JP5465308B1 - 船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法及び船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握装置 - Google Patents

船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法及び船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 プロペラシャフトの曲り状態を、船舶にプロペラが装着されている状態において把握することができるようにするとともに、小型且つ安価な装置を用いて、作業が容易で且つ精度良く曲り状態を把握できるようにする。
【解決手段】 船体に着脱可能に取り付けられるベース20と、レーザ光線を照射するレーザポインタ30と、レーザポインタ30の保持部40をベース20に対して移動位置決め可能に支持する支持機構50とを備えた曲り状態把握装置Tを用い、プロペラシャフト1の突出部3の先端にプロペラシャフト1の軸線が通る基準点Kを表示した表示面Hを形成し、設置したレーザポインタ30の位置を照射されるレーザ光線の照射点Sが基準点Kに位置するように調整し、その後、レーザポインタ30からレーザ光線を照射した状態でプロペラシャフト1を1回転し、基準点Kの照射点Sに対する変位δを検知する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、船舶のプロペラシャフトの曲り状態を船舶にプロペラが装着されている状態で容易に把握できる船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法及び船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握装置に関する。
一般に、図13に示すように、漁船等の作業船,貨物船や客船等の船舶においては、例えば、船体内のエンジンに連結されたプロペラシャフト1を、船体の船尾側に設けた軸受2に軸支するとともに、この軸受2から突出した突出部3にプロペラ4を装着している。また、プロペラ4の後方には、舵板5が揺動可能に船体に設けられている。
プロペラ4は、図14に示すように、テーパ孔6aを有した略円錐台形のコア6と、コア6の周囲に設けられる複数の羽根7とからなり、プロペラシャフト1の突出部3の先端側をテーパ状に形成して、この突出部3にコア6のテーパ孔6aを挿通してプロペラシャフト1に装着されている。コア6のテーパ孔6aと突出部3との間にはキ―6bが介装され互いに相対回転が抑止されている。
また、図14(a)に示すように、突出部3の先端側には、突出部3に装着されたプロペラ4を押えるために設けられプロペラシャフト1の軸線を軸とする雌ネジ8が設けられている。突出部3の先端には、プロペラシャフト1の軸線を軸とする段付のボルト挿通孔9が形成されプロペラ4の抜けを押える流線型の冠体10が設けられている。この冠体10は、例えば6角レンチで回転させられる止めボルト11をボルト挿通孔9に挿通し、雌ネジ8に捩じ込むことにより、突出部3の先端に固定されている。
あるいはまた、図14(b)に示すように、突出部3の先端側には、突出部3に装着されたプロペラ4を押えるために設けられプロペラシャフト1の軸線を軸とする雄ネジ12が設けられている。この雄ネジ12には、止めナット13がねじ込まれ、この止めナットによってプロペラ4のコア6の挿通孔6a周囲を押えてプロペラ4の抜けを押えている。また、突出部3の先端には、流線型の冠体14が図示外のボルトなどで固定されて設けられている。
ところで、このようなプロペラシャフト1においては、航行中にプロペラが障害物にあたる等すると、突出部3が曲ることがあり、その場合には、曲りが僅かであっても、プロペラ4の回転に不具合が生じて、航行に支障が生じたりキャビテーションの原因になる等の支障が生じる。そのため、船舶のメンテナンス時に、このプロペラシャフト1の曲り状態を把握し、曲りが許容限度を超えている場合には、曲りを矯正することを行う。
従来、船舶のプロペラシャフトの曲り状態を把握する方法としては、例えば、円柱状工作物の芯出しや平行平面の検査に用いられるトースカンを使用して行う周知の方法がある。
また、船舶のプロペラシャフト用の技術ではないが、例えば、特開2011−191077号公報(特許文献1)に掲載された技術を用い、プロペラシャフト1の外周面にその軸線方向に平行に設けられた平行ターゲット体を付設し、この平行ターゲット体にレーザ発光部から指向性のあるレーザ光線を照射し、プロペラシャフト1の回転においてその平行ターゲット体に形成された幅変化部上を発光部からの光線が走査するようにし、この幅変化部からの反射光を受光部で受光し、CPU等の演算部において、予め格納された設定プログラムに基づき、受光時間の変化と回転軸体の軸振れの変化との間の1対1の対応関係を活用することで、プロペラシャフト1の軸線方向の軸振れを求めるようにすることも考えられる。
特開2011−191077号公報
しかしながら、プロペラシャフト1の曲りの把握において、プロペラシャフト1を船体から取り外して、上記の従来の方法を適用する場合には、測定精度は高まるが、逐一プロペラシャフト1を船体から外さなければならないので、曲りが許容範囲内であるときには、取外し作業が無駄になり、それだけ作業が煩雑になる。
また、船体にプロペラシャフト1が装着されている状態で、上記の従来の方法を適用する場合には、前者のトースカンを使用する方法では、船のプロペラシャフトに対応するようなトースカンは、ある程度の大きさが必要であるため搬送作業や測定作業が煩雑で、作業効率が悪く、測定精度にも劣り、曲りが許容範囲を超えるか否かの判定も困難になるという問題がある。
一方、後者のレーザ光線を用いる方法では、測定精度は高まるが、反射光を受光して演算部で演算を行うので、それだけ、装置が複雑になり、高価になって、汎用性に劣るという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、プロペラシャフトの曲り状態を、船舶にプロペラが装着されている状態において把握することができるようにするとともに、小型且つ安価な装置を用いて、作業が容易で且つ精度良く曲り状態を把握できる船舶のプロペラシャフト曲り状態把握方法を提供することを目的とする。また、この方法を実現する船舶のプロペラシャフト曲り状態把握装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法は、船体の船尾側に設けた軸受に軸支されるとともに該軸受から突出した突出部にプロペラが装着されプロペラシャフトの当該突出部の曲りを検知する船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法において、
上記突出部の先端に上記プロペラシャフトの軸線が通る基準点を表示した表示面を形成し、該表示面より外方に該表示面にレーザ光線を照射するレーザポインタを設置し、該レーザポインタの位置を該レーザポインタから照射されるレーザ光線の照射点が上記基準点に位置するように調整し、その後、上記レーザポインタからレーザ光線を照射した状態で上記プロペラシャフトを1回転し、上記基準点の上記照射点に対する変位δを検知する構成としている。
これにより、先ず、プロペラシャフトの突出部の先端に、プロペラシャフトの軸線が通る基準点を表示した表示面を形成する。この表示面は、突出部の先端面でも良く、また、先端面に別途表示物を付設して形成しても良い。基準点は、筆記具で描いても良く、また、金属であればポンチで点を凹設して設けても良い。そして、レーザポインタを設置し、レーザポインタから照射されるレーザ光線の照射点が基準点に位置するように位置調整する。この場合、レーザ光線がプロペラシャフトの軸線に対してある程度傾斜していても良いが、できるだけ、プロペラシャフトの軸線に略沿うように照射されるように調整するとよい。この状態で、プロペラシャフトを1回転し、基準点の照射点に対する変位δを検知する。
この際、図8及び図9に示すように、突出部3が曲っていると、プロペラシャフト1のうち軸受より船体側で支持されている部分は曲りがほとんどないことから、船体側のプロペラシャフト1の軸線を延長した真直ぐな真の軸線と表示面Hとの交点である正規の中心点Pを中心にして、基準点Kは旋回運動を行うことになり、軌跡Rが円となる。即ち、基準点Kは、図9中、a→c→b→dを通る円の軌跡Rに沿って旋回運動を行う。そのため、基準点Kの照射点Sに対する変位δが生じる。変位δにおいて、軌跡の円の直径が最大変位δmaxとなる。これにより、曲りが許容範囲を超えるか否かの判定を行うことができる。この場合、レーザポインタ30の照射点Sと表示面Hに表示した基準点Kとの変位δを検知することで、曲りの程度を判定できるので、プロペラシャフト1の曲り状態を、船舶にプロペラが装着されている状態において把握することができる。また、レーザポインタ30という小型且つ安価な装置を用いて、容易な作業で且つ精度良く曲り状態を把握できる。そして、変位δが許容範囲を超えると判断したときは、プロペラシャフトを船体から取り外して、別の専用機により曲げを修正し、再び、船体に組み込む。
そして、必要に応じ、上記プロペラシャフトが、上記突出部の先端側に該突出部に装着されたプロペラを押えるために設けられ上記軸線を軸とする雌ネジが設けられて構成されている場合、
上記雌ネジに螺合する検知用ボルトを用意し、該検知用ボルトのボルト頭の表面を表示面として、予め、該表示面に該検知用ボルトの軸線を通る基準点を表示し、該基準点を表示した検知用ボルトを上記雌ネジに螺合して上記突出部の先端に表示面を形成する構成としている。
これにより、突出部に、基準点を直接表示するのは、基準点の位置を割り出しにくいので困難であるが、検知用ボルトのボルト頭の表面に表示するので、表示が極めて容易になるとともに、正確な位置に基準点を表示できる。即ち、例えば、検知用ボルトを旋盤等にチャッキングして、そのボルト頭の表面の中心に、ポンチングにより基準点を打刻して表示する。突出部に形成された雌ネジは、プロペラシャフトの軸線を軸としているので、検知用ボルトをねじ込んで取り付けると、検知用ボルトの軸はプロペラシャフトの軸線に沿うようになり、そのため、ボルト頭の基準点はプロペラシャフトの軸線上に位置することになる。このため、基準点の位置を容易に表示面に表示することができるようになり、変位δの検知を正確に行うことができるようになる。
そしてまた、必要に応じ、上記プロペラシャフトが、上記突出部の先端側に該突出部に装着されたプロペラを押えるために設けられ上記軸線を軸とする雄ネジが設けられて構成されている場合、
上記雄ネジに螺合する検知用袋ナットを用意し、該検知用袋ナットの表面を表示面として、予め、該表示面に該検知用袋ナットの軸線を通る基準点を表示し、該基準点を表示した検知用袋ナットを上記雄ネジに螺合して上記突出部の先端に表示面を形成する構成としている。
これにより、突出部に、基準点を直接表示するのは、基準点の位置を割り出しにくいので困難であるが、検知用袋ナットの表面に表示するので、表示が極めて容易になるとともに、正確な位置に基準点を表示できる。即ち、例えば、検知用袋ナットを旋盤等にチャッキングして、その表面の中心に、ポンチングにより基準点を打刻して表示する。突出部に形成された雄ネジは、プロペラシャフトの軸線を軸としているので、検知用ナットをねじ込んで取り付けると、検知用ナットの軸はプロペラシャフトの軸線に沿うようになり、そのため、基準点はプロペラシャフトの軸線上に位置することになる。このため、基準点の位置を容易に表示面に表示することができるようになり、変位δの検知を正確に行うことができるようになる。
また、必要に応じ、上記基準点の上記照射点に対する最大変位δmaxを必要時に計測する構成としている。計測は、図8及び図9に示すように、例えば、照射点Sの中心をa点とし、基準点Kの中心がa点から最大離れた位置をb点としたとき、b点が判明したならば基準点Kをb点に位置させた状態で、a点とb点との距離を例えばノギス等の計測器で計測し、この計測値を最大変位δmaxとする。このように、最大変異δmaxを計測すると、船体側のプロペラシャフトの軸線を延長した真直ぐな真の軸線と表示面との交点である正規の中心点Pを中心にして、基準点Kは旋回運動を行うが、その軌跡である円の直径が最大変位δmaxとなるので、正規の中心点Pに対するズレが分かることから、曲りが許容範囲を超えるか否かの判定を行うことができる。許容範囲を超えると判断したときは、プロペラシャフトを船体から取り外して、別の専用機により曲げを修正するが、その際に、正規の中心点Pに対するズレが分かっているので、修正を容易に行うことができるようになる。
更に、必要に応じ、上記基準点の直径Dkを、0.01mm≦Dk≦0.03mmに設定し、上記レーザ光線の照射点の直径Dsを、0.1mm≦Ds≦0.5mmに設定し、上記レーザポインタからレーザ光線を照射した状態で上記プロペラシャフトを1回転させた際、上記基準点が上記照射点より外に出るとき、曲りが許容範囲を超えると判定して上記基準点の上記照射点に対する最大変位δmaxを計測し、上記基準点が上記照射点内にあるとき、曲りが許容範囲内にあると判定する構成としている。曲りが許容範囲内にあると判定する場合は、特に最大変位δmaxの計測を行わなくても良い。
基準点の直径Dkが0.01mm未満であると、視認しにくくなり好ましくない。基準点の直径Dkが0.03mmを超えると、大きくなりすぎて、精度に影響する。
最大変位δmaxが0.5mm、標準的には0.3mm前後を超えると、より厳しくは、0.1mmを超えると、曲りが許容範囲を超えていると判定することができる。そのため、照射点の直径Dsを、0.1mm≦Ds≦0.5mmの範囲に設定すれば、望ましくは、0.2mm≦Ds≦0.4mmの範囲、標準的により望ましくは、0.3mm±0.05mmに設定すれば、プロペラシャフトを1回転させた際、上記基準点が上記照射点より外に出るときは、曲りが許容範囲を超えたと判断することができる。その場合には、最大変位δmaxを測定して、その後の修正に役立てることができる。一方、基準点が照射点内にあるとき、曲りが許容範囲内にあると判定でき、最大変位δmaxの計測は行わなくても良いことから、計測作業の無駄を省くことができる。曲りが許容範囲内にあると判定したときは、合格として、プロペラシャフトの取り外しは行わない。
また、上記目的を達成するための船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握装置は、上記の船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法を実施する際に用いられるプロペラシャフトの曲り状態把握装置であって、
船体に着脱可能に取り付けられるベースと、レーザ光線を照射するレーザポインタと、該レーザポインタを保持する保持部と、該保持部を上記ベースに対して移動位置決め可能に支持する支持機構とを備えて構成している。
これにより、本装置は、レーザポインタをベースに支持機構を介して支持したものなので、構造が極めて簡単であり、比較的安価に作成でき、汎用性を向上させることができる。また、本装置を用いて、プロペラシャフトの曲り状態を把握する際には、ベースを船体に取付け、それから、支持機構を動かしてレーザポインタから照射されるレーザ光線の照射点が基準点に位置するように位置調整するが、支持機構を動かすだけでレーザポインタを移動位置決めできるので、操作を極めて簡単に行うことができる。また、ベースを船体に取付けるので、地面に設置する場合に比較して、プロペラシャフトに対するレーザポインタの位置関係を動きにくくすることができ、曲り状態の把握を正確に行うことができる。
そして、必要に応じ、上記ベースを、互いに対向し一端側が開閉可能になるように連結された一対のクリップ片と、該クリップ片の一端側を閉方向に付勢するバネと、上記クリップ片の一端側をバネの付勢力に抗して開方向に移動させる取っ手とを備えたクリップで構成している。着脱を容易にすることができるとともに、船体への固定を確実にすることができる。
そして、必要に応じ、上記ベースを、船体の磁着体に磁着させられる励磁状態と該磁着体から離脱させられる消磁状態とに切替可能なマグネットベースで構成している。着脱を容易にすることができるとともに、船体への固定を確実にすることができる。
更に、必要に応じ、上記支持機構を、一端がベースに固定され他端が上記保持部に固定され全方向に折曲可能なフレキシブルチューブアームを備えて構成している。レーザポインタを移動位置決めする際には、フレキシブルチューブアームの曲げにより、レーザポインタの位置と向きを全方向的に可変にすることができ、操作性がよく、作業を極めて容易に行うことができる。
更にまた、必要に応じ、上記支持機構を、一端側が上記ベースに設けられ他端側が上記保持部に設けられるとともに、複数のアームを少なくとも1つの軸を中心に回転可能にして順次連結したアーム群とを備えて構成している。レーザポインタを移動位置決めする際には、各アームの相対的回動により、レーザポインタの位置と向きを可変にすることができ、操作性がよく、作業を極めて容易に行うことができる。
また、必要に応じ、上記保持部を、上記レーザポインタを保持する保持本体と、該保持本体を上記レーザポインタが照射するレーザ光線の光軸方向に直交する方向に移動可能に支持するレールと、上記保持本体のレールに対する移動距離を計測して表示する計測表示部とを備えて構成している。これにより、計測表示部を用いて基準点の照射点に対する最大変位δmaxを必要時に計測することができる。計測は、例えば、照射点の中心をa点とし、基準点の中心がa点から最大離れた位置をb点としたとき、照射点のa点の照射時に計測表示部をゼロ点設定しておき、b点が判明したならば基準点をb点に位置させた状態で、保持本体をレールに対して移動させ、照射点を基準点のb点に重畳させる。これにより、a点からb点に移動した照射点の距離が表示されるので、表示された値を最大変位δmaxとする。この場合、逐一、ノギスなどで計測しなくても、保持本体を移動させるだけで最大変異δmaxを計測することができ、計測作業を極めて容易に行うことができる。
更に、必要に応じ、上記レーザポインタを、ケース本体に半導体レーザ装置を収容し、該ケース本体の一端に上記レーザ装置から発光するレーザ光線を照射する照射部を備えて構成し、該照射部に、レーザ光線の照射点の直径Dsを、0.1mm≦Ds≦0.5mmに設定する絞り部材を設けた構成としている。
これにより、上述したように、基準点の直径Dkを、0.01mm≦Dk≦0.03mmに設定し、レーザポインタからレーザ光線を照射した状態でプロペラシャフトを1回転させた際、基準点が照射点より外に出るとき、曲りが許容範囲を超えると判定して基準点の照射点に対する最大変位δmaxを計測し、基準点が照射点内にあるとき、曲りが許容範囲内にあると判定して最大変位δmaxの計測は行わない対応をすることができる。
即ち、最大変位δmaxが0.5mm、標準的には0.3mm前後を超えると、より厳しくは、0.1mmを超えると、曲りが許容範囲を超えていると判定することができる。そのため、照射点の直径Dsを、0.1mm≦Ds≦0.5mmの範囲に設定すれば、望ましくは、0.2mm≦Ds≦0.4mmの範囲、標準的により望ましくは、0.3mm±0.05mmに設定すれば、プロペラシャフトを1回転させた際、上記基準点が上記照射点より外に出るときは、曲りが許容範囲を超えたと判断することができる。その場合には、最大変位δmaxを測定して、その後の修正に役立てることができる。一方、基準点が照射点内にあるとき、曲りが許容範囲内にあると判定でき、最大変位δmaxの計測は行わなくても良いことから、計測作業の無駄を省くことができる。曲りが許容範囲内にあると判定したときは、合格として、プロペラシャフトの取り外しは行わない。
この場合、必要に応じ、上記絞り部材を、光軸方向に中心軸線を有した円柱状の本体と、該本体の基端側に形成され中心軸に沿う軸線を有した円錐状の底部を備えた入射口部と、上記本体の先端側に形成され中心軸に沿う軸線を有した円錐状の底部を備えた出射口部と、上記入射口部の底部及び出射口部の底部間に連通して設けられ中心軸に沿う軸線を有した連通孔とを備えて構成し、該連通孔の直径Daを、0.1mm≦Da≦0.5mmに設定している。これにより、照射点の直径Dsを、0.1mm≦Ds≦0.5mmの範囲に設定することができる。そのため、比較的照射点の大きい例えば市販の汎用のレーザポインタであっても、この絞り部材を取り付けることで、本発明が要求するレーザポインタとすることができ、容易に装置を構築することができる。
本発明によれば、プロペラシャフトの曲り状態を、船舶にプロペラが装着されている状態において把握することができるようになるとともに、小型且つ安価な装置を用いて、作業が容易で且つ精度良く曲り状態を把握することができる。
本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法に用いられる曲り状態把握装置をその取付け状態で示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握装置を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握装置を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握装置を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握装置において、レーザポインタの絞り部材の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法において、基準点の直径Dkとレーザ光線の照射点の直径Dsとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法において、プロペラシャフトの突出部に検知用ボルトを取り付けた状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法の把握原理を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法の把握原理を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法に用いられる別の曲り状態把握装置をその取付け状態で示す斜視図である。 本発明の別の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法において、プロペラシャフトの突出部に検知用ナットを取り付けた状態を示す断面図である。 本発明の別の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法において、プロペラシャフトの突出部と検知用ナットとの関係を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法が適用される船舶の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法が適用されるプロペラシャフトの一例を示し、(a)はプロペラシャフトの突出部に雌ネジが設けられて構成されている場合の断面図、(b)はプロペラシャフトの突出部に雄ネジが設けられて構成されている場合の断面図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法及び船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握装置について詳細に説明する。
本実施の形態が対象とする船舶は、例えば、図13に示すように、漁船等の作業船,貨物船や客船等の船舶においては、例えば、船体内のエンジンに連結されたプロペラシャフト1を、船体の船尾側に設けた軸受2に軸支するとともに、この軸受2から突出した突出部3にプロペラ4を装着している。また、プロペラ4の後方には、舵板5が揺動可能に船体に設けられている。
プロペラ4は、図1,図7,図14(a)に示すように、テーパ孔6aを有した略円錐台形のコア6と、コア6の周囲に設けられる複数の羽根7とからなり、プロペラシャフト1の突出部3の先端側をテーパ状に形成して、この突出部3にコア6のテーパ孔6aを挿通してプロペラシャフト1に装着されている。コア6のテーパ孔6aと突出部3との間にはキ―6bが介装され互いに相対回転が抑止されている。
また、突出部3の先端側には、突出部3に装着されたプロペラ4を押えるために設けられプロペラシャフト1の軸線を軸とする雌ネジ8が設けられている。突出部3の先端には、プロペラシャフト1の軸線を軸とする段付のボルト挿通孔9が形成されプロペラ4の抜けを押える流線型の冠体10が設けられている。この冠体10は、例えば6角レンチで回転させられる止めボルト11(図14(a))をボルト挿通孔9に挿通し、雌ネジ8に捩じ込むことにより、突出部3の先端に固定されている。
本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法においては、本発明の実施の形態に係るプロペラシャフトの曲り状態把握装置Tを用いる。
この曲り状態把握装置Tは、図1乃至図5に示すように、船体に着脱可能に取り付けられるベース20と、レーザ光線を照射するレーザポインタ30と、レーザポインタ30を保持する保持部40と、保持部40をベース20に対して移動位置決め可能に支持する支持機構50とを備えて構成されている。
ベース20は、互いに対向し一端側が開閉可能になるように回動可能に連結された一対のクリップ片21と、クリップ片21の一端側を閉方向に付勢するバネ22と、クリップ片21の他端側で構成され一端側をバネ22の付勢力に抗して開方向に移動させる取っ手23とを備えたクリップ24で構成されている。
レーザポインタ30は、ケース本体31に半導体レーザ装置(図示せず)を収容し、ケース本体31の一端にレーザ装置から発光するレーザ光線を照射する照射部32を備えて構成されている。照射部32には、レーザ光線の照射点Sの直径Dsを、0.1mm≦Ds≦0.5mmに設定する絞り部材33が設けられている。照射点Sの直径Dsを、望ましくは、0.2mm≦Ds≦0.4mmの範囲、標準的により望ましくは、0.3mm±0.05mmに設定する。実施の形態では、Ds=0.3mmに設定した。
絞り部材33は、図5に示すように、光軸方向に中心軸線を有した円柱状の本体34と、本体34の基端側に形成され中心軸に沿う軸線を有した円錐状の底部35aを備えた入射口部35と、本体34の先端側に形成され中心軸に沿う軸線を有した円錐状の底部36aを備えた出射口部36と、入射口部35の底部35a及び出射口部36の底部36a間に連通して設けられ中心軸に沿う軸線を有した連通孔37とを備えて構成されている。入射口部35の開口38は、円錐状に拡開形成されている。連通孔37の直径Daは、0.1mm≦Da≦0.5mmに設定されている。照射点Sの直径Dsが、Ds=0.3mmになるように、0.1mm≦Ds≦0.5mmの範囲で連通孔37をあける。
保持部40は、リング状に形成されレーザポインタ30を保持する保持本体41と、保持本体41をレーザポインタ30が照射するレーザ光線の光軸方向に直交する方向に移動可能に支持するレール42と、保持本体41のレール42に対する移動距離を計測して表示する計測表示部43とを備えて構成されている。保持本体41は、レーザポインタ30を包持するリング状の包持杆44と、包持杆44の基端部を回動可能に支持する支持杆45と、支持杆45の基端が固定されたスライダ46とで構成されている。スライダ46はレール42に対して移動可能に設けられており、計測表示部43は、市販のデジタルノギスの計測表示部43と同様に構成され、例えば、レール42にエッチングや磁化によって微小な目盛を記録し、スライダ46が移動したとき磁気的に移動した目盛分を検出することで間接的に距離を求め、表示部47に表示する。
支持機構50は、一端がベース20としてのクリップ24の一方の取っ手23に固定され他端が保持部40のレール42の下部に固定されたフレキシブルチューブアーム51を備えて構成されている。フレキシブルチューブアーム51としては、例えば、波形断面を有する複数の環状突起をその外周に並設してなる周知のたわみ金属管を所要の長さに切断したものが好適に使用される。
次に、上記の本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握装置Tを用いた本発明の実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法について詳細に説明する。
実施の形態に係る船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法は、図1,図7,図13及び図14(a)に示すように、船体の船尾側に設けた軸受2に軸支されるとともに軸受2から突出した突出部3にプロペラ4が装着されプロペラシャフト1の突出部3の曲りを検知するもので、図1,図6乃至図9に示すように、予め、突出部3の先端にプロペラシャフト1の軸線が通る基準点Kを表示した表示面Hを形成し、表示面Hより外方に表示面Hにレーザ光線を照射するレーザポインタ30を設置し、レーザポインタ30の位置をレーザポインタ30から照射されるレーザ光線の照射点Sが基準点Kに位置するように調整し、その後、レーザポインタ30からレーザ光線を照射した状態でプロペラシャフト1を1回転し、基準点Kの照射点Sに対する変位δを検知する。以下詳しく説明する。
(1)表示面Hの形成
実施の形態では、対象とする船舶が、プロペラシャフト1の突出部3に、プロペラ4を押えるために設けられ軸線を軸とする雌ネジ8が設けられて構成されているので、図1,図6乃至図9に示すように、この雌ネジ8に螺合する検知用ボルト60を用意する。そして、この検知用ボルト60のボルト頭61の表面を表示面Hとして、予め、表示面Hに検知用ボルト60の軸線を通る基準点Kを表示し、基準点Kを表示した検知用ボルト60を雌ネジ8に螺合して、突出部3の先端(実施の形態では冠体10の先端)に表示面Hを形成する。これにより、突出部3に、基準点Kを直接表示するのは、基準点Kの位置を割り出しにくいので困難であるが、検知用ボルト60のボルト頭61の表面に表示するので、表示が極めて容易になるとともに、正確な位置に基準点Kを表示できる。即ち、例えば、検知用ボルト60を旋盤等にチャッキングして、そのボルト頭61の表面の中心に、ポンチングにより基準点Kを打刻して表示する。この場合、基準点Kの直径Dkを、0.01mm≦Dk≦0.03mmに設定している。基準点Kの直径Dkが0.01mm未満であると、視認しにくくなり好ましくない。基準点Kの直径Dkが0.03mmを超えると、大きくなりすぎて、精度に影響する。
突出部3に形成された雌ネジ8は、プロペラシャフト1の軸線を軸としているので、検知用ボルト60をねじ込んで取り付けると、検知用ボルト60の軸はプロペラシャフト1の軸線に沿うようになり、そのため、ボルト頭61の基準点Kはプロペラシャフト1の軸線上に位置することになる。このため、基準点Kの位置を容易に表示面Hに表示することができるようになり、変位δの検知を正確に行うことができるようになる。
(2)レーザポインタの設置及び位置調整
実施の形態では、実施の形態に係る曲り状態把握装置Tを設置する。図1に示すように、例えば、船体の舵板5の所要の位置に、ベース20としてのクリップ24のクリップ片21の一端側を開いて舵板5に差し込み、閉じて舵板5を挾持する。この状態で、フレキシブルチューブアーム51を適宜曲げ、図6及び図9(実線部分)に示すように、レーザポインタ30から照射されるレーザ光線の照射点Sが基準点Kに位置するように位置調整する。この際は、レーザ光線がプロペラシャフト1の軸線に対してある程度傾斜していても良いが、できるだけ、プロペラシャフト1の軸線に略沿うように照射されるように調整するとよい。この場合、フレキシブルチューブアーム51なので、レーザポインタ30の位置と向きを全方向的に可変にすることができ、操作性がよく、作業を極めて容易に行うことができる。
即ち、本装置は、レーザポインタ30をベース20に支持機構50を介して支持したものなので、構造が極めて簡単であり、比較的安価に作成でき、汎用性を向上させることができる。また、本装置を用いて、プロペラシャフト1の曲り状態を把握する際には、ベース20を船体に取付け、それから、支持機構50を動かしてレーザポインタ30から照射されるレーザ光線の照射点Sが基準点Kに位置するように位置調整するが、ベース20及び支持機構50を動かすだけでレーザポインタ30を移動位置決めできるので、操作を極めて簡単に行うことができる。また、ベース20を船体に取付けるので、地面に設置する場合に比較して、プロペラシャフト1に対するレーザポインタ30の位置関係を動きにくくすることができ、曲り状態の把握を正確に行うことができる。
(3)変位の検知
その後、レーザポインタ30からレーザ光線を照射し、この状態で、プロペラシャフト1を手動で1回転し、基準点Kの照射点Sに対する変位δを検知する。
図8及び図9に示すように、この計測の際、突出部3が曲っていると、プロペラシャフト1のうち軸受2より船体側で支持されている部分は曲りがほとんどないことから、船体側のプロペラシャフト1の軸線を延長した真直ぐな真の軸線と表示面Hとの交点である正規の中心点Pを中心にして、基準点Kは旋回運動を行うことになり、軌跡Rが円となる。即ち、基準点Kは、図9中、a→c→b→dを通る円の軌跡Rに沿って旋回運動を行う。そのため、基準点Kの照射点Sに対する変位δが生じる。変位δにおいて、軌跡の円の直径が最大変位δmaxとなる。これにより、曲りが許容範囲を超えるか否かの判定を行うことができる。この場合、レーザポインタ30の照射点Sと表示面Hに表示した基準点Kとの変位δを検知することで、曲りの程度を判定できるので、プロペラシャフト1の曲り状態を、船舶にプロペラが装着されている状態において把握することができる。また、レーザポインタ30という小型且つ安価な装置を用いて、容易な作業で且つ精度良く曲り状態を把握できる。
詳しくは、図6に示すように、レーザ光線の照射点Sの直径Dsを、0.1mm≦Ds≦0.5mm、実施の形態では、Ds=0.3mmに設定している。そして、レーザポインタ30からレーザ光線を照射した状態でプロペラシャフト1を1回転させた際、基準点Kが照射点Sより外に出るとき、曲りが許容範囲を超えると判定して基準点Kの照射点Sに対する最大変位δmaxを計測し、基準点Kが照射点S内にあるとき、曲りが許容範囲内にあると判定する。最大変位δmaxの計測は行わなくても良い。勿論測定することは差し支えない。
最大変位δmaxが0.3mm前後を超えると、曲りが許容範囲を超えていると判定することができる。そのため、照射点Sの直径Dsを、Ds=0.3mmに設定しているので、プロペラシャフト1を1回転させた際、基準点Kが照射点Sより外に出るときは、曲りが許容範囲を超えたと判断することができる。その場合には、最大変位δmaxを測定して、その後の修正に役立てることができる。一方、基準点Kが照射点S内にあるとき、曲りが許容範囲内にあると判定でき、最大変位δmaxの計測は行わなくても良いことから、計測作業の無駄を省くことができる。曲りが許容範囲内にあると判定したときは、合格として、プロペラシャフト1の取り外しは行わない。
(4)最大変位の計測
そして、基準点Kの照射点Sに対する最大変位δmaxを必要時に計測する。図9に示すように、計測は、例えば、照射点Sの中心をa点とし、基準点Kの中心がa点から最大離れた位置をb点としたとき、b点が判明したならば基準点Kをb点に位置させた状態で、a点とb点との距離を計測し、この計測値を最大変位δmaxとする。詳しくは、照射点Sのa点の照射時に計測表示部43をゼロ点設定しておき、b点が判明したならば基準点Kをb点に位置させた状態で、保持本体41をレール42に対して移動させ、照射点Sを基準点Kのb点に重畳させる。これにより、a点からb点に移動した照射点Sの距離が表示されるので、表示された値を最大変位δmaxとする。この場合、逐一、ノギスなどで計測しなくても、保持本体41を移動させるだけで最大変異δmaxを計測することができ、計測作業を極めて容易に行うことができる。
このように、曲りが許容範囲を超えると判断したときは、計測の後、プロペラシャフト1を船体から取り外して、別の専用機により曲げを修正し、再び、船体に組み込む。この場合、正規の中心点に対するズレが計測により分かっているので、修正を容易に行うことができるようになる。また、例えば、最大変位δmaxが5mmを超えた場合は、修理不能とする。
図10には、実施の形態に係る曲り状態把握装置Tの変形例を示す。これは、ベース20を、船体の磁着体に磁着させられる励磁状態と該磁着体から離脱させられる消磁状態とに切替可能なマグネットベース25で構成している。着脱を容易にすることができるとともに、船体への固定を確実にすることができる。他の作用,効果は上記と同様である。
また、支持機構50を、一端側がベース20に設けられ他端側が保持部40に設けられるとともに、複数のアームを少なくとも1つの軸を中心に回転可能にして順次連結したアーム群52を備えて構成している。
詳しくは、支持機構50は、ベース20に立設される第一アーム70と、第一アーム70に回動可能且つスライド可能に挿通される第一軸受部71と、第一軸受部71に回動可能に設けられ第一アーム70の軸方向と交差する方向に軸線を有する第二軸受部72と、第一軸受部71及び第二軸受部72を第一アーム70の所要の位置でネジ機構によりロックする第一ロック部73と、第二軸受部72に回動可能且つスライド可能に挿通される第二アーム74と、第二アーム74に回動可能且つスライド可能に挿通される第三軸受部75と、第三軸受部75に回動可能に設けられ第二アーム74の軸方向と交差する方向に軸線を有する第四軸受部76と、第三軸受部75及び第四軸受部76を第二アーム74の所要の位置でネジ機構によりロックする第二ロック部77と、第四軸受部76に回動可能且つスライド可能に挿通される第三アーム78とを備えて構成されている。第三アーム78に保持部40が固定されている。このため、レーザポインタ30を移動位置決めする際には、各アーム70,74,78及び軸受部71,72,75,76の相対的回動及びスライドにより、レーザポインタ30の位置と向きを全方向的に可変にすることができ、操作性がよく、作業を極めて容易に行うことができる。他の作用,効果は上記と同様である。
図11には、別な実施の形態に係る船舶のプロペラシャフト1の曲り状態把握方法を示す。これは、図14(b)に示すように、別なタイプの船舶についての方法である。この船舶は、上記と異なって、突出部3の先端側には、突出部3に装着されたプロペラ4を押えるために設けられプロペラシャフト1の軸線を軸とする雄ネジ12が設けられている。この雄ネジ12には、止めナット13がねじ込まれ、この止めナット13によってプロペラ4のコア6の挿通孔6周囲を押えてプロペラ4の抜けを押えている。また、突出部3の先端には、流線型の冠体14が図示外のボルトなどで固定されて設けられている。
このタイプにおいては、上記とは表示面Hの形成工程が異なっている。この表示面Hの形成においては、図11及び図12に示すように、雄ネジ12に螺合する検知用袋ナット80を用意する。そして、検知用袋ナット80の表面を表示面Hとして、予め、表示面Hに検知用袋ナット80の軸線を通る基準点Kを表示し、基準点Kを表示した検知用袋ナット80を雄ネジ12に螺合して突出部3の先端に表示面Hを形成する。
これにより、突出部3に、基準点Kを直接表示するのは、基準点Kの位置を割り出しにくいので困難であるが、検知用袋ナット80の表面に表示するので、表示が極めて容易になるとともに、正確な位置に基準点Kを表示できる。即ち、例えば、検知用袋ナット80を旋盤等にチャッキングして、その表面の中心に、ポンチングにより基準点Kを打刻して表示する。突出部3に形成された雄ネジ12は、プロペラシャフト1の軸線を軸としているので、検知用袋ナット80をねじ込んで取り付けると、検知用袋ナット80の軸はプロペラシャフト1の軸線に沿うようになり、そのため、基準点Kはプロペラシャフト1の軸線上に位置することになる。このため、基準点Kの位置を容易に表示面Hに表示することができるようになり、変位δの検知を正確に行うことができるようになる。これによっても上記と同様に、船舶のプロペラシャフト1の曲り状態を把握することができる。
尚、上記実施の形態においては、支持機構50は、上述したものに限定されるものではなく、例えば、複数のアームをユニバーサルジョイントで連結した、所謂多関節アームで構成する等、どのように構成しても良く、適宜変更して差し支えない。また、支持機構50とベース20の組合せも適宜変更して良い。更に、上記実施の形態において、絞り部材33の孔の開け方は上述した構成に限定されず適宜変更して良い。また、絞り部材をレンズで構成しても良く、適宜変更して差し支えない。
尚また、上記実施の形態では、保持部40を、計測表示部43を備えて構成し、基準点Kの照射点Sに対する最大変位δmaxを必要時に計測できるようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、計測表示部43及びレール42を特に設けなくても良い。この場合には、基準点Kの照射点Sに対する最大変位δmaxの計測は、例えば、照射点Sの中心をa点とし、基準点Kの中心がa点から最大離れた位置をb点としたとき、b点が判明したならば基準点Kをb点に位置させた状態で、a点とb点との距離を例えばノギス等の計測器で計測し、この計測値を最大変位δmaxとすれば良い。
T 曲り状態把握装置
1 プロペラシャフト
2 軸受
3 突出部
4 プロペラ
5 舵板
6 コア
6a テーパ孔
6b キー
7 羽根
8 雌ネジ
10 冠体
11 止めボルト
12 雄ネジ
13 止めナット
14 冠体
20 ベース
24 クリップ
25 マグネットベース
30 レーザポインタ
31 ケース本体
32 照射部
33 絞り部材
34 入射口部
36 出射口部
37 連通孔
40 保持本体
42 レール
43 計測表示部
47 表示部
50 支持機構
51 フレキシブルチューブアーム
52 アーム群
S 照射点
H 表示面
K 基準点
δ 変位
δmax 最大変位
60 検知用ボルト
61 ボルト頭
P 中心点
R 軌跡(a→c→b→d)
Ds 照射点Sの直径
Dk 基準点Kの直径
80 検知用袋ナット

Claims (13)

  1. 船体の船尾側に設けた軸受に軸支されるとともに該軸受から突出した突出部にプロペラが装着されプロペラシャフトの当該突出部の曲りを検知する船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法において、
    上記突出部の先端に上記プロペラシャフトの軸線が通る基準点を表示した表示面を形成し、該表示面より外方に該表示面にレーザ光線を照射するレーザポインタを設置し、該レーザポインタの位置を該レーザポインタから照射されるレーザ光線の照射点が上記基準点に位置するように調整し、その後、上記レーザポインタからレーザ光線を照射した状態で上記プロペラシャフトを1回転し、上記基準点の上記照射点に対する変位δを検知することを特徴とする船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法。
  2. 上記プロペラシャフトが、上記突出部の先端側に該突出部に装着されたプロペラを押えるために設けられ上記軸線を軸とする雌ネジが設けられて構成されている場合、
    上記雌ネジに螺合する検知用ボルトを用意し、該検知用ボルトのボルト頭の表面を表示面として、予め、該表示面に該検知用ボルトの軸線を通る基準点を表示し、該基準点を表示した検知用ボルトを上記雌ネジに螺合して上記突出部の先端に表示面を形成することを特徴とする請求項1記載の船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法。
  3. 上記プロペラシャフトが、上記突出部の先端側に該突出部に装着されたプロペラを押えるために設けられ上記軸線を軸とする雄ネジが設けられて構成されている場合、
    上記雄ネジに螺合する検知用袋ナットを用意し、該検知用袋ナットの表面を表示面として、予め、該表示面に該検知用袋ナットの軸線を通る基準点を表示し、該基準点を表示した検知用袋ナットを上記雄ネジに螺合して上記突出部の先端に表示面を形成することを特徴とする請求項1記載の船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法。
  4. 上記基準点の上記照射点に対する最大変位δmaxを必要時に計測することを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法。
  5. 上記基準点の直径Dkを、0.01mm≦Dk≦0.03mmに設定し、上記レーザ光線の照射点の直径Dsを、0.1mm≦Ds≦0.5mmに設定し、上記レーザポインタからレーザ光線を照射した状態で上記プロペラシャフトを1回転させた際、上記基準点が上記照射点より外に出るとき、曲りが許容範囲を超えると判定して上記基準点の上記照射点に対する最大変位δmaxを計測し、上記基準点が上記照射点内にあるとき、曲りが許容範囲内にあると判定することを特徴とする請求項4記載の船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法。
  6. 上記請求項1乃至5何れかに記載の船舶のプロペラシャフトの曲り状態把握方法を実施する際に用いられるプロペラシャフトの曲り状態把握装置であって、
    船体に着脱可能に取り付けられるベースと、レーザ光線を照射するレーザポインタと、該レーザポインタを保持する保持部と、該保持部を上記ベースに対して移動位置決め可能に支持する支持機構とを備えて構成したことを特徴とするプロペラシャフトの曲り状態把握装置。
  7. 上記ベースを、互いに対向し一端側が開閉可能になるように連結された一対のクリップ片と、該クリップ片の一端側を閉方向に付勢するバネと、上記クリップ片の一端側をバネの付勢力に抗して開方向に移動させる取っ手とを備えたクリップで構成したことを特徴とする請求項6記載のプロペラシャフトの曲り状態把握装置。
  8. 上記ベースを、船体の磁着体に磁着させられる励磁状態と該磁着体から離脱させられる消磁状態とに切替可能なマグネットベースで構成したことを特徴とする請求項6記載のプロペラシャフトの曲り状態把握装置。
  9. 上記支持機構を、一端がベースに固定され他端が上記保持部に固定され全方向に折曲可能なフレキシブルチューブアームを備えて構成したことを特徴とする請求項6乃至8何れかに記載のプロペラシャフトの曲り状態把握装置。
  10. 上記支持機構を、一端側が上記ベースに設けられ他端側が上記保持部に設けられるとともに、複数のアームを少なくとも1つの軸を中心に回転可能にして順次連結したアーム群を備えて構成したことを特徴とする請求項6乃至8何れかに記載のプロペラシャフトの曲り状態把握装置。
  11. 上記保持部を、上記レーザポインタを保持する保持本体と、該保持本体を上記レーザポインタが照射するレーザ光線の光軸方向に直交する方向に移動可能に支持するレールと、上記保持本体のレールに対する移動距離を計測して表示する計測表示部とを備えて構成したことを特徴とする請求項6乃至10何れかに記載のプロペラシャフトの曲り状態把握装置。
  12. 上記レーザポインタを、ケース本体に半導体レーザ装置を収容し、該ケース本体の一端に上記レーザ装置から発光するレーザ光線を照射する照射部を備えて構成し、該照射部に、レーザ光線の照射点の直径Dsを、0.1mm≦Ds≦0.5mmに設定する絞り部材を設けたことを特徴とする請求項6乃至11何れかに記載のプロペラシャフトの曲り状態把握装置。
  13. 上記絞り部材を、光軸方向に中心軸線を有した円柱状の本体と、該本体の基端側に形成され中心軸に沿う軸線を有した円錐状の底部を備えた入射口部と、上記本体の先端側に形成され中心軸に沿う軸線を有した円錐状の底部を備えた出射口部と、上記入射口部の底部及び出射口部の底部間に連通して設けられ中心軸に沿う軸線を有した連通孔とを備えて構成し、該連通孔の直径Daを、0.1mm≦Da≦0.5mmに設定したことを特徴とする請求項12記載のプロペラシャフトの曲り状態把握装置。
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