮機の容量を急に変化させると、該圧縮機からは容量変化に伴う音が発生する。そのため、温水供給ユニットが室内に設置されていると、室内にいるユーザは、圧縮機から発生した音を耳障りに感じることとなる。
そこで、本発明の課題は、室内に設置されたユニットが容量可変型の圧縮機を有している場合において、その圧縮機の容量が可変する際に発生する騒音がユーザにとって耳障りとなるのを防ぐこととする。
本発明の第1観点に係るヒートポンプシステムは、熱源ユニットと、利用側ユニットと、利用側制御部とを備える。熱源ユニットは、熱源側圧縮機と熱源側熱交換器とを有する。熱源側圧縮機は、熱源側冷媒を圧縮する。熱源側熱交換器は、熱源側冷媒の蒸発器として機能することが可能である。利用側ユニットは、熱源ユニットに接続されている。利用側ユニットは、利用側圧縮機と利用側熱交換器と冷媒−水熱交換器とを有し、熱源側冷媒回路の一部と利用側冷媒回路とを構成する。利用側圧縮機は、利用側冷媒を圧縮する容量可変型の圧縮機である。利用側熱交換器は、熱源側冷媒の放熱器として機能すると共に、利用側冷媒の蒸発器として機能することが可能である。冷媒−水熱交換器は、利用側冷媒の放熱器として機能し、水媒体を加熱することが可能である。熱源側冷媒回路は、熱源側圧縮機と熱源側熱交換器と利用側熱交換器とで構成される。利用側冷媒回路は、利用側圧縮機と利用側熱交換器と冷媒−水熱交換器とで構成される。利用側制御部は、通常運転(冷媒−水熱交換器における利用側冷媒の放熱によって水媒体を加熱する運転)時、利用側圧縮機の運転容量を段階的に変化させる利用側容量可変制御を行うことが可能である。
このヒートポンプシステムでは、例えば、熱源ユニットは屋外に設置され、利用側ユニットは屋内に設置される。つまり、音源となる利用側圧縮機を有する利用側ユニットは、屋内に設置されることとなる。しかし、このヒートポンプシステムにおいては、通常運転時には、利用側圧縮機の運転容量が急激にではなく段階的に変化する。そのため、該圧縮機の運転容量の段階的な変化によって、該圧縮機から出力される騒音も除々に発生することとなる。従って、運転容量の変化に伴って発生する騒音が耳障りとなるのを防ぐことができる。
また、このヒートポンプシステムは、熱源側圧縮機は、容量可変型の圧縮機である。そして、当該ヒートポンプシステムは、熱源側制御部を更に備える。熱源側制御部は、利用側制御部が利用側容量可変制御を行っている際に、熱源側圧縮機の運転容量を段階的に変化させる熱源側容量可変制御を行うことができる。
このヒートポンプシステムでは、利用側圧縮機の運転容量が段階的に変化する利用側容量可変制御が行われている時には、利用側圧縮機だけではなく、熱源側圧縮機についても、運転容量の段階的変化が行われる。従って、利用側圧縮機の能力と熱源側圧縮機の能力とのバランスを保つことができる。
また、このヒートポンプシステムは、熱源側制御部は、利用側熱交換器における熱源側冷媒の凝縮温度が熱源側凝縮目標温度となるように、熱源側圧縮機の容量制御を行うと共に、熱源側凝縮目標温度を段階的に変化させることで、熱源側容量可変制御を行う。
このヒートポンプシステムによると、熱源側冷媒における熱源側凝縮目標温度の段階的変化によって、熱源側圧縮機の運転容量が段階的に変化するようになる。従って、簡単な手法で、熱源側圧縮機の運転容量を段階的に変化させることができる。
さらに、このヒートポンプシステムは、利用側制御部が利用側容量可変制御において利用側圧縮機の運転容量を小さくする場合、熱源側制御部は、熱源側凝縮目標温度を上げることで熱源側圧縮機の運転容量を大きくする熱源側容量可変制御を行う。
このヒートポンプシステムによると、利用側圧縮機の運転容量が小さくなる場合には、熱源側凝縮目標温度を上げることで熱源側圧縮機の運転容量が大きくなる。これにより、利用側ユニットにおいて圧縮機能力が下がっても、熱源ユニットの圧縮機能力を上げることで、システム全体としての能力を保つことができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムは、第1観点に係るヒートポンプシステムにおいて、利用側制御部は、利用側容量可変制御時、利用側圧縮機の運転容量を所定容量以下に制限する。更に、利用側制御部は、利用側容量可変制御の後、利用側圧縮機の運転容量を所定容量以下に制限することなく制御する容量非制限制御を行うことが更に可能である。そして、熱源側制御部は、容量非制限制御時、熱源側凝縮目標温度を利用側容量可変制御時よりも下げることで熱源側圧縮機の運転容量を小さくする制御を行う。
このヒートポンプシステムによると、利用側容量可変制御時には、利用側圧縮機の運転能力は所定量以下に制限されるが、該利用側容量可変制御後に行われる容量非制限制御においては、利用側圧縮機の運転容量は制限が解除されて上昇する。そのため、利用側ユニットの圧縮機能力は、利用側ユニットで確保することができる。よって、この場合には熱源側圧縮機の運転容量を小さくすることで、ヒートポンプシステム全体としての圧縮機能力のバランスを保つことができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムは、熱源ユニットと、利用側ユニットと、利用側制御部とを備える。熱源ユニットは、熱源側圧縮機と熱源側熱交換器とを有する。熱源側圧縮機は、熱源側冷媒を圧縮する。熱源側熱交換器は、熱源側冷媒の蒸発器として機能することが可能である。利用側ユニットは、熱源ユニットに接続されている。利用側ユニットは、利用側圧縮機と利用側熱交換器と冷媒−水熱交換器とを有し、熱源側冷媒回路の一部と利用側冷媒回路とを構成する。利用側圧縮機は、利用側冷媒を圧縮する容量可変型の圧縮機である。利用側熱交換器は、熱源側冷媒の放熱器として機能すると共に、利用側冷媒の蒸発器として機能することが可能である。冷媒−水熱交換器は、利用側冷媒の放熱器として機能し、水媒体を加熱することが可能である。熱源側冷媒回路は、熱源側圧縮機と熱源側熱交換器と利用側熱交換器とで構成される。利用側冷媒回路は、利用側圧縮機と利用側熱交換器と冷媒−水熱交換器とで構成される。利用側制御部は、通常運転(冷媒−水熱交換器における利用側冷媒の放熱によって水媒体を加熱する運転)時、利用側圧縮機の運転容量を段階的に変化させる利用側容量可変制御を行うことが可能である。
このヒートポンプシステムでは、例えば、熱源ユニットは屋外に設置され、利用側ユニットは屋内に設置される。つまり、音源となる利用側圧縮機を有する利用側ユニットは、屋内に設置されることとなる。しかし、このヒートポンプシステムにおいては、通常運転時には、利用側圧縮機の運転容量が急激にではなく段階的に変化する。そのため、該圧縮機の運転容量の段階的な変化によって、該圧縮機から出力される騒音も除々に発生することとなる。従って、運転容量の変化に伴って発生する騒音が耳障りとなるのを防ぐことができる。
また、このヒートポンプシステムは、熱源側圧縮機は、容量可変型の圧縮機である。そして、当該ヒートポンプシステムは、熱源側制御部を更に備える。熱源側制御部は、利用側制御部が利用側容量可変制御を行っている際に、熱源側圧縮機の運転容量を段階的に変化させる熱源側容量可変制御を行うことができる。
このヒートポンプシステムでは、利用側圧縮機の運転容量が段階的に変化する利用側容量可変制御が行われている時には、利用側圧縮機だけではなく、熱源側圧縮機についても、運転容量の段階的変化が行われる。従って、利用側圧縮機の能力と熱源側圧縮機の能力とのバランスを保つことができる。
また、このヒートポンプシステムは、熱源側制御部は、利用側熱交換器における利用側冷媒の蒸発温度が利用側蒸発目標温度となるように、熱源側圧縮機の容量制御を行うと共に、利用側蒸発目標温度を段階的に変化させることで、熱源側容量可変制御を行う。
このヒートポンプシステムによると、利用側冷媒における利用側蒸発目標温度の段階的変化によって、熱源側圧縮機の運転容量が段階的に変化するようになる。従って、簡単な手法で、熱源側圧縮機の運転容量を段階的に変化させることができる。
さらに、このヒートポンプシステムは、利用側制御部が利用側容量可変制御において利用側圧縮機の運転容量を小さくする場合、熱源側制御部は、利用側蒸発目標温度を上げることで熱源側圧縮機の運転容量を大きくする熱源側容量可変制御を行う。
このヒートポンプシステムによると、利用側圧縮機の運転容量が小さくなる場合には、利用側蒸発目標温度を上げることで熱源側圧縮機の運転容量が大きくなる。これにより、利用側ユニットにおいて圧縮機能力が下がっても、熱源ユニットの圧縮機能力を上げることで、システム全体としての圧縮機能力を保つことができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムは、第3観点に係るヒートポンプシステムにおいて、利用側制御部は、利用側容量可変制御時、利用側圧縮機の運転容量を所定容量以下に制限する。更に、利用側制御部は、利用側容量可変制御の後、利用側圧縮機の運転容量を所定容量以下に制限することなく制御する容量非制限制御を行うことが更に可能である。そして、熱源側制御部は、容量非制限制御時、利用側蒸発目標温度を利用側容量可変制御時よりも下げることで熱源側圧縮機の運転容量を小さくする制御を行う。
このヒートポンプシステムによると、利用側容量可変制御時には、利用側圧縮機の運転能力は所定量以下に制限されるが、当該利用側容量可変制御後に行われる容量非制限制御においては、利用側圧縮機の運転容量は制限が解除されて上昇する。そのため、利用側ユニットの圧縮機能力は、利用ユニットのみで確保することができる。よって、この場合には熱源側圧縮機の運転容量を小さくすることで、ヒートポンプシステム全体としての圧縮機能力のバランスを保つことができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムは、第1観点〜第4観点のいずれかに係るヒートポンプシステムにおいて、利用側制御部は、冷媒−水熱交換器における利用側冷媒の凝縮温度が利用側凝縮目標温度となるように利用側圧縮機の容量制御を行うと共に、利用側凝縮目標温度を段階的に変化させることで利用側容量可変制御を行う。
このヒートポンプシステムによると、利用側容量可変制御時、利用側凝縮目標温度が段階的に変化することによって、利用側圧縮機の運転容量が段階的に変化するようになる。従って、簡単な手法で、利用側圧縮機の運転容量を段階的に変化させることができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムは、第1観点〜第5観点のいずれかに係るヒートポンプシステムにおいて、利用側制御部は、利用側圧縮機の運転開始時から所定時間の間、利用側容量可変制御を行う。
利用側圧縮機の運転開始時、当該圧縮機の回転数は上昇するが、この回転数の上昇に伴って騒音も発生する。そこで、このヒートポンプシステムでは、利用側圧縮機の運転開始時から所定時間の間、つまりは該圧縮機の回転数が上昇する期間は、利用側圧縮機の運転容量を段階的に変化させる。これにより、利用側圧縮機の回転数は、運転容量の変化に伴って除々に増していくため、大きな騒音が急に発生するのを抑えることができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムは、第1観点〜第6観点のいずれかに係るヒートポンプシステムにおいて、利用側制御部は、利用側圧縮機の運転開始時から所定時間の間、利用側容量可変制御を行う。熱源側制御部は、利用側圧縮機の運転開始時、利用側蒸発目標温度または熱源側凝縮目標温度を所定温度以上に設定する。熱源側制御部は、その後、利用側蒸発目標温度または熱源側凝縮目標温度を前記所定温度に達するまで段階的に下げていく。
一般的に、利用側圧縮機の運転開始時、ヒートポンプシステムを起動させるために、利用側圧縮機の運転容量を急激に上昇させる必要があるが、本発明においては、騒音防止のために運転容量の急激な上昇が抑えられる。そのため、起動時のシステム全体としての圧縮機能力が抑えられてしまう。そこで、このヒートポンプシステムでは、利用側圧縮機の運転開始時、熱源ユニット側では、一旦は利用側蒸発目標温度または熱源側凝縮目標温度を所定温度以上に上げて、その後利用側蒸発目標温度または熱源側凝縮目標温度を段階的に下げていく制御が行われる。つまり、利用側圧縮機の運転開始時、熱源ユニット側では、熱源側圧縮機の能力が一旦大きくなった状態から、除々に小さくなっていく。これにより、システム起動時は、騒音防止のために利用側圧縮機の運転容量の急激な上昇が抑えられたとしても、利用側ユニットにおける能力不足分は、熱源ユニット側で補うことができる。従って、利用側圧縮機から出力される騒音が耳障りとなるのを防止しつつ、確実にシステムを起動させることができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムは、第1観点〜第7観点のいずれかに係るヒートポンプシステムにおいて、受付部を更に備える。受付部は、利用側容量可変制御の開始指示を受け付けることが可能である。利用側制御部は、受付部が利用側容量可変制御の開始指示を受け付けた場合に、利用側容量可変制御を行う。
このヒートポンプシステムによると、例えばリモートコントローラを介して利用側容量可変制御の開始指示がなされている場合で、該システムの運転状態が変化した際、利用側圧縮機の運転容量が段階的に変化する。従って、このヒートポンプシステムは、システムを利用するユーザの好みに応じて、利用側圧縮機から出力される騒音を抑える運転を行うことができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
本発明の第1観点に係るヒートポンプシステムによると、運転容量の変化に伴って発生する騒音が耳障りとなるのを防ぐことができる。また、利用側圧縮機の運転容量が段階的に変化する利用側容量可変制御が行われている時には、利用側圧縮機だけではなく、熱源側圧縮機についても、運転容量の段階的変化が行われる。従って、利用側圧縮機の能力と熱源側圧縮機の能力とのバランスを保つことができる。また、利用側冷媒における利用側蒸発目標温度または熱源側冷媒における熱源側凝縮目標温度の段階的変化によって、熱源側圧縮機の運転容量が段階的に変化するようになる。従って、簡単な手法で、熱源側圧縮機の運転容量を段階的に変化させることができる。さらに、利用側ユニットにおいて圧縮機能力が下がっても、熱源ユニットの圧縮機能力を上げることで、システム全体としての圧縮機能力を保つことができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムによると、ヒートポンプシステム全体としての圧縮機能力のバランスを保つことができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムによると、運転容量の変化に伴って発生する騒音が耳障りとなるのを防ぐことができる。また、利用側圧縮機の運転容量が段階的に変化する利用側容量可変制御が行われている時には、利用側圧縮機だけではなく、熱源側圧縮機についても、運転容量の段階的変化が行われる。従って、利用側圧縮機の能力と熱源側圧縮機の能力とのバランスを保つことができる。また、利用側冷媒における利用側蒸発目標温度または熱源側冷媒における熱源側凝縮目標温度の段階的変化によって、熱源側圧縮機の運転容量が段階的に変化するようになる。従って、簡単な手法で、熱源側圧縮機の運転容量を段階的に変化させることができる。さらに、利用側ユニットにおいて圧縮機能力が下がっても、熱源ユニットの圧縮機能力を上げることで、システム全体としての圧縮機能力を保つことができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムによると、ヒートポンプシステム全体としての圧縮機能力のバランスを保つことができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムによると、簡単な手法で、利用側圧縮機の運転容量を段階的に変化させることができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムによると、利用側圧縮機の運転開始時、該圧縮機の運転容量は段階的に変化するため、利用側圧縮機の回転数も、除々に増していく。従って、利用側圧縮機の運転開始時に大きな騒音が急に発生するのを抑えることができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムによると、システム起動時は、騒音防止のために利用側圧縮機の運転容量の急激な上昇が抑えられたとしても、利用側ユニットにおける能力不足分は、熱源ユニット側で補うことができる。従って、利用側圧縮機から出力される騒音が耳障りとなるのを防止しつつ、確実にシステムを起動させることができる。
本発明の第観点に係るヒートポンプシステムは、システムを利用するユーザの好みに応じて、利用側圧縮機から出力される騒音を抑える運転を行うことができる。
本実施形態に係るヒートポンプシステムの概略構成図。 本実施形態に係る利用側制御部と該制御部に接続された各種センサ及び各種機器を模式的に示す図。 本実施形態に係る熱源側制御部と該制御部に接続された各種センサ及び各種機器を模式的に示す図。 本実施形態に係るリモートコントローラの外観図。 本実施形態に係る利用側容量可変制御及び容量非制限制御、熱源側容量可変制御において、段階的に変化する利用側凝縮目標温度及び熱源側凝縮目標温度を示す概念図。 本実施形態に係るヒートポンプシステムの全体的な動作の流れを示すフロー図。 図6に係る利用側容量可変制御の動作の流れを示すフロー図。 図6に係る熱源側容量可変制御の動作の流れを示すフロー図。 変形例(B)に係るヒートポンプシステムの動作の流れを示したフロー図。
以下、本発明に係るヒートポンプシステムの一実施形態について、図面に基づいて説明する。
<構成>
−全体−
図1は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム1の概略構成図である。ヒートポンプシステム1は、蒸気圧縮機式のヒートポンプサイクルを利用して水媒体を加熱する運転等を行うことが可能な装置である。
ヒートポンプシステム1は、主として、熱源ユニット2と、利用側ユニット4と、液冷媒連絡管13と、ガス冷媒連絡管14と、貯湯ユニット8と、温水暖房ユニット9と、水媒体連絡管15,16と、利用側通信部11と、利用側制御部12と、熱源側通信部18と、熱源側制御部19と、リモートコントローラ90とを備えている。熱源ユニット2及び利用側ユニット4は、液冷媒連絡管13及びガス冷媒連絡管14を介して互いに接続されており、これによって熱源側冷媒回路20が構成されている。具体的に、熱源側冷媒回路20は、主として、熱源側圧縮機21(後述)と、熱源側熱交換器24(後述)と、利用側熱交換器41(後述)とで構成されている。利用側ユニット4の内部においては、主として利用側圧縮機62(後述)と利用側熱交換器41(後述)と冷媒−水熱交換器65(後述)とによって、利用側冷媒回路40が構成されている。また、利用側ユニット4、貯湯ユニット8及び温水暖房ユニット9は、水冷媒連絡管15,16によって互いに接続されており、これによって水媒体回路80が構成されている。
熱源側冷媒回路20には、HFC系冷媒の一種であるHFC−410Aが熱源側冷媒として封入されており、また、HFC系冷媒に対して相溶性を有するエステル系又はエーテル系の冷凍機油が熱源側圧縮機21(後述)の潤滑のために封入されている。また、利用側冷媒回路40には、HFC系冷媒の一種であるHFC−134aが利用側冷媒として封入されており、また、HFC系冷媒に対して相溶性を有するエステル系またはエーテル系の冷凍機油が利用側圧縮機62(後述)の潤滑のために封入されている。尚、利用側冷媒としては、高温の冷凍サイクルに有利な冷媒を使用するという観点から、飽和ガス温度65℃に相当する圧力がゲージ圧で高くとも2.8MPa以下、好ましくは、2.0MPa以下の冷凍を使用することが好ましい。そして、HFC−134aは、このような飽和圧力特性を有する冷媒の一種である。また、水媒体回路80には、水媒体としての水が循環するようになっている。
−熱源ユニット−
熱源ユニット2は、屋外に設置されている。熱源ユニット2は、液冷媒連絡管13及びガス冷媒連絡管14を介して利用側ユニット4に接続されており、熱源側冷媒回路20の一部を構成している。
熱源ユニット2は、主として、熱源側圧縮機21と、油分離機構22と、熱源側切換機構23と、熱源側熱交換器24と、熱源側膨張弁25と、吸入戻し管26と、過冷却器27と、熱源側アキュムレータ28と、液側閉鎖弁29と、ガス側閉鎖弁30とを有している。
熱源側圧縮機21は、熱源側冷媒を圧縮するための機構であって、容量可変型の圧縮機である。具体的には、ケーシング(図示せず)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が、同じくケーシング内に収容された熱源側圧縮機モータ21aによって駆動される密閉式圧縮機である。この熱源側圧縮機21のケーシング内には、圧縮要素において圧縮された後の熱源側冷媒が充満する高圧空間(図示せず)が形成されており、この高圧空間には、冷凍機油が溜められている。熱源側圧縮機モータ21aは、インバータ装置(図示せず)によって、当該モータ21aの回転数(即ち、運転周波数)を可変でき、これにより熱源側圧縮機21の容量制御が可能になっている。
油分離機構22は、熱源側圧縮機21から吐出された熱源側冷媒中に含まれる冷凍機油を分離して熱源側圧縮機の吸入に戻すための機構である。油分離機構22は、主として、熱源側圧縮機21の熱源側吐出管21bに設けられた油分離器22aと、油分離器22a及び熱源側圧縮機21の熱源側吸入管21cを接続する油戻し管22bとを有している。油分離器22aは、熱源側圧縮機21から吐出された熱源側冷媒中に含まれる冷凍機油を分離する機器である。油戻し管22bは、キャピラリチューブを有している。油戻し管22bは、油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油を、熱源側圧縮機21の熱源側圧縮機21の熱源側吸入管21cに戻す冷媒管である。
熱源側切換機構23は、熱源側熱交換器24を熱源側冷媒の放熱器として機能させる熱源側放熱運転状態と、熱源側熱交換器24を熱源側冷媒の蒸発器として機能させる熱源側蒸発運転状態と、を切り換え可能な四路切り換え弁である。熱源側切換機構23は、熱源側吐出管21bと、熱源側吸入管21cと、熱源側熱交換器24のガス側に接続された第1熱源側ガス冷媒管23aと、ガス側閉鎖弁30に接続された第2熱源側ガス冷媒管23bとに接続されている。そして、熱源側切換機構23は、熱源側吐出管21bと第1熱源側ガス冷媒管23aとを連通させると共に、第2熱源側ガス冷媒管23bと熱源側吸入管21cとを連通(熱源側放熱状態に対応、図1の熱源側切換機構23の実線を参照)させたり、熱源側吐出管21bと第2熱源側ガス冷媒管23bとを連通させると共に、第1熱源側ガス冷媒管23aと熱源側吸入管21cとを連通(熱源側蒸発運転状態に対応。図1の熱源側切換機構23の破線を参照)させたりする切り換えを行うことができる。
尚、熱源側切換機構23は、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせる等によって、上述と同様の熱源側冷媒の流れ方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
熱源側熱交換器24は、熱源側冷媒と室外空気との熱交換を行うことで熱源側冷媒の放熱器または蒸発器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器24の液側には、熱源側液冷媒管24aが接続されており、当該熱交換器24のガス側には、第1熱源側ガス冷媒管23aが接続されている。この熱源側熱交換器24において熱源側冷媒と熱交換を行う室外空気は、熱源側ファンモータ32aによって駆動される熱源側ファン32によって供給されるようになっている。
熱源側膨張弁25は、熱源側熱交換器24を流れる熱源側冷媒の減圧などを行う電動膨張弁であり、熱源側液冷媒管24aに設けられている。
吸入戻し管26は、熱源側液冷媒管24aを流れる熱源側冷媒の一部を分岐して熱源側圧縮機21の吸入に戻す冷媒管である。ここでは、吸入戻し管26の一端は、熱源側液冷媒管24aに接続されており、当該管26の他端は、熱源側吸入管21cに接続されている。そして、吸入戻し管26には、開度制御が可能な吸入戻し膨張弁26aが設けられている。尚、吸入戻し膨張弁26aは、電動膨張弁で構成されている。
過冷却器27は、熱源側液冷媒管24aを流れる熱源側冷媒と吸入戻し管26を流れる熱源側冷媒(より具体的には、吸入戻し膨張弁26aによって減圧された後の冷媒)との熱交換を行う熱交換器である。
熱源側アキュムレータ28は、熱源側吸入管21cに設けられており、熱源側冷媒回路20を循環する熱源側冷媒を熱源側吸入管21cから熱源側圧縮機21に吸入される前に一次的に溜めるための容器である。
液側閉鎖弁29は、熱源側液冷媒管24aと液冷媒連絡管13との接続部に設けられた弁である。ガス側閉鎖弁30は、第2熱源側ガス冷媒管23bとガス冷媒連絡管14との接続部に設けられた弁である。
また、熱源ユニット2には、各種センサが設けられている。具体的には、熱源ユニット2には、熱源側吸入圧力センサ33、熱源側吐出圧力センサ34、熱源側熱交温度センサ35、外気温度センサ36が設けられている。熱源側吸入圧力センサ33は、熱源側圧縮機21の吸入における熱源側冷媒の圧力である熱源側吸入圧力Psを検出する。熱源側吐出圧力センサ34は、熱源側圧縮機21の吐出における熱源側冷媒の圧力である熱源側吐出圧力Pdを検出する。熱源側熱交温度センサ35は、熱源側熱交換器34の液側における熱源側冷媒の温度である熱源側熱交換器温度Thxを検出する。外気温度センサ36は、外気温度Toを検出する。
−液冷媒連絡管−
液冷媒連絡管13は、液側閉鎖弁29を介して熱源側液冷媒管24aに接続されている。液冷媒連絡管13は、熱源側切換機構23が熱源側放熱運転状態である場合において、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器24の出口から熱源ユニット2の外部に熱源側冷媒を導出することが可能な冷媒管である。また、液冷媒連絡管13は、熱源側切換機構23が熱源側蒸発運転状態である場合において、熱源ユニット2の外部から熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器24の入口に熱源側冷媒を導入することが可能な冷媒管である。
−ガス冷媒連絡管−
ガス冷媒連絡管14は、ガス側閉鎖弁30を介して第2熱源側ガス冷媒管23bに接続されている。ガス冷媒連絡管14は、熱源側切換機構23が熱源側放熱運転状態である場合において、熱源ユニット2の外部から熱源側圧縮機21の吸入に熱源側冷媒を導入することが可能な冷媒管である。また、ガス冷媒連絡管14は、熱源側切換機構23が熱源側蒸発運転状態である場合において、熱源側圧縮機21の吐出から熱源ユニット2の外部に熱源側冷媒を導出することが可能な冷媒管である。
−利用側ユニット−
利用側ユニット4は、屋内に設置されている。利用側ユニット4は、液冷媒連絡管13及びガス冷媒連絡管14を介して熱源ユニット2に接続されており、熱源側冷媒回路20の一部を構成している。また、利用側ユニット4の内部には、利用側冷媒回路40が構成されている。更に、利用側ユニット4は、水媒体連絡管15,16を介して貯湯ユニット8及び温水暖房ユニット9に接続されており、水媒体回路80の一部を構成している。
利用側ユニット4は、主として、利用側熱交換器41と、利用側流量調節弁42と、利用側圧縮機62と、冷媒−水熱交換器65と、冷媒−水熱交側流量調節弁66と、利用側アキュムレータ67と、循環ポンプ43とを有している。
利用側熱交換器41は、熱源側冷媒と利用側冷媒との熱交換を行う。具体的には、利用側熱交換器41は、給湯運転時、熱源側冷媒の放熱器として機能すると共に、利用側冷媒の蒸発器として機能することができる熱交換器である。利用側熱交換器41のうち、熱源側冷媒が流れる流路の液側には、利用側液冷媒管45が接続されており、熱源側冷媒が流れる流路のガス側には、利用側ガス冷媒管54が接続されている。また、利用側熱交換器41のうち、利用側冷媒が流れる流路の液側には、カスケード側液冷媒管68が接続されており、利用側冷媒が流れる流路のガス側には、第2カスケード側ガス冷媒管69が接続されている。利用側液冷媒管45には、液冷媒連絡管13が接続されており、利用側ガス冷媒管54には、ガス冷媒連絡管14が接続されている。カスケード側液冷媒管68には、冷媒−水熱交換器65が接続されており、第2カスケード側ガス冷媒管69には、利用側圧縮機62が接続されている。
利用側流量調節弁42は、該調節弁42自体の開度調整が行われることで、利用側熱交換器41を流れる熱源側冷媒の流量を可変することが可能な電動膨張弁である。利用側流量調節弁42は、利用側液冷媒管45に接続されている。
利用側圧縮機62は、利用側冷媒を圧縮するための機構であって、容量可変型の圧縮機である。利用側圧縮機62は、具体的には、ケーシング(図示せず)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が、同じくケーシング内に収容された利用側圧縮機モータ63によって駆動される密閉式圧縮機である。この利用側圧縮機62のケーシング内には、圧縮要素において圧縮された後の利用側冷媒が充満する高圧空間(図示せず)が形成されており、この高圧空間には、冷凍機油が溜められている。利用側圧縮機モータ63は、インバータ装置(図示せず)によって、該モータ21aの回転数(即ち、運転周波数)を可変でき、これにより利用側圧縮機62の容量制御が可能になっている。また、利用側圧縮機62の吐出には、カスケード側吐出管70が接続されており、利用側圧縮機62の吸入には、カスケード側吸入管71が接続されている。このカスケード側吸入管71は、第2カスケード側ガス冷媒管69に接続されている。
冷媒−水熱交換器65は、利用側冷媒と水媒体との間で熱交換を行う機器である。具体的には、冷媒−水熱交換器65は、給湯運転時、利用側冷媒の放熱器として機能することで、水媒体を加熱することができる。冷媒−水熱交換器65のうち、利用側冷媒が流れる流路の液側には、カスケード側液冷媒管68が接続され、利用側冷媒が流れる流路のガス側には、第1カスケード側ガス冷媒管72が接続されている。また、冷媒−水熱交換器65のうち、水媒体が流れる流路の入口側には、第1利用側水入口管47が接続されており、水媒体が流れる流路の出口側には、第1利用側水出口管48が接続されている。第1カスケード側ガス冷媒管72は、カスケード側吐出管70に接続されている。第1利用側水入口管47には、水媒体連絡管15が接続され、第1利用側水出口管48には、水媒体連絡管16が接続されている。
冷媒−水熱交側流量調節弁66は、該調節弁66自体の開度調節が行われることで、冷媒−水熱交換器65に流れる利用側冷媒の流量を可変することが可能な電動膨張弁である。冷媒−水熱交側流量調節弁66は、カスケード側液冷媒管68に接続されている。
利用側アキュムレータ67は、カスケード側吸入管71に設けられている。利用側アキュムレータ67は、利用側冷媒回路40を循環する利用側冷媒がカスケード側吸入管71から利用側圧縮機62に吸入される前に、一度溜めるための容器である。
循環ポンプ43は、水媒体の昇圧を行う機構であって、第1利用側水出口管48に設けられている。具体的には、循環ポンプ43としては、遠心式や容積式のポンプ要素(図示せず)が循環ポンプモータ44によって駆動されるポンプが採用されている。循環ポンプモータ44は、インバータ装置(図示せず)によってその回転数(即ち、運動周波数)が可変され、これにより循環ポンプ43の容量制御が可能になっている。
上述した構成により、利用側ユニット4は、水媒体を加熱する給湯運転を行うことができる。具体的には、利用側熱交換器41をガス冷媒連絡管14から導入される熱源側冷媒の放熱器として機能させた場合、利用側熱交換器41において放熱した熱源側冷媒は液冷媒連絡管13に導出される。そして、利用側熱交換器41における熱源側冷媒の放熱によって、利用側冷媒回路40を循環する利用側冷媒が加熱される。この加熱された利用側冷媒が利用側圧縮機62において圧縮された後に、冷媒−水熱交換器65において放熱することによって、水媒体が加熱されるようになる。
また、利用側ユニット4には、各種のセンサが設けられている。具体的には、利用側ユニット4には、利用側熱交換温度センサ50、冷媒−水熱交換温度センサ73、水媒体入口温度センサ51、水媒体出口温度センサ52、利用側吸入圧力センサ74、利用側吐出圧力センサ75及び利用側吐出温度センサ76が設けられている。利用側熱交換温度センサ50は、利用側熱交換器41の液側における熱源側冷媒の温度である利用側冷媒温度Tsc1を検出する。冷媒−水熱交換温度センサ73は、冷媒−水熱交換器65の液側における利用側冷媒の温度であるカスケード側冷媒温度Tsc2を検出する。水媒体入口温度センサ51は、冷媒−水熱交換器65の入口における水媒体の温度である水媒体入口温度Twrを検出する。水媒体出口温度センサ52は、冷媒−水熱交換器65の出口における水媒体の温度である水媒体出口温度Twlを検出する。利用側吸入圧力センサ74は、利用側圧縮機62の吸入における利用側冷媒の圧力である利用側吸入圧力Ps2を検出する。利用側吐出圧力センサ75は、利用側圧縮機62の吐出における利用側冷媒の圧力である利用側吐出圧力Pd2を検出する。利用側吐出温度センサ76は、利用側圧縮機62の吐出における利用側冷媒の温度である利用側吐出温度Td2を検出する。
−貯湯ユニット−
貯湯ユニット8は、利用側ユニット4から供給される水媒体を使用する水媒体機器であって、屋内に設置されている。貯湯ユニット8は、水媒体連絡管15,16を介して利用側ユニット4と接続されており、水媒体回路80の一部を構成している。
貯湯ユニット8は、主として、貯湯タンク81と、熱交換コイル82とを有している。
貯湯タンク81は、給湯に供される水媒体としての水を溜める容器である。貯湯タンク81の上部には、蛇口やシャワー等に温水となった水媒体を送るための給湯管83が接続されており、下部には、給湯管83によって消費された水媒体の補充を行うための給水管84が接続されている。
熱交換コイル82は、貯湯タンク81内に設けられている。熱交換コイル82は、水媒体回路80を循環する水媒体と貯湯タンク81内の水媒体との熱交換を行うことで貯湯タンク81内の水媒体の加熱器として機能する熱交換器である。熱交換コイル82の入口には、水媒体連絡管16が接続され、熱交換コイル82の出口には、水媒体連絡管15が接続されている。
これにより、貯湯ユニット8は、給湯運転時には、利用側ユニット4において加熱された水媒体回路80を循環する水媒体によって、貯湯タンク81内の水媒体を加熱して温水として溜めることが可能となっている。尚、ここでは、貯湯ユニット8として、利用側ユニット4において加熱された水媒体との熱交換によって加熱された水媒体を貯湯タンクに溜める型式の貯湯ユニットを採用しているが、利用側ユニット4において加熱された水媒体を貯湯タンクに溜める型式の貯湯ユニットを採用してもよい。
また、貯湯ユニット8には、各種センサが設けられている。具体的に、貯湯ユニット8には、貯湯タンク81に溜められる水媒体の温度である貯湯温度Twhを検出するための貯湯温度センサ85が設けられている。
−温水暖房ユニット−
温水暖房ユニット9は、利用側ユニット4から供給される水媒体を使用する水媒体機器であって、屋内に設置されている。温水暖房ユニット9は、水媒体連絡管15,16を介して利用側ユニット4に接続されており、水媒体回路80の一部を構成している。
温水暖房ユニット9は、主として、熱交換パネル91を有しており、ラジエータや床暖房パネル等を構成している。
熱交換パネル91は、ラジエータの場合には、室内の壁際等に設けられ、床暖房パネルの場合には、室内の床下等に設けられている。熱交換パネル91は、水媒体回路80を循環する水媒体の放熱器として機能する熱交換器である。熱交換パネル91の入口には、水媒体連絡管16が接続されており、熱交換パネル91の出口には、水媒体連絡管15が接続されている。
−水媒体連絡管−
水媒体連絡管15は、貯湯ユニット8の熱交換コイル82の出口及び温水暖房ユニット9の熱交換パネル91の出口に接続されている。水媒体連絡管16は、貯湯ユニット8の熱交換コイル82の入口及び温水暖房ユニット9の熱交換パネル91の入口に接続されている。水媒体連絡管16には、水媒体回路80を循環する水媒体を貯湯ユニット8及び温水暖房ユニット9の両方、又は、貯湯ユニット8及び温水暖房ユニット9のいずれか一方に水媒体を供給するかの切り換えを行うことが可能な水媒体側切換機構161が設けられている。この水媒体側切換機構161は、三方弁で構成される。
−利用側通信部−
利用側通信部11は、図1及び図2に示すように、利用側制御部12に電気的に接続されており、利用側ユニット4内に設けられている。利用側通信部11は、熱源ユニット2内に設けられている熱源側通信部18(後述)と電気的に接続されている。利用側通信部11は、ヒートポンプシステム1の運転状態及び制御に関する各種情報や各種データを、熱源側通信部18から受信したり、熱源側通信部18に送信したりすることができる。
特に、本実施形態に係る利用側通信部11は、利用側ユニット4の利用側圧縮機62の運転容量制御に関する情報を、熱源側通信部18に送信することができる。
−利用側制御部−
利用側制御部12は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータであって、利用側ユニット4内に設けられている。利用側制御部12は、図2に示すように、利用側ユニット4が有する利用側流量調節弁42、循環ポンプモータ44、利用側圧縮機モータ63、冷媒−水熱交側流量調節弁66及び各種センサ50〜52,73〜76と接続されている。利用側制御部12は、各種センサ50〜52,73〜76による検出結果等に基づいて、接続された各種機器の制御を行う。具体的には、利用側制御部12は、利用側流量調節弁42の開度制御による熱源側冷媒の流量制御、循環ポンプモータ44の回転数制御による循環ポンプ43の容量制御、利用側圧縮機モータ63の回転数制御(即ち、運転周波数制御)による利用側圧縮機62の運転容量制御、冷媒−水熱交側流量調節弁66の開度調節による利用側冷媒の流量制御を行う。例えば、利用側制御部12は、熱源側冷媒回路20における熱源側冷媒の流量及び利用側冷媒回路40における利用側冷媒の流量それぞれを安定させるべく、各冷媒について過冷却度が一定となるように各流量調節弁42,66の開度制御を行う。また、利用側制御部12は、水媒体回路80における水媒体の流量を適切な流量にするべく、冷媒−水熱交換器65における水媒体の出口温度と入口温度との温度差が所定の温度差となるように、循環ポンプ43の容量制御を行う。
特に、本実施形態に係る利用側制御部12は、利用側ユニット4が適切な温度の水媒体を貯湯ユニット8及び温水暖房ユニット9に供給するための制御、及び利用側圧縮機62の運転容量の段階的可変制御を行う。これらの制御については、<動作>の“−各冷媒回路の凝縮温度制御−”にて詳述する。
−熱源側通信部−
熱源側通信部18は、図1及び図3に示すように、熱源側制御部19に電気的に接続されており、熱源ユニット2内に設けられている。熱源側通信部18は、利用側通信部11と電気的に接続されている。熱源側通信部18は、ヒートポンプシステム1の運転状態及び制御に関する各種情報や各種データ等を、利用側通信部11から受信したり、利用側通信部11に送信したりすることができる。
特に、本実施形態に係る熱源側通信部18は、利用側ユニット4の利用側圧縮機62の運転容量制御に関する情報を、利用側通信部11から受信することができる。
−熱源側制御部−
熱源側制御部19は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータであって、熱源ユニット2内に設けられている。熱源側制御部19は、図3に示すように、熱源ユニット2が有する熱源側圧縮機モータ21a、熱源側切換機構23、熱源側膨張弁25及び各種センサ33〜36と接続されている。熱源側制御部19は、各種センサ33〜36による検出結果等に基づいて、接続された各種機器の制御を行う。具体的には、熱源側制御部19は、熱源側圧縮機モータ21aの回転数制御(即ち、運転周波数制御)による熱源側圧縮機21の運転容量制御、熱源側切換機構23の状態切換制御及び熱源側膨張弁25の開度制御を行う。
特に、本実施形態に係る熱源側制御部19は、熱源側冷媒の凝縮温度を所定の凝縮目標温度にするための制御、及び熱源側圧縮機21の運転容量の段階的可変制御を行う。これらの制御については、<動作>の“−各冷媒回路の凝縮温度制御−”にて詳述する。
−リモートコントローラ−
リモートコントローラ90は、屋内に設置されており、図1に示すように、利用側通信部11や熱源側通信部18と有線や無線を介して通信可能に接続されている。リモートコントローラ90は、図4に示すように、主として、表示部95及び操作部96を有している。ユーザは、リモートコントローラ90を介して、ヒートポンプシステム1の水媒体の温度を設定したり、各種運転に関する指示を行ったりすることができる。
特に、本実施形態のリモートコントローラ90に係る操作部96には、低騒音モードボタン96a(受付部に相当)が含まれている。この低騒音モードボタン96aは、利用側ユニット4の運転により発生する音を低減させる旨を受け付けるためのボタンである。この低騒音モードボタン96aがユーザにより押されると、ヒートポンプシステム1においては、後述する利用側圧縮機62の運転容量段階的可変制御の実行が可能となる。
<動作>
次に、ヒートポンプシステム1の動作について説明する。
ヒートポンプシステム1の運転モードとしては、利用側ユニット4の給湯運転(即ち、貯湯ユニット8及び/又は温水暖房ユニット9の運転)を行う給湯運転モードがある。
−給湯運転モード−
利用側ユニット4が給湯運転を行う場合、熱源側冷媒回路20においては、熱源側切換機構23が熱源側蒸発運転状態(図1の熱源側切換機構23の破線で示された状態)に切り換えられ、吸入戻し膨張弁26aが閉止された状態となる。また、水媒体回路80においては、水媒体切換機構161が貯湯ユニット8及び/又は温水暖房ユニット9に水媒体を供給する状態に切り換えられる。
このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける定圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍器油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、熱源側切換機構23,第2熱源側ガス冷媒管23b及びガス側閉鎖弁30を通じて、熱源ユニット2からガス冷媒連絡管14に送られる。
ガス冷媒連絡管14に送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側ユニット4に送られる。利用側ユニット4に送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側ガス冷媒管54を通じて、利用側熱交換器41に送られる。利用側熱交換器41に送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側熱交換器41において、利用側冷媒回路40を循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。利用側熱交換器41において放熱した高圧の熱源側冷媒は、利用側流量調節弁42及び利用側液冷媒管45を通じて、利用側ユニット4から液冷媒連絡管13に送られる。
液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒は、液側閉鎖弁29を通じて、過冷却器27に送られる。過冷却器27に送られた熱源側冷媒は、吸入戻し管26に熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、熱源側膨張弁25に送られる。熱源側膨張弁25に送られた熱源側冷媒は、熱源側膨張弁25において減圧されて、低圧の気液二相状態になり、熱源側液冷媒管24aを通じて、熱源側熱交換器24に送られる。熱源側熱交換器24に送られた低圧の冷媒は、熱源側熱交換器24において、熱源側ファン32によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。熱源側熱交換器24において蒸発した低圧の熱源側冷媒は、第1熱源側ガス冷媒管23a及び熱源側切換機構23を通じて、熱源側アキュムレータ28に送られる。熱源側アキュムレータ28に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
一方、利用側冷媒回路40においては、利用側熱交換器41における熱源側冷媒の放熱によって利用側冷媒回路40を循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒が加熱されて蒸発する。利用側熱交換器41において蒸発した低圧の利用側冷媒は、第2カスケード側ガス冷媒管69を通じて、利用側アキュムレータ67に送られる。利用側アキュムレータ67に送られた低圧の利用側冷媒は、カスケード側吸入管71を通じて、利用側圧縮機62に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、カスケード側吐出管70に吐出される。カスケード側吐出管70に吐出された高圧の利用側冷媒は、第1カスケード側ガス冷媒管72を通じて、冷媒−水熱交換器65に送られる。冷媒−水熱交換器65に送られた高圧の利用側冷媒は、冷媒−水熱交換器65において、循環ポンプ43によって水媒体回路80を循環する水媒体と熱交換を行って放熱する。冷媒−水熱交換器65において放熱した高圧の利用側冷媒は、冷媒−水熱交側流量調節弁66において減圧され、低圧の気液二相状態になり、カスケード側液冷媒管68を通じて、再び利用側熱交換器41に送られる。
また、水媒体回路80においては、冷媒−水熱交換器65における利用側冷媒の放熱によって水媒体回路80を循環する水媒体が加熱される。冷媒−水熱交換器65において加熱された水媒体は、第1利用側水出口管48を通じて循環ポンプ43に吸入され昇圧された後に、利用側ユニット4から水媒体連絡管16及び水媒体切換機構161を通じて貯湯ユニット8及び/又は温水暖房ユニット9に送られる。貯湯ユニット8に送られた水媒体は、熱交換コイル82において貯湯タンク81内の水媒体と熱交換を行って放熱し、これにより、貯湯タンク81内の水媒体が加熱される。温水暖房ユニット9に送られた水媒体は、熱交換パネル91において放熱し、これにより、室内の壁際等や室内の床が加熱されるようになる。
このようにして、利用側ユニット4の給湯運転を行う給湯運転モードにおける動作が行われる。
−各冷媒回路の凝縮温度制御−
−凝縮温度を所定の凝縮目標温度にするための制御−
次に、上述の給湯運転における各冷媒回路20,40の凝縮温度制御について説明する。
このヒートポンプシステム1では、上述のように、利用側熱交換器41において、利用側冷媒回路40を循環する利用側冷媒が熱源側冷媒回路20を循環する熱源側冷媒の放熱によって加熱されるようになっている。利用側冷媒回路40には、この熱源側冷媒から得た熱を利用して、熱源側冷媒回路20における冷凍サイクルよりも高温の冷凍サイクルを得ることができるため、冷媒−水熱交換器65における利用側冷媒の放熱によって高温の水媒体を得ることができるようになっている。このとき、安定的に高温の水媒体を得るためには、熱源側冷媒回路20における冷凍サイクル及び利用側冷媒回路40における冷凍サイクルがいずれも安定するように制御することが好ましい。
そこで、熱源側制御部19は、給湯運転においては、熱源側冷媒の凝縮器(即ち、放熱器)として機能する利用側熱交換器41における熱源側冷媒の凝縮温度Tc1が所定の熱源側凝縮目標温度Tc1sとなるように、容量可変型の熱源側圧縮機21の運転容量の制御を行うようにしている。そして、利用側制御部12は、利用側冷媒の凝縮器(即ち、放熱器)として機能する冷媒−水熱交換器65における利用側冷媒の凝縮温度Tc2が所定の利用側凝縮目標温度Tc2sとなるように、容量可変型の利用側圧縮機62の運転容量の制御を行うようにしている。
尚、熱源側冷媒の凝縮温度Tc1は、熱源側圧縮機21の吐出における熱源側冷媒の圧力である熱源側吐出圧力Pd1を、この圧力値に相当する飽和温度に換算した値(つまり、熱源側吐出飽和温度)に相当する。また、利用側冷媒の凝縮温度Tc2は、利用側圧縮機62の吐出における利用側冷媒の圧力である利用側吐出圧力Pd2を、この圧力値に相当する飽和温度に換算した値(つまり、利用側吐出飽和温度)に相当する。
そして、熱源側冷媒回路20においては、熱源側制御部19は、熱源側冷媒の凝縮温度Tc1が所定の熱源側凝縮目標温度Tc1sよりも小さい場合には(Tc1<Tc1s)、熱源側圧縮機21の回転数(即ち、運転周波数)を大きくすることで、熱源側圧縮機21の運転容量が大きくなるように制御する。逆に、熱源側冷媒の凝縮温度Tc1が所定の熱源側凝縮目標温度Tc1sよりも大きい場合には(Tc1>Tc1s)、熱源側制御部19は、熱源側圧縮機21の回転数(即ち、運転周波数)を小さくすることで、熱源側圧縮機21の運転容量が小さくなるように制御する。また、利用側冷媒回路40においては、利用側制御部12は、利用側冷媒の凝縮温度Tc2が所定の利用側凝縮目標温度Tc2sよりも小さい場合には(Tc2<Tc2s)、利用側圧縮機62の回転数(即ち、運転周波数)を大きくすることで、利用側圧縮機62の運転容量が大きくなるように制御する。逆に、利用側冷媒の凝縮温度Tc2が所定の利用側凝縮目標温度Tc2sよりも大きい場合には(Tc2>Tc2s)、利用側制御部12は、利用側圧縮機62の回転数(即ち、運転周波数)を小さくすることで、利用側圧縮機62の運転容量が小さくなるように制御する。
これにより、熱源側冷媒回路20においては、利用側熱交換器41内を流れる熱源側冷媒の圧力が安定する。また、利用側冷媒回路40においては、冷媒−水熱交換器65内を流れる利用側冷媒の圧力が安定する。そのため、両冷媒回路20,40における冷凍サイクルの状態を安定させることができ、安定に高温の水媒体を得ることができる。
また、給湯運転時、上述した熱源側凝縮目標温度Tc1s及び利用側凝縮目標温度Tc2sは、所定の温度の水媒体を得るために、熱源側制御部19及び利用側制御部12によって適切に設定されることが好ましい。
そこで、先ず、利用側冷媒回路40について、利用側制御部12は、冷媒−水熱交換器65の出口における水媒体の温度の目標値である所定の目標水媒体出口温度Twlsを設定しておき、利用側凝縮目標温度Tc2sを目標水媒体出口温度Twlsによって可変される値として設定するようにしている。例えば、目標水媒体出口温度Twlsが80℃に設定される場合には、利用側凝縮目標温度Tc2sは85℃に設定される。また、目標媒体出口温度Twlsが25℃に設定される場合には、利用側凝縮目標温度Tc2sは30℃に設定される。つまり、利用側凝縮目標温度Tc2sは、目標水媒体出口温度Twlsが高い温度に設定されるのに伴って高く設定され、かつ目標水媒体出口温度Twlsよりも少し高い温度になるように、30℃〜85℃の範囲内で関数化して設定される。これにより、目標水媒体出口温度Twlsに応じて利用側凝縮目標温度Tc2sが適切に設定されるため、所望の目標水媒体出口温度Twlsが得られやすくなる。また、目標水媒体出口温度Twlsが変更された場合であっても、応答性のよい制御が行われるようになる。
また、熱源側冷媒回路20について、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを利用側凝縮目標温度Tc2sまたは目標水媒体出口温度Twlsによって可変される値として設定する。例えば、利用側凝縮目標温度Tc2sまたは目標水媒体出口温度Twlsが75℃や80℃に設定される場合には、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを35℃〜40℃の温度範囲となるように設定する。また、利用側凝縮目標温度Tc2sまたは目標水媒体出口温度Twlsが30℃や25℃に設定される場合には、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを10℃〜15℃の温度範囲となるように設定する。つまり、熱源側制御部19は、利用側凝縮目標温度Tc2sまたは目標水媒体出口温度Twlsが高い温度に設定されるのに伴って熱源側凝縮目標温度Tc1sも高い温度範囲となるように設定し、かつ熱源側凝縮目標温度Tc1sが利用側凝縮目標温度Tc2sまたは水媒体出口温度Twlsよりも低い温度範囲となるように、10℃〜40℃の範囲内で関数化して設定する。
尚、利用側凝縮目標温度Tc2sについては、目標水媒体出口温度Twlsを正確に得るという目的から、上述のように1つの温度として設定されることが好ましい。しかし、熱源側凝縮目標温度Tc1sについては、利用側凝縮目標温度Tc2s程の厳密な設定は必要なく、むしろある程度の温度幅を許容する方が好ましいことから、上記では、“温度範囲”として設定している。これにより、利用側凝縮目標温度Tc2sまたは目標水媒体出口温度Twlsに応じて熱源側凝縮目標温度Tc1sが適切に設定されるため、利用側冷媒回路40における冷凍サイクルの状態に応じて、適切に熱源側冷媒回路20における冷凍サイクルが制御されるようになる。
−運転容量の段階的可変制御−
更に、このヒートポンプシステム1では、既に述べているように、熱源側圧縮機21及び利用側圧縮機62が共に容量可変型で構成されている。従って、熱源側圧縮機21及び利用側圧縮機62の運転容量が変更する場合には、運転容量が変更した圧縮機21,62からは騒音が発生する。特に、利用側圧縮機62を有する利用側ユニット4は屋内に設置されるため、室内にいるユーザにとっては、利用側圧縮機62から出力される騒音が耳障りとなる。
そこで、利用側制御部12は、給湯運転等の通常運転を行っている際に利用側圧縮機62の容量を可変する場合には、利用側凝縮目標温度Tc2sを段階的に変化させることで、利用側圧縮機62の運転容量を段階的に変化させる制御を行う(以下、利用側容量可変制御と言う)。更に、熱源側制御部19は、利用側圧縮機62が利用側容量可変制御を行っている際には、熱源側凝縮目標温度Tc1sを段階的に変化させることで、熱源側圧縮機21の運転容量を段階的に変化させる制御を行う(以下、熱源側容量可変制御と言う)。
具体的には、利用側冷媒回路40において、利用側制御部12によって利用側圧縮機62の運転容量を小さくする利用側容量可変制御が行われている場合(つまりこの時、利用側凝縮目標温度Tc2sは段階的に下げられる)、熱源側冷媒回路20において、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを段階的に上げることで、熱源側圧縮機21の運転容量を大きくする熱源側容量可変制御を行う。逆に、利用側冷媒回路40において、利用側制御部12によって利用側圧縮機62の運転容量を大きくする利用側容量可変制御が行われている場合(つまりこの時、利用側凝縮目標温度Tc2sは段階的に上げられる)、熱源側冷媒回路20において、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを段階的に下げることで、熱源側圧縮機21の運転容量を小さくする熱源側容量可変制御を行う。
上記制御によると、利用側圧縮機62を有する利用側ユニット4側と熱源側圧縮機21を有する熱源ユニット2側との圧縮機能力のバランスを保つことができ、またヒートポンプシステム1全体としての両圧縮機21,62の能力合計値を略均一に保つことができる。例えば、利用側圧縮機62において運転容量を段階的に下げる利用側容量可変制御が行われているが、熱源側圧縮機21では運転容量が特定の容量となるように制御が行われているのみであると、利用側圧縮機62の運転容量のみが減少することになるため、利用側圧縮機62の能力が下がり、ヒートポンプシステム1全体としては圧縮機の能力が不足してしまう。しかし、上述したように、利用側圧縮機62において例えば容量を下げるような利用側容量可変制御が行われている際には、熱源側圧縮機21においては容量を上げるような熱源側容量可変制御を行うことにより、利用側圧縮機62の容量減少により利用側ユニット4側では圧縮機能力が減少したとしても、熱源側圧縮機21の容量増加により、熱源ユニット2側にて利用側ユニット4の圧縮機の能力減少分を補うことができる。
尚、利用側容量可変制御時及び熱源側容量可変制御時に段階的に変化する利用側凝縮目標温度Tc2s及び熱源側凝縮目標温度Tc1sそれぞれの変化量、各時間間隔等は、各冷媒回路に関する情報(例えば、冷媒の特性など)や各圧縮機21,62に関する情報(例えば、圧縮機21,62の最大運転能力値、圧縮機21,62の運転周波数の許容動作範囲等)等に基づいて、机上計算やシミュレーション、実験等によって予め適宜決定されていてもよいし、その時々の各冷媒回路20,40の状態等に応じて関数によって適宜決定されてもよい。具体例としては、利用側凝縮目標温度Tc2s及び熱源側凝縮目標温度Tc1sそれぞれの変化量は、1段階につき約1℃〜10℃の範囲内の値が挙げられ、時間間隔は20sec以上が挙げられる。よって、各利用側凝縮目標温度Tc2s及び熱源側凝縮目標温度Tc1sは、例えば20秒毎に5℃ずつ上下されることとなる。特に、熱源側凝縮目標温度Tc1sの変化量は、利用側ユニット4側及び熱源ユニット2側の能力均衡を考慮すると、利用側凝縮目標温度Tc2sの変化量に基づいて決定されることが好ましい。
更に、利用側凝縮目標温度Tc2s及び熱源側凝縮目標温度Tc1sそれぞれの変化量は、利用側圧縮機62の運転容量が急激に増大する場合に騒音が大きく発生することとなる。そのため、利用側容量可変制御において、利用側圧縮機62の運転容量が上げられる場合には、利用側凝縮目標温度Tc2sはゆっくりと段階的に上げられ、熱源側凝縮目標温度Tc1sはゆっくりと段階的に下げられる。この時の利用側凝縮目標温度Tc2s及び熱源側凝縮目標温度Tc1sが変化する時間間隔は、利用側圧縮機62の運転容量が段階的に下げられかつ熱源側圧縮機21の運転容量が段階的に上げられる場合の、利用側凝縮目標温度Tc2s及び熱源側凝縮目標温度Tc1sが変化する時間間隔よりも大きい。つまり、利用側凝縮目標温度Tc2sが段階的に下げられる場合、利用側圧縮機62の運転容量は、該容量が段階的に大きくなる場合よりも、早く減少していく。
また、利用側容量可変制御時においては、利用側圧縮機62の運転容量は、所定容量以下に制限される。そして、利用側容量可変制御の後には、当該所定容量以下という利用側圧縮機62の運転容量の制限は解除される。つまり、利用側容量可変制御が所定期間行われた後、利用側制御部12は、利用側圧縮機62の運転容量を所定容量以下に制限することなく制御する(以下、容量非制限制御と言う)。一方、容量非制限が行われている際、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを利用側容量可変制御時(即ち、熱源側容量可変制御時)よりも下げることで、熱源側圧縮機21の運転容量を小さくする制御を行う。これにより、容量非制限制御では、熱源側圧縮機21の能力は下がるが、逆に利用側圧縮機62の運転容量の制限が解除されることにより、当該運転容量は利用側容量可変制御よりも上昇する。よって、利用側圧縮機62の能力は上昇する。従って、ヒートポンプシステム1全体としての圧縮機能力のバランスは、利用側容量可変制御及びその後に行われる容量非制限制御において、均一に保たれることとなる。
ここで、上述した利用側容量可変制御、熱源容量可変制御及び容量非制限制御の場合における、利用側凝縮目標温度Tc2s及び熱源側凝縮目標温度Tc1sの時間推移の概念図を図5に示す。図5の実線に示すように、利用側ユニット4において利用側容量可変制御が行われている間、利用側凝縮目標温度Tc2sの値は所定容量に相当する温度以下に制限されつつ、所定時間毎に段階的に上下している。尚、図5の実線では、段階的に上げられる場合を示している。この間、熱源ユニット2においては熱源側容量可変制御が行われており、熱源側凝縮目標温度Tc1sは、利用側凝縮目標温度Tc2sの段階的変化に伴って変化している。図5では、利用側凝縮目標温度Tc2sが段階的に上げられるため、熱源側凝縮目標温度Tc1sは段階的に下げられている。そして、利用側容量可変制御から容量非制限制御に移行後、利用側凝縮目標温度Tc2sは、図5では所定容量に相当する温度以上に上げられており、熱源側凝縮目標温度Tc1sは下げられている。
尚、上述した利用側容量段階制御及び熱源側容量段階制御は、リモートコントローラ90の低騒音モードボタン96aが押されている状態で、例えばヒートポンプシステム1が給湯運転以外の他の運転から給湯運転を行おうとする等の運転内容に変化があった場合に開始される(図5)。運転内容に変化があると、利用側圧縮機62の運転容量を、それまでよりも急激に上昇させる必要が生じる場合がある。このような場合に、本実施形態に係る利用側容量段階制御及び熱源側容量段階制御が行われるとよい。
尚、図5の点線では、従来の手法における利用側凝縮目標温度Tc2sを示している。従来の手法では、運転内容に変化があった場合、利用側凝縮目標温度Tc2sは、急激に上昇しているため、運転容量も急激に上昇することとなる。
−ヒートポンプシステム1の全体的な動作の流れ−
図6は、本実施形態に係るヒートポンプシステム1の全体的な動作の流れを示すフロー図である。
ステップS1〜S4:リモートコントローラ90の低騒音モードボタン96aが押下されているとする(S1のYes)。この状態で、更にヒートポンプシステム1が給湯運転以外の他の運転から給湯運転を行おうとする等の運転内容の変化により、利用側ユニット4の利用側通信部11が利用側容量可変制御の開始指示を受信した場合(S2のYes)、利用側制御部12は、図7の利用側容量可変制御を行い(S3)、熱源ユニット2に係る熱源側制御部19は、図8の熱源側容量可変制御を行う(S4)。利用側容量可変制御の動作及び熱源側容量可変制御の動作の流れについては、後述する。
ステップS5:図7のステップS24(後述)、及び図8のステップS39(後述)において、例えばリモートコントローラ90の低騒音モードボタン96a等を介して利用側容量可変制御の終了指示がなされた場合には(S24のYes、S39のYes)、利用側制御部12は利用側容量可変制御を終了し、熱源側制御部19は熱源側容量可変制御を終了する。
ステップS6:利用側容量可変制御終了後、利用側制御部12は、利用側圧縮機62に対して容量非制限制御を行う。つまり、利用側制御部12は、利用側容量可変制御において設定されていた利用側圧縮機62の容量上限値を解除し、利用側凝縮目標温度Tc2sを利用側容量可変制御時よりも高い特定の値とする。そして、利用側制御部12は、利用側冷媒の凝縮温度Tc2が特定の値である利用側凝縮目標温度Tc2sとなるように、利用側圧縮機62の運転容量制御を行う。
ステップS7:また、熱源側制御部19は、ステップS6に係る利用側凝縮目標温度Tc2sに基づいて、熱源側容量可変制御時の熱源側凝縮目標温度Tc1sの補正値を決定する。そして、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを、利用側容量可変制御時、つまりは熱源側容量可変制御時よりも補正値だけ下げる補正を行う。
−利用側容量可変制御の流れ−
図7は、本実施形態に係る利用側容量可変制御の流れを示すフロー図である。
ステップS21〜S24:利用側制御部12は、利用側圧縮機62の容量上限値を利用側容量可変制御用の範囲内の値に設定する(S21)。そして、利用側制御部12は、利用側圧縮機62の運転容量が設定した容量上限値内にて変化するように、例えば現在の利用側冷媒の凝縮温度Tc2等に基づいて利用側凝縮目標温度を上げたり下げたりする(S22)。このステップS22の動作は、利用側凝縮目標温度Tc2sが変化してから所定時間(例えば、20秒)経過毎に(S23のYes)、利用側容量可変制御の終了指示を利用側通信部11が受信するまで行われる(S24のNo)。利用側凝縮目標温度Tc2sが変化してから所定時間(例えば、20秒)経過していない場合には(S23のNo)、現在の利用側凝縮目標温度Tc2sが保たれた状態となる。
このステップS21〜S24の動作により、利用側凝縮目標温度Tc2sは所定時間毎に段階的に変更されるので、利用側圧縮機62の運転容量は段階的に変化するようになる。
尚、図7では、利用側圧縮機の容量上限値が、利用側容量可変制御開始時に設定されているが、利用側圧縮機の容量上限値は、一定時間毎に、利用側容量可変制御用の範囲内で変更されてもよい。
−熱源側容量可変制御の流れ−
図8は、本実施形態に係る熱源側容量可変制御の流れを示すフロー図である。
ステップS31〜S33:上述した利用側容量可変制御において、利用側凝縮目標温度Tc2sが上げられた場合には(S31のYes)、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sの補正値をマイナスの値に決定する(S32)。これにより、熱源側凝縮目標温度Tc1sは、現時点での熱源側凝縮目標温度Tc1sよりも補正値分だけ下げられることになる(S33)。
ステップS34〜S36:利用側容量可変制御において、利用側凝縮目標温度Tc2sが下げられた場合には(S34のYes)、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sの補正値をプラスの値に決定する(S35)。これにより、熱源側凝縮目標温度Tc1sは、現時点での熱源側凝縮目標温度Tc1sよりも補正値分だけ上げられることになる(S36)。
ステップS37:利用側容量可変制御において、利用側冷媒の凝縮温度Tc2が変更されなかった場合には(S34のNo)、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sの補正値を“0”とする。これにより、現在の熱源側凝縮目標温度Tc1sが維持された状態となる。
ステップS38〜S39:上述したステップS31〜S7の動作は、熱源側凝縮目標温度Tc1sが変化してから所定時間(例えば、20秒)経過毎に(S38のYes)、利用側容量可変制御の終了指示を熱源側通信部18が受信するまで行われる(S39のNo)。熱源側凝縮目標温度Tc1sが変化してから所定時間(例えば、20秒)経過していない場合には(S38のNo)、現在の熱源側凝縮目標温度Tc1sが保たれた状態となる。
このステップS31〜S39の動作により、利用側容量可変制御が行われている間、熱源側凝縮目標温度Tc1sは所定時間毎に段階的に変更されるので、熱源側圧縮機21の運転容量は段階的に変化するようになる。
<特徴>
このヒートポンプシステム1は、以下のような特徴がある。
(1)
このヒートポンプシステム1では、熱源ユニット2は屋外に設置され、利用側ユニット4は屋内に設置される。つまり、音源となる利用側圧縮機62を有する利用側ユニット4は、屋内に設置されることとなる。しかし、このヒートポンプシステム1においては、利用側圧縮機62の運転容量を変更する場合には、利用側圧縮機62の運転容量を急激にではなく段階的に変化させる利用側容量可変制御が行われる。そのため、該圧縮機62の運転容量の段階的な変化によって、該圧縮機62から出力される騒音も除々に発生することとなる。従って、利用側圧縮機62の運転容量の変化に伴って発生する騒音が耳障りとなるのを防ぐことができる。
(2)
このヒートポンプシステム1では、利用側容量可変制御時、利用側凝縮目標温度Tc2sが段階的に変化することによって、利用側圧縮機62の運転容量が段階的に変化するようになる。従って、簡単な手法で、利用側圧縮機62の運転容量を段階的に変化させることができる。
(3)
このヒートポンプシステム1では、利用側圧縮機62の運転容量が段階的に変化する利用側容量可変制御が行われている時には、利用側圧縮機62だけではなく、熱源側圧縮機21についても、運転容量の段階的変化が行われる。従って、利用側圧縮機62の能力と熱源側圧縮機21の能力とのバランスを保つことができる。
(4)
このヒートポンプシステム1では、熱源側制御部19は、利用側熱交換器41における熱源側冷媒の凝縮温度Tcが熱源側凝縮目標温度Tc1sとなるように、熱源側圧縮機21の容量制御を行うと共に、熱源側凝縮目標温度Tc1sを段階的に変化させることで、熱源側容量可変制御を行う。つまり、熱源ユニット2においては、熱源側冷媒における熱源側凝縮目標温度Tc1sの段階的変化によって、熱源側圧縮機21の運転容量が段階的に変化するようになる。従って、簡単な手法で、熱源側圧縮機21の運転容量を段階的に変化させることができる。
(5)
このヒートポンプシステム1では、利用側容量可変制御において利用側圧縮機62の運転容量が小さくなる場合には、熱源ユニット2側では、熱源側凝縮目標温度Tc1sを上げることで熱源側圧縮機21の運転容量が大きくなる。これにより、利用側ユニット4において圧縮機能力が下がっても、熱源ユニット2の圧縮機能力を上げることで、ヒートポンプシステム1全体としての圧縮機能力を保つことができる。
(6)
このヒートポンプシステム1では、利用側容量可変制御時には、利用側圧縮機62の運転能力は所定量以下に制限されるが、該利用側容量可変制御後に行われる容量非制限制御においては、利用側圧縮機62の運転容量は制限が解除されて上昇する。そのため、容量非制限制御時には、利用側ユニット4の圧縮機能力は、利用側ユニット4で確保することができる。よって、この場合には熱源側圧縮機21の運転容量を小さくすることで、ヒートポンプシステム1全体としての圧縮機能力のバランスを保つことができる。
(7)
このヒートポンプシステム1によると、ユーザによってリモートコントローラ90に係る低騒音モードボタン96aが押されたことにより利用側容量可変制御の開始指示がなされた場合で、更に、該システム1の運転状態が変化した際、利用側圧縮機62の運転容量が段階的に変化する。従って、このヒートポンプシステム1は、該システム1を利用するユーザの好みに応じて、利用側圧縮機62から出力される騒音を抑える運転を行うことができる。
<変形例>
(A)
上述したヒートポンプシステム1では、熱源側容量可変制御において、熱源側冷媒の熱源側凝縮目標温度Tc1sが段階的に変化することにより、熱源側圧縮機21の運転容量が段階的に変化する場合について説明した。しかし、熱源側制御部19は、熱源側冷媒の熱源側凝縮目標温度Tc1sではなく、利用側冷媒の利用側蒸発目標温度Te2sを段階的に変化させることで、熱源側圧縮機21の運転容量を可変させてもよい。
この場合、利用側制御部12は、給湯運転においては、利用側冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器41における利用側冷媒の蒸発温度Te2が利用側蒸発目標温度Te2sとなるように、熱源側圧縮機21の容量制御を行う。また、熱源側制御部19は、利用側蒸発目標温度Te2sを、利用側制御部12が利用側容量可変制御において利用する利用側凝縮目標温度Tc2s、または目標水媒体出口温度Twlsによって可変される値として設定する。これにより、上記実施形態と同様、簡単な手法で、熱源側圧縮機21の運転容量を段階的に変化させることができる。
そして、利用側ユニット4における利用側容量可変制御において、利用側凝縮目標温度Tc2sが段階的に下げられることで利用側圧縮機62の運転容量が段階的に小さくなる場合には、熱源側制御部19は、利用側蒸発目標温度Te2sを段階的に上げることで、熱源側圧縮機21の運転容量を大きくする熱源側容量可変制御を行う。逆に、利用側凝縮目標温度Tc2sが段階的に上げられることで利用側圧縮機62の運転容量が段階的に大きくなる場合には、熱源側制御部19は、利用側蒸発目標温度Te2sを段階的に下げることで、熱源側圧縮機21の運転容量を小さくする熱源側容量可変制御を行う。これにより、上記実施形態と同様、例えば利用側ユニット4において圧縮機能力が下がっても、熱源ユニット2の圧縮機能力を上げることで、ヒートポンプシステム1全体としての圧縮機能力を保つことができる。
また、利用側ユニット4において、利用側容量可変制御が終了し容量非制限制御が行われている場合には、熱源側制御部19は、利用側蒸発目標温度Te2sを利用側容量可変制御時よりも下げることで、熱源側圧縮機21の運転容量を小さくする。これにより、ヒートポンプシステム1全体としての能力のバランスを保つことができる。
(B)
上述した利用側容量可変制御は、特に、利用側圧縮機62の運転開始時から所定時間の間、つまりは利用側圧縮機62の起動から所定時間の間に行われるとよい。これは、停止した状態にある利用側圧縮機62が起動する場合には、利用側圧縮機62の運転容量が急激に上昇するため、利用側圧縮機62からは騒音が発せられていなかった状態から急に騒音が発生することとなり、特に騒音が不快と感じられやすくなるからである。しかし、利用側圧縮機62の起動から所定時間の間、具体的には、少なくとも該圧縮機62の回転数が上昇する期間、上記実施形態に係る利用側容量可変制御が行われることで、利用側圧縮機62の回転数は、運転容量の変化に伴って除々に増していくこととなる。従って、大きな騒音が急に発生するのを抑えることができる。
しかし、上述のように、利用側圧縮機62の起動時に利用側容量可変制御が行われると、起動時のヒートポンプシステム1全体としての圧縮機の能力が抑えられてしまう。そこで、利用側圧縮機62の運転開始時、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを一旦所定温度以上となるように設定し、その後熱源側凝縮目標温度Tc1sを所定温度に達するまで段階的に下げていく制御を行うとよい。つまり、利用側圧縮機62の運転開始時、熱源ユニット2側では、熱源側圧縮機21の能力が一旦大きくなった状態から、除々に小さくなっていく。これにより、ヒートポンプシステム1の起動時は、騒音防止のために利用側圧縮機62の運転容量の急激な上昇が抑えられたとしても、利用側ユニット4における能力不足分は、熱源ユニット2側で補うことができる。従って、利用側圧縮機62から出力される騒音が耳障りとなるのを防止しつつ、確実にヒートポンプシステム1を起動させることができる。
図9は、変形例(B)に係るヒートポンプシステムの動作の流れを示したフロー図である。
ステップS51〜S52:リモートコントローラ90を介してヒートポンプシステム1の運転開始指示がなされた場合(S51のYes)、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを所定温度Tcst以上の温度Tc11sに設定する(Tc1s=Tc11s)。利用側制御部12は、利用側凝縮目標温度Tc2sを、温度Tc22sに設定する(S52、Tc2s=Tc22s)。この時、熱源側凝縮目標温度Tc1sは、利用側凝縮目標温度Tc2sよりも高く、利用側凝縮目標温度Tc2sは、小さい値となっている(Tc1s>Tc2s、即ちTc11s>Tc22s)。
ステップS53:熱源側制御部19は、熱源側圧縮機21を起動し、熱源側冷媒の凝縮温度Tc1がステップS52で設定した熱源側凝縮目標温度Tc1sとなるように、熱源側圧縮機21の運転容量を制御する。利用側制御部12は、利用側圧縮機62を起動し、利用側冷媒の凝縮温度Tc2がステップS52で設定した利用側凝縮目標温度Tc2sとなるように、利用側圧縮機62の運転容量を制御する。
ステップS54〜S55:ステップS53の起動から1分経過後(S54のYes)、利用側制御部12は、利用側凝縮目標温度Tc2sを、ΔT22aだけ上昇させる。これにより、利用側凝縮目標温度Tc2sは、“Tc22s+ΔT22a”となり(S55)、利用側圧縮機62の運転容量は、利用側冷媒の凝縮温度Tc2が“Tc22s+ΔT22a”となるように制御される。一方で、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを、ΔT11aだけ減少させる。これにより、熱源側凝縮目標温度Tc1sは、“Tc11s−ΔT11a”となり(S55)、熱源側圧縮機21の運転容量は、熱源側冷媒の凝縮温度Tc1が“Tc11s−ΔT11a”となるように制御される。
ステップS56〜S57:ステップS53の起動から3分経過後(S56のYes)、利用側制御部12は、利用側凝縮目標温度Tc2sを、ステップS55から更にΔT22bだけ上昇させる。これにより、利用側凝縮目標温度Tc2sは、“Tc22s+ΔT22a+ΔT22b”となり(S57)、利用側圧縮機62の運転容量は、利用側冷媒の凝縮温度Tc2が“Tc22s+ΔT22a+ΔT22b”となるように制御される。そして、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを、ステップS55から更にΔT11bだけ減少させる。これにより、熱源側凝縮目標温度Tc1sは、“Tc11s−ΔT11a−ΔT11b”となり(S57)、熱源側圧縮機21の運転容量は、熱源側冷媒の凝縮温度Tc1が“Tc11s−ΔT11a−ΔT11b”となるように制御される。
ステップS58〜S59:ステップS53の起動から5分経過後(S58のYes)、利用側制御部12は、利用側凝縮目標温度Tc2sを、ステップS57から更にΔT22cだけ上昇させる。これにより、利用側凝縮目標温度Tc2sは、“Tc22s+ΔT22a+ΔT22b+ΔT22c”となり(S59)、利用側圧縮機62の運転容量は、利用側冷媒の凝縮温度Tc2が“Tc22s+ΔT22a+ΔT22b+ΔT22c”となるように制御される。そして、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを、ステップS57から更にΔT11cだけ減少させる。これにより、熱源側凝縮目標温度Tc1sは、“Tc11s−ΔT11a−ΔT11b−ΔT11c”となり(S59)、熱源側圧縮機21の運転容量は、熱源側冷媒の凝縮温度Tc1が“Tc11s−ΔT11a−ΔT11b−ΔT11c”となるように制御される。
ステップS60〜S61:ステップS53の起動から7分経過後(S60のYes)、利用側制御部12は、ステップS52からステップS59に至るまで行っていた利用側容量可変制御を終了させ、容量非制限制御を行う。そして、熱源側制御部19は、熱源側凝縮目標温度Tc1sを所定温度Tsctに変更し、熱源側圧縮機21の運転容量制御を行う(S61)。
尚、変形例(A)にて示したように、熱源側容量可変制御において、利用側冷媒の利用側蒸発目標温度Te2sを段階的に変化させる場合には、熱源側制御部19は、利用側圧縮機62の起動時、熱源側凝縮目標温度Tc1sにかえて利用側蒸発目標温度Te2sを一旦所定温度以上となるように設定し、その後利用側蒸発目標温度Te2sを所定温度に達するまで段階的に下げていくとよい。
また、図9における熱源側圧縮機21の補正値の決定では、利用側圧縮機62の現在の運転容量と利用側圧縮機62の容量上限値との比較結果、現在の利用側冷媒の凝縮温度Tc2と利用側凝縮目標温度Tc2sとの比較結果に応じて、補正量を適宜変更してもよい。一例としては、利用側圧縮機62の現在の運転容量が利用側圧縮機62の容量上限値以下であって、かつ現在の利用側冷媒の凝縮温度Tc2が利用側凝縮目標温度Tc2sよりも高い場合には(Tc2>Tc2s)、利用側圧縮機62の能力は現在十分に出力されている状態にあるため、熱源ユニット2側では、熱源側圧縮機21の運転容量を下げるように補正値が決定される。また、現在の利用側冷媒の凝縮温度Tc2が利用側凝縮目標温度Tc2sよりも低い場合には(Tc2<Tc2s)、利用側圧縮機62の能力は現在不足傾向にあるため、熱源ユニット2側では、熱源側圧縮機21の運転容量を上げるように補正値が決定される。
(C)
上述したヒートポンプシステム1では、リモートコントローラ90の低騒音モードボタン96aが押されており、更に該システム1の運転内容が変化した場合に、利用側制御部12が利用側容量可変制御を行う場合について説明した。しかし、利用側容量可変制御は、リモートコントローラ90の低騒音モードボタン96aが押されたことをトリガとして開始されてもよい。
(D)
上述したヒートポンプシステム1では、図1に示すように、1台の熱源ユニット2に対して1台の利用側ユニット4が接続されている場合について説明した。しかし、熱源ユニット2に接続される利用側ユニット4の台数は、1台に限定されず、複数であってもよい。
(E)
上述したヒートポンプシステム1では、熱源ユニット2に、水媒体を利用する利用側ユニット4が接続されている場合について説明した。しかし、本発明に係るヒートポンプシステムは、熱源ユニット2、水媒体を利用する利用側ユニット4に加え、熱源側冷媒を用いて空気を空調する空調機を更に備えていてもよい。この場合、空調機は、利用側ユニットと同様、熱源ユニット2に接続される。
本発明を利用すれば、ヒートポンプサイクルを利用して水媒体を加熱することが可能なヒートポンプシステムにおいて、室内に設置された利用側ユニット内の利用側圧縮機の容量が可変する際に発生する騒音は、ユーザにとって耳障りとならずに済む。
1 ヒートポンプシステム
2 熱源ユニット
4 利用側ユニット
8 貯湯ユニット
9 温水暖房ユニット
11 利用側通信部
12 利用側制御部
18 熱源側通信部
19 熱源側制御部
20 熱源側冷媒回路
21 熱源側圧縮機
21a 熱源側圧縮機モータ
24 熱源側熱交換器
40 利用側冷媒回路
41 利用側熱交換器
42 利用側流量調節弁
62 利用側圧縮機
63 利用側圧縮機モータ
65 冷媒−水熱交換器
80 水媒体回路
90 リモートコントローラ
96a 低騒音モードボタン
特開2003−314838号公報

Claims (8)

  1. 熱源側冷媒を圧縮する熱源側圧縮機(21)と、熱源側冷媒の蒸発器として機能することが可能な熱源側熱交換器(24)とを有する熱源ユニット(2)と、
    前記熱源ユニット(2)に接続されており、利用側冷媒を圧縮する容量可変型の利用側圧縮機(62)と熱源側冷媒の放熱器として機能すると共に利用側冷媒の蒸発器として機能することが可能な利用側熱交換器(41)と利用側冷媒の放熱器として機能し水媒体を加熱することが可能な冷媒−水熱交換器(65)とを有し、前記熱源側圧縮機(21)と前記熱源側熱交換器(24)と前記利用側熱交換器(41)とで構成される熱源側冷媒回路(20)の一部を構成し、前記利用側圧縮機(62)と前記利用側熱交換器(41)と前記冷媒−水熱交換器(65)とで利用側冷媒回路(40)を構成する利用側ユニット(4)と、
    前記冷媒−水熱交換器(65)における利用側冷媒の放熱によって水媒体を加熱する運転時、前記利用側圧縮機(62)の運転容量を段階的に変化させる利用側容量可変制御を行うことが可能な利用側制御部と(12)と、
    を備えており、
    前記熱源側圧縮機(21)は、容量可変型の圧縮機であって、
    前記利用側制御部(12)が前記利用側容量可変制御を行っている際に、前記熱源側圧縮機(21)の運転容量を段階的に変化させる熱源側容量可変制御を行うことが可能な熱源側制御部(19)、
    を更に備えており、
    前記熱源側制御部(19)は、
    前記利用側熱交換器(41)における熱源側冷媒の凝縮温度が熱源側凝縮目標温度となるように前記熱源側圧縮機(21)の容量制御を行うと共に、前記熱源側凝縮目標温度を段階的に変化させることで前記熱源側容量可変制御を行い、
    前記利用側制御部(12)が前記利用側容量可変制御において前記利用側圧縮機(62)の運転容量を小さくする場合、前記熱源側制御部(19)は、前記熱源側凝縮目標温度を上げることで前記熱源側圧縮機(21)の運転容量を大きくする前記熱源側容量可変制御を行う、
    ヒートポンプシステム(1)。
  2. 前記利用側制御部(12)は、
    前記利用側容量可変制御時、前記利用側圧縮機(62)の運転容量を所定容量以下に制限し、
    前記利用側容量可変制御後、前記利用側圧縮機(62)の運転容量を前記所定容量以下に制限することなく制御する容量非制限制御を行うことが更に可能であって、
    前記熱源側制御部(19)は、
    前記容量非制限制御時、前記熱源側凝縮目標温度を前記利用側容量可変制御時よりも下げることで前記熱源側圧縮機(21)の運転容量を小さくする制御を行う、
    請求項に記載のヒートポンプシステム(1)。
  3. 熱源側冷媒を圧縮する熱源側圧縮機(21)と、熱源側冷媒の蒸発器として機能することが可能な熱源側熱交換器(24)とを有する熱源ユニット(2)と、
    前記熱源ユニット(2)に接続されており、利用側冷媒を圧縮する容量可変型の利用側圧縮機(62)と熱源側冷媒の放熱器として機能すると共に利用側冷媒の蒸発器として機能することが可能な利用側熱交換器(41)と利用側冷媒の放熱器として機能し水媒体を加熱することが可能な冷媒−水熱交換器(65)とを有し、前記熱源側圧縮機(21)と前記熱源側熱交換器(24)と前記利用側熱交換器(41)とで構成される熱源側冷媒回路(20)の一部を構成し、前記利用側圧縮機(62)と前記利用側熱交換器(41)と前記冷媒−水熱交換器(65)とで利用側冷媒回路(40)を構成する利用側ユニット(4)と、
    前記冷媒−水熱交換器(65)における利用側冷媒の放熱によって水媒体を加熱する運転時、前記利用側圧縮機(62)の運転容量を段階的に変化させる利用側容量可変制御を行うことが可能な利用側制御部と(12)と、
    を備えており、
    前記熱源側圧縮機(21)は、容量可変型の圧縮機であって、
    前記利用側制御部(12)が前記利用側容量可変制御を行っている際に、前記熱源側圧縮機(21)の運転容量を段階的に変化させる熱源側容量可変制御を行うことが可能な熱源側制御部(19)、
    を更に備えており、
    前記熱源側制御部(19)は、
    前記利用側熱交換器(41)における利用側冷媒の蒸発温度が利用側蒸発目標温度となるように前記熱源側圧縮機(21)の容量制御を行うと共に、前記利用側蒸発目標温度を段階的に変化させることで前記熱源側容量可変制御を行い、
    前記利用側制御部(12)が前記利用側容量可変制御において前記利用側圧縮機(62)の運転容量を小さくする場合、前記熱源側制御部(19)は、前記利用側蒸発目標温度を上げることで前記熱源側圧縮機(21)の運転容量を大きくする前記熱源側容量可変制御を行う、
    ヒートポンプシステム(1)。
  4. 前記利用側制御部(12)は、
    前記利用側容量可変制御時、前記利用側圧縮機(62)の運転容量を所定容量以下に制限し、
    前記利用側容量可変制御後、前記利用側圧縮機(62)の運転容量を前記所定容量以下に制限することなく制御する容量非制限制御を行うことが更に可能であって、
    前記熱源側制御部(19)は、
    前記容量非制限制御時、前記利用側蒸発目標温度を前記利用側容量可変制御時よりも下げることで前記熱源側圧縮機(21)の運転容量を小さくする制御を行う、
    請求項に記載のヒートポンプシステム(1)。
  5. 前記利用側制御部(12)は、
    前記冷媒−水熱交換器(65)における利用側冷媒の凝縮温度が利用側凝縮目標温度となるように前記利用側圧縮機(62)の容量制御を行うと共に、前記利用側凝縮目標温度を段階的に変化させることで前記利用側容量可変制御を行う、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム(1)。
  6. 前記利用側制御部(12)は、前記利用側圧縮機(62)の運転開始時から所定時間の間、前記利用側容量可変制御を行う、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム(1)。
  7. 前記利用側制御部(12)は、
    前記利用側圧縮機(62)の運転開始時から所定時間の間、前記利用側容量可変制御を行い、
    前記熱源側制御部(19)は、
    前記利用側圧縮機(62)の運転開始時、前記利用側蒸発目標温度または前記熱源側凝縮目標温度を所定温度以上に設定し、
    その後前記利用側蒸発目標温度または前記熱源側凝縮目標温度を前記所定温度に達するまで段階的に下げていく、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム(1)。
  8. 前記利用側容量可変制御の開始指示を受け付けることが可能な受付部、
    を更に備え、
    前記利用側制御部(12)は、前記受付部が前記利用側容量可変制御の開始指示を受け付けた場合に、前記利用側容量可変制御を行う、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム(1)。
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