以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1を参照し、本発明の液体吐出装置の一実施形態に係るインクジェットプリンタ1の全体構成について説明する。
プリンタ1は、直方体形状の筐体1aを有する。筐体1aの天板上部には、排紙部31が設けられている。筐体1aの内部空間は、上から順に空間A,B,Cに区分できる。空間A,Bには、給紙ユニット1bから排紙部31に至る用紙搬送経路が形成されている。空間Aでは、用紙Pへの画像形成と、用紙Pの排紙部31への搬送が行われる。空間Bでは、用紙Pの搬送経路への給紙が行われる。空間Cは、空間Aのヘッド10に対するインク供給が行われる。
空間Aには、用紙センサ32、4つのヘッド10、搬送部、用紙Pをガイドするガイド部29、加湿メンテナンスに用いられる加湿空気供給機構50(図5参照)、ワイパユニット70(図7参照)、ワイパユニット70を移動させる移動機構80(図7参照)、制御装置1p等が配置されている。搬送部は、4つのヘッド10のそれぞれに対向して配置された4つのプラテン7、及び、用紙搬送経路に沿って配置された4つの送りローラ対24からなり、用紙Pを図1中の太矢印方向(搬送方向)に搬送する。
ヘッド10は、副走査方向に所定ピッチで並び、ヘッドホルダ3(図5参照)を介して筐体1aに支持されている。ヘッドホルダ3は、ヘッド10の下面(吐出面10a)とプラテン7の上面(対向面7a)との間に記録に適した所定の間隙が形成されるように、ヘッド10を保持している。また、ヘッドホルダ3には、ヘッド10毎に、ヘッド10の下端近傍に環状のキャップ40(環状部材)が設けられている。キャップ40は、平面視でヘッド10を内包し、吐出面10aを取り囲む。また、各ヘッド10に対応して、ワイパユニット70(図7参照)が配置されている。これらキャップ40、及び、ワイパユニット70の構成、動作、機能等については、後に詳述する。
搬送部を挟んで、ガイド部29が配置されている。搬送方向上流側のガイド部29は、ガイドと2つの送りローラ対22、23を有し、給紙ユニット1b(後述)と搬送部とを繋ぐ。画像形成用の用紙Pが、搬送部に向けて搬送される。下流側のガイド部29は、ガイドと3つの送りローラ対25〜27を有し、搬送部と排紙部31とを繋ぐ。画像形成後の用紙Pが、排紙部31に向けて搬送される。
空間Bには、給紙ユニット1bが配置されている。給紙ユニット1bは、給紙トレイ20及び給紙ローラ21を有する。このうち、給紙トレイ20が、筐体1aに対して着脱可能となっている。給紙トレイ20は、上方に開口する箱であり、複数の用紙Pを収納可能である。給紙ローラ21は、給紙トレイ20内で最も上方にある用紙Pを送り出す。
ここで、副走査方向とは、送りローラ対23,24によって搬送される用紙搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは、水平面に平行且つ副走査方向に直交する方向である。
空間Cには、カートリッジユニット1cが筐体1aに対して着脱可能に配置されている。カートリッジユニット1cは、トレイ35、及び、トレイ35内に並んで収納された4つのカートリッジ39を有する。4つのカートリッジ39には、マゼンタ、シアンイエロー、ブラックのいずれかのインクが収容されている。カートリッジ39はそれぞれ、チューブ(図示せず)を介してヘッド10と接続され、当該ヘッド10に対応する色のインクを供給する。
次に、制御装置1pについて説明する。制御装置1pは、プリンタ1各部の動作を制御してプリンタ1全体の動作を司る。制御装置1pは、外部装置(プリンタ1と接続されたPC等)から供給された画像データに基づいて、画像形成動作を制御する。具体的には、制御装置1pは、記録に係わる準備動作、用紙Pの供給・搬送・排出動作、用紙Pの搬送に同期したインク吐出動作等を制御する。制御装置1pはまた、ヘッド10に対するメンテナンス動作を制御する。
制御装置1pは、外部装置から受信した記録指令に基づいて、給紙ローラ21用の給紙モータ125(図8参照)、各送りローラ対22〜27用の送りモータ127(図8参照)等を駆動する。給紙トレイ20から送り出された用紙Pは、上流側のガイド部29によりガイドされ搬送部に送られる。搬送部では、用紙Pがプラテン7の対向面7aに順次支持されて搬送される。用紙Pが各ヘッド10の真下を副走査方向(用紙搬送方向)に通過する際に、制御装置1pの制御により、各吐出面10aから用紙Pの表面に向けて順次インクが吐出され、用紙P上にカラー画像が形成される。インクの吐出動作は、用紙Pの先端を検知する用紙センサ32からの検知信号に基づいて行われる。そして、画像が形成された用紙Pは、下流側のガイド部29によりガイドされて、筐体1a上部に形成された開口30から排紙部31に排出される。
制御装置1pは、メンテナンス動作によって、ヘッド10のインク吐出特性の回復・維持や記録に係わる準備を行う。メンテナンス動作には、パージやフラッシングによるインク排出動作、ワイピングによる吐出面10aのクリーニング動作、キャッピングや加湿によるインクの増粘防止動作等が含まれる。
パージでは、ポンプが駆動されて、全ての吐出口14aからインクが強制的に排出される。フラッシングでは、アクチュエータが駆動されて、全ての吐出口14aからインクが吐出(排出)される。インクの吐出は、フラッシングデータ(画像データと異なるデータ)に基づいて行われる。ワイピングでは、吐出面10aがワイパ71(図9(b)参照)によって払拭される。ワイピングは、インクの排出動作後に行われ、吐出面10a上の残留インクや異物が取り除かれる。キャッピングでは、キャップ40により吐出空間(吐出面10aと対向する空間)S1が外部空間S2から隔離される。加湿では、隔離された吐出空間S1に加湿空気が供給される。
インク排出動作は、クリーニング動作を伴い、ヘッド10内の異物や吐出口14a近傍の増粘インクが排出される。吐出口14aの吐出特性が回復され、吐出面10aが清浄化される。キャッピングによりメニスカスの乾燥が抑制され、加湿により乾燥がさらに抑制される。なお、インク排出動作は、例えば、プリンタ1の電源投入直後、搬送経路内での紙ジャム(詰まり)時、所定期間以上継続した画像形成後、所定時間以上継続した非吐出後等に行われる。電源投入直後のインク排出動作(特に、フラッシング)は、記録に係わる準備動作となる。インクの増粘防止動作は、例えば、プリンタ1の停止時や休止時に行われる。
次に、図2〜図5を参照し、ヘッド10の構成について説明する。なお、図3では、アクチュエータユニット17の下側にあって破線で示すべき圧力室16及びアパーチャ15を実線で示している。
ヘッド10は、略直方体形状を有し、回路基板、リザーバユニット11、アクチュエータユニット17(図2参照)及び流路ユニット12(図5参照)が順に積層した積層体である。リザーバユニット11には、リザーバを含む上流側インク流路が形成されており、外部からインクが供給される。リザーバは、インクを一時的に貯留する。
流路ユニット12は、図4に示すように、9枚の矩形状金属プレート12a〜12iが積層した積層体である。流路ユニット12には、下流側インク流路が形成されている。下流側インク流路は、上面12xの開口12yを介して、上流側インク流路と接続している。下流側インク流路は、図2〜図4に示すように、開口12yを一端とするマニホールド流路13、マニホールド流路13から分岐した副マニホールド流路13a、副マニホールド流路13aに接続した多数の個別インク流路14から構成される。個別インク流路14は、流路抵抗を調整するアパーチャ(絞り)15を含み、副マニホールド流路13aの出口から圧力室16を経て吐出口14aに至る。上面12xには、圧力室16が開口しマトリクス状に配置されている。下面は、吐出口14aが配置された吐出面10aである。
アクチュエータユニット17は、リザーバユニット11及び流路ユニット12に挟まれて、主走査方向に沿って千鳥状に配置されている。アクチュエータユニット17は、流路ユニット12の上面12xに固定されて、各圧力室16の開口を封止する。また、アクチュエータユニット17は、厚み方向に分極された圧電層(最上層)が自発的変形をしない圧電層に積層した積層体である。最上層は、表面側の多数の個別電極と内側の共通電極に挟まれている。1つの個別電極及び共通電極で挟まれた部分が歪むと、この個別電極及び圧力室に挟まれた部分がユニモルフ変形する。ユニモルフ変形する部分は、個別アクチュエータとして働き、駆動信号で選択的に駆動される。
回路基板及びアクチュエータユニット17は、FPC19により電気的に接続されている。FPC19は、途中部にドライバICが実装されている。制御装置1pの制御の下、FPC19は、回路基板で中継・調整された各種信号(制御信号、画像信号等)をドライバICに伝達し、ドライバICが生成した駆動信号を対応する個別アクチュエータに伝達する。
次に、図5及び図6を参照し、ヘッドホルダ3及びこれに取り付けられたキャップ40、ジョイント51の構成について説明する。
ヘッドホルダ3は、金属等からなるフレームであり、リザーバユニット11の側面を全周に亘って支持している。ヘッドホルダ3は、それぞれヘッド10毎に設けられ、キャップ40と一対のジョイント51とが取り付けられている。一対のジョイント51は、図5(a)に示すように、加湿空気供給機構50の循環流路を構成し、対応するヘッド10の主走査方向一端及び他端にそれぞれ近接配置されている。より具体的には、一対のジョイント51は、図5において、排出口51aを持つ左側ジョイント51と吸引口51bを持つ右側ジョイント51とから構成され、排出口51aと吸引口51bとが、ヘッド10を主走査方向に沿って挟む位置に配置されている。
ジョイント51の構成及び配置形態は、図5(a)において、左右で対象である。例えば、左側ジョイント51は、図5(b)及び図6に示すように、基端部51x及び基端部51xから延出した先端部51yを含み、略角筒状である。基端部51xは略直方体形状であり、図5(b)中Z方向に見たとき、基端部51xに先端部51yが含まれる。先端部51yは、基端部51xに接続する拡径部51m及び円筒部51nで構成されている。拡径部51mは図5(b)中Z方向に向かって先細で、この先細の先端に円筒部51nが接続されている。左側ジョイント51は、図5(b)中X方向に長く、この長手方向を副走査方向と平行に配置される。ヘッドホルダ3には、図6に示すように、ヘッド10の主走査方向一端近傍にスリット状の貫通孔3aが形成されている。貫通孔3aは、副走査方向に長い。左側ジョイント51は、先端部51yが貫通孔3aに貫挿された状態で、ヘッドホルダ3に固定されている。先端部51yは、貫通孔3aに比べ一回り小さいが、両者間の隙間にはシール材等が充填されて封止されている。
左側ジョイント51の内部には、先端部51yから基端部51xに亘る中空空間51zが形成されている。中空空間51zは、円筒部51n側の円形状開口と、基端部51x側の長方形状開口(排出口51a)とを繋いでいる。排出口51aは、副走査方向に細長い。内部では、円筒部51n側の円柱状空間が、拡径部51m側のロート状空間と接続している。空間同士の接続部は、円筒部51nと拡径部51mとの接合部より拡径部51m側にある。主走査方向に関して、中空空間51zのサイズは一定である。円柱状空間は、主に円柱部51nに形成され、ロート状空間は、空間同士の接続部から基端部51y側の開口に向かって次第に拡開している。排出口51aは、吐出面10aよりもリザーバユニット11側に配置され、ワイパ71よりも若干長い。
メンテナンス動作の加湿では、左側ジョイント51の排出口51aから吐出空間に加湿空気が供給され、右側ジョイント51の吸引口51b(右側ジョイントの基端部51x側の開口)から空気が吸い出される。また、後述するように、クリーニング動作においては、排出口51a及び吸引口51bから加湿空気がワイパ71の先端部全体に吹き付けられる。なお、加湿空気は、排出口51aあるいは吸引口51bからインク吐出方向に排出される。
キャップ40は、平面視でヘッド10の外周を取り囲む環状部材であり、ヘッドホルダ3に支持された弾性体41、及び、昇降可能な可動体42を含む。また、キャップ40は、図5(a)に示すように、排出口51a及び吸引口51bを包含している。
弾性体41は、ゴム等の環状弾性材料からなり、平面視でヘッド10を囲んでいる。弾性体41は、図6に示すように、基部41x、基部41xから下方に突出した突出部41a、ヘッドホルダ3に固定された固定部41c、及び、基部41xと固定部41cとを接続する接続部41dを含む。このうち、突出部41aは、基部41xの下面から突出し、断面が三角形である。又、固定部41cの断面はT字状である。固定部41cの上端部分は、接着剤等を介して、ヘッドホルダ3に固定されている。固定部41cはまた、各貫通孔3aの近傍において、ヘッドホルダ3と各ジョイント51の基端部51xとの間に挟持されている。接続部41dは、固定部41cの下端から湾曲しつつ外側(平面視で吐出面10aから離隔する方向)に延び、基部41xの下端に接続している。接続部41dは、可動体42の昇降に伴って変形可能である。基部41xの上面には、凹部41bが形成されており、可動体42の下端と嵌合している。
可動体42は、環状の剛材料(例えば、ステンレス)からなり、平面視でヘッド10の外周を取り囲む枠体である。可動体42は、弾性体41を介してヘッドホルダ3に支持されつつ、ヘッドホルダ3に対して鉛直方向に相対移動可能である。具体的には、可動体42は、複数のギア43と接続されている。制御装置1pによる制御の下、昇降モータ44(図8参照)が駆動されるとギア43が回転して、昇降する。このとき、基部41xも可動体42と共に昇降する。この間、ヘッドホルダ3(ヘッド10)は移動しない。これにより、突出部41aの先端41a1と吐出面10aとの相対位置が、鉛直方向に変化する。なお、プリンタ1内には昇降モータ44が1つだけ設けられており、昇降モータ44が駆動されると、複数のギア43を含む伝達機構によって各キャップ40の可動体42が昇降する。
突出部41aは、先端41a1が対向面7aに当接する当接位置(図6(b)に示す位置)と、先端41a1が対向面7aから離隔した離隔位置(図6(a)に示す位置)とを選択的に取る。突出部41aが当接位置にあるとき、吐出面10aとプラテン7の対向面7aとの間に形成される吐出空間S1が外部空間S2から隔離された封止状態となっている。また、突出部41aが離隔位置にあるとき、吐出空間S1が外部空間S2に対して開放された非封止状態となっている。このようなキャップ40(環状部材)、伝達機構、ヘッドホルダ3、昇降モータ44、及び、プラテン(対向部材)7によってキャップ手段がヘッド10毎に構成されている。
次に、図5を参照し、加湿空気供給機構50の構成について説明する。
加湿空気供給機構50は、図5(a)に示すように、ジョイント51、チューブ55,57、ポンプ53,56、水温センサ46、ヒータ58及びタンク54などを含む。チューブ55,57はそれぞれ、4つのヘッド10に共通の主部55a,57a、及び、主部55a,57aから分岐してジョイント51まで延在した4つの分岐部55b,57bを含む。ポンプ53は主部55aに設けられ、ポンプ56は主部57aに設けられている。なお、図5(a)では、1組の分岐部55b、57bと1つのヘッド10との接続状態が示されている。実際は、1つの主部55a、57aに対して、4つのヘッド10が並列的に接続している。
チューブ55の一端(分岐部55bの先端)はヘッドホルダ3に設けられた左側ジョイント51の先端部51yに嵌合し、他端はタンク54に接続されている。一方、チューブ57の一端(分岐部57bの先端)はヘッドホルダ3に設けられた右側ジョイント51の先端51yに嵌合し、他端はタンク54に接続されている。
タンク54は、下部空間に水を貯留し、且つ、上部空間に、下部空間の水により加湿された加湿空気を貯蔵している。チューブ55,57は、タンク54の上部空間と連通している。また、タンク54には水の温度を計測する水温センサ46が設置され、タンク54(下部空間)の近傍には、タンク54内の水を温めるヒータ58が設置されている。加湿に際して、制御装置1pによる制御の下、水温センサ46による温度検出結果に基づいてヒータ58が制御され、加湿空気の湿度が調整される。本実施形態においては、プリンタ1の電源がONされることで、自動的に加湿空気の湿度が所望の湿度に調整される。なお、タンク54に貯留された水が少なくなった時は、図示しない補給タンクから水が補給される。
この構成において、制御装置1pによる制御の下、ポンプ53が駆動されることで、加湿空気や空気が、図5(a)中の白抜き矢印に沿って流れる。上部空間の加湿空気は、タンク54から排出口51aに向かって流れる。このとき、タンク54内には負圧が生じ、吸引口51bから空気が吸引される。この空気は、タンク54に向かって流れる。なお、ポンプ53が駆動されているときはポンプ56が駆動されず、空気の経路となっている。
一方、制御装置1pによる制御の下、ポンプ56が駆動されることで、加湿空気や空気が、図5(a)中の黒塗り矢印に沿って流れる。上部空間の加湿空気は、タンク54から吸引口51bに向かって流れる。このとき、タンク54内には負圧が生じ、排出口51aから空気が吸引される。この空気は、タンク54に向かって流れる。なお、ポンプ56が駆動されているときはポンプ53が駆動されず、加湿空気の経路となっている。このように加湿空気供給機構50は、吸引口51bから加湿空気を排出し、一方で排出口51aから空気を吸引することが可能なように、加湿空気の経路(流れ方向)を切り換える切換機構としてのポンプ56を有している。
本実施形態の加湿空気供給機構50においては、2つのポンプ53,56を有しているが、1つのポンプでその加湿空気の経路(流れ方向)を切り換えてもよい。この場合、ポンプの数が減り、加湿空気供給機構の構成が簡易になると共に小型化に寄与する。
図5(c)には、ポンプが1つの加湿空気供給機構500が示されている。経路の切換機構として2つの三方弁59,60が用いられ、チューブ57の主部57aが水中に開口している点で、加湿空気供給機構50と異なる。
三方弁59は、3つの接続口a、b、cを有し、分岐部55bに介挿されている。接続口aは分岐部55bの上流部分と接続し、接続口bはその下流部分と接続されている。接続口cには、切替部55cが接続され、分岐部57bの下流部分と連通している。三方弁59は、制御装置1pの制御の下、接続口aの連通先として接続口b及び接続口cのいずれか一方が選択される。三方弁60は、分岐部57bに介挿され、経路に対する接続形態は三方弁59と同様である。
この構成において、制御装置1pによる制御の下、ポンプ53が駆動される。
接続口aの連通先に接続口bが選択された場合、加湿空気や空気が、図5(c)中の白抜き矢印に沿って流れる。上部空間の加湿空気は、三方弁59及び分岐部55bの下流部分を経て排出口51aから排出される。このとき、タンク54内には負圧が生じ、吸引口51bから空気が吸引される。空気は、分岐部57bの下流部分及び三方弁60を経てタンク54内の水中に排出される。
一方、接続口aの連通先に接続口cが選択された場合、加湿空気や空気が、図5(c)中の黒塗り矢印に沿って流れる。上部空間の加湿空気は、三方弁59から切替部55cを経て吸入口51bから排出される。このとき、タンク54内には負圧が生じ、排出口51aから空気が吸引される。空気は、切替部57c及び三方弁60を経てタンク54内の水中に排出される。
いずれの場合も、吸引された空気は、一旦水中を潜ることになるので、加湿空気の生成効率が高い。
次に、図7を参照し、プラテン7及びクリーニング機構の構成について説明する。なお、クリーニング機構は、ワイパユニット70と移動機構80とから構成される。
プラテン7は、図7(a)に示すように、ヘッド10毎に配置された平板部材であり、吐出面10aと対向する対向面7aは平坦である。プラテン7は、搬送方向下流側端部に主走査方向に延びた回動軸7xを有し、回動軸7xを中心に回動可能である。制御装置1pによる制御の下、プラテン7は、対向面7aが吐出面10aと平行に対向した対向位置(図7(a)に実線で示す位置)と、対向面7aが吐出面10aと交差する非対向位置(図7(a)に二点鎖線で示す位置)とを選択的に取る。プラテン7は、ワイピング時は非対向位置を取り、それ以外の時は対向位置を取る。
移動機構80は、ワイパユニット70を主走査方向に往復移動させる機構であって、ヘッド10毎に配置されている。移動機構80は、ワイパユニット70を支持したガイド対81、駆動モータ82(図8参照)及び駆動モータ82の動力を伝達する伝達機構(不図示)を含む。ガイド対81は、平行な2つのガイド(丸棒)81a、81bで構成され、図7(a)に示すように、吐出空間S1を副走査方向両側から挟む。ガイド81aの外周面には雄ネジが形成されており、駆動モータ82から回転力が伝えられる。
ワイパユニット70は、ワイパケース78とワイパ71の上下動機構を含む。図7(c)に示すように、ワイパケース78は、直方体状の箱である。上壁78tには、ワイパ71が出入りする開口78xが形成されている。
ワイパケース78の外側面には、2つの筒状部材79及び1つのソレノイド75が取り付けられている。筒状部材79は、副走査方向に対向する外側面に固定され、それぞれガイド81a、81bが貫挿され、ガイド対81に支持されている。特に、ガイド81a用の筒状部材79には、内周面に雌ネジが形成されている。他方の筒状部材79は、ガイド81bの外周面に摺動可能である。これにより、制御装置1pによる制御の下、ガイド81aが正又は逆回転すると、ワイパユニット70がケース78ごと移動する。なお、クリーニング動作時以外では、ワイパユニット70は待機位置(図7(b)に示す空間S3の位置)に止まっている。また、ソレノイド75は、主走査方向に対向する外側面に固定されている。
ワイパケース78の内側には、図7(c)に示すように、ワイパ71、ホルダ71h、スポンジ70S等が収納されている。ワイパ71は、ゴム等の板状弾性部材で、副走査方向に長い。ワイパ71の長さは、吐出面の長さ(幅)とほぼ同じである。ワイパ71は、ホルダ71hに固定されている。ケース78の底面からは、一対のプレート77が立設されており、ホルダ71hが主走査方向両側から挟持されている。ホルダ71hは、プレート77間で、上下移動可能である。また、2つのプレート77に挟まれて、底面にバネ71Sが配置されており、ホルダ71hを上方に付勢している。スポンジ70Sは、一対のプレート77間を除いて、底部全体に配置されている。
一方のプレート77及びこれと対向するケース78の側壁には、図7(c)に示すように、それぞれスリット77s、78sが形成されている。ケース78内に収容された連結棒71pは、両スリット77s、78sを貫挿し、ホルダ71hとソレノイド75の駆動軸とを連結している。そのため、ソレノイド75の駆動軸が伸縮すると、ホルダ71hはプレート77間を上下に移動する。ホルダ71hが上方に移動されてワイパ71が露出位置(図7(c)参照)を取り、下方に移動されてワイパ71が収納位置(図7(b)参照)を取る。露出位置は、ワイパ71が吐出面10aと当接可能な位置であり、ワイパ71の先端部がケース78から露出する。収納位置は、待機位置での配置位置であり、ワイパ71全体がケース78内に収納される。一対のプレート77,連結棒71p、ソレノイド75等が、ワイパ71の上下動機構を構成する。
クリーニング動作に際しては、制御装置1pによる制御の下、ワイパユニット70が待機位置から第2対向位置(図9(a)参照)に移動される。第2対向位置とは、ワイパ71と吸引口51bとが対向する位置である。この位置では、ワイパ71が露出位置に移動され、ワイパ71の先端部に向けて加湿空気が吹き付けられる。その後、ワイパ71は、ワイパユニット70と共に待機位置に向かって移動される。この間、吐出面10aがワイパ71によって払拭される。ワイパ71が第1対向位置に到達すると、再びワイパ71の先端部に向けて加湿空気が吹き付けられる。第1対向位置とは、ワイパ71と排出口51aとが対向する位置である。この位置では、その後、ワイパ71が収納位置に戻され、さらにワイパユニット70が移動して待機位置に戻る。
次に、図8を参照し、プリンタ1の電気的構成について説明する。
制御装置1pは、図8に示すように、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)101に加えて、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)103、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )104、I/F(Interface)105、I/O(Input/Output Port)106等を有する。ROM102には、CPU101が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAM103には、プログラム実行時に必要なデータが一時的に記憶される。ASIC104では、画像データの書き換え、並び替え等(例えば、信号処理や画像処理)が行われる。I/F105は、外部装置とのデータ送受信を行う。I/O106は、各種センサの検出信号の入力/出力を行う。
制御装置1pは、各モータ125,127、用紙センサ32、ヘッド10の制御基板、水温センサ46,ヒータ58等に接続されている。制御装置1pはさらに、プラテン7を回動させるプラテン回動モータ7M、ギア43(図6参照)を駆動する昇降モータ44、ワイパユニット70をケース78ごと主走査方向に移動させる移動機構80の駆動モータ82、及び、ワイパ71を鉛直方向に移動させるソレノイド75に接続されている。なお、これらモータ7M、駆動モータ82及びソレノイド75は、ヘッド10毎に設けられているが、図8では、1のヘッド10に対応するもののみ示し、簡略化している。
次に、図9及び図10を参照し、制御装置1pが実行するワイピング動作の制御内容について説明する。
制御装置1pは、図10に示すように、先ず、ワイピング指令の受信の有無を判断する(F1)。ワイピング指令は、例えば、予備吐出の後(例えば、プリンタ1の電源投入直後等に予備吐出が行われた後)に受信される。なお、ワイピング指令の受信前、プラテン7は対向位置、キャップ40は離隔位置、ワイパユニット70は待機位置、ワイパ71は収納位置にある。
制御装置1pは、ワイピング指令を受信すると(F1:YES)、プラテン回動モータ7Mを駆動し、プラテン7を退避(対向位置から非対向位置に移動)させる(F2)。このとき、プラテン7が下方に垂れ下がり、吐出面10aと対向する位置にワイピングユニット70を移動可能な空間が確保される。
ステップ2の後、制御装置1pは、駆動モータ82を駆動し、図9(a)に示すようにワイパユニット70をケース78ごと、待機位置から第2対向位置に移動させる(ステップ3:F3)。なお、待機位置において、ワイパユニット70は、キャップ40の先端41a1よりも下方にある。したがって、ステップ3においてワイパユニット70がキャップ40の下方を横切る時、ワイパユニット70がキャップ40と衝突することはない。
ステップ3の後、制御装置1pは、ソレノイド75を駆動し、ワイパ71を収納位置から露出位置に移動させる(F4)。このとき、ワイパ71の先端が、図9(a)に示すように、鉛直方向に関して吸引口51bと吐出面10aとの間に存在している。つまり、ワイパユニット70が待機位置に向かって移動することで、ワイパ71が吐出面10aを払拭できる。
ステップ4の後、制御装置1pは、ポンプ56を駆動して、タンク54内の加湿空気を吸引口51bから所定時間排出させる(ステップ5:F5)。このとき、加湿空気は吸引口51bから鉛直方向下方(実線で示す矢印方向)に排出される。これにより、加湿空気がワイパ71の先端に吹き付けられ、ワイパ71の先端に増粘インクが付着している場合は、当該増粘インクに水分が補給され粘度が低下する。このため、払拭された残留インクとともに、先端の増粘インクが先端から下方に流れ落ちやすくなる。このとき、増粘インクに付着した埃なども、下方に流れ落ちていくことになる。なお、吸引口51bから加湿空気が排出されているときは、排出口51aから空気が吸引される。
ステップ5の後、制御装置1pは、駆動モータ82を駆動し、図9(b)に示すように、ワイパユニット70をケース78ごと待機位置に向けて(払拭方向に)移動させてワイピングを行う(ステップ6:F6)。このとき、ワイパ71の上端近傍は、吐出面10aに接触しながら吐出面10aに対して相対移動する。これにより、吐出面10aに付着した異物が払拭される。そして、制御装置1pは、図9(c)に示すように、ワイパ71が第1対向位置に到達したときに、駆動モータ82の駆動を停止する(ステップ7:F7)。
ステップ7の後であってワイパ71が第1対向位置にあるときに、制御装置1pは、ポンプ53を駆動して、タンク54内の加湿空気を排出口51aから所定時間排出させる(ステップ8:F8)。このとき、加湿空気は排出口51aから鉛直方向下方(実線で示す矢印方向)に排出される。これにより、加湿空気がワイパ71の先端に吹き付けられ、ワイパ71の先端に付着していたインクがワイパ71の先端から下方に効果的に流れ落ちていく。このとき、インクが速乾性を有していても、ワイパ71の先端には加湿空気が吹き付けられているので、ワイパ71の先端で増粘して残留することがない。このとき、インク(増粘インク)に付着した埃なども粘度の低下したインクとともにワイパ71の下方に流れ落ちていく。なお、排出口51aから加湿空気が排出されているときは、吸引口51bから空気が吸引される。
ステップ8の後、制御装置1pは、ソレノイド75を駆動し、ワイパ71を露出位置から収納位置に移動させる(ステップ9:F9)。その後、制御装置1pは、駆動モータ82を駆動し、ワイパユニット70をケース78ごと待機位置に移動させる(ステップ10:F10)。
ステップ10の後、制御装置1pは、プラテン回動モータ7Mを駆動し、プラテン7を復帰(非対向位置から対向位置に移動)させる(ステップ11:F11)。これにより、ワイピング動作が終了する。
次に、図11を参照しつつ、制御装置1pが実行するキャッピング及び加湿メンテナンスの制御内容について説明する。
制御装置1pは、図11に示すように、先ず、キャッピング指令の受信の有無を判断する(G1)。キャッピング指令の受信前、プラテン7は対向位置、キャップ40は離隔位置にある。
制御装置1pは、キャッピング指令を受信すると(G1:YES)、昇降モータ44を駆動し、キャップ40の先端41a1を対向面7aに当接(離隔位置から当接位置に移動)させる(ステップ2:G2)。これにより、吐出面10aとプラテン7の対向面7aとの間に形成される吐出空間S1が外部空間S2から隔離された封止状態となる(図5参照)。
ステップ2の後、制御装置1pは、ポンプ53を駆動して、タンク54内の加湿空気を排出口51aから所定時間排出させる(ステップ3:G3)。これにより、排出口51aから排出された加湿空気が吐出空間S1内に供給される。このとき、吸引口51bからは吐出空間S1内の空気が吸引される。つまり、加湿空気がタンク54から吐出空間S1へ、吐出空間S1からタンク54へと循環し、吐出空間S1内の空気の湿度が所望湿度に調整される。これにより、吐出口14a内のインクの増粘を抑制することが可能となる。また、ワイパ71の先端に吹き付ける加湿空気と、封止状態の吐出空間S1へ循環させる加湿空気とを同じ加湿空気供給機構50で供給しているため、装置の構成が簡略化され小型化できる。
こうして、キャッピング及び加湿メンテナンスが終了する。この後、外部装置から記録指令などの信号を受信すると、制御装置1pは、昇降モータ44を駆動し、キャップ40の先端41a1を対向面7aから離隔(当接位置から離隔位置かに移動)させる。これにより、吐出面10aとプラテン7の対向面7aとの間に形成される吐出空間S1が外部空間S2に開放された非封止状態となる(図1参照)。そして、上述したように記録動作が制御装置1pの制御によって行われる。
以上に述べたように、本実施形態によるプリンタ1によると、ワイパ71の先端に加湿空気を吹き付けることが可能となるため、非接触でワイパ71の先端に付着した異物(増粘インクや埃など)を除去することが可能となる。加えて、ワイパ71に加湿空気を吹き付けていることで、例えば、速乾性のインクがワイパ71の先端に付着しても、そのインクの増粘を防ぎつつ当該ワイパ71の先端からインクを非接触で除去することが可能となる。したがって、ワイパ71の先端に異物が付着していない状態で吐出面10aを払拭することが可能となり、吐出口14aからのインク吐出性能を維持することができる。また、ワイパ71の先端から非接触で異物を除去するため、ワイパ71をスポンジなどの吸収体に直接接触させてワイパから異物を除去するものよりも、ワイパ71の先端の摩耗を抑制することが可能となる。
また、ワイピングが行われた直後に、ワイパ71の先端に加湿空気を吹き付けているため、ワイピングによってワイパ71の先端に付着した異物を、ワイパ71から効果的に除去することが可能となる。つまり、使用するインクが速乾性であっても、ワイピング直後にワイパ71に加湿空気を吹き付けているので、インクの増粘を防ぎつつワイパ71の先端からインクを除去することが可能となる。
また、ワイピングが行われる直前に、ワイパ71の先端に加湿空気を吹き付けているため、ワイパ71の先端に異物がより付着していない状態で、吐出面10aをワイピングすることが可能となる。つまり、ワイパ71が待機位置から移動して吐出面10aをワイピングするまでにワイパ71に埃などの異物が付着していても、除去することが可能となる。さらに、ワイパ71の先端に増粘インクが残留していても、加湿空気の吹き付けでワイパ71の先端から除去することが可能となる。
また、加湿空気供給機構50がポンプ56(切換機構)を有しているため、排出口51aに加えて、ワイピング時の払拭方向の上流にある吸引口51bからも加湿空気を排出することが可能となる。封止状態にある吐出空間S1において加湿メンテナンスだけを行う場合は、排出口51aと吸引口51bとをつなぐ加湿空気の経路(流れ方向)を切り換える必要はないが、この流れ方向を切り換えて吸引口51bからも加湿空気を排出させることが可能になることで、ワイピング直前に吸引口51bからワイパ71に加湿空気を吹き付け、ワイピング直後に排出口51aからワイパ71に加湿空気を吹き付けることが可能となる。これにより、ワイパ71に加湿空気を吹き付けてから当該ワイパ71で吐出面10aを払拭するまでの時間及び移動距離を短くすることが可能になる。そして、払拭方向の下流にある排出口51aから加湿空気を排出させることで、ワイピング直後にワイパ71に加湿空気を吹き付けることが可能となる。このように切換機構としてのポンプ56を有していることで、ワイピング直前及び直後に、加湿空気をワイパ71に容易に吹き付けることが可能となる。
また、排出口51aと吸引口51bは、ヘッド10を挟む位置に配置され、インク吐出方向と同じ方向に加湿空気を排出する。これにより、移動機構80でワイパ71を一方向(主走査方向)に移動させるだけで、ワイパ71を吸引口51b、吐出面10a及び排出口51aと順に、容易に対向させることが可能となる。
変形例として、排出口51aと吸引口51bからは、インク吐出方向と交差する方向に加湿空気を排出してもよい。つまり、図9において破線の矢印で示すように、排出口51a及び吸引口51bから排出される加湿空気が鉛直方向下方に対して斜め(より好適には吐出面10aから外側に離れる外側斜め)になるように、ジョイント51を設けてもよい。これにおいても加湿空気が斜めではあるものの上から下に向かう方向に排出されるため、上述と同様の効果を得ることができる。なお、この変形例においては、加湿空気の排出方向に関して、ワイパ71と、排出口51a(又は吸引口51b)とを対向させた状態で、ワイパ71に加湿空気を吹き付ける。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、プリンタ1にキャップ手段が設けられていなくてもよい。また、吐出空間S1を封止状態と非封止状態とに取り得るキャップ手段として、吐出面10aと対向する底部及びこの底部の周縁に立設された環状部を有するキャップと、環状部の先端が吐出面10aと当接する位置及び吐出面10aから離隔した位置にキャップを移動させる移動機構とを含んで構成されていてもよい。加えて、吐出面10aにおいてすべての吐出口を挟む位置に排出口と吸引口とが設けられていてもよい。この場合、排出口と対向する位置に移動機構でワイパ71を移動させればよい。また、上述の実施形態の移動機構80においては、ワイパ71(ワイパユニット70)を主走査方向に移動させているが、移動機構は、加湿空気供給機構50の排出口51a(吸引口51b)をワイパ71と対向する位置に移動させてもよいし、互いに対向するように両者を移動させてもよい。また、ワイパ71によるワイピングが、ヘッド10が移動する、又はヘッド10及びワイパ71の両者が互いに相対移動することで行われてもよい。
また、加湿空気供給機構50が切換機構(ポンプ56)を有していなくてもよい。また、加湿空気供給機構は、加湿空気を生成する生成部(タンク)と、生成された加湿空気を排出する排出口とを有しておればよい。また、加湿空気を排出する排出口は、ヘッド10から離れた位置(キャップ40によって包含されない位置)に配置されていてもよい。例えば、待機位置に配置されたワイパ71と対向する位置に排出口が設けられていてもよい。この場合、ワイピングを行う前(直前)に待機位置にてワイパ71に加湿空気を吹き付けることが可能となる。さらに、ワイピングを行った後(直後)に待機位置にてワイパ71に加湿空気を吹き付けることも可能となる。また、上述の実施形態においては、ワイピングの直前、直後にワイパ71の先端に加湿空気を吹き付けていたが、これ以外のタイミング(例えば、プリンタ1の電源がONされたときなど)でワイパ71の先端に加湿空気を吹き付けてもよい。これにおいても、増粘を防ぎつつワイパ71の先端から増粘インクなどの異物を非接触で除去することができる。
排出口51a及び吸引口51bの副走査方向の幅は、吐出面10aの幅よりも小さくても好い。より好適には、副走査方向に関して、吐出面10aにおいて吐出口14aが形成された領域の幅以上あればよい。
本発明は、ライン式・シリアル式のいずれにも適用可能であり、また、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能であり、さらに、インク以外の液体を吐出させることで記録を行う液体吐出装置にも適用可能である。記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な様々な媒体であってよい。