JP5475347B2 - 磁気共鳴イメージング(mri)を用いる白質線維トラクトの特定 - Google Patents

磁気共鳴イメージング(mri)を用いる白質線維トラクトの特定 Download PDF

Info

Publication number
JP5475347B2
JP5475347B2 JP2009156498A JP2009156498A JP5475347B2 JP 5475347 B2 JP5475347 B2 JP 5475347B2 JP 2009156498 A JP2009156498 A JP 2009156498A JP 2009156498 A JP2009156498 A JP 2009156498A JP 5475347 B2 JP5475347 B2 JP 5475347B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
atlas
fiber
data
fiber tract
voxel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009156498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010057899A (ja
Inventor
エム. ディル アンダース
ジェイ. ハグラー ドナルド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of California
Original Assignee
University of California
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of California filed Critical University of California
Publication of JP2010057899A publication Critical patent/JP2010057899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5475347B2 publication Critical patent/JP5475347B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/44Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
    • G01R33/48NMR imaging systems
    • G01R33/54Signal processing systems, e.g. using pulse sequences ; Generation or control of pulse sequences; Operator console
    • G01R33/56Image enhancement or correction, e.g. subtraction or averaging techniques, e.g. improvement of signal-to-noise ratio and resolution
    • G01R33/563Image enhancement or correction, e.g. subtraction or averaging techniques, e.g. improvement of signal-to-noise ratio and resolution of moving material, e.g. flow contrast angiography
    • G01R33/56341Diffusion imaging
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/44Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
    • G01R33/48NMR imaging systems
    • G01R33/54Signal processing systems, e.g. using pulse sequences ; Generation or control of pulse sequences; Operator console
    • G01R33/56Image enhancement or correction, e.g. subtraction or averaging techniques, e.g. improvement of signal-to-noise ratio and resolution
    • G01R33/5602Image enhancement or correction, e.g. subtraction or averaging techniques, e.g. improvement of signal-to-noise ratio and resolution by filtering or weighting based on different relaxation times within the sample, e.g. T1 weighting using an inversion pulse
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/44Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
    • G01R33/48NMR imaging systems
    • G01R33/54Signal processing systems, e.g. using pulse sequences ; Generation or control of pulse sequences; Operator console
    • G01R33/56Image enhancement or correction, e.g. subtraction or averaging techniques, e.g. improvement of signal-to-noise ratio and resolution
    • G01R33/5608Data processing and visualization specially adapted for MR, e.g. for feature analysis and pattern recognition on the basis of measured MR data, segmentation of measured MR data, edge contour detection on the basis of measured MR data, for enhancing measured MR data in terms of signal-to-noise ratio by means of noise filtering or apodization, for enhancing measured MR data in terms of resolution by means for deblurring, windowing, zero filling, or generation of gray-scaled images, colour-coded images or images displaying vectors instead of pixels

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2008年7月1日に出願された米国仮出願番号61/077,335の優先権を主張し、この文献の内容の全体は、引用によって本願に援用される。
米国政府の援助に関する宣言
本発明は、米国の国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)、国立画像生物医学・生物工学研究所(National Institute of Biomedical Imaging and BioEngineering:NIBIB)及び形態計測バイオインフォマティクス研究ネットワーク(Morphometry Bioinformatics Research Network:MBIRN)によって授与されたGrant No.1U01AG024904−02に基づき、米国政府の援助を受けて完成されたものである。米国政府は、本発明について所定の権利を有する。
本発明は、磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging:MRI)技術及びシステムに関する。
MRI技術を用いたイメージングは、よく知られており、医療、生物学及び他の分野におけるイメージング用途に広く適用されている。典型的なMRI技術は、オブジェクト内で磁気スピンを操作し、測定された磁気スピンからの応答を処理することによって、検査されるオブジェクトの画像を生成する。MRIシステムは、磁気スピンの一部を分極するz方向に沿う静磁場と、(例えば、互いに直交するx方向、y方向又はz方向に沿う)磁場勾配と、スピンを操作するRF磁場とを含む、イメージングのための異なる磁場を生成するハードウェアを備えていてもよい。
本発明は、MRIを用いる線維の特定に関する。線維トラクトアトラス(地図)を用いて、被験者の測定された領域が線維トラクトに対応する確率を算出する。
1つの包括的な側面では、神経系の線維トラクトアトラスを得る。線維トラクトアトラスは、それぞれが神経系の異なる体積要素を表すアトラスボクセルを含み、第1のアトラスボクセルは、神経系の第1の体積要素を表す。また、線維トラクトアトラスは、神経系の第1の体積要素における第1の線維トラクトの方向に関する情報も含む。被験者の神経系から磁気共鳴データが取得される。磁気共鳴データは、データボクセルを含み、第1のデータボクセルは、第1のアトラスボクセルに関連する。取得した磁気共鳴データに少なくとも部分的に基づいて、第1のデータボクセルの拡散ベクトルが生成される。線維トラクトアトラスを用いて、生成された拡散ベクトル及び第1の体積要素における第1の線維トラクトの方向に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、第1のデータボクセルが第1の線維トラクトを表している確率が見出される。
具体例は、以下の特徴の1つ以上を含んでいてもよい。また、線維トラクトアトラスは、第1のアトラスボクセルの位置確率を含み、位置確率は、第1の線維トラクトが第1の体積要素内にある確率を表す。位置確率及び第1の線維トラクトの方向に関する情報は、アトラス空間から被験者の被験者空間にリサンプリングされ、見出された確率は、リサンプリングされた位置確率及びリサンプリングされた方向情報に部分的に基づいている。神経系は、人間の神経系を含む。第1の線維トラクトの方向に関する情報は、複数の人間の神経系の測定値に少なくとも部分的に基づく平均拡散テンソルを含む。線維トラクトアトラスを用いて、第1のデータボクセルが第1の線維トラクトを表している確率を見出すステップは、生成された拡散ベクトル及び平均拡散テンソルに少なくとも部分的に基づいている。第1の線維トラクトの方向に関する情報は、第1のアトラスボクセルのための第1のテンソルを含む。また、線維トラクトアトラスは、他のアトラスボクセルのそれぞれのための追加的なテンソルも含む。他のアトラスボクセルのそれぞれのための追加的なテンソルは、アトラスボクセル内の第1の線維トラクトの方向を表す。線維トラクトアトラスを用いて、他のデータボクセルのそれぞれについての追加的な確率が見出される。他のデータボクセルのそれぞれについての追加的な確率は、データボクセルのための生成された拡散ベクトル及びデータボクセルに関連するアトラスボクセルのための追加的なテンソルに少なくとも部分的に基づいている。データボクセルそれぞれについての追加的な確率は、データボクセルが第1の線維トラクトを表している確率を表す。第1のデータボクセルが第1のアトラスボクセルにどれ程関連しているかは、T強調画像を線維トラクトアトラスのアトラス空間に位置合わせし、データボクセルをアトラス空間にリサンプリングすることによって判定される。線維トラクトアトラスは、それぞれが神経系の第1の体積要素内の追加的な線維トラクトの方向を表す追加的なテンソルを含む。見出された確率は、第1の確率であり、線維トラクトアトラスを用いて、生成された拡散ベクトル及び追加的なテンソルに少なくとも部分的に基づいて、追加的な確率が見出される。追加的な確率のそれぞれは、第1のデータボクセルが追加的な線維トラクトの1つを表している相対的確率を表す。線維トラクトアトラスは、追加的な被験者の神経系から追加的な磁気共鳴データを取得し、追加的な被験者のそれぞれのためのデータボクセルのそれぞれについて、追加的な磁気共鳴データに少なくとも部分的に基づいて追加的な拡散テンソルを生成し、線維トラクトアトラスのアトラスボクセルのそれぞれについて、追加的な被験者に亘る追加的な拡散テンソルを平均することによって平均拡散テンソルを生成することによって構築される。
Figure 0005475347
線維トラクトアトラス及び取得した磁気共鳴データを使用して、被験者の神経系の少なくとも第1の部分のための線維確率マップが生成される。確率マップを用いて、第1の線維トラクトの異方性比率及び第1の線維トラクトの拡散性のうちの少なくとも1つが判定される。磁気共鳴データを取得するステップは、被験者に複数のラジオ周波数パルスを印加するステップと、被験者に複数の勾配磁場を印加するステップと、被験者から少なくとも1つのエコー信号を検出するステップとを含んでいてもよい。MRIシステムは、被験者の神経系から磁気共鳴データを取得するように構成されたデータ取得システムを含む。また、MRIシステムは、磁気共鳴データ取得システムから磁気共鳴データを受信するデータプロセッサも含む。データプロセッサは、説明した動作を実行するメカニズムを含む。MRIシステムは、実質的な静磁場である主磁場を生成する磁石と、複数の勾配磁場を被験者に印加する勾配サブシステムと、被験者に複数のラジオ周波数パルスを印加し、被験者から少なくとも1つのエコー信号を検出するラジオ周波数サブシステムとを含んでいてもよい。
神経系の線維トラックの例示的な画像を示す図である。 神経系の例示的な異方性比率データを示す図である。 神経系の線維ROIの例示的な画像を示す図である。 神経系の線維ROIの例示的な画像を示す図である。 神経系の例示的な線維の説明を含む表を示す図である。 神経系の例示的な線維データを含む表を示す図である。 神経系の線維トラックの例示的な画像を示す図である。 神経系の線維トラックの例示的な画像を示す図である。 神経系の例示的な異方性比率データを示す図である。 研究事例における被験者の数を説明するデータを含む表を示す図である。 神経系の例示的な異方性比率データを含む表を示す図である。 神経系の例示的な異方性比率データを含む表を示す図である。 神経系の例示的な異方性比率データを含む表を示す図である。 磁気共鳴イメージング技術を実装するための例示的なシステムを示す図である。 線維トラクトを特定するための例示的な技術を示すフローチャートである。
拡散強調磁気共鳴イメージング(MRI)により、研究者及び臨床医は、個々の白質線維トラクト(white matter fiber tract)を特定し、これらの軌道をマッピングすることができる。線維追跡手順の信頼性及び解釈可能性は、先験的な解剖学的情報をガイドとして用いることによって向上する。個々の被験者の白質線維トラクトをラベリングする自動化された技術は、線維トラクト位置及び方向の確率論的アトラス(probabilistic atlas)に基づいている。
ある具体例においては、確率論的線維アトラスは、23個の線維トラクトを含む。21人の健康な対照群と、側頭葉てんかん(temporal lobe epilepsy:TLE)を罹患する21人の患者群とについて、手動で線維トラクトを特定することによって例示的な確率論的線維アトラスを構築した。例示的な手動によるトラクト特定法では、訓練された画像解析技術者が、複数の関心領域(regions of interest:ROI)を用いて、流線型の線維(streamline fiber)を選択又は除外することによって、約40時間の手動による編集を行った。例示的な線維トラクトアトラスによる線維トラクトの特定は、人間の介入を必要としないが、それにもかかわらず、例示的アトラス内に含まれているトラクトを手動で特定するために使用された先験的な解剖学的情報から利益を得ることができる。この技術を適用して、対照被験者とTLE患者との間の個々の線維トラクトにおいて、白質の整合性の尺度であると考えられている異方性比率を比較した。この具体例では、アトラスベースの手法及び手動による線維選択法による結果のパターンは類似した。アトラス導出線維(atlas-derived fibers)を用いる群間の効果量は、手動選択線維トラック(manually selected fiber track)により得られる効果量と同じか、これらより大きいこともある。
個々の被験者の白質線維トラクトをラベリングするための上述した技術は、T強調及び拡散強調MRI画像に基づいて実施することができる。確率論的アトラスは、複数の白質線維トラクトの3次元相対的確率マップ(three-dimensional relative probability map)を算出するために使用することができる。これらの確率マップは、関心領域(regions of interest)として機能でき、これを用いて、各線維トラクトについて、MRIから導出された関心尺度(measures of interest)を抽出することができる。関心尺度の具体例には、異方性比率、拡散性等が含まれる。
自動化された技術は、人間の介入なしで実施でき、この技術は、多数の線維トラクトを効率的に特定できる。この技術は、拡散データ内の雑音に影響され難く、アトラスに含まれる位置及び方向情報に整合しない逸脱した線維(stray fiber:以下、逸脱線維)を自動的に除外する。幾つかの具体例では、解析に必要な時間を短縮でき、及び/又は訓練された画像解析技術者の負担を軽減できる。
上述した技術は、拡散イメージングからの線維の方向情報を用いて線維確率推定の精度を高めることを含む。これにより、各被験者について線維ROIを個別化でき、及び/又は方向アトラスに含まれている大多数の線維方向情報に矛盾する拡散方向を示す領域の影響を軽減(又は最小化)できる。非線形位置合わせによって、被験者とアトラスとの間で、アフィン位置合わせによって提供される整列より良好な整列を提供できる。更に、幾つかの具体例においては、上述した技術は、B歪みのロバストな補正を含み、拡散画像と、アトラス空間への位置合わせに用いられるT強調構造画像との間の優れた位置合わせを提供する。上述した技術は、ストリームライン法に基づくトラクトグラフィ(streamline tractography)なしで実施することができ、例えば、拡散強調MRI画像の雑音に起因する逸脱線維等のエラーを低減できる。
上述した技術は、健康な対照群と、側頭葉てんかんを罹患する患者群との比較の際の群解析における使用に適していることが証明された。上述した技術は、例えば、難治性てんかん又は腫瘍の治療のために脳組織除去が行われる患者のための手術計画のために用いることができた。また、個々の線維トラクトについての白質特性の定量化は、診断目的にも潜在的に有用であると考えられる。拡散MRIに基づく白質トラクトの定量化は、慣例的な診療になる可能性を有する。上述した技術によって提供される自動化及び精度により、イメージングセンタ及び遠隔処理プロバイダのみではなく、個々の神経学及び放射線医学の現場において、このような定量化がより容易で実用的になる。
拡散イメージング(diffusion imaging:DI)は、複数の方向に沿って、水の拡散係数を推定するために使用できる磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)の一形式である。方向を有する拡散は、テンソルによって、一次で表現できる。白質においては、水は、主として神経突起に沿って拡散するため、拡散テンソル(diffusion tensor:DT)演算から推定される一次方向を用いて、白質線維方向を推定することができる。異方性比率(fractional anisotropy:FA)は、DT演算から導出される尺度であり、3個の直交する主軸に沿う拡散係数が互いに異なる程度を示す。FAは、0〜1の範囲の値をとり、1の値は、単一方向の拡散を排他的に示し、0の値は、等方性拡散を示す。灰白質は、低いFA(例えば、0.15以下)を有する傾向があり、白質のFAは、通常、与えられたボクセル内の線維の母集団に依存する。臨床母集団についての、健常な対照群に対するFAの減少は、例えば、てんかんの研究における白質整合性の尺度として用いられることが多い。但し、例えば、髄鞘形成、自由水の比率、交差する線維等の有無等の多くの要素が潜在的にFAに影響を与える可能性がある。したがって、FAは、白質整合性に直接的に又は排他的に関連しているとは断定できないが、便利で広く使用されている尺度である。
このような差異を調べる研究では、ボクセルに関する統計的比較、関心領域(ROI)の手動による定義、又は白質トラクトグラフィ法に基づくROIの定義を用いることできる。ボクセルに関する解析のための統計マップは、複数回の比較毎に修正され、ROI解析に比べて、統計的検出力が劣っていることがある。ボクセルに関する解析及びテンプレートベースのROI解析の両者は、多くの場合、アフィン変換によって行われる被験者間位置合わせ(例えば、タライラッハ(Talairach)位置合わせ)を含むことができる。アフィン変換は、必ずしも、被験者間に亘って、与えられたアトラス空間位置に含まれている特定の白質線維についての良好な対応関係を提供するわけではなく、FA又は他の尺度の明確な差異は、生来的な線維特性ではなく、線維の位置の差異から生じることもある。個々の被験者についてトラクトグラフィ法を用いて定義された線維トラクトROIは、特定の線維トラクトの全て又は一部を取り囲み、群解析のために、並びに手術計画等の臨床現場で用いることができる。
白質トラクトグラフィは、「決定論的」トラクトグラフィとして知られるトラクトグラフィ法によって実現してもよく、「確率論的」トラクトグラフィ法によって実現してもよい。決定論的トラクトグラフィでは、白質ボクセルだけを含ませるために、ある閾値、例えば、0.15より大きいFAを有するボクセルにシードを配置し、次に、支配的な拡散方向に沿った両方の方向に沿って、このシードを、線維トラック又はストリームラインに成長させる。ここで、用語「トラック(track)」は、解剖学的なトラクト(tract)自体と区別され、これらの1つ以上のストリームライン経路を意味する。トラックが隣接するボクセルに拡張される際、そのボクセルにおける支配的な拡散方向が、トラックを次にどこに拡張するかを決定する。トラックは、FAが閾値を下回るボクセルに達した場合、又は回転角がある閾値(例えば、50°)を超えた場合に終了する。そして、手動で描かれたROIを用いて、1つ以上の領域を通過するトラックを選択し、交差する線維又は測定雑音のために望ましくない位置に逸脱したトラックを除外する。幾つかの場合、各関心線維トラクト(fiber tract of interest)について、既知の線維トラクトの軌道に関する解剖学的知識による誘導に基づくROI選択ストラテジを用いてもよい。
確率論的トラクトグラフィ法は、各ボクセルにおいて、線維方向確率分布を調べ、拡散データが与えられたとして、線維が特定の経路をたどっている尤度を評価する。この技術では、データにおける不確実性を明示的に表現することができる。更に、幾つかの具体例においては、確率論的トラクトグラフィ法によって、より高い信頼度で交差する線維を再構築することができる。これらの技術は、数千回もの繰り返しを使用することがあり、したがって、演算負荷が大きい。ここでも、決定論的なトラッキング法と同様、解剖学上の線維トラクトに関する事前知識を用いて、関心線維トラクトと、あり得ない経路をたどる又は脳領域間の実在しない接続を示すストリームライントラックとを見分けることができる。
代替となる手法は、線維トラクトの特定を、T強調MR画像から皮質下の構造をセグメント化することに類似するセグメント化問題とみなす手法である。この場合、特定の皮質下の構造に属すボクセルは、画像強度と、アトラス空間内の位置が与えられた場合の特定のラベルの尤度に関する事前情報(確率論的アトラスの形式を有する。)との組合せを用いて特定できる。
セグメント化の手法は、拡散強調画像、T強調画像、並びに線維トラクトの位置及び方向の確率論的アトラスを用いて、個々の被験者の白質線維トラクトをラベリングするために用いることができる。ある例示的な具体例では、線維アトラスは、23個の線維トラクトを含み、これらのうちの20個は、10対の左右半球から構成される。この技術は、アトラスの構築を除き、人間の介入を必要としないので、オペレータ間で結果がばらつくことを排除することができる。側頭葉てんかん(temporal lobe epilepsy:TLE)の患者群と、これらに年齢が一致する健康な対照群とにこの技術を適用した結果の具体例は、群効果量が手動の手順を用いた場合に匹敵し、又はこれより大きいことを示唆している。したがって、上述した技術は、研究及び臨床現場の両方において、非常に有用である可能性を有している。
被験者に関する研究事例では、全ての関係者が、研究への参加の前に、治験審査委員会(Institutional Review Board)によって承認された承諾書を提出した。21人の健康な対照被験者(年齢21〜52歳、平均年齢33歳、標準偏差10.2年)を公募した。この対照群は、神経障害、意識喪失又は重大な病状又は精神疾患の病歴がない11人の女性と10人の男性から構成された。また、21人のTLE患者(年齢21〜54歳、平均年齢37.3歳、標準偏差10.0年)も研究に参加した。この研究事例における全ての患者は、サンディエゴのカリフォルニア大学、てんかんセンターから募集され、てんかん学を専門とする、専門医師会認定の神経科医によって診断された。患者群及び対照群は、平均年齢に有意の差がなく、年齢及び性別が一致するようにした。エジンバラ式利き手調査法(Edinburgh Handedness Inventory)によって、全ての関係者の利き手を査定した。2人の対照被験者及び2人の左TLE患者が左利きであった。拡散データの収集の間に不正確なスキャンパラメータ(b=1000の代わりにb=2000)が使用されたことが発覚した後に、1人の左TLE患者を除外した。
研究事例では、ビデオEEGテレメトリ(video-EEG telemetry)、発作症候学及び神経画像の結果に基づいて、患者を左TLE及び右TLEに分類した。てんかん焦点又は放射線学的な病変のエビデンスが側頭部の外側にある被験者を除外した。TLEを罹患する21人の全ての患者において、診断は、ビデオEEGテレメトリによってモニタリングされた発作時及び発作間の側頭葉てんかん様活動に基づいて行われた。患者の大部分では、頭皮上脳波記録を蝶形骨電極によって補った。幾つかの場合、5接点の卵円孔電極を用いて患者をモニタリングし、内側側頭葉での発症を確認した。これらの基準に基づき、11人の患者は、一側性の右TLEと診断され、10人の患者は、一側性の左TLEと診断された。診断は、21人の患者のうちの16人において、海馬萎縮の存在及び内側側頭葉硬化(mesial temporal sclerosis:MTS)を示唆するT強調画像上の信号の増大によって支持された。何れのケースでも、MRI上に二重病変(dual-pathology)のエビデンスはなかった。残りの5人の患者については、てんかんを専門とする神経放射線学者による目視検査によってもMTSのエビデンスが見出されなかった。全ての参加者について、イメージングプロトコルは同じものを使用し、発作後の拡散パラメータの急激な変化の影響の可能性を回避するために、全ての患者は、少なくとも24時間は発作がない状態でMRIスキャンを行った。
研究事例では、UCSD放射線イメージング研究所(UCSD Radiology Imaging Laboratory)において、8チャンネルのフェイズドアレヘッドコイルを備えるジェネラルエレクトリック社(General Electric)の1.5T EXCITE HDスキャナを用いて磁気共鳴イメージング(MRI)を行った。画像取得には、周知の3平面ローカライザ(3-plane localizer)、GE較正スキャン、2つのT強調3D構造スキャン(TE=3.8ms、TR=10.7ms、TI=1sec、フリップ角=8°、帯域幅=15.63kHz、FOV=25.6cm、マトリクス=192×192、スライス厚=1.0mm)及び5つの拡散強調(diffusion-weighted:DW)シーケンスを用いた。拡散データは、大脳及び脳幹の全体を隙間なく覆う等方性の2.5mmボクセル(マトリクスサイズ=96×96、FOV=24cm、47アキシャルスライス、スライス厚=2.5mm)によるシングルショットエコープラナイメージング(single-shot echo-planar imaging)を用いて取得した。51の拡散勾配方向で、600mm/s(TE/TR 68.4/10,900)のb値、800mm/s(TE/TR 72.3/11,700)のb値、1,000mm/s(TE/TR75.6/12,300)のb値を用いて、それぞれが追加的なb=0ボリュームを有する3組のボリュームシリーズを取得した。非線形B歪み補正(nonlinear B0 distortion correction)で使用するために、位相符号化極性を反転させた2組の追加的なシリーズを取得した。
研究事例では、DICOMフォーマットの画像ファイルをLinuxワークステーションに転送し、MATLAB及びC++によって書かれた、カスタマイズされ、自動化された処理ストリームによってこれを処理した。2つのT強調画像を互いに剛***置合わせし、前交連−後交連線に基づく整列と概ね同様に、共通空間に再方向付けした。画像では、勾配磁場コイルによって生成される非一様な磁場によって生じた非線型歪み(non-linear warping)を補正した(2006年、Jovicich他)。画像強度については、ボディコイルスキャンのヘッドコイルスキャンに対する比(GE社のPUREキャリブレーションスキャンから算出した。)によって正規化を行うことによって、8チャンネルのヘッドコイルにおける空間的な感度の不均一性を補正した。
研究事例では、拡散強調画像に対して以下の5つの前処理ステップを実行した。(1)各DWスキャンのb=0画像間の剛***置合わせによって、スキャン間の頭部の動きを取り除いた。(2)拡散テンソルの算出を含む技術(詳細については後述する拡散テンソル演算を参照)、これらのテンソルからのDWボリュームの合成、及び各データボリュームと対応する合成ボリュームとの間の剛***置合わせを用いて、スキャン中の動きを取り除いた。この技術は、適切に整列された場合にDWボリューム間の強度の相関が最大になるといった単純な仮定を回避する。画像強度は、拡散方向の間で異なることがあるので、このような仮定は、通常、不正確である。(3)各DWボリューム毎に4個の自由パラメータ(位相符号化方向に沿った平行移動及びx、y又はzの一次関数としての位相符号化方向に沿ったスケーリング)を用いる非線形最適化によって、渦電流により生じたDWボリューム内の画像歪みを最小化した。(4)位相符号化極性を反転させた対の画像を用いる非線形B歪み補正技術(nonlinear B0-unwarping technique)によって、磁化率アーチファクトにより生じた画像歪みを最小化した。この技術は、磁化率アーチファクトにより生じる殆ど全ての画像歪みを補正し、T強調画像との高精度な位置合わせを可能にする。(5)一次補間を用いて、画像を、1.875mm等方性ボクセル(63アキシャルスライス)を有する画像にリサンプリングした。画像は、2.5mmの等方性分解能で取得したが、この画像をk−空間において、96×96から128×128にゼロパディングし、1.875×1.875×2.5mmのボクセルを再構築した。
研究事例では、3つの異なるb値の拡散スキャンを、3つの異なるエコー時間で収集したので、MR信号のバリエーションは、拡散特性だけではなく、T時定数にも依存する。研究事例で用いたスキャナは、信号強度のこれらの差分を、完全になくしはしないが、縮小するように、データを自動的にスケーリングした。強度スケーリング内の残差を補正するために、3つの拡散スキャンのそれぞれに追加的なスケーリング係数を適用した。スケーリング係数は、b=0の画像の平均信号を算出することによって得た。脳以外の部位及びCSFを除外するために、平均の算出には、信号強度が75パーセンタイルから95パーセンタイルまでのボクセルのみを含ませた。
研究事例では、拡散テンソルは、データのログを取った後に線形逆変換(linear inversion)を用いて算出し、したがって、3個のb=0のボリューム、153個のDWボリューム(51の独立した方向)によって制約された3つのb値に亘って単一指数関数的あてはめ(monoexponential fit)を実行した。また、単一のb値によって個々のスキャンの拡散テンソルも算出した。3つのb値から得られた拡散テンソルは、手動で補助される線維追跡のために用い、b=1000の画像のみから導出された拡散テンソルは、ROI FA測定のために用いた。回転を考慮して頭部の動きを補正するために(上述した前処理ステップ1及び2)、拡散パルスシーケンスによって使用される51個の拡散傾斜ベクトルを、動き補正変換行列のその要素によって回転させた。特異値分解を用いてテンソル行列を対角化し、3つの固有ベクトル及び3つの対応する固有値を得た。式(1)に基づき、固有値から異方性比率(FA)を算出した。
Figure 0005475347
DTI Studio(ジョンホプキンス医学研究所脳解剖MRI研究室(Laboratory of Brain Anatomical MRI, Johns Hopkins Medical Institute))は、決定論的な線維追跡のために自由に利用可能なソフトウェアであり、研究事例では、これを用いて、23個の線維トラクトのストリームライントラックを生成した。この研究事例に含まれる線維トラクトの簡単な説明は、図5に示す表500に示している。線維のうちの2つである大鉗子及び小鉗子は、脳梁のサブセットである。残りの20の線維は、10組の左右の線維対を含む。左右の側頭上縦束(temporal superior longitudinal fasciculi:tSLF)は、左右のSLFのサブセットである。帯状束は、2つの分離された帯状の海馬部分として表されている。この分離を行う主な理由は、トラクトの2つの部分間で交差する線維が、決定論的な追跡アルゴリズムによって全体の帯状束をトレースするストリームラインを生成することを困難又は不可能にするためである。
研究事例では、FA及び第1固有ベクトル(V0)ボリュームをDTI Studioにエクスポートし、線維アトラスのトレーニングセットとして使用するための線維トラックを生成した。DTI Studioは、「線維割当連続追跡(fiber assignment continuous tracking:FACT)」アルゴリズムを使用して同様の拡散方向を有するボクセルを線維トラックに接続した。(実質的に非白質を除外するために)FA>0.15の全てのボクセルの中心にシード点を置き、このFA閾値を下回るボクセルに達するまで又は線維トラックが、特定の角度閾値、この場合、50°を超えて曲がった点まで、線維トラックを拡張した。研究事例では、これらの設定によっては完全な脳弓のトラックを得ることが困難であったため、脳弓については、40°の角度閾値及び0.07のFA閾値を用いて線維追跡を行った。そして、後に全ての線維トラックに閾値を適用し、FA<0.15のボクセルを除外した。
研究事例では、複数のROIを用いて各線維トラクトを特定し、解剖学から既知である経路をたどるストリームラインの母集団を選択した。更なるROIを用いて、特定の線維トラクトに関する先験的な知識に整合しない、逸脱線維を除外し、又は端部を切り捨てた。これらの手動で補助される追跡手順は、以前に線維の追跡経験がないオペレータが行う場合であっても、かなり信頼度が高いことが以前より示されている。研究事例では、数カ月に亘って、各線維トラクトを一貫して、効率的に追跡するためのストラテジを実践し、熟練させた技術者によって手動の線維追跡を行った。本研究に含まれる全ての手動で補助された線維トラックは、1カ月未満の期間で、このプロセスの最後に生成された。追跡作業は、1線維トラクトあたり約2〜3分かかった。したがって、42人の被験者及び23個の線維トラクトのアトラストレーニングセットを生成する作業には、約40時間かかった。
研究事例では、殆どの被験者について良好に適用される追跡ストラテジであっても、必ずしも、全ての被験者について満足できるトラックが得られるわけではなかった。特定の追跡ストラテジがうまく適用できない理由は、第1に、交差する線維の存在によって説明される。例えば、特定の線維トラクトをモデリングするストリームラインの全ては、曲がって、異なる線維トラクトをたどる可能性があり、したがって、全てのストリームラインが、関心トラクト(tract of interest)の経路を、始めから終わりまで実際にたどるわけではない。各トラクト及び各被験者についてカスタマイズされた追跡ストラテジを開発することも可能であったかもしれないが、これに代えて、標準化された追跡ストラテジを用いて、トラックが関心線維トラクトの完全な軌道をマッピングしたときだけ、トラックを含ませた。各線維のためのアトラスに含まれた被験者の数を図10の表1000にまとめて示す。
研究事例においては、ここでは線維密度マップとも呼ぶストリームライン線維カウントの3Dマップを用いて、DTI Studioによる線維追跡から得られた情報をまとめた。特定のボクセル内のストリームラインの数は、1単位体積あたりの軸索の密度に線形の関係を有しているわけではないが、この数は、ボクセルが関心線維トラクトに実際に属する相対尤度を示している。これらの線維密度マップを用いて、FAの加重ROI平均を算出し、線維アトラスに位置情報を提供した(後述)。
強調画像(例えば、DWスキャンのb=0画像)とT強調画像との間の正確な位置合わせでは、特化された位置合わせ技術を利用できる。研究事例では、最初の粗い整列として、まず、(強度相関を用いて)T強調イメージを10人の被験者のT強調画像の平均に剛***置合わせした。これらのT強調画像は、アトラス空間にリサンプリングされた対応するT強調画像に先に位置合わせされている。そして、同時確率密度関数(joint probability density function:JPDF)技術を用いて、T強調画像とT強調画像との間の精密な位置合わせを行った。JPDF、すなわちT強調画像及びT強調画像における強度値の2Dヒストグラムを、以前に位置合わせされた10人のT強調画像のそれぞれについて生成し、次に、被験者に亘って平均を算出した。これらの10人のT強調画像は、単一の被験者の手動で整列されたT強調画像から算出されたJPDFを用いて、それらの対応するT強調画像に整列させた。この最初のJPDFに基づく整列が良好ではない被験者は、平均JPDFには含めなかった。研究事例では、平均JPDFは、全ての被験者について優れた位置合わせを提供した(それぞれの位置合わせ精度は、目視で検査した)。
研究事例では、125の自由度で、離散コサイン変換の技術を用いて、各被験者のT強調ボリュームを、T強調アトラスボリュームとの整列に非線形的にモーフィングした。上述のように、DWイメージをT強調画像に剛***置合わせし、これにより得られる変換行列を用いて、DTI Studioを用いて生成された線維密度ボリュームをT空間にリサンプリングした。そして、T強調ボリュームのために以前に算出した非線型変換を用いて、これらをT強調アトラス空間に非線形的にワーピングした。
研究事例では、互いに位置合わせされた線維密度マップを複数の被験者に亘って平均化した。そして、各線維トラクトについて、平均線維密度値を最大平均値に正規化した。これらの正規化された平均線維密度マップは、線維トラクトが所与の位置を占める相対的確率を示している。各被験者についての第1固有ベクトルは、Tへの位置合わせ及びアトラスへの位置合わせの剛体成分を用いて、アトラスに整列するよう回転させ、次に、アトラス空間にリサンプリングした。これらの回転された第1固有ベクトルのテンソル外積を算出し、次に、各線維について、特化されたテンソル平滑化技術(後述)を用いて、これを平滑化した。そして、アトラス空間内の各位置における可能な拡散方向の範囲に関する被験者間平均テンソルを含む情報を算出した。
研究事例では、線維マスクに含まれていたボクセルが、線維束の一般的な軌道及び隣接するボクセルに矛盾する第1固有ベクトルを有することがあった。これは、明らかに、隣接する線維トラクトに逸脱するストリームライン及び交差する線維の何れかによって引き起こされたものである。テンソル平滑化技術は、アトラス内で用いられる方向情報が、線維束の総合的な軌道を反映し、単一の被験者線維マスク内の拡散テンソルフィッティングから算出された矛盾する方向を除外するように設計した。図3及び図4は、対照被験者のFAボリュームのアキシャルスライス上に重ねられた線分としてプロットされた、手動選択脳梁線維トラックROI内のボクセルの拡散方向を示している。図4の左の画像400は、円滑化の前の拡散データからの方向を示しており、図4の右の画像402は、線維円滑化後の方向を示している。ボクセルの平滑化されたテンソルは、隣接する3ボクセル半径内の値の重み付け平均値とした。重みには、第1の固有値を第2固有値に比較する、DT固有値から算出された優占度(dominance ratio:DR)を使用した。
Figure 0005475347
研究事例では、各線維トラクトの位置及び方向に関する確率論的な情報を含むアトラスを用いて、ある所与のボクセルが特定の線維トラクトに属する事後確率を推定した。単一の被験者のための線維確率分布は、式(3)によって表される。
Figure 0005475347
ここで、P(f|ν)は、拡散テンソル演算から導出された第1固有ベクトルνが与えられた場合の、ボクセルが、与えられた線維トラクトに属する確率を表す。P(f)は、位置のみが与えられた場合の線維確率を表し、これは、アトラス空間から単一被験者空間へのリサンプリングの後の正規化された上述の平均線維密度に等しい。P(ν|f)は、拡散テンソルの第1固有ベクトルが与えられた場合の線維確率を表し、式(4)に基づき、(回転され、単一の被験者空間にワーピングされた)拡散テンソルのアトラス平均を用いて推定された。
Figure 0005475347
研究事例では、ここでは、アトラス導出線維ROI(atlas-derived fiber ROI)と呼ぶ、式(3)によって算出された事後確率のマップを用いて、FAの重み付け平均値を算出した。FAが0.15を下回るボクセルを除外して、同じ閾値を用いて生成された、手動選択線維トラックとの比較を容易にした。比較のため、後述するように、このFA閾値なしのROI FA測定値も算出した。目視によってアトラス導出線維マスクを手動選択線維トラックと比較するために、DTI Studioの連続追跡による線維割当(FACT)アルゴリズムを用いて、アトラス導出線維マスク(atlas-derived fiber mask)内のストリームライントラックを生成した。アトラス導出線維マスクは、確率閾値を適用することによって線維確率マップから生成した。閾値は、閾値の範囲を検査し、閾値上ボクセルのボリュームを算出し、全ての被験者及び線維に亘って、手動選択線維マスクと、アトラス導出線維マスクとの間の線維ボリュームの差が最小になる閾値を選ぶことによって選択した。
上述した技術により、単一の被験者の拡散データ及び確率論的線維アトラスからの情報を用いて、白質線維トラクトを自動的にラベリングすることができる。アトラスは、選択された線維トラクトの位置及び局所的な方向に関する平均化された情報を含む。線維ROIは、T強調画像と、DT演算からの方向推定値との両方を用いて、単一の被験者のためのアトラスから導出することができる。T強調画像は、脳を共通空間にマッピングするために用いることができ、DT方向推定値をアトラスと比較して、拡散方向の類似性が与えられた場合にボクセルが特定の線維に属する相対的確率を得ることができる。
図1は、例示的な手動選択線維トラックと、例示的なアトラス導出線維トラックとの比較を示す画像100を示している。画像100では、1人の代表的な対照被験者の線維トラックを示している。追加的な被験者の線維トラックの具体例は、図7の画像700、702及び図8の画像800、802に示している。例示的な画像100、700、702、800、802では、大鉗子及び小鉗子(脳梁のサブセット)及びtSLF(SLFのサブセット)を除く全ての線維のトラックが示されている。ここに示す例示的なアトラス導出線維トラックは、線維ROI内でFACTアルゴリズムを用いて生成された(相対的線維確率(relative fiber probability:RFP)>0.07、FA>0.15)。図7の画像700は、前面の冠状断像によって7人の代表的な対照被験者の線維トラックを示している。図7の画像702は、前面の冠状断像によって7人のTLE患者の線維トラックを示している。図8の画像800は、右側の矢状断像によって7人の代表的対照被験者の線維トラックを示している。図8の画像802は、右側の矢状断像によって7人のTLE患者の線維トラックを示している。
例示的な手動選択線維トラック及び例示的なアトラス導出線維ROIの両方について平均FA値を算出した。図2の座標軸200は、例示的な手動選択線維トラックについての、対照被験者、左TLE患者及び右TLE患者における白質の異方性比率の加重平均を示している。図2の座標軸202は、例示的なアトラス導出線維ROIについての、対照被験者、左TLE患者及び右TLE患者における白質の異方性比率の加重平均を示している。エラーバーは、SEMを表している。FAが0.15を下回るボクセルは、除外した。図2では、有意の(p<0.01)群効果(ANOVA)を有する線維トラクトを「*」印で示している。図6の表600は、対照被験者、左TLE患者及び右TLE患者のための例示的な手動選択線維及びアトラス導出線維からのANOVA−F検定を示している。各トラクトについて、グループに亘って、個別の一元配置ANOVAを行った。表600内の太字は、p<0.01を示している。
この具体例において、DTI Studioによって用いられるトラクトグラフィ法では、FAが0.15等の閾値より低い場合、線維トラックからボクセルを除外した。これと同じFA閾値をアトラス導出線維ROIにも適用した。また、FA閾値なしでアトラス導出線維ROIの平均FA値も算出した。図9の座標軸900は、例示的なアトラス導出線維ROIについての対照被験者、左右TLE患者における白質の異方性比率の加重平均を示している。エラーバーは、SEMを表している。図2の座標軸202に示すデータとは異なり、図9の座標軸900に示すデータは、FA閾値を使用せずに生成された。図9では、有意の(p<0.01)群効果(ANOVA)を有する線維トラクトを「*」印で示している。
実例データでは、手動選択線維トラック及びアトラス導出線維ROIについて、対照被験者、左TLE患者及び右TLE患者のために個別に算出された平均FA値は、高い相関性を示した(FA閾値ありの場合、R=0.98、閾値なしの場合、R=0.97)。アトラス導出線維値の平均FA値は、手動選択線維トラックより僅かに低かった(線維に亘って平均化された正規化された差分:3.1±0.8%SEM;t検定p<10−3)。アトラス導出線維ROIにFA閾値を適用しなかった場合、平均FA測定値は、手動選択線維トラックに比べて更に減少した(線維に亘って平均化された正規化された差分:13.1±1.0%SEM;t検定p<10−11)。全ての線維トラクトに亘る平均変動係数(標準偏差/平均)は、アトラス導出線維ROI(5.9±0.2%SEM)の方が手動選択線維トラック(6.6±0.4%SEM)に対して僅かに低かった(p<0.05、対応のあるt検定:paired t-test)。
実例データにおいては、手動選択線維トラックが対照被験者と、左右のTLE患者との間の差を明らかにし(各線維トラクトあたり3つのグループに亘る一元配置ANOVA)、アトラス導出線維ROIによっても類似する結果のパターンが観測された。これは、例えば、図2の座標軸200、図6の表600、図11の表1100、図12の表1200及び図13の表1300に示されている。図11の表1100は、(FA閾値=0.15を用いた)例示的な手動選択線維トラックについての各グループの平均FA(±標準偏差)を示している。表1100内の値は、図2の座標軸200にプロットされた情報と同じデータに基づいている。図12の表1200は、(FA閾値=0.15を用いた)アトラス導出線維ROIについての各グループの平均FA(±標準偏差)を示している。表1200内の値は、図2の座標軸202にプロットされた情報と同じデータに基づいている。図13の表1300は、(FA閾値なしの)アトラス導出線維ROIについての各グループの平均FA(±標準偏差)を示している。表1300内の値は、図9の座標軸900にプロットされた情報と同じデータに基づいている。
実例データでは、TLE患者、特に左半球にてんかん焦点を有するTLE患者が、対照被験者に比べて、線維トラクトに亘って、FAが広範囲に双方向に減少することを示す総合的な傾向があった。図6の表600から、群差のパラメトリック検定(すなわち、ANOVA)は、手動選択線維トラックと比べて、アトラス導出線維ROIの方が、包括的に、より高いレベルの統計的有意性(すなわち、より低いp値)を示していることがわかる。有意な群効果でトラクトを特定するために、誤検出率(false discovery rate:FDR)を0.03未満にすると推定されたp<0.01の閾値を選択した。すなわち、100の陽性判定のうち、誤りは、3未満になると予想される。
研究事例では、アトラスは、個々の線維トラクトの位置及び方向情報の両方を含む。位置のみに基づいて線維確率マップを得るにあたっては、アトラスによる非線形位置合わせのためには、T強調MR画像で十分であった。拡散イメージングデータを含ませることによって、マップの精度を高め、各被験者毎にマップを個別化できる。この高精度化は、異なる方向を有する近接する線維間での曖昧性を解決するために重要である場合がある。図3は、方向情報によるアトラス導出線維ROIの高精度化をまとめて示す6つの画像300、302、304、306、308、310を含む。図3に示す画像では、線維ROI内のボクセルの拡散方向は、対照被験者のFAボリュームのアキシャルスライス上に重ねられた線分としてプロットされている。図3の画像300は、完全なスライス内に示される脳梁の例示的なアトラス導出線維ROI(RFP>0.07、FA>0.15)を示しており、黄色の矩形は、画像302、304、306、308、310に示されている領域をマーキングしている。画像302は、例示的な手動選択線維トラックROI(少なくとも1つのストリームラインを有するボクセル)を示している。画像304は、アトラス導出線維ROI(画像300と同じ)を示している。画像306は、位置情報のみを用いたアトラス導出線維ROIを示している(RFP>0.10、FA>0.15)。画像308は、RFP>0である全てのボクセルについての例示的アトラスからの脳梁線維方向を示しており、画像300、302、304、306、310が個々の被験者データを示していることに対して、この画像308は、個々の被験者データを示していない。画像310は、左右の帯状束のアトラス導出線維ROIを示している。例えば、脳梁と帯状束のような2つの線維トラクトは、互いに近接するため、位置確率マップは、重なっている。これらの線維トラクトの局所的な方向は、互いに直交しており、したがって、線維方向アトラスに基づいて、2つの線維トラクトを識別することができる。
この具体例では、アトラス内で用いられる方向情報は、まず、個々の被験者における局所的な近傍平滑化(local neighborhood smoothing)によってフィルタリングされる。これは、例えば、図4に示されている。2つ以上の線維が単一のボクセルを占める場合、推定された方向は、1つの線維が他の線維に比べてより支配的である場合もあり、又はある程度ランダムである場合もある。更に、ストリームライン線維トラックは、隣接するトラクトに僅かに逸脱することもある。方向平滑化によって、方向は、関心線維トラクトの総合的な軌道に一致するように修正され、これによって、脳梁及び帯状束のように隣接する線維トラクトを区別することが可能になる。これは、例えば、図3に示されている。
ここに説明した確率論的アトラスに基づく技術によって個々の被験者内の幾つかの主要な線維トラクトの完全に自動化された特定が可能になる。具体例では、対照被験者を左右のTLE患者に比較する側頭葉てんかんの研究にこの技術を適用した。他の潜在的用途には、異なる患者母集団の研究、並びに正常な発育及び老化の研究も含まれる。上述した技術は、人間の介入を必要としない。したがって、白質線維トラクトの大規模な研究をより実用的且つ効率的に行うことができ、オペレータ間で結果がばらつく可能性を低減又は排除することができる。T強調画像を用いる皮質下の構造の自動的なセグメント化とは異なり、白質線維トラクトの割当は、皮質下の構造的なラベルのように互いに排他的ではない。すなわち、2つ以上の線維トラクトが同じボクセルを占めてもよい。具体例で用いられた線維アトラスは、皮質下及び皮質のROIと同じ空間内に線維ROIを生成できるようにT強調空間内に構築された。これらの技術は、連携して、皮質下構造及び白質線維トラクトの両方について、FA、ADC、T等の組織プロパティのROI測定値を効率的に得る手法を提供できる。
研究事例では、群間の比較の効果量、すなわち統計的検出力は、手動選択線維トラックと比べて、アトラス導出線維ROIの方が概して同等又はより大きかった。確率論的アトラスによって導入される強力な位置及び方向の事前分布(prior)のために、この技術は、より一般的に使用されるストリームライン法に比べて拡散イメージングデータ内の雑音の影響が小さい。線維追跡によって、周知の解剖学に基づく特定のトラクトに矛盾する経路をたどる逸脱トラックが生成されることもあるが、これらのトラックのアトラス導出線維ROIへの影響は最小限である。FAが低い領域(例えば、病巣)又は交差する線維は、線維追跡に干渉することがあるが、これらによって、確率論的アトラス技術が、アトラスに一致する線維トラクトの他の部分を特定できなくなるわけではない。白質の解剖学的知識を正確に反映する確率論的アトラスを実現するために、線維トラックの生成を含む大規模な手動による編集を行ったが、アトラスを新たなデータに適用する際には、手動による編集は不要である。健康な大人及びTLE患者以外の被験者母集団は、幾らか異なる白質トラクト軌道を示す可能性があるので、子供等の他の母集団への応用では、この技術の応用を成功させる前に、その目標母集団のサンプルからのアトラス手動選択線維トラックを追加してもよい。
研究事例の結果においては、手動選択線維トラックとアトラス導出線維マスクを用いて選択されたトラックとの間に顕著な質的な差があった。これは、例えば、図1に示されている。幾つかの具体例では、アトラスから提供される事前情報によって、手動選択線維トラックでは回避することが困難であった逸脱線維を排除し、大規模で手間がかかる手動による編集を不要にすることができる。質的な違いにもかかわらず、アトラス導出線維及び手動選択線維のFAの平均測定値は、実例データにおいて高い相関性を示した。対照被験者及びTLE患者の群間比較も、実例データでは、手動選択線維トラック及びアトラス導出線維ROIの両方において、同様であった。2組の結果の間の差は、手動選択線維トラックの実際の解剖学的事実からの偏りに起因している可能性がある。変動係数によって定量化されるFA測定値の変動性は、実例データでは、アトラス導出線維ROIの方で僅かに減少した。実例データでは、アトラス導出線維ROIの平均FAが概して低く、これは、アトラス導出線維ROI内の灰白質の割合の高さを反映している可能性があり、又はストリームライン線維追跡技術において用いたFA閾値を反映している可能性がある。アトラス導出線維ROIにFA閾値を適用することによって、実例データにおける手動選択線維と、アトラス導出線維との間の平均FAの差を大幅に低減することができたが、これによって群解析の結果が実質的に変化することはなかった。
例示的な手動選択線維トラック及び例示的なアトラス導出線維ROIを使用して、対照被験者とTLE患者とを比較した。両方の技術からの結果に共通する一般的な傾向として、幾つかの線維は、何れの半球でも、左TLE患者において低いFAを示した。これは、右TLEの患者に比べて、左TLEの患者の方が左右の海馬及び皮質の病変がより大きいという幾つかのエビデンスに一致している。左TLEで脳病変がより大きい理由は明らかになっていないが、左TLEと右TLEとは、別個の病気であり、脳構造に対する影響が異なると考えられている。研究事例の結果は、左TLEの患者において観測されるより大きな欠陥が拡張して、別の白質トラクトに達することを示唆している。
上述した技術は、拡散イメージングからの線維の方向情報を用いて線維確率推定の精度を高めることを含む。この手法により、各被験者について線維ROIを個別化でき、及び方向アトラスに含まれている大多数の線維方向情報に矛盾する拡散方向を示す領域の影響を最小化できる。非線形位置合わせによって、被験者とアトラスとの間で、アフィン位置合わせによって提供される整列より良好な整列を提供できる。幾つかの具体例においては、拡散画像とT強調構造画像との間の優れた位置合わせを提供するB歪みのロバストな補正を用いてアトラス空間への位置合わせを行う。上述した技術は、ストリームライン法に基づくトラクトグラフィなしで実施することができ、拡散強調MRI画像の雑音による逸脱線維等のエラーを低減できる。新たな被験者のために線維ROIを生成する上述した技術では、各被験者毎にストリームラインを生成する必要がない。この区別は、病巣によって遮断された線維トラクトの場合に重要であり、このような状況は、ボクセルについての確率論的アトラスベースの技術によって容易に取り扱うことができるが、通常、ストリームライン線維追跡では取り扱うことができない。
幾つかの場合、接続されていない皮質部分(cortical parcel)が生成されることがあり、周知の解剖学的知識による慎重な比較を行い、事実を人為的トラックから区別する必要がある。更に、2個の皮質部分が実際に接続を有している場合であっても、それらを接続するストリームラインが、実際とは異なる人為的な経路をたどる場合もある。単一の被験者に関する線維トラックの幾つかの手動による編集を用いて、このような効果を低減することができた。一旦、編集されると、2個の皮質部分の間の既知の線維軌道を正確にモデル化する線維トラックを確率論的アトラス、例えば、説明した例示的アトラスに含ませることができ、単一の被験者におけるストリームライン線維追跡への将来の依存を低減又は排除することができる。
アトラスベースの線維特定技術は、様々な研究及び臨床現場で使用することができる。幾つかの具体例では、この技術は、T強調画像を用いたアトラス空間への個々の被験者の正確な位置合わせに依存する。拡散強調画像に比べて、T強調画像は、通常、高解像度(例えば、1mm以下の等方性データ)で取得され、高いSN比を有し、アトラス空間へのロバストな位置合わせを可能にする。説明した研究事例では、非線形位置合わせのために離散コサイン変換(discrete cosine transform:DCT)技術を用いたが、自由度がより高い又は拡散テンソルデータを含む位置合わせ技術によって、被験者間の線維トラクト位置の対応関係を向上させることができた。上述した技術の幾つかの具体例に含ませることができる第2の特徴は、拡散テンソルで用いられる6より多くのパラメータを用いて拡散方向を表現することである。このような表現によって、単一のボクセル内の2つ以上の線維によって占められる断片的なボリュームのより正確な推定を実現できる。第3に、この技術は、幾つかの具体例において、隣接する線維トラクトの相対的な空間配置に関する情報を利用することができた。皮質下のセグメント化の精度を高めるために用いられる技術と同様に、マルコフ確率場を用いて、隣接するトラクトの条件付き確率を符号化することができた。最終的に、線維ROIの精度は、アトラスの品質に依存する。アトラスを構築するために用いられた手動選択線維トラック内の逸脱線維は、アトラス導出線維ROIにある程度影響する。この影響は、例えば、手動による編集で、予想された経路から逸脱するストリームラインの一部をトリミングすることによって低減又は排除できた。
説明した例示的アトラスは、人間の脳内の多くの主要な線維トラクトを含む。更に、末梢のトラクトをアトラスに加えることができ、及び他のトラクト、例えば、脳梁を更に細分化することができた。説明した具体例で用いられる決定論的なトラッキング法では、幾つかの線維トラクト例えば、LGNからV1への視放線(例えば、マイヤーループ)は、あらゆる被験者において、高い信頼度で構築することが困難であった。正しい経路をたどる線維トラックの手動選択及び異なる経路をたどる線維の除外も有用であるが、確率論的線維追跡技術、特に、交差する線維を明示的に扱う確率論的線維追跡技術は、これらのトラクトをより良好に再構築することができる。確率論的又は決定論的な線維追跡によって既知のトラクトを高い信頼度で再構築することができる場合、確率論的線維アトラスにこれを追加することができる。
本明細書に開示する技術及び機能的な動作の幾つかの側面は、MRIシステムを用いて実現することができる。図14は、MRI技術を実現するための例示的なシステム1400を示すブロック図である。システム1400を用いて、磁気共鳴信号(例えば、自由誘導減衰信号、エコー信号及び/又はこの他の信号)を取得することができる。この信号を用いて、MRIスキャンの被験者の画像を生成することができる。例えば、取得した信号を用いて、T強調画像、T強調画像、拡散強調画像及び/又は他のタイプの画像を生成することができる。MRIシステム1400は、特注の及び/又は市販のハードウェア及び/又はソフトウェアを用いて実現することができる。市販のMRIスキャナの具体例としては、例えば、8チャンネルのフェイズドアレヘッドコイルを備えるジェネラルエレクトリック社(General Electric)の1.5T EXCITE HDスキャナがある。
MRIシステム1400は、スキャナ1410と、データ処理装置1430と、サンプル(又は被験者)1420を保持するサンプル(又は被験者)ホルダ又はテーブル1425とを備える。スキャナ1410は、主磁石1412と、勾配システム1418と、RFシステム1414とを備える。主磁石1412は、実質的に一定の一様な磁場(例えば、1.5テスラ、3テスラ又は他の磁場強度)を発生するように設計されている。例えば、主磁石1412は、電磁石、超伝導磁石、又は他のタイプの磁石として実現してもよい。
勾配システム1418は、磁場勾配(例えば、デカルト幾何学的形状、極形状、又は異なる形状によって定義される軸に沿った勾配)を形成するように設計された複数の傾斜磁場コイルを含んでいてもよい。勾配システム1418は、所望のスライスによって生成された取得信号を選択することができる。勾配システム1418は、サンプル1420の空間周波数領域(すなわち、k−空間)を介する径方向の軌道に対応する取得信号成分を選択することができる。勾配システム1418は、位相符号化及び/又はスライス選択磁場を発生することができる。勾配システム1418は、更に、例えば、勾配増幅器(図示せず)及び他の様々なハードウェア要素等の部品を備えていてもよい。
RFシステム1414は、RFパルスを個別に送信し受信するように設計されたRF送信コイル及びこれとは別のRF受信コイルを備えていてもよい。これに代えて、RFシステム1414は、RF信号を受信し及び送信するための単一のRFコイルを有するRF送受信機を備えていてもよい。例えば、小さい領域をイメージングする場合、ぴったりフィットする小さいコイルによって画質が向上することがある。幾つかの場合、サンプル及び/又は特定のイメージング用途に応じて、様々なタイプのコイルを体の特定の部位の周囲(例えば、頭部、膝、手首等)に配置してもよく、場合によっては、コイルを体内に配置してもよい。例えば、RFシステム1414は、神経系の少なくとも一部の画像を撮像するために、8チャンネルのフェイズドアレヘッドコイル又は異なるタイプのヘッドコイルを備えていてもよい。RFシステム1414は、例えば、RF合成器(図示せず)、電力増幅器(図示せず)及び他の様々なハードウェア要素等の部品を更に備えていてもよい。
データ処理装置1430は、取得されたデータを受信し、処理して、所望の画像及び情報を得るように設計されている。例えば、データ処理装置1430は、コンピュータ又は分散型コンピューティング環境における様々な演算コンポーネント(例えば、サーバ、ルータ、ワークステーション及び/又はソフトウェアコンポーネント)として実現することができる。例えば、データ処理装置1430は、取得した磁気共鳴信号に基づいて、サンプル1420の画像又は他のタイプのデータを生成し、離散フーリエ変換及び/又は他の演算等の信号処理演算を実行し、及び/又は図15に示す処理1500の1つ以上のステップを実行することができる。幾つかの場合、データ処理装置1430は、データ処理のための遠隔システムを含む。例えば、幾つかの場合、データは、データ解析のために、リモートLinuxシステム(又は他のタイプのシステム)に転送される。
動作の一側面においては、サンプル1420には、マグネット1412が生成する外部磁界が印加される。この外部磁界に応じて、サンプル1420内の核スピンの一部が、外部磁界によって定義される軸に沿って分極され、サンプルは、軸に沿ってバルク磁気モーメントを得る。RFシステム1414及び/又は勾配システム1418は、例えば、複数のラジオ周波数(radio frequency:RF)パルス、遅延及び/又は磁場勾配を含むパルスシーケンスに基づいて、核スピンを操作する。RFシステム1414は、パルスシーケンスに応じて、サンプル1420内の核スピンによって生成される信号を取得する。データ処理装置1430は、取得された信号を受信し、この信号に基づいて、画像及び/又は他のタイプのデータを生成する。
図15は、磁気共鳴に基づいて線維トラクトを特定するための例示的な処理1500を示すフローチャートである。処理1500は、例えば、人間の神経系又は他のタイプの生体システム内の線維トラックを特定するために使用できる。処理1500を用いて、ここに説明した研究事例の幾つかの側面を実現することができる。幾つかの具体例では、処理1500の1つ以上の動作は、ここに説明した研究事例とは異なる手法で実現される。処理1500は、説明した具体例より少ない及び/又は多い動作を含んでいてもよく、及び/又は説明した具体例とは異なる動作を含んでいてもよい。処理1500を用いて、図1〜図4及び図6〜図13に示すデータの一部又は全部と同様の側面を有するデータを生成することができる。
1502では、線維トラクトアトラスを得る。線維トラクトアトラスは、例えば、ネットワークを介して線維トラクトアトラスを受信し、若しくは、コンピュータのメモリ及び/又は他のタイプの記憶媒体から線維トラクトアトラスを読み出すことによって得ることができる。また、線維トラクトアトラスは、上述のようにして又は他の技術によって線維トラクトアトラスを構築することによって得ることもできる。例えば、線維トラクトアトラスは、複数の異なる被験者からMRデータを取得し、MRデータに基づいて各被験者について拡散データを算出し、追加的な被験者に亘る拡散データを平均することにより線維トラクトアトラスの各ボクセルの平均拡散テンソルを算出することによって構築することができる。
線維トラクトアトラスは、例えば、人間の神経系の全て又は一部を表すことができる。上述したように、線維トラクトアトラスは、人間の脳の線維トラクトの平均の位置及び方向データを含むことができる。線維トラクトアトラスは、線維トラクトアトラスによって表される神経系のボリュームを集合的に覆う複数のアトラスボクセルを含むことができる。例えば、各アトラスボクセルは、神経系の同一形状の重複しない体積要素を表すことができる。体積要素は、デカルト座標系、円筒座標系、極座標系又は他のタイプの幾何学的配置に配置できる。各アトラスボクセルについて、線維トラクトアトラスは、アトラスボクセルによって表される神経系の体積要素における線維トラクト方向の平均範囲を特定する情報を含むことができる。例えば、線維トラクトアトラスは、各アトラスボクセル毎に1つ以上の拡散テンソルを含むことができる。拡散テンソルは、複数の異なる被験者からの拡散データの測定値に基づく平均拡散テンソルであってもよい。拡散テンソルは、2階の対称テンソルであってもよい。幾つかの具体例では、確率関数、行列及び/又は他のタイプのデータ構造によって線維トラクトの方向を表すことができる。幾つかの場合、線維トラクトアトラスは、各アトラスボクセルあたり1つ以上の値を含み、これを用いて、アトラスボクセルのための拡散テンソルを構築することができる。また、線維トラクトアトラスは、各アトラスボクセルの位置確率を含むことができる。位置確率は、例えば、位置のみに基づいて(すなわち、方向を考慮することなく)アトラスボクセルが所与の線維トラクトを含む平均の相対的確率であってもよい。
所与のアトラスボクセルのための線維トラクト方向データは、アトラスボクセル内の所与の線維トラクトの様々な可能な方向を表すことができる。例えば、アトラスボクセルに関連付けられた第1の拡散テンソルは、アトラスボクセルで表される体積要素内の第1のタイプの線維トラクトの方向を表すことができ、同じアトラスボクセルに関連付けられた第2の拡散テンソルは、アトラスボクセルによって表された体積要素内の第2のタイプの線維トラクトの方向を表すことができる。すなわち、所与のアトラスボクセル内の所定の線維トラクト方向のために、線維トラクトアトラスを用いて、複数の異なる線維トラクトのそれぞれについて、アトラスボクセルが所与の線維トラクトを表している相対的確率を算出することができる。したがって、線維トラクトアトラスは、個々の被験者の神経系の体積要素の拡散データと組み合わせて、個々の被験者の神経系のための線維トラクト確率マップを構築するために使用することができる。
1504では、被験者の磁気共鳴(MR)データを取得する。MRデータは、例えば、ネットワークを介してデータを受信し、若しくは、コンピュータのメモリ及び/又は他のタイプの記憶媒体からデータを読み出すことによって取得することができる。MRデータは、拡散テンソルイメージングプロトコルによって取得することができ、拡散テンソルイメージングプロトコルは、例えば、複数の無線周波パルスを被験者に印加すること、複数の勾配磁場を被験者に印加すること、及び被験者からエコー信号を検出することを含む。様々な具体例においては、被験者のための拡散テンソルを構築するために使用できるMRデータを取得するために、複数の異なるパルスシーケンス、勾配シーケンス及び/又は取得スキームを用いてもよい。MRデータは、被験者の神経系の領域を集合的に覆う複数のデータボクセルを含むことができる。例えば、各アトラスボクセルは、人間の脳の同一形状の重複しない体積要素を表すことができる。
1506では、取得した磁気共鳴データに基づいて、被験者のための拡散データを算出する。拡散データは、各データボクセル毎の拡散テンソル、例えば、2階の対称テンソルを含むことができる。拡散データは、拡散ベクトル、例えば、与えられたデータボクセルにおける拡散の一次方向を示す2値又は3値のベクトルを含むことができる。ベクトルは、拡散テンソルの固有ベクトルであってもよい。例えば、拡散データの算出は、各データボクセルの拡散テンソルを算出すること、算出された拡散テンソルのそれぞれの固有ベクトル及び固有値を特定すること、及び最大の固有値に関連する固有ベクトルを選択することを含んでいてもよい。拡散ベクトルを特定するために他のタイプの自動的な手法を用いてもよい。
1508では、拡散データ及び線維トラクトアトラスに少なくとも部分的に基づいて、被験者のための線維トラクト確率マップを生成する。幾つかの場合、線維トラクト確率マップの算出は、1つ以上のデータボクセルと1つ以上のアトラスボクセルとの間の空間的対応を特定することを含む。被験者のためのMRデータと線維トラクトアトラスとの間の対応関係の特定は、取得したMRデータを線維トラクトアトラスに位置合わせすることによって行ってもよい。例えば、MRデータと線維トラクトアトラスとの間の対応関係の特定は、線維トラクトアトラスのアトラス空間にT強調画像を位置合わせすること、及び/又はデータボクセルをアトラス空間にリサンプリングすることを含んでいてもよい。アフィン位置合わせ及び/又は非線型位置合わせ技術を用いてもよい。
一般に、線維トラクト確率マップの算出は、特定の被験者のための拡散データを線維トラクトアトラスと比較することを含んでいてもよい。幾つかの具体例では、線維トラクト確率マップの算出は、線維トラクトアトラスを用いて、データボクセルについて算出された拡散ベクトル及びアトラスの領域内のある線維トラクトの方向の識別に少なくとも部分的に基づいて、所与のデータボクセルがある線維トラクトを表す(例えば、線維トラクトのメンバである、線維トラクトに対応している及び/又は線維トラクト属す)確率を算出することを含む。
Figure 0005475347
更に、確率の算出は、各ボクセルにおいて、複数の異なる線維トラクトについて行ってもよい。このように、線維トラクト確率マップは、各ボクセルあたり1つ以上の確率値を含むことができ、各確率値は、ボクセルが特定の線維トラクトを含む相対的確率を表すことができる。各ボクセルの位置確率及び/又は各線維トラクトの方向に関する情報は、アトラス空間から被験者のための被験者空間にリサンプリングすることができる。したがって、所与のデータボクセルがある線維トラクトを表す算出された確率は、リサンプリングされた位置確率及びリサンプリングされた方向情報に基づくことができる。例えば、幾つかの場合、リサンプリングされた位置確率は、上述した式(3)におけるP(f)として表すことができる。
1510では、線維トラクト確率マップに少なくとも部分的に基づいて、被験者を解析する。例えば、線維トラクト確率マップを使用して、神経系の関心領域を特定し、1つ以上の線維の異方性比率を算出し、1つ以上の線維の拡散性を算出し、線維マスクを生成し、及び/又は他のタイプの解析を実行してもよい。幾つかの具体例では、ある主の疾患を診断するため、脳内の白質の整合性を評価するため、及び/又は他のタイプの臨床の又は診断アプリケーションのために解析を使用してもよい。
本明細書において説明した技及び機能的動作の幾つかの側面は、ここに説明した構造的な手段及びこの構造的な均等物を含むデジタル電子回路、若しくはコンピュータソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアによって実現してもよく、これらの組合せによって実現してもよい。幾つかの側面は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、例えば、マシンによって読出可能な記録装置又は伝播される信号等の情報担体において具体的に具現化され、例えば、プログラミング可能なプロセッサ、コンピュータ又は複数のコンピュータ等のデータ処理装置によって実行され、又はデータ処理装置の動作を制御する1つ以上のコンピュータプログラムとして実現することができる。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとも呼ばれる。)は、コンパイラ言語又はインタープリタ言語を含む如何なる形式のプログラミング言語で書いてもよく、例えば、スタンドアロンプログラムとして、若しくはモジュール、コンポーネント、サブルーチン又は演算環境での使用に適する他のユニットとして、如何なる形式で展開してもよい。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応していなくてもよい。プログラムは、他のプログラム又はデータを含むファイルの一部に保存してもよく、当該プログラムに専用の単一のファイルに保存してもよく、連携する複数のファイル(例えば、モジュール、サブプログラム又はコードの一部を保存する1つ以上のファイル)に保存してもよい。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で実行されるように展開してもよく、1つの場所に設けられた又は複数の場所に亘って分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開してもよい。
本明細書に開示したプロセス及びロジックフローの幾つかの側面は、入力データを処理し、出力を生成することによって機能を実現する1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラミング可能なプロセッサによって実現してもよい。プロセス及びロジックフローの側面は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array:FPGA)又は特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)等の専用論理回路によって実行してもよく、装置をこのような専用論理回路として実現してもよい。
コンピュータプログラムの実行に適するプロセッサには、一例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びにあらゆる種類のデジタルコンピュータの1つ以上のプロセッサの何れかを含ませてもよい。プロセッサは、通常、読出専用メモリ又はランダムアクセスメモリ、若しくはこれらの両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータは、命令を実行するプロセッサと、命令及びデータを保存する1つ以上のメモリデバイスとを含む。また、コンピュータは、通常、データを保存するための1つ以上の大容量記憶装置、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク又は光ディスクを含み、若しくは、大容量記憶装置からデータを受信し、大容量記憶装置にデータを送信し、又はこの両方の動作を行うように大容量記憶装置に動作的に接続されている。コンピュータプログラム命令及びデータの格納に適するデバイスには、一例として挙げれば、半導体記憶デバイス、例えば、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイスを含む全ての形式の不揮発性メモリ、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク、光磁気ディスク、並びにCD−ROMディスク及びDVD−ROMディスク等が含まれる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補ってもよく、専用論理回路に組み込んでもよい。
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータは、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置、例えば、陰極線管(cathode ray tube:CRT)又は液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)モニタと、ユーザがコンピュータに入力を行うためのキーボード及びポインティング装置、例えば、マウス又はトラックボールとを備えていてもよい。他の種類のデバイスを用いて、ユーザとのインタラクションを提供してもよく、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、何らかの形式の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック又は触覚フィードバックであってもよく、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚入力を含む如何なる形式で受け付けてもよい。
コンピュータシステムは、通信ネットワーク又は他のタイプの接続を介して互いにインタラクトするクライアント及びサーバを含んでいてもよい。システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の如何なる形式又は媒体によって、例えば、通信ネットワークによって相互接続してもよい。通信ネットワークの具体例には、ローカルエリアネットワーク(local area network:LAN)と、例えば、インターネット等のワイドエリアネットワーク(wide area network:WAN)とが含まれる。
本明細書は、多くの詳細事項を含んでいるが、これらの詳細事項は、本発明の範囲又は特許請求の範囲を限定するものとは解釈されず、本発明の特定の実施の形態の特定の特徴の記述として解釈される。本明細書おいて、別個の実施の形態の文脈で開示した幾つかの特徴を組み合わせて、単一の実施の形態として実現してもよい。逆に、単一の実施の形態の文脈で開示した様々な特徴は、複数の実施の形態に別個に具現化してもよく、適切な如何なる部分的組合せとして具現化してもよい。更に、以上では、幾つかの特徴を、ある組合せで機能するものと説明しているが、初期的には、そのように特許請求している場合であっても、特許請求された組合せからの1つ以上の特徴は、幾つかの場合、組合せから除外でき、特許請求された組合せは、部分的組合せ又は部分的な組合せの変形に変更してもよい。
ここでは、僅かな具体例のみを開示した。但し、本明細書の開示及び例示に基づいて、説明した具体例の変形例及び拡張例及び他の具体例を想到することができる。

Claims (22)

  1. 磁気共鳴イメージングのための方法であって、
    それぞれが神経系の異なる体積要素を表し、神経系の第1の体積要素を表す第1のアトラスボクセルを含む複数のアトラスボクセルと、前記神経系の第1の体積要素における第1の線維トラクトの方向に関する情報とを含む神経系の線維トラクトアトラスを得るステップと、
    被験者の神経系から、前記第1のアトラスボクセルに関連する第1のデータボクセルを含む複数のデータボクセルを含む磁気共鳴データを取得するステップと、
    前記取得した磁気共鳴データに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のデータボクセルの拡散ベクトルを生成するステップと、
    前記線維トラクトアトラスを用いて、前記生成された拡散ベクトル及び前記第1の体積要素における第1の線維トラクトの方向に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のデータボクセルが前記第1の線維トラクトを表している確率を見出すステップとを有する方法。
  2. 前記線維トラクトアトラスは、前記第1の線維トラクトが前記第1の体積要素内にある位置確率を更に含み、当該方法は、前記位置確率及び前記第1の線維トラクトの方向に関する情報をアトラス空間から被験者の被験者空間にリサンプリングするステップを更に有し、前記見出された確率は、リサンプリングされた位置確率及びリサンプリングされた方向情報に部分的に基づいている請求項1記載の方法。
  3. 前記神経系は、人間の神経系を含み、前記第1の線維トラクトの方向に関する情報は、複数の人間の神経系の測定値に少なくとも部分的に基づく平均拡散テンソルを含み、前記線維トラクトアトラスを用いて、前記第1のデータボクセルが前記第1の線維トラクトを表している確率を見出すステップは、前記生成された拡散ベクトル及び前記平均拡散テンソルに少なくとも部分的に基づいている請求項1記載の方法。
  4. 前記第1の線維トラクトの方向に関する情報は、前記第1のアトラスボクセルのための第1のテンソルを含み、前記線維トラクトアトラスは、アトラスボクセル内の第1の線維トラクトの方向を表す他のアトラスボクセルのそれぞれのための追加的なテンソルを更に含み、当該方法は、前記線維トラクトアトラスを用いて、他のデータボクセルのそれぞれについての追加的な確率を見出すステップを有し、前記他のデータボクセルのそれぞれについての追加的な確率は、前記データボクセルのために生成された拡散ベクトル及びデータボクセルに関連するアトラスボクセルのための追加的なテンソルに少なくとも部分的に基づいており、前記他のデータボクセルのそれぞれについての追加的な確率は、前記データボクセルが前記第1の線維トラクトを表している確率を表す請求項1記載の方法。
  5. 前記第1のデータボクセルが前記第1のアトラスボクセルに関連することを判定するステップを更に有し、この判定は、
    強調画像を、線維トラクトアトラスのアトラス空間に位置合わせするステップと、
    データボクセルをアトラス空間にリサンプリングするステップとを含む追加的な動作によって実行される請求項1記載の方法。
  6. 前記第1の線維トラクトの方向に関する情報は、第1のテンソルを含み、前記線維トラクトアトラスを得るステップは、複数の追加的なテンソルを更に含む線維トラクトアトラスを得るステップを含み、前記追加的なテンソルのそれぞれは、前記神経系の前記第1の体積要素内の追加的な線維トラクトの方向を表す請求項1記載の方法。
  7. 前記見出された確率は、第1の確率を含み、当該方法は、前記線維トラクトアトラスを用いて、前記生成された拡散ベクトル及び前記複数の追加的なテンソルに少なくとも部分的に基づいて、複数の追加的な確率を見出すステップを更に有し、前記追加的な確率のそれぞれは、前記第1のデータボクセルが追加的な線維トラクトの1つを表している相対的確率を表す請求項6記載の方法。
  8. 前記線維トラクトアトラスを構築するステップを更に有し、この構築は、
    複数の追加的な被験者の神経系から、前記追加的な被験者のそれぞれのための複数のデータボクセルを含む追加的な磁気共鳴データを取得するステップと、
    追加的な被験者のそれぞれのためのデータボクセルのそれぞれについて、前記追加的な磁気共鳴データに少なくとも部分的に基づいて、追加的な拡散テンソルを生成するステップと、
    前記線維トラクトアトラスのアトラスボクセルのそれぞれについて、前記追加的な被験者に亘る追加的な拡散テンソルを平均することによって、平均拡散テンソルを生成するステップとを含む追加的な動作によって実行される請求項1記載の方法。
  9. Figure 0005475347
  10. 前記線維トラクトアトラス及び前記取得した磁気共鳴データを用いて、被験者の神経系の少なくとも第1の部分のための線維確率マップを生成するステップと、
    前記確率マップを用いて、前記第1の線維トラクトの異方性比率及び前記第1の線維トラクトの拡散性のうちの少なくとも1つを判定するステップとを更に有する請求項1記載の方法。
  11. 前記磁気共鳴データを取得するステップは、
    被験者に複数のラジオ周波数パルスを印加するステップと、
    被験者に複数の勾配磁場を印加するステップと、
    被験者から少なくとも1つのエコー信号を検出するステップとを有する請求項1記載の方法。
  12. 被験者の神経系から、第1のデータボクセルを含む複数のデータボクセルを有する磁気共鳴データを取得する磁気共鳴データ取得システムと、
    前記磁気共鳴データ取得システムから前記磁気共鳴データを受信するデータプロセッサとを備え、
    前記データプロセッサは、
    前記神経系の第1の体積要素を表す第1のアトラスボクセルを含み、前記第1のデータボクセルは前記第1のアトラスボクセルに関連し、それぞれが神経系の異なる体積要素を表す複数のアトラスボクセルと、前記神経系の前記第1の体積要素における第1の線維トラクトの方向に関する情報とを含む、前記神経系の線維トラクトアトラスを前記磁気共鳴データから得るメカニズムと、
    取得した前記磁気共鳴データに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のデータボクセルのための拡散ベクトルを生成するメカニズムと、
    前記線維トラクトアトラスを処理して、前記生成された拡散ベクトル及び前記第1の体積要素内の前記第1の線維トラクトの方向に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のデータボクセルが前記第1の線維トラクトを表している確率を見出すメカニズムとを備える磁気共鳴イメージング(MRI)システム。
  13. 前記磁気共鳴データ取得システムは、
    実質的な静磁場である主磁場を生成する磁石と、
    被験者に複数の勾配磁場を印加する勾配サブシステムと、
    被験者に複数のラジオ周波数パルスを印加し、被験者から少なくとも1つのエコー信号を検出するラジオ周波数サブシステムとを備える請求項12記載のMRIシステム。
  14. 前記ラジオ周波数サブシステムは、人間の神経系から磁気共鳴データを取得するヘッドコイルを含む請求項13記載のMRIシステム。
  15. 前記線維トラクトアトラス及び前記取得した磁気共鳴データを処理し、被験者の神経系の少なくとも第1の部分のための線維確率マップを生成するメカニズムと、
    前記確率マップを用いて、被験者の神経系の関心領域を特定するメカニズムとを更に備える請求項12記載のMRIシステム。
  16. 前記磁気共鳴データ取得システムと、前記データプロセッサを含むコンピューティング装置とを通信可能に接続するデータ通信ネットワークを更に備える請求項12記載のMRIシステム。
  17. データ処理装置に動作を実行させる命令を保存するマシンによって読取可能な媒体を備える物品であって、前記動作は、
    神経系の第1の体積要素を表す第1のアトラスボクセルを含み、それぞれが前記神経系の異なる体積要素を表す複数のアトラスボクセルと、前記神経系の前記第1の体積要素における第1の線維トラクトの方向に関する情報とを含む前記神経系の線維トラクトアトラスを得るステップと、
    被験者の神経系から、前記第1のアトラスボクセルに関連する第1のデータボクセルを含む複数のデータボクセルを含む磁気共鳴データを取得するステップと、
    前記取得した磁気共鳴データに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のデータボクセルの拡散ベクトルを生成するステップと、
    前記線維トラクトアトラスを用いて、前記生成された拡散ベクトル及び前記第1の体積要素における前記第1の線維トラクトの方向に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のデータボクセルが前記第1の線維トラクトを表している確率を見出すステップとを有する物品。
  18. 前記線維トラクトアトラスは、前記第1の線維トラクトが前記第1の体積要素内にある位置確率を更に含み、前記動作は、前記位置確率及び前記第1の線維トラクトの方向に関する情報をアトラス空間から被験者の被験者空間にリサンプリングするステップを更に有し、前記見出された確率は、リサンプリングされた位置確率及びリサンプリングされた方向情報に部分的に基づいている請求項17記載の物品。
  19. 前記動作は、
    前記線維トラクトアトラス及び前記取得した磁気共鳴データを用いて、被験者の神経系の少なくとも第1の部分のための線維確率マップを生成するステップと、
    前記確率マップを用いて、前記第1の線維トラクトの異方性比率及び前記第1の線維トラクトの拡散性のうちの少なくとも1つを判定するステップとを更に有する請求項17記載の物品。
  20. 前記第1の線維トラクトの方向に関する情報は、第1のテンソルを含み、前記線維トラクトアトラスは、神経系の前記第1の体積要素内の追加的な線維トラクトの方向を表す複数の追加的なテンソルを更に含む請求項17記載の物品。
  21. 前記見出された確率は、第1の確率を含み、前記動作は、前記線維トラクトアトラスを用いて、前記生成された拡散ベクトル及び前記複数の追加的なテンソルに少なくとも部分的に基づいて、複数の追加的な確率を見出すステップを更に有し、前記追加的な確率のそれぞれは、前記第1のデータボクセルが前記追加的な線維トラクトの1つを表している相対的確率を表す請求項20記載の物品。
  22. 前記第1の線維トラクトの方向に関する情報は、2階のテンソルを含み、前記拡散ベクトルを生成するステップは、前記取得した磁気共鳴データに少なくとも部分的に基づいて、拡散テンソルの固有ベクトルを生成するステップを有し、前記線維トラクトアトラスを用いて確率を見出すステップは、前記2階のテンソル及び前記固有ベクトルを結合するステップを有する請求項17記載の物品。
JP2009156498A 2008-07-01 2009-07-01 磁気共鳴イメージング(mri)を用いる白質線維トラクトの特定 Active JP5475347B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US7733508P 2008-07-01 2008-07-01
US61/077,335 2008-07-01

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010057899A JP2010057899A (ja) 2010-03-18
JP5475347B2 true JP5475347B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=41111151

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009156498A Active JP5475347B2 (ja) 2008-07-01 2009-07-01 磁気共鳴イメージング(mri)を用いる白質線維トラクトの特定

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9568580B2 (ja)
EP (1) EP2141506B1 (ja)
JP (1) JP5475347B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101771513B1 (ko) 2016-06-15 2017-08-28 서울대학교 산학협력단 자기공명영상장치에서 r2*에서 신경수초의 양 및 신경다발 방향성이 미치는 영향을 제거하는 방법
US11557070B2 (en) 2019-06-03 2023-01-17 University of Pittsburgh—of the Commonwealth System of Higher Education System, method, and computer program product for generating pruned tractograms of neural fiber bundles

Families Citing this family (51)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8355772B2 (en) * 2005-03-11 2013-01-15 The General Hospital Corporation Cross-fiber diffusion MRI
JP4972751B2 (ja) * 2006-11-27 2012-07-11 株式会社日立製作所 神経線維束計測システム及び画像処理システム
US8134363B2 (en) * 2007-07-20 2012-03-13 Medical College Of Georgia Research Institute, Inc. Test object for use with diffusion MRI and system and method of synthesizing complex diffusive geometries using novel gradient directions
US7994784B2 (en) * 2007-07-20 2011-08-09 Medical College Of Georgia Research Institute, Inc. Systems and methods for rescaling image intensities with diffusion MRI to synthesize complex diffusive geometries
US8098068B2 (en) * 2007-07-20 2012-01-17 Medical College Of Georgia Research Institute, Inc. Systems and methods for parametric mapping for correction of noise-based systematic bias of DTI metrics, using a DTI mapping phantom
WO2009067680A1 (en) * 2007-11-23 2009-05-28 Mercury Computer Systems, Inc. Automatic image segmentation methods and apparartus
US9720062B2 (en) * 2010-03-03 2017-08-01 Brain Research Institute Foundation Pty Ltd. Image processing system
WO2011139745A2 (en) * 2010-04-27 2011-11-10 Chunlei Liu Systems and methods for susceptibility tensor imaging
WO2012046241A1 (en) 2010-10-06 2012-04-12 Aspect Magnet Technologies Ltd. A method for providing high resolution, high contrast fused mri images
JP2012115658A (ja) * 2010-11-12 2012-06-21 Toshiba Corp 画像診断装置
US9489731B2 (en) * 2011-03-15 2016-11-08 Universith of Pittsburgh—Of the Commonwealth System of Higher Education Directional diffusion fiber tracking
US9404986B2 (en) 2011-05-06 2016-08-02 The Regents Of The University Of California Measuring biological tissue parameters using diffusion magnetic resonance imaging
WO2012164172A1 (en) * 2011-06-03 2012-12-06 Nexstim Oy Method and system for combining anatomical connectivity patterns and navigated brain stimulation
US8885904B2 (en) * 2012-04-19 2014-11-11 General Electric Company Systems and methods for landmark correction in magnetic resonance imaging
NO2883206T3 (ja) * 2012-08-09 2018-03-03
FR2996746B1 (fr) * 2012-10-17 2015-11-13 Assist Publ Hopitaux De Paris Procede de quantification des lesions cerebrales
EP2932291B1 (en) * 2012-12-12 2019-11-27 Koninklijke Philips N.V. Motion detection and correction method for magnetic resonance diffusion weighted imaging (dwi)
WO2014121146A1 (en) 2013-01-31 2014-08-07 The Regents Of The University Of California System and method for modeling brain dynamics in normal and diseased states
WO2014147549A1 (en) * 2013-03-19 2014-09-25 Koninklijke Philips N.V. Aural enhancments to medical systems
US10504222B2 (en) 2013-04-05 2019-12-10 New York University System, method and computer-accessible medium for obtaining and/or determining mesoscopic structure and orientation with fiber tracking
KR101540946B1 (ko) 2013-07-17 2015-07-31 삼성전자주식회사 뇌 신경 섬유를 추적하기 위한 시드 영역 선택 방법 및 장치
EP2933743B1 (en) * 2014-04-18 2019-05-08 Université de Rennes 1 Method of characterizing molecular diffusion within a body from a set of diffusion-weighted magnetic resonance signals and apparatus for carrying out such a method
WO2015195048A1 (en) * 2014-06-16 2015-12-23 Agency For Science, Technology And Research Reducing speckle noise in optical coherence tomography images
WO2016041577A1 (en) 2014-09-16 2016-03-24 Brainlab Ag Auto-calibration of probabilistic tracking parameters for dti fibre tractography and compilation of tract probability comparison scales
US10324154B2 (en) 2015-05-13 2019-06-18 General Electric Company Generalized spherical deconvolution in diffusion magnetic resonance imaging
DE102016202254B4 (de) * 2016-02-15 2017-11-30 Siemens Healthcare Gmbh Modellfreies Ermitteln von Bildbereichen mit anomaler Diffusion anhand von diffusionsgewichteten Magnetresonanzbilddaten
CN108022234B (zh) * 2016-10-28 2022-03-01 东芝医疗***株式会社 医用图像处理装置及医用图像处理方法
US9993206B2 (en) * 2016-11-03 2018-06-12 Wisconsin Alumni Research Foundation System for characterizing brain condition
US10451697B2 (en) * 2017-07-25 2019-10-22 Spintech, Inc. Systems and methods for strategically acquired gradient echo imaging
JP6824132B2 (ja) * 2017-09-13 2021-02-03 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 画像処理装置及び磁気共鳴イメージング装置
US11328426B2 (en) * 2017-10-03 2022-05-10 Mint Labs Inc. Fiber tracking and segmentation
CN109620407B (zh) 2017-10-06 2024-02-06 皇家飞利浦有限公司 治疗轨迹引导***
US11288803B2 (en) 2017-10-09 2022-03-29 Koninklijke Philips N.V. Ablation result validation system
US10712419B2 (en) * 2018-02-13 2020-07-14 Vanderbilt University Selective size imaging using filters via diffusion times
EP3769316A1 (en) * 2018-03-21 2021-01-27 Koninklijke Philips N.V. Neurological examination system
US11022666B2 (en) * 2018-05-08 2021-06-01 Cedars-Sinai Medical Center Low-rank tensor imaging for quantitative MRI
WO2019232279A1 (en) 2018-05-31 2019-12-05 Boston Medical Center Corporation White matter fibrography by synthetic magnetic resonance imaging
JP7177429B2 (ja) * 2018-06-07 2022-11-24 洋司 西島 脳mri検査による認知症の早期診断
CN110163819B (zh) * 2019-04-21 2023-08-01 渤海大学 一种面向磁共振扩散加权图像的非局部均值平滑方法
US11055849B2 (en) * 2019-10-18 2021-07-06 Omniscient Neurotechnology Pty Limited Processing of brain image data to assign voxels to parcellations
US11145119B2 (en) 2019-10-18 2021-10-12 Omniscient Neurotechnology Pty Limited Differential brain network analysis
EP4016453B1 (en) * 2020-12-21 2023-08-09 Siemens Healthcare GmbH Method and system for automated segmentation of biological object parts in mri
US11151456B1 (en) 2021-01-08 2021-10-19 Omniscient Neurotechnology Pty Limited Predicting brain data using machine learning models
US11152123B1 (en) 2021-01-08 2021-10-19 Omniscient Neurotechnology Pty Limited Processing brain data using autoencoder neural networks
CN113255721B (zh) * 2021-04-13 2024-03-22 浙江工业大学 一种基于机器学习的瘤周面听神经识别方法
CN113096142B (zh) * 2021-04-30 2022-12-30 北京理工大学 基于联合嵌入空间的白质神经束自动分割方法
CN113379249B (zh) * 2021-06-11 2022-10-28 浙江工业大学 一种基于图谱的纤维束成像评价方法
US11666266B2 (en) 2021-10-05 2023-06-06 Omniscient Neurotechnology Pty Limited Source localization of EEG signals
US11874360B2 (en) * 2022-03-18 2024-01-16 Stephan Maier Method and magnetic resonance apparatus for quantitative, highly reproducible tissue differentiation
GB202205480D0 (en) 2022-04-13 2022-05-25 Ucl Business Ltd Method for imaging brain fibre tracts
CN115005802B (zh) * 2022-07-21 2023-04-28 首都医科大学宣武医院 脑网络疾病发作起始部位定位方法、***及装置

Family Cites Families (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5853364A (en) 1995-08-07 1998-12-29 Nellcor Puritan Bennett, Inc. Method and apparatus for estimating physiological parameters using model-based adaptive filtering
ATE271829T1 (de) 1996-11-29 2004-08-15 Imaging Diagnostic Systems Inc Verfahren zur abbildung eines körpers mittels abtastung durch eine laser-bilderzeugungs- vorrichtung
US6468265B1 (en) 1998-11-20 2002-10-22 Intuitive Surgical, Inc. Performing cardiac surgery without cardioplegia
DE10029592A1 (de) 2000-06-15 2001-12-20 Philips Corp Intellectual Pty MR-Bildgebungsverfahren mit Bewegungskompensation
US7022077B2 (en) 2000-11-28 2006-04-04 Allez Physionix Ltd. Systems and methods for making noninvasive assessments of cardiac tissue and parameters
US7392199B2 (en) * 2001-05-01 2008-06-24 Quest Diagnostics Investments Incorporated Diagnosing inapparent diseases from common clinical tests using Bayesian analysis
US6771068B2 (en) * 2001-05-10 2004-08-03 General Hospital Corporation System and method for providing real-time motion correction by utilizing navigators
US7085430B2 (en) 2001-11-23 2006-08-01 Imaging Dynamics Company Ltd. Correcting geometric distortion in a digitally captured image
US7324842B2 (en) * 2002-01-22 2008-01-29 Cortechs Labs, Inc. Atlas and methods for segmentation and alignment of anatomical data
US6642716B1 (en) 2002-05-15 2003-11-04 Koninklijke Philips Electronics, N.V. Diffusion tensor magnetic resonance imaging including fiber rendering using hyperstreamlines
JP4248822B2 (ja) 2002-08-29 2009-04-02 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 線維描出方法および線維描出装置
DE60317716T2 (de) 2002-11-18 2008-10-30 Koninklijke Philips Electronics N.V. Verfahren und gerät der kernspintomographie
US6969991B2 (en) 2002-12-11 2005-11-29 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Correction of the effect of spatial gradient field distortions in diffusion-weighted imaging
JP2006524088A (ja) 2003-04-24 2006-10-26 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 繊維トラッキング磁気共鳴イメージング方法
US6952097B2 (en) * 2003-10-22 2005-10-04 Siemens Aktiengesellschaft Method for slice position planning of tomographic measurements, using statistical images
US20070081706A1 (en) 2005-09-28 2007-04-12 Xiang Zhou Systems and methods for computer aided diagnosis and decision support in whole-body imaging
US7358732B2 (en) * 2005-10-24 2008-04-15 The General Hospital Corporation System, method, software arrangement and computer-accessible medium for providing real-time motion correction by utilizing clover leaf navigators
US7724930B2 (en) 2005-11-03 2010-05-25 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. Systems and methods for automatic change quantification for medical decision support
JP2007275312A (ja) 2006-04-06 2007-10-25 Terarikon Inc 解析プロトコルに基づいた前処理装置を備える三次元画像表示装置
US8191359B2 (en) * 2006-04-13 2012-06-05 The Regents Of The University Of California Motion estimation using hidden markov model processing in MRI and other applications
GB2451416B (en) 2006-09-07 2010-05-19 Siemens Molecular Imaging Ltd ROI-based assessment of abnormality using transformation invariant features
WO2008054947A2 (en) 2006-10-02 2008-05-08 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Structure of acid beta-glucosidase and methods for identifying therapeutic agents
US8170305B2 (en) * 2006-10-19 2012-05-01 Brown University Quantitative tract-of-interest metrics for white matter integrity based on diffusion tensor MRI data
US8160319B2 (en) * 2007-05-18 2012-04-17 The Regents Of The University Of California Reducing distortion in magnetic resonance images
US8126291B2 (en) 2007-07-16 2012-02-28 Ecole Centrale De Paris System and method for dense image registration using Markov Random Fields and efficient linear programming
WO2009065079A2 (en) 2007-11-14 2009-05-22 The Regents Of The University Of California Longitudinal registration of anatomy in magnetic resonance imaging
US8750375B2 (en) 2010-06-19 2014-06-10 International Business Machines Corporation Echocardiogram view classification using edge filtered scale-invariant motion features

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101771513B1 (ko) 2016-06-15 2017-08-28 서울대학교 산학협력단 자기공명영상장치에서 r2*에서 신경수초의 양 및 신경다발 방향성이 미치는 영향을 제거하는 방법
US11557070B2 (en) 2019-06-03 2023-01-17 University of Pittsburgh—of the Commonwealth System of Higher Education System, method, and computer program product for generating pruned tractograms of neural fiber bundles

Also Published As

Publication number Publication date
EP2141506A3 (en) 2011-02-23
US9568580B2 (en) 2017-02-14
EP2141506B1 (en) 2019-04-03
US20100004527A1 (en) 2010-01-07
JP2010057899A (ja) 2010-03-18
EP2141506A2 (en) 2010-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5475347B2 (ja) 磁気共鳴イメージング(mri)を用いる白質線維トラクトの特定
US10088544B2 (en) Tractography framework with magnetic resonance imaging for brain connectivity analysis
Hagler Jr et al. Automated white‐matter tractography using a probabilistic diffusion tensor atlas: Application to temporal lobe epilepsy
US9213074B2 (en) Stem and method for acquiring MRI data from bone and soft tissues
Fogtmann et al. A unified approach to diffusion direction sensitive slice registration and 3-D DTI reconstruction from moving fetal brain anatomy
Zelaya et al. An evaluation of the time dependence of the anisotropy of the water diffusion tensor in acute human ischemia
Xu et al. Improved in vivo diffusion tensor imaging of human cervical spinal cord
US20170127972A1 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method
EP2145200B1 (en) Diffusion tensor imaging of moving objects
KR101652387B1 (ko) 영상 데이터를 생성하는 방법
US20110210734A1 (en) System and method for mr image scan and analysis
US8781552B2 (en) Localization of aorta and left atrium from magnetic resonance imaging
WO2009065079A2 (en) Longitudinal registration of anatomy in magnetic resonance imaging
JP6549612B2 (ja) 改善された多相動的造影磁気共鳴撮像方法
US9402562B2 (en) Systems and methods for improved tractographic processing
US11835612B2 (en) System and method for motion correction of magnetic resonance image
Reiter et al. On the way to routine cardiac MRI at 7 Tesla-a pilot study on consecutive 84 examinations
CN106102576B (zh) 动态医疗图像中运动的检测
Niaz et al. Development and evaluation of a high resolution 0.5 mm isotropic T1-weighted template of the older adult brain
WO2014165647A1 (en) Sheet tractography using diffusion tensor mri
Zhang et al. A multisource adaptive magnetic resonance image fusion technique for versatile contrast magnetic resonance imaging
US20240090791A1 (en) Anatomy Masking for MRI
US20240197262A1 (en) Methods and Systems for Intramyocardial Tissue Displacement and Motion Measurement
Gabriel Automatic selection of multiple response functions for generalized Richardson-Lucy spherical deconvolution of diffusion MRI data
da Costa Automatic Selection of Multiple Response Functions for Generalized Richardson-Lucy Spherical Deconvolution of Diffusion MRI Data

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20100511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100511

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5475347

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250