JP5478832B2 - 医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラム - Google Patents

医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラム Download PDF

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Description

この発明は、医用画像診断装置にて取得された複数の医用画像の位置を合わせる医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラムに関する。
肝癌は癌疾患のなかで約10%を占め、その数は増加の傾向にある。また、予後が比較的悪いため、診断と治療とに対する社会的な要請が強い。腫瘍の診断には、超音波診断装置、MRI装置、又はX線CT装置などの医用画像診断装置が用いられている。これらの医用画像診断装置は、3次元画像や造影画像の取得が可能となっており、腫瘍の早期発見が可能となってきている。
腫瘍の治療として、ラジオ波焼灼法(Radio−Frequency Ablation;以下「RFA」と称する場合がある)や、強力エネルギー集束超音波法(High Intensity Focused Ultrasound;以下「HIFU」と称する場合がある)などの低浸襲治療法が施行されている。なお、HIFUは、集束超音波法(Focused Ultrasound;以下「FUS」と称する場合がある)と称される場合もある。
そして、低浸襲治療法によって腫瘍などの病変部を焼灼した後、術前に取得された病変部の画像と術後に取得された病変部の画像とを同時に表示し、それらの画像に基づいて治療効果の判定を行っている。例えば、超音波診断装置を用いて2次元のBモード画像を取得し、そのBモード画像に基づいて病変部の診断を行っている。また、X線CT装置を用いて断層像を取得し、その断層像に基づいて病変部の診断を行っている。また、3次元の領域を撮影してボリュームデータを取得した場合、術前の画像の位置と術後の画像の位置とを合わせるために、医師などの操作者が、画像を生成する断面の位置の変更や、画像の拡大・縮小や、画面上における画像の移動などを手動で行って、両方の画像を並列して表示していた。このような場合、操作者の目視によって位置合わせが行われるため、位置合わせの誤差が大きくなり、正確な術後診断が困難になる。焼灼の残しや不十分な焼灼が原因となる再発を防ぐために、治療効果の判定をより正確に行うことが求められている。従来においては、複数の画像の位置合わせを行うための様々な方法が提案されている。
画像の位置合わせを行う方法としては、画像に表わされた形態の情報を用いる方法と、形態の情報を用いない方法とがある。形態の情報を用いる方法としては、3次元の形態の位置をパターンマッチングによって合わせることで、画像の位置合わせを行う方法が提案されている(例えば特許文献1)。また別の方法として、骨部や軟部組織などの特定の構造物を表す像同士を、アフィン変換によって位置合わせした後、テンプレートマッチングで得られたシフト量をワーピング(非線形歪変換)することにより、再度、局所的に位置合わせを行う方法が提案されている(例えば特許文献2)。
また、形態の情報を用いない方法としては、画像の画素値に対してMutual infomation法(以下、「MI法」と称する場合がある)を適用し、2つの画像の位置を合わせる方法が提案されている(例えば特許文献3及び特許文献4)。
特開2002−17729号公報 特開2006−6435号公報 特開2004−509723号公報 特開2007−54636号公報
手動で複数の画像の位置を合わせる場合、画像を表示する断面の位置を検索するための作業が煩雑で時間がかかってしまう。さらに、新たな画像を表示するたびに断面の位置が変わるため、同じ条件で繰り返し比較することが困難である。また、手動で位置合わせを行う場合には、断面の位置や角度の誤差が大きくなるため、焼灼計画の領域と実際に焼灼された領域とを正確に比較することが困難である。
また、形態情報を用いて位置合わせを行う方法では、比較対象の2つの画像において、形態が変化しない部位の像を用いて位置合わせを行う。従って、2つの画像において、形態が変化しない部位が存在しない場合には、画像の位置合わせを正確に行うことは困難である。
また、RFAを用いた治療で主に使用される超音波画像では、組織の輪郭が比較的不明瞭に表わされており、また、焼灼の前後において焼灼対象の形態が著しく変化する。そのため、形態情報を用いた方法では、画像の位置合わせの精度を向上させることは困難である。
また、MI法を用いた位置合わせ方法では、画像に表わされた組織の輪郭が不明瞭であっても、画像が類似していれば、画像の位置合わせを比較的精度良く行うことができる。しかしながら、焼灼治療では、焼灼の前後において、患部を表す像の輝度値が著しく変化する。そのため、術前の画像の位置と術後の画像の位置とを合わせるためにMI法を適用しても、画像が類似していないため、位置合わせを精度良く行うことは困難である。
この発明は上記の問題点を解決するものであり、医用画像診断装置によって取得された複数の画像の位置合わせをより正確に行うことが可能な医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、造影剤が注入された被検体を、前記被検体に対する医学的処置の以前と以後で撮影したそれぞれのボリュームデータを含む複数の4D造影画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記以前と前記以後の4D造影画像データのそれぞれに基づいて、各ボクセルにおける画素値の時間変化を表す、前記以前の画素値曲線と前記以後の画素値曲線を作成するカーブ作成手段と、前記以前と前記以後のそれぞれについて前記被検体の各部位における画素値の時間変化を表す画素値曲線モデルを取得するカーブモデル作成手段と、前記以前と前記以後のそれぞれについて、前記ボクセルの画素値曲線と前記各部位の画素値曲線モデルとを比較して、前記ボクセルの画素値曲線を前記被検体の部位ごとに分類することで、各部位の領域を示す、前記以前の第1マスク情報と前記以後の第1のマスク情報を作成する第1分類手段と、前記以前と前記以後の4D造影画像データの間で、前記画素値曲線モデルの形状がほぼ一致する部位以外の部位の領域を、前記以前と前記以後の各第1マスク情報から除外することで前記以前の第2マスク情報と前記以後の第2マスク情報を作成する第2分類手段と、前記以前と前記以後のそれぞれの前記第2マスク情報が示す各部位の領域に含まれる各ボクセルに、前記以前と前記以後の画素値曲線のそれぞれから特定される特徴量を割り当てることで前記以前の特徴量画像データと前記以後の特徴量画像データを生成する特徴量画像生成手段と、前記以前と前記以後の特徴量画像のそれぞれの位置を合わせる画像位置合わせ手段と、前記以前と前記以後の4D造影画像データのそれぞれに含まれるボリュームデータに基づき、前記位置合わせに従って位置が合わされた表示用画像データを、前記4D造影画像データごとに生成する表示画像生成手段と、前記4D造影画像データごとの表示用画像データに基づく表示用画像を並べて表示手段に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする医用画像処理装置である。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、造影剤が注入された被検体を、前記被検体に対する医学的処置の以前と以後で撮影したそれぞれのボリュームデータを含む複数の4D造影画像データを受け付けて、前記以前と前記以後の4D造影画像データのそれぞれに基づいて、各ボクセルにおける画素値の時間変化を表す、前記以前の画素値曲線と前記以後の画素値曲線を作成するカーブ作成機能と、前記以前と前記以後のそれぞれについて、前記被検体の各部位における画素値の時間変化を表す画素値曲線モデルを取得するカーブモデル作成手段と、前記以前と前記以後のそれぞれについて、前記ボクセルの画素値曲線と前記各部位の画素値曲線モデルとを比較して、前記ボクセルの画素値曲線を前記被検体の部位ごとに分類することで、各部位の領域を示す、前記以前の第1マスク情報と前記以後の第1のマスク情報を作成する第1分類機能と、前記以前と前記以後の4D造影画像データの間で、前記画素値曲線モデルの形状がほぼ一致する部位以外の部位の領域を、前記以前と前記以後の各第1マスク情報から除外することで前記以前の第2マスク情報と前記以後の第2マスク情報を作成する第2分類機能と、前記以前と前記以後のそれぞれの前記第2マスク情報が示す各部位の領域に含まれる各ボクセルに、前記以前と前記以後の画素値曲線のそれぞれから特定される特徴量を割り当てることで前記以前の特徴量画像データと前記以後の特徴量画像データを生成する特徴量画像生成機能と、前記以前と前記以後の特徴量画像のそれぞれの位置を合わせる画像位置合わせ機能と、前記以前と前記以後の4D造影画像データのそれぞれに含まれるボリュームデータに基づき、前記位置合わせに従って位置が合わされた表示用画像データを、前記4D造影画像データごとに生成する表示画像生成機能と、前記4D造影画像データごとの表示用画像データに基づく表示用画像を並べて表示装置に表示させる表示制御機能と、を実行させることを特徴とする医用画像処理プログラムである。
この発明によると、各ボクセルにおける画素値の時間変化を表す画素値曲線を求めることで、その画素値曲線に基づいて、各部位の領域を抽出することが可能となる。そして、各4D造影画像データの間で、画素値曲線モデルの形状がほぼ一致する部位以外の部位の領域を、各部位の領域を表す第1マスク情報から除外することで第2マスク情報を作成する。これにより、画像の位置合わせ処理に適さない領域をマスク情報から除外することができる。その第2マスク情報に基づいて特徴量画像を求め、その特徴量画像によって画像の位置合わせを行うことで、位置合わせ処理に適さない領域を除いて、画像の位置合わせを行うことが可能となる。このように、位置合わせ処理に適さない領域を除いて画像の位置合わせが可能となるため、画像の位置合わせをより正確に行うことが可能となる。
この発明の実施形態に係る医用画像処理装置について図1を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。
医用画像診断装置100は、超音波診断装置、X線CT装置、又はMRI装置などの撮影装置で構成されて、被検体の医用画像データを取得する。医用画像診断装置100にて取得された医用画像データは、医用画像処理装置1に出力されて、画像記憶部9に記憶される。例えば、医用画像診断装置100は、被検体の3次元領域を撮影することで、撮影された時間が異なる複数のボリュームデータを取得し、画像記憶部9は、医用画像診断装置100によって取得された複数のボリュームデータを記憶する。
この実施形態では、いわゆる造影撮影を行う。点滴又は血管注射によって被検体内に注入された造影剤は血流に乗って体内を移動し、目的臓器に達する。造影剤が浸透する際の造影効果の有無又は程度の違いを観察し、また、造影された部分の形状を観察することにより、病変又は臓器の異常を発見することができる。この実施形態では、肝臓を撮影対象とし、RFA法を用いた焼灼治療を1例にして説明する。具体的には、焼灼治療前(術前)に、医用画像診断装置100によって造影撮影を行うことで、撮影された時間が異なる複数のボリュームデータを取得する。さらに、焼灼治療後(術後)に、医用画像診断装置100によって造影撮影を行うことで、撮影された時間が異なる複数のボリュームデータを取得する。術前の撮影と術後の撮影とにおいて、被検体に注入された造影剤は肝臓に流入する。その間、医用画像診断装置100は撮影しているため、造影剤が肝臓に流入する様子が表された複数のボリュームデータを取得することができる。
また、医用画像診断装置100は、各ボリュームデータが撮影された時間を付帯情報として各ボリュームデータに付帯させる。
医用画像処理装置1は、医用画像診断装置100にて取得されたが複数の画像の位置を合わせる。この実施形態では1例として、焼灼治療前(術前)に取得された画像の位置と、焼灼治療後(術後)に取得された画像の位置とを合わせる場合について説明する。例えば、焼灼治療の効果を確認するために、術前に取得された画像の位置と、術後に取得された画像の位置とを合わせて表示する。
ここで、術前に造影撮影することで取得された画像であって、組織を表わす画像を図2に示す。図2は、造影剤が流入する様子を順番に表わす画像を示す図である。図2に示す画像は、医用画像診断装置100に超音波診断装置を用いて撮影することで取得された画像である。画像201は、造影剤が肝臓に流入する前に撮影された画像である。そして、早期相、門脈相、及び後期相と時間が経過するに従って、血管、腫瘍、及び周辺組織へと造影剤が流入していく。例えば、早期相に取得された画像202には、造影剤が血管に流入している様子が表されている。また、門脈相に取得された画像203には、造影剤が腫瘍に流入している様子が表されている。また、後期相に取得された画像204には、造影剤が周辺組織に流入している様子が表されている。このように、早期相から後期相にかけて、造影剤の濃染領域が、血管、腫瘍、及び周辺組織へと移行していくことがわかる。ここで、造影剤の濃染の時間変化を表す曲線を、Time−Density Curve(TDC)と称する。例えば、各部位における輝度値(画素値)の時間変化を表す曲線をTDCとする。TDCにおいては、組織に造影剤が流入した場合にその組織の輝度値が大きくなる。そのため、輝度値の大きさが造影剤の濃染の状態を表している。従って、各部位における輝度値の時間変化を表すTDCは、各部位における造影剤の濃染の時間変化(造影剤の濃染過程)を表していることになる。
また、焼灼治療後(術後)においては、焼灼された腫瘍は造影剤によって濃染されない。そのため、術前と術後とにおいて、腫瘍の輝度値(画素値)の時間変化が著しく異なる。すなわち、腫瘍においては、Time−Density Curveの形状が、術前と術後とで著しく異なる。この実施形態に係る医用画像処理装置1は、造影剤の濃染領域の時間変化を用いて、医用画像から各部位の領域を抽出し、各部位を表すマスク情報を用いて、複数の医用画像の位置を合わせる。
なお、この実施形態における被検体の部位には、病変部位も含まれるものとする。例えば、血管や肝実質などの他、肝腫瘍や焼灼された後の腫瘍もこの実施形態の部位に含まれる。
(医用画像処理装置1)
医用画像処理装置1は、データ処理部2と、画像処理部5と、画像記憶部9と、データ記憶部10と、表示制御部11と、ユーザインターフェース(UI)12とを備えている。医用画像処理装置1は、撮影された時間がそれぞれ異なる複数のボリュームデータに基づいて、複数の画像の位置を合わせる。この実施形態では、焼灼治療前(術前)に取得された画像の位置と、焼灼治療後(術後)に取得された画像の位置とを合わせる。なお、術前の画像と術後の画像とは、同じ種類の医用画像診断装置にて取得された画像であっても良いし、異なる種類の医用画像診断装置にて取得された画像であっても良い。以下、医用画像処理装置1の各部について説明する。
(画像記憶部9)
画像記憶部9は、医用画像診断装置100による造影撮影によって取得された、撮影された時間が異なる複数のボリュームデータを記憶する。ここで、造影撮影によって取得された複数のボリュームデータであって、撮影された時間が異なる複数のボリュームデータを、「4D造影画像データ」と称する。例えば、焼灼治療前(術前)に、医用画像診断装置100によって造影撮影を行うことで、焼灼治療前における4D造影画像データを取得する。同様に、焼灼治療後(術後)に、医用画像診断装置100によって造影撮影を行うことで、焼灼治療後における4D造影画像データを取得する。術前と術後とにおいてそれぞれ取得された4D造影画像データは、画像記憶部9に記憶される。なお、術前に取得された4D造影画像データには、術前に取得された画像であることを示す識別情報が付帯されている。同様に、術後に取得された4D造影画像データには、術後に取得された画像であることを示す識別情報が付帯されている。これにより、識別情報に基づいて、術前又は術後に取得された4D造影画像データを画像記憶部9から読み出すことができる。なお、画像記憶部9がこの発明の「記憶手段」の1例に相当する。また、焼灼治療前(術前)に取得された4D造影画像データが、この発明の「第1の4D造影画像データ」の1例に相当し、焼灼治療後(術後)に取得された4D造影画像データが、この発明の「第2の4D造影画像データ」の1例に相当する。
(データ処理部2)
データ処理部2は、カーブモデル作成部3とマスク作成部4とを備えて、各部位におけるTime−Density Curveのモデル(以下、「TDCモデル」と称する)を特定し、そのTDCモデルと4D造影画像データとに基づいて、各部位の領域を表すマスク情報を生成する。以下、カーブモデル作成部3とマスク作成部4とについて説明する。
(カーブモデル作成部3)
カーブモデル作成部3は、カーブ作成部31と、分類部32と、平均カーブ作成部33と、カーブモデル特定部34とを備えて、各部位におけるTDCモデルを作成する。
ここで、術前における肝臓のTDCモデルの一般例と、術後における肝臓のTDCモデルの一般例とを図3を参照して説明する。図3は、時間に対する各部位の輝度の変化を表すグラフ(TDC)を示す図である。図3(a)に、術前における肝臓のTDCモデルの一般例を示し、図3(b)に、術後における肝臓のTDCモデルの一般例を示す。図3(a)と図3(b)とにおいて、横軸が時間を示し、縦軸が画像の輝度を示している。図3(a)において、TDCモデル301は、血管における輝度値(画素値)の一般的な時間変化を表している。すなわち、TDCモデル301は、血管における造影剤の一般的な濃染過程を表している。また、TDCモデル302は、正常な肝実質における輝度値の一般的な時間変化を表している。また、TDCモデル303は、肝腫瘍における輝度値の一般的な時間変化を表している。一方、図3(b)において、TDCモデル401は、血管における輝度値の一般的な時間変化を表している。また、TDCモデル402は、正常な肝実質における輝度値の一般的な時間変化を表している。また、TDCモデル403は、肝腫瘍における輝度値の一般的な時間変化を表している。TDCモデル301〜303と、TDCモデル401〜403とは、例えば統計的にも求められたグラフである。
図3(a)と図3(b)とに示すように、TDCモデル301とTDCモデル401とは、ほぼ同じ形状のグラフとなっており、形状が著しく異なることはない。このように、血管においては、濃染の過程が術前と術後とで著しく異なることはなく、ほぼ一致する。同様に、TDCモデル302とTDCモデル402とは、ほぼ同じ形状のグラフとなっており、形状が著しく異なることはない。このように、正常な肝実質においては、濃染の過程が術前と術後とで著しく異なることはない。血管においては、早期相で輝度値が最大となり、時間とともに緩やかに輝度値が小さくなる。また、正常な肝実質においては、門脈相以降で輝度値が最大になり、その直後に輝度値が小さくなって元の大きさに下がる。
一方、TDCモデル303とTDCモデル403とを比べると、形状が著しく異なっていることがわかる。すなわち、術前と術後とでは、腫瘍における造影剤の濃染の過程は著しく異なっている。術前では、早期相で輝度値が最大となり、直後に急激に輝度値が小さくなる。一方、術後では、焼灼によって組織が破壊されているため造影剤の濃染が発生せず、その結果、輝度値は変化しない。
カーブモデル作成部3は、焼灼治療前(術前)と焼灼治療後(術後)とにおける血管のTDCモデル、正常な肝実質のTDCモデル、及び肝腫瘍のTDCモデルを作成する。この実施形態では、カーブモデル作成部3は、図3(a)と図3(b)とに示す一般的に推定されるTDCモデルを用いても良いし、実際に撮影された4D造影画像データに基づいて術前と術後とにおける各部位のTDCモデルを作成しても良い。図3に示す一般的に推定される各部位のTDCモデルは、データ記憶部10に予め記憶されている。各部位のTDCモデルには、各部位を示す識別情報が付帯されている。なお、カーブモデル作成部3が、この発明の「カーブモデル作成手段」の1例に相当し、TDCモデルが、この発明の「画素値曲線モデル」の1例に相当する。また、焼灼治療前(術前)におけるTDCモデルが、この発明の「第1の画素値曲線モデル」の1例に相当し、焼灼治療後(術後)におけるTDCモデルが、この発明の「第2の画素値曲線モデル」の1例に相当する。以下では、実際に撮影された4D造影画像データに基づいて各部位のTDCモデルを作成するための処理について説明する。
(カーブ作成部31)
カーブ作成部31は、術前に取得された4D造影画像データと、術後に取得された4D造影画像データとを画像記憶部9から読み込む。そして、カーブ作成部31は、ボリュームデータを構成する各ボクセルのTDCをそれぞれ求める。すなわち、カーブ作成部31は、4D造影画像データを構成する各時間におけるボリュームデータに基づいて、ボリュームデータを構成する各ボクセルの輝度値(画素値)の時間変化をボクセルごとに求める。この輝度値の時間変化がボクセルのTDCとして定義される。カーブ作成部31は、術前における4D造影画像データに基づいて術前における各ボクセルのTDCを求め、さらに、術後における4D造影画像データに基づいて術後における各ボクセルのTDCを求める。そして、カーブ作成部31は、術前と術後とにおける各ボクセルのTDCを、分類部32とマスク作成部4の第1分類部41とに出力する。また、カーブ作成部31は、術前と術後とにおける各ボクセルのTDCをデータ記憶部10に記憶させる。なお、カーブ作成部31は、術前における各ボクセルのTDCに、術前に取得された画像に基づくデータであることを示す識別情報を付帯させ、術後における各ボクセルのTDCに、術後の取得された画像に基づくデータであることを示す識別情報を付帯させる。なお、カーブ作成部31が、この発明の「カーブ作成手段」の1例に相当し、各ボクセルのTDCがこの発明の「輝度曲線」の1例に相当する。また、焼灼治療前(術前)における各ボクセルのTDCが、この発明の「第1の画素値曲線」の1例に相当し、焼灼治療後(術後)における各ボクセルのTDCが、この発明の「第2の画素値曲線」の1例に相当する。
また、各部位における輝度値(輝度値)の変化率の時間変化を表す曲線をTDCとしても良い。この場合、カーブ作成部31は、各ボクセルにおける輝度値の変化率の時間変化を求め、変化率の時間変化を表す曲線を、各ボクセルのTDCとして定義する。この実施形態では1例として、輝度値の時間変化を表す曲線をTDCとして、各処理について説明する。
(分類部32)
分類部32は、公知の方法によって、術前における各ボクセルのTDCを類似するカーブごとに分類し、さらに、術後における各ボクセルのTDCを類似するカーブごとに分類する。例えば、分類部32は、各ボクセルのTDCをフィッティングさせ、輝度値(曲線の形状)の差異が所定の範囲内に含まれるTDCを類似するカーブとして分類する。なお、分類部32が、この発明の「分類手段」の1例に相当する。
(平均カーブ作成部33)
そして、平均カーブ作成部33は、分類ごとにTDCの輝度値(画素値)の平均値を求めることで、輝度値の平均値を有する平均TDCを分類ごとに求める。これにより、平均カーブ作成部33は、輝度値が平均値となる平均TDCを、術前のTDCと術後のTDCとについてそれぞれ求める。そして、平均カーブ作成部33は、術前における各平均TDCと、術後における各平均TDCとをカーブモデル特定部34に出力する。なお、平均カーブ作成部33が、この発明の「平均カーブ作成手段」の1例に相当し、平均TDCが、この発明の「平均画素値曲線」の1例に相当する。
(カーブモデル特定部34)
カーブモデル特定部34は、一般的に推定される各部位におけるTDCモデルをデータ記憶部10から読み込み、各平均TDCと一般的に推定される各部位におけるTDCモデルとを比較して、各平均TDCがいずれの部位におけるTDCに該当するかを特定する。カーブモデル特定部34は、術前の平均TDCと術後の平均TDCとについてそれぞれ、各平均TDCがいずれの部位におけるTDCに該当するかを特定する。すなわち、カーブモデル特定部34は、術前の各平均TDCと、術前の各部位における一般的なTDCモデルとを比較して、術前の各平均TDCがいずれの部位におけるTDCに該当するかを特定する。同様に、カーブモデル特定部34は、術後の各平均TDCと、術後の各部位における一般的なTDCモデルとを比較して、術後の各平均TDCがいずれの部位におけるTDCに該当するかを特定する。
具体的には、カーブモデル特定部34は、術前と術後とにおける各平均TDCが、血管におけるTDCモデル、腫瘍におけるTDCモデル、又は正常肝実質におけるTDCモデルのうち、いずれのTDCモデルに該当するかを特定する。これにより、術前と術後とにおける各平均TDCを、部位ごとに分類することができる。そして、カーブモデル特定部34は、部位ごとに分類した各平均TDCを、各部位におけるTDCモデルとして定義する。なお、カーブモデル特定部34は、各部位におけるTDCモデルに、各部位を示す識別情報を付帯させる。例えば、平均TDCが、血管におけるTDCモデルに該当する場合は、その平均TDCは血管における輝度値の時間変化を表していることになる。この場合、カーブモデル特定部34は、血管におけるTDCモデルとして定義された平均TDCに、血管を示す識別情報を付帯させる。このようにして、カーブモデル特定部34は、術前と術後とにおける各平均TDCを、各部位に分類する。
例えば、カーブモデル特定部34は、各平均TDCが表す曲線の特徴を特定し、一般的に推定されるTDCモデルが表す曲線の特徴を特定する。そして、カーブモデル特定部34は、各平均TDCが表す曲線の特徴と、一般的に推定されるTDCモデルが表す曲線の特徴とを比べることで、各平均TDCがいずれのTDCモデルに該当するかを特定する。1例として、カーブモデル特定部34は、所定時相間における輝度値の変化量を各平均TDCについて求め、さらに、所定時相間における輝度値の変化量を各TDCモデルについて求める。そして、カーブモデル特定部34は、各平均TDCの変化量とTDCモデルの変化量との差を求め、変化量の差が所定値以内に含まれる平均TDCを、そのTDCモデルとして定義する。
分類された平均TDCは、その部位のTDCモデルを表していることになり、その部位のTDCモデルとして定義される。これにより、実際に撮影された4D造影画像データに基づくTDCモデルが作成されたことになる。そして、術前と術後とにおける各部位のTDCモデルは、データ記憶部10に記憶される。なお、カーブモデル特定部34が、この発明の「カーブモデル特定手段」の1例に相当する。また、一般的に推定されるTDCモデルが、この発明の「推定画素値曲線モデル」の1例に相当する。
(マスク作成部4)
マスク作成部4は、第1分類部41と第2分類部42とを備えて、ボリュームデータを構成する各ボクセルを各部位に分類することで、各部位の領域を示すマスク情報を作成する。以下、第1分類部41の処理内容と第2分類部42の処理内容とについて説明する。
(第1分類部41)
第1分類部41は、術前と術後とにおける各ボクセルのTDCをカーブ作成部31から受け付け、さらに、術前と術後とにおける各部位のTDCモデルをデータ記憶部10から読み込む。そして、第1分類部41は、各ボクセルのTDCと、各部位のTDCモデルとを比較して、各ボクセルのTDCがいずれの部位のTDCモデルに該当するかを特定することで、各ボクセルのTDCを各部位に分類する。例えば、第1分類部41は、各ボクセルのTDCと、各部位のTDCモデルとを比較して、各ボクセルのTDCがそれぞれ類似するTDCモデルを特定することで、各ボクセルのTDCがいずれの部位のTDCモデルに該当するかを特定する。1例として、第1分類部41は、所定時相間における輝度値の変化量を各ボクセルのTDCについて求め、さらに、所定時相間における輝度値の変化量を各部位のTDCモデルについて求める。そして、第1分類部41は、各ボクセルの変化量とTDCモデルの変化量との差を求め、変化量の差が所定値以内に含まれるボクセルのTDCを、その部位のTDCモデルに類似するTDCとする。このようにして、第1分類部41は、各ボクセルのTDCに類似するTDCモデルを特定する。なお、各ボクセルのTDCと、TDCモデルとの類似度の分析は、公知の類似評価関数を用いて行うことができる。
第1分類部41は、術前における各ボクセルのTDCと、術前における各部位のTDCモデルとを比較することで、術前における各ボクセルのTDCを各部位に分類する。同様に、第1分類部41は、術後における各ボクセルのTDCと、術後における各部位のTDCモデルとを比較することで、術後における各ボクセルのTDCを各部位に分類する。これにより、第1分類部41は、各ボクセルが各部位に分類された第1マスク情報を作成する。第1分類部41は、術前における第1マスク情報と、術後における第1マスク情報とを作成する。このとき、第1分類部41は、カーブモデル特定部34によって定義された各部位のTDCモデルを用いて特定しても良いし、一般的に推定されるTDCモデルを用いて特定しても良い。
例えば、第1分類部41は、各ボクセルの位置に、該当する部位を示す識別情報を割り当てる。具体的には、第1分類部41は、TDCが血管のTDCモデルに該当するボクセルの位置に、血管を示す識別情報を割り当てる。また、第1分類部41は、TDCが肝腫瘍のTDCモデルに該当するボクセルの位置に、肝腫瘍を示す識別情報を割り当てる。さらに、第1分類部41は、TDCが正常肝実質のTDCモデルに該当するボクセルの位置に、正常肝実質を示す識別情報を割り当てる。さらに、第1分類部41は、TDCが、血管、肝腫瘍、及び正常肝実質のいずれにも該当しないボクセルの位置に、非画像領域(処理対象外の領域)を示す識別情報を割り当てる。非画像領域は、画像の位置合わせに用いられない画像領域を表している。これにより、第1マスク情報は、各部位の領域を表すことになる。第1マスク情報は、3次元のボリュームデータを構成する各ボクセルに、部位を示す識別情報を割り当てた情報であるため、3次元のマスク情報である。
例えば、識別情報として数値を用いる。1例として、血管を表す数値(識別情報)を「0」とし、肝腫瘍を表す数値を「1」とし、正常肝実質を表す数値を「2」とし、非画像領域を表す数値を「−1」とする。そして、第1分類部41は、TDCが血管のTDCモデルに該当するボクセルの位置に、血管を示す数値「0」を割り当てる。また、第1分類部41は、TDCが肝腫瘍のTDCモデルに該当するボクセルの位置に、肝腫瘍を示す数値「1」を割り当てる。また、第1分類部41は、TDCが正常肝実質に該当するボクセルの位置に、正常肝実質を示す数値「2」を割り当てる。さらに、第1分類部41は、TDCが、血管、肝腫瘍、及び正常肝実質のいずれにも該当しないボクセルの位置に、非画像領域を示す数値「−1」を割り当てる。なお、識別情報として用いる数値を、以下では「クラスタリング値」と称する場合がある。
以上のように、第1分類部41は、部位を示す識別情報が各ボクセルの位置に割り当てられた第1マスク情報を作成する。第1分類部41は、術前における各ボクセルのTDCと、術前における各部位のTDCモデルとを比較することで、術前における第1マスク情報を作成する。同様に、第1分類部41は、術後における各ボクセルのTDCと、術後における各部位のTDCモデルとを比較することで、術後における第1マスク情報を作成する。
ここで、マスク情報について図4を参照して説明する。図4は、マスク情報を模式的に示す図である。画像500は、術前に取得されたボリュームデータに基づく画像である。マスク501は、第1分類部41によって各部位の識別情報が割り当てられる前のマスクを示しており、ボリュームデータの各ボクセルの位置を模式的に表している。第1マスク情報510は、第1分類部41によって作成された術前における第1マスク情報である。また、画像600は、術後に取得されたボリュームデータに基づく画像である。マスク510は、第1分類部41によって各部位の識別情報が割り当てられる前のマスクを示しており、ボリュームデータの各ボクセルの位置を模式的に表している。第1マスク情報610は、第1分類部41によって作成された術後における第1マスク情報である。なお、図4においては、説明の便宜上、第1マスク情報510と第2マスク情報610とを平面的に表わしている。この実施形態では、ボリュームデータを構成する各ボクセルに部位を示す識別情報を割り当てることで第1マスク情報を作成しているため、第1マスク情報510と第2マスク情報610とは、部位を示す識別情報が3次元の領域に分布して割り当てられた情報である。
第1マスク情報510と第2マスク情報610とにおいて、数値「0」が割り当てられている領域が血管の領域を示し、数値「1」が割り当てられている領域が肝腫瘍の領域を示し、数値「2」が割り当てられている領域が「正常肝実質」の領域を表している。また、数値「−1」が割り当てられている領域が「非画像領域」を表している。腫瘍の領域においては、術前と術後とで輝度値(画素値)が変化するが、腫瘍以外の領域においては、術前と術後とで輝度値(画素値)は変化しない。
第1分類部41は、術前と術後とにおける第1マスク情報を、第2分類部42とデータ記憶部10とに出力する。データ記憶部10は、術前と術後とにおける第1マスク情報を記憶する。なお、第1分類部41が、この発明の「第1分類手段」の1例に相当する。
(第2分類部42)
第2分類部42は、第1分類部41から出力された第1マスク情報を受け付けて、第1マスク情報に表わされた領域のうち、画像の位置合わせの対象に適さない領域を、非画像領域に再分類する。この再分類によって作成されたマスク情報を第2マスク情報とする。例えば、第2分類部42は、TDCモデルの形状が術前と術後とにおいてほぼ一致する部位以外の部位の領域を、第1マスク情報から除外することで第2マスク情報を作成する。TDCモデルの形状が術前と術後とにおいてほぼ一致する部位以外の部位では、輝度値(画素値)が著しく変化するため、画像の位置合わせの対象に適さない。そのため、輝度値が著しく変化する部位の領域を第1マスク情報から除外する。
この実施形態では、第1分類部41によって肝腫瘍に分類された領域を第1マスク情報から除外するために、肝腫瘍に分類された領域を非画像領域に再分類する。具体的には、第2分類部42は、数値「1」が割り当てられているボクセルの位置に、非画像領域を示す数値「−1」を割り当てる。腫瘍の領域においては、術前と術後とで輝度値(画素値)が著しく変化するため、腫瘍の領域は、画像の位置合わせの対象に適さない。例えば図3に示すように、腫瘍の領域においては、術前と術後とでTDCモデルの形状が著しく異なり、その形状がほぼ一致することはない。そのため、肝腫瘍に分類されたボクセルを位置合わせの対象から外すために、肝腫瘍に該当するボクセル(領域)を非画像領域に再分類する。第2分類部42は、第2マスク情報を画像処理部5の特徴量画像生成部6に出力する。また、第2マスク情報をデータ記憶部10に記憶させる。なお、第2分類部42が、この発明の「第2分類手段」の1例に相当する。
(画像処理部5)
画像処理部5は、特徴量画像生成部6と、位置合わせ部51と、表示画像生成部52とを備えて、画像の位置合わせに用いられる特徴量画像データの生成、画像の位置合わせ、及び、表示用の画像データの作成を行う。以下、特徴量画像生成部6と、位置合わせ部51と、表示画像生成部52とについて説明する。
(特徴量画像生成部6)
特徴量画像生成部6は、第1画像生成部7と第2画像生成部8とを備えている。特徴量画像生成部6は、マスク作成部4から出力された第2マスク情報を受け付けて、その第2マスク情報に基づいて、画像の位置合わせに用いられる特徴量画像データを生成する。このとき、特徴量画像生成部6は、術前における第2マスク情報に基づいて術前における特徴量画像データを生成し、術後における第2マスク情報に基づいて術後における特徴量画像データを生成する。この実施形態では、第1画像生成部7と第2画像生成部8とで、それぞれ特徴量画像データを生成する。画像の位置合わせに用いる特徴量画像データとしては、第1画像生成部7によって生成された特徴量画像データを用いても良いし、第2画像生成部8によって生成された特徴量画像データを生成しても良い。なお、医用画像処理装置1は、第1画像生成部7と第2画像生成部8とを両方備えていても良いし、いずれか一方の画像生成部を備えていても良い。なお、特徴量画像生成部6が、この発明の「特徴量画像生成手段」の1例に相当する。
(第1画像生成部7)
第1画像生成部7は、第2マスク情報が示す各部位の領域に含まれる各ボクセルに、各ボクセルのTDCから特定される特徴量を割り当てることで、特徴量画像データを生成する。例えば、第1画像生成部7は、各ボクセルのTDCをデータ記憶部10から読み込み、任意時相間における輝度値(画素値)の変化量をボクセルごとに求める。ここでは、輝度値(画素値)の変化量が特徴量の1例に相当する。また、任意の時相は、操作者が操作部14を用いて指定することができる。操作者は操作部14を用いて所望の時相を指定する。具体的には、2つの異なる時相を指定する。操作部14によって指定された2つの時相を示す情報は、ユーザインターフェース(UI)12から画像処理部5に出力される。第1画像生成部7は、操作部14によって指定された2つの時相を示す情報を受け付けて、それら2つの時相の間における輝度値の変化量をボクセルごとに求める。この実施形態では、第1画像生成部7は、術前における各ボクセルのTDCをデータ記憶部10から読み込み、任意時相間における輝度値の変化量をボクセルごとに求め、さらに、術後における各ボクセルのTDCをデータ記憶部10から読み込み、任意時相間における輝度値の変化量をボクセルごとに求める。そして、第1画像生成部7は、マスク作成部4から出力された第2マスク情報を受け付け、その第2マスク情報に表わされている各部位の領域であって、非画像領域を除いた領域の各ボクセルの位置に、輝度値の変化量をマッピングする。具体的には、第1画像生成部7は、第2マスク情報のうち、非画像領域を示す値「−1」が割り当てられている領域(ボクセル)を除いて、血管を示す値「0」が割り当てられている領域と、正常肝実質を示す値「2」が割り当てられている領域とにそれぞれ、輝度値の変化量をマッピングする。上述したように、肝腫瘍に特定された領域には、非画像領域を示す値「−1」が割り当てられているため、肝腫瘍の領域には、輝度値の変化量はマッピングされない。非画像領域を除いて輝度値の変化量がマッピングされた画像データが、画像の位置合わせに用いられる特徴量画像データとなる。なお、説明の便宜上、第1画像生成部7によって生成された特徴量画像データを、「第1特徴量画像データ」と称することとする。第1画像生成部7は、第1特徴量画像データを位置合わせ部51と画像記憶部9とに出力する。画像記憶部9は、第1特徴量画像データを記憶する。
また、第1画像生成部7は、第2マスク情報が示す各部位の領域のうち、非画像領域を除いた領域で表わされる画像データを第1特徴量画像データとしても良い。すなわち、第1画像生成部7は、クラスタリング値(識別情報)が割り当てられている第2マスク情報をそのまま第1特徴量画像データとして用いても良い。ここでは、クラスタリング値(識別情報)が特徴量の1例に相当する。具体的には、第1画像生成部7は、第2マスク情報が示す領域のうち、非画像領域を示す値「−1」が割り当てられている領域を除いた画像データを、第1特徴量画像データと定義する。
(第2画像生成部8)
第2画像生成部8は、変化量算出部81と画素値変換部82とを備えて、第1画像生成部7とは異なる処理によって特徴量画像データを生成する。第2画像生成部8によって生成された特徴量画像データを、「第2特徴量画像データ」と称することとする。医用画像診断装置の種類や造影濃染の時相などの撮影条件が異なる医用画像同士の位置を合わせたり、組織的に変化する領域の有無や焼灼された腫瘍領域の有無などの撮影対象が異なる医用画像同士の位置を合わせたりする場合がある。この実施形態では、(1)医用画像診断装置特有の輝度分布を考慮した輝度値(画素値)の調整、(2)撮影された時相が異なる画像同士の位置を合わせるための輝度値(画素値)の調整、及び、(3)位置合わせに適さない領域に対する輝度値(画素値)の設定を行って、位置合わせ用の特徴量画像データを生成する。この実施形態では、第2マスク情報において、肝腫瘍の領域が位置合わせに適さない領域に分類されているため、輝度値の設定(3)は、第2マスク情報によって行われている。第2画像生成部8は、輝度値の設定(1)と輝度値の設定(2)とを行って、位置合わせ用の特徴量画像データを生成する。
この実施形態では1例として、焼灼治療前(術前)においては、医用画像診断装置100にX線CT装置を用いて造影撮影することで4D造影画像データ(以下、「4DCT造影画像データ」と称する)を取得する。また、焼灼治療後(術後)においては、医用画像診断装置100に超音波診断装置を用いて造影撮影することで4D造影画像データ(以下、「4D超音波造影画像データ」と称する)を取得する。ここでは1例として、門脈相におけるCT造影画像の位置と、後期相における超音波画像の位置とを合わせる場合について説明する。第2画像生成部8は、医用画像診断装置の種類が異なる画像であって、撮影された時相が異なる画像の位置を合わせるために用いられる第2特徴量画像データを生成する。
第2画像生成部8が第2特徴量画像データを生成する前の段階として、カーブモデル作成部3は、上述した処理と同様に、4DCT造影画像データに基づいて各ボクセルのTDCを求め、各ボクセルのTDCを類似するカーブごとに分類する。そして、カーブモデル作成部3は、分類ごとに平均TDCを求めて、術前における各部位のTDCモデルを特定する。同様に、カーブ作成部3は、4D超音波造影画像データに基づいて各ボクセルのTDCを求め、各ボクセルのTDCを類似するカーブごとに分類する。そして、カーブモデル作成部3は、分類ごとに平均TDCを求めて、術後における各部位のTDCモデルを特定する。上述したように、術前における各部位のTDCモデルと、術後における各部位のTDCモデルとを、データ記憶部10に記憶させる。
また、マスク作成部4は、上述した処理と同様に、術前と術後とにおける各ボクセルのTDCを各部位に分類することで、術前の第1マスク情報と術後の第1マスク情報とを作成する。さらに、マスク作成部4は、肝腫瘍に分類された領域を非画像領域に分類することで、術前の第2マスク情報と術後の第2マスク情報とを作成する。術前の第2マスク情報は、4DCT造影画像データに基づいて作成されたマスク情報であり、術後の第2マスク情報は、4D超音波造影画像データに基づいて作成されたマスク情報である。上述したように、術前の第2マスク情報と術後の第2マスク情報とを、データ記憶部10に記憶させる。
ここで、術前における各部位のTDCモデルと、術後における各部位のTDCモデルとを図5を参照して説明する。図5は、時間に対する各部位の輝度の変化を表すグラフ(TDC)を示す図である。図5において、横軸が時間を示し、縦軸が画像の輝度を示している。TDCモデル701、702、703は、術前における4DCT造影画像データに基づいて作成されたTDCモデルである。TDCモデル711、712、713は、術後における4D超音波造影画像データに基づいて作成されたTDCモデルである。TDCモデル701は、術前における血管の輝度値(画素値)の時間変化を表している。また、TDCモデル702は、術前における正常な肝実質の輝度値の時間変化を表している。また、TDCモデル703は、術前における肝腫瘍の輝度値の時間変化を表している。一方、TDCモデル711は、術後における血管の輝度値の時間変化を表している。また、TDCモデル712は、術後における正常肝実質の輝度値の時間変化を表している。また、TDCモデル713は、術後における肝腫瘍の輝度値の時間変化を表している。
(変化量算出部81)
変化量算出部81は、各部位について、術前のTDCモデルと術後のTDCモデルとの間の変化量を求める。1例として、術前の門脈相(時相t1)におけるCT造影画像の位置と、術後の後期相(時相t2)における超音波造影画像の位置とを合わせる場合について説明する。例えば、操作者が操作部14を用いて術前と術後とにおける所望の時相を指定すると、指定された時相は変化量算出部81に出力される。変化量算出部81は、術前の各部位におけるTDCモデルに基づいて、指定された時相における各部位の輝度値(画素値)を特定する。同様に、変化量算出部81は、術後の各部におけるTDCモデルに基づいて、指定された時相における各部位の輝度値(画素値)を特定する。なお、時相t1がこの発明の「第1時相」の1例に相当し、時相t2がこの発明の「第2時相」の1例に相当する。
例えば、操作者が操作部14を用いて術前の門脈相(時相t1)を指定すると、変化量算出部81は、術前の各部位のTDCモデルに基づいて、門脈相における各部位の輝度値(画素値)を特定する。具体的には、変化量算出部81は、術前における血管のTDCモデル701に基づいて、門脈相(時相t1)における血管の輝度値(画素値)を特定する。また、変化量算出部81は、術前における正常肝実質のTDCモデル702に基づいて、門脈相(時相t1)における正常肝実質の輝度値(画素値)を特定する。
また、操作者が操作部14を用いて術後の後期相(時相t2)を指定すると、変化量算出部81は、術後の各部のTDCモデルに基づいて、後期相における各部位の輝度値(画素値)を特定する。具体的には、変化量算出部81は、術後における血管のTDCモデル711に基づいて、後期相(時相t2)における血管の輝度値(画素値)を特定する。また、変化量算出部81は、術後における正常肝実質のTDCモデル712に基づいて、後期相(時相t2)における正常肝実質の輝度値(画素値)を特定する。
そして、変化量算出部81は、術前の輝度値(画素値)と術後の輝度値(画素値)との差分を、各部位についてそれぞれ求める。例えば血管における輝度値の差分を求める場合、図5に示すように、変化量算出部81は、術前の門脈相(時相t1)における血管の輝度値と、術後の後期相(時相t2)における血管の輝度値との差分b1を求める。同様に、正常肝実質における輝度値の差分を求める場合、変化量算出部81は、術前の門脈相(時相t1)における正常肝実質の輝度値と、術後の後期相(時相t2)における正常肝実質の輝度値との差分b2を求める。
さらに、変化量算出部81は、後期相(時相t2)と門脈相(時相t1)との時間差Δtを求める。そして、変化量算出部81は、血管の輝度値(画素値)の差分b1を時間差Δtで除算することで、血管についての変化量(b1/Δt)を求める。同様に、変化量算出部81は、正常肝実質の差分b2を時間差Δtで除算することで、正常肝実質についての変化量(b2/Δt)を求める。変化量算出部81は、血管の変化量(b1/Δt)と、正常肝実質の変化量(b2/Δt)とを画素値変換部82に出力する。なお、変化量算出部81が、この発明の「変化量算出手段」の1例に相当する。
(画素値変換部82)
画素値変換部82は、位置合わせを行う2つの画像データのうち、一方の画像データの輝度値(画素値)を上記の変化量を用いることで、位置合わせの相手方となる他方の画像データの輝度値(画素値)に相当する輝度値(画素値)に変換する。この変換によって、医用画像診断装置の差異による輝度値の調整と、時相が異なることによる輝度値の調整とが行われたことになる。なお、変化量を用いて変換された輝度値が、この発明の「特徴量」の1例に相当する。
例えば、術前の門脈相(時相t1)におけるCT造影画像の位置と、術後の後期相(時相t2)における超音波造影画像の位置とを合わせる場合、画素値変換部82は、術前の門脈相(時相t1)におけるCT造影画像データ(ボリュームデータ)を画像記憶部9から読み込み、さらに、術後の後期相(時相t2)における超音波造影画像データ(ボリュームデータ)を画像記憶部9から読み込む。さらに、画素値変換部82は、術前の第2マスク情報と術後の第2マスク情報とをデータ記憶部10から読み込む。
そして、画素値変換部82は、術前の第2マスク情報を用いることで、術前の門脈相(時相t1)のCT造影画像データにおいて、血管の領域と正常肝実質の領域とを特定する。そして、画素値変換部82は、術前の門脈相のCT造影画像データにおける血管領域に含まれる各ボクセルの輝度値(画素値)を、血管の変化量(b1/Δt)を用いることで、術後の後期相における超音波造影画像データの輝度値(画素値)に相当する輝度値(画素値)に変換する。同様に、画素値変換部82は、術前の門脈相のCT造影画像データにおける正常肝実質の領域に含まれる各ボクセルの輝度値(画素値)を、正常肝実質の変化量(b2/Δt)を用いることで、術後の後期相における超音波造影画像データの輝度値(画素値)に相当する輝度値(画素値)に変換する。画素値変換部82によって変換された画像データを、「変換画像データ」と称することにする。
例えば、画素値変換部82は、術前の門脈相のCT造影画像データにおける血管領域に含まれる各ボクセルの輝度値(画素値)に、血管の変化量(b1/Δt)を乗算する。その乗算によって、術前の門脈相のCT造影画像データにおける血管領域に含まれる各ボクセルの輝度値(画素値)を、術後の後期相における超音波造影画像データの輝度値(画素値)に相当する輝度値(画素値)に変換する。同様に、画素値変換部82は、術前の門脈相のCT造影画像データにおける正常肝実質の領域に含まれる各ボクセルの輝度値(画素値)に、正常肝実質の変化量(b2/Δt)を乗算する。その乗算によって、術前の門脈相のCT造影画像データにおける正常肝実質に含まれる各ボクセルの輝度値(画素値)を、術後の後期相における超音波造影画像データの輝度値(画素値)に相当する輝度値(画素値)に変換する。
この変換処理によって、時相差に起因する輝度値(画素値)の差を調整し、さらに、医用画像診断装置の差異に起因する輝度値(画素値)の差を調整して、CT造影画像の位置と超音波造影画像の位置とを合わせることが可能となる。
そして、画素値変換部82は、変換処理が施された術前の変換画像データ(ボリュームデータ)を術前の第2特徴量画像データとして定義し、術後の後期相における超音波造影画像データ(ボリュームデータ)を術後の第2特徴量画像データとして定義する。画素値変換部82は、術前と術後とにおける第2特徴量画像データを位置合わせ部51に出力する。
また、画素値変換部82は、術前の門脈相のCT造影画像データの輝度値(画素値)を変換する代わりに、術後の後期相における超音波造影画像データの輝度値(画素値)を変換しても良い。この場合、画素値変換部82は、術後の後期相の超音波造影画像データにおける血管領域に含まれる各ボクセルの輝度値を、血管の変化量(b1/Δt)を用いることで、術前の門脈相におけるCT造影画像データの輝度値に相当する輝度値に変換する。同様に、画素値変換部82は、術後の後期相の超音波造影画像データにおける正常肝実質の領域に含まれる各ボクセルの輝度値を、正常肝実質の変化量(b2/Δt)を用いることで、術前の門脈相におけるCT造影画像データの輝度値に相当する輝度値に変換する。このように、術後の超音波造影画像データの輝度値を変換した場合も、時相差に起因する輝度値の差を調整し、さらに、医用画像診断装置の差異に起因する輝度値の差を調整して、CT造影画像の位置と超音波造影画像の位置とを合わせることが可能となる。そして、画素値変換部82は、術前の門脈相におけるCT造影画像データを術前の第2特徴量画像データとして定義し、変換処理が施された術後の変換画像データを術後の第2特徴量画像データとして定義する。画素値変換部82は、術前と術後とにおける第2特徴量画像データを位置合わせ部51に出力する。なお、画素値変換部82が、この発明の「画素値変換手段」の1例に相当する。
なお、この実施形態では、第2画像生成部8は、異なる医用画像診断装置にて取得された術前の画像と術後の画像とを対象として、異なる時相で取得された画像の輝度値を調整したが、この発明はその処理に限定されない。例えば、第2画像生成部8は、同じ医用画像診断装置にて取得された術前の画像と術後の画像とを対象として、異なる時相で取得された画像の輝度値を調整しても良い。
(位置合わせ部51)
位置合わせ部51は、特徴量画像生成部6から術前の特徴量画像データと術後の特徴量画像データとを受け付けて、術前の特徴量画像の位置と術後の特徴量画像の位置とを合わせる。
第1画像生成部7によって第1特徴量画像データを生成した場合は、位置合わせ部51は、第1画像生成部7によって生成された術前の第1特徴量画像データと術後の第1特徴量画像データとを受け付けて、術前の第1特徴量画像の位置と術後の第1特徴量画像の位置とを合わせる。また、第2画像生成部8によって第2特徴量画像データを生成した場合は、位置合わせ部51は、第2画像生成部7によって生成された術前の第2特徴量画像データと術後の第2特徴量画像データとを受け付けて、術前の第2特徴量画像の位置と術後の第2特徴量画像の位置とを合わせる。
この実施形態では、位置合わせ部51は、特徴量画像に対してMI法(Mutual infomation法)を適用して画像の位置合わせを行う。例えば、位置合わせ部51は、術前の第1特徴量画像と術後の第1特徴量画像とに対してMI法を適用することで、画像の位置合わせを行う。また、位置合わせ部51は、術前の第2特徴量画像と術後の第2特徴量画像とに対してMI法を適用することで、画像の位置合わせを行う。なお、MI法は、文献:Mutimodality Image Registration by Maximization of Mutual Information(1997)に記載されている公知の方法を用いれば良い。
また、位置合わせ部51は、術前の第2マスク情報と術後の第2マスク情報とをデータ記憶部10から読み込み、第2マスク情報から各部位の形態情報を抽出し、テンプレートマッチングなどの形態情報を用いた公知の方法によって、画像の位置合わせを行っても良い。なお、位置合わせ部51が、この発明の「位置合わせ手段」の1例に相当する。
そして、位置合わせ部51は、位置合わせ後における術前の特徴量画像と術後の特徴量画像との相対的な位置関係を示す位置情報を表示画像生成部52に出力する。
(表示画像生成部52)
表示画像生成部52は、画像記憶部9に記憶されているボリュームデータに所定の画像処理を施すことで、表示用の画像データを生成する。例えば、表示画像生成部52は、ボリュームデータにボリュームレンダリングを施すことで、組織が立体的に表わされる3次元画像データを生成する。また、表示画像生成部52は、撮像画像にMPR(Multi Planar Reconstruction)処理を施すことで、任意の断面における画像データ(MPR画像データ)を生成しても良い。そして、表示画像生成部52は、3次元画像データやMPR画像データなどの医用画像データを表示制御部11に出力する。表示制御部11は、3次元画像データに基づく3次元画像やMPR画像データに基づくMPR画像を表示部13に表示させる。なお、表示画像生成部52が、この発明の「表示画像生成手段」の1例に相当し、表示制御部11が、この発明の「表示制御手段」の1例に相当する。
例えば、表示画像生成部52は、術前と術後とに取得された4D造影画像データの各ボリュームデータにボリュームレンダリングを施すことで、各時相の3次元画像データを生成する。また、表示画像生成部52は、術前と術後とに取得された4D造影画像データにMPR処理を施すことで、各時相の任意断面におけるMPR画像データを生成しても良い。このとき、表示画像生成部52は、位置合わせ部51から出力された位置情報が示す相対的な位置関係に従って、術前のボリュームデータの位置と術後のボリュームデータの位置とを合わせてレンダリングなどの処理を施すことで、術前と術後とで位置が一致する3次元画像データや、術前と術後とで断面の位置が一致するMPR画像データを生成する。そして、表示制御部11は、位置が合わされた3次元画像やMPR画像を表示部13に表示させる。また、焼灼治療前(術前)における表示用の画像データが、この発明の「第1表示用画像データ」の1例に相当し、焼灼治療後(術後)における表示用の画像データが、この発明の「第2表示用画像データ」の1例に相当する。
ここで、位置合わせされた画像の1例を図6に示す。図6は、位置合わせされた画像を示す図である。画像800は、術前に超音波診断装置によって取得されたMPR画像であり、画像810は、術後に超音波診断装置によって取得されたMPR画像である。画像800には、焼灼前に造影された腫瘍801が表されている。一方、画像810には、焼灼後の腫瘍811が表されている。表示制御部11は、位置合わせされた画像800と画像810とを表示部13に並べて表示させる。術前の画像800と術後の画像810とは位置が合わされているため、腫瘍の形状の比較や、周辺組織の比較などを容易に行うことができる。
また、操作者が操作部13を用いて、一方の画像に対して断面の変更指示、画像の拡大又は縮小の指示、平面内での移動指示、回転の指示などの表示条件の変更指示を与えると、他方の画像もその変更指示に連動して各処理が施されるようにしても良い。例えば、断面の変更指示が操作部13によって与えられると、表示画像生成部52は、その指示に従って断面の位置を変えてMPR処理を施すことで、術前と術後とで新たな断面におけるMPR画像データを術前と術後とでそれぞれ生成する。そして、表示制御部11は、新たな断面におけるMPR画像を表示部13に表示させる。また、表示制御部11は、画像の拡大又は縮小の指示、移動指示、又は回転指示に従って表示条件を変えて、術前の画像と術後の画像とを表示部13に表示させる。さらに、操作者が操作部13を用いて画像上の所望の位置を指定した場合に、指定された位置の座標情報が表示制御部11に出力され、表示制御部11は指定された座標(ボクセル)のTDCをデータ記憶部10から読み込み、そのTDCを表示部13に表示させても良い。
ユーザインターフェース(UI)12は、表示部13と操作部14とを備えている。表示部13は、CRTや液晶ディスプレイなどのモニタで構成され、画面上に3次元画像やMPR画像が表示される。操作部14は、ジョイスティックやトラックボールなどのポインティングデバイス、スイッチ、各種ボタン、又はキーボードなどで構成されている。
なお、カーブモデル作成部3、マスク作成部4、特徴量画像生成部6、位置合わせ部51、表示画像生成部52、及び表示制御部11はそれぞれ、図示しないCPUと、ROM、RAMなどの記憶装置とによって構成されている。記憶装置には、カーブモデル作成部3の機能を実行するためのカーブモデル作成プログラム、マスク作成部4の機能を実行するためのマスク作成プログラム、特徴量画像生成部6の機能を実行するための特徴量画像生成プログラム、位置合わせ部51の機能を実行するための位置合わせプログラム、表示画像生成部52の機能を実行するための表示画像生成プログラム、及び、表示制御部11の機能を実行するための表示制御プログラムが記憶されている。
また、カーブモデル作成プログラムには、カーブ作成部31の機能を実行するためのカーブ作成プログラム、分類部32の機能を実行するための分類プログラム、平均カーブ作成部33の機能を実行するための平均カーブ作成プログラム、及び、カーブモデル特定部34の機能を実行するためのカーブモデル特定プログラムが含まれている。また、マスク作成プログラムには、第1分類部41の機能を実行するための第1分類プログラムと、第2分類部42の機能を実行するための第2分類プログラムとが含まれている。また、特徴量画像生成プログラムには、第1画像生成部7の機能を実行するための第1画像生成プログラムと、第2画像生成部8の機能を実行するための第2画像生成プログラムとが含まれている。また、第2画像生成プログラムには、変化量算出部81の機能を実行するための変化量算出プログラムと、画素値変換部82の機能を実行するための画素値変換プログラムとが含まれている。
そして、CPUがカーブ作成プログラムを実行することで、各ボクセルのTDCを作成する。また、CPUが分類プログラムを実行することで、各ボクセルのTDCを類似するカーブに分類する。また、CPUが平均カーブ作成プログラムを実行することで、分類された各TDCの平均値を表す平均TDCを作成する。そして、CPUがカーブモデル特定プログラムを実行することで、各部位のTDCモデルを定義する。
また、CPUが第1分類プログラムを実行することで、クラスタリング値が各ボクセルの位置に割り当てられた第1マスク情報を作成する。また、CPUが第2分類プログラムを実行することで、腫瘍として割り当てられたクラスタリング値を非画像領域のクラスタリング値に再度割り当てることで第2マスク情報を作成する。
また、CPUが第1画像生成プログラムを実行することで、第1特徴量画像データを生成する。また、CPUが変化量算出プログラムを実行することで、術前のTDCモデルと術後のTDCモデルとの間の変化量を求める。また、CPUが画素値変換プログラムを実行することで、変化量を用いて、位置合わせ対象の画像データのうち一方の画像データの画素値を変換する。
また、CPUが位置合わせプログラムを実行することで、2つの特徴量画像の位置を合わせる。また、CPUが表示画像生成プログラムを実行することで、ボリュームデータに基づく表示用の3次元画像データやMPR画像データなどを生成する。そして、CPUが表示制御プログラムを実行することで、3次元画像データに基づく3次元画像などを表示部13に表示させる。
(動作)
次に、この実施形態に係る医用画像処理装置1による一連の動作について図7を参照して説明する。図7は、この発明の実施形態に係る医用画像処理装置による一連の動作を示すフローチャートである。
(ステップS01)
まず、術前と術後とにおいて医用画像診断装置100によって造影撮影を行うことで、術前の4D造影画像データと術後の4D造影画像データとを取得する。術前の4D造影画像データと術後の4D造影画像データとは、医用画像診断装置100から医用画像処理装置1に出力され、医用画像処理装置1の画像記憶部9に記憶される。なお、同じ種類の医用画像診断装置によって術前の4D造影画像データと術後の4D造影画像データとを取得しても良いし、異なる種類の医用画像診断装置によって術前の4D造影画像データと術後の4D造影画像データとを取得しても良い。
(ステップS02)
カーブモデル作成部3は、術前における各部位のTDCモデルを作成する。この実施形態では、カーブモデル作成部3は、術前における血管のTDCモデル、正常な肝実質のTDCモデル、及び肝腫瘍のTDCモデルを作成する。例えば、カーブモデル作成部3は、一般的に推定される各部位のTDCモデルをデータ処理部2から読み込んで、一般的に推定される各部位のTDCモデルを、各部位のTDCモデルとして定義する。または、カーブモデル作成部3は、実際に撮影された4D造影画像データに基づいて各部位のTDCモデルを作成しても良い。この場合、カーブモデル作成部3は、各ボクセルのTDCを作成し、各TDCを類似するカーブごとに分類し、分類したTDCの平均である平均TDCを作成する。そして、カーブモデル作成部3は、各平均TDCと、一般的に推定される各部位のTDCモデルとを比較して、各平均TDCがいずれの部位におけるTDCに該当するかを特定する。分類された平均TDCは、その部位のTDCモデルを表していることになり、カーブモデル作成部3は、分類した平均TDCをTDCモデルとして定義する。各部位のTDCモデルはデータ記憶部10に記憶される。
(ステップS03)
次に、カーブ作成部31は、術前における各ボクセルのTDCを作成する。なお、ステップS02において、実際に取得された4D造影画像データからTDCモデルを作成した場合には、その作成過程で各ボクセルのTDCが作成されているため、ステップS03の処理を省略しても良い。各ボクセルのTDCはデータ記憶部10に記憶される。
(ステップS04)
第1分類部41は、各ボクセルのTDCと、各部位のTDCモデルとを比較して、各ボクセルのTDCがいずれの部位のTDCモデルに該当するかを特定することで、各ボクセルのTDCを各部位に分類する。この分類によって、第1分類部41は、術前における第1マスク情報を生成する。例えば、第1分類部41は、TDCが血管のTDCモデルに該当するボクセルの位置に、血管を示す数値「0」を割り当てる。このように、第1分類部41は、部位を示す数値を各ボクセルの位置に割り当てることで、術前の第1マスク情報を作成する。第1マスク情報はデータ記憶部10に記憶される。
(ステップS05)
そして、第2分類部42は、第1マスク情報に表わされた領域のうち、画像の位置合わせの対象に適さない領域を、非画像領域に再分類することで、第2マスク情報を作成する。この実施形態では、第2分類部42は、肝腫瘍を示す数値「1」が割り当てられているボクセルの位置に、非画像領域を示す数値「−1」を割り当てる。これにより、肝腫瘍に分類された領域が位置合わせの対象から外されたことになる。第2マスク情報はデータ記憶部10に記憶される。
(ステップS06)
そして、データ処理部2は、位置合わせの対象となるすべての画像について、マスク情報を作成したか否かを判断する。例えば、術前の第2マスク情報を作成し、術後の第2マスク情報を作成していない場合は(ステップS06、No)、術後の4D造影画像データを対象にして、ステップS02からステップS05の処理を実行することで、術後における第2マスク情報を作成する。そして、すべての画像についてマスク情報を作成した場合(ステップS06、Yes)、ステップS07以降の処理を実行する。
(ステップS07、ステップS08)
次に、特徴量画像生成部6が、術前と術後とにおける第2マスク情報を用いて、位置合わせ用の特徴量画像データを生成する。この実施形態に係る医用画像処理装置1では、第1画像生成部7によって第1特徴量画像データを生成しても良いし(ステップS07)、第1特徴量画像データの代わりに、第2画像生成部8によって第2特徴量画像データを生成しても良い(ステップS08)。特徴量画像生成部6は、第1画像生成部7によって生成した術前と術後とにおける第1特徴量画像データ、又は、第2画像生成部8によって生成した術前と術後とにおける第2特徴量画像データを位置合わせ部51に出力する。
(ステップS09)
位置合わせ部51は、術前の特徴量画像と術後の特徴量画像とに対してMI法を適用して画像の位置合わせを行う。第1画像生成部7によって第1特徴量画像データが生成された場合、位置合わせ部51は、術前の第1特徴量画像の位置と術後の第1特徴量画像の位置とをMI法によって合わせる。また、第2画像生成部8によって第2特徴量画像データが生成された場合、位置合わせ部51は、術前の第2特徴量画像の位置と術後の第2特徴量画像の位置とをMI法によって合わせる。そして、位置合わせ部51は、術前の特徴量画像の位置と術後の特徴量画像の位置との相対的な位置関係を示す位置情報を表示画像生成部52に出力する。
(ステップS10)
表示画像生成部52は、位置合わせ部51から出力された位置情報が示す相対的な位置関係に従って、術前のボリュームデータの位置と術後のボリュームデータの位置とを合わせて、ボリュームレンダリングやMPR処理などの画像処理を施す。これにより、術前と術後とで位置が一致する3次元画像データや、術前と術後とで断面の位置が一致するMPR画像データが生成される。表示制御部11は、例えば、断面の位置が一致する術前のMPR画像と術後のMPR画像とを表示部13に表示させる。
以上のように、この実施形態に係る医用画像処理装置1によると、各ボクセルのTDCを作成して、各部位の造影濃染の特徴を用いることで、各部位の領域とその形態を特定することが可能となる。そして、画像の位置合わせに適さない領域を位置合わせ処理から除外することで、術前と術後とで画像の一部が変化している場合であっても、より正確に複数の画像の位置合わせを行うことが可能となる。具体的には、焼灼された腫瘍の領域を除外した第2マスク情報を作成し、その第2マスク情報に基づく特徴量画像に基づいて術前の画像の位置と術後の画像の位置とを合わせることで、術前と術後とで腫瘍の輝度値が変化している場合であっても、術前の画像の位置と術後の画像の位置とをより正確に合わせることが可能となる。すなわち、この実施形態に係る医用画像処理装置1によると、輝度値が変化する領域を除外した第2マスク情報を用いているため、形態情報を必要としないMI法を用いた画像の位置合わせが可能となり、その結果、より正確に画像の位置合わせが可能となる。
また、各ボクセルのTDCを作成して、各部位の造影濃染の特徴を用いることで、各部位の領域とその形態を特定することが可能となる。そのため、公知の位置合わせ方法のように、形態情報を用いた位置合わせも可能となる。
また、TDCモデルに基づいて作成されたマスク情報はすべての時相に共通して用いることができるため、各時相における画像データから各部位の領域を抽出することができる。さらに、早期相と後期相といったように、異なる時相における画像同士の位置合わせも可能となる。さらに、各医用画像診断装置にて取得された造影画像に基づいてマスク情報を作成することができるため、異なる医用画像診断装置によって取得された画像同士の位置合わせも可能となる。
さらに、各医用画像診断装置の特性や各時相における特徴を考慮した位置合わせを行うことで、その位置合わせをより正確に行うことができる。具体的には、第2画像生成部8によって生成された第2特徴量画像に基づいて画像の位置合わせを行うことで、医用画像診断装置の差異に起因する輝度値の差を調整し、さらに、時相差に起因する輝度値の差を調整することができる。そして、輝度調整がなされた第2特徴量画像を用いて位置合わせを行うことで、異なる医用画像診断装置によって異なる時相に取得された複数の画像同士の位置を、より正確に合わせることが可能となる。
以上のようにこの実施形態に係る医用画像処理装置1によると、煩雑な操作を行わずに、焼灼前の腫瘍領域と焼灼後の腫瘍領域とを同じ位置にて比較することが可能となるため、より正確な術後診断が可能となる。例えば、焼灼前の腫瘍領域と焼灼後の腫瘍領域とを同じ断面にて比較することができるため、より正確な術後診断が可能となる。
この発明の実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。 造影剤が流入する様子を順番に表わす画像を示す図である。 時間に対する各部位の輝度の変化を表すグラフ(TDC)を示す図である。 マスク情報を模式的に示す図である。 時間に対する各部位の輝度の変化を表すグラフを示す図である。 位置合わせされた画像を示す図である。 この発明の実施形態に係る医用画像処理装置による一連の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 医用画像処理装置
2 データ処理部
3 カーブモデル作成部
4 マスク作成部
5 画像処理部
6 特徴量画像生成部
7 第1画像生成部
8 第2画像生成部
9 画像記憶部
10 データ記憶部
11 表示制御部
12 ユーザインターフェース(UI)
13 表示部
14 操作部
31 カーブ作成部
32 分類部
33 平均カーブ作成部
34 カーブモデル特定部
41 第1分類部
42 第2分類部
51 位置合わせ部
52 表示画像生成部
81 変化量算出部
82 画素値変換部
100 医用画像診断装置

Claims (8)

  1. 造影剤が注入された被検体を、前記被検体に対する医学的処置の以前と以後で撮影したそれぞれのボリュームデータを含む複数の4D造影画像データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている前記以前と前記以後の4D造影画像データのそれぞれに基づいて、各ボクセルにおける画素値の時間変化を表す、前記以前の画素値曲線と前記以後の画素値曲線を作成するカーブ作成手段と、
    前記以前と前記以後のそれぞれについて前記被検体の各部位における画素値の時間変化を表す画素値曲線モデルを取得するカーブモデル作成手段と、
    前記以前と前記以後のそれぞれについて、前記ボクセルの画素値曲線と前記各部位の画素値曲線モデルとを比較して、前記ボクセルの画素値曲線を前記被検体の部位ごとに分類することで、各部位の領域を示す、前記以前の第1マスク情報と前記以後の第1のマスク情報を作成する第1分類手段と、
    前記以前と前記以後の4D造影画像データの間で、前記画素値曲線モデルの形状がほぼ一致する部位以外の部位の領域を、前記以前と前記以後の各第1マスク情報から除外することで前記以前の第2マスク情報と前記以後の第2マスク情報を作成する第2分類手段と、
    前記以前と前記以後のそれぞれの前記第2マスク情報が示す各部位の領域に含まれる各ボクセルに、前記以前と前記以後の画素値曲線のそれぞれから特定される特徴量を割り当てることで前記以前の特徴量画像データと前記以後の特徴量画像データを生成する特徴量画像生成手段と、
    前記以前と前記以後の特徴量画像のそれぞれの位置を合わせる画像位置合わせ手段と、
    前記以前と前記以後の4D造影画像データのそれぞれに含まれるボリュームデータに基づき、前記位置合わせに従って位置が合わされた表示用画像データを、前記4D造影画像データごとに生成する表示画像生成手段と、
    前記4D造影画像データごとの表示用画像データに基づく表示用画像を並べて表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記第1分類手段は、前記各ボクセルの画素値曲線と前記各部位の画素値曲線モデルとを比較して、前記画素値曲線の形状が前記画素値曲線モデルの形状に類似する部位をボクセルごとに特定することで前記第1マスク情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記第2分類手段は、前記以前と前記以後の4D造影画像データの間で前記画素値曲線モデルの形状がほぼ一致する部位以外の部位の領域としての腫瘍に分類された領域を前記以前と前記以後の各第1マスク情報から除外することで前記以前と前記以後の各第2マスク情報を作成することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の医用画像処理装置。
  4. 前記カーブモデル作成手段は、
    前記各ボクセルの画素値曲線を類似するカーブごとに分類する分類手段と、
    前記分類ごとに画素値曲線の平均を求めることで画素値の平均値を有する平均画素値曲線を前記分類ごとに作成する平均カーブ作成手段と、
    予め推定された前記各部位における画素値の時間変化を表す推定画素値曲線モデルと、前記分類ごとの平均画素値曲線とを比較して、平均画素値曲線の形状が前記推定画素値曲線モデルの形状に類似する部位を前記分類ごとに特定することで、各平均画素値曲線を前記各部位の画素値曲線モデルとして定義するカーブモデル特定手段と、
    を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の医用画像処理装置。
  5. 前記特徴量画像生成手段は、前記各ボクセルの画素値曲線に基づき、任意に指定された時相間における前記各ボクセルの画素値の変化量を前記特徴量として求め、前記変化量を前記第2マスク情報が示す各部位の領域に含まれる各ボクセルに割り当てることで、前記特徴量画像データを生成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の医用画像処理装置。
  6. 前記特徴量画像生成手段は、
    前記以前又は以後の一方の第1の4D造影画像データを基に作成された前記各部位の画素値曲線モデルに基づいて、任意に指定された第1時相における前記各部位の画素値を求め、さらに、前記以前又は以後の他方の第2の4D造影画像データを基に作成された前記各部の画素値曲線モデルに基づいて、任意に指定された第2時相における前記各部位の画素値を求め、同じ部位について、前記第1時相における画素値と前記第2時相における画素値との差分を求めることで、前記各部位の画素値の変化量を求める変化量算出手段と、
    前記第1の4D造影画像データに含まれるボリュームデータであって、前記第1時相に取得されたボリュームデータに含まれる領域のうち、該当する第2マスク情報が示す各部位の領域に含まれる各ボクセルの画素値を前記変化量に基づいて変換した画素値を前記特徴量として求め、前記画素値が変換されたボリュームデータを前記一方の前記特徴量画像データとして定義し、さらに、前記第2の4D造影画像データに含まれるボリュームデータであって、該当する前記第2時相に取得されたボリュームデータを前記他方の前記特徴量画像データとして定義する画素値変換手段と、
    を有することを特徴とする請求項4に記載の医用画像処理装置。
  7. 前記医学的処置は焼灼治療であり、前記以前は焼灼治療前のことであり、前記以後は焼灼治療後のことであって、
    前記記憶手段は、焼灼治療前に撮影された第1の4D造影画像データと、焼灼治療後に撮影された第2の造影画像データとを記憶し、
    前記カーブ作成手段は、前記第1の4D造影画像データの各ボクセルにおける画素値の時間変化を表す第1の画素値曲線と、前記第2の4D造影画像データの各ボクセルにおける画素値の時間変化を表す第2の画素値曲線とを作成し、
    前記カーブモデル作成手段は、前記焼灼治療前における前記各部位の画素値の時間変化を表す第1の画素値曲線モデルと、前記焼灼治療後における前記各部位の画素値の時間変化を表す第2の画素値曲線モデルとを取得し、
    前記第1分類手段は、前記第1の画素値曲線と前記各部位の第1の画素値曲線モデルとを比較して、前記第1の4D造影画像データの各ボクセルを部位ごとに分類することで、焼灼治療前における第1マスク情報を作成し、前記第2の画素値曲線と前記各部位の第2の画素値曲線モデルとを比較して、前記第2の4D造影画像データの各ボクセルを部位ごとに分類することで、焼灼治療後における第1マスク情報を作成し、
    前記第2分類手段は、前記焼灼治療前における第1マスク情報と前記焼灼治療後における第1マスク情報とから、焼灼対象の部位に分類された領域を除外することで、前記焼灼対象の部位に分類された領域が除かれた前記焼灼治療前における第2マスク情報と前記焼灼治療後における第2マスク情報とを作成し、
    前記特徴量画像生成手段は、前記焼灼治療前における第2マスク情報が示す各部位の領域に含まれる各ボクセルに、前記第1の4D造影画像データの各ボクセルの画素値曲線から特定される特徴量を割り当てることで、前記焼灼治療前の特徴量画像データを生成し、さらに、前記焼灼治療後における第2マスク情報が示す各部位の領域に含まれる各ボクセルに、前記第2の4D造影画像データの各ボクセルの画素値曲線から特定される特徴量を割り当てることで、前記焼灼治療後の特徴量画像データを生成し、
    前記画像位置合わせ手段は、前記焼灼治療前の特徴量画像の位置と、前記焼灼治療後の特徴量画像の位置とを合わせ、
    前記表示画像生成手段は、前記第1の4D造影画像データに含まれるボリュームデータに基づいて第1表示用画像データを生成し、前記第2の4D造影画像データに含まれるボリュームデータに基づいて、前記位置合わせに従って前記第1表示用画像データとの位置が合わされた第2表示用画像データを生成し、
    前記表示制御手段は、前記第1表示用画像データに基づく第1表示用画像と、前記第2表示用画像データに基づく第2表示用画像とを並べて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  8. コンピュータに、
    造影剤が注入された被検体を、前記被検体に対する医学的処置の以前と以後で撮影したそれぞれのボリュームデータを含む複数の4D造影画像データを受け付けて、前記以前と前記以後の4D造影画像データのそれぞれに基づいて、各ボクセルにおける画素値の時間変化を表す、前記以前の画素値曲線と前記以後の画素値曲線を作成するカーブ作成機能と、
    前記以前と前記以後のそれぞれについて、前記被検体の各部位における画素値の時間変化を表す画素値曲線モデルを取得するカーブモデル作成手段と、
    前記以前と前記以後のそれぞれについて、前記ボクセルの画素値曲線と前記各部位の画素値曲線モデルとを比較して、前記ボクセルの画素値曲線を前記被検体の部位ごとに分類することで、各部位の領域を示す、前記以前の第1マスク情報と前記以後の第1のマスク情報を作成する第1分類機能と、
    前記以前と前記以後の4D造影画像データの間で、前記画素値曲線モデルの形状がほぼ一致する部位以外の部位の領域を、前記以前と前記以後の各第1マスク情報から除外することで前記以前の第2マスク情報と前記以後の第2マスク情報を作成する第2分類機能と、
    前記以前と前記以後のそれぞれの前記第2マスク情報が示す各部位の領域に含まれる各ボクセルに、前記以前と前記以後の画素値曲線のそれぞれから特定される特徴量を割り当てることで前記以前の特徴量画像データと前記以後の特徴量画像データを生成する特徴量画像生成機能と、
    前記以前と前記以後の特徴量画像のそれぞれの位置を合わせる画像位置合わせ機能と、
    前記以前と前記以後の4D造影画像データのそれぞれに含まれるボリュームデータに基づき、前記位置合わせに従って位置が合わされた表示用画像データを、前記4D造影画像データごとに生成する表示画像生成機能と、
    前記4D造影画像データごとの表示用画像データに基づく表示用画像を並べて表示装置に表示させる表示制御機能と、
    を実行させることを特徴とする医用画像処理プログラム。
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