JP5498005B2 - 有機酸を経由したアルコール類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リグノセルロースを湿式酸化法によって直接、有機酸に転換するか、あるいはリグノセルロースを加圧熱水で加水分解処理して得られた広範な糖類(単糖、オリゴ糖、ウロン酸等)を微生物により酢酸発酵して有機酸を得、こうして得られた有機酸をエステル化して水素化分解し、メタノールやエタノール等のアルコール類を合成する技術に関するものである。
エタノールを製造する従来法は、グルコースなどの6炭糖を起点とし、これを酵母Saccharomyces cerevisiaeや細菌Zymomonas mobilisによって発酵させる方法である(式I参照)。
酵母や細菌によるグルコースからのエタノール発酵
Figure 0005498005
これに対し、リグノセルロースを湿式酸化法でギ酸や酢酸等の有機酸に転換、あるいはリグノセルロースを加圧熱水で加水分解処理して得られた広範な糖類(単糖、オリゴ糖、ウロン酸等)を微生物により酢酸発酵して有機酸を得た上で、これをアルコールと反応させてエステル化し、次いで同エステルを触媒存在下で高温高圧で水素化分解させてアルコール類を合成する方法がある。酢酸をエステル化した後、更にこれを水素化分解してエタノールを合成する場合の例を式II、III、IVに示す。
セルロース[C6H10O5]n を加水分解してグルコースC6H12O6を得た場合グルコースの酢酸発酵
Figure 0005498005
Figure 0005498005
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上記の通り、酵母によるエタノール発酵の場合は1モルのグルコースから2モルのエタノールしか生成できないのに対し、リグノセルロースを酢酸に転換する場合は1モルのグルコースから3モルのエタノールが生成できる。また、前者では副産物として二酸化炭素が放出されるのに対し、後者ではそれがない。これらの点から、グルコースを酢酸に転換し、その後は化学的にエタノールを合成する“間接転換バイオエタノール技術”が注目されている。
近年、植物系バイオマスを中心とするリグノセルロース資源をその主要構成単位であるグルコースまで加水分解し、これを起点としてエタノールや乳酸等、様々なバイオファイナリを生産する研究が進められている。地球上で最も多量に存在し、エタノール製造への高いポテンシャルを有しているにも拘わらず、その利用が遅々として進展しないのは、以下のような理由によるものと考えられる。
まず第1の問題はリグノセルロースからの糖生産にある。リグノセルロースの酸加水分解で得られる糖は、5および6炭糖などの単糖やそれらのオリゴ糖(セロオリゴ糖やキシロオリゴ糖)、さらにはヘミセルロースの1つであるキシランの酸性糖残基、ウロン酸など、様々であるが、従来の酵母Saccharomyces cerevisiaeや細菌Zymomonas mobilisではこれらのうち、6炭糖しかエタノールに転換できない。従ってオリゴ糖に対しては、セルラーゼやキシラナーゼによる単糖への転換が必要となり、セルラーゼの機能と発酵の機能を兼ね備えたアーミング酵母が開発されているが一般的ではない。また、遺伝子組み替え技術により、5炭糖のエタノール転換も検討されているが、その安定性や自然界への影響などを配慮しなければならず、多くの課題を含んでいる。結果として、単純な酸糖化プロセスでの発酵可能な糖類は6炭糖のみに限定され、従ってその収率には限界がある。
第2の問題は、誰もが当然と考えてきたエタノール発酵にある。下式(V)に示すように1モルのグルコースからは2モル当量のエタノールと、副産物として2モル当量の二酸化炭素を排出する。二酸化炭素はカーボンニュートラルであるが、6炭糖の6個の炭素のうち、4個の炭素しかエタノールに転換されていない。従ってこの方法は、温室効果ガス削減の観点からも決して望ましいプロセスではない。
Figure 0005498005
5炭糖では下記式(VI)に示す如く、5個の炭素のうち、さらに少ない3.3個の炭素しかエタノールに転換できないことを考えると、遺伝子組み替え技術そのものの必要性が疑問視されなければならない。
Figure 0005498005
これらの問題点を整理してみると、リグノセルロースからのエタノール生産は、たとえ遺伝子組み替え技術や、陰イオン交換樹脂を用いた最先端のカラム分離による硫酸回収、さらにはゼオライトを用いた膜分離によるエタノール濃縮などを駆使しても、現在報告されている最高のエネルギー効率40%を上回ることはほぼ絶望的であり、革新的技術の導入なしにデンプンや糖蜜からのエタノール生産に優る技術をリグノセルロースに対して期待することはできない。
このような考えの下、本発明者らは現状のエネルギー効率40%超えを可能にするため、酢酸を含む有機酸のエステル化およびその水素化分解を柱とする新規なエタノール生産プロセスを提案する。酢酸をエステル化した後、同エステルを水素化分解してエタノールを合成するプロセスは既に提案されている(特許文献1参照)。しかし、これは以下の課題(i)(ii)を抱えている。
(i)Clostridium属細菌は、60℃前後を至適温度とし、糖などの基質から酢酸だけを生成する嫌気性のホモ型発酵菌である。しかし、それ自身が生成した酢酸への耐性は1%程度と低いことが問題である。対策として、発酵槽内を60℃で減圧条件にすることで、培養液中から酢酸を水とともに連続留去して酢酸を回収することで酢酸濃度を1%以下に保つことも可能であるが、酢酸の沸点は水よりも高い118℃であることから、本法が効率でないことは否定できない。また、アルカリ塩類添加によって酢酸を塩として分離・回収することを目指すにも、培養液中の酢酸濃度が1%程度であるため、この方法も効率的ではない。
(ii)特許文献1には石油精製工程由来の水素、水の電気分解、バイオマスの水蒸気ガス化など、公知の水素製造法が挙げられているのみである。コスト面では石油精製工程の副産物である水素が最も安価だが、化石燃料由来の水素を用いるという点では“バイオエタノール”のコンセプトには合致しない。
特表2002-537848号公報
本発明者らは、上記のような諸問題を解決することができるアルコール類の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、リグノセルロースを湿式酸化法によって、または微生物を用いて有機酸に転換し、この有機酸をエステル化し、次いでこのエステルを水素化分解することでアルコール類を製造することを特徴とするアルコール類の製造方法である。
まず、リグノセルロースを湿式酸化法によって有機酸に転換する場合について、説明する。
草本や木本植物の主要構成分であるリグノセルロースを140〜400℃の加圧熱水で加水分解処理し、ギ酸、乳酸、酢酸などの有機酸を得、これらをエステル化し、次いでこのエステルを水素化分解を経由してメタノールやエタノール等のアルコール類を製造する。
また、バイオマスを0.3M以上のアルカリ性の高温高圧水中で、例えば130〜350℃の範囲の比較的穏やかな条件で、湿式酸化反応させることによって、高い転換率(特にグルコースを対象とした場合、炭素ベースで75%)で、ギ酸に転換できる。こうしてリグノセルロースから高収率でギ酸を得ることができる。また、バイオマスの超・亜臨界水処理に過酸化水素を使用することでより選択的にギ酸が生成されることができる(特開2007−39368号公報参照)。
有機酸が酢酸である場合、従来では酢酸とエタノールを同モル比で混合してエステル化するが、酢酸とエタノールの他に硫酸等が触媒として必要である。しかし、同様に酢酸とエタノールを混合し、超臨界温度付近で処理すると、無触媒でもエステル化反応が進み、酢酸エチルが合成される。これにより、エステル化産物(酢酸エチル)と硫酸の分離工程が不用、あるいは、硫酸の回収・再利用のコストが不用となる、更には反応容器の(硫酸による)腐蝕が回避できる等の利点が生じる。
有機酸がギ酸である場合、従来法ではギ酸とメタノールを同モル比で混合してエステル化するが、ギ酸とメタノールの他に硫酸等が触媒として必要である。しかし、同様にギ酸とメタノールを混合し、超臨界温度付近で処理すると、無触媒でもエステル化反応が進みギ酸メチルが合成される。これにより、エステル化産物(ギ酸メチル)と硫酸の分離工程が不用、あるいは、硫酸の回収・再利用のコストが不用となる、更には反応容器の(硫酸による)腐蝕が回避できる等の利点が生じる。
つぎに、リグノセルロースを微生物を用いて有機酸に転換する場合について、説明する。
この場合、リグノセルロースを脱リグニン処理し、得られたホロセルロースを低温と高温の二段加圧熱水法で加水分解し、得られた5炭糖、6炭糖、それらのオリゴ糖、ウロン酸、およびリグニン由来の物質を、これらを資化できるClostridium属の嫌気性ホモ型酢酸発酵菌によって、酢酸まで転換する。ホロセルロースを単糖まで加水分解する必要がないため、加圧熱水による加水分解が有効である。
嫌気性ホモ型酢酸発酵菌によって酢酸に転換される物質は、通常は、リグノセルロースの脱リグニン処理により得られたホロセルロースを低温と高温の二段加圧熱水法で加水分解して得られた5炭糖、6炭糖、それらのオリゴ糖、ウロン酸、およびリグニン由来の物質であるが、その内の5炭糖、6炭糖、それらのオリゴ糖、ウロン酸であってもよい。
上記方法において、セルロースを基質としうる嫌気性ヘテロ型酢酸発酵菌によって、セルロースやそれを構成するオリゴ糖を6炭糖へと変換し、さらに酢酸、ギ酸、乳酸へと変換すると共に、ここにギ酸および/または乳酸を酢酸に変換しうる嫌気性ホモ型酢酸発酵菌を共生させることによって、より高効率でセルロースを酢酸へと変換しうるようにすることも好ましい。
加圧熱水法で加水分解される物質は、通常は、リグノセルロースを脱リグニン処理して得られたホロセルロースであるが、脱リグニン処理を施してないリグノセルロースであってもよい。
より詳しくは、リグノセルロースを予め過酢酸や酢酸などの有機酸により脱リグニン処理し、次いで残ったホロセルロース(セルロース+へミセルロース)を加圧熱水法で加水分解し、単糖(6炭糖および5炭糖)やそれらのオリゴ糖(セロオリゴ糖、キシロオリゴ糖など)およびウロン酸等を含む加水分解物を得て、更にはこれらを資化できるClostridium属の嫌気性ホモ型酢酸発酵菌によって、加水分解物を酢酸発酵させることによって、酢酸まで転換する。
過酢酸は有機酸であるため、硫酸のようにリグニンの重縮合化つまり巨大分子化を招く度合いは低く、比較的低分子化された状態でリグニンを分離・回収できる。これにより、リグニンを熱源としてサーマルリサイクルするのではなく、より付加価値の高いポリマー原料等として有効利用することが可能となる。また、脱リグニン工程で使用し、ホロセルロース側に残留した過酢酸や酢酸は、そのまま次の加圧熱水工程において触媒として働き、ホロセルロースの加水分解効率を大幅に向上させるだけでなく、その後の発酵工程で得られる酢酸とともに、エタノールへと変換される。
次に、本発明を脱リグニン処理無しと有りの場合についてより詳しく説明する。
稲藁やバガスあるいは針葉樹を主とする建築廃材を5mm粒径程度まで粉砕した後、水を加えて1〜5%のリグノセルローススラリーとする。このリグノセルロースに脱リグニン処理を施さず加圧熱水処理を施した場合、リグニンの一部はフェニルプロパン(C3-C6)構成単位にまで加水分解され、その残基のプロピル側鎖からは酢酸などの有機酸が生成できる。これを分離・回収すれば酢酸などの有機酸収率の向上が期待できる。
リグノセルロースに脱リグニン処理を施し、残ったホロセルロースを糖に転換する工程では、まず過酢酸をリグノセルローススラリー中、1〜5%の濃度になるよう添加して90℃下で30〜60分間、リグノセルロースを蒸解する。これにより、低分子化されにくいグアイアシル型リグニンから構成される針葉樹リグニンが殆ど除去される(広葉樹リグニンの場合、脱リグニンは針葉樹に比べて容易で、同濃度の過酢酸なら90℃下で15〜20分間程度の蒸解で除去可能)。一方、酢酸を用いる場合、90%濃度の酢酸中、180℃で3〜4時間、蒸解を行うことで脱リグニン率90%以上となる(出典:木材成分総合利用研究成果集、1990年)。このような方法で低分子化されて溶解したリグニンは黒液として固形分(ホロセルロース)と分離され、水分を除いた後、ポリマー原料等として活用できる。また、リグノセルロースを脱リグニン処理し、得られたリグニンをフェニルプロパン(C3-C6)構成単位に加水分解し、その残基のプロピル側鎖から直接、酢酸などの有機酸を生成することも可能である。なお、ここでホロセルロースとは、セルロースと残存ヘミセルロースからなる炭水化物を意味しており、本来のホロセルロースの定義におけるリグノセルロース中に含まれるすべてのヘミセルロースを必ずしも意味していない。
こうしてリグニンと分離したホロセルロースに連続通水式で140〜230℃の前段加圧熱水を通水するとへミセルロース構成糖が、次いで230℃〜300℃の後段加圧熱水を通水するとセルロース構成糖が分離回収できる。また、バッチ式処理の場合、脱リグニン工程で使用し、ホロセルロース側に残留した過酢酸はそのままこの加圧熱水処理において触媒として働き、より低い温度と処理時間での加水分解が可能となるのみならずグルコース収率の向上が可能となる(バッチ式処理時には特に効果的)。具体的な効果は、表1に示す通りである。
Figure 0005498005
なお、予め有機酸で脱リグニンする目的は、前述した通り、リグニンを重縮合させないことでポリマー原料等、高付加価値化を図ることのほか、もしもリグニン由来の分解物が後の微生物による酢酸発酵を阻害する場合、その阻害因子を事前に取り除く点にある。
過酢酸や酢酸で脱リグニンしたホロセルロースを加圧熱水により加水分解処理する工程を伴う本発明は、特に木質系バイオマスからのエタノール製造に特化し、かつ実用面を重視したものである。従来の酵母発酵(C6糖⇒エタノール)とは異なる間接バイオエタノールプロセス(広範糖類およびリグニンの一部⇒酢酸⇒エタノール)の効果を最大限に引き出すため、単糖が得られる酵素糖化法ではなく、加圧熱水による加水分解、その後に続く断片化反応により、ギ酸、乳酸、酢酸等の有機酸を、あるいは単糖を含むオリゴ糖やウロン酸を得ることを想定している。また、加水分解温度さらには断片化反応温度の低減、その後の有効活用を視野に入れ、過酢酸および酢酸を触媒として使用することも大きな特徴である。
ホロセルロースをバッチ式で加圧熱水処理する場合、特開2005-40025号公報に記載のキノン類化合物、特にp-ベンゾキノンを反応系に添加することで、オリゴ糖類の還元末端やグルコースの分解断片化などの副反応(2次分解)を有効に抑えてホロセルロースの加水分解をさらに促進し、グルコースなどの糖類の収率を著しく高めることができる。キノン化合物の添加量は、全反応系に対して0.05〜1wt%の範囲が最も好ましい。
基本的に、特許文献1等に記載の6炭糖や5炭糖の単糖を起点とするホモ型酢酸発酵細菌Clostridium thermoaceticum、あるいは乳酸を起点とするホモ型乳酸発酵細菌のClostridium formicoaceticumの培養法およびその代謝経路(下記反応式(VII)、(VIII)、(IX)参照)を使用する。Clostridium属細菌は広範な糖類を資化する能力を備えており、6炭糖および5炭糖のオリゴ糖(セロオリゴ糖、キシロオリゴ糖など)、あるいはウロン酸をも酢酸に転換し得る。従って従来の酵母などによるエタノール発酵に比べ、格段に多くの糖基質が遺伝子組み替え技術を駆使することなく、酢酸へと転換され得ることになる。前工程の加圧熱水処理でホロセルロースを単糖ではなく、オリゴ糖まで加水分解すれば十分、あるいは単糖と混在していても問題なく、ひいてはホロセルロースを高価な酵素(セルラーゼ)を使用して全て単糖にまで糖化する必要もない。
Figure 0005498005
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エステル化および水素化分解工程 特表2002−537848号公報等に記載の公知の方法に順ずる(下記反応式(X)、(XI)、(XII)、(XIII)参照)。なお、(X)および(XII)のエステル化工程は、後述する実施例3の通り、超臨界水を用いることで無触媒で行うことも可能である。
Figure 0005498005
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リグノセルロースを加圧熱水処理する前にこれを過酢酸等の有機酸で脱リグニン処理することで、リグニンを重縮合させず低分子化した状態で回収でき、高分子ポリマー原料等として用いて高付加価値化を図ることができる上に、リグニン由来の分解物が後の微生物による酢酸発酵を阻害する場合、その阻害因子を事前に取り除くことができる。
リグノセルロースを脱リグニン処理することで、リグノセルロースからホロセルロース(セルロース+へミセルロース)だけを回収することができ、これを加圧熱水処理すればリグニン由来の熱分解物が混入しない糖液が得られる。
リグノセルロースを脱リグニン処理することで、ホロセルロースを包埋するリグニンが存在しないので、加圧熱水による加水分解効率が向上する。
ホロセルロース側に残留した過酢酸等の有機酸は、加圧熱水処理において触媒として働き、ホロセルロースの加水分解効率を向上させることができる。
ホロセルロースを加圧熱水法で加水分解する際、キノン化合物を添加することにより、ホロセルロースの加水分解を促進され、かつ糖類の熱分解を抑制して糖収率を向上することができる。
つぎに、本発明を具体的に説明するために、本発明の実施例を挙げる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
加圧熱水によるリグノセルロースの加水分解
広葉樹のブナを粉砕した木粉(18メッシュ通過)をエタノール:ベンゼン(1:2)混合液で処理し、105 °Cオーブンで24時間、乾燥した後に使用した。ヘミセルロース、セルロースをそれぞれ選択的、効率的に加水分解するそれぞれの処理条件を検討するため、図1に示す半流通型の2段階加圧熱水処理装置を用いて、ブナ木粉(1.0 g)を種々の処理温度(170、190、210、230、250、270、290℃)で1段階加圧熱水処理(10 ml / 分)を15分間行った。圧力は10 MPa(一定)に設定した。この装置では、2つの予熱ヒーター(Heater-1および2)により別々に加熱された加圧熱水を、バルブの切り替えによって順次反応管に送り込むことが可能で、これによりブナ木粉(1.0 g)を異なる温度条件での連続的な2段階の加圧熱水処理(10 ml / 分)を効率的に行え、冷却管を用いて反応を停止する。外部冷却であるため可溶化物が希釈されず、比較的高濃度で生成物(糖類)を回収することができる。
図2に各処理温度における(A)キシロオリゴ糖およびキシロース、(B)セロオリゴ糖およびグルコース、(C)フルフラールおよび(D)5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-HMF)の生成量を示す。ブナ木粉の主要ヘミセルロース成分であるキシラン由来のキシロオリゴ糖およびキシロースは230℃で、セルロース由来のセロオリゴ糖およびグルコースは270℃で最高収量を得た。また、ヘミセルロース由来の五炭糖の過分解物と考えられるフルフラールは、230℃を超えると生成量が急激に増加し、セルロース由来の六炭糖の過分解物と考えられる5-HMFの生成量は250℃を超えると増加した。
上記の結果に基づいて、最も収率よくキシロオリゴ糖やセロオリゴ糖が得られ、かつ過分解物であるフルフラールや5-HMFを最小限とする処理条件として [10 ml / 分の流速にて、230℃/10MPa(15分)、270℃/10MPa(15分)]を設定した。この条件でブナ木粉スラリーを2段階加圧熱水処理し、得られた分解生成物を1段目処理と2段目処理で得られた成分に分けた。さらに、ヘミセルロース由来およびセルロース由来の糖類、糖類の過分解物を木粉ベースの重量%で表した結果を表2に示す。
Figure 0005498005
ブナ木粉の主要ヘミセルロース成分であるグルクロノキシランの構成糖はキシロース(2)とグルクロン酸(3)であり、本処理で得られたキシロオリゴ糖(1)、キシロース(2)およびグルクロン酸(3)の全収量は木粉ベースで約15%、グルクロノキシランベースで約59%だった。また、そのうちの99%が1段目処理から得られた。一方、セルロース由来と考えられるセロオリゴ糖(8)およびグルコース(9)、さらにグルコースの異性体であるフルクトース(10)、脱水化物であるレボグルコサン(11)は、木粉ベースで34%、セルロースベースで71%得られ、そのうちの86%が2段目処理から得られた。
さらに図3には、ブナ木粉の主要ヘミセルロース成分であるグルクロノキシラン由来のキシロオリゴ糖(1)、キシロース(2)、グルクロン酸(3)および酢酸(18)と、セルロース由来のセロオリゴ糖(8)、グルコース(9)、さらにグルコースの異性体であるフルクトース(10)、脱水化物であるレボグルコサン(11)の生成量と処理条件との関係を示す。この結果も、230℃(1段目処理)がヘミセルロースの選択的な加水分解領域、270℃(2段目処理)がセルロースの選択的な加水分解領域であることを明確に示している。
なお、本実施例では木粉ベースで27%存在するリグニン由来物質についての分析は実施しなかったが、31% の未同定物質があり、14%の糖の過分解物も認められた。加水分解処理後の残渣をクラーソンリグニン法で定量した結果、ほぼ100%がリグニンであり、これは木粉ベースで約2.8%、リグニンベースで10%程度。つまり、多糖類であるセルロースとヘミセルロースは100%、芳香族化合物であるリグニンも約90%が本実施例の加圧熱水によって可溶化していると考えられる。本特許では、リグノセルロースを単糖にまで加水分解する必要はなく、オリゴ糖も、次工程の酢酸発酵(実施例2)の基質となることが期待される。
[実施例2−1]
広範な糖類を対象とした酢酸発酵1
以下に示す溶液1、2、3を調製し、オートクレーブで40分間120℃で殺菌、脱気した後、100ml容量のシリンジバイアルに溶液1〜3をそれぞれ10、25、15mlずつ充填して混合し(合計50ml)、これにClostridium thermoaceticum(ATCC39073株)を接種して、60℃のCO2雰囲気下で3日間培養し、前培養液とした。
次いで溶液4を調製し、同様に殺菌、脱気した後、100ml容量のシリンジバイアルに溶液4を5ml、溶液2を25ml、溶液3を15ml、そして前述の前培養液を5ml充填して合計50mlとし、60℃の CO2雰囲気下で酢酸発酵させた。
溶液1:グルコース10 g、蒸留水100 ml
溶液2:酵母エキス5 g、システイン塩酸塩1水和物0.25 g、硫酸アンモニウム1 g、硫酸マグネシウム7水和物0.25 g、硫酸第一鉄アンモニウム6水和物0.04 g、塩化ニッケル6水和物0.24mg、硫酸亜鉛7水和物0.29mg、亜セレン酸ナトリウム 0.017mg、レサズリン(1%溶液)0.1 ml、蒸留水300 ml
溶液3:水酸化ナトリウム0.415 g、炭酸水素ナトリウム5 g、リン酸二カリウム4.4 g、リン酸二水素カリウム7.5 g、蒸留水150 ml
溶液4:各種糖類10 g、蒸留水100 ml(各種糖類はグルコース、キシロース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、フルクトースおよびグルクロン酸)
各試験区から12時間毎に少量の培養液を採取し、各種糖類およびそれら由来の酢酸濃度の推移をHPLCにより分析した結果を図4−1に示す(60時間後まで計測)。いずれの糖も発酵時間の経過とともに減少し、それに伴い酢酸が生成した。マンノース、ガラクトース、アラビノース、グルクロン酸の酢酸発酵は、グルコース、キシロース、フルクトースのそれと比較して、発酵時間が長くなっているが、発酵が進むにつれて糖類が減少し、酢酸が生成している。酢酸発酵時間に差異はあるものの、リグノセルロースから得られると予想される各種単糖類はいずれもC.thermoaceticumによる酢酸発酵の基質となり得ることがこのバッチ式酢酸発酵試験によってわかった。特に、グルコース、キシロース、フルクトースは、いずれも10 g/lの糖から約8 g/lの酢酸が生成しており、変換効率は約80 %と良好であった。また、この酢酸発酵系では水素ガスが発生することも確認しており、生成した水素は次行程(水素化分解)での反応にも利用することが可能である。
[実施例2−2]
広範な糖類を対象とした酢酸発酵2
以下に示す溶液1、2、3を調製し、オートクレーブで40分間120℃で殺菌、脱気した後、100ml容量のシリンジバイアルに溶液1〜3をそれぞれ10、25、15mlずつ充填して混合し(合計50ml)、これにClostridium thermocellum(ATCC27405株)を接種して、60℃のCO2雰囲気下で3日間培養し、前培養液とした。
次いで溶液4を調製し、同様に殺菌、脱気した後、100ml容量のシリンジバイアルに溶液4を5ml、溶液2を25ml、溶液3を15ml、そして前述の前培養液を5ml充填して合計50mlとし、60℃の CO2雰囲気下で酢酸発酵させた。
溶液1:セロビオース5g、蒸留水200 ml
溶液2:酵母エキス4.5 g、グルタチオン0.25 g、硫酸アンモニウム1.3 g、硫酸マグネシウム6水和物0.13 g、硫酸第一鉄7水和物0.0011 g、塩化カルシウム2水和物0.13 g、レサズリン0.001 g、蒸留水500 ml
溶液3:リン酸二水素カリウム1.43 g、リン酸二カリウム3水和物7.2 g、グリセロリン酸ナトリウム6 g、蒸留水300 ml
溶液4:セルロース、セロヘキサオースまたはセロビオース5 g、蒸留水50 ml
各試験区から12時間毎に少量の培養液を採取し、酢酸濃度の推移をHPLCにより分析した結果を図4−2に示す(120時間後まで計測)。多糖であるセルロース、オリゴ糖であるセロヘキサオースおよびセロビオースのいずれの糖を用いた場合でも発酵時間の経過とともに酢酸が生成した。酢酸発酵時間に差異はあるものの、リグノセルロースから得られると予想される代表的な多糖、オリゴ糖であるセルロースおよびセロオリゴ糖はいずれもC.thermocellumによる酢酸発酵の基質となり得ることがこのバッチ式酢酸発酵試験によってわかった。このことは、実施例1に記載の加圧熱水処理において、リグノセルロースを単糖にまで加水分解する必要はないことを示している。
[実施例2−3]
ギ酸および乳酸の酢酸発酵
実施例2に記載の方法において、溶液4の各種糖類10 gをギ酸または乳酸1gとしてギ酸と乳酸に対する酢酸発酵を行った。
各試験区から少量の培養液を採取し、ギ酸、乳酸および酢酸濃度の推移をHPLCにより分析した結果を図4−3に示す(120時間後まで計測)。(a)はギ酸での結果を示しているが、発酵により乳酸と酢酸が生成することが分かる。しかし、酢酸は発酵時間の経過とともに増加しているが、乳酸は発酵が進むにつれて減少する傾向が見られた。(b)は乳酸での結果を示しているが、乳酸が酢酸に変換されていることが分かる。これらの結果から、実施例2−2で述べた、C.thermocellumによる酢酸発酵で副生するギ酸および乳酸は、C.thermoaceticumを併用すれば全て酢酸へと変換されうると考えられる。
[実施例2−4]
C. thermoaceticum、C.thermocellum混合系での酢酸発酵
実施例2に記載の方法により、C. thermoaceticumの前培養液(以下、培養液1と呼ぶ)を調製した。実施例2−2に記載の方法によりC.thermocellumの前培養液(以下、培養液2と呼ぶ)を調製した。
次いで溶液5を調製し、殺菌、脱気した100ml容量のシリンジバイアルに溶液5を5ml、実施例2に記載の溶液2を25ml、溶液3を15ml、そして前述の前培養液1を2.5ml、前培養液2を2.5ml充填して合計50mlとし、60℃の N2雰囲気下で酢酸発酵させた。
溶液5:セルロース10 g、蒸留水100 ml
各試験区から少量の培養液を採取し、酢酸濃度の推移をHPLCにより分析した結果を図4−4に示す(120時間後まで計測)。発酵時間の経過とともに酢酸が生成していた。また、副生成物である乳酸は発酵時間の経過とともに完全に消費されていた。この混合発酵系の酢酸変換経路は図4−5のように理解しうる。セルロースを基質としうるC.thermocellumが、セルロースをグルコースへと変換しさらに酢酸、ギ酸、乳酸、エタノールおよび少量の水素、二酸化炭素へと変換していくが(実施例2−2)、共存するC.thermoaceticumが生成したグルコース、ギ酸、乳酸を酢酸へと変換するため(実施例2および2−3)、高効率でセルロースを酢酸へと変換し得たものと考えられる。C. thermoaceticum、C.thermocellum混合発酵系は、広範な糖類を酢酸へと変換しうる優れた発酵系であるといえる。
[実施例3]
無触媒による酢酸のエステル化
インコネル製5mlバッチ型反応管にモル比1:1でエタノールと酢酸を入れて反応管を密閉した後、スズ浴槽にて270℃、20分の処理を行った。得られた処理物をHPLC分析したところ酢酸エチルが生成していることを確認した。なお、反応系は触媒を何も加えていない無触媒系であり、これにより超臨界エタノールによるエステル化反応が確認された。HPLC分析の結果を図5のHPLCクロマトグラムに示す(HPLCクロマトグラムの処理条件:270℃/20分/モル比1:1、カラム:Ultron PS-80P、移動相:水1ml/min、検出器:RID)。
[実施例4]
酢酸エチルの接触水素添加によるエタノールへの変換
銅−亜鉛系触媒(Cu/Zn = 48/44、w/w、30〜100メッシュ、1.7 g)をインコネル製反応管に詰め、N2 (60ml/min)/ 250℃/ 0.1 MPa/ 2時間の条件でか焼した後に、雰囲気をH2 (30ml/min) + N2 (30ml/min)、H2 (60ml/min)に変化させてそれぞれ2時間加熱処理を行い、触媒を活性化した。そこに、酢酸エチル (0.01〜0.11 ml/min, 酢酸エチル/ H2 = 1:4) を送液ポンプで導入することで酢酸エチルの接触水素添加を行った。凝集・回収した液体生成物について、GCを用いてエタノールおよび酢酸エチルの定量分析を行った[GCの条件:カラム:Shimadzu CBP-5 (25m x 0.25mmΦ)、キャリアガス:He (1.5 ml/min)、カラム温度:40℃ (0-12min), 40→150℃ (12-15min)、インジェクタ温度:250℃]。図6に示すように反応の選択性は非常に高く、回収液体中に酢酸エチルとエタノール以外の成分はほとんど検出されなかった。反応温度、圧力とエタノール収量との関係を図7に示すが、反応圧が上昇する程、エタノールへの変換効率は向上し、反応温度は250℃が適当であることがわかった。なお、250℃/ 2 MPaの条件でのエタノールへの変換効率は80%以上であり、同様の条件下で30メッシュ以下の触媒を用いた場合の変換効率は99.7%であった。
[実施例5]
酢酸からのワンポット接触水素添加によるエタノール製造
実施例3では、酢酸とエタノールを高温、高圧に保つことで、無触媒で酢酸エチルが生成することが示された。実施例4の酢酸エチルの接触水素添加の条件が高温、高圧条件であることから、酢酸のエステル化と接触水素添加をワンポットで連続的に行うことが可能である。このような背景から、図8に示す装置を考案した。すなわち、まず、酢酸とエタノールを高温・高圧に保つことでエステル化を進行させ、次いで、その後流側で触媒層[銅−亜鉛系触媒(Cu/Zn = 48/44、w/w、1.7 g)を通過させる。このような系で実験した結果、エタノールへの変換が進行することが確認された。
半流通型の2段階加圧熱水処理装置の模式図 半流通型装置を用いた、1段階での加圧熱水処理における各温度での(A)キシロースおよびキシロオリゴ糖、(B)グルコースおよびセロオリゴ糖、(C)フルフラール、(D)5-HMFの収量変化(木粉ベースの重量%) 2段階加圧熱水処理(圧力:10 MPa)の温度条件と分解生成物(グルクロノキシランおよびセルロース由来の糖類)収量(木粉ベースの重量%) 各糖のClostridium thermoaceticumを用いた酢酸発酵での糖と酢酸の濃度変化 多糖、オリゴ糖のClostridium thermocellumを用いた酢酸発酵での各種有機酸の濃度変化 ギ酸および乳酸のC. thermoaceticumを用いた酢酸発酵での各種有機酸の濃度変化 C. thermoaceticum、C.thermocellum混合系によるセルロースの酢酸発酵での各種有機酸の濃度変化 C.thermoaceticum、C.thermocellum混合発酵系における酢酸変換経路 エステル化反応を示すHPLCクロマトグラム 接触水素添加処理後のGC分析結果の一例(250℃/ 2MPa) 酢酸エチルの接触水素添加における反応温度、圧力の影響 酢酸からのワンポット接触水素添加装置の概要

Claims (6)

  1. 加圧熱水処理によりリグノセルロースを加水分解する工程と、
    前記加水分解する工程で生成したリグノセルロースの分解生成物を酢酸に転換する工程と、
    前記酢酸をエステル化して酢酸エチルを得る工程と、
    前記酢酸エチルを水素化分解してエタノールを得る工程と、
    を有し、
    前記リグノセルロースの分解生成物を酢酸に転換する工程は、Clostridium thermocellumとClostridium thermoaceticumとを共存させて、前記Clostridium thermocellumによって前記リグノセルロースの分解生成物に含まれるオリゴ糖を分解すると共に、前記Clostridium thermoaceticumによって前記オリゴ糖の分解物及び前記リグノセルロースの分解生成物のうち前記オリゴ糖以外のものを酢酸に転換す
    アルコール類の製造方法。
  2. 前記リグノセルロースの分解生成物は、ヘミセルロース由来の糖類、セルロース由来の糖類、これらの過分解物、有機酸及びリグニン由来の分解物を含む
    請求項1記載のアルコール類の製造方法。
  3. 前記加水分解する工程は、加圧熱水処理を、140〜230℃の加圧熱水によりヘミセルロースを分解する前段処理と、230〜300℃の範囲でかつ前記前段処理よりも高温の加圧熱水によりセルロースを分解する後段処理の2段階で行う
    請求項1又は2に記載のアルコール類の製造方法。
  4. 前記加圧熱水処理の前に、前記リグノセルロースからリグニンを除去する脱リグニン処理を行う
    請求項1〜のいずれか1項に記載のアルコール類の製造方法。
  5. 過酢酸又は酢酸を用いて脱リグニン処理する
    請求項4に記載のアルコール類の製造方法。
  6. 前記加水分解する工程においてキノン化合物を添加する
    請求項4に記載のアルコール類の製造方法。
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