JP5477717B2 - 紙軸用原紙 - Google Patents

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本発明は、綿棒、耳かき、攪拌用スティック等に使用される紙軸用の原紙に関するものである。
綿棒、耳かき、攪拌用スティック等の軸として、木製やプラスチック製の軸に加え、紙製の軸が用いられている。木製は大量生産、コストの点で難点があり、プラスチック製はこれらの点では有利であるが石油を原料とするものであり、省資源という点で問題がある。紙素材は原料が木であり、植林が進んでいることや、使用後のリサイクルが容易であることから、環境にやさしい素材とされている。
紙軸は、所定の長方形に切り抜きした紙シートに接着剤を塗布し、巻回して製造されるものである。紙製の軸は、木製やプラスチック製の軸に比べ柔軟であるため、用途によっては紙軸の剛性が不足して、製品として不具合を生じることがある。例えば、綿棒で軸の剛性が不足すると、拭き取り性が劣るという問題が生じる。また、前述したように紙軸は長方形に切り抜きした紙シートに接着剤を塗布し、巻回して製造されるため、原紙の紙質によっては、カールによる紙詰り、接着不良によるメクレやシワ入りなどの紙軸製造に特有のトラブルを生じることがある。
紙軸の剛性を向上させるためには、原紙の坪量を増やしたり、巻数を増やすことが考えられるが、原紙の使用量が増えるし、軸の径が要求される規格を超えてしまうこともある。
パルプに合成繊維を混合して抄紙したり、合成樹脂を塗布または含浸させたり、合成樹脂フィルムをラミネートする方法により紙軸の剛性を向上させることができるが、これらの合成樹脂は石油を原料とするものであり、省資源という点で望ましくない。
そこで、紙素材のみで製造され、剛性が向上された紙軸用原紙が要望されている。
特許文献1の考案は、軸方向を紙の繊維の向きに一致させて巻くことを特徴とする紙軸であり、さらに牛乳パックの古紙から作った再生紙を原料として使用することで資源の有効利用と紙軸の強度アップを図るというものである。しかし、紙の繊維配向性や、紙の剛性についての詳細な検討はない。
特許文献2には、合成繊維を混合して抄造する、合成樹脂を塗布または含浸させる、合成樹脂フィルムをラミネートするなどにより、強度をアップすることが記載されている。しかし、前述したように合成繊維や合成樹脂の使用は省資源という点では望ましくない。
特許文献3には、紙軸の表面に酸化珪素を適用して固化し、耐水性、熱耐水性を付与するというものである。しかし、これらの処理は紙軸の製造工程が増えるという問題がある。
実開平7−3481号公報 特開2003−79505号公報 特開2006−68307号公報
本発明は、上述した実情に鑑み、その目的とするところは、紙軸としたときの剛性が向上され、接着不良によるメクレやシワの発生のない紙軸加工適性の良い紙軸用原紙を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の紙軸用原紙は以下の特徴を有する。
第一発明の紙軸用原紙は、
シート状の紙を巻回・接着して形成される紙軸用の原紙であって、以下の条件を満たすことを特徴とする。
(1)原料パルプとして、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)とLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)が使用されており、NBKPとLBKPの質量比率が20:80〜80:20である。
(2)前記NBKPのカナダ標準ろ水度が400〜650mlCSF、前記LBKPのカナダ標準ろ水度が400〜500mlCSFに叩解されている。
(3)坪量が30〜70g/mの範囲である。
(4)ステキヒトサイズ度が5秒以上である。
(5)紙軸がCD方向巻き付け(MD方向が軸)であり、引張り強さの縦横比(縦÷横)が1.4〜2.4の範囲である。
(6)クラークこわさの縦横比(縦÷横)が1.5〜2.3の範囲である。
第二発明の紙軸用原紙は、
前記原紙が片艶紙であり、製造工程において湿紙に紙力増強剤がスプレー塗布され、密度が0.70g/cm以上とされていることを特徴とする請求項1に記載の紙軸用原紙。である。
本発明の紙軸用原紙によれば、シート状の紙を巻回・接着して形成される紙軸用の原紙であって、(1)原料パルプとして、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)とLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)が使用されており、NBKPとLBKPの質量比率が20:80〜80:20である。(2)前記NBKPのカナダ標準ろ水度が400〜650mlCSF、前記LBKPのカナダ標準ろ水度が400〜500mlCSFに叩解されている。(3)坪量が30〜70g/mの範囲である。(4)ステキヒトサイズ度が5秒以上である。(5)紙軸がCD方向巻き付け(MD方向が軸)であり、引張り強さの縦横比(縦÷横)が1.4〜2.4の範囲である。(6)クラークこわさの縦横比(縦÷横)が1.5〜2.3の範囲である。という構成をとることにより、
剛性が向上され、加工適性の良い紙軸用原紙を提供することができる。
さらに、前記原紙が片艶紙であり、製造工程において、湿紙に紙力増強剤がスプレー塗布され、密度が0.70g/cm以上とされていることにより、いっそう加工適性の良い紙軸用原紙を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、紙軸加工について説明する。
紙軸加工は、所定の大きさにカットした原紙を緩く丸まった状態にし、糊付けを行いながらロールで抑えて巻回し、軸にした後、乾燥する。紙軸用原紙は、カットされて紙軸加工機へ供給されるので、カール傾向が強いと紙詰りのトラブルを生じることがあり、紙軸加工機に供給する前に原紙に蒸気を当てて、カールを矯正することもある。
また、原紙の品質によって、製造された紙軸にメクレやシワ入りの不良が発生することがある。メクレとは、接着した紙の端部が剥がれ、外観が悪くなったり、軸強度が低下する現象である。シワ入りは、糊付け、巻回する際に発生するほか、例えば綿棒の製造では紙軸に綿付けを行う際に、ベルト間に紙軸を挟んだ状態で紙軸を転がしながら綿付けを行うので、紙軸が均一でないと発生することがある。
紙軸の径は必要な強度と使用時の使いやすさを考慮し設定され、通常は1.0〜3.0mm程度である。紙軸の長さは使いやすい長さに設定され、通常は50〜160mm程度である。巻き込みの回数は10〜40回程度である。
次に、本発明にかかる紙軸用原紙について説明する。
本発明にかかる紙軸用原紙は、原料パルプとして、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)とLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)が使用されており、その質量比率が20:80〜80:20であることが望ましく、前記NBKPのカナダ標準ろ水度が400〜650mlCSF、前記LBKPのカナダ標準ろ水度が400〜500mlCSFに叩解されていることが望ましい。
この範囲とすることで、紙軸としての強度を高くできるとともに、地合いが良好となることから紙軸加工時のシワ入りトラブルがなくなる。NBKPがこの範囲を超えて多いと、地合いが悪くなり紙軸加工適性が悪くなり、シワのほか、接着不良によるメクレが発生することがある。NBKPがこの範囲を超えて少ないと、紙軸強度が不足する。紙軸用原紙の坪量は紙軸の径にあわせて設定するが、30〜70g/mであれば紙軸加工が容易であり望ましい。坪量が30g/m未満であると、紙軸加工の際に接着剤の塗布による紙の伸縮が大きくなってシワ入りとなる場合があり、70g/mを超えると紙の剛性が高すぎ、紙軸加工の巻回の際にシワ入りや接着不良を生じることがある。
本発明で原料パルプに内添する薬品としては、サイズ定着剤、サイズ剤、紙力増強剤などが使用できる。サイズ定着剤としては、硫酸バンド、カチオン澱粉、ポリアクリルアミド系樹脂などが使用できる。サイズ剤としては、鹸化ロジンサイズ剤、ロジンエマルジョンサイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸などのサイズ剤が使用できる。紙力増強剤としては、カチオン澱粉、ポリアクリルアミド系樹脂などが使用できる。その他、必要に応じ、湿潤紙力増強剤、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤、染料等の添加剤を使用することができる。
本発明の紙軸用原紙の製造方法では、少なくとも、紙料を脱水するワイヤーパートと、脱水された湿紙を搾水するプレスパートと、搾水された湿紙を乾燥するドライヤーパートが連設された抄紙機を用いる。
本発明の原紙は紙軸用に使用するため、印刷用紙や新聞用紙やコピー用紙などの一般的な用紙とは、その繊維配向性が異なっているものである。
すなわち、上述の一般的な用紙は見映え、地合い、印刷適性、カールの問題などの観点から、可能な限り繊維を均一に分散させる。しかしながら、本発明の紙軸用原紙は繊維を一定範囲でMD方向に並ぶように調整し、紙軸としての強度、加工適性を付与している。
具体的には、引張り強さ縦横比を1.4〜2.4とするのが好ましい。引張り強さの縦横比を1.4〜2.4とすることで、繊維配向性を紙軸用原紙に適したものとすることができる。すなわち、クラークこわさの縦横比を1.5〜2.3の範囲にすることができる。クラークこわさの縦横比が1.5未満であると、紙軸強度を高めるために、坪量を増やすなどの対応をとらなくてはならなくなる。2.3を超えると、抄紙機でのパルプ繊維配向性の調整が難しくなり紙軸原紙の生産性が低下してしまうし、紙軸加工でシワ入りとなることがある。引張り強さ縦横比の調整は、抄紙機のインレットから噴出される原料の速度(J)と抄紙機のワイヤー速度(W)の比、すなわちジェットワイヤー比(J/W比)によって調整することができる。また、ワイヤーでの脱水状態に関わる原料のろ水度や原料濃度、フォイルアレンジ、ワイヤーシェーキングの有無等によって変わってくる。
前述のように構成することで、クラークこわさの縦横比(縦÷横)が1.5〜2.3の範囲となり、このようにすることで、紙軸の軸強度を高くすることができる。
クラークこわさ(縦)は紙軸の軸強度に直接影響する値であり、その値は大きいほどよいが、坪量60g/mの場合で50cm/100以上であることが望ましい。このとき、原料が一様と考えられ、クラークこわさが坪量の2乗に比例することを考慮すると、次の(式1)で表わすクラークこわさ指数で1.4以上が望ましいことになる。
(式1)クラークこわさ指数=クラークこわさ[cm/100]/(坪量[g/m])×100
これによると、例えば坪量40g/mの紙軸用原紙では、クラークこわさ(縦)が22cm/100以上であることが望ましい。
ところで、一般的に紙軸を製造する際の巻き方向としては2通りあり、CD方向巻き付け(MD方向を軸とする巻き付け)とMD方向巻き付け(CD方向を軸とする巻き付け)がある。(ここでCD方向とは紙の横方向、MD方向とは紙の縦方向を指す。)
本発明の紙軸用原紙はCD方向巻き付けで使用される紙軸に関するものである。
本発明の紙軸用原紙は片艶紙であることが望ましく、製造工程において、湿紙に紙力増強剤を含む表面処理剤がスプレー塗布され、密度が0.70g/cm以上とされていることが望ましい。このようにすることで、いっそう軸強度が強く、加工適性の良い紙軸用原紙が得られる。
すなわち、紙力増強剤のスプレー塗布により、紙軸用原紙の密度が高くなり軸強度が高くなることに加え、ヤンキードライヤーへの接着が良くなり、カールを防止することができるから、紙軸加工時に紙詰まりのトラブルを生じることがなくなる。
前述したように、本発明の紙軸用原紙は、軸強度を得るために繊維がMD方向に並ぶように調整しているので、吸湿や放湿によるCD方向の伸縮が大きく、カールを起こしやすい傾向がある。よって、カールを防止することを目的に紙力増強剤のスプレー塗布を行うことが望ましい。
スプレー塗布を行う場合、抄紙機にスプレー装置が設置されていて、湿紙のオモテ面に紙力増強剤を含む表面処理剤をスプレーする。そして、紙力増強剤を含む表面処理剤のスプレー塗布と同時または直後に、湿紙のオモテ面からウラ面の方向に吸引脱水を行い、スプレーした表面処理剤を紙層内部に浸透させるのが好ましい。なお、湿紙のオモテ面とは、ヤンキードライヤーに接して片艶紙の艶面となる面を表し、湿紙のウラ面とは、片艶紙の反艶面となる面を表す。
スプレー塗布では、塗布ムラを少なくするため、スプレーノズルの形状や配置、塗布濃度、塗布量の最適化が必要であるが、オモテ面にスプレー塗布と同時または直後にオモテ面からウラ面の方向に吸引脱水を行うことにより、表面処理剤が紙層内に適度に分散するので、前述した最適化が容易であり、表面処理剤の効果が十分に発揮される。
抄紙機のプレスパートに使用されるロールとしては、表面が平坦なプレーンロール、ゴム被覆表面に、幅0.2〜0.5mm、深さ2〜3mm、ピッチ3mm前後の溝を切ったグルーブドロール、ロール内部にサクション部を設けて搾水と同時に水を吸引するサクションロール(サクションロールに溝を設けたサクショングルーブドロールも含む)がある。通常、これらのロールが組み合わされた一対のニップ部が複数段設置されてプレスパートが構成されている。本発明では表面処理剤をオモテ面にスプレーし、スプレーと同時または直後にオモテ面からウラ面の方向に吸引脱水を行う必要があり、このような位置で湿紙に表面処理剤をスプレー塗布する。
片艶紙を製造する抄紙機のプレスパートは、前述したロールによる一対のニップ部を通常3段〜4段有している。スプレーの位置は、スプレー装置の設置できる箇所であればいずれでも良いが、より上流の箇所が好ましく、このようにすれば、表面処理剤スプレー後の湿紙がより多くのニップ部を通過することになるので、表面処理剤を紙層内に均一に分散させることができる。
スプレーする紙力増強剤としては、トウモロコシ、タピオカ、馬鈴薯、小麦、米の澱粉やこれらの酸化澱粉、カチオン澱粉等の変性澱粉、ポリアクリルアミド系樹脂やポリビニルアルコール、スチレンブタジエン共重合体ラテックスなどを使用することができるが、薬品の定着性、軸強度の向上効果を考慮すると、カチオン澱粉を使用するのが好ましい。さらに表面処理剤にドライヤー剥離剤、ドライヤー接着剤、粘度調整剤、防腐剤などを添加してもよい。
表面処理剤をスプレーする際の湿紙水分は60〜90%が好ましい。60%より低いとスプレー塗布された表面処理剤の紙層内部での分散が不十分となり、90%より高いとプレスパートでの搾水時に表面処理剤の流失が多くなるという問題がある。
本発明では、水分率の高い湿紙に表面処理剤をスプレー塗布し、塗布と同時または直後に吸引脱水を行い、表面処理剤の紙層への浸透、均一化を行う。吸引脱水を行う吸引装置としてはサクションボックスやサクションロールを用いることができる。
表面処理剤の塗布量は固形分で0.30〜2.0g/mとするのが好ましい。また、表面処理剤の塗布量は有姿で30〜200g/mとするのが好ましく、70〜100g/mとするのがさらに好ましい。このような範囲にすることで表面処理剤の効果が最適化される。
表面処理剤の塗布濃度は、0.50〜2.0質量%とするのが好ましい。表面処理剤の塗布濃度が0.50質量%より低いと、薬品効果を得るに十分な塗布量が得られにくい。表面処理剤の塗布濃度が2.0質量%より高いと吸引脱水による表面処理剤の均一化が難しくなるし、ヤンキードライヤーで乾燥する際に湿紙とヤンキードライヤーの接着が強くなり過ぎて、紙面の毛羽立ちが発生しやすくなる。
スプレー方式は1流体スプレー、気−液の2流体スプレーのいずれも使用できる。スプレーの噴霧パターンは扇形、充円錐、空円錐のいずれも使用できる。スプレーノズルについては塗布ムラができないように設置間隔や設置本数を調整する。
本発明の紙軸用原紙の製造方法では、ドライヤーで乾燥後に、カレンダー装置により平滑化や紙厚を均一化することができる。かかるカレンダー装置としては、チルドカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダーなどの一般に使用されているカレンダー装置が使用できる。
上述した製造方法によって得られる本発明の紙軸用原紙は、JAPAN TAPPI No.1によるワックスピックが表面、裏面ともに10A以上とされている。
JISP8122によるステキヒトサイズ度が5秒以上であることが望ましい。
ステキヒトサイズ度が5秒に満たないと、接着剤の浸透が速過ぎて接着不良によるメクレが生じることがある。
また、密度が0.70g/cm以上とされている。このようにすることで紙軸加工時のシワ入りを防止することができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明の効果を具体的に表す。なお、%は特に断りのない限り、固形分換算での質量%を表し、添加量は絶乾パルプ100質量部に対する量で表す。
(実施例1)
NBKP45質量部(ろ水度650mlCSF)、LBKP55質量部(ろ水度460mlCSF)からなる原料パルプを使用し、硫酸バンド2.5質量%(アルミナ換算濃度8%品:有姿)、酸性ロジンサイズ剤(星光PMC株式会社製 商品名:AL1206)0.5質量%、ポリアクリルアミド系紙力増強剤(星光PMC株式会社製 商品名:DS4789)0.25質量%、カチオン澱粉(ジー・エス・エルジャパン株式会社製 商品名:ジェルトロン24)0.5質量%を添加して抄紙した。ワイヤーパートを通過した後のプレスパートで、湿紙オモテ面に紙力増強剤としてカチオン澱粉(日本NSC株式会社製 商品名:CATO304)を濃度0.60%に調整し、塗布量0.60g/m(有姿100g/m)となるようにスプレーし、坪量60g/mの紙軸用原紙を製造した。なお、スプレー直後の1番プレスでは、紙のオモテ面がプレーンロールに接し、ウラ面がフェルトを介してサクションロールに接するようになっており、紙のオモテ面からウラ面の方向へサクションプレスロールにより吸引脱水を行っている。スプレー装置は、フラット散水型スプレーノズル(株式会社ニイクラ製 1/4 S0495)を抄紙機の幅方向5cm間隔で配列したものを3系列使用した。
その他の条件としては、次のとおりとした。
J/W比1.010、リール水分7.0%、抄速360m/min、カレンダー処理なし
得られた紙軸用原紙の密度、引張り強さ、クラークこわさ、ステキヒトサイズ度の各評価結果を表1に示す。また、紙軸加工を行いその加工適性としてのカール、シワ、メクレの評価と、軸強度の官能評価の結果を表1に示す。
(実施例2)
NBKP75質量部(ろ水度600mlCSF)、LBKP25質量部(ろ水度460mlCSF)からなる原料パルプを使用したこと以外は、実施例1と同様に紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
NBKP75質量部(ろ水度500mlCSF)、LBKP25質量部(ろ水度400mlCSF)からなる原料パルプを使用したこと以外は、実施例1と同様に紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
J/W比を1.000とした以外は実施例3と同様にして紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
(実施例5)
J/W比を0.990とした以外は実施例3と同様にして紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
(実施例6)
NBKP20質量部(ろ水度650mlCSF)、LBKP80質量部(ろ水度460mlCSF)からなる原料パルプを使用したこと以外は、実施例1と同様に紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
(実施例7)
J/W比を1.015とした以外は実施例6と同様にして紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
J/W比を0.980としたことと、酸性ロジンサイズ剤の添加量を0.3質量%としたこと以外は実施例3と同様にして紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
NBKP40質量部(ろ水度650mlCSF)、LBKP60質量部(ろ水度460mlCSF)からなる原料パルプを使用したことと酸性ロジンサイズ剤の添加量を0.5質量%としたこと以外は、比較例1と同様に紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
(比較例3)
J/W比を1.020とした以外は実施例3と同様にして紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
(比較例4)
紙力増強剤のスプレーを行わなかったこと以外は比較例3と同様にして紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
(比較例5)
J/W比を1.020とした以外は実施例6と同様にして紙軸用原紙を製造した。得られた紙軸用原紙の評価結果を表1に示す。
紙軸用原紙の評価方法は次のとおりである。
(密度)JISP8118:1998紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法
(引張り強さ)JISP8113:2006紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速伸張法
(クラークこわさ)JISP8143:2009紙−こわさ試験方法−クラークこわさ試験機法
(ステキヒトサイズ度)JISP8122:2004紙及び板紙−サイズ度試験方法−ステキヒト法
(紙軸加工)紙軸用原紙を幅75mmm、長さ400mmに断裁し、紙軸加工機でCD方向に巻回し紙軸を製造した後、巻軸の両端に綿付けを行い、綿棒を製造した。
(カール評価)紙軸加工機での原紙の加工適性により、次の3段階で評価した。◎カールの傾向はなかった。△カールの傾向はあったが、加湿により対処できた。×カールが大きく加湿してもカールによる紙詰りが頻発した。
(シワ評価)製造した綿棒からランダムに100本サンプリングし、シワの有無を目視で確認して次の3段階で評価した。◎100本中シワの発生が1本以下であった。○100本中シワの発生が2〜3本であった。×100本中シワの発生が4本以上であった。
(メクレ評価)製造した綿棒からランダムに100本サンプリングし、紙軸の接着部の端部を爪で引っ掛け、メクレの有無を確認し、次の3段階で評価した。◎100本中メクレの発生が1本以下であった。○100本中メクレの発生が2〜3本であった。×100本中メクレの発生が4本以上であった。
(軸強度評価)製造した綿棒の使用感を10人で評価した。評価基準は、◎優れている、○軸がやや柔らかいが使用できる、×軸が柔らかく使用しにくい の3段階とし、多数評価をそのサンプルの評価とした。
Figure 0005477717
表1のとおり、本願発明の実施例1〜7では、シワ、メクレ、軸強度のいずれの評価結果も良好となっている。比較例1〜5では、いずれかの評価が悪くなっている。
比較例1は、引張り強さの縦横比が1.24と低く、クラークこわさ縦横比が1.41と低いので、軸強度の評価が悪くなっている。また、ステキヒトサイズ度が低く、接着不良が生じメクレの評価が悪くなっている。
比較例2は、引張り強さの縦横比が1.39と低く、クラークこわさ縦横比が1.49と低いので、軸強度の評価が悪くなっている。
比較例3は、引張り強さの縦横比が2.41と高く、クラークこわさ縦横比が2.32と高いので、軸強度の評価は良好であるが、シワの評価が悪くなっている。
比較例4は、紙力増強剤のスプレーを行っていないので、原紙のカール傾向が強く、紙軸の製造が困難となり、シワ、メクレ、軸強度の各評価ができなかった。
比較例5は、引張り強さの縦横比が2.55と比較例の中で最も高く、原紙のカールが強く、紙軸の製造が困難となり、シワ、メクレ、軸強度の各評価ができなかった。
以上のように、本発明の実施例では、シワ、メクレの発生が無く、加工適性が良好で、軸強度の高い紙軸用原紙が得られている。
本発明の紙軸用原紙は、綿棒、耳かき、攪拌用スティック等の紙軸として使用できる。

Claims (2)

  1. シート状の紙を巻回・接着して形成される紙軸用の原紙であって、以下の条件を満たすことを特徴とする紙軸用原紙。
    (1)原料パルプとして、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)とLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)が使用されており、NBKPとLBKPの質量比率が20:80〜80:20 である。
    (2)前記NBKPのカナダ標準ろ水度が400〜650mlCSF、前記LBKPのカナダ標準ろ水度が400〜500mlCSFに叩解されている。
    (3)坪量が30〜70g/mの範囲である。
    (4)ステキヒトサイズ度が5秒以上である。
    (5)紙軸がCD方向巻き付け(MD方向が軸)であり、引張り強さの縦横比(縦÷横)が1.4〜2.4の範囲である。
    (6)クラークこわさの縦横比(縦÷横)が1.5〜2.3の範囲である。
  2. 前記原紙が片艶紙であり、製造工程において湿紙に紙力増強剤がスプレー塗布され、密度が0.70g/cm以上とされていることを特徴とする請求項1に記載の紙軸用原紙。
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