以下、実施形態につき、図面を参照して説明する。
情報管理システムであるアプリケーションシステムは、業務管理で取り扱われる様々な情報をコンピュータ等の情報処理装置から各種入力画面を介して登録するインプット機能と、記憶装置に記憶された入力データを業務管理の用途等に合わせて出力したり、入力データを活用し易いように加工するアウトプット機能とを備えている。
特に、インプット機能は、ユーザ(例えば、社員、オペレータ、作業員等の入力者)が入力画面を介してデータを入力する入力作業が発生するので、入力作業の負担軽減は、従来からアプリケーションシステムの重要な課題であった。作業負担が増えると、業務の遅延を招くとともに、データの入力自体が疎かになったり、誤データが入力されてしまい、アプリケーションシステムを用いた業務管理を効率良く運用できないおそれがあるからである。
従来は、ユーザが入力したデータを再利用したり、予め作成されたデータを適用するなどの仕組みを提供することで、入力画面を介した入力作業の負担を軽減することを提案しているが、これら従来の仕組みは、例えば、データを入力するフォーム入力ページや入力画面を予め特定し、その特定されたページや画面の構造に適合するプログラムやマスタデータを用意する手間が掛かる課題があった。
すなわち、データ入力を支援する機能を提供するに当たり、入力画面専用のプログラムやデータを保持したり、入力画面に対して入力画面とは関係なく別途用意されたデータを転用する仕組みであるため、複数の入力画面に対して複数のプログラムを用意したり、各入力画面毎に個別の仕様となり、開発者等が入力画面毎に入力支援機能をカスタマイズする必要があった。
特に、複数のユーザが入力画面を共有して利用する業務管理のデータ入力支援では、ユーザ間での共通化、共有化が望まれる。つまり、データ入力フォームの共通化や入力支援に利用されるデータの共有化が必要であるが、複数のユーザ間で共有できるデータ入力支援を容易に構築でき、かつ入力支援に利用されるデータの共有化を図れる環境及び仕組みがなかった。
本実施形態のアプリケーションシステムは、既存の入力画面に対してユーザがデータ入力支援を容易に構築できる環境を提供するとともに、既存の入力画面との整合性を担保しつつデータ入力の作業負担を低減することができるデータ入力支援機能を提供する。
なお、本実施形態のデータ入力支援機能は、営業支援やサービス業務を支援する種々のアプリケーションシステムに適用でき、以下の説明では、コンタクトセンターの業務に関する業務管理アプリケーションを一例に説明する。
(第1実施形態)
図1から図17は、第1実施形態を示す図である。図1は、本実施形態に係るデータ入力支援機能(プログラム)が適用された情報処理装置を含むシステム構成図である。
情報管理システム100は、情報管理サーバ110及び記憶装置140を含んで構成され、ネットワークNを介して入力端末200及び管理者端末300が接続される。なお、記憶装置140に記憶される各種の情報は、それぞれ必要に応じた任意の形式で記憶することができる。例えば、後述する入力情報142、入力支援データ143等は、データベース構造のテーブル形式で保存することができる。
情報管理サーバ110は、所定の入力画面を介したデータ入力機能及びデータ管理機能を提供する制御部(CPU)110、入力端末200及び管理者端末300との間のネットワークNを介した通信制御を遂行する通信制御部120、及びメモリ130とを含んでいる。
入力端末200(情報処理装置)は、液晶表示装置等のディスプレイ装置及びマウスやキーボード等の操作入力装置を含み、ユーザは、情報管理システム100にネットワークNを介して接続して情報管理システム100が提供するアプリケーション機能を所定のアプリケーション画面を介して使用することができる。例えば、ユーザは、所定の入力画面から業務に関する情報を入力したり、検索したりすることができる。
管理者端末300も入力端末200と同様の構成であり、例えば、情報管理システム100のシステム管理者が使用する情報処理装置である。入力端末200及び管理者端末300それぞれは、入力画面の表示制御を行うブラウザ(表示制御部)を備えている。ブラウザは、情報管理システム100から提供される各入力画面をディスプレイ装置に表示したり、ブラウザに入力されるユーザの操作等に基づいて情報管理システム100との間で通信を行い、情報管理システム100から提供される画面情報やデータに基づいて表示制御を行う。
情報管理サーバ110は、認証部112、画面制御部113及び入力支援制御部114を含んで構成され、これら各部全体は、制御部(CPU)111によって制御される。制御部111は、情報管理システム(又は情報管理サーバ110)全体の制御を司る。
認証部112は、本実施形態の情報管理システム100を利用するユーザの利用者権限を管理する。記憶装置140には、ユーザ名、ユーザID、パスワード、利用権限種別(例えば、入力者、管理者など)が予めユーザ情報144として記憶されており、認証部112は、所定のログイン画面から入力されたユーザID及びパスワードに基づいて、情報管理システム100の利用者認証処理を行うことができる。
なお、本実施形態では説明の便宜上、入力端末200と管理者端末300とを個別に示しているが、これらは同じ端末装置であってもよい。すなわち、ユーザのログイン認証時にオペレータ等の入力者であるかシステム管理者であるかを利用者権限別に識別することで、固定された個別の端末装置を使用しなくても、入力者及びシステム管理者が共通に使用できる端末装置と情報管理システム100とが接続されるような構成とすることができる。
画面制御部113は、情報管理システム100が提供するデータ入力機能の各入力画面を制御し、記憶装置140の画面情報141に記憶されている画面情報をユーザの入力端末200に提供(伝送)する。このとき、画面情報141は、入力画面の画面情報を部品化して記憶することもでき、画面制御部113は、その都度部品化された画面情報を入力画面に合わせて編集して入力端末200に提供することもできる。
また、画面制御部113は、入力端末200のブラウザとの間で画面表示制御を行い、ユーザの操作入力に対する画面遷移や計算結果、検索結果などをブラウザに表示させる表示制御とともに、入力画面から入力されたデータを入力端末200から受信して、記憶装置140に記憶する記憶処理を遂行する。入力画面を介して入力された情報は、入力情報142として記憶装置140に記憶される。
例えば、ユーザ(オペレータ)は、公衆電話網等を通じて入電してきた顧客からの問合せ情報を、図4に示すような問合せ登録画面から入力して情報管理システム100に登録することができる。画面制御部113は、認証部112の認証結果がOKである場合や認証後の所定の操作がされた場合に、画面情報141から所定の入力画面の画面情報を取得し、入力端末200に送信して入力画面を表示させる。また、画面制御部113は、入力画面から入力されたデータを入力端末200から受信し、記憶装置140の入力情報142に記憶することができる。
図4に示した入力画面は、例えば、問合せしてきた顧客情報を入力するための「お客様情報」と問合せ内容を入力するための「問合せ情報」の各画面ブロックを含んで構成することができる。
図13(a)は、入力画面の画面情報例であり、図13(b)は、入力画面を構成する画面ブロック情報である。各画面ブロックは複数の入力項目を含むことができ、図13(a)のレイアウト情報は、入力画面全体の画面領域における画面ブロックのレイアウト情報(表示領域情報)である。
また、図13(b)に示すように各入力項目は、入力項目名、項目種別(選択リスト、入力フィールド)、サイズ、位置(レイアウト)、データカラムがそれぞれ関連付けられている。項目種別は、入力項目の属性であり、位置は、画面ブロック内での入力項目の配置位置を示す。また、データカラムは、各入力項目からの入力データの保存場所を示すものであり、例えば、入力情報142での保存場所(保存先カラム)である。
図14(a)は、入力画面を介して登録された入力情報142の一例を示す図であり、図4に示した問合せ登録画面を介して入力された問合せ情報例である。ケースIDは、各問合せ(入力画面を介して入力される入力情報)毎に付与される識別情報である。図13(b)に示した入力項目毎の保存場所(保存先カラム)に基づいて、図14(a)に示すように入力情報141としてケースID別に入力データが記憶される。
なお、本実施形態では、入力画面を画面ブロックで構成しているが、これに限るものではない。例えば、画面ブロックに区画せずに複数の各入力項目を含む入力画面であってもよい。言い換えれば、入力画面と入力項目とは、画面ブロック(画面ブロックID)を介して又は画面ブロックを介さずに、関連付けられるように構成することができる。したがって、入力画面の画面レイアウト情報は、入力画面の画面領域における入力項目の表示領域(表示位置)が画面ブロックと関連して又は各入力項目毎に独立して規定された情報であり、本実施形態の入力画面の画面情報は、入力項目と画面レイアウト情報とを含んで構成され、入力端末200が備えるブラウザが入力項目と画面レイアウト情報に基づいて入力画面を生成してディスプレイ装置に表示することができる情報である。
また、本実施形態の入力画面は、情報管理システム100が提供するアプリケーション機能に対して予め作成されて画面情報141に登録されている画面であり、少なくとも1つ以上の入力項目を含む画面である。入力項目には、テキスト入力欄等の入力フィールド以外にも、所定のリストの中からプルダウンで選択する選択リスト欄やラジオボタン、チェックボックスなどの選択欄を含むことができる。
次に、本実施形態の入力支援機能について説明する。入力支援機能は、ひな形画面作成機能、ひな形データ作成機能、及びひな形データ流用機能の3つの機能を含んで構成されている。入力支援機能は、入力支援制御部114によって遂行される。
入力支援制御部114は、画面作成部1141、データ登録部1142及びデータ提供部1143を含んでおり、画面作成部1141がひな形画面作成機能、データ登録部1142がひな形データ作成機能、データ提供部がひな形データ流用機能をそれぞれ提供する処理部として機能する。
図2は、本実施形態のひな形画面作成機能及びひな形データ作成機能を説明するための図である。
ひな形画面作成機能及びひな形データ作成機能は、例えば、管理者端末300を通じて提供することができる。管理者端末300を使用する管理者(例えば、スーパーバイザーやシステム管理者など)は、管理者端末300からログインし、入力支援を設定する既存の入力画面を選択する。このとき、画面制御部113は、入力画面の所定の画面領域に入力支援設定ボタンを含む選択された入力画面を、管理者端末300に提供することができる。例えば、画面制御部113は、認証結果OKの場合の利用者権限が入力支援を設定することができる者、すなわち、システム管理者である場合は、入力支援設定ボタンを含む入力画面を管理者端末300に伝送する。
管理者は、入力画面が表示されている状態で入力支援設定ボタンを選択することで、ひな形作成機能を利用することができる。画面作成部114は、入力支援設定ボタンが選択されたことを契機に、入力支援ひな形作成画面を管理者端末300に提供して表示させる。なお、入力画面、入力支援ひな形作成画面及び後述する入力支援機能画面は、予め画面情報141に記憶されており、入力支援ひな形作成画面を通じて登録されるひな形画面は、後述するように登録(作成)される度に、その都度画面情報141に記憶される。
管理者は、当該入力画面の任意の画面領域を選択することができ、選択された画面領域は、入力支援ひな形作成画面に表示される。このとき、選択された任意の画面領域を入力支援ひな形作成画面にクリックアンドドロップしたり、任意の画面領域が選択された際に自動的に入力支援ひな形作成画面に表示したり、入力画面が複数の画面ブロックで構成されている場合、入力画面で選択(クリック)された画面ブロックを入力支援ひな形作成画面に表示することができる。
図5は、入力支援ひな形作成画面の一例であり、図4に示した入力画面の問合せ情報の画面ブロック全体が選択され、選択された画面ブロックが入力支援ひな形作成画面に表示されている一例である。図5の例では、作成するひな形画面の名称を入力する入力支援名称の入力フィールドが含まれている。
ここで、入力支援ひな形作成画面には、入力画面が表示されている状態の入力端末200において選択された画面領域内の入力項目及び画面レイアウト情報を取得(コピー)し、取得された入力項目及び画面レイアウト情報を入力支援ひな形作成画面の画面情報に挿入して表示させる第1の機能を入力端末200に実行させるひな形画面作成プログラムが含まれている。画面作成部1141は、入力支援ひな形作成画面にひな形画面作成プログラムを挿入して入力端末200に提供することができる。
また、後述するように、ひな形画面作成プログラムは、入力支援ひな形作成画面に挿入された入力画面の任意の画面領域を、ひな形画面情報として情報管理システム100に伝送する処理を入力端末200に実行させる第2の機能を含んでいる。
ひな形画面作成プログラムについて具体的に説明する。例えば、画面情報は、HTML形式の画面情報で構成することができ、HTML形式の画面情報は、入力画面の画面レイアウト情報とともに、入力項目及び入力項目の属性(文字種別や入力データ構造など)を含んでいる。このため、入力画面において選択された任意の画面領域は、ブラウザが読み込む入力画面の画面情報から取得することができる。
ひな形作成画面プログラムは、管理者端末300のブラウザによって実行され、入力画面における選択された任意の画面領域の画面情報を、現在ブラウザによって表示制御されている入力画面のHTMLソースデータからそのまま取得(コピー)し、取得されたHTMLソースデータを入力支援ひな形作成画面のHTMLソースデータに挿入する。このように第1の機能は、選択された画面領域を入力支援ひな形作成画面にコピーアンドペーストする操作や入力画面の任意の画面領域をクリックする操作を契機に、入力端末200に表示された入力画面において選択された任意の画面領域の画面情報を取得し、入力支援ひな形作成画面に表示させる。
なお、図2、図5の例では、入力画面を構成する複数の画面ブロックのうち、1つの画面ブロックのみを選択した一例を示しているが、これに限らず、例えば、入力画面全体の画面領域を選択することも可能である。また、複数の画面ブロックに跨って任意の画面領域を選択することも可能であるが、これら選択される画面領域は、少なくとも1つ以上の入力項目を含んでいる必要がある。
このため、ひな形作成画面プログラムは、選択された画面領域に少なくとも1つ以上の入力項目が含まれているか(例えば、入力項目に対して付与される所定のタグが含まれているか)を、選択された画面領域のHTMLソースデータを参照してチェックし、含まれていない場合は、警告表示処理等を行ってユーザに対して入力項目が含まれた画面領域を選択するように促すことができる。
管理者は、入力支援ひな形作成画面に含まれる登録ボタンを選択することで、入力画面において選択した任意の画面領域を、入力支援ひな形画面として登録することができる。ひな形作成画面プログラムは、登録ボタンが選択されると、入力支援ひな形作成画面にコピーして挿入された画面情報、言い換えれば、入力端末200に表示された状態の入力画面において当該入力画面から取得した任意の画面領域の画面情報を、情報管理システム100に伝送する。
画面作成部1141は、入力支援ひな形作成画面に挿入された入力画面の任意の画面領域における画面情報を、管理者端末300から受信し、画面情報141にひな形画面情報として記憶する。画面作成部1141は、受信したひな形画面毎に識別情報を割り当てて、各ひな形画面を一意に識別する識別情報(ひな形ID)別に画面情報141に記憶する。
図13(c)は、画面情報141に登録されたひな形画面情報の一例を示す図である。ひな形画面情報は、ひな形ID別に画面ブロックIDと画面ブロックIDの各入力項目が関連付けられている。制限フラグは、ひな形画面として登録された各入力項目に対する入力可否を示す情報である。
本実施形態では、ひな形画面作成時に、選択された画面領域に含まれる複数の入力項目に対して、管理者が後述するひな形データに含める入力データの入力項目と、含めない入力項目を管理者が選択してひな形画面を登録することができる。例えば、入力支援ひな形作成画面にコピーされた画面領域内の入力項目を選択し、選択した入力項目に対して入力可否を設定することができる。この入力可否設定情報は、制限フラグとしてひな形画面情報に記憶される。
続いて、管理者は、登録したひな形画面からひな形データを登録することができる。図6は、入力支援データ設定ボタンが挿入された入力画面の一例である。画面制御部113は、管理者端末300から入力画面の表示要求があった場合、画面情報141を参照してひな形画面が登録されているか否かを判別する。ひな形画面が登録されている場合、すなわち、ひな形IDが登録されている場合は、ひな形IDに紐付く入力画面を構成する画面ブロックに対して入力支援データ設定ボタンを挿入した入力画面を管理者端末300に提供することができる。
入力支援データ設定ボタンは、ひな形IDと関連付けることができる。なお、入力支援データ設定ボタンは、ひな形画面が作成された入力画面に対して挿入したり、別途のメニュー画面等に挿入して管理者端末300に表示させるようにしてもよい。
データ登録部1142は、入力画面の入力支援データ設定ボタンが選択されると、ひな形データ作成機能を管理者端末300に提供する。データ登録部1142は、入力支援データ設定ボタンを契機に、入力支援機能画面を画面情報141から取得して管理者端末300に伝送する。
入力支援機能画面は、登録されたひな形画面を用いてひな形データを登録(追加)する機能、登録されたひな形データを参照する機能、登録されたひな形データを編集する機能、及びひな形データを削除する機能を提供するための画面である。
図7は、入力支援機能画面の一例であり、登録されたひな形画面を選択する選択欄と、追加、参照、編集、削除の各ボタンと、選択されたひな形画面で登録されたひな形データを一覧表示する表示欄(図7において「一覧」タグが付与された表示欄)と、を含んで構成されている。
データ登録部1142は、選択欄で選択されたひな形画面に対応するひな形データを、入力支援登録データ143から抽出して表示欄に表示することができる。本実施形態では入力支援データ設定ボタンに予めひな形IDが関連付けられているので、データ登録部1142は、入力支援機能画面を提供する際に、自動的にひな形IDに紐付くひな形データを入力支援登録データ143から取得して、表示欄に表示させるように制御することができる。また、入力支援データ設定ボタンに関連付けられたひな形ID以外の他のひな形画面が選択欄から選択された場合、データ登録部1142は、選択されたひな形画面のひな形IDを管理者端末300から受信し、該当のひな形データを入力支援登録データ143から取得し、管理者端末300に伝送して表示させるように制御することができる。
データ登録部1142は、追加ボタンが選択されると、選択欄で選択されているひな形画面のひな形IDを用いて画面情報141を参照し、ひな形画面情報を取得してひな形画面を含む入力支援ひな形データ登録画面を、管理者端末300に伝送する。このとき、データ登録部1142は、上述したように制限フラグを参照し、制限フラグがOFFである場合には該当の入力項目への入力をできるようにし、ONである場合には該当の入力項目への入力をできないように、ひな形画面を生成して管理者端末300に伝送する。図8は、登録されているひな形画面を含む入力支援ひな形データ登録画面の一例である。
管理者は、入力支援ひな形データ登録画面におけるひな形画面の各入力項目に、ひな形となるデータ(ひな形データ)を入力することができる。ひな形データとして登録される情報は、管理者自身が作成する入力データと、過去のトランザクションデータとを用いることができる。
例えば、図8に示すように、検索ボタンが選択されると、データ登録部1142は、入力情報142を参照してひな形画面に含まれる入力項目に関連した入力済みデータをひな形画面に呼び出すことができる。つまり、ひな形画面の各入力項目は、入力画面の入力項目をそのまま利用しているため、図13に示すように、ひな形画面の入力項目が、対応する入力画面の画面項目のデータカラムと紐付いている。このため、画面情報141からひな形画面の入力項目に対応する入力情報142の入力済みデータの保存場所が識別でき、入力画面の各入力項目に対応するデータカラムそれぞれの入力済みデータを、対応するひな形画面の入力項目に呼び出す(表示する)ことができる。データ登録部1142は、検索ボタンが選択された場合、ひな形画面の入力項目に対応する入力済みデータを取得して管理者端末300に伝送し、当該ひな形画面の各入力項目に過去のトランザクションデータを表示させることができる。
なお、過去のトランザクションデータを編集してひな形データを登録することもできる。つまり、過去のトランザクションデータを呼び出してそのまま入力済みデータをひな形データとして登録することもでき、呼び出した入力済みデータの少なくとも一部を入力支援ひな形データ登録画面から編集してひな形データとして登録することもできる。
管理者は、ひな形画面に入力したデータ又はひな形画面に呼び出した過去のトランザクションデータを、ひな形データとして登録することができる。データ登録部1142は、登録ボタンが選択されると、入力支援ひな形データ登録画面のひな形画面の各入力項目に入力されているデータを、管理者端末300から受信して入力支援登録データ143に記憶する。
データ登録部1142は、受信したひな形データをひな形IDと関連付けて保存することができ、1つのひな形IDに対して複数のひな形データが登録される場合には、各ひな形データに対してひな形ID内の登録順等に基づくシーケンス番号を付与して記憶装置140に記憶させることができる。
図14(b)は、入力支援登録データ(ひな形データ)の一例を示す図である。図14(b)の例において、シーケンスNo1のひな形データは、管理者が自ら作成したものであり、シーケンスNo2は、図14(a)の入力情報142に記憶されている過去の問合せ情報をひな形データとして登録したものである。
図3は、ひな形データ流用機能を説明するための図である。図2に示した本実施形態のひな形画面作成機能及びひな形データ作成機能により登録されたひな形データは、入力端末200からの入力画面を介したデータ入力の支援機能として提供される。
図9は、入力支援ボタンが挿入された入力画面の一例である。画面制御部113は、入力端末200から入力画面の表示要求があった場合、画面情報141を参照して該当の入力画面を入力端末200に伝送する。このとき、画面制御部141は、表示要求があった入力画面に含まれる画面ブロック又は入力項目にひな形画面又はひな形データが登録されているか否かを、図13(c)、図14(b)を参照して判別する。
画面制御部141は、例えば、図13(c)に示すように入力画面に含まれる画面ブロックに対してひな形画面が作成されている(画面ブロックにひな形IDが関連付けられている)場合には、ひな形IDに紐付く入力画面を構成する画面ブロックに対して入力支援ボタンを挿入した入力画面を入力端末200に提供することができる。
入力端末200を使用するユーザが、入力画面から入力支援ボタンを選択すると、データ提供部1143は、ひな形データ流用機能を入力端末200に提供する。データ提供部1143は、入力支援ボタンが選択されたことを契機に、入力支援機能画面を画面情報141から取得して入力端末200に伝送する。
図10は、入力支援機能画面の一例であり、上述した図7に示すものと同じである。図10に示した入力支援機能画面は、登録されたひな形データを参照する機能以外の、登録されたひな形画面を用いてひな形データを登録(追加)する機能、登録されたひな形データを編集する機能、及びひな形データを削除する機能は、使用不可となっている。つまり、追加、参照、編集、削除の4つのボタンのうち、「参照」ボタンのみが選択可能(アクティブ)であり、他のボタンは選択できない(非アクティブ)ように制御される。
データ提供部1143は、選択欄で選択されたひな形画面に対応するひな形データを、入力支援登録データ143から抽出して表示欄に表示することができる。入力支援ボタンも予めひな形IDと関連付けることができ、データ提供部1143は、入力支援機能画面を提供する際に、自動的にひな形IDに紐付くひな形データを入力支援登録データ143から取得して、図10の例のように表示欄に表示させるように制御することができる。
データ提供部1143は、参照ボタンが選択されると、選択欄で選択されているひな形画面のひな形IDを用いて画面情報141を参照し、ひな形画面情報を取得してひな形画面を含む入力支援ひな形データ参照画面を、入力端末200に伝送する。このとき、データ提供部1143は、表示欄で選択されているひな形データをひな形ID及びシーケンス番号を用いて入力支援登録データ143から取得し、表示欄で選択されたひな形データがひな形画面に挿入された入力支援ひな形データ参照画面を、入力端末200に提供することができる。
図11は、入力支援ひな形データ参照画面の一例である。図11に示すように、入力支援ひな形データ参照画面のひな形画面の各入力項目には、入力支援登録データ143に登録されているひな形データが表示されている。ユーザは、入力支援ひな形データ参照画面のひな形画面に表示されている内容を確認し、ひな形データを入力画面に反映させることができる。
ユーザは、入力支援ひな形データ参照画面の流用ボタンを選択することで、入力画面にひな形データを反映させることができる。具体的には、入力支援ひな形データ参照画面に表示されているひな形画面の各入力項目のひな形データを、入力画面において対応する入力項目に転記する処理を行う。この転記処理は、ブラウザによって遂行される。
例えば、予め所定の転記プログラムが入力支援ひな形データ参照画面に挿入されており、ブラウザが読み込んだひな形画面の入力項目と入力画面の入力項目との関連付けをひな形画面及び入力画面の各画面情報から判別し、ひな形画面の入力項目のひな形データを、入力画面において対応する入力項目に転記する。
この転記処理は、例えば、入力画面の入力項目に既にデータ入力が行われている場合は、入力画面の入力データを優先してひな形データを反映しないようにしたり、逆に、上書きして反映したりすることができる。具体的には、入力画面で該当する入力項目が未入力(ブランク)であるか否かを判別して転記処理を行うように構成することができる。また、転記に際して当該転記の許可/不可を選択するためのポップアップ画面等を表示して、ユーザにひな形データの反映を確認するように構成することもできる。
なお、上述したブラウザによる転記処理以外にも例えば、データ提供部1143によってひな形データを入力画面に反映させることができる。データ提供部1143は、ユーザによって流用ボタンが選択された場合、入力支援ひな形データ参照画面に表示されているひな形画面のひな形データを、入力支援登録データから抽出して入力端末200に伝送し、入力画面において対応する入力項目に表示させる処理を行うことができる。つまり、流用ボタンが選択された場合、入力端末200は、該当するひな形データのひな形ID及びシーケンス番号を情報管理システム100に伝送し、データ提供部1143が入力支援登録データ143から該当のひな形データを取得する。データ提供部1143は、取得したひな形データを入力画面の対応する入力項目に表示させるように、入力端末200にひな形データを伝送する。
図12は、ひな形データが流用された問合せ情報の入力画面の一例を示すである。図11の示したひな形画面の各入力項目のデータが、入力画面の対応する入力項目それぞれのフィールドに転記されている。入力端末200のユーザは、入力支援機能として登録されたひな形データを入力画面に反映させながら、入力画面を通じたデータ入力作業を行い、入力画面に入力されたデータを情報管理システム100に登録する。
図15は、本実施形態の制御フローであり、ひな形画面作成処理の一例を示すフローチャートである。
情報管理システム100は、利用者権限が入力支援を設定することができるシステム管理者であることを認証した場合に、入力支援設定ボタンを含む入力画面を管理者端末300に伝送する(S101)。
情報管理システム100は、入力支援設定ボタンが選択されると(S102)、画面情報141を参照し、入力支援ひな形作成画面を管理者端末300に伝送して表示させる(S103)。このとき、情報管理システム100は、入力画面と入力支援ひな形作成画面とが共に入力端末200のディスプレイ装置に表示されるように制御する。
入力端末200のブラウザは、入力画面の任意の画面領域が選択されると、選択された画面領域が入力支援ひな形作成画面に表示される。上述したように入力支援ひな形作成画面には、ひな形画面作成プログラムが挿入されており、管理者の選択操作に応じ、入力画面において選択された画面領域内の入力項目及び画面レイアウト情報を取得(コピー)し(S104)、取得された入力項目及び画面レイアウト情報を入力支援ひな形作成画面の画面情報に挿入して表示させる(S105)。管理者は、入力支援ひな形作成画面においてコピーされた画面に含まれる各入力項目の入力可否を設定する(S106)。
ひな形作成画面プログラムは、登録ボタンが選択されると、入力支援ひな形作成画面にコピーして挿入された画面情報、言い換えれば、入力端末200に表示された状態の入力画面において当該入力画面から取得した任意の画面領域の画面情報を、情報管理システム100に伝送する。情報管理システム100は、入力支援ひな形作成画面に挿入された入力画面の任意の画面領域における画面情報を、管理者端末300から受信し(S107)、画面情報141にひな形画面情報として記憶する(S108)。
情報管理システム100は、入力支援ひな形作成画面又は入力画面を通じて所定の終了操作がなされた場合、ひな形画面作成処理を終了する(S109)。
図16は、本実施形態の制御フローであり、ひな形データ登録処理の一例を示すフローチャートである。
情報管理システム100は、管理者端末300から入力画面の表示要求があった場合、画面情報141を参照してひな形画面が登録されているか否かを判別する。ひな形画面が登録されている場合、ひな形IDに紐付く入力画面を構成する画面ブロックに対して入力支援データ設定ボタンを挿入した入力画面を管理者端末300に伝送する(S301)。
情報管理システム100は、入力画面の入力支援データ設定ボタンが選択されると(S302)、入力支援機能画面を画面情報141から取得して管理者端末300に伝送する(S303)。
情報管理システム100は、追加ボタンが選択されると(S304)、選択欄で選択されているひな形画面のひな形IDを用いて画面情報141を参照し、ひな形画面情報を取得してひな形画面を含む入力支援ひな形データ登録画面を、管理者端末300に伝送する(S305)。
情報管理システム100は、入力支援ひな形データ登録画面におけるひな形画面の各入力項目へのデータ(ひな形となるデータ)の入力制御を行うとともに、検索ボタンが選択された場合に、入力情報142を参照してひな形画面に含まれる入力項目に関連した入力済みデータをひな形画面に呼び出す(S306)。
管理者は、ひな形画面に入力したデータ又はひな形画面に呼び出した過去のトランザクションデータを、ひな形データとしてひな形画面に入力し、登録ボタンを選択する。情報管理システム100は、登録ボタンが選択されると(S307)、入力支援ひな形データ登録画面のひな形画面の各入力項目に入力されているデータを、管理者端末300から受信して入力支援登録データ143に記憶する(S308)。
情報管理システム100は、入力支援ひな形データ登録画面又は入力画面を通じて所定の終了操作がなされた場合、ひな形データ登録処理を終了する(S309)。
図17は、本実施形態の制御フローであり、ひな形データ流用処理の一例を示すフローチャートである。
情報管理システム100は、入力端末200から入力画面の表示要求があった場合、画面情報141を参照して該当の入力画面を入力端末200に伝送する。このとき、情報管理システム100は、入力画面に含まれる画面ブロックに対してひな形画面が作成されている場合には、ひな形IDに紐付く入力画面を構成する画面ブロックに対して入力支援ボタンを挿入した入力画面を入力端末200に伝送する(S501)。
入力端末200を使用するユーザが、表示された入力画面から入力支援ボタンを選択すると(S502)、情報管理システム100は、入力支援機能画面を画面情報141から取得して入力端末200に伝送する(S503)。このとき、情報管理システム100は、選択欄で選択されたひな形画面に対応するひな形データを、入力支援登録データ143から抽出して表示欄に表示することができる。
情報管理システム100は、参照ボタンが選択されると(S504)、選択欄で選択されているひな形画面のひな形IDを用いて画面情報141を参照し、ひな形画面情報を取得してひな形画面を含む入力支援ひな形データ参照画面を、入力端末200に伝送する(S505)。
入力端末200のブラウザは、入力支援ひな形データ参照画面で流用ボタンが選択されると(S506)、入力画面にひな形データを反映させる。具体的には、入力端末200は、転記プログラムを実行し、入力支援ひな形データ参照画面に表示されているひな形画面の各入力項目のひな形データを、入力画面において対応する入力項目に転記する処理を行う(S507)。
入力端末200は、入力画面において登録ボタンが選択されると、入力画面に入力されたデータ、言い換えれば、ユーザが自ら入力した入力データ又はひな形データを流用した入力データを情報管理システム100に伝送する。情報管理システム100は、入力画面から入力されたデータを管理者端末300から受信し(S508)、入力情報142に記憶する(S509)。情報管理システム100は、入力画面を通じて所定の終了操作がなされた場合、ひな形データ流用処理を終了する(S510)。
このように本実施形態のデータ入力支援機能は、既存の入力画面の画面情報をそのまま利用して入力支援ひな形画面を作成でき、既存の入力画面における任意の画面領域の画面レイアウト及び入力項目で構成された入力支援ひな形画面を介して入力支援データ(ひな形データ)を登録することができる。このため、既存の入力画面に合ったデータ入力支援環境を容易に構築することができる。
そして、入力支援データを登録する際や入力画面へのデータ入力において呼び出される入力支援ひな形画面は、当該入力画面と同じ画面レイアウト及び入力項目を保持しているので、入力支援データの作成、編集においても、また登録された入力支援データを入力画面に転記する際にも、既存の入力画面との間で同一の視認性及び操作性が確保されるので、ユーザの入力作業負担をより低減できるとともに、誤データの入力や誤操作を抑制することが可能となる。
特に、本実施形態のデータ入力支援機能は、複数のユーザが共有して利用する入力画面のデータ入力支援を提供できる。このため、複数のユーザ間で共有できるデータ入力支援を容易に構築でき、かつ入力支援に利用されるデータの共有化を図れる環境を実現することができる。
以上、上述した実施形態において、入力情報142と入力支援登録データ143(ひな形データ)とを個別に保持する態様を一例に説明しているが、例えば、これらを1つにまとめて保持させることも可能である。例えば、入力情報142において、図14(a)のケースIDの代わりにひな形IDを記憶し、ひな形IDとケースIDとを識別可能に割り当てることで、1つの記憶領域で両者を保持、管理することができる。
また、上記実施形態の入力支援機能は、情報管理サーバ110に接続される端末装置(入力端末200、管理者端末300)で実現することも可能である。例えば、画面情報141が端末装置側に保持させ、入力支援制御部114の処理を端末装置に実行させるように構成することも可能である。
また、上記実施形態では、ひな形画面作成機能及びひな形データ作成機能は、管理者端末300からシステム管理者等のみが行える態様について説明したが、例えば、システム運用において、入力端末200から各入力者がひな形画面作成機能及びひな形データ作成機能を利用できるように構成することもできる。
また、入力端末200、管理者端末300は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の移動通信端末装置、パーソナルコンピュータなどの通信機能及び演算機能を備えた情報処理端末装置等が含まれる。また、ネットワークNは、無線通信網、有線通信網又は専用階層網であってもよい。
また、上述の情報管理サーバ100、入力端末200及び管理者端末300は、ハードウェア構成として上述以外にも、装置全体(各部)の制御を司るCPU、メモリ(主記憶装置)、マウス、キーボード、タッチパネル、スキャナー等の操作入力手段、プリンタ、スピーカなどの出力手段、補助記憶装置(ハードディスク等)等を備えることができる。
また、本発明の入力支援プログラム(の各機能)は、例えば、コンピュータの不図示の補助記憶装置に格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納された入力支援プログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行し、コンピュータに本発明の各部の機能を動作させることができる。すなわち、本発明の入力支援プログラムがインストールされたコンピュータは、本発明の入力支援制御を遂行するコンピュータ装置として動作することが可能である。
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
なお、本発明の実施形態を説明したが、当該実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。