JP5472792B2 - 合成樹脂製壜体 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂製壜体、特には、高い形状保形性を持つ胴部を有し、内部が減圧状態になった際に、この減圧を底部の底面壁の陥没状の変形により吸収するようにした合成樹脂製壜体に関する。
従来より、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと記す。)樹脂製の二軸延伸ブロー成形壜体、所謂PETボトルは、優れた透明性、機械強度、耐熱性、ガスバリア性等を有し、各種飲料用の容器として広く利用されている。また従来より、殺菌を必要とするたとえば果汁飲料、お茶等の内容液のPETボトルへの充填方法として、所謂、高温充填と呼ばれる方法があり、90℃前後の温度で内容液を壜体に充填し、キャップをして密封後、冷却するものであり、壜体内がかなりの減圧状態となる。
このため、上記のような高温充填を伴う用途については、たとえば特許文献1中にあるように胴部に意図的に減圧により陥没状の変形が容易な領域である、所謂、減圧吸収パネルを形成して、減圧時にこの減圧吸収パネルを陥没状に変形させることにより、良好な外観を保持すると共に、減圧吸収パネル以外の部分で壜体としての剛性を確保できるようにし、壜体の搬送ライン、積重保管、自動販売機内等におけるトラブルがないようにすると云う、所謂、減圧吸収機能を発揮するようにしている。
一方、壜体の外観に係るデザイン的な要請により胴部に減圧吸収パネルを形成するのを避ける必要がある場合、あるいは、減圧吸収パネルそのものが撓み変形し易い部分であるので、胴部壁の面剛性を高くして胴部に高い保形性を付与する必要のある、自動販売機で販売する等の用途では、たとえば特許文献2にあるように胴部に減圧吸収パネルを形成することなく、底部の底面壁の陥没状の変形により、減圧吸収機能を発揮するようにした合成樹脂製壜体を使用する。
特に、350mlや280ml等の小型の壜体では、胴部に減圧吸収パネルを形成するにしてもその面積が限定されるので、胴部の剛性や座屈強度と減圧吸収機能を十分に両立させることは困難であり、上記のように底部の底面壁の変形により減圧吸収機能を発揮させる必要がある。
ここで、図10に示す壜体101は、底部105の底面壁の陥没状の変形により、減圧吸収機能を発揮するようにした合成樹脂製壜体の一例であり、(a)は正面図、(b)は底面図である。
この壜体101では、胴部104の壁厚を厚くすると共に、周溝リブ107により胴部104の面剛性や座屈強度を大きくし、内部が減圧になった際には、胴部104の形状は保持しながら、底部105の陥没凹部115のさらなる陥没状の変形(図10(a)中の矢印方向への変形)により、減圧吸収機能を発揮するようにしている。
特開平08−048322号公報 特開2007−269392号公報
しかしながら、図10に示したようなタイプの壜体101においても、省資源やコスト削減のために、壜体の薄肉化が求められており、薄肉化が進展すると、減圧時における陥没凹部115のさらなる陥没状の変形の進行に伴い、
この陥没部115における陥没変形が全周に亘って均一に進行することなく、図10(b)の底面図に示されるように、径方向や周方向にいくつもの折れ目Vを形成しながら、凹凸状に不均一に進行し、底部105の周縁部に配設され接地部としての機能を発揮する周縁部112にまで折れ目Vが進行して、外観を損ない、さらには壜体101の自立性を損なう結果となってしまうと云う問題がある。
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、底面壁の陥没状の変形により減圧吸収機能を発揮するようにした壜体において、減圧吸収機能を十分発揮させると共に、自立性が十分確保され、さらに折れ目の発生が効果的に抑制された底面壁構造を創出することを課題とする。
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の主たる構成は、
2軸延伸ブロー成形された合成樹脂製壜体において、
底部の底面の、周縁部の内側には、底面壁を周縁部より下方に突出させて形成した接地部としての機能を発揮する突条を配設し、
中央部にはこの突条の内側を基端として底面壁を上方、内部方向に陥没させて、平断面形状が中央部近傍の円形から基端部の正三角形状まで変化する形状の陥没凹部を配設し、
内部の減圧状態の進行に伴い、突条から陥没凹部にかけての底面壁の陥没状の上方変位により減圧吸収機能が発揮されると共に、
突条の替わりに周縁部が接地部としての機能を発揮する構成とする、
と云うものである。
上記構成の壜体の従来にない特徴は、底部の底面において周縁部と中央部に配設される陥没凹部の間に突条を配設した点、この突条を周縁部より下方に突出させて形成した点にある。
そして、壜体内が減圧状態となった際には、この突条から陥没凹部にかけての底面壁部分(以下、陥没変形部と記す場合がある。)の壜体内への陥没状の上方変位により減圧吸収機能が発揮される。
ここで、陥没変形部が減圧により上方変位する前は、突条が接地部としての機能を発揮する構成としているが、減圧状態となり陥没変形部が減圧により上方変位し、突条の突出した先端部が周縁部よりも上方に変位した状態では、周縁部が接地部としての機能を発揮する。
このように、接地部の機能を突条と周縁部で分担させることにより、減圧時に、壜体の自立性を損なうことなく突条を十分に上方変位可能な構成とすることができる。
そして、突条は底面壁を屈曲状に下方に突出させて形成されるものであり、減圧時にはこの屈曲した底面壁を伸展するようにして、陥没変形部を陥没状に大きく変形させながら上方変位させることができ、上記した突条を十分に上方変位できる構成と相俟って、減圧吸収機能を余裕をもって十分に発揮させることが可能となり、陥没変形部における折れ目の発生を抑制し、周突条のリブ的な作用も相俟って、周縁部での折れ目の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の他の構成は上記主たる構成において、底部の底面の周縁部を平坦状に形成する、と云うものであり、減圧状態となり陥没変形部が減圧により上方変位し、突条の突出した先端部が周縁部よりも上方に変位した状態において、周縁部の接地部としての機能を安定して発揮させることができる。
なお、上記構成において周縁部を平坦状に形成すると云う構成は、周縁部が壜体の中心軸方向に対して垂直面状、すなわち壜体が起立姿勢の際に水平面状であることを示す。
本発明のさらに他の構成は上記主たる構成において、底部の底面の周縁部を環状平坦部とする、と云うものであり、減圧状態となり陥没変形部が減圧により上方変位し、突条の突出した先端部が周縁部よりも上方に変位した状態において、周縁部の接地部としての機能をより安定して発揮させることができる。
ここで、環状平坦部は円環状だけではなく多角形環状等とすることもできる。
なお、上記構成において環状平坦部は壜体の中心軸方向に対して垂直面状、すなわち壜体が起立姿勢の際に水平面状であるものとする。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、周縁部を、壜体の中心軸方向に向けて斜め上方に傾斜する傾斜面状とする、と云うものである。
上記構成の壜体は、高温充填工程において、高温の内容液を充填しキャップにより密閉した直後、壜体を形成する合成樹脂が軟化することと、壜体内が加圧状態になることが相俟って、壜体の底壁が下方に向けて膨出状に変形すると云う問題、所謂、底落ち現象を効果的に抑制することを考慮したものである。
そして、上記構成により周縁部を、壜体の中心軸方向に向けて斜め上方に傾斜する傾斜面状とすることにより、上記底落ち現象を効果的に抑制することができ、その後、壜体内が減圧状態になった際には陥没変形部を陥没状に均一に上方変位させて、減圧吸収機能をスムーズに発揮させると共に、周縁部による自立性を十分確保することができる。
本発明のさらに他の構成は、上記構成において、周縁部の幅を2〜4mmの範囲とし、また周縁部の下端と内周縁の高低差を0.2〜0.8mmの範囲とする、と云うものである。
内側部分を水平状にすると底落ちが大きくなり易く、より高温で内容液を充填する用途の場合、あるいは壜体の薄肉化をより進展させた場合等において、底落ちがある程度まで大きくなると、壜体内が減圧状態となった際に、陥没変形部の陥没状の上方変位が不均一に偏って発生するようになり、その結果減圧吸収機能が十分発揮されず、さらには周縁部で局部的な変形が発生し、壜体の自立性が損なわれるという恐れがある。
一方で、周縁部の傾斜を大きくしすぎると、底落ちを十分抑制することができるが、陥没変形部の陥没状の上方変位がし難くなり、減圧吸収機能が十分に発揮されなくなる。
ここで、周縁部の幅は、減圧時における陥没変形部の陥没状の上方変位後の接地部としての機能を考慮して2〜4mmの範囲とすることが好ましく、そして周縁部の幅を2〜4mmの範囲とするなかで、周縁部の傾斜の程度をその下端と内周縁の高低差で定義し、この高低差を0.2〜0.8mmの範囲とすることにより、底落ちを効果的に抑制しながら減圧吸収機能を十分に発揮させることができる。
本発明のさらに他の構成は、突条を周突条とする、と云うものであり、
突条を周突条とすることにより、より安定して接地部としての機能を発揮させることができる。
ここで、突条の形状は上記のような周突条に限定されることはなく、多数の突条を周状に並べる構成とすることもできる。また、突条は円周状の他にも多角形周状に配設する構成とすることもできる。
本発明のさらに他の構成は、突条の内側に縮径状に形成された段部を介して陥没凹部を配設する構成とする、と云うものである。
上記構成により、段部の周リブ的な作用により、減圧時における陥没変形部の上方変位をよりスムーズに進行させることができ、当該変位部分における折れ目の発生をより効果的に抑制することができる。
本発明のさらに他の構成は、突条の断面形状を台形状若しくはU字状とする、と云うものであり、当該構成により台形状若しくはU字状の断面形状を伸展するようにして陥没変形部の上方変位をよりスムーズに進行させることができる。
また、台形状若しくはU字状断面の突出する先端平坦部を利用して接地機能を十分発揮させることができる。
ここで、突条の断面形状を台形状若しくはU字状とした場合、突条の幅、突出高さ等の形状は壜体の大きさや肉厚、壜体の自立性等を考慮すると共に、底面壁の変形のし易さ等の変形態様に係る計算や試験結果を踏まえながら適宜設定することができる。
本発明のさらに他の構成は、陥没凹部を、その平断面形状が中央部近傍の円形から基端部の正三角形状まで変化する形状とする、と云うものである。
上記構成により、減圧時における陥没変形部での折れ目の形成を平断面形状で、正三角形の頂点が位置する方向に分散すると共に特定することができ、環状平坦部における折れ目の形成をより効果的に抑制することができる。
また、陥没状の変形態様を制御できるので、より安定して、一定の減圧吸収機能を発揮させることができる。
本発明のさらに他の構成は、周縁部の内周縁と突条の外周縁の境界部分に、底面壁を上方、内部方向に段差状に陥没させて形成した溝状凹部を配設する、と云うものである。
上記構成により、溝状凹部を起点として減圧状態における陥没変形部の陥没状の上方変位をスムーズに進展させることができると共に、周縁部における歪な変形を抑制して周縁部の接地部としての機能を安定して発揮させることができる。
本発明のさらに他の構成は、円筒状の胴部に複数の周溝リブを形成した丸形壜体とする、と云うものである。
上記構成により、円筒状の胴部に複数の周溝リブを形成することにより、胴部の面剛性を大きくして高い保形性を付与すると共に、減圧時には胴部に減圧吸収パネルを形成することなく、底部により減圧吸収機能を発揮させることができる丸形壜体を提供することができる。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成を有する壜体にあっては、接地部の機能を突条と環状平坦部で分担させることにより、減圧時に、壜体の自立性を損なうことなく突条を十分に上方変位可能な構成とすることができる。
そして、突条は底面壁を屈曲状に下方に突出させて形成されるものであり、減圧時にはこの屈曲した底面壁を伸展するようにして、陥没変形部を陥没状に大きく変形させながら上方変位させることができ、上記した突条を十分に上方変位できる構成と相俟って減圧吸収機能を十分に発揮させることができ、これにより陥没変形部における折れ目の発生を抑制できると共に、突条のリブ的な作用も相俟って、周縁部での折れ目の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の壜体の第1実施例を示す正面図である。 図1の壜体の底面図である。 図1の壜体の底部近傍を拡大し、図2中のA−A線に沿って示す縦断面図である。 減圧吸収容量測定試験の結果を示すグラフである。 減圧吸収容量測定試験の他の結果を示すグラフである。 本発明の壜体の第6実施例を示す正面図である。 図6の壜体の底面図である。 (a)は図6の壜体の図7中のB−B線に沿って示す底部の周縁部と突条の近傍の縦断面図であり、(b)は比較のために示す第5実施例の壜体について(a)と同様に示す縦断面図である。 底部の形状の他の例を示す底面図である。 従来例の壜体を示す(a)は正面図、(b)は底面図である。
以下、本発明の実施の形態を実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1〜3は、本発明による合成樹脂製壜体の第1実施例を示すもので、図1は正面図、図2は底面図、また図3は底部5近傍を拡大し、図2中のA−A線に沿って示す縦断面図である。
この壜体1は口筒部2、肩部3、円筒状の胴部4、底部5を有し、容量が280mlのPET樹脂製の2軸延伸ブロー成形品である。
胴部4には面剛性と座屈強度を高くする手段の一つとして3ケの周溝リブ7を形成し、胴部4を高い形状保形性を有するものとしている。勿論、面剛性と座屈強度を高くするための手段は周溝リブ7に限定されるものではない。
そして、この胴部4の下端には湾曲筒状に成形されたヒール壁部11を介して底部5が連設されているが、この底部5の底面の周縁部12は環状平坦部12aとしている。
また、周縁部12の内側には、底面壁を環状平坦部12aより下方に突出させて形成した接地部としての機能を発揮する突条13として周突条13aが周設されており、中央部には周突条13aの内側を基端とし、縮径状に形成された段部15sを介して底面壁を上方、内部方向に陥没させて形成した陥没凹部15を配設するようにしている。
また、周縁部12の内周縁と突条13の外周縁の境界部分には底面壁を上方、内部方向に段差状に陥没させて形成した溝状凹部17を配設している。
周突条13aは、一対の側壁13sと平坦状の先端平坦部13tから形成されており、その断面形状は台形状(U字状とすることもできる。)であり、本実施例では環状平坦部12aからの突出高さHを2mm、先端平坦部13tの幅Wを6mmとしている。
また、陥没凹部15の形状は、その平断面形状が中央部近傍の円形から基端部の正三角形状まで緩やかに変化する形状としている。
ここで、上記のように突条13を接地部とする場合には、周縁部12を接地部とする場合に比較して自立性の低下が懸念されるが、突条13の配設位置を考慮してその突出高さを所定の範囲内とすることにより、たとえ壜体が転倒しかけた際にも、周縁部12である環状平坦部12aが被接地面に当たって支えとすることができ、その転角度を低下させることなく、壜体の自立性を保持することができる。
上記のような構成により本実施例の壜体1では、高温充填工程後の冷却により壜体1内が減圧状態となった際、周溝リブ7の作用効果も相俟って、胴部4の円筒状の形状は保持された状態で、
図3中の2点鎖線で概略的に示したように、主に断面形状が台形状の形状をした周突条13aが伸展するように変形し、周突条13aから陥没凹部15にかけての陥没変形部16が陥没状に、上方変位し(図3中の白抜き矢印の方向参照)、減圧吸収機能が発揮される。
そして、上記したように減圧により陥没変形部16が陥没状に上方変位した状態では、周突条13aの替わりに環状平坦部12aが接地部としての機能を発揮するので、減圧状態でも壜体1の自立性は保持される。
ここで、周縁部12の内周縁と突条13の外周縁の境界部分に溝状凹部17を配設することにより、この溝状凹部17を起点として減圧状態における陥没変形部16の陥没状の上方変位をスムーズに進展させることができると共に、周縁部12における歪な変形を抑制して周縁部12の接地部としての機能をより安定して発揮させることができる。
次に、本発明の壜体の作用効果を確認するため、上記実施例の先端平坦部13tの幅Wを6mm、突出高さHを2mmとした壜体と、
周突条13aの先端平坦部13tの幅Wを6mmとして突出高さHを1mm、0mmとした壜体と、そして突出高さHを2mmとして先端平坦部13tの幅Wを5mm、7mm、8mmとした壜体、計6種の壜体を用意し、減圧吸収機能に係る減圧吸収容量測定試験を実施した。
(1)用意した6種の壜体
・第1実施例の壜体;幅Wを6mm 突出高さH2mm(上記説明した実施例の壜体)
・第2実施例の壜体;幅Wを6mm 突出高さH1mm
・第3実施例の壜体;幅Wを5mm 突出高さH2mm
・第4実施例の壜体;幅Wを7mm 突出高さH2mm
・第5実施例の壜体;幅Wを8mm 突出高さH2mm
・比較例の壜体;幅Wを6mm 突出高さH0mm(すなわち底部5の底面に突条13を配設していない従来の壜体に相当する。)
(2)減圧吸収容量測定試験
測定する壜体に水を満量充填し、その口筒部にゴム栓付ビューレットを装着し、真空ポンプを作動させ、マノメータで0.4kPa/秒のスピードで減圧し、壜体が局部的な陥没変形や座屈変形等の不正変形した時のビューレットの値を読んで、テスト前後のビューレットの値差から減圧吸収容量を算出する。
図4は、先端平坦部13tの幅Wを一定値6mmとし、突出高さHをそれぞれ2mm、1mm、0mmとした第1実施例、第2実施例および比較例の壜体の減圧吸収容量測定試験の試験結果を、横軸を減圧強度(kPa)、縦軸を吸収容量(ml)にしてグラフとしたものである。
図中、第1実施例の壜体の結果をT1の線、第2実施例の壜体の結果をT2の線、比較例の壜体の結果をT6の線でそれぞれ示している。
上記3種の壜体とも、不正変形の態様は、環状平坦部12aの図2中矢印Vで示した3つの角度位置(すなわち正三角形の頂点が位置する中心角度位置に相当)のどれか一箇所において、底面壁がV状に径方向に折れ曲がると云うものであった。
そして、不正変形した点、図中、S1、S2、S6で示した点における減圧吸収容量は次のようであり、本発明の壜体、特に周突条13aの配設による作用効果を確認することができた。
・第1実施例の壜体;22.4ml
・第2実施例の壜体;18.4ml
・比較例の壜体;14.2ml
図5は、突出高さHを一定値2mmとし、先端平坦部13tの幅Wをそれぞれ6mm、5mm、7mm、8mmとした第1実施例、第3実施例、第4実施例、第5実施例の壜体の減圧吸収容量測定試験の試験結果を、図と同様にグラフとしたものである。
図中、第1実施例の壜体の結果をT1の線、第3実施例の壜体の結果をT3の線、第4実施例の壜体の結果をT4の線、そして第5実施例の壜体の結果をT5の線でそれぞれ示している。
図4に示した3種の壜体と同様に、図5に示した種の壜体とも不正変形の態様は、環状平坦部12aの図2中矢印Vで示した3つの角度位置(すなわち正三角形の頂点が位置する中心角度位置に相当)のどれか一箇所において、底面壁がV状に径方向に折れ曲がると云うものであった。
そして、不正変形した点、図中S1、S3S4、S5おける減圧吸収容量は次のようであった。
・第1実施例の壜体;22.4ml
・第3実施例の壜体;20.3ml
・第4実施例の壜体;24.7ml
・第5実施例の壜体;26.2ml
上記図5の試験結果から、減圧強度が高い領域(図5では20kPa以上の領域)では、先端平坦部13tの幅Wを5から8mmと広くするに従って、同一減圧強度における吸収容量が大きく、すなわち陥没変形部16の陥没状の上方変位がし易くなり、不正変形した点における減圧吸収容量も大きく、より大きな減圧吸収機能が発揮されていることが判る。
ここで、幅Wは、大きくしすぎると環状平坦部12a、段部15s、陥没凹部15等の形状にも影響を及ぼすことがあるが、壜体の大きさや、周突条13aの突出高さHとの比等を考慮し、変形態様に係る計算や試験結果等を踏まえながら適宜設定することができる。
次に、図6〜図8は、本発明の第6実施例の壜体を示し、図6は正面図、図7は底面図である。この壜体1の全体的な形状は、図1、2に示される壜体と略同様であり、突条13の形状は、突出高さHが2mm、幅Wが8mmと、前述した第5実施例の壜体と同じである。
図8(a)は第6実施例の壜体の、また(b)は前述した第5実施例の壜体の周縁部12と突条13近傍の要部拡大縦断面である。
底部5の形状は、両壜体ともヒール壁部11から周縁部12を介して突条13が連設されており、また、周縁部12の内周縁と突条13の外周縁の境界部分には底面壁を上方、内部方向に段差状に陥没させて形成した溝状凹部17が配設されている。
両壜体とも周縁部12の幅Wpは3mmとしているが、第5実施例の壜体ではこの周縁部12が水平状で環状平坦部12aとしているのに比較して、
第6実施例の壜体では図8(a)に見られるように、周縁部12を、壜体の中心軸方向に向けて斜め上方に傾斜する傾斜面状としているのが特徴である。
そしてこの傾斜面の傾斜の程度を、周縁部12の下端12bと内周縁の高低差h(図8(a)参照)で表わすと、その高低差hを0.5mmとしている。
ここで、高温充填工程において、高温の内容液を充填しキャップにより密閉した直後、壜体を形成する合成樹脂が軟化することと、壜体内が加圧状態になることが相俟って、壜体の底壁が下方に向けて(図8(a)中の白抜き矢印の方向)膨出状に変形する、所謂、底落ち現象が発生する。
この底落ち現象は、内容液の充填温度が高くなるほど、また壜体の壁厚の薄肉化をより進展するほど大きくなり、ある程度まで大きくなると、壜体内が減圧状態となった際に、陥没変形部16の陥没状の上方変位が不均一に偏って発生するようになり、その結果減圧吸収機が十分発揮されず、さらには周縁部で局部的な変形が発生し、壜体の自立性が損なわれるという恐れがある。
実施例6の壜体は上記のような、内容液の充填温度のさらなる高温化、壜体の壁厚のさらなる薄肉化に対応するためのものであり、周縁部12を図8(a)に見られるように傾斜状にすることにより、上記の底落ち現象を効果的に抑制するようにしたものである。
なお、周縁部12の傾斜を大きくしすぎると、底落ちは十分抑制することができるが、一方、減圧時に陥没変形部16の陥没状の上方変位がし難くなり、減圧吸収機能が十分に発揮されなくなる。
従って、周縁部12の幅Wpは、減圧時における陥没変形部16の陥没状の上方変位後の接地部としての機能を考慮して2〜4mm(第6実施例の壜体では3mmとしている。)の範囲とし、高低差hを0.2〜0.8mm(第6実施例の壜体では0.5mmとしている。)の範囲とすることにより、底落ちを効果的に抑制しながら減圧吸収機能を十分に発揮させることができる。
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。ここで図9は、底部の形状の3つの他の例(a)、(b)、(c)を示す底面図である。
上記実施例では陥没凹部15の平断面形状を正三角形状に異方性のある形状としたが勿論、図9(a)に示したようにその平断面形状を円形状とすることもできるし、また図9(b)に示されるように段部15sの部分を多角形状とすることもできる。
また、突条13の幅、突出高さ等の形状は壜体の大きさや肉厚、壜体の自立性等を考慮すると共に、底面壁の変形のし易さ等の変形態様に係る計算や試験結果を踏まえながら適宜設定することができる。また、突条13は上記実施例のように周突条13aとすることに限定されるものではなく、図9(c)に示されるように、多数の(図9(c)の例では8ケ)の突条13を欠部13Kを挟んで周状に配設する構成とすることもできる。
また、溝状凹部17の配設は必要に応じて配設することができ、その幅、溝深さ等の形状は適宜決めることができるものである。
また、周縁部12を水平平坦状にするか、傾斜面にするか、傾斜の程度をどの程度にするかは、内容液の充填温度、薄肉化の程度等を考慮して適宜決めることができるものである。
本発明の合成樹脂製壜体は、底部の底面壁の変形により減圧吸収機能を十分発揮させると共に、減圧時にも自立性が十分発揮され、さらに折れ目の発生が効果的に抑制されたものであり、高温充填を必要とするボトル分野等におけるさらなる用途展開を期待することができる。
1 ;壜体
2 ;口筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
5 ;底部
7 ;周溝リブ
11;ヒール壁部
12;周縁部
12a;環状平坦部
13;突条
13K;欠部
13a;周突条
13t;先端平坦部
13s;側部
15;陥没凹部
15s;段部
16;陥没変形部
17;溝状凹部
101;壜体
104;胴部
107;周溝リブ
112;周縁部
115;陥没凹部
V ;折れ目
H :突出高さ
W ;(突条の)幅
Wp;(周縁部の)幅

Claims (10)

  1. 2軸延伸ブロー成形された合成樹脂製壜体であって、底部(5)の底面の、周縁部(12)の内側には、底面壁を前記周縁部(12)より下方に突出させて形成した接地部としての機能を発揮する突条(13)を配設し、中央部には前記突条(13)の内側を基端として底面壁を上方、内部方向に陥没させて、平断面形状が中央部近傍の円形から基端部の正三角形状まで変化する形状の陥没凹部(15)を配設し、内部の減圧状態の進行に伴い、前記突条(13)から陥没凹部(15)にかけての底面壁の陥没状の上方変位により減圧吸収機能が発揮されると共に、前記突条(13)の替わりに周縁部(12)が接地部としての機能を発揮する構成とした合成樹脂製壜体。
  2. 底部(5)の底面の周縁部(12)を平坦状に形成した請求項1記載の合成樹脂製壜体。
  3. 底部(5)の底面の周縁部(12)を環状平坦部(12a)とした請求項1または2記載の合成樹脂製壜体。
  4. 周縁部(12)を壜体の中心軸方向に向けて斜め上方に傾斜する傾斜面状とした請求項1記載の合成樹脂製壜体。
  5. 周縁部(12)の幅(Wp)を2〜4mmの範囲とし、該周縁部(12)の下端と内周縁の高低差(h)を0.2〜0.8mmの範囲とした請求項4記載の合成樹脂製壜体。
  6. 突条(13)を周突条(13a)とした請求項1、2、3、4または5記載の合成樹脂製壜体。
  7. 突条(13)の内側に縮径状に形成された段部(15s)を介して陥没凹部(15)を配設する構成とした請求項1、2、3、4、5または6記載の合成樹脂製壜体。
  8. 突条(13)の断面形状を台形状若しくはU字状とした請求項1、2、3、4、5、6または7記載の合成樹脂製壜体。
  9. 周縁部(12)の内周縁と突条(13)の外周縁の境界部分に、底面壁を上方、内部方向に段差状に陥没させて形成した溝状凹部(17)を配設した請求項1、2、3、4、5、6、または記載の合成樹脂製壜体。
  10. 円筒状の胴部(4)に複数の周溝リブ(7)を形成した丸形壜体とした請求項1、2、3、4、5、6、7、8または記載の合成樹脂製壜体。
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