JP5479747B2 - ポリ乳酸樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ乳酸樹脂組成物及びポリ乳酸樹脂成形体に関する。
生分解性樹脂の中でポリ乳酸樹脂は、トウモロコシ、芋などからとれる糖分から、発酵法によりL−乳酸が大量に製造され安価になってきたこと、原料が自然農作物なので二酸化炭素排出量を増加させにくい、また得られた樹脂の性能として剛性が強く透明性が良いという特徴があるので、現在その利用が期待されている。しかしポリ乳酸樹脂の場合、脆く、硬く、可撓性に欠ける特性のために包装材や日用品のような消費材としての実用化例は多数あるが、射出成形によって得られる家電部品や自動車部品のような耐久材として高度な要求特性が求められる分野には、使用実績はほとんどない。射出成形体などに成形した場合は、可撓性、耐衝撃性のような機械的強度が不足したり、折り曲げたときに白化したり、ヒンジ特性が劣るなどの問題があり、使用されていないのが現状である。
また、ポリ乳酸樹脂は結晶化速度が遅く、延伸などの機械的工程を行わない限り成形後は非晶状態である。しかし、ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度(Tg)は60℃と低く耐熱性に劣るため、温度が55℃以上となる環境下では使用できない問題があった。
更に家電部品や自動車部品のような耐久材としての利用には、耐熱性と耐衝撃性を備えた上で、ある程度の可撓性を有することが求められる。
特許文献1には、乳酸系樹脂に、シランカップリング剤により表面処理された金属水酸化物と、芳香族カルボジイミドを含有する、難燃性と耐久性を兼ね備えた難燃性射出成形体が開示されており、シランカップリング剤としてはエポキシシランが好ましいと記載され、エポキシシランカップリング剤を用いた実施例だけが記載されている。しかし、エポキシシランカップリング剤により表面処理された金属水酸化物を用いた場合、その効果は不十分であり、更なる、耐熱性、耐衝撃性、可撓性が良好なポリ乳酸樹脂組成物の開発が求められている。
特開2005−120119号公報
本発明の課題は、優れた耐熱性、耐衝撃性、更に可撓性を有するポリ乳酸樹脂組成物及びポリ乳酸樹脂成形体を提供することにある。
本発明は、ポリ乳酸樹脂と、イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物とを含有し、金属水和物中のアルカリ金属系物質の含有量が0.2質量%以下であるポリ乳酸樹脂組成物、更に可塑剤を含有するポリ乳酸樹脂組成物、更に有機結晶核剤を含有するポリ乳酸樹脂組成物、並びにこのポリ乳酸樹脂組成物を成形してなるポリ乳酸樹脂成形体を提供する。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、優れた耐熱性、耐衝撃性、更に可撓性を示す。
[ポリ乳酸樹脂]
本発明に用いられるポリ乳酸樹脂は、ポリ乳酸、又は乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーである。ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が挙げられ、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸が好ましい。好ましいポリ乳酸の分子構造は、例えばL−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位20〜100モル%とそれぞれの対掌体の乳酸単位0〜80モル%からなるものである。
また、本発明におけるポリ乳酸樹脂としては、L−乳酸単位90〜100モル%と、D−乳酸等の単位0〜10モル%とにより構成されるポリ乳酸単位(A)と、D−乳酸単位90〜100モル%と、L−乳酸等の単位0〜10モル%とにより構成されるポリ乳酸単位(B)との混合物からなり、(A)/(B)(質量比)が10/90〜90/10である、ステレオコンプレックスポリ乳酸を用いることもできる。これらのステレオコンプレックスポリ乳酸を構成する各ポリ乳酸単位(A)及び(B)に使用される乳酸以外の共重合成分単位は、2個以上のエステル結合を形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等及びこれら種々の構成成分からなり、未反応の前記官能基を分子内に2つ以上有するポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等が挙げられる。
また、乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは、例えばL−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位85〜100モル%とヒドロキシカルボン酸単位0〜15モル%からなるものである。これらのポリ乳酸樹脂は、L−乳酸、D−乳酸及びヒドロキシカルボン酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド及びカプロラクトン等から必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド及びD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いることができる。但し、主原料は、D−ラクチド又はL−ラクチドが好ましい。
ポリ乳酸樹脂の中で好ましいものとしては、耐熱性の観点から、光学純度90%以上の結晶性ポリ乳酸と光学純度90%未満のポリ乳酸の割合が質量比で、光学純度90%以上の結晶性ポリ乳酸/光学純度90%未満のポリ乳酸=100/0〜10/90、好ましくは100/0〜25/75、より好ましくは100/0〜50/50、更に好ましくは100/0〜90/10のポリ乳酸樹脂が挙げられる。
市販されているポリ乳酸樹脂としては、例えば、三井化学(株)製、商品名レイシア;ネイチャーワークス社製、商品名Nature Works;トヨタ自動車(株)製、商品名エコプラスチックU’z等が挙げられる。
これらの中では、三井化学(株)製、商品名レイシアH−100,H−280,H−400,H−440;ネイチャーワークス社製、商品名Nature Works;トヨタ自動車(株)製、商品名エコプラスチックU’zが好ましい。
耐熱性の観点では、L−乳酸純度が高い結晶性ポリ乳酸樹脂が好ましく、延伸により配向結晶化させることが好ましい。結晶性ポリ乳酸樹脂としては、三井化学(株)製、レイシアH−100、H−400、H−440、トヨタ自動車(株)製、エコプラスチックU’z S−09、S−12、S−17等が挙げられる。
[イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物]
本発明に用いられるイソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物としては、イソシアネート系シランカップリング剤と金属水和物とを、イソシアネート系シランカップリング剤/金属水和物(質量比)=0.1/99.9〜5/95の割合で処理したものが、本発明の効果を得る観点から好ましく、0.3/99.7〜3/97の割合で処理したものがより好ましく、0.5/99.5〜2/98の割合で処理したものが更に好ましい。
イソシアネート系シランカップリング剤としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン及び3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本発明に用いられる金属水和物は、ポリ乳酸樹脂の加水分解を抑制する観点から、金属水和物中のアルカリ金属系物質の含有量が0.2質量%以下である。金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸カルシウム、水和石膏、水酸化カルシウム、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ砂、カオリンクレー、炭酸カルシウム等が挙げられ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種が好ましく、水酸化アルミニウムがより好ましい。
また金属水和物は、平均粒径10μm以下の粒状体からなるものが好ましく、平均粒径0.1〜5μmの粒状体からなるものがより好ましい。
尚、金属水和物の平均粒径は、回折・散乱法によって体積基準のメジアン径を測定することにより求めることができる。例えば市販の装置としてはコールター社製レーザー回折・光散乱法粒度測定装置LS230等が挙げられる。
イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物を得る方法は特に限定されず、例えば、イソシアネート系シランカップリング剤を、アセトン、酢酸エチル、トルエン等の溶媒に溶解させた溶液を、アルカリ金属系物質の含有量が0.2質量%以下の金属水和物の表面に噴霧又は塗工した後、乾燥して溶媒を除去する方法等が挙げられる。
[可塑剤]
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は更に可塑剤を含有することが好ましい。
本発明に用いられる可塑剤としては特に限定されないが、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸等の多塩基酸と、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとのエステル;グリセリン、エチレングリコール、ジグリセリン、1,4−ブタンジオール等の多価アルコールに、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加させた付加物のアセチル化物;ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル等のヒドロキシ安息香酸エステル;フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタル酸エステル;アジピン酸ジオクチル等のアジピン酸エステル;マレイン酸ジ−n−ブチル等のマレイン酸エステル;アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル;リン酸トリクレジル等のアルキルリン酸エステル;トリメリット酸トリオクチル等のトリカルボン酸エステル;アセチル化ポリオキシエチレンヘキシルエーテル等のアセチル化ポリオキシエチレンアルキル(アルキル基の炭素数2〜15)エーテル等が挙げられる。ポリ乳酸樹脂の柔軟性、透明性、結晶化速度に優れる観点から、コハク酸、アジピン酸又は1,3,6−ヘキサントリカルボン酸とポリエチレングリコール(エチレンオキサイドの平均付加モル数0.5〜5)モノメチルエーテルとのエステル、及び酢酸とグリセリン又はエチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数3〜20)とのエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
[有機結晶核剤]
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は更に有機結晶核剤を含有することが好ましい。
有機結晶核剤としては、脂肪酸モノアミド、脂肪酸ビスアミド、芳香族カルボン酸アミド、ロジン酸アミド等のアミド類;ヒドロキシ脂肪酸エステル類;芳香族スルホン酸ジアルキルエステルの金属塩、フェニルホスホン酸金属塩、リン酸エステルの金属塩、ロジン酸類金属塩等の金属塩類;カルボヒドラジド類、N−置換尿素類、有機顔料類等が挙げられるが、成形性、耐熱性、耐衝撃性及び有機結晶核剤の耐ブルーム性の観点から、分子中に水酸基とアミド基とを有する化合物及びヒドロキシ脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、更にこれらの少なくとも1種と、フェニルホスホン酸金属塩を併用することがより好ましく、分子中に水酸基とアミド基とを有する化合物とフェニルホスホン酸金属塩を併用することが更に好ましい。
分子中に水酸基とアミド基とを有する化合物としては、ポリ乳酸樹脂との相溶性を向上させる観点から、水酸基を2つ以上有し、アミド基を2つ以上有する脂肪族アミドが好ましい。また、分子中に水酸基とアミド基とを有する化合物の融点は、混練時の有機結晶核剤の分散性を向上させ、またポリ乳酸樹脂組成物の結晶化速度を向上させる観点から、65℃以上が好ましく、70〜220℃がより好ましく、80〜190℃が更に好ましい。
分子中に水酸基とアミド基とを有する化合物の具体例としては、12−ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド等のヒドロキシ脂肪酸モノアミド、メチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のヒドロキシ脂肪酸ビスアミド等が挙げられる。ポリ乳酸樹脂組成物の成形性、耐熱性、耐衝撃性及び耐ブルーム性の観点から、メチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアルキレンビスヒドロキシステアリン酸アミドが好ましく、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミドがより好ましい。
ヒドロキシ脂肪酸エステルの具体例としては、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、12−ヒドロキシステアリン酸ジグリセライド、12−ヒドロキシステアリン酸モノグリセライド、ペンタエリスリトール−モノ−12−ヒドロキシステアレート、ペンタエリスリトール−ジ−12−ヒドロキシステアレート、ペンタエリスリトール−トリ−12−ヒドロキシステアレート等のヒドロキシ脂肪酸エステルが挙げられる。ポリ乳酸樹脂成形体の成形性、耐熱性、耐衝撃性及び有機結晶核剤の耐ブルーム性の観点から、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライドが好ましい。
本発明に用いられるフェニルホスホン酸金属塩は、置換基を有しても良いフェニル基とホスホン基(−PO(OH)2)を有するフェニルホスホン酸の金属塩であり、フェニル基の置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基の炭素数が1〜10のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。フェニルホスホン酸の具体例としては、無置換のフェニルホスホン酸、メチルフェニルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ジメトキシカルボニルフェニルホスホン酸、ジエトキシカルボニルフェニルホスホン酸等が挙げられ、無置換のフェニルホスホン酸が好ましい。
フェニルホスホン酸の金属塩としては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、バリウム、銅、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル等の塩が挙げられ、亜鉛塩が好ましい。
本発明において有機結晶核剤として、分子中に水酸基とアミド基とを有する化合物及びヒドロキシ脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種と、フェニルホスホン酸金属塩とを併用する場合、これらの割合は、本発明の効果を発現する観点から、分子中に水酸基とアミド基とを有する化合物及びヒドロキシ脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種/フェニルホスホン酸金属塩(質量比)=20/80〜80/20が好ましく、30/70〜70/30がより好ましく、40/60〜60/40が更に好ましい。
[ポリ乳酸樹脂組成物]
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂と、イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物とを含有するものであり、更に、可塑剤や有機結晶核剤を含有することが好ましい。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、上記のようなポリ乳酸樹脂と、イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物を含有することにより、格別顕著な耐熱性、耐衝撃性、可撓性の効果が奏される。このような顕著な効果が発現される理由は定かではないが、金属水和物に表面処理されたシランカップリング剤のイソシアネート基が、ポリ乳酸樹脂が有する水酸基に対して反応する等の作用によってもたらされているものと考えられる。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物中の、ポリ乳酸樹脂の含有量は、本発明の目的を達成する観点から、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上である。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物中の、ポリ乳酸樹脂とイソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物との割合は、本発明の目的を達成する観点から、ポリ乳酸樹脂/イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物(質量比)=30/70〜70/30が好ましく、40/60〜60/40がより好ましい。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物において、可塑剤の含有量は、本発明の目的を達成する観点から、ポリ乳酸樹脂100質量部に対し、5〜50質量部が好ましく、7〜30質量部がより好ましく、8〜30質量部が更に好ましい。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物において、有機結晶核剤の含有量は、十分な耐衝撃性、及び可撓性を得る観点から、ポリ乳酸樹脂100質量部に対し、0.05〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましく、0.2〜2質量部が更に好ましい。
本発明の組成物は、更に無機充填剤を含有することができる。無機充填剤としては、タルク、スメクタイト、カオリン、マイカ、モンモリロナイト等のケイ酸塩、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機化合物や、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ワラスナイト、チタン酸カリウムウィスカー、珪素系ウィスカー等の繊維状無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤の平均粒径は、良好な分散性を得る観点から、0.1〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。また、繊維状の無機充填剤のアスペクト比は、剛性向上の観点から5以上が好ましく、10以上がより好ましく、20以上が更に好ましい。無機充填剤の中でも、ポリ乳酸樹脂成形体の成形性及び耐熱性の観点からケイ酸塩、繊維状無機充填剤が好ましく、ケイ酸塩のなかでは、タルク又はマイカがより好ましく、タルクが特に好ましい。また、ポリ乳酸樹脂成形体の成形性及び透明性の観点からは、シリカが好ましい。また、繊維状無機充填剤のなかでは、ポリ乳酸樹脂成形体の耐熱性の観点から、ガラス繊維が好ましい。
尚、無機充填剤の平均粒径は、回折・散乱法によって体積基準のメジアン径を測定することにより求めることができる。例えば市販の装置としてはコールター社製レーザー回折・光散乱法粒度測定装置LS230等が挙げられる。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物において、無機充填剤の含有量は、十分な耐熱性及び耐衝撃性を得る観点から、ポリ乳酸樹脂100質量部に対し、1〜200質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましく、5〜40質量部が更に好ましい。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、更に、加水分解抑制剤を含有することができる。加水分解抑制剤としては、ポリカルボジイミド化合物やモノカルボジイミド化合物等のカルボジイミド化合物が挙げられ、ポリ乳酸樹脂成形体の成形性の観点からポリカルボジイミド化合物が好ましく、ポリ乳酸樹脂成形体の耐熱性、耐衝撃性及び有機結晶核剤の耐ブルーム性の観点から、モノカルボジイミド化合物が好ましく、また、ポリ乳酸樹脂成形体の耐久性の観点から、モノカルボジイミド化合物とポリカルボジイミド化合物の併用が好ましい。
ポリカルボジイミド化合物としては、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン及び1,5−ジイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド等が挙げられ、モノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ビス(メチルフェニル)カルボジイミド、ビス(メトキシフェニル)カルボジイミド、ビス(ニトロフェニル)カルボジイミド、ビス(ジメチルフェニル)カルボジイミド、ビス(ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(ジーt−ブチル)カルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ビス(トリフェニルシリル)カルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。
上記カルボジイミド化合物は、ポリ乳酸樹脂成形体の成形性、耐熱性、耐衝撃性及び有機結晶核剤の耐ブルーム性を満たすために、単独又は2種以上組み合わせて用いてもよい。また、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)はカルボジライトLA−1(日清紡績(株)製)を、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド及びポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン及び1,5−ジイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミドはスタバクゾールP及びスタバクゾールP−100(Rhein Chemie社製)を、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドはスタバクゾール1、スタバクゾール1−LF(Rhein Chemie社製)をそれぞれ購入して使用することができる。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物において、加水分解抑制剤の含有量は、ポリ乳酸樹脂成形体の成形性の観点から、ポリ乳酸樹脂100質量部に対し、0.05〜7質量部が好ましく、0.1〜3質量部が更に好ましい。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、上記以外に、更にヒンダードフェノール又はフォスファイト系の酸化防止剤、又は炭化水素系ワックス類やアニオン型界面活性剤である滑剤等の他の成分を含有することができる。酸化防止剤、滑剤のそれぞれの含有量は、ポリ乳酸樹脂100質量部に対し、0.05〜3質量部が好ましく、0.1〜2質量部が更に好ましい。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、上記以外の他の成分として、難燃化剤、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤等を、本発明の目的達成を妨げない範囲で含有することができる。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物には、難燃性、曲げ破断歪み、耐衝撃性、及び耐熱性を向上させる観点から、難燃化剤を含有することが好ましい。難燃化剤としては公知のものが使用できるが、リン系難燃化剤が好ましく、環状フォスフォニトリル酸フェニルエステル(環状フェノキシフォスファゼン)がより好ましい。難燃化剤の含有量は、難燃化剤の効果を確認しながら決められるが、難燃性、曲げ破断歪み、耐衝撃性、及び耐熱性の両立の観点から、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、1〜15重量部がより好ましい。
[ポリ乳酸樹脂成形体及びその製造法]
本発明のポリ乳酸樹脂成形体は、本発明のポリ乳酸樹脂組成物を成形することにより得られる。具体的には、例えば、押出し機等を用いてポリ乳酸樹脂を溶融させながら、イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物、必要により可塑剤、有機結晶核剤等を混合し、次に得られた溶融物を射出成形機等により金型に充填して成形する。金型温度は、特に限定されないが、作業性を向上させる観点から、110℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下が更に好ましい。またポリ乳酸樹脂組成物の結晶化速度を向上させる観点から、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。かかる観点から、金型温度は30〜110℃が好ましく、40〜90℃がより好ましく、60〜80℃が更に好ましい。
本発明のポリ乳酸樹脂成形体の好ましい製造方法は、ポリ乳酸樹脂、及びイソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物を含有するポリ乳酸樹脂組成物を溶融混練する工程(以下工程(1)という)と、工程(1)で得られた溶融物を110℃以下の金型内に充填して成形する工程(以下工程(2)という)を含む方法である。
本発明においては、工程(1)を経た後、冷却して非晶状態(すなわち高角X線回折法で測定される結晶化度が1%以下となる条件)とした後、工程(2)を行う方法や、工程(1)を経た後、冷却して直ちに工程(2)を行う方法が好ましく、本発明の結晶化速度の向上効果が発現する観点から、工程(1)を経た後、冷却して直ちに工程(2)を行う方法がより好ましい。
本発明の成形体の製造法における、工程(2)の具体例としては、例えば、射出成形機等によりポリ乳酸樹脂組成物を110℃以下の金型内に充填し、成形する方法等が挙げられる。工程(2)における金型温度は、結晶化速度向上及び作業性向上の観点から、110℃以下であり、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。また30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。かかる観点から、金型温度は30〜110℃が好ましく、40〜90℃がより好ましく、60〜80℃が更に好ましい。
本発明の工程(2)における金型内での保持時間は、相対結晶化度60%以上を達成し、かつ生産性向上の観点から、5〜60秒が好ましく、8〜50秒がより好ましく、10〜45秒が更に好ましい。
実施例1〜15、比較例1〜3
ポリ乳酸樹脂組成物として、表1に示す本発明品(A〜)及び比較品(a〜c)を、2軸押出機((株)池貝製 PCM-45)にて190℃で溶融混練し、ストランドカットを行い、ポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットは、70℃減圧下で1日乾燥し、水分量を500ppm以下とした。
Figure 0005479747
表1において、*1〜*19は以下の意味を示す。
*1:ポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製、LACEA H−400)
*2:イソシアネート系シランカップリング剤(3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、信越化学(株)製、KBE−9007)/水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、BE033、平均粒径2μm、アルカリ金属系物質の含有量0.01質量%)(質量比)=1/99の割合で処理した(この処理を処理11という)イソシアネート系シランカップリング剤処理水酸化アルミニウム
*3:イソシアネート系シランカップリング剤(3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、信越化学(株)製、KBE−9007)/水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、BE033、平均粒径2μm、アルカリ金属系物質の含有量0.01質量%)(質量比)=1.5/98.5の割合で処理した(この処理を処理12という)イソシアネート系シランカップリング剤処理水酸化アルミニウム
*4:コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル
*5:1,3,6−ヘキサントリカルボン酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのトリエステル
*6:グリセリンにエチレンオキサイドを6モル付加させたトリアセテート
*7:アジピン酸ジエステル(大八化学(株)製、DAIFATTY-101)
*8:エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックス H)
*9:無置換のフェニルホスホン酸亜鉛塩(日産化学工業(株)製、PPA−Zn)
*10:ポリ乳酸樹脂(トヨタ自動車(株)製、U’z S−17)
*11:水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、BE033、平均粒径2μm、アルカリ金属系物質の含有量0.01質量%)
*12:エポキシ系シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学(株)製、KBM−403)/水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、BE033、平均粒径2μm、アルカリ金属系物質の含有量0.01質量%)(質量比)=1/99の割合で処理した(この処理を処理2という)エポキシ系シランカップリング剤処理水酸化アルミニウム
*13:ビニル系シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン、信越化学(株)製、KBM1003)/水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、BE033、平均粒径2μm、アルカリ金属系物質の含有量0.01質量%)(質量比)=1/99の割合で処理した(この処理を処理3という)ビニル系シランカップリング剤処理水酸化アルミニウム
*14:ガラス繊維(1)(日本電気硝子(株)製、T187、Φ12μm)
*15:ガラス繊維(2)(オーウェンス・コーニング(株)製、03JAFT792、Φ10μm)
*16:ガラス繊維(3)(オーウェンス・コーニング(株)製、03DEFT792、Φ6μm)
*17:環状フェノキシフォスファゼン(大塚化学(株)製、SPS−100)
*18:ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(ラインケミー(株)製、スタバクゾール1−LF)
*19:ポリジイソプロピルフェニルカルボジイミド(ラインケミー(株)製、スタバクゾールP)
尚、上記において、処理11、処理2及び処理3については、金属水和物にシランカップリング剤を表面処理する方法は、有機溶剤(アセトン)200gにシランカップリング剤5gを溶解させ、そこに金属水和物500gを入れ、ミキサーで攪拌し、その後有機溶剤を除去し、乾燥する方法で行った。処理12についてはシランカップリング剤を7.5gに変更して同様に処理をおこなった。
次に、このようにして得られたペレットを、シリンダー温度を200℃とした射出成形機(日本製鋼所製 J75E-D)を用いて射出成形し、金型温度80℃、成形時間10分でテストピース〔角柱状試験片(125mm×12mm×6mm)〕を成形し、物性を下記の方法で評価した。これらの結果を表2に示す。
<曲げ試験>
角柱状試験片(125mm×12mm×6mm)について、JIS K7203に基づいて、テンシロン(オリエンテック製テンシロン万能試験機RTC−1210A)を用いて曲げ試験を行い、曲げ破断歪みを求めた。クロスヘッド速度は3mm/min。
この曲げ破断歪みが高い方が可撓性に優れていることを示す。
<耐衝撃性>
角柱状試験片(63mm×12mm×5mm)について、JIS-K7110に基づいて、衝撃試験機(株式会社上島製作所製 863型)を使用して、Izod衝撃強度を測定した。
この強度が高い方が耐衝撃性に優れていることを示す。
<熱変形温度>
角柱状試験片(125mm×12mm×6mm)について、JIS-K7191に基づいて、熱変形温度測定機(東洋精機製作所製 B-32)を使用して、荷重1.81MPaにおいて0.25mmたわむときの温度を測定した。この温度が高い方が耐熱性に優れていることを示す。
Figure 0005479747
表2の結果から、イソシアネート系シランカップリング剤で処理した金属水和物を含有した本発明のポリ乳酸樹脂組成物(実施例1〜15)は、曲げ破断歪み、耐衝撃性、および熱変形温度を向上させることが可能であった。
一方、シランカップリング剤による処理が施されていない、もしくはイソシアネート系以外のシランカップリング剤で処理した金属水和物を含有したポリ乳酸樹脂組成物(比較例1〜3)は、曲げ破断歪み、耐衝撃性、および熱変形温度を向上させることができなかった。
イソシアネート系シランカップリング剤で処理した金属水和物を含有し、更に可塑剤、結晶核剤を併用した本発明のポリ乳酸樹脂組成物(実施例1〜15)は、さらに曲げ破断歪み、耐衝撃性、および熱変形温度を向上させることができた。
また、加水分解抑制剤、難燃化剤を含有した本発明のポリ乳酸樹脂組成物(実施例8〜15)は、さらに曲げ破断歪み及び耐衝撃性に優れ、ガラス繊維をさらに含有している本発明のポリ乳酸樹脂組成物(実施例12〜15)では、熱変形温度もさらに向上している。
以上の結果から、ポリ乳酸樹脂と金属水和物、もしくはイソシアネート系以外のシランカップリング剤で処理した金属水和物だけの組成物では、ポリ乳酸樹脂と金属水和物の界面が弱く、界面強化の効果を十分に発現できなかったが、イソシアネート系シランカップリング剤で処理した金属水和物を用いることでポリ乳酸樹脂と金属水和物の界面が強化され、物性が向上したものと考えられる。

Claims (8)

  1. ポリ乳酸樹脂と、イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物と、可塑剤とを含有し、金属水和物中のアルカリ金属系物質の含有量が0.2質量%以下であり、前記可塑剤は、多塩基酸とポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとのエステル、又は多価アルコールに、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加させた付加物のアセチル化物である、ポリ乳酸樹脂組成物。
  2. イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物が、イソシアネート系シランカップリング剤と金属水和物とを、イソシアネート系シランカップリング剤/金属水和物(質量比)=0.1/99.9〜5/95の割合で処理したものである、請求項1記載のポリ乳酸樹脂組成物。
  3. ポリ乳酸樹脂と、イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物との質量比が、ポリ乳酸樹脂/イソシアネート系シランカップリング剤によって表面処理された金属水和物=30/70〜70/30である、請求項1又は2記載のポリ乳酸樹脂組成物。
  4. 金属水和物が、平均粒径10μm以下の粒状体からなるものである請求項1〜3いずれかに記載のポリ乳酸樹脂組成物。
  5. イソシアネート系シランカップリング剤が、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン及び3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4いずれかに記載のポリ乳酸樹脂組成物。
  6. 金属水和物が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5いずれかに記載のポリ乳酸樹脂組成物。
  7. 更に有機結晶核剤を含有する、請求項1〜いずれかに記載のポリ乳酸樹脂組成物。
  8. 請求項1〜いずれかに記載のポリ乳酸樹脂組成物を成形してなるポリ乳酸樹脂成形体。
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