JP5491795B2 - 製鉄原料用塊状成形体の製造方法および鉄鉱石含有コークス - Google Patents

製鉄原料用塊状成形体の製造方法および鉄鉱石含有コークス Download PDF

Info

Publication number
JP5491795B2
JP5491795B2 JP2009180045A JP2009180045A JP5491795B2 JP 5491795 B2 JP5491795 B2 JP 5491795B2 JP 2009180045 A JP2009180045 A JP 2009180045A JP 2009180045 A JP2009180045 A JP 2009180045A JP 5491795 B2 JP5491795 B2 JP 5491795B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coal
iron ore
iron
molded body
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009180045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011032369A (ja
Inventor
眞基 濱口
聡則 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2009180045A priority Critical patent/JP5491795B2/ja
Publication of JP2011032369A publication Critical patent/JP2011032369A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5491795B2 publication Critical patent/JP5491795B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coke Industry (AREA)

Description

本発明は、石炭と鉄鉱石を内装した製鉄原料用塊状成形体を製造する方法、およびこうした塊状成形体を乾留することによって得られる鉄鉱石含有コークスに関するものである。
コークスは、通常、原料炭(石炭)を1000℃前後に加熱乾留して製造される。このコークスは、高炉内に、コークス層と鉄鉱石層が層状に重なるように装入され、羽口から高温の空気を吹き込んでコークスを燃焼させ、このとき発生した還元性ガスで鉄鉱石中の酸化鉄を還元することで銑鉄が製造できる。
近年では、鉄鉱石を内装した鉄鉱石含有コークス(フェロコークスと呼ぶことがある)を、鉄鉱石層に配合して銑鉄を製造することが研究されている。鉄鉱石層に鉄鉱石含有コークスを配合することで、鉄鉱石含有コークスが燃焼して発生する還元性ガスによって鉄鉱石層中の酸化鉄の還元が促進されると共に、鉄鉱石含有コークス中の鉄成分の触媒作用により、銑鉄の生産効率が向上すると考えられている。
このような鉄鉱石含有コークスを、従来からある室炉式コークス炉を用いて、粉状石炭と粉状鉄鉱石とを混合して装入し、この混合物を乾留することによって製造すると、乾留中に、コークス炉炭化室の壁部を構成する煉瓦と粉状鉄鉱石が接触する部分で、鉄鉱石中のFeOと煉瓦中のSiO2とが反応して2FeO・SiO2を生成し、煉瓦を損傷するという問題がある。
こうしたことから、粉状石炭と粉状鉄鉱石とを予めブリケット状に加圧成形した成形体を縦型のシャフト炉の頂部から挿入し、下部から連続的に抜き出すという連続式のシャフト炉式のコークス炉(以下、単に「シャフト炉」と呼ぶ)が提案されるようになっている(例えば、特許文献1)。
上記のようなシャフト炉では、ケイ石煉瓦を用いないので、煉瓦損傷の問題も少なくなるとされている。しかし、鉄鉱石含有コークスは、コークスの原料となる石炭と、鉄鉱石とを混合したものを成形した後に乾留して製造されるが、石炭と鉄鉱石の密着力は弱く、成形体を形成できなかったり、成形体を形成できたとしても強度が低く、取扱い性が悪いという問題があった。この点に関しては、シャフト炉により、ブリケット状の加圧成形した成形体を用いても、根本的に改善することは困難であった。
また、上記のような成形体を用いて鉄鉱石含有コークスを製造する際に、シャフト炉で乾留する段階で、大きな荷重がかかると石炭成分は軟化する可能性が高いため、安定した操業が実現できないという問題があった。
原料炭(石炭)と鉄鉱石の混合物を成形して形成した成形体の強度を向上させる技術として、特許文献2〜5等の技術が提案されている。これらの技術では、石炭と鉄鉱石とバインダーを含む原料を塊状成形体に成形し、この塊状成形体を乾留してフェロコークスを製造しており、特定のバインダーを配合することで、塊状成形体の強度を向上させている。
特開昭64−81889号公報 特開2007−277489号公報 特開2008−56777号公報 特開2008−56778号公報 特開2008−10112号公報
これまでの技術では、塊状成形体を成形する際に、石炭と鉄鉱石とを混合し、これをバインダーの存在下に成形体を成形するものであるが、こうした方法では、塊状成形体の表面部分に鉄鉱石が部分的に露出した状態となっている。こうした状態の塊状成形体では、室炉式コークス炉の壁部を構成する煉瓦の損傷が進むという問題がある。また、シャフト炉を用いた場合には、少しの変形でも詰まってしまい、生産性が悪いという問題がある。
また、このような塊状成形体を乾留して得られるフェロコークスでは、鉄鉱石とコークスの脆弱な界面が成形体全体に広く分布しており、それらの個々が構造欠陥となるため、高い強度を得ることができないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、石炭と鉄鉱石を混合して塊状成形体を製造するに際し、コークス炉の壁部を構成する煉瓦の損傷を極力抑制することができる塊状成形体(製鉄原料用塊状成形体)を製造する方法と、乾留後において高強度が実現できるフェロコークス(鉄鉱石含有コークス)を提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明に係る製鉄原料用塊状成形体の製造方法とは、
石炭と鉄鉱石を内装した製鉄原料用塊状成形体を製造するに当り、
石炭と鉄鉱石を、バインダーの存在下で成形する第1の成形工程と、
上記第1の成形工程によって得られた成形物と、石炭とを含む混合物を、更にバインダーの存在下で成形する第2の成形工程とを含んで操業する点に要旨を有するものである。
上記本発明方法において、前記第1の成形工程および/または第2の成形工程で用いるバインダーとしては、石炭の溶剤抽出物であるものが好ましいものとして挙げられる。また、上記第1の成形工程によって得られた成形体は、その大きさを整えるために粗粉砕しても良い。
一方、上記目的を達成することのできた鉄鉱石含有コークスとは、石炭と鉄鉱石を内装した製鉄原料用塊状成形体を乾留し、石炭をコークス化することによって得られるものであり、石炭由来成分を主成分とするベース領域に、石炭由来成分と鉄鉱石由来成分が密となった核心領域が分散した二重構造のものである点に要旨を有する。
本発明によれば、石炭と鉄鉱石を内装した製鉄原料用塊状成形体を製造するに当り、石炭と鉄鉱石をバインダーの存在下で成形する第1の成形工程と、上記第1の成形工程によって得られた成形物と、石炭とを含む混合物を、更にバインダーの存在下で成形する第2の成形工程の2段階で成形を行なうようにしたので、得られる成形体はその表面に鉄鉱石が露出した部分が殆どなくなり、コークス炉の炉壁を構成する煉瓦の損傷を極力抑制することができる。また、上記のような塊状成形体を乾留すれば、鉄鉱石含有コークスが製造されるが、この鉄鉱石含有コークスでは、石炭由来成分を主成分とするベース領域に、石炭由来成分と鉄鉱石由来成分が密となった核心領域が分散した二重構造のものとなっているので、高い強度を確保できる。
本発明の鉄鉱石含有コークスの断面構造を模式的に示した説明図である。
本発明者らは、鉄鉱石と石炭の混合物を成形して形成した成形体によるコークス炉壁部煉瓦損傷を抑制するという観点から、様々な角度から検討を重ねた。その結果、石炭と鉄鉱石を、バインダーの存在下で成形した後、この成形工程によって得られた成形物と、更に石炭とを混合した混合物を、更にバインダーの存在下で成形すれば、得られる成形体はその表面に鉄鉱石が露出した部分が殆どなくなるので、コークス炉の炉壁を構成する煉瓦の損傷を極力抑制することができることを見出し、本発明を完成した。
従来では、塊状成形体を成形する際に、石炭と鉄鉱石とを混合し、これをバインダーの存在下に成形体に成形するのが通常である。しかしながら、こうして得られる塊状成形体では、その表面部分に鉄鉱石が部分的に露出した状態となっている。
これに対し、本発明方法で得られる塊状成形体では、2段階の成形工程によって成形するようにしたので、得られる成形体はその表面に鉄鉱石が露出した部分が殆どなく、コークス炉の炉壁を構成する煉瓦の損傷を極力抑制することができるものとなる。またその結果として、室炉式コークス炉を適用することも可能となる。
従来の方法で得られた成形体では、鉄鉱石と石炭の親和性が悪いことに起因してその界面に脆弱な部分が残った状態のままで成形されることになる。その結果、乾留後に得られる鉄鉱石含有コークスでは、脆弱な部分(界面)がそのまま残り高い強度が得られなくなる。
これに対し、本発明方法で得られる塊状成形体では、乾留後に得られる鉄鉱石含有コークスは、石炭由来成分を主成分とするベース領域に、石炭由来成分と鉄鉱石由来成分が密となった核心領域が分散した二重構造のものとなるので、高い強度を確保できるものとなっている。即ち、本発明によって得られる塊状成形体を乾留することによって製造される鉄鉱石含有コークスでは、石炭由来成分(主にコークス)と鉄鉱石由来成分(酸化鉄が一部還元された部分)の混合相に含まれる脆弱な部分を、石炭由来成分を主成分とするベース領域が包み込むような形態となるので、高い強度を確保できるものとなるのである。
本発明によって得られる塊状成形体を乾留することによって製造される鉄鉱石含有コークスの断面構造を、模式的に図1に示す。図中1は、鉄鉱石含有コークス、2は混合相(核心領域)、3はベース領域を夫々示している。特に、ベース領域3のうち、外周部分を構成する領域(外縁領域)は、塊状成形体の構成が反映して、鉄鉱石の存在が少ないものとなっている。
以下、本発明の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、成形工程を2段階で行なうことを特徴とするものであるが、このとき用いるバインダーは本発明の塊状成形体の特性を左右する重要な役目を発揮する。上記成形工程(第1の成形工程および/または第2の成形工程)で用いるバインダーとしては、石油ピッチや熱可塑性樹脂等、これまで提案されているものも使用できるが、石炭の溶剤抽出物を用いることが好ましい。
上記のような塊状成形体を製造する際には、原料混合物(石炭、鉄鉱石およびバインダー)は、必要によって加熱(100〜400℃程度)されることになる。強度の高い成形体を得るために、用いるバインダーには、上記加熱時に適度な軟化流動性を有していることが要求される。石炭を溶剤抽出処理して得られる溶剤抽出物(石炭溶剤抽出物)は、石炭との親和性が良好であるので、溶剤抽出物をバインダーとして使用すれば石炭の種類(石炭の種類の違いによる軟化流動性の違い)に影響されることなく軟化流動性を改善することができるものとなる。この石炭溶剤抽出物は、下記に示す工程から得ることができる。
[溶剤で石炭から可溶成分を抽出する抽出工程]
この抽出工程では、石炭から溶剤に可溶な可溶成分を抽出する。この可溶成分は、無灰炭(ハイパーコール;HPC)と呼ばれており、石炭中に含まれる無機物(灰分)は殆ど含まず、有機物のみからなっている。但し、灰分は全くゼロである必要はなく、品質に遜色ない範囲で数%までの灰分を含むことを許容するものである。
可溶成分の抽出に用いる溶剤としては、極性溶剤や芳香族溶剤を使用できる。極性溶剤としては、例えば、N-メチルピロリドンやピリジン等が用いられる。芳香族溶剤としては、一般的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の1環芳香族化合物や、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、トリメチルナフタレン、テトラヒドロナフタレン(テトラリン;登録商標)等の2環芳香族化合物、アントラセン等の3環以上の芳香族化合物等が用いられる。また、2環芳香族化合物には、その他脂肪族側鎖をもつナフタレン類、また、これにビフェニルや長鎖脂肪族側鎖をもつアルキルベンゼンが含まれる。
上記極性溶剤や芳香族溶剤のなかでも、水素非供与性の溶剤を用いることができる。水素非供与性溶剤としては、主に石炭の乾留生成物から精製した2環芳香族化合物を主とする石炭誘導体を挙げることができる。この水素非供与性溶剤は、加熱状態でも安定であり、石炭との親和性に優れているため、溶剤に抽出される可溶成分の割合が高く、また、蒸留等の方法で容易に回収可能な溶剤である。回収した溶剤は、経済性の向上を図るため、循環使用できる。
水素非供与性溶剤としては、例えば、ナフタレン、メチルナフタレン、タール軽油などが挙げられ、これらから選択される1種を主成分とする溶剤や、2種以上を含む溶剤を用いることができる。
可溶成分の抽出に用いる溶剤は、沸点が180〜330℃(特に、200〜250℃)のものが好ましい。沸点が低過ぎると、抽出工程での可溶成分の抽出率が低下する。また、抽出工程や、後述する固液分離工程での必要圧力が高くなる。更に、溶剤を回収するときに揮発による損失が大きくなり、溶剤の回収率が低下する。一方、沸点が高過ぎると、後述する固液分離工程で分離される抽出液からの溶剤の除去や、未溶解石炭からの溶剤の除去が困難となり、溶剤の回収率が低下する。
可溶成分の抽出に用いる石炭の種類は特に限定されないが、劣質炭を用いることが好ましい。安価な石炭を使用することにより、可溶成分を安価に製造できるため、経済性の向上を図ることができる。もちろん劣質炭に限定されず、瀝青炭等の高品位炭を使用しても良い。劣質炭とは、軟化溶融性をほとんど持たない非微粘炭や、一般炭、低品位炭等の石炭をいう。また、低品位炭とは、通常20質量%以上の水分を含有し、脱水することが望まれる石炭のことである。このような低品位炭には、例えば、褐炭、亜炭、亜瀝青炭がある。褐炭には、例えば、ビクトリア炭、ノースダゴタ炭、ベルガ炭等があり、亜瀝青炭には、例えば、西バンゴ炭、ビヌンガン炭、サマランガウ炭等がある。低品位炭は上記例示のものに限定されず、多量の水分を含有し、脱水することが望まれる石炭は、いずれも本発明のいう低品位炭に含まれる。
この抽出工程では、石炭から可溶成分を抽出し易くするために、石炭を、例えば、直径5mm程度以下に粉砕しておくことが好ましい。また抽出工程では、石炭からの可溶成分の抽出率を高めるために石炭と溶剤とをスラリー状に混合することが好ましい。この混合物を攪拌しつつ加熱すれば、石炭に含まれる溶剤に可溶な可溶成分(ハイパーコール)が溶剤中に抽出される。
抽出温度は、例えば300〜420℃程度(より好ましくは350〜400℃程度)に設定することが好ましい。抽出温度が低過ぎると、石炭に含まれる易ガス化成分を石炭から除去できない上に、石炭を構成する成分の分子間結合力を弱めることが不十分となって、石炭に含まれる可溶成分の抽出率が低くなる。一方、抽出温度が高過ぎると、石炭が熱分解して生成したラジカルの再結合が起こるため、石炭に含まれる可溶成分の抽出率が低くなる。
抽出時間は、例えば、10〜60分程度とすればよい。抽出時間が長過ぎると、抽出した可溶成分の熱分解反応が進行し、ラジカル重合反応が進むため可溶成分の抽出率が低下する。
この抽出工程は、例えば不活性ガス(例えば、窒素)の存在の下で行なえばよい。尚、抽出工程では、溶剤が沸点に達することがないように圧力を調整する必要があり、通常、0.8〜2.5MPa程度の範囲に調整すればよい。
[抽出液から未溶解石炭を除去する工程]
抽出工程で石炭から可溶成分を抽出した後は、抽出液から未溶解石炭(石炭から可溶成分を抽出した後の残分)を分離し、液体分を回収する(固液分離工程という)。この液体分(固形分を除去した抽出液)は、石炭から抽出した可溶成分と、抽出に用いた溶剤で構成させている。
[固液分離工程]
固液分離工程では、上記抽出工程で石炭から可溶成分を抽出した後、未溶解石炭(溶媒に可溶な成分が抽出されて残った石炭)を分離し、液体分を回収する。この液体分は、石炭から抽出した可溶成分と、抽出に用いた溶媒で構成されている。
固液分離する方法は特に限定されず、公知の方法を採用すればよく、例えば、各種の濾過法、遠心分離法、重力沈降法が挙げられる。尚、濾過法では、濾過フィルターの濾過量が制限されることから、大量の未溶解石炭を分離できない場合がある。また遠心分離法では、未溶解石炭による閉塞が起こり易く、工業的に実施することが困難な場合がある。一方、重力沈降法によれば、重力沈降槽の上部からは液体分を、下部からは未溶解石炭を得ることができ、流体の連続操作が可能であり、低コストで大量の処理にも適しているため好ましい。
尚、固液分離工程における溶媒の温度と固液分離時の圧力は、上記抽出工程で設定した温度および圧力と同じ範囲に設定することが好ましい。原料の石炭から溶出した溶質の再析出を防ぐためである。
本発明で塊状成形体の原料として用いる石炭の種類は特に限定されず、石炭溶剤抽出物の原料として示した劣質炭や高品位炭のいずれも使用できる。特に、軟化溶融性が低いものを用いた場合であっても、石炭溶剤抽出物をバインダーとして用いることによって、高い強度の成形体を得ることができる。
一方、本発明で塊状成形体の原料として用いる鉄鉱石の種類についても特に限定されず、例えば、赤鉄鉱(ヘマタイト;Fe23)、磁鉄鉱(マグネタイト;Fe34)、褐鉄鉱(Fe23・nH2O)、或いはこれらを混合したものなどを用いることができる。更に、オキシ水酸化鉄(FeOOH)を原料とすることもできる。
上記各原料の混合割合は、その工程段階、選ばれる品質や種類によっても異なるが、基本的には以下の考え方で配合割合を決める。
[第1の成形工程]
第1の成形工程における原料は、鉄鉱石を主成分とし、更に石炭とバインダーを含有する。目安として、鉄鉱石の混合割合:60〜90質量%、「石炭+バインダー」は10〜40質量%とし、「石炭+バインダー」のうち、バインダーの占める割合は10〜80質量%程度とすることもできるが、バインダーの割合が増加すると高価となるので、10〜40質量%程度が現実的である。
[第2の成形工程]
第2の成形工程における原料は、上記第1の成形工程で得られた成形体が過半を大きく超えることがないように、更に石炭とバインダーを含有する。即ち、上記の第1の成形工程で得られた成形体が過半を大きく超えると、最終製品である成形体を、「石炭由来成分のベース」の状態にすることが困難になるからである。目安として、上記成形体の混合割合:10〜60質量%(より好ましくは20〜50質量%)、「石炭+バインダー」は40〜90質量%とし、「石炭+バインダー」のうち、バインダーの占める割合は10〜80質量%程度とすることもできるが、バインダーの割合が増加すると高価となるので、10〜40質量%程度が現実的である。
尚、第1の成形工程と第2の成形工程で用いる石炭やバインダーは、同じものを用いても良いし、異なるものを用いても良い。
本発明で用いる石炭の粒径は、その70質量%以上が3mm以下(より好ましくは80質量%以上が3mm以下、更に好ましくは90質量%以上が3mm以下)であることが好ましい。粒径3mmを超える石炭が30質量%以上を占める場合には、得られる鉄鉱石含有コークスの強度が低下することが多いからである。
尚、石炭の粒径は、ふるい分け法によって測定した。詳細には、目開き3mmのふるいを用いて石炭をふるい分け、ふるい上残量(オーバーサイズ)、またはふるい下通過(アンダーサイズ)の全体に対する比率から求めた(鉄鉱石、バインダー、および成形体の粒径の測定法についても同様)。
鉄鉱石の粒径は、石炭の粒径が上記範囲にある場合、200μm以下(より好ましくは170μm以下、さらに好ましくは150μm以下)が好ましい。鉄鉱石の粒径が200μmを超える場合には、鉄鉱石の界面に働く応力が大きくなるため、得られる鉄鉱石含有コークスの強度が低下する場合がある。尚、鉄鉱石の粒径の下限については特に限定されるものではなく、小さいほど良いが、例えば30μm(より好ましくは50μm、更に好ましくは70μm)であることが好ましい。粒径が30μm未満の鉄鉱石を得るには手間がかかり、製造コストが上がるからである。
また、バインダーの粒径は、その70質量%以上が2mm以下(より好ましくは90質量%以上が2mm以下)であることが好ましい。
上記各原料は、まず混合されることになるが、このときの混合方法については、特に限定されるものでなく、ミキサーやニーダーを用いる方法や、二軸や単軸の混合機を用いる方法等、いずれの方法を採用しても良い。
成形するための方法についても、限定するものではなく、後記実施例に示した平ロールによるダブルロール(双ロール)型成形機やアーモンド型ポケットを有するダブルロール型成形機を用いる方法の他、単軸プレスやローラタイプの成形機、押し出し成形機を用いる方法等、いずれの方法も採用できる。
第1の成型工程での生産性を高めることを考慮すれば、平ロールによるダブルロール型成形機を用いて成形することが好ましい。しかしながら、この成形機によって成形した場合には、成形体の大きさが最大で粒径100mmに近いものが生産されることがある。こうした場合には、第1の成形工程の後、必要によって粗粉砕が施され、例えば粒径2〜5mmの大きさに整えられる。
上記のような2段階の成形工程を経て得られる塊状成形体の大きさは、原料鉄鉱石や石炭の種類、製造条件、或は高炉での運用条件によって異なるが、概ね10〜30mm前後である。
本発明の塊状成形体は、乾留することによって石炭部分がコークス化され、上記のような構造の鉄鉱石含有コークスが得られるが、このときの乾留工程は、その温度は650〜1100℃程度とし、石炭成分の酸化劣化を防止するために、不活性雰囲気とすることが好ましい。また、乾留工程での滞留時間は、1〜24時間程度が好ましい。更に、塊状成形体の強度向上という観点から、上記の乾留工程に先立ち、熱処理(成形体に対する300〜500℃程度の熱処理)や酸化処理(成形体に対する酸素による酸化処理)等を施すことも有用である。
また、上記塊状成形体を乾留するに際しては、通常のコークス原料炭と混ぜて室炉にて乾留しても良い。この場合には、鉄鉱石含有コークスと、通常コークスが同時に製造されることになる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例]
前述した方法に従って、石炭溶剤抽出物(バインダー)を製造した。このとき、溶剤としてはアントラセン油を用い、原料石炭としては火力発電用一般炭を用いた。得られた石炭溶剤抽出物について、JIS M8801に規定されたギーセラープラストメータによる軟化開始温度、最高流動度[ギーセラー最高流動度(logMF)]は、夫々軟化開始温度:160℃、最高流動度:log60000以上(測定上限)であった。
成形体の原料としての石炭は、下記表1に示す組成の火力発電用一般炭を、粒径:3mm以下が90質量%以上となるように粉砕したものを用いた。尚、下記表1に示したd.a.f.(dry ash free)とは、石炭の水分と灰分を除いた有機質(C、H、N、S、O)の含有率(質量%)を意味し、JIS M8819に準じて測定したものである。
Figure 0005491795
成形体の原料としての鉄鉱石は、下記表2に示す組成のものを、粒径:100μm以下に粉砕して使用した。
Figure 0005491795
<第1の成形工程>
上記した石炭と鉄鉱石と、石炭溶剤抽出物とを、質量比で10:85:5(石炭:鉄鉱石:石炭溶剤抽出物)の割合となるようにVミキサーで良く混合し、平ロールによるダブルロール型成形機を用いて150℃に加熱して成形した。得られた成形体を粗粉砕し、粒径:2〜5mmとなるように整粒した。
<第2の成形工程>
上記第1の成形工程で得られた成形体(鉄鉱石/石炭混合粉砕物)、上記表1に示した石炭、および上記で用いた石炭溶剤抽出物を、質量比で40:50:10(鉄鉱石/石炭混合粉砕物:石炭:石炭溶剤抽出物)の割合となるようにVミキサーで良く混合し、容量5mlのアーモンド型ポケットを有するダブルロール型成形機を用いて、150℃に加熱しながら成形した。
<乾留工程>
上記で得られた成形体(塊状成形体)を、窒素雰囲気中、3℃/分の速度で850℃まで昇温した後、この温度で10分間保持して乾留し、鉄鉱石含有コークス(フェロコークス)を得た。得られた鉄鉱石含有コークスの強度は、ISO 4700に準じて測定した圧壊荷重で評価した。具体的には、ダブルロールに接していた成形面の中央部に荷重を加えて圧壊強度を測定した。その結果、圧壊強度は245N(25kgf)であった。
[比較例]
実施例と同じ石炭、鉄鉱石、石炭溶剤抽出物を用い、これらを質量比で54:34:12(石炭:鉄鉱石:石炭溶剤抽出物)の割合となるようにVミキサーで良く混合し、実施例で用いたアーモンド型ポケットを有するダブルロール型成形機で150℃に加熱しながら成形した。即ち、比較例では2段階で成形せずに、1段階の成形工程によって成形体(塊状成形体)を得た。
上記で得られた成形品(塊状成形体)を、窒素雰囲気中、3℃/分の速度で850℃まで昇温した後、この温度で10分間保持して乾留したところ、得られた鉄鉱石含有コークスの圧壊荷重は58.8N(6kgf)であった。
1 鉄鉱石含有コークス(フェロコークス)
2 混合相(核心領域)
3 ベース領域

Claims (3)

  1. 石炭と鉄鉱石を内装した製鉄原料用塊状成形体を製造するに当り、
    石炭と鉄鉱石を、バインダーの存在下で100〜400℃に加熱しながら成形する第1の成形工程と、
    上記第1の成形工程によって得られた成形体と、石炭とを含む混合物を、更にバインダーの存在下で100〜400℃に加熱しながら成形する第2の成形工程とを含んで操業する方法であり、前記第1の成形工程および/または第2の成形工程で用いるバインダーは、石炭の溶剤抽出物である製鉄原料用塊状成形体の製造方法。
  2. 上記第1の成形工程によって得られた成形体を粗粉砕する請求項1に記載の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により製造された、石炭と鉄鉱石を内装した製鉄原料用塊状成形体を乾留し、石炭をコークス化することによって得られる鉄鉱石含有コークスであり、石炭と、石炭の溶剤抽出物に由来する成分を主成分とするベース領域に、石炭と、石炭の溶剤抽出物に由来する成分と鉄鉱石由来成分が密となった核心領域が分散した二重構造であることを特徴とする鉄鉱石含有コークス。
JP2009180045A 2009-07-31 2009-07-31 製鉄原料用塊状成形体の製造方法および鉄鉱石含有コークス Active JP5491795B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009180045A JP5491795B2 (ja) 2009-07-31 2009-07-31 製鉄原料用塊状成形体の製造方法および鉄鉱石含有コークス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009180045A JP5491795B2 (ja) 2009-07-31 2009-07-31 製鉄原料用塊状成形体の製造方法および鉄鉱石含有コークス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011032369A JP2011032369A (ja) 2011-02-17
JP5491795B2 true JP5491795B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=43761767

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009180045A Active JP5491795B2 (ja) 2009-07-31 2009-07-31 製鉄原料用塊状成形体の製造方法および鉄鉱石含有コークス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5491795B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6481889A (en) * 1987-09-24 1989-03-28 Sumitomo Metal Ind Production of molded ferrocoke
JP4267390B2 (ja) * 2003-08-07 2009-05-27 新日本製鐵株式会社 高炉用フェロコークスの製造方法
JP5017966B2 (ja) * 2006-08-30 2012-09-05 Jfeスチール株式会社 フェロコークスの製造方法
JP5386835B2 (ja) * 2008-03-14 2014-01-15 Jfeスチール株式会社 フェロコークスの製造方法
JP5386988B2 (ja) * 2009-01-06 2014-01-15 Jfeスチール株式会社 冶金用フェロコークスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011032369A (ja) 2011-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2004227214B2 (en) Method for producing improved coal for use in metallurgy, and method for producing reduced metal and slag containing oxidized nonferrous metal
WO2012118151A1 (ja) 炭素材料の製造方法
AU2013226908B2 (en) Coal blend briquette and process for producing same, and coke and process for producing same
JP6607366B2 (ja) 非・微粘結炭からの高強度・高反応性コークス製造方法
JP5530292B2 (ja) 製鉄用コークスの製造方法
JP5466106B2 (ja) 鉄鉱石含有コークスの製造方法
JP5336971B2 (ja) 鉄鉱石含有コークスの製造方法
WO2015178386A1 (ja) 炭素材料の製造方法及び炭素材料
JP5390977B2 (ja) 鉄鉱石含有コークス、及び該鉄鉱石含有コークスの製造方法
JP5491795B2 (ja) 製鉄原料用塊状成形体の製造方法および鉄鉱石含有コークス
JP5879222B2 (ja) 副生炭成形物の製造方法
JP5438423B2 (ja) 鉄鉱石含有コークスの製造方法
WO2014007243A1 (ja) 鉄含有コークスの製造方法および鉄含有コークス
JP5559628B2 (ja) 製鉄用コークスの製造方法
JP6014012B2 (ja) コークスの製造方法、およびコークス
TWI510610B (zh) The coke is the main raw material
JP6719342B2 (ja) 製鉄用コークスの製造方法及び銑鉄の製造方法
KR101504836B1 (ko) 탄재 내장 브리켓의 제조장치 및 이를 이용한 제조방법
JP2017082074A (ja) コークス製造用組成物、成型炭、高炉用コークス、及び高炉用コークスの製造方法
WO2017073444A1 (ja) コークス製造用組成物、成型炭、高炉用コークス、及び高炉用コークスの製造方法、並びに製鉄原料用組成物、製鉄原料用成型物、高炉用製鉄原料、及び高炉用製鉄原料の製造方法
JP2013112814A (ja) 副生炭成形物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130723

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130924

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140116

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5491795

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150