JP5477544B2 - 口部密封用インナーシール材及びこのインナーシール材を用いた密封容器 - Google Patents
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Description
上記課題を解決するために、乾燥剤を練りこんだ樹脂を層状にした乾燥剤層を、容器の口部の径と同じ径とし、シール層の下面に配置し、密封時に密封栓の役目も兼ね備えたインナーシール材が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、シール層に乾燥剤層を設けたとしても、開封前の水分吸収が可能であるが、シール層を剥離し、開封した後の水分吸収機能は、低下し内容物の保存に支障をきたす恐れがあった。
一方、乾燥剤の影響を最小限とするため、乾燥剤の内容物と接する側に、隔離層を設けると、容器本体から侵入してきた水分を円滑に吸収できず、内容物の保存環境が変わってしまう恐れがあった。
また、前記インナーシール材を用い、容器本体の口部を密封した密封容器を提供することを目的とする。
、前記シール材の表面と前記リシール材の裏面とを重ね合わせ、密着してなる容器口部密封用インナーシール材において、前記シール材の最下層のシール層が、容器本体の透湿度より大きい透湿度であることを特徴とする口部密封用インナーシール材である。
前記水分吸収記機能層が、絶乾タイプとすることにより、容器本体内の湿度をできる限り小さくすることができ、乾燥状態を保つことができる。
従って、水分による内容物の品質劣化を伴わない密封容器を提供することが可能である。
ここで、前記剥離層208は、中央部分には設けず、周辺部に設けている。従って、前記接着層300は、中央部分では、水分吸収機能層202と接着した状態となっている。
また、シール材2には、前記剥離層208の設けられていない中央部分の位置に、該中央部分と同じ径、または、少し大きい径で、下面側から印刷基材層103に達する切り込み303が設けられている。
下面側から、シール層101、水分吸収機能層102、防湿性材料層103、剥離層108を積層したシール材2と、印刷基材層207、印刷層206、水分吸収機能層202、防湿性材料層203、弾性シート層205を積層したリシール材3からなり、前記シール材2の剥離層108面と、リシール材3の印刷基材層207面を、部分的に接着剤を設けた接着層300を介して、一体とした口部密封用インナーシール材である。
前記構成の場合、前記印刷基材層207は、通気性を有する材料、例えば、多孔性材料を用いることが好ましい。
下面側から、シール層101、水分吸収機能層102、防湿性材料層103、接着層105、印刷層106、印刷基材層107を積層したシール材2と、剥離層208、水分吸収機能層202、防湿性材料層203、弾性シート層205を積層したリシール材3からなり、前記シール材2の印刷基材層107面と、リシール材3の剥離層208面を、部分的に接着剤を設けた接着層300を介して、一体とした口部密封用インナーシール材である。
また、図示しないが、密封容器のキャップ5を回旋することにより、剥離層208自身が層内で分離する構造としてもよい。
前記水分吸収機能層102、202に用いる吸湿性能を有する無機化合物を配合した樹脂層に用いる、前記無機化合物は、ボトル内の湿度を乾燥状態(相対湿度10%以下)に保つ絶乾タイプ、または、一定の湿度調整(相対湿度20〜70%)された環境にする調湿タイプによって成分が異なってくる。
前記乾燥剤としては、酸化カルシウム、ゼオライト、シリカゲルなどが挙げられる。
前記乾燥剤としては、硫酸マグネシウムや焼き焼明礬などの硫酸塩化合物、活性アルミナ、活性炭、粘土鉱物から少なくとも1種類以上から選択されることが好ましい。
前記乾燥剤を配合する熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、チグラーナッタ−触媒などのマルチサイト触媒を用いたαオレフィン(ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1など)のエチレン−αオレフィン共重合体や、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などのポリαオレフィン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンなどのαオレフィン−エチレン共重合体が使用することができる。
また、2種以上のαオレフィンを共重合させた樹脂、例えばエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン−ヘキセン共重合体なども使用可能である。
また、エチレン−環状オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂も使用可能である。
また、エチレン−α,β不飽和カルボン酸のエステル化物、特にエチレン−(メタ)アクリル酸メチル、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル、エチレン−(メタ)アクリル酸n−ブチル、エチレン−(メタ)アクリル酸i−ブチル、エチレン−(メタ)アクリル酸t−ブチル等も使用可能である。
次に、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、バンバリーなどの混練機を用いて、例えば、融点以上280℃以下、好ましくは260℃以下、さらに好ましくは240℃以下で混練することで得られる。
その際、必要に応じて各種機能相をオレフィン系ワックスなどの分散剤で表面処理を施しても構わない。得られたストランドは空冷あるいは水冷により冷却し、ペレタイズ後、アルミバッグなどの包装形態中で保管する。
そしてTダイ法、インフレーション法などによりフィルム製膜することにより製造することができる。
前記保護層の材質としては、前述した吸湿性能を有する無機化合物を配合する各種熱可塑性樹脂から選定することが好ましい。
この場合、吸湿性能を有する無機化合物を配合した樹脂層と保護層を共押出しによるTダイ法、インフレ法などの手法により製膜することができる。
前記防湿性材料層103は、水分吸収機能層104の容器本体と反対側に積層することで、外部からの水分透過を防止することができる。
また、前記印刷基材層207として、防湿性の優れた材料、または複合材料とすることで、前記防湿性材料層として用いてもよい。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポリプロピレン(OPP)などのプラスチック基材にアルミニウム箔を積層した複合材、または前記防湿性材料層に用いた材料を印刷基材層としてもよい。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、塩化ゴム、ニトルセルロース、ポリアミド、塩素化ポリオレフィン、ウレタン、アクリルセルロース、エチレンビニルアルコール、塩酢ビ、酢酸ビニル、塩素化ポリオレフィン、塩素化ポリプロピレン、酢酸セルロース、マレイン酸、メラミン、アルキッドなどの少なくとも1種以上の樹脂、またはワックス、もしくはワックスを含む樹脂から選定される樹脂が使用できる。
前記接着層300は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、塩化ゴム、ニトルセルロース、ポリアミド、塩素化ポリオレフィン、ウレタン、アクリルセルロース、エチレンビニルアルコール、塩酢ビ、酢酸ビニル、塩素化ポリオレフィン、塩素化ポリプロピレン、酢酸セルロース、マレイン酸、メラミン、アルキッドなどの少なくとも1種以上の樹脂。またエチレンビニルアルコール、エチレンアクリル酸エステルなどの樹脂に、パラフィンなどのワックス、ロジン系などの粘着付与材などを混合したホットメルトを使用することもできる。
キャップ側から、
弾性シート層(発泡ポリエチレン500μm)と以下の構成の水分吸収機能層とを、溶融押出低密度ポリエチレン層(LDPE 20μm)を介して積層し、リシール材とした。
一方、片面に印刷層を設けた延伸ポリプロピレンからなる印刷基材フィルム(OPP20μm)の、前記印刷層と反対側にニトルセルロース/ポリアミド=50/50混合樹脂からなる剥離層を設け、一方、前記印刷層側に溶融押出低密度ポリエチレン層(LDPE 20μm)を介して、軟質アルミニウム箔(9μm)、以下の構成の水分吸収機能層、低密度ポリエチレン(20μm)を積層し、シール材とした。
そして、前記リシール層の水分吸収機能層面と、前記シール層の剥離層面とを、塩酢ビ樹脂から接着ニスを部分的に設けた接着層により一体化し、インナーシール材とした。
なお、容器本体の透湿度は、6×10−5g/m2、インナーシール材のシール層の透湿度は、5×10−5g/m2であった。
(水分吸収機能層:
LDPE(20μm)/LDPE(A)+酸化カルシウム(B)(30μm)/LDPE(20μm)からなるインフレーション製膜フィルム
LDPE(A)樹脂50wt%に対して、粒径5μmの酸化カルシウム(B)を50wt%配合)
実施例1の水分吸収機能層に使用した吸湿性能を有する酸化カルシウムの代わりに粒径5μmの合成ゼオライトを使用した以外、実施例1と同様に乾燥タイプのインナーシール材を得た。
実施例1のシール材の水分吸収機能層に使用した吸湿性能を有する酸化カルシウムの代わりに粒径5μmの焼き明礬を使用した以外、実施例1と同様に実施し、相対湿度約50%調湿タイプのインナーシール材を得た。
実施例1の水分吸収機能層に使用した吸湿性能を有する酸化カルシウムの代わりに粒径5μmの焼き明礬を使用した以外、実施例1と同様に実施し、相対湿度約50%調湿タイプのインナーシール材を得た。
防湿性材料層として軟質アルミニウム箔の替わりに、PET(12μm)/酸化珪素蒸着膜(10nm)を用いた以外、実施例1と同様に乾燥タイプのインナーシール材を得た。
容器本体に接着する接着層を塩酢ビ樹脂のヒートシールニスを2μm塗布した以外は、実施例1と同様に乾燥タイプのインナーシール材を得た。
キャップ側から、弾性シート層(発泡ポリエチレン500μm)と以下の構成の水分吸収機能層とを、溶融押出低密度ポリエチレン層(LDPE 20μm)を介して積層し、リシール材とした。
一方、片面に印刷層を設けた延伸ポリプロピレンからなる印刷基材フィルム(OPP20μm)の、前記印刷層側に溶融押出低密度ポリエチレン層(LDPE 20μm)を介して、軟質アルミニウム箔(9μm)、以下の構成の水分吸収機能層、低密度ポリエチレン(20μm)を積層し、シール材とした。
前記リシール層とシール層を重ね合わせ、密着させることによりインナーシール材とした。
水分吸収機能層に使用した吸湿性能を有する酸化カルシウムを配合せず、全てLDPEとした以外、実施例1と同様にインナーシール材を得た。
本発明の樹脂組成物の能力確認については、
容器本体ボトル:射出成形により、最外層が高密度ポリエチレン(0.6mm)、最内層が低密度ポリエチレン(1.0mm)からなる、高さが60mm、底面積、開口部面積が1250mm2の容積が(75000mm3)の円柱状容器を成形した。
この容器の樹脂組成物層の目付け量は約20g、厚さは1.5mmであった。
また、口部はスクリューネジが成形されている構造とした。
インナーシール材は、開口部形状に合わせて抜き、面積1250mm2とした。
キャップに前記インナーシール材を装填し、湿度センサーをボトル内部に入れた後、キャップをボトルにキャッピングし、実施例1〜4、実施例6、7は電磁誘導過熱機によりIHシールを行い、また、実施例5はヒートシール法により、開口部にインナーシール材を接着し密封した密封容器を得た。
この密封容器を、40℃、90%RH恒温恒湿機内に3ヶ月保存し、経時で密封容器内部の湿度変化を測定した。
その結果を表1に示す。
2・・・シール材
3・・・リシール材
4・・・容器本体
5・・・キャップ
101、105、300・・・接着層
102、202・・・水分吸収機能層
103、203・・・防湿性材料層
205・・・弾性シート層
108、208・・・剥離層
301・・・保護層
302・・・水分吸収層
303・・・切り込み
304・・・分離部
308・・・取り出し口
Claims (7)
- 少なくとも防湿性材料層、水分吸収機能層およびシール層を有するシール材と、少なくとも弾性シート層と水分吸収機能層を有するリシール材とからなり、前記シール材の表面と前記リシール材の裏面とを重ね合わせ、密着してなる容器口部密封用インナーシール材において、前記シール材の最下層のシール層が、容器本体の透湿度より大きい透湿度であることを特徴とする口部密封用インナーシール材。
- 前記シール材の表面とリシール材の裏面とを、剥離層を介して積層したことを特徴とする請求項1記載の容器口部密封用インナーシール材。
- 前記シール材に設けた水分吸収機能層が、調湿タイプ、または絶乾タイプの水分吸収タイプの水分吸収機能を有する吸収層であることを特徴とする請求項1または2に記載の容器口部密封用インナーシール材。
- 前記防湿性材料層が、アルミニウム箔を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の容器口部密封用インナーシール材。
- 前記シール材が、開封用切り込みを有することを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の容器口部密封用インナーシール材。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の容器口部密封用インナーシール材により、容器本体の口部を密封したことを特徴とする密封容器。
- 前記容器本体が、プラスチック容器であることを特徴とする請求項6記載の密封容器。
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