JP5463498B1 - 感光性導電性インキ及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、感光性、現像性に優れる感光性導電性インキであって、導電性、密着性、耐湿熱性等に優れる導電層を形成できる感光性導電性インキ及の提供。
【解決手段】 感光性樹脂(A)、導電性粒子(B)および光重合開始剤(C)を含む感光性導電性インキであって、前記感光性樹脂(A)が、エポキシ化合物(a)とフェノール化合物(b)とを反応させてなる側鎖にヒドロキシル基を有する樹脂(c)に、多塩基酸無水物(d)、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)および多塩基酸無水物(g)を順次反応させてなる、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂(A−1)もしくは(A−2)である、ことを特徴とする感光性導電性インキ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、活性エネルギー線に対する感光性と希アルカリ水溶液による現像性に優れた導電性インキ、およびその導電性インキを用いて得られる導電パターン付き積層体に関する。
電子部品、電磁波シールド用の薄膜形成手段あるいは導電回路の形成手段として、一般的に、エッチング法および印刷法が知られている。エッチング法とは、金属の表面や形状を、化学あるいは電気化学的に溶解除去し、その表面処理を含めた広義の加工技術の意である。エッチングは、化学加工の一種であり、主に金属膜に希望のパターン形状を得るために行われるが、一般的に工程が煩雑であり、また後工程で廃液処理が必要であるため、費用もかかり問題が多い。また、エッチング法によって形成された導電回路は、アルミニウムや銅など金属材料等で形成されたものであるため、折り曲げ等の物理的衝撃に対して弱いという問題がある。
そこで、これらの問題を解決してより安価に導電回路を形成するために、導電性インキが注目を集めている。導電性インキを印刷することにより、容易に導電回路を形成できる。さらに電子部品の小型軽量化、生産性の向上、低コスト化の実現が期待できるので、印刷可能な導電性インキについての研究開発が精力的になされ、多くの提案がなされている(例えば、特許文献1〜9)。
また、感光性導電性組成物を用い、パターンを形成する方法が提案されている(特許文献10〜12)。
さらに、導電性ではない感光性樹脂組成物をソルダーレジスト等に用いる旨、特許文献13〜14に開示されている。
特開平06−68924号公報 WO2003/103352のパンフレット 特開2003−238876号公報 特開2001−234106号公報 特開2005−29639号公報 特開2006−310022号公報 特開2003−68139号公報 特開2003−331648号公報 特開2005−183301号公報 特開平05−271576公報 特開2003−162921公報 WO2004/061006のパンフレット 特開2011−93999号公報 特開2013−0033207号公報
しかし、特許文献1〜9に記載されるような印刷工程のみによる方法で、エッチングと同等の高精細化を達成することは難しい。
また、特許文献10〜12に記載されるような方法では、フォトリソ工程(活性エネルギー線感光性とアルカリ現像性)適応性と密着性、導電性を両立する事が難しい。
さらに、また、近年において携帯電話、ゲーム機等の携帯端末、パーソナルコンピュター等に多く使用されているタッチスクリーンパネルに使用される導電回路パターンに要求される項目としては、前述の高精細性のみならず、高温高湿環境にタッチパネルが曝された場合においても抵抗値が安定性する事も挙げられる。特にフォトリソ方式による高精細化に対応した従来提案されている導電性インキは、このような環境負荷に対する抵抗値の安定性、密着性維持に大きな問題があり、タッチパネルの耐久信頼性確保が困難にしている。
なお、特許文献13にはカルボキシル基含有樹脂を導電性インキに用いることは記載されていない。
本発明は、活性エネルギー線に対する感光性に優れ、希アルカリ水溶液による現像により微細なパターンが形成できるとともに、後硬化(ポストキュア)工程を経て得られる硬化塗膜が導電性、密着性、耐湿熱性等に優れており、特に各種印刷方式により租パターンを作成後、フォトリソ方式工程により微細な電気回路形成に使用される感光性導電性インキ及びその硬化物、積層物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、特定の感光性樹脂(A)を含有する感光性樹脂組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、第1の発明は、感光性樹脂(A)、導電性粒子(B)および光重合開始剤(C)を含む感光性導電性インキであって、
前記感光性樹脂(A)が、
ビスフェノール型エポキシ樹脂とポリエチレングリコールジグリシジルエーテルとを併用してなる1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物(b)とを反応させて側鎖にヒドロキシル基を有する樹脂(c)を生成し、
前記側鎖にヒドロキシル基を有する樹脂(c)中のヒドロキシル基の少なくとも一部と多塩基酸無水物(d)とを反応させて側鎖にカルボキシル基を有する樹脂(e)を生成し、
前記側鎖にカルボキシル基を有する樹脂(e)中のカルボキシル基の一部と、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)中のエポキシ基もしくはオキセタン基とを反応させてなる、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂(A−1)である、
ことを特徴とする感光性導電性インキに関する。
また、第2の発明は、感光性樹脂(A)、導電性粒子(B)および、光重合開始剤(C)を含む感光性導電性インキであって、
前記感光性樹脂(A)が、
ビスフェノール型エポキシ樹脂とポリエチレングリコールジグリシジルエーテルとを併用してなる1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物(b)とを反応させて側鎖にヒドロキシル基を有する樹脂(c)を生成し、
前記に側鎖ヒドロキシル基を有する樹脂(c)中のヒドロキシル基の少なくとも一部と多塩基酸無水物(d)とを反応させて側鎖にカルボキシル基含有樹脂(e)を生成し、
前記カルボキシル基を有する樹脂(e)中のカルボキシル基の少なくとも一部と、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)中のエポキシ基もしくはオキセタン基とを反応させて側鎖にヒドロキシル基とエチレン性不飽和基とを有する樹脂(AA−1)を生成し、
さらに、前記側鎖にヒドロキシル基とエチレン性不飽和基とを有する樹脂(AA−1)中のヒドロキシル基の少なくとも一部と、多塩基酸無水物(g)中の酸無水物基とを反応させてなる、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂(A−2)である、ことを特徴とする感光性導電性インキに関する。
また、第3の発明は、感光性樹脂(A)の酸価が、10〜200mgKOH/gである第1〜2いずれかの発明の感光性樹脂組成物に関する。
また、第4の発明は、感光性樹脂(A)のエチレン性不飽和基当量が、200〜5000g/eqである第1〜3いずれかの発明の感光性導電性インキに関する。
また、第5の発明は、感光性樹脂(A)の重量平均分子量が、1000〜100000である第1〜4いずれかの発明の感光性導電性インキに関する。
また、第の発明は、第1〜いずれかの発明の感光性導電性インキを硬化してなる硬化物に関する。
また、第の発明は、基材と、前記基材上に形成された導電パターンと、を具備し、前記導電パターンが、第1〜いずれかの発明に記載の導電性インキにより形成されている導電パターン付き積層体に関する。
また、第の発明は、前記導電パターンを被覆するように積層された絶縁層をさらに具備する、第の発明の導電パターン付き積層体に関する。
また、第の発明は、前記導電パターンの下層側で、前記導電パターンと電気的に接続された所定のパターンを有する他の導電膜が、前記基材上にさらに形成されている、第7〜8いずれかの発明の導電パターン付き積層体に関する。
また、第10の発明は、前記他の導電膜が、錫がドープされた酸化インジウムを主成分とする透明導電膜である、第9の発明に記載の導電パターン付き積層体に関する。
また、第11発明は、タッチスクリーンパネル用途に用いられる、第7〜10いずれかの発明の導電パターン付き積層体に関する。
なお、本発明において、以下のように略すことがある。即ち、
側鎖にヒドロキシル基を有する樹脂(c)を側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)と、
側鎖にカルボキシル基を有する樹脂(e)を側鎖カルボキシル基含有樹脂(e)と、
側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂(A−1)を、側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)もしくは感光性樹脂(A−1)と、
側鎖にヒドロキシル基とエチレン性不飽和基とを有する樹脂(AA−1)を、側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(AA−1)もしくは感光性樹脂(AA−1)と、
側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂(A−2)を、側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)もしくは感光性樹脂(A−2)と略すことがある。
あるいは「側鎖」を省略することもある。
本発明により、活性エネルギー線に対する感光性に優れ、希アルカリ水溶液による現像により微細なパターンが形成できるとともに、後硬化(ポストキュア)工程を経て得られる硬化塗膜が導電性、密着性、耐湿熱性等に優れており、特に各種印刷方式により租パターンを作成後、フォトリソ工程により微細な電気回路形成に使用される感光性導電性インキ及びその硬化物、積層物を提供することができるようになった。本発明の感光性導電性インキは、タッチスクリーンパネルの額縁に形成される微細導電回路や透明性と低表面抵抗値を併せ持つ微細金属メッシュシートの形成等の為の感光性導電性インキとして好適に用いることができる。
本発明の導電性インキを配線構造に適用した抵抗膜式タッチスクリーンパネルの一例の要部の概略断面構成図であり、図2のA−A'切断線に相当する。 本発明の導電性インキを配線構造に適用して好適な抵抗膜式タッチスクリーンパネルの積層状態を示す斜視図である。
本発明の感光性導電性インキは、感光性樹脂(A)は、主鎖中に二塩基酸無水物によるハーフエステル化由来のエステル結合やイソシアネート基と水酸基の反応由来のウレタン結合を有しない。従って、主鎖が化学的に安定であるので、得られる硬化塗膜は種々の塗膜耐性に優れ、高温条件下や高温多湿下にさらされた後でも優れた耐久性や導電性を維持する。
また詳細なメカニズムは明確ではないが、主鎖にエステル結合やウレタン結合を有さないことにより、感光性樹脂(A)の導電性粒子(B)への吸着が制限され、感光性樹脂(A)による導電性粒子(B)表面の被覆が抑制されることで、加熱乾燥時に導電性粒子同士の凝集が促進され、導電性が向上すると考えられる。
更には、本発に用いられる感光性樹脂(A)は、側鎖に感光性基及びカルボキシル基を有しているので、感光性基およびカルボキシル基の量が少ない場合でも、非常に優れた感光性、解像性、及び現像性を示す。これらの官能基は、主鎖に直結した場合に比べ、側鎖に導入された場合の方が反応性に富む。また、主鎖末端のみに導入されている場合に比べ、側鎖にこれらの官能基を導入する場合は、導入量を任意に調整できるため、優れた感光性、解像性、現像性、及び塗膜耐性を発揮することができる。以下、本発明の感光性樹脂(A)、及び感光性樹脂組成物について説明する。
本発明で用いられる感光性樹脂(A)は、以下に示す、側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)または側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)である。
前記側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)は、第一の工程として、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物(b)とを反応させて側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)を作製する。
前記エポキシ化合物(a)中のエポキシ基に前記フェノール化合物(b)中のフェノール性水酸基が付加反応し、エポキシ基が開環し、エーテル結合と二級のヒドロキシル基が生ずる。側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)における主鎖は、前記エポキシ化合物(a)に由来する構造と前記フェノール化合物(b)に由来する構造とがエーテル結合により連結されたものである。側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)におけるヒドロキシル基は、エーテル結合により連結された主鎖に対し、側鎖に位置する。
次に、第二の工程として、前記側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)中のヒドロキシル基の一部と多塩基酸無水物(d)とを反応させてカルボキシル基含有樹脂(e)を作製する。この場合、カルボキシル基含有樹脂(e)は、側鎖に未反応のヒドロキシル基も有する。
あるいは、前記側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)中のヒドロキシル基の全部を多塩基酸無水物(d)と反応させてカルボキシル基含有樹脂(e)を作製こともできる。
更に、第三の工程として、前記カルボキシル基含有樹脂(e)中のカルボキシル基の一部と、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)中のエポキシ基もしくはオキセタン基とを反応させることにより、側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)を得ることができる。側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)は、カルボキシル基含有樹脂(e)由来のカルボキシル基を有する。
また、側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)は、カルボキシル基とエポキシ基もしくはオキセタン基との反応により新たに生じたヒドロキシル基を側鎖に有する。なお、カルボキシル基含有樹脂(e)として、側鎖に未反応のヒドロキシル基をも有するものを用いた場合、側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)は、側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)由来のヒドロキシル基をも有する。よって、側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)は、側鎖にカルボキシル基とヒドロキシル基とエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂(A−1)ということができる。
本発明で用いられる側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)は、4つの工程から得られる。
第一、第二の工程は、側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)を得る場合と同様である。
側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)を得る場合の第三の工程は、前記カルボキシル基含有樹脂(e)中のカルボキシル基の全部を、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)中のエポキシ基もしくはオキセタン基と反応させても良いという点において、前記側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1)を得る場合の第三の工程と若干相違する。即ち、前記カルボキシル基含有樹脂(e)中のカルボキシル基の全部を前記化合物(f)と反応させた場合、生成する感光性樹脂(AA−1)は、側鎖にヒドロキシル基を有し、側鎖にカルボキシル基を有しない。
一方、前記カルボキシル基含有樹脂(e)中のカルボキシル基の一部を前記化合物(f)と反応させた場合、生成する感光性樹脂(AA−1)は、側鎖にヒドロキシル基とカルボキシル基とを有するので、前記の側鎖にヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する感光性樹脂(A−1)と同義になる。
そこで、以下、前記感光性樹脂(A−1)と前記感光性樹脂(AA−1)とをひとまとめにして「側鎖ヒドロキシル基含有感光性樹脂(A−1)」と略基することがある。
本発明で用いられる側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)は、次いで、第四の工程として、前記側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(AA−1)中のヒドロキシル基の少なくとも一部を多塩基酸無水物(g)中の酸無水物基と反応させることにより得ることができる。側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(AA−1)中のヒドロキシル基の全部を多塩基酸無水物(g)と反応させることもできる。
側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)は、多塩基酸無水物(g)由来のカルボキシル基を有する。さらに、側鎖カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)は、カルボキシル基含有樹脂(e)を構成していた多塩基酸無水物(d)由来のカルボキシル基を有することもできる。
以下、感光性樹脂(A)の製造方法について詳細に説明する。
まず、本発明の第一の工程で得られる側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)について説明する。
側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物(b)とを反応させることで得ることができる。エポキシ基とフェノール性水酸基は、エポキシ基:フェノール性水酸基=1:1〜1:2.5のモル比で反応させることが好ましい。前記エポキシ化合物(a)中のエポキシ基1モルに対し、前記フェノール化合物(b)中のフェノール性水酸基を1モル以上にすることで、適切な分子量にしやすくなり、耐熱性がより向上する。一方、前記フェノール化合物(b)中のフェノール性水酸基を2.5モル以下にすることで、末端エポキシ基の量をより適切にできるため、次工程で多塩基酸無水物(d)を反応させる際に反応制御がしやすくなる。
なお、本発明でいう、モル比とは、実際に官能基同士が反応するモル比であり、各種出発材料は、前記モル比での反応を可能にする量を使用する。従って、例えば、「1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)」と、「1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物(b)」との反応において各出発材料を仕込む際、「1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)」中のエポキシ基1.0モルに対して「1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物(b)」中のフェノール性水酸基が2.5モルを超える量で仕込んで(好ましくは2.7モルを上限として仕込んで)反応させることがある。
本発明で用いる1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)は、好ましくはエポキシ基を分子内に2個含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。
具体的に、エポキシ基を分子内に2個含有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、グリセリン・エピクロロヒドリン付加物のポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ジヒドロキシアントラセン型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジフェニルスルホンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノンジグリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル、ジフェニルメタンジグリシジルエーテル、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等のエポキシ化合物等が挙げられる。
これらの中でも、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルやポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルは、最終的に得られる感光性樹脂(A)を含有する感光性導電性インキから形成される導電層のフレキシブル性やアルカリ現像液に対する溶解性を向上できる点で好ましい。特にポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
また、ビスフェノール型エポキシ樹脂は、最終的に得られる感光性樹脂(A)を含有する感光性導電性インキから形成されるインキ層の耐熱性を向上できる点で好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。
特にビスフェノール型エポキシ樹脂とポリエチレングリコールジグリシジルエーテルとを併用することがより好ましい。併用する場合、ビスフェノール型エポキシ樹脂とポリエチレングリコールジグリシジルエーテルは、任意の重量比で調整することができ、仕込み重量比に応じて最終的に得られる導電層の物性を調節することができる。例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂とポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの仕込み重量比が20/80〜80/20であることが好ましい。前記範囲あることによって、トレードオフになりがちな、導電性と密着性、導電性と現像性とをバランスよく向上することができる。
本発明において好適に用いることができるビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物(YD8125、エポキシ当量173g/eq、新日鐵化学株式会社製)、ビスフェノールF型エポキシ化合物(YDF8170C、エポキシ当量160g/eq、新日鐵化学株式会社製)などが挙げられる。
本発明において好適に用いることができるポリエチレングリコールジグリシジルエーテルとしては、例えば、ナガセケムテックス株式会社製の「EX861」:エポキシ当量575g/eq、「EX830」:エポキシ当量268g/eqなどが挙げられる。また、本発明において用いることができるポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルとしては、ナガセケムテックス株式会社製の「EX931」:エポキシ当量493g/eqなどが挙げられる。
また、エポキシ基を分子内に3個以上含有する化合物としては、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、三菱化学株式会社製「エピコート1031S」、「エピコート1032H60」、「エピコート604」、「エピコート630」の他、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、特開2001-240654号公報に開示されているジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、エチレングリコール・エピクロルヒドリン付加物のポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、等が挙げられる。また、エポキシ基以外の他の熱硬化性基を併有する化合物も使用できる。例えば、特開2001−59011号公報や、2003−48953号公報に開示されているシラン変性エポキシ樹脂が挙げられる。
これら、エポキシ基を分子内に3個以上含有する化合物は、エポキシ基を分子内に2個含有する化合物と併用して用いることで、主鎖に分岐構造を導入することができるため、硬化塗膜の凝集力が増大し、保存安定性、塗膜柔軟性等に全く悪影響を与えずに、密着性や耐熱性を向上できる。
1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)としては、その他、特開2004−156024号公報、特開2004−315595号公報、特開2004−323777号公報に開示されているフレキシブル性に優れたエポキシ化合物や、下記式(1)−(3)で表される構造のエポキシ化合物等も挙げられる。
式(1)

式(2)
式(3)



このように本発明において、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)は目的に応じて選択することが可能であり、これらは単独で使用しても良い
し、複数を併用することも好ましい。
本発明で用いる1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物(b)としては、好ましくはフェノール性水酸基を分子内に2個含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。
例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)が代表例であり、その他にも、
ビス(4−ヒドロキシフェノル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−デカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルイルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−エチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−n−プロピルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−イソプロピルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−n−ブチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−ペンチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−ヘキシルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−フルオロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−クロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(2−フルオロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(2−クロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラクロロフェニルメタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン等の中心炭素に水素原子が結合しているビスフェノール類;
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ノナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(通称ビスフェノールP)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−トルイルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−n−プロピルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−イソプロピルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−n−ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ペンチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヘキシルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−フルオロフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−クロロフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−フルオロフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−クロロフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−テトラフルオロフェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−テトラクロロフェニルエタン等の中心炭素に1つのメチル基が結合しているビスフェノール類;
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールC)、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の中心炭素に2つのメチル基が結合しているビスフェノール類;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン等のジフェニルメタン誘導体であるビスフェノール類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(通称ビスフェノールZ)、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のシクロヘキサン誘導体であるビスフェノール類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン誘導体であるビスフェノール類;
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のフルオレン誘導体であるビスフェノール類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン等のシクロアルカン誘導体であるビスフェノール類;
4,4’−ビフェノール等の芳香族環が直接結合したビフェノール類;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン等のスルホン誘導体であるビスフェノール類;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のエーテル結合を有するビスフェノール類;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド等のスルフィド結合を有するビスフェノール類;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド等のスルホキシド誘導体であるビスフェノール類;
フェノールフタレイン等のヘテロ原子含有脂肪族環を有するビスフェノール類;
ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフルオロメタン、1,1−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロエタン、2,2−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の炭素−フッ素結合を有するビスフェノール類等を挙げることができる。
さらに、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、メチルヒドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類;
1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類等を挙げることができる。
中でも、工業品の入手の容易さ、種々の塗膜耐性、及び耐熱性、耐湿熱性を上げやすいという点から、ビスフェノールA、ビスフェノールFが好ましい。
また、フェノール性水酸基を分子内に3個以上含有する化合物としては、ビス(3、4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)フェニルメタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルメタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2,6−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル)−4−メチルフェノール、2,6−ビス(2,4−ジヒドロキシベンジル)−4−メチル−フェノール、2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)フェニル]プロパン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。
これら、フェノール性水酸基を分子内に3個以上含有する化合物は、フェノール性水酸基を分子内に2個含有する化合物と併用して用いることで、主鎖に分岐構造を導入することができるため、硬化塗膜の凝集力が増大し、保存安定性、加工安定性、塗膜柔軟性に全く悪影響を与えずに、密着性や耐熱性、耐湿熱性を向上できる。
本発明において、側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)の合成条件は特に限定されるものではなく、公知の条件で行うことができる。例えば、フラスコに、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)、1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物(b)、および溶剤を仕込み、撹拌しながら100〜150℃で加熱することで側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)を得ることができる。この際、必要に応じてトリフェニルホスフィンや、3級アミノ基含有化合物等の触媒を使用してもよい。
前記エポキシ化合物(a)と前記フェノール化合物(b)との反応の際、前記エポキシ化合物(a)中のエポキシ基が残らないように、前記フェノール化合物(b)のフェノール性水酸基に対して前記エポキシ化合物(a)中のエポキシ基をやや少なく用いることが好ましい。例えば、前記フェノール化合物(b)のフェノール性水酸基1モルに対して、前記エポキシ化合物(a)中のエポキシ基を0.8〜0.99モルの範囲で反応させることが好ましい。
このようにして得られる側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)の重量平均分子量は、1000〜100000であることが好ましく、より好ましくは、3000〜60000である。重量平均分子量が小さい場合は、塗工時の粘度やハンドリング、及び、光硬化後の現像性を向上させることができる。一方、重量平均分子量が大きい場合には、最終的に得られる塗膜の耐熱性、耐湿熱性等を向上することができる。また重量平均分子量を大きくすることにより柔軟性を高め、密着性確保が困難な基材への密着性等を向上することができる。
側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)の水酸基価は、50〜200mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは、70〜170mgKOH/gである。側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)の水酸基価が50〜200mgKOH/gであることにより、続く第二、第三、第四の工程における側鎖変性の反応率を調整する自由度が高くなるため、優れた感光性、解像性、及び現像性を付与しやすくなる。
次に、第二の工程で得られる側鎖カルボキシル基含有樹脂(e)について説明する。
カルボキシル基含有樹脂(e)は、前記側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)中のヒドロキシル基の少なくとも一部と多塩基酸無水物(d)とを反応させて得る。側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)中のヒドロキシル基と多塩基酸無水物(d)中の酸無水物基とを、ヒドロキシル基/酸無水物基=1/0.1〜1/1のモル比で反応させて作製することが好ましい。側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)中のヒドロキシル基1モルに対し、多塩基酸無水物(d)中の酸無水物基を0.1モル以上にすることで、適度な架橋になりやすく耐熱性やアルカリ現像液に対する溶解性を得やすい。一方、1モル以下にすることによって、次工程においてエポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)と反応させるときの反応制御が容易になる。
本発明で用いる多塩基酸無水物(d)は、酸無水物基を分子内に1個以上含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。例えば、
メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ナジック酸、無水ナジック酸、水素化メチル無水ナジック酸、スチルエンドスチレンテトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の脂環式二塩基酸無水物;
水添トリメリット酸無水物、水添ピロメリット酸無水物等の三塩基酸以上の脂環式多塩基酸無水物;
無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の芳香族二塩基酸無水物;
無水トリメリット酸、無水ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の三塩基酸以上の芳香族多塩基酸無水物;
無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、ブチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ブチルマレイン酸無水物、ペンチルマレイン酸無水物、ヘキシルマレイン酸無水物、オクチルマレイン酸無水物、デシルマレイン酸無水物、ドデシルマレイン酸無水物、ブチルグルタミン酸無水物、ヘキシルグルタミン酸無水物、ヘプチルグルタミン酸無水物、オクチルグルタミン酸無水物、デシルグルタミン酸無水物、ドデシルグルタミン酸無水物等の脂肪族二塩基酸無水物等を挙げることができる。本発明において、多塩基酸無水物(d)は、一種のみを単独で用いても良いし、複数を併用しても良い。
中でも、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸などは、本発明において、現像性、パターン形成性および塗膜耐性が非常に優れるため特に好ましい。
本発明において、側鎖にカルボキシル基含有樹脂(e)の合成条件は特に限定されるものではなく、公知の条件で行うことができる。例えば、フラスコに、側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)、多塩基酸無水物(d)、および溶剤を仕込み、撹拌しながら25〜150℃で加熱することでカルボキシル基含有樹脂(e)を得ることができる。この反応は無触媒下でも進行するが、必要に応じて、3級アミノ基含有化合物等の触媒を新たに添加してもよい。
次に、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する樹脂(A−1)を得る第三の工程について説明する。
前記カルボキシル基含有樹脂(A−1)は、前記カルボキシル基含有樹脂(e)中のカルボキシル基の一部と、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)とを反応させて得る。前記カルボキシル基含有樹脂(e)中のカルボキシル基と、前記化合物(f)中のエポキシ基もしくはオキセタン基とを、カルボキシル基:エポキシ基もしくはオキセタン基=1:0.1〜1:0.95のモル比で反応させることが好ましい。カルボキシル基含有樹脂(e)中のカルボキシル基1モルに対し、化合物(f)中のエポキシ基もしくはオキセタン基を0.1モル以上にすることで、光架橋点として機能する二重結合量が適切になるため、耐熱性や塗膜耐性がより向上する。一方、エポキシ基もしくはオキセタン基を0.95モル以下にすることで、側鎖に未反応のカルボン酸を残すことができるため、最終塗膜の解像性、及び現像性が増す。また、錫がドープされた酸化インジウム(ITO)を主成分とする透明導電膜等密着性確保が困難な基材への密着性をより向上させることができる。
本発明で用いるエポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)は、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを分子内に1個以上含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。
化合物(f)としては、例えば、
グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル桂皮酸、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、グリシジルアリルエーテル、2,3−エポキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシド、1,3−ブタジエンモノエポキシド、オキセタニル(メタ)アクリレート、オキセタニル桂皮酸、
又、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの水酸基含有多官能アクリルモノマーの水酸基に、エピクロルヒドリンを反応させた多官能アクリレート基含有モノエポキシドや、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の大半をアクリル酸などでアクリレート基に変性することで得られる、平均で1分子中に1つのエポキシ基を残した多官能アクリレート基含有モノエポキシド、
カルボキシル基含有多官能アクリルモノマーのカルボキシル基に、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物のエポキシ基の一部を反応させることで得られる多官能アクリレート基含有モノエポキシド等が挙げられる。
本発明において化合物(f)として、前記化合物一種のみを単独で用いても良いし、複数を併用しても良い。
中でも、工業品の入手の容易さ、カルボキシル基と反応性、感光性が非常に優れるという点から、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルなどは、本発明において、特に好ましい。
また、本発明において、エチレン性不飽和基を有さず、エポキシ基もしくはオキセタン基を有する化合物を、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)と併用して用いることもできる。この場合、本発明の感光性樹脂(A)の感光性をより幅広く制御することが可能である。
エチレン性不飽和基を有さず、エポキシ基もしくはオキセタン基を有する化合物としては、例えば、
スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル、p−フェニルフェノールグリシジルエーテル、グリシジルシンナメート、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシドール、N−グリシジルフタルイミド、1,3−ジブロモフェニルグリシジルエーテル、セロキサイド2000(ダイセル化学工業株式会社製)、オキセタンアルコール等が挙げられる。
本発明において、側鎖カルボキシル基含有樹脂(A−1)の合成条件は特に限定されるものではなく、公知の条件で行うことができる。例えば、フラスコに、酸素存在下、前記側鎖カルボキシル基含有樹脂(e)、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)、および溶剤を仕込み、撹拌しながら25〜150℃で加熱することで側鎖カルボキシル基含有樹脂(A−1)を得ることができる。この際、反応促進のために必要に応じて3級アミノ基含有化合物等の反応触媒を添加したり、あるいは、重合反応や重合進行によるゲル化等を起こすことのないよう、エチレン性不飽和基の重合禁止剤や分子状酸素を用いたりすることもできる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノン、ナフトキノン、フェノチアジン、N−オキシル化合物等を用いることができる。また、分子状酸素を反応容器内に存在させても重合禁止効果があり、例えば空気、あるいは空気と窒素等の不活性ガスとの混合ガス等を反応容器に吹き込む、いわゆるバブリングを行えばよい。重合禁止効果を高めるには、重合禁止剤と分子状酸素とを併用することが好ましい。
次に、側鎖にヒドロキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する樹脂(AA−1)について説明する。
前述の通り、側鎖にヒドロキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する樹脂(AA−1)は、カルボキシル基含有樹脂(e)中のカルボキシル基の少なくとも一部と、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)中のエポキシ基もしくはオキセタン基とを反応させて得る。即ち、カルボキシル基含有樹脂(e)中のカルボキシル基の全部を化合物(f)と反応させても良いという点を除き、側鎖にヒドロキシル基とカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する樹脂(A−1)の場合と同様である。前記カルボキシル基含有樹脂(e)中のカルボキシル基と、前記化合物(f)中のエポキシ基もしくはオキセタン基とを、カルボキシル基:エポキシ基もしくはオキセタン基=1/0.1〜1/1のモル比で反応させることが好ましい。
次に、第四の工程で得られる側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する光性樹脂(A−2)について説明する。
前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)は、前記ヒドロキシル基含有樹脂(AA−1)中のヒドロキシル基の少なくとも一部を、多塩基酸無水物(g)と反応させて得る。前記ヒドロキシル基含有樹脂(AA−1)中のヒドロキシル基と、多塩基酸無水物(d)中の酸無水物基とを、ヒドロキシル基:酸無水物基=1:0.01〜1:1のモル比で反応させることが好ましい。ヒドロキシル基1モルに対し酸無水物基を0.01モル以上にすることで、パターン形成の際の希アルカリ水溶液による現像性をより向上させることができ、さらに、熱架橋点として機能するカルボキシル基が適切になるため、耐熱性や塗膜耐性をより向上させることができる。一方、ヒドロキシル基1モルに対し酸無水物基を1モル以下にすることで、余剰の酸無水物を無くし、余剰の酸無水物に起因する解像性や成膜性の悪化を抑制することができる。
本発明で用いる多塩基酸無水物(g)は、前述の多塩基酸無水物(d)と同様のものを例示できる。多塩基酸無水物(g)としては、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸などが、本発明において、現像性、パターン形成性および塗膜耐性が非常に優れるため特に好ましい。
本発明において、カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2)の合成条件は特に限定されるものではなく、第三の工程と同様、フラスコに、酸素存在下、前記ヒドロキシル基含有樹脂(A−1)、多塩基酸無水物(g)、および溶剤を仕込み、25〜150℃で加熱撹拌しながら加熱することで反応させることが好ましく、必要に応じて適した反応触媒及びエチレン性不飽和基の重合禁止剤を新たに追加することもできる。
以上の工程により得られる感光性樹脂(A)、即ち側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する樹脂(A−1)や側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する樹脂(A−2)の酸価は、10〜200mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは30〜150mgKOH/gである。10mgKOH/gに近い範囲で設計する場合、得られる塗膜のフレキシブル性や密着性を向上することができる。一方、200mgKOH/gに近い範囲で設計する場合、架橋点が多くなるため耐熱性がより向上する。また、現像液に対する塗膜の溶解性も向上するため、光硬化させた部分をパターンとして残す場合に、パターンの形状を制御しやすくなる。
本発明における感光性樹脂(A)のエチレン性不飽和基当量は、200〜5000g/eqであることが好ましく、より好ましくは、300〜3000g/eqである。エチレン性不飽和基当量を200g/eqに近い範囲で設計する場合、得られる塗膜の光感度が高くなるため、現像時に良好なパターン形状を得やすくなる。一方、5000g/eqに近い範囲で設計する場合、適度な光架橋点となるため、最終的に得られる塗膜の柔軟性を増す事による密着性確保が困難な基材への密着性等を向上することができる。
なお、本発明でいう「エチレン性不飽和基当量」とは、樹脂の合成時に使用した原材料の重量から算出される理論値であって、樹脂の重量を、樹脂中に存在するエチレン性不飽和基の数で除したものであり、エチレン性不飽和基1モルあたりの樹脂の重量、すなわち、エチレン性不飽和基濃度の逆数に相当するものである。
本発明における感光性樹脂(A)の重量平均分子量は、1000〜100000であることが好ましく、より好ましくは、3000〜60000である。重量平均分子量が小さい場合は、塗工時の粘度やハンドリング、及び、光硬化後の現像性を向上させることができる。一方、重量平均分子量が大きい場合には、最終的に得られる塗膜の耐熱性、耐湿熱性等を向上することができる。また重量平均分子量を大きくすることにより柔軟性を高め、密着性確保が困難な基材への密着性等を向上することができる。
なお、感光性樹脂(A)の重量平均分子量における側鎖部分の寄与は小さい。つまり、感光性樹脂(A)の重量平均分子量は、主鎖の重量平均分子量、即ち側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)の重量平均分子量とほぼ近しい値を示す。
感光性樹脂(A)の合成に使用する溶剤は、最終用途や、反応物の溶解性に応じて適宜選択することができる。
例えば、スクリーン印刷により租パターンを形成してからフォトリソ法により微細回路を形成する工程で使用する場合、スクリーン印刷工程において、溶剤乾燥によるスクリーンメッシュでのインキ固化を抑制する必要があるため、高沸点の溶剤を用いることが好ましい。この場合の高沸点溶剤としては、例えばエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなどのジアルキレングリコールモノアルキレンエーテル化合物、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのトリアルキレングリコールモノアルキレンエーテル化合物が挙げられる。
本発明において、これらの溶剤は、必要に応じて一種のみを単独で用いても良いし、複数を併用しても良く、又、反応過程で脱溶剤を行ったり、脱溶剤後、新たに別の溶剤を添加したりしても良い。
本発明における感光性導電性インキは、必要に応じて前記記載の(A)以外の樹脂を含有しても良い。(A)以外の樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、ウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、現像性の観点から、カルボキシル基を含有しているものが好ましく、又、解像性の観点からは、エチレン性不飽和基を含有しているものが好ましい。本発明において、(A)以外の樹脂を含有する場合は、単独又は複数を併用して用いることができる。
[導電性粒子(B)]
本発明の導電性インキに用いる導電性粒子としては、例えば金、銀、銅、銀メッキ銅粉、銀−銅複合粉、銀−銅合金、アモルファス銅、ニッケル、クロム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、インジウム、ケイ素、アルミニウム、タングステン、モルブテン、白金等の金属粉、これらの金属で被覆した無機物粉体、酸化銀、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム等の金属酸化物の粉末、これらの金属酸化物で被覆した無機物粉末、おとびカーボンブラック、グラファイト等を用いることができる。これらの導電性粒子は、1種または2種以上組み合わせて用いても良い。これらの導電性粒子のなかでも、コスト、高導電性で酸化による抵抗率の上昇が少ないことから銀が好ましい。
この導電性粒子の形状は、上記特性を満たしていれば特に限定されず、不定形、凝集状、鱗片状、微結晶状、球状、フレーク状等を適宜用いることができる。高精細パターンの印刷性の観点や導体パターンの基材への密着性の観点から、粒径の小さな球状のものや、凝集状のものであっても、凝集体として比較的小さいものが好ましい。
本発明に係る導電性インキに用いられる導電性粒子のD50粒子径は0.5〜8μmであり、1〜5μmの範囲であることが好ましく、2〜4μmの範囲であることがさらに好ましい。
また、BET比表面積は0.3〜5m/gであり、0.8〜2.3m/gの範囲であることが好ましく、0.8〜2m/gの範囲であることがさらに好ましい。
導電性粒子のD50粒子径が0.5μm未満であると、導電性インキにしたときに導電性粒子の分散性が悪くなるために導電性粒子同士の接触不良が生じ、印刷物の抵抗値が大きくなる可能性がある。また、導電性粒子のコストが高くなる。
一方、D50粒子径が8μmを越えると、高精細パターンの印刷性が劣る可能性がある。
なお、導電性粒子のD50粒子径は、島津製作所社製レーザー回折粒度分布測定装置「SALAD−3000」を用いて、体積粒度分布の累積粒度(D50)を測定した。
導電性粒子のBET比表面積が0.3m/g未満であると導電性粒子同士の接触点が小さくなり、接触抵抗が大きくなる。
また、BET比表面積が5m/gを超えると導電性粒子の表面を被覆するのに多くの樹脂を必要とするため、バインダー樹脂であるエポキシ樹脂に対する濡れが劣り、導電性インキにした場合の流動性が悪くなり印刷塗膜の表面のレベリング性が低下するので好ましくない。また、導電性粒子の表面を被覆するのに多くの樹脂を必要とするため、基材に対する導電パターンの密着性も低下する。
BET比表面積とは、粉体粒子表面に吸着占有面積の分かった分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法であり、不活性気体の低温低湿物理吸着を利用したものがBET法である。BET比表面積は、島津製作所製流動式比表面積測定装置「フローソーブII」を用いて測定した表面積を、以下の式(11)を用いて算出した値と定義する。
式(11) 比表面積(m/g)=表面積(m)/粉末質量(g)
本発明の感光性導電性インキは、導電性を更に向上させる目的で、導電性粒子として金属微粒子(B‘)を上述の比較的大きな粒子と併用することも出来る。通常の動的光散乱方法を利用した粒径分布測定装置等で測定される平均粒子径が0.001〜0.1μmの金属微粒子(B‘)である。平均粒子径が0.1μmを超える金属微粒子(B‘)を用いると、導電性が低下するばかりでなく、インキの安定性及びインキに対する流動性付与作用が低下して、スクリーン印刷等で印刷することが困難になる。平均粒子径が0.001〜0.05μmの金属微粒子(B‘)を使用することが、導電性、インキ安定性、そして流動性の点でさらに好ましい。
平均粒子径0.001〜0.1μmの金属微粒子(B‘)としては、例えば、特開平11−319538号公報に記載されているように、溶液中の金属イオンを高分子分散剤の存在下で還元することで得られる、高分子量分散剤によって保護された金属微粒子を使用できる。また、特開2002−266002号公報に記載されているように、減圧した不活性ガス雰囲気下で、金属を蒸発させて、この金属蒸気にモノマーの蒸気を混合することで得られる、当該金属の微粒子表面に付着するモノマーが重合して表面部分が高分子化合物で被覆された金属微粒子を使用できる。前者の高分子分散剤によって保護された金属微粒子(B‘)を使用すると、金属微粒子の保護コロイドとして作用している高分子分散剤が上記導電性粒子(B)に対しても作用し、金属微粒子(B‘)が流動性付与剤として効果的に作用すると共に、導電性も向上させる。
本発明の感光性導電性インキは、インキの総固形分中に、導電性粒子を60〜95重量%含むことが好ましく、70〜95重量%含むことがより好ましく、85〜95重量%含むことがさらに好ましい。導電性粒子が60重量%未満では導電性が十分ではなく、95重量%を越えるとエポキシ樹脂が少なくなり導電性インキの基材への密着性、塗膜の機械強度が低下する恐れがあり好ましくはない。
[光重合開始剤(C)]
光重合開始剤(C)は、活性エネルギー線により感光性化合物を硬化させる場合に添加される。光重合開始剤としては、光励起によってビニル重合を開始できる機能を有するものであれば特に限定はなく、例えばモノカルボニル化合物、ジカルボニル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アシルフォスフィンオキシド化合物、アミノカルボニル化合物等が使用できる。
具体的にモノカルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、4−メチル−ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル−エネタノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−(1,3−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイル−フェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミン塩酸塩、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−n−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシエチル)]メタアンモニウム臭酸塩、2−/4−iso−プロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9Hチオキサントン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミン塩酸塩、ベンゾイルメチレン−3−メチルナフト(1,2−d)チアゾリン等が挙げられる。
ジカルボニル化合物としては、1,7,7−トリメチル-ビシクロ[2.1.1]ヘプン−2,3−ジオン、ベンザイル、2−エチルアントラキノン、9,10−フェナントレンキノン、メチル−α−オキソベンゼンアセテート、4−フェニルベンザイル等が挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−ジ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−スチリルプロパン−1−オン重合物、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノ−フェニル)ブタン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノ−プロパノニル)−9−ブチルカルバゾール等が挙げられる。
ベンゾインエーテル化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテル等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキシド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4−n−プロピルフェニル-ジ(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。
アミノカルボニル化合物としては、メチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−nブトキシエチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、イソアミル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、4,4’−ビス−4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス−4−ジエチルアミノベンゾフェノン、2,5’−ビス−(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン等が挙げられる。
中でも、本発明において、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンとチオキサントン類とを組み合わせて使用する場合は、安価でありながら感光性が非常に優れるため、特に好ましい。
これらは前記化合物に限定されず、紫外線により重合を開始させる能力があればどのようなものでも構わない。これらは単独使用または併用することができ、使用量に制限はないが、感光性樹脂(A)の乾燥重量の合計100重量部に対して1〜20重量部の範囲で添加されるのが好ましい。又、増感剤として公知の有機アミンを加えることもできる。
[エチレン性不飽和化合物(E)]
本発明の感光性導電性インキに含有されるエチレン性不飽和化合物(E)は、エチレン性不飽和二重結合を1個又は2個以上有する化合物であり、モノマー、オリゴマーを用いることができる。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、又はポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロプレングリコールポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロプレングリコールポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、又はネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能(メタ)アクリレート類;あるいは、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、グリセロールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールF型エポキシの(メタ)アクリル酸付加物、又はノボラック型エポキシの(メタ)アクリル酸付加物等のエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
又、以上挙げた(メタ)アクリレートを、更に(ポリ)アルキレンオキシドや(ポリ)カプロラクトン等で変性したものも使用することができる。
又、他に、トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)]イソシアヌレート、又はジイソシアネート類のイソシアヌレートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応物等も挙げることができる。
又、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、又はペンタエリスリトールトリビニルエーテル等のビニルエーテル類;
(メタ)アクリル酸、スチレン、又は酢酸ビニル等の単価能モノマー類;あるいは、
(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、又はアクリロニトリル等の窒素元素を有する単官能モノマー等も使用できる。
更に、ポリウレタン、ポリエステル、メチロールメラミン樹脂、ポリジメチルシロキサン、又はロジン等のオリゴマーを(メタ)アクリロイル基で変性したものも使用できる。
その他、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、又はアクリロニトリル等も挙げることができる。
以上挙げたエチレン性不飽和化合物(E)は、必ずしもこれらに限定されるものではない。単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
エチレン性不飽和化合物(E)は、感光性導電性インキの全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは5〜30重量%の量で用いることができる。エチレン性不飽和化合物(E)の含有量が30重量%より多い場合は、露光表面付近で硬化が進行し内部硬化が進行しない為に、十分な塗膜強度を持つパターン形成が出来ない傾向があり、5重量%より少ない場合は、エチレン性不飽和化合物添加による感度向上の効果が十分に得られない。
[熱架橋性化合物(F)]
本発明の感光性導電性インキは、耐熱性や耐湿熱性等を更に向上させる目的で、更に熱架橋性化合物(F)を用いることが出来る。熱架橋性化合物(F)としては、一般的に用いられる各種熱架橋性化合物を用いることが出来るが、特に好ましくは、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、ブロック化イソシアネート基含有化合物、およびβ−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物をからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることが出来る。
本発明において熱架橋性化合物(F)として用いるエポキシ基含有化合物としては、前記の1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)を挙げることができるが、分子内にエポキシ基を含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。
分子内にエポキシ基を1個有する化合物としては、例えば、N−グリシジルフタルイミド、グリシドール、グリシジル(メタ)アクリレート等の化合物が挙げられる。また、ここで説明するエポキシ基含有化合物は、エチレン性不飽和基を有していてもよいし、有していなくともよい。
熱架橋性化合物(F)として用いるエポキシ基含有化合物として、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のイソシアヌレート環含有エポキシ化合物を使用した場合、ポリイミド等の基材に対して接着強度が向上する傾向があり、本発明において非常に好ましい。また、三菱化学株式会社製「エピコート1031S」、「エピコート1032H60」、「エピコート604」、「エピコート630」は、多官能であり、かつ、耐熱性に優れるため、本発明において好ましく、また、脂肪族系のエポキシ化合物や、特開2004−156024号公報、特開2004−315595号公報、特開2004−323777号公報記載のエポキシ化合物は、硬化塗膜の柔軟性に優れ、ITO等の難接着性基材への密着性向上を可能とするため好ましい。また、特開2001−240654号公報記載のジシクロペンタジエン型エポキシ化合物や、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、などは、本発明において、熱硬化性および吸湿性や耐熱性をはじめとする硬化塗膜の耐久性の面で優れており好ましい。
本発明において熱架橋性化合物(F)として用いるイソシアネート基含有化合物としては、イソシアネート基を分子内に有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。1分子中にイソシアネート基を1個有するイソシアネート基含有化合物としては、具体的には、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルイソシアネート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
また、1,6−ジイソシアナトヘキサン、ジイソシアン酸イソホロン、ジイソシアン酸4,4’−ジフェニルメタン、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸トルエン、2,4−ジイソシアン酸トルエン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のジイソシアン酸エステル化合物と水酸基、カルボキシル基、アミド基含有ビニルモノマーとを等モルで反応せしめた化合物もイソシアン酸エステル化合物として使用することができる。
1分子中にイソシアネート基を2個有するイソシアネート基含有化合物としては、具体的には、炭素数4〜50の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えばω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[別名:イソホロンジイソシアネート]、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また、1分子中にイソシアネート基を3個有するイソシアネート基含有化合物としては、具体的には、芳香族ポリイソシアネート、リジントリイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられ、前記で説明したジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体が挙げられる。
本発明において熱架橋性化合物(F)として用いるブロック化イソシアネート基含有化合物としては、前記イソシアネート基含有化合物中のイソシアネート基がε−カプロラクタムやMEKオキシム等で保護されたブロック化イソシアネート基含有化合物であればよく、特に限定されるものではない。具体的には、前記イソシアネート基含有化合物のイソシアネート基を、ε−カプロラクタム、MEKオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ピラゾール、フェノール等でブロックしたものなどが挙げられる。特に、イソシアヌレート環を有し、MEKオキシムやピラゾールでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート三量体は、本発明に使用した場合、保存安定性は勿論のこと、耐熱性や耐湿熱性に優れるため、非常に好ましい。
本発明において熱架橋性化合物(F)として用いるβ−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、分子内にβ−ヒドロキシアルキルアミド基を含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物を感光性樹脂(A)の硬化剤として用いた場合、反応時の副生成物は水のみであり、硬化物に与える影響も少なく、作業者や環境にはまったく影響がないメリットがある。
β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物としては、例えば、下記一般式(4)で表される化合物を使用することができ、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製Primid XL−552)をはじめとする種々の化合物を挙げることができる。
一般式(4)

一般式(4)中、Xは炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、又はハロゲンからなるn価の基であり、nは2〜6の整数である。Xとして、具体的には、炭素数2以上のn価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びヘテロ原子を有する基が挙げられる。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、透明性の観点からはフッ素が好ましい。難燃性を付与する観点からは塩素、臭素が好ましい。
n価の基とは化合物からn個の水素原子を取り除くことで得られる基である。以下これを化合物に由来するn価の基という。
n価の脂肪族炭化水素基としては、アルカン、アルケン、アルキンに由来するn価の基が挙げられる。
アルカンとしては、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、メチルペンタン、ジメチルペンタン、エチルメチルペンタン、ジエチルペンタン、メチルヘキサン、テトラメチルヘプタン、等が挙げられる。アルカンに由来するn価の基として、例えば、1,6−ヘキシル基、1,7−ヘプチル基、1,8−オクチル基、1,9−ノニル基、1,10−デシル基、1,11−ウンデシル基、1,12−ドデシル基、1,13−トリデシル基、1,14−テトラデシル基、1,15−ペンタデシル基、1,16−ヘキサデシル基、1,17−ヘプタデシル基、1,18−オクタデシル基、1,19−ノナデシル基、1,3,6−ヘキシル基、1,4,7−ヘプチル基、1,2,8−オクチル基、1,3,9−ノニル基、1,3,4,6−ヘキシル基、1,4,6,7−ヘプチル基、1,4,5,6,7−ヘプチル基、1,2,3,4,5,6−ヘキシル基が挙げられる。
アルケンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドセン、トリデセン、テトラセン、ペンタデセン、ヘプタデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、ノナデセン、イコセン、ヘンイコセン、ドコセン、メチルペンテン、等が挙げられる。アルケンに由来するn価の基としては、例えば、1,6−(2−ヘキセニル)基、1,7−(2−ヘプテニル)基、1,8−(2−オクテニル)基、1,9−(2−ノネニル)基、1,10−(2−デセニル)基、1,11−(2−ウンデセニル)基、1,12−(2−ドデセニル)基、1,13−(2−トリデセニル)基、1,14−(2−テトラデセニル)基、1,15−(2−ペンタデセニル)基、1,16−(2−ヘキサデセニル)基、1,17−(2−ヘプタデセニル)基、1,18−(2−オクタデセニル)基、1,19−(2−ノナデセニル)基、1,3,6−(2−ヘキセニル)基、1,4,7−(3−ヘプセニル)基、1,2,8−(4−オクテニル)基、1,3,9−(5−ノネニル)基、1,3,4,6−(2−ヘキセニル)基、1,4,6,7−(3−ヘプセニル)基、1,4,5,6,7−(3−ヘプセニル)基が挙げられる。
アルキンとしては、エチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ペプチン、オクチン、ノニン、デシン、ウンデシン、ドデシン、トリデシン、イコシン、ヘンイコシン、ドコシン、等が挙げられる。アルキンに由来するn価の基としては、例えば、1,6−(2−ヘキシニル)基、1,7−(2−ヘプシニル)基、1,8−(2−オクシニル)基、1,9−(2−ノニル)基、1,10−(2−デシニル)基、1,11−(2−ウンデシニル)基、1,12−(2−ドデシニル)基、1,13−(2−トリデシニル)基、1,14−(2−テトラデシニル)基、1,15−(2−ペンタデシニル)基、1,16−(2−ヘキサデシニル)基、1,17−(2−ヘプタデシニル)基、1,18−(2−オクタデシニル)基、1,19−(2−ノナデシニル)基、1,3,6−(2−ヘキシニル)基、1,4,7−(3−ヘプシニル)基、1,2,8−(4−オクシニル)基、1,3,9−(5−ノニル)基、1,3,4,6−(2−ヘキシニル)基、1,4,6,7−(3−ヘプシニル)基、1,4,5,6,7−(3−ヘプシニル)基が挙げられる。
n価の脂環式炭化水素基としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、トリメチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ノルボルナン、ノルボルネン、ビシクロオクテン、デカヒドロナフタレン、アダマンタン、ジメチルアダマンタン、等に由来するn価の基が挙げられる。例えば、1,1−シクロヘキシル基、1,2−シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキシル基、1,4−シクロヘキシル基、1,2,4−シクロヘキシル基、1,3,5−シクロヘキシル基、1,2,4,5−シクロヘキシル基、1、2,3,4,5,6−シクロヘキシル基、2,6−デカヒドロナフチル基、1,3−アダマンチル基、1、3、5ーアダマンチル基が挙げられる。
n価の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、ジフェニルエタン、ジフェニルアセチレン、9,9−ジフェニルフルオレン、等に由来するn価の基が挙げられる。例えば、カルボニル基に結合する炭素原子が芳香環に含まれる基としては、フェニレン基、トリレン基、が挙げられる。カルボニル基に結合する炭素原子が芳香環に含まれない基としては、トルエン−α,α−ジイル基、エチルベンゼン−α,β−ジイル基、エチルベンゼン−β,β−ジイル基、1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジイル基、等が挙げられる。
ヘテロ原子(酸素、硫黄、窒素、ハロゲン原子)を有するn価の基としては、エタノール、エチレングリコール、エチレンジアセテート、エチレンジピバレート、エチレンジベンゾエート、エチレンビス(メチルベンゾエート)、エチレンビス(メトキシベンゾエート)、プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、エリスリトール、エチレンオキシド、アセトアルデヒド、アセトン、ジプロピルケトン、γ−ペンタデカノラクトン、1,2−シクロヘキサン、γ−ブチロラクトン、エチルアミン、エチルメチルアミン、プロピルアミン、N−プロピルアセトアミド、エタンチオール、エタンジチオール、テトラフルオロエタン、ジブロモエタン、ヘキサフルオロプロパン、オクトフルオロブタン、ドデカフルオロヘキサン、ヘキサデカフルオロオクタン、1,2,3,4,7,7−ヘキサクロロノルボルネン、アニソール、フルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラフロロベンゼン、ブロモベンゼン、テトラブロモベンゼン、ニトロベンゼン、フェノール、アニリン、ベンゼンスルホン酸、アントラキノン、ブタンホスホン酸、トリエチルトリアジン、トリプロピルトリアジン、トリエチルイソシアヌレート、トリプロピルイソシアヌレート、ベンゾフェノン、チオフェン、ジエチルスルフィド、ジフェニルスルホン、2,2−ジフェニル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ジフェニルエーテル、等に由来するn価の基が挙げられる。
中でも、Xとして、反応性の観点から、カルボニル基に直接結合するX中の原子が、芳香環に含まれない炭素原子であることが好ましい。さらには、炭素数6〜18の直鎖の脂肪族炭化水素基、あるいは、脂環式炭化水素基が好ましく、より好ましくは、炭素数6〜12の直鎖の脂肪族炭化水素基、あるいは、脂環式炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数6〜12の直鎖の脂肪族炭化水素基である。
式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、一般式(5)で表される基、または一般式(6)で表される基を表し、1以上の窒素原子に結合する1以上のRおよびRのうち、少なくとも1つは一般式(5)で表される基である。
一般式(5)
一般式(6)
脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基、1−デセニル基、1−オクタデセニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−オクタデシニル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基、2−インデノ基、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ジシクロペンタニル基、といったシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、単環、縮合環、環集合芳香族炭化水素基が挙げられる。
単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ベンジル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基等の単環芳香族炭化水素基が挙げられる。
縮合環芳香族炭化水素基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基等の縮合環芳香族炭化水素基が挙げられる。
環集合芳香族炭化水素基としては、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基等の環集合芳香族炭化水素基が挙げられる。
中でも、式(5)及び式(6)以外のRおよびRとして、好ましくは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素、または、単環芳香族炭化水素基であり、より好ましくは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素であり、さらに好ましくは、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基である。
式(5)及び式(6)で表される基のR〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、またはヒドロキシル基で一部置換された炭化水素基を表し、Rはヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物の残基を表す。
炭化水素基は、RおよびRにおいて前記したものと同様である。ヒドロキシル基で置換された炭化水素基としては、たとえば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシシクロヘキシル基、等が挙げられる。
ヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物としては、特に限定されないが、イソシアネート、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、シラノール、アルコキシシラン、シラノールエステル、アミノ樹脂、エポキシを有する化合物等が挙げられ、イソシアネート、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、及びカルボン酸無水物が好ましく、より好ましくは、単官能イソシアネート又は単官能カルボン酸である。
中でも、容易に作製できる観点から、一般式(6)中のRが下記一般式(7)で表されるβ−ヒドロキシアルキルアミドが得られることがより好ましい。
一般式(7)

ここで、
16は単結合、(m+1)価の炭化水素基、または、ウレタン結合、ウレア結合、アロファネート結合、ビウレット結合、イソシアヌレート環のうち少なくとも1つと、炭素原子、水素原子からなる(m+1)価の基を表し、
は単結合、ウレタン結合またはウレア結合を表し、
17は2価の炭化水素基を表し、
はエーテル結合またはエステル結合を表し、
18は1価の炭化水素基を表し、
は1〜5の整数を表し、
は0〜100の整数を表す。
容易に作製できる観点から、一般式(6)中のRが下記一般式(8)で表されるβ−ヒドロキシアルキルアミドが得られることがより好ましい。
一般式(8)
ここで、R19は単結合、(m+1)価の炭化水素基、または炭素原子、水素原子、酸素原子からなる(m+1)価の基を表し、
は単結合、エステル結合、アミド結合を表し、
20は2価の炭化水素基を表し、
はエーテル結合またはエステル結合を表し、
21は1価の炭化水素基を表し、
は1〜5の整数を表し、
は0〜100の整数を表す。
これら、β−ヒドロキシアルキルアミド基含有化合物を用いた場合、保存安定性や加熱硬化後の塗膜耐性、塗膜の柔軟向上による難接着基材への密着性をより向上することが可能となる。また、耐熱性、耐湿熱性をより向上させることができ、本発明の感光性導電性インキ組成物において好ましく用いられる。
本発明において、熱架橋性化合物(F)は、一種のみを単独で用いてもよいし、複数を併用しても良い。熱架橋性化合物(F)の使用量は、本発明の感光性導電性インキの用途等を考慮して決定すればよく、特に限定されるものではないが、感光性樹脂(A)100重量部に対して、0.5重量部〜100重量部の割合で加えることが好ましく、1重量部〜80重量部の割合で加えることがより好ましい。熱架橋性化合物(F)を使用することにより、本発明の感光性導電性インキの架橋密度を適度な値に調節することができるので、硬化後の塗膜の各種物性をより一層向上させることができる。
また、本説明は感光性導電性インキとしての物性を損なわない範囲で、熱硬化助剤を用いることができる。ここでいう熱硬化助剤とは、前記熱架橋性化合物(F)と感光性樹脂(A)とを硬化反応させる際に、硬化反応に直接寄与する化合物、あるいは触媒的に寄与する化合物である。
熱硬化助剤として硬化反応に直接寄与する化合物とは、熱により単独で、または水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基などと反応しうる官能基を有する化合物を表し、前記熱架橋性化合物(F)に属するものは除いたものであり、本発明の感光性導電性インキにおいて好ましく用いられる。
熱硬化時に硬化反応に直接的に寄与する化合物としては、アミノ樹脂、フェノール樹脂、多官能ポリカルボン酸無水物、多官能ビニルエーテル化合物、高分子量ポリカルボジイミド類、アジリジン化合物等が挙げられる。
アミノ樹脂、フェノール樹脂としては、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、フェノール、クレゾール類、ビスフェノール類等の化合物とホルムアルデヒドとの付加化合物または、その部分縮合物が挙げられる。
多官能ポリカルボン酸無水物は、カルボン酸無水物基を2つ以上有する化合物であり特に限定されるものではないが、テトラカルボン酸二無水物、ヘキサカルボン酸三無水物、ヘキサカルボン酸二無水物、無水マレイン酸共重合樹脂などの多価カルボン酸無水物類等が挙げられる。又、反応中に脱水反応を経由して無水物と成りうるポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸ハーフエステルなどが挙げられる。
無水マレイン酸共重合樹脂としては、サートマー社製SMAレジンシリーズ、株式会社岐阜セラック製造所製GSMシリーズなどのスチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、p−フェニルスチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、ポリエチレン−無水マレイン酸などのα−オレフィン-無水マレイン酸共重合樹脂、ダイセル化学工業株式会社製「VEMA」(メチルビニルエ−テルと無水マレイン酸の共重合体)、無水マレイン酸アクリル変性ポリオレフィン(「アウローレンシリーズ」:日本製紙ケミカル株式会社製)、無水マレイン酸共重合アクリル樹脂などが挙げられる。
多官能ビニルエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、グリセリンジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシルシクロヘキサンジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンジビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ハイドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性レゾルシンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールSジビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ジペンタエリスリトールポリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテルなどが挙げられる。
高分子量ポリカルボジイミド類としては日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01、03、05、07、09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。
アジリジン化合物としては、例えば、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
その他の熱硬化時に硬化反応に直接的に寄与する化合物としては、ベンゾオキサジン化合物、ベンゾシクロブテン化合物、マレイミド化合物、ナジイミド化合物、アリルナジイミド化合物、メラミン化合物、グアナミン化合物等、加熱によって硬化する化合物であればいずれも有効に用いることができる。これら光重合性基や、カルボキシル基と反応し得る官能基、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物は、特に硬化後の塗膜の耐熱性を向上することができるため、より有効に使用することができる。
熱硬化助剤として硬化反応に触媒的に寄与する化合物としては、3級アミンおよびその塩類、ジシアンジアミド、カルボン酸ヒドラジド、イミダゾール類、ジアザビシクロ化合物類、ホスフィン類、ホスホニウム塩類を挙げることができ、これらを使用すると、より効率的に熱硬化反応が進行し、塗膜の耐性が優れるため好ましい。
具体的には、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−メチルピペラジン等の3級アミン類、およびその塩類;
2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリル−1]−エチル−S−トリアジン、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、等のイミダゾール類、およびその塩類;
1,5−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデカン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、1,4−ジアビシクロ[2,2,2,]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等のジアザビシクロ化合物類;
トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィン等のホスフィン類;
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニウム塩類;
その他、触媒的かつ自らも直接硬化反応に寄与する化合物として、ジシアンジアミド、カルボン酸ヒドラジド等が挙げられる。カルボン酸ヒドラジドとしては、コハク酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド等が挙げられる。
これら熱硬化助剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。熱硬化助剤の使用量は、感光性導電性インキの用途等を考慮して決定すればよく、特に限定されるものではないが、感光性樹脂(A)100重量部に対して、0.01重量部〜50重量部の範囲内がより好ましく、0.1重量部〜30重量部の範囲内が更に好ましい。これにより、感光性導電性インキの架橋密度を適度な値に調節することができるので、感光性導電性インキの各種物性をより一層向上させることができる。熱硬化助剤の使用量を0.01重量部より多くすると、加熱硬化後の塗膜の架橋密度を高くすることができるため、凝集力や耐久性を付与できる。又、該使用量が50重量部より少ない場合には、加熱硬化後の架橋密度を高くし過ぎることがなく、密着性の維持等が可能となる。
[その他添加剤]
この他、本発明の感光性導電性インキには目的を損なわない範囲で任意成分として、更に溶剤、染料、顔料、難燃剤、酸化防止剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、保湿剤、粘度調整剤、防腐剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、フィラー等を添加することができる。
本発明の感光性導電性インキ及びその硬化物は、アルカリ現像性に優れるという特徴があるため、光硬化、アルカリ現像、ポストキュアを含む塗膜形成プロセスが用いられる用途に好適に用いることができる。更に、導電性、密着性等に優れることから、特にスクリーン印刷により租パターンを作成後、フォトリソ方式工程により微細な電気回路形成に使用される感光性導電性インキ及びその硬化物、積層物を提供することができるようになった。本発明の感光性導電性インキは、タッチスクリーンパネルの額縁に形成される微細導電回路や透明性と低表面抵抗値を併せ持つ微細金属メッシュシートの形成等の為の感光性導電性インキとして好適に用いることができる。
本発明の感光性導電性インキは、基材として、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木材、スレート等に塗工することができ、特に制限されるものではない。具体的なプラスチックの種類としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。又、基材の形状としてはフィルムシート、板状パネル、レンズ形状、ディスク形状、ファイバー状の物が挙げられるが、特に制限されるものではない。
本発明の導電性インキは、特にスクリーン印刷に好適に適用することができるが、従来公知の種々の印刷法に適用してもよい。スクリーン印刷法においては、導電回路パターンの高精細化に対応すべく微細なメッシュ、特に好ましくは400〜650メッシュ程度の微細なメッシュのスクリーンを用いることが好ましい。この時のスクリーンの開放面積は約20〜50%が好ましい。スクリーン線径は約10〜70μmが好ましい。
スクリーン版の種類としては、ポリエステルスクリーン、コンビネーションスクリーン、メタルスクリーン、ナイロンスクリーン等が挙げられる。また、高粘度なペースト状態のものを印刷する場合は、高張力ステンレススクリーンを使用することができる。
スクリーン印刷のスキージは丸形、長方形、正方形いずれの形状であっても良く、またアタック角度(印刷時の版とスキージの角度)を小さくするために研磨スキージも使用することができる。その他の印刷条件等は従来公知の条件を適宜設計すればよい。
本発明の感光性導電性インキは、公知のラジエーション硬化方法により硬化させ硬化物とすることができ、活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、400〜500nmの可視光を使用することができる。照射する電子線の線源には熱電子放射銃、電界放射銃等が使用できる。又、紫外線および400〜500nmの可視光の線源(光源)には、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ等を使用することができる。具体的には、点光源であること、輝度の安定性から、超高圧水銀ランプ、キセノン水銀ランプ、メタルハライドランプ、が用いられることが多い。照射する活性エネルギー線量は、5〜2000mJ/cm2の範囲で適時設定できるが、工程上管理しやすい50〜1000mJ/cm2の範囲であることが好ましい。又、これら活性エネルギー線と、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
なお、活性エネルギー線による露光感度を上げるために、感光性導電性インキを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、組成物塗布面側から活性エネルギー線を照射することもできる。
更に、本発明の感光性導電性インキは、フォトマスクを介して組成物塗布面側から活性エネルギー線を照射し、溶剤又はアルカリ現像液に漬浸するかスプレー等により現像液を噴霧して未照射部、すなわち未硬化部を除去して現像を行うことにより、形成することができる。アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。又、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
更に、本発明の感光性導電性インキは、ラジエーション硬化/現像によるパターン形成後、ポストキュアとして加熱乾燥させることで各種耐久性、導電性に優れる塗膜を形成する。ポストキュアは、100℃〜200℃で30分〜2時間が好ましい。又、更に塗膜の耐性を向上するために、ポストキュアの後にも必要に応じて活性エネルギー線を照射することができる。ポストキュアの後に活性エネルギー線を照射することで、各種耐久性、導電性などを更に向上することができる。
本発明に係る導電パターン付き積層体は、特にタッチスクリーンパネルの透明電極上に配線構造を形成する際に好適に用いることができる。
ここで、本発明の導電性インキを抵抗膜方式のタッチスクリーンパネルに適用した場合の一例を図1及び図2を用いつつ説明する。なお、本図1、2は抵抗膜式タッチスクリーンパネルの簡易的な概念図であり、配線の本数、配線幅、配線と配線の間隔は概念図として表している。なお、図2では、三層の中間、粘着材5の位置に視点を置き、下部基板1側は見下ろす状態で、上部基板2側は見上げる状態で各基板側の積層状態を模式的に示した。
タッチスクリーンパネルは、ガラス又はプラスチックフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等)の基材からなる下部基板1及び上部基板2を具備する。下部基板1及び上部基板2上には、ITO等の透明電極6,7がそれぞれ部分的に形成されている。その結果、下部基板1及び上部基板2と、透明電極6,7とがそれぞれ露出することとなる。
そして、下部基板1上の透明電極6の両端部には、導電性インキパターン層3からなる下側駆動電極13,14がそれぞれ形成されている。導電性インキ層3は、絶縁層4によって被覆されている。導電性インキパターン層3は、図1に示すように、基材1、ITO等の透明電極6、そして絶縁層4に接する。
同様に上部基板2上の透明導電7の両端部にも、導電性インキ層3からなる上部駆動電極9,10がそれぞれ形成されている。
具体的には、上部基板2側の透明電極7端部に、本発明の導電性インキを用い、スクリーン印刷し、予備乾燥、露光、現像、乾燥工程を順番に行い、低抵抗の導電性インキパターン層3を形成する。次いで、導電性インキ層3及び該導電性インキパターン層3の近傍の上部基板2、透明電極7端部の上に、絶縁レジスト(図示省略)をスクリーン印刷等により印刷する。その後、乾燥・硬化し、絶縁層を形成し、本発明の絶縁レジスト付き積層体を形成する。下部基板1側も同様である。
下部基板1上に設けられた透明電極6上の適所には、本来の目的である入力の時以外に透明電極6、7とが接触することを防ぐために、図1に示すように透明電極6上の適所には、微小なドットスペーサー8が一定の間隔で設けられる。
そして、本来の目的である入力の時以外に透明電極6、7とが接触しないように、一定の間隔(例えば、10〜150μmの間隔)を開け(図1参照)、下部基板1側の絶縁層4と上部基板2、下部基板1と上部基板2、下部基板1と上部基板2側の絶縁層4が、それぞれ粘着材5により貼り合わされ、積層される。粘着材5は、額縁状に配置することができる。また、図2に示されるように、下部基板1側の駆動電極13,14と、前記上部基板2側の上側駆動電極9,10とは、平面視上において直交するように形成され得る。 更に、前記上部基板2側の駆動電極9,10には、接続電極11,12がそれぞれ導電性接着剤で接続されている。同様に、前記下部基板1側の駆動電極13,14には、接続電極15,16に導電性接着剤でそれぞれ接続されている。
下部基板1側および上部基板2側のそれぞれに本発明の導電性インキを用いて導電性インキパターン層3を形成したタッチスクリーンパネルは、抵抗値安定性が良好であり、長期間にわたり各種電子機器の機能を切り替える部品として安定して使用できると共に、電気的特性に優れたものである。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
なお、GPCの測定条件は以下のとおりである。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
Mwの測定は東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「LF−604」(昭和電工株式会社製:迅速分析用GPCカラム:6mmID×150mmサイズ)を直列に2本接続して用い、流量0.6ml/min.、カラム温度40℃の条件で行い、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
<分子量分布(Mw/Mn)>
分子量の分散度をあらわし、本発明においては、前記分子量の測定結果より、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)により求めた。
酸価及び水酸基価はIS K0070に準じて測定した。
<酸価の測定>
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。酸価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)=(5.611×a×F)/S
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
<水酸基価の測定>
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.05}/S]+D
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
本発明において、側鎖ヒドロキシル基含有樹脂(c)の水酸基価は、1g中に含まれるヒドロキシル基の量を、ヒドロキシル基をアセチル化させたときにヒドロキシル基と結合した酢酸を中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)で表したものである。
一方、感光性樹脂(A)のようにカルボキシル基とヒドロキシル基を両方有する樹脂の水酸基価は、アセチル化前の感光性樹脂(A)の中和に要した水酸化カリウムの量を引いて計算をしたものである。
<エチレン性不飽和基当量の計算>
本発明において、感光性樹脂(A)のエチレン性不飽和基当量は、次式により求めた。(単位:g/mol)
エチレン性不飽和基当量(g/mol)=原料のトータル固形分(g)/化合物(f)の仕込みモル数(mol)
<カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1−1)の合成>
[製造例1]
工程1
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(a)として、YD8125(新日鐵化学株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ化合物、エポキシ当量173g/eq)57.1部、およびEX861(ナガセケムテックス株式会社製:ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量575g/eq)128.1部、フェノール性OH基を2個以上有するフェノール化合物(b)としてビスフェノールA64.8部、触媒としてトリフェニルホスフィン1.25部、N,N−ジメチルベンジルアミン1.25部、溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート250部を仕込み、窒素気流下、撹拌しながら110℃に昇温し8時間反応させ、水酸基価124mgKOH/gのヒドロキシル基含有樹脂を得た。
工程2
次に、多塩基酸無水物(d)としてSA(無水コハク酸)54.6部(前記ヒドロキシル基の98モル%に相当する量)を投入し、110℃のまま4時間反応させた。FT−IR測定にて酸無水物基の吸収が消失しているのを確認後、室温まで冷却した。酸価は103mgKOH/gであった。
工程3
次に、このフラスコに、窒素導入管からの窒素を停止し乾燥空気の導入に切り替え、攪拌しながら、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)としてGMA(グリシジルメタクリレート)55.2部(前記無水コハク酸由来のカルボキシル基の70モル%に相当する量)、重合禁止剤としてヒドロキノン0.18部を投入し、80℃で8時間反応させた。反応終了後、この溶液にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて固形分が50.0%になるように調整した。
カルボキシル基含有感光性樹脂(A−1−1)のエチレン性不飽和基当量は925g/eqであり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は25100、樹脂固形分の酸価は26mgKOH/gである。
[製造例2〜10]
表1に示す原料を用い、製造例1と同様な操作を行うことにより、製造例2〜10のカルボキシル基含有感光性樹脂(A−1−2)〜(A−1−10)を得た。
<カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2−1)の合成>
[製造例11]
工程1
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(a)として、YD8125(新日鐵化学株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ化合物、エポキシ当量173g/eq)19.4部、およびEX861(ナガセケムテックス株式会社製:ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量575g/eq)177.2部、フェノール性OH基を2個以上有するフェノール化合物(b)としてビスフェノールA53.4部、触媒としてトリフェニルホスフィン1.25部、N,N−ジメチルベンジルアミン1.47部、溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート250部を仕込み、窒素気流下、撹拌しながら110℃に昇温し8時間反応させ、水酸基価95.7mgKOH/gのヒドロキシル基含有樹脂を得た。
工程2
次に、多塩基酸無水物(d)としてSA(無水コハク酸)20.1部(前記ヒドロキシル基の98モル%に相当する量)を投入し、110℃のまま4時間反応させた。FT−IR測定にて酸無水物基の吸収が消失しているのを確認後、室温まで冷却した。酸価は102mgKOH/gであった。
工程3
次に、このフラスコに、窒素導入管からの窒素を停止し乾燥空気の導入に切り替え、攪拌しながら、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)としてGMA(グリシジルメタクリレート)41.1部(前記無水コハク酸由来のカルボキシル基の50モル%に相当する量)、重合禁止剤としてヒドロキノン0.17部を投入し、80℃で8時間反応させた。生成物の水酸基価は38mgKOH/g、酸価は40mgKOH/gであった。水酸基価は前記工程2で残したヒドロキシル基及び前記工程3により新たに生成したヒドロキシル基による。
工程4
反応終了後、乾燥空気を導入した状態のフラスコに、多塩基酸無水物(g)としてSA(無水コハク酸)26.0部(前記ヒドロキシル基の90モル%に相当する量)を投入し、80℃のまま4時間反応させた。FT−IR測定にて酸無水物基の吸収が消失しているのを確認後、室温まで冷却した。
この溶液にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて固形分が50.0%になるように調整した。
カルボキシル基含有感光性樹脂(A−2−1)のエチレン性不飽和基当量は1547g/eqであり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は23005、酸価は68.9mgKOH/gである。
[製造例12〜36]
表1−1〜表1−4に示す原料を用い、製造例11と同様な操作を行うことにより、製造例12〜35のカルボキシル基含有感光性樹脂(A−2−2)〜(A−2−36)を得た。
製造例1〜36で得られた感光性樹脂の重量平均分子量、エチレン性不飽和基当量、水酸基価、酸価等を表1−1〜表1−6に示す。
<エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(a)>
・YD8125:新日鐵化学株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ化合物、エポキシ当量171g/eq)
・EX861:ナガセケムテックス株式会社製、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量575g/eq)
・EX830:ナガセケムテックス株式会社製、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量267g/eq)
・EX931:ナガセケムテックス株式会社製、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量493g/eq)
・SR−PTMG:阪本薬品株式会社製、ポリテトラエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量413g/eq)
・SR−16HL:阪本薬品株式会社製、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(エポキシ当量125g/eq)
・PG100:大阪ガス化学株式会社製、フルオレン系ジグリシジルエーテル(エポキシ当量214g/eq)
・EG250:大阪ガス化学株式会社製、フルオレン系ジグリシジルエーテル(エポキシ当量417g/eq)
・YX4000:三菱化学株式会社製、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量177g/eq)
・YL7410:三菱化学株式会社製、ゴム変性エポキシ樹脂(エポキシ当量219g/eq)
<フェノール性OH基を2個以上有するフェノール化合物(b)>
・BisA:ビスフェノールA:4、4’−(ジメチルメチレン)ジフェノール
・BisF:ビスフェノールF:4、4’−メチレンジフェノール
・ビフェノール:2、2’−ビフェノール
・BS−PN:小西化学工業株式会社製、ビスフェノールS:4、4’−スルホニルジフェノール
・TDP:住友精化株式会社製、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド
・HMPS:住友精化株式会社製、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド
・CP001:大阪ガス化学株式会社製、フルオレン系ビスフェノール化合物
<多塩基酸無水物(d)、(g)>
・SA:新日本理化株式会社製、無水コハク酸
・TH:新日本理化株式会社製、テトラヒドロ無水フタル酸
<エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)>
・GMA:グリシジルメタクリレート
・4HBAGE:4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル
・OXMA:オキセタニルメタクリレート
<その他>
・TPP:トリフェニルホスフィン
・DMBA:N,N−ジメチルベンジルアミン
[製造例37]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、滴下漏斗を設置し、フラスコにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート400部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら90℃に昇温した。
別容器にメタクリル酸15部、メタクリル酸メチル30部、メタクリル酸ブチル30部、ベンジルメタクリレート25部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル20部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート100部を仕込み、攪拌して均一に溶解した。このモノマー溶液を、フラスコに設置した滴下漏斗に仕込み、フラスコを窒素雰囲気下、90℃で攪拌しながら、滴下漏斗のモノマー溶液を2時間かけてフラスコに滴下した。滴下終了後も90℃のまま攪拌を続け、滴下終了から2時間後、アゾビスイソブチロニトリル0.5部をフラスコに投入した。1時間後、再びアゾビスイソブチロニトリル0.5部をフラスコに投入し、更に2時間攪拌を継続した。その後、フラスコを冷却して反応を停止した。少量サンプリングを行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量が18700、分子量分布2.58、樹脂固形分の酸価98mgKOH/gのカルボキシル基含有アクリルプレポリマーを得た。
次に、このフラスコに窒素導入管からの窒素を停止し、乾燥空気の導入に切り替え、攪拌しながらグリシジルメタクリレート111部、ジメチルベンジルアミン6部、更に重合禁止剤としてヒドロキノン0.3部を投入し、90℃で8時間反応させた。反応終了後、少量サンプリングを行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量が19900、分子量分布2.72、実測による樹脂固形分の酸価5mgKOH/gのヒドロキシル基含有アクリルプレポリマーを得た。
次に、このフラスコに無水コハク酸63部を投入し、乾燥空気雰囲気下、90℃で攪拌しながら6時間反応させた。FT−IR測定にて酸無水物基の吸収が消失しているのを確認後、室温まで冷却し、主骨格がアクリル樹脂であるカルボキシル基含有感光性樹脂を得た。
次いでこの溶液にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて、固形分が50.0%になるように調整した。本設計による樹脂固形分のエチレン性不飽和基当量は863g/eqであり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は22000、分子量分布2.81、樹脂固形分の酸価は70mgKOH/g、であった。
[製造例38]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、エポキシ当量650、軟化点81.1℃、溶融粘度(150℃)12.5ポイズのビスフェノールA型エポキシ樹脂371部、エピクロルヒドリン925部、ジメチルスルホキシド463部を投入し、均一に溶解させた後、攪拌下70℃で98.5%水酸化ナトリウム水溶液52.8部を100分かけて添加した。添加後、更に70℃で3時間反応を行った。
次いで、過剰の未反応エピクロルヒドリン及びジメチルスルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート750部に溶解させ、更に30%水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行った。
油水分離後、油層よりジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを蒸留回収して、エポキシ当量287、加水分解性塩素含有量0.07%、軟化点64.2℃、溶融粘度(150℃)7.1ポイズのエポキシ樹脂340部を得た。
このエポキシ樹脂287部を、別の撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに投入し、更にアクリル酸72部、メチルハイドロキノン0.3部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート194部を仕込み、90℃に加熱、攪拌し、原料を溶解した。
次いで、原料溶液を60℃に冷却し、トリフェニルホスフィン1.7部を仕込み、酸素存在下、100℃で約32時間反応し、酸価1mgKOH/gの反応物を得た。
次に、これに無水コハク酸78部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート42部を仕込み、95℃で約6時間反応し、主骨格がビスフェノールAであり、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する感光性樹脂を得た。
次いでこの溶液にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて、固形分が50.0%になるように調整した。樹脂固形分のエチレン性不飽和基当量は450eq/gであり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は7400、分子量分布2.23、実測による樹脂固形分の酸価は100mgKOH/gであった。
[製造例39]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、エポキシ当量が218g/eqのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製:YDCN−702、エポキシ当量203g/eq)330部を入れ、90〜100℃で加熱溶融し、攪拌した。次にアクリル酸120部、ハイドロキノン0.6部、ジメチルベンジルアミン5部を加え、酸素存在下、攪拌しながら115℃に昇温して12時間反応させた。
次に、このフラスコにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート400部を投入し、70℃に加温して溶解させた。次に、無水コハク酸を81部投入し、95℃に昇温し、8時間攪拌・反応させた。FT−IR測定にて酸無水物基の吸収が消失しているのを確認後、室温まで冷却し、主骨格がクレゾールノボラック骨格であり、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する感光性樹脂を得た。
次いでこの溶液にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて、固形分が50.0%になるように調整した。樹脂固形分のエチレン性不飽和基当量は319g/eqであり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は11000、分子量分布2.90、実測による樹脂固形分の酸価は85mgKOH/gであった。
[製造例40]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、PTG850(保土ヶ谷化学株式会社製:ポリテトラメチレングリコール、水酸基価=129mgKOH/g)212部、エチレングリコール75部、無水ピロメリット酸(ダイセル化学工業株式会社製)159部、ジメチルベンジルアミン2部、溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート375部を仕込み、窒素気流下、攪拌しながら100℃で10時間攪拌し、ハーフエステル化の反応を行った。続いてこのフラスコに、イソホロンジイソシアネート54部を投入し、90℃で8時間攪拌し、ウレタン化の反応を行った。反応終了後、少量サンプリングを行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量が15200、分子量分布2.87、樹脂固形分の酸価170mgKOH/gのカルボキシル基を側鎖に有するポリエステルポリウレタンプレポリマーを得た。
次に、このフラスコに窒素導入管からの窒素を停止し、乾燥空気の導入に切り替え、攪拌しながらグリシジルメタクリレート110部、ジメチルベンジルアミン6部、更に重合禁止剤としてヒドロキノン0.3部を投入し、90℃のまま8時間反応させた。冷却後、少量サンプリングを行い、主骨格がポリエステルポリウレタンであり、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する感光性ウレタン樹脂を得た。
次いでこの溶液にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて、固形分が50.0%になるように調整した。樹脂固形分のエチレン性不飽和基当量は896g/eqであり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が18800、分子量分布3.12、実測による樹脂固形分の酸価72mgKOH/gであった。
[製造例41]
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、PTG850(保土ヶ谷化学株式会社製:ポリテトラメチレングリコール、水酸基価=129mgKOH/g)218部、エチレングリコール47部、無水ピロメリット酸(ダイセル化学工業株式会社製)125部、ジメチルベンジルアミン2部、溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート375部を仕込み、窒素気流下、攪拌しながら100℃で10時間攪拌し、ハーフエステル化の反応を行った。続いてこのフラスコに、イソホロンジイソシアネート111部を投入し、90℃で8時間攪拌し、ウレタン化の反応を行った。反応終了後、少量サンプリングを行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量が17000、分子量分布2.60、実測による樹脂固形分の酸価110mgKOH/gのカルボキシル基を側鎖に有するポリエステルポリウレタンプレポリマーを得た。
次に、このフラスコに窒素導入管からの窒素を停止し、乾燥空気の導入に切り替え、攪拌しながらグリシジルメタクリレート131部、ジメチルベンジルアミン6部、更に重合禁止剤としてヒドロキノン0.3部を投入し、90℃のまま8時間反応させた。反応終了後、少量サンプリングを行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量が19200、分子量分布3.00、樹脂固形分の酸価4mgKOH/gのヒドロキシル基を側鎖に有するポリエステルポリウレタンプレポリマーを得た。
次に、このフラスコに無水コハク酸74部を投入し、乾燥空気雰囲気下、90℃のまま更に6時間反応させた。FT−IR測定にて酸無水物基の吸収が消失しているのを確認後、室温まで冷却し、主骨格がポリエステルポリウレタン樹脂であり、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する感光性ウレタン樹脂を得た。
次いでこの溶液にジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて、固形分が50.0%になるように調整した。樹脂固形分のエチレン性不飽和基当量は765g/eqであり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は21400、分子量分布3.20、実測による樹脂固形分の酸価は67mgKOH/gであった。
[実施例1〜32、83〜86]、[比較例1〜5]<感光性導電性インキの調製>
製造例1〜36、製造例37〜41によりそれぞれ得られた感光性樹脂:8.5重量部を含む樹脂溶液17重量部と、導電性粒子として後述する銀粉A:87重量部、光重合開始剤として「TPO」(2,4,6−トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド)1.5重量部を溶解させた光重合開始剤のγブチロラクトン溶液5重量部と、モノマーAとして東亞合成株式会社製の「アロニックスM400」とをディスパーにて混合後、3本ロールにより分散し、感光性導電性インキを調製した。
得られた感光性導電性インキの特性を下記の方法で測定した。結果を表3−1〜表3−5に示す。
[実施例33〜40]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いた銀粉A:87重量部の代わりに、実施例33〜38では後述する銀粉B〜Gをそれぞれ87重量部用い、実施例39では銀粉A:82.6重量部と銀粉H:4.4重量部とを用い、実施例40では銀粉A:82.6重量部と銀粉I:4.4重量部とを用いた以外は実施例9と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−6に示す。
[実施例41〜47]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いた光重合開始剤「TPO」1.5重量部の代わりに、実施例41〜45では後述する光重合開始剤B〜Fをそれぞれ1.5重量部用い、実施例46では開始剤B:1.2重量部と開始剤G:0.3重量部とを用い、実施例47では開始剤B:1.2重量部と開始剤H:0.3重量部とを用いた以外は実施例9と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−7に示す。
[実施例48〜51]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いたモノマーA:3重量部の代わりに、実施例48〜51では後述するモノマーB〜Eをそれぞれ3重量部用いた以外は実施例9と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−8に示す。
[実施例52〜53]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いた感光性樹脂(A−2−1)を7.5重量部(樹脂溶液としては15重量部)とし、後述するエポキシ樹脂A、Bをそれぞれ1重量部、およびジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを1重量部加えた以外は、実施例9と同様にして同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−9に示す。
[実施例54〜55]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いた感光性樹脂(A−2−1)を7.5重量部(樹脂溶液としては15重量部)とし、後述するブロックイソシアネートネートA、Bをそれぞれ1重量部、およびジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを1重量部加えた以外は、実施例9と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−9に示す。
[実施例56〜59]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いた感光性樹脂(A−2−1)を7.5重量部(樹脂溶液としては15重量部)とし、後述するプリミドA〜Dをそれぞれ1重量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを1重量部、およびメチルエチルケトンを1重量部加えた以外は、実施例9と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−9に示す。
[実施例60]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いた感光性樹脂(A−2−1)を7.5重量部(樹脂溶液としては15重量部)とし、γ-ブチロラクトンを用いずにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを6重量部、光重合開始剤を1.5重量部とした以外は、実施例9と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−10に示す。
[実施例61]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いた感光性樹脂(A−2−1)を7.5重量部(樹脂溶液としては15重量部)とし、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを1重量部、γ-ブチロラクトンを5重量部、光重合開始剤を1.5重量部とした以外は、実施例9と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−10に示す。
[実施例62]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いた感光性樹脂(A−2−1)を7.5重量部(樹脂溶液としては15重量部)とし、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを6重量部、光重合開始剤を1.5重量部とした以外は、実施例9と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−10に示す。
[実施例63〜65]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いた感光性樹脂(A−2−1)を8重量部(樹脂溶液としては16重量部)とし、後述するAlキレート、Tiキレート、Zrキレートをそれぞれ0.5重量部およびジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを0.5重量部加えた以外は、実施例9と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−11に示す。
[実施例66〜67]<感光性導電性インキの調製>
実施例9で用いた感光性樹脂(A−2−1)を8重量部(樹脂溶液としては16重量部)とし、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを0.5重量部、および後述する紫外線吸収剤(I)として無機系、染料系の紫外線吸収剤をそれぞれ0.5重量部
加えた以外は、実施例9と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−11に示す。
[実施例68〜82]<感光性導電性インキの調製>
製造例9で得た感光性樹脂(A−2−1)、製造例39で得た主骨格がクレゾールノボラック骨格であり、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有する感光性樹脂、銀粉A、開始剤A、モノマーAを用い、表3−12〜表3−13に示す処方に従って、実施例1と同様にして感光性導電性インキを得、同様に評価した。結果を表3−12〜表3−13に示す。
[比較例6〜8]<感光性導電性インキの調製>
表3−14に示すように感光性樹脂を全く用いなかったり(比較例6、8)、光重合開始剤を全く用いなかったり(比較例7)して感光性導電性インキを得、各実施例と同様に評価した。結果を表3−14に示す。

[導電性粒子(B)]
・銀粉A:球状銀粉(D50粒子径2.8μm、比表面積0.36m2/g)
・銀粉B:D球状銀粉(D50粒子径0.9μm、比表面積0.93m2/g)
・銀粉C:フレーク銀粉(D50粒子径0.4μm、比表面積1.90m2/g)
・銀粉D:フレーク銀粉(D50粒子径2.5μm、比表面積1.76m2/g)
・銀粉E:フレーク銀粉(D50粒子径4.2μm、比表面積0.41m2/g)
・銀粉F:フレーク銀粉(D50粒子径6.3μm、比表面積0.31m2/g)
・銀粉G:凝集銀粉(D50粒子径1.2μm、比表面積1.50m2/g)
・銀粉H:銀微粒子(日本ペイント株式会社製ファインスフェアSVE102、D50粒子径0.01μm)
・銀粉I:銀微粒子
セパラブル4口フラスコに冷却管、温度計、窒素ガス導入管、攪拌装置を取り付け、窒素雰囲気下、室温で攪拌しながらトルエン200部およびヘキサン酸銀22.3部を仕込み、0.5Mの溶液とした後に、分散剤としてジエチルアミノエタノール2.3部(金属1molに対し0.2mol倍)、オレイン酸2.8部(金属1molに対し0.1mol倍)を添加し溶解させた。その後、20%SUDH水溶液73.1部(金属1molに対しヒドラジド基2mol倍)を滴下すると液色が淡黄色から濃茶色に変化した。さらに反応を促進させるために40℃に昇温し、反応を進行させた。静置、分離した後、水相を取り出すことで過剰の還元剤や不純物を除去し、さらにトルエン層に数回蒸留水を加え、洗浄、分離を繰り返した後、乾燥させて銀微粒子を得た。銀微粒子の平均粒子径は0.005μmであった。
[光重合開始剤(C)]
・開始剤A:BASF社製 LUCIRIN TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド)
・開始剤B:BASF社製 IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)
・開始剤C:BASF社製 IRGACURE 379(2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
・開始剤D:BASF社製 IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸エステル)
・開始剤E:BASF社製 IRGACURE OXE01(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])
・開始剤F:BASF社製 IRGACURE OXE02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール-3-イル]−,1−(O−アセチルオキシム))
・開始剤G:カヤキュアーDETX−S(2,4−ジエチルチオキサンソン)
・開始剤H:保土ヶ谷工業社製EAB−F(4,4'−ビスジエチルアミノベンゾフェノン)
[エチレン性不飽和化合物(E)]
・モノマーA:東亞合成社製アロニックスM400(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物)
・モノマーB:日本化薬社製DPCA60(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物のカプロラクトン変性物)
・モノマーC:東亞合成社製アロニックスM313(イソシアヌル酸EO変性ジアクリレートとトリアクリレートとの混合物)
・モノマーD:東亞合成社製アロニックスM211B(ビスフェノールA EO変性ジアクリレート)
・モノマーE:東亞合成社製アロニックスM408(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)
[熱架橋性化合物(F)]
・エポキシA:三菱化学株式会社製1031s(多官能グリシジルエーテル型エポキシ化合物)
・エポキシB:三菱化学株式会社製828(ビスフェノールA型エポキシ化合物)
・ブロックイソシアA:住化バイエルウレタン株式会社製BL3175(HDIイソシアヌレート型ブロックイソシアネート)
・ブロックイソシアB:住化バイエルウレタン株式会社製BL4265SN(IPDIイソシアヌレート型ブロックイソシアネート)
<プリミドA:β−ヒドロキシアルキルアミド化合物>
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、水酸化カリウム10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にジメチルアジペート174部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて留去した。この液状の生成物447部に2−アクリルロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズAOI)141部、メトキノン0.3部の混合物を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後100℃で1時間攪拌した。1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃に冷却したのち、メチルエチルケトンを加え、NV=50%に調整し、光重合性官能基を含有するβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液(プリミドA)を取り出した。
<プリミドB:β−ヒドロキシアルキルアミド化合物>
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)アジパミド(エムスケミー社製Primid XL−552)320部を入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、トルエンと共沸させることで生成する水を取り除いた。還流したトルエンは反応容器に戻るようにした。十分に水を取り除いた後、トルエンをすべて除去し、1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃に冷却したのち、メチルエチルケトンを加え、NV=50%に調整し、光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液(プリミドB)を取り出した。
<プリミドC:β−ヒドロキシアルキルアミド化合物>
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、セバシン酸ジメチル256部、ジエタノールアミン234部、水酸化カリウム10部、トルエン300部を入れ、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、窒素を吹き込みながら加熱還流させ、共沸によって生成する水を除去した。4時間後、トルエンをすべて除去し、1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃に冷却したのち、メチルエチルケトンを加え、NV=50%に調整し、光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液(プリミドC)を取り出した。
<プリミドD:β−ヒドロキシアルキルアミド化合物>
攪拌機、温度計、滴下装置、ディーンスターク管、還流冷却器、ガス導入管を備えた反応容器に、ジエタノールアミン210部、ナトリウムメトキシド10部、を入れ、窒素を吹き込みながら100℃に加熱した。この中にセバシン酸ジメチル230部を滴下装置から4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器内を205mmHgに減圧しながら加熱し、生成するメタノールを取り除いた。容器中に生成したスラリー状の生成物を取り出して真空乾燥した。この生成物320部を再度反応容器に入れ、150℃に加熱攪拌して融解させた。この中に2−エチルヘキサン酸144部を滴下装置から1時間かけて滴下した。滴下後150℃で1時間攪拌したのち、トルエン100部を加え、ディーンスターク管にはトルエンを満たし、窒素を吹き込みながら加熱還流させ、共沸によって生成する水を除去した。4時間後、トルエンをすべて除去し、1H−NMR測定、IR測定を行って目的物が生成していることを確認した。50℃に冷却したのち、メチルエチルケトンを加え、NV=50%に調整し、光重合性官能基を含有しないβ−ヒドロキシアルキルアミド溶液(プリミドD)を取り出した。
[溶剤(G)]
EGDAc:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
BuCBAc:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
γ―BL:ガンマブチルラクトン
MEK:メチルエチルケトン
[金属キレート剤(H)]
・Alキレート:川研ファインケミカル株式会社製ALCH
・Tiキレート:マツモトファインケミカル株式会社製オルガチックスTC−100
・Zrキレート:マツモトファインケミカル株式会社製オルガチックスZC−540
[紫外線吸収剤(I)]
・無機系:石原産業株式会社製タイペークFT−2000
・染料系:住化ケムテックス社製Sumisorb200
[テストピース(1)の作成]
厚さ75μmのコロナ処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETという)に実施例1〜88、比較例1〜8の導電性インキを、15mm×30mmのパターン形状にスクリーン印刷を行った。その後、70℃で15分予備乾燥し、超高圧水銀ランプを用い、200(mJ/cm2)の紫外線を露光し、0.5%炭酸ナトリウム水溶液を用いスピン現像機にて、スピン現像機にて、スプレー圧0.2MPa、現像時間30秒にて現像した後、イオン交換水を圧力0.05MPa、15秒間スプレー洗浄した。最後に135℃オーブンにて30分乾燥させ、乾燥後の膜厚が8〜10μmになるようにテストピース(1)を作成した。
<表面抵抗値の測定>
上記テストピース(1)印刷物の表面抵抗値は、25℃、湿度50%環境下にて三菱化学社製ロレスタAPMCP−T400測定器を用い、測定した。
<体積抵抗率の算出>
上記方法で測定された表面抵抗値、および膜厚より、体積抵抗率を算出した。
体積抵抗率(Ω・cm)=(表面抵抗率:Ω/□)×(膜厚:cm)
上記テストピース(1)印刷物の膜厚は、仙台ニコン社製MH−15M型測定器を用いて測定した。
[テストピース(2)の作成]
ITO積層フィルム(日東電工社製、V270L−TEMP、75μm厚、エッチングによりITOが除去された部分と、ITOが残っている部分とを有する)に、実施例1〜88、比較例1〜8の感光性導電性インキを、テストピース(1)の作成工程と同様の印刷、予備乾燥、露光、現像、乾燥工程を行い、乾燥後の膜厚が8〜10μmになるようにテストピース(2)を作成した。評価方法および評価基準は下記の通りである。
<テープ密着試験>:JIS K5600に準拠して、テープ密着試験を実施した。
ITO残存部分、ITOエッチング部分それぞれの領域上の導電インキ層に、幅1mm間隔に10マスX10マスの計100マス目をカッターで入れ、ニチバン製セロハンテープ(25mm幅)を印刷面に貼り付け、急激に剥離し、残ったマス目の状態にて評価を行った。
○:剥離無し(密着性良好レベル)
△:マスの端がわずかに欠ける(密着性やや不良だが、実用上使用可能レベル)
×:1マス以上の剥離が観察される(密着性不良レベル)
[フォトリソ特性(感度)]
感光性導電性インキをスクリーン印刷によりガラス基板に塗工した後、70℃で15分の乾燥により乾燥膜厚8〜10μmの塗膜を作成し、膜厚を測定した。その後、超高圧水銀ランプを用い、L/S(ライン/スペース)=40μm/40μmのマスクパターンのフォトマスクを介して露光量(mJ/cm2)を変えて紫外線を照射した。0.5%炭酸ナトリウム水溶液を用い、スピン現像機にて、スプレー圧0.2MPa、現像時間30秒にて現像した後、イオン交換水を圧力0.05MPa、15秒間スプレーし、未露光部分を取り除いた。現像・水洗後の露光部分の膜厚を測定し、現像前の膜厚に対し95%以上の膜厚が得られる最小露光量(mJ/cm2)を感度とした。
[フォトリソ特性(現像速度)]
感光性導電性インキをスクリーン印刷によりガラス基板上に塗工した後、70℃で15分の乾燥により乾燥膜厚8〜10μmの塗膜を作成し、膜厚を測定した。0.5%炭酸ナトリウム水溶液を、前記乾燥塗膜にスプレーし、感光性導電性インキの乾燥塗膜が消失する時間を測定した。測定時間を測定膜厚で除し、単位膜厚当たりの時間(秒/μm)を現像速度とした。現像速度が50秒/μm以下であれば実用上問題のないレベルである。
[フォトリソ特性(解像度)]
感光性導電性インキをスクリーン印刷によりガラス基板上に塗工した後、70℃で15分の乾燥により乾燥膜厚8〜10μmの塗膜を作成し、膜厚を測定した。その後、超高圧水銀ランプを用い、L/S=20μm/20μm、30μm/30μm、40μm/40μmのマスクパターンのフォトマスクを介して露光量(mJ/cm2)を変えて紫外線を照射した。0.5%炭酸ナトリウム水溶液を用いスピン現像機にて、スプレー圧0.2MPa、現像時間30秒にて現像した後、イオン交換水を圧力0.05MPa、15秒間スプレー洗浄し、未露光部分を取り除いた。現像・水洗後の露光部分のそれぞれの幅のストライプパターンを目視で確認し、解像性を評価した。
◎:L/S=20/20μmのストライプパターンが形成できる。
○:L/S=30/30μmのストライプパターンが形成できる。
△:L/S=40/40μmのストライプパターンが形成できる。
×:L/S=40/40μmのストライプパターンが形成できない。
[抵抗値安定性評価]
透明導電性フィルムからなる可動電極基板とガラス電極基板からなる固定電極基板を両面テープによる両面粘着層で貼り合わせて、前述の図1及び図2に示す構成の抵抗膜式タッチスクリーンパネルを作製した。
図2の駆動電極、取り回し回路、接続電極を、実施例1〜88、比較例1〜8の導電性インキを用い、ITO透明電極膜部およびITOをエッチングにより除去した基材上にスクリーン印刷、予備乾燥、露光、現像、乾燥工程を順番に行い形成した。
次いで、上記駆動電極、取り回し回路上に、絶縁レジスト(トーヨーケム(株)社製、リオレジストNSP−11)をスクリーン印刷にて印刷し、120℃で30分乾燥させた。完成した上下の電極基板を両面テープにて貼り合わせ、抵抗膜式タッチスクリーンパネルを作製した。なお、取り出し回路末端部は端子A、Bとするために、絶縁レジスト層を設けなかった(図示省略)。
得られた抵抗膜式タッチスクリーンパネルについて、25℃、湿度50%環境下にて図2の端子Aと端子B間の端子間抵抗値を測定した。次いで、85℃、85%の環境下で120時間保存した後の端子間抵抗値を25℃、湿度50%環境下にて測定し、環境保存試験後の端子間抵抗値の上昇率にて下記の基準で評価した。結果を表1、2に示す。なお、端子間抵抗値は、三和電気計器製PC500型テスターを用い、測定した。
○:環境保存試験後の端子間抵抗値の上昇率が10%未満
△:環境保存試験後の端子間抵抗値の上昇率が10以上20%未満
×:環境保存試験後の端子間抵抗値の上昇率が20%以上
環境保存試験後の端子間抵抗値の上昇率が20%以下は、標準仕様のタッチスクリーンパネルでは実用上問題のないレベルである。
<評価結果>
実施例1〜88及び比較例1〜8の評価結果を表3−1〜表3−14に示す。
なお、製造例9、10、18、19によりそれぞれ得られた感光性樹脂を用いた実施例83、84、85、86は参考例の意である。
評価結果より、従来技術(比較例1〜8)では、密着性、フォトリソ特性、耐湿熱後の抵抗値変化の各物性を併せ持つインキでは無い事が分かった。一方、本発明の樹脂組成物(実施例1〜88)は、密着性、フォトリソ特性、耐湿熱後の抵抗値変化の各物性がいずれもバランスよく優れている事が分かった。
1:下部基板
2:上部基板
3:導電性インキパターン層
4:絶縁層
5:粘着材(貼り合わせ)
6:下部基板の透明電極
7:上部基板の透明電極
8:ドットスペーサー
9,10:上部側駆動電極
11,12:上部側接続電極
13,14:下部側駆動電極
15,16:下部側接続電極
17:取り回し回路

Claims (11)

  1. 感光性樹脂(A)、導電性粒子(B)および光重合開始剤(C)を含む感光性導電性インキであって、
    前記感光性樹脂(A)が、
    ビスフェノール型エポキシ樹脂とポリエチレングリコールジグリシジルエーテルとを併用してなる1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物(b)とを反応させて側鎖にヒドロキシル基を有する樹脂(c)を生成し、
    前記側鎖にヒドロキシルを有する樹脂(c)中のヒドロキシル基の少なくとも一部と多塩基酸無水物(d)とを反応させて側鎖にカルボキシル基を有する樹脂(e)を生成し、
    前記側鎖にカルボキシル基を有する樹脂(e)中のカルボキシル基の一部と、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)中のエポキシ基もしくはオキセタン基とを反応させてなる、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂(A−1)である、
    ことを特徴とする感光性導電性インキ。
  2. 感光性樹脂(A)、導電性粒子(B)および光重合開始剤(C)を含む感光性導電性インキであって、
    前記感光性樹脂(A)が、
    ビスフェノール型エポキシ樹脂とポリエチレングリコールジグリシジルエーテルとを併用してなる1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物(b)とを反応させて側鎖にヒドロキシル基を有する樹脂(c)を生成し、
    前記側鎖にヒドロキシル基を有する樹脂(c)中のヒドロキシル基の少なくとも一部と多塩基酸無水物(d)とを反応させて側鎖にカルボキシル基を有する樹脂(e)を生成し、
    前記側鎖にカルボキシル基を有する樹脂(e)中のカルボキシル基の少なくとも一部と、と、エポキシ基もしくはオキセタン基とエチレン性不飽和基とを有する化合物(f)中のエポキシ基もしくはオキセタン基とを反応させて側鎖にヒドロキシル基とエチレン性不飽和基とを有する樹脂(AA−1)を生成し、
    さらに、前記側鎖にヒドロキシル基とエチレン性不飽和基とを有する樹脂(AA−1)中のヒドロキシル基の少なくとも一部と、多塩基酸無水物(g)中の酸無水物基とを反応
    させてなる側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基とを有する感光性樹脂(A−2)である、
    ことを特徴とする感光性導電性インキ。
  3. 感光性樹脂(A)の酸価が、10〜200mgKOH/gである請求項1または2記載の感光性導電性インキ。
  4. 感光性樹脂(A)のエチレン性不飽和基当量が、200〜5000g/eqである請求項1〜3いずれか記載の感光性導電性インキ。
  5. 感光性樹脂(A)の重量平均分子量が、1000〜100000である請求項1〜4いずれか記載の感光性導電性インキ。
  6. 請求項1〜いずれか記載の感光性導電性インキを硬化してなる硬化物。
  7. 基材と、前記基材上に形成された導電パターンと、を具備し、前記導電パターンが、請求項1〜いずれか1項に記載の導電性インキにより形成されている導電パターン付き積層体。
  8. 前記導電パターンを被覆するように積層された絶縁層をさらに具備する、請求項記載の導電パターン付き積層体。
  9. 前記導電パターンの下層側で、前記導電パターンと電気的に接続された所定のパターンを有する他の導電膜が、前記基材上にさらに形成されている、請求項7又は8に記載の導電パターン付き積層体。
  10. 前記他の導電膜が、錫がドープされた酸化インジウムを主成分とする透明導電膜である、請求項記載の導電パターン付き積層体。
  11. タッチスクリーンパネル用途に用いられる、請求項7〜10のいずれか1項に記載の導電パターン付き積層体。
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