以下、本発明を画像形成装置としてのタンデム型のカラー複写機(以下、単に複写機という)に適用した実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。この複写機は、プリンタ部100と、給紙部200と、プリンタ部100の上に取り付けられたスキャナ部300と、スキャナ部300の上に取り付けられた原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
プリンタ部100は、像担持体としての無端ベルト状の中間転写ベルト21を備えている。中間転写ベルト21は、側方からの眺めが逆三角形状の形状になる姿勢で、駆動ローラ22、従動ローラ23及び2次転写対向ローラ24に掛け回されており、駆動ローラ22の回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。中間転写ベルト21の上方には、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(黒)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット1C,M,Y,Kが、ベルト移動方向に沿って並ぶように配設されている。
画像形成ユニット1C,M,Y,Kは、感光体2C,M,Y,Kと、現像ユニット3C,M,Y,Kと、感光体クリーニング装置4C,M,Y,Kとを有している。感光体2C,M,Y,Kは、それぞれ中間転写ベルト21に当接してC,M,Y,K用の1次転写ニップを形成しながら、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。なお、現像ユニット3C,M,Y,Kは、感光体2C,M,Y,Kに形成された静電潜像をC,M,Y,Kトナーによって現像するものである。また、感光体クリーニング装置4C,M,Y,Kは、1次転写ニップを通過した後の感光体2C,M,Y,Kに付着している転写残トナーをクリーニングするものである。本プリンタでは、ベルト移動方向に沿って並べられた4つの画像形成ユニット1C,M,Y,Kにより、タンデム画像形成部10が構成されている。
プリンタ部100内において、タンデム画像形成部10の上方には、光書込ユニット15が配設されている。この光書込ユニット15は、図中反時計回り方向に回転駆動される感光体2C,M,Y,Kの表面に対し、光走査による光書込処理を施して静電潜像を形成するものである。感光体2C,M,Y,Kの表面は、それぞれその光書込処理に先立って、画像形成ユニット1C,M,Y,Kの一様帯電手段によって一様帯電せしめられる。
中間転写ベルト21等を具備する転写ユニット20は、中間転写ベルト21のループ内側に、1次転写ローラ25C,M,Y,Kを有している。これら1次転写ローラ25C,M,Y,Kは、C,M,Y,K用の1次転写ニップの裏側で中間転写ベルト21を感光体2C,M,Y,Kに向けて押圧している。
中間転写ベルト21の下方には、2次転写ローラ30が配設されている。この2次転写ローラ30は、中間転写ベルト21における2次転写対向ローラ24に対する掛け回し箇所にベルトおもて面側から当接して2次転写ニップを形成している。この2次転写ニップには、記録シートが所定のタイミングで送り込まれる。そして、中間転写ベルト21上の4色重ね合わせトナー像がこの2次転写ニップで記録シートに一括2次転写される。
スキャナ部300は、コンタクトガラス301上に載置された原稿の画像情報を読取センサ302で読み取り、読み取った画像情報をプリンタ部100の制御部に送る。不図示の制御部は、スキャナ部300から受け取った画像情報に基づき、プリンタ部100の光書込ユニット15におけるレーザーダイオードやLED等の光源を制御して、C,M,Y,K用のレーザー書込光を出射して、感光体2C,M,Y,Kを光走査する。この光走査により、感光体2C,M,Y,Kの表面に静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経てC,M,Y,Kトナー像に現像される。
給紙部200は、ペーパーバンク201内に多段に配設された給紙カセット202、給紙カセット202から記録シートを送り出す給紙ローラ203、送り出された記録シートを分離して給紙路204に導く分離ローラ205、プリンタ部100の給紙路99に記録シートを搬送する搬送ローラ206等を備えている。
給紙については、給紙部200以外に、手差し給紙も可能となっており、手差しのための手差しトレイ98、手差しトレイ98上の記録シートを手差し給紙路97に向けて一枚ずつ分離する分離ローラ96も設けられている。プリンタ部100内において、手差し給紙路97は給紙路99に合流している。
給紙路99の末端付近には、レジストローラ対95が配設されている。レジストローラ対95は、給紙路99内を搬送されてくる記録シートをローラ間に挟み込んだ後、所定のタイミングで2次転写ニップに向けて送り込む。
実施形態に係る複写機において、カラー画像のコピーをとるときには、ADF400の原稿台401上に原稿をセットするか、又はADF400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス301上に原稿をセットしてADF400を閉じることで原稿を押さえる。そして、不図示のスタートスイッチを押す。すると、原稿がADF400にセットされている場合には、原稿がコンタクトガラス301上に搬送される。その後、スキャナ部300が駆動を開始し、第1走行体303及び第2走行体304が原稿面に沿った走行を開始する。そして、第1走行体303にて光源から発した光を原稿面で発射させるとともに、得られた反射光を折り返して第2走行体304に向ける。折り返し光は、第2走行体304のミラーで更に折り返された後、結像レンズ305を通して読取センサ302に入射される。これにより、原稿内容が読み取られる。
プリンタ部100は、スキャナ部300から画像情報を受け取ると、画像情報に応じたサイズの記録シートを給紙路99に給紙する。また、これに伴って、不図示の駆動モータで駆動ローラ22を回転駆動して中間転写ベルト21を図中時計回り方向に無端移動させる。同時に、画像形成ユニット1C,M,Y,Kの感光体2C,M,Y,Kの回転駆動を開始した後、感光体2C,M,Y,Kに対する一様帯電処理、光書込処理、現像処理などを行う。これらの処理によって感光体2C,M,Y,Kの表面上に形成されたC,M,Y,Kトナー像は、C,M,Y,K用の1次転写ニップで順次重ね合わせて中間転写ベルト21上に1次転写されて、4色重ね合わせトナー像になる。
給紙部200では、給紙ローラ203の1つが記録シートサイズに応じて選択的に回転され、3つの給紙カセット202のうちの1つから記録シートが送り出される。送り出された記録シートは、分離ローラ4205で1枚ずつ分離されてから給紙路206に導入された後、搬送ローラ206を経由してプリンタ部100内の給紙路99に送られる。また、手差しトレイ98を用いる場合には、トレイの給紙ローラが回転駆動して、トレイ上の記録シートを分離ローラ96で分離しながら手差し給紙路97に送り込まれて給紙路99の末端付近に至る。給紙路99の末端付近では、記録シートが先端をレジストローラ対95に突き当てて止まる。その後、中間転写ベルト21上の4色重ね合わせトナー像に同期し得るタイミングでレジストローラ対95が回転駆動すると、2次転写ニップ内に送り込まれてベルト上の4色重ね合わせトナー像に密着する。そして、ニップ圧や転写用電界などの影響によって記録シート上に一括2次転写される。
2次転写ニップで4色重ね合わせトナー像が2次転写された記録シートは、用紙搬送ベルト70によって定着装置71内に送り込まれる。そして、定着装置71で加圧ローラ72と定着ベルト73との間の定着ニップに挟み込まれると、加圧や加熱処理によって4色重ね合わせトナー像が表面に定着せしめられる。このようにしてカラー画像が形成された記録シートは、排出ローラ対74を経由して機外の排紙トレイ75上にスタックされる。なお、記録シートのもう一方の面にも画像が形成される場合には、記録シートは定着装置71から排出された後、切替爪76による進路切り換えによってシート反転装置75に送られる。そして、上下反転された後、再びレジストローラ対95に戻されてから、2次転写ニップ及び定着装置71を再経由する。
2次転写ニップを通過した後、4色のうちで1次転写工程が最も上流となるC用の1次転写ニップに進入する前の中間転写ベルト21表面には、ベルトクリーニング装置26が当接している。このベルトクリーニング装置26は、ベルト表面に付着している転写残トナーをクリーニングする。
図2は、実施形態に係る複写機のプリンタ部100における2次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大模式図である。同図において、中間転写ベルト21のループ内側で自らの周面にベルトを部分的に掛け回している2次転写対向ローラ24は、変形自在な中間転写ベルト21を自らの周面でバックアップして一定の曲率に沿った形状に維持する役割を担っている。中間転写ベルト21における2次転写対向ローラ24に対する掛け回し箇所には、2次転写ローラ30がベルトおもて面側から当接して2次転写ニップを形成している。
2次転写ローラ30は、図示しない軸受けを介して、ローラユニット保持体40に回転自在に保持されている。ローラユニット保持体40は、2次転写ローラ30の回転軸線と平行な姿勢をとるように配設された回動軸40aを中心にして回動可能に構成されている。ローラユニット保持体40が回動軸40aを中心にして図中反時計回り方向に回転すると、ローラユニット保持体40に保持されている2次転写ローラ30が中間転写ベルト21に押し当てられて2次転写ニップが形成される。また、ローラユニット保持体40が回動軸40aを中心にして図中時計回り方向に回転すると、ローラユニット保持体40に保持されている2次転写ローラ30が中間転写ベルト21から離間する。実施形態に係る複写機では、付勢コイルバネ45によってローラユニット保持体40における回動軸40aとは反対側の端部を中間転写ベルト21に向けて常に付勢している。付勢コイルバネ45により、ローラユニット保持体40に対して、回動軸40aを中心にして図中反時計回り方向に回転させる力を常に付与することで、2次転写ローラ30を中間転写ベルト21に向けて付勢している。
2次転写ローラ30は、図示しないローラ駆動モータの回転駆動力が図示しないギヤ等の駆動伝達手段を介して伝達されることで、図中反時計回り方向に回転駆動される。これらローラ駆動モータや駆動伝達手段も、ローラユニット保持体40に保持させて、2次転写ローラ30やローラユニット保持体40とともに回動させるようにしている。また、ローラユニット保持体40には、クリーニングブレード39、固形潤滑剤41、潤滑剤押し当て器43等も保持させている。
トナー像を担持する中間転写ベルト21のおもて面に接触している2次転写ローラ30の表面には、ベルト上のトナーが付着する。この付着トナーをそのままにしておくと、2次転写ニップで記録シートの裏面に転移させていわゆる裏汚れを発生させてしまう。そこで、本複写機では、クリーニングブレード39のエッジを2次転写ローラ30の表面に当接させることで、2次転写ローラ30の表面からトナーを機械的に除去している。このような構成では、クリーニングブレード39の当接により、2次転写ローラ30に対して回転を阻害する負荷をかけるので、2次転写ローラ30を中間転写ベルト21との連れ回りによって従動回転させることができない。このため、2次転写ローラ30を上述したローラ駆動モータによって回転駆動しているのである。
潤滑剤押し当て器43は、ステアリン酸亜鉛塊等からなる固形潤滑剤41を付勢コイルバネ42によって2次転写ローラ30に押し当てることで、潤滑剤粉末を2次転写ローラ30に塗布する。このように潤滑剤を塗布することで、クリーニングブレード39と2次転写ローラ30との当接による回転負荷上昇を抑えている。また、ブレードエッジの巻き込みの発生も抑えている。固形潤滑剤41を2次転写ローラ30に押し当てる代わりに、固形潤滑剤41から潤滑剤を掻き取りながら2次転写ローラ30に塗布する回転塗布ブラシを設けてもよい。
次に、実施形態に係る複写機の特徴的な構成について説明する。図3は、2次転写ニップの周囲構成を示す拡大断面図である。また、図4は、2次転写ニップの周囲構成を示す斜視図である。
これらの図において、2次転写ローラ30は、ローラ部31と、これの軸線方向の両端面からそれぞれ突出して回転軸線方向に延在する第1軸部材32及び第2軸部材33と、後述する第1空転コロ34及び第2空転コロ35とを有している。また、ローラ部31は、円筒状の中空芯金31aと、これの周面に固定された弾性材料からなる弾性層31bと、これの周面に固定された表面層31cとを具備している。
中空芯金31aを構成する金属としては、ステンレス、アルミニウムなどを例示することができるが、これらの材料に限定されるものではない。弾性層31bについては、JIS−A硬度で70[°]以下にすることが望ましい。しかし、ローラ部31には、クリーニングブレード39を当接させていることから、弾性層31bが柔らかすぎると様々な不具合を引き起こしてしまう。よって、弾性層31bについては、JIS−A硬度で40[°]以上にすることが望ましい。ある程度の導電性を発揮するエピクロルヒドリンゴムにより、JIS−A硬度で50[°]程度の弾性層31bを形成している。導電性を発揮するゴム材料として、前述した導電性のエピクロルヒドリンゴムの代わりに、カーボンを分散せしめたEPDMやSiゴム、イオン導電機能を有するNBR、ウレタンゴムなどを使用してもよい。ゴム材料の多くがトナーに対して良好な化学的親和性を発揮したり、比較的大きな摩擦係数を発揮したりすることから、ゴムからなる弾性層31bの表面には、表面層31cを被覆している。これにより、ローラ部31表面に対するトナー付着を抑えたり、ブレードとの摺擦負荷を低減したりしている。表面層31cの材料としては、低摩擦係数で且つ良好なトナー離型性を発揮するフッ素樹脂系樹脂にカーボンやイオン導電剤などの抵抗調整材を含有させたものが好適である。
2次転写ローラ30は、中間転写ベルト21と接触して回転する際に、ベルトと微小な線速差をもつことがある。この線速差によってベルトをスリップさせないように、表面層31cとしては、摩擦係数を0.3以下に調整している。中間転写ベルト21については、各色の画像を色ズレなく重ねて転写する狙いから、一定速度で駆動することが求められるため、2次転写ローラ30の表面層31cの表面摩擦抵抗を低くすることは重要である。
このような構成の2次転写ローラ30は、2次転写対向ローラ24に掛け回されている中間転写ベルト21に向けて付勢されている。中間転写ベルト21を掛け回している2次転写対向ローラ24は、円柱状の本体部であるローラ部24bと、ローラ部24bの回転中心箇所に対して回転軸線方向に貫通しつつ、ローラ部24bを自らの表面上で空転させる貫通軸部材24aとを有している。貫通軸部材24aは、金属からなり、その周面上でローラ部24bを自在に空転させる。本体部としてのローラ部24bは、ドラム状の中空芯金24cと、これの周面上に固定された弾性材料からなる弾性層24dと、中空芯金24cの軸線方向両端にそれぞれ圧入された玉軸受け24eとを具備している。玉軸受け24eが中空芯金24cを支えながら、中空芯金24cとともに貫通軸部材24a上で回転する。弾性層24dは、中空芯金24cの外周面に圧入されている。
貫通軸部材24aは、中間転写ベルト21を張架する転写ユニットの第1側板28に固定された第1軸受け52と、第2側板に固定された第2玉軸受け53とにより、回転自在に支持されている。但し、プリントジョブ時における殆どの時間は、回転駆動されずに停止している。そして、中間転写ベルト21の無端移動に伴って連れ回ろうとするローラ部24bを、自らの周面上で自在に空転させる。
中空芯金24cの周面上に固定された弾性層24dは、7.5[LogΩ]以上の抵抗を発揮するように、イオン導電剤の添加によって抵抗値が調整された導電性ゴム材料から構成されている。弾性層24dの電気抵抗を所定の範囲に調整しているのは、A5サイズなどといった、ローラ軸線方向のサイズが比較的小さな記録シートを使用する際に、2次転写ニップ内において、記録シートの介在なしにベルトとローラとが直接接触している箇所に転写電流を集中させてしまうのを防止する狙いからである。弾性層24dの電気抵抗を、記録シートの抵抗よりも大きな値にすることで、そのような転写電流の集中を抑えることが可能になる。
また、弾性層16cを構成する導電性ゴム材料としては、Asker−C硬度で40[°]程度の弾性を発揮するように、発泡ゴムを用いている。このような発泡ゴムで弾性層16cを構成することで、2次転写ニップ内で弾性層16cを厚み方向に柔軟に変形させて、シート搬送方向にある程度の広さを有する2次転写ニップを形成することができる。なお、本複写機では、既に述べたように、2次転写ローラ30にクリーニングブレード39を当接させる都合上、2次転写ローラ30のローラ部の材料として、弾性に富む材料を使用することが困難である。そこで、2次転写ローラ30の代わりに、2次転写対向ローラ24のローラ部24bを弾性変形させるようにしている。
2次転写対向ローラ24の貫通軸部材24aにおいて、長手方向の全領域のうち、ローラ部24bの中に位置していない両端部領域には、それぞれ2次転写ローラ30に突き当てるための突き当て部材としての偏心カムを、貫通軸部材24aと一体的に回転させるように固定している。具体的には、貫通軸部材24aの長手方向の一端部領域には、第1偏心カム50を固定している。第1偏心カム50には、偏心カム部50aと、真円形のコロ部50bとが軸線方向に並んで一体形成されている。コロ部50bに貫通させたネジ80を貫通軸部材24aに螺合させることで、第1偏心カム50を貫通軸部材24aに固定している。また、貫通軸部材24aの長手方向の他端部領域には、第1偏心カム50と同様の構成の第2偏心カム51を固定している。
貫通軸部材24aの軸線方向における第2偏心カム51よりも外側の領域には、駆動受入ギヤ54を固定している。また、この駆動受入ギヤ54の更に外側には、被検知円盤59を固定している。
一方、転写ユニットの第2側板29には、カム駆動モータ58を固定するとともに、入出力ギヤユニットを回転自在に固定している。この入出力ギヤユニットは、カム駆動モータ58のモータギヤ57に噛み合って駆動力を受け入れる入力ギヤ部55と、上述した、貫通軸部材24aに固定された駆動受入ギヤ54に対して噛み合って駆動力を伝達する出力ギヤ部56とが軸線方向に並んで一体形成されたものである。カム駆動モータ58を駆動することにより、貫通軸部材24aを回転させることが可能である。この際、貫通軸部材24aを回転させても、ローラ部24bについては貫通軸部材24a上で自在に空転させることが可能であるので、ベルトによるローラ部24bの連れ回りを阻害することはない。
貫通軸部材24aが所定の回転角度範囲で回転を停止させると、第1偏心カム50、第2偏心カム51がそれぞれ、そのカム部を2次転写ローラ30に突き当てて、2次転写ローラ30をローラユニット保持体の付勢コイルバネ(45)の付勢力に抗して押し返す。これにより、2次転写ローラ30を2次転写対向ローラ24(ひいては中間転写ベルト21)から遠ざける方向に移動させることで、2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ30との軸間距離を調整する。かかる構成では、第1偏心カム50、第2偏心カム51、カム駆動モータ58、各種ギヤ、上述したローラユニット保持体などにより、2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ30との軸間距離を調整する距離調整手段が構成されている。そして、回転可能な支持回転体としての2次転写対向ローラ24は、その円柱状のローラ部24bに対して貫通せしめた貫通軸部材24a上で、ローラ部24bを自在に空転させる。貫通軸部材24aが回転すれば、貫通軸部材24aの軸線方向の両端部にそれぞれ固定された偏心カム(50、51)が一体となって回転するので、貫通軸部材24aに駆動を伝達するための駆動伝達機構を軸線方向の一端側に設けるだけで、両端側の偏心カムをそれぞれ回転させることが可能である。よって、両端側にそれぞれ駆動伝達機構を設ける必要があった従来に比べて、距離調整手段のレイアウト自由度を向上させることができる。
本複写機では、2次転写ローラ30の中空芯金31aを接地している一方で、2次転写対向ローラ24の中空芯金24cに対してトナーと同極性の2次転写バイアスを印加する。これにより、2次転写ニップ内に、トナーを2次転写対向ローラ24側から2次転写ローラ30側に向けて静電移動させる2次転写電界を、両ローラ間に形成する。
2次転写対向ローラ30の金属製の貫通軸部材24aを回転自在に受けている第1軸受け52は、導電性のすべり軸受けからなる。この導電性の第1軸受け52には、2次転写バイアスを出力する高圧電源61が接続されている。高圧電源61から出力される2次転写バイアスは、導電性の第1軸受け52を介して2次転写対向ローラ30に導かれる。そして、2次転写対向ローラ30内では、金属製の貫通軸部材24aと、金属製の玉軸受け24eと、金属製の中空芯金24cと、導電性の弾性層24dとを順に伝わっていく。
貫通軸部材24aの一端に固定された被検知円盤59は、貫通軸部材24aの回転方向における所定の位置において軸線方向に立ち上がる被検部59aを有している。一方、カム駆動モータ58を支持しているモータブラケットには、光学センサ60が固定されている。貫通軸部材24aが回転する過程において、貫通軸部材24aが所定の回転角度範囲に位置すると、被検知円盤59の被検部59aが、光学センサ60の発光素子と受光素子との間に入り込んで両者間の光路を遮断する。光学センサ60の受光素子は、発光素子からの光を受光すると受光信号を図示しない制御部に送信する。制御部は、受光素子からの受光信号が途絶えたタイミングや、そのタイミングからのカム駆動モータ58の駆動量に基づいて、貫通軸部材24aに固定された偏心カム(50,51)のカム部の回転角度位置を把握する。
上述したように、偏心カム(50,51)は、所定の回転角度範囲で2次転写ローラ30に突き当たって、2次転写ローラ30を付勢コイルバネ(45)の付勢力に抗して2次転写対向ローラ24から遠ざける方向に押し返す(以下、この押し返しを「押し下げ」という)。このときの押し返し量(以下、押し下げ量という)は、偏心カム(50,51)の回転角度位置によって決まる。なお、2次転写ローラ30の押し下げ量が大きくなるほど、2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ30との軸間距離が大きくなる。
2次転写ローラ30において、ローラ部31と一体になって回転する第1軸部材32には、第1空転コロ34が空転可能に設けられている。この第1空転コロ34は、外径がローラ部31よりも少し大きなドーナッツ円盤状の形状をしている。そして、それ自体が玉軸受けとしての機能を有しており、第1軸部材32の周面上で空転することができる。2次転写ローラ30の第2軸部材33には、第1空転コロ34と同様の構成の第2空転コロ35が空転可能に設けられている。
上述したように、2次転写対向ローラ24において、貫通軸部材24aに固定された偏心カム(50,51)は、所定の回転角度位置で2次転写ローラ30に突き当たるが、具体的には、前述した空転コロ(34,35)に突き当たるようになっている。具体的には、貫通軸部材24aの一端側に固定された第1偏心カム50は、2次転写ローラ24の第1空転コロ34に突き当たる。このとき同時に、貫通軸部材24aの他端側に固定された第2偏心カム51が、2次転写ローラ24の第2空転コロ35に突き当たる。2次転写対向ローラ24の偏心カム(50,51)に突き当てられた空転コロ(34,35)は、その突き当てに伴って回転を阻止されるが、それによって2次転写ローラ30の回転が妨げられることはない。空転コロ(34,35)が回転を停止しても、空転コロが玉軸受けになっているので、2次転写ローラ30の軸部材(32,33)は、空転コロから独立して自在に回転することができるからである。偏心カム(50,51)の突き当てに伴って空転コロ(34,35)の回転を停止させることで、両者の摺擦の発生を回避するとともに、摺擦によるベルト駆動モータや2次転写ローラ30の駆動モータのトルク上昇の発生を回避することもできる。
図5は、記録シートとしての普通紙P1を進入させる直前の2次転写ニップの状態を示す拡大模式図である。本複写機において、普通紙P1を2次転写ニップに進入させる際には、図示のように、2次転写対向ローラ24の偏心カム(50,51)を、2次転写ローラ30の空転コロ(34,35)に突き当てない位置で、2次転写対向ローラ24の貫通軸部材24aの回転を停止させる。つまり、普通紙P1を使用するときには、偏心カム(50,51)による2次転写ローラ30の押し下げを実施しない。厚みの比較的薄い普通紙P1では、2次転写ローラ30の押し下げを実施しなくても、2次転写ニップ進入時のベルトや2次転写ローラ30に対する大きな負荷変動が生じないからである。
図6は、記録シートとしての厚紙P2を進入させる直前の2次転写ニップの状態を示す拡大模式図である。本複写機において、厚紙P2を2次転写ニップに進入させる際には、図示のように、2次転写対向ローラ24の偏心カム(50,51)を、2次転写ローラ30の空転コロ(34,35)に突き当てる位置で、2次転写対向ローラ24の貫通軸部材24aの回転を停止させる。つまり、厚紙P2を使用するときには、偏心カム(50,51)による2次転写ローラ30の押し下げを実施する。厚みの比較的大きい厚紙P2では、2次転写ローラ30の押し下げを実施しないと、2次転写ニップ進入時のベルトや2次転写ローラ30に対する大きな負荷変動を発生させてしまうからである。
なお、図5と図6との比較からわかるように、偏心カム(50,51)による2次転写ローラ30の押し下げを実施したときにおける2次転写ニップのベルト移動方向の長さWbは、押し下げを実施しないときにおける長さWaよりも短くなる。この一方で、押し下げを実施したときにおける2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ30との軸間距離Lbは、押し下げを実施したときにおける軸間距離Laよりも大きくなる。軸間距離をより大きくすると、2次転写ローラ30の中間転写ベルト21に対する押圧力を弱めて、2次転写ニップ圧を低減する。これにより、2次転写ニップに厚紙P2が進入する際のベルトやローラに対する急激な負荷上昇の発生を抑えることができる。
本発明者らは、図1に示した複写機と同様の構成の複写試験機を用いて、軸間距離とドット径の変動との関係を調べる実験を行った。具体的には、中間転写ベルト21が設計通りの速度で安定して走行している場合には、トナー像を感光体からベルトに転写する1次転写ニップにおいて、感光体とベルトとの線速差が殆どない状態になる。この状態では、トナー像を構成する各ドットがそれぞれそのままの形状(円形状)でベルトに1次転写される。これに対し、厚紙が2次転写ニップ内に進入する際の急激なトルク増大によって中間転写ベルト21の走行速度が瞬間的に低下すると、その瞬間においては、感光体とベルトとい線速差が生ずる。そして、その線速差により、各ドットが感光体表面移動方向に引き伸ばされた楕円形状でベルトに1次転写されるため、ドット径が通常よりも大きくなる。このようなドット径の違いと、偏心カムによる2次転写ローラ30の押し下げ量との関係を調べるために、複写試験機において、様々な押し下げ量の条件下でそれぞれ所定のドットパターン画像を出力した。記録シートとしては、坪量300[g/m2]の厚紙を用いた。
図7は、2次転写ローラ30を押し下げない条件でドットパターン画像を出力したときにおけるドット径とドットの副走査位置との関係を示すグラフである。なお、ドットの副走査位置とは、ドットの記録シート上におけるシート搬送方向の位置のことを意味している。同図でxaという副走査位置に形成されたドットが感光体からベルトに1次転写された瞬間は、2次転写ニップに厚紙の先端が進入した瞬間(以下、シート先端進入時という)でもある。2次転写ローラ30の押し下げ量をゼロに設定した条件では、図示のように、xaという副走査位置にあるドットの径が他の位置のドットの径よりもかなり大きくなっている。これは、前述の条件では、シート先端進入時のベルトに対する急激な負荷上昇が起こって、ベルトの移動速度が瞬間的に低下しているからである。
図8は、2次転写ローラ30の押し下げ量を0.5[mm]に設定した条件でドットパターン画像を出力したときにおけるドット径とドットの副走査位置との関係を示すグラフである。この条件では、押し下げ量をゼロにした条件よりも、シート先端進入時のドット径の増大化が抑えられているが、それでも、シート先端進入時のドット径は通常よりも大きくなっている。シート先端進入時の瞬間的なベルト速度低下が完全に解消されていないためである。
図9は、2次転写ローラ30の押し下げ量を1.0[mm]に設定した条件でドットパターン画像を出力したときにおけるドット径とドットの副走査位置との関係を示すグラフである。この条件では、シート先端進入時のドット径の増大化が完全に解消されている。シート先端進入時の瞬間的なベルト速度低下が完全に解消されたためである。この結果から、押し下げ量を適切に設定すれば、シート先端進入時の瞬間的なベルト速度低下を解消し得ることが立証された。
次に、本発明者らは、ニップ内に記録シートを介在させているときの2次転写ニップ圧と、2次転写ローラ30の押し下げ量と、記録シートの厚みとの関係を調べる実験を行った。記録シートとしては、坪量300[g/m2]の厚紙(厚みは約320μm)、坪量200[g/m2]の中厚紙(厚みは約200μm)、坪量80[g/m2]の普通紙(厚みは約90μm)の3種類を使用した。この結果を図10に示す。図示のように、同じ押し下げ量の条件下では、記録シートの厚みが小さくなるに従って、シート介在時の2次転写ニップ圧が小さくなっていることがわかる。良好な2次転写を実現するためには、2次転写ニップ圧を記録シートの厚みにかかわらず一定の範囲にする必要があるため、押し下げ量については、記録シートの厚みに応じて設定する必要がある。厚紙と普通紙とで押し下げ量を同じに設定した場合、シート先端進入時のドット径の増大化を回避することができても、普通紙でニップ圧不足による転写不良を引き起こしたり、この逆に、転写不良の発生を回避できた代わりに、厚紙についてはシート先端進入時のドット径の増大化を顕著に発生させたりしてしまう。
そこで、本複写機では、2次転写ニップに供給される記録シートの厚み情報を取得する厚み情報取得手段を設けている。そして、厚み情報取得手段による取得結果に応じて、2次転写ローラ30の押し下げ量を調整するように、距離調整手段の一部である制御部を構成している。具体的には、制御部におけるROM等のデータ記憶手段には、記録シートの厚みと、それに対応する貫通軸部材24aの回転停止位置(押し下げ量と同意)との関係を示すデータテーブルを記憶させている。そして、記録シートの厚みの取得結果に対応する回転停止位置をデータテーブルから特定し、その回転停止位置まで貫通軸部材24aを回転させてから、記録シートを2次転写ニップに進入させる処理を実行するように、制御部を構成している。これにより、記録シートの厚みに適した軸間距離を設定して、ニップ圧不足による転写不良と、シート先端進入時のドット径の増大化との両方を抑えることができる。
なお、貫通軸部材24aの回転停止位置については、上述したように、光学センサ60が被検知円盤59の被検部59aを検知したタイミングや、タイミングからのカム駆動モータ58の駆動量に基づいて、把握するように制御部を構成している。
厚み情報取得手段としては、給紙路99内を搬送される記録シートの厚みを実際に検知する厚み検知センサを用いてもよいし、操作者からの厚み情報のデータ入力を受け付けるデータ入力手段を用いてもよい。また、厚み検知センサとしては、厚み方向の光透過率を検知する光学センサや、搬送ローラ対に記録シートを挟み込んだときのローラ移動量を検知するセンサなどを例示することができる。
本複写機では、2次転写対向ローラ24において、貫通軸部材24aの周面上でローラ部24aを空転させるようにしたことで、貫通軸部材24aに固定した突き当て部材としての偏心カム(50,51)の突き当たり状態をローラ部24aの回転に影響させることがない。また、2次転写ローラ30において、被突き当て部材としての空転コロ(34,35)を軸部材(32,33)上で空転させるようにしたことで、空転コロの被突き当たり状態を2次転写ローラ30の回転に影響させることがない。これらの結果、プリントジョブ中でも、厚みの異なる記録シートが連続通紙されることに対応させて、2次転写ローラ30の押し下げ量を変化させることができる。
先に示した図3において、2次転写対向ローラ24の偏心カム(50,51)を2次転写ローラ30の空転コロ(34,35)に突き当てているときに、その突き当て部を通じて前者のローラから後者のローラへ2次転写電流をリークさせてしまうと、2次転写ニップ内で適切な強度の2次転写電界を形成することができなくなる。そこで、偏心カムと空転コロとのうち、少なくとも何れか一方については、絶縁性材料で構成することが望ましい。本複写機では、偏心カム(50,51)として、絶縁性材料であるポリアセタール樹脂からなるものを用いることで、前述のリークの発生を防止している。
空転コロ(34,35)については、樹脂で構成しても良いが、偏心カム(50,51)から押圧されても変形しないように、剛性の高い材料で構成することが望ましい。そこで、本複写機では、空転コロとして、金属製の玉軸受けからなるものを用いている。このような空転コロは、偏心カムの押圧によっても変形せず、2次転写ローラ30の回転位置精度に影響を与えることがない。また、摺動性に優れているので、偏心カムの磨耗を低減することができる。
これまで、像担持体として、回転可能な支持回転体である2次転写対向ローラ24に掛け回されて無端移動せしめられる無端ベルト状の中間転写ベルト21を用いた複写機について説明した。しかし、中間転写ベルト等の像担持体と、転写ローラ等の対向部材とのうち、少なくとも一方を、支持回転体に支持されるベルト部材、又は回転体で構成すれば、本発明の適用が可能である。
例えば、回転体としてのドラム状の感光体と、表面移動しない不動の転写部材を押し当てて転写ニップを形成する構成では、次のようにすればよい。即ち、回転可能なドラム状の感光体を、少なくとも本体部と貫通軸部材とで構成し、貫通軸部材に一体形成した偏心カムを、付勢手段によって付勢される転写部材に突き当てればよい。
また、回転可能な支持回転体に掛け回されて無端移動せしめられる感光ベルトや中間転写ベルトに対して、表面移動しない不動の転写部材を押し当てて転写ニップを形成する構成では、次のようにすればよい。即ち、感光ベルトや中間転写ベルトを掛け回す支持ローラを、少なくとも本体部と貫通軸部材とで構成し、貫通軸部材に一体形成した偏心カムを、付勢手段によって付勢される転写部材に突き当てればよい。
また、支持ローラに掛け回されて無端移動せしめられる感光ベルトや中間転写ベルトに対して、支持ローラに掛け回されて無端移動せしめられる、ニップ形成部材としてのシート搬送ベルトを押し当てて転写ニップを形成する構成では、次のようにすればよい。即ち、2つの支持ローラのうち、何れか一方を、少なくとも本体部と貫通軸部材とで構成し、貫通軸部材に一体形成した偏心カムを、付勢手段によって付勢される他方の支持ローラに突き当てればよい。
以上、実施形態に係る複写機においては、像担持体として、支持回転体たる2次転写対向ローラ24に掛け回される無端ベルト状の中間転写ベルト21を用い、2次転写対向ローラ24を、少なくとも本体部であるローラ部24bと、貫通軸部材24aとで構成し、且つ、ローラ部24bを、中間転写ベルト21の無端移動に伴って貫通軸部材24aの表面上で従動回転させるようにしている。かかる構成では、無端ベルト状の中間転写ベルト21と、2次転写ローラ30との相対距離を調整するための距離調整手段のレイアウト自由度を従来よりも向上させることができる。
また、実施形態に係る複写機においては、記録シートを中間転写ベルト21と2次転写ローラ30との間に進入させるのに先立って、偏心カム(50,51)の突き当てによって2次転写ローラ30を付勢コイルバネ45の付勢力に抗してベルトからより遠ざける方向に強制的に押し返して、ベルト〜ローラ間の相対距離をより広げる動作を実施するように、制御部や偏心カム等からなる距離調整手段を構成している。かかる構成では、既に説明したように、シート先端進入時のベルトの瞬間的な移動速度の低下に起因するドット径の増大化を抑えることができる。
なお、実施形態に係る複写機においては、中間転写ベルト21と2次転写ローラ30との間に進入している記録シートを両者間から排出させるのに先立って、偏心カムの突き当てによって2次転写ローラを付勢コイルバネ45の付勢力に抗してベルトからより遠ざける方向に強制的に押し返して、ベルト〜ローラ間の相対距離をより広げる動作を実施するように、制御部や偏心カム等からなる距離調整手段を構成している。かかる構成では、2次転写ニップで記録シートをベルト〜ローラ間に介在させているときにはローラをベルトに向けて十分な力で押圧して必要な2次転写ニップ圧を確保しつつ、シート後端を排出するときには、予め相対距離をより大きくしておくことで、排出時の急激な負荷低下によるベルトの瞬間的な速度上昇の発生を抑えることができる。
また、実施形態に係る複写機においては、貫通軸部材24aの長手方向両端部における第1偏心カム50、第2偏心カム51を、貫通軸部材24aの長手方向にて、中間転写ベルト21のベルト幅寸法よりも大きな距離をおいて貫通軸部材24aに固定している。かかる構成では、第1偏心カム50と第2偏心カム51との間で中間転写ベルト21を無端移動させることができる。
また、実施形態に係る複写機においては、2次転写ローラ30の回転軸部材の長手方向両端部にそれぞれ、偏心カム(50,51)に突き当てられる被突き当て部材としての空転コロ(34,35)を、回転軸部材(32.33)の表面上で空転可能に設けている。かかる構成では、空転コロ(34,35)を軸部材(32,33)上で空転させるようにしたことで、偏心カムが突き当てられた状態の空転コロの回転を停止させつつ、2次転写ローラ30を良好に回転させる。これにより、偏心カムと空転コロとの摺擦を回避して、その摺擦によるベルトやローラのトルク上昇を回避することができる。
また、実施形態に係る複写機においては、ベルト〜2次転写ローラ30間の相対距離を検知する距離検知手段(非検知円盤59、光学センサ60、制御部等からなる)を設け、距離検知手段による検知結果に基づいて貫通軸部材24aの回転停止位置を調整するように、距離調整手段の一部である制御部を構成している。かかる構成では、貫通軸部材24aの回転停止位置に基づいて、2次転写ローラ30の押し下げ量を所望の値に自在に調整することができる。
また、実施形態に係る複写機においては、偏心カム(50,51)と空転コロ(34,35)とのうち、少なくとも何れか一方として、絶縁性材料からなるものを用いている。かかる構成では、両者の突き当て部を通じての転写電流のリークの発生を回避することができる。
また、実施形態に係る複写機においては、突き当て部材として、偏心カム(50,51)を用いているので、その段差のないカム面の突き当てにより、ベルト〜ローラ間の相対距離としての押し下げ量を無段階に自在に調整することができる。
また、実施形態に係る複写機においては、2次転写ニップに供給される記録シートの厚み情報を取得する厚み情報取得手段を設け、これによる検知結果に基づいて押し下げ量を調整するように、距離調整手段の一部である制御部を構成しているので、押し下げ量をシート厚みに応じた適切な値に調整することができる。