以下に、本発明に係るミラーキャビネットの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る照明装置を備える洗面化粧台の概略図である。なお、以下の説明では、洗面化粧台1の通常の使用状態における上下方向を、本実施形態に係る照明装置30の上下方向、洗面化粧台1を使用する際における使用者の左右方向を、本実施形態に係る照明装置30の左右方向として説明する。図1に示す洗面化粧台1は、水を使用する際における吐水部である水栓2や、水を溜めたり使用後の水を流したりする洗面器3が設けられている。また、これらの洗面器3等の上方には、洗面用具等の物を収容可能なキャビネット10が設けられており、このキャビネット10は、図1に示す洗面化粧台1では3つ設けられている。これらのように設けられるキャビネット10は、洗面化粧台1を使用する人に対向する部分に、開閉可能な扉20が設けられており、キャビネット10への物の出し入れは、この扉20を開閉することにより出し入れする。
また、この扉20における、洗面化粧台1を使用する人に対向する側の面、即ち、キャビネット10における、洗面化粧台1を使用する人に対向する側の面には、鏡15が設けられている。このため、洗面化粧台1に設けられるキャビネット10は、鏡15を備えたミラーキャビネットとして設けられている。また、このようにキャビネット10に設けられる鏡15に上部には、光を照射する上部照射部16が設けられている。この上部照射部16は、各キャビネット10、或いは扉20の上端に沿って形成されており、上下方向には狭く、左右方向には、キャビネット10、或いは扉20の幅と同程度の幅で形成されている。
図2は、図1のA−A断面図である。鏡15を有する扉20は、鏡ジョイナー21によって鏡15を保持しており、この鏡ジョイナー21には、扉20における鏡15が位置する側の面の反対側の面に、ゴムや樹脂等の弾力性のある材料により形成された当止め足22が設けられている。この当止め足22は、扉20を閉じた際に、キャビネット10を形成するキャビネット壁部12と弾力性を有して当接することにより、扉20を閉じた際における衝撃を緩衝する役割を果たしている。扉20は、このように当止め足22がキャビネット壁部12に当接して閉じることにより、キャビネット10における内部空間であるキャビネット内部13を、キャビネット10の外部に対して閉じる。
また、鏡ジョイナー21によって保持されている鏡15は、上端に上部照射部16が設けられているが、この上部照射部16は、鏡15において鏡銀膜25が設けられていない部分になっている。詳しく説明すると、鏡15は、透明な板状の形状で形成されたガラス部材と、このガラス部材における、鏡15の反射面の反対側の面に貼り付けられた鏡銀膜25とにより設けられている。鏡15において反射可能な部分は、この鏡銀膜25が設けられている部分になっており、上部照射部16は、鏡銀膜25が設けられておらず、ガラス部材のみにより設けられている部分になっている。このため、上部照射部16は、光の透過が可能な部分になっている。
また、扉20には、上部照射部16から光を照射可能な照明装置30が設けられている。この照明装置30は、光源であるLED(Light Emitting Diode)35と、このLED35を発光させる際における電気を供給する基板36と、LED35で発した光を面発光によって、鏡15の端部に位置する上部照射部16から照射する導光板40とを有している。このうち、導光板40は、透明な部材により形成されており、LED35で発した光を、当該導光板40全体に導くことが可能に設けられている。鏡ジョイナー21は、このように設けられる導光板40を、鏡15よりも内側、即ち、鏡15よりもキャビネット内部13側に位置させて保持している。
また、この導光板40における鏡15側の面のうち、鏡15に設けられる鏡銀膜25が位置している部分には、反射フィルム27が配設されている。この反射フィルム27は、導光板40内に照射された光が当該反射フィルム27から出光しようとしている場合に、この光を導光板40内に反射することにより、出光しようとした光を導光板40内に戻す。
また、導光板40における鏡15側の面の反対側の面には、白反射シート28が配設されている。この白反射シート28は、反射フィルム27と同様に、導光板40内に照射された光が当該白反射シート28から出光しようとしている場合に、この光を導光板40内に反射することにより、出光しようとした光を導光板40内に戻す。
さらに、導光板40における鏡15側の面の反対側の面には、凹凸部である横溝45が形成されている。この横溝45は、導光板40の左右方向に延びる溝として形成されており、導光板40の上下方向に複数本が形成されている。詳しくは、この横溝45は、導光板40の厚さ方向に凹凸になった形状で形成されており、上下方向における範囲が、鏡15の上部照射部16の範囲とほぼ同じ範囲に形成されている。
図3は、図2のB−B矢視図である。図4は、図3のC−C断面図である。これらのように設けられる導光板40は、導光板40の下側の端部である導光板下端部42が、導光板40の幅方向における両端部から中央に向かうに従って、下方に向かう方向に傾斜している。つまり、導光板下端部42は、水平方向に対して傾斜している。これに対し、導光板40の上側の端部である導光板上端部41は、導光板40の幅方向に延びて形成されている。即ち、導光板上端部41と導光板下端部42とは、相対的に傾斜しており、このため、導光板40は、上下方向における幅が、左右方向における両端部よりも、左右方向における中央部の方が大きくなっている。
また、このように導光板40には、下方に突出した導光部50が一体に形成されている。この導光部50は、導光板下端部42の左右方向における中央部、即ち、導光板下端部42が最も導光板上端部41から離れ、最も上下方向における幅が大きい部分から、下方に向けて突出し、導光板40の厚さと同じ厚さで形成されている。導光部50は、このように導光板40から下方に突出して形成されているが、このように形成される導光部50の下方側の端部である導光部端部51は、キャビネット10の下方側の端部であるキャビネット下端部11(図1参照)付近に位置している。つまり、導光部端部51は、扉20の下方側の端部付近に位置しており、導光板上端部41と概ね平行な平面で形成されて、下方を向いた面となっている。
また、このように設けられる導光板40や導光部50と共に照明装置30を構成するLED35は、複数のLED35が基板36に並べられて、導光板下端部42側に配設されている。詳しくは、導光板下端部42は、導光板40の両端部から中央に向かうに従って下方に向かう方向に傾斜しているため、幅方向における中央の両側で、即ち、導光部50の両側で傾斜角度が異なっているが、LED35が設けられる基板36は、この双方の導光板下端部42の近傍に配設されている。
また、この基板36は、板状の形状で形成されて複数のLED35が、全て同じ面に並べて設けられており、1つの導光板下端部42の長さと同じ長さで形成されている。このように形成される基板36は、LED35が導光板40側に向かう向きで、導光板40の幅方向において導光部50の両側に位置する双方の導光板下端部42の近傍に、導光板下端部42に沿って配設されている。
この実施形態に係る照明装置30は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。本実施形態に係る照明装置30を備える洗面化粧台1の使用時に、照明装置30を使用する場合には、LED35を点灯させる。LED35で発した光は、導光板下端部42から導光板40内に進入し、導光板40内を進む。このように、導光板40内に入り込んだ光のうち、導光板40における鏡15側の面の反対側の面に向かった光は、この部分に設けられている白反射シート28で反射するため、この面からは出光せずに、導光板40内に戻る。
また、導光板40における鏡15側の面に向かった光のうち、反射フィルム27が設けられている部分に向かった光は、この反射フィルム27で反射するため、この面からは出光せずに、導光板40内に戻る。また、導光板上端部41に向かった光も、この導光板上端部41側には、鏡ジョイナー21が位置しているため、この鏡ジョイナー21で反射して、導光板上端部41からは出光せずに、導光板40内に戻る。
これらに対し、導光板40における鏡15側の面に向かった光のうち、反射フィルム27が設けられていない部分に向かった光は、この部分から出光する。即ち、導光板40は、鏡15側の面のうち、反射フィルム27が設けられていない部分で面発光する。
また、導光板40における鏡15側の面の反対側の面において、鏡15の上部照射部16の範囲とほぼ同じ範囲には、横溝45が形成されている。このため、導光板40内を進む光は、この横溝45で反射する。このように反射した光は、横溝45が形成されている側の面の反対側の面、つまり、導光板40における鏡15側の面に向かうが、横溝45が形成される範囲は、上部照射部16の範囲とほぼ同じ範囲であるため、横溝45から鏡15側の面に向かう光は、上部照射部16の範囲とほぼ同じ範囲の光になる。
導光板40における鏡15側の面の上部照射部16の範囲には、反射フィルム27が設けられていないため、横溝45から鏡15側の面に向かった光は、この面から出光し、導光板40は面発光する。このように、導光板40は、鏡15側の面における上部照射部16の範囲、つまり、反射フィルム27が設けられていない部分で面発光するが、鏡15の上部照射部16は、鏡銀膜25が設けられておらず、光の透過が可能になっている。このため、面発光をした導光板40からの光は、上部照射部16から外部に照射される。
洗面化粧台1の使用時には、使用者の顔は、鏡15に対向した部分に位置することが多いので、このように上部照射部16から照射された光は、使用者の顔付近を照らす。使用者の顔付近に当たった光は、当たった部分で反射し、その一部は鏡15に向かう。鏡15では、この光をさらに反射し、この光を使用者が視認することで、明るい状態で鏡15によって自分の顔等を視認することができる。
照明装置30のLED35で発した光のうち、一部の光はこのように上部照射部16から外部に照射されるが、他の一部の光は、導光部50に向かう。つまり、LED35は、水平方向に対して傾斜している導光板下端部42に沿って形成される基板36に設けられているため、LED35の光軸は、導光板下端部42に略直交する方向になっているが、導光板下端部42は、導光板上端部41と相対的に傾斜している。さらに、導光板下端部42は、導光部50の両側で傾斜が異なっている。これらのため、LED35で発して導光板下端部42から導光板40内に入り込んだ光は、導光板40内を一律な方向に進むのではなく、導光板40の内部で反射しながら、多様な方向に進む。
導光部50内には、このように導光板40内を多様な方向に進む光の一部が入り込む。導光部50内に入り込んだ光は、導光部50の内部を直接進みながら、或いは、導光部50内で反射を繰り返しながら、導光部端部51の方向に向かう。このように導光部端部51の方向に向かい、導光部端部51に到達した光は、導光部端部51から出光して導光部50の外部を照射する。
この導光部端部51は、キャビネット下端部11付近に位置しているため、導光部端部51から外部を照射する光は、キャビネット下端部11付近を照射する。つまり、導光部50は、LED35で発した光を鏡15の下方側に導き、導いた光を導光部端部51から照射することにより鏡15の下方側から光を照射する。導光部50で導かれた光は、導光部端部51から外部を照射することにより、キャビネット下端部11付近を照射するが、このキャビネット下端部11付近には、水栓2や洗面器3等が配設されている。
これらの水栓2等は、洗面化粧台1の使用者が手等を洗浄する際に使用するため、導光部端部51からの光で外部を照射す光は、キャビネット下端部11付近を照射することにより、水栓2を使用する使用者の手元を照射する。これにより、洗面化粧台1の使用者の手元を明るくすることができる。
以上の照明装置30は、面発光する導光板40によって、LED35で発した光を、キャビネット10に設けられる鏡15の端部に位置する上部照射部16から照射するので、洗面化粧台1の使用者の顔付近を明るくすることができる。さらに、LED35で発した光を、導光板40から突出して形成される導光部50によって、鏡15の下方側から照射するので、洗面化粧台1の使用者の手元付近を明るくすることができる。この結果、複数の方向を、より適切に照射することができる。
特に、キャビネット10に備えられる照明装置で、使用者の顔付近を照射する際に、照明装置で用いる光源として、指向性の強いLEDを用いた場合には、照明部分が位置する上部に明るさが集中し、手元部分が暗くなってしまう場合がある。これに対し、実施形態に係る照明装置30では、導光板40から下方に突出する導光部50を設けているので、光源にLED35を用いた場合でも、使用者の顔付近のみでなく、手元部分も良好に照射することができる。また、照明装置30の一部である導光板40を延ばして導光部50を形成し、LED35で発した光を下方側に導くため、別部材を増やすことなく、より適切に複数の方向を照射することができる。
また、1つの光源のユニットであるLED35及び基板36で、複数の箇所を照射することができるので、光源の数を低減することによるスペース効率の向上と、製造コストの低減を図ることができる。この結果、照射効率が高く、複数の方向の適切な照射を行う照明装置30を、低コストで実現することができる。
また、LED35と導光板40と導光部50とは、鏡15が設けられる扉20に内設されているので、キャビネット10の収容空間を犠牲にすることなく、適切な照射を行う照明装置30を設けることができる。この結果、キャビネット10の収容能力と、照明装置30の照射性能との両立を図ることができる。
また、導光板40におけるLED35が配設されている側の端部である導光板下端部42と、反対側に位置する端部である導光板上端部41とで、相対的に傾斜しているので、導光板40内を進む光の進行方向を、多様な方向にすることができる。これにより、LED35からの光で複数の箇所を照射する際に、光をより確実に分散し、複数の箇所を照射することができる。この結果、より確実に、複数の方向を適切に照射することができる。
また、導光板40における面発光する側の面の反対側の面に横溝45を形成しているので、LED35で発した光を、この横溝45で反射させ、より確実に面発光させることができる。この結果、より確実に、複数の方向を適切に照射することができる。
また、LED35は、指向性が高いため、複数の方向を照射することは、通常は困難なものとなっているが、上述した導光板40と導光部50とを用いることにより、光源としてLED35を用いた場合でも、適切に複数の箇所を照射することができる。この結果、消費電力を抑えつつ、複数の方向を適切に照射することができる照明装置30を実現することができる。
図5は、実施形態に係る照明装置の変形例を示す要部断面図である。なお、実施形態に係る照明装置30では、凹凸部としては、導光板40における面発光する側の面の反対側の面に横溝45が形成されているのみであるが、凹凸部は、他の部分にも設けられていてもよい。例えば、図5に示すように、導光板40における面発光する側の面に、凹凸部である複数の縦溝55を形成してもよい。
この縦溝55は、導光板40の上下方向に延びる溝として形成されており、導光板40の左右方向に複数本が形成されている。詳しくは、この縦溝55は、導光板40の厚さ方向に凹凸になった形状で形成されており、上下方向における範囲が、鏡15の上部照射部16の範囲とほぼ同じ範囲に形成されている。
導光板40に、このように縦溝55を形成することにより、導光板40内を進む光は、縦方向に進む光が増加する。このため、導光部50に入り込み、導光部50によって下方に導かれて導光部端部51から照射する光が増加するため、洗面化粧台1の使用者の手元付近を、より明るくすることができる。この結果、複数の方向を、より適切に照射することができる。
図6は、実施形態に係る照明装置の変形例を示す要部断面図である。また、実施形態に係る照明装置30では、横溝45は、導光板40における面発光する側の面の反対側の面に形成されているのみであるが、横溝45は、他の部分にも設けられていてもよい。例えば、図6に示すように、導光板40における面発光する側の面である照射方向の面に、上述した横溝45と同様な形態の横溝である照射方向側横溝58を形成してもよい。
このように、面発光し、上部照射部16から照射する光が出光する面にも照射方向側横溝58を形成することにより、この部分から出光する光の量が増加し、面発光の光量が増加する。これにより、上部照射部16から照射する光の量が増加するので、洗面化粧台1の使用者の顔付近を、より明るくすることができる。この結果、複数の方向を、より適切に照射することができる。
図7は、実施形態に係る照明装置の変形例を示す要部断面図である。また、実施形態に係る照明装置30では、導光板40は、1つの部材により形成されているが、導光板40は、複数に分割されていてもよい。例えば、図7に示すように、導光板40は、厚さ方向に2分割し、鏡15側の反対側に位置する導光板40である第1導光板61と、鏡15側に位置する導光板40である第2導光板62とを組み合わせることにより形成してもよい。
また、この場合、第1導光板61と第2導光板62とには、共に横溝を設け、第1導光板61には、上述した横溝45と同様な形態の横溝である第1横溝66を形成し、第2導光板62には、第1導光板61側の面に、上述した横溝45と同様な形態の横溝である第2横溝67を形成する。つまり、第1横溝66と第2横溝67とは、同じ向きの横溝として形成する。第1横溝66と第2横溝67とは、当該第1横溝66や第2横溝67に向かった光を、共に上部照射部16の方向に反射するため、上部照射部16から照射する光の量を増加させることができる。これにより、洗面化粧台1の使用者の顔付近を、より明るくすることができ、この結果、複数の方向を、より適切に照射することができる。
図8は、実施形態に係る照明装置の変形例を示す要部断面図である。図9は、図8のD−D断面図である。また、実施形態に係る照明装置30では、LED35及び基板36は、導光板40の導光板下端部42の近傍で、導光板下端部42に沿って配設されているが、LED35及び基板36は、これ以外の部分に設けられていてもよい。例えば、図8、図9に示すように、LED35及び基板36は、導光板上端部41の近傍で、導光板上端部41に沿って配設してもよい。導光板上端部41と導光板下端部42とは、相対的に傾斜しているため、LED35を導光板上端部41の近傍に配設した場合でも、導光板上端部41から導光板40内に入り込んだLED35の光は、導光板40内で分散し、多様な方向に進行する。このため、LED35を導光板上端部41の近傍に配設した場合でも、複数の箇所を照射することができ、より確実に、複数の方向を適切に照射することができる。
また、このようにLED35及び基板36を導光板上端部41の近傍に導光板上端部41に沿って配設した場合、基板36は、鏡ジョイナー21に接触することになる。このため、LED35の発光時に発生する熱を、鏡ジョイナー21に伝達することができ、LED35や基板36の温度が上昇し過ぎることを抑制することができる。この結果、発光時の冷却性能の向上を図ることができる。
図10は、実施形態に係る照明装置の変形例を示す要部断面図である。また、実施形態に係る照明装置30では、導光板40の導光板下端部42は、導光板40の幅方向における両端部から中央に向かうに従って、下方に向かう方向に傾斜しているが、導光板下端部42は、必ずしもこのように形成されていなくてもよい。例えば、図10に示すように、導光板下端部42は、導光板40の幅方向における両端部から中央に向かうに従って、上方に向かう方向に傾斜していてもよい。つまり、この場合、導光板40は、上下方向における幅が、左右方向における中央部よりも、左右方向における両端部の方が大きくなっている。
導光板下端部42をこのように形成する場合でも、LED35や基板36は導光板下端部42に沿って形成する。このため、LED35の発光時に導光板下端部42から導光板40内に入り込んだ光は、導光板上端部41の方向に向かいつつ、左右方向における外側方向に広がる方向に進む。実施形態に係る照明装置30のように、導光板下端部42が、導光板40の幅方向における両端部から中央に向かうに従って下方に向かう方向に傾斜している場合には、導光板40内を進む光は、導光板40の幅方向における中央方向に進み易くなる。このため、導光板40の幅方向における両端部の方向に向かう光は少なくなるため、上部照射部16から照射される光も、幅方向における両端部付近の光量が少なくなる場合がある。
これに対し、導光板下端部42は、導光板40の幅方向における両端部から中央に向かうに従って上方に向かう方向に傾斜させ、導光板40内に入り込んだLED35からの光を、左右方向における外側方向に広がる方向に進ませるようにした場合には、上部照射部16からの照射光も、幅方向における両端部付近の光量を確保することができる。これにより、洗面化粧台1の使用者の顔付近を、より確実に、均一に明るくすることができる。この結果、複数の方向を、より適切に照射することができる。
図11は、実施形態に係る照明装置の変形例を示す要部断面図である。また、実施形態に係る照明装置30では、導光部50は導光板40から1つが突出しているのみであるが、導光部50は、複数が設けられていてもよい。例えば、図11に示すように、導光部50は、導光板40の左右方向における両端の2箇所から、下方に突出させてもよい。この場合、導光板40の左右方向における両端付近から導光部50の方向に向かう光の量が増加するため、導光板40から面発光する光のうち、導光板40の幅方向における両端部付近の光量が少なくなる場合がある。このため、このように導光板40の左右方向における両端付近から導光部50を突出させる場合には、導光板下端部42は、導光板40の幅方向における両端部から中央に向かうに従って上方に向かう方向に傾斜させ、導光板40内に入り込んだLED35からの光を、左右方向における外側方向に広がる方向に進ませるのが好ましい。
このように、導光部50を複数設けることにより、導光部50によって下方に導かれて導光部端部51から照射する光が増加するため、洗面化粧台1の使用者の手元付近を、より確実に明るくすることができる。この結果、複数の方向を、より適切に照射することができる。
また、このように導光部50を複数設けることにより、照明装置30の強度を増加させることができるので、照明装置30を内設する扉20の強度を増加させたり、扉20に設けられる補強部材を低減させたりすることができる。また、左右方向における中央部分に導光部50を設けないことにより、扉20の中央部付近に、収納部を設けることができる。これらの結果、適切に複数の方向への照射を可能にしつつ、使い勝手のよい照明装置30を実現することができる。
また、導光部50を設ける位置は、導光板40の左右方向におけるどの部分に設けてもよい。導光部50を設ける位置や数は、使用する態様に応じて、適宜設定するのが好ましい。
図12は、実施形態に係る照明装置の変形例を示す要部断面図である。また、上述した各照明装置30では、導光部50は、左右方向の幅が一定の幅で導光板40の下方に突出しているが、導光部の左右方向における幅は、一定でなくてもよい。例えば、図12に示すように、導光板40から下方に突出して形成される導光部70は、導光板40から下方に離れ、下方側の端部である導光部端部71に向かうに従って、左右方向の幅が広くなって形成されていてもよい。この場合、導光部70における光を照射する部分である導光部端部71の幅を広くするので、導光部70によって下方に導いた光によって導光部70を照射する際に、照射エリアを横に広げることができる。このように、導光部70の形状は、使用する環境や用途によって、適宜設定してもよい。これにより、複数の方向の所望の照射エリアを、より適切に照射することができる。
図13は、実施形態に係る照明装置の変形例を示す説明図であり、浴室に備えられるミラーキャビネットの概略図である。また、実施形態に係る照明装置30は、洗面化粧台1に備え付けられるキャビネット10に設けられているが、照明装置30は、洗面化粧台1のキャビネット10以外の部分に設けられていてもよい。照明装置30は、例えば、図13に示すような、浴室80に備えられるミラーキャビネット81に設けられていてもよい。この場合、照明装置30(図2、図3等参照)は、ミラーキャビネット81に内設し、照明装置30の導光板40で面発光した光は、ミラーキャビネット81が有する鏡82の上部照射部83から、鏡82が面している方向に向かって照射される。また、照明装置30の導光部50(図3等参照)によって下方に導かれ、導光部端部51から下方に向かって照射される光は、ミラーキャビネット81の下側の端部であるキャビネット下端部85から、下方に向かって照射される。
また、このように設けられるミラーキャビネット81が備えられる浴室80では、ミラーキャビネット81の下方に水栓90が設けられている場合が多くなっている。このため、このミラーキャビネット81に、上述した照明装置30を内設し、照明装置30が有するLED35(図2、図3等参照)を発光させることにより、浴室80でミラーキャビネット81を使用する人の顔付近を、上部照射部83からの光で照射することができる。また、照明装置30が有するLED35を発光させることにより、ミラーキャビネット81の下方に位置する水栓90付近を、キャビネット下端部85からの光で照射することができ、ミラーキャビネット81の使用者の手元付近を明るくすることができる。従って、浴室80に備えられるミラーキャビネット81に照明装置30を設けた場合でも、複数の方向を、より適切に照射することができる。このように、本発明に係るミラーキャビネットは、鏡を有するキャビネットであれば、そのキャビネットが配設される位置や用途は問わない。
また、上述した照明装置30では、光源としてLED35を用いているが、光源はLED35以外のものを用いてもよい。光源としてLED35以外のものを用いた場合でも、上述した導光板40や導光部50を用いて、光源で発した光を導くことにより、複数の方向を適切に照射することができる。