JP5470133B2 - 耐焼成油系クリーム及びそれを使用した複合焼成食品 - Google Patents

耐焼成油系クリーム及びそれを使用した複合焼成食品 Download PDF

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本発明は、油脂を使用した油系クリーム及びそれを使用した複合焼成食品に関し、詳しくは焼成食品生地中に油系クリームを包餡して焼成した場合に、油系クリームから焼成食品への油脂移行が抑制され、油系クリームの食感を損なうことのない油系クリーム及びそれを使用した複合焼成食品に関するものである。
従来より、焼成食品に使用するのに適した油脂性食品についての研究がなされている。
特許文献1にはHLB10以上の蔗糖脂肪酸エステルを0.1〜0.7重量%配合したチョコレートを焼菓子ドウに混入して焼成する焼菓子が開示されている。この焼菓子においては原料チョコレートの形崩れ、油滲み、硬化を生じず、チョコレート本来の滑らかさを保持する効果を有する。
特許文献2には所定量のポリグリセリンオレイン酸モノエステルおよび所定量のHLB5以下のポリグリセリンオレイン酸エステルを添加したチョコレートが開示されており、このチョコレートを菓子生地とともに焼成しても硬化して食感を損なうことがなく、良好なテクスチャーを保つことができる効果を有する。
しかし特許文献1および2に開示されているのは、常温で流動性のないチョコレートについてであり、これら技術を常温で柔らかい油系クリームに応用しても効果を示さない。
そこで、常温で柔らかい油系クリームであって、焼成による焼成食品への油脂移行や食感の劣化が抑えられ、焼成後も噛みだしがやわらかいクリームが求められていた。
特開昭58−60944号公報 特開平11−225674号公報
本発明は、焼成による焼成食品への油脂移行や食感の劣化が抑えられた、焼成後も噛みだしがやわらかい油系クリーム及びそれを使用した複合焼成食品を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、レシチンが1.2重量%以上4.0重量%以下含有されている油系クリームを焼成食品生地中に包餡後焼成すると、焼成食品への油脂移行、油系クリームの食感の劣化が抑えられ、焼成後も噛みだしがやわらかい油系クリームを有する複合焼成食品が得られるとの知見を得て本発明を完成した。
本発明は以下の構成からなる。
(1)レシチンが1.2重量%以上4.0重量%以下含有されていることを特徴とする油系クリーム。
(2)レシチンが1.5重量%以上3.0重量%以下含有されていることを特徴とする前記(1)に記載の油系クリーム。
(3)油脂含有量が20重量%以上38重量%以下である前記(1)または(2)に記載の油系クリーム。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の油系クリームを包餡して焼成されていることを特徴とする複合焼成食品。
本発明により、クッキー、スポンジケーキ、マフィン等の焼成食品生地に油系クリームを包餡し、オーブン等で焼成した場合でも、焼成食品への油脂移行や油系クリームの食感の劣化が抑えられ、焼成後も噛みだしがやわらかい油系クリーム及びそれを使用した複合焼成食品類を提供することができる。
本願において油系クリームとは、特定の温度以下において硬化する可食性油脂の連続層からなるマトリックスに、可食成分、例えばココアパウダーや糖類、乳固形分などの微粉砕物を懸濁させた食品で、任意には各種の添加剤、香料などを添加してもよい。また、油脂としては動物や植物由来のテンパリング脂あるいはノンテンパリング脂を使用できるが、好ましくはノンテンパリングタイプの植物油脂を使用するものである。
本願の油系クリームは、含まれる全油分を100%とした場合、20℃におけるSFC(固体脂含有率)が50%以下である。SFC(固体脂含有率)の測定は、Bruker PC20型のパルスーNMR装置を用い、測定用試験管に試料を充填し、試料温度を20℃として測定する。
植物油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、落花生油、米油、ヤシ油、パーム核油、ごま油等が挙げられる。望ましくは、常温で液状油脂を含み、固体ではないものである。
本発明の油系クリームは、上記のような構成を備えていれば特に製法は限定されないが、例えば、油系クリームの原料を混合し、レファイナーにかけて微粒化後、コンチングすることによって得られる。
本発明の油系クリームが使用される複合焼成食品としては、例えば、クッキーやスポンジケーキ、マフィン等などの焼成食品によって油系クリームが包餡されたものが挙げられる。
本願において包餡とは、油系クリームの周囲全体を取り囲むこと、あるいは全体を完全に取り囲むのではないが、一部分を残しておおよそ全体を取り囲むことを意味し、典型的な形態例が餡を包んだ饅頭の構造である。
本願において焼成とは、オーブン等で高温に曝すことを意味し、被焼成物が曝される環境温度として低くとも120℃以上となることを意味する。
本願において焼成食品とは、前記焼成工程を経る食品であれば特に限定されないが、代表的には糖類や穀粉を主原料としたクッキー、スポンジケーキ、マフィン、シューなどの焼き菓子である。
本願において焼成食品生地とは、前記焼成食品が焼成される前の状態にある物を意味する。
以下、実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
表1の配合にしたがい、砂糖71.5部、Sスペシャル100(株式会社J-オイルミルズ社製)8.1部、ユーロメルトSF20B(株式会社J-オイルミルズ社製)8.1部、レシチン0.5部を混合し、レファイナー処理後、コンチング処理を行った。これに残りの油脂11.8部を加えることにより、ペースト状の油系クリームAを得た。同様にして、レシチン量をそれぞれ1.2部、1.5部、2.0部、4.0部とし、順にそれぞれクリームB、クリームC、クリームD、クリームEを得た。
Figure 0005470133
試験例1
クッキー生地の調製
室温に戻しておいたマーガリン450gをミキサーに入れて砂糖260gを加え攪拌した。そこに、全卵100g、仕込み水60gを加え更に攪拌した。篩った薄力粉1000g、ベーキングパウダー5gを加えて攪拌し、クッキー生地とした。クッキー生地を2時間冷蔵庫にねかした後、室温に戻し、シート状にのばした。
クリーム入りクッキーの調製
上記クッキー生地7gに、前記実施例1で得られた油系クリームA〜Eを各5gずつ包餡し、焼成した。焼成にはコンベクション(熱対流式)オーブンを使用し、焼成条件は190℃で9分間とした。焼成後、クリームA〜Eを取り出し、重量を測定した。測定結果を表2に示す。測定結果は、各4個のサンプルの平均値である。なお、試験例2以下の評価においても、試験区毎に各4個のサンプルを調製し、評価した。
Figure 0005470133

クリームAにおいては、焼成によってクリーム重量が半分以下に減少していたが、その他クリームにおいては8割以上保持されていた。
試験例2
試験例1の条件にて焼成した油系クリームをプラスチックシャーレ(内径34mm、深さ10mm)に満注充填し、レオメーター(フドー社製 RTC−3010D−CW)にてクリームの応力(硬さ)を測定した。結果を表3に示す。測定条件は以下の通りである。
油系クリーム品温:23℃
プランジャー種類:直径10mm、厚み1mm円盤形プランジャー
プランジャー進入速度:6cm/分
プランジャー進入深度:5mm
Figure 0005470133
試験例3
試験例1の条件にて焼成したクリーム入りクッキーのクリーム部分の食感と物性を調べた。結果を表4に示す。
Figure 0005470133
試験例4
前記油系クリームAにレシチンを添加、混合して、レシチン濃度の異なる油系クリームを調製し、試験例1と同様にクッキーに包んで焼成して、得られた油系クリームについて風味と物性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 0005470133

物性としては、レシチン1.2重量%以上においてレシチンが増えるほど良くなったが、風味の面で許容できるのはレシチン4.0重量%までだった。
試験例5
表7の配合にしたがって、実施例1と同様にして調製したクリームF〜Lを、試験例1と同様にクリーム入りクッキーとして評価した。結果を表6に示す。
Figure 0005470133
Figure 0005470133

油分20〜38重量%において効果が確認され、好ましい油分範囲としては20〜36重量%だった。
試験例6
前記実施例1のクリームCの配合において、油脂の種類のみを変更して7種類のクリームを調製した。用いた油脂は、Sスペシャル100(株式会社J-オイルミルズ)、ユーロメルトSF20B(株式会社J-オイルミルズ)、サラダオイル(月島食品工業株式会社)、菜種油、コーン油、パーム油、大豆油の7種類。
次に、これらクリームを、試験例1と同様のクッキー生地7gにそれぞれ各5gずつ包餡し、焼成した。焼成にはコンベクション(熱対流式)オーブンを使用し、焼成条件は190℃で9分間とした。焼成後、各クリームの食感と物性を評価した。結果を表8に示す。試みたすべての油脂で効果が確認された。
Figure 0005470133
実施例2
マフィン生地の調製
室温に戻した全卵50gに砂糖60gを加え、泡立て器で混ぜ、泡だったら融かしたバター60gと牛乳60gを加え、混ぜ合わせた。そこに篩った薄力粉120gを加え、切るように混ぜ合わせた。
クリーム入りマフィンの調製
上記マフィン生地40gに、前記実施例1で得られた油系クリームA〜Eを各10gずつ包餡し、焼成した。焼成にはコンベクション(熱対流式)オーブンを使用し、焼成条件は160℃で20分間とした。焼成後、得られた油系クリームについて食感と物性を評価した。結果を表9に示す。
Figure 0005470133
実施例3
パウンドケーキ生地の調製
室温に戻したバター100gに篩った小麦粉100gを加え、クリーム状になるまで混ぜた。別のボールに全卵100g、砂糖100gを入れて泡立て、バター生地と全卵生地を混ぜ合わせた。
クリーム入りパウンドケーキの調製
上記パウンドケーキ生地40gに、前記実施例1で得られた油系クリームA〜Eを各10gずつ包餡し、焼成した。焼成にはコンベクション(熱対流式)オーブンを使用し、焼成条件は180℃で50分間とした。焼成後、得られた油系クリームについて食感と物性を評価した。結果を表10に示す。
Figure 0005470133

Claims (3)

  1. レシチンが1.2重量%以上4.0重量%以下含有されている油系クリームを包餡して焼成されていることを特徴とする複合焼成食品。
  2. レシチンが1.5重量%以上3.0重量%以下含有されている油系クリームを包餡して焼成されている請求項1に記載の複合焼成食品。
  3. 油系クリームの油脂含有量が20%重量以上38%重量以下である請求項1または2に記載の複合焼成食品。
    以上
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